トップページ > 審議会・研究会 > 独立行政法人評価委員会 > 産業技術分科会 > 産業技術総合研究所部会 > 産業技術総合研究所部会(第13回) 議事録

独立行政法人評価委員会産業技術総合研究所部会(第13回) 議事録

日時:平成18年6月12日(月)10:30〜15:45

場所:産業技術総合研究所つくばセンター第2事業所OSL2階会議室

出席者

木村部会長、浅井委員、岡田委員、塩田委員、山野井委員

議題

  1. 平成17年度評価の進め方について
  2. 平成17年度評価について
  3. その他

議事録

開会

木村部会長
 おはようございます。時間は少し前ですけれども、皆さんおそろいになったようでございますので、ただいまから独立行政法人評価委員会第13回産業技術総合研究所部会を開かせていただきます。
 まず初めに、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。
長野産総研室長
 それでは、資料の確認を行いたいと思います。
 まず、議事次第というものが一番上にございます。資料1シリーズとして、これは事務局関係の資料でございますけれども、こういうふうにクリップでとじた資料1−1から1−4までございます。資料1−1が「産総研部会:評価のスケジュール」、資料1−2が「独立行政法人産業技術総合研究所の平成17年度業務実績に関する実績評価表」、資料1−3が「随意契約の見直しについて」、資料1−4が「評価表の記入について」、いずれも1枚紙でございます。
 資料2シリーズでございますけれども、これがこの青色のファイルに綴じたファイルに一部、資料2のシリーズが入っております。資料2−1が「第2期の産業技術総合研究所」、資料2−2が「平成17年度産総研経営の視点と成果」、資料2−3が「平成17年度における研究成果」、資料2−4が「平成17年度評価結果概要」、資料2−5として「平成17年度実績概要」、資料2−6はファイルからちょっと飛びまして、このA3の横長の資料でございます。「産業技術総合研究所平成17年度実績本表」と「別表4」と「別表5」、それから資料2−7が、同じく横長のA4の「平成17年度実績」、「別表1」、「別表2」、「別表3」、これが計画と実績に対応するサブスタンスでございます。
 それから参考資料ということで、これはちょっとまたこういう綴じたものに戻りまして、参考資料の1−1、参考資料1−2、参考資料の1−3、それぞれ事務局関係の資料でございますが、参考資料1−1が「独立行政法人産業技術総合研究所の業務の実績の評価基準」、それから、参考資料1−2が「産業技術総合研究所に対するアウトカム視点からの評価のあり方」、参考資料1−3が「平成17年度独立行政法人業績評価の実施について」という資料でございます。それから、参考資料2−1から2−7まではこの青色のファイルに戻りまして、参考資料2−1が「平成17年度理事長活動集」、それから2−2として「平成17年度研究ユニット評価報告書」、これはファイルから飛びまして、この冊子でございます。それから参考資料2−3が「第2期研究戦略」、参考資料2−4は「産総研の経営と戦略」というパンフレットでございます。それから、参考資料2−5以下がまたこの青いファイルに戻りまして、「平成17年度における数値目標の達成状況ほか」、参考資料2−6として「ジーンファンクション研究センターの在り方等に関する検討について」、参考資料2−7が「随意契約の見直しについて」、以上でございます。
 御確認をお願いします。
木村部会長
 ありがとうございました。よろしゅうございましょうか……。
 資料の数が大変多くなっておりますので、説明の際に資料番号を言っていただきます。足りない場合にはそのときにお申し出いただければと存じます。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入らせていただきます。

議題

1.平成17年度評価の進め方について

木村部会長
 本日は産総研の平成17年度評価に係る実績報告を伺うことになっております。
 まず、事務局から評価の進め方並びに留意事項等について御説明をいただきたいと思います。
 よろしくお願いします。
長野産総研室長
 資料1シリーズ、このクリップに綴じた資料1シリーズと、それから同じくクリップに綴じた参考資料1−1から1−4に基づいて説明させていただきます。
 まず、本日から次回の部会、7月7日までの行程については1枚紙の資料1−1に示してございます。本日、産総研から実績報告等がございますけれども、これを踏まえて各委員の先生方に資料1−2、こういった資料1−2の評価表がございますが、これに評価結果を記載いただくことになります。この評価表とは別に資料1−3「随意契約の見直しについて」という1枚紙がございますけれども、これも評価表とともにコメントの記載をお願いします。
 これは参考資料1−3を見ていただきたいのですけれども、この「平成17年度独立行政法人業績評価の実施について」という事務連絡がございまして、7月11日の独立行政法人評価委員会、経産省の独法の親委員会がございますが、これにおいて独法の随意契約の状況について報告することが求められているためでございます。
 資料にございますとおり、随意契約の見直しについては、AAないしDの評価をいただくものではなく、コメントのみをいただくということになります。このコメントは評価、AAないしDには一切反映されない性格のものでございます。
 評価表と、それから随意契約関係のコメント用紙については、明日、電子媒体で事務局から各委員の先生方に発送させていただきます。様式はワード版、エクセル版、一太郎版の3種類を送付いたしますので、使いやすいものを御使用いただければと思います。ペーパーで、手書きで記載されても結構でございます。評価表には産総研の評価基準、これは参考資料の1−1を見ていただきたいのですが、参考資料1−1の基準によりますと、各事業年度に係る業務の実績に関する評価のための指標というのは5段階のAA、これが中期計画の達成に向け、質量の両面において特筆すべきすぐれたパフォーマンスを実現、次にA、中期計画の達成に向け、質量のどちらか一方においてすぐれたパフォーマンスを実現。それからB、中期計画の達成に向け、質・量の両面において概ね達成、それからC、中期計画の達成に向け、質・量のどちらか一方において未達、もしくは法人の業務運営に当たった問題となる事象が発生。それからD、中期計画の達成に向け、量・質の両面において大幅に未達もしくは法人運営に当たって重大な問題となる事象が発生ということで、Cの法人の業務運営に当たって問題となる事象が発生、それからDの法人運営に当たって重大な問題となる事象が発生については、本年度から新たにつけ加えられた表現でございます。これに該当する可能性がある出来事として、研究ミスコンダクトについて産総研から後ほど説明があると思いますので、よろしくお願いいたします。
 評価に当たりましては、本日、産総研から説明をいただく内容、本日の見学及び議論、それから資料等をご覧になって、あるいは後日事務局経由で確認される事項を踏まえまして、アウトプット的指標による効率性の観点から、またそれに加えてアウトカム的指標としての有効性の観点からも加味していただいて、総合的な評価をしていただきたいと思います。
 本日、宿題をいただければ、その宿題の部分については後日御説明に伺うか、または資料を送付し、対応させていただきます。追加質問等がございましたら事務局まで御連絡いただければと思います。
 評価は原則としてすべての項目について評価の記載をお願いいたします。
 以上を踏まえて、最終的には6月30日の金曜日、6月30日までに事務局宛て評価表を御返送いただければと思います。電子メールでも郵便でも、どちらでも結構でございます。
 回答いただいた評価表につきましては事務局で集計いたしまして、取りまとめを行い、各委員の先生方の事実誤認等のチェックの意味合いから、お名前を伏せて産総研に送付してチェックを依頼します。また、昨年度の評価と同様に平成17年度評価は7月7日、金曜日でございますけれども、第14回の部会での評価の審議を行うための資料として各委員のコメント部分に関しての総意を踏まえた原案を部会長と相談して作成いたしまして、事前に各委員に送付させていただくということにさせていただきたいと思います。そして、第14回部会での審議で部会としての評価案というものを取りまとめていただくことになります。
 17年度業務評価につきましては、独立行政法人評価委員会、経済産業省の親委員会の議決事項となりますので、この点、御承知をお願いいたします。
 各委員の評価結果の内容につきましては情報公開法に基づく開示請求がなされた場合、原則として開示扱いとなります。
 以上の部会における評価の最終ステップまでの行程というものはもう一度資料1−1、それから評価表の記入方法及び提出方法については資料1−4を御確認いただきたいと思います。
 以上、御説明申し上げました。
木村部会長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に対しまして、何か御質問はございますでしょうか。
 どうぞ、岡田さん。
岡田委員
 今年度から参考資料の1−1の別表2のところで御説明のあったCですね。法人の業務運営に当たって問題となる事象が発生とか、Dの法人運営に当たって重大な問題となる事象が発生、これ自体をここで議論できるのでしょうか。
 意味は、この表現では少し意見がありまして、表現を変えることができるのかどうなのか、この辺の決まり方の問題なのですが。
木村部会長
 つまり、評価基準ですね。
岡田委員
 はい。
木村部会長
 評価基準の文章表現、いかがでしょうか。
長野産総研室長
 この評価基準自体は前回の部会で正式にオーソライズされたもので、この文言はこのままということになりますけれども、この解釈ということについてかなり実際、判断の裁量の余地はあると思いますので、そこは各先生方に御判断をお願いすることになるかと思いますけれども。
岡田委員
 言っている意味は、「法人の業務運営に当たって」という表現では、法人の業務運営とよくないこととの関わり合いについての記述が弱いのではないかという感じがするのですね。したがって、私の今のちょっと思いつき的な感じから言えば、「法人の主たる業務運営に関連して問題となる事項」とかという、つまり経営としてねらったいろいろな諸政策に関連して問題が起こったことと、そうではないこととの感覚の違いといったものをもう少し表現できないかなという気がするということです。
木村部会長
 ということは、今、多分、先ほどもちょっと御説明がありましたけれども、これについてたちまち問題になるのは、例のミスコンダクトのことだと思うのですが、岡田さんの御意見は、ミスコンダクトが法人の業務運営に当たって非常に問題となるというところではないということですか。ちょっとよくわからなかったのですが。
岡田委員
 そこはこれからの議論だと思うのですね。まず、ミスコンダクトだけではないだろうということが1つありますね。いわゆる「問題となる事象」と言うときに、かなり広範に検討しなければいけないものが出てくると思うということが1つですね。そのときに、いわゆる法人の主たると言いますか、いろいろな政策意図を込めた業務運営に関連して出てくることと、いろいろな問題となる事象なのだけれども……。
木村部会長
 それほどではないと。
岡田委員
 そういう意図とは、まあかえって逆に出てくるようなこともありますよね。そういう意味で「法人の業務運営に当たって」という、「当たって」という表現で十分なのかもしれませんが、そのところを明確にするためには、法人の主たるというのか、もくろみとしたところの業務運営に強く関連して問題となる事象が出てくれば、これは相当とがめられるべきだろうし、そうでないとするならばという、もう少し判断を、つまり従来の評価基準である中期計画の達成においてすぐれたとか、概ねとかと言っている座標軸とこの座標軸ははっきり言って交わらないですね。性格的に交わらないものですね。だから、交わらないかどうかわかりませんが、交わらないケースもあり得ますね。だから、本当はAAなのだけれども、実はCだと、こういうことも起こり得る基準ではないかという気もするわけです。その辺をここでちょっと議論しておいた方がいいかなという気がしたということです。
木村部会長
 いかがでしょうか。
 今、長野さんが言われたように、これはもう前回オーソライズされていますから、もし岡田委員の御意見を生かすとすれば、各委員が御解釈いただくということで、来年度、それについてもう一度成文化するのであれば議論するということになろうかと思いますが、いかがでしょうか。
長野産総研室長
 今の岡田委員の最後の点に関しましてはC、まあ交わらないというか、そういうコメントがございましたけれども、一応これはAorBということで、例えばDの場合で言えば、質量の両面において大幅に未達、またはこれこれこういうような事象が発生ということで、どちらかが起こればDに該当するという論理的な解釈になると思いますけれども、本日でございますけれども、後ほど産総研の方から御説明がありますので、そのときに研究ミスコンダクトについてはこういうこと、ほかに該当する可能性がないという、事前の産総研と事務局の打ち合わせでは、可能性があるとすればこれだろうということでしたけれども、もし思い当たるところがあれば別途ほかの問題、可能性があるのかどうかをコメントいただきたいと思います。
 それから、やはりこれだけの文言だとなかなか解釈上困るということであれば、これをどういうふうに解釈するかということについては、ちょっと今日議論することは難しいと思いますが、後ほどそのような解釈というものが必要であれば対応したいと思います。
 いずれにしても、今日はとりあえずそういうことで御説明を産総研からいただいて議論いただくということでいかがでしょうか。
木村部会長
 よろしゅうございますか。
岡田委員
 結構です。
木村部会長
 それでは、それで進ませていただきます。
 ほかに何かございますでしょうか。
住田振興課長
 はい。
木村部会長
 どうぞ。
住田振興課長
 今の点なのですけれども、もともとCとかDにこういった項目が入ったのは昨年の経緯から入っておるわけでございますが、昨年、実は他の法人で財務諸表の提出が遅れたとか、そういうような事態が生じたことがあったのですが、それに関する評価がどうも独立行政法人間でバラバラだったというようなことがあったものですから、そういった事象が生じたときにどういう形で評価をするのかということを統一しておいた方がいいだろうという、こういう意味合いからことしの評価基準では、各独立行政法人ともにこういった項目をC、Dというところで設けるようにということになったものでございます。したがいまして、このCとDというのは全体の評価ということというよりは、むしろ今回のもので言った場合でも、例えば財務諸表の件であれば、個別評価項目のIIIとか、そういうところの判断に当たってそういったことを考慮していただくということなのかというふうに思っております。
 したがいまして、ある意味で本業に関することだけということでは多分ないのかなというふうに私どもは、経済産業省としては考えておるところでございます。
岡田委員
 その財務諸表の件は事前に長野さんからも聞いておりまして、そのことが結局は評価に影響しないということになったわけですよね。そういう理解でよろしいのですね、某法人においては。
住田振興課長
 はい。
岡田委員
 ということは、ここで言っている問題となる事象が発生したのだけれども、むしろ実際は法人の業務運営に絡んでそこに何か落ち度があっためにそういうふうになったのではないというふうに判定したということだと思うのですね。どうせ、「どうせ」と言うと申しわけないのだけれども、本質的にそう評価するなら、そういう表現にした方がいいのではないですかということを私は申し上げているということです。
 以上です。
浅井委員
 ついでに。
木村部会長
 どうぞ。
浅井委員
 せっかくこういう議論がありますので意見を述べさせていただくと、こういう経営の質みたいなことについての評価が1つCとDのところに入ってきているのだと思うのですけれども、そういう評価というのはCとDのところだけ入るというのも何か変なのですね。だから、非常な違和感があるように私は思います。前に1回議論されてこういうことになっているわけですが、もし何か将来考慮することがあれば、経営の質というものを全体に評価するようにしていかないと、CとDだけここに入っているから、CかDかつくとよほど問題なのだ、みたいになってしまう可能性もありますしね。やはりそういう価値観というものを上から下まで通していかなければいけない。そのときに、CとDだけにそういう価値観が入ってくるというのはちょっとやはりおかしくて、総合経営的な中期計画というものがあれば、その中に当然、財務だとかミスコンダクトだとか、そういう品質に関わるものがいろいろあるわけで、それを総合的に評価しないといけないのではないかというふうに私は思います。
木村部会長
 ありがとうございました。
 それでは、そういうことで一応お話を伺って、また御意見がございましたら伺いたいと思います。

2.平成17年度評価について

木村部会長
 それでは、御説明は承ったということで、次に17年度実績についての御報告をいただきたいと思います。
 進め方といたしましては、議題(2)の評価について、まず実績概要報告ということで吉川理事長からお話をいただき、その後、議題に関わる報告を順次行っていただきたいと思います。そして、質疑はまとめて行うことにしたいと思いますが、それでよろしゅうございますか。
 〔「結構です」の声あり〕
木村部会長
 それでは、吉川先生、まずよろしくお願いいたします。
吉川理事長
 それでは、よろしくお願いしたいと思います。
 最初の資料2−1を使いまして概略的な御説明をし、後ほど各項目についての詳しい話は副理事長、理事の方から報告をすることになりますので、全体的な概念というのを簡略に御説明したいと思います。
 第2期、第1期が終わりまして、さまざまな体験を積み重ね、新しい独立行政法人研究所というものの使命というのは大変大きいのだというのがわかり、一方でまた考えなければならないこともいろいろあるということが第1期でわかったわけでありますが、特に最近のようにイノベーションという国家的な1つの流れの中で独立行政法人研究所というものが新しい位置付けになってきたということもあり、そういう意味で使命というのは大変大きいのだなということが改めて感じられる昨今でありますけれども、そういった観点から第1期の成果というものを生かして第2期というものをさらに進めるというのが基本的な視点であります。
 この2ページにございますように、第2期においては一番右側、第1期が左側の方になるのですが、第2期のところにありますように、産総研の「憲章」というものをつくりました。これは研究所としての目標感を数千人の研究員が一体感を持つということから、ある意味では1つの帰結としてそういうものをつくったということですし、Plan Do Seeというのも、これも管理構造を明確にしていくということ。それから研究重点化は当然のことでありますが、産総研の立場ということを考える意味でありますが、それからもう一つ大きな事件として第2期は公務員身分の離脱ということがあったのですけれども、これは自由な雇用ということで、本来持っている研究者のフレキシビリティというものをさらに生かすということを試み、これがかなり進んで参ったということであり、さらに包括的連携協定、これは先ほども申し上げましたが、我が国の全体の1つのイノベーションというものを進める中で外部へどういう関係を持つ接点をつくるのかということが大変大きなミッションだという認識のもとでそういうことをやってきたわけであり、アウトカムの視点の導入、さらには戦略というようなものがいわゆる研究所としての独法研究所というのは決してただ単におもしろいから研究するのではなくて、国のミッション、国の方向性ということを認識した上での研究戦略を立てるという観点からこういった評価も可能になる。すなわち、アウトカムで何がいいアウトカムなのかということは、何をしなければならないかということと重ねて考えなければ評価はできないわけで、ただアウトカムがあるというだけではだめだということで、戦略というものをみずから立て、それを認識した上で評価しようと、こういう立場を明確にしつつあるわけです。イノベーションハブ戦略、ネットワーク・オブ・エクセレンスといったようなものも、これも当然日本の中での産総研ということであります。さらに、私は常々思うのですけれども、我が国におけるすべての職業というのは、そこにいれば能力が進むという意味で、当然のことでありますけれども、産総研の提供する職というのは研究関連の人材というものが大いに育成される場所でなければいけないという観点も大幅に様々な今まで上に述べた諸政策の中に込めているということで、これは全体的なものにかかるということであります。
 3ページでありますけれども、「産業技術総合研究所の研究経営10ヶ条」というちょっと妙な表現をしておりますけれども、これは第1期にわたって次第に培われてきた1つの結論であり、1つの決意である、そういうものでありまして、今日はこれに従ってお話をすることになりますが、ごく簡単に言うと産総研の特徴はこういうふうに言えるのではなかろうか。この「ふたを取る」というのは、これは伝統的な日本の組織というのはまず組織をつくって、その組織が1つの機能を発揮するという構造をまずつくって、その結果、生まれてくる組織のポスト、そこに人を呼んできて当てるということで、組織がまずあって、人が当てはめられると、こういうことなのですけれども、2番目に書いてありますように、研究所というのはそうであってはならないということで、研究者がいて、その結果として組織ができる。すなわち、研究者というのが何を研究したいかということが変われば、組織が変わる。そういう研究意図というもの、研究者のインテンションというものによって組織ができるということ。そういうやり方というものを「ふたを取る」と我々は表現しているわけで、まず組織をつくって人を当てはめるというやり方は研究にとってよくないということで、そういうことにしているわけです。
 その結果として生じた研究ユニットというのは、これは御存じのように非常に小さな10名ぐらいの研究ユニットから200人ぐらいの研究ユニットになっているのですが、いわばこれは組織論からすれば非常に偏向しておりますけれども、研究課題から言ってそれは当然の結論だということで、できた研究ユニットにオートノミーを与えて、研究者というのはみずから研究の実施を行うということであります。もちろん、その研究ユニットの改廃というのは、これは完全に経営側の責任であり、これはここには書いてありませんけれども、研究ユニットというのは第1期において大幅にこれが組換えられたというのは1つの事実であります。
 さて、その中で行う研究は本格研究であります。
 それから、戦略というものを先ほどもちょっと申し上げたのですが、つくらざるを得ない。戦略なしの研究というのは我々のような独法研究所にはあり得ないわけで、これを「科学の言葉で」というのは、戦略というのはともすれば掛け声であったり、抽象的であるわけですけれども、そうではなくて、みずからは何をするのだということの実行の決意に基づいた戦略を書こうということで、これは「研究者の言葉で」と言ってもいいのですが、「科学の言葉で書かれた戦略」というものを、これが実際に第2バージョンを今回つくることに成功したわけです。
 「三権分立」というのは、これは管理構造ということで、先ほどのPlan Do Seeというものの組織論的な実現ということであります。
 それから「組織のフラクタル」というのがありますが、これは後ほど少し御説明します。
 それから、「人と組織の時定数」というのは、実はこれは大変どの組織でもありますけれども、人の一生というのは恐らく仕事に就きましてから何十年、まあ数十年という時定数を持っているのですけれども、組織というのはそんなに長くもつものでもなく、特に産総研におきましては組織というのはしょっちゅう変わるわけですが、そういった異なる時定数というものをどうやって調和するのかというのは、これは人が全力を仕事で発揮できるという上で非常に重要なことなので、この点についての配慮に基づいて、いわば職の構造というものを設計していこうということです。
 それから9番の「卓越した機関のネットワーク」、これは産総研という自分たちの存在を全国の中で、日本の中でどう位置付けるかということであります。あるいは、世界的にどう位置付けるかということであります。
 最後が、これもある意味で非常に重要で、目標というのはこのような集団で非常に強い、しかも非常に多様な研究者がいるのですけれども、共通の目標というものを持たなければいけない。ここに書いてありますように、これはどういうわけか英語で書いてあるのですが、サスティナビリティに向けた産業の重心を移動させるために役に立つ研究をするということを共通の理念にしようということです。
 4ページに参りますが、「ふたを取る」というのは先ほどもお話をしたとおりでありますけれども、理事長とユニット長の契約に基づくユニットのオートノミー、オートノマスに研究を行う。私はこれは決して捨ててはいけないと思って、研究者はオートノマスであるという自覚のもとで自分の全能力を発揮するという意味で、研究ユニットという中ではオートノミーである。極論すれば、研究組織も、研究課題の選定も、それから研究の実行も、研究費の使用の方法も全部オートノマスにやっていく。ただし、そのことは100%産総研の中の経営側によって評価を受けていく、こういう構造になっています。ユニット評価とその経営への反映というのがありまして、オートノミーである変わりに評価を非常に強くし、その結果が反映しているということです。3番目が研究者の提案による研究ユニット設立と経営判断による設立。研究ユニットの設立というのは基本的には研究者の提案によって行われます。しかし、その設立の社会性、産総研という組織の中にある理事等に基づく検討によってそれを設立するという責任は100%経営側にある。こういうような一種の緊張関係の問題をここでとらえているわけです。さらに、こういうことをすると、これは我々の経験なのですけれども、ともすればユニットというものがバラバラになるということで、それは研究コーディネーターという、これは研究ユニット長よりもより経験の長い非常にすぐれた研究者をそこに配置して分野を統合していくということも同時に努力していくわけです。
 本格研究についてはたびたびお話をしましたけれども、こういう形で、実は研究というのはリニアには展開していかない。必ず我々の言う「悪夢の時代」というのがあって、そこには非常に独特な、現代社会ではこれは国際的にも認められていない独特な研究の様式というのが存在するということで、この研究様式ということを外在化し、明確にし、そしてそれに対していわば予算的な手当もするし、組織もつくっていこうということを積極的にするのが実は独法研究所なら可能だということで、産総研でそのことを第1期を通じてずっと試みてきたのですが、これは結果的には私は研究者の現状というものを見て成功であったと考えております。
 そして6ページへ参りまして、この本格研究の中の「悪夢」というのがあるのですけれども、先ほど悪夢というものを分析し、それに対応すると申し上げたのですが、実はこのような様々な、これは左側に書いてあるのは悪夢の原因で、右側が例えばその例でありますけれども、こういったように、全部は説明しませんけれども、要求が非常に曖昧であるがゆえに製品にならないという家庭用ロボットの長い悪夢の時代、それから要求が厳密過ぎるために、これがなかなか展開できない原子力発電の場合、こういうようにさまざまな理由があります。そういったことを知らないと、実は研究計画というのは立たないわけで、その悪夢が一体何なのかということについては常時産総研の中で検討しつつ、各研究テーマを特徴づけるものとして位置付けているわけであります。
 それを現実にどうするかというのは7ページでありまして、これは各研究ユニットに与えられた1つの基本的な構造で、研究ユニット長はこの3種類ですね。第1種の基礎研究と呼ばれるいわゆる普通の研究と、それから製品化という産業と近い研究をするもの、さらにそれをつなぐ第2種の基礎研究者というものが、実は起居を共にした1つの研究ユニット、目標間で完全に一致したユニットの中に起居を共にする。それをリードしていく研究ユニット長、これは50数人いるわけですけれども、これは大変、ほかにない1つの研究管理をするわけですけれども、私は非常に注文をつけていて、この7ページの最後にありますように、研究ユニットを実現するためにユニット長は倫理的で哲学的な思索家でなければならないということで嫌がられているわけですけれども、そういう非常に強い1つの要請のもとに50数人が産総研のユニットを完成するために働いており、また私の見るところ、そういうことのできる人がこの組織論の中で浮上してきているのではないかというふうに考えております。
 8ページが産総研研究戦略ということで、これは第2期の研究戦略というものをつくっているわけでありますが、最近、第2バージョンが出て、これはお配りしてありますか、18年度版というものが出たのですが、これは各研究が、さらに自分たちの研究の位置付けをはっきりするために関連研究のポートフォリオ、さらにはロードマップというものをできるだけ書き、さらに最後に申し上げる産総研全体としてのサスティナブルインダストリーに向けての重心移動ということを果たして各研究ユニットがやっているのかというのをできれば定量的な指標として出せということを要請しておりまして、これも研究の中でそういった作業を各ユニットが続けているわけであります。
 それから9ページ、経営における三権分立というのは、これはよく伝統的に言われます立法、行政、司法というものがどうも、これは私の個人的な見解ですけれども、日本の企業、さらにはお役所も含めて、この三権分立というものについての日本独特のパターンがあって、これは戦後の復興、あるいは高度成長といった時代にはそういうゴチャゴチャした立法、行政、司法のやりとりというのがうまくいったケースもあるのですけれども、定常的な形にするためには、やはりこれは歴史に学んでこういうものも分けなければいけないということで、結局我々も、経営側で言えば企画本部と呼ばれる経営、それから行政としては業務推進本部、管理関連部門というものを持っているのですが、さらに研究自体についても全体としてどう進めるかという、これは私どもまだ1つの仮の組織として数人の理事が担当するイノベーションコアというものをつくっているのですが、そういったものが行政を担当する。司法に相当するものは、まあ司法というのはここではなじまないのですけれども、監事、監査室、評価部というもので非常に厳密なことをやっていこうということであります。研究者の方はオートノマスな研究ユニットですから、私としてはこの立法、行政、司法というものを各ユニットの中で、それは自分の考えでやれるということです。
 10ページに参りまして、これは先ほど言ったフラクタル構造というものなのですけれども、実は研究というのはいろいろな水準があります。例えば、我々に課せられた1つの話題として、「水素社会実現のための研究」というのがあるのですけれども、そのためには非常に多くの研究、例えば多くのエネルギー源というのがあるわけですが、その中で水素は一体どういうふうに位置付けられるのかということを、いわばベストミックスを探すというような研究もあります。一方で、水素をどうやってつくるかという研究もあります。さらには、その水素を使ったときのエネルギーの変換供給システムはどうかという技術的な問題もあり、さらにエネルギー利用という従来余り研究されていない1つの分野もある。それを総合的に分けたこういう大きな全体としての研究もあれば、各個の研究もありますが、その中にいずれも本格研究というスタイル、細かいことは省略しますが、存在しているということで、本格研究というのは多重の構造を持っているということです。
 11ページになりますが、人と組織の時定数というのは、先ほどちょっと申し上げたのですが、人というのは多分40年仕事をする。ところが、私どもの研究ユニットというのは仮のナンバーですけれども、約7年で寿命としてそこで改廃を考える。大体においてユニットは7年で終わろうというわけですね。研究所は独法であればこれは5年ごとに、どういうわけか5年ごとに評価を受け、研究所の改廃がそこで決まる。プロジェクトというのは3年ぐらいで行われる。それで会計は単年度だと、こういったように様々な時定数が存在している、様々な時定数が私たちを取り巻いているのですけれども、一番大事なのは、こういう中で研究をする人間がこの時定数にどう対応していくかという、一番長い時定数を持つ、最終的に一番すばらしい一生をここで送ってもらうというのが大切なことなので、実はこの右側にありますように、本格研究を担う人材ポートフォリオというものを、大変議論がわいているのですけれども、こういった表をつくっています。産総研の中には大まかに分けてこういう仕事があり得る。その上をどうやって歩いていくことで人は一生を過ごしていくのかということが入ったときに見えるようにしよう。見えるようにというのはそこに一生いるということではないのですけれども、少なくとも日々自分のやっている道というものがどの道を歩んでいるかというのが見えるようにしよう。そういうことで仕事のしやすい環境をつくり、かつ相互に人の間の協力も可能なようにしていこうということであります。
 12ページ、これについては前にも御説明したと思うのですが、これはいろいろなプロジェクトをやって、最終的には産業化しようということなのですね。産業化していこうというわけです。そしてそれが13ページに書いてあることで、これは省略いたしますが、結果的にそうやって産業との結びつき、産総研の中での本格研究というものにさらに加えて、12ページ、13ページにあるようなプロジェクトを使って産業の中にその成果を持ち込もうとするのですが、もし持ち込むことができれば、14ページにありますように、いわばNetwork of Excellencesという、そういうCenter of Excellencesに変わるコンセプトが最近出てきたわけですけれども、Network of Excellencesというものが我が国にできるのではないか。すなわち、大学という主として第1種基礎研究、もちろんほかのこともやっていますが、主として第1種基礎研究をやっている大学と、主として製品開発をやっている産業とが現在産学共同でいかに結びつくかということで、大学、産業とも大変苦慮しているのですけれども、その間に産総研の本格研究というものを位置付けることによって、産総研のユニットの第1種基礎研究者たちが大学と協力し、製品化研究をやっている連中が製品開発と協力し、その結果、そこの1つのブリッジをつくることができるという形で基礎研究の成果が産業に流れていくというNetwork of Excellencesというものが我が国につくられる、これが実は恐らく今後の日本のイノベーションシステムという、盛んに今言われております1つの目標の実現体になるのではなかろうかというわけです。
 そのとき特に重要になるのが15ページで、こういった接点に来る人たちというのはやはりこれはただの研究者でもないし、ただの、例えば製品化から製品開発というのを産業とどういうふうに協力し合うのかという、これは大学とも同じことがあるのですが、産業と研究者はどういうふうに協力するのかというと、これはなかなかただの研究者でもいけないし、全くの産業人になってしまってもいけないわけで、その両者を理解できるということが必要で、実は両者を理解できるというのは、この「アーキテクト」というのは建築家なのですね。建築家というのは建築技術を知っていると同時に建築にどういうふうに人が住むかということを知っている。すなわち、知識をつくる人と使う人との両方を理解する。これを「アーキテクト」と呼んでいるわけですから、実は建築しかないというのはおかしいので、ここにありますように、産業技術アーキテクト、情報、ロボット、エネルギー等のアーキテクトをつくり、この中に産業からも大学、研究所からも人が入ってきて、いわば三次元の空間をつくり、そこで人がまた育つような人材育成という形をつくろうではなかろうか。場合によったら、将来は建築家のように産業技術アーキテクトが自分で事務所を開くというようなこともあり得るのではなかろうかなどと言っているわけです。
 そして16ページ、これは省略いたしますけれども、最後に17ページのお話をいたしますが、結局、産総研としてすべての研究者、あるいは管理関連部門にいる人たちが共通の目標を持つというのがこういう組織の力を発揮する1つの必要条件になるということなのですけれども、これが最初に申し上げたように産業の重心移動、その重心の移動がそれはサスティナブルであり、かつ貧困地域を開放する、あるいは国力を増強する。日本で言えば競争力を増す、そういう開発というものとも矛盾しない。すなわち、この図で言えば開発と環境が同時にいい方向に向かう。すなわち、右の方向に行かなければいけないのですが、現在の産業を分析すると、それはどうやら開発と環境というのは負の相関があって、開発を大きくすれば環境が悪くなる。環境を大きくすれば開発が適さない方向に行く。これをどうやったら重心を移動できるのか。私たちは自分の研究、研究者の一人一人の研究がこの図の上でどういうふうな指標として表現できるのか。これが実は重心移動に関して非常に大きな話題で、これがなければ私たちは自分のやっていることがいいとか悪いとか評価できっこない。いいことをやっているというのは、実は目的に合っているかどうかということを考えなければならないということで、この点を大変重要視してやっているということ、まあ大まかに申し上げて、そのようなことで産総研の全体を動かしているということをお話し申し上げます。
 以上です。
木村部会長
 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、各理事から御説明をいただきたいと思いますが、主としてマネジメントの説明ということになります。
 最初は小玉副理事長、よろしくお願いいたします。失礼しました。小玉副理事長は「産総研における研究経営の視点と成果について」、資料2−2ですね。間違えてしまいました。よろしくお願いいたします。
小玉副理事長
 それでは、資料2−2に従いまして、17年度産総研の研究経営の視点について御紹介したいと思います。あわせて、お手元の資料の2−5というのも細かいデータが出ておりますが、これを一々開いていただくのは大変でございますので、その都度ページを御紹介いたしますので、後で見ていただければと思います。
 第2期における研究経営の視点、今、理事長から紹介がありましたように、アグレッシブに社会の中での産総研というものを展開していこうということで、主にこの5つの視点についてそれを行いました点を紹介したいと思います。
 まずめくっていただきまして3ページ目ですが、まず1番目、「イノベーションハブ戦略」ということで、第2期の産総研は、これまで第1期は産総研内部の本格研究の体制を構築してきた、この方式をさらに社会の中で展開していこうということで、産総研はこの図に書いてありますように、左側の基礎科学研究セクターと右側の産業セクター、あるいは行政セクター、その谷間を、いわば死の谷のところを産総研が担うということを言っているわけでありますが、その相互の情報、人材の交流を促す拠点、ハブとなるということで産業構造の変革を目指そうとして、以下に述べますような様々な施策を講じたところでございます。
 4ページ目に行きまして、まず1つは我々職員がその意識をさらに高めようということで、これは理事長が本格研究のワークショップというものを第1期、シリーズで行っておりましたが、この「社会における本格研究−イノベーションハブ−ワークショップ」というのを全部で14回ほど全国のセンターをめぐって議論を高めたところでございます。また、第2期の基本戦略「イノベーションハブ」の実践活動としてここの下に書いてありますように産学連携コーディネーター等による成果の効果的な橋渡しとか、あるいは人材育成事業の積極的な取り組み、あるいはTLOを通じた知財の普及・技術移転促進、あるいはベンチャー企業創出による成果普及とございますが、これはまたこの後、後ほど御紹介いたします。
 2番目に第2期研究戦略、先ほども紹介がありましたが、これは第1期中、16年度に第2期を目指して策定してきたところでありますが、第2期に入りましては17年度におきましてもさらなる充実を図るために、以下の視点を踏まえたブラッシュアップを図ったところであります。これができ上がりましたものがお手元にございますこの「第2期研究戦略」の第18年度版であります。その主なブラッシュアップの目玉はポートフォリオを見直した点、それから今後10年間のロードマップを明確に作成した。それから、特に産総研独自の技術指標を作成した点でございます。なお、この研究戦略は外部からも大変注目されておりまして、積極的に配布もいたしておりますが、ウェブを通じてアクセス数はここに書いてありますように多くの数に達しております。
 6ページを開いていただきますと、これがブラッシュアップの内容です。左側に「ポートフォリオ」について書いてございます。これは市場の成長可能性を横軸に、あるいは産総研の研究の水準を縦軸にいたしまして、現在行っておりますような研究項目がどのような位置付けにあるか、あるいは将来どういう方向に評価されなければいけないかということを明確にしようとしたものであります。例えば、ここは環境エネルギーの、小さくて見えにくいと思いますが、例えば左下には公共的、基盤的であるけれども、産総研としては研究水準が必ずしも十分ではないものはあえて重点化しない。しかし、これまで長く培って、基盤的、公的な重点研究課題としてレベルの高いものはさらに評価をしていこうというような方針、あるいは右側に書いてありますように、現在、必ずしも研究水準は十分ではないが、将来、市場可能性を目指してさらに重点課題として強化する方向に位置付けよう、このようにそれぞれの課題の位置付けを明確にしたということでございます。
 また右の「ロードマップ」は今後5年、あるいは10年という時間軸を明確に定めまして、それらの重点課題の到達目標を定めたというところであります。
 それから左下に「技術指標」と書いてありますのは、これは横軸に時間軸を取ってありますが、左側の軸に縦軸として、ここでは「バイオマスエネルギー抽出効率」というある独自の指標をつくりまして、その座標軸で見るとこれまで行われてきた例えば農産系、ソフトバイオマスの研究というのはどのような位置付けにあるか。産総研が目指しています非硫酸式水熱メカノケミカルの課題はどのような効果が期待できるかということをビジュアルに示そうと、これをまた産業界等にも提示していきながら議論を行っていくということを行ったものでございます。
 7ページ目は、この研究戦略に基づく様々な予算等のスキームの重点化でありますが、総力を挙げてこの研究テーマを重点化していくための予算制度として、研究ユニットとしては通常は経営的な予算を配賦しますが、それのほかに政策的予算として、17年度は総額115億円の予算を集中的に以下の3項目について配分したところでございます。
 8ページにそれが具体的に示されてございます。次世代の産業技術の創出と社会還元に向けた方策として、17年度は16年度の90億円に対して115億円に増額しております。この中で特に本格研究実現のための研究の重点化としてセンターの推進予算とか部門の予算等も新たにつくりまして、また特に3番目に書いてあります産業変革研究イニシアティブの予算、これは産総研オープロとも言えるべきものですが、これを新規に創設いたしました。これについては後で紹介いたします。そのほか産学官連携・知的財産活用及び成果発信の推進等で45億円、地域センターの連携機能強化で4億円、あるいは人材育成で4億円という新規政策的予算を計上しております。
 9ページ目に、ここで産業変革を先導する戦略的な変革イニシアティブという制度を創設したことについて紹介したいと思います。明確なシナリオを持って新しい連携プロジェクト、これは先ほどの外における本格研究、産学を巻き込んだ本格研究を実施するという試みでありまして、みずからの予算で大型予算を投入することで、短期間で時限を定めて目に見える成果としてのプロトタイプ開発を目指すということで、平成17年度は2つのテーマを提案いたしました。1つは医薬製剤原料生産のための密閉型組換え植物工場の開発、これは北海道センターに拠点を置きまして遺伝子組換え植物を利用した新しい医薬製造原料等の実証生産を実施するということであります。またもう一つは、知識循環型サービス主導アーキテクチャーの開発、これは秋葉原を中心としました拠点で展開するものでございます。具体的な点は先ほど紹介いたしました資料2−5の20、21ページに書いてございますので、後ほどご覧いただきたいと思います。
 戦略の課題の大きな3番目の項目で、17年度から実施になりました非公務員型、この制度を利用しました戦略的人事制度の構築であります。1つは内部における独自の人材育成政策でありますし、もう一つは外部の人材を巻き込んだイノベーションでの役割としての外部人材の育成というプログラムであります。
 11ページを見ていただきますと、まず優秀かつ多様な人材を確保するために独自の採用制度、これは非公務員化になったからこそできる、事務系、研究系についてもできるということでありまして、例えば研究系は17年度107名採用しておりますが、中堅のパーマネントの採用を当初からすることをいたしました。また、試験採用も独自に行いました。この数が約34名、それから研究テーマ型、招聘型任期付採用も引き続き73名を採用する等でございます。また、従来ではできなかった事務系におきましても任期付職員を採用いたしました。特に、建築士の資格を持っているとか、耐震構造とか、あるいはライフサイクルマネジメントができるというような高度な技術を持った事務系職員を採用いたしました。また、17年度、第2期に入りましてからは、女性研究者の比率を倍増させるということで、それまでは6.9%ぐらいだったのですが、それを倍増させる計画でございます。現在、全研究職員の中での女性研究員の比率は5.8%であります。それから、非公務員化の制度を利用しまして、大学あるいは民間企業等との人材交流の促進、あるいは産総研の予算を使った外国の大学・研究機関への派遣、あるいは兼業制度をさらに柔軟化する。これらが行われております。現在、17年度は52名の役員兼業を行っております。それから、これは外部人材の育成とも絡みますが、イノベーション人材の育成ということで幾つかの項目を実施しております。これにつきましてはその次のページで御紹介します。
 12ページであります。大学との連携、17年度は四国、あるいは東北との連携を行っておりますが、その中での人材育成、それから連携大学院制度を活用した派遣、あるいは受け入れ、それから企業との人材育成協定、特にこれは「住電モデル」と言っておりますけれども、企業での即戦力人材を育成する目的で産総研が住電と分野の4テーマを使いまして、この中でポスドクを産総研の特別研究職員として採用し、できれば将来は企業の方へ就職していただくというようなスキームでございます。
 それから13ページ、産業技術育成事業、これは従来の技術研修でありますが、融合的先端技術を持つ人材の育成、ここに書いてありますような経産省、文科省、その他、学・協会等のプログラムを実施しております。また、地方自治体との連携におきまして、自治体の産業振興政策と連動する形で自治体から推薦された中小企業との人材育成も行っております。
 14ページ、時間がございませんのでちょっと走ります。これは4番目の項目ですが、「進化を続ける組織」ということで、内部組織の常時見直し等を行っております。
 この中で、特に6小項目に分けておりますので、それについて次に15ページ、これは内部での研究ユニットの改廃でございます。現在、56個ほどのユニットがございますが、17年度では新しいラボから研究センターの設立、あるいは終了するセンターの新たな改廃等、新しいラボの創出等を行ってまいりました。図のとおりでございます。また、関連の管理部門におきましても法務室を強化するとか、あるいは産学連携をさらに強化するために推進体制をする等々の体制を取っております。また最後、下の3に支援体制の再構築ということ、これは実際には18年度になってから実施いたしましたが、研究現場のサービスをより向上させるワンストップサービスを目がけて、研究現場のマネージングを強化しております。
 16ページ、これは2番目の「運営諮問会議」でありますが、これにつきましてはお手元の2−5の資料の113ページ、あるいは118ページにわたりまして詳しく書いてございます。本年の2月6日、7日に行いまして、産総研の経営全般に関しまして様々な御指摘をいただいたところでございます。
 次に17ページ、「リスク管理・法令遵守への取組み」であります。これにつきまして、少し詳しく御説明いたします。
 まず昨年度、17年度に以下のような一連のリスク管理体制を確立いたしました。時間的に言いますと、まず(2)のリスク管理委員会を設置いたしまして、産総研全体のさまざまな部署に分散していますリスクを全体的に統括的に見るという仕組みをつくりました。それと並行して、(1)に研究ミスコンダクト規程、これは実はそれに遡る半年、あるいは1年以上も前から研究現場と密接に連携しながらつくってきたものでありましたが、17年の8月1日にこの規程を制定いたしました。また、11月には内部通報制度を制定する。あるいは、本年1月に入りまして研究者の行動規範をよりわかりやすく書かれたものをつくったところでございます。そのほか、情報公開制度等の制度も構築いたしました。また、これらを研究現場、あるいは管理部門に浸透するために様々なコミュニケーションを深めたところでございます。
 18ページ、「ジーンファンクション研究ミスコンダクト問題」、先ほど御議論がございましたが、これにつきましては詳しく参考資料の方の2−6に書いてございますので、これもまた後ほどご覧いただきたいと思います。RNA学会から大学に論文における実験データ捏造疑惑の調査依頼を受けたという報道がありまして、産総研としても独自に、センターとの関わりがありまして、実態調査を行うということを判断いたしまして、以下のような調査を行いました。9月22日に先ほど申しましたミスコンダクト規程に基づいて予備調査委員会を設立して調査を開始し、関係者から事情聴取をしたところでありますが、それに基づきまして、12月2日に外部調査委員を含む本調査委員会を設置いたしまして、産総研で実施、あるいは研究予算で実施したとされる論文を対象として研究ミスコンダクトの有無を検討したところであります。これらの報告書について、お手元の参考資料の方に掲載されてありますが、2月27日に調査委員会の報告が出ました。系統的な研究記録がなくて、研究ミスコンダクトの可能性を否定できないという判断、そして対象論文、あるいはそれに関連した特許、報告書等を取り下げ・訂正をすることが妥当と研究センター長に勧告したところであります。これに対しまして、研究センター長からの申し立てもございましたが、それを踏まえて、3月1日にジーンファンクション研究センターの在り方に関する検討委員会を設置しまして、1ヵ月かかりまして、今後の研究センターの体制の在り方について取りまとめたところでございます。
 これについてはお手元の資料にございますが、研究センターの、特に後半4年において実用化の展開を図らなければいけない段階ですが、今のそのままの体制では難しいということで、新たな体制を構築することが望ましいという点、それから研究センター長については新しい体制にふさわしい、あるいはそれまでのいろいろな経緯がございましたので、継続する契約を行わない等々の決定をしたところでございます。これにつきましては、現在、研究センターはまだございまして、一応次の体制を検討しているところでありまして、つい先週の幹部会等で7月1日付で新たなユニット体制に移行するということの方針を決めたところでございます。
 19ページに行きまして、業務効率化アクションプラン等々ございますけれども、これにつきましてもここに書いてありますような様々な契約の体制等で経費削減を図っているところでございます。詳しい資料は2−5の資料の124ページに書いてございます。
 次に20ページであります。ベンチャー創出につきましてここに書いてございます。ベンチャー開発戦略研究センターの専門家のアドバイスを受けまして、各研究ユニットにおけるベンチャー構築を図ってきたところでありまして、平成17年度では24社を設立しているところでありまして、総合科学技術会議でも高く評価されまして、このような支援制度を他の大学等でも導入するようにという話が出ているところでございます。
 次の21ページは知財についても、コーディネーター、あるいはスタートアップアドバイザーがアドバイスをいたしまして、研究現場にある基礎的なIPをインテグレーションする、あるいは活用委員会等で吟味する等行いまして、知財の実用化を図っているころでございます。
 22ページ目にその一例が出てございますが、平成17年度では出願が1,200件、契約が640件、実施契約が4億4600万円ということになっております。詳しくはこれも2−5の資料の89ページ以降に書いてございますので、ご覧ください。
 最後に地域センターの機能強化ということでありますが、地域センターは研究の拠点と、それから地域との連携の拠点という2つの機能を合わせるようにしております。
 24ページを開いていただきまして、研究の拠点、あるいは地域産業との連携ということで、例えば中国センターはバイオマス、北海道センターはバイオものづくり技術等々、それぞれ我が国を代表する研究拠点として育成するということと、それからもう一つは連携の拠点ということで産総研のすべての研究センター、あるいはつくばセンターを含めてネットワークを組んで、いわば産総研の窓口として、リエゾンとしてそれらの地域ニーズに対応していくという2つの機能を強化するという戦略を構築しているところでございます。
 時間がオーバーいたしましたが、大変はしょりましたが、以上で御報告を終わります。
木村部会長
 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、産総研の研究成果について、吉海理事からお願いいたします。
吉海理事
 資料の2−3をご覧いただきたいと思いますけれども、ここは具体的な成果をお示ししてあります。
 パワーポイントのページ数で3ページをご覧いただきたいと思いますが、ここに中期目標との関係で成果を幾つかピックアップしたという整理が出されておりまして、中期目標の私どもの達成目標というものをここでは7つの項目として表現しております。健康長寿以下、知的基盤整備まで、それぞれの中で代表的なものを出しましたということであります。ちょっと時間的なあれがありますので簡潔に申し上げます。
 4ページで最初の「健康長寿を達成し質の高い生活の実現」、ここでは糖鎖の研究を事例的に出してあります。研究内容のポイントが左側に3つほど書いてありますが、全世界の67%に該当する遺伝子同定をやったとか、あるいは非常に効率の高い合成ロボットを開発した。あるいは、そのデータベースというものを整理したということであります。その下に先ほど御説明がありましたけれども、全体の研究戦略の中の位置付けを表示してあります。戦略課題1−(1)という中で、特にマーカの探査、それとの関連であるということであります。
 それから6ページですけれども、これはヒューマノイドロボットの事例であります。ヒューマノイドロボットはもう相当の蓄積を持ってきておりますが、17年度におきましては研究内容が3項目ありますけれども、人との対話ということで、ノイズの中からシグナルをきちっと聞き分けるという機能。それからいろいろな障害物がある中で移動できるというもの、あるいは目的とするものを探し出すという機能、事例的に、冷蔵庫の中からジュースを取り出すようなことがここに挙げてあります。これも下の7ページにありますような研究戦略上の位置付けとして示してあります。
 それから8ページですが、これはデスクトップナノファクトリということで、これは第1回の「ものづくり日本大賞」を受賞した、優秀賞の受賞でありますが、大きく2つになっておりまして、電子線微細加工ユニットを開発、これで従来装置の1/20というものを実現、それからもう一つはナノインプリント加工ユニット、これは従来装置の1/7ということで、今後のMEMSの実用と言いましょうか、産業形成に貢献するものではないかと思います。
 それから10ページでありますけれども、これは「サルファーフリー軽油を実現する新規触媒の実用化に成功」ということで、軽油の低硫黄化というのは大きな、規制からも求められているところでありますけれども、これに対する触媒の調整方法の最適化というものをつくり出したということであります。脱硫触媒の商業規模製造技術を確立したということから、いよいよ商業ベースの方にバトンタッチして動いていくということであります。
 それから12ページでありますが、「高度産業基盤を構築する横断技術としての計測評価技術の創出」でありますけれども、これは応力をある種、発光色ということで可視化したということであります。右の方にありますように、発光体相と圧電体相の複合組織というものをつくりまして、これを測定対象物に塗布した上で測定しているということで、研究内容のポイントは発光体結晶相と圧電体結晶相の複合化で、高輝度が従来よりも非常にすぐれている、800倍以上というものを実現したというものであります。
 それから14ページですけれども、これは知的基盤に関わるものですが、「地質に関わる情報の継続的な収集とデータベース化及び公開・普及」ということであります。地質調査につきましては明治以来の100年の歴史を持っているわけですけれども、その間に蓄積してまいりましたデータベースをまず1つは地質文献データベースとして整理いたしました。これは「文部科学大臣総意工夫功労者賞」というものを受賞しております。それからもう一つは「活断層活動確率地図」ということで、今後、30年間の活動確率を表現したものを公開したということであります。
 それから16ページですけれども、これは標準関係ですが、国際基幹比較ということで、10Vのジョセフソン電圧標準というものを計量チームがつくりまして、これは国際度量衡局との間で確認をいたしましたが、右の方にありますのは、これは3ヵ国の比較図になっておりますけれども、この結果でご覧いただきますように、世界の最高精度というお墨付きをもらったということでありまして、これは現在、計量法トレーサビリティ制度における国家標準としてすでに実働しております。
 以上が研究成果としてのものでありますが、アウトカムの視点からの事例を18ページ以降に出してあります。アウトカムの視点はデータベース型アウトカム、あるいはコンサルティング・サービス型アウトカムというふうな類型をもとにして用意いたしました。
 最初の製品開発型アウトカムというものでありますけれども、これは22ページに書いてありますが、例えば新型アミノ化試薬開発というものでありますが、これはDNAチップの非常に多数のものを同時計測できるという構造を実現したというところであります。これはすでに企業との間で発売という段階に至ってきているということであります。
 その下、23ページの「超音波3次元タグの製品化と事故予防への貢献」でありますが、これは超音波を発信する3次元タグを開発いたしまして、それと受信側との組み合わせになりますけれども、こういうものを通じて、例えば子供の行動を解析、把握して、事故予防につなげていくとか、そういうものであります。これはゼネコンの企業とか道路公団とか、あるいは電気メーカー、いろいろな方々が今、センサーが50個という総数になっておりますが、導入して、それぞれの目的への応用という動きに今なってきております。
 それから24ページは、これは化学兵器処理用の爆発容器の製品化ということでありますが、私どもの爆発安全チームが開発したこの爆発容器を用いて、国内においてはすでに幾つかの爆発処理がなされてきております。それから、その下の超音波のもの、これはベンチャーをつくったという内容でありますけれども、ベンチャーにつきましてはむしろこの資料2−5の72ページでありましょうか、こちらをご覧いただいた方がいいと思います。私どもはベンチャーセンターという文科省の主要予算をいただいてやっておりますが、このタスクフォースから非常に多くの事例がすでに出始めてきております。そういう流れの中でIPをねらったようなベンチャーの育成と言いましょうか、発展性を今後設計的に進めていくというものであります。
 それから、データベース型アウトカムという中で、26ページ以降になりますが、ものづくりの加工技術データベースの整備と支援ソフトの提供ということで、これは特に中小企業を対象にしたものでありますけれども、第1期は中小企業庁からの受託予算をベースにやってまいりました。ここにありますように、データベースユーザーが現在、登録者4,700名ということで、支援ソフトのライセンス発行も460ということで、かなり現実の中に使われてきているということであります。
 それから、活断層は先ほど申し上げたものでありまして、今後30年の活動確率というものを公開してありますということであります。
 それから30ページ、「周波数の遠隔校正の提供」ということで、国内における周波数の遠隔校正の実証実験を経た上で、現在、企業との間で校正の開始を行っております。海外におきましても、これは海外においてはそれのサブプログラムという意味での日程というのが動いているという実勢であります。
 以上がアウトカムから見たものでありますが、全体の指標との関係ということで、この資料2−5の11ページをご覧いただきたいと思いますけれども、今までは個別の研究成果事例で申し上げましたが、全体としての指標との関係はここに整理されてありまして、例えば共同研究の数で行きますと、中期目標が16年度比で1.5倍であったわけですが、17年ではそれに対して約33億のレベルに達した。特許が600件以上の実施契約件数という中期目標、17年度はこれはある種、瞬間風速でありますけれども、すでにそれを上回るレベルに至っています。それからベンチャーの支援起業、これは産総研になってからの起業数でありますが、4年後の100社以上というものに対して今70のレベルまで来ている。以下、論文発表等ご覧いただけますように、指標的な内容との関わりにおいては17年度においてかなりの実績を示してきているという状況であります。
 以上です。
木村部会長
 ありがとうございました。
 それでは、最後に平成17年度の評価結果概要について、小林直人理事からお願いいたします。
小林(直)理事
 それでは、資料2−4に基づいて御説明いたします。一部、資料2−5も参照させていただきます。それから、お手元に「平成17年度研究ユニット評価報告書」というのがございますので、これも後ほど参考にしていただければと思います。
 資料2−4に基づきまして、1ページ、これは前回の産総研部会でも御説明いたしましたアウトカムの視点からの評価を導入したということで、内容的にはすでにもう御説明した内容ですが、アウトカムの視点からの評価ということで、その資料にありますようにロードマップ評価、アウトプット評価、マネジメント評価というものを行ったということです。特に、ロードマップ評価というのはアウトカムが明確に示されているか、マイルストーン、あるいは技術要素、ベンチマークが明確に示されているか。それから、アウトプット評価は、それに基づいたアウトプットが出ているか、そういうところであります。
 資料2−5の37ページ、38ページを少しご覧いただきますと、それに基づいて平成17年度、どういうユニット評価をやったかというのが書いてございます。37ページの(1)に成果評価、これは14センターと1ラボ、これは評点をつける成果評価を行いました。それから(2)番のスタートアップ評価、これは新しい5つできましたセンターのスタートアップの評価、(3)番目が第2期の中期計画開始時評価というもの、第1期から継続しております研究部門が10ございます。それの評価、これはスタートアップ評価と第2期中期計画開始評価はコメントだけの評価になっております。残り24ユニットというのが評価の年ではございませんで、右の方に研究ユニットモニタリングというのがありますが、ここで研究ユニット評価委員との意見交換を行っております。
 もう一度資料2−4に戻っていただきまして、2ページ目に研究開発の計画と研究分野の関連という、これは先ほど吉海理事から御説明いたしました研究開発の計画と研究分野が概ねどんな関係になっているかということで、この太いところが多くコントリビューションしている分野でございます。そのそれぞれについてどういうような評価であったかというのを順次御説明していきます。
 3ページ目、まず3−1で「健康長寿で質の高い生活の実現」、これは主としてライフサイエンス分野でございますけれども、その概要に書いてありますように、「人の健康や安全にとって重要な技術が第2期の目標達成に向けて着実な踏み出しが見られる。全般的に研究ロードマップを努力して描いており、目標達成の道筋が明らかにされつつある。ただし、今後、ロードマップを一層緻密なものにしていくことが求められる。」というようなコメントを得ております。その下に麹菌全ゲノムとか、あるいはリシン、あるいは幹細胞の培養というような特徴的な成果、これは外部評価委員会の委員から指摘されたもの、それからその下は特に成果評価で評点の高かった重点課題であります。
 4ページ目に移っていただきまして、3−2「知的で安全・安心な生活を実現するための高度情報サービスの創出」、これは主として情報通信、エレクトロニクス研究分野ですけれども、個々の基盤・応用技術において、アウトカムに向けた着実な進展が認められる。今後は、具体的な応用場面に即した相互連携と総合的な戦略の強化、そういうところが望まれるという指摘がございました。内容的には人間適合設計、知能ロボット、情報セキュリティ、次世代不揮発メモリの研究というところが期待が非常に大きいものでありました。
 5ページ目をご覧ください。3−3「産業競争力向上と環境負荷低減を実現するための材料・部材・製造技術の創出」、これは主としてナノテク材料製造分野が中心でございます。概ね成果の創出は順調であるけれども、その成果をアウトカムに結びつける努力が必要である。その中では特に強相関電子技術の分野のように「学理構築」、「分野創出」、「強相関デバイスの普及」というアウトカムを3つ明確に定義して非常に高い評価を得た分野、あるいはその下の界面ナノアーキテクトニクスの脂質ナノチューブ、計算科学の「フラグメント分子軌道法」等々がございます。
 6ページ目をご覧ください。3−4「環境・エネルギー問題を克服した豊かで快適な生活の実現」、これは主に環境・エネルギー分野でありまして、ここでは理事長からの御報告もありましたように、持続的発展を支える産業技術、それに不可欠な環境エネルギーという目標が非常に高く評価されておりまして、ロードマップは産業社会の普及までというところは評価できるけれども、さらにアウトカム到達までのロードマップの工夫が必要であるという指摘がございました。
 7ページ目は3−5「高度産業基盤を構築する横断技術としての計測評価技術の創出」、これは計測が横断的にやっております幾つかの分野にまたがっております。幅広い分野で着実に成果が積み上げられているけれども、今後、アウトカムに向けた外部との連携が期待されるというようなことがございます。応力発光体、ジョセフソン電圧システム、ナノスペースの科学等が高い評価を得ております。
 3−6「地球の理解に基づいた知的基盤整備」、これは地質分野ですけれども、ここでは特に地震、火山災害の調査研究、地圏環境保全の調査・評価技術に進展が見られた。一方で、これは非常に長期的な研究課題が多いため、産業社会の普及を考えたロードマップの明確化が重要という指摘がございます。
 9ページ目をご覧いただきまして、これが最後でありますが、3−7「知的基盤整備への対応」ということで、これは標準計測分野でありまして、これは従来より標準整備計画というものを産総研発足以前より出しておりまして、それの順調な進行ないしは前倒しで進行が進んでいるということで、着実に実績が積み重なっている。ただし、老朽化した大型装置・設備の計画的な更新も重要となるような指摘もございます。医療分野の標準物質、計量標準の遠隔校正、次世代標準研究、それから国際的、国内的なトレーサビリティ、そういうところの評価、あるいは要望があります。
 最後に、「まとめ」ということで10ページをご覧いただきます。前回も御報告いたしましたけれども、今回、アウトカムの視点からの評価ということで、平成16年度3月に試行いたしました。山野井委員にも御参加いただきまして、非常にありがとうございました。そこで今申し上げましたようにロードマップ評価、アウトプット評価、マネジメント評価を中心として行いまして、17年度の本評価を行ったわけですが、概ね我々のねらった評価方法ができたのではないか。その次に書いてあります研究ユニット長へのアンケートでも、本評価方法は有益との回答が85%以上寄せられまして、着実な成果を上げた。そのアンケート等に関しましてはこのユニット評価の報告書に記載してございます。それから、ロードマップを通して戦略が示された。それから、アウトカムというのは非常に多様な側面を持つということの議論がございました。ただし、ロードマップに関しまして、特にベンチマーク、あるいはマイルストーン提示ではまだ不十分なものもあり、今後のさらなる精緻化が必要ということ。それから、そこには記載しておりませんけれども、アウトカムやロードマップを余り強く意識すると研究が小粒になるのではないかという意見も一方でございました。
 2番目に産総研戦略ということで、これも先ほど御説明しました産総研の戦略との関係が非常に明確になった。さらに本格研究における位置付けというところもコメントが非常にふえました。ただし、さらなる戦略性の要請、課題の焦点化、シナリオ等は引き続き指摘が多くございました。
 それから、マネジメントでもユニット長のリーダーシップ、あるいは実用化に向けた成果の活用ということの評価は高かったのですが、一方で人材の確保、育成、研究ユニット内外及び外部機関との連携というものに対するコメントが多くございました。
 今回、ロードマップ、あるいはマイルストーンを含めたアウトカムの視点でございますが、従来は特にロードマップ、マイルストーンというものを研究評価の中にあらわには入れておりませんでしたが、第1期においてはそれぞれ目標レベルと進捗状況という形で評価をしてきておりまして、昨年度の評価では第1期において93%が計画を達成しているということで、マイルストーンは一応クリアしておりますけれども、今後、よりそのマイルストーンを、あるいはロードマップを精緻化して、さらにこの評価を発展させていくことが必要だというふうに考えております。
 以上でございます。
木村部会長
 ありがとうございました。
 以上、理事長、副理事長、それからお二人の理事から御報告をいただきました。
 ここで少し時間を取りまして、ただいまの御説明について質疑をしたいと思います。この質疑は親委員会、独法の評価委員会に報告することになっておりますので、よろしくお願いいたします。
 どなたからでもどうぞ。どうぞ、山野井さん。
山野井委員
 最初に理事長先生のお話で、人材育成について2点御質問させていただきたいのですが、先ほど人があって、その周りを中心にして組織ができるという考え方は私ども大変参考になる、まさに理想的な研究所の形だと思うのですが、今後、そうしますと、そういう組織の核になる人材をどうやってピックアップするというのでしょうか、御自身からのエントリーということもあるかもしれませんが、そしてそれがしかし一方において産総研全体の戦略になると思うのですが、それとの絡みでどんなことで、まさにその人材が非常に重要になると思うのですけれども、その組織の中核になる人材をどうやってピックアップされるのかということが1点でございます。
 それからもう一つは先ほど7ページ目、第1種、それから第2種、製品化という3つのステージがありまして、ここに点線の循環があるのですが、テーマとしてあるのはわかるのですけれども、これは研究者を個人で見た場合はそういうふうに循環するということが必要なのか。1種は1種、2種は2種、製品化は製品化のプロフェッショナルとして進めた方がいいのか。私のイメージでは、先ほど11ページでしたか、出てきました人材の、つまり年限との関係ですね。年限と言いますか、これをそれぞれに充当するレベルの高い人、それぞれにおいて必要なのですけれども、そのときとの関係で、一体循環させた方がいいのか、それぞれプロフェッショナルに行った方がいいのかというのは、これは私ども産業界にとっても非常に重要なテーマなのですけれども、この2つについて先生のお考えをお伺いしたいと思います。
吉川理事長
 人材問題は大変重要視しておりまして、今のことは非常に基本的なことで、人がいて組織があってと言ったときに、まず人がいると言うのだけれども、どういう人がこれから出てくるかというのはダイナミックスですね。これが非常に大事で、まさにその育成問題なのですけれども、新しい組織をつくる核の、これは手続的に言いますと、自分がユニットをつくりたいという申し出が研究者からできるようになったのですね。研究ユニットの中は、これはある程度制度的に、ユニット長がおりまして、グループ長がいて、チーム長ですか、そういう1つの小さな集団、まあチーム長というのは数人ですけれども、そういう構造に一応今なっています。したがって、グループ長はグループ長なりの、チーム長はチーム長なりの内外におけるいろいろなプレゼンテーションの機会もありますので、それは存在感というのはありますね。一般の研究員というのはなかなか見えないのですが、私などもいろいろなワークショップに出ていってなるべく若い連中に発表させようと、それも大変見えやすい人もいます。ですから、3,000人もいますけれども、いろいろなワークショップをやるとか外部発表をするとか、あるいは研究課題の進捗を見るというのを通じて、あるいは評価部が本当は見ておりますから、そういった意味で非常に個人的にどういうアクティビティがあるかということは経営側にも大変よくわかっているわけです。ただし、「あなた、ユニット長になれ」ということは原則は言わない。本当を言うと、それももちろんあるのですが、できれば自分がユニット長をやりたいという人になってほしいのです。でも、これは日本的な関係でなかなかそうもなりませんので、ユニット長というのは、やはりまあいろいろな周りのレクテーションとか、若い連中の意見の反映などをして選んでいく。50人しかいませんから、その50人の選定は非常に分野別に慎重なプロセスを経て選んでおります。場合によっては外部から、これは大学と、まあ大学の人が多いのですけれども、企業からももちろんありますけれども、大学と産総研の協力、あるいは産業と産総研の協力というのがそういうユニット長水準の人を呼ぶということで非常に強力に行われる可能性がありますので、それも決して無視せずに行うという、多様な形で選んでおります。
 ですから、私は原則は私が研究をこういうのをやりたいのだという申し出があったら行く。まあ、ですから人がいて組織があるのですが、それもある意味では経営と研究者の間のコンサルテーションというのは日常的な会話でできてくるということかと思うのですね。
 それから、2番目のこの7ページの循環ですけれども、これは御指摘のとおりで、この11ページの「人と組織の時定数」、これをご覧いただきましてもわかりますように、確かに研究ユニットというのは人の仕事が40年とこう言うのですが、これもそんなことを決めていいのかどうかわからないですが、大体研究者というのは、研究分野で2つぐらいしか本当の独創的な仕事は一生のうちにできないですね。3つも4つもやる人は腰軽でだめというふうに私は思うのですけれどもね。そうすると、10数年から20年ぐらいずっと1つのことをやるということになります。その過ごし方がどうなるのかというと、私はやはりある人はずっと第一種基礎研究ばっかりやっている人がいてもいいし、それから、自分の研究を使ってベンチャーをやろうという人がいてもいいのですね。ですから、ここに書いてあります流動というのは義務ではありませんので、自分で動いていいわけです。そのためにこの11ページの右側の図ですね。「本格研究を担う人材ポートフォリオ」というのは、ここを渡り歩く人もいるのですけれども、例えば一番左下の「専門知識を基礎に、個々の研究を推進」というところで……。
山野井委員
 はい、これが一番ベースですね。
吉川理事長
 この中でずっと、これは3次元的に書かなければいけないのですが、1級から5級までずっと真っ直ぐ上に来てしまう人もいるのですね。
山野井委員
 ああ、そういう人もいますね。
吉川理事長
 そういうことを可能にしています。ですから、それはもう人の好き好きで、ここのところは。
山野井委員
 わかりました。御質問申し上げたもう一つは、さっき申し上げた「アーキテクト」というお言葉が15ページに出てきたので、これは基礎研究と企業と両方知っていなければいけないということをおっしゃったので、そうしますと、基礎ばかりやっている人が果たしてそれができるのか、あるいは企業型ばかりやっていた人にはそれができない。そうすると、循環の中でそういう人は育成されるのではないかというふうに思ったものですから。
吉川理事長
 そうです。まさにその中から何割ぐらい出てくるかわからないのですけれども……。
山野井委員
 ええ、比率はちょっとわかりません。
吉川理事長
 こういうフレキシブルに動ける組織をつくっておけば、何割かは循環して両方経験しますね。そういうものを通じてアーキテクト型の人が育ってくるのではないかということで……。
山野井委員
 非常に期待しておりますものですから、ここの部分が……。
吉川理事長
 これは個人的な感じなのですが、いないのが不思議なのですね。こういう人がやはりいなければいけないと思うのですけれども。
山野井委員
 弱いと思うのですが、企業でもそれは弱いのですが、ありがとうございました。
木村部会長
 どうぞ、岡田さん。
岡田委員
 今の御質問に若干関連するのですが、私も17ページの産業の重心移動ということに大変印象深くこれを見ました。ぜひ理事長からまたちょっと補足をいただきたいと思っておりますが、やはりこれからは日本の産業もつくるというよりかはいろいろなものをうまく使っていく時代なのだろうと。そこに価値があるのではないかなというふうに考えているわけです。そうしたときに、15ページにありますように、ここは大学と企業というふうになっているのですけれども、私などの印象から言うと、ITの世界で言うと、ITの構築の世界とITの運用の世界というふうにアナロジーを見るわけですね。
 今までの企業における人材育成ということも、どうも人材育成の主眼はIT構築人材に重点が置かれていて、運用、まあ結局運用というのは先ほどの視点、つまり今あるリソースというのをどう最高の価値を生み出すかという、そういうことなのだと思うのですね。ITの世界でもアーキテクトという言葉が実はよく使われるのですが、このニュアンスは従来ですと、例えばネットワークの専門家がいる。それからデータベースの専門家がいる。プロセッサーの専門家がいる。だけれども、その専門家だけでは実際のソリューションが出てこないというときに、アーキテクトというような概念が生まれているような気がするのですね。そことコンサルティングという分野がどういうふうに関わってくるのかがちょっとよくわからないのですけれども、できれば補足をお願いしたいなと思ったのは、非常に高い理想だと思うのですけれども、実際問題、例えばアウトカムという議論のときに、これを相当意識したアウトカムを今後やっぱりやっていかれるのではないかと思うのですが、そういったところのお考えがあれば補足願えればありがたいと思います。
吉川理事長
 よろしいですか。
木村部会長
 お願いします。
吉川理事長
 大変難しい御質問なのですけれども、我々も非常に考えているところで、最初の17ページの重心移動につきましては、これも非常に難しいのですね。私は最初に、例えばある産業分野における物質の総循環量、資源を掘ってきて使って捨てる、まあ再利用する。そういう総循環量みたいなものが求められないかというような意味でのプリミティブな話から始まったのですけれども、若い連中がいろいろ議論しているうちに、それは物質だけではないのだ、むしろやはり熱的な要因も考えられる。まあ、エントロピーの変化値だという、そういうような話もどんどんモデルとして今出てきておりますので、これはほかに余りないのですけれども、私どもとしてサスティナビリティ指標というようなものが今後できるのではなかろうか。
 実は、先月だったか、先々月だったか、イギリスとのジョイントコンファレンスがありまして、そこで私の方から指標という話を出しましたら非常に関心を持ちまして、指標について国際的な1つの議論をしていこうではないかなどという話もありまして、これは大きな話題になっています。これが見えないと、先ほど申し上げたのだけれども、本当に産総研がいいことをやっているのか悪いことをやっているのかわからない。技術をつくればつくるほど環境に悪いことをやっていてもしょうがないわけですから、いかにローカルなアウトカムがあっても、全体としていいこともやるということが必要だと、これはぜひ考えていこうと思っています。
 それからもう一つの、先ほどの御質問、山野井さんの御質問にも関係する15ページのこの話なのですが、これも非常に重要なことなのですけれども、どうもこれからの技術というのは提供側と使用者、サプライヤーとユーザーというのが技術をつくる過程でどこまで協調できるかというのは非常に大きいのだと思うのです。従来は、サプライヤーというのは物をつくってパッと市場に出せば、売れるか、売れないかという情報だけ返ってきて、次に何をつくるかというそういう一種の情報循環があったのですけれども、これからはむしろどういうふうにつくるかという、そのためにユーザーは何を注文がつけられるか。そういう社会的な構造が必要になってきます。それはただ単に使い勝手だけではなくて、最近やっているナノリスク問題というのがありますね、ナノパーティクルが人体に影響を与えるという話があって。これなどはしたがって、ナノの研究者というのはもちろんドットをどういうふうにつくるかという話で必死に技術開発をするのですけれども、一方でそのつくったある物質のナノ粒子が人体にどういう影響を与えるかという医学的な研究も並行してやる必要があるのではないか。そういった意味で、研究というのはもうバラバラにやってはいけないので、並行してやろう。そしてナノはこういうことに使えますよ。例えば、ナノを使ったらこんなにすばらしい断熱材ができましたよというようなことを言いながら、それを家庭に使ったときに健康の影響はないとかあるとか、そういったことも同時に情報として出していく。ユーザーの方は、安いから買うのではなくて、やはりそういうサスティナビリティという観点からいいものを買おうと、こういう一種の協調ができてくれば本当にいいマーケットなのかなと。そのためにはやはりまさにこのアーキテクトの話とか、両方の情報を、一種の翻訳者として存在しているという形が必要かなということになってきて、大変抽象的なことを申し上げましたが、具体的には今御指摘のように、特に情報ではこれは非常に大事なのではないかということがわかりますし、情報では割合とそういう人が育ち始めているのかなという気がします。材料系などはまだまだなのですが、いずれそういう分野にどんどん展開していこうかと考えております。
岡田委員
 ありがとうございました。
木村部会長
 ありがとうございました。
 ほかにございませんでしょうか、どうぞ、塩田さん。
塩田委員
 15ページ、一番大事なポイントだと思います。このアーキテクトのところでございますが、その後の説明、理事長の後の御説明でいろいろ事例が出てまいりましたけれども、そこでの人材育成と、ここで書いてあるアーキテクトする接続者というところの関連が余りよく入らなかったものですから、その辺の具体化をどうしていくのか説明していただければありがたいのですが。つまり、両方がわかる人材をこれはシステムとしてこれをつくり出さなければいけない。それから具体的に今やられていることの関連について、もう少し突っ込んでお話しいただければありがたいと思います。
吉川理事長
 これはむしろ人材関係の人に詳しく話してもらった方がいいのですが、例えば11ページに人材ポートフォリオということがございますね。ここには書いていないのですけれども、実はこれは一種の定性的な、どういう仕事をするかということが書いてあるのですが、この上に本当は職名みたいなものがかぶさってこないと具体的に見えないのですね。その中にアーキテクトという職種をつくろうとしているのですね。ですから、そういう意味では、研究者をやっている人がアーキテクトになるとか、それはもちろん山野井さんが御指摘のように両方経験した人であればそういう資格を持つとか、そういったような形でこのキャリアパスの中にアーキテクトがあらわれるようにしていこうと思っております。これは小林理事がいいですか……。
木村部会長
 どなたがよろしいですか。
吉海理事
 いいですか。
木村部会長
 どうぞ。
吉海理事
 幾つかのプロセスを持っておりまして、現実に動いているプロセスでまず事例的に申し上げますと、先ほどの説明で産業変革研究イニシアティブというのを御紹介しましたけれども、あれは産総研で要望型のプロジェクトなのですね。そうしますと、それを提案する核となる研究者がいて、それにどういう研究要素を合体していくのかという判断を研究コーディネーターがやるわけです。そうすると、1つのコアテクノロジーから大きな価値を生み出すという仕組みのつくり方をそういうプロセスの中で参画する研究者が非常に学習をしていくということを今実践的にやっております。それからもう一つは、COEとしてのベンチャーセンターがあるわけですけれども、ベンチャーの提案というのはたくさん上がってくるわけですが、本当に成長性を持つ事業としての判断があるかというのは、これはなかなか容易ではないわけですね。したがって、そういうところの判断の視点というものを内部化するために外部のスタートアップアドバイザーという人を非常勤の形で、契約で起用しています。そういう人たちがある種、実例的に内部で提案された課題の成長性への設計というものを内部で実現しているということですね。それから、もう一つは先ほどイノベーションコアというこれからの大きな構造設計の話を申し上げましたけれども、このイノベーションコアの議論の中で、まさしくアーキテクト的な人材をどのような要素として構成していけばいいのか。これを3人の理事を中心にコーディネーターの皆さんも集まって集中的に議論しています。多分、この結論があと1〜2ヵ月の間には出ると思いますので、それを具体的なこの人材ポートフォリオの中に反映できると考えています。
木村部会長
 よろしゅうございますか。
塩田委員
 はい。
木村部会長
 どうぞ、浅井さん。
浅井委員
 産総研は産業技術を研究するという大きな中心がございますから、国のお金でかなり運営されている部分が多いわけではありますけれども、今後、だんだんと企業からのお金も入ってくるような動きをとっていっていただきたいなというふうに考えています。
 そういった意味で、予算構成というのを見てみますと、いろいろな資料にございますけれども、資料2−5の150ページ、151ページ、152ページ、153ページといったようなところを見てまいりますと、全般に自己収入額というのがふえている。それから、民間との共同研究費もふえている。それから、これは151ページですが、民間企業からの委託収入は8.2億円に達している。そういうふうに見えますが、やはりこれは私などは企業の中で研究開発でやってきた立場からしますと、この民間企業からの受託研究、これがもっとふえるといいなと思うのですね。
 これはどういう意味かと申しますと、先ほど来のベンチャーみたいなものは、言ってみれば産総研からのプッシュ型の研究成果の発信でありますが、この民間企業からの委託研究みたいなものによってもっとプル型の研究をするというようなこともいろいろと新しい施策として、考え方として構想の中に入っていますこの製品化研究のフェイズだとか、第二種の研究のラストフェイズと言いますか、そういったところで企業との接点でどんなふうな協力が起こるのかといったあたりに大きな意味合いを持っているというふうに考えるからです。やはりそういうことが産総研の実力の増加の何よりの大きな反映ではないかなというように私などは考えるのですが、ちょっとまた違う御意見の方もいらっしゃるかもしれません。
木村部会長
 お願いします、先生ですか。
吉川理事長
 独立行政法人研究所の基本的な問題、特に産総研は御指摘のように産業に役立つということが最大のミッションでございますので、ただ、私もよくわからないのですが、この予算構成がどうあるべきかということは、むしろ我々の手の中にはないのですね。やはり世の中がどうかということ。それで、私たちがやることというのは、我々にとっては予算構成の結果なのだと思っているのですね。これは浅井さんはよく御存じなわけだけれども、現代という社会は産業がいわば重心移動しなければならないという、こういう時代なのですね。ということは、現在、利益を上げているシステムをある場合には自己否定し、次の新しい生産形態に移らなければならないということを潜在的には多かれ少なかれすべての企業が持っているわけですね。そういう努力を皆さんされているわけですが、それはいわば現在のメガコンペティションと言われる中で市場競争とそれが調和しているのかどうかということは、これは大変大きな人類が抱えているというか、現代社会が抱えている問題なわけですね。それをだれがやるのか。移動しなければ地球は壊れてしまう。しかし、コンペティションだけはしなければならないという経済の仕組みはしっかり残っている。そういう中で移動をする基本的なモチベーションをだれが担保するか、だれが負担するかということについて、国の金というのは、それは皆さんというか、人々が負担するということですね。民間企業が出すということは、経済の仕組みの中に組み込まれている企業が負担するということなのですね。これをどういうふうに考えたらいいのか、まあこれは経済学者の意見もあるでしょうし、それ以上にやはり国の政策の問題でもあると思うのですけれども、結果的には、理想としてはこれは産業がドーンとお金を出すのがいいのですけれどもね。それは多分、もしかしたらそれはコンペティションに勝つという、長期的な意味でですよ。企業が勝つということと、人類の将来はこうあるべきだということが調和したときにそういう状況が起こるわけで、私たちとしてはそれは一種のドリームというか、夢なのですけれども、本当にそこにすぐ行けるかどうかというためにはいろいろな解決しなければならない問題があるのではないかというふうに思っているのですね。これはどういうふうにお考えですか、浅井さん。
浅井委員
 なかなか、私、難しいことをお願いしているのかもしれません。ただ、産業からの研究の要請がある、こういうことを一緒にやってくれないかということがあるということが、どう言うのでしょうか、産総研の研究の方向づけというのを非常に世の中の方に整合させていくのではないかなと思っているのです。産総研の研究者がそういう将来の社会の課題というものを自分で把握できないとも別段思っておりません。もちろんそういうことを一生懸命模索していらっしゃるわけだと思いますが、それで今、吉川先生がおっしゃったように、だからこそそういう研究者に付託して将来のことを考えてもらいたいのだとおっしゃっているのだと思います。そうはそうなのですけれども、その部分はまあ産総研の国からもらうお金のある部分の運営費交付金だとか、それだってかなりの割合がありますから、そういった部分でやろう。もう少し産業界と共同の問題を扱っていこう。その問題を扱っていくというのは、それを助けてやるとか、言うことを聞いてやるとか、そういうことではなくて、その活動の中からこそいろいろな新しい生き生きとした社会の課題だとか、それから達成への喜びとか、そういったものが出てくるのではないかと思うのですね。それが非常に正常な神経の維持を助けるのではないかというふうに私は考えていまして、例えば他の国立の色彩の濃い研究組織、台湾の、あれは何と言いましたっけ、私はいつもベンチマークしてくださいと申し上げていますが、台湾のあの研究所とか、フランフォーファーとか、そういう事例もございますし、産総研というのがいかにあるべきかというのは、私はかなりのところバジェットに反映されてくるのではないかなというように考えているわけですし、その考え方の根本は今申し上げたようなところになります。
吉川理事長
 本当にそのとおりだと思うのですね。今御指摘になったことは、現実に私たちはやっているつもりなのです。金額はもちろんまだ少ないのですけれども、それは例えば私の話した中での資料2−1の12ページにあるのですけれども、こういういろいろなことをやっているのですね。ハイテクものづくりとかIPインテグレーションとか、産業変革イニシアティブ、共同研究、特許実用化、これはみんな右側の産業に向かってどんどん、どんどん入り込んでいっているわけです。現実にはテーマによっては本当にこれは産業に役に立つのだと思った仕事が、実はそれはそんなものをつくられたらうちの製品が売れなくなるからということで押さえつけられるとか、そういうローカルな研究者というのは非常に部分的にいろいろな悩みを持っているのですが、しかし大きな流れとしてはそういうものを突破しながら、やはり私たちの考えたサスティナブルプロダクトというものを、サスティナブルテクノロジーというものを産業にどうやって入れるかということでいろいろな工夫をしている中で、現実には、先ほど申し上げたようなぶつかる面というのはあるにはありますけれども、大きな意味で言うと包括協定が幾つかできているとか、そういう中で人材を共に育成しようというようなことが成立しているとか、産業との壁は今どんどん薄くなっていると思いますので、それを越える形が経済的にも人事的に今行われつつあるというふうに私どもは考えているわけです。
 ですから、具体的にどういう協力の形態をつくるのかということで、これはまだ完成の域に達していないのですけれども、御指摘のようにその哲学というか、方向性は全くそのとおりだと思いますので、具体的にそれを実現できる方策、政策というものを考えていると、こういう意味でございます。
浅井委員
 ありがとうございます。
 もう一つだけ申し上げたかったのですが、つくばというコミュニティを考えたときに、産総研が一番産業界との接点がある組織ではないかと思うのですが、そのほかに物質関係の研究所だとか、企業の研究所だとか、大学とかいろいろなものが集まっていわゆる研究学園都市というものを形成しているわけですね。最近、私、これは文科省の中にあるわけですが、研究交流センターというところと、それから筑協が主催された講演会で、つくばももっとコミュニティとしての力を出してくれというような種類の激励の講演をさせていただいたのですが、大いにそのとおりだねと言っていただいたのですけれども、あとはなかなか活動がありません。それをフォローして、では、何かこのつくばの中でもっとパワーを結集していくようなことをやろうではないかという活動が実際になかなか起こってこないのだということなのですが、それにつけて思いますことは、やはりそういったところで、ぜひ産総研からそういうことのイニシアティブを取っていただけないだろうか。
 どうしてそういうことが起きにくくなっているかというと、いろいろな方にお話を聞くと、これは正しいかどうかわかりませんけれども、多分、正しいかもしれません。独法化というのがあって、そして各独立法人が自分の評価とか、自分の経営ということで頭がかなりいっぱいになっているところがあって、よそと協力してももっと大きな仕事をやろうというようなマインドがちょっとないのではないかというようなことを言っている方もおります。まあ、やはりそういうことでは多分いけないので、つくばは国家の研究予算のウン十%が集まっている場所なのですね。これが各組織がストーブパイプになってしまったのでは非常に効率が効果的に悪いだろう。恐らく、総合科学技術会議などでもこういったことが議論されているように聞きます。やはりこういったところで産総研の働きを一層お願いしたいということでございます。
吉川理事長
 まさにそれをやろうとしているのですね。今までやらなかったのがなぜなのかと責められればそのとおりなのですが、実はきのう京都で産学官連携推進会議という、これは第5回目になるのですが、やったのですが、そこで私は1つの約束をいたしまして、それはまさに今浅井さんが御指摘になった独法というのが今35、独法研究所と呼んでいいのが各省庁、35ぐらいあるのです。10省庁になったのですか。それに1万6000人ぐらいの研究者がいるのですね。もう少し多いという説もあるのですが、2万人足らずがいる。それで大学を見るといわゆる教授、助教授というのは国立大学法人では6万人ぐらいなのですね。ですから、非常に多くの数の研究者がここに存在していて、これこそ実は総合科学技術会議の言っているイノベーションの担い手の非常に大きな存在なのではなかろうか。これを使わなければ日本にはもう一度、高度経済成長時代にやった新幹線をつくるとかいろいろなことをやったあのイノベーションは今は担い手がいなくなってしまったわけですから、まさにこの独法の1万6000人をその担い手にしなければこれは何事も起きないのだと、我々はやるとこう宣言してきたのですけれどもね。そういったことでこれから非常に具体的に各独法間の協力というものを省庁間を超えてやるということは、きのうの会議の時点で随分話が進みました。そういったことで、今まで何もやっていなかったということの言いわけをしているわけではないのですが、今後はぜひ御期待していただければというふうに思っております。
浅井委員
 はい。
小玉副理事長
 いいですか。
木村部会長
 どうぞ、小玉副理事長。
小玉副理事長
 私はつくばのセンターの所長として、私自身長らくこのつくばで研究所に勤務していたことで、まあいろいろな経緯がございますが、先ほど、独法化したことによってかえってやりにくくなったのではないかという御指摘があるのかもしれませんが、私自身はむしろ本当は逆にならなければいけないのではないかと。と言いますのは、もともとこのつくばにあります研究機関はそれぞれ直轄研究所として各省庁の行政業務をやるということでつくられておりまして、縦のつながりが非常に強いところで、日ごろは横の研究所が何をやっているかということに余り関心がないわけなのですけれども、むしろ独法化することによってそういう関係からもっとお互い同士、横を見ていこうというふうになるのではないかという機会にしたいと思っているところなのでありますが、そういうことで、例えば先ほどちょっとお話がありました地区協などの組織もあるのですけれども、これも従来はとかく要望団体みたいなところになっておりまして、自分たちが何をやれるかというようなことは余り議論していないのですね。その中で産学連携委員会というものを、これは産総研が委員長でやっているのですが、民間も結構ここには企業がございますので、特に創薬等の企業等もございますので、ここでそういうサロンをこのつくばセンターの中につくったりしてやっているところであります。
 ただ、いずれにしても、やはりさっき理事長が言いましたように、最終的な目標をもっと高く持っていかないとお互い同士、ないものを補い合うというふうになっていかないのですね。ですので、単なる技術交流ということでは幾ら物理的に集まってもできないので、やはり例えば産業の重心移動であるとか、あるいは環境エネルギーのサスティナブルなというのは、もう少し高い目標を共有していく必要があるのかなと。そういうような話をしますと「やろうよ、やろうよ」ということはあるのですが、まだ現実的にはなかなか実現に至っていないのですが、やはりそういう目標を共有できる、そして多様な手段がお互いに補い合えるという仕組みをぜひつくっていきたいなということで、今まだそういう状況にあるということでございます。
木村部会長
 ほかによろしゅうございますか。
 どうぞ。
山野井委員
 時間はよろしいのですか。
木村部会長
 はい。
山野井委員
 小玉副理事長が最後のところにおっしゃった地域の問題なのですけれども、24ページのところでしょうか、資料2−2の。これはテーマともう少し概括的なことと出ているのですが、地域再生の問題というのは今理事長先生がおっしゃられたおととい、きのうの京都での会議でも大きなテーマになっておりまして、あそこへなかなか中小企業の皆さんが参加されないという大きな問題があって、何か壁がある。産学官連携と言いながら大企業と大学がやっているのではないかというようなところがあって、これは日本全体の産業技術のレベルアップということになると非常に大きなテーマだと私は思っているのですが、その中でこの産総研さんの役割というのは非常に大きいと思うのですけれども、例えば、24ページに書いてあるこのテーマというのはそのエリアにおける再生のメインテーマと連動しているのかどうかですね。そういう問題が1つです。それからもう一つ、実はこれも大きなテーマだと思っているのですが、それをコーディネートする人材というのがないとなかなかこの再生というのはうまくいかないのです。これはまさに官も関係がなければいけないのですけれども、その辺で産総研さん、先ほどの人材育成の問題にも絡むのですが、そういうことに対する役割ということに対して期待感はあるのですけれども、全国にあるエリアにおける役割をそういう形で地域再生の、文字通り重心と言いますか、中核になられるような考え方で進められるという期待感があるのですが、その点はいかがでしょうか。
小玉副理事長
 おっしゃるとおりで、産総研の役割というのは非常に大きいと思います。特に、経済産業省が進めております地域拠点政策等との絡みの中での役割、各自治体にあります公設研究所等との役割分担と、これは非常に重要な役割を演じていかなければいけないと思いますが、産総研、この辺の地域戦略ということでは随分長らく議論してきたところなのですけれども、今、先ほど紹介しましたように、地域の拠点としても研究拠点であるべきだということで、このような各研究センターのテーマを掲げているところですが、これは必ずしもいわゆる管区、その周辺の企業のテーマと合致しているかどうかというと、必ずしもそうではないかもしれませんが、ただ、最近では地域におきましてもやはり地場産業というだけではなくて、日本全体、あるいは海外まで含めた国際的な研究レベルを向上させようという中小企業等も数多くあるところでありますので、そういう点にとっても頼りがいのある研究拠点をつくろうということであります。
 例えば、幾つかそういうもので成功している例がここに書いてあるようなところであります。例えば、一番下に書いております東北センターにおけるいわゆるリーンケミストリーにおける研究拠点というのは、東北地域はもちろんですが、むしろ全国的にもそういう拠点をつくっているというような位置付けになっております。これが地域のブロックの政策とうまく合致していくかどうかというのはまだいろいろ課題はございますけれども、そういうような意味での研究拠点というか、またもちろん、一方で連携という意味ではいわゆる技術相談等を行っておりまして、この場合も、もし地域拠点でカバーできない場合にはつくばセンター等も含めて全国的なネットワークの中でそれをカバーしていこうという仕組みをつくっているところであります。
 具体的には2−5の資料の52ページあたりにも幾つかその事例が出てございますので、またちょっとご覧いただきまして御議論いただければと思います。
山野井委員
 わかりました。実は先ほど来お話が出ておりますトータルのイメージから行きますと、我が国の科学技術の発展とか創造立国ということになると、当然世界市場とか世界における我が国、これは極めて大事である。しかし、その中身はイメージ的にはやはりどうしても大企業、要するに産総研と大企業、あるいは大学と大企業というイメージが出てくるわけですけれども、ですから、先端的な意味においてそこをリードしていくということは絶対に必要なのですけれども、産業全体の力ということになりますと、実はエリアにおける大企業ではない中堅企業、あるいは中小企業の中ですばらしい技術を持った、例えば外国の大きな会社などは大企業よりも、大学よりもそこに注目しているようにところがあるわけですね。そういうものに対して一体産総研は、結局日本全体の産業技術ということになれば、何も大企業とか、世界市場だけをにらんだ形ではなくて、そのベースになっているエリアの部分に対する目利きがもう一つ、ちょっとこれの全体を見た中で、出てはいるのですが、焦点がやはりどうしてもグローバルなところに進んでいるという、これは当然なのですけれども、リードする意味ではですね。そこにも期待感も大きいということを実は私どもの立場では申し上げたかったわけです。
谷審議官
 ちょっとよろしいですか。
木村部会長
 はい。
谷審議官
 私が答えたのでは余り適切ではないとは思いますが、1点、今の山野井委員の話について言うならば、具体的には中小企業基盤整備機構、そこと産総研の方で、まあ協定を結べばいいというものではないのですけれども、今おっしゃったような視点も踏まえ、より中小機構の方と産総研のいろいろな機能なり、ポテンシャルを融合して具体的な展開を図っていこう。さらに、行政の方はそこにいろいろな産業クラスター計画だとか、あるいは文科省の知的クラスター計画、こういったものをまた横で刺しているいろいろな組織とか、あれがあります。人材も、縦で若干蛸壺化しているところもあるのですけれども、それに今言ったように経産省の施策、それから他省庁の施策も含めて、今、おっしゃったような視点ではグワッと格子を刺して、人材も極力使える人を積極的に使っていくとか、そういう方向で今進みつつありますので、産総研は十分そういう中にもちろんリンクされています。
吉海理事
 ちょっと補足、よろしいですか。
木村部会長
 どうぞ。
吉海理事
 先ほど申し上げたように、非常にローカルな産業を反映していくという、これは北海道がその典型例ですけれどもね。というのもありますし、それから主要な産業が育っていないエリア、四国などがそうですけれども、そういうところに将来の成長する産業の基盤をつくっていくという先行的な投資としての役割、そこら辺があるということですが、マクロ的な統計で見ますと、年間1,000件ぐらい、産総研は企業と共同研究をやっていますが、その4割は中小企業なのですね。それから、先ほど特許の実用化というか、契約率が600件に達しているというようなことを申し上げましたけれども、その前の年の実績ですが、その6割は中小企業になっています。それから、年間5,000件の技術相談を受けて、これはほとんどが中小企業ですね。それから、経済産業省が元気のある中小企業300社というものを最近まとめました。その中の38社は産総研と共同研究を今まで実績として持っております。そういう意味ではかなりいろいろなオケージョンに応じて私どもの役割を果たしていくと思うのですが、今御指摘の本当に目利き的な、何と何を組み合わせていけばどういう新しい価値をつくれるかというのは、先ほどのアーキテクトな議論にもつながる問題で、これはやはり大きな課題だと思います。
木村部会長
 ありがとうございました。
 どうぞ。
塩田委員
 地域の問題が出ましたので一言言わざるを得ない。と言いますのは、私は浜松の近辺の大学におりまして、日本で今一番工業がものづくりの中心であるという、その一角を担っているわけですが、常々感じますのは、自動車産業というのはそこでトヨタもホンダも、まあスズキなんてあそこで出た、元はみんなそうなのですけれども、それで、今栄えているわけですが、ものづくりの基盤もあるし、技術の集積はものすごくあるわけです。そういう中で一体何をみんな苦しんでいるかと言いますと、自動車産業が盛んになって今もうかっているということになればなるほど先が心配であると。そういうことが起こっていまして、金持ちになると先が心配と、こういうことなのですけれども、じゃあ一体何をやっていくのだということのときに、1つはやはりさっきお話が出ました他分野との融合でございまして、例えば、農と工の融合とか、医と工の融合とか、他省庁にわたるようなところが1つございます。そういう融合が1つございますが、それからやはり先端的なものを知りたがっているのですね。ロボットならロボットを産総研でやっているけれども、将来はどんなものに行くのですかねぇ、教えてもらいたいと、こういうのもあるのですね。それは宇宙とかロボットとか、その他いろいろなところで言われているようなことに対する関心が非常にありまして、そういうものを適切に教えていただきたいというのが1つございます。
 それからあと、我々は地域でやっていますと非常に感じるのは、元気のいい企業というのはいるわけです。逆に言うと、元気がない企業もワンサカいるわけですけれども、その元気のいいというところを注目して、そこに対してアプローチをかけると非常に好奇心と言いましょうか、成長する意欲というものを感じます。そこにうまくアプローチされるといい。
 もう少し具体的に言うと、私があそこら辺でワイワイやっていても、産総研と直接、余りなかったですね。これは残念なのですけれども、名古屋とはやっておられるかもしれませんけれども、ちょっと具体的には余りなかった。ぜひお忘れなくというのは個人的なあれなのですけれども、まあそういうことで地域再生、今、最大の話題だと思いますけれども、ぜひ、さっきも言いました融合のところと元気がいい企業に対して積極的にアプローチをかけられると非常に食いつきがいいと言いましょうか、そういう経験を持っていますので、ぜひその辺、よろしくお願いしたいと思います。
木村部会長
 ありがとうございました。よろしゅうございますか、大分時間も来ました。
 1つお伺いしたいのですけれども、小玉副理事長、非公務員化して新しい独自の採用制度を持つことができるようになったとおっしゃいましたね。従来と採用制度、本質的にどこが変わったのでしょうか。それから、これは私の職場でも同じことが起きまして、非公務員化、16年から独立行政法人化したものですから、独自採用をやり出したのですね。そうすると、評価ということでものすごい応募がありまして、大体20倍から30倍の競争率になって非常に優秀な人を採ったはずなのですが、これまでいらした方となかなかうまく融合できないのですね。人事的に非常に大きな問題が起き始めているのですが、そこら辺はいかがでしょうか。ちょっとお伺いしたいなと思って、個人的な興味で申しわけないのですけれども。
小玉副理事長
 先ほど資料の11ページで人材の確保についての新しい制度について、例えば従来はほとんどの職員を公務員の時代は「人月」という形で採用しようとしていたのですが、やはり仕事の展開等も含めて、中堅採用の枠をかなり広げたというような仕組みとか、もちろん大学等でも研究実績がなかなか蓄積できない特別な分野、例えば標準等の分野においての試験採用を拡大しているとか、こういう仕組みとバランスについては産総研独自の設計に基づいてやっているところです。これは先ほどもちょっと紹介がありましたキャリアパス育成の問題で、そうすれば、長期的にはどういうふうにそれぞれの方がキャリアアップを積んでいけるかということと非常に密接に関連している問題なのでなかなか難しいし、またいろいろ試みながら、また修正もしながらやっているところであります。
 今、2番目に御指摘になりましたそういうふうにして、例えば行政職の職員等も採用試験等で採用していますと、今非常にレベルの高い、また女性でも非常にレベルの……、女性の方々も多く採用されています。こういう方々がこれからどういう形で、従来の公務員という中での職域の展開ではなくて、研究機関としてどういう職が望まれ、なおかつそこにどういう形でスキルアップをしていくかということを総合的に、長期的に計画を立てるために人材開発戦略会議というものをつくりまして、これは昨年1年間にわたりましてキャリアアップのプロセスの様々な先ほどのブロックダイヤグラムの絵のような議論を数十回の委員会の議論で重ねてきたところでありますが、それを今度は制度に落とし込むため、あるいはトータルな財務構造とか、あるいは長期的な外部条件等も加味しながらという形で、今そういう戦略会議をつくっているところでありますが、全体に採用のレベルは確かに上がってきますので、そういう人たちにどういうふうに活躍していただく場をつくるかというのは、これはかなり重要な問題で、我々自身も今いろいろ議論しているところであります。
木村部会長
 ありがとうございました。
 予定の時間を30分も過ぎてしまいましたが、それでは午前中の部は以上とさせていただきます。
 昼食後、研究ユニットの見学を行う予定になっておりますが、見学路の順路につきましては事務局から御説明をいただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
長野産総研室長
 この後、まず昼食でございますけれども、別室が用意してあります。この下になりますけれども、1階の会議室に御案内したいと思います。この部屋は鍵をかけます。荷物は置いておいていただいて結構ですが、貴重品だけはよろしくお願いします。下の会議室からは直接見学経路に入りますので、よろしくお願いいたします。
 それから、随契の関係でちょっと時間がなくなりましたけれども、これは午後の会議で一番で行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、移動の案内を事務方、よろしくお願い申し上げます。
 (移動案内)
 〔昼食及び研究ユニット見学〕
 再開
木村部会長
 それでは、皆さんおそろいになりましたので、午後の部を始めさせていただきたいと思います。
 まず最初に時間の関係で先送りしました随契の件について、小林憲明理事から御報告をお願いしたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
小林(憲)理事
 それでは、済みません、この青いファイルの一番最後の参考資料2−7という1枚の紙でございますが、それをご覧いただきたいと思います。
 委員の先生方に随契の在り方について評価をしていただくということで、それの材料といたしまして、産総研でどういうふうに随意契約の制度等がなっているかということについて御説明申し上げます。
 まず規程類がきちんと整備をされていますかということでございますけれども、ここにございますように、業務方法書、会計規程、契約事務取扱要領、この3つで規則が決められております。そこにございますように、業務方法書と会計規程には随意契約とする基本項目を規定しておりまして、具体的には、例えば契約の性質と書いてありますけれども、特許を持っておって、その会社しか調達できないといったようなことですとか、役務の場合も同様でございますけれども、緊急の場合とか、そういう随契を行える基本的な条件を定めてございます。それから、その下に要領がございまして、もう少し具体的に、既存物品の互換性の確保ですとか、特殊の品質の物件等の買い入れ等といった規程がございます。このやり方はすべて国に準じた制度になっております。
 申し遅れましたけれども、産総研の場合は契約金額が500万円以上のものは原則競争入札ということでやっておりまして、その中で正当な理由があるものについては随意契約ができるという形になっております。この500万円というのはほかのNEDOを初めとする独法横並びの金額でございます。
 その次の2のところでございますけれども、基準の公表ですけれども、これは産総研ホームページに調達情報の欄がございまして、これは業者が毎日見るところですけれども、そこの一面にこの基準が公表してございます。
 それから3番目の随意契約の実績の公表というところでございますけれども、これについてどう考えるかということですが、これはここに書いてございますように公表することによりまして未公開特許、それから秘密保持契約等への影響が懸念されるということから、現在、慎重な検討を行っているところでございます。具体的に申し上げますと、年間2000件弱ございます共同研究絡みの契約、こういったものがどこの企業とどういう機器、どういうスペックで幾らで契約をされたということが公表されると企業との研究の中身がわかってしまうということで、共同研究が受けづらくなる、また受けられなくなるといったようなことも考えられますので、そこら辺について、そういうことも含めて慎重な検討を行っているところでございます。
 次の下の方でございますが、2ページですけれども、随意契約の妥当性ということですが、これは選定プロセスがまずきちんとしているかということですが、わかりやすいマニュアルにここにありますフローチャートの形にして職員に提示をしておりまして、そのフローチャートに従って手続をすれば間違いないような形にして、内部統制を確保しております。さらに、契約担当部門、財務会計部門の方で選定理由書、きちんと性能の評価とか、そこの企業からしか調達できない理由等を、証拠をそろえて出すようにしているのですけれども、それを財務会計部門の方で厳格に審査をしております。必要に応じまして契約審査委員会で議論をする、付議をする、こういうことになっております。
 2.のところでございますけれども、契約の開始時期ということで、これは年度の末に駆け込みで契約をしているような事実がないかということのチェックでございますけれども、一番下の表にございますように、産総研は次年度への繰り越しが認められておりますので、年度当初に大半の契約がされまして、その後、年度末は非常に少ない数字になっております。駆け込みということはございません。
 それから、次のページをおめくりいただきまして3ページ目でございますけれども、先ほどと重複しますけれども、随意契約とする具体的な基準をマニュアルで明示をしておりまして、最初の(1)が業務の継続性や既存の研究装置の互換性の確保ということでございます。それから、次に(2)番目は特許等が絡んでいる場合ということでございます。(3)番目は役務ですけれども、排他的なノウハウや技術を有している特定の者でなければ仕様内容を実現できない、こういった3つの代表的な例が書いてございますけれども、そういうことで基準を明確化して随意契約を行っております。
 それから成果というところですけれども、これも御案内するまでもございませんけれども、研究開発法人、私ども産総研の場合は随意契約のほとんどは研究開発の遂行のため必要不可欠な機器類、それから役務等になってございまして、そういったものについて随意契約によらなければ要求する水準のものが手に入らないということで、それがなければその研究自体が執行不可能になるということでございます。それで、今まで申し上げましたようないろいろな制度とか手続によりまして制度の適正性、透明性が図られることによって契約の質というふうに書いてございますけれども、適切なものが調達をできているというふうに考えているところでございます。
 一番下の表は、これは17年度の実績でございまして、500万以上ということでございますけれども、件数ベースで見ますと一般競争入札と随意契約が、これは1対2の関係でございます。それから金額ベースで見ますと、一般競争入札と随意契約が、ちょうど偶然でございますけれども、50%ずつ、こういう現状でございます。申し上げるまでもなく、運営費交付金という国民の貴重な税金を使って仕事をしているわけでございますので、資金は効率的に使うということが大命題でございますが、研究開発に絡むものにつきましては、今まで申し上げましたようなことで随意契約とせざるを得ないという部分がございますので、よろしく御理解をいただければと思います。
 以上でございます。
木村部会長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に対しまして、何か御意見、御質問、どうぞ、岡田さん。
岡田委員
 今、小林理事の御説明の中にも随意契約が余りよくないみたいな前提でお話があると思うのですが、私自身、必ずしもそうは思っておりませんで、随意契約の方が妥当だということが随分あるのではないかと思うのですね。そういうふうに考えてみたときに、今回、何か書くのですよね、評価委員として。評価はしなくていいということらしいのですけれども、何か書くわけですよね。それで、実際問題、(1)の方は恐らく私は書かなくてもだれでも書けることなのだろう、規程を調べてですね。(2)は、はっきり言ってわからない。それは実態を知らないからわからないですね。産総研の随意契約が正しいというのか、いいのか、悪いのかというのはよくわからない。
 それで、実は今日の冒頭に申し上げたことと絡んでくるのですけれども、評価委員に何を期待するのかというのも部会長からもぜひ挙げていただきたいと思うのですけれども、我々、長いこと、吉川理事長がずっと方針を出されて、デスバリーの話から本格研究だとかコミュニケーションだとか、育成だとかと、そういうことを聞いてきて、理解して、そういう意味で、そういったことがちゃんと成果に実っているかどうかということは一生懸命やりたいと思うのですけれども、仮に問題とか不祥事とか、そういうことが起こったときに、それがどういう起こり方があったのか。あるいは、またちょっと関連して言わせていただくと、この場合、重要な資産の売却というような話もありますね。あれなんかわかりませんよ。私はわかりません、済みません、ほかの委員の方はわからないですけれども。それから、ジャーナリスティックに言えば、補助金と評価委員との関係とか、そういったことも話題に出ていましたね。
 一体評価委員に何を期待してどう判断するのかということをもう一回言っていただかないと、我々は基本的にはボランティアだと思っているのですね。そういう気持ちですよね。そういう気持ちでやってきて、こういうものを評価しろと言われても、正直言ってわからない。どうしても評価してほしいと言われるのならば、大変僭越な言い方ですけれども、研究のミスコンダクトについても、今この評価のときに急にその状況を初めて説明を受けて、公式にはですよ。説明を受けて、評価しろではなくて、そうではなくて、やはり事が起こってから今日までどういうことがあったのか、あるいはそういう問題となる事項がほかにもあるのか、ないのかとか、そういったことを別の形でずっと聞いていれば、それは全体の評価となじんでくるような気がするのですけれどもね。ちょっとそこだけ取り出されて、特に随意契約はどうなのだと言われても、それはわからないという感じでございます。
木村部会長
 随意契約については、これは先ほどもありましたけれども、書けない場合には書かなくてもいいということなのですね。ですから、私は今、小林憲明理事の御説明がありましたように、やはりこういうR and Dの機関の随意契約といわゆるサービス的に独立行政法人の随意契約とはもう分けるべきだと、そういう意見を書こうと思っていたのですが、その程度しか書けませんね、おっしゃったように。何か事務局、どうでしょう。
長野産総研室長
 冒頭申しましたように、今回の随契に関するコメントというのは評価とは全く関係ございませんので、そういうことで判断できないということであれば、別にコメントは結構でございます。
木村部会長
 本来は岡田委員がおっしゃったように中期計画、中期目標がきちんと守れているかと、そういうことで評価をすべきだというふうに考えておりますけれども、いろいろな事件が起きてきて外野がうるさくなるものですから、ついこれは事務局としてもつけ加えてしまうということがあるのですね。そこのところは評価できない場合はできないということでよろしいのではないかと思いますけれども、私もいつも困るのは、財務諸表で全くわからないものですから、それはもうはっきり書きましたね。財務諸表でわからないのは書かなくてもいいと。
 ほかに何か、どうぞ。
浅井委員
 随意契約の中身ですけれども、私も岡田さんと同じで判断がつかないものもあると思うし、もう少し委員会の性質というものを、ミッションというものをもう少しはっきりさせていただくといいかなと思うのですが、財務諸表は読めませんし、今度のサーベンス・オックスリーなどを見ると、必ず監査役員と言いますか、監査委員会の役員、取締役の中の。一人はちゃんと会計のことがよくわかった人を入れなさいみたいなことがありますし、この中には明らかに入っていないわけです。そういうことから言うと、そういうところまではとてもカバーできないと思います。
 ただ、1つの常識的な判断として、今、随意契約ということが話題に出されたので、ちょっとだけ感じたことを申し上げたいと思うのですが、こういう契約の中には決まったものを、こういうスペックの研究に必要なこういうものを明らかに発注するのであるから、おのずと決めなければならないのだということがあるのはもうそのとおりだと思います。ただ、恐らくソフトの発注なども随意契約になる場合もあるのではないかなと思うのですが、そういった場合、開発がソフトというか、システム的なものですね。非常に複雑で失敗してしまうとか、そういうことがあり得る。一体それのコストは幾らなのだというようなことがわからないようなことがあったりしないかなというふうに思うのですが、よくそういうことがあり得ますので、もしそういうことがあれば、開発契約みたいなものをうまくやるためのプロジェクトマネジメントみたいなものを考えられてはどうかというような感じもいたします。
 それは、私ちょっとこの間、長野さんに来ていただいたので話したのですが、産総研はISOの14000というのを取っておられますけれども、9000に関しては御関心はなかったと思いますが、産業界として産総研をお頼りしたり逆になったりする場合に、お互いの価値観、品質の担保というのはそういう価値の尺度と言いますか、そういうものがあった方がいいのではないかと思うのですね。そういう1つの品質に関する感覚を持ってそれでマネージしていく。発注するときも相手にそれを要求する。それからまた産総研が、例えば国プロの受託のサブコントラクターになったりするときは、今度はまたそれをきちっと品質でもってこたえる。またそういったことが大事なのかなというふうに思っていまして、そういうふうな感覚でやっていただけるといいのではないかなというふうに感じております。
木村部会長
 ありがとうございました。
 どうぞ、山野井さん。
山野井委員
 今、岡田委員、浅井委員がおっしゃったとおり、私も非常に評価しにくいのですが、ただ評価委員の立場で1つだけ申し上げるとすれば、この3番目の「随意契約とする主な具体的基準はマニュアルにより明確化」という、つまりこのメーカーさんのこれでなければできないということは、それはおっしゃるとおりで、私も研究所にいたことがありますので、それはあるのですけれども、しかしそれは固定なのかどうかということがあるわけで、このこと自体が競争原理になるべく入れていく。つまり、こういうものをつくってくれないかとやれば当然それはある会社だけではなくていろいろ、少なくとも天下の産総研さんと取引できれば大きいわけですから、ですからなるべくこちらの形としても、要するに公平な競争の場に持ち込むような御配慮というのがあったら、それはずっと固定するのではなくて、例えば3番目ですね。こういった要するにテーラーメード型のものですけれども、これも場合によっては競争原理に持ち込めるのではないかということがあるので、なるべく、癒着しているような印象を外に与えるというのは非常にまずいですから、そういう御努力はぜひお願いしたいなということをちょっと感じます。
 それから、先ほど岡田委員のおっしゃったこういう内容の、今回はこれは業績の評定に入りませんけれども、先ほどのCとかDとかという大きな問題ですね。これについて言えば、確かに中身はどれだけ中期目標、中期計画、あるいはそれの中の年度契約に対して達成したかどうかという形でのことと、何かこういう問題が起こったらどうかというのは中身的には違うことは事実なのですが、ただ、これは企業の方から言っても同じことなのですよ。それはなぜかと言いますと、それは売上が伸びた、業績が伸びた、あるいは行かない、利益が下がった、これと何か問題を起こした。例えば、ミスコンダクトをやったと、全部株価が下がるわけです。ですから、この場合は株価に全部連動するのですね。御存じのようにライブドアがいい例です。ああいうことをやれば株価が一遍に何十分の一に落ちてしまう。こういう評価なので、企業の場合にはこれは実は技術的ではないのですよ。やはり価値評価の1つなのですね。その機関の価値評価なのですが、ただ公的研究機関の場合はそういう指標がないものですからね。ですから、表面的にはちょっと違うのではないかということになるのですが、私はですけれども、やはりその社会における価値というものを考えた場合は、イコールではないかという、これは私の考えです。ちょっと岡田さんのお考えと違うと思うのですが、私はそういうふうにとらえました。
木村部会長
 岡田さんも同じだと思います、多分。私がちょっと余計なことを申し上げたので。
岡田委員
 同じことだと思っています。やるのならもうちょっと詳しくやっていただかないとできないねという意味でございます。
山野井委員
 そうですね。
岡田委員
 潜在的にいろいろな多分不祥事もあるのだろうと思うのですね。産総研にあるかどうかわかりませんが、ごく一般的に言えば、そういうこともひっくるめてやはり日常的にもう少しウォッチしていないと問題になる事象というものの把握がしにくいのではないでしょうかという意味であります。
山野井委員
 わかりました。 ○岡田委員
 株価との連関などは本当に一緒だと思いますけれども。
木村部会長
 ありがとうございました。
 それでは、ユニット見学について何か御意見はございますでしょうか。見学したあれについて、何か御感想でも何でもよろしいのですが。
 どうぞ。
山野井委員
 これは産総研さんがどこまでおやりになるかということに関係するのですけれども、非常にすばらしいオリジナリティのことをやっておられるし、私は物理系のことは余りよくわかりませんが、糖鎖の問題なども確かに世界をリードするようなテーマだと思うのですが、どういうふうにやるかといったときには、これは医学との関係が出きますので、そこのクリアカットなロードマップがちょっと見えにくかったなと。あそこまでやったので、あれは基礎研究です、はっきり言いまして。基礎段階の研究なのですが、あれだけの種類のものをおつくりになる技術、それからそれをチェックする技術ですね。すばらしいと思うのです。あれがないと進みませんけれども、だけれども、あれだけで終わってしまったらそれはおもしろいねということになるだけで、病気とか健康にどうつなげるかと言ったら医学との関係が出てきますので、ここをどうお考えになられるのかというのは、ぜひ次のステップは少し進められたらいいのではないかと、そういう印象を受けました。ロボットはわかりません、次にどう進まれるのかというのは。
木村部会長
 何か、吉海さん。
吉海理事
 御指摘のとおりでございまして、今までのところはデータベースという形でやってきたわけですが、これからは薬効という段階に入っていくわけですから、18年度から本省の方の新しいプロジェクトの立ち上げも進んできていますので、そこではおっしゃったように臨床研究というのが非常に大きな柱になります。具体的な病院とのタイアップも今進めつつあります。
山野井委員
 ありがとうございました。
木村部会長
 ほかにございませんでしょうか、どうぞ。
岡田委員
 地質に関連して見せていただいて大変興味深かったのですが、国土地理院だとかそういったところの名前も出ていましたが、ほかのいわゆる独法の研究所との共同研究と言いますか、そんなことについて何か御紹介いただくのがありましたらお願いしたいと思います。
木村部会長
 ございましたら、お願いします。
小玉副理事長
 テーマによって違うのですが、例えば先ほども一部紹介しました災害の研究等、これはいろいろな機関が、先ほどの国土地理院、あるいはここにございます防災科学技術研究所等、特に地震の観測等は分担してそれぞれの技術を持っておりますので、そこと密接に連携しておりまして、最近ではそのようなオリジナルなデータも即公開されるというような仕組みになっておりまして、お互いにそれを解析し合うというような仕組みになっております。まさにネットワークで、それぞれの特徴を生かしたハブをそれぞれつくっていくというような形になっておりまして、これは国の政策の中でも密接にシェアをするという仕組みがつくられております。
 そういう中でも、特に地質、特に過去の記録に関するデータというのはほかの機関はどこも持っておりませんので、むしろ現在の観測というのはほかの機関が結構やっているのですが、過去の履歴に関してはほとんどどこも持っておりませんので、この部分は責任を持ってカバーしようという役割分担になっております。
木村部会長
 ありがとうございました。
 ほかによろしゅうございますか……。もしございませんければ、以上としたいと存じますが、あれはどうしましょうか。今回は2期の第1回目ということで、過去の我々の評価は余り参考にならないかもしれませんけれども、ちょっと気になりますね。過去、4回やっておりますのでね。どういうコメントを出したか。従前は同じサイクルの中だということでお送りいただいていたのですが、それは必要ありませんか、委員の先生方。前に自分がどんなことを書いたかと、ちょっとあった方がいいような気がするのですけれどもね。もしよろしければ一緒に送っていただくとありがたいのですが。
長野産総研室長
 かしこまりました。準備して各委員の先生方にお送りいたします。
木村部会長
 どうぞ。
住田振興課長
 済みません、先ほど随契の話が幾つかございましたので、1点だけ補足をさせていただきます。
 今回、随契に関しては私どもの大臣官房の方から各独立行政法人の部会の御意見がもしあればコメントをいただきたいということでございまして、したがいまして、今日はこの資料1−3につけたようなフォーマットをとりあえずつけさせていただいておりますが、先ほど部会長の方からお話がありましたとおり、もともとこの手のものを評価をしていただくというような性格ではそもそもないのではないかというところもございますので、先ほど部会長からも御指摘があったようなかなり全般的なコメントを部会としては最終的には親委員会の方にしていただくのかなというふうに考えております。
 実は、省内でもこの点につきましてはいろいろな意見がございまして、特にやはり研究開発に関する契約というのは通常の物品購入契約とは大分異なる、あるいはサービス提供契約とは大分異なるものであるというようなことは省内でも随分議論をしておりまして、やはりそういった点から随意契約でないとできない面もあるかもしれないし、あるいは先ほど山野井委員がおっしゃられたとおり、そういう中でも競争の要素というのも入れていくべきではないかという議論もあって、特に今日のお手元の参考資料の中では一番最後のページにもあるのですけれども、実は企画競争入札といったような方式もあって、現在のところでは企画で競争して、その中で一番企画としてすぐれているものに対して随意契約的な契約をするという、こういう形式がよく研究開発では行われているわけでございますが、そういったものも含めて、先ほどおっしゃっていただいたような御意見を今回、コメントという形でいただければ、部会としてそのような形でおまとめいただければというふうに思っております。
木村部会長
 ありがとうございました。
小玉副理事長
 ちょっと1つ補足させていただいてよろしいでしょうか。
木村部会長
 どうぞ。
小玉副理事長
 冒頭からも御議論いただいておりますが、特に、ミスコンダクトが産総研の経営にとってどのような影響を与えたかという今回の問題につきまして、経緯を説明したとおりでございますけれども、若干その点の補足と、もし必要でしたらまたデータ等、御指摘いただければ提供したいと思います。
 産総研の経営にとりましては、先ほど説明いたしましたように倫理担当の理事を中心としましたミスコンダクトの規程というのも、奇しくもちょうどタイミング、その前の段階からつくっておりましたので、その方針に従いまして粛々と行うことができたということ、またそれに関連するいろいろな委員会等も機動的に対応いたしまして、このような問題に、大変重要な問題だったわけですが、対処することができたというふうに考えております。
 研究ユニットそのものについてのダメージということは先ほども、これも紹介いたしましたが、産総研の研究戦略の中でこのような研究の重要性は引き続き検証していくということで、現在、その後の体制について検討を進めているところでありまして、むしろ新しい目標、先ほどもありましたように特に今後は実用化、あるいは創薬に結びつけた展開というのは当初の予定どおり展開するということで、研究者自身も意欲に燃えてその準備を進めているということでありまして、この点についても大きなダメージはなかったというふうに考えております。
 ただ、もちろんなぜこういうような問題が起こったかということも含めまして、研究現場全般につきまして研究倫理の向上ということ、逆に言いますとある意味でいい教訓になったということは全員が感じているところでありまして、理事長のメッセージを含め、また研究ユニット長の研修も含め、我々も倫理、リスクの担当からもコミュニケーションを深めて、今後こういう問題が起こらないように、また起こっても素早く適切な対応がとれるようにということで対処していくようなことがシステム的にでき上がりつつあるというふうに考えております。もしこの点につきまして、まだ必要な資料等、御指摘がございましたらおっしゃっていただきましたら、後ほど御提供いたしたいと思います。
木村部会長
 ありがとうございました。
岡田委員
 ちょっとよろしいですか。
木村部会長
 どうぞ。
岡田委員
 今、補足がありましたように、全体として、私自身はそういうふうに受け止めておりますし、こういうことというのはある想定を持って最初から基準をつくっていくというような事項ではないのではないかなと思うのですね。一方で随意契約の話などの場合は、ちょっと誤解があってはいけないので、私は随意契約の方がいいと言っているわけでありません。それは絶対にそういうことはないのですが、ただ何か随意契約は何でも悪であるかのような感じのマスコミ的な受け方はやめた方がいいのではないかというふうに申し上げているわけですね。
 それで、そういったときに、いわゆるそういう契約についてのもう少し基準と言いますか、運用と言いますか、そういったものを明確にして、何が正しいのかというか、そういったことを考え方として、先ほど御説明があったよりかは、もう少しやはりこういうケースではこうなのだ、こういうケースではこうなのだということを明確にして、そのことが産総研として妥当になっているかどうかというのを評価委員会で評価するというのがこういう問題の私はあり方ではないなかと思うのですね。そういう意味でやるということであれば、そういった基準づくり、そしてそういったルールを明確に、透明にして、それでそのルールが適用されているかどうかということを評価する。そういう方向にやるのならばお願いをしたいということで、ちょっと私は今回の件では、大変申しわけありませんが、ちょっと意見も何も出せないかなという感じがしております。そういう趣旨でございますので、ちょっと誤解があったら訂正いただきたいと思います。
木村部会長
 ありがとうございました。その辺、事務局、ひとつよろしくお願いをいたします。
 私どもも独立行政法人として評価を受けましたけれども、文部科学省の場合はどこの法人も盛んに随契のことを、大体企業の方が主にお聞きになっているようでございます。相当しつこく、ちょっと表現はよくないのですが、しつこく聞かれたようでありますが、それでは、よろしゅうございますか。どうぞ。
山野井委員
 ミスコンダクトというものをテーマにしてよろしいですか。
木村部会長
 どうぞ。
山野井委員
 先ほど小玉副理事長さんは午前中の説明では、ジーンファンクション研究センターはこのままだと風土上、やはり改革のためにこのまま残すのは難しいのではないかという御発言があったと思うのですね。今のお話ですと、しかしその役割というか、機能は重要な機能ですから、どういう形で分散するか、新しくするかは別として、産総研内にお残しになる。そういうストーリーについてはよくわかったのですけれども、これは恐らく東大のあの先生のお話に絡んでいるのだと思うのですけれども、それが東大のお立場、要するに主務かどうかということなのですが、つまり、産総研さんのこのセンターがどのように絡んだかという部分なのですけれども、どうも私のイメージでは、いろいろな報道等、新聞等を見て、やはり中心は東大であって、たまたまあの先生が産総研のこういうセンター、これを兼務でしておられたというイメージの方が強いのですね。そうしますと、契約の問題はいろいろあるでしょうけれども、あの先生がセンター長をおやめになるという、これはやはりああいう問題、それが正しいのかどうかわかりません。本当にバツなのかどうかというのはいまだにはっきりしないのですが、いずれにしても1つああいう大きな社会的な問題があった以上は、それはやはりそういう意味で契約が切れると言いますか、まあチャンスかもしれませんが、そこでおやめになるのはいいと思うのですけれども、センターの機能を残しながらセンターそのものはやめるということになりますと、産総研は何らか絡んでいたのかというような、そういう誤解を招く危険性はないのですか、これは。大丈夫ですか。わざわざセンターをつぶすということはですね。
小玉副理事長
 産総研のセンターの設計ということをちょっと御説明した方がいいと思いますが……。
山野井委員
 先ほども聞きましたけれども。
小玉副理事長
 よろしいですか。
木村部会長
 どうぞ。
小玉副理事長
 基本的にセンターはセンター長のリーダーシップのもとに設計されて運営されるということになっておりまして、場合によってはセンター長がいろいろな事情でやめた場合にはセンターは解散するというような仕組みになっております。もちろん、そうは言っても研究の内容そのものは続くということでありまして、これはセンター、7年の設計の中で、初期に設計したときに理事長との契約で、今後継続して展開するということになりますが、中間、3年目で見直しの評価というのをやりまして、そこで場合によったらセンターを、極端に言いますと改廃を含めて見直す、後半をどうするという、たまたま1つはこのジーンファンクションセンターがこの時期に当たっておりました。そういう意味での見直しをしたところ、今後の展開というのは新たな方向に展開すべきだという結論になったのですが、そのときに同時にこのような問題が生じまして、当センター長が引き続きこのセンターを運営していくことは困難であるという判断に立ちまして、そうしたらこのセンターはどうしたらいいかという議論をしまして、形を継続するといった意味ではありませんで、その研究のテーマ、研究の継続、ある重要な研究の進展、そういうことは継承していく、あるいは発展させていくべきであるということではありますけれども、そのセンターという形としてはここで一旦閉じて、新たな体制、最も最適的な体制につくり直すことがむしろ必要であるという中間評価の結果、それをあわせまして、今、センターの次の形を検討してきたというところでございます。
山野井委員
 今の御説明ですと私は非常に安心したわけですけれども、つまり3年なりある期間の中で研究が動きまして、そして次のステップが必要になったというのが第一義的であって、たまたまそれがこの問題に時期的に合ったのだということであれば、私はそれで結構だと思います。先ほど、午前中のお話のときに、このままの風土では改革が難しいので、これはやめるとこうおっしゃられたので、これは聞今日によってはえらい誤解を招く危険性があるので、そうではなくて、やはりあくまでも機能的に一歩進化するためにこの際あれなのであって、たまたまそれに付随してというか、時期的にそれが合ったというイメージなのだということをぜひ強く言っていただいた方がいいと思うのですね。午前中の副理事長さんのお話では、それは一種ドキッとしたわけですよ、何でやめるのですかと、これ。それは、その方がやめるのはいいですよ、それはもう当然だと思うけれども、やめなければいけない理由があるのでしょうかと、こういうことだったので、そういうことです、単純に。
小玉副理事長
 どうも言葉が不十分で失礼いたしました。先ほどのジーンファンクションの検討の資料の一番最後の方の、これは12ページが終わりになっておりますが、8ページのところに今申しましたとおりのことが書いてございます。2−5の12ページが最後ですが、後ろから開いていただきまして、後ろから3枚目、8ページというところがございます。わかりますでしょうか。失礼しました。参考資料です。参考資料2−6、ジーンファンクション研究センターの在り方の、ページがちょっとイレギュラーなので、後ろから3枚目になっております。ここに今後の在り方についての検討の結果が書いてございます。ここに今申しましたような今後の展開について書いてございます。
山野井委員
 この辺については大体いろいろ言われているとおりなので、これは私はある程度はわかっていたのですが、ですから、今、副理事長がおっしゃられた理由で、そういう業務そのものがワンステップ上の、あるいは転換の時期にあった。たまたま時期的にそれが重なっただけの話であって、ああいうことだからこれをやめるというのではないよと、ここをきちっと言っていただきたいと思うのです。それが関連しているとなると、それはやはり関係したのかということに一般的には見られてしまう危険性があるものですから、それで申し上げた次第です。済みません、どうも。
木村部会長
 ありがとうございました。よろしゅうございますか。

3.その他

木村部会長
 それでは、長野さん、事務的な連絡をお願いいたします。
長野産総研室長
 次回は7月7日、金曜日の朝9時から、経済産業省の中の会議室で産総研の平成17年度評価の御審議をいただくことになっております。2時間程度の開催を予定しておりまして、詳細につきましては追って御連絡いたします。
 追加の御質問等がありましたら事務局まで御連絡いただければ、対応させていただきます。
 本日の議事要旨については部会長に御一任いただければと思います。
 それから、議事録については案を取りまとめ次第、各委員の先生方に送付して確認していただいた上、公開となります。
 本日、お配りした資料については大分ボリュームもありますので、御希望であれば後日郵送させていただきます。その際は封筒にお名前を書いていただき、そのまま机の上にお残しいただければと思います。
 以上です。
木村部会長
 それでよろしゅうございましょうか。
 本日はどうもありがとうございました。また評価委員会がございますし、6月30日が評価の締め切りになっておりますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。

閉会

 

最終更新日:2006年11月6日