経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会産学連携推進小委員会(第11回)‐議事要旨

日時:平成21年4月9日(木)14時~16時30分
場所:経済産業省本館17階西7第1特別会議室

出席者

中村委員長、有賀委員、有信委員、池上委員、請川委員、笠木委員、川口委員、久村委員、河野委員、佐竹委員、宝田委員、土井委員、布村委員、原山委員、平田委員、府川委員、前田委員、牧野委員、三木委員、村上委員

議事概要

資料3について、事務局より説明。その後の委員からの主な意見は次の通り。

産と学をつなぐ「機能」と「場」について

  • 産と学で研究開発の進め方に違いがあるのではないか。お互いに違いを理解し合ってその先どうするか、事例を含めたテキストのようなものが必要ではないか。
  • 大学はシーズドリブン、産業界はニーズドリブン。これらは意外に進んでいる。結果がいいかどうかはもう少し時間をかけてみていく必要がある。もう一つ重要な研究のスタイルはビジョンドリブン。社会の課題を掘り下げて、それに向けて産学官が議論を継続していく必要があるのでは。ビジョン自身を継続的に変化させていくことも必要ではないか。エネルギー、医療、交通システムについてどのような形があるのか、日本の姿、世界を含めてビジョンを考えていく必要がある。2年ほど前にイノベーション25というのがあったが、その後、ほとんどフォローアップがなかった。きちんと続けていくべきである。いずれにしてもビジョンを描いて、それを継続的に見直していく、それに向けて産学連携を大きく展開していくスキームを構築していくことが必要。
  • 場の形成は非常に重要。資料3の6ページにあるようなハードを建設すると維持しなければいけなくなる。維持することに意識がいってしまうという逆転現象が生じる。産学連携の音頭を取る人が必要。そういう人が出てきてある程度産学連携が進んだ時に場所が欲しくなる。その時に場の形成を支援して欲しい。
  • 指揮者やコーディネータは必要。こういう人は結構いるが単なるサポーターで当事者ではない。最後まで残ってやってくれる人は研究者そのもの。ただし、研究者も研究者として能力の高い人でないとできない。さらに研究者としての能力の高さだけでは足りない。産学連携をマネジメントできる人が必要。そういう次の世代を育てなければいけないというのが大学のミッションであり、産業界のミッションである。
  • 大学の人事については、教員と職員しかない。第三の職種が必要。何年も前から議論している。
  • 経団連で技術プラットフォームという主張をしている。将来の日本にとって必要な技術について検討するところ。この議論の場がソフトの部分にあたる。日本の将来にとって必要な技術について具体的に選ばれた技術を具体的に実行する段階になるとハードの面になる。こういう仕組み作りが必要。難しいと思うのは、国レベルでは既に仕組みが存在する。その仕組みとの調整をどうするのか課題となる。
  • 産学連携の場はいろんなケースがあるので一概には言えないと思う。大学側では工学部は熱心に産学官連携を行っている。産学官連携にとってコーディネータは重要であるが、大学ではこのような人は高い評価を得られていない。コーディネータを育てるには評価する仕組みを作っておく必要がある。
  • スーパーコーディネータのような存在は大学の中でも必要とされている。大学の産学連携のトップは研究関係の人がほとんど、経営的なセンスを持った人が配置されていない。人材を総合的にマネジメントする経営センスを持った人を配置する必要があるのではと考えている。個々のコーディネータは活躍しているが、それが広がらないというのが産学連携の問題点ではないか。大学の産学連携では副学長がトップの場合が多い。多忙な副学長が全体をマネジメントするのは不可能。時間も経験もない。地域と連携してやっていくというのも難しい。特に地方ではマネジャーの配置を含め、組織の機能強化、拠点間の連携の推進によってイノベーションの場を構築するような仕組みがこれからは必要。
  • 研究コーディネータのような人材は育ってきている。しかし、全体のマネジメントをする人は育っていない。
  • 若手の人材育成が重要。しかし、若手の雇用の安定化が図られていない。多くの大学は企業OBで知財本部を運営している。OBも必要であるが、若い人を育てることも必要。一生懸命育てても雇用が安定化しないと優れた人材は企業に行ってしまう。雇用面を考えていかないと若い人を育てることは長期的には難しい。
  • 立命館では企業に提案していく案件は伸びてきている。職員のがんばりもあるが、総合的なマネジャーの存在が大きい。研究者であり企業での就業の経験がある人を教授として招いている。特命教授として権限を与えている。フルタイムで雇わないとこのような人は来てくれない。
  • 企業から来ているからと言って必ずしも役に立つとは限らない。教授という名称はふさわしくない役職ではないか。中間職というのを考えている。パーマネントで来てもらうにはそういった職種を作る必要がある。また、こういう人の教育をどうするか仕組みが見当たらない。
  • 北大でもリーダーを育成しようとする取組がある。リーダーが必要であるならば、教育するプログラムの整備が必要。仕事をさせながら育てていくことをやらないといけない。あまり若い人だけでなくある程度経験のある人も対象とするべきではないか。
  • 人材養成の場として知的財産本部はいいところだと思う。企業の気持ち、大学の気持ち両方がわかるので知財本部が充実していれば人材養成の場となると思う。
  • 大学では基礎研究というと科研費だと思う。科研費の成果が産業界の人間はほとんど見えていない。特に小企業、中企業の人たちにはほとんどわからない。大型のプロジェクトはWEB等でわかるが、専門家にしかわからないようなレポートしかない。これでは普通の人はわからない。もう少し一般の人にもわかりやすい言葉で表現し、WEB上で簡単に検索できるようなサイトの存在が必要。
  • 大きなプロジェクトは事務処理等、先生にとって負担が多い。プロジェクトを支援するプロの存在が必要。国でそういう人材をプールしておくことが必要。
  • 点から面へさらに立体的な連携構造が大切ではないか。
  • 高専は地域との連携を重視している。地域との人間的な人事交流が上手く機能している。トップレベルの産学連携も必要だが、ベースとなるものづくりのような連携にも視点を置く必要がある。

広がりと奥行きのある産学官連携へ

  • 共同研究を長く続けていると連携のやり方に広がりが出てくる。大学と企業の信頼感が重要。レベルの高い研究者を派遣するなど誠実に対応している。
  • 大学の先生は一つのテーマをずっと研究している。大学の先生は海外につてをお持ちなので国際標準化をやってほしい。
  • 大学の先生は国際標準化に関心がないようだ。海外の研究者を味方につけることができればもっと国際的に主張できる。
  • 国内の規制が国際標準化のネックになっているのではないか。
  • 大学は自分たちの強みを知る必要がある。何ができるが自ら考えなければならない。その時にいろんな課題が存在する。課題を解決するためには工学系の先生だけでは対応できない。人文系の先生の力が必要になる。頭ではわかっているが行動が伴わない。そのために学内に場を設ける必要がある。
  • 大学への期待がどんどん膨らんでいるが、大学に全ての解があるわけではない。個々の大学でできることも違ってくる。そこをもう一度考える必要がある。また、大学としてメリットは何かを考える必要がある。
  • MOTで経営学との連携がある。
  • イノベーションはリスクとかネガティブな面もある。言葉のマイナスインパクトもあるのでしっかり伝えていくには文系のセンスが必要。

グローバル化に対応した産学官連携

  • 学生の確保のためのグローバリゼーションなのか。
  • グローバル化という言葉は曖昧である。メニューをしっかり整理して議論する必要がある。大学の多国籍化ならジェトロはもっと留学生を獲得するような活動をするべきであるし、産学連携のグローバル化なら別の活動がある。
  • 中国では大学のグローバル化を戦略的に行っている。日本の企業からの研究資金はあまり増えていない。大学が戦略的にやっていないとは言わないがもっと戦略的にやっていく必要がある。ただし大学だけが純粋に頑張れば良いという問題でもないと思う。
  • 高等教育のグローバル化という観点から見ると、グローバル化のためには学生の準備が必要。大学のスタンスを決めて活動するべきである。グローバル化に特化するなら学生を選別したりすることも必要になってくる。国内に特化するというのもありうる。いずれにしても大学のスタンスをしっかり決めるべきである。
  • 海外と日本の研究レベルに差はない。手続き面での差が出ていると感じている。そこを埋める手だてが必要。
  • 企業は日本の大学に資金を提供するときは審査が厳しい。海外の大学に資金を提供するときは研究以外のファクターも期待している。資金提供の意図が違っている。
  • アフリカ地域に対する技術移転が欠けていると思う。住友化学の蚊帳の例のようなローテクの技術の移転のようなものでも良いので考えていく必要があるのではないか。

中小企業との産学官連携(地域における産学連携)

  • 大学の姿勢は待ちの姿勢である。大学は一歩踏み出して御用聞きをやるべきである。
  • モノづくりの80%が中小企業であるが、大学生は大企業に行きたがる。このことを国として考えなければならない。
  • 中小企業は技術レベルが高くないと生き残れない。群馬大学では最近中小企業との連携が上手くいくようになってきた。行政や商工会の支援のおかげであると思う。大学は敷居が高いと思われているので大学から外に出ていく必要がある。群馬大学ではドクターコースの60%位が社会人。こういった状況を伸ばしていくためにも国の支援が必要だと考えている。
  • 産学連携をやりたい中小企業は多いが、やり方がわからないところが多い。
  • 中小企業の欲しているものを一つの大学で全てを賄うことは難しい。バーチャルなホールディングスのようなものやTLOの連携等で支援していくことが必要。
  • 中小企業は難しいとあきらめてしまうのではなく、できるところから手をつけていく必要がある。
  • 特許にならないような小さな技術革新のようなもので中小企業との連携の事例がある。知財本部は特許にならないと手をつけにくいので、小さな技術革新を取り扱うような組織があればもっと中小企業との産学連携が進展するのではないか。

大学発ベンチャーの着実な活動支援-量的拡大から質的向上への転換-

  • 大学発ベンチャーは産学連携の一つとして重要。リスクの高い所を目指していく取り組みは必要。ベンチャーの成功確率はアメリカでも低い。ベンチャーがグローバルに到達していないことを謙虚に認めるべきである。技術等がグローバルに評価されていないからベンチャーが出てこないということを認めるべきである。
  • 日本ではVCやエンジェルは期待できない。企業がいかにライセンシング等でベンチャーの技術を利用してくれるかが重要。そのためには知財の堅牢性が必要。また、技術がモノになるかの成果を見極めるのか難しい。ポジティブなデータをしっかり出していけば企業も安心して利用できる。データの証明等に国の支援が必要。
  • 一つのベンチャーの成果で町全体が活性化する例もある。ベンチャーが成功するには収益モデルを立てると全体の計画が見えてくる。例えば社会で使ってもらえるデータの取り方等がわかってくる。そこで足りないものがわかってきた時にインキュベーション施設が指揮者となって支援していくことになる。しかしながら、大学にはいろいろな制約があるので人の手配が難しい面もある。
  • 大企業との連携はどんどん進めていくべきであるが、大企業はどうしてもオーナーシップの感覚で連携しようとしてくる。ベンチャー側はパートナーシップを望んでいるので、その齟齬が問題となって結局駄目になってしまうケースが存在する。
  • 経営ができないために良い技術を持っているのに駄目になっていくベンチャーや海外に安く買われてしまうベンチャーが存在する。そこを手当てする必要がある。
  • 産業革新機構が資金を手当てするだけでは結局開発資金に消えてしまう。技術をどう社会に役立てていくのかという意識がないと結局失敗してしまう。収益を上げるモデルの意識がないことが問題だと思う。
  • 大学発ベンチャーにも多様性があることを意識する必要がある。また何が成功か成功も多様性があることを意識して支援体制を構築していく必要がある。

以上
文責:事務局

お問合せ先

産業技術環境局 大学連携推進課
電話:03-3501-0075
FAX:03-3501-5953

 
 
最終更新日:2009年4月24日
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