経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会産学連携推進小委員会(第10回)‐議事録

日時:平成21年2月26日(木曜日)14時~16時
場所:経済産業省本館17階西7第1特別会議室

議事概要

  • 西脇大学連携推進課長補佐
    そろそろ定刻となりましたので、産構審産技分科会第10回の産学連携推進小委員会を始めさせていただければと思います。
    本日は、ご多忙のところ、委員、皆様方におかれましてはご出席いただき、まことにありがとうございます。
    初めに、委員の方々の出欠でございますが、本日は、坪田委員と三木委員におかれましては、残念ながらご都合がつかず欠席ということでございます。
    次に、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の「配付資料一覧」にありますとおり、資料1から3となりますので、ご確認をお願いいたします。もし不足がございましたら、事務局までお申しつけください。
    それでは、この後の議事進行は中村委員長にお願いさせていただきます。
  • 中村委員長
    それでは、早速、本日の議題、「人材育成について」の2回目に入りたいと思います。
    前回は、いろいろご議論ありがとうございました。前回の議論を踏まえまして、まずは事務局のほうから説明をいたします。
  • 西脇大学連携推進課長補佐
    それでは、お手元の横長の資料3に沿って、なるべく議論の時間をとっていただくために、ごく簡潔に説明させていただければと思っております。
    ページをめくっていただきますと、今回の位置づけでございますが、人材育成の2回目ということで開催させていただければと思っております。
    次の2ページ目が、前回提示させていただいた論点でございます。
    ページをめくっていただきますと、次の3ページ目でございますが、こちらのほうが前回の議論の整理。いただきましたご意見を少し整理させていただきまして、並べさせていただきました。
    このような3ページ目のいただいたご意見の整理を、さらに論点という形で再整理させていただきますと、その次の4ページ目でございますが、主にこの5つぐらいの論点になるかと思っております。これが4ページ目でございますが、前回までの議論を踏まえ、今回特に議論を深めていただきたい点として、論点1、イノベーションを担う人材(イノベーションを先導する人材、イノベーションを支える人材を含む概念)というふうに理解しておりますが、こちらの育成に産学の連携で具体的にどう取り組めば効果的かというところをかなり前回ご議論いただいて、今回も議論を深めさせていただければと思っております。
    次が、前回特にご指摘いただきました論点2でございますが、特にイノベーションを先導するグローバル人材、トップ人材の育成についてどのように取り組むかというところの議論を深めていただければありがたいと思っております。
    その次が論点3でございますが、前回も議論として出ました産業構造、産業分野をにらんだイノベーションを担う人材の供給と需要、こういったところについてよく検討する必要があるのではないかというようなご指摘をいただいたと思っております。
    その次でございますが、論点4として、産業界、大学、高専、公設試それぞれの連携によって、社会人、離職者の再教育や地域の人材育成、特にイノベーションを支える人材という意味でどのような取り組みが可能かというところをまたご議論いただければと思っております。
    その次が、論点5として、こういうイノベーションを担う人材の創出に社会全体でどのように取り組めば効果的か、どうすればすそ野が拡大していけるか、このようなところをまたご議論いただければと思っております。
    ページをめくっていただきまして5ページ目でございますが、論点1、イノベーションを担う人材育成、ここでは特にイノベーションを先導する人材の育成というイメージでご議論いただければと思うのですが、産学の連携で具体的にどう取り組めば効果的かということで、特に人材育成の中身が、前回のご議論も踏まえますと、キャッチアップ終焉、需要の不透明感がある中で、より社会における新たな課題の設定力、解決力、俯瞰力を重視した出口に向けたイノベーション、こういったものを担う人材育成というのが今求められているのではないか。すなわち、基礎的な学問体系の取得は大切にしつつも、課題の設定力、解決力、俯瞰力などの応用力に人材育成の力点をシフトする必要があるのではないか、このような議論があったかと思っております。
    次に、その手法として、特に大学側のほうで外部、産業界、社会に対して、1つ目のポツでございますが、最後のところで、大学側は教育課程の達成目標を明示していくことが大事ではないか。
    その次のポツですが、企業側においても、そのような大学の取り組みを明確に評価し、人材採用、評価に反映させていくべきではないかということで、この人材の育成と評価の好循環を構築していく必要があるのではないか、このように指摘させていただきたいと思います。
    その次の6ページ目にございますように、こちらは日本工学アカデミーの指摘でございますが、先ほどの1つ目の点として、やはり先端基礎科学技術推進政策と新技術の産業化・イノベーション推進政策は本質的に異なるものである。政策として異なるものであり、人材育成の観点も異なるところがあるのではないか、このように思っておりまして、前回のご議論の中でも、サイエンスにおける優秀な人材とイノベーションを先導する人材とは必ずしも同じではないのではないかというご指摘をいただいたかと思うのですが、このようなところをまた議論を深めていただければありがたいと思っております。
    ページをめくっていただきますと、7ページ目と8ページ目でございますが、これは、この審議会委員を務めていただいております笠木先生のほうからいただきました資料でもあるのでございますが、大学側の最近の取り組みといたしまして、ビジョン、目標、教育プログラム、出口管理、こういったものをきちっと社会に明示して、教育の内容がみえるようにしていく必要があるのではないか、このような問題意識をいただいております。
    8ページ目のほうでございますが、機械工学分野においてもより応用力にシフトした人材育成ということで、基礎素養、専門知識はもちろんのこと、3.4.にございますリテラシーとコンピテンシー、まさに課題設定、解決到達力でございますが、こちらのほうも重視していく必要があるのではないか、このような指摘をいただいております。
    ページをめくっていただきますと、9ページ目、10ページ目が、実際に東京大学機械工学専攻で取り組んでいただいているものでございますが、このような形で、具体的に学生をどういうふうに評価していくかというのを各研究室や教授任せということではなく、学科で統一して取り組んで、特に9ページ目の評価項目のところにございますが、課題抽出力や設定力、こういう研究成果、創造力みたいな応用力へのシフトというところを特に重点的に評価する、そのようなことに取り組んでいらっしゃる。
    かつ10ページ目にございますように、こういう形で、学生がどういう教育を受けてきたかというトラックレコードを大学の中で明確にしていただいて、まさに企業が学生を評価するということがより可能になっていく、社会が学生を評価するということがより可能になっていくような仕組みに取り組んでいらっしゃるという指摘をいただいております。
    ページをめくっていただきますと、11ページ目なのでございますが、こちらは、本日ご参加いただいている西山委員を初めとするバイオ産業の皆様方と、東工大をモデルケースとして、経産省、文科省で現在取り組んでおります産学人材育成パートナーシップ事業の中でやっているモデル事業なのでございます。この表題にございますように、バイオ産業分野におけるリーダー博士人材育成のモデルプログラム開発ということでやっておりまして、このバイオ分野が一番ドクターが収容できずにいらっしゃる割合が多いわけでございますけれども、こちらはバイオ産業におけるリーダー博士人材育成ということで、産業界の方々が入った形で東工大のバイオドクター課程のカリキュラムの改革、改善というのを行って、これに今取り組まれて、この4月から実際にコースが立ち上がっていくということになっておりますが、そういう企業も見える形で大学教育をやっていただく中で、企業側としてもそこから出てきたドクター人材というのを評価して採用していく、そのようなことに取り組んでいきたいとしているものでございます。
    次の12ページからが、本日もご参加いただいております東京医科歯科大学知財本部の前田委員のところで取り組まれている話でございまして、こちらのほうは、知財本部という産と学の接点にいるところでいかに実践的人材育成が可能かという事例でございまして、どういう人材を育成していくかという目標と内容を定めて、その上で、ページをめくっていただきますと13ページから14ページでございますが、こういう専門知識をもちつつ幅広い広範な知識をもった人材を育成していくという観点から、14ページにございますような、極めて実務志向の人材育成というところに取り組んでいらっしゃいます。ページをめくっていただきますと、15ページなのでございますけれども、このような形で、受講前、受講後ということで、受講生の進路ということで情報をいただいておりますが、極めて実践的なご就職ということで進路を定められていると、このような実践的教育プログラムを知財本部のほうで担われているという一例でございます。
    その次は16ページでございますが、これは前回の小委員会でもご紹介させていただきました産業技術総合研究所における実践的な人材育成、大学から企業への橋渡し役を産総研が担うというプログラムでございますが、こちらのほう、先般1月26日から2月16日までで公募させていただいたところ、定員200名のところ、これは現在精査中でございますが、非常に定員を大きく超える応募がございまして、特にポスドクの方のところも非常に大きな反響がございまして、一つこのような人材育成、雇用ニーズというのがあるのかなと、このように感じておるところでございます。
    ページをめくっていただきますと、次、論点2ということで、前回ご指摘いただきましたグローバル人材やトップ人材の育成についてどのように取り組んでいくか。1つ目のポツにございますように、グローバルな視点でイノベーションを担うことができる人材の育成にはどのような環境整備が必要か、もしくはそういう人材を呼び込むにはどのような環境整備が必要かということで、これまたきょういろいろご議論をいただいてお知恵をいただけたら大変ありがたいと思っているところでございますが、本審議会の委員も務めていただいております川口総長の立命館大学さんのアジア太平洋大学のほうでやっておる、18ページ目以降でございますが、「多文化キャンパスの実現」というような取り組みも既に行われているところでございまして、この18ページ目、19ページ目、20ページ目がその取り組みのご紹介でございますが、このような形で、かなり世界各地から留学生の方に集まっていただいてグローバル教育を実践しています。
    これは学部、文系における教育でございますけれども、ページをめくっていただきますと21ページ目には、きょうまた委員としてご参加いただている原山先生の東北大学のほうで取り組んでいらっしゃる、こちらは大学院レベル、理系分野の取り組みでございますが、ダブルディグリー・プログラムの取り組みということで、東北大学とフランスの協定校から、必要な条件を満たしている場合、修士レベルの学位がそれぞれから授与されるプログラムということで、東北大学からは理学研究科及び工学研究科が参加するという形で、このような国際教育に取り組んでいらっしゃる事例もございます。
    あと、もう1つユニークな取り組みとして触れさせていただきますと、22ページでございますが、今回また委員としてご参加いただいております池上先生が前に学長を務めておられた会津大学大学院では、教員94名のところに外国人教員が35名占めるということで、ここも極めてユニークな国際教育を実施していると、このような取り組みもあられます。
    23ページ目以降は、私ども経済産業省のほうで取り組んでいる施策的なところを少しご紹介させていただいておりますが、「アジア人財資金構想」という中で、外国人の特にアジア地域の優秀な留学生を日本に招聘して、日本で専門的な教育を大学のほうで受けていただいて、日本企業、特にグローバルに展開する日本企業に就職していただくというスキームでやらせていただいております。
    それを説明いたしましたのが23ページ目と24ページ目でございますが、ページをめくっていただいて25ページ目をみていただくと少しイメージがわいてくるところもございますけれども、こういう形で各地の大学で、この場合、割と技術分野で特に技術者という文脈で、外国人の方々をお呼びした人材育成というところに携わっていると、そのような施策を推進させていただいております。
    駆け足で恐縮ですが、次の論点3ということに移らせていただきますと、26ページ目でございますが、産業構造、産業分野をにらんだイノベーションを担う人材、この供給と需要のバランスについてよく検討する必要があるのではないか、このような問題意識を私どものほうとしても持っておりまして、前回の委員会でもいろいろご指摘いただきましたが、少しデータとして示しますと、ページをめくっていただいて27ページでございますが、これは、私どもの同じ産業構造審議会産技分科会の中の研究開発小委員会の資料から引用させていただいたものでありますが、下のほうにございますように、研究開発投資額上位200社から人材の過不足感についてアンケートをとらせていただいた結果でございます。棒グラフの読み方でございますが、例えばこの(4)機械系でございますと、青印が今年度、平成20年度実際に採用できた人数の割合でございまして、赤のほうが、本当はもう少しこれだけ採りたかった、さらにいえば、中長期でみるともっと本当は機械系を採りたいのだと、このようなことがこちらのほうに出ております。これは、どう聞くかというところにもよってくるところがあるので、私どもとしては、今後このあたり、もう少し精度を高めた調査を実施していきたいなと思っております。
    下の28ページの問題提起で、このあたりは、また議論を深めていただければと思っておりますのが、1つ、近年人気が低下し志願者が減少している学科でも、将来的な人材育成のニーズが高い分野があるのではないか、このような分野に人材を集める仕組みが必要ではないか。例えば、今後環境問題の対応などからリチウム電池産業の飛躍的発展が見込まれるといわれておりますが、足元の各大学の電気化学科は学生が減っている状況にあるというふうに指摘されております。
    また、少子化、科学技術の高度化など人材の重要性がますます高まっておる中で、人材育成に関し、前以上に経済社会側のニーズと大学側による供給の間でよりよいコミュニケーションと共通認識の醸成を図っていく必要があるのではないか。その際、定員の柔軟な見直しなど、大学側においても一定の取り組みが必要ではないか。さらにいえば、産業の未来像と学問の関連について、こういったものは余りにも情報がない中で学生が進路選択をしているという現状があるのではないか。特に、どういうところに近いイノベーションがあるのかというところが必ずしもみえない中で学生が進路選択しているというところもあるのではないか、こういうところで少し改善策というのを検討する必要があるのではないか、このように思っております。
    ページをめくっていただきますと、29ページ目から、一つの試みとして産業の未来・出口、こういったところと研究人材育成を直接結びつけていくというような取り組みとして、京都大学のほうで今取り組んでおります環境低炭素技術開発拠点というのがございまして、京都大学の高度な研究シーズを有効活用して、企業による低炭素関連、特にリチウム電池の開発というところで取り組んでいく。このような取り組みのイノベーション拠点というのに京都大学のほうで取り組んでおるわけですけれども、こういう課題解決、出口志向型のイノベーションに取り組んでいる。こういうところに身近に接することで、こういう分野における人材の育成、誘導ということにも京都大学として取り組んでいきたいと、このような話をいただいておりまして、本件につきまして、経済産業省のほうでも今回第2次補正予算の中で支援をさせていただいておると、このような取り組みでございます。
    同様の取り組みとして、福岡水素エネルギー製品研究試験センターという取り組みがございまして、こちらも九大、産総研における世界最先端の水素研究の知見を活用して、企業による水素エネルギー関連製品の開発を効果的に進める施設を整備しているということでございまして、こちらも研究開発を進めるとともに、出口志向型のイノベーション人材の育成にも出口がみえている中で取り組んでいきたいと、このような話をいただいております。
    ページをめくっていただきますと、3つ目が慶應義塾大学のがん低侵襲療法研究開発センター、こちらのほうで同様の取り組みをしていただいておりまして、こちらのほうも経済産業省がこのたびの第2次補正予算の中で支援をさせていただいておると、このようなものでございます。
    次に、論点4のほうに移らせていただきますが、32ページでございます。産業界、大学、高専、公設試それぞれの連携により社会人、離職者、特にイノベーションを支える人材としての再教育や地域の人材育成でどのような取り組みが今後可能かということで、特に現下の情勢の中で離職者の方々もふえている中で、再教育の場として産業界、大学、高専、公設試、こういったところが単体よりもむしろ連携した形で具体的にどのような人材育成の取り組みが可能か。また、このようなことについて本日いろんなご知見をいただくことができればと、このように思っております。
    ページをめくっていただきますと33ページでございますが、これは委員をしていただいております佐竹先生の徳島大学のほうで、まさにこういう人材育成に取り組んでいる事例としてご紹介させていただければと思っております。
    次の34ページ目と35ページ目、特にページをめくっていただいて35ページ目をみていただきますと、こちらは三重県のほうの取り組みでございまして、石油化学産業が中心でございました四日市地域において新しい燃料電池産業を起こしていこうということで、このような産学連携による社会人の再教育のイノベーションセンターというものを設けて取り組んでいる、このような事例もございます。
    次が、36ページの論点5でございますが、こちらは、前回時間もなく議論が不十分、しかしながら大変重要な論点かと思っておりますが、イノベーションを担う人材の創出に社会全体でどのように取り組めば効果的かという議論でございまして、こちらのほう、1つ目のポツでございますが、小中高校・大学の各段階における若者、そして、その若者を取り巻く社会に対して、科学者、技術者とそのキャリアに関する情報を発信し、関心を高める、こういう取り組みがもっと必要ではないかと。幼年期、少年期における創造性を伸ばす教育に、家庭、地域、社会も含め真剣に取り組むべきではないかといったところと、これも委員の方からいただいたご指摘でございますが、博士号取得者の理科教育への活用や理工系大学を教員の理科知識の再教育の場として活用していくといったことも可能ではないか、このような指摘もいただいております。
    ページをめくっていただきますと、37ページと38ページでございますが、日本機械学会によるこういう社会啓蒙活動でございまして、これは学会ができる取り組みとしてご紹介させていただいております。日本機械学会の中で能力開発促進機構というのを設けまして、5.にございますように、理工系教育に関する事業といったところで、さまざまな小中高校を回っていくような取り組みを機械学会員の方々が取り組まれているというようなこともございますし、もう1つは「機械の日」の取り組みということで、全国一斉にこういう「機械の日」を記念しての式典というものを、さまざまなイベントというものを各地でやって機械工学の認知度を上げていく、このような取り組みもされていらっしゃいます。
    ページをめくっていただきますと39ページでございますが、こちらは文科省のほうの取り組みで、昭和35年より取り組んでいる「科学技術週間」ということで、博物館や科学館といったところがこういった取り組みの担い手になっている場合もございます。このほか、例えばシャープさんとか三菱重工さんとか、こういったところも個別の企業として理科離れ対策に取り組んでいると、このような話もございます。
    最後になりますが、40ページ目で、今の社会全体で持続的に取り組んでいく仕組みについての議論でございますが、ポイントとして、だれが担うのかというところで、大学、学会、産業界や行政、科学館、博物館、こういうさまざまな主体があるかと思うのですが、こういったところがもう少し連携して、社会にみえる形で取り組んでいくということが一つ考えられないかということと、あと、具体的に何をやっていくかということで、例えば子ども向けの取り組みの中で、もう少し放課後の時間を何か活用して取り組めないかというようなこともあるかというふうに思っておりまして、これは前回の話にもございました、群馬大学宝田先生のところでやっておられる工学クラブの取り組みなどもこの一つではないかと、このように思っております。
    以上、大変雑駁な説明かつ駆け足な説明でしたが、事務局からの説明は以上にさせていただきます。
  • 中村委員長
    それでは、前回までは皆さんから総論的にいろんなご意見をいただきましたけど、今回から、資料の5ページにありますように論点が5つありますので、5つに分けてご議論をしていきたいと思います。もちろん幾分オーバーラップしていることはございますけれども、そういう形でやっていきたいと思います。
    時間は4時までですけれども、大体1つのテーマに15分ほどかけたいというふうに思っています。そうすれば、最後のときにまた総論的に議論できますので、そのようにやりたいと思っております。
    まず論点1でございますけれども、イノベーションを担う人材等々でありますけれども、いろいろ書かれておりますけど、これを大きく分けますと、1つにはこれがあります。人材育成で、要するに大学と企業がいかに連携して有用な人材、イノベーションを担うような人材をつくっていくか。このため、1つには、学生においてはインターンシップをきちんとやるということ。もう1つは、教員においてもやはり企業をよく知る必要があるというふうなことで、教員も企業との交流の場を多くもつということではなかろうかと。
    私は医学部におりますけれども、医学部の場合には、現場と研究者が1つの場なんですね。そこでイノベーションがないか。物すごくイノベーションがいろいろ起きている。そういうことを思いますと、もう少し教員も学生も最先端の企業と近い場をもつ、それが必要ではないか。これはインターンシップであり、教員においては交流の場ではないかというふうに思います。
    そういうことを通じて、さらにイノベーションを起こすわけですけれども、イノベーションを起こす人材といいますか、イノベーター学といいますか、そういうものがあるかどうか知りませんが、本当にシーズから、さらにそれを実用化してイノベーション、社会に価値あるものとしていくというふうな人材をひょっとしてスペシフィックに養成できるのかどうか、そういうふうなイノベーター学というものはあるのかどうかということも一緒にご議論いただきたい。
    もう1つの大きなものは、産総研で前回か前々回、今回も出ておりますけれども、人材養成である研究者の養成。さらに、現在の日本のいろんなシステムを考えますと、外国のものを参考にしますと、研究支援するような人材、研究支援人材、あるいはさらに、何ページかにありますけど、研究支援する事務的な人材、そういうふうな人材を育てていく必要性が日本ではどうなのか。私がそう申しますのは、大学においては一昨年から職制、職員が変わりました。教授があって、助教授があって、助手があるわけではない。そういう時代には、おのおの下位の職員が上位の職員を助けるというのが基本的な姿勢でありましたけれども、現在はインデペンデントな職員でありまして、お互いがお互いにやりなさいというのが、中にはグループを組んでいる方もおりますけれども、基本概念としては、お互いがお互い独立して研究をやりなさいというふうな仕掛けでございます。もちろん教育は全部一致してやるわけですけれども、そういう中で、研究を行う場合に従来の形はとれなくなった。となりますと、今のような研究支援人材あるいは研究支援事務人材とかそういうものが必要ではないか。そう考えますと研究費のあり方というものも、基本的にはそういうふうなラボランチンあるいはポスドクを基本的に安定的に雇用するような形のアメリカ型の研究費になっておりませんね、そういうふうなことがあろうかと思います。
    したがって、大きく問題を2つに分けますと、最初の人材育成に関しては、産業界と大学との交流の問題、もう1つが3種の人材の育成、この2点について特にご議論いただければというふうに思います。よろしくお願いします。
    どうぞ。
  • 有信委員
    ちょっと誤解を恐れずにいうと、今ここで説明されてきたことを伺っていると、実は30年近く前に全く似たような議論を企業の中ではやってきたんですね。これは産業界サイドではさんざんそういう議論をやってきて、ある種のシステムが確立して、それが今陳腐化しかかっているという状況がありますので、そこのところを簡単に説明させていただきたいと思います。
    例えば東芝の中央研究所、研究開発センターといっていますけど、そこでとっている施策の例は、ちょうど研究がキャッチアップ型から先端リーダー型にならなければいけないという時期に、やはり研究リーダーの育成をどうやるかということをさんざん議論して、基本的には30代半ば、ちょうど課長前ぐらいの人たちで非常に優秀な研究をやった人たちをピックアップして、2年間企画部門にもってきて、その企画部門で、東芝の研究所の場合は材料からシステムまでいろんな分野の人たちがいますが、それぞれの分野を大きく4分野ぐらいに分けて、そこからそれぞれ代表者の格好でもってきて、彼らに将来の研究企画をさせる。企画をさせるために、どんな手段をとってもいいと。もう1つは、研究所の運営にかかわるさまざまな仕事をやらせる。例えば、所長が具体的にマネジメントにかかわるような話すとすると、その準備をするだとか、そういう作業を同時にやらせる。それを2年間経験させるんですね。日立さんも多分同じようなシステムをとっていて、日立の中研には企画室というのがありますけれども、我々もお互いに交流しながらやっていますから、多分似たようなことになっていると思います。
    そういうことで2年間訓練して、それで、帰すときにはもと来たところには必ずしも帰さない、全く違うところにもっていく可能性もあるということで、そういう形で新しい、ここでいう、いわば違う分野の人たちが集まって切磋琢磨の議論をする。当然違う専門分野から来ますから、まずは言葉が通じない。そうすると、お互いに言葉が通じるようにするために、さんざんいろんなことがあるわけですね。そういう過程の中で、ある意味での俯瞰力を養い、ここでいわれている課題設定能力というのは将来の研究企画をそこでやるということで、今何が課題であるかということを議論しながら決めていく。具体的に何が重要であるかを深掘りするためには、研究所の中から専門家を老若問わず、自分が若いと主張する専門家を集めて半年間議論させて、研究企画を立てるだとかさまざまな試みをやらせるんですね。こういう訓練の仕方が一定期間は非常に有効に作用して、ここの企画グループを経由した人たちが、今研究所のマネジメントについているという形が定着をしています。ただ、ある意味で途中でさまざまな制度疲労がありますので、これは常に何らかの格好でフレッシュアップをしていかないと死んでしまう。
    ですから、ここの中で唯一抜けていると思うのは、いわば大学の中でも、さまざまな試みも特定の専門分野の範囲内にどうしても限られがちになるんだけど、ある意味で俯瞰力を養うためには、異なる専門の人たちの切磋琢磨というか真剣なディスカッション、もう1つは、そのディスカッションをやる人たちが、やっぱり自分のバックグラウンドに対してはそれなりの深い造詣をもっているということ、この2つが多分重要だろうという気がします。
  • 中村委員長
    どうぞ。
  • 西山委員
    論点1に限らないんですけれども、もちろん論点1にも関係しますが、論点1と論点2と論点5にかなりオーバーラップして関係します。
    意見ですが、今まで日本としての種々の施策は、結局イノベーションにつながる基盤的な要素ということの施策であったのではないかと思うんですね。例えば、革新技術というのがありますね。ところが、重要ではあるけれども技術のみではイノベーションにならない。そうすると、今、人材の育成といったときに、参画した人が、実際に成功例としてイノベーションを達成した状態をもって初めて人材の育成がされた状態になると思います。今掲げられているいろんなことについては、基盤的なイノベーションにつながるための要素としての人材育成だというふうに私は思います。
    ですから、今一番欠けているのは、いろんな国家的なプロジェクトが技術のプロジェクトに終わっちゃっている。目的は、イノベーションを達成しなければ国としては価値が顕在化しないという立場があるとしたら、国家的なプロジェクトとしては、やっぱりチャンピオンテーマとしてイノベーションのプロジェクトにしなけりゃいけない。イノベーションのプロジェクトにするということは、単なる研究開発だけではイノベーションはできない。もちろん知財も必要、事業化も必要、規制改革も必要、新しい法律をつくることも必要、外国の人材も登用しなきゃ無理、あらゆることを変えなきゃいけない事態の中で、要素だけに取り組んでイノベーションをやろうとしているのが今のように思います。
    したがって、私は、まずイノベーションを達成した状態をどうつくるかというような意味で、50年後の話をしてもしようがないので、近場では10年とか15年、譲って20年ぐらいの間に、最も日本を牽引してくれて、産業構造を変革するか新しい産業を起こすか、その可能性が最も日本として高くて、競争力があって、その結果として日本に富を生み出すものをイノベーションの国家的なプロジェクトにしなきゃならないと思います。それを組み立てたとしたら、何でもかんでも日本は全部のことについてイノベーションを達成できるわけではありませんから、何が一番得意で、最も確率が高くて、最も経済効果を発揮するものは何かということは、何でもかんでもはできないわけだから、やっぱり3つか2つぐらいに絞って、絞ったとしたら、それをやろうとしたら、研究開発も必要だし、知財も必要だし、外国人の有能な人ももってこなきゃいけないし、規制改革もしなきゃいけないし、法律もつくらなきゃいけないし、事業化もしなきゃいけない。ありとあらゆる人材が必要なんですね、イノベーションを達成しようと思ったら。
    それを今やってないんですよ、日本は。みんな部分、部分なんですよ。ぶった切れちゃっている。一番重要なイノベーションプロジェクトが決まったとしたら、それのリーダーを決めなきゃいけないですね。だれかを。決めたとしたら、そこに産業界も大学も行政も、専任でアンダーワンルーフに集まって、何としてでもこのイノベーションを達成するんだというもとにそれを決めて、それを国民にアピールして、こういうことをやれば、もし成功したとしたらこんないいことが国民に還元されますよということをやって、1年ごとにフォローアップして、国民にも発信していくというようなことをやると、責任体制もクリアだし、国民も理解しますし、もし達成されたとしたら、それに参画した人たちの人材育成は計り知れないものがあると。そういうことができたとしたら、あとは必ずついてくると思いますね、いろんなことが。というふうに私は思います。
    過去でいえば、日本は新幹線を達成したりいろいろありますから、決まれば私はできると思います。基本的には産業が生まれなきゃいけないし、産業が改革されなきゃいけないわけだから、それは何ですかといったら、そんなにたくさん今の段階で何でもかんでもできるわけじゃないので、それは経産省さんが主導して、最終的に経済効果を発揮しなければイノベーションを達成したといえないわけですから、経産省が主導してトータルでやればいいんじゃないかというのが私の意見です。
  • 中村委員長
    それは前、産構審産技分科会の、日本の産業として何を起こすのかということに通ずることですね。そうですね。
  • 西山委員
    私はまだ断定できませんが、あえていえば、例えば今日本は、自動車ではトップですよね。日本が税金で成り立っている以上、一番稼いでいるのは自動車産業、今までは少なくとも稼いでいた。それによって日本の福祉なんかも成り立っているという側面があるわけですね。そうすると、そういうものは一体何ですかというと、例えば次世代自動車であるとしたら、パラダイムの変革期でガソリンエンジンが変わるかもしれないですね。そうしたら、それをやろうとしたら全部いろんな、もし水素に変わるとすれば、水素の補給をどうするかとかあらゆることを一挙にスピードを上げてやらなきゃいけないわけですから、ただ単にシリーズで、縦系列で、これができたらこれをやりましょうというんじゃなくて、一挙に特区も設けて、その辺を、例えば北海道だったら北海道に全部電気自動車を走らせてしまうとか、国が金を出して、そのぐらいのことをやらなければ変革は生まれないわけですよ。
    だから、一例でいうと、私だったらそういうことのイメージですね。だから、これはイメージです。具体的なテーマは何かというのは、やっぱり経済効果は何があるかということを検証しなければいけませんから、今、私はそれをやっていませんので断定するわけにいかないですけど、イメージとしてはそういうイメージです。
  • 中村委員長
    そのほかどうぞ。
    前田委員どうぞ。
  • 前田委員
    論点1のイノベーションを支える人材、先導する人材というよりも支える人材についてなんですが、いろいろな大学に知的財産本部とか産学連携の組織ができておりまして、ここの資料の中にも医科歯科大学の例を載せていただいていますように、産学連携のところをやっている知的財産本部のような部署がインターンシップ等をやって、いろいろな情報が全部集まっているところでかかわっていただくのが非常に有効だと思います。最近、文部科学省さんとかで、ポスドクの活用とかで産学連携のところのお話がたくさん出ていると思いますけれども、ある研究室のところの先生にポスドクの方が一生懸命ついて、ベンチャー開発、ベンチャーを起こそうとかいろいろしていますけれども、ベンチャーを起こそうとしたら、絶対経営面であったり営業的センスであったり、いろいろな素養が必要なわけですね。
    ふだん、知財本部とか産学連携本部といわれるところは先生方の発明が全部上がってきていますし、いろいろな分野が融合されて、そこは情報の宝庫になっています。企業の方と大学の文化の違うところを両方みながら、どうやって間をとって、どちらにもWin-Winになるようにしようかというのを日々苦しみながらやっている部署なので、そこでインターンシップをしていただいた若者とかが、「えっ、もしかして先々こっちのテーマがこことくっつくんじゃないの?」とか、やっぱりそういうところでアイデアが生まれてくると思いますので、文部科学省の方が一研究室にポスドクとかを配置して産学連携のところを一生懸命なさるのであれば、むしろ経済産業省のほうは、例えばこういうTLOであったり知財本部であったり、産業界により近いところでのインターンシップをもっと進めるような支援の仕方というのもいいんじゃないかなと思っています。
  • 中村委員長
    久間委員どうぞ。
  • 久間委員
    イノベーションを起こすというのは、全くゼロから新しいことを考える必要はなくて、やるべきことは、自動車業界や電機業界には数多くあります。例えば、ハイブリットカーをいかに普及させるかとか、電気自動車をいつ量産するかとか、あるいは新エネルギー、省エネルギーの事業をいかに拡大するかなど、解決すべき課題はいっぱいあるわけですね。また、日本の半導体事業をこれからどうするかも重大な課題です。しかし、問題は、製品の性能、コスト、品質や開発納期などグローバルに勝つための目標を産業界と学会、大学が共有してない、ここが大きな問題だと思うんです。
    我々は多くの大学と共同研究をやっていますけど、そういった問題点をしっかりと我々が大学に伝えて、それを大学の先生が理解して、目的や目標を共有して一緒にやっていく産学連携は非常にうまくいきます。それに対して、我々のほうからそういった問題点を明確に出さずにあいまいな形でやっている連携は、全然うまくいかないですね。ですから、目的と目標を共有していないところに問題があると思うんですね。最も重要なことは企業と大学の信頼関係だと思います。
  • 中村委員長
    原山委員どうぞ。
  • 原山委員
    大学で教育している立場の者としての意見です。研究能力というのは、何十年という歴史があって大学の中で培っているものなんですけど、それだけで十分かというところの問いがあるわけですね。それに対してどのような付加価値を与えなくちゃいけないかというと、既に出ていますようにマネジメント能力であり企画能力であり、それから個人プレーではないということで、チームプレーをできる人間を育てなくちゃいけない。その辺のところは本当に意図的にしないと、通常の大学の大学院教育の中では培われない力なんですね。そういうことを念頭に置かれている先生方はいらっしゃいます。そういうところの学生はハッピーなんですけれども、そうじゃないところがあるということで手当てはしなくちゃいけない。
    どうしたらいいかというと、具体的なカリキュラムを組むという手もあるんですけど、それとある種の模擬体験ですね。模擬体験にはかなり限界があるので、いろんな実体験をする場というのをつくらなくちゃいけない、意図的に。そのときに、大学の中では閉じていてなかなか苦しいので、その場合には大学の外、企業の方との連携が必要になる。それも、インターンシップというのは一つのやり方であって、さまざまなやり方というのが考えられると思うので、その辺のところをまさにイノベーティブに企業の方と大学の方たちが考えながら、地方自治体も、いろんなアクターを含めて共にやらなくちゃいけない。
    応用力をつけなくちゃいけないということが先ほど書いてありましたけれども、ちょっと先走って論点5のところでも同じような体験をしていまして、初等中等教育でも同じ議論があります。基礎能力というものを、いわゆる算数、国語の基礎知識というのをしっかりつける、それだけでは不十分であって、応用能力をつけなくちゃいけない。その応用能力は何かというのは、まさに議論の真っ最中です。それの中で、これまでの学習指導要領の中だけでは多分踏み込めないということで、地域の力をかりましょうということで学校と外との連携ということをやっています。地域といったときに、地元の方々だけではなく地元の企業の方たちにも参画していただいています。ですので、これはもちろん大学院、大学の問題であるとともに、初等中等教育の問題でもあるということを認識していただきたいと思います。
  • 中村委員長
    宝田委員どうぞ。
  • 宝田委員
    この産学連携というのは、先ほどからご議論ありますように本当に数十年いわれておりますけれども、なかなか実効が上がらないところが事実だと思うんです。共同研究等は、恐らく方向性が一緒ですので比較的うまくいく可能性がありますけれども、人材育成というものを産学連携でやろうとしますと、1つは、産業界の方を大学で育成というのはまあまあ何とかやれる。今、大学生あるいは大学院生を産学連携で育成していこうとすると、インターンシップのような形が一つあるんですけれども、私は今大学で教育をしている者としては、大学側がもう少しオープンになってもいいかなと。1つ試行的に、ここ3年ほどですけれども、大学院、それから卒業研究のレベルの学生ですけれども、研究の進捗状況を企業の方あるいは産総研の方、電中研、そういった方10人ほどに来ていただいて、まだ、うち全学で取り組んでいるわけではありませんけれども、ごく一部でやりました。年間2回ほど進捗状況を聞いていただきました。
    そうしますと、本当に応用面からみた今の研究の進捗が正しいかどうか、そういった判断をしていただけますし、また、学生にとっても非常にこれはプラスになっています。自分たちのやっていることが本当に世の中でこういうことにつながるということがわかってくるということで、そういった教育にも実は産の方が本当に関与していただけると、我々としても、私が10いってもなかなか理解してくれないのに、1いうだけで信用してくれるといいますか、そういうところがあります。行く行くは、多分ドクターの副査あたりに工学系の場合には産に入っていただくとか、そういった制度的に産学連携がきちんと教育に携わるようなことがこれから必要ではないかなというふうに思っています。
    もう1つ、これをやってみて、やっぱり応用をやると基礎が必要だということがわかってきますし、また基礎をやると応用が伸びるということで、基礎をやった後にただ応用というような短絡的なことではないなと。常に応用と基礎というのはフィードバックしながらいかないと両方ともが伸びていかないということもわかってきましたので、そういったことをこれから制度的にやってみたいというふうに思っています。
  • 中村委員長
    次の議論に、論点2に移りたいんですが、最後に、河野先生どうぞ。
  • 河野委員
    今の話に関連するんですけど、私も長いこと大学の教員をしておったんですけど、今高専をやっておるんですが、大学と全然違うところがありまして、きょう、ちょっと資料を出そうかと思ったんですが、間に合わなくて。今の話と連携するんですけれども、私どもは大学と違って実践的な技術者を育成する。ですから、創造性のある実践的な技術者、中核技術者を育成するという、目的ははっきりしているんですね。
    そこでやっているんですけれども、たくさん申し上げたいことはあるんですけれども、今話ができますのは、私たちが最近特によくいって努力しているのは、このイノベーションについては産学連携というのが中心なんですけれども、私たちは共同研究とか技術指導だけじゃなくて共同教育、一緒に教育をやりましょうと。私のところは地域ですから、地域との連携が非常に強くて、地域の企業の技術者のリーダーの方々に直接来ていただいて、インターンシップは大学よりもっと早く私のところはやり出して、今はもう必修になっていますけど、それだけじゃなくて、企業の人たちに学校に来てもらって教育してもらうと。企業の人たちが、自分たちも人材育成の重要な役目を半分担っているんだという意識をもってやってくださいと。真理の追求とかそんな難しいこといわぬでもよろしいと。
    だから、僕は日本全体、先ほどからありましたけれども、昔から、やっぱり人材育成というのは教育であって、大学が中心で、それを受けて企業はやるというところがある。これからはイノベーション、ものづくりに関しては、学と企業が両方ともほぼ似たような責任をもって、人材育成をするんだという意識改革が非常に重要じゃないかと思っています。私のところもどんどんそういうことで行きますと、特に企業の人が来て教育してくれると、学生たちは、先生だけの講義じゃなくて、学生同士がディスカッションして自分たちで考える、そして自分たちがまたディスカッションする、これの繰り返し。ですから、大きなイノベーションはありませんけれども、今ベンチャー、社長になっているのは、大学の卒業生に比べたら高専の卒業生のほうが圧倒的にパーセンテージ大きいんですね。イノベーションの一部でしょう。これは、そういう教育効果が僕は出ているのではないか。
    それは、ロボコンをみてもらってもわかりますよ。ほかにも私たちは、そういう自分たちのアイデアで、自分たちが相談して、グループディスカッションして、工夫して、デザコンであるとかプログラミングコンテストとか、プレゼンコンテストとかいろいろ全国ネットでやっていますけれども、これば学生自身がやっているわけですね。そういうことが、大学とまた違う分野というかスケールのイノベーションですけれども、効果を発揮しているのではないかというふうに思います。
    私どもは私どもなりに非常に重要なことは、先ほどいいましたように、産と学が連携といいますけれども、一緒に技術者、人材育成をするんだという意識。私はどちらかというと学側ですから、私は企業に少し足りないのではないかと。学がもっとしっかりしたのを育てているというふうに思い過ぎているのではないかと。悪いといっているんじゃないですよ。だから、産と学が共同でものづくりの技術者というイノベーションに限定すれば、そういう人材育成をしようという意識改革なりムードなり、そして、それをシステム化し組織化するということを具体的に考えてやっていく必要があるのではないか。今、国立高専ではそういうことを一生懸命ディスカッションして、実現する方向で努力しているということを申し上げたいと思います。
  • 中村委員長
    まだいろいろあるでしょうが、要は大事なことは、産と学がカリキュラム等に踏み込んで同じ意識でやっていくと。共同して人材を養成していくことが非常に大事だと、皆さんのご意見はそういうことだと思います。
    それでは、2番目の論点2、「グローバル人材やトップ人材の育成にどのように取り組むか」。グローバル人材というのはサウンドとしては非常によくわかるんですが、実際はどういうことなのかというようなことであります。グローバルといいますと地球60億人を相手にするのか。それもグローバルでありますけれども、日本に最も近い大きな市場として、中国に12億の人口がいます。そこをターゲットにするのもグローバルではないか。グローバルといってもいろんな意味合いのグローバルがありますので、グローバル人材ということについて。そういう意味合いも含めて、どういうふうに人材を育成するのか。トップ人材は2・6・2の中でおのずから育っていくものだというふうな議論もいろいろありますけれども、そういうものを踏まえて、15分ばかりご議論いただければと思います。
    笠木先生どうぞ。
  • 笠木委員
    私どもの大学の状況をご紹介したいと思いますが、大学は、かねてから国際化をしなさいということでいろんな努力をしているわけですが、現状は、活動自身は既に国際化しているんですね。学生の数でいいましても、留学生の数は大変多いですし、海外からの研究者を迎える、あるいは短期的な事業をしに来てもらう、そういう交流も日常頻繁でございます。学内でみていますと、海外の方の特別セミナーとか講義というのは毎日10を超える数で行われていますので、行こうと思えばいつでも行けるわけです。
    そこで、第1のポイントとして感じるのは、そうした状況の中で何が足りないかというと、それは幅広い国際的な活動をしていくための組織的な装備ができてないんですね。どういうことかというと、例えば海外の方を受け入れるということになると、それに伴うさまざまな準備とかお世話とか、あるいはその方々の家族であるとか、日本に住みついていただくためのいろんなことがありますね。あるいは来ていただいてからも、気持ちよく暮らしていただく、あるいは勉強していただくというために、さまざまな、通常、教員がするような仕事でないことが大変な量ふってくるわけです。これは日常、どのようにこなされているかというと、受け入れ研究室の大学院の学生さんらに、「ちょっと手伝って下さいな」というようなことで済ましているんですね。
    あるいは、例えば日本語のできない方が学内で何らかの手続をしようとしたときに、事務室のような窓口に伺うわけですが、そこでは英語が通じない。いろいろのドキュメントが日本語だけであるというような状況で。そうすると、またそこに通訳が要る。ですから事務室から、英語しか話せない留学生、日本語ができない留学生が来る場合には、必ず日本の学生を連れてきてくださいと頼まれます。
    このように現状の活動というのは既に国際化しているのですが、ロジスティクスといいましょうか、支援というか、組織的対応というか、そのあたりの国際化は全くなってなくて、そういう意味で底力がついてない。このあたり、留学生の数を増やすばかりでなく、もう少し大学に対して国際対応の底力をつけていただくようなことが必要じゃないかなということを申し上げたいと思います。
    もうひとつ申し上げたいことがありまして、最近はCOEプログラム等々で日本の学生諸君も色々な方々と混じり合って議論をしたりすることがあるのですが、どうみても、やはり日本の学生はおとなしいんですね。英語もあまり上手じゃないということもあるかと思いますが、海外の若い人たち同士で混ざっても、合宿やって議論させても、なかなか声が出てこない。これはやっぱり日本人のマインドというか、あるいは日本社会の中で育ったということなのかもしれませんが、これを打破するには、やはり外に送り出す必要があるんですね。
    したがって、これまでは留学生の受け入れ等々、受け入れる側に力点が入っていたと思いますが、今後は、できるだけ外に送り出す施策というのが大いに必要じゃないかと思います。
  • 中村委員長
    池上委員どうぞ。
  • 池上委員
    会津大の経験というのをちょっとお話ししてみたいと思うんですが、今のお話とも関連しているんですけど、全体でいいますと、昨年はどうも留学生の数は10万を切るんじゃないかという話があって、学生全体が外国に行きたいというような気持ちを失っているという大きな問題がある。
    それはちょっと横に置いておきまして、会津大の場合ですと外国の先生が4割ぐらいいるわけなんですが、授業については、日本語がわからない人が1人でもいたら英語で講義をしようと。つまり、英語でも日本語でもいいんだけれども、学生1人外国の人がいて、日本語がわからない人がいる場合には、英語で教育をしなきゃいけないというようなことでやってきました。それが1つ。
    もう1つは、外国の先生というのは、基本的には大学のジョブというのは教育だということを相場としてよく知っている。ですから、彼らは自分の好きな研究をやるためには時間が必要ですねと。そうすると、いかにしてうまく教育をして自分の時間をつくるか、こういう発想になるわけですね。そうすると、彼らはどういうことをやるかといいますと、世界で一番いいといわれているようなコーススタディを探してくる。これはインターネットを通じて探してくる。それを使って自分でコーススタディをつくって、学生に配る。英語で講義する場合、必ずしも学生はよくわかっているわけではないんですが、コーススタディがしっかりしているので、結果として学生がきちっとした力をつけていくということが起きました。
    それともう1つは、中国の先生とかロシアの先生、ソ連の先生が多かったんですが、会津大の学生の強いところというのは、要するにイングランドの英語ではなく、何だかよくわからない世界の共通語としての英語があるんだなということを実感として学ぶわけですよね。だから、中国人でよく日本語で講義をしようとする人がいるんですが、学生のほうから、あなたは日本語で話すとよくわからないから英語でやってくれと、逆にそういうような話があったということがありまして、会津大の学生の強さというのは、外人というと、いわゆる僕らが考えているような、英語がうまくて肌が白いというようなイメージを全然もっていない。そこに、ある意味で非常にグローバル化している根っこがあるんじゃないかという感じがいたします。
    いずれにしても、やはり英語だけは共通語として早い時期から学ばせたほうが、日本の将来を考えた場合にはいいんじゃないかというふうに私は思っております。ですから、あるとき冗談でいったんですが、日本は兵役というのがないから、英語会話役みたいなものをつくりまして、1ヵ月ぐらいどっかへぶっ込んだほうがいいんじゃないかと。地方にそういうセンターをつくりますと、そこも活性化しますので、日本全体としていいんじゃないかと、半分冗談、半分本気でいったことがあるんですけれども、やっぱり英語教育というのは、読み書きがある程度できるぐらいのことはやる必要があるんじゃないか。英語がうまい下手というのは、僕は余り関係ないと。私は会津大の学長をやって、自分で英語は下手になったというような気がします。ただ、自分で言いたいことはちゃんと言うようになった。ですから、英語のうまさ下手さではなくてコミュニケーション能力、よくわからないけれども、そういうものがあるのではないか。
    もう1つは、これはもうさっき議論があったんですが、東大と会津大の場合やっぱり違うと思うんですよね。東大は非常にトップレベルの人が入っている。会津大の場合ですと、どちらかというとそれよりも下ではあるんだけど、どこに注目して育てるかで、僕はやり方は随分変わってくるような感じがいたします。少なくとも中の部分についていえば、先ほど河野先生おっしゃった、やっぱり高専をうまく活用していくということは非常に重要だと。高専ですと五感でもってスキルを学ぶことができる。ところが、コンピューターをいじりますと2つの考えでいっちゃうわけじゃないですか。五感でスキルをもったやつがコンピューターを扱うということが、今、実は産業界が一番求めていることでありまして、うまく高専を生かしたほうがいいんじゃないか。
    もう一言、イノベーションのお話があったんですけど、私、やった結論はドゥ・イノベーション、要するに主語を自分に置きかえて、イノベーションは何をすべきかということを考えるともっと明確になってくるんじゃないか。ですから、イノベーションはやらないという先生がいていいと思うんですよ。みんながみんなイノベーションをやるって、これは本来おかしい。自分はサイエンスしかやらないという人がいていい。そういうことでずっと議論いたしまして、今もそれは思っているんですか、ある場所で「Innovation is Making Money」と定義いたしまして非常に評判を落としたんですけど、今でもそれは間違っていないのではないか。
    具体的には、研究者にとってのイノベーションは何かというと、やはりアントレプレナーマインドを密やかにもつことではないかというふうに思っておりまして、少なくともアメリカの連中とかイギリスの連中と議論すると、おまえの言っているのは別に新しいことじゃない、当たり前だ、というふうにいわれております。
    以上です。
  • 中村委員長
    川口委員どうぞ。
  • 川口委員
    きょうは、私どものAPUも取り上げていただきまして、本当にありがとうございます。
    グローバル人材というと、私は2つ意味があると思っております。1つは、文字どおりグローバルな視点で世界のすぐれた人材を日本に取り込んできて、日本の経済社会の活性化に役立てていくということ。もう1つは、日本の学生にグローバルな視点を持たせ、グローバルレベルの力量を身に付けさせるという両方の意味があるというふうに思います。それぞれにそれぞれのやり方があるでしょうが、世界の非常にすぐれた人材を日本に呼び込むことで日本の若者たちが刺激を受け、彼らをグローバルなレベルに育て上げていくことにつながりますので、そちらのほうに少し焦点を絞ってお話ししたいと思います。APUは、ご紹介いただきましたように今3,000名近い留学生がおり、我々は彼らを国際学生と呼んでいます。APUの国際学生の特色は単に数が多いというだけではなく、非常に優秀です。小さな国からその国の将来を背負って来日する学生だけが優秀だということだけではなくて、中国や韓国から来る学生も非常に優秀なんですね。なぜかというと、彼らは卒業後日本の企業に就職できることを大きなメリットと捉えており、極端にいえば、ソウル国立大学への進学よりも日本留学を選ぶという学生がいます。特に韓国、中国は現在就職難ということもあって、それだけ日本企業はアジアの学生にとって大きな魅力になっています。
    APUの成功の最大のポイントは、日本企業への就職ができるようになったということにあると思いますが、資料にありますように二言語教育がその背景にあるのです。ですから、世界のグローバル人材を日本に溶け込ますためには、日本語教育を丁寧にやらねばならない。APUでは英語基準の入試で入学してくるけれども、日本語教育をちゃんとやって日本語で仕事ができるような水準に育成して卒業させていくというふうに、日本語教育に非常に力を入れてきたことが成功の一つの要因だと思います。
    文科省が募集をこれからするであろうグローバル30のプログラムの中で、そういう点がどう具体化されていくかというのは、我々としては今後大いに期待しているところであります。
    ただ、さきほど笠木委員からもお話しがありました日本の大学における改革をこれからいろいろ推進していくということと同時に、我々が世界の大学とどう連携していくか、また、日本の大学と日本の産業がどう連携していくかということも大事だと思います。今、日本の大学はコンソーシアムを組んで、マレーシアとインドとエジプトで工科系大学を設立する準備のお手伝いしています。これは外務省が中心になってやっておられて、JICAの金がそこに入っていくということのようですが、非常に不思議なのは、文科省や経済産業省がこれに余り関係しておられないことです。これだけグローバル人材を日本に呼び込もうというとき、日本が資金を提供して、日本の大学が向こうで工科系の大学をつくるというときに、そこの人材形成にどうして日本の産業界が協力しないのかなというのが非常に不思議なところであります。
    例えばインドですが、現在ハイデラバードに日本の協力で8番目のインド工科大学(IIT)をつくる準備が進められております。IITは、ご承知のように世界で冠たる大学として知られていますが、すべて外国の協力でつくられてきています。私は、デリーのIITへ行ったのですが、設立に協力した国の産業が地域周辺にものすごく入り込んでいるんですね。一方で、IITのある地域に日本の企業が入っているケースはどこもないと聞きました。IITの人材は世界中で奪い合いになっているというとき、日本にとってまさしくチャンスのときに、きちんと国を挙げて取り組まなければ、これは大変もったいないことになるのではないかと思いますので、ぜひ今後は取り組んでいただきたいと思います。
    もう1つ、APUは何といっても文系の大学ですので、理系教育をどうするかということは大問題。理系で同じような取り組みをAPUではできないです、お金がありませんから。我々としては、今、留学生を立命館大学の理工学部のほうで受け入れる議論をしておりまして、これは笠木先生と同じで大学院中心に準備を進めています。ここも一般的に受け入れるだけでなく、今は大連を中心にして考えておりますが、中国の大学と連携して2プラス2のスキームで運営するのが最適なのではないか。要するにまずは中国で2年間学び、プラス2年間、マスターを日本で学ぶといったスキームで数十名の規模のコースをつくる準備を進めております。このように様々な工夫をせざるを得ないと感じております。これをどう産業界の人と一緒にやるかと。大連の企業と一緒にぜひやりたいなと、こういう準備を進めております。
  • 中村委員長
    今、トップ人材の育成、どなたもご発言ないんですが。
    佐野さんどうぞ。
  • 佐野委員
    トップ人材というのはいわゆる経営者ですよね、そういう方々を若いうちから、というか、学生のときからそういうふうな気持ちになっていただくということがすごく大事だと思うんですね。そういう意味で、学生の頃から自分自身が経営者になっていくという夢を常にみられるような、あるいは身近なところにある、そういうふうな関係というか環境、あるいはいつでも聞けるという方々がいないと、本当にどうしようもないと思うんですよ。そういうふうなことであれば、自分も身近だからやってみようかなということになると思いますので、大変難しい問題なんですが、私はこれからの日本というのは、企業をつくって世界的なレベルにしていくのはやはり技術系の会社しかないと思います。もちろんジャパンスタイルのクールな流通業もあるのはあるんですが、そこもやはりきちっとした管理技術あるいは生産技術があって初めて、例えばユニクロなんかも展開されているわけですから、日本の強みというのは、やはり流通業にしても生産技術がバックにきちっとあるということになっております。
    そういう観点で、今足らざる部分というのは、やはり理系の方の経営マインド、あるいは金持ちになってやろうという気持ちがすごく薄いのをどうしたらいいのかなということだと思うんです。私は、そういう経営者になりたい方を応援している立場でいうと、そもそも大学時代に文系・理系の意識が余りにも強過ぎる。MOTとかいろいろとプロジェクトはあるんですが、何でもっと本格的に文理融合できないのかなと。これが企業に入っても文系・理系の流れがありまして、経営者も交代していくということになっております。基本は理系の方がビジネススクールに行く、ということを10倍以上ふやしていただくということができないものかなというふうに思うのが1つあります。
    特に理系の方が、MOTでもいいですからビジネススクールへ行かれるとともに、インターンシップというよりもベンチャー企業、あるいは大企業でも結構なんですが、何かのプロジェクトをコンサルティングする。よく大学と企業で共同研究開発をするというのがありますけど、そうじゃなくて共同事業開発プロジェクトをやるというふうなことを、大学のビジネススクールにおいては義務にする。アルバイトをしないで、そこでバイト代を稼ぐという活動はぜひともすべきじゃないかなと。MITなんかでは、どれだけ地域に貢献するかをビジネススクールの重要なポイントにしています。
    特に若い方が強みを持てる産業分野、事業分野について、技術化することによって新しいマーケットが出てきている領域というのはすごくふえていると思うんですね。身近な衣食住分野で高技術化を導入して魅力ある産業をつくっていくなど、中小企業、大企業においてもプロジェクト化していくということは十分可能ですし、できたらインターンシップというよりも、そういう共同事業開発されたところについて、国がそこにプロジェクト支援をしていくという活動をやることによって、それが普及していきやすくなるというふうに考えます。
  • 中村委員長
    次にもちょっと関係しますので、論点3の中でお話し、関係してきますので。
    次に、いろいろ議論は尽きぬのですが、論点3の中に当然含まれております「トップ人材」という言葉の中には、前回のご議論の中で、262のうちの2のトップをどうして育成するんだ、そういうふうな意味合いもございますが、それも含めまして、それは次の論点3の産業構造、産業分野をにらんだイノベーションを担う人材の供給と需要とバランス、ここにも関係しますので、この関連づけで、牧野先生どうぞ。
  • 牧野委員
    ひょっとしたらずれているかもしれないんですけれども、2のところでいおうかなと思っていたことなんですが、私たちは大学におりますので、そういう観点から物を申したいと思うんですが、私たちは国際化のために、この17ヵ月で17回外国を回ってきました。私、ほとんど行ってきましたが、何でかといったら、一番大事なところは、握手の回数で何が重要かをつかみとる度合いが決まると思ったからそういうことをやってきたわけです。そこで思ったことなんですが、やはり最も大事なことは、そういうチャンスを経験させることによって、いかに高度な研究の能力と経験を与えるかだろうというふうに思います。
    プラス、今欠けているとすれば倫理の面とか文化の面、この辺が加えられなければいけないですし、もう1つは、産業界との接点をどう理解させるかだろうと思います。その点につきましては、やはり1つ欠けているところが、さっき笠木先生もおっしゃっておられたんですが、それ以外に、日本には例えばホールディングカンパニーがないんですね、大学に。これは、非常に大きなそういうすぐれた方々の訓練の場になりますし、一刻も早く法的なそういう整備がなされるべきだろうと思いますし、もう1つは、海外の企業とのインターンシップがこれはできるんですね。こういう経験を与えることによって、国際人として育てないといけない。
    そのためには、大学はぜひとも英語の授業をやるというのを、特にあのフランス語圏が、既に修士からは英語で全部授業をやるんだというようなことも取り入れているわけですから、国際的なグローバル人材とかトップ人材というのは国際的なことをおっしゃっておられるんだろうと思いますし、そういうふうなチャンスあるいはベースを与えてやらないとまずできないだろうと思います。ですから、しっかりした深い研究の経験と文化的なもの、それから英語能力、こういうものをつくるべきだろうと思います。
    私、京都におりますが、今、京都と東京しか芸術関係の大学はないと思いますが、芸術を出た人たちが大変困っておるんですね。かなりの数おりますが、こういう人について、画廊の人たちの意見を聞いてみますと、やはりフランスで長いこと画廊をやっていたとか、イギリスで長いこと画廊をやっていた人が京都に帰ってきてやっている、そこだけが何とかやっていけるような状況なんですね。それはやっぱりグローバル化しているからなんですね。ですから、そういうところを育てていく人が大事だと思います。
    もう1つ大事なことは、大体年とった人ばっかり集まっているわけですが、若い人の最先端の技術の意見をしょっちゅう聞く、そういう機会を設けるというのが大事かなというふうに思っています。彼らは僕らがいえないようなことをたくさんいいますし、そういうのを聞いてやるというのが一つ大事なことかなというふうに思います。ちょっと違っているかもしれませんけど。
  • 中村委員長
    これは延長線上で、どうでも結構です。
    私、3年前に長崎で国際化のシンポジウムをやったんですね。ドイツから外国人が来ていまして、恐らく立命館の方もどなたか出ていたけど、絶対意見がかみ合わないんですよね。ドイツの方は、国際化とは何かというと、いい研究をすることだと。いい研究をしていいジャナールに載せれば、おのずと国際化できる、人が来るというふうな言い方。日本の方はどうしても、学生を送ったり人を送る、これが国際化だと。いかに意見がかみ合わないか。先生は出ておられましたか、多分そういうふうなことでございました。今、先生と関連してそう思いました。
    どうぞ。
  • 池上委員
    今の点で。補足します。結局ワークトゥゲザーで、向こうの連中と一緒に仕事をするかどうか、それが日本は非常に弱いですね。一緒に仕事をすれば、必ず国際化が私は進むと思っています。日本の場合、契約は結ぶんだけどそのまま、それっきりという意味で、開発途上国と同じですねと、私なんかはいろいろいわれましたけどね。
  • 中村委員長
    それでは、論点3にさっき入っているんですけれども、どうぞ。
    土井先生どうぞ。
  • 土井委員
    私は、大学の技術を使ってイノベーションを起こして事業にしていく事を業としてやっているわけですが、私たち経営学とか経済学を学んだ者にとっては、イノベーションという言葉は「技術革新」とは訳さずに、「新結合」と訳します。シュンペーターの時代から経済学においてイノベーションの意味は「新結合」ということなので、先ほど西山先生がいわれたことはまさに同感で、やはりイノベーションを起こすためには技術革新だけではだめで、経営という技術が必要です。私は経営もある意味技術と呼んで良いと思うのですが、マーケティングや資金戦略などという技術と工学や医学などの科学技術を組み合わせて初めて事業としてのイノベーションが起こるのではないかと思っています。
    新結合するための一番重要な要素が技術革新であることは、間違いない事実で、この点は私たちも絶対的に尊重していますが、経営技術も含めた結合を促す人材が必要ではないかと感じています。先ほど技術系の方が経営学を学ぶべきだという意見にも賛成で、私たちも、頼まれて医学部であったりとか工学部であったりとかの授業に出向き、実際に技術を使ったベンチャー企業の成功例等を講義すると、感想文の中に、「初めて自分たちの技術が役立つというイメージができた」とか、「こういうふうな形で自分たちが役に立てるんじゃないかな」というような感想が出てきて、その後に経営塾に来てくれたり、場合によっては医学部の先生が経営学系大学院に入ったりという動きも出てきています。
    やはり技術をもっている方が絶対強いので、もともと技術があるところに経営技術を結合すると、本当にイノベーションが生まれてくるのが目の前でみえる。ドラッカーが「イノベーションを起こす7つの機会」について本に書いておりまして、私たちもその7つの機会を使って現にイノベーションを起こしているのですが、その中で重要なのは、「不」を解決しよう、ギャップを解決しようということです。例えば、不足、不安、不満があるものを解決すれば事業としてお金を払ってくれると。どうやったら喜ぶ人の顔がみえて、お金を払う人がいるかという観点で、技術をどう使うかという視点でベンチャー企業を起こしていくのです。大学の先生たちや学生たちに、こういう技術を開発すればお客様に喜んでもらえるという現場をみてもらって、やる気を起こし、そこからまた次につながっていくことが、現に目の前で起こっています。
    「新結合」なので、例えば、医学部の先生が悩んでいるところに工学部の先生を連れてきて、一緒になってベンチャーをつくると、役員会でイノベーションが起こるんですね。医学部の先生が「こんなので困っている」という意見に対し「もう工学部では10年前から解決する技術があるよ」とか、工学部の学生が「おもしろいものを発明したけど活用法がない」と言うと、医学部の先生から「これは実は小児科で困っていたことを解決できる」とか。そのことを目の前でみていて、やはり結合させることが重要で、大学内、社会との間も含めてそういうことが必要だなと感じております。
    あと、論点3の産業構造というところについていわせてもらうと、北海道でも、ものづくり、ものづくりということを最近すごく騒ぎ始めています。それは重要だと思うのですが、例えば札幌のように、金型産業が少なくて設計の会社も少ないところで、実際に精密機械が基幹産業となるかというと難しいですよね、インフラとして不足があると。それは、そういうインフラになる産業が育っているところでやれば良いことであって、例えば、後背に農業や酪農があるところであれば、やっぱりそこのインフラに新しい技術を結合したほうが産業になっていくし、目の前に成果がみえるのではないか、やっぱり地域特性も生かしたイノベーション政策をとって、人材育成も考えなきゃいけないのではないかなということを深く感じております。以上です。
  • 中村委員長
    前回、この論点3については、笠木先生のほうでしたかね、大学は定員があってなかなか難しいんだというお話で。
    笠木先生どうぞ。
  • 笠木委員
    この論点3の中で、まず需要・供給のバランスの件ですけれども、これは前回申し上げたように学術会議でも随分議論したのですが、長期的にみてどの分野にどれ位という数量的な目標を立てて、それを総じて動かしていくというのは大変難しいんじゃないかなという印象をもっております。
    ただ一方で、ある方向性をもってというような議論が本日出ていますけれども、そうだとすると、大学の学部と大学院の教育の目標を十分見きわめる必要があります。学部では徹底的に基本的なことを教えるということに徹するべきだと思いますし、大学院ではある志向をもった、決め込んでいった、あるいは実際の産業に近いところをどんどん経験させるというというようなことが必要です。つまり、これだけ世の中が、世界的な規模で産業等々も含めて動いていく中で、ある分野だけについて何か一生懸命やっていくというよりも、基本のところがわかっていれば、技術者は動いていけるんです。そういう意味で、分野ごとの需給バランスという概念から日本の将来に向けて人材育成の計画をつくっていくというのは、少し難しい面があるのかなという気がいたします。
    それから、前回、関連して学生定員ということをちょっと申し上げました。多くの国立大学あるいは私立大学でも設置基準で定員が縛られているわけですが、それによって無理して学生を埋めなくちゃいけないということも出ているということを申し上げました。そこで、もう少し自由にすべきでありまして、理工系の分野でも、例えば博士後期課程に進学する人が多い分野と、ほとんどは修士で出るという分野があるかと思います。
    したがって、かつての講座制に基づいた教員1人当たり博士の定員が何人、修士の定員が何人という形でやると、どの分野も一律、修士と博士の割合が一定になってしまって、無理やりそれにそろえなくてはいけないというひずみが出てまいります。そういう意味からも、定員制度というのはもう少し分野ごとにフレキシブルに考えて、あるいは産業界、社会の意見を取り入れながら、数をその都度設定しつつ、さらには教えていくカリキュラムもある種目標を共有していけるというような形がとれるようになるといいと思います。
  • 中村委員長
    村上委員、定員について何かご発言。
  • 村上委員
    定員は、今すぐ変えるというのはなかなか難しいというのは、笠木先生がご指摘になったとおりなんですが、私も学内でいろいろ調べてみまして、笠木先生がおっしゃったような非常にアンバランスがあります。分野によっては、博士の学生が3年も5年もゼロ。それが分野によるものか、そこにいる先生によるものかというのは大変問題でありまして、その学問が必要でないならば、大学としてはその講座をお家取りつぶしにすべきなんですが、なかなかそれは難しいということがあります。
    オーバードクターが出たりしているところがあるんですが、オーバードクターを出し続ける先生の講座があるんですね。一方では300%学生が来て、先生がそこで全部学生を産業界にきちっと送り出しているところもあります。大学の中でそういうアンバランスがあるということをよく考えながら専門の分野を大学はやっていかないと、ただ今の定員が実情と合ってないということだけで動かすと大変なことになる。大学が努力すべきことをまずやらないといけない。アメリカの大学では、ディーンの権限で、こちらは縮小してこちらは重点的に拡大ということをやります個所。例えば3年も5年も博士課程がゼロであれば、その先生を別の先生にかえれば、そこが生き返るかもわからないんですね。そういうことを分析した上で、定員を考えていかなければいけない。笠木先生おっしゃった、指摘したところは確かにありますけれども、今の国立大学法人ですか、そういう面もあるということをご理解いただきたい。
  • 中村委員長
    できるだけ手短にお願いします。
  • 有信委員
    今の話は、本当にそのとおりだと思うんですね。約20年前にMITに行ったときに、MITのプロフェッサーから、現在MITのコンピューターサイエンスの学生数が、既にスクール・オブ・アーキテクチャーの学生数を超えてしまったと。つまり、1学科の学生数が1学部の学生数を超えてしまっていると。これは将来大変なことになるよと、こういう話をされて、その後、アメリカのITの隆盛があったわけですね。
    したがって、アメリカの大学はそういう意味で、今おっしゃったようにフレキシブルに必要に応じて人が育てられる。私は、それはむしろ大学の見識の中である程度やれるようになっているべきだろうと思うんだけれども、今の特に旧帝大の強固な組織体制の中ではそれは非常に難しいのかもしれない。そうすると、そういうことを含めて、いわば産業構造を将来の産業に備えて人材育成ができるようなやり方があるのかというのを、やっぱりシステム的に検討すべきだろうと思います。
  • 中村委員長
    原山委員どうぞ。
  • 原山委員
    ショートコメントです。産業構造とか産業分野をにらんだという話なんですけれども、そもそも今日の産業構造と、あす、あさって、しあさっての産業構造って、イノベーティブな国であれば同じじゃないわけなんですね。ですので、それを予測するのはかなり不可能な話であって、人材育成ってタイムラグがあるわけなんです。少なくとも大学の2年修士、大学の4年、そのときは通例となるかもしれない。なので、それを本気で追っかけていくのかというのは一つの疑問ですね。
    もう1つは、大学のミッションというのは多様性の確保というのも大きなミッションだと思うんです。ですので、その辺のところも踏まえた形でもって考えなくちゃいけないというのがコメントです。
  • 中村委員長
    私も短くだけいわせていただきます。私が昭和43年に卒業したときには、もう細菌学というのは要らぬと。もう要らぬといわれたんです、感染症はなくなると。ところが21世紀入った途端、その後、京都大学の前の科学技術総合会議の議長さん、井村先生が金沢大学の教授の定年退官記念会に来られて、「21世紀の内科の大問題は何か、感染症だ」とおっしゃったんですね。今現在何が起こっているかというと、細菌学を教える人がいない、困っていると。インフルエンザどうするか、大変困っている。こういう状況があるので、やはり数だけではいかないんだろうと。やはり必要なものは必要としてきちんと育てていくという施策も文科省も必要なんですね、と思います。
    どうぞ。
  • 池上委員
    一言。ちょっと文科省に近いところにいる立場からいいますと、多分定員の問題は、変えてくれといえば、今の文科省は変えちゃいますよ。大学に任せますと。ただ一番問題は、村上先生おっしゃったように、だめ先生なわけですよね。だめ先生をどう処理するかというのについて文科省にいいますと、それは、学長に全部人事権を与えたはずだ、こういうふうにいうわけですよね。それをどうやって、社会全体でだめな先生、そんないないですよね、だめな先生というのは。それをどうやって排除するかということさえできれば、多分大きく問題というのは大変変わる。
    僕はもう1つ、先ほどおっしゃった学部教育が一番重要だと。でも、これはやっと文科省が今回中教審の答申の中で、学位プログラムを中心とする大学制度、教育の再構成を考えましょうと出しているわけですよね。それはおっしゃるとおりで、会津大にいるときも思ったんですが、大学院は大学院でそれなりにあると。一番問題なのはやっぱり学部であって、ある意味じゃイギリスはカレッジでその大学のカルチャーを教えますと。ハーバードもヤードという形で教えている。ですから、例えば東大でしたら、自分を犠牲にしても日本のために尽くせというようなことを学部で教えていただくと、日本はもっとよくなるんじゃないか。
  • 中村委員長
    それでは、次に論点4に移ります。産業界、大学、高専、公設試それぞれの連携に応じ、社会人、離職者の再教育や地域の人材養成、どのような取り組みが今後可能か。現状は、お互いが少しは協力しているのでしょうが、もっと効率的に、もっといい方法はこの5者、皆さんが協力して一つの集約した形でやるほうが、よりいいものができるだろうというふうなことでございます。そういうことに関しまして、委員の先生方のご意見をいただければと思います。
    佐竹先生どうぞ。
  • 佐竹委員
    人材育成についてずっと議論されていている中で、産業界との連携、交流、それが前提として話がされていると思っております。また、議論の中で、育てる人材像ということに対する内容についても議論されていますが、その連携、交流を推進して人材育成を進めていくような体制、それについても議論が私は必要でないかなと思っております。産学連携を進めるという観点で、大学の中に知的財産本部を置いて、産学連携コーディネーターとか、そういう推進役を配置して一生懸命、産学連携を推進しているわけですけれども、人材育成に関しては推進役がいない。大学の先生も非常に忙しいし、知的財産本部など産学連携部門が人材育成までかかわるということは並大抵でありません。
    このような状況から考えますと、やはり人材育成も一つの大きな産学連携部門の重要な事業として考え、また、国として必要不可欠な事業とするならば大学の中、特に企業との接点をもつ知的財産本部とか、産学連携部門の中に人材育成を推進するような組織をつくって、地域においてはそこを拠点として活動する。その中に配置するコーディネーター、いわゆる人材育成コーディネーターというか、人材育成プロジューサーというか、専門的な人材育成人材が積極的に企業と大学の仲、教官等を結びつけていくというような活動を今後活発にしていかないと、人材育成における産業界との連携というのは図れないんじゃないかなと思っております。
    そういう考えから、大学で5年前から実施しているに知的財産本部事業で産学連携を推進しているように国として人材育成を推進するという観点から知的財産本部事業のように政策的に人材育成推進の拠点構築を進めていただきたい。できましたら、各県に一つは人材育成事業を進める活動拠点をつくっていただけるような政策を出していただければ、産業界と連携した産業人材育成も地方の大学として積極的に推進でき、地方の企業も非常に助かると思います。
    以上でございます。
  • 中村委員長
    請川委員どうぞ。
  • 請川委員
    中堅・中小企業における博士号取得人材の活用は、単純にはほとんど不可能に近いと思います。大企業でさえ、大企業で適応できるようなドクターがなかなかいないという中で、ましてや中小企業にはほとんどゼロ。ただ、そうはいっても仕方がないので、今必要とされていることは明確だと思います。大学あるいは国研等で開発された先端的な技術、それを中小企業が使えるような技術にインテグレートする能力をもった技術者、研究者。ただ、前回も申し上げたかもわかりませんが、そういう人を教育している場所が1つはないということ。もう1つは、そういう人たちに対してインセンティブがない。社会的ステータスがない。あるいは本当に役に立っている技術なのだけれども、それを個人の業績として認めてくれる学会がない。ですから、学会業績というのもステータスの一つですから、一言でいえば、日本のほとんどの企業は中小企業ですけれども、中小企業を活性化する、役に立つような技術を開発する業務、仕事に対して社会のステータスをどう上げていくか、そういうシステムあるいは手段が必要かと思っています。
  • 中村委員長
    布村先生どうぞ。
  • 布村委員
    私のところの大学は、非常に景気のよかったときに、中小企業が大学をつくって活性化しようと、このような目的でつくられた大学です。その時点では、社会人学生も学部レベルその他について送り込むというようなことでスタートしていましたけれども、でき上がるころには既にそれが外れたような状況のところでスタートしています。
    したがって、そういう形の社会人学生も入ってはいますけれども、非常に少ない。ところが一方、大学院には、今ドクターコースには入ってきていますけれども、マスターレベルにさえほとんどいないような状況です。私は、昔は国立大学に所属していました。そのころは、研究生を企業から預かるというのを継続的に行っていまして、常に数名はおりました。すべてがやっぱり大企業なんですね。そこでいわれたことは、1人送るには何千万かかるんだよというようなことを企業の担当者からいわれています。それだけちゃんとやってくれよといわれたと思いますけれども、今の中小企業にそれだけ送り込む経済的な力がない。ですから、何か制度として、中小企業がそういう人材を育成するために2年間でも5年間でも大学院に送れるようなシステムを考えていただけると、非常にこの面においては有効に働くのではないかというふうに思っております。
  • 中村委員長
    そのほかかございますか。
    宝田委員どうぞ。
  • 宝田委員
    私どものところは群馬県で、やはり中小企業が98%というところなんですけれども、そこでお話を聞いていますと、中小であればあるほど専門性が高くないと生き残れない。ですから私は、この前も話したかもしれませんけど、群馬県では「中小零細企業」という名前は使うなと、「専門企業」という名前にしろということで運動しているんですけれども、そこで私ども、昨年から「1社1博士」というプロジェクトを展開しています。中小の方にぜひ博士をとっていただきたいということで、今私ども、博士の定員が39名いますけれども、約6割ぐらいそうした社会人の方が入っています。
    そこでやっていますと、確かに共同研究等で顔なじみの方が入ってこられるケースが多いんですけれども、大変よく勉強のほうもされています。ところが、今もお話しありましたように、経済的にも人的にも支援がない。規模が小さい会社ほど優秀な人材はなかなか外に出せない。その人がいなくなったら、もうその会社はおしまいというところが随分あります。ですから、そういったときの本当に支援。例えば、文科省側からも支援も出ないんですね。例えば社会人ドクターということで入学してくると、企業から来た人なので、授業料免除だとかそういった制度には全くひっかかりません。ですから、普通の学生さんですと、博士課程だと大体授業料を免除されたり入学金を免除されたりしているんですけど、社会人ドクターというのはほとんどありません。ですから、そういったところでも非常に彼らは困っているという状況です。ただ、やっぱりこれからの日本の産業界を考えますと、本当に専門性を高くしないとイノベーションも起こりませんし、ぜひこの中小規模の会社、そこを専門企業にするために支援をいただきたいというのが私どもの実感です。
  • 中村委員長
    それでは、論点4、まだご議論あるかと思いますけれども、次の最後の論点5に移りたいと思います。イノベーションを担う人材の創出に社会全体でどのように取り組めば有効かということです。
    ここにいろんなことが書かれておりますけれども、私から一言いわせていただきますと、最近、いろんなところで幼児期教育が非常に大事なんだということ。日本で昔からいわれている「三つ子の魂百までも」がどうも脳科学の点で、おととい、伊藤正男先生とお話ししておったんですけど、だんだん証明しつつあるということ。非常に典型的には、3歳までの間に眼帯をかけると非常に弱視になると。眼の神経はそのまま脳神経でございますから、すべての脳にそういうことが起こっているというのが最近の脳科学だそうでございます。光トポグラフィの小泉先生もそのように言っていますし、いろんな方がそうおっしゃっている。やはり一つの将来をにらむと幼児期教育。さらにもっというとお腹の中からかもしれませんけれども、就学前が非常に重要だということはサイエンスの論文にも、就学前のエデュケーションの環境をよくすると非常にいいんだと。1つはそういうのがあると思いますね。
    そうすれば子育てがどうか、こういうふうなシステムになりますけれども、もう1つのここで大事な論点は、現在のある資源、現役の方々、あるいはちょうど団塊の世代で企業を定年退職された方々、あるいは大学においても同様なことがある。あるいはポスドクの問題が非常にありますが、そういう人材、資源をいかに生かして、このような社会全体でイノベーションを担う人材を創出していくかという2つのことがあるかと思いますが、委員の皆様のご意見をいただきたいというふうに思います。
    どうぞ、村上委員。
  • 村上委員
    今、委員長が大変いいことをおっしゃったんですね。私も先ほどから発言しようと思っていたんですが、安倍総理のときにイノベーション、イノベーションというのがいろんなテレビでも言葉が出るようになりまして、うちの奥さんから「イノベーションというのは何なの?」って、私は「あなたはわからないでいい」といったら怒られたんですけれども、学生から聞かれたときは答えないといけないので、そのときに私はある写真をみせたんです。宮崎県に幸島という小さい島がありまして、そこにニホンザルがいるんですが、そこの猿はみんなイモを洗って食べるんですよね。その写真をみせたら学生は、「幸島の猿は偉い」というんですが、「いや、そうじゃないんだ。最初にイモを洗った猿が偉いので、あとはみんなまねしているだけだ」と。ですから、君たちは最初にイモを洗う猿にならなきゃいかぬぞと。それは西山委員がいわれたように、大きい国レベルの大きいイノベーションに限らず、いろんな小さいものがあるかと思うんですが、そういうことをやらなきゃいかぬと。
    そうすると、学生を眺めてみますと、先生もそうなんですけれども、いつもいいアイデを出す学生というのは決まっているんです。先生も、いつもいい研究をやるのは決まっているんですよね。これは何だろうかなと思って、私はまだ自問自答して解けないところがあるんですね。九州大学には入試で、ある学力で、正規分布のあるところを切り取った学生が入ってきます。東京大学と同じなんです。ところが、その数値でみるとかなり狭い分布の者が入ってきているんですが、入ってきた学生は全然違うんですね。イモを洗うことを見つける学生と全く何も、とにかくいつもそれをまねしてやることだけはうまくできるという学生がいる。恐らく東京大学でもそうじゃないか。確実にそうだと思うんですが、それは一体どこから来るのだろうかと、私はいつも考えるんですね。
    もちろん平均レベルは、私たちは教育としては上げないといけない。先ほど委員長がおっしゃったように。いけないんだけれども、本当に最初にイモを洗えるような猿をつくるためには、一体どこの教育でどういうところをやればいいかというのを、私自身まだそれは回答を見出してないんですが、そういうことで、先生方のいろんなサジェスチョンをいただければと思っているところなんです。
  • 中村委員長
    久村委員どうぞ。
  • 久村委員
    日産の研究所にいるんですけれども、企業としてイノベーションを起こそうとする役目がある研究所の経験者として、いろいろと発言させていただきたいと思います。我々の価値は、新しい価値をつくることそのもの。要するにイノベーションそのものが我々のタスクなんですよね。そうすると、どうやったらイノベーションが起きるかというのは、有信さんもいろいろおっしゃっていましたけど、常々そんなことをやっていますけど、それだけでは全く足りなくて、いろんなことを工夫しています。
    最近思うのは、社会全体で取り組めばいいかという論点でいうと、イノベーションはやっぱりモチベーションなんですよね。やろうと思わないとできない。彼はやろうと思っていたんだと思うんです、優秀な人は。なぜやろうと思うかというのを突き詰めると、結局名誉か、お金か。要するに報酬を得たいから、先生に褒められたいから。報酬を得たいからだと思いますね。お金とか褒められるとかいうのはわかりやすいと思いますけれども、あとはダイナミズム。言い出すと損するというケースがよくありますので、そうじゃないと。ちゃんと報酬は来るんだということを社会的に与えることが大事だと思います。
    そういう目でみると、アメリカは貧富の差が激しい。大金持ちができる理由は、イノベーションを起こした人は金がもうかるわけですよね。ジャカジャカ金がもうかって、そんなもうかっていいのかってもうかります。そうすると何が起きるかというと、その人たちがエンジェルになるわけですよ。みずからイノベーションを加速するエンジェルとなって、彼らが投資するわけですね。そうすると社会全体が、イノベーションを起こすと金がもうかって偉くなって、社会貢献できてというサイクルをみるわけですよね。
    日本は、残念ながらそのシステムができてない。企業としてみると、しようがないから社内エンジェルをするわけですよ。余りいいたくないんですけど、例えば日産でいうとカルロス・ゴーンが社内エンジェルになっているケース。みんなコストカッターだと思っているかもしれませんけれども、それもそうなんですけど、私も小さな社内エンジェルであり、有信さんもそうかもしれない。社内エンジェルをどうするかというのが企業の一番大事なところで、戦略的にそれをどう進めるかというのがイノベーターを育てる役割だと思います。
    ここで論議している、教育をするかしないかとか、どうするかという論議はあると思うんですけれども、これはベースラインで必要なことで、たとえそれができてもイノベーションは起きないです、はっきりいうと。イノベーションにはテクニカルには3つ必要で、専門技術力は当然必要です。コミュニケーションがないと絶対に起きませんね。最後には創造力、これがくせ者なんですけど、創造力っていうと簡単なんですけど、結局イノベーションを起こすモチベーションなんですよね。言うといじめられるとかいうのもあって、タスクを押さえられるのをいかに突破するかみたいなところを、ちゃんと報酬を与えて創造力を発揮させてやってもらう。それをどうやって社会全体の仕組みとしてつくるかということだと思います。
    学校との関係でいうと、専門力は例えばドクター、もしくは基礎力としてはもてるんですけれども、残念ながら今の世の中、特に我々のような組み合わせ技術の会社としては、1個の専門力じゃ全くイノベーションは起きない、絶対に起きないですね。先ほどありましたけど。少なくとも2つ、3つ、しかも異分野。技術はさっきの機械、電気とかありましたけど、そんなのは当たり前の話で、さらにほかの経済学だとかカスタマエンジニアリングだとかコンシューマーの話だとかいうのをわかった上でないとイノベーションは起きないというのが現実。かつグローバルにみていかないと、論議をしていかないと、英語も当然できなきゃいけない。そういうのがすべてできないとほとんどできないということになります。
    ですので、起こせる人材は物すごく少ないです。それをいかに出すかというのは、プッシュ型もありますけど、結局はプル型じゃないか。来たらいいことあるんだよということじゃないかなというふうに個人的には思います。解はないんですけれども、それをいかに全体で進めていくかという仕組みをつくらない限りは、なかなかイノベーションは、日本のこのある意味でいうと社会主義的な平等社会からは、そう簡単には出ないのではないかなというふうに思ってしまう。そうじゃないようにするのが、ある意味マネジメントの役割であったりとか、企業の経営者の役割であったりとか、もしくは支えるのが学校の役割だったりするのかなと思いますが、済みません、答えはないんですが、そういうふうに思っています。
  • 中村委員長
    平田先生どうぞ。
  • 平田委員
    論点5についてちょっと述べさせてもらいますけど、その前に、ずっときょう聞かせていただいて、やっぱりそれぞれの大学で、特に産学連携という観点から非常にいろんな、私も初めて知ったようないろんなすぐれた試みが実践されているわけですね。ですから、さらにまたいいシステムはあるかもわかりませんけど、そういうのをまたさらに模索したり考えるよりも、経産省としてはこういう動きをファシリテートすればいいわけで、人材とか教育の成果というのは、やっぱりある程度長い時間かからないと評価できないわけで、むしろ一つ感じたのは、こういうそれぞれの試みというのがもうちょっと、知っている人は知っているんでしょうけど、意外に知られてないですよね。私は、機械学会がこんな、笠木先生のああいうところまで大学で取り組まれているなんていうのは初めて知りましたし、もうちょっとプロパガンダといいますか、そういう機会をつくるためにも、例えば、全国的にこういう人材育成に関しての成果発表会というものをつくって、何か立派な賞を出すとか、せいぜいそういう支援も必要なんじゃないかなと思います。
    ちょっと違う話に行きましたけど、論点5で、私は大学連携推進課の3つのプロジェクトにかかわらせていただいているんですけれども、それは皆さんのような高等教育じゃなくて初等中等教育で、もうちょっとイノベーション人材の入り口のところにかかわるとろで最近感じていますのは、子どもの進路選択は高校1年まででほとんど終わっているんですね。特に理系へ行くか文系へ行くかというのは、これはちょっとそこでも問題ありますけれども、大体高校1年ぐらいまでで終わっているわけですけれども、実は子どもはもとより親御さんでも、理系に行ったらどういう職業につくかとか、そういう職業観、職業像といいますか、それは例えばどういう具体的な職業があって、社会にとってどういう重要な役割を果たして、どういうおもしろみとか魅力があるかという職業像とか職業観、そういうものが実はほとんど教育されてない。
    教材というのを我々ちょっと調べてみますと、実に貧弱なんですな。恐らく理系へ進んでもお医者とか薬剤師、コンピューターのプログラマーというのはありますけど、皆さん理系の人が従事しているような職業ってほとんど載ってないですな、進路指導書のガイドブックに。ですから、この辺からしっかりやっていかないと。産業界のかなり責任でもあるのかなと思います。そういう進路指導の教材をしっかり充実すると同時に、大学や教育機関だけで職業観を醸成するというのは非常に難しいので、いろんな意味で産業界がコミットする必要があろうと思います。
    これも、実は産学でいろんな取り組みが行われています。もちろんいろんな理科教育の支援スタッフを送ったり、実際に各地場の産業の技術者が、子どもたちの身近な社会の中でどういう仕事をやって、それが実際はこういう勉強からつながっているというようなこともいろいろやっているわけで、ぜひそういうのを持続的に横展開していかなきゃいけないなと思います。
    それと、社会全体での教育への取り組みの中で、実は意外に教育現場、特に初等教育において、企業の技術者、研究者のOBというのは、非常に貴重なリソースなんじゃないかなと思います。社会、倫理教育というのは当然受けているわけで、非常に豊かな経験をもとに、しかも、現役の人に比べて実にコストパフォーマンスが高い。こういう人材は、これから少子高齢化で、大変労働力人口が少なくなる中で活用しない手はないわけで、人材の育成とか教育面でシニアの人たちを再活用する、ぜひこれは政府として考えていただきたいと思います。
  • 中村委員長
    笠木先生どうぞ。
  • 笠木委員
    社会全体と一緒に取り組もうということで、今回もこういう形で各界から有志が集まって議論しているわけですが、次の2つの観点から、産官学が人材、特に技術系人材の育成にかかわることをきちっと考えていく、恒常的な場を築くべきではないかと思います。
    その観点と申しますのは、1つは、今もご指摘ありましたが、人材育成の成果というのは5年、10年かかって分かるわけですね。つまり、今やったことが10年後になって初めてよかったか悪かったか分かる。そういう意味でデータベースが全然ないんですよね、この国は。皆さんがそれぞれある種の断片的なデータをもってきて、それで議論せざるを得ない状況にありますので、産官学が連携をしてコンシステントな人材動向のデータベースをつくっていく。これを国民全体も共有して議論して、次の世代、次の時代の人材育成ということを考えていかないと、一過性の判断だけに終わってしまうという懸念があります。そうしたデータベースをきちんと構築し、ケアしていくような組織としての産官学の共通の場が必要です。
    もう1つは、かつて機械学会から、学校教育法の改善のときにパブコメに応答したことがありました。初等中等教育、高校まで、「技術」の教育ということが一切触れられてないんですね。理科ということは触れられています、学校教育法の中で。我々は技術ということをきちっと教える、あるいは工学ということですね、工学というのはエンジニアリングということですから、ナチュラルサイエンスだけではなくて、あらゆる知識、経験を動員して、目の前の問題に対してきちっとソリューションを与えていくということですね。ですから、技術とか工学、あるいは工学的なもののとらえ方、考え方ということを国民全体が、これからの時代どんな分野に行こうが必要なわけですから、そういうことを含めた、新しい理工系を含む、そういうサイエンスあるいはエンジニアリングをベースにしたリベラアルアーツみたいなものをつくっていく。それをかみ砕いて初等中等・高等教育に入れ込むようなことも考えなくてはいけない。これにはやはり恒常的な検討組織が必要であろうというふうに思います。
  • 中村委員長
    ありがとうございます。
    それでは、最後に佐野委員どうぞ。
  • 佐野委員
    1つだけ申し上げたいと思います。よく日本は少子高齢化といいますけど、実は企業も新しく生まれる企業は大変に少ない、少子状況になっているわけでありまして、先ほどモチベーションの話がありましたけれども、企業を新しくつくるとか、あるいは大企業さんから中小企業なりベンチャーに行かれるというところに対するインセンティブ、モチベーションが全くないんですね。これがないだけじゃなくて、一方で、日本の場合はベンチャーとか中小企業を応援する人とか、サポートする人を応援するための資金は結構予算ではついていらっしゃると思いますし、あるいは、こういってはこの時期よくないんですが、本来つぶれるべきような会社に対する支援資金は結構ついておりますよね。これは政治的な面もあるんでしょうけれども、それに対して、新しく会社をつくるとか、あるいはそこへ移っていって経営するというふうなところに対する予算が、私の知る限りはほとんどありませんね。ないですね。これは余りにもつくることに対する方向性が国としてないんじゃないかなというようなことがありますので、助ける、つぶれないから、つくるという方向へ大胆に方向性を出していただきたいというところでございます。
  • 中村委員長
    手短にお願いします。
  • 有賀委員
    いろんな情報を共有するということが出てきていて、とてもいいと思うんですけれども、難しいかもしれないけれども、例えば、こういう資料が出てきたりいろんなお金の報告書なんかのときに、うまくいったことは書いてあるけど、うまくいかなかったことは書いてないんですよね。私たちももちろん、例えば文科省から何かお金いただいたら、いいことしか書かないようにしないと、何か返せといわれるんじゃないかとか、次にもらえないとかと思うんですけれども、実はやったけどうまくいかなかったということは物すごく大事な情報なので、いろんな取り組みの中で、そういうことも情報が共有できるようなシステムがあるといいなと思っています。
  • 中村委員長
    本日も、大変活発なご議論ありがとうございます。
    最後に、審議官のほうからコメントをお願いいたします。
  • 西本大臣官房審議官
    経済産業省審議官の西本でございます。
    きょうは、非常におもしろい、興味深いお話をたくさん聞かせていただいたと思います。私どもも産学連携に旗を振って10数年になるわけですけれども、考えてみれば、一番最初に明治政府が工部大学校とかつくったときには、これは産学連携がまず前提であったというふうに私も思います。ですから、戦後も一時期、学と産とのやや分離みたいな感じが毎年のようにあったわけですが、心ある研究者の方々にはずっと産学連携をやってきていただいておりますし、やはり大学、産学連携で成功した企業というのは多数あると思います。
    私ども、こういう産学連携の議論をアカデミーの方々と産業界の方々と入りまじっていろいろ議論できるのは、物すごくいい環境になってきていると思いますが、先ほど笠木先生にもございましたけれども、ここ数年、議論はもう出尽くしていると、いろんなところをぐるぐる回っているという、それを構造としての知に変えていかないといけないわけです。何をやったらいいかというのも大体わかってきているという感じもいたしますので、それをどうやるのかというアクションをきちっと決めるということが大事かなというふうに思います。
    今の議論の中でも、いろいろもう少し要素に分解して議論したほうがいいかなという気もいたします。例えば、トップ2割の人材を国際競争力のある人材としてどうやって育てるのだというお話とか、あるいは、ものづくりを担う中堅部分のところをどうやって質も量も確保するのかというようなこととか、それからイノベーション、ベンチャーをどうやって育てるのかというような、それぞれもう少し分解して議論したほうがいいのかなという気がいたします。
    それから、私どもの宣伝をちょっとさせていただきますと、先ほど佐野先生からイノベーションがなかなか起こらないというふうにおっしゃっていただきました。この間も紹介したかもしれませんけれども、アメリカは多産多死ですね。10数%の企業が生まれて、10数%の企業が毎年死ぬと。非常に活性化しているのだと思います。日本は5~6%、今や生まれる数よりも死ぬ数のほうが多いので、それは大問題だと私は思っているのですけれども、もともと5~6%の企業が生まれて死ぬという、非常に少ない。なぜそうなっているかというようなことを考えないといけないのですが、私はやっぱりイノベーションを起こす根本は、人材の流動化、技術の流動化だと思います。
    私ども今回、国会に提出する、閣議決定をしましたけれども、イノベーションを起こすためのファンド、そういったものに対する支援が薄いのではないかということを佐野先生からご指摘いただきましたが、産業革新機構をつくって、ちゃんとベンチャーを育てるようなファンドをつくって、あるいは研究組合も研究組合から株式会社にスムーズに転換できるような、これは50年ぶりの法律改正でございますけれども、こういうこともやって、企業からもきちっと人材がカーブアウトも含めて出るようなこと、あるいは大学との人材がまじるというようなことがスムーズに行われるような制度設計をやろうと思っています。ぜひ引き続き、こういう委員会の場でご意見を賜ればと思います。ありがとうございました。
  • 中村委員長
    それでは、どうもありがとうございました。
    最後に、事務局より、スケジュール等の事務連絡をお願いいたします。
  • 西脇大学連携推進課長補佐
    次回委員会の開催に関しましては、皆様のご日程を確認させていただきましたところ、4月9日木曜日14時から16時半が一番多くの皆様のご都合がよろしいと伺っております。これまでより30分多く時間を設定いたしまして、「成果の出せる産学連携について」という議題と、「経済社会のニーズと大学の機能について」という議題、この2つについてご議論いただければと思っております。また、きょうと前回議論いたしました「人材育成について」も、私どものほうで議論をまとめましてご提示できればと思っております。
    なお、本日の議事につきましては、無記名の議事概要を事務局にご一任いただきまして速やかに公開した後に、1ヵ月以内をめどに議事録の確認を事務的に委員の皆様にさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
  • 中村委員長
    どうもありがとうございました。
    それでは、以上をもちまして、第10回産学連携推進小委員会を閉会といたします。本日は、ご多忙の中どうもありがとうございました。この会は非常に出席率がいいそうでございます。次回もよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2009年5月20日
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