経済産業省
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審議会・研究会

独立行政法人評価委員会情報処理推進機構分科会(第1回)  議事録

平成15年8月6日(水)

【嶋田情報処理振興課長】
定刻となりましたので、これより独立行政法人評価委員会第1回情報処理推進機構分科会を開催させていただきます。
本日は御多忙のところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。
私は本分科会の事務局を務めさせていただきます経済産業省情報処理振興課長の嶋田でございます。どうぞよろしくお願いします。
当分科会の分科会長については規則により互選となっておりますので、分科会長が決定されるまで、事務局といたしまして、私が議事を進行させていただきます。
最初に、独立行政法人評価委員会の会議、配付資料、議事録、議事要旨の公開についてでございます。これは関係法令で決っておりまして、それぞれ会議は原則非公開、配付資料、議事録及び議事要旨は原則公開とされておりますので、これに基づいて運営させていただきます。
議事開始に先立ちまして、商務情報政策局長の豊田から一言ごあいさつを申し上げます。
【豊田商務情報政策局長】
御紹介いただきました商務情報政策局長・豊田でございます。
まだ就任いたしまして4日目でございまして、そういう意味で新参者でございますが、前局長・林ともどもよろしくお願い申し上げます。
お忙しいところ、本日、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。第1回情報処理推進機構分科会ということで、独立行政法人情報処理推進機構の中期目標について御議論をいただくということでお集まりをいただきました。
既に皆様も御承知のとおり、情報処理振興事業協会(以下、IPAという)は、来年1月5日に独立行政法人情報処理推進機構として新たな船出を迎えることになっております。独立行政法人は、組織、人事、予算といった面については、これまでの特殊法人などと比べますと柔軟な対応ができるという利点がございます。一方、その事業成果につきましては厳格な評価を受けるという意味で、組織運営上の規律が重要になってまいります。このため、これまで以上に使命を明確にし、効果的、効率的な事業運営を図ることが必要になってきていると考えております。
ソフトウェアや情報システムは、これを提供する産業自体が成長産業であるわけですが、それのみならず、戦略的な活用が企業、国全体の競争力を左右する重要なものだと考えております。
独立行政法人情報処理推進機構は、ソフトウェア及び情報システムの健全な発展を支える専門家集団として日本経済の発展に貢献することが期待されているわけでございます。情報処理振興事業協会が独立行政法人となることを受けまして、その事業運営の評価機関である本分科会も独立行政法人とともに歩んでいっていただくということになるわけでございます。
まずは、私どもとして独立行政法人情報処理推進機構が果たすべき役割について、中期目標の策定等、独立行政法人化に向けた準備を行っていくことになるわけでございます。本日の分科会は、そういう中で中期目標を審議していただくということでございます。お集まりいただいた委員の方々に忌憚のない御意見をいただきまして議論を進めていただきたいと考えております。
委員の皆様には、独立行政法人情報処理推進機構のさらなる発展に向けて、事業に対する御理解と厳格な御評価をお願い申し上げまして、本日のごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。
【嶋田情報処理振興課長】
本日は第1回目の分科会でございますので、事務局から各委員の御紹介をさせていただきたいと思います。私どもから座席向かって左側からお名前を読み上げさせていただきます。
名古屋大学大学院工学研究科教授の阿草清滋委員。
会津大学学長の池上徹彦委員。
日経BP常務取締役の太田民夫委員。
松下電器産業取締役常務の櫛木好明委員。
ガーラ取締役会長の村本里恵子委員。
私の隣におられますのが慶応義塾長の安西祐一郎委員でございます。
なお、京都大学大学院情報学研究科教授の松山隆司委員につきましては、所用により本日は御欠席となっております。
次に配付資料の確認をさせていただきます。いろいろ資料がございますので、一々は読み上げませんが、資料は全部で10点でございます。右上に資料1から資料2、3とずうっと番号が振ってあります。それから、御参考といたしまして、特殊法人の整理合理化計画、関係法令などを配付してございます。資料は念おきして見たつもりですが、もし不足があります場合には、お知らせをいただきたいと思います。
議事に入らさせていただきます。
議題1として、当分科会の分科会長を選任いたしたいと存じます。
分科会長につきましては、経済産業省独立行政法人評価委員会令第5条3項によりまして、委員の互選により選任されることとなっておりますが、既に皆様方に御内意いただいておりますとおり、安西委員にお願いすることとさせていただきますが、よろしゅうございますでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
ありがとうございます。それでは、安西委員に分科会長をお願いいたしたいと存じます。安西委員、よろしくお願い申し上げます。
【安西分科会長】
分科会長ということで御指名をいただきましたので、諸先輩、皆様の前で恐縮でございますけれども、務めさせていただきます。御協力をよろしくお願いいたします。
公平で透明性の高い評価ということが大事だと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【嶋田情報処理振興課長】
今後の議事進行等につきまして、安西分科会長にお願いいたしたいと存じます。
また、議事進行に先立ちまして、経済産業省独立行政法人評価委員会令第5条5項にあります当該分科会に属する委員のうちから分科会長が指名する者がその職務を代理するという規定がございます。これに基づきまして、分科会長代理を安西分科会長から御指名していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【安西分科会長】
それでは、松山委員を指名させていただければと思います。本日、欠席で恐縮でございますけれども、松山委員にお願いしたいと思います。
【嶋田情報処理振興課長】
御了承いただいたということにさせていただければと思います。
本日、松山委員は欠席となっておりますので、私ども事務局から、御本人には御連絡をさせていただきます。それでは、議事進行について、安西分科会長、よろしくお願い申し上げます。
【安西分科会長】
それでは、議事に入らせていただきます。初めに、今回開催されることになりました情報処理推進機構の分科会開催の趣旨を改めて事務局から説明をいただければと思います。よろしくお願いします。
【嶋田情報処理振興課長】
お手元の資料2をご覧いただきたいと思います。大略は御存じだと思いますので、ポイントだけの御説明をさせていただきます。
特殊法人改革の中で、多くの特殊法人が独立行政法人に移行することとなりました。情報処理振興事業協会につきましても、去年の秋の臨時国会で法案が可決、成立いたしまして、来年の1月5日に独立行政法人情報処理推進機構、英語名では、1月5日以降も現在と同じIPAとして設立される予定となっております。
独立行政法人制度については、改めて御説明するまでもないと思いますが、一言で申し上げると、予算や人員について今までに比べて法人の裁量が大きくなる一方で、客観的かつ外部の方から厳正な評価とチェックを受けるというもので、国そのものではないが公共上の見地から必要な業務について、事業主体として自律性、自発性、透明性というキーワードのもとにやっていくというものでございます。
具体的に、今申し上げた客観性、外部評価ということを担保するために置かれていますのが評価委員会でございまして、3.にありますように、業務の実績に関する評価、その評価基準の作成及び、これに基づく評価等を行うための委員会を置くとされております。
資料2の最後のページをご覧いただきたいと思います。経済産業省にはいろいろな独立行政法人がございまして、本委員会という形で、いろいろな独立行政法人を横断的にチェックする評価委員会が置かれております。その下に各分科会がございまして、法人ごとに幾つか束ねられたり、一つの法人に対応した分科会がございます。きょうお集まりいただき委員にご就任いただいておりますのは、情報処理推進機構分科会というものでございます。
具体的に何を決めるのだということについては、資料2の2ページ目でございます。法律に基づきまして、この評価委員会で何をするかというのが決っております。評価基準、業務方法書、中期目標、さらに中期計画等の策定に関し審議をしていただき、最後に事業の評価も行うという一連のプロセスでございます。
今後のスケジュールでございますが、3枚目をごらんいただけると、情報処理推進機構分科会と評価委員会の関係のスケジュールが書いてございます。きょうが第1回の分科会、8月6日。きょうは、中期目標と独法IPAの評価基準について御審議をいただく。きょう結論をいただくということではございませんで、御審議をいただいて意見をちょうだいし、それに基づいて私どもが見直しをして、パブリックコメントにも付して、第2回の分科会、これは9月の中旬から下旬に予定しておりますが、ここで決定をしていただく。それを今度、評価委員会にかけて了承していただくといった手順でございます。
その他に11月下旬には、さらに中期計画、業務方法書、役員報酬の支給基準、こういうものについて御議論いただいて、また本委員会にかけ1月5日に発足するというスケジュールでございます。
年が明けた以降は、それに基づいて年に1回、今度は具体的にパフォーマンスがどうだったかという評価をしていただくプロセスに入っていくわけでございます。資料2については以上でございます。
【安西分科会長】
ありがとうございました。事務局からの説明について、何か御質問等ありますでしょうか。
よろしゅうございますか。それでは、次の議題に入らせていただきます。
この分科会では、独立行政法人としてのIPAの評価を行っていくわけでありまが、まずは現在の特別認可法人情報処理振興事業協会の事業概要を藤原理事長から御説明いただき、また、昨年の公益法人改革で、独立行政法人となるIPAに移管が決っております財団法人日本情報処理開発協会情報処理技術者試験センターの事業概要につきまして、試験センターの生田所長から御説明をいただきます。この2件の御説明を続けていただきたいと思います。まずは藤原理事長、よろしくお願いします。
【藤原IPA理事長】
ただいま分科会長から御紹介をいただきましたIPAの藤原でございます。どうかよろしくお願いいたします。座らせて説明させていただきます。
お手元にございます資料3-1と、私どもの作成をいたしました事業概要という色刷りのパンフレットがございますので、それに基づきまして簡潔に御説明をしたいと思います。
まず、2ページを開いていただければ大変ありがたいと思います。
その前に、自己紹介をさせていただきたいと思います。7月1日から前理事長の村岡の後を継ぎまして就任をいたしております。1カ月ちょっとたったばかりでございます。その前、8年間はシャープ株式会社に勤めておりまして、民間企業の厳しさ、特に大阪、関西企業のアントルプルヌールシップに基づく事業経営といったものの一部に触れさせていただいたわけでございます。民間の経験を生かして、コスト、スピード、それとパフォーマンス、この三つを標語にして、この協会の運営に当たってまいりたいと思っておりますので、よろしく御指導をお願いいたしたいと思います。
2ページ以降でございますけれども、私どもの協会は昭和45年10月1日に設立されております。したがって、もう33年に近くなろうとしている古い協会でございます。事業規模は152億円でございます。国からの財政支出と自己資金等いろいろございますけれども、合わせまして152億円。役員の数は6人。理事長が1人、理事3人、監事2人、うち非常勤監事が1人。これが独法化しました暁には、理事長1、理事が1人減りまして2、監事2という体制になります。
それから、定員は78人ということになっております。そのほかに、企業からの出向者あるいは研究員といった形で、実質的には180人ぐらいの職員が働いているという状況でございます。
私どもの事業は四つの柱からなっております。第1にソフトウェアの開発分野。これが92億円ということでございます。民間のみでは十分に開発が期待できない重要かつ公共性の高いソフトウェア開発、これを私どもは開発するのではなくて、民間企業が開発するのを支援するということを行っております。これは後で若干詳しく御説明をさせていただきます。
それから、債務保証。担保を有しない中小・ベンチャー企業が多く存在するため、彼らに対して私どもが技術評価をいたしまして、資金の調達を支援するということでございます。100億円の保証基金を持っております。
もう一つ、近年、非常に重要性を増しておりますのが、この情報システムのセキュリティ、信頼性、安全性に係る基盤整備でございます。これが12億円の予算で15年度は実施することになっております。ウイルスあるいは不正アクセスといったことから情報化社会を守る。それに伴いまして、情報セキュリティに関する情報収集とか調査分析とか、知識の普及といったことを行っております。これも後で御説明します。
もう一つは人材育成でございます。これは読んで字のごとしでございまして、18億円の予算を取って実施しております。
それから、次のページの3ページでございますけれども、他法人から移管される業務。これは情報処理技術者試験業務でございます。これは後ほど生田所長から御説明をいただくことになっております。
もう一つは情報セキュリティ認証業務というものでございます。これは、あまり時間をとるつもりはありませんけれども、こちらのパンフレットを見ていただきたいと思います。ページが非常に下の方で恐縮ですけども、下の隅にページを打っております。12ページを見ていただければありがたいと思います。
情報セキュリティ対策等ソフトウェアの信頼性・安全性確保というタイトルの下の部分でございます。現在、経済産業省の委託を受けて、セキュリティにかかわるもの、ものというのはブロダクツでございます、これはハードウェア及びソフトウェア両方含んでおりますけれども、それがISOで決められた基準に合致しているかどうかといったものを認証しているわけでございます。現在、独立行政法人製品評価技術基盤機構、略称NITEといっておりますが、ここがその任に当たっております。
メーカー、ベンダーというのは、例えば松下さんとか、シャープさんとか、富士通さんであり、評価機関というのは、民間のJEITAなどの評価機関でございまして、製品評価技術基盤機構というところが認定をしまして、「あなたのところはそういう評価をする能力がありますね」、「こういう基準に基づいて評価をしてください」という認定をするわけであります。その認定をした結果がきちんとNITEによって示されている基準に合致しているかどうかというのを認証すると、サーティフィケイトを出すというメカニズムでございます。
現在はIPAが技術的支援をNITEに対して行っておりますけれども、来年度からIPAがNITEにかわって認証申請、個別製品ごとに認証の証明書を与えるという役割を担う予定であります。
ちょっと下の方に、ややこしいことを若干書いてありますけれども、「更に、我が国IT製品の国際競争力確保等のため、欧米諸国を中心に16カ国が参加している国際相互承認(CCRA:Common Criteria Recognition Arrangement)」に参加をするということで、今現在動いておりますNITEが、この秋には参加できるという見通しが立ってまいりました。私どもは、その地位を承継いたしまして、Common Criteria Recognition Arrangementの中に入っていくわけでございます。
そうしますと、ここで得られた私どもが出しました証明書は、この16カ国で通用していくということでございます。そこに物を輸出するといった場合に、セキュリティについては、IPAの証明書がついていれば、向こうの証明書は要らない。こういう相互承認の体系の中に入っていくということでございます。
4ページでございます。第1の柱でございますソフトウェアの開発分野で、次のページにもわたりまして、いろいろ書いております。一々は申しません。それぞれの名前もいろいろつけておりますけれども、ソフトウェアの開発も実用化に近い部分を支援する部分と、ソフトウェア開発の基盤になるような部分を支援する分野に分かれているとお考えいただければわかりやすいのではないかと思っております。
例えば最初の次世代ソフトウェア開発事業というのは、3~5年先に花開くであろう応用技術の基盤を今から開発しておく事業であり、重点領域というのは、今の重要な領域である健康とか安全とか、今の社会情勢の中で非常に重要な分野に即効性のあるようなソフトウェアを開発することを支援しようということでございます。特に中小・ベンチャーに対しては、中小ITベンチャー支援事業というのを今年度から始めることになっております。
それから、次の5ページでございますけども、オープンソフトウェア活用基盤整備事業というのがございます。この15年度から経済産業省は予算をとっていただいておりますが、リナックス等のオープンソフトウェアの活用を前提としたソフトウェアの開発を支援するものです。それから、ビジネスグリッドコンピューティングというのがございます。御承知のとおり、ビジネスグリッドコンピューティグにより、大きな計算能力を蓄えようということでございます。既に7月15日にビジネスグリッドコンピューティングの運営会が発足しておりまして、着手をしているわけであります。
2番目の柱が債務保証でございます。これは100億円の信用基金をいただいておりまして、理論上は700億円強の保証ができるということになっているわけでございますが、まだまだ保証の拡大に努めていく必要があろうかと思っております。資本金は100億円あるんですが、30億円内外をうろうろしているということでございます。これを拡大していくことが一つの大きな課題であります。
次に、6ページがセキュリティの分野でございます。一つは、皆さん、目にとまっているかもしれませんが、NHKとか新聞紙等で、今月のウイルスの発見された件数は1,500件でしたとか、こういうウイルスは特徴がありまして、MSのすべてのバージョンにわたって脆弱性を突くようなウイルスがありますから、発表されると、早くその対策を取るべしとか、そういったことを常時流しております。そういったウイルスについての情報収集、分析、それから不正アクセスに対する対応策、そういったことをやっております。
2番目に、暗号技術。暗号につきましては、電子政府を樹立していくためには大変重要な分野でございまして、CRYPTRECという閣議決定に基づく委員会におきまして、経済産業省、総務省とが御一緒にやっておられる委員会でございますが、それに私どもは事務局、TAOさんと一緒にやりまして、3年かけて、ここに書いておりませんが、暗号については29方式がいいんじゃないのかという評価をいたしました。89方式を評価して、29を推奨したというわけであります。
それから、内閣官房、それからNISTというアメリカのNational Institute Standards and Technologyという関係機関との連携を強めております。
もう一つは、ソフトウェア評価基盤整備事業というのがございます。ソフトウェアを開発するプロセス自体の改善評価、そういった手法が非常に重要になっております。そういったことで、その調査研究開発を現在行っております。具体的にはアメリカのカーネギーメロン大学のSoftware Engineering Instituteというところがございまして、そこと連携をとりながら、日本にもCapability Maturity Model、CMMと言っておりますが、そういった形が変容された形で受容できるのではないかという仮説をもって現在、作業を進めております。
次に、人材育成の分野でございます。7ページでございます。未踏ソフトウェア創造事業という事業を行っております。これはプロダクトマネージャーという制度をとっておりまして、例えば大学の先生が、自分が専攻している分野で非常にすぐれた、アッと驚くとは言いませんが、これはものになるだろうというテーマを発掘あるいは審査をしまして、それに基づいて相当遠い将来の未踏、今までやっていない分野でのソフトウェアの開発を行う方々を支援するということで、非常に天才的な研究者、スーパークリエータと言っておりますけれども、そういった方々を発掘しようというのが、この制度の趣旨でございます。平成14年度までに28名のスーパークリエータを認定しておりまして、これをさらにふやすということが大きな使命であると思っております。
それから、ITスキル標準策定・普及事業等の人材育成事業というのがございます。ITスキル標準というのを現在、経済産業省は進めておられまして、ほぼ完成に近づきつつあるわけでございますけれども、これはITスキルを、ここに書いておりませんが、11の職種に分けまして、38の専門分野を特定して、例えばシステムエンジニアとか、そういった分野であれば、その方を7段階のレベルに分ける。例えばレベル3とレベル4の人は、こういった知識と訓練を経ている必要があるんだという、そういった標準化をやっているわけであります。
私どもはITスキル標準センターというセンターを設けておりまして、これの普及啓発やそれを取るに必要な研修ロードマップなどを現在開発いたしております。
もう一つ、ITSSPという、横文字ばかり並んで恐縮ですけれども、IT Solution Square Projectと下に書いておりますけれども、これは中小企業のIT化を支援するITコーディネーターという方々を認定いたしまして、3,000人ぐらいいるわけですが、その方々が中小企業に対し、セミナーや交流会、あるいは個別訪問をやったり、中小企業のIT化を支援するものでございます。
その他にも、教材開発等も行っております。
以上が私どもの現在行っております事業の概要でございます。8ページ以降、私ども、これまでの事業の有効性、組織の効率性を高めて費用対効果の極大化を追究する必要があるというふうに思っております。特にBusiness Process Reengineeringという観点で、常に業務革新を行うということで、事務的管理から知的経営へと書いております。
その次のページでございますが、9ページでございます。どういうことをやるんだということですが、なるべく、開発後のフォロー体制、フォローも含めて実用化、本当に役に立って実用化されているのかということを念頭に置いたことを行っていきたいと考えております。
それから、公募対象分野を絞り込むということで、生活・公共分野及びセキュリティ対策及びソフトウェアの信頼性・生産性向上技術、そういったことに絞り込んでまいりました。
それから、プロジェクトマネージャー制度の導入という、これはもう既に御説明をいたしましたが、技術・マーケティング・プロジェクト管理等に専門的な知見を有するプロジェクトマネージャーを配置いたしまして、この方々に大きな権限を与えて進めていくということでございます。
10ページでございますけども、組織運営につきましては、組織のフラット化、決裁プロセスあるいは電子決裁、電子決裁は今導入しておりますが、それから、組織の再編、常に組織を再編していこうと思っております。それから、システム化。人事管理の改革。これは成果主義、既に一部導入されておりますが、まだ強化できる分野があれば探してまいりたいと思っております。それから、開発業務の合理化。これも予定価格の算定制度を向上したり、期間を短縮したり、検収につきましても膨大な文書を要求するのではなくて、成果物によって文書負担を軽減すると、そういったことをやってまいりたいと思っております。
最後でございますが、11ページに、自己評価制度・評価委員会というのがございます。きょう出席いただいております先生方の中にも、私どもで独自に昨年やりました評価委員会で随分建設的あるいは大変真摯な御指摘をいただきました。長尾先生を長といたします評価委員会を設置いたしまして、私どもは、その評価に基づいていろいろな改革をやろうと思っております。非常にレスポンスを高めるというつもりで、そういったことを行ってまいりたいと思っておりますので、この評価委員会で指摘された点につきましては、私ども責任をもって実施してまいりたいと思っております。
どうかよろしく御指導のほどをお願いいたします。以上でございます。
【安西分科会長】
ありがとうございました。続けて、試験センターの生田所長に説明をお願いします。
【生田情報処理試験センター所長】
試験センターの生田でございます。よろしくお願いいたします。
資料4-1の資料をお開きください。それに基づきまして御説明いたします。
試験センターは現在、財団法人日本情報処理開発協会に属しております。試験センター設立は昭和59年。試験自身が始まったのは、先ほどの御説明でもありましたが、昭和44年ということで、15年ほどは国が直接試験を実施されていたということであります。途中から試験センターが代行機関のような形で試験を実施しております。ただ、経済産業大臣の合格証書が合格者には出るという形で運用しております。
予算は51億円。今年、9カ月の予算が51億円でございます。来年1月5日以降の約3カ月分につきましては、その繰り越しという形で、この中に予算が入っております。年間、ほぼこの程度の予算であります。今年は通常の年に比べまして、移管のための経費、いろいろなシステムの開発とかそういうことで予算は脹らんでおります。
役員、私が一人、職員が71名、現在ございます。移管までの間に退職とか、それにかわる代替要員の採用が予定されておりまして、入れ替えはございますが、当面、この人数での移管を進めております。
試験事業費。実際に試験を行う事業費は37億円。試験事業の大まかなところは、問題をつくることと試験の会場手当というところでございます。春秋、4月、10月に行っております。
それから、その予算の中で一部、アジア展開という形で、現在8カ国と結んでおりますが、アジア諸国と試験の相互認証をやっております。そのための予算を国から委託費として受けております。1億少しございます。
次のページをお開きください。事業概要ということで、今申しましたが、44年に創設されて、国家試験が実施されていた。現在、300余りの会場で試験を年2回実施しております。年間に約80万人の受験者がございます。受験料は5100円でございます。14年度までの応募者累計で、応募者というのは実際受験した人でありませんで、申し込んだ人ですが、1,000万人を超えております。合格者が115万人ということであります。
その次のページをお開きください。現在、試験区分はずっと充実してまいりまして、13の試験区分があります。80万人のうち、大雑把に言いまして、3分の1が一番下の基本情報技術者試験というところの受験者です。昔のプログラマーの2種です。それから、3分の1弱が右下の初級システムアドミニストレータ。これはプログラムを組むのでなくて、ユーザー側のニーズがある試験であります。残り高度の試験を全部合わせまして、3分の1。こういった試験区分になっております。入り口のところで大きく2つに最初のところは分かれているということでございます。
次のページをお開きください。私どもの試験の一番根幹は試験問題。時代の要請に応じて、絶えず最高水準のレベルにマッチした試験問題をつくっております。非常に手間をかけた試験。これによってクレディビリティが高くなってきたわけでございます。
試験委員という形で、約400名の方々が私どものセンターに来ていただいて、直に毎晩作っていただいているということであります。私ども職員自身は、そういう意味で試験問題は作っておりません。そのアシストをする事務局ということであります。その作業を毎晩やっているということであります。ほとんどは民間企業の方々、大学の先生方も若干ございます。
次のページをお開きください。受験者の人数です。先ほど3分の1と申しましたが、その構成はこんなふうになっております。一番右が昨年度の受験者であります。順調というわけではありませんが、一時落ち込んだこともありましたが、昨年では80万人の受験者が我々の試験に応募していただいているということでございます。この分野の試験では、恐らく日本でも最も大きい試験になっております。
その次のページをお開きいただきます。民間IT技術者試験との共存という形で、私ども国家試験でありますが、国家試験としてインフラ的にこうした試験制度を非常に低廉な価格で提供しております。それが図の下の方で、我々の試験のところでありますが、上のところで民間の試験も当然ございます。ベンダー試験と我々は言っております。自社製品の利用技術といった専門的な分野に限った試験です。もう一つ、民間の場合は教材ですね、ラーニングコースとリンクした形の試験が多くなっておりまして、そういったところで我々とは違っております。そこは、それなりの特徴を持ってやられているということでございます。
簡単でございますが、説明は以上でございます。
【安西分科会長】
ありがとうございました。ただいまの説明について何か御質問はありますでしょうか。
【太田委員】
先ほどの理事長のお話で、いつも話題になるかと思うんですが、これからの議論でIPAのカバー範囲ですね。中期計画とか評価基準を決めるに当たって、例えば9ページの公募対象分野の絞り込みということで、生活・公共分野及びセキュリティ対策とソフトウェアの信頼性・生産性向上と。これは、ある意味では雑誌で言えば編集方針とか、会社で言えば定款ないし事業戦略の基本だと思うんですけど、これを前提に我々は評価すればいいのか。
【安西分科会長】
現事業の概要を御説明いただいたわけでありますが、これから、この評価委員会の仕事は、独立行政法人に向けて中期計画、評価基準等々を御審議いただきまして、独立行政法人が始まってからは、その評価自体をやっていくということだと理解しておりますが、その辺を説明いただきますか。
【嶋田情報処理振興課長】
太田委員からあったお話は、どの分野に重点を置くのかというドメインの話という理解でよろしいですか。
【太田委員】
そうですね。
【嶋田情報処理振興課長】
これについては、いずれこの中期目標をうけた中期計画をつくります。その一連のプロセスの中で、どこに書いていくかというのは決めていきたいと思います。
ただ、先ほど理事長から話のあった今現在の絞り込みは、委員会もつくって決めて走っているものでございまして、むしろ今後の事業評価の中で御議論いただければと思います。
【櫛木委員】
予算の問題ですけれども、事業規模は152憶円で、そのうち財政支出72億円ということですけれども、この評価委員会では、予算の配分問題とか、この業務内容等についても評価対象として議論の対象になるんでしょうか。
【嶋田情報処理振興課長】
具体的に中期目標、中期計画の中で予算の詳細まで決めるということはいたしませんが、どこにプライオリティを置いて事業を進めていくのかということは御議論いただき、それに基づいて、具体的な数字で幾らということではないですが、重点的にどこをやっていくのかことになっていくと思っております。
【安西分科会長】
ほかに御質問はありますか。よろしければ、本日の議題の中心であります独立行政法人情報処理推進機構の中期目標案の審議に入らせていただきます。
中期目標というのは、独立行政法人通則法の第29条に基づくものでありまして、経済産業大臣が独立行政法人IPAへの指示等に関し定めるという条項であります。事務局から御説明をいただきまして、中期目標案について審議をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【嶋田情報処理振興課長】
それでは、資料7をごらんいただきたいと思います。資料5でポンチ絵がございますが、これは資料7を説明した後に説明をさせていただきます。
資料7が、分科会として今回御議論いただいて、次回決定をいただきたい中期目標のたたき台でございます。中身について御説明をさせていただきます。
1枚目は前文で、そもそもソフトウェア・情報システムの位置づけ、それを踏まえてIPAがどういった役割を果たすかということを前文で書いてございます。具体的にどういう機関、どういう組織となるのかというのは、その下の方でございますが、1と2。
一つは、産学官連携のための基盤を提供する組織。具体的に言うと、(1)(2)(3)とありますが、一つはプログラム開発です。重要かつ公共性の高い、民間のみでは十分な開発が期待できない分野のソフトウェアの開発。2番目がセキュリティ対策とかソフトウェアプロセスの改善の強化を初めとした安全性、信頼性の確保にかかわる基盤整備。3番目は高度なIT人材の育成、活用のための基盤整備。この三つに重点を置いて質の高いサービスを提供していくということが前文でございます。
具体的な中身につきましては2枚目以降をごらんいただきたいと思います。まず中期目標の期間であります。原則5年ですが、試験センターの試験の実施時期の関係で、この独立行政法人は平成16年1月5日に発足となっておりまして、今回の期間は4年3カ月の平成20年3月31日までを念頭に置いております。
具体的な中身は3本の項目で書くことが決まっておりまして、一つ目がIIの業務運営の効率化に関する事項、いわばBBRに属するような事項がメーンとなります。2番目が、3ページのIIIであります具体的なサービスその他業務の中身、あるいはその質の向上です。3番目は財務内容の改善に関する事項でして8ページにございます。そういう3つの柱で中期目標ができ上がっているということを御理解いただきたいと思います。
まず、2ページ目の業務運営の効率化に関する事項について御説明を申し上げます。まず組織と人材の活用でございますが、これは三つございます。
一つはタスクフォースや部門間連携。せっかく独立行政法人になって、ある程度自由にできるようになるので、組織、人員配置も含めて柔軟な対応を図る。柔軟かつ効果的な業務運営が1つ目。2つ目は、外部専門人材の積極的な活用です。現在もここ3年ぐらいでプロジェクトマネージャーとして、諸先生を初めとしまして、その道の第一人者の専門家にやっていただいおり、実質的にプロジェクトの発掘からプロジェクトを終えるところまで面倒を見ていただいております。そういう外部専門人材を積極的に活用して、組織のパフォーマンス向上に努めるということであります。3つ目は、既にIPAの中では始めておりますが、職員について業績給をきちんと入れていって、それを人事配置あるいは処遇に適切に反映していく。民間企業に近づけた処遇あるいは人事になるということです。
次に各事業の運営につきましては、1つ目はソフトウェア開発支援事業については、ITに関連する内外の動向を把握した上で、支援すべき重点分野の絞り込みを行って効率的な資源配分を行うこととしております。先ほど御指摘がありましたように、具体的にどの分野かという話については今後御議論をいただければと思います。2つ目は、事業の採択についてであります。これは実はさまざまな不満がありまして、実際に提案公募しても、契約まで半年近くかかってしまうという話もあり、中期計画の中できちんと目標の期間を決めて、採択に至る期間を可能な限り短縮をして、契約者にとっての利便を図っていくというふうにしていきたいと思っています。その他は単に提案公募に限らず、むしろ効果が高まる場合には提案公募以外の採択方法についても検討するということを考えております。3つ目は、単年度主義でやっていると、例えば毎年6月に募集をして、その年度中に締めるということをやっていると場合によってはビジネスチャンスを逃すという話もありますので、年度を超える契約を締結するなどの弾力的な運用を図ることとしております。四つ目は、業務の電子化であります。IPAはかなり率先して進めており、独立行政法人の中でも一番進んでいると思いますが、役所全体の電子政府構築計画というのがあり、それに基づいて、さらにそれを深めていくということであります。五つ目、人件費を初めとする管理経費を中期目標期間中どの程度削減するんだという話につきましては、年率3%を削減していくこととしております。これは閣議の場で行革担当大臣からも各法人中期目標期間中に1割~2割の削減という話が出ており、それに併せ削減をする形にさせていただいております。
次に、2本目の柱であります中身あるいは業務の質の向上であります。1つ目のソフト開発分野につきましては、技術ロードマップを内外の専門人材を活用しながら、今後どのような技術が日本としての強みを持つために大事になるのか、今現状がどうなっているのか、どういう企業がそこに位置しているのか、いろいろな形で英知を結集してつくっていく。それに基づいて重点的にどこの分野に資金を投入していくかということを決めていきたいと思っています。それに加えて、積極的な標準化活動なども行っていきたいと思います。
具体的なプロジェクトについては、先ほど藤原理事長からお話のありました幾つかのプログラムがあるわけですが、次世代型のソフトウェア開発支援、それからオープンソフトウェア。これは、単にオープンソースだけではなくて、オープンアーキテクチャアを含めております。ちなみに、今の予算額で言うと、先ほどの紙と参照いただければわかりますが、次世代型については年間6憶ぐらい。例えばセキュリティに関する技術あるいはモバイル関連の技術、あるいは情報家電関連の技術とか、こういうところに重点を置いてやってきております。オープンソフト、オープンソースあるいはオープンアーキテクチャアの開発、支援については、今年度から始めておりまして、リナックスを初めとしたものについての開発、支援あるいは情報収集、発信等を実施しており、今後の4年間でも非常に大事な事業になるんじゃないかと思っております。次に大型プロジェクト。ソフトウェアについては、いわゆるナショナルプロジェクトというのは、昔、シグマプロジェクトというのがありましたが、その後、余りなされておりません。ハードをやっていく過程で、当然ソフトが相当大きなウエートを占めるリアルワールドコンピューティングとか、第5世代とかがありましたけれども、ソフト単独というのは今まで余りありませんでした。今年、先ほど話のあったグリッドコンピューティングプロジェクトというのを、これは富士通、NEC、日立の3社でコンソーシアムを組んで、3年間で総額150億円。官民で半々ずつ出すというプロジェクトを始めております。こういった形で、大手ベンダーにとどまらず、目標設定と出口をはっきりした形でのナショナルプロジェクトを戦略的な分野において、次の4年間、5年間の間に講じていきたいというのが私どもの思いでございます。
これは御意見いただければありがたいと思います。
その他公共性の高いソフトウェア開発についても、ここに書いてあるような形で実用化を目指すためのプロジェクトを実施してまいります。それぞれにつきまして評価、フォローアップ、効果分析、それの早期の情報公開ということをセットにしてやっていきたいと思います。
ソフトウエア開発支援の2番目でございますが、ITベンチャー支援。IPAではそれなりにやっているつもりではありますが、世の中からすると、まだ非常に認知度が低くとどまっております。債務保証とか、ソフトウェア開発支援とか、いろいろな仕組みはありますので、単にお金だけの支援ではなくて、いろいろなマッチングであるとか、あるいは、いろいろなネットワークへの紹介も含めて、パイプライン型の支援ができるようなITベンチャー支援をやろうと思っております。
債務保証につきましては、いろいろ使いやすくするための制度改革を図ってきております。IVとかVに書いてありますように、一つは、今までは金融機関から持ち込まれないとだめだったものを、各社から直接持ち込まれても対応できるようにいたしましたし、ソフトウェアの担保価値で融資あるいは保証ができるような担保価値の評価等も検討しております。こういった形で債務保証の活用をさきほどのベンチャー支援と絡めて、うまく活用していきたいと思っております。
大きな柱の二つ目は、情報処理システムの信頼性・安全性。セキュリティとバグのないソフトという分野でございますが、IPAの情報セキュリティセンターは97年に設立をいたしました。現在、非常勤も含めて、47名おり、かなりの専門家もいます。アメリカとの体制比較をしますと、アメリカではこういう技術的な側面はNISTという機関がやっております。NISTでやっているようなセキュリティの評価・認証、あるいは暗号技術開発といったものについては相当やってきており、その延長線上で、いわば情報セキュリティに関するいろいろな政府機関がございますが、それの情報ハブとなるような、あるいは、アメリカで言えば、先ほど申し上げたNISTのような存在感を持つ機関になってほしいと私どもは考えております。
具体的な目標はIからIVにあるような形で、今でもウイルスとか不正アクセスの登録機関としては日本で唯一のものだと思いますが、こうした機能をもっと普及して広く役立てていく、またセキュリティに関する評価・認証、暗号技術、認証技術を初めとするセキュリティ技術全般、あるいは標準化活動などをやっていきたいと思っております。
それから、(2)のソフトウェア評価基盤整備。CMMにとどまらず、ソフトウェアのプロセス改善について、競争力という観点からもっと力を入れていくべきだと思っております。
3番目の柱が人材であります。人材につきましては、10年ほど前に、日本はIT人材、特にソフトウェア人材不足に対応するために各地域にソフトウェアセンターをつくって、そのセンターで人材育成を図っていくということを行ってきましたが、人材の問題は量の問題から質の問題に変わってきていると思います。
それから、国の果たすべき役目も、そういう形で地方にいろいろな箱物をつくるということよりも、むしろどうやって業界共通のコンテンツをつくっていって、それに基づいて、今とは全く違う新たなアライアンスのもとにいろいろな人材育成をする、またいろいろな民間企業あるいは大学の努力を支援するという方向に変わってきていると思いますので、そういう方向に変えていくことに重点を置いて書かさせていただいております。
具体的に言うと、(1)のソフトウェア産業競争力強化のための実践的なソフトウェア開発技術を有する内外の優秀な人材を集結させる体制を整備する。おくれている分野があったら、Jリーグのように日本人、外国人こだわらず連れてくればいいじゃないかというふうに書いたつもりでございます。それから、ITスキル標準については、これを整備しそれを踏まえていろいろな人材育成をしようとしています。
それから、未踏ソフトウェアにつきましては、天才発掘と私ども呼んでおりますが、現在28人の成功例が出ております。あと4年の間に総計50人以上の発掘をするということを目標としたいと思っております。
それから、中小企業のIT化あるいは地域のIT化の支援。これにつきましては、ここにごらんいただくような形で引き続き業務をやっていきたいと思っております。
それから、先ほど説明のありました情報処理技術者試験。これは年間80万人が受けている試験でございまして、IT技術者としての必要な共通的事項についての知識、認定を体系的に行うという今のレピュテーションを維持しなければならないと思っておりますし、また、今は紙で行っておりますが、CBT(Computer Based Test)という形で試験の一部を変え、より試験として競争力のある形にしていきたいと思っております。これについては、アジア展開と絡んできまして、現在日本の情報処理技術者試験との相互認証をアジア8カ国と結んでおり、この相互認証により各国内で試験に受かった人が入国するときに、入管上、優遇される制度となっております。そういう形でアジア地域と同じ物差しでの情報処理技術者試験を通じIT技術者の人材育成を広めていき、アジア全体として人材育成を図っていくことに貢献することで、日本のソフトウェア産業の競争力強化にも役立てるということで考えております。
その他の項目ですが、政策当局との連携、ITにかかわる情報収集、発信。これは先ほど申し上げたような技術マップでありますとか、いろいろなITに関する情報収集、統計分析でございますね、それからプロジェクトマネージャーなど、専門人材に関する情報の整備だとか、いわば知識ベースをきちんとつくっていくというところにも重点を置いていきたいと思います。
それから、広報、事務の電子化。これは先ほど御説明したとおりでございますので省略いたします。
3番目に財務の改善に関する事項。これにつきましては、資産の健全化という観点からは、債務保証については、とにかく目標期間中の収支均衡、これは信用保証料や基金運用益と代弁済との関係で収支均衡になるように努めたいと思っております。
また試験につきましては、現在は赤字は出ておりませんが、80万人受けている受験者数が1割とか2割減少したりすると、損益分岐点の関係で赤字になる可能性もあり、結構リスクのある事業でありますから、これについてはきちんと財政基盤を確立して円滑な事業運営を図りたいと思っています。
それから、研究施設については、活用状況を公開し、使われていないものについては売却等の適切な方策に努めたいと思っております。
それから、債権回収業務についても、適切な回収を図ってまいります。
それから、地域ソフトセンター。これは全国で20ございます。国などから総額で80億円の出資を受けておりまして、現在ある繰越決算金の割合を可能な限り縮小させるべく努めていきたいと思います。ただ、倒産する以外であっても、地元の自治体が、その地域のソフトウェアセンターに対して役割を終えたので応援しないといった状態や、繰越欠損金が3年以上拡大するようなものについては、単に問題を先送りしてダラダラ伸ばすということではなくて、そこはむしろ整理をする方向で中期目標に挙げさせていただきました。
その他、自己財源の確保。それから、最後に人件費を削減するということを書いております。
次に、資料5をごらんいただきたいと思います。具体的に、どういう姿のIPAを5年後に実現しようとしているのかということを、あえて大胆にまとめてみたものでございます。
1枚目の現状のところでは、改革途上と書いてございますが、私どもの基本的な認識は、IPAの設立当時はソフトウェア産業の競争力強化を図るということが日本の産業にとって非常に大事だったわけですが、ここ数年で極めて状況が変わってきておりまして、ソフトウェアそのものが日本の産業全体の競争力を形成しているという側面が色濃く出てきているんだと思います。したがって、ソフトウェア産業のためのIPAということから、日本の産業競争力全体をにらんだソフトウェアそのものについての産学官の連携拠点としてのIPAという方向に変わっていかないと、十分に国から期待された業務を果たせる団体ではないというふうに私どもは考えております。
したがって、現状については、そこに書いてありますように、これはあえて書きましたので、いろいろな御議論あると思いますが、事業の中身を資金的に分析して見ると、ソフトウェア開発が相当大きなウエートを占めております。ソフトウェア開発にあたっては、企業から提案公募を受けてプロジェクトマネージャーの導入等によりそれなりに成果は上げているつもりでありますが、一方で、企業への資金をばらまいている機関だという批判があるのは事実でございます。
それから、個々のプロジェクト・テーマの一貫性、戦略性が十分でないために、先ほど申し上げたソフトウェア自体が産業全体の基礎となっているという時代に、産業競争力への波及力は本当にあるのかという疑問があるのも一部にございます。
セキュリティにつきましても、ここは認知度が高いと書きましたが、やっている業務の割に認知度は高くない。それから、分析機能。例えばアメリカのカーネギーメロンにありますSEIの中にCERTという組織がありますが、SEIでのセキュリティ業務は、セキュリティホールについての分析もきちんとやった上で発表している。日本は、その脆弱性の分析まではまだ至っておりません。アメリカの発表を持ってきて、少し分析をして出しているというのが今の姿だと思いますので、そういう分析機能の強化とさらなる進化が求められると思います。人材育成につきましても、いろいろな試みは始めておりますが、まだまだ不十分だと思います。
それで、2枚目をごらんいただきたいと思います。先ほど申し上げたような問題点で、今回の目標期間終了時に、私ども経済産業省がIPAに期待しておりますのは、次のような形でございます。
具体的に言うと、例えばセキュリティセンターというのがございまして、先ほど47名いると申し上げましたが、この7月からITスキル標準センターというのをつくりました。センター長は、ITスキル標準の策定をこれまでもやってきていただいた日本IBMの方にお願いしております。
こういう形で、その分野のプロフェッショナリズムを持っている方をセンターにそれぞれ来ていただいて、単に財源を企業に技術開発のために使う、あるいは人材開発のために使うということではなくて、みずからプロフェッショナリズムを使い、むしろIT機能だけではなく、製造業や政府自治体等といったユーザーサイドまで視野にいれた対応を図っていく機関に変えていきたいと思っております。
そのためには、セキュリティセンター、ITスキル標準センター、試験センターだけではなくて、プロセスエンジニアリングについてのソフトウェアエンジニアリングセンターでありますとか、オープンソースセンター、これは性格が違ってコミュニティの支援母体みたいになるのかもしれません。それから、ベンチャーについては、単に金を出すだけではなくきちんと面倒を見る、あるいはベンチャーキャピタルとつなぐという意味でのネットワークづくりの中核となるようなITベンチャーセンターなどを置かなければならないと思っています。
その上に、IPAの今の開発業務、あるいはソフトウェア知戦略センターと書かせていただきましたが、技術マップを含めた全体の戦略をつくる組織を置いて、海外の機関、例えばNISTやSEIであるとか、ドイツのフランフォーファーといった機関などと連携をし、いわば世界標準でソフトウェアの振興を図っていく機関にしたいという思いであります。資金的な制約、人員的な制約等もありますが、そういう思いで中期目標を決めさせていただきましたので、それを念頭に置いた上で御議論いただければと思います。以上です。
【安西分科会長】
ありがとうございました。中期目標案について御質問あるいは御意見、活発にいただければと思います。よろしくお願いします。
【太田委員】
資料6というのは、これから説明していただくのか。
【嶋田情報処理振興課長】
きょう審議をしていただく資料7の要約版ですので、省略をさせていただきました。
【太田委員】
技術的なことがわからないんですけど、メディアの代表として、いろいろ書いてありますが、メッセージ性がもう一つ足りないというのが第一印象。だから、セキュリティのところは、かねてから特徴があるわけで、そういった強いところを強くするようなメッセージ性が必要かなと思います。
とりわけ、ソフトウェア開発については、ドメインというかその対象をどうするかというこをきちっと決めない限り、グリッドだとかいろいろなキーワードが出てきていますけれども、もう一つインパクト力ないなと思います。我々メディアとすれば、これを記事にしようとすると、この図は全部出せないし、どれが一番目玉なんだというところが弱いのではないかと思います。すべてが大事だということはよくわかりますが。
それと、嶋田さんが説明されたように、IT産業のためのソフトウェア開発じゃなくて、日本の産業競争力の源泉ということは問題の整理としてはすごくいいし、IPAの問題点も的確だとは思いますが、メッセージ性という点でどうか。セキュリティのところは興味深く聞きましたが、強いところをさらにどうするのか。つまり、メッセージ性からは、ここは世界の一番、CMUを抜いて一番になるんだぞという、そのために何をしなければいけないといったことをもう少しアクセントをつけてみるとか、全体の印象論で恐縮なですが第一印象を申し上げました。
【安西分科会長】
ありがとうございました。どうですか。
【嶋田情報処理振興課長】
役所的な文章となり総花的になっているところは割り引いていただいて、御指摘の点も踏まえて、どこまで限界の中で書けるのか追求してみます。
分野としては、日本のソフト産業の人材育成を本当に意味ある形でやっていくということと、プロセスエンジニアリングみたいなものをきちんとやっていくことだと思います。一方で、ワイヤレスとか情報家電、セキュリティといった日本の強みのあるところでどうやって強みを生かしていくのかというところになるんだと思いますが、どこまで中期目標で書けるか検討いたします。
【池上委員】
財務関係においては、資産の健全化のところは、例えば技術者試験については、民間的な手法でもって評価することができるし、債権回収についても民間的な手法を使うことができる。そういう意味では、どちらかというと、手がたい民間的な手法で評価できるところは、多分問題なくスムーズにいくだろう。結果がいいかどうかは別としてですね。評価する側ははっきり言うことができる。
今も御指摘がありましたけれども、ソフトウェアの分野についてはいろいろ問題があることは我々も十分承知しているわけですが、幾つかのモデル的なものを提案していけるようになるといいなというふうに思っているわけです。ソフトウェアの信頼性とか、高信頼化とか生産性向上という一般名詞はたくさんあるが、それを具体的にどう進めていったらいいかという意味で、アメリカなどに比べて日本の弱い点は、ある種のマニュアル的なもの、あるいはモデル的なものが日本は欠けているのではないか。
企業なんかの場合も多分そうだと思うんですが、個人プレーでいろいろやっている部分がある。一方、中国とかインドは、基本的にはアメリカ流のモデルなりマニュアルに従ってやっていて、結果的に我々は負けてしまうということがあるわけです。その辺を構築していくようなこともやっていかないと、ソフトウェアというのはなかなか抜けていかないんではないかと思います。
一方、ソフトウエアは産業全体を支えているという点から言いましても、ソフトウェアに対する比重が大きくなっているような気がするんです。総合科学技術会議の重点化の中では、応用サイドから見て、ソフトウェアはどうあるべきか、あるいは、応用サイドに立っていい悪いというものを一つ評価してみよう。あるいは、応用サイドにとって基礎研究はこうあってほしいというものを、これから検討していこうという方向づけをしているわけです。ですから、その線に沿っていろいろやっていけば非常にいいんじゃないかと思います。
もう少し言いますと、これまで実績で考えますと、ソフトウェアについて日本の中で苦戦をしながらきちっとやってきたところはIPAしかなかったと思うんです、ですから、その実績に基づいてやっていかないと、またばらばらになるおそれがある。そういう意味では、これから独立行政法人化していくわけですが、従来の実績を十分踏まえた上で、つまりこれまでの失敗と成功をよく踏まえた上でやっていくということで、全体目標を立てたらいいんではないか。
特にそういう点で一番気になるのはセキュリティです。総合科学技術会議でもセキュリティ、ソフトウェアが非常に重要だという方向づけをしているので、あちらこちらからセキュリティの話が上がっていると思います。その中で、IPAでなければできないということをきちっとアピールするようなことをしっかりやっていただく必要があるんじゃないかと思っております。
【阿草委員】
きょうのお話は目標ということですけど、資料6は計画も含まれているのですか。
【嶋田情報処理振興課長】
これは、参考資料としても用意させて頂いておりますが、次回議論していただく中期計画との関係をあらわすために作成しているものです。
【阿草委員】
わかりました。資料5の2枚目のところですが、例えばスキル標準を決めるにも、ソフトウェアエンジニアリングセンターとの関係があると思います。ソフトウェアエンジニアリングで言われていることをスキルにどう反映するかとか、セキュリティの問題に関しても、セキュリティを確保するためのソフトウェアのつくり方のモデルがあるとか、またオープンソースみたいなアプローチが出てきたなど、こういうセンターを縦割り化しますと、その連携がどうなるのかなというのが少し心配ですね。こういうものが要るということを理解はできますが、往々にしてつくってしまうと、それぞれが独立で動いてしまう恐れがあります。ですから、目標として見るのはこれでいいんですけれども、計画の中では、横をどうつなぐかということも必要です。いわゆるオープンソース的な開発スタイルとしてのオープンソースを見たときには、ソフトウェアエンジニアリングにいろいろな意味で影響も与えますので、そういうところの関連を少し考えていただければと思います。
もう一点、池上先生から言われましたけれども、我々もe-societyのところでソフトウェア関係の研究開発を行っているわけで、IPAが日本のそういう全体のところを見るのであれば、日本の中でどういう研究所が何をやっていて、それに対してどういうフィードバックがあり得るかとか、日本の中でソフトウェア関係はここで押さえているんだということを、IPAが、もう少し広い意味での日本全体を見てくれると、我々としても協力しやすいかなという感じがしております。省庁間またがっていて難しい面もあるかもしれませんが。
【村本委員】
全体の方向性ということでは非常にいいんじゃないかなと思うんですけれども、目指す方向というところに書かれているものは、恐らく今後IPAが担っていくミッションが明記されているんだと思うんです。ミッションがあって目標に落とす前に、国際競争力をつけるといっても、例えば4年と3カ月という期間の中で、いわゆる環境がどうなっていくんだというところの分析をもとに目標というのは設定されていくんじゃないのかなと思います。具体的にこういうセンターができるというところに落とし込まれた間のある種のギャップというんでしょうか、そこがなかなか私の中でつながらないと感じがします。これをやることによって、どうしたら国際競争力が高まるのか、あるいは世界的な競争力ということでの、ある未来図というんでしょうか、そこの姿がある中で、だからここのところを目標に定めるという道筋が恐らく書かれるべきではないのか。恐らくそこら辺を考慮されながらつくられていたとは思うんですが、出ていないのではないかという感じでございます。
【櫛木委員】
先ほども話がございました日本の強みを強くするというポイントについて、もう少し絞り込んだ目標が要るのではないか。例えば、情報家電、また車関係、そして環境といったようなキーワードの産業を日本として強化するということが米欧アジアのバランスから見ても、日本という立場の特徴が生かせる。そのこと自身が、またグローバルな中で各地域のバランス、日本のバランスというものをどこに置くかという意味において、各国との協調関係がとれるということになると思うんです。したがって、その目標は非常に大事だと思いますね。先ほども御指摘ございましたセキュリティ、非常に重要だと思います。オープンソースも重要だと思います。ソフトウェアエンジニアリングも重要だと思いますが、スキルもそうなんです。横ぐしというお話ございましたが、横ぐしということに関しても、今のねらいとする産業ですね、それに焦点を合わせた強みというものをそれぞれ出していく。セキュリティでも、情報家電におけるセキュリティというのはサーバーにおけるセキュリティとは違いますし、車におけるセキュリティといっても、また別の面のセキュリティが出てくる。IPAのホームページでセキュリティの問題をこの前も調べさせていただいたときに、非常に充実しているのに驚きました。しかし、余りにも総花的過ぎて、ねらいを分散している。保守も随分もあったんですけれども、非常にたくさんあるなと。そこに特徴が出てくると、これは非常に注目を浴びるものになるだろうと思いました。
三つ目は、このソフトウェアエンジニアリングセンターでもそうですし、セキュリティでもそうなんですけど、本当に強くするというのはアセスメントが必要だと思うんです。アセスメント目標をしっかり持たないと、本当に強いソフトウェア産業ができない。普通、CMMでも、アセッサーはソフトウェア人口の3%とか言われますけれども、そういう人口がいないといけない。
セキュリティでも、アセスメントするISO15408とか17799とか、そういうもののアセッサーがいないとやっていけないという状況になっていますので、アセスメントという意味は、一つのキーとしても入れてほしいなというふうな気がいたします。
【安西分科会長】
私も委員でございますので、一言だけ申し上げると、大学の競争力あるいは産業界の競争力、人材の問題、私の反省も含めて、すべてがデフレスパイラルという状況でありネガティブに回っているような感じがしています。そこを何か具体的に突破しないと、日本のソフトウェアの未来はなかなかないんじゃないか。それには、個人的には、今までのような全体というよりは、さっき何人かおっしゃるような具体的に方向づけをした戦略を持たないと、なかなかスパイラルを突破できないんじゃないかなというのが個人的な感覚であります。
【嶋田情報処理振興課長】
幾つか御指摘があって、さっきのセンターをたくさんつくって、横ぐしどうするんだという話でございますが、例えば、米国SEIあるいはドイツのフランフォーファーのIESEは、マトリックス的な運用をしており、必要な技術は、例えばセキュリティ技術があり、ソフトウェアプロセスエンジニアリングの技術があり、それも10個ぐらいに分かれるんだと思いますが、そういう縦のマトリックスと、車あるいはクリティカルミッションというドメイン別の分野とあって、それぞれに責任者を張りつけてマトリックス的に運用しております。ただ、最初の絞り込みは、技術の絞り込みよりも、むしろドメインの絞り込みでやらないと、うまく使えないというアドバイスをドイツ人は言っておりました。したがって、ドメインの絞り込みである程度大規模なプロジェクトをやりながらやっていくというふうには思っております。中期目標にも、どこまで反映できるか、ちょっと工夫をしてみたいと思います。
横ぐしのところは、そういうマトリックス組織というのは運営するのは結構大変なので、今のIPAの事務局ですね、ここで今まで培ったノウハウを相当そこで使っていくということが私としては望ましいんじゃないかなと思います。
むしろセンターの各前線に出る方は、その世界において企業とか大学で本当に最先端でやっておられる方を任期つき任用で来ていただいて、場合によってはアメリカ、ヨーロッパあるいは諸外国からサッカー・ジーコのような形で来ていただいて監督をやっていただくとか、そういうマネージメントの業務とプロフェッショナリズムを売物にする方々と、そこをうまく使い分けてマトリックス的な組織でやっていくというイメージをどこまで中期目標の中に書き込めるか、次回までに提示したいと思います。
それから、池上先生がおっしゃったモデル的なもの、これは大変重要な話だと思います。特に、先ほど日本の強みという話が櫛木委員からも出ましたが、組み込み分野におけるCMMみたいなものは余りないと思います。これをつくれるのは多分、日本だけ。製造業全般の強みということで考えると、これは極めて重要な話になると思います。単にCMMにとどまらず、その上のUMLみたいな話についても、組み込み分野に使いやすいUML的なものはまだできていない。それも日本がつくって発信していかなければならないものの一つだと思います。先ほどセンターで幾つか説明しましたが、ソフトウェアエンジニアリングセンターというのは、そういうのを一つのメーンのターゲットとしてやっていくような組織にしたいと思っています。
それから、ソフトの比重でアプリケーシションドリブンというお話がございました。今回、e-Japan戦略2が決まりましたが、そこで七つの先導プロジェクトがございます。その中で、例えば自動車、ITSですね、それから、中小企業の金融だとか、医療だとか、電子タグとか、幾つか決っております。それらについては、国が公的なインフラとして、公的な統合プラットフォームみたいなものをソフトウェアとして準備していかなければならない分野で、これについて、今までの国のやり方で、本当に専門的な知識がないままやっても使えないということもあるので、専門家に集まっていただいて、IPAが技術的な見地から設計もし、ある程度監督もして進めていくという位置づけになればいいなと思っております。
それから、日本の研究者のマッピングのお話が阿草先生からございました。これはおっしゃるとおりでございます。先ほどのソフトウェア知戦略センターの一つのメーン業務は、そういう研究者の位置づけ、あるいは企業の位置づけ、それを技術全体のマップの中でどう位置づけていって、全体としてどうやって俯瞰図を持てるかというのは大事な事業だと思います。
それから、村本委員がおっしゃっていた環境変化につきましては、前文のところで書き込みがまだ足りてないんだと思います。何のために競争力、何をやれば競争力強化がこういうふうにつくというのがもうちょっとはっきりわかるような形で工夫をしたいと思います。
それから、櫛木委員から、情報家電、車、環境というお話がございました。先ほど来出ていますアプリケーションドリブンとか大規模なソフトウェア開発と絡めて、国としてやらなければいけない分野で、しかもユーザーに足をかけた形でどうやってつくっていくか、その中で、この機関がどういう働きをしていくかということを工夫したいと思います。
【安西分科会長】
ありがとうございました。これに対して何かございますでしょうか。
【池上委員】
先ほどの村本委員のおっしゃったミッションの問題ですけども、いろいろ問題点はここに書いているんですが、ミッションが5行ぐらいで書かれて準備されるということが一つあるだろうと思います。
もう一つ、1ページのところでちょっと気になるのは、1の産学官連携はいいと思います。2番目は、具体的にはということで、民間のみでは十分な開発ができない重要かつ公共性の高いソフトウェアの開発という、これは民間を圧迫するようなことはしないということを言っているのか。つまり、ここで一つメッセージは、IPAそのものがみずから開発することもありますということも含んでいるわけですね。これは随分制限をはめているように感じますけど、これは国でできること、民間でできることという議論の中から生まれてきているんですか。
【嶋田情報処理振興課長】
これは行革の一連の議論の中で、IPAというのは何で公的機関なんだという話を相当やりまして、その過程で民間だけでは十分に対応できない外部経済があるとか、公共性の高い重要なものについてやるという縛りをかけたこともあり、そこを踏み出るのはいろいろな関係でなかなか難しいところではありますが。
【池上委員】
申し上げたかったのは、ハードの場合と違い、ソフトというのはきれいに切れないので、余りここできつく限定すると、結局、何もできなくなってしまうんじゃないかということがちょっと気になります。
【太田委員】
多少ダブルかもしれませんけども、もう一回確認すると、安西先生もいわれたとおりで、ソフトの未来と日本の競争力、デフレスパイラルからどう抜け出すか、それにはイノベーションが必要だと思います。せっかく独立行政法人になるのであれば、志というか、古くさい言葉ですけど、青雲というか、そういったことを書くのはいいんではないかと思うんですが。
例えば、債務保証や人材開発も仕掛けの問題だと思うんですが。IPAは三つだと、その三つだけは絶対やるぞと、それをすっきりさせた方がいいんじゃないかと思うのですが。世界に向かって、青雲というか、志、こうやるんだと。
また、櫛木先生や池上先生もおっしゃったソフトウェアについて。それぞれイメージが違いますよね。はっきりしているのは大衆化。自動車とか、モバイルとか、環境とか、我々国民が日ごろ、何かわかんないけど使っているといったことについて、せっかくいい機会なので、いわゆる業界のための機関でもない、国のための機関じゃない、国民のための機関であれば、やっぱり身近さ。隣のおばさんにも、IPAってこんなことをやっているとわかるくらいの気持ちを持って発想を転換した方がいいと思う。
ソフトウェアって、わかりやすさというのが一番大事だと思うんですよ。
【安西分科会長】
私もデフレスパイラルと申し上げたのは、産業界や大学は何をやっているんだという、人材を探してもどこにもいないわけですよ。そういうことを突破しようと思ったら、確かに太田委員の言われるように、青雲の志といいますか、何かボーンと打ち出すところがないと、今までと同じような、また渦巻の中で苦労するということにはならないかちょっと気にはなりますね。
さっきの情報家電の組み込みソフトというのは、日本はこれから非常に大事といった話がありましたが、私も大賛成であります。ある意味でそういう具体性をもって打って出ないと、なかなかそのスパイラルを切ることはできないんじゃないかと思います。
【櫛木委員】
組み込みソフトという言葉はもう20年も言われてきているんですが、最近の組み込みソフトはインターネットへもつながってきており、この言葉自身も新しくして少し未来を見た言葉に焼き直したらいかがでしょうか。
【安西分科会長】
中期目標というのは、何となくどの法人も似ているような気がしますが、IPAについてはソフトウェアという非常に先端的な技術でもありますので、何かそういうことを超えた文章にしていただけるとうれしいなというふうに個人的には思います。
【嶋田情報処理振興課長】
いろいろいただいた意見を参考に検討させて頂きます。
【池上委員】
先ほど日本の強いところという言い方が出ましたが、それはいいんですが、むしろIPAの強いところを探した方がいいと思うんです。日本に、どういうソフトウェアの人材がいるかということを多分一番つかんでいると思うんです。もう一つは、大手からは余り気づかれていないんですけど、日本の中小企業の連中は、むしろ太田さんがよく御存じかもしれませんがIPAに感謝している人が多いんですよね。IPAで支えられたから、これができたとか、セキュリティ関係でもいい。僕は、それをもう一度精査してみるといいと思うんです。
確かに、金をばらまいていたということを言う人もいますが、そのお金でちゃんと育っている人材なり、ベンチャー、中小企業はたくさんあるわけです。それをもう一度拾い上げた方がいい。IPAの強さを表に出して、日本でこういうことをやるというような主張の仕方をするということが一つあるんじゃないか。
ここで申し上げたいのは、いわゆる中小企業にとって非常に頼りになる、例えばテストベットをつくるとかということは既にやっておられるんだけど、その辺を強調された方がいいんじゃないか。ほかにそういう法人はないですからね。
【安西分科会長】
ありがとうございました。あと一つ、議題がありますので、先に進めさせていただきます。今の中期目標案に密接に関係するものとして、業務の実績に関する評価基準の案というのがございますので、事務局から御説明をいただきたいと思います。
【嶋田情報処理振興課長】
資料8をごらんいただきたいと思います。業務の実績の評価基準(案)ということでございます。中期目標期間における毎年の業務実績についての評価を分科会でいただくわけですが、二つございます。
1.総合的な評価の基準とあります。これが、いわば総合評価であります。2番目が項目別の業績評価です。項目別の業績評価を足したものを単に総合評価にするのではなくて、そこの総合的な評価の基準に書きましたように、総合的に判断をして全体としての大所高所からの判断により総合的な評価をしていただくということになります。
具体的な考慮事項につきましては、今の段階では、まだ目標がはっきりしておりませんので抽象的な表現にとどまっておりますが、中期目標、中期計画、その他業績の評価材料となり得るものがある場合には、これを積極的に勘案して評価を行っていただくということになります。項目別につきましては、次のページ以降に書いてございますが、先ほどの業務運営の効率化とサービスその他業務の質の向上と財務と柱がございましたが、それぞれについて評価をいただくことになります。そのための評価の視点が、認可法人時代と比べてどの程度効率化が図られたとか、ほかの機関の業務運営の効率化の水準と比較してどうかとか、あるいは外部の専門家の評価を積極的に活用して御判断いただくとかになります。評価はAAからA、B、C、Dと5段階評価で対応していただくということになります。以上です。
【安西分科会長】
ありがとうございました。何か御質問、御意見ありますか。
【阿草委員】
これは大学の方でも困っていますが、目標を評価するのか、目標は目的なのか。これがブレークダウンされていく中で、計画を評価すれば目標が自動的に評価されるのか、計画は計画で別に評価されて、目標とは別の評価というのは可能かなど、どのようお考えなのかというのを教えていただければありがたいんですが。
【嶋田情報処理振興課長】
先ほど省略いたしました資料6をごらんいただくと、計画がどのようなものかというのがおわかりになると思います。資料6の2ページ目、3ページ目とあけていただくと、黒丸で計画案というのがございます。具体的な数値の目標まである程度落とせるものは計画で書いております。したがって、計画に基づいて評価をいただいて、目標の中には計画が幾つかあるわけですが、幾つかの切口によりそれを総合的に勘案し、あるいはその後の様々な事情なども含め評価をいただき、最終的に総合評価になるという論理関係だと思っています。
【阿草委員】
計画の評価は同じところで行うのでしょうか。
【嶋田情報処理振興課長】
そうです。計画の一個一個についても評価をいただくんですが、最終的なアウトプットとしての評価は項目ごとの業務評価になりますから、一要素として、それぞれ見ていただくということになると思います。
【村本委員】
まだ計画の具体的なものはほとんど出ていませんので、それぞれの項目ごとに達成の難しさとかは横並びではないと思うんです。そうすると、計画達成の難しさについての評価があって、それをかなりたくさん達成したという場合と、このぐらいだったらいけそうだねというものがかなり行きましたねというのでは、評価の最終的なアウトプットとして違ってくるような気がします。いわゆる達成度の難しさといったところも評価の観点として事前に承認しておいて、それを結果の評価に反映していかないと、ただ横に並んでいるものを、最終的にはどれに入るのかなというだけでは、本質的な実感値と違ってくる部分が出てきそうな気がします。つまり、項目ごとに、ただ集めたものを全体で見たときに、どうもそぐわないというんでしょうか、リンクしないという感が出てくるんじゃないかなと思うんです。
【嶋田情報処理振興課長】
そこはおっしゃるとおりで、計画を決めていただくときにその難易度も含めて、どういうふうに書くは工夫してみたいと思います。
【池上委員】
目標の高さに対する評価もということですか。評価というのは、どこまで達成したかということを評価する。これは我々の仕事だろうと思います。これは結構難しいと思う。例えば数値目標ですと、達成できそうものを挙げてしまう。
【村本委員】
目指す方向に向けて、かなりハードルの高い計画の目標値なのかというところについて、どのぐらいのレベルで考えるのか、またそこの評価をしないとしたら。
【池上委員】
一つは我々の志の高さかもしれませんね。
【太田委員】
最終的に書いてある目標について評価するというのは、経済産業大臣を評価すると同様なわけですか。策定するのは大臣なんだから。
【嶋田情報処理振興課長】
策定するのは大臣ですが、それに基づいてパフォーマンスをIPAがどのくらい上げたかを評価していただくことになります。
【太田委員】
理事長が中期計画にコミットメントできずに実施するというのは制度の問題になるがおかしくありませんか。
【安西分科会長】
私の理解では、独立行政法人の制度については、中期目標は省庁がつくる。計画は出された目標に対して、独立行政法人になるIPAがつくるということがと思います。
【土橋情報処理振興課長補佐】
若干補足させていただきますと、分科会長がおっしゃるとおりでございまして、目標については主務大臣である経済産業大臣が定めることになります。評価委員会の委員の皆様方には、その目標について意見を述べていただく。それについては最大限の反映をさせていただくということになりますし、計画については、目標に沿って法人の長が定めることになります。これについても、同じように評価委員会にかけていただいて、意見を言っていただくという流れになっております。
したがいまして、定めるのは、目標については経済産業大臣、計画については独立行政法人IPAの長が定めるということになっています。
【池上委員】
その上で総務省が評価するんでしょう。私はいつも気になるんですが、そもそもは合理化といいますか、省庁再編の中で生まれてきた話ですから、先ほど話のあった管理費3%削減といったようなことがどうしても出てくるわけです。例えばここにあるようなセンターをつくった場合には、必ず人間がふえていくと思うが、ところがスタート時よりも人間がふえるということは、理論的にはあり得ないというのが今回の独立行政法人の基本的な発想ですよね。その辺はどういうふうにお考えですか。外へ切り離していくという形で、ある意味ではコアになる部分についていうと、定員は減りましたというふうな言い方をするのかどうか。それは何か考えておられますか。
【嶋田情報処理振興課長】
例えば事業に附随をして短期的にある一定の期間を限って、プロジェクトとして何人か来ていただくというパーマネントな形で人件費は増やさないというような方法もあると思います。
【池上委員】
今のIPAは国家公務員ではないんでしょう。
【土橋情報処理振興課長補佐】
独立行政法人は、大きく分けて二つの形態がございます。現行の独立行政法人は、もともと国から分離したものですので、基本的には公務員型の独立行政法人で特定独立行政法人という名称になっているんですが、今回、一連の特殊法人から独法に変わったものについては、これは基本的には非公務員型。民間と同じように、就業規則を定めて、それに基づいて就業していただくというものですので、定員管理等については特段制約はありません。
ただ、人件費について、先ほどおっしゃられた削減等ということについては、目標として縛りがあるということです。
【池上委員】
非公務員と非公務員型との違いは。
【嶋田情報処理振興課長】
御承知のように、独立行政法人は公務員型と非公務員型がありまして、争議権は公務員型はないんですが、非公務員型はある。逆に言うと、身分保障が非公務員型はありません。就業規則によって、免職事由等も決めます。
給与については、公務員型は一応非現業公務員の水準を考慮して決定することになっていますが、非公務員型の独立行政法人は社会一般の情勢に適合するよう法人が決定となっていまして、ある種、スト権を認めるかわりに給料も就業規則、免職事由ですね、こういうのは法人として決めていいということになっています。その他服務制限では、情報処理技術者試験には守秘義務がかかっております。
【安西分科会長】
よろしいですか。中期目標についての御意見を伺うということは、きょう御審議いただく主体だったように思いますが、全体の御意見としては、ぜひ青雲の志を持ってということもあったように思います。一方で、計画案については別途審議するということになるんでしょうか。
【嶋田情報処理振興課長】
次回、案を御議論いただく予定です。
【安西分科会長】
私の一般的な理解で、国の予算ですから、これは毎年の概算要求があってということは続いていくわけで、しかも、この中で何年かにわたった中期目標と計画を出さなければいけなくて、さっき言われていたように、人件費云々というのはどこまで入れていいのかということは多分、先が見えない中でおやりになっている面があるんじゃないか。そういう意味で大変な初体験のことではないかと思われます。その中で本当にIPAが日本の新しい時代のソフトウェア戦略の先頭を切ってもらうためには、中期目標から計画まで整合性をもっていけるようにしなければならないわけで、この分科会としてもいろいろ意見を出すことで協力をすべきではないかと思います。
ほかに何かありますでしょうか。局長に一言お願いいたします。
【豊田商務情報政策局長】
皆様、活発な御意見、ありがとうございました。こちらに着任する前は製造産業局の次長をしておりまして、ユーザーサイドからIT産業あるいはソフトウェア産業を見ておりましたので、志はどんどん高くしてほしいという先生方の御意見、全く同感でございます。ただ、制約もあることですので、いただきました御意見を踏まえまして、会長がおっしゃいましたように、初体験なものですから、私どもまだまだわからないこともいろいろございますが、志は最大限高い形で整理をさせていただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
【安西分科会長】
どうもありがとうございます。中期目標案等について、本日、いろいろ御意見をいただいたわけですが、事務局と私の方で、その御意見等を踏まえていろいろ修正をさせていただいて、パブリックコメントについても早めれば来週中に実施したいと思っておりますが、よろしゅうございましょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
【安西分科会長】
それでは、そのようにさせていただきます。その他として、何かありますでしょうか。
【嶋田情報処理振興課長】
本部会におきます議事要旨、議事録につきましては、関係法令により公開することとなっております。また、議事要旨につきましては、迅速な公開を求められますので、安西分科会長と事務局に御一任いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
【嶋田情報処理振興課長】
それでは、そのようにさせていただきます。
第2回分科会の開催日につきましては、現在調整をさせていただいておりまして、9月の中下旬を目途に開催したいと思っています。皆様、大変お忙しいところ恐縮でございますが、万障繰り合わせの上、どうぞ御出席のほど、よろしくお願いいたします。次回は、今回の皆様の御意見及びパブリックコメントで提出された意見を踏まえて、私どもで必要な修正をいたしました中期目標案と評価基準案について御審議をいただく予定でございます。本日は御多忙のところ長時間にわたり御審議いただき、まことにありがとうございました。
【安西分科会長】
第1回の分科会は、これで終了させていただきます。お忙しいところ、ありがとうございました。

以上

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