経済産業省
文字サイズ変更

独立行政法人評価委員会情報処理推進機構分科会(第6回) 議事録

日時:平成17年5月16日(月)15:00~17:00

場所:経済産業省本館2階西8共用会議室

出席者

松山分科会長代理、阿草委員、池上委員、太田委員、櫛木委員

議題

  1. 経済産業省独立行政法人評価委員会運営規程の改正について
  2. 重要な財産の処分について
  3. 業務方法書の変更について
  4. 平成16年度業務実績評価の進め方について
  5. 平成16年度業務実績のポイントについて
  6. 平成17年度業務の今後の重点事業の展開について
  7. その他

議事

松山分科会長代理
 それでは定刻となりましたので、第6回の経済産業省独立行政法人評価委員会の情報処理推進機構分科会を開催させていただきます。
 なお、安西分科会長から事前にご欠席の連絡がございましたので、本日、私が代理ということで司会をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 池上委員と村本委員が少しおくれてこられるということでございますが、時間も来ておりますので、始めさせていただきたいと思います。
 それでは、初めに豊田商務情報政策局長より、一言ごあいさつをお願いします。
豊田商務情報政策局長
 商情局長の豊田でございます。本日はご多忙の中、第6回の情報処理推進機構分科会にお集まりいただき、誠にありがとうございます。
 私ども、2005年、本年は日本の情報化にとって非常に節目になる重要な年だと考えております。ご案内のように、2001年以降、e-Japan戦略がI、そしてIIとまいりまして、今年の末がその戦略IIの期限ということになっております。来年以降、さらにe-Japan戦略IIIという形に進んでいくと思うのでございますが、私ども、産構審も動かしまして、2006年以降、どうあるべきかという議論をいたしましたときに、IT化も第1段階から第2段階に移るだろうということを議論して、その対応を整理していただいております。ITの第1段階というのはコンピュータを中心に進んできたわけでございますが、第2段階というのはコンピュータのみならず情報家電、携帯、デジタルテレビ、カーナビといった新しい機器が一緒になって情報化を支えていく時代ということで規定をさせていただきました。第1段階では、恐らくできるところからとにかくIT化を進めようという発想だったと思うのですけれども、第2段階では、さまざまな姿になったITを道具として使いこなすという時代に入ってくるのかなと。産業、個人、社会がITを使って課題を解決していく時代に入っていくのかなと、そういう考え方でおります。
 IPAは、そうした情報化のインフラを整備していただいている機関でございます。情報セキュリティも重要でございますし、ソフトウェアの生産性の向上もインフラとして重要でございます。特定のソフトウェアに依存していないオープンソースソフトウェアも必要でございますし、人材育成というものも重要だと。このすべてをIPAはインフラとして提供してくれていると考えております。そういう意味で、ITの国家戦略の中核的な機関というように認識をしております。
 本日、平成16年度の業績評価を委員の先生方にお願いをするわけですけれども、前回は3カ月しかございませんでした。今回は1年ございますので、その業績を中期目標計画に照らして客観的にご評価をいただければ大変ありがたいと思っております。本日に加えてもう1回分科会で評価をお願いするわけでございますけれども、先生方の活発な議論を得まして、ご評価をいただくことを期待しております。よろしくお願いいたします。
松山分科会長代理
 どうもありがとうございました。
 それでは、早速でございますけれども、議事次第に従いまして議事に入らせていただきたいと思います。
 まず議題1でございますけれども、経済産業省独立行政法人評価委員会運営規定の改正について、事務局からご説明をお願いしたいと思います。この件につきましては、3月1日に開催されました第22回経済産業省独立行政法人評価委員会におきまして審議がなされておりまして、既に了解をされていることでございます。それではよろしくお願いします。
小林情報処理振興課長
 それでは、事務局からご説明申し上げます。
 議事次第が入っております資料、恐縮ですがクリップを外していただきまして、資料1、それから参考資料1という資料に基づきまして、ご説明いたします。
 独立行政法人評価委員会運営規定の改正でございますけれども、当省関係の独法は現在12、さらにまた1つ増えるということでございまして、評価委員会は本委員会と分科会の2つの構成でできていたわけでございますが、こうした独法の数がふえることに伴いまして、審議事項について整理をするということが、この規定の改定の趣旨でございます。
 1点目の改正内容といたしましては、(1)から(3)にございますけれども、評価基準の作成、あるいは(2)の中期目標の作成、変更、並びに中期計画の認可、そして(3)中期目標期間における業務の実績の評価、この3つの事項につきましては、分科会におきましての議決事項とするということで、審議といたしましては分科会に権限を移すというのが1点目の改正内容でございます。
 2点目につきましては、めくっていただきまして(4)小委員会等の設置でございますけれども、これは独法の中期目標期間終了時の検討に対しまして、評価委員会の意見を提示するための審議の場といたしまして、総合評価小委員会というものを設けるということでございます。IPAにつきましては、中期目標期間終了はまだ先でございますので、この委員会設置に伴いまして、本年度におけます分科会の活動内容に変更はございません。
 以上でございます。
松山分科会長代理
 ありがとうございました。
 ただいまご説明いただきましたように、逆にいいますと、この分科会の責務が重要になったということでございますが、何かご意見、ご質問等ございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 これは、今回の16年度評価から直ちに適用ということでございますね。
小林情報処理振興課長
 はい、そうです。
松山分科会長代理
 ということですので、16年度の評価もここの分科会での審議が議決として扱われていくのだということで、それぞれ先生方、責任が重くなるということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして議題2でございますが、重要な財産の処分について、事務局からまたご説明をお願いしたいと思います。本件につきましては、3月4日付でIPAより経済産業大臣への認可申請が行われております。独立行政法人通則法第48条第2項の規定に基づきまして、経済産業大臣の認可を受ける前に、あらかじめ評価委員会の意見を聞くことになっております。委員の皆様は既にご承知だと思いますが、書面により意見をとりまとめさせていただきまして、その結果、各委員からは異存なしというご回答をいただいております。その後、財務大臣協議を経まして、4月20日付で経済産業大臣から認可されております。それでは事務局からご説明をお願いしたいと思います。
小林情報処理振興課長
 それでは資料2、1枚紙でございますが、これに基づきまして、ご説明を申し上げます。
 ここにおきます重要な財産と申しますのは、長野県丸子町にございますマルチメディア研究センターでございます。これにつきましては、今、松山先生の方からお話がございましたように、売却をするということで手続を進めさせていただいております。
 売却のスケジュールでございますが、2.にございますように、現時点では入札の説明会が終わりまして、利用提案書の提出が終わった段階で、提案の審査をするということ。その上で入札参加者の決定通知をして、競争入札を行うというような段取りで進めさせていただいております。
 以上でございます。
松山分科会長代理
 ありがとうございます。
 ただいまのご説明に関しまして、何かご意見、ご質問ございますでしょうか。一応、書面で前回、資料等も審議していただいていることでございますので、こういう形で順調に手続は進んでいると。もうすぐ最終的な開札になるということでございますので、よろしくご了承をお願いしたいと思います。
 それでは、続きましてIPAの業務方法書の変更案について、事務局からご説明をお願いしたいと思います。業務方法書の変更案につきましては、4月27日にIPAより経済産業大臣あて認可申請されておりまして、独立行政法人通則法第28条3項の規定により評価委員会からの意見を聞くこととなっておりますので、本日、この分科会においてご審議いただきたいと思っております。
 それでは事務局からご説明をお願いしたいと思います。
小林情報処理振興課長
 資料3及び参考資料3という紙に基づきまして、ご説明を申し上げます。
 変更の趣旨でございますが、3点ございまして、まず基となっております法律の名称が変更されたことに伴う事務的な改正でございます。2.の(1)でございます。新事業創出促進法等、中小企業関係の法律が廃止されまして、新たに「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」というものが定められました。その中で旧法と同趣旨の条文が位置づけられたことに伴いまして、これを受けておりました業務方法書の引用されております先の法令名を変えさせていただくというのが1点目の改正でございます。
 2点目につきましては構造改革特区におきまして特例措置――これは情報処理技術者試験の一部につきまして、これの午前試験を、同等の試験を受けていれば免除をするという業務が新しく付け加わっておりまして、特に同等の試験を認定する際の手数料の規定を、この業務方法書に定めなければいけないものですから、その手数料の納付規定を追加したということでございます。
 3点目につきましては、既に終了いたしております業務につきまして、この条項を削除するということでございます。参考資料に個別の条文がございますけれども、省略をさせていただければと思います。
 以上でございます。
松山分科会長代理
 どうもありがとうございました。
 ご説明いただきました点は、主に形式的といいますか、手続的なものとなっておりますが、特にご異議とかご意見ございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、異存はないということで回答いたしたいと思いますので、よろしくご了承のほど、お願いしたいと思います。
 次の議題でございますが、ここからが本日の中心的な議題となっております。まず平成16年度の業務実績評価の進め方ということについて事務局からご説明いただいて、各事業年度に係る業務の実績に関する評価は独立行政法人通則法第32条の規定によりまして、独立行政法人は評価委員会の評価を受ける必要があり、また評価については総合的な評定を行わなければならないとされております。本日は資料4-1から4-4までの4つの資料がございますが、このうち4-1評価基準の改正につきましては、本日の分科会においてご審議いただき、議決したいと思います。
 それではまず事務局から、評価の方法ということに関しまして資料4-1から4-4ということでご説明をお願いしたいと思います。
小林情報処理振興課長
 まず評価基準の改正案ということで資料4-1と参考資料4-1に基づきまして、ご説明を申し上げます。2.の変更点のところをご覧になっていただきますと、現在の評価基準につきましては、中期目標に照らしまして各事業年度を評価するということになっておりますが、独立行政法人通則法の規定によりますと、中期計画の実施状況に照らして評価をするというようになっておりますので、法律の趣旨に合わせまして、評価基準につきましても中期計画に照らして評価をしていただくということで条文上の整理をさせていただくというのが、この基準改正の趣旨でございます。
 以上でございます。
松山分科会長代理
 続けてお願いできますか。
小林情報処理振興課長
 それでは資料4-2に基づきまして、評価のスケジュールについてご説明申し上げます。本日、分科会ということでございまして、この後、6月の後半ごろに16年度業務実績についての追加資料を委員の皆様方に配付をし、経済産業省、私ども及びIPAからご訪問申し上げまして、補足説明を実施させていただければと考えております。その上で、6月末に財務諸表につきましても配付をさせていただきます。これを受けまして、後から申し上げます評価表につきまして、7月の上旬にご提出をいただきまして、ご提出いただきました評価表を私ども事務局でとりまとめさせていただきます。このとりまとめた結果に基づきまして、まだ日時は確定しておりませんけれども、7月の中旬に、今年2回目の分科会を開催させていただきまして、この評価結果、あるいは財務諸表についてご審議いただきまして、評価につきまして確定をするという段取りで考えております。
 それから評価表でございます。評価表につきましては、お手元に色刷りの4-3という資料を配らせていただいております。評価のランク、AA、A、B、C、Dという、このランクづけにつきましては昨年と同様でございます。しかしながら、評価項目につきましては昨年と少し変えております。といいますのは、昨年におきます評価は一昨年度の、つまりIPAが発足した1月から3カ月間のご評価をいただいたものですから、ある程度簡素化をしてご評価をいただいたわけですけれども、後でIPAからご説明申し上げますように、昨年度からさまざまな事業が本格的に立ち上がってきております。したがいまして、その事業ごとにご評価をいただくということで考えておりまして、そこにございます、業務運営の効率化、ソフトウェア開発、エンジニアリングセンター、セキュリティ、人材育成、そして財務内容と、その6項目に分けましてご評価をいただければと考えております。
 AA、A、B、C、Dの評価の中身につきましては2ページ目にございます。基準点といいますか、Bというのが順調でございまして、それよりも上の評価であればA、あるいはAA、それよりも下であればC、ないしDというようなご評価をいただくということになっております。これが評価表でございます。
 最後に評価の結果についての意見といいますのは、昨年の12月10日に政策評価・独立行政法人評価委員会の方から、経済産業省所管の独法につきましての評価結果につきまして意見が出ております。細かい点につきましては時間の関係で省略をさせていただきますが、特に3ページ目、別紙におきまして、IPAについての意見と、それから所管法人共通の意見が出ております。ご参考までにお目通しいただければと考えております。
 以上でございます。
松山分科会長代理
 ありがとうございます。
 それでは1つずつご審議をお願いしたいと思っております。まず資料4-1にございます評価基準の改正についてということでございますけれども、これに関しましては中期計画に基づいて評価を行うということでございますので、特に問題はないのかなと思っております。これでご承認、お願いできますでしょうか。それでは、ご承認いただいたということにさせていただきたいと思います。
 続きまして、だんだん核心に入ってまいります。資料4-2でございますが、スケジュールでございます。このスケジュールは、多分、昨年度とほぼ同じように動いていくのだと理解をしておりますが、本日、この分科会におきまして評価の方法、あるいは今現在、ご審議いただいていますような評価項目について決めていただきまして、次の議題におきまして概略的なご説明をいただいて、全体的議論を行うと。その後、6月後半ぐらいにさらに詳細な補足説明をしていただきまして、6月末から7月にかけまして、各委員の方で評価をしていただいて、それをとりまとめて、もう1回、この分科会で全体的な評価をまとめると、そういう手順でございます。したがいまして、6月後半から7月上旬ぐらいのところで、また大部の資料をみていただいて、評価書をまとめていただくという作業をお願いするというスケジュールになっております。これにつきましてもよろしゅうございますでしょうか。では、そういうことでございますので、よろしくご協力のほど、お願いしたいと思います。
 それから資料4-3でございますが、これは前年度もこういう形でつくっていただいて、項目的には多分、私の理解が間違っていなかったら、3番のソフトウェア・エンジニアリング・センターというのが新しく入った項目になっているのですかね。
小林情報処理振興課長
 セキュリティとソフトウェア・エンジニアリング・センターが一緒だったのです。切り口を変えていましたので、独法としての立ち上げとかいうところを評価の軸にしていたと。
松山分科会長代理
 ということで、一応、1から6の項目について、さらに幾つかの項目におきましてはサブ項目みたいなもので評価をしていただいて、AAからDまでの5段階の評価をしていただいて、総評として総合評価をつけていただくと、このような手順になっております。後ほど、多分、IPAの方からのご説明も、この1から6までの項目を踏まえたご説明ということになっていくのかなという気がいたしますし、評価する側からいたしますと、こういう視点での観点をあらかじめもっておいていただいて、質疑応答とか資料の分析とか、そのような形でやっていただくと、そんな形になろうかと理解しております。このフォーマットでよろしゅうございますでしょうか。
阿草委員
 これは自己評価というのは要求されていないのですか。
松山分科会長代理
 IPA自身の自己評価でございますか。
阿草委員
 IPA自身の自己評価で、自分たちはどうとらえて、これはAかBかというのは……。
小林情報処理振興課長
 それは要求されておりません。
太田委員
 細かい話ですけれども、総評と個別とあるのですが、例えば2のソフトウェア開発で、1)と2)が個別なのか。3のSECの場合の個別項目というのは……。これで整理していただくとどういうことになるのですか。
小林情報処理振興課長
 総評はそれぞれ全体像でございます。それから、今、太田委員ご指摘のように、1)2)というように分けてもございますし、個別のところにつきましては、基本的に1)2)に対応していただくということは想定はしておりますけれども、例えば業務運営の効率化につきましても、これ以外の視点でのご判断というのもあろうかと思います。あるいはソフトウェア開発につきましても、別の視点というのを入れていただいてももちろん結構でございます。そういう意味では、ソフトウェア・エンジニアリング・センターにつきましては、全体の事業と、それから個別に、例えば組み込みでやっていること、それからエンジニアリング系でやっていること、あるいは実証プロジェクトでやっていることというように、個別のご評価をいただければ、私どもはありがたいですし、そこのご判断はお任せしたいと思っております。全体像と少しスペシフィックな、ターゲットを絞ったご評価というのが個別というような位置づけと考えております。
松山分科会長代理
 それでは、一応、資料の4-3というのはご承認をいただいたという形で、今後、このフォーマットへ集約すべく、ご評価をお願いしたいということでございます。ありがとうございました。
 次に資料の4-4でございますが、前年度の評価に関しまして、先ほど事務局の方からございましたけれども、3ページ目でございます。地域のソフトウェアセンターに関する出資事業及びソフトウェア開発資金の債務保証という、少し財務的なことに関しての意見、評価結果に対する意見というのがあって、それぞれ評価として、こういう視点を入れて評価を行うべきであるというご意見が、これはどこからのご意見としてあるのですか。
小林情報処理振興課長
 これは全体の、当省だけではなくて、独法全体を担当しております評価委員会がございまして、そこからの意見です。
松山分科会長代理
 そこからのコメントですね。
 そういう意見があったということをどう考えるかということもあろうかと思いますけれども、これはご報告で、我々としてはこういう評価委員会でのコメントがあったということも踏まえて、今年度のところを当たっていくときに議論、あるいは判断ということになってこようかと思っていますので、少し注意をしてみていただきたいということでございます。これは確認ということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは資料4-1から4-4まで全体を通して、今のような調子でよろしゅうございますでしょうか。――ありがとうございました。
 それでは議題5でございます。議題5と6に関しましては、これまでのということと、これからのということでございますので、両方を続けてご説明をお伺いして、それから質疑応答をさせていただきたいと思っておりますが、そういう段取りでよろしゅうございますでしょうか。
 それではIPAの藤原理事長より、資料5「平成16年度業務実績のポイントについて」及び資料6「平成17年度業務の今後の重点事業の展開について」、ご説明をしていただこうと思います。なお、今後評価をお願いするのは、平成16年度業務の実績についてのみでございますので、平成17年度業務の今後の重点事業の展開につきましては、中期的な展開をイメージするためにご参考になればという形でお聞きいただければありがたいと思っております。
 また評価に当たりましては、今回の報告と、次回の分科会開催までに行われます決算等の追加情報というのがございますから、そういうものを踏まえまして、各委員の皆様に評価シートをご記入いただいて、事務局に提出いただくと。これは先ほど述べさせていただいたとおりでございます。それで、シートの提出期限等々に関しましては、後日、事務局からまたご連絡、多分電子的にお送りいただけるのだろうと理解しておりますが、そういう形でご連絡を差し上げたいと思います。
 それで、先ほどのスケジュールで申しましたけれども、次回の分科会としては7月中旬ぐらいを予定いたしておりまして、そこで評価というのを最終的に定めるという形で進めさせていただきたいと思います。
 それでは藤原理事長、よろしくお願いします。
藤原IPA理事長
 IPAの藤原でございます。いつも大変お世話になっていまして、ありがとうございます。
 では、時間を30分ぐらいいただいておりますので、資料に沿いまして、私どもの、特に16年度の業務実績を重点に、その中でこの17年度、どういったことをやろうとしているのかを含めまして、簡潔にご説明させていただきたいと思います。
 その前に、大変大部ですが、印刷物を隣に置いております。実は、今日できたばかりのものがほとんどでございまして、そういったことでちょっとだけご紹介をさせていただきます。まず「日本の技日本の匠」という本についてであります。去年、松山分科会長代理からもご示唆がございましたが、「技の水脈 ・人の山脈」という、IPAの過去の業績の中で支援をした成功事例を集めて公表いたしました。これは、それのバージョン2.0と申しますか、続編であり、タイトルは「日本の技 ・日本の匠」としております。目次をざっとみていただきますと、創造、安心、競争力という名のもとで11個ぐらいのものをピックアップいたしました。今般は株式会社アスキーさんが大変熱心にやってくれまして、彼らが私どもの職員と一緒に会社にインタビューをするという形でまとめたものでございます。それが1つ。
 それから5冊ばかり――ここに鶴保所長が来ておりますが、ソフトウェア・エンジニアリング・センターが去年の10月に発足いたしまして、半年が経過致しました。その半年余の成果を世に問うたものでございます。実はもう1冊あるのですけれども、5冊ございまして、これもできたてのほやほやでございます。エンタープライズ系と組み込み系と2つに分かれております。エンタープライズ系で申しますと、経営者が参画する要求品質の確保というのがございます。これは超上流から攻めるIT化の勘どころという冊子でございますが、これが1つ。それから、ユーザーとベンダーの両方で定量的な見積もりをするためのコラボレーションの必要性が高まっておりまして、その解説をした本でございます。見積もり精度を向上する重要ポイントを記述したものです。組み込みの方は、3つばかり出しております。「組み込みソフト開発における品質向上の勧め」ということで、コーディングの作法でございますけれども、これが1つ。第2に、「組み込みソフトウェア開発におけるプロジェクトマネジメント導入の勧め」。これは既に昨年11月に世に問うていたのですが、その改訂版です。第3に、組み込みのスキル標準、ETSS、Embedded Technology Skill Standardsといっておりますが、このバージョン1.0ができ上がったばかりでございますので、それの解説をしたもの。計5冊でございます。
 それからもう1つ大きな、「ソフトウェア開発データ白書2005」というのがございます。これはエンタープライズ系の受注型のプロジェクトにつきまして、実は15の個別の企業、NEC、日立、あるいは富士通など、15社から、自分たちが過去に手がけたエンタープライズ系のプロジェクトのデータ計1,009件を提出をしていただきました。それを統計的に解析をしたものでございます。これも今日10時半にでき上がったばかりでございますけれども、これを世に問うております。
 それからSECの関係ですと、「SEC Journal」という、これは四半期に1回ずつ出しておりますが、第1号、第2号。セキュリティの関係では「情報セキュリティ読本」というのがありまして、これは今、大変わかりやすく書いているということで、2万部超が出ており、広く使われております。
 それから、消費者向け電子商取引サイトの運用における問題、注意点というのを書いております。これは、セキュリティの分野の脆弱性情報の取り扱いのチームが作りました「安全なウエブのつくり方」とでもいうべきマニュアルです。ちょっと難しい題名になっておりますが、意図するところは、自分のウエブサイトをつくるときには、こういう点に気をつけてつくったらセキュリティ上、安全ですというポイントを書いております。
 それから、「未踏ソフトウェア創造事業とスーパークリエイター」です。これを開けていただきますと、今までスーパークリエイターとして認定された方々のホームページでございまして、自分たちが今、どういった開発をやっているか、顔写真もついておりますが、そういったものの特集でございます。IPAのパンフレットもお配りしております。ちょっと重いかもしれませんが、後でお送りいたそうと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それで、資料に入る前にちょっとばかりお時間をいただきまして、16年度、ワン・フル・フレッジド・イヤー、IPAとして事業をやってまいりました。きょう、役員、部長もまいっておりますので、私どもがこの1年間、どういった経営方針で事業をやってきたかにつきまして、最初だけお時間をいただきましてご説明をさせていただきたいと思います。
 3つのことを念頭に置いて仕事をしてまいったつもりでございます。第1は、新しいミッションとして付加された事業であります。これをなるべく迅速、効率よく立ち上げるということ、それが第1でございます。今、鶴保が率いておりますソフトウェア・エンジニアリング・センターですが、昨年10月1日に立ち上げました。今、お配りしておりますように、申し上げました成果は6つ出ております。なるべく早く成果を出すということで、結果指向ということでやってまいりました。私どもは定員の制約、予算上の制約といったものがございますので、なるべく外部の知恵、外部の機関とコラボレーションをする、外部の人材に参加をしていただくといったことでやってまいりました。101の機関、企業はもちろん学校、研究機関、そういった方々に協力をしていただいており、 200名を超える方々がいろいろな形のワーキンググループ、あるいはスタディグループ、ドラフティンググループ、名前はいろいろ付けていただいておりますけれども、自主的に運用をするということでやっていただいております。
 次に、ソフトウェアエンジニアリング技術研究組合(COSE)です。ソフトウェア・エンジニアリング・センターでつくり上げた成果を実際のプロジェクトに応用するということで、コンソーシアム・フォー・ソフトウェア・エンジニアリング(COSE)を、経済産業省が本年2月に立ち上げられました。実際に私どもと同じフロアで仕事をしていただいておりまして、スタッフは私どもと同じフロアでお互いに交流しながら仕事を進めるようにしております。
 セキュリティにつきましては、新しいミッションとしては、脆弱性の情報の処理体制の確立があります。処理体制の中で私どもはいろいろな局面で関与をするというミッションを与えられております。それからコモンクライテリア、商品の安全性の認証でございますが、これも16年の4月1日から私どもが認証機関として事業を立ち上げてまいりました。池上先生に大変ご尽力いただきまして、科学技術振興費につきましても、私どもが他の機関との連携の要になろうということでやってまいりました。それがセキュリティの関係でございます。
 オープンソース事業では、北東アジア推進フォーラムを立ち上げてやってまいりましたが、3回国際会議を開きました。特に去年の夏の札幌会合では、200人を超える参加者を得て、盛大な集まりになったと思っております。
 これらの事業の運営に当たって、心がけた点は、まず関係機関とのコラボレーション、外部人材の積極的な参画を求める、それから自主性の尊重という点が第1でございます。それから、ユーザーにわかりやすい成果をなるべく早く出そうということでございます。ここに今日もってまいりました6つの成果を、例えばSECでは上げております。
 大きな2番目でございますけれども、昨年、いろいろなご意見もいただきまして、特に既存の業務につきましては徹底的な見直しを図ったつもりでございます。PDCA、Plan Do Check Actionという業務評価のサイクルがございます。これを徹底させたつもりでございます。もう1つは各業務間の連携を図れというご指摘をいただいております。PDCAに基づき、既存業務の徹底的な見直し、業務間の連携の強化を図ってまいりました。例えばPDCAですと、私どもの事業に関与していただいているユーザー、学識経験者等、100人の方々から、今、ここに来ております樋口のところで徹底的にヒアリングを行いました。次にSWOT分析。これは Strength、Weakness、Opportunity、Threatという、自分たちの業務の強さ、弱さ、機会、脅威と申しますか、そういったSWOT分析を導入いたしまして、業務の見直しを図っております。例えば情報処理技術者試験とスキル標準について、経済産業省にこの両者の間の関係を整理していただきました。これに基づきまして、試験の方もスキル標準に基づいた試験問題の作成を心がけるように今後しようとしております。特に、人材育成のツールである、スキル標準、試験、これらは、いずれも実は踊り場に来ているというのが私どもの認識でございます。そういった意味で500社余にわたる、それぞれのユーザーサイド、あるいは学校へのアンケート、ヒアリング等を行いまして、それぞれ検討委員会を立ち上げました。中間的な報告を出していただいております。それに基づいて、一部、既に着手をしておりますが、17年度はそれに基づきまして改革を図ってまいりたいと思っております。
 既に使命を終えたものは早く整理をするというのが、やはり私どもに課された課題だと思っております。業務監査、皆様のご意見、それから今、ご指摘がございました点等も勘案いたしまして、まずMRC(マルチメディア・リサーチ・センター)に手を付けました。現在、入札中でございまして、5月24日には第1次の開札結果が出ます。上期中には結着をみたいと思っております。何とか今の形を残した形で活用できないかというのが私ども、今、心しているところでございます。
 それから関係者のステークホルダーでございます。私ども、高圧的にいろいろなことをやるということではなくて、ステークホルダーの意見を尊重するといったことをどんどんやっていきたいと思っております。例えば京都ソフトウェアセンターでございますが、これは私どもは大株主ではありません。大株主は京都市でございますけれども、京都市の意向としては、もうミッションは終えたということでございます。京都ソフトウェアセンターはこの3月31日で解散するということを決定いたしております。新潟がそうでございましたし、新潟に続きまして第2弾でございます。
 IPA各事業間の連携では、今申しましたスキル標準と試験の関係を、これからもっともっと密接なものにしていこうと思っております。15年度に技術ロードマップの関係の審議委員会を開きまして、医療につきまして技術ロードマップを書けということをいわれました。それを受けまして、次世代ソフトウェア開発事業というプログラムがございます。その中で医療知識とか医薬の知識のデータベースを作成することに致しました。2年かけて2億円程度の予算をかけて、ぜひ作成したいと思っております。これも事業間連携の事例です。
 大きな3つ目でございますが、スピードとユーザーの視点を重視する、ブランド価値といったものをもっと考えるべきだというご意見もいただいております。そういったことで、例えばユーザーの声を聞くのはもう頻繁にやらなくてはいけないわけで、いろいろ各社へのアンケートやヒアリングを実施しました。又、業界団体との定期的な会合を四半期に1回、あるいは半年に1回開催してきました。もちろん経済産業省のご出席を得てやっております。JISA、JPSA(日本パーソナルコンピュータ協会)、JUAS(ユーザー協会)、それからシステムハウス協会、そういったところと会合をもっています。
 広報の強化についてです。これはプレスとの関係を三層に分けて、全体の説明会、個別説明会、懇談と、こういった形で強化し始めました。
 表彰といったものも活用しろというご指摘もありましたので、IPA賞というのを本年から実施いたしております。今週IPAX2005という展示会を開催いたしますが、そのときに表彰をしようと思っております。パッケージにつきましては、ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤーというのを、他の機関から承継いたしまして、私どもなりに新たな装いで選定しようとしております。
 いろいろな数値目標につきましては、また7月までに整理をしてご説明をさせていただきますけれども、ただ単に既存の数値目標として設定されたものの進捗管理をするのみならず、新しく数値目標を設定いたしました。例えば、債務保証の申請期間の短縮でございますとか、試験の実施日から合格発表までの期間をなるべく短縮する。コモンクライテリアにつきましても、私どもの関与できる期間というのを92日以内に設定する。ほぼ3カ月以内で私どもの関与できるところは整理してしまおう、処理してしまおうと、そういうことでございます。
 「コスト意識を徹底する」ということを心がけてまいりました。1つは、出版の奨励でございます。例えばこれは一部 300円とか、そういった廉価版でございます。自己収入の確保を図るという一環ではありますが、決してコストは全部回収できているとは思えません。しかしながら、プライスをつけることによって、やはり商品としての大事さといったものを職員がわかって、意識をするということが大変重要だと思っております。それからコモンクライテリアにつきましては、有料化を導入し始めました。4月から一部導入し始めておりまして、10月から全体の有料化を実施するということでユーザーとのコンセンサスも得られております。試験につきましては、コストを随分削減いたしました。また、ソフトウェアセンターにつきましては、私、あるいは今日来ております総務担当理事の桑田等、トップみずから赴きまして、ソフトウェアセンターの経営者のみならず県とか市、そういった幹部と十分ソフトウェアセンターの使命につきまして議論をしてまいりました。以上が16年度事業実施に当たっての私どもの基本的な経営方針でございます。
 この16年度の資料5でございますけれども、もう余り時間をかけるつもりはありませんが、六角形を構成する6つの事業、ソフトウェア・エンジニアリング・センター、セキュリティ、ソフトウェアの開発、IT人材育成、業務運営の効率化、財務内容ということで、各事業のポイントを書いております。4ページが、まずその第1のソフトウェア・エンジニアリング・センターでございます。左の方に出ておりますが、215名、 101の機関が関与をしてくれております。職員は今、31名でございますが、非常勤職員という雇用形態も活用しながらスリムな体制でやっているところでございます。
 エンタープライズ系につきましては、もう中身はご説明いたしませんが、定量データ、見積もり手法、開発プロセスの共有化ということで3つの成果を出しております。
 5ページ、組み込みでございますけれども、これも3つの成果を出しております。コーディングの作法のガイドラインを出しております。ここには解説書だけがございますが、実際にはホームページでコーディング作法のガイドライン全体を掲載しています。「組込みソフトウェア開発スキル標準Ver1.0」、これは概説書をここに今、おもちいたしております。17年度はこれをさらにもっと具体的な産業分野で応用する事例を、実証実験みたいなことで進めてみたいと思っております。例えば自動車産業でETSSを実証しようと今、考えております。
 ちょっと変わっておりますのが、組み込みソフトウェアの一番下の記述に「高等教育機関におけるソフトウェア技術教育実態を把握するため、各種高等教育機関に対する包括的な調査を実施中」とあります。これは大学等の情報関係の学科で、どんな授業といいますか、科目を教えていただいているのか等について包括的な調査を実施中です。
 ソフトウェアエンジニアリングの実証を目的に、ソフトウェアエンジニアリング技術研究組合、COSEといっておりますが、Consortium for Software Engineer-ing、これが2月に、この7社の出資を得て設立されました。大変早いペースで事業が進んでおります。特にプローブ情報システムというプラットフォーム、ミドルウェアですが、現在、開発に取り組んでおり、この秋には実証実験をしようということでおります。これは一般道における混雑情報を周知させるシステムです。
 6ページ。海外研究機関との連携であります。2つあり、1つはドイツのフラウンホーファー研究所のIESEというソフトウェアエンジニアリング研究所です。こことは特に見積もりの手法、データが非常にたくさんある場合とない場合、の見積もりの仕方につきまして、向こうの方がいろいろな手法を開発しております。それを日本にトランスファーすることを目指しています。16年度に実験的なことをやりましたが、17年度にそれを深めようと思っております。
 第2は、カーネギーメロン大学のソフトウェアエンジニアリング研究所です。CMMIのバージョン1.1モデル、これを日本語に翻訳いたしました。12カ月で56万件という大変多数のアクセスがあります。今、第2弾といたしまして、経営者等を対象にいたしまして、CMMIモデルというのが3日間でわかるという、3日間コースの日本語訳を、現在、チームをつくって実施中であります。6月には完成します。
 国内研究機関との連携では、東京大学ものづくり経営研究センター、藤本先生のところと連携しようとしています。先生のすり合わせ理論がソフトウェアをつくるのに利用できないか、活用できないかといったテーマで、実際の情報家電製品のDVDを例に挙げてやろうということで、現在大きな、粗々のシナリオを書きつつあります。奈良先端科学技術大学院大学、大阪大学等のEASEプロジェクトとも現在進行中であります。
 広報普及活動としては、SECジャーナルを4月に創刊いたしました。この中で、創刊記念の論文を今、募集をしており、審査委員会の議を経て表彰をします。
 以上がソフトウェア・エンジニアリング・センターでございます。次に8ページのセキュリティです。
 セキュリティは、何と申しましても脆弱性情報の処理体制の確立に大変リソースを割いてまいりました。去年の7月8日から受付を開始いたしました。5月6日現在の数字を書いております。5月13日、先週の金曜日現在では、ソフトウェア製品が53件と書いておりますが、これは現在54件、1件ふえております。ウエブアプリケーション214件、これは 現在216件になっており、合計 270件、大体1日当たり1.35件、そのぐらいの届出がございます。届けられたものにつきましては、プロダクト、つまり商品につきましては23件について処理を終えて、公表いたしております。
 ウエブサイトの脆弱性につきましては、私どもが受け付けて、そのウエブサイトのホルダーに対しまして、こういう脆弱性がありますよということを通知をするわけです。彼らが第三者、あるいは自分で直したウエブサイトにつきまして、私どもに確認をしてくれないか、きちんとセキュリティホールが埋まっているのか、という求めに応じて、私どもがその確認をする。実際きちんと埋まっているかどうか、の確認が44件ございました。海外からもいろいろな脆弱性の情報が飛んでまいります。これにつきましても業界団体、あるいはここに書いていますベンダーズノートといっておりますが、早期警報システムというのを、チームと申しますか、各企業に集まっていただいて、セーフティネットワークをつくっております。そこにいろいろ情報を提供して、事故を未然に防ぐよう努めています。ウエブサイトにつきましては、今、お話ししましたように安全なウエブサイトのつくり方を公表しました。又、白書を出しました。2005年のセキュリティ白書と申しますか、一番下に書いてあります。
 9ぺージには、認証について、4月からの実績を書いております。順調に立ち上がっていると思います。この9月には国際会議、ICCC、International Common Criteria Conferenceを私どもが開催いたします。このコモンクライテリアにつきましては、人材が非常に少く、コモン・クライテリア・プロフェッショナルという認定制度というものを始めて、現在、34名を認定をしております。それから、日本がイニシアティブをとって始めた制度として、保証の継続があります。例えばバージョンアップをするときに、もう通っているものについてはダブルのチェックはしないと、こういったことを始めました。
 コンピュータウイルス等につきましては応答の自動化を始めております。それから国際比較もやっております。セキュリティパッチの適用度合いが他国と比べて低いとか、ちゃんとしたセキュリティの組織整備が日本は遅れていると、そういった内容が出ております。
 暗号技術につきましては、日本の暗号技術は大変高く評価をされております。現在ISOで世界に通用する暗号というのを14作ろうとしておりますけれども、そのうち5つはわが国が提案をした暗号でございます。私どもは64個の並列コンピュータから成る暗号専用のコンピュータをもっております。これを活用いたしまして、世界で、もう解がみつかっている、解けるといわれている暗号を実際に解く作業を現在、やっております。ここにいろいろ書いておりますが、私ども、世界的な暗号研究者が出てきております。大塚、杉田、大熊という若い連中ですけれども、そういった連中を輩出しております。
 国際連携では、特に韓国のKISA、韓国情報保護振興院との連携を強化しております。彼らはコモンクライテリアのメンバーになりたいということで私ども、いろいろ技術協力をしております。
 次にソフトウェアの開発についてです。これはいろいろな分野でオープンソースの普及・開発といったことを進めております。私ども、単にオープンソースの資金を何となく公募でやるということではなくて、オープンソースに載っかっておりますアプリケーション、これが実際きちんと動くかどうか、その性能や信頼性、そういったものの評価ツール、あるいはサーバーの脆弱性、障害がある、そういったものを見つけ出す、そういったツールを開発いたしております。IPAが提示したテーマに合致するソフトウェアを開発するというテーマ型という手法を始めました。オープンソースの実証実験については、14ページにありますが、17校、2,800名を対象に実証実験をいたしました。
 ビジネスグリッドコンピューティング、15ページです。これは3年間の事業ですが、自動車のマツダ、日経新聞、損保ジャパン、この3つで実際の実証実験を17年度に実施します。その準備を16年度は終えております。
 それから事業化支援、いろいろ書いておりますけれども、17年度はアドバイザーチームを作って、特にベンチャー、個人企業、そういった方々の事業化を支援する体制を強化しようと思っております。
 債務保証については、10月1日から大改正をいたしまして、保証の範囲を3倍にするとともに審査期間の短縮、21ページぐらいの申請書類が必要だったのを12ページに減らしております。また、親委員会の評価委員会からも指摘をされております経済的効果については、保証先企業の業績等、そういったものにつきましてもシンクタンクに依頼をして調査をいたしております。
 それから人材の育成です。スキル標準につきましてはこれから3つの事業を実施しようと思っております。1つめは、スキル標準自体のバージョン2.0を作成するということ。2つめは、スキル標準に基づいた人材を育成するためのハンドブックと申しますか、マニュアルと申しますか、ガイドライン、そういったものを作成する。それから最後に人材を評価する評価ガイドラインです。そういった3つを私どもはこれからやろうと思っておりまして、ITプロフェッショナル育成協議会、これを常時運用していくということで行っていきます。
 情報処理技術者試験については、18ページです。ここでもやはり委員会を作りまして、一部、午前の試験の免除をするとか、特に何といってもスキル標準との連携を全面的に取り入れることにしています。それからセキュリティの試験をもっと充実させるとか、プロジェクトマネージャー、これは高度な試験しかありませんので、中レベルのプロジェクトマネージャーを育てる試験といったものを導入してはどうかとの意見が出ておりまして、これを今、検討いたしております。
 今、申し上げました情報処理技術者試験の円滑な実施。これは採点経費とか、試験から合格発表まで1カ月を切る、今、29日になっておりますが、それからコンビニで試験料が払えるとか、そういったことを導入してきました。
 アジア展開、スーパークリエイターの認定等につきましては、ここに書いてあるとおりでございます。スーパークリエイターにつきましては19ページの下に書いております。16年度は、未踏プログラムへは400件近い申請がありました。
 20ページです。中小企業経営者及び地方のIT人材の育成です。時間が限られておりますので、詳しくは申し上げませんが、21ページに地域ソフトウェアセンターについての記述があります。皆様に厳しいご指摘をいただいておりますけれども、トップが行くとか、あるいはコンサルタントに診断をさせるとか、いろいろな会議を催す、あるいはポータルを設ける等、様々な手を打ってきました。その結果、16年度の決算、今、見込みでございますが、前年に比べて3分の1ぐらい、あるいは特に外形標準課税がございまして、それがなければ6分の1ぐらいに縮小する見込みであります。まだまだ道半ばでございますけれども、引き続き努力をしたいと思っております。
 22ページでございます。業務運営の効率化でPDCAサイクルの徹底分析、これは先ほど申し上げましたので省略をいたします。ユーザーの視点に立った利便性、それも同じでございます。組織の機動的運営、これは2つの部を1つにするとか、7つあった課を5つに再編するとか、それからワーキンググループとかタスクフォース、そういったものを多用いたしております。MRCにつきましては、整理に着手しております。
 国際的な展開につきましては、オープンソース、あるいはセキュリティ、それからソフトウェア・エンジニアリング・センターの関係、そういった分野で進めております。広報につきましても、三層でやるということで申し上げました。
 職員の能力向上です。暗号モジュールの認証制度を2007年度から始めるつもりであり、そのための制度づくりのために私どもの職員を海外、カナダとアメリカに、研修に派遣いたしました。また、私どもの職員自身が外部で、例えば英語の能力を向上させるために座学、あるいは通信教育を受けるといった場合には支援をする制度を始めております。
 27ぺージ、財務内容です。私ども、中期計画終了までに12%の事業費と管理費をカットする必要があります。その進捗状況をみますと、それを上回るペースで今、コストカットが進んでおります。予算と実行の予実管理制度の導入、予算が限られているものですから、受託事業の活用、さらには、中間仮決算とか下期の実施計画を作るという年度の途中での見直しを行いました。ポートフォリオにつきましては大体1.167%ぐらいで現在回っております。野村證券等の証券会社にみてもらっておりますが、よくやっており、今以上の資産のポートフォリオの運用方法はないのではないかという高い評価を受けております。借入金はなく、無借金経営を続けております。以上でございます。
松山分科会長代理
 簡単で結構ですので、資料6の17年度もざっと、できたら5分ぐらいでお願いできますか。
藤原IPA理事長
 17年度。それではまず4ページ、ソフトウェア・エンジニアリング・センターについて。エンタープライズ系では見積もりの手法をもっとレベルアップをするということで、特にドイツのIESEとの間の協力関係を強化していこうと思っております。データがたくさんある場合とデータがない場合、データがない場合がほとんどですが、データがない場合に、どれだけのコストがかかるかという見積もり手法を彼らは開発しております。これを私どものところに導入をするとともに、彼ら自身のやり方にも、私ども改善に貢献できるところがあります。又、経営者が参画する要求品質の確保等上流工程における役割分担の詳細化を図るとともに、もっと下におりまして、設計から、実際にソフトウェアを組む段階でのユーザーとベンダーとの役割分担を深める作業に入ります。
 組み込みにつきましては、自動車産業でスキル標準を実際に適用して実証しようと考えています。それから高等教育機関や企業での教育の実態調査をまとめまして、私どもとしては教育機関に対して、何らかの提言みたいなものを行いたいということを一番下に書いております。
 3番目でございますが、COSEでは実際に実証実験が終わりまして、渋滞情報の適用の段階に入ります
 また、いろいろ諸外国との間の関係を強化します。
 6ページ、セキュリティです。今、コンピュータのウイルスにつきましては定常的に、つまり、あってもなくても届け出てくれている方々というのは200社足らずいます。これをJISAのメンバーの方々とかにもっと拡大するということをいろいろやっておりまして、これをもっと強化をしようと思っております。それによって、統計の精度が上がります。それから、私どものTALOT2といっておりますが、インターネットの一般利用者と同じ環境を8割ぐらいカバーしているシステムにおいて、世界でいろいろなセキュリティホールがないかどうかというのを探っている方々の動向を観測しておりまして、この手法のブラッシュアップを今、考えております。
 セキュリティの脆弱性について、手法はいろいろ確立いたしました。SWOT分析で、このようにやったらいいのではないか、あのように制度を展開していったらいいのではないかと、そういった提言をいただいております。それに基づきまして、制度をもっとブラッシュアップしてまいりたいと。特に何と申しましても、ここに書いております情報セキュリティ早期警戒パートナーシップにおいては、実際にものを作っておられる方々、アフェクトされる方々のネットワークを拡充するといったことをぜひやりたいと思っております。
 コモンクライテリアについては、本年9月に国際的な会議を私どもが主催します。電子申請を開始いたします。今は日本のコモンクライテリアは特に複写機が主流を占めていますが、ICカード、それから業務システムの安全性等、この2つにつきまして認証が進むようにいろいろな活動を強化してまいります。
 暗号技術です。今、暗号はアルゴリズムの評価を実施しています。しかし、アルゴリズムは実際に大容量のLSIの中に実装されないと機能しないため、実装の仕方、実装がきちんとされているのかどうかという実装の評価が必要になります。そういう基準をつくろうということで、今、政府が動いておりまして、私どもはそのセクレタリアートを勤めています。17年度から実施できるようにそのための準備を今、鋭意進めております。
 8ページでございますが、バイオメトリクス技術がセキュリティで出てきておりまして、これにつきましても取り組んでまいりたいと思っております。
 ソフトウェアの開発については、基本的には、ただ漫然とお金を公募という形で使うのではなくて、こういうテーマでやってくれませんかというテーマ型にもっと大きくウエイトを増していきたいと考えています。それから事業化につなげるような支援をぜひ強化していきたい。例えばアドバイザーチームを設けるとか、いろいろな出会いの場を設けるとか、それが第2番目です。この2つを軸にしてまいりたいと思っております。もう1つは公共的なミッションを帯びた、例えばデータベースとか、そういったものをなるべく作っていく。例えば、オープンソースのコミュニティはどういった方々がいるのか、オープンソースに基づいたアプリケーションはどういった商品があるのか、そういったものを私どものデータベースにフリーにアクセスして、皆さんが活用していただけると。そういうデータベースを作ってまいりたいというのが、ソフトウェア開発の内容でございます。
 何といっても未踏につきましても、もうちょっと未踏の技術自身の実用化とか、そういった観点も取り入れてまいりたいと思っております。
 13ページ、ビジネスグリッドコンピューティング、これは最終年度でございますので、成果を上げてまいりたいと思っております。
 債務保証は制度を大改正いたしましたので、着実な成果を上げてまいりたいと思っております。
 人材の育成、ITスキル標準につきましては申し上げました。バージョン2.0と、17年度は特に研修事業を取り出しまして、研修事業についての評価のガイドラインを作成していきたいと思っています。
 情報処理技術者試験ですが、16年度、改革の一部実施を始めようとしておりますけれども、17年度が改革の本番になろうかと思っております。検討会で提起された観点、経済産業省も産構審を動かすということをいっておりますので、そういった流れの中で進めてまいりたいと思っております。
 中小企業の地域人材の育成、経営応援隊という事業を経済産業省が16年度から始めております。これを事務局として支援してまいりたい。手を変え、品を変えて、いろいろなアイデアを出していこうということです。
 19ページの地域ソフトウェアセンターについて。17年度がヤマ場を迎えます。17年度の決算から、過去2期連続赤字になりますと減損の兆候があるということで、減損会計を適用しないといけないわけです。地域ソフトウェアセンターによっては耐えきれないところが出てくる可能性があります。そのようなところにつきましては、大株主とも相談をして、今後の方向性を考えていかなくてはならないところが出てくるかなと思っております。もちろん悠々としているところもあるのですが。
 業務運営の効率化でございます。実は業務監査というのを重視しておりまして、20ページにあるように、セキュリティ評価、総務関係、個人情報保護法等につきまして業務監査を実施してまいります。
 又、先ほど経営方針等、申し上げました点につきまして、もうちょっときめ細かく実行に移してまいりたいと思っております。
 財務内容については、やはり管理費等の削減には努めてまいりたいと思っております。一方、受託業務とか、そういったものを活用いたしまして、事業費が削減される中でミッションを、リソースの選択と集中を実行しながら、リソースの一層の拡大といったものを、もし可能ならば委託をどんどんとってくるとかいったことで実現してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
松山分科会長代理
 どうもありがとうございました。
 議題5、6を合わせてやっていただきまして、どうもお疲れさまでした。ありがとうございました。
 最初に申しましたように、現時点での本委員会のタスクといいますのは、16年度の業務評価ということでございますので、主として資料5の、今、ご説明していただきました各ポイントについて、委員の先生方から協議の場でディスカッションをする機会というのは、評価前は今しかございません。できるだけ時間をそれに使っていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。その際に、そういう流れをみていただく中で17年度の流れというのが、こうフォローしていきますよというような形でみていただければいいかなと考えています。
 では、ご意見、ご質問をよろしくお願いしたいと思います。
太田委員
 実際やってみて、こういう点は課題だというような点を、自己評価を含めて全体の自己採点というのですか、それをしていただいて、17年度にどう活かそうとしているのか、16年度を総括すると、経営者としてどういうことなのか、教えていただければと思います。
藤原理事長
 新しい事業をかなり課せられました。リソースが大変限られた中でやらなくてはいけないということで、ここに座っております役員以下、スピーディに処理するといったことは随分心がけてやってきたのではないかと思っております。ただどうしても、これは独法全体のことではありますが、定員の制約から事業費、管理費の制約、そういった中でどういった知恵を出していくかということでやってまいりました。管理費など減らし過ぎではないかというぐらいにはなっており、それで何とか新しい職員を雇うような経費も出てまいりました。そういういろいろな制約はあるのですけれども、それなりに知恵は出てくるような感じがいたします。例えば非常勤職員を活用するとか、パーマネントな職員ではなくて、そういった、いろいろな組織面での知恵というのを出していただいてきています。
 それからSECは鶴保さんという大変タレントをもたれている方に来ていただきました。特に今までの日本のソフトウェアエンジニアリングで宿題になっていたところを厳しく突いているような問題意識を持って、やっていただいているものですから、相当外部の人が集まってきてくれています。ただ、最初はそうなのですけれども、続くかどうか、持続させていくというのが、私は大きな課題だと思っております。わかりやすく、自分たちがやっていることを広く普及させていくという点が常々いわれているのですが、そこがまだまだ、いまだしだと思っております。非常に社会的なインパクトの大きな仕事、分野でございますので、もっと普通の経営者とか一般の人がわかるようなプレゼンテーション能力を身につけたいと思っております。
 何といっても心残りで、歯がゆいのは地域ソフトウェアセンターです。余りやり過ぎても口を出し過ぎているのではないか、持株比率も40%ぐらいしかなく、大株主でもないのになぜやるのだという、そういった反発も実は感じるのです。しかし、櫛木委員などからはきちんと黒字経営にもっていくべしという御指摘があるので、地方自治体の方々の意識改革も含め、協議をずっとやっていくしかないと考えています。
 既存業務をいかにニーズに合ったように変えていくかという点が、実はまだ始まったばかりです。試験につきましても、池上委員から問題が難し過ぎるのではないか、合格率が低過ぎないかというご指摘もいただきました。これらの点について、私どもアンケートを配りまして、まあいいのではないかという結果をいただいております。試験については16年度に改革すべき点を洗い出しました。今年度に関係者のご尽力を得て実行していきます。
 ソフトウェア・エンジニアリング・センターは、成果をもっと深めていくのはまだまだこれからです。内容としては、私はそれなりに成果を出してきたと自画自賛しておりますけれども、まだまだ期待は大きい。日本ではこれまでにこういうデータ(「ソフトウェア開発データ白書2005)を出しているということはありません。私、ざっとみてみましたけれども、非常に良心的に編集をしております。統計的に有意性が低いデータもそのまま出しておりますし、統計的に有意性が高いか、中間ぐらいかなというようなものを中心に分析をするとか、そういうことをやっております。ドイツなどの先進的なところと密接に協力をしてまいりたいと思っております。
 債務保証でございます。実はだんだん保証実績が少なくなっております。これには大きな危機意識を持っています。昨年10月に大改革を致しました。ただ、余りやみくもに残高を増やしていくというのも適切ではなく、トップ同士で話をしながら進めて参りたい。都民銀行のトップと私と話し合った結果、彼らは中小企業の応援ファンドというのを作って、私どもが債務保証したものについては金利を安くする仕組みを作りあげました。コミットをトップがしてくれています。今、広島銀行と同じようなことをしようとしております。トップが関与していれば、余り変なものは回してこないと思っています。代位弁済に立つ案件もそんなに増えずに拡大できるかなと。
 もう1つ、やはり自主性の確保ということをやらなければいけないと思っています。ソフトウェア・エンジニアリング・センターでは本当に、どんどん皆さん来られて、自分たちでテーマをみつけて進めておられる。同じようなことを、実はある部分でやっていると、ほかのところも真似し始めるのです。オープンソースなども同じなのです。だから作業室をつくって、そこに夕方から来て、議論しながら、仕事を進める体制になっています。
太田委員
 自己採点すると何点ぐらいですか。
藤原IPA理事長
 ほかの機関に劣らない経営はやってきたと思っております。
阿草委員
 我々の大学も独法的というか、独法化になって、こういう評価を受けるのですけれども、そのときに、この次に与えられる、6月後半にいただける我々の資料というものは、16年度の計画と、それの横に何をやったかの一覧というか、完全に項目ごとの対応表というのはいただけるのでしょうか。追加資料というのはそういうものであるという理解でいいですか。今日の資料でやれといわれると、16年度計画がないので、16年度の1対1対応ができるような表は用意していただけるのですか。
樋口IPA参事
 はい、用意するつもりであります。
藤原IPA理事長
 16年度とはいっても、今、評価をいただく前ぐらいまでに実行したことというのはきちんとお知らせしようと思っていますので、それも含めて追加的にお出しいたします。
阿草委員
 それをつくるのは大学でも非常に大変で、ものすごい時間の無駄みたいな気もするのですけれども、それがないと評価が非常に難しくなりますので、その対応表をいただければと思います。
 それからもう1点ですけれども、これは計画の中にどう書かれているか、ちょっと覚えていないのでよくわからないのですが、自分たちがいろいろなプロジェクトをやって評価を受けるとき一番困るのが、適宜見直せという、ある意味で必ず1個ある。いわゆる計画というのがフィックスされたものではなくて、ちゃんと見直しもやって、変えたところがどこにあるかという議論がやはりあると思うのですが、17年度をみている限り、見直せという項目はなくて、見直し作業の中で計画をどう見直したかと。これは書くのは非常に難しくて、かなり政治的で、見直したというとやっていないのではないかと思われるのも困るし、見直さないというと何も考えていないのかといわれるのも非常につらいのです。16年度の当初と、もちろん16年度の中で見直さなくてもいいと思うのですけれども、17年度に実績を踏まえてどう見直すかと。それはどこかでいただけるのですか。そういうのがあると、どこに注力したかというのが本当はよくわかるので、淡々とやっているというと、いかにも計画通りやりましたばかりがずっと並びますと、評価というのは非常に難しいので、もし見直したところがあれば、そういうのをいただけるとありがたいと。
藤原IPA理事長
 今度ご用意するのは、この参考資料等もございますけれども、計画に従って定量的なのも含めまして、どういう実績を上げたのか、それを表にして差し上げようと思っております。
阿草委員
 それはもちろんあれなのですが、もう1つ、やはり見直しについて、どう考えられているかというのがあると、本当の意味でどこに注力しているかというのがよくわかるのです。
藤原IPA理事長
 数値目標につきましては計画に、例えば審査期間を何日にしろとか、そういうことが書かれています。しかしながら例えば試験ですと、受験をしてから合格発表に至るまでというのは別に何もなかったのです。私はなるべくユーザーの側からすると、早く結果を知りたい、そういった観点から数値目標を自主的に設定いたしました。そのほかにも、ちょっと申し上げましたけれども、コモンクライテリアなども、何も書いていなかったのですけれども、自分たちでコントロールできる期間というのがあるので、これをなるべく短くしようということで数値目標の設定をするとか、そういったことについてはやっておりますので、それはまた改めて御説明致します。
阿草委員
 そういうところを強調していただければ、ある意味でそこには注力しているというのを我々わかりますので。
小林情報処理振興課長
 計画そのものは見直しを行っていないのですが、中期計画に基づきまして年度計画というのを作っておりますので、その年度計画と照らし合わせた形で、この16年度の事業がどういう対比関係にあるかというのはわかるような形で資料は提供したいと思います。
櫛木委員
 その中期計画に関連して、基本的なことなのですけれども、評価委員の役割というのは、その中期計画をどの程度達成できたかということですよね。その次に、中期計画そのものの評価というのはどなたがおやりになって、今、見直しの関連がありましたけれども、見直しの方向性ということ自身を、中期計画そのものの評価というのはどういう形になっているのかというのが1点目の質問です。
 2点目は、我々、評価委員が評価をするときに、ここにおられる多彩な評価委員のバックグラウンドは違いますので、恐らく中期計画もこうあったらいいだろうなという思いが、達成度の評価のところに出てくる可能性があるのです。私は企業の立場ですし、大学の先生方はやはり学術的研究レベルというバックボーンがありますから、どうしてもそういう達成度の物差しが少し違う可能性があります。そうしますと、それはそれでいいのでしょうねという確認です。つまり、そのこと自身は中期計画そのものがどういう方向に向かっているかということと、我々が、IPAはこうあってほしいという、書かれてはいないけれども、あるべき姿との比較の差というものが出てくる可能性がある。それはおのおののもっている切り口でということです。そこの確認です。
 それから3点目には、中期計画そのものを、あるいはIPA活動でやられていることを、例えば一般の方がどうみられているのかとか、いわゆる統計とか、そういう、我々評価委員以外のところからとった評価の指標というのは、こういう場でも我々で審議させていただくと、これは計画の評価になるかもしれませんし、達成度の評価になるかもしれませんけれども、評価という意味では役立つのではないかと思うのです。そういう問題はいかがなものでしょうか。この3点。
小林情報処理振興課長
 中期計画そのものの評価みたいな、例えば中期計画期間中に中間見直しをするとかいう形には今のところなってはおりませんので、そういう意味では中期計画が終わった時点で全体を振り返って評価をするときに、計画そのものにもある程度、どうだったかということも踏まえて評価をするという形になります。逆に申し上げると、計画そのものの逐次見直しという形には、今のところそういう評価をして見直すというスキームにはなっておりません。
 一方で、そういたしますと、2番目のご質問の達成度の物差しについて、それぞれの委員の皆様方で、中期計画はもちろんあるものの、それと背反しない形である程度こちらの方向にとか、ここに重点を置いてほしいとかという思いのもとでご評価をいただくと、物差しがある程度違う場合があるということだと思うのです。これはもちろんベースは中期計画であるとしても、重点の置き方等々につきましては、それぞれの委員の皆様方の見方があるかと思います。そこの物差しが多少、委員によって違ってくるということについては、それは当然、そういうことはあり得ることだと思っております。
 それから3番目でございますが、一般の人がどうみているかというのは、統計的に数字上でおみせできる形のものというのが、正直いって余りきちんとしたものはございませんので、例えばプレスでどのように出ているかといったようなものが中心になろうかと。顧客満足度調査みたいなものも、全体ではなくて一部には多少あるかもしれませんけれども、そういったあるものにつきましては、あるいは不十分かもしれませんが、ご提示できるようにまとまっているものについてはおみせしたいと思います。
藤原IPA理事長
 例えば試験制度につきましては、去年の10月に 200ぐらいの学校等にアンケートをお配りして、その結果をまとめて委員会を開きました。エッセンスがありますので、それもまたお渡ししたいと思っております。それからスキル標準も、やはり500社近い方々にアンケートを配って、いろいろなご意見を伺っておりまして、それも踏まえて、委員会を開催いたしました。いろいろな意見が出てきておりまして、それも追加的に差し上げたいと思います。それからSECにつきましても、池上委員からもいわれておりますが、企業がどのようにSECの活動の評価をしているのか。定性的ではありますけれども、ヒアリング等をまとめております。それから、強み、弱み分析というのをやっております。例えば脆弱性につきまして、非常に詳しい方向性を示してくれております。自分たちのカスタマーは誰なのかというのをきちんと事業ごとに見極めて、そのカスタマーと申しますか、そのニーズに合致をしたような方向で事業運営をしろということもいわれております。実は後者の方を大分やってきたつもりでございます。今、櫛木委員からもお話がありました、一般的にどのように受けとめられるかにつきましては、またいろいろ考えてみたいと思います。
 今、私が申し上げたようなものにつきましては、余り煩瑣にならないように、まとめて追加的に差し上げたいと思っております。
小林情報処理振興課長
 1点、追加で申し上げます。櫛木委員の1番目のご質問の中期計画の見直しというところでございますけれども、先ほども申し上げましたように、例えば一定期間を過ぎればアプリオリに見直しをするとかというような仕組み自体はないのですが、例えば個別の分野でありますとか、全般的にもそうかもしれませんが、特にこれは中期計画、あるいは中期目標を見直すべきだというような点が出てきた場合には、もちろん、それに応じてケース・バイ・ケースで中期計画を変えることは当然、できるわけでございます。そういった個別のケースがあって、変えるかどうかにつきましては、この分科会でご審議いただいて、中期計画そのものを変えるということももちろん可能でございます。済みません、最初、申し上げたのが少し誤解を、そういったこともできないという趣旨ではございませんので、ちょっと補足をさせていただきます。
松山分科会長代理
 本日の議題の1番目で、本分科会の権威が高くなるということの中に、今、課長さんがおっしゃっていただいたこともありますので、必要があれば、ここで審議ということもできるということです。
 ほかにご意見は……。
池上委員
 まず立派な資料をお作りいただきまして、どうもありがとうございました。いろいろ勉強させていただいておりまして、皆さん多分、大変だったと思いますが、どうもありがとうございました。
 少なくともSECについては非常に順調にスタートしたというように私も感じております。ただ息切れがするような感じもないわけではなくて、その辺は長丁場であるということでやっていただきたいと思っております。特に広報関係の冊子をお出しになったということは非常に我々にとっても有益でございまして、ぜひ、こういったようなものを今後も出していただきたいと思います。同時に、内容についても、多分リバイズするところがあると思いますので、ちょっとお金がかかるかもしれませんけれども、ぜひリバイズしていただきたいと思います。
 それからもう1つは、前から出ている「情報セキュリティ読本」も最新のデータを、これ、印刷は2番目になっているのですが、特に一番最後のウイルスの一覧表とか、この辺は工夫されて、安く、なおかつ最新のデータが入るようになっていると、もっと魅力があるのではないかと思います。
 それと、先程来ご案内がございました、いわゆるソフトウェアの値付けの部分に立ち入っていろいろおやりになるというお話だったのですが、これはどのぐらいの見通し――つまり見積もり手法が日本については問題があるということが前からいわれていたのですが、これはどのくらいのところまで行けそうだというようにお考えになっているのですか。
鶴保IPA・SEC所長
 見積もりというのは、ある意味では当てるということなのですけれども、別の意味でいうと、リスクマネージメントなのです。その見積もりをベースにしてターゲットのシステム、要するにプロジェクトです。プロジェクトをマネージメントして、修正を加えていくという側面があると思うのです。したがって、どこまでというのは非常に難しいのですけれども、最初のころは、もし真の値というのがあるとすれば、それに対して非常にずれるのです。しかし、後のプロジェクトマネージメント、リスクマネージメントになって、コントロールしていくという考え方と併用だと思うのです。したがって、最初に何割ずれたのかどうかということは非常に議論がしにくい問題でもあるのです。しかし、最初にいろいろな手法を、例えばパラメトリックにやるだとか、データベースで蓄積をべースにしてやるだとか、いろいろな手法を織りまぜて、最初の方も、そのようにえいやっというのではなくて、ありとあらゆる手段を尽くしてやるというようなことが非常に意味があるのではないかと。あとはターゲット自身をコントロールするわけですから、一種のリスクマネージメントです。進んでくれば、また見積もりというのはもう少し正確になると。だから一発に見積もって、それが当たるか当たらないかという問題ではないということも、業界にもいろいろと説明をしたいということなのです。
池上委員
 だけれども、具体的にステップ的なものを考えておられるのだったら、何年ぐらいにゴールがあって、とりあえずこの辺までもっていこうとか、ある意味では国全体に、日本全体に関係するわけです。
鶴保IPA・SEC所長
 今、手がけているのは3年です。3年で答えというと大きいのですけれども、ある程度のまとめをやりたいということです。17年度は見積もりについても、それから上流工程のいろいろな問題についても、16年度の結果をもう一度精査をして、もう少し詳しいものを出すと。18年度はさらにそれの適用後のブラッシュアップです。
池上委員
 いずれにしても企業から来ているメンバーの連中はのっているわけですね。
鶴保IPA・SEC所長
 のっています。問題は、17年度はある程度普及という問題がありますから、今、70社ぐらいに参加してもらっているのです。70社というのは日本のリーディングカンパニーですから、会社も技術者の方々も意識が高いのです。しかし業界は70どころではなくて700、 7,000ぐらいあるわけです。そこに広めていくときにどうなのかということが大問題なのです。17年度はそこのところで、70からどこまで広げるのか、業界団体とどういう相談をするのかというのが1つのポイントなのです。
池上委員
 e-Japanの調達の一部に、その手法でやったという実績を残せると本当はいいわけですよね。それはむしろ本省の方でいろいろお考えいただいて、何かサクセスストーリー的な、サクセスかどうかわかりませんけれども、何かお考えになると……
鶴保IPA・SEC所長
 定量データ分析の方は先ほどの技術組合、ITSのプロジェクトに適用するということで、とりあえずの取っ掛かりは作ったという状況なのです。
阿草委員
 今のお話、これはまだ読ませてもらっていないのでわからないですけれども、データ自身は時間とともに見積もりというか、コストは変わっていきますよね。そうすると、その時間軸の傾向も入ったようなコストというか、見積もり評価手法になっているのですか。
鶴保IPA・SEC所長
 そうです。
松山分科会長代理
 私が以前、聞かせていただいた感じだと、導入される依頼元のエバリュエーションを入れてというところまでやられているような感じに聞いたのですが、それは……
鶴保IPA・SEC所長
 超上流というのは、先ほども藤原から説明がありましたように、お客様とベンダーとの間の議論、その中に当然のことですが見積もりも入ってくる。
松山分科会長代理
 そうですね。だから、発注側の意識の問題とか、多分、そこまでも込めて議論をしようというような話になっていると私は理解していまして、そういう意味では結構、単に物としてのソフトウェア、ステップがかかるというだけではなくて、やはりフォローアップとか、私から説明するのは変ですが、ご説明を聞いて、なるほどなと、すごく感心したところがありまして、だから非常に意識が高いところで同じ複雑さ量の仕事を受けるときと、意識が低いところだと随分コストが違うのだという見積もりが差になって出てくるのでしょうね。
鶴保IPA・SEC所長
 それで、JISAの方も先進的な進んだ企業と、それ以外の企業とで大差があるのですけれども、JUASというのも今回は一緒に作業をやっているのです。それはユーザー業界なのです。JUASの方も、今入ってもらっているのは、例えば東京海上日動システムだとか、非常に意識の高い会社に入ってもらったのですが、そのほかのユーザーはどうなのだと。そこはこういう議論についてくるのは難しいという議論がありまして、ベンダーもユーザーも、17年度、これからどうやって業界団体と連携しながら勉強してもらうかと、そういう意味の1つのヤマ場にさしかかっているのです。
藤原IPA理事長
 これ(冊子)を実際に書いた中心人物は東京海上の人なのです。彼は要するに注文を出すときに、自分たち東京海上の上司がもっと関与してくれということが悲願なのです。
鶴保IPA・SEC所長
 東京海上の方も書いている。ベンダーも書いていて、合作なのです。
藤原IPA理事長
 この菊島さんという方がリーダーで、後ろの方にこの委員会の名前が出ていますけれども、やはりユーザーの中での経営者の幹部というのがどれぐらいの機能を求めるのかとか、どれぐらいのデータの進度が欲しいのか、そういったことをきちんと業務をやる連中との間でディスカッションを行うことが、もっと精度を上げることにつながるのではないかと。
 それから、このSECジャーナルの第2集でございます。14ページからJASTECという会社の太田さんという方が書かれている見積りモデルに関する記事があります。この18ページに、見積りに影響を与える環境特性の例として、例えば、ユーザーのコミュニケーションは窓口が1つで、ワンボイスでやってくれているのか、正確な回答を期限厳守してくれるのかとか、それからシステムの規模とか、そういったことで実は点数をつけていまして、影響水準のレベル1とか、上の方がいいらしいのです。レベル1というのは多分、今の状況ではないだろうということでレベル2から数値化しているのですが、そういうことでずっと点数をつけていって数が小さい方がユーザーのコミットメントが高いと。そうすると、ある程度見積りが正確にできるだろうと、こういうことをやっているのです。これをもっと深めていくことになります。
太田委員
 改めて、SECの役割について伺いたい。日本の総合プロデュース力を高めることと同時に、ユーザー側もはっきり仕様発注書がしっかり書かなければいけないというソフト産業とユーザー企業両面で課題がある。この課題をSECとしてはどう解決していくか、教えてください。
鶴保IPA・SEC所長
 まずは産官学連携の拠点がなかったというのが問題なのです。そういう意味では、そういう拠点のきっかけをつくれればということがあると思うのです。
 もう1つは、日本の場合、技術者は非常に技術を深く突っ込むのですけれども、エンドユーザーとお話をしたり、プロジェクトマネージメントをするということになってくると、従来は弱点が出ていたと思うのです。したがって、プロジェクト全体をみて、適切な処置をとる、マネージメントする、そういう意味でのプロデュース力もなかったと思うのです。これは学の問題とも関係するのですが、いずれにしても人数的にみると、学から出てくるエンジニアの勉強した数というのは、日本の場合、非常に少ないのです。何らかの格好で中国、インドという技術者を使っていく、いわゆる外注といえば外注なのですが、その問題自身はもう避けようがないわけですから、今度は日本の技術者はどうするのかということになってきますと、それと同じ土俵で議論してもしようがない。インド、中国と同じように技術をマスターすると同時に、より上流の議論をするような技術者を育成しないといけない。という意味でのプロデュース能力というのも求められてきて、その両方とも、産官学連携の場と、個人がみたときに、中国、インドを使いこなしていくと、両方の問題が待ったなしになっているのではないかと思うのです。
池上委員
 人材育成、今の日本の大学では無理ですよね。
阿草委員
 大学で無理といわれると……。やはり大学が、研究と人材育成とのバランスが非常に難しい時期に来ていると思うのです。ある面では研究大学として尻をたたかれていて、あるときには急に学生の面倒をみろと。また学生が昔の高校生みたいなレベルになってしまっていますから、極端にいったら学校に来なさいまで指導しないといけない人を、こういう意味での高度な技術者教育をするにはどうあるべきかと。やはりもう少し長いスパンで、産学官と連携といわれましてけれども、長い目でリカレント教育とか、かなり長い期間、教育をするのだという意識をもってもらわないといけないのではないかと。それが、大学でどこまでつけて、その後、企業教育をするべきかということを明確にしないと、大学は訓練校になることが要求されるわけです。そこの部分を明確に国としても位置づけないと、企業の方は、苦しくなると即戦力が欲しいと。だから大学に即戦力を求めるような教育をせよというわけです。余裕があると、中でしっかり育てて立派な技術者にしたいというのですけれども、そこら辺、国も余りぶれないように、明確に目標を決めないといけないのではないかと思うのです。
 これは、僕らも研究大学だといいながら、必ずいうときには教育・研究というわけです。研究・教育とはいわないのです。やはり高等機関というのは教育機関ですから。ただ、今までの大学の教育は基礎をしっかり学びなさいと。それから大学で研究とはどういうことをやっているらしいということを学びなさい程度でよかったはずで、それが今、JAVA書けるかとか、そんなことをいわれると困ってしまうので、やはり国としても明確に、どういう大学はどういうレベルを出せとか、そういってくれないと、1つの土俵で競争させられて困っている。そういう意味では、先生がいわれるように大学でできるのですかといわれたら、しないといけない大学もあるわけです。
池上委員
 ですから今、こちらでやっているのは、例えばスキル標準にしても、それから試験にしても、SECにしても、ある意味では大学でなかなかできない部分を全部潜在的にはできる仕組みをもっておられるわけです。大学の方でいいますと、何か職業学校と同じではないかという言い方をするけれども、違うのではないかという気がするのです。インドに行っても中国に行っても、今、いわれたようなものをちゃんとアカデミアで展開をしながら、学生にぴしっと教えているわけです。まさしく産学連携という、我々の教育の分野にも積極的に、さっきの3点セットで入ってくる、入ってくるといってはおかしいのですけれども、助けていただきますと、日本は変わるかもしれませんね。
阿草委員
 経産省などもインターンシップを一生懸命応援されていますけれども、あれは学生が職業をみにいくわけです。そうではなくて、逆に産が学生に何を学ぶべきかを教えにくる。いわゆる一方向ではなくて、両方向なのです。ところがインターンシップというのは産業界を1回みておけみたいな、極端にいえば職業訓練みたいな形になってしまっているわけです。そうすると、大学で学ぶ意識がそこで本当に育つかというと、やはり産の方がどういう目で事業をするかということがわかると、本当の意味での連携が要ると思うのです。
松山分科会長代理
 別に大学の話ではないのですが、私、個人的には1つ、IPAさん、余り明示的にはうたわれていないのですが、やはり中国、インドみたいになぜ日本がならないのかというようなことからすると、一番根元的にはペイがよくないのです。基本的には。能力があってもペイがよくない。だから、だれも頑張らない。向こうは、アメリカもそうですが、情報関係で働くことができれば、かなりペイはいいわけです。その専門家として認められているということだと思うのです。それで、先ほどもちょっと藤原理事長、いっていたのですが、そのためのスキル標準とか試験制度というのがあって、それは高校生などでいうと、就職活動、あるいは大学生などもそうかもしれないけれども、履歴書に書く資格として1つ認識されてきている。問題は、それが企業の中で、本当にそれをとっていたら5,000円なり1万円でもいいけれども、やってくれるようなところまでもっていけるかどうかです。そのための、やはり中が整わなければいけない。
 もちろん、それだけでは普通の若い人たち、モチベーションが出ないので、1つはヨン様スタイルで行こうというのです。何かというと、あこがれをつくる。スーパークリエイターというのはそうです。僕もこんなクリエイター、そういう意味でのブランドというか、人の発掘で、ヨン様といってはいけなかったら藍ちゃんでもいいのですが、そういう感じでやはりスポットライトを当てようという活動をされている。そういう意味で人材育成のための、IPAさんとしては結構もたれていると思うのです。そのような人材育成に関してのところを、もう一段上げないと、なかなか、正直申し上げて今のままのレベルでは、社会的評価としてそんなによくなるとは思えない。本質的にそれを上げていただくようなことというのはやっていかなければいけないと思うのです。
阿草委員
 僕は鶴保所長に時々いうのですけれども、ソフトウェアエンジニアリングというのは、属人性の排除といっているわけで、極端にいえば、人間力だけに頼るとなると、中国やインドみたいに10倍給料が変わるとなれば、そっちの方面にいい人が育っていくわけです。日本の中で、多分、ソフトウェア産業が幾ら頑張ったって10倍の給料にはならないから、いい人が来る形にはならないと思うわけです。そうすると、それなりのクオリティを、いわゆるある種の教育と、ある種の道具と、あるエンジニアリング教育がちゃんとなされていたら、標準的なクオリティをコントロールできるような仕組みをソフトウェア・エンジニアリング・センターはつくってくれる。そこの成果を、我々は非常に理解して、働くので、必ずしもトップレベルではなくても、それなりのクオリティのものができて、日本は競争力をもつと。それはやはりソフトウェアエンジニアリングの勝負だと思うのです。ソフトウェアエンジニアリング、イコール、最後、人材育成になったら、結局最後まで人海戦術で人の多いところが勝つと。
松山分科会長代理
 それはそれでわかるのですが、これは評価として非常に大きな話になるのです。IPAはどこへ行くという話になって、先ほどの、SECが見積もりのシステムでやられていた、相手の会社の業務体制を評価の1つの軸に入れましょうというのをすごくよく覚えている理由は、やはり属人的、あるいは属組織論的なファクターを除いて、金銭の見積もりさえできないというものがソフトウェアだと私は思っているのです。
阿草委員
 それはアグリーですが、それをいかに小さくするかというのがソフトウェアエンジニアリングの目標であると。すべて人材が大事だということを結論づけることは、多分ソフトウェアエンジニアリング的ではないと思うのです。そこでわかることのうちのどこまでが機械化できて、どこまで標準化できるかを、モデルをつくって……
松山分科会長代理
 モデル化をやることは妥当だと思うのです。だけれども、属人性を排するというのは、これは阿草先生とまた別途議論しなければいけないのだけれども、それはうまくいかないというのが私の理屈です。
櫛木委員
 今、属人性、人の問題、人材育成とありますけれども、やはり基本的にCMMでもそうですが、組織力で議論されている。レベル12345とあるのは、全部組織成熟度というのを評価基準でやる。これはソフトだけではなくて、経営品質もそうですし、全部組織成熟度が評価の基準になっている。だから、部だけでコントロールできるのはレベル2だし、事業部を乗り越えてコントロールできたらレベル3か4だし、他社を自社のようにコントロールできたらレベル5だという評価であって、したがって組織力全体がどれだけ多くの人たちを、また多くの文化、会社をコントロールできるかということで決まってきているという状況だと思うのです。だから、今いわれている組み込みソフトの問題も、組み込みソフトのコーディングレベルの議論はあるのだけれども、そのコーディングレベルそのものも、組織を乗り越えてそのコーディングが共有できるかという、属人性の排除というところでつながっている議論だと思うのです。
 そうしたときに、今出てきました中国、インド等々、日本のベンチマーキングという見方をすると、インドをばかにしていたら、インドの方がCMMのレベルは5をとったと。レベル2の会社がインドを使いにいくと、使いこなせない。仕様書自身もちゃんと切れないと、こんな現象が起こっているわけで、したがって日本の国としてどうするかということ自身、そういう組織力をもった会社なり、実際にソフトを生産する現場が育たないといけないということだと思うのです。そうすると、それをいかに、どうやって日本の国として育てるのか。そういう組織力全体を育てるのかということになると思いますので、そうしますと、人材の育成もさることながら、組織力形成というのをどうするかという議論になって、それに対するアウォードをどうするかとなると、経営でいったらマルコム・ボルドリッジ賞みたいに、日本ではJQAがありますけれども、そういうことも1つ、ソフトの開発という意味で考えられたらどうかと。
 また他国とのそういうソフトウェア組織力というもののベンチマーキングもいろいろな角度からされて、公表して、トップランナー方式で、そういう組織力のある、ソフトウェア開発組織力のある企業とか団体を育てる。個人ではなくて、団体を育てるということも大事なのではないかと。そこに非常に重要な、今の目指すべき方向があるのではないかと思うのです。これは経済産業省の方のミッションかもしれませんけれども、そういうものがIPA、またSECとどう関係するか。私、少し危惧しておりますのは、必要なのですけれども、ITの技術者の評価基準等々、そういうのが余りにも技術方法論ばかりに行き過ぎまして、そっちばかりに行き過ぎますと、本来の質を見失うのではないかという気がします。そうなると逆の方向に、JQAでやっているような活動のあり方、団体組織としての評価、またそのアセスメント、組織そのものをアセスメントする指標、CMMでもアセスメントが非常に重要になっていますから、アセスメント項目が150、 200もあるということによって、組織全体がそれを評価して、自己研鑽のもと、組織を活性化していくということがありますので、1つはそういうアセスメントの方向に行かれるのも、SECセンターの非常に重要な方向ではないかと思います。そこにまた新しいSECセンターの行き方が、アセスメントができるということにおいて、あるように思います。
鶴保IPA・SEC所長
 今の櫛木委員のご意見なのですけれども、非常にその通りだと思うのですが、今、SECとしては、ISO9000以来、日本のソフトウェア産業がやや管理指向に走り過ぎていたというようなとらえ方をしていまして、やはり技術にスポットライトを当てないと、再生がなかなか難しいという判断で、当面はそのようになっているのです。最終的にはご指摘のとおり、何百人とか、そうなってきますと、これは個人技ではなかなか進まない、組織だということだと理解しています。
 もう1つ、松山先生のご指摘の件は、ソフトの問題は2つあるのです。1つはパッケージだとか、そういう起爆剤のようなソフトがなかなか日本にない。昔はOSという議論もあったのですが、OSはもうしようがないかという議論もあるのですけれども、それにしても繰り返し使えるような固まりのようなソフトがない。それは未踏とか、そのような人材で突破してもらう。もう1つは、やはり今、櫛木委員のご指摘のように、もう大量に作らないといけない。ともかくです。チームでやらないといけない。しかし、中でやっているのは個人だという問題ももちろんあるのですけれども、そこの2つを分けて、我々は取り組んでいると、そのように考えています。
松山分科会長代理
 多分、いわゆる昔の何とか重工みたいな感じ、社会基盤のところは受注生産、特注品というのでやってきた。もう1つは家電製品みたいな形で、あまねくどこでもコンセントを入れてボタンを押したら使えますよというパッケージ化という話と、そういう2つがあると思うのです。例えば見積もりなどというのは、受注生産のというのが、暗黙のうちに想定されたりしていると思うのです。そういう意味では、多分、SECとして、ではパッケージに関してのスタンスはどうなのか。それは未踏でやっていくのだということでいいと思うのですけれども、何かそのような説明が、もう少しスタンスとしてあると、戦略としてはっきりみえるなという感じはするのです。そうすると、今、櫛木委員がおっしゃったように、組織の話とか、そういうものと――実際にはなぜかというと、パッケージではないですから、使われる状況も組織の中で使われる。工場、オフィス、全部含めてです。そうすると、それ自身が組織としてもっている特性というのを踏まえないと、ソフト自身が作れないという話で、安西先生にはこの前、いったのだけれども、私はソフトに人間的なファクターを入れないといけないというので、ヒューマンウェアとかいうのをこれから作っていくというのが本質だろうと。ヒューマンウェアというのは、人材マネージメントもそうなのですが、やはりソフトウェアと属人的というのは作る人ではなくて、ソフトウェアと人の絡みのところで初めて機能するというのが本当の社会システムとしてのソフトウェア開発になってくる。そうすると、当然、使う人たちに対する評価項目というのがない限り、そのソフトウェアの評価というのはできないでしょうという感じで私は理解しているのです。そういう意味で、ちょっと思いを込めているようなことになっているので済みません。
池上委員
 実はきのう、大変なことが起きていまして、それはどういうことかといいますと、MITは既にコースウェアを交換していたのですが、今度日本として、これは慶応が裏方になって、オープンコースウェア、これは東大、京大、阪大、東工大、早稲田、慶応でしたか、今のところ。実はもうウエブでアクセスできるのです。これをご覧になりますと、いかに日本が、少なくともソフトウェア工学という点ではほとんどない、昨日見た感じにおいては。同時に、MITは既にビデオも送っているわけです。ちょっと思いつきで申しわけないのですが、本当はSECで何か標準的なコースウェアを作るという手もあります。そこに登録してしまうわけです。使う、使わないは先生に任せますというやり方です。と申しますのは、ソフトウェア工学というのは、日本の中では何かうさんくさい人がやっているという感じなのです。どうも暗いイメージです。SEというと暗いですからね。今、格調高いイメージをもっているIPAがおやりになれば、皆さん、これはひょっとしたら格調高い話かもしれないというようなことで、もう一度寄ってくる可能性がある。そういう意味で、ぜひ、やはり大学の先生にアピールしてもらうというのは重要でしょうね。そんなようなことも来年度の計画の中にお考えになっていただいたらいかがでしょうか。
松山分科会長代理
 済みません、私がいけないのですが、予定の時間を今、過ぎたところでございまして、特にご発言なければ……
池上委員
 1つだけ。来年度は中小企業のことが書いていないのですけれども、もう切り捨てるということでしょうか。
藤原IPA理事長
 いえいえ、時間がなくてご説明できなったので、申しわけございません。IT人材育成のところの18ページに書いております。IT経営応援隊とか、CIO教育の実施とかいったことでやっております。
桑田IPA理事
 18日から発表させていただくのですけれども、結構地方の中小企業でもITをうまく使って、業績も上がっているというのが日本にこんなにあるのかというぐらいで、豊田局長にも選んでいただいたのですが、我々としては、これを次の、今年、この人たちに協力を仰いで、全国の伝道師としてやっていただこうと思っています。そういう意味では、日本の中小企業というのはやはり大したものだなというのをもう1回見直したというのが正直なところです。したがってそれを核にしながら、従来、束ねてきた手法を使ってもう一段、バージョンアップしたいと思っています。
池上委員
 地域とセットにしてよろしくお願いいたします。
松山分科会長代理
 それでは、時間も超えてしまいまして、いつも思うのですが、これだけの先生方、こうやってお集まりいただいて、これだけ資料があって、何かもったいないなと思うのです。余りオープンでやるといけないかもしれないけれども、もうちょっと懇談会みたいなのをすると、私も非常に刺激的で、この会をすごく楽しみにさせていただいておりまして、何かそんなのもまた……。何となく次もなかなか苦しい分科会だと思いますので、何かの機会がありましたら、ぜひとも勉強させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 本日の議題はこれで終わりですが、事務局の方から今後の予定等、お知らせをお願いしたいと思います。
小林情報処理振興課長
 今後のスケジュールにつきましては、冒頭ご説明したとおりでございます。これから追加資料のご送付なり、先ほど阿草委員からもご指摘ありましたような、計画との関係でわかるような形の資料、あるいは財務諸表のご配付なりご説明というのをさせていただきまして、7月上旬ぐらいに評価表をいただければということでございます。中旬に第2回目の分科会をさせていただければと思います。
 それから本日の資料、非常に大部でございますので、こちらの方から送らせていただきます。置いておいていただければ、後ほどご送付申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。
松山分科会長代理
 どうもありがとうございました。
 それでは以上をもちまして第6回の分科会を閉会させていただきたいと思います。本日は遅くまで、どうもありがとうございました。
――了――
 
 

最終更新日:2006年11月6日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.