経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会産学連携推進小委員会(第9回)‐議事録

日時:平成21年1月22日(木曜日)10時~12時
場所:経済産業省本館17階西7第1特別会議室

議事概要

  • 谷大学連携推進課長
    列車の事故等による遅れでご到着されておられない委員の方もおられますが、定刻となりましたので、ただいまから、産業構造審議会産業技術分科会第9回産学連携推進小委員会を開催させていただきます。
    初めに、前回ご欠席された委員の方のご紹介をさせていただきます。
  • 西脇大学連携推進課長補佐
    前回ご欠席された委員の方々をご紹介させていただきます。
    文部科学省宇宙開発委員会委員の池上徹彦委員でございます。
    立命館大学総長の川口清史委員でございます。
    三菱電機株式会社上席常務執行役の久間和生委員でございます。
    イノベーション・エンジン株式会社代表取締役社長の佐野睦典委員でございます。
    慶応義塾大学医学部教授の坪田一男委員でございます。
    新潟工科大学学長の布村成具委員でございます。
    東北大学大学院工学研究科教授の原山優子委員でございます。
    なお、本日、久村委員におかれましては、残念ながらご都合がつかずご欠席でございます。
  • 谷大学連携推進課長
    では、配付資料の確認をさせていただきます。
    お手元の配付資料一覧にございますとおり、資料1~資料5、及び参考資料1となっておりますので、ご確認をお願いいたします。
    不足等がございましたら、事務局までお申しつけください。
    それでは、この後の議事進行は中村委員長にお願いさせていただきます。
  • 中村委員長
    それでは、早速、本日の議題の「人材育成について」に入りたいと思います。まず、事務局のほうからご説明をお願いいたします。
  • 谷大学連携推進課長
    本日は、極めて多数の委員の方にご出席いただいておりますので、できるだけ皆様方のご審議のお時間をいただければと存じておりますので、事務局からの説明は簡潔に10分以内でさせていただければと思っております。
    それでは、資料3「第9回産学連携推進小委員会人材育成について」というタイトルが書かれました資料に基づきまして、ご説明させていただきます。
    前回の委員会におきましても、多くの委員の皆様方より産学連携によります人材育成の重要性をご指摘いただいておりますが、その後、世界経済の混迷度はますます深刻化いたしまして、我が国企業の急激な業績悪化や雇用問題等、実体経済にも大きな影響を敢えております。しかしながら、このようなときこそ、未来を切り開く人材育成の重要性はさらに高まっていると認識しております。
    それでは、まず、資料の2ページをごらんいただければと存じます。前回、皆様方よりご指摘いただきましたご意見を踏まえ、本日の論点を6つのポイントに整理させていただきました。
    第1に、イノベーションを担う人材創出システムにもっと「投資」が必要ではないか。特に研究開発人材のみではなく、欧米に比較し低水準でございます研究支援人材の拡充も必要ではないかという論点でございます。
    大学におきましても、優秀な研究者の方には競争的資金や共同研究も含め多くの業務が集中するわけでございますが、プロフェッショナルな支援人材の少ない我が国の現場では、研究者の方は、各種会合、資料作成、その他もろもろ雑用も含め負荷が集中し、結果として投下した研究資金も十分に活用できず、研究開発が非効率になっているのではないかという声が多く聞かれます。
    また、前回、村上先生からご指摘いただきましたように、せっかく高価な実験機器を地域で共有して活用しようとしても、高度なオペレーターの人材不足から利用に支障が生じ、結果として研究開発投資がむだになっているとの問題も指摘いただきました。
    第2の論点といたしましては、イノベーションを担う人材を創出できるよう、大学、高専、公設試、独法と産業界は、連携・協力を強化し、育成する人材像を明確にしつつ、複眼的・実践的カリキュラム開発や長期インターンシップの受け入れ等、具体的な人材育成に取り組んでいくべきではないかという点でございます。
    後ほど具体的な取り組み事例を紹介させていただきますが、大学、高専の卒業生の多くの方は産業界に就職するわけでございますので、産業界も教育は大学の役目というのではなく、当事者として産学連携による教育が有効ではないかと考えております。
    その際、博士課程を修了した方が、研究者、特にアカデミアポストにのみ価値観を置くのではなく、会社の経営者になられたり、高校の理科の教官、高度研究支援者として活躍し、さらにそれら経験を生かされまして、その後また研究職ポストに復帰する可能性も含めた複線的なキャリアパスを用意することが有効ではないかと考えております。
    3点目は、人材育成は、大学、高専といった高等教育のみではなく、もっと早期の時点、つまり3歳まで、さらには初等、中等教育からの対策が必要でございます。このため、初等、中等教育におけます理科離れ対策も含め、イノベーション人材の育成や将来の職業観養成に関しまして、産業界、教育界、政府が相互に協力いたしまして推進していく持続的な仕組みづくりが必要ではないかという論点でございます。
    4点目は、新卒者だけではなく、このように技術革新が進んでいる今日、社会人の再教育につきましても産学連携による人材育成が果たすべき役割があるのではないかという点でございます。
    5点目は、人口高齢化により就業人口が減少する中、女性、若手、シニア等の活用を図るべきではないかという点でございます。
    我が国の女性研究者比率は12%と、海外に比較し極度に低い実態がございます。これは働く環境が整備されていないという点が大きなわけでございますが、アファーマティブアクションも含め、対策を講じる必要があるのではないかということでございます。
    最後に、6点目でございますが、人材育成の問題は、特定の大学や団体が幾ら頑張っても、その全体の母集団を考えますと焼け石に水でございますので、成功事例を大きく展開するためにも、国全体の方針として、次期科学技術基本計画におきまして位置づけ、それに必要な財源確保、システム設計を図るべきではないかという点でございます。
    それでは、具体的に、資料に基づきまして説明させていただきますが、3ページをごらんいただければと思います。幾つかのデータと先進事例を紹介させていただきます。
    この3ページのグラフは、我が国の科学技術に関する各種資料をOECD諸国平均と比較したものでございます。時計の0時の方向の指標はGDPに占めるR&D国内総支出でございまして、これは我が国はOECD平均より高いのでございますが、反対に、時計の11時の方向に、総雇用に占めます科学技術人材の割合というのがありますけれど、これは平均より半分程度になっております。これは後ほど説明させていただきますが、研究支援人材を含めたサポーティング体制が我が国では弱いのではないかという推測でございます。
    次に、4ページでございます。現在、ポスドク問題が議論されている中で、そもそも博士課程の定員が多過ぎるとの指摘もございますが、また博士号の取得人口は欧米と比べてもかなり低い水準にあり、この点、複合的な議論が必要かと思われます。
    次に、5ページでございます。研究支援人材の海外比較でございます。
    左の棒グラフに示されておりますように、我が国の研究者1人に対する研究支援者の比率は、欧州各国の3分の1と、非常に低い数字となっております。ここで研究支援者の定義は、研究補助者、技能者及び研究事務に従事されておられる方でございますが、つまり、研究者3人に対し研究支援者は1人以下しかいないとの現状になっております。
    右の折れ線グラフは、我が国の研究支援者数を欧米諸国並みの水準に引き上げた場合の試算でございますが、そのギャップは現在40万人にも達しております。
    次に、6ページをごらんください。これから3つの取り組み事例を紹介させていただきます。
    まず、取り組み事例(1)は、東京大学科学システム工学専攻におけます博士課程教育改革プログラムでございます。ポイントといたしましては、大学と産業界が、産業界が求める人材像を議論しながら教育プログラムを実践しているケースでございますが、実際の手順といたしましては、企業から卒業生に対する評価を行っていただき、その結果をもとにフィードバックをし、教育内容を改善しております。
    左下のマトリックスにございますように、専門力と応用・開発力という2つの機軸を設けまして具体的な達成レベルを設定して、総合的にレベルアップを図る試みでございます。配置する人材像といたしましては、右下に図示されておりますように、専門力だけに特化した人物より、幅広い応用力も備えた、いわゆるπ字型人材が目標とされています。
    7ページは、北陸先端科学技術大学の大学院教育プランでございます。
    右側のポンチ絵のように、従来の一律な博士課程プログラムではなく、創造的な科学者を目指す学生と、研究をマネージできる専門家や、実践的な技術専門者といった、カテゴリーをそれぞれ分類して、そのために必要で最適な国内外の研究留学、長期インターンシップを含めた教育内容を目指しております。
    8ページでございますが、本年度第2次補正予算において実施予定の若手研究人材の正規就業支援事業でございます。本日は、後ほど、産業技術総合研究所の脇本理事、瀬戸副本部長から直接詳細にご説明をいただきますので、簡単にさせていただきますが、今後、この事業を正規就業を目指しておられる若手研究人材の方に多く知っていただくため、我々も広くPR活動を考えております。委員の皆様方の周辺にも研究人材が、今、正規就業を望んでおられる方がいらっしゃいましたら、本事業紹介のために説明会も開催させていただきたいと思っておりますので、ぜひご連絡いただけましたら幸いでございます。後ほど詳細に説明させていただきます。
    9ページ以降は、先ほどの論点のご紹介の重複になりますので、ポイントのみご紹介させていただきます。
    9ページ、今後の方向性(案)の下から2つ目についてでございますが、人材育成教育の取り組みが大学内で適切に評価されることが重要ではないかという点でございます。競争的資金が現在倍増しておりますので、多くの教官の方は研究のための手間が増加しており、ともすれば教育に対する配分がおろそかになっているとの実態も聞かれますが、研究と教育双方が適切に評価されることが求められております。
    1ページ飛ばしまして、11ページの下のコラムをごらんいただければと思います。11ページの下のコラムのように、教育面の業績評価を実施しておられる大学は増加傾向にはございますが、いまだ6割強の大学が導入されていないという実態でございます。
    次に、12ページをごらんください。この点も重複になりますので、ポイントのみ説明させていただきますが、今後の方向性(案)の下から2つ目についてでございます。
    教員の方の意識改革を図りながら、従来の1つの研究室における研究指導にとどまることなく、横断的なコースワークによる複眼的かつ幅広い視野を有する人材教育が必要ではないかという点でございますが、本日は、後ほど早稲田大学の西嶋先生より、ポスドクの就業支援に向けた早稲田大学の先進的な取り組み事例をご紹介いただきますが、なおかつ、個別研究室の教官の方の協力や理解が得られないとなかなかうまく進まないという現実も伺っております。つまり、博士課程在籍の方が研究室の特定研究テーマのために非常に多くの時間が割かれるために、社会人として求められる知財・国際標準など、研究マネジメントも含めました幅広いコースワークが準備できない実態があるとも伺っております。
    13ページ以降は、初等、中等教育に関する理科離れの実態ですが、前回の委員会でも報告させていただきましたので、省略させていただきまして、ポイントのみご説明させていただきます。
    1ページ飛ばさせていただきまして、15ページをごらんください。当省におきましても、地域において具体的な取り組みを産業界の方の協力を得ながら職業観の醸成のためのモデル事業を実施中でございますが、次の16ページに、今後の方向性(案)を列挙させていただいておりますけれど、群馬大学の工学クラブのような地域全体をカバーした取り組みが有効かと存じております。この際、地域の教育委員会がみずからの問題として本件に積極的に活動してもらうことが非常に重要と感じております。
    以上、簡単ではございますが、事務局からのご説明でございます。
  • 中村委員長
    ありがとうございました。
    本日は、人材育成に関しまして2名の方よりプレゼンテーションを準備しております。
    最初に、産業技術総合研究所の脇本理事と瀬戸副本部長より、産総研イノベーションセンター等の活動状況等につきましてプレゼンテーションをお願いしております。引き続きまして、2番目に、早稲田大学博士キャリアセンターの西嶋事務局長より、このセンターの活動状況等についてプレゼンテーションをお願いいたしたいと思います。
    それでは、まず、脇本理事、瀬戸副本部長よりお願いいたします。
  • 脇本産業技術総合研究所理事
    産業技術総合研究所の理事の脇本でございます。それでは、座ってご説明させていただきたいと思います。
    お手元の資料4「産総研における若手研究人材の育成」ということでございますが、実は産総研におきましては、昨年7月に産総研イノベーションスクールという名称で、特に産総研には500名のポスドクの方がいらっしゃるわけでございますが、ポスドクの方の研究だけではなくて、研究と社会とのかかわりという点で視野を広めていただくということで、企業と連携しながら再教育のプログラムをつくっております。
    また、それとは別途、平成17年度から、テクニシャンを育成するということで、専門技術育成事業というものを3年間ぐらい実施しておるわけでございますが、来年度からは、これらの事業を統合いたしまして、拡充いたしまして、若手研究人材の正規就業支援事業ということで拡充してまいりたいと思っている次第でございます。
    本件につきましては、こういった実務の実質的な責任者でございます瀬戸副本部長のほうから、資料に沿いましてご説明をしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  • 瀬戸産業技術総合研究所企画副本部長
    産業技術総合研究所の瀬戸でございます。それでは、具体的なご説明をさせていただきます。
    資料の1ページをごらんください。きょうご説明させていただきますのは、産総研における若手研究人材育成の背景と、今、産総研において重点的に取り組んでおります、今、脇本からご説明のありましたイノベーションスクール、専門技術者育成事業、さらに今後取り組みます若手研究人材の正規就業支援事業への取り組みについてご説明をさせていただきます。
    2ページをごらんください。産総研における若手研究人材育成に対する問題意識ですが、これは既に皆様方ご承知のことでありますが、ここに書きましたような背景、現状認識に基づきまして、産総研法の改正や、また、産総研としましては第2期中期計画の変更も行ってきたところでございます。
    3ページをごらんください。具体的な産業技術総合研究所の第2期中期計画の変更として、3ページで下線を引かせていただいておりますが、「非公務員型の独立行政法人としてのメリットを最大限活かし、人材交流も含めた産業界との連携の下、産業界で即戦力となる高度な実用化研究のスキルを持った人材を供給する」という中期計画の変更を行ったところでございます。
    4ページをごらんください。産総研がこれまで育成対象としてきました若手研究者の種類と規模とを示してございます。
    任期付研究員としましては376名おりまして、これは正規職員として採用する研究者でございます。そのほか、契約ベースで採用しております特別研究員とテクニカルスタッフの2種類がございまして、こちらは単年度の契約ベースで行っているもので、特別研究員というのは産総研の中ではポスドクと呼んでおります。この特別研究員が後ほどご説明しますイノベーションスクールの育成対象になっているということでございます。
    5ページをごらんいただきたいと思います。これまで若手研究人材育成に向けていろいろな取り組みを行ってきております。その一覧をここでは示しております。
    続いて、6ページでございます。産総研における人材育成に関する最近の重点的な取り組みといたしまして、2つの取り組みをご紹介させていただきます。
    1つは、産総研イノベーションスクールということで、これは博士号を取得した若手研究者を対象に、産業界に貢献するポスドクの養成を行うという取り組みでございます。
    2つ目が、専門技術者育成事業ということで、主に学士、修士卒の技術者を対象に、研究現場で必要とされる分析技術や解析技術等の支援技術レベルの向上と、そういった研究支援技術者の育成を目指した事業でございます。
    7ページでございます。産総研イノベーションスクールのご説明に入りたいと思いますが、これは平成20年7月に開校いたしまして、今年度からスタートした事業でございます。
    8ページでございます。産総研イノベーションスクールの研修内容を示してございますが、必修項目と選択項目の2つに分けてございまして、特に必修項目の中の産総研内の研究現場でのOJTと、2つ目は産総研によります多様な分野での研究実践例に基づく研究ユニット長等による講義、3つ目としまして、企業でのOJT、これは数カ月から半年間でのOJTを想定しておりますが、この3つがこのイノベーションスクールの大きな柱でございます。
    これに加えて、選択項目としまして、基礎的な項目を知識としまして、知的財産や産学連携に関する基礎知識、専門知識、さらに研究倫理等に関する教育も行い、かつ、意識改革が非常に重要という認識のもとに、キャリアカウンセリングも含めた内容になっております。
    9ページでございます。このイノベーションスクールの取り組みの中で非常に重要な点としましては、企業との協働的な取り組みとして行っておりますOJTでございまして、これは連携パートナー企業と書きましたが、スタート時には約20社の企業の方々にご説明をし、ご協力、ご理解をいただいた上でスタートしております。
    OJTを始める前段では、産総研で育成した候補者になる若手研究者と企業との間でマッチングを十分行いました上で、このOJTをスタートしております。現在、スクール研修生としては10名という非常に小規模なところでスタートしておりますが、このうち8名が、右に書きましたような、繊維メーカーや薬品メーカーにOJTとして派遣されて、現在、訓練を積んでいる状況でございます。
    10ページでございます。この産総研イノベーションスクールの中の講義でございますが、産総研内の研究部門長や研究センター長といったユニット長の講義に加えて、企業や県等からお招きした講師らによる講義を実施しております。ここでの講義例としてこのページに幾つか示してございますが、この講義は、単に専門的な知識を講義するというよりは、研究実施の心構えとか、企業のニーズのあり方とか、研究組織論といった、その講師がおもちの研究開発論のようなところをお話ししていただいて、この講義風景にありますようなゼミ形式でインテンシブな議論を行いつつ講義を進めているという形でやっております。
    11ページでございます。イノベーションスクールの研修生の声として、まだ途中でございますが、講義に対しては比較的良好な声をいただいておりまして、OJTについては、研修生と企業とのマッチングの問題も幾つかあって、これはまだまだ改善しなければいけない点ではございますが、おおむね良好な反応をいただいているところでございます。
    続いて、12ページ、専門技術者育成事業に移らせていただきます。これは平成17年度より事業を開始いたしております。
    13ページでございます。ここに専門技術者育成事業の概要を示してございますが、先ほど申し上げましたように、研究開発で必要となる分析技術、解析技術等にかかわる高度な専門技術を修得した人材の育成を目的とした事業でございます。
    育成対象者としては、主に学士、修士卒を対象といたしておりまして、内容としましては、産総研の研究開発現場でのOJTが中心でございます。これに安全管理や知財等の研修を行うとともに、資格取得の奨励を行う意味で、いろいろな外部研を使った講習も受けるように奨励をして進めておりまして、期間としては原則3年を目指して、3年間でやっております。修了後は、企業、大学、独法等への就職を目指すというところを目標に進めているところでございます。
    14ページでございます。現在、この事業で育成中の技術者の専門分野と年齢分布を示したものですが、これは実績ベースで19年度のデータでございます。全体として、ライフサイエンス分野の方々が多いのですが、年齢分布としては20代後半から30代前半で、特に20代後半の女性がほぼ3分の1を占めているという状況です。
    15ページでございます。専門技術者育成の技術テーマ例を生命科学分野から環境エネルギー分野まで示してございますが、産総研は非常に多様な研究分野をもってございますので、この育成テーマ例も多岐にわたっておりまして、この中で、解析、分析、顕微鏡観察、また、プログラミングまで含めて、技術を磨いていただいているという状況でございます。
    16ページは、研修のスケジュールの例ですが、これが1年間のスケジュールのイメージだと思ってみていただければと思いますけれど、実際のOJTに加えて、各種研修や講習を実施いたしております。
    17ページですが、専門技術者育成事業の実績でございます。17~20年度のまだ途中の部分がございますけれど、これまで163件の育成を行ってきておりまして、資格取得としては206件、さらに育成修了者は90名おりますが、正規職員として、大学、独法、民間企業を含めて26名の方が採用されております。また、非常勤職員としての雇用は45名で、この中には大学・独法が42名、民間企業が3名です。その他、ベンチャーを起業した方等々として19名がおります。
    最後に、若手研究人材の正規就業支援事業への取り組みということで、18ページをごらんいただきたいと思います。今ご説明をしたイノベーションスクールと専門技術者育成事業の2つの事業を今後さらに拡大強化するという計画でございまして、19ページでございますが、平成20年度第2次補正予算によってこの2つの事業は、例えばイノベーションスクールについては事業を拡大する方向で進めていきたいと思っております。また、専門技術者育成事業については、事業を拡大するとともに、1年間で短期集中的な育成を図るプログラムのもとで実施をしていく予定でございます。
    20ページですが、事業の概要を示させていただいております。イノベーションスクールとしては、採用予定人数として60名程度、また、雇用条件はここに示したような額を予定しておりまして、そのほか、育成費、育成にかかわる実費等も予算として見込んでございます。
    また、専門技術者短期育成事業については、採用予定人数として130名を予定しております。雇用条件、育成費、実費等はここに示したとおりでございます。
    21ページですが、全体のスキームとしては、産総研のこのイノベーションスクールと専門技術者短期育成事業の中に、若手研究者、技術者、技能者を直接的に雇用いたしまして、産総研でのOJTを中心とした研修を含めて、さらにこれに企業等々でのOJTも加えた形で若手研究人材の育成を図っていきたいと考えております。これに、会社で説明会や求人情報のサポート等を行って、就職の支援も行っていきたいと思っております。
    最後に、22ページ、今後のスケジュールでございます。本事業は、来週、1月26日に公募を開始しまして、3週間の公募期間をとった後、審査等を行って、事業を開始していきたいと思っております。
    本事業は、産業界や各界からのご協力が不可欠でありますので、皆様方のご理解とご協力のもとに進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
    以上でございます。
  • 中村委員長
    ありがとうございました。ご質問等がおありかと思いますが、後ほど改めて質疑の時間を設けますので、よろしくお願いいたします。
    それでは、続きまして、西嶋様からプレゼンをお願いいたします。
  • 西嶋早稲田大学博士キャリアセンター事務局長
    早稲田大学の西嶋です。きょうは、現場でどんなことをやっているか、そしてどんなことを感じているかということを中心に話させていただきたいと思います。座ってご説明させていただきます。
    我々のところは、産学連携によって高度産業人材、これは後で議論させていただきますが、今、後手後手に回っていますので、むしろどういう人をつくるのだとか、日本でどんな人材があるのかとか、そういう議論をぜひ国のほうでもやっていただけたらと思っております。
    3ページをごらんいただきますと、これは文科省のプログラムで、キャリアパス多様化事業というものが今動いておりまして、平成18年度に8機関、19年度に4機関、そしてそれぞれの機関がそれぞれの特徴ある取り組みをしております。
    早稲田大学では、ノンアカデミック、産業分野で活躍する人をつくろう、そういう博士をつくるのだと、そういうところに焦点を絞っております。例えば、名古屋大学ではもっと進んで、ノンリサーチまでいわれて、そういう人をつくろうと。ですから、それぞれのところがいろいろな形でアプローチされております。
    それから、後でお話しさせていただきますが、とても1つの大学でできる問題ではありませんので、なるべく連携しながら、また、一緒にいろいろなことをさせていただいているのが現状です。
    早稲田で何をここ3年間でやってきたかということですが、4つのミッションをつくっております。
    1つ目は、若手研究者の意識啓発。意識を変えていかなければいけない。
    2つ目は、若手研究者の能力開発。基盤的な能力をつけておく。これは理学とは関係ないと思います。自分のやっている研究が産業界とマッチする例なんてほとんどないわけですから、むしろ基盤能力をつけていただくということだと思います。
    3つ目は、産業界との交流促進。そういうチャンスがなかなかなかったのですが、若い人たちと産業界の人たちが交流する場について、かなり一生懸命やらせていただきました。
    4つ目は、組織的・全学的な対応。大学としてやはり組織的にやらなければいけない。ですから、常に総長に来ていただいて、先頭に立って若手と話していただくとか、そういうことを努力させていただきました。
    1つ目の意識改革ですが、早稲田にちなむポスドクの方が600名ぐらいいらっしゃいます。それから、博士ですと、大久保キャンパスだけで博士課程に300数十名いらっしゃいます。そういう方たちが対象です。そして、1時間ぐらいそれぞれ個別面談させていただきまして、どういう問題点があるのかということを調べます。もう1つは、研究指導者の方へのアンケートとか、230社ぐらいの企業が関心をもっていただきまして、そういうところへのアンケートもさせていただきました。あとは、キャリアガイドブックのようなものをつくったりさせていただいております。
    それから、これは後で話させていただきますが、やはり一番必要なのは研究指導者の意識改革なんですね。これが現状では全く進んでいませんので、ここがいろいろな意味で変わっていかないと進まないと思っております。
    2つ目の若手研究者の能力開発ですが、これは産業界がいわれるように、やはり欠けているところが多分にありますので、なるべく基盤的なところとかコミュニケーションとか、残念ながら英語はもうどうしても必修ですね。英語でリベートは最低必要だと思いますので、そういうことができるようにということで、3年間取り組んできております。
    3つ目の産業界との交流促進ですが、これは一番力を入れているところでして、なるべく若い人たちと産業界の人たちがいろいろなことを議論できる場とか、できれば共同研究にもっていく場をつくる。ただ、ここは研究指導者の意識が変わらないと、なかなかバリアがあります。
    4つ目の組織的・全学的な対応ですが、早稲田の中では、同じようなプログラムとして、女性研究者支援とかテニュアトラック等も走っております。それから、今年度からイノベーション若手も走りましたので、そういうものをなるべく一緒に動かすという努力をしております。
    4ページ、若手研究人材の意識啓発ですが、いろいろなイベントをやりまして、先ほどいいましたように、一番の問題は、ポスドクの人がタコつぼに入って出てこない。これは例えばポスドクの人が自分の教授から出るように勧めてもらいたいのだと。「あなたご本人のことでしょう」というのですが、研究者にはまだそういう状況がかなり多い。そして、ほとんどの先生方が自分の研究を専念してやっていただきたい。大学というのは本来の教育とか社会貢献においてもますます大事になっていますが、その辺の取り組みがまだできていないということかと思います。
    それから、先ほどいいましたが、総長や副総長に極力出ていただいて、若手の人と話す機会をどんどんつくらせていただきました。
    それから、ヒアリングさせていただきましたが、これは皆さん、10年後をすごく心配されています。例えば、心配で結婚もできないとか、非常に厳しいことを考えておられます。ただ、一方で非常に淡い期待ももたれていまして、「先生が何とかしてくれるんじゃないか」とか。けれど、マスとしては全くどうにもならないわけですから、この辺は大きな課題としてまだ残っております。
    5ページ、若手研究人材の能力開発ですが、これはコミュニケーション能力などがなかなかないので、大学外からの方に来ていただく。また、産業の現状についても外の方に来ていただく。地域とか自治体、ベンチャーなど、大学の外から来ていただく。そして、今年度、ついに大学院カリキュラムに、大学の授業に外の人に来ていただくプログラムを強引に入れさせていただいたという状況まで少し進んでおります。
    それから、そこで力を入れたのは、就職関係の活動です。これは非常に難しかったのですが、我々はそういうノウハウがありませんので、例えば、リクルートですと3回お願いに行きまして、3回目にやっとというか、この層というのはもうからない、エグゼクティブの人か学士ならマスがあるから大丈夫だと。けれど、やっと何かやっていただくようになりましたし、あとはインテリジェンスとかDFSとか、最近はフューチャーラボとか、リーバイスとか、いろいろなところからも関心をもっていただけるようになって、ここの人を流すというところは非常に大事だと思います。我々はいろいろなトライアルをしてみましたけれど、まだ余りうまくいっていないのが現状です。
    それから、コミュニケーションスキルのところですが、これはやはりお上手でないですので、これも外から人を呼んできてやらせていただいております。
    それから、英語は、これは若手はみんな関心をもっていただいています。ただ、本当に実用英語にはなっていないのだろうなと。ここはやった中では、ある意味ではだれでも参加しますので、一番参加数が多かったという状況です。
    6ページ、若手研究人材と産業界の交流促進ですが、いろいろな場で、例えば、リクルートならリクルートがどこか1社をターゲットにというのが一番効率がいいです。ただ、そうするとやれることは少なくなりますので、普通は何社か、例えば企業5~6社の方に来ていただいて、お見合いとかいろいろなことを含めて、就職だけではなく、共同研究も含めていろいろなイベントを行っています。これはいろいろな多様なやり方がありますので、この辺も大学一つでは限界だなという感じをもっております。
    それから、先ほど産総研からもご報告がありましたが、若手は公的研究機関にぜひ就職したいという方が非常に多くて、例えば公的機関交流説明会で産総研とか理研とか物財機構、法医研などに出ていただきますと、物すごく多くの方が参加されます。我々は都心の中で唯一このプログラムをやっていますので、むしろ東大や東工大の方で、早稲田の方が4割ぐらいとか、そういうイベントも非常に多い状況です。
    それから、昨年、これは我々だけではとてもどうしようもありませんので、こういうプログラムを受託している機関と一緒に、日本化学会とか高分子学会、または化学工学会と一緒になって、また、経団連にも入っていただいて、みんなで一緒にセミナーをやって、化学系のポスドクというのはどう活躍するのですかねと。化学系でおもしろいのは、一番売れている物をつくるところと、ある意味で今一番問題になっているライフとか生物系の人が入っていますね。それは特徴的なことだと思いますが、そういうところでみんなに集まっていただいて、企業の方に来ていただいて、いろいろな議論をやっております。
    それから、今、パンフレットが回ったと思いますが、あさって、物理系の、私はこれは基本的に理学も工学も関係ないと思いますが、ただ、必要なのは、大学院時代に何を学ぶのかと。もちろん専門は必要ですけれど、それ以外のところで大学院を変えていかなければいけないのだろうと思っております。これもできるだけいろいろな方と議論をしてみる機会ということで考えております。
    それから、これもお手元に回ったと思いますが、先ほどの「キャリアガイドブック」は評判がよくて、毎年2,000部ぐらいつくっております。昨年度のものを回させていただきました。
    次に、7ページ、Ph.Dの交流会です。これは最初から一生懸命やろうとして、当事者の人が自分で考えて自分で企画し、それをサポートすると。ですから、我々は場所を提供したり、必要なことを少しやってあげると。それで自分で計画してくださいというのですが、なかなか動かなかったのですけれど、やっと昨年あたりから動き始めました。ただ、残念ながら、そういうことを今やっていただいているのは東大の方と東工大の方が中心で、早稲田の方が必ずしも主力になっていないという状況があります。ここをぜひご本人たちみずからが考えるということが必要だと思います。
    8ページ、キャリアパス多様化事業が直面する課題ですが、これはもう私のフィーリングで書かせていただいております。例えば、大学で若手がいないと大学の研究が全く成り立たないのが現状だと思います。それから、例えば私立大学ですと、教員に比べて学生が多いですので、研究どころか、教育も成り立たないというのが現状です。
    一方で、その人たちの先がみえないと。みんな非常に心配しているという状況ですので、そういう人たちがマスとして活躍できる場はやはり産業分野なのだろうと思っております。例えば、大学ですと、20年に1人、次の方ができればいいんですよね。そして、もし研究室に毎年ドクターがいらっしゃるとすると、どういう教育が必要なのか。自分の後継者をつくる教育をやっては本来いけないはずなんです。けれど、やはりそうなってしまっているというのが問題だと思います。
    それから、これは経団連ともいろいろ議論させていただいて、ご指摘されたとおり、やはり意識改革が必要なのだろうなと。そして、能力開発も必要なのだろうなと感じております。
    それから、研究指導者の方は皆さん、「自分でできる限りのことはやります」といわれますが、数としては絶対できないわけですね。それで、研究指導者のアンケートも全部やったのですが、積極的にアクションを起こしていらっしゃる方というのは残念ながらほとんどいらっしゃいません。ここが5%、10%になってくると、状況はガラッと変わってくると思います。
    それから、ちょっと失礼かもしれませんけれど、国の動きも非常に遅かったのだろうと。第1次基本計画、第2次基本計画でもう問題点はあったわけですね。けれど、その後のフォローができていなかったということかと思います。また、産業界も関心が低かったのかなと。それで、今までやってきたのは全部後手後手で動いているんですね。
    もちろん、今いるポスドクの人たち1万6,000から1万9,000の方たちの活躍の場をつくるというのは非常に大事です。これはいろいろな意味で国を含めて全体が責任をもつべきだと思いますが、もう一つは、これからどういう博士人材をつくるのだと。間違いなく、今のグローバル化の中では、博士人材が産業分野でもイノベーションの中核になると思います。そういうときに、どういう層をつくっていくのだと。それは今の産業よりもう少し先の10年とか20年後、その辺の議論が全然できていないし、その辺に向かってアクションやプランなどを国のほうでもぜひ考えていただけたらと考えております。
    次に、9ページ、若手研究人材の現状と課題ですが、非常に気の毒な状況でして、若手自身が自分のキャリアパス、自分が何で貢献できるのだろうということがわからないと。
    それから、現実には、研究室や自分の研究に閉じこもってしまっている。
    また、ほかの人と交流をする可能性がほとんどない。大学内でも隣の研究室との交流すら少ない。
    一方で、ヒアリングをして驚いたのは、皆さん、産業ニーズなどいろいろなことに物すごく関心があるんです。けれど、そういう場がないということですね。
    それから、将来に対しては、さっきいいましたように、非常に不安だと。経済的問題もあると。研究室の運営も若手がやっているわけですから、そういうことに忙殺されているという状況です。
    また、博士を取得する意義やインセンティブをもう少し考えていただけたらということです。
    それから、これから議論するのは、教育と研究とイノベーションをどうしていくかということだと思います。
    10ページ、大学の課題・役割ですが、これはいっぱいありまして、産業界と相互乗り入れについては、一昨年、MITに行くことがありまして、そのときに産学官連携の方と議論したのですが、MITですと、例えば日本の会社が景気が悪くなりましたらCTを出しますよといわれています。MITの先生が日本に来ると企業を回っていただいていますと。日本の先生がアメリカに行かれるときに企業を回る方は非常に少ないと思います。そのくらい交流が必要だと思います。
    それから、社会貢献というのはバランスだと思います。大学としての社会全体への発信。
    それから、研究指導者の意識改革ですが、ここのところは今後ぜひ議論していただきたいし、1つの方法としては、大学サークルの中で考えるのかなと。研究者はやはり40代ぐらいまでだと思いますし、教育はもっと年をとってもできるかもしれません。
    11ページ、産業界の課題・役割ですが、産学官の人材交流、相互乗り入れをぜひ考えていただきたいと思います。
    また、競争力の確保という意味で、大学と一体となってということが必要だと思います。
    それから、グローバル化は産業界のほうが進んでいると思います。大学はすごくおくれています。そして、これからアジアの人たちとも一緒にやらなければいけませんので、この辺の大きな問題が残っているのかなと思っております。
    12ページですが、国にぜひお願いしたいことで今考えているフィーリングは、やはり施策が十分でなかったのだろうと。
    また、急激なグローバル化については、何年か前にアメリカに行かせていただいたときに、今、現場にいる人はみんな中国人とインド人ですが、私が大学を出たときはオイルショックでして、アメリカへ行くと全部日本人でした。なぜかと聞きましたら、インセンティブを受けなくなったと。そして、もっとショックだったのは、受けても日本人は落ちると。そういう厳しい状況に入っているかと思います。
    ですから、日本にアジアやいろいろなところから来てもらうと同時に、日本人をレベルアップすること。これはさっきお話がありましたように、小中高教育を変えなければいけないのだろうと。
    14ページ、今、早稲田はどんなことをやっているかということですが、実践的博士人材養成プログラムというのを今年度の8月からスタートしております。この参加対象は特に早稲田に限っておりません。下にあります内容は、大学のカリキュラムも入っておりますが、座学を含めていろいろな実践カリキュラムと、もう一つは外に出ていく。外に出ていくのは、ドクターですと4~5年ありますので、その間の1年ぐらいまではいいんじゃないかということで考えておりまして、国内企業や海外と産総研や法医研と連携しながらやっています。
    今、100名以上の方が実践カリキュラムに参加されております。そして、20名ぐらいの方に出ていっていただこうと考えております。
    最後に、15ページ、将来像として、教育を変えていくのだろうということです。博士を出て、産業界で活躍する人材、ここをきちっとつくっていく。そういうところを担うのも大学の一つの役割かなと思っております。
    以上です。
  • 中村委員長
    ありがとうございました。
    ご意見をいただく前に、事務局のほうから1点説明をし忘れたところがあるということですので。
  • 谷大学連携推進課長
    1点、御礼申させていただきたいことがございます。本委員会は検討分野が非常に広いものでございますので、前回、12月の委員会終了後も複数の委員の方より、この論点はもうちょっと議論してみたいということで、お集まりいただいたり、意見交換させていただくことがございました。特にイノベーションを担う理工系人材のキャリアビジョンを社会に示して、それを持続的な仕組みをつくるという点に関しましては、学会等にも働きかけていただきまして、今、その検討体制を整えさせていただいているところでございます。この場をおかりして、御礼を申させていただければと思っております。失礼いたしました。
  • 中村委員長
    それでは、委員の方々から、ご意見やご質問等がございましたら、ご発言をお願いいたしたいと思います。なお、ご発言がある場合はネームプレートを立ててください。よろしくお願いします。
    では、有信委員、どうぞ。
  • 有信委員
    東芝の有信です。産総研の取り組みに関して、ちょっと質問させていただきたいと思います。
    資料4の8ページで、イノベーションスクール、そしてその後の専門的な研究者養成プログラムは、非常によくやられているという印象を受けています。この中で特に、イノベーションスクールの修了論文として、シンセシオロジーへの投稿というのがあって、シンセシオロジーの話は前に一度聞かせていただいたことがありますが、これは企業サイドからみると非常に重要なことに取り組まれていると思うのですが、この観点からいうと、基本的に、やった人たちがもっている基礎的な知識の広がり、幅、これがこのシンセシオロジーのでき映えに大きく影響するような気がしています。実際に経験されたことからいうと、これは今後、ドクターコースでどういう教育をやるべきであるかということにもかかわってきたり、早稲田大学さんの試みにもかかわってくると思いますが、どんな感じでしょうか。
    つまり、基礎的な知識の幅の広がりが極めて狭いという印象なのか、ドクターをとった人たちはある程度広がりをもった基礎的なサイエンスの知識をもっているという印象なのか、どちらでしょうか。
  • 瀬戸産業技術総合研究所企画副本部長
    それでは、瀬戸からお答えします。印象としては、やはり若干狭いと思います。今回、イノベーションスクールの中でいろいろな講義をさせていただいていますが、共通してスクール生がいっているのは、スクール生自身としてもやはり視野が狭かったと。いろいろなお話を聞いて、自分が役に立つ分野がほかにもあるのだなということが認識できたといった声もございまして、我々がもっている印象もそうですし、スクール生自身が改めて認識したところもそういう観点だと思います。
  • 有信委員
    ありがとうございました。要するに、3年ないし5年の研究経験だけで人生を左右していいのかというのが一番の問題意識で、その後の展開をするには、基本的な知識がきちんと身についているかいないかというのが随分大きく違ってくると思ったものですから、こういう質問をさせていただきました。
  • 中村委員長
    そのほかに。はい、どうぞ。
  • 坪田委員
    慶応大学医学部の坪田です。最後の実践的博士人材養成プログラムについてちょっとお聞きしたいのですが、慶応大学医学部でも、文科省さんのサポートを受けまして、メビュースプログラムといいまして、博士号をとった後にどうやって企業のほうに就職してもらうかということをかなり真剣にやっております。その間、一つのモラトリアムとして、メビュースプログラムというところが資金をもって、企業はお金を払わなくていい、博士号を修了した人たちが、どの企業に行こうか、どのようにしていこうかという時間的な余裕があるのですが、ここに「毎年20名程度の実学志向の若手研究者を選抜し」と書いてありますけれど、この間の費用負担はこのプログラムがやっているのですか。
    もしそうだとしたら、この20名というのは少な過ぎるというか、もっと大きくやっていかないと、産業界への移行が推進されないのではないかと思ったのですが、そこはどうなのでしょうか。
  • 西嶋早稲田大学博士キャリアセンター事務局長
    最初のご質問は、今回のプログラムの中で全部もつという状況になっています。
  • 坪田委員
    その場合も期間は限定されているのですか。
  • 西嶋早稲田大学博士キャリアセンター事務局長
    期間は1年までです。海外等に行かれますとやはり相当な額になります。
    それから、人数はできるだけ多くしたいのですけれど、これはやはり上限がありますので、その中でできる限りと考えております。ただ、我々はできるだけ外へ、大学の外はもちろんですけれど、できれば国外ぐらいまでやってほしいと。そうなると、やはり結構かかるので、20数名は大丈夫だけれどというのが最低限の数字です。
  • 中村委員長
    西山委員、どうぞ。
  • 西山委員
    産総研のご説明に対する質問ですが、イノベーションスクールの対象者と専門技術者育成事業という専門者の対象者と、俗にいう学歴では基本的にオーバーラップしていますね。私などが会社へ入った高度成長期の前半期には、研究者と技術者と研究支援者はいわゆる学歴で、大学を出た人は研究を志向し、当時だと工業高校の人たちが支援者というか、テクニシャンというか、そういうことを担った時代があったのですが、それがいいかどうかは別として、そういう実態が存在していたのですけれど、今回、時代が変わって、学歴での区分というのは余り意味がない時代になっていますよね。
    そのときに、イノベーションスクールの対象者と専門技術者育成事業の対象者が学齢的には同じであると。あとは何が違うのかねとなったときに、具体例をみてみますと、別にテクニシャンを養成しているようにはみえないんですよね。テーマ例をみますと、これが立派にできればイノベーションスクールを卒業できるレベルに達するテーマのようにみえるわけです、このテーマ例は。したがって、その辺の違いはどこに存在しているのかねというところがいまいちわからない。どこが、何が違うのかねという質問です。
  • 中村委員長
    いかがですか。
  • 瀬戸産業技術総合研究所企画副本部長
    学歴の点でいえば、確かに今、先生がおっしゃったように、オーバーラップした部分がかなりあります。ここに書きましたテーマ例をみますと、非常に高度なテーマになっていますので、これが1つ仕上がれば非常にいい研究成果にもなり得るものをやっている部分もございます。
    イノベーションスクールと専門技術者育成支援事業のほうでの対象者の違いとしては、今申し上げたように、一部、オーバーラップする部分はございますが、専門技術者育成支援事業のほうは、解析技術や分析技術の装置のハンドリングとか、そういったところに特化した方々が非常に多くて、一部、成長して研究者の道に移った方もおりますので、今、先生からご指摘いただいたような部分もございますが、支援事業のほうではまさに技術的な部分の色合いが強い育成事業になっています。
  • 西山委員
    そうすると、適切な表現かどうかは別として、従来パターン的な表現でいうと、テクニシャン的な要素と考えてよろしいのでしょうか。
  • 瀬戸産業技術総合研究所企画副本部長
    一言でいうと、そういうことですね。
  • 西山委員
    はい、わかりました。
  • 中村委員長
    2件のプレゼンテーション以外に、全体を含めたご意見等をお願いいたします。
    では、平田委員、どうぞ。
  • 平田委員
    先ほどの質問と似通ったところがありますけれど、最初にプレゼンがありました資料3の5ページの支援人材の国際比較のこの数字が、日本の現状とクラシフィケーションで若干違うんじゃないかなというところがありまして。これは確かに分野とか、ごく最近の状況はまた若干違っているかもわかりませんが、私もかつてこういうものを調べたときに、日本の場合には、先ほどありましたように、学部卒も研究者に分類しているところが結構あるんですね。そうすると、支援者というものがごく限られた、要するに、高専とか高卒のテクニシャンになってしまうのですが、欧米の場合は、ドクターで独立した研究企画をできる人が研究員で、あとの学部卒はみんなテクニシャンですよね。その辺がこの分類に大きくあれしているんじゃないかなと思います。
    それから、研究支援者ということでかなり明確に位置づけて分けているのがいいのかどうかですが、例えば、現場で生データをとる分析技術者とか、ライフサイエンスですと、例えば動物の症状観察をするとか、いわゆるテクニシャンから結構大きなイノベーションが生まれているんですね。ですから、むしろ日本的なそういう精神風土を考えときに、この高度研究を推奨するという方向を考えると、若干難しいところはあるのでしょうけれど、そういう形で仕分けをして人事管理をするのが本当にいいのかどうか、若干疑問があるのですけれど、この辺はどのように感じていらっしゃるでしょうか。
  • 谷大学連携推進課長
    事務局よりご説明させていただきたいと思います。この分類に関しましては、私どもも、科学技術白書ですとか各種のデータ、科学技術研究調査等々から引用させていただいておりますが、日本の場合、賃金を伴わない労働、つまり大学の学生さんたちが大学では研究支援者的に使われているという実態もありまして、なかなか数値であらわせないところはあるかと存じておりますが、先ほどご指摘の点で、プロフェッショナルな研究支援人材というところが非常に層が薄いのではないか。
    つまり、この方は研究支援人材と呼ぶか、研究者と呼ぶかというのは、先ほど平田委員からご指摘がありましたところでございますが、実際に高度な機械を操作して、そこから非常に革新的なデータをとるというのは研究そのものでございますけれど、そういうところに携わっていらっしゃる方は、プロフェッショナルとして少ないという印象を受けた次第でございます。
    この辺の実態把握及びその改善策に関しましては、今後、次回の審議会までも含めまして、いろいろと勉強させていただいて、結果をご報告させていただけたらと思っております。
  • 中村委員長
    では、原山委員、どうぞ。
  • 原山委員
    キャリアパス多様化のことですが、東北大学も受託しておりまして、3年間、同じように実験いたしました。そこでの実感を皆さんに補足情報としてお話ししたいと思います。
    かなり同じような体験をしました。その中で一番感じたのは、我が大学のPh.Cの学生はまんざらでもないなということなんです。何かというと、今まで批判が多かったのはタコつぼ的なところであって、自分の専門しか知らないなどなどがございます。それは、そういう機会が与えられていなかったというのが大きな要因だということなんです。
    この3年間に、1年ずつ教育したわけですが、1週間に1回、約3時間弱ですけれど、やることによって、まさに自分の専門外の分野の人たちと接触をして意見交換し、などなどでもって、これまで体験したことのなかった視野を広げることができたということなんです。その中で、共同作業するようになって、それはカリキュラムとしてしたのですが、それが出発点となって、自分たちで勝手にいろいろなプロポーザルを出して、実質的なプロジェクトを始めたということが認識されました。
    ですので、機会があって、そういう呼び水を提供出してあげれば動くことができるわけなんですね。それから、自分たちでその3年間にネットワークをつくって、それも活用していくということなんです。
    申し上げたいのは、この最初の目的は産業界に有益な人材を育成するということでスタートしているのですが、これは単純に産業界に有益であるということだけではなく、アカデミックキャリアの中でも必須なものなんですね。なので、これは出発点がキャリアパスの多様化ということですが、本来、大学院の中に機能として埋め込むべきことだということを実感しました。ですから、これはまさにきっかけであって、大学院教育のあり方そのものも、ここをうまく使うことによって見直す機会になるのではないかなというのが私の感じです。
  • 中村委員長
    では、西山さん、もう一度どうぞ。
  • 西山委員
    全部に係る話ですけれど、特に高度人材ということについて、早稲田大学のほうからもご指摘があったし、経済産業省のご説明にもありましたが、例えば、ポスドクだと1万6,000人いるということも、マスをとらえての問題提起のようにみえるんです。でも、個人というのは社会や時代や制度の子であるからして、そこで影響を全く受けるのだけれど、とらえ方として、そういうところから生まれているトップ5%はどうなのかねと。世界のトップと戦えている状況にあるのかどうかということですね。
    それから、例えば、ワースト20%はやはり問題はあるとは思うのだけれど、何がいけないのだねと。それから、真ん中に存在する平均値像の問題ですね。これを分けて考える必要があると思います。例えば、トップ5%が日本を牽引していくかなりの力を発揮していれば、これはかなり力強くなると思いますけれど、それが世界のトップレベルに負けているとしたら、これはゆゆしき事態ですよね。
    それから、底上げとしての真ん中にいる平均の人が、世界と戦っていくときの平均のところよりも随分低いところに存在しているのも問題ですよね。しかしながら、ワースト20%は平均より下だけれど、これをどう上げるかという課題とを分けて考えないと、全部のマスを全部問題だというのは間違いのように私は思うのです。その辺をさらに今後の検討の中で踏み込んでいく必要があるように思います。これは私の問題提起です。
  • 中村委員長
    ありがとうございます。
    では、次に、前田委員、どうぞ。
  • 前田委員
    最初のご説明の資料3の9ページに書いてある「長期インターンシップの受け入れ等」というところについてと、あと2点、全部で3点についてお話しさせていただきたいと思います。
    本学の知的財産本部の中で、長期のインターンシップを行っています。1年とか1年半ぐらいやっていただいたドクターを出た方がいらっしゃるのですが、専門性は高いのだけれど、コミュニケーション能力が足りないという学生さんが非常に多い中、私たちのところで、一緒に先生のところに発明相談に行ったり、企業の方との折衝に一緒に入っていただくことで、最もついた力がコミュニケーション能力ではないかなと思いました。
    その後に企業の知財とか研究のところに就職なさるのですけれど、大変恥をかかないで済んだし、社会に出てとても有益だったという声をいただいて、長期でインターンシップをしていただいた方のお二人はうちに就職してしまったという人もいますが、企業にインターンシップしていただくのもいいと思うのですけれど、やはり機密のものもたくさんあると思いますので、今、全国、知財本部がいっぱいあります、ここでは産のことも学のことも学べますので、こういうところでインターンシップというのもいいんじゃないかなと思っています。
    また、人材養成についてですが、早稲田の方のところとプログラムはちょっと違いますけれど、知的財産の目ききの人材養成のプログラムを医科歯科大学も採択させていただいていまして、ことしが5年目で最後の年です。70時間ぐらい、ビジネスの方の成功例、失敗例などを生の話を中心とした講義と、また、海外の短期、1カ月ぐらいのインターンシップ等をやっていますが、5倍から2倍ぐらいの大変高い倍率で応募いただいて、好評いただいています。
    ただ、ことしが最終年で、費用がいただけなくなった後、やり続けることの大変さがあります。学内の学生さんに関しては、今回、医学部全学的に、医者の学校では初めてですが、産学連携概論を単位のつく授業に来年から入れてもらいました。また、社会人の方に対しては有料でやろうかなと思っていまして、好評いただいているにもかかわらず、せっかく5年間ノウハウを培っていろいろな著名人の先生に、どういう教え方をするとコミュニケーション能力がつくかねということを学んでいただいたにもかかわらず、やり続けることが大変というシステムがなかなか大変なのだなと思っています。
    最後ですけれど、私のところの知財本部というのは、8割以上が40以下の若手の女性で成り立っている部署で、大学の知財本部では珍しい部署です。技術補佐員とか事務補佐員で入った女性を、昨年6月に、2名、助教に上げてもらいました。普通、弁理士などをもっていて初めから助教で入ってくる女性などはいますが、中での産学連携とか技術移転の実績を認めてもらって、中で、医者の学校で助教にしてもらうということは大変難しいことなのですが、去年、そういうふうに上げていただいて、今、実践的にサブリーダー的な仕事で活躍してやっていただいています。このように処遇をある程度よくしていくということが、育った人の長続きの大事な手だてではないかなと思っています。
    ただし、一番つらいのは、雇用の安定化です。若手の人の雇用の安定化がこの分野は大変不安定なんです。育った後にその人たちが不安定でい続けられないということが一番つらいですから、育てるのも大事ですけれど、雇用の安定化ということをぜひうたっていただけたらなと思っています。
    以上です。
  • 中村委員長
    では、久間委員、どうぞ。
  • 久間委員
    三菱電機では、毎年、博士課程出身者をかなり採用しています。採用した研究者を見てますと、世の中で言われているように、コミュニケーション不足であるとか、フレキシビリティがないとか、そういう感じは余り受けないんです。結構活躍していますし、マスター出身者以上にやっている人もたくさんいます。
    日本の問題は、博士とかポスドクを受け入れるキャパのある産業界と、彼らが大学や国研でやっている分野、そこに大きなミスマッチがあることだと思います。ですから、今、博士課程やポスドクを大量に受けられるのは、例えば自動車産業であるとか電機業界なんですね。しかし、この数年間で、日本の大学等の研究領域が、例えばライフサイエンスに移りました。そうすると、ライフサイエンス出身の人たちが行ける企業はそんなにないんですね。そういうところに大きな問題があるのではないかと思います。もちろん将来にはライフサイエンスは必要かも知れませんが、そのバランスの悪さが問題だと思います。
    それから、研究支援技術者の重要性はよくわかります。アメリカの一流大学の先生たちにはしっかりとした支援者がいます。けれど、今すぐ日本の大学に研究支援技術者をたくさん配置してうまくいくかどうか。日本の先生方は学内外の無駄な会議がやたらに多いし、執筆作業も多いですね。ですから、研究支援技術者をつけても、そういう仕事をますます受けてしまう、良からぬサイクルが起こりかねないと思います。ですから、どうすれば研究開発に専念できるかをよく考えて、研究支援技術者を配置する仕組みが必要だと思います。
  • 中村委員長
    三木委員、どうぞ。
  • 三木委員
    4点ほど、質問と問題提起のようなことをさせていただきます。
    まず第1点は、早稲田大学さんでやられているキャリアパス、そして長期インターンシップとか、いろいろなことを山口大学でもやっていますけれど、これを統合的にマネジメントするセクションが大学の中にあるのか。実は本学でも、まだ権限は小さいのですが、全学でイノベーション人材育成支援室というのをメーカーにつくりましてやっていますが、こういった形を統合してやるということが非常に大事だろうと思います。
    それと同時に、きょう出ている問題はほとんど学位の審査基準をどうするかという問題なんですね。いわゆる専門の深化型の方、従来のアカデミーのタイプですが、それ以外に、複合マルチ型の学位審査基準をどのようにつくっていくか。これが今全国の大学で検討が進んでいるのだろうかと。山口大学でも検討したいと思っているのですが、なかなかこの検討にかかれないという問題がございます。これが第1点目です。
    第2点目は、産総研さんのほうで行われているイノベーションスクール、これはある面でいうと大学の本来もっている機能を補完していると。そうしますと、産総研さんでやられているこういうメニュー、コンテンツが大学のほうに開示されて、それを連続的にやれるような形に将来的にはしたほうがいいのではないかと思っております。
    第3点目は、最初にお話がありましたように、世界同時不況の中で、企業の中のいろいろなところで製造人材の若干の余裕人材が出てきているわけでして、そういう方々が大学の中に社会人ドクターその他で入ってくる可能性は非常にあると思います。そういうときのミキシング効果というのは今から重視しなければいけないと僕は思っています。そういうことを考えたときに、企業の方々が社会人で大学院に入るときの何らかの支援策を国として打てないのかということが第3点目です。
    第4点目は、こういったもろもろの機能をやっていくときに、大学の周りにあるPLO等が知財とR&Dのマネジメントが中心になっていますが、人材育成に関してのイノベーションプラットフォームといった性格をもたせて、人材育成に関与するような形がとれないのかということでございます。
    以上、4点でございます。
  • 中村委員長
    ありがとうございます。
    では、笠木委員、どうぞ。
  • 笠木委員
    先ほどの早稲田大学の西嶋さんのお話の中に、将来、産業構造がどうなるかと、例えば10年後にどういう産業分野がどう発達をして、したがってPDとかドクターの人材をどのくらい配置すべきかといった、ある種のマクロバランスを描いて、それでやっていくといいのではないかという話が一部ありましたが、それに関連して、日本学術会議で、昨年、2年間議論した結果として理工系大学院博士後期課程に関する提言を出していますので、その中で議論されたことをご紹介したいと思います。
    私もその議論に参加した1人ですが、当初、関連の人たちの中で、そうしたマクロなバランスなしで、いきなりポスドク1万人計画だとか、ドクターコース何人計画だといっても、これは困るのではないかということで議論を始めたのですが、結果としては、これは大変難しくて、そもそもそういうことはできないのではないかといった方向に落ち着きました。
    ところで、先ほど久間委員のほうからもご指摘がありましたけれど、現在、日本が科学技術基本計画をつくって、いくつかの重点領域分野に投資をしていくということになると、産業未発達の分野で相当な研究投資が行われて、その分野の研究者を、特にドクターコースの人を育成するような事態が出てくるわけです。つまり、先端技術的な研究開発と産業の発達には時間差があるので、あるいは、産業に繋がらない場合さえあるので、ここのところで需給アンバランスが出てきます。それをよく留意して博士課程の人を育てなければいけないということになりますから、結局基礎的なところを本当に固める人材育成の必要がある。
    さらに、先ほどの西山さんのご指摘のトップなのかミドルなのかボトムなのかという話と関係しますが、例えばマネジメント・オブ・テクノロジーとか、特許の話とか、さまざまな法制に関する理解とか、研究開発システムといったようなことをドクターコースの人に本気でカリキュラムとして入れ込むのが良いかどうか。つまり、本来、ドクターコースでつけてほしい基礎力とか、ドクターらしい、場合によっては少々常識にかからない人であっても、トップの人というのは何かやり遂げる力をもっている可能性があるので、そういう人たちも含めて、全てのドクターの人がどこへ行ってもいいように、いろいろなことを教え込むということが本当に競争力を高める上でいいのだろうかということについて、慎重な吟味が必要であると思います。
    さて、先ほどのマクロバランスに戻りますと、学術会議の結論というのは、文科省の定員制度についてもう少し柔軟性を確保する工夫が必要ではないかということになりました。アメリカのドクターの輩出数というのは、先ほどの経産省の調査結果では、アメリカは90年代から少し落ちてきて、そして最近はまた上がりぎみですけれど、分野的にみると、例えば理工系は90年代からずっと落ちてきています。アメリカは定員という概念がないので、基本的には需給バランスで輩出が決まっているわけです。
    日本は、残念ながら、大学設置基準で確定した博士課程定員の総和として国全体の定員の枠が決まっていて、つまり、個々の課程定員が各大学の目標になっている。それを満たさないと、徐々に予算は減らされ、人のポストが減らされるという仕掛けになっていますから、各大学とも、先ほどの重点分野で研究費をとるとともに、どんな形でもいいから定員を埋めようとする努力をしますね。結果として、この定員という仕掛けは実はいろいろなところにひずみを生んでいます。
    例えば、先生たちは、本当にドクターコースにふさわしい人が進学しているかどうかということに関係なく、学生をかき集めなければいけないという状況があるんですね。文科省の方からも聞いたことですけれど、定員というのは実は予算の積算のベースとしては非常に便利なというか、強い論拠になっているらしくて、軽々しく手を付けにくい。定員の概念解釈については難しいところがあるのですが、いずれにしましても、日本の今の制度というのは、大学の設置基準に基づいて結果として大学が確保した定員というものを極めて忠実に運用せざるを得ない。
    特に、博士課程については、考え方を再吟味し、なおかつ、大学が結果的にはある種の目標をもって、社会にとって必要な人材をそれぞれが考えて出していくということしかなくて、学術会議では、マクロバランスによる国の施策は避けて、かつ定員制度の柔軟化の提言をしました。これは、博士課程進学は、学生たちの意思の問題でもあるわけですので、国として厳格に管理できないことも指摘したいと思います。
  • 中村委員長
    はい、河野委員、どうぞ。
  • 河野委員
    皆さんのご意見を私は関心をもって聞いておりましたが、感想を申し上げますけれど、最初に鈴木局長がお話しになりました今回の産学連携による人材育成に関する主な論点というのが2ページに6項目書かれておりますが、この中で私は関心があるのは(3)で、これは「初等、中等教育における理科離れ対策を含め」と書いてありますが、ここに書いてあるのは、初等、中等教育の理科離れを中心に書いてあります。そうではなくて、「含め」で、今のいろいろな問題は、その後のイノベーション人材の育成、その他を推進していくための持続的な仕組みをどうつくるのかということが総合課題としてここにあるのだと思います。
    これは非常に難しいのですが、そのためには、(1)に書いてあるように投資も必要でしょう、(2)に書いてあるように大学の教育の改革も必要でしょう、(4)の社会人の再教育をどうするのかと、あるいは(5)の若手あるいは女子をどう採用するかということが、この推進していく持続的な仕組みをどうするかということは難しいのですけれど、我々が知恵を出してこれから一生懸命やっていかなければならない。投資も含めて。そこがポイントではないかと、全体像を私はそのように受けとめているわけです。
    なぜかというと、私は国立高専におりまして、大学から国立高専に移って、こういうことを非常に強く感じているわけです。大学と国立高専はどこが違うかといいますと、国立高専は全国にネットワークをもっておる学校で、55あるわけです。大学は、ある大都会にボンとありますけれど、私どもは、田舎に、地方に55ばらまいて、それを今、一括してやっているわけです。これをうまく生かすためには、ここもそうですけれど、キーワードは「連携、交流」だと思っているんです。これはもちろん連携のための議論をやっているわけですから、産業界と教育界がどう交流するか。私どものところは田舎ですから、田舎の中小企業の皆さんがうちの高専と平素から交流をする。先ほどインターンシップの話がありましたけれど、うちはインターンシップは必修で積極的にやっておるわけです。
    それから、私どものところはもう一つ違うのは、15歳という非常に熱いときに少人数教育で鉄をたたいているわけです。そういう課題はたくさんあるのですが、メリットもたくさんありまして、おかげさまで、今どきでも求人倍率は20倍とか30倍という需要が私どもにはあるわけです。
    こういうものをみて考えますと、先ほどのお話のお医者さんの世界でも、若い人たちが大都会へ行きたい、大病院へ行きたい、地方で働かないと。これと同じようなことが技術者にも起こっているんじゃないかと。私どものところを卒業した人間は、地元が一生懸命いっているのに、みんな大都会の大手へ行くというのは、仕方がないといえば仕方がないのですが、日本にとっては非常に問題ではないか。中小企業がもっと力をもって働かなければ、持続的な発展というのは危ぶまれるのではないか。
    例えば、ポスドクの人でも、地方の中小企業でもいいところがありますから、そこへ行って働くといった仕組み、そこへ行ったら基金がないから自分の研究も進まないというようなことはいわずに、先ほど話があったように、名古屋大学は学術研究はよろしい、ドクターを出すといっていますから、いろいろなパターンがありますから、そういうものをひっくるめて、将来、どういう持続的な仕組みをつくっていくかということについて私たちはもっと意見交換をし、構築する努力をしていきたいと思います。夢みたいなことをいっていますけれど、私はそういうふうに感じておりますので、一言申し上げました。
  • 中村委員長
    そのほかにどうぞ。
    はい、どうぞ。
  • 有賀委員
    北海道大学の有賀です。いろいろなお話を伺わせていただいて、先ほど西山委員がおっしゃったように、いろいろな層の人たちがいて、トップ5%か10%ぐらいと、その次の20%とか30%、下のほうはもうこういう議論の中ではほとんど対象にしなくてもいいんじゃないかと思うようなときもあるのですが、その真ん中あたりのところをいかに生かせるかということがすごく大事だと思っていて、それはリーダー育成という言葉がこのごろよく人材育成のところで使われますけれど、本当にトップリーダーを養成することだけではなくて、その中間のグループリーダーとかそういうところをいかに育てるかということが、層を厚くすることでは非常に大事だと思っています。
    私たち教員が、リーダー育成というと自分のところの大学の研究リーダーみたいなことをすぐ考えてしまって、教授になれそうな人とか、テニュアトラックの仕組みなどでもすぐしてしまうのが非常によくなくて、それに当てはまらない人は二次的な人材とか、レベル的に低いからだみたいな思い方をして、上下ではかるから非常によくなくて、横に広げて、いろいろな種類の向き不向きがあるのだといったとらえ方に意識改革をしていかなければいけないと思っています。それは早稲田の取り組みなども含めて、人材育成ということの総合的なプログラムの中で非常に大事な視点だと思っています。
    それで、産総研の非常に実践的なお取り組みは私もすごく感嘆してみせていただいていますが、イノベーションスクールと、先ほども同じようなご質問がありましたけれど、専門技術者育成事業というものが、どのようにすみ分けていかれるかというのは、今のいろいろなカテゴリーが多様な人材が必要だというところを実践されている例の1つだと思いますけれど、そこでの意識、例えば、同じときに、ある人はイノベーションにいて、ある人は専門技術者のところにいて、きっと近いところでそのコースにいたりするときに、もともと同じようなところから出てきた人が、意識の差というか、自分の意識、あるいは周りの人に対して、この人はA級、この人はB級みたいな、そういう目というのはなく、うまくやっていらっしゃるのかということと、それぞれが生き生きとやっておられるのかどうか。
    それから、これだけのものをなさって、特にいいなと思っているのは、正規就業への支援事業と位置づけいらっしゃるところがすばらしいと思うのですが、受け皿の確保というか、ここを出てちゃんと本当に受け手があるかということは、先ほどのマクロバランスにもかかわると思いますけれど、見込みとしてはおもちでいらっしゃるのかを伺わせていただけたらと思っています。
  • 中村委員長
    では、後からまとめてということで。
    では、どうぞ。
  • 川口委員
    1つは要望ですが、次回も人材育成の議論をおやりになるということですので、そこで是非議論していただきたいのは国際的な人材育成の問題です。ご案内のように、文科省より留学生30万人計画が発表されて、次年度に向けてグローバル30の募集要項をつくっておられるようですが、この計画の重点は何といっても理工系の大学院となるべきだろうと私は考えています。特に、日本の労働力不足とか技術者不足を展望した計画という位置付けですと、まさしくこの点が重要になるわけで、どんなふうに我々はアジアの人材を日本に連れてきて、日本の中で理工系教育を施し、日本の企業に就職させるか、そういう道筋を今大きくデザインしなければいけないというところに来ているのですが、そういうグランドデザインがみえないままに走っていると感じる部分もあり、現場、大学としてはどう対応するかに正直苦慮しているところがあります。
    この辺については、経済産業省は当然にこれまでも、アジア人材資金構想もおやりになってきていることですから、そういう実践を踏まえて、どういうグランドデザインを描くかということは、ぜひこの小委員会の大きな課題として設定していただきたいと思います。
    2点目は、産業界に博士人材を誘導する場合にどのようなキャリアパスを同描くか、というお話が本日の中心的な議題だと思いますが、企業の中での技術者、研究者のキャリアがどう形成されていって、最終的にどうなるのかという絵をぜひもう少し具体的にご提示いただきたいと思います。島津製作所の田中耕一さんがフェローという形になっておられるようですが、ああいうロールモデルが社会的にみえていない。中村修二さんのように、結局、けんかして企業を出ていくのかなというのが、率直な子供たちのイメージなんですね。
    理科離れについては、なぜ子供たちが工学系の進路を選びたがらないのかということをこれまでにいろいろな人に聞いてみましたが、将来がみえないと。どうせ企業に就職するなら、文系へ行って、文系というのは正直いって楽なんですよ、勉強は。そして、企業へ入って、社長になる道は文系のほうがずっと可能性が高いと。そうであるならば、理系を選ぶというのはよほどの変わり者になってしまうわけです。コミュニケーションスキルが高い子は理系へは行かないんですよね。ですから、企業側はなぜ工学系の大学院を修了した学生が来ないと思っておられるのかという本音をもうちょっと聞かせていただきたい。
    我々も、学生に「大学院へ進学し、企業に就職せよ」というのだけれど、「じゃあ、その後どうなるのですか」ということについて、我々は今、説明する材料をもっていないんですね。文系だったらみんなもうわかっている。我々も企業へ行ったドクター修了生を大学に呼んで研究発表させるという取り組みをやってはいますが、それはまだ若い層に限定されており、その先どうなっていくかというのは彼らもみえていないところがある。この辺を一つお聞かせいただきたい。これは日本の企業における人事処遇制度の問題と深くかかわっているように思うのです。
    それとかかわって、もう一つ、産官学の人材交流を推進すべきという話は随分前からありまして、きょうも議論の中に出てきました。しかし、率直にいって余り進んでいない。なぜ進んでいないかという分析をもう少し深める必要があるのではないか。
    さらに、これもあえて大学側からいわせていただきますと、大学は産業界から教員を結構受け入れているのですが、大学の教員が産業界へ行って活躍しているという例はほとんどありません。これはなぜだと。なぜそれができないのか。それは必要ないのか。必要ないのだったら、こういった人事交流の必要性を謳ってもしょうがないわけですから。その辺は、日本の企業と大学の関係がアメリカ式の回転ドアのように本当になるのかどうか。この辺をもう少し突っ込んだ議論を今後していく必要があるわけで、今のレベルでの議論はもう十分済んでいるのではないかなと率直に思います。
    以上です。
  • 中村委員長
    はい、有信委員、どうぞ。
  • 有信委員
    いろいろ意見が出て、それぞれ重要で、特に先ほどのグローバル化の話とか、人材の流動化がなぜ進まないかというのは、もう少し本音で突っ込めば。私ももともとドクターコースを出て研究所に入ってということで、一つのロールモデルではあるわけですが、これは別として、そういう意味で、双方でかなり思い込みの部分があるんですね。思い込んでいてきちんと現実をみていないために、ああだこうだという議論の部分がありますので、そういう議論はぜひ本音のところでやるべきだろうと思います。
    それで、ちょっと戻るのですけれど、先ほど西山委員もいわれましたけれど、トップ、ミドル、ローという見方が一つは重要だということと、それとあわせて、先ほど早稲田大学の説明の中であった教員の意識が一番重要だという問題と、もう一つ、今の大学院制度がきちんと制度化されたのが昭和48年だと聞いています。つまり、それ以前は、大学院というのは具体的に何もきちんとした制度化はされていなかった。したがって、大学の教員の意識が新しく制度化された形にきちんとなじんでいないのは、多分当然だろうと思います。
    そういうバックグラウンドを踏まえて、もう一つの問題として、大学の教員側が考えるトップ、ミドル、ローという考えと、イノベーションを先導する人材という意味でのトップ、ミドル、ローが本当に同じなのか。それから、研究者として極めて優秀な人と、イノベーションを先導する人が同じなのか、これは実は同じではないんですね。したがって、この辺の議論は漠としてやってしまうととんでもないことになってしまいますので、そういうところをぜひ整理をしながら、その中で、大学院での教育が根本的に足りないというのは企業サイドは基本認識として持っていますので、そういうことを含めて議論をしていただければと思います。
  • 中村委員長
    では、池上委員、どうぞ。
  • 池上委員
    先ほどの高専の河野先生のお話と関連して意見を述べたいと思います。私は産学官連携をずっとやってきまして、むなしい思いをもったんですね。しかし、リビルトというような言葉もあるようでございまして、これから新しく展開していかなければいけないと思っているのですが、私の産学官の経験から申しますと、トップレベルについては、多分マネージするのは非常に難しいだろうと思います。むしろ、ミドルレベルをどう上げていったらいいか。日本の場合はミドルレベルが非常に強かったといわれているわけですね。
    私は会津大の学長をやっているときに、みえないものを対象にしてソフトウェア人材を育てるにはどうしたらいいかということについてかなり一生懸命考えた。それで、知識とスキルというのがあって、まずはスキルをある程度固めていかなければいけないのではないかというのが私の結論なんです。特にみえないものを対象にしている場合には、キーボードでも構わないのですが、五感に訴えるような部分で何か体の中に入ってくると、その後、その分野の知識を割と抵抗なく受け入れていこうとなる。
    もう少し具体的に申しますと、なぜ高専との関連でと申し上げたかといいますと、高専教育というのは基本的には五感で訴えるような教育をしていると。例えば、機械関係の話であれば、キャスティング、モールディングとか、要するに機械を感覚的に覚えるような部分の教育をやっていると。ところが、今、大学の場合ですとそれがほとんどないわけですね。そして、先生ももちろんできない。
    これは大きな流れでいいますと、世の中がデジタル化した中で、あるいはバーチャルリアリティといっている中で我々がどうするかということの一つ大きな問題提起があって、それに対する回答というのは、スキルを覚えさせる。そのためには、五感で感ずるようなものをどこかで教えるということが重要ではないか。
    私は極めて具体的に申し上げますと、大学は、ご案内のとおり、今まで学部教育については、私は学長のときに学部教育が重要だといったけれど、どこの学長も乗ってくれなくて、やっぱり研究が大事だと。世界第一の研究はできもしないことに、そういうことをいうわけですよね。でも、少なくとも学部教育、そしてそれに関連して、高校の教育が今文科省では実は問題になってきているわけです。初等、中等教育はいろいろやってきたと。そして、大学院は人材育成というのがあっていいのではないかと。ところが、ご案内のとおり、文部省の基本的な考えの中に人材育成という発想がなかったわけですね。
    大学院が生まれて、大学院というのは人材育成だった。今まで大学院というのは教員の人材育成で、先ほどだれかおっしゃっておりましたように、20年に1回しか教授のポストはあかないですから、チャンスがないわけですよね。そうでない人材育成ということを考えていった場合には、どこでも使える基礎というのは、実は五感で学ぶことができるような経験を与えることが重要で、したがって、学部教育の中で高専をもっとうまく活用するようなことをやっていったらいいのではないか。
    例えば、インターンのかわりに高専に行きまして、キャスティングやモールディングとか、まだ昔のいろいろ残っていますから、そういったものを例えば1週間ぐらい学ぶといったことを具体的に考えていったらいいのではないかと思っております。
    私が申し上げたかったことは、デジタル化社会という中で、例えばバイオにしても、今はボタン1つ押すと全部出ちゃうわけですし、将来、ゲノムも1人当たり、今は1,000万までいけばいいといってるくせに、10万ぐらいできるかもしれないと。そういう実態がない中でいろいろ物を仕上げていかなければいけない。その部分も重要なのですが、やはり一番もとになるような、肌で、五感で訴えるところをいろいろ高専で学ぶという機会があっていいのではないかと思っております。
  • 中村委員長
    では、請川委員、お願いします。
  • 請川委員
    今の池上先生の話にちょっと関連して、支援人材のほうのお話をさせていただきたいと思います。これは非常に難しいと思います。大学でも、助手のポストを切って教授をどんどんふやしているというか、定員削減の中で助手を切っている。いってみれば、支援人材を切っているという状況の中で支援人材を確保していくと。我が国特有の定員という概念の中で、新人材を本当に職業としてつくり上げていくことが必要だと思います。
    そのためには何が必要かということですが、現状は、高度研究分野においては、支援業務というのが非常に個別化、専門化されてしまって、先生と1対1という徒弟制度のような形でしか働く場所がなくなっていると。したがって、職業として成り立たないというのが現状だと思います。
    一方で、それをイノベーションのために必要だということもよくわかっているわけですが、では、具体的にどういう可能性があるかということですけれど、できるだけ近い分野の高度スキルを幅広くやれるような人材を育てていくと。さて、これが大学教育の中でできるかという問題なんですね。多分、難しいと思います。大学教育の中で、一方で高度な研究者を志向する教育をしながら、一方で高度な支援人材を育てるということは、なかなか難しいと思います。
    とすれば、もう一つの手段は、高専等を使うということになってきます。そうすると、現状、高専が高度なスキルを習得できるだけの設備があるかというと、それはほど遠いのが現状だと思っております。したがって、今後、高専をいかに活用して、大学と高専の連携でイノベーション人材を育てていくということを考えるべきかと思っています。
  • 中村委員長
    まだ発言が一度もない委員、佐野委員。
  • 佐野委員
    私どもは投資会社の立場でございまして、この中ではちょっと異色かと思いますが、産学連携に関しましては、私は10年来かかわらせていただいております。野村グループなどでやらせていただいたのですが、今回のとりあえず主な論点では、どちらかといえばミドル人材なり、底上げ的なご提案がきょうは中心になっているように思われますし、産総研さん、あるいは早稲田のほうも、ポスドク対策、リクルート対策に近いような、平べったくいうとそんな感じかなと思ったのですが、ただ、産学連携のもっている意味合いが、過去10年間、大分変わってきたかなと。
    10年間やってきて、形上はいろいろ例も出たし、投資、ベンチャーの面では産学連携の投資が相当出てきたとはいわれております。ただ、今までの10年間は実証的なものをいろいろつくっていこうという時期だったと思うのです。まだそれでいけたと思うのですが、今後を考えたときに、産学連携のもっている意味は、今まではキャッチアップ型でやってきた日本をリード型の国にしていくと。産業を創造するための産学連携にしないといけないかなと。
    これまでの産業創造というのは、日本はほとんどアメリカの物まねをやっていれば、インターネット産業なり、バイオ産業なり、以前の電子産業を含めて、ネタはあったのですが、ここに来てアメリカの状況をみると、アメリカをみても何も習うものはないし、今、オバマさんがいっているような内容自体が、日本が逆にリードしなければいけないことをいっていただいているわけで、もっと日本がいえるような人材をどうやってつくるかということになると、日本のもっているアカデミー、この先端的な部分を本当の産業にしていく能力のある人をどうつくるかと。
    ただ、ミドルの場合はこういうご提案もあると思うのですが、トップクラスを、本格的に産業をつくらせるというのは、余りたくさんの人数は要らないと思います。きちっと仕事をする人が1,000人いて、それをリードする人が1人いると。この1人をどうつくるのかという議論が、それ自体の効果は爆発的なものがありますので、そこの議論が論点に入っていないので、もうこれは要らないのかと、もう話し合うつもりはないのかということなのですが、私はそれこそ、その1人のための、1万人の1人のための議論というのを全く抜かしたら画竜点睛を欠くということになると思いますので、そこをぜひお考えいただきたいと思います。
  • 中村委員長
    では、次に、牧野委員、お願いします。
  • 牧野委員
    私は、今、佐野委員のおっしゃったようなことをいおうかと思っていたのですが、西山委員のお話を聞いていて、トップがどういうふうに育つかというのが、この国の将来を担うのではないかなと思います。こういう話はしにくいので、なかなか出てこないのですが、真ん中はそれなりに育つと思います。会社の中でもそういうシステムをおもちですから、当然、育つと思います。
    例えば、EUとかをみておりますと、アメリカ型のPh.Dを導入しろというので、特にハビリテーションのシステムをもっていく国には大きなプレッシャーがかかっておるのですが、ドイツもPh.Dを導入しておりますけれど、ハビリテーションを横にちゃんと残しているんですね、薄く。そうやってトップクラスを育てていくような国の対策というのをもっているんですね。
    マスターコースは、会社等々と大学がもう少し考えなければいけないのですが、もうほとんど研究の実績を与えるような場ではなくなっているんですね。授業に出て、就職活動をし、それが終わるともう夏休みというぐらいのテンポに今なってきているわけですが、ドクターコースこそそれを埋め合わせる場所だと僕は思うのですけれど、そういうところにこの国の将来を担っていく人を育てるような場を、もう一回みんなで考える必要があるのではないかなと思っています。
    文科省の集まりではないので、場違いな発言かもしれませんけれど、そういうふうに聞いていて思った次第であります。
  • 中村委員長
    では、吉川委員、お願いします。
  • 吉川委員
    新聞で「理系白書」という連載をしている関係で、ここ数年、就職セミナーの講師をすることが多いです。理系の修士、学士さんを対象にした講座で、就職戦線が始まる10月にしゃべるテーマというのは、理系の強みの生かし方、自分を知って適職選びみたいなことを話します。大体毎年どこの会場でも質問に出ることがありまして、それは女子学生の方ですけれど、「自分はこれこれの大学でこういうことをやった。ただ、研究者としてずっとバリバリ働くのではなくて、自分のやったことを生かした就職をしたい。それで結婚もしたいし、出産もしたい」と、そういう質問が必ず出て、「そういう企業はどこがありますか」といわれるのですが、私もそれに的確な答えがなかなかできません。
    ただ、今回の論点にあるように、論点(1)、あるいは論点(5)ということがあるので、これは大変必要なことだと思います。さらに、産総研さんの取り組みでも、支援の育成さんのほうには女性が多いということからすると、女性の力をうまく生かすことは非常に大切なことだと思います。
    もう1点、今の時期になりますと、学生さんはそろそろ自分の就職分野を絞ってくるので、この時期にやるセミナーでは、学科専攻別を生かした適職選びみたいなことでしゃべるのですが、そのときにやはり物すごく質問が集中するのは、「この会社に入って、10年後、自分はどんな仕事をしているのか、その間にどんなキャリアパスを積むのか」といった、かなり具体的な質問をされます。先ほど川口先生が最後の姿をみせてほしいとかとおっしゃられましたが、全くそのとおりで、就職をする学生さんも、その企業で10年間、自分はどんなことをするのだろうということをとてもとても真剣に考えていて、心配に思っています。
    ただ、そういう場を具体的に提供する場がありません。私は、自分で取材をした人とか、自分の身の回りの人に簡単なアンケートみたいなものを送って、「この会社に入って1年後はどうですか、2年後はどうですか、5年後はどうですか、10年後はどうですか」みたいなことを聞いて、業界ごとに、この業界ではこんな感じだみたいなことをしゃべっていますが、学生さんはそういうことに非常に真剣に聞き入ってくれますので、キャリアパスという形を示すのは、理系に優秀な人材を集めて、その人たちを活躍させるには必要なことだと思います。
  • 中村委員長
    次に、宝田委員、お願いします。
  • 宝田委員
    私は群馬県におりまして、地方の中小企業が非常に多い東毛地域にいます。そこで1社1博士プロジェクトというのを昨年から開始しております。企業のほうも、特に中小企業だからドクターは要らないかというと、とてもそういう状況ではありませんで、専門性が高くないととても国際的に勝負ができない。そういったことで、随分多くの応募をいただいております。うちの定員の約6割以上はドクターの社会人です。
    ただ、それは裏返していうと、下からずっと上がっていきにくいと。大体みんなマスターで卒業してしまうのが多いのですが、そこの実情は、学生に聞いていますと、マスターだったらとにかく就職がいいと。そして、パーマネントになれる。ドクターまでいくと、いわゆる期間労働者になってしまうと。そうなると、ドクターへ行って何がメリットかということになりますので、先ほどからお話を聞いていて、産学の連携で、産がドクターを本当にどういうふうに使っていくのか、そういったところがやはりみえていない。
    産学官の連携の人材育成、このキーワードはもうずっといつもいわれているのですが、実際の場がないですよね。こういう場じゃない、もう1段ブレークダウンしたところの場が必要かと思います。これは大学側も大きな反省がありまして、先ほど早稲田の例で、意識改革が大変重要だということでしたが、うちもやはりそういうところは大変重要です。教員の意識がなかなか変わらない。学生は長期インターンシップをやっているのですが、私は、教員が長期インターンシップへ行って、本当に産業界を少しわからないといけないんじゃないかと。
    私は実は企業におりまして大学へ来たものですから、多少はわかっているつもりですけれど、全くわからない教員が産業界のための人材育成をするなんていっても、ほとんど不可能ですね。ですから、こういった交流も含めたような仕組みをこれからぜひお願いしたいと思っています。
    以上でございます。
  • 中村委員長
    時間もほとんどないのですが、府川委員、お願いします。
  • 府川委員
    1つは、先ほどキャリアパスの話が出ましたけれど、今、博士セミナーというのを日本化学会でやっておりますが、20社ぐらいの企業の人が博士の人を、1回、50~60人で、5回やりましたけれど、各社さんはキャリアパスについて、会社に入ってドクターの人がこういうふうになったといった具体例を結構出してくれて、聞いている博士課程、あるいは博士課程に進む人にとっては役に立っているんじゃないかなと思っています。
    今、化学業界で、トップのほうは博士の採用が20%ぐらいに上がっていまして、その後、15%とか10%ぐらいのところがあるのですが、問題は、化学業界全体でみると、時期も違いますけれど、博士の採用比率が5%ぐらいしかないんです。それで、大手だけに集中しているという感じがして、先ほどもお話がありましたように、もっと博士人材の活用が広がるためには、もう少し中堅クラス、あるいは先ほどお話がありました中小企業も含めて、広いキャリアパスがいかないといけない。
    いい人の数が限られていて、大手が全部採用しちゃっているのか、博士の人が大企業志向なのか、その辺がよくわかりませんが。あるいは、中小企業のほうが、社内に博士の人がいないと、博士の人が入ってきても教育したり指導したりすることがなかなか難しいという話も聞いていますので、ともかく企業での採用もトップはかなり進んでいるのだけれど、広げる必要があるのではないかなという気がします。
    それから、産総研できょうお話を伺って、非常にいい取り組みだなと思っています。僕の感じでは、大学出のポスドク対策が、いろいろなプログラムがあるのですが、どうも行き詰まっていて、大学の先生方の意識もなかなか、さっき西嶋先生がおっしゃられたように、必ずしも浸透しないので、産総研のようなところのほうが、そういう意味では非常に理想的にそういう教育システムをつくれるのではないかなということで、非常に期待をしております。それで、産総研でやられた内容を大学のほうへもまたフィードバックすることをぜひ期待したいと思います。
    以上でございます。
  • 中村委員長
    時間が12時までなのですが、非常にご意見をたくさんいただいておりまして、5分間延長して、12時5分までこの会を行いたいと思いますので、ご協力をよろしくお願いします。
    では、佐竹委員、お願いします。
  • 佐竹委員
    私どものほうでもいろいろな取り組みをしておるのですが、人材育成というのは、多様な人材を育てる、そしてその能力を高めていく、またその能力を現場でどのように生かしていく人材を育成するかということが非常に重要ではないかなと思っております。
    その中で、皆さんからいろいろ提案されて解析していきますと、大学の中の基礎教育がどうか、また、外部との交流という、この交流の部分というのが非常に重要だと説かれているのではないかと思います。ここの場合は産と学の交流をいかに活発に行っていくか、それをまた大学あるいは企業の中でどのように取り組んでいくかということを考えていかなければいけないのではないかと思いますが、大学の中でそういう交流を真剣に考えていく、またそれを持続的に運用していくというシステムを大学の中に取り組んでいかない限り、こういう人材育成というのは成功していかないのではないかと思いますので、大学の内部にそういうシステム、組織を形成するような働きかけをしていくということも非常に重要ではないかと考えております。
    以上でございます。
  • 中村委員長
    では、次に、村上委員、お願いいたします。
  • 村上委員
    現実に目の前にある問題についてまずやるべきことをやらないといけないと思いますのは、有信委員が指摘されましたように、産業界と大学の先生方が考えていることにギャップがあるんですね。この経済産業省の資料にも、そして早稲田大学の資料にもありましたけれど、教員の意識改革というのが非常にキーポイントになるのですが、意識改革は私はほとんど不可能だと思います。私の長い経験です。
    では、それをどうしてやっていくかというと、国レベルの制度、仕組みを大学院の博士課程の教育に取り入れない限り、先生方に任せても説教では変わりませんから、例えば長期的には、笠木委員が指摘されたようなことにもっていくと。それから、短期的には、インターンシップでも、例えば有信委員とは別の会議でも一緒になるのですが、インターンシップを大学の先生は企業に任せればいいのだと、そういう意識で出しているんですね。そうではなくて、本当にインターンシップの仕組みを実効が上がるように両者で考えてやらないと、例えば、同じようなことをやっている研究所にいればいいのだとか、そうではなくて、むしろ違ったところに最低3カ月、あるいは6カ月とか、その先生とは違ったところに行かないとおかしくなりますよ。
    私は、修士まで行って、幸いなことに、民間企業で3年半経験しました。それが私の博士課程だったと。私の先生は非常に優秀な人だったのですが、私はそこに5年間いたらおかしくなっていたと思います、後で振り返ってみて。本当に優秀な先生なのですけれど。私はその2年の修士で大学の先生が務まっていますから。だから、そこのギャップですね。
    トップレベルというのは計画的につくり出すのはなかなか難しいと思うのですが、ボトムが大きくなると必ずトップのパーセントが上がってくると私は思っていますので。ですから、そういう国レベルでの仕組みを博士課程に入れないと、個々の大学でこちょこちょやっても、これは私は変わらないと思っております。
  • 中村委員長
    次に、布村委員、お願いいたします。
  • 布村委員
    きょうのテーマが、イノベーションを担うようなトップの人材の話と私は理解して来ましたので、私の現在の地方の私立大学の工学部では関連が薄いと、これは拝聴するだけだと思っていたのですけれど、下のほうの話も少し出てきましたので。
    私のところの大学はちょっと特殊でして、今から10数年前に地方の中小企業がつくった大学という、そういう特殊な立場になります。したがって、現在でもそこで交流会というものをつくりまして、全員で交流していますが、そういうところへでも学生を送り込んで、いわゆるイノベーションとまではいかなくても、企業のほうが確実に転換したという例が既に起きているので、そういう下のほうのレベルの人材育成についても、きょうのここの人材育成のテーマとして検討していただきたいと思います。少し高専の話なども出てきましたので、そういう面もみていただきたいというのが期待でございます。
    それから、理科離れの件については、1つ大きい点を皆さんに気づいていただきたいと思いますのは、工学部の場合は、皆さんはほとんど国立ですけれど、私立の工学部も相当あります。そこでは文系に比べて、極めて具体的な数字でいえば、授業料は年間、文系が100万、それに対して工学部は150万というのが標準です。その差自体が理系に進む人間をすごく抑制しているのではないか。かつ、それだけの見返りがないんですね。その点が理系離れを推し進めているのではないかなという感じがいたします。ここの議論の中心からは外れていますけれど、下のほうの分につきまして、人材育成、あるいはそれと産業界との関連について検討を進めていただきたいと思います。
  • 中村委員長
    それでは、次に、土井委員、お願いいたします。
  • 土井委員
    私は事業インキュベーション会社として、大学の先生と一緒に大学発ベンチャーをつくって、ポスドクの人を雇って、事業を起こしたり、地域の中小企業と大学の技術をつないだりしているわけですが、雇った人材の中には、博士課程を出て独創力があってすごい発明をしてくれるような人材、いったことをきちんとこなしてくれる人材、それから研究者の支援に回ってくれるテクニシャンの人材、それぞれがそれぞれの役割で活躍をしてもらっています。
    資料3の2ページの主な論点の(2)に「育成する「人材像」を明確にしつつ、複眼的・実践的カリキュラム開発」と書いてありますが、人材像を明確にしないで何を育成するのかなと私は読んだときに思ったのですけれど、当然、インターンシップに出すにしても、カリキュラムをつくるにしても、将来的にすごい発明ができるような研究人材を育てるのか、あるいはきちんと仕事ができるテクニシャンを育てるのか、何にしても人材像を明確にしない限りはできないし、それが一律的であるわけでもなく、ある大学はこういう人材を育てる、このプログラムではこういう人材を育てるというように、明確にしていただかないと、企業側としては使えないなという感想です。
    同時に、そこが明確にならないと、その人材育成プログラム後に自分がこうなるという姿がみえないと、モチベーションが上がらないんじゃないかなと不安をもっています。実際、我々もベンチャー企業をつくって、企業に入った人材、博士、修士を出た者ですが、企業に入って初めて研究が楽しいと思ったという人材が何人かいます。それは、この研究によってこういうゴールがみえるよと示すことによりモチベーションが上がってくるので、そこは非常に重要ではないかなと思っています。
    もう一つだけ、産学連携のところで問題になっているのが、さっき前田委員もおっしゃっていましたが、コミュニケーションですね。なかなかコミュニケーションがとれない中で非常に苦労しているのですが、これは日本の一つの問題点だと思うのですけれど、「コミュニケーションをとるためには、組織の中でどう生きるか、チームで生きる意味とは、コミュニケーションのとり方、それから、社内・社外を含めて、お互いの役割、アライアンスをどのように組んでいくか」などについて、中高大と一切教えていませんよね。組織論というのを。組織論について若いころからそれなりに教育していると使えるようになるけれど、実際のところ、企業に入ってから企業が組織論の教育をしているのではないかなと。ここがすごく問題ではないかなと思います。
    きちんとアライアンスを成り立たせるためには、それぞれの人の「立ち位置」、「役割」、「権限」、この3つを理解することが重要、これは企業同士組むときもそうなのですが、それぞれの「立ち位置」、「役割」、「権限」について、自分自身と相手のことを理解するような人材が育てば、当然、文系と理系も一緒にやっていけるわけですし、産と学ももっと組めるだろうと。この辺の教育も同時に必要なのではないかなと思っています。
    以上です。
  • 中村委員長
    それでは、最後に、坪田先生。30秒とはいいませんけれど。
  • 坪田委員
    先ほどの有賀先生と川口さんの意見、全く同感で、僕たちは大学で育てますと単一のイメージしかないんですね。ですから、多様性に本当に欠けています。先ほどモラトリアムのためのお金が文科省から来て、企業に派遣できるということをお話ししましたけれど、1億円の資金がありながら、実は5,000万円しか使われていなくて、せっかくのチャンスかあるのにみんな使わない。みんな大学に居残って、大学で教授になろうと、そういうポジションがある。これはイメージかしっかりとできていないからじゃないかと思います。ですから、川口さんがおっしゃったような、キャリアパスの後にみるイメージというものをこの委員会で、日本全国に対して、「こういう道があるのだよ」という多様性をしっかりと見据えることができたら、すばらしいなと思います。
  • 中村委員長
    本日も時間超過いたしました。たくさんのご意見をいただきまして、ありがとうございました。特にやはり人材育成で、トップとミドルとロー、トップは恐らくは皆さんのご意見では自然に育っていくものでありましょうと。大事なところは、ミドルをいかにして産学連携してうまく育てていくのか。
    もう一つ重要なことは研究支援人材で、最初からアメリカ風にそういうものをきちんとつくっていくのかどうか。日本のシステムでは段階的に上がっていくようなシステムでありますが、そうではなくて、役割を明確にすると。そして、そういう人たちにきちんとレスペクトするといった教育をすることが大事ではないか。
    非常に簡単に大まとめにさせていただきますと、そういうことが非常に重要な視点ではないかと感じられました。
    それでは、事務局から、次回のスケジュール等も含めまして、追加発言がありますので。
  • 谷大学連携推進課長
    それでは、1分以内で。次回は、本日いただきました貴重なご意見を踏まえまして議論させていただければと思っております。グローバルな国際的な展開を深めた人材ですとか、企業の中での技術者のキャリアパス、さらには高専・公設試と大学との連携、さらにトップ人材、ボトム人材をいかに育成するのかといったところを議論させていただければと思っております。非常に貴重なご意見をどうもありがとうございました。
  • 中村委員長
    それでは、以上をもちまして、第9回産学連携推進小委員会を閉会いたします。本日はご多忙の折、ご出席いただきまして、どうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2009年3月6日
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