経済産業省
文字サイズ変更

審議会・研究会

独立行政法人評価委員会情報処理推進機構分科会(第3回)  議事録

平成15年11月27日(木)

【松山分科会長代理】
それでは、定刻になりましたので、第3回独立行政法人情報処理推進機構分科会を開催させていただきます。
本日は、事前に御欠席の報告がございました安西分科会長、太田委員、櫛木委員に加え、急きょ村本委員が急用のため出席できないという御連絡をいただきました。
規定により代理出席いただいている方は議決権を持たないということで、委員としては過半数に達していない状況ですが、これから御議論いただく中期計画等は、12月15日に開催されます経済産業省独立行政法人評価委員会において審議し了解をしていただく必要のあるものでございます。
このため、本日の分科会での審議及び了承については、経済産業省独立行政法人評価委員会運営規程第2条における緊急時の特例として、議決を経たとみなさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。それでは、そのようにさせていただくということで、予定どおりの議事を進めさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
まず始めに豊田商務情報政策局長より御挨拶をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【豊田商務情報政策局長】
豊田でございます。お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。
前回までの分科会におきまして、独立行政法人情報処理推進機構の中期目標案について御審議をいただいたわけでございます。おかげをもちまして、中期目標につきましては、皆様から御了解をいただき先月30日に開催されました経済産業省独立行政法人評価委員会におきまして御審議をいただきました。本日はその中期目標を受けまして、法人が策定する中期計画について御審議をいただくことになっております。ただいま松山分科会長代理の方からお話をいただいた手続で議論を進めていただければ幸いでございます。
なお、本日の分科会は、IPAが独法化されるまでに行われる最後の分科会ということで、お集まりいただいた委員の方々には前回同様活発な御審議をいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
【松山分科会長代理】
どうもありがとうございました。それでは、議事次第に従いまして議事に入らせていただきたいと思います。議題の1番目でございますが、第2回分科会議事録の確認をさせていただきたいと思います。事務局の方から御説明をよろしくお願いします。
【嶋田情報処理振興課長】
お手元の資料2が第2回の分科会の議事録案でございます。第1回の分科会議事録と同様に、事前に各委員には御確認をお願いしているところでございますが、御多忙ということもございますので、来週を目途に再度御確認をいただければと思います。
その後、運営規程第6条により、公開することといたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【松山分科会長代理】
それでは、次の議題に進めさせていただきたいと思います。次の議題でございますが、前回の本分科会で御承認いただきました中期目標案につきまして、さきに御説明がございましたように、経済産業省独立行政法人評価委員会の方での御審議を経まして少し修正等がなされているということを伺っておりますので、それについて嶋田課長の方から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【嶋田情報処理振興課長】
資料の3と4をご覧いただきたいと思います。まず3の方から御説明いたします。
10月30日に経済産業省独立行政法人評価委員会で審議をされました。委員長であります木村先生からは、委員会でこんなに議論が出た法人は初めてだという発言がございました。かなり建設的な方向で相当事業の中身も見直そうとしていることはよいけれども、むしろこうしたらどうかという意見がさまざまございました。
お手元の資料3にまとめてございますが、幾つかジャンル分けをしますと、例えばIPA事業についての応援的な意見、事実関係の確認、また、これまでのJETRO、NEDO、石油公団といった法人とは、少し違うタイプの新しいタイプの独立行政法人なので、アウトカムの評価をどう考えるかという指摘がございました。それから、4番目に、事業の性格を考慮した対応を求める意見がありまして、一言で言うと、各事業の民間移管のメカニズムをきちんと内蔵すべきだという意見でした。こういう意見を受けて、具体的には資料4でございますけれども、3ページの一番下に下線が引いてございますが、「情報分野は、他分野に比べ技術や市場の変化の早い分野であることから、情勢の変化を踏まえながら不断の見直しを行い、継続事業については、中期目標の期間の最後の事業年度」、これは4年数カ月過ぎた後でございますけれども、このときに、「13%を上回る効率化を達成する。その一方で、情報政策の観点からの新たな要請に配慮する」といたしました。具体的に何を言っているかというと、既存の事業、あるいは新たにやる事業でも翌年度から既存の事業扱いになるわけですが、それらについてはこの目標期間中に認可法人時と比較し13%の削減をする。そして「情報政策の観点からの新たな要請に配慮する」と書いてありますが、むしろ中身について新陳代謝をしていく仕組みをビルトインいたしました。他の法人については、大体4%から5%の削減としており、IPAについては、特に情報分野を扱っているということをもって相当ダイナミックに中身を入れかえていく必要があるということでこういうことにいたしました。以上です。
【松山分科会長代理】
ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明に関しましては、基本的に経済産業省独立行政法人評価委員会での承認を得たということになっておりますので、御報告という形になりますけれども、特に何か御意見とか御質問ございますか。よろしゅうございますでしょうか。
【池上委員】
13%というのは効率を上げるという話ですか。
【嶋田情報処理振興課長】
この効率化は各法人横並びでやっておりまして、法人立ち上げ時の全事業費のうち継続する予算が何%減っているかというところで5%とか13%という数字が決まっています。一方、新たな行政ニーズに合わせて行うものについては、それぞれ案件ごとにやるべきかどうか見ていこうということになります。
【池上委員】
わかりました。ただ、その13%、3%というのはあくまでも財政改革の線上で出てきた話で、それと仕事の中身をうまくリンクさせるというのはすばらしい話ではありますが、ちょっとやり過ぎかなという感じがしないでもなかったのでちょっと一言申し上げました。
【松山分科会長代理】
よろしゅうございますでしょうか。
【嶋田情報処理振興課長】
中身をダイナミックに見直すということは、私ども行政の立場からは必要だと思っていますので、少々厳しいと思いますが、こういう仕組みをビルトインして、行政の方もIPAの方もニーズに合ったことを頑張ってやっていくということにしたいと思います。
【池上委員】
わかりました。目標としてはいい目標で、わかりやすい目標だと思っています。
【松山分科会長代理】
ちょっと余談になるんですけれども、今の新陳代謝が激しくというところで、IPAのこういうソフト関連の分野においては、多分新しい技術というのが新しい問題を生み出す。その新しい問題を解決するための技術や制度をつくると、また新しい問題が出てくる。こんなふうに連鎖反応的に分野が広がるというようなアクティビティモデルをある意味あらわしているのではないかと思うんですね。ただ、先生がいうように、単なる形だけから見てしまうと、効率化を厳しくやるということだけにしか見えないのですが、趣旨としては私は新陳代謝を早くやっていくというのが情報分野における、特にソフト関係のところにおいては、1つのワークモデルとして、きちっと認識をしていただけていることは良いことではないかと思っています。そうでないと、多分余りにも固定的に枠をとってしまうと、新しい問題を生み出す、あるいは生み出すものに取り組むということが結果的には期間抑制されるということにもなりかねないので、ある意味でここの分科会の了解としては、ダイナミックに事業展開を遂行するというモデルとしてIPAが頑張っていただけるんだという御趣旨ではないかと、私もそういう意味では非常に良いのではないかと思っております。
【池上委員】
その延長でお話しするとすれば、ソフトウエアの研究開発モデルというのは、まだ日本の中では必ずしも確立していないような感じを受けるわけです。新しいものをどんどんやるというと、結局また積み重ねがない、単発ばっかりの単発花火になっても困るなと。やはり継続性のあるようなものもつくっていきたいという感じがある。それは、中でも多分議論があると思うのですが、ソフトウエア・エンジニアリング・センター的なところでいろいろと検討していただくといいですね。IPA自体の中でそういうことが一体どうなことなのかをよく検討するということをぜひお願いしたいと思いますが、むしろこれについては阿草先生、何かございませんか。
【阿草委員】
今の継続事業という意味の定義が難しいなと思います。1年やったら、すぐ継続事業になるということ自身が本当にいいことかどうかということですね。余りにも短期間で考えますと、今のソフトウエア・エンジニアリング・センターの話にしても、計画を立てるだけで多分1年、2年、そこから動き出して、見直して、本当に成果を出すまでにある程度の期間を認めないと、余りにも浅いものになってしまうし、また外国から直輸入型のモデルを持ってくると日本に根づかない可能性もありますので、そのへんの継続事業の定義を独立行政法人になる前からの事業ということならいいんですが、新しく実施するものも常に継続事業だとまで言ってしまうと、計画を立てにくいのではないか。そういう意味で池上委員の意見には賛成です。
【嶋田情報処理振興課長】
効率化による削減は総額であり、その中でメリハリをどうつけるかというのは、法人側に任されているという認識ですので、新規事業を立て、翌年度から継続扱いになっても、各事業について何%切らなくてはいけないというマンデートがかかっているわけではないと思っています。だからむしろメリハリをきちんとつけていくということだと思います。
それから、私どもとしてはIPAの重要性は経済産業省独立行政法人評価委員会で御説明しましたし、安西分科会長も出席されて、この分野で公的な役割というのはますます重要になっているという話は相当力説されました。ただ、一方で事業の一部はいずれ民間でもできるのではないかという価値観の委員もおられましたので、それらの意見も踏まえ公的な分野を行うことに加え、事業の不断の見直しを行うというメカニズムを入れないと評価委員会の御指摘には応えたことにはならないと思っています。
【松山分科会長代理】
これからのIPAの事業運営については、当然この分科会が評価をさせていただくことになろうかと思いますので、その辺の共通認識というのは今の段階での御議論をもとにさせていただければいいのではないかというふうに考えております。
それでは、一応御報告を理解していただいたということで、次の議題に移らせていただきたいと思います。
議題の3番目でございますが、本日の中心的な課題でございます中期計画案についてでございます。IPAの藤原理事長より御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【藤原IPA理事長】
資料に基づきまして中期計画の案を御説明させていただきます。資料5、資料6―1と資料6―2の3部作になっております。資料5は、中期計画案の全体でございます。細大漏らさず書いておりまして、左側に中期目標案、右側に私どもが作成し御審議いただく中期計画案を対比表にしております。これは大変膨大にわたるものですから、時間の関係もございますので、資料6―1と6―2に基づき御説明させていただきたいと思います。
資料6―1でございますけれども、前回、太田委員からもきちんとメリハリをつけた計画にしろということでございましたが、私ども「中期計画(案)のポイント」ということで、「キーワードは、『創造』、『競争力』、そして『安心』」というe―Japan戦略IIの標語に従って事業を展開してまいりたいと思っており、「新生IPAの機能」として4つの重点機能があると思っております。括弧書きでp.2とかp.6というのが書いてありますが、これは資料6―2のページでございますので、適宜御参照いただければと思います。
まず第1に、池上先生等からもシンクタンク機能の充実を図るべきという御指摘がございましたが、私どもも必要だと思っておりますし、ITに関係します内外の動向把握と見取り図の作成に取り組んでまいりたいと考えております。
それから、黒丸の2に、e―Japan重点計画との関連を書いておりますが、できればIT技術ロードマップを策定したい。特に産学官の若手を中心とする研究会で議論していただきまして、もちろん私どもが調査をいたしますけれども、策定をしていく。
それから、いろんな情報発信をしてまいりたい。こういうふうに思っております。できれば、その必要があればプロジェクトの立ち上げもここでやっていくということでございます。
それから、シンクタンク機能の充実というもう1つの機能としては、今御指摘いただきましたような私どもの機関としての方向性とか、あるいは効率性とか、そういったものにつきましてもシンクタンクで議論していただいて、事業運営のアドバイスというか方向といったものもここで決めていく。こういうことにしていただければと思っております。
それから、2番目が「ソフトウエア・エンジニアリング・センターの効率的な運用」ということでございまして、今、経済産業省の方で予算要求されておりますけれども、それが認められる通るという前提で、かつ、私どもがソフトウエア・エンジニアリング・センターの主体的な機能を果たすということを前提にいたしまして書いているわけでございます。が、パワーポイントの方の7ページを見ていただきたいと思います。ここに「新たな機能」ということで、「SEC[ソフトウエア・エンジニアリング・センター(仮称)]の役割」というのを書いておりますが、ここでやることは実は3つございまして、右の方に書いておりますが、「日本におけるSPI手法の開発」確立でございます。これはSoftware Process Improvementの略でございますが、ソフトウエアを開発していくプロセス、これを改善する。それから、ソフトウエア自体の評価手法を開発する。それが第1でございます。
第2に、ソフトウエアにつきまして、もう少し合理的なメジャリングスケールと申しますか、計量化基準、これを策定したいというのが2番目の事業でございます。
そういったことを前提にいたしまして、下の方にまいりますが、「自ら開発した手法等を活用し、政府調達、ITS等のプロジェクト」、これにこういった手法をアプライしていく。そういうプロジェクトに参画をしていく。あるいは場合によってはSEC自体でその一部を担っていくということでやってまいりたいというふうに思っております。
左の方へまいりまして、「実践的なソフトウエア開発を通じ、高度なIT人材を育成」。上の方にまいりまして、産業界、あるいは学界、それから「優秀な人材を集結」するということで、ある程度の、そんな大きくはありませんけれども、人数を学界、あるいは産業界から糾合いたしまして、ここで切磋琢磨する。
それから、「海外研究機関との連携」というのを書いておりますけれども、具体的にはアメリカのカーネギーメロン大学に所属しておりますソフトウエア・エンジニアリング・インスティテュート、あるいはドイツのフラウンホーファ研究所の中の1つとして機能しておりますISEといったところとの連携を図ってまいりたいと、こういうふうに思っておりまして、既にこれは経済産業省と私どもとで9月と11月にそれぞれ現地を訪問いたしまして、この連携への道をつけようとしております。それがソフトウエア・エンジニアリング・センターでございます。
それから、次のページにまいりまして、3つ目でございますけれども、「中小企業のためのIPA」ということを徹したいと思っております。
1つは、ソフトウエアを開発する方々は多分に中小企業の方々が多いわけでございまして、あるいはベンチャーの方もおられるわけでございまして、ソフトウエアを開発するベンダーとしての中小企業と、あるいはそれを使うユーザーとしての中小企業と2つあるわけでございますが、上の方の開発者としての中小企業、あるいはベンチャー企業につきましては、従来どおりソフトウエア開発につきまして債務保証をする。それから、今まで手が十分つけられていなかったのは、プロジェクトを移していくときに、指導・助言とか進捗管理とか、そういったマネジメントの面における弱点というのがあったわけでございますが、それともう1つ、次の次にきている「ベンチャーキャピタル、投資育成会社等との『出会いの場』の提供」と書いてありますけれども、そういうことで、投資育成会社、あるいはベンチャーキャピタル、そういったところとベンチャーとの間のブリッジの役割を何とか果たしてまいりたいというふうに思っております。リスクマネーを供給するためとしの出資機能を私ども持っておりません。それから、ベンチャーで開発したソフトウエアが転々流通していくときの運転資金、そういったものを提供する。民業圧迫と言われることのないようにしないといけないのですけれども、例えば東京投資育成会社とか、商工中金とか、ベンチャーキャピタルとか、そういったところと私どもに申請していただいた中小のベンチャーとの間の橋渡し機能といったものをぜひ強化してまいりたいと思っております。
それから、ITユーザーとしての中小企業、普通の中小企業がソフトウエアを事業経営の中に取り入れていく、例えば在庫管理とか、あるいは人材管理とか、そういった場合に、購入しようとするソフトウエア自体が果たしてうまくワークするのか、そのテストランをするテストベッドといったものを提供してまいりたいと思っております。これはもちろん上の方のベンダーとしての中小ベンチャーが自分たちで開発しましたソフトウエアをテストランするためにももちろん使っていただくということでございまして、私どもの事業と申しますか、ニーズが非常にございまして、私どもにノウハウが蓄積されていった暁には、こういったテストをしていくソフトウエアについて、できればここの分はもうちょっとこういうふうにしたらいいんじゃないかとか、そういう助言とかアドバイスができるような形にぜひし持っていきたいなと思っております。それが3番目の機能でございます。
4番目は、「創造的ソフトウエア開発」でございまして、オープンソフトウエア、あるいはビジネスグリッド・コンピューティング、次世代ソフトウエア開発。今既に開発手法として、開発のプログラムとして今実証しておりますものをもっと時代の要請に応じて適宜見直してまいりたいと思いますし、場合によっては、特にオープンソフトウエアなんかは、日中韓のオープンソースソフトウエアにおける連携といったものが既に経済産業省の主導で、あと、JISAとの間で手をつけられておりまして、このオープンソースソフトウエアにつきまして私どもが支援するプログラムを持っております。そういったものの拡充とか、あるいは加速、また国際的な連携とか、そういった点に留意をしてまいりたい思っております。
それから、大きな2番目の機能として、「新生IPAの機能」として、「『安心』できる情報化社会を実現」。安心に着目したいと思っておりまして、そのうちの1が、「情報システムの脆弱性分析の充実」ということでございます。MSBlasterに代表されるようなネットワークの脆弱性、あるいはオープンソースソフトウェアOSSにつきましてもやはりこの脆弱性というのはございまして、今研究会を私どもで立ち上げてやっておりますけれども、それにつきまして攻撃手法の分析とか、あるいは対処策の策定とか、脆弱性をより少なくしたセキュアプログラミングの開発とか、そういったものに注力をしてまいりたいと思っております。
それから、3ページでございますけれども、「我が国唯一のIT製品のセキュリティ認証機関」。これはちょっと時間がないので詳しい説明は省略いたしますが、この12月の第1週にオーストラリアで開かれますコモン・リコグニション・アグリーメントの大会というか、会合がございますが、そこで私どもIPAがコモン・クライテリア・アレンジメントというアレンジメントの私ども認証機関、サーティファイニング・インスティテュートとして認定されるということがほぼ確実になっておりまして、そういったことで、特にITにの関連した商品、そういったものの安全性につきまして私どもが認証する。それが世界に通用していって、他のコモン・クライテリアに入っている諸国においてでは、そこで新たにな認証、認定ととか、そういった行為を、認定を取る、認証とか、評価とか受ける必要はない。そういった形になるわけでございます。これを拡充してまいりたいというふうに思っております。それによって、アメリカの例えば政府調達とか、そういったものに日本の製品が調達の機会を逃すといったことのないようにぜひしたいというふうに思っております。
それから、セキュリティの3番目でございますが、「暗号技術について、日本発の国際標準の獲得を目指す」ということでございまして、これはCRYPTRECで私ども事務局を務めまして、29の暗号につきましてe―ガバメントで使えるだろうということで御認定をいただいております。
片やISOの世界では、暗号につきましても国際的な標準をつくっていこうということで、より具体的には国際的に使うに値する暗号といったものを確定していこうという動きが出ております。これは時間はある程度かかると思います。あと1年とか1年半とか2年とかかると思いますけれども、既にワーキングレベルでの作業が行われておりまして、そんな29も、国際的な暗号技術としてはせいぜい10とか15ぐらいでいいというのが相場観でございまして、それぞれ公開鍵かぎとか秘密鍵かぎとか、そういったジャンルで今ワーキングレベルで議論をやっておりますが、いずれの分野におきましても今のところ私ども日本の暗号といったものがきちんと評価をされつつあるという状況でございまして、まだ時間はかかりますし、予断は許しませんけれども、ぜひ日本の暗号が国際的な認定というか、認知を受ける。こういうことに尽力を、もちろん私どもだけではありませんけれども、そういった結果に向けて努力を傾注してまいりたいと思っております。
それから、「新生IPAの機能」の3といたしまして、「IT人材の育成を強力に推進」ということでございますが、御承知のように私どもITスキル標準といったものを世に問うておりまして、大変関心と興味を示していただいております。
こちらの14ページを見ていただきますと、これは皆さん見なれた図だと思われるかもしれませんが、これがITスキルの標準でございまして、上に職種が11ございます。それから、下の方にレベルが1から7ございまして、それぞれサブアイテム、専門分野がございます。レベルが策定されておりまして、このレベルがどういった資格を持たなくてはいけないかということが1つ1つのセルごとにかかれているわけでございます。それは既に一応でき上がっておりますが、前のページに返っていただきまして、13ページでございますけれども、ITスキル標準、これを活用いたしまして普及をし、もう少しレベルアップをしていくといったことを今注力をしておりまして、特に真ん中に「ITスキル標準及び研修ロードマップの完成と改定」と書いております。今11と申し上げましたけれども、例えばレベルの4から5に上がっていくとか、あるいは横に少し飛んでいくとか、そういったときに研修をするロードマップというのはどういうロードマップをたどればいいのか。1つのひな形でございますけれども、これを6職種で作出つくりつつありまして、これは来年3月には完成します。それから、未着手5職種、これにつきましても来年3月までには完成したいと思っております。
それから、右の下の方にまいりまして、「プロフェッショナル・コミュニティの創設」というのがございます。ITスキル標準はIT技術の進展に応じて常時改定をしていく必要があるわけでございます。私どもだけでやっていましてもなかなかこの方向性が途中でとんちんかんになるのではないかというおそれを持っておりまして、プロフェッショナル・コミュニティ、ハイレベルのスキルを持った人材、例えばITアーキテクトという分野でプロフェッショナル・コミュニティを立ち上げつつありますけれども、そんなにたくさんは、せいぜい10人とか、それぐらいの方々に常時コンサルテーションをやっていただく。ここはこういうふうに直すべきではないかとか、そういったことで常に技術を追っかけていく。そういった形でやってまいりたいと思っております。
左の方にはITスキル標準に基づいたガイドブックとか、活用をどういうふうにしたらいいのかとかいったガイドラインでございますが、私どものガイドラインといったものを皆さんと御相談しながら作つくって活用してまいりたいと思っております。
それから、15ページでございますけれども、私ども今度情報処理技術者試験を実施するということで、来年1月5日から、今JIPDECで実施しております情報処理技術者試験を私どもが引き受けてやるということになっております。この15ページが今の情報処理技術者試験の分類でございまして、下の方にございます基本情報技術者試験、右の方に初級システムアドミニストレータ試験というのがございまして、これが大宗を占めているわけでございます。年間80万人の受験者がおられます。春と秋、それぞれ4月と10月にやっておりますけれども、いずれも最近では40万人ずつということで、先月終わりました。秋の試験もやはり40万人ということで、この基本情報技術者試験、これが大体3分の1、それから初級システムアドミニストレータ試験、これは理念的には情報システムを利用するユーザーの方々が受けるという分類になっているのですが、初級システムアドミニストレータ試験というのが40万人の3分の1を占めておりまして、残った3分の1が上の方のソフトウエア開発技術者試験とか、上の方にございますもう少し高度の情報処理技術者の認定をする試験の分野に3分の1ということで分類が分かれておりますが、トランスペアレンシーをもっと高めてまいりたい。もちろん確実に実施することと同時に、例えば成績の照会を受けたときに、あなたはこういうポジションでした、何点でしたというようなことをもっと拡大していきたい。今は基本情報技術者試験と初級システムアドミニストレータ試験についてはやっておりますけれども、残った3分の1の上のジャンルにも早急に拡大をしていく。そういったことに取り組んでまいりたいと思っております。
それから、CBTと言っておりますが、コンピュータ・ベースド・テスト、これを導入するべく、特に上の方の上級の試験で試験的に実施をして、その可能性を追求してまいりたい。こういうふうに思っております。
それから、この試験のアジア展開を引き続き追求してまいりたい。そういったことをやってまいりたいと思っております。
済みません。またこのポイントに返っていただきまして、4ページでございますけれども、「天才的な「ひらめき」が新たな世界を切り拓く」ということで、未踏ソフトウエアのプログラム、これをもう少し充実してまいって、スーパークリエーターと称する方々を、今現在28人いますけれども、これを倍増していく。50人。そういうふうにしてまいりたいと思っております。
もう1つは、「「地方の時代」をサポート」ということで、地方のIT技術者を養成する核として地域ソフトウエアセンターというのがございますが、これは私ども大株主で出資をしております。大変うまくいっているのと、累損を抱えているのと二極分化しておりまして、計画期間中にはきちんとした経営の基盤をつくり上げたいと思っておりまして、現在、ここに書いておりますが、SCBPR、Software Center Business Process Re-engineering Committeeというのを立ち上げておりまして、特にITコーディネーターが、3000人ほど、地方に展開しているのですが、そういった方々とか、経営コンサルタント、あるいは監査法人、そういった方々の大変厳しいプロの指摘を受けながら地域ソフトウエアセンターの立ち直りを図りたいというふうに思っております。ただし、効果が見込めないセンターについては整理もやむを得ずということでやってまいりたいと思っております。
それから、「新生IPAの機能」の4としまして、何と言っても「ユーザーの視点に立った効率的で透明な組織・事業運営」をしてまいりたいというふうに思っております。これにつきましては資料6-2パワーポイントの5ページをちょっと見ていただきたいと思いますけれども、ここに中期計画の中からいろんな数値目標をピックアップしました。
事業運営では、例えば提案公募期間、プログラムで公募をやっておりますので、どうぞ申請をしてくださいという申請の期間が現在年1回、26日間ということになっておりまして、ITの日進月歩の世界では大変短くて、年1回限りぽっきりというのは余り合理的ではないというか、妥当ではないと思っておりまして、これを随時、いつでも開いているというようにしてまいりたいと思っております。これはいろいろシミュレーションやっておりますが、何とかなるのではないかと思っております。
それから、提案公募をして締め切るわけですが、締め切って私どもが審査をする、。場合によっては先生方にもお願いをして、プロジェクトマネジャーが審査をして、私どもがそれを後でまたきちんと採択をするという、この採択までの期間が2カ月半かかっております。これを何とか2カ月以内に持ってまいりたい。
それから、採択は今ややもすれば年1回ということになっておりますけれども、これも実際に採択をされた企業と私どもの部局の担当者連中との間でいろんなすり合わせをやって仕様を決めていくわけですが、その間にどれぐらいの期日だったら大体できるねというのは心証としてお互いにわかるわけでございまして、したがって、3月末に常に検収研修を受けるといった硬直的な運営ではなくて、もっと早くやれる場合があるならどうぞと。遅くなる場合には年度を超えてもやる体制に今後なりますものですから、そういったことで非常に弾力的に運用してまいりたいと思っております。
それから、ここには書いておりませんけれども、中間払いですね。1年間かけてプロジェクトとして採択した場合に、途中でエバリュエーションをしまして、これは物になりそうだと。中間払いをして、成果が上がっているということであれば、中間までの成果物について対価をお支払いするということ。今半分ぐらいにはなっていますが、。これをどんどん拡大していくといったことをしてまいりたい。何といってもソフトウエア開発をされるの方々の多くは運転資金に非常に悩んでいるわけでございまして、そういったことものについて私ども制度の仕組みで改善できる点はできる限り実施改善してまいりたいと思っております。
それから、採択の回数は1回のところを2回にするとか、今までは単に私どものホームページに載せただけでございまして、それにヒットしてくるのを待っていたわけですが、こういったプロジェクトが始まりますよというのを私ども独自のメールリスト5000件以上、特に中小企業に何とか重点を置いてメーリングリストを作成して、今度こういうプログラムを開発しますので募集いたしますというのを前広に周知するといったこともやりたいと思っております。
その他、下の方に経営者とITコーディネーターの研修会とか、地域ソフトウエア協議会の開催とか、そういったことを書いてありますが、これは私どもが努力すればできることでございます。これは必ず実行してまいりたいと思います。
それから、あとは開発を支援した方々の努力と私どもの仕組みとが相まってようやくできるものがございます。例えば「市場性を有するソフトウエア開発の実用化達成率」というのがありますが、私どもが支援をして開発をしたプロジェクトがマーケットで売れた件数ですね。現在100支援して、27がマーケットで売れているわけでございまして、これを100支援をすれば40プロジェクトがマーケッタビリティーを獲得するということにしてまいりたい。これはなかなか野心的な目標でございます。そういったことをやってまいりたいと思っております。
それから、もう1つ上の方にいきまして組織運営でございますけれども、一般管理費の削減について。これは12%超、。事業費の削減については13%超ということで目標に掲げられておりまして、努力して達成してまいりたいと思っております。
それから、人事管理の面では「業績評価制度とそれに基づく成果主義の徹底」ということを書いておりまして、現在評価結果は賞与にのみ反映されております。これを役員、管理職は業績連動部分をさらに拡大するようにする。職員につきましては昇給にまで拡大していく。業績評価をボーナスのみならず、普通の給与、それから定昇、ひいては職員の昇格が上へ上がっていくときのメルクマールにしてまいりたいというふうに思っております。
それが「ユーザーの視点に立った効率的で透明な組織・事業運営」ということになっております。
それから、またこれに返っていただきまして、5ページでございますけれども、特定プログラム開発事業、あるいは効率化プログラム事業、シグマでございますが、融資事業、そういったものはこれを機に廃止していくということでやってまいりたいと思っております。
それから、資料5がございまして、本文でございますが、これの21ページでございますけれども、VIIの(2)「人事に関する計画」というのがございます。「管理業務の合理化を図り、管理業務に関わる支出の総事業費に対する割合を抑制するものとする」ということで、期初の常勤職員の数、これは来年1月5日に234人。試験をやっておりますJIPDECに今現在いる職員を引き取って、合わせまして234人でございますが、これを計画の期末には期初と同程度ということで、抑制、そういったことで運用してまいりたいと思っております。私の方からの説明は以上でございます。
【松山分科会長代理】
ありがとうございました。それでは、ただいまのIPAからの御説明に関しまして御意見、御質問等ございましたら、よろしくお願いしたいと思います。
見ていただいている間に、私の方から2点お伺いしたいことかございます。中期計画の中には開発されたソフトウエアのいわゆる知的財産としての活用戦略みたいなものが余り明確にはなっていなかったかなという気もしておりまして、何か少し知財としての活用、あるいは管理、活用体制ということについて御検討していただくという余地があってもいいのかなと思いました。
実は後で審議していただきます業務方法書の方には契約条項とか、そういうことを書かれているのですが、計画の中でIPA自身が、情報関係の著作権を扱っていると思うので、そういうところに関しての配慮というものも少しあればいいかなと、これは意見というより、単なる感想に近いところもあるのですが、実行に関して御検討いただければいいかなと思います。
【藤原IPA理事長】
開発したプログラムの知的財産権につきましては、積極的に日本版バイドール法を適用しており、ソフトウェア開発支援事業においては、IPAに知的財産権は残らないものが主流になっております。一方で、ソフトウエア・エンジニアリング・センターなどで開発した手法といったものにつきましては、IPAに残っていくということになりますので、これをいろんなことで広めていくということを考えてまいりたいと思っております。
もう1つは、債務保証をするときに、知的財産権、ソフトウエアをどのように評価するか、非常にバイタルな問題でございまして、これにつきましては勉強会を開いており、ヨーロッパの例などを参考にしながら、いろんな角度からどのように考えていったらいいのかについて、来年3月には中間的な報告を出してまいりたいと思っております。
【松山分科会長代理】
もう1つ言わせていただきますと、CBTのようなトレーニング、あるいはe―ラーニング的に教材提供とか、情報処理の人材教育プログラムというものも広く展開されると思うのですが、そういうときの教材にしておられると、かなりプロパティーとしてしっかりと管理するとか、特にITスキルの基準などとあわせて、ある意味できちっとしたカリキュラムに基づいてつくられた教材コンテンツというのは、知的財産としての価値があるのではないかと思います。大学などから、それを使わせていただきたいといったときに、教材としてアカデミックプライスは幾らですよという話があってもいいのかなと思います。例えば、英語のTOEIC、TOEFLなどについても大学である種のプログラムの中に入れていることもありますので、教育のための資産作りということも考えらえてもよいのではないか。そういう意味での活用という意味もございます。
【池上委員】
まずこのレジュメの2ページの「中小企業のためのIPA」というのはよく書かれているのですが、1番目はベンチャー支援、2番目は情報化支援というふうになっているんだけれど、ここはIT投資に偏り過ぎていますよね。特に一番最後の「IT投資(導入ソフトウエア)のテストランをするためのテストベッドを提供」というのは、全くわからないわけではないですが不思議な文章ですよね。何だかよくわからない。
これは中小企業にとって何をやってほしいかというのを、既に検討されていると思いますので、見た方がいいのではないか。これを見ると随分バイアスがかかっているような感じがするんですよ。もうちょっと中小企業にとってやってほしいということがあるのではないという感じがするんですよね。
例えば、先ほどの著作権の話にも関係するんですけれど、あるいは実用化目標40%と書いてあるのですが、もちろん我々は評価する側ですからばっさりやろうと思いますが、これは本当に難しいと思います。これは実用化というのは一体何なのだという議論から始まるわけですね。実用化というのは、商品として世の中に出ていくというふうにもし定義するとすれば、現状で言いますと、この目標というのは非常に難しいのではないか。現状というのはどういうことかというと、今中小企業がいろんなソフトウエアを開発しているのですが、結局ユーザーがいないために、ある意味ではショーウインドーに飾っているだけ。それになれちゃって、最近ですと、中小企業でつくったソフトウエアもショーウインドー用につくっていて、完成度が低いのも飾られているということが問題にはなっている。ただ、客がつかないからどうしようもないという話がある。その辺を何かIPAの方で手伝いができるとすれば中小企業は喜ぶだろう。それはどういうことかといいますと、営業活動的なものをどこまでやるかということだと思うわけですね。もしそれをおやりになるとすれば、3で「中小企業のためのIPA」と書いてあるけど、やってもらいたいことと、IPAが今できること、あるいは将来はぜひやってあげたいということをもうちょっと整理された方がいいのではないか。我々は実用化40%で評価するので、ある意味では簡単ではあるんですけれどね。
【藤原IPA理事長】
例えば経営からマネジメントにつきまして指導・助言をするというのはなかなか難しく、あくまでもソフトウエアの技術開発に関する支援をやっている。技術的に完成するだろうということになると、次にそれをどうやって売っていくかというのは、これは餅は餅屋にやってもらったらいいのではないかと思うんですね。お金を出して、事業化するときに、最初はリスクマネーが要りますから、ビジネスの流れとして、理想的に考えていくと、それは投資育成会社とか、ベンチャーキャピタルの話ではないかと。こういうプロジェクトがあるんだけれど、あなた方、見てくれませんかねと。例えば、東京投資育成会社が今始めているんでけれども、中小企業診断士の資格を持っている人とかが主流をなして、彼らが投資をするに足りるプロジェクトかどうかというのを厳しい目で見ている。彼らが見て、リスクマネーを提供して、今度は物を売っていくわけです。今度は運転資金が要る。運転資金は、官業でいうと商工中金ができるわけでございまして、彼らもそういうのは慣れていますから、彼らの目にとまるように私どもは紹介などをしていって、ベンチャーキャピタルも出資してくれているので考えてくれませんかというのをオファーしていく。そういったことができるのではないかなと思っています。それが1つITベンチャーとか中小企業に欠けているというか、私どもができる支援のホライゾンというか、そういうものを示すことができるのではないかと思います。
それから、テストベッドというのは、普通の中小企業の方々は在庫管理なんかのソフトウエアを導入して、あるいはパッケージ・プラスアルファぐらいのものを導入しようとしたきに、本当に自分たちでソフトを導入したときに動くのかというのをテストベッドというのにテストランしてもらって、本当にうまくいくのか。それなら安心して買えるということになります。そういうことをしてまいりたいと思っています。できれば、テストランしたときに、このプログラムはここがちょっとおかしいからこう直した方がうまくいくよとか、そういったこともアドバイスをすることができるようになれば、これもソフトウエア・エンジニアリング・センターでそういった手法を開発していって、そういったテストランをするときのアドバイス機能を持つようなことにしてまいりたい。
【池上委員】
例えばソフトウエア・エンジニアリング・センターなんかをつくった場合には、具体的にエンジニアをどのくらい置くかとか、あるいは置き方については心づもりはあるんですか。トータル234人というのは厳しいと思うんですよね。しかも5年後234人でやれという話になるとすると、恐らく切り離していって独立させるようなことをやっていかないと、発展をもし前提とした場合は、答えはないと思うんですよね。その辺は何か今心づもりはありますか。
【藤原IPA理事長】
大変厳しい御指摘でございまして、これは知恵を出していかないといけないところだと思っております。今ソフトウエア・エンジニアリング・センターにつきましては、人員の推移といったものを考慮しなければならず、10人から20人の間ぐらいで何とか回していけることにならないかなと。そういうふうに思っているんですけれども、例えば仮に20人ということになれば、ほかの分野の人員を減らしていかないといけないわけでございまして、人件費と定員管理と2つありまして、人件費につきましては人件費を圧縮していく。もう1つの定員管理の方は一部はアウトソーシングしていく。既存のものにつきましてアウトソーシングしていくとか、それからかなりのドラスチックなプログラムの見直しをやって圧縮をしていこうと思っているのですが、言うは易すく行うは難しという面があるかもしれません。何とか努力していきたいと思っております。
【池上委員】
ソフトウエア・エンジニアリング・センターについては今井代理の御意見を伺ったらいかがでしょうか。
【今井代理(櫛木委員)】
ソフトウエア・エンジニアリング・センターといいましても、今いろんな形があろうかと思いますし、私どもたまたま同じ名前なんですけれども、私は松下電器の中でソフトウエア・エンジニアリング・センターというのをつくらせていただいて担当しているんですけれども、基本的にはプロセス改善と、それに必要なスキルの策定、その教育プログラム。私どももやはり同じように会社の中では人数枠みたいなものがございまして、アウトソースもやっております。といいますか、なるべくアウトソースするようにしております。松下の中で私のところは大体30人ぐらいの規模でやっております。その半分ぐらいがプロセス改善の担当をしておりますし、半分ぐらいが教育だとか、手法の開発といったことをやっております。
基本的にはSEIのCMMを松下といいますか、企業の中でアプライできるように、どうしてもカスタマイズが必要な部分が出てきております。例えば細かくなり過ぎますけれども、ベースラインをどこで引くかというのはアメリカでできているCMMというのはリリースポイントかなということになっておりまして、これを組み込みということでやりますと出荷ということになってしまいますので、それは実際の改善になかなか結びつかないといったような1例ですので、この件がどうこうということではないのですが、こういったことが幾つかございますので、こういったことを1つ1つ実態を踏まえて埋めていく。それを現場にアプライするというようなことをやらせていただいております。
そういう意味ではソフトウエア・エンジニアリング・センターでは我々が1企業ではできないような組み込み全体、私どもが担当していないような事業を含めた全体に対して、全体といいましてもそれぞれ分野は変わってくるかと思いますが、そういったところをうまく括っていただいて進めていただくということは非常にありがたいと思います。もう1つは、セキュリティ、ISO15408の話がございましたけれども、これがプロセス改善の場合ですと、ISOですと多分15504になろうかと思うんですけれども、こういったことが制定されたときの日本での認証というんですか、先ほど池上先生がおっしゃっているように、どこまで中小企業がついてこれるかというのはインフラ部分について1企業ではなかなか負担し得ないようなインフラ、こういったことに対する支援というんですか、そういったことはぜひとも、中小企業に限らず、私企業に対して、1私企業ではなかなか負担し得ないようなインフラですね。例えばこういう15504の認証機関として機能できるようなこと、そういったことをぜひともやっていただければと思っております。
【阿草委員】
僕はソフトウエア・エンジニアリング関係の研究をずっとやっているんですけれども、IPAの中でいうソフトウエア・エンジニアリング・センターと、もう1つ、人材のスキルというか、人材育成の話になりますが、やはりソフトウエアが余りにも人海戦術でつくるということに対するある意味で反省というか、属人性の排除というのがソフトウエア・エンジニアリングの目的であるという方もいるぐらいですので、ソフトウエア・エンジニアリングということと人材育成というのはある意味では反すると言ったらいいんですか、言い方は少し難しいんですけれども、うまくソフトウエア・エンジニアリングが動けば、ある程度の教育を受けていれば、そのままでソフトはつくれるはずだと。それがつくれないから人材のところに頼っている。そういう側面がありますので、やはり何らの形でソフトウエア・エンジニアリング・センターの成果が、ツールとか、環境とか、何らかの形で世の中にフィードバックされて、できるものは人間の能力に頼らないというか、定型化できるところをいかにきっちりフィックスしていくかということが重要だということを少し覚えておいていただけるとありがたいと思います。
シグマをやった時代のときには、もちろん時代とか、能力とかいろんな意味で問題点があったんですけれども、やはり人間がよりクリエイティブなことをやって、少しでも自動化をするんだという側面があって、その自動化したツールを使いこなすのが人材であると。ですから、ソフトウエア・エンジニアリング・センターの成果として単なる評価関数であるとか、単なるCMMのいろいろ文章で書かれた基準であるとかではなくて、何らかのメジャーとするためのツールであるとか、道具の形でセンターはソフトウエアをちゃんと生成する。ソフトウエアを管理したり、評価したり、製作を支援するツールというか、ソフトウエアを生成するんだという意識をどこかで持っていただけたらと思います。余りにも人材育成のところに気を置いてしまいますと、そっちの方できっちり教育すればできてしまうということであれば、いつまでたってもやはり人海戦術を抜け出ないのではないかと。そういうところが少し気になりますので、よろしくお願いします。
【松山分科会長代理】
ありがとうございました。
前回の経済産業省独立行政法人評価委員会での御議論も御紹介があったと思うんですが、IPAは公の立場でソフトウエア関係のところを取り仕切っていこう、中核的機関として役割を果たしていこうということだと思うんですね。そのときに、こういう計画で基本的には、ほかの委員の先生が言われたことも含めまして、基本筋としてはいいのではないかと思っているのですが、ただ、1つ気になっているのは、実は権威の創生ですね。もうちょっと今流に言いますと、ブランド形成というのをどのように考えているかというのが実はよくわからない。といいますのは、実はソフトウエアとか、こういう分野においては、ブランド意識というのは非常に強いのではないかと思っております。IPAにおいて、非常に成功した例としては画像処理のソフトウエアライブラリーでスパイダーというのがあるんですが、これは日本だけではなくて、ヨーロッパ中心に外国にも出して非常に広く使っていただいている。ある種のリターンもIPAの方に戻っているということで、多分あんまりソフトウエア関係では認知されていないのですが、IPAがこれまで支援されてつくられたものの中で、多分断トツ1位の成功事例だと私は思っているんですね。
もう1つ、最近の例で、IPAのソフトウエア開発で、連続音声認識ソフトウエアというのがございます。これについては、現在コンソーシアムが情報処理学会につくられて、多くの企業に講習会を含めて毎年バージョンアップをして公開されているというような活動がIPAのプロジェクトが終わってからも続いています。私はこのぐらいの例しか知らないのですが、実はそのときに共通しているのは、30代を中心としたバリバリの研究者の人たちがコミットしているんですね。その製作及び普及、改変に関してかなり多くの方々がコミットメントしている。ということで、結果的には別に情報処理学会推薦とかいうのはないのですが、実質的にはそういう学会コミュニティ、企業で広がった。企業から見ると、実はそういう先生方の個人個人、あるいはグループとしての権威というのに裏づけられたソフトウエアであるということで、ある種のステート・オブ・ジ・アートというのがそこでわかるという安心感があるんですね。ですからベンチャーの単なるお助けソフトウエアではなくて、権威を持ったソフトウエアというのが必要なのではないかなと思っております。公の立場というのは、権利とか権威とか権力とかいうのは、やはり公のために1つの道しるべというのをちゃんと示せるというようなことで、逆に言えば信頼感ですね。そういうものをソフトウエア関係ではきちっと持っていくというのも1つの戦略としてあるのではないかと。そういう意味で、ソフトウエア・エンジニアリング・センターとか、プログラム開発での各種評価委員とか、プログラムマネジャーとかいうところでありましたけれども、もう少し踏み込んで何かそういう学術的な権威を用いてコミットメントを約束していただけるような方々とヒューマンネットワークをうまくつくって、今のようなことをやると、かなりアウトプットとしての信用が増すというふうな気がいたしております。特にここに書き込んでいただきたいということではないんで、解釈の問題として少し意見として述べさせていただきました。
【藤原IPA理事長】
調べましたが、画像認識につきましては、返ってきているロイヤルティーとして一番大きなシェアを占めておりました。
御指摘のとおり、私どもそういう観点からすると、広報体制は今まで弱かったので現在いろいろやっておりますが、私どもが過去開発したもののうち、例えばIPV6なんかも日本発のプロジェクトでございますし、トロンもそうですし、MPEG-4、それからセキュリティでもオープンPGPとか、自動車産業におけるエレクトニクコマースに活用しておりますJNXとか、もちろんスパイダー2とか連続音声認識など成功事例が多々あるということがわかりまして、実は今それを小冊子にまとめております。来年1月にはできますので、お届けいたします。
それから、今までの若手の学会との方々との関係といったものも必ずしも十分ではなかったと反省しておりまして、これにつきましても経済産業省の御指導も得ながら、例えばシンクタンク機能の充実とか、あるいは個別のスーパークリエータの育成とか、そういったことを含めて1つ大きな視点としてピボットを置いてまいりたいと思っております。
知的財産権につきましても先生のお話だと、少し自分のところで知的財産権の価値を保持するようにしようということでございましたが、どうも公的機関というのは無償で配付しないといけないのではないかという考えがどうも職員にはあるようでして、もっと独立独歩でやらないといけないのではないかというふうにも思っております。大変力強い御発言をいただきまして、そういった私の方針ももう少し追求してまいりたいと思っております。
【池上委員】
補足なんですけれど、今、松山さんがおっしゃったことは非常に重要で、つまり今言ったソフトウエア人材のネットワーク、IPAの魅力というのは、我々から見るとそれくらいしかないんですよね。過去、ソフトウエアがハードの添付品だった時代に、ある意味では研究費が恵まれていない方にお金を出していた。彼らはみんな感謝しているわけです。ですから、ぜひ我々評価項目としてソフトウエア人材ネットワークのメンテナンスというのを入れていただきたいですね。いろいろやり方はあると思うんですけれどね。御案内のとおり、彼らはある意味では束縛されるのを嫌うんだけれど、逆にそれをうまく手なづけるというようなことができれば、我々高く評価したいと思います。
それから、もう1つ、ちょっと気になったのは、人材スキルの育成の話と、資格が1つの機関でやられていますね。将来どこか切り離せと言われるかもしれませんね。
【藤原IPA理事長】
情報処理技術者試験のことでしょうか。
【池上委員】
そうです。試験と育てるのを一緒の機関でやっているということになりますよね。だから、それは切り離してもいいのかもしれないし、あるいはとことんこの方がいいんだというようなこともあるのかもしれないし、ちょっとその辺は多分うまくいくと、ここは切り離せという話になるかもしれませんね。ただ、いずれにしてもいいものをつくる。両方とも、育成についても、資格についても充実させることを大事にやるということは一番重要だと思います。
【藤原IPA理事長】
ITスキル標準と試験につきましては、見ていただくと、かなり重複していると申しますか、素人目にはよく似ている分野というか、スキル標準はもうちょっときめ細かいんですけれども、試験に受かったらITスキル標準のどのあたりにいるんだとか、そういったことはやっていかなくてはいけないと考えております。つまり、試験に受かったら、少なくとも、ITスキル標準のどのセルの資格を得たというぐらいには、同一機関で実施するからには、資格の一部は得たということぐらいにしないと、わかりづらいと思うんです。
【池上委員】
試験は日本のものなわけですよね。日本の中では、先ほどのブランドであり、なおかつ正当性が担保されている。それと自ら育てるという話が1つの機関で行われているということは、試験の権威が落ちるようなことはありませんでしょうかねという心配です。
【阿草委員】
創造的ソフトウエア開発もそうですし、未踏ソフトもそうなんですが、これらは別に売らないソフトを配るわけではなくて、広い意味でソフトウエア産業とか、経済力であるとか、いわゆるソフトウエア製品としての競争力の強化という側面だと思います。ここらのところにかなり大学の方が参画していますし、やはり大学の活動の中の商品化しやすいのはソフトウエアの分野ですので、そういう側面がどういうふうにプロモートされているかということを少し意識されて、評価の中に、やはり産業形成にも役に立っているということをどこかに置いていただければ、ある意味で経産省の中ですので、これを読むだけでは、日本からすばらしいソフトを出すんだというと、科学技術という側面のソフトウエアも当然あるわけですので、やはりビジネスのセンスをどこかで、ビジネスにつながったという評価項目というのを少し評価の中に、ここにも「事業化を支援」と書いていますけれど、特に大学のいい人たちの、いいソフトをマッチングファンド的な意味での商品化にまで持っていくとか、そういう側面のことも少し前向きに考えていただければと思います。
【池上委員】
産学官連携というタグがあってもいいですね。
【松山分科会長代理】
ありがとうございました。貴重な御意見をたくさんいただきましてありがとうございました。それでは、この中期計画案につきましては、独立行政法人通則法第30条第3項の規定によりまして経済産業大臣が認可されるわけですが、それに先立って、あらかじめ評価委員会の意見を聞くというふうなコンテキストできていものでございまして、ただいまいただきました御意見をもとに中期計画の案を修正させていただきまして、12月15日に予定されております経済産業省独立行政法人評価委員会に審議をゆだねたいと思っております。
なお、本日非常にたくさんの御意見をいただきまして、どういう形で具体的に手を加えてくかということにつきましては、分科会会長の安西先生と私及び事務局の方に御一任をいただきたいということでございますが、よろしゅうございますでしょうか。
ありがとうございました。それでは、本日のメインの議題は以上で終了でございますが、まだあと2つばかりございまして、これについて引き続き、少し時間が遅くなってしまいましたが、御議論をお願いしたいと思います。
【松山分科会長代理】
次は、議題4でございまして、業務方法書案についてでございます。
それで、IPAが作成されました業務方法書案についてIPAの藤原理事長から引き続き御説明をお願いしたいと思いますが、この業務方法書案につきましては、独法通則法第28条第3項の規定によりまして、経済産業大臣の認可に先立ちまして、あらかじめ評価委員会の意見を聞くことになっております。ただ、経済産業省の独立行政法人運営規程によりまして、本分科会の議決をもって評価委員会の議決とすることが可能であるという規定になっているようでございまして、今回はそのようにさせていただきたいということでございます。すなわち、ここでの議決というのが最終的な議決としてこれに関しましては決めさせていただきたいということでございます。それでは、藤原理事長、よろしくお願いいたします。
【藤原IPA理事長】
それでは、資料7と資料8が業務方法書に係る資料でございます。資料7に沿って御説明させていただきます。
業務方法書の位置づけにつきましては、今、松山分科会長代理の方から御説明いただいたとおりでございます。
それから、業務方法書のポイントでございますけれども、なるべく対外的にわかりやすいものとするということを心がけました。
それから、今、2つの業務方法書がありまして、情報処理促進に関する法律に係る業務方法書と、新事業創出促進法に係る業務方法書です。後者は地域ソフトウエアセンターへの出資やあるいはそこに対する支援など新事業創出促進法に基づいて書かれているのですが、今回、これら2つの業務方法書を一本化することといたしました。
第1条、2条につきまして、目的、運営の基本方針でございますけれども、3つ目に書いておりますように、「e―Japan重点計画」に沿って産学官にわたる国内外の関係機関と緊密な連携を図りながらやってまいりたい。業務を効率的かつ効果的に行うということも書いております。
それから、プログラムの開発・普及というのが大きな業務の1つでございますが、これにつきましては、企業等自らが開発困難なプログラムの開発を行う。開発に当たりましては、技術動向、特にユーザーのニーズを十分に把握して行うということを入れております。
それから、債務保証、6条から11条に書いておりますけれども、これは前と継続業務でございまして、特に変わった点はございません。
それから、情報処理システムに関する技術上の評価というのがございます。これはコモン・クライテリア等に基づきまして商品の安全上の審査と申しますか、認証とか、そういったものをやるということ。それから、国際的な動向を十分把握して行う。こういうことを書いております。
それから、3ページでございますけれども、調査という項目、調査、広報でございますが、これを1条、特に立てさせていただきました。情報処理に関する調査を行い、その成果を広く普及するということを1条立てさせていただいております。
それから、情報関連人材育成事業というのを15条から17条に書いておりますけれども、これも今までと同じ事業でございますけれども、こういった書き方をさせていただいております。
それから、情報処理技術者試験、18条から21条でございますけれども、これがJIPDECから引き継ぐ予定になっている事業ですが、適切かつ確実に行う。それから、情報処理技術者として必要な知識及び能力の判定、これは私どもから離れて、情報処理技術者試験委員が独立して実施するということを書いております。
業務委託をする場合、基本的には、公募等の競争的手法によって実施する。公募は事前に周知し、必要に応じ説明会を開催することで、事前の周知をもっと徹底するということにしております。
それから、契約に際しては、知的財産権の取り扱いに配慮する。なるべく日本版バイドール法をまだ適用していないものについては、適用できるものには適用していく。それから、SEC等につきましては、知的財産権について新たな体系、それから債務保証につきまして今やっております研究の成果を問いたいと思っております。
それから、その次のページでございますが、契約に関する基本的事項です。競争を原則、公正性及び透明性の確保を図る。それから、ポツの3に書いておりますが、事業年度を超える契約を可能とするということでやってまいりたい。これがないと、随時公募、それから年に2回採択といったことが不可能になりますので、これをきちんと明定しておきたいと思っております。
それから、30条から34条につきましては、積極的な成果の普及。場合によっては業務の受託。それから、なるべくパブリシティを高めるということでやってまいりたいということでございます。以上でございます。
【松山分科会長代理】
ありがとうございました。
ただいまの業務方法書案の説明につきまして御意見、御質問ございますでしょうか。
【池上委員】
2ページ目、プログラムの開発・普及、ここで自らプログラム開発を行うということが書かれていますよね。モデルとしては例えばフラウンホーファとかそういうことをお考えになっていると思うんですがね。「企業等自らが開発困難なプログラム」というふうに条件をつけることはどうなんですか。普通こういう書き方は公的機関ですと書いちゃうんですけれどね。これが足かせになるということはないですかね。
要する先ほどの阿草委員のお話ではないですが、競争力の強いプログラムをつくってもいいわけですよね。「企業等自らが開発困難」ということは、企業にとって魅力のないことをやれというふうにとれるのですが。
【藤原IPA理事長】
「企業等自らが開発困難なプログラム」との表現は、「情報処理の促進に関する法律」の業務の中で記述されているものでございます。
【嶋田情報処理振興課長】
法律がらみのことですので、役所の方から回答させていただきます。
行革の議論の中で全特殊法人についてずっと議論がなされ、IPAの役割についても相当抜本的な議論がされて、普通に企業ができることを行う必要はないだろうと。そのすみ分けはきちんとしろということになって、法律上もそういう文言が入っています。
ただし、「自らが開発困難なプログラム」というのは、当然公的色彩のあるものも含みますし、リスクが高過ぎて普通だったら手を出せないというのも入りますから、そこは広く理解はできるものと思っています。
【松山分科会長代理】
ほかに御意見ございますでしょうか。
私のほうからお伺いします。業務方法書の資料8の4ページの業務委託契約の締結の話ですが、3のところで、これは国立大学としては非常にありがたいことが書いてあるのですが、ここが実は先ほど言った知的財産のことで、IPA自身ポリシーがあってもいいのではないかというところに引っかかったこともあって、これがいけないわけではないんですが、知的財産ポリシーみたいな話がはっきりあって、その立場で契約ということを言うことが筋かなという気もしたんです。ここが、先ほどのコメントの基になったということです。
もう1つ、5ページの第30条の2項ですけれども、「機構は、成果の普及を実施するときは、適切な対価の支払を受けることができる」ということで、「対価の支払」ということの解釈で、収入を得る。これは公の立場としての限度があっていいのか、ない方がいいのかよくわからなかったのですが、「適切な」というところで歯どめがかかっているから、要するに民の立場でお金を稼ぐということはしませんよということで理解でしたらいいのかもしれないのですが、そこらのところはこの「適切な」ということの意味ですべて尽くされているというふうに考えてよろしいんでしょうか。
【藤原IPA理事長】
成果の普及は私ども余り十分でないところでございまして、積極的に実施してまいりたいと思いますけれども、コストを全部回収するとか、そういったつもりはありません。公的な支援もございますし、余りバーを高くすると普及にかえって邪魔になりますし、なるべくコスト意識は持たないといけないと思いますけれども、それを全部価格に転嫁していくというようなことは考えておりません。
【松山分科会長代理】
実は、そのもとになりましたのは、経済産業省独立行政法人評価委員会でのコメントの一番最初、本日の資料で言いますと資料3でございますけれども、最初に嶋田課長から御紹介がされましたが、東工大の鳥井先生の「民間移管等のメカニズム」等というコメントが目標に関してあったわけですね。そのときに、民間に移管できるということは、収益事業としてコストと収益がバランスするという、あるいは収益の方が多いという話になってくるのかもしれないけれども、鳥井先生がこれをどこかに埋め込んでおくことが重要ではないかと言われたことが直ちにということはないと思うんですが、やはりそれを受けるのは業務方法書の30条のところの「適切な対価」というところに絡むのかなという気がしておりまして、多分第2期の中期計画期間に向けての中期計画の目標の策定の見直しというようなことをやるときに、ある程度民間部門として切り出せる部分が出てくることは悪いことではないのではないかという気もしているんですね。そういう意味で、公の立場と、逆に収益事業のバランスポイントというのをこの第1期の中期計画の中で試みていただくと、結果として収益部分というのがあっても私は別に悪くないと思うんですね。むしろそれをうまく切り出したということが1つの成果というか、新生IPAだからこそできたということにもなるような気もしていまして、これも別に業務方法書を修正してくださいということではなくて、鳥井先生のコメントとここが対応するかなというふうに思っているということで御理解いただければありがたいんですが。
【藤原IPA理事長】
事業をやっていく際のコスト意識を私は持たなくてはいけないと思っておりまして、日頃厳しく言っているんです。ただ、コモン・クライテリアの認証を始めますけれども、多くの人を雇用して、相当の設備投資をして実施し客はどのくらいいるんだと。実際認証を受けにくるアプリケーションというのはどれぐらいあるんだと。それに対してどういう対価を設定するのか。余り高くするとアメリカにいっちゃうわけですね。アメリカが安ければ、コモン・クライテリア、国際的な価格づけが行われておりますので。
だけど、少なくとも事業としてやっていくときにはどういう収支計算になるんだという意識は持たないといけないと思います。コストはどのくらいかかって、そのうちのある部分については公的な支援があって、もう1つは受ける申請者から認証料としてもらうといったことでやっていく、もっとやろうとしていることを周知することによって収支がだんだんよくなっていけば、場合によっては、また別の観点はありますけれども、認証というのが果たして民間に馴染むのかという問題はありますが、1例でございますけれども、民間に移していけるメドが立つとか、タイムスパンはあるんですけれども、そういったことでやってまいりたいと思います。
それから、大学につきましては、例えば国公立の方で知的財産権は保持したいといっておられる場合に、いや、私どもバイトール法でやるんだから、何としても、申請者の方にバイドールをしてやらなければいけないと、こういう場合かなと思うんですけれど、そういうことでしょうか。
【松山分科会長代理】
大学の立場から言うと、できるだけ囲い込む方向といった話も片一方であって、多分IPAとしては、IPAが知的財産戦略を明確にお持ちになって、自らソフトウエアも開発されるわけですし、そういうような感じで、それの活用というのが出てくると、そこで協議というのがスタンダードかなという気もして、そこらのところの知的財産に関しての基本的スタンスというのを検討いただければ、その辺もまたかかわってくるかなということでございます。
よろしゅうございますでしょうか。
それでは、今いただきました御意見に基づきまして、基本的に見直しというような大きな点はなかったかに思いますが、再度微調整をさせていただきまして、12月15日の評価委員会の方で説明ということにさせていただきたいと思っております。
最終的に本日ここで承認いただいたということにさせていただきたいと思うんですが、字句等の修正というのもあり得るかと思いますので、それに関しましては、分科会長の安西先生と私及び事務局の方に御一任をお願いしたいということで、一応御承認をいただいたということにさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、最後の議題になろうかと思いますが、役員報酬等の支給基準の案についてでございます。この役員報酬等の支給基準につきましては、法人が主務大臣に届けた後に、評価委員会は通則法第53号第2項の規定によりまして、規定の内容が社会一般の情勢に適合しているか否かにつき、主務大臣に対して意見を申し出ることができるということになっておりまして、それを踏まえまして事前に法人より評価委員会に対して規定案の内容を説明していただいて、審議をしていただくということになっております。そのための検討というのを本日これからお願いしたいと思います。
それでは、役員報酬等の支給基準につきまして藤原理事長の方から御説明をお願いしたいと思います。
【藤原IPA理事長】
それでは、資料9と、それから10―1、10―2というのがございます。10―1の方が役員報酬規程の案でございます。それから、10―2の方が役員の退職手当規程の案でございます。資料9というのはそれをまとめたものでございますので、資料9に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。
独立行政法人通則法の第62条によりますと、役員に対する報酬、退職手当は、役員の業績が考慮されるものでなければならないということで、業績をなるべく反映する割合を高めろということがうたわれております。
報酬につきましては、役員報酬と退職手当に分けて御説明いたしますが、報酬につきましては基本俸給、それに業績給、通勤手当という3つから成っております。通勤手当は実費でございますので省かせていただきまして、基本俸給と業績給の御説明をさせていただきます。
現行給与というのが(2)に書いております。理事長の場合、1907万4204円ということになっております。これを、独法後、若干、年報で1万円下がった1906万3392円にさせていただければと思っております。
それから、理事長の職務代行を行う順位が第1位である理事につきましては、やはり現行より1万円若干下げた水準になります。理事につきましても右に書いておりますような水準、監事につきましても若干下がる。こういった形で処してまいりたいと思っております。
独法の役員報酬というのは基本俸給、理事長の場合ですと、1722万7000余の基本俸給と、業績給ということから成っております。資料の下の方の枠の中に書いておりますが、基本俸給というのは月例の支給額プラス特別都市手当、これは東京の場合12%というのが決められております。それに12カ月。それに賞与というのが基本俸給というものになっております。賞与は、月例支給額と特別都市手当の12%を足した金額の3.08カ月分になっております。
業績給は、月例支給額、特別都市手当を除きます月例支給額掛ける1.8。これは要するに変数でございます、この定率を1.8にさせていただきたいと考えております。それがB評価の場合でございます。評価委員会の評価結果に即した割合といのが※印で書いておりますが、B評価の場合は1.8そのものです。5段階に分かれておりまして、AA、A、それからC、Dに分かれております。B評価の場合、理事長は1万円下がる。こういうことでやらせていただきたいと思っております。
退職手当につきましては、現在月例支給額掛ける100分の28掛ける在職期間ということになっておりますが、現在は業績によって左右されているということになっておりませんが、今後は評価委員会の評価結果、AとかAAといったものを勘案いたしましてプラス・マイナス10%の範囲内で増減をするということにさせていただければと思っております。
裏のページでございますが、参考を見ていただくと、ここに月例支給額を理事長とか理事というふうに分けておりますが、例えば理事長の報酬例というのがございまして、B評価の場合、1906万3392円でございますが、それは、左の真ん中ぐらいに基本俸給(1)と書いておりますが、1722万7392円と、網かけをしております一番下の欄の業績給の(2)のB評価の場合、183万6000円から成っておりまして、それを足しますと1906万3392円ということになるわけでございます。これを業績給の(2)のB評価を100としまして、評価がAなら200、AAなら300、Cなら50、Dはゼロということでやってまいりいと思っております。
そうしますと、例えばAAというのが一番最上限でございますが、2273万円になります。参考までに基本俸給の1722万円の中に占める227万円余の割合というのは32.0%になり、他法人よりも業績の変動幅が大きくなっているということでございます。以上でございます。
【松山分科会長代理】
ありがとうございました。
ただいま御説明がございました役員報酬等の支給基準案につきまして御意見、御質問ございましたらお願いします。
よろしゅうございますでしょうか。
この分科会としましては、この案につきまして御承認をいただいたということにさせていただき、12月15日の評価委員会の方で御審議をお願いするということに進めさせていただきたいと思います。特に御意見、御修正ございませんでしたので、基本的にはこのままかと思いますが、字句等の修正がございましたら、私と事務局の方にお任せいただきたいということで御承認をお願いしたいと思います。
ありがとうございました。
それでは、本日の議題は終了でございますが、本日御審議いただきました中期計画の案、業務方法書案、役員報酬等の支給基準案及び前回に議論していただきました評価基準案というのがございましたけれども、それらにつきましては12月15日の独立行政法人評価委員会におきまして御説明させていただいて、中期計画案、役員報酬等の支給基準案及び評価基準案につきましては、評価委員会の審議を仰ぎたいということで御了解をお願いしたいと思います。
これで本日の審議を終わらせていただきたいと思いますが、特に全般的に何か御意見がございますでしょうか。
よろしゅうございますでしょうか。
それでは、最後になりますが、嶋田課長の方から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【嶋田情報処理振興課長】
今、松山分科会長代理から御説明がありましたとおり、12月15日の第15回独立行政法人評価委員会におきまして、中期計画案、役員報酬等の支給基準案、評価基準案について御審議いただき、議決いたします。また、業務方法書案については、本分科会の議決をもって経済産業省独立行政法人評価委員会の議決といたしますが、評価委員会において審議結果についての報告を行う予定でございます。
なお、この中期目標が新法人に示され、これを受けた中期計画が公表されるのは1月5日以降の予定でございます。
先ほど委員の皆様に分科会長及び会長代理、事務局に一任することにつき、御賛同いただきましたが、1月5日までの間に財務省との調整等の結果、多少の修正が行われる可能性がありますことを御了解いただきたいと思います。
今回の分科会により、独立行政法人化前の審議は終了いたします。次回は来年3月ごろを予定しております。評価についての具体的に方針、手法を審議していただく予定でございます。詳細な日程につきましては、年が明けまして改めて御連絡をさせていただきたいと思います。お忙しいとは思いますが、万障お繰り合わせの上、御出席の方、よろしくお願いいたします。
【松山分科会長代理】
どうもありがとうございました。
以上をもちまして、第3回の情報処理推進機構分科会を閉会させていただきますが、最初に申しましたように、本日、規定上の定足数が満たされていないということで、緊急時の特例ということで議事を進めさせていただきました。同規程の第2項においては、今言いました緊急時の特例の規定により議決された事項については、次に開かれる委員会において委員長が当該議決された事項を報告し、了解を得るということで、基本的には事後承諾という形で、定足数が満たされた委員会で報告して、承認を改めて得るという手続として後のフォローアップを、次回3月を予定しておりますが、そこでさせていただきたいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。本日はどうも遅くまでありがとうございました。

以上

▲ 審議会全体トップ
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.