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審議会・研究会

独立行政法人評価委員会情報処理推進機構分科会(第5回)  議事録

平成16年6月30日(水)

IPA分科会における各委員のコメント等

【設立後の体制整備】

【太田委員】
新理事長になってから、動きは早いと思う。
目玉のSECについては、準備室を設けたのはいいが、設立は10月でまだ判断できない。
【池上委員】
国立研究所や大学等と比較すると、良くやっている方で順調といえる。
【樫木委員】
この項目は、「進捗評価」なのか「成果評価」なのかで分かれる。進捗でみればよくやっているということになるが、成果はわからない。また、期待はあるが、評価にはならないので、総じて言えばワンランク下げた評価が妥当だろう。
【池上委員】
リーダーシップもよいが、世の中の変化を感じている人等、周りの意見をもう少し取り入れていったほうがよい。
【太田委員】
体制を作るのは目的ではないと思う。それは中期計画等で示せばよいことで、成果がなければ貢献も分からないし評価もできない。
【松山委員】
この項目は、「スタートをちゃんときれているか」という議論でしかない。そういう意味では、ちゃんとやっていると言えるのではないか。あまり中身の評価をしてもしょうがなく、「3ヶ月だから、これでよいスタートになっているのでは」という結論でよいのではないか。
【安西分科会長】
大学から見ると、3ヶ月で何かを出発させるのは簡単ではないと思うので、いいスタートではないか。
【池上委員】
フライングなしでうまくいった、という事であろう。
【樫木委員】
目標の立て方でかなり変わる。目標が高く、かつ独創的なことを毎年こなしていれば、その結果が順調であっても評価は高いはず。IPAは、独創的な意見等を常々聞いているのか、という点では、企業からみるとまだ足りない。

【業務運営の効率化】

【池上委員】
数値的にはすばらしいが、とにかくコスト削減というのは如何なものか。削るところを考えていかないと、コスト削減の名のもとに「土台」までも削減してしまうこともありうる。民間と違って経費を削って、すべてよしというのはおかしい。
債務保証は、審査期間を短くしたこと等、頑張っているように見える。
【太田委員】
IPA単独はもちろんだが、今後は地域センターも見逃せないところ。地域センターを含めた連結としてどう考えていくか、今後のIPAを考えて行くうえで重要になってくる。この点で、まだまだ改善の余地有り。
【樫木委員】
企業は、コスト意識が厳しいが、それと比べるとまだ甘い。
地域センターの財務は、今後、注意していかないといけない課題だ。
【松山委員】
IPA自身のスタンスが定まっていない。IPAの中で、何がコア業務か、整理し切れていない。過去の経緯もあるから、短期間でも整理は難しいかもしれないが、次の中期計画ではこのことを検討する必要がある。今後は、ここが評価ポイントと考える。
【太田委員】
地域センターが地域にとって本当に有用かどうか、が重要なポイント。整理するのは目的じゃないし、多少赤字でもやるべきものはやっていくべき。
【安西分科会長】
ソフトウェア産業の育成からソフトウェアの人材育成等、そういうことを含めて、ちゃんとした戦略を持つ必要があるが、それがまだ出来ていない。
【樫木委員】
儲かる、儲からないという話も分かるが、IPAは試験をはじめとした認証等が強みと考える。これらを生かしながらリーダーシップをとり引っ張って行ければもっとよくなると思う。
ソフトウェア開発についても、例えば全てバイドールを適用するとか、戦略を考えていくべき。

【サービスの質の向上】

【太田委員】
情報セキュリティへの期待感は大きい。しかし、本日(6月30日)付の日経新聞でも、パソコンメーカで評議会を作るという記事があったが、「IPAが協力する」という記述はたった2行。情報提供のしかたを工夫すべき。IPAには、もう少しリーダーシップをとっていってほしい。
【樫木委員】
セキュリティやオープンソースソフトウェアといった分野は、非常に世の中で望まれているものであり、これに取り組んでいこうということは評価したい。ただし、どこまでリーダーシップをとるのか、範囲というものがしっかりしていないと思われる。多少言い過ぎるくらいでもいいし、又は裏方にまわって持ち上げる立場でもいいし、その時々で効果が最大化されるように考えるべき。
【池上委員】
セキュリティについては、やっとスタートをしたというのが正直なところ。いい位置を担ってきている。国全体として情報セキュリティをやっているので対応は難しいとは思うが、もう少しリーダーシップをとる(やる気がある)フリをしてほしい。ただし、IPAには牽引する技術者がいない。そこが心配なところ。
【松山委員】
リーダーシップをどうとるかは、(1)お金をばらまく(=みんなが寄ってくる。政策的にはスタンダードかも)、(2)権威をもつ(認定やITスキル標準)、(3)スター(専門家)を自前で抱える(それなりな人に大金をはたく必要があるが)ということになる。(1)(2)はこれまで進めているものと思うが、(3)は更に進めるための手段。(3)をやるかどうかは、IPAの今後の方針に絡んでくることになる。
上記の観点からみると、ソフトウェアエンジニアリングは先がよく見えないので、場合によっては、今後、評価を下げるかもしれない。
ITスキル標準はいいと思っている。試験とも絡むし、権威としての資格認定が入るからだ。
セキュリティに関しても、認証が入ったので評価している。
一方、育成モデルである地方ソフトウェアセンターは、なかなか成果が上がっていない。
IPAは、強いところ、弱いところを自ら明確にして厳格な戦略を持つ必要がある。全てに於いて強みを持つ組織はありえない。
【太田委員】
独法化前のIPAの役割は、産業育成や新産業創造。独法化後は、時代が違うのだから仕事の役割ややり方は変わっていくべきではないか。
また、IPAから国民に対しての働きかけが悪いのではないか。情報発信を積極的に行うべきで、時代に即した対応というものが足りない。これも、今後の重要な評価の項目になっていくのではないか。
【樫木委員】
セキュリティでもソフトウェア開発でも、共通した枠組みというものはあるはず。私は、(1)ソフトウェアの技術、(2)認証、(3)普及の教育、(4)法律の4つが噛み合っていかないといけないと思う。
オープンソースソフトウェア、セキュリティ、ITスキル標準等でも連携した仕組みで考えていかなければならない。本来、オープンソースソフトも日本の産業の土台である組込みソフトを考えてほしいが、企業に組み込まれているITスキル標準といった一連の体系の中で、連携しながら進めていかなければならない。既に固まっているものは連携を、固まっていないものは調査等も必要ではないか。
【安西分科会長】
まとめると、
  • 昔は、日本のソフトウェア産業が弱いから育成しようという役割
  • 今は、「民は民で活性化してもらい、それを支援する仕組みづくり」が独立行政法人IPAの役割ということではないか。
例えば、地方は雇用を求めているが、国が自らセンターを作ってもしょうがない。(足をひっぱらないで)民が伸びていくようになる方向で仕事をしていくべきというのが総論かと思う。
【松山委員】
行政は、社会的信用を作るところだと考えている。ある種の権威をどうやって構築していくかにつきる。その点、情報処理技術者試験、ITスキル標準、セキュリティはまさしくこれに当たる。これらが本来のスタンスであり、今後もそれを軸にしていってほしい。SECはこの観点からは、今は信用構築に値する体制かというと個人的に一抹の不安を覚える。
【池上委員】
SECに関して
  • 人材は、日本ではこういう人間なら大丈夫だという人を集めている
  • アメリカのSEC等と比べると弱いという批判に対しては、組込は日本が強いので、これをせめれば国際的にも認められるはず。
  • SECに対する企業の期待は、人材育成にもある。
  • 不十分な点はいくつかあるかと思われるが、大学ではソフトウェアエンジニアリングをやっていないし、現時点でこれを作ったことはタイムリーだと思う。
【松山委員】
大学でなぜソフトウェアエンジニアリングができないか。学生は、開発したソフトウェアが第3者に使われるという意識を持っていない。ソフトは外部に出る、また第3者に使われるといった想定をさせることを大学等で教える必要がある。アメリカは商売を考えるので、そういった意識が強い。
【樫木委員】
例えば、CMMについてみると、モバイル関連のソフトウェア開発で要求されるのはCMMのレベル4。しかし現実は、CMMレベル2の能力しかない者がレベル4の要求にそって開発している。このため、バグばっかりのソフトができてしまう。ソフトウェアは産業基盤そのものだが、現実は非常に厳しい状況であり企業にとっては切実な悩み。例えば地域でもCMMレベル4~5が出てくるようになればすばらしい。
【安西分科会長】
大学のソフトウェア教育が空洞化している。ソフトウェアを書くことを学生がやりたがらない。3Kという認識を持たれているので人気がない。一方で産業構造がソフトウェアに移ってきているという現状とギャップがある。
【池上委員】
情報処理技術者試験を全てIPAでやることは非常に重要だが、まだ詰めが甘い。国全体のレベルを上げるという観点から言えば、試験だけやるのではなくて、受ける立場になって仕組みづくりを考えなければならない。例えば、希望者が増えると、問題のレベルが上がり予備校化してしまうでは意味がない。単に「儲け仕事」ではなく戦略的に進めてほしい。

【財務内容の改善に関する事項】

【樫木委員】
企業の財務諸表と比べて分かりにくい。もっとシンプルなものにしてほしい。
【松山委員】
IPAの説明は、一般会計であるとか、産投会計であるとか、過去のものが残っているであるとか分かりにくかった。
【樫木委員】
運用しているお金がどれだけ事業に役立ったか、役立ち度合いを評価する必要がある。これが一番本質の評価だと思うが、まだよく見えない。

【総合評価】

【池上委員・樫木委員】
多数決で言うとBになるのではないか。A-かB+あたりになるのか。委員長一任で結構。
【安西分科会長】
計画通りには、進展されていると思う。ただ、計画自体がどうかという話はある。
【池上委員】
比較対象がいないので難しい。
【松山委員】
今後もがんばってほしい、という観点からすると今回はBではないか。
【樫木委員】
国民の立場から言うと、ITスキル標準やセキュリティなど、タイムリーでよくやっていると思う。ただ、今後もこのような仕事を更に続けてほしい、いい仕事をしてほしいという観点から考えればAでもよい。
【池上委員】
心配なのは、既に目一杯で伸びきっているのではないか(今後進化がない)と思われること。
【松山委員】
リーダーシップが強すぎる。このままでは、先行逃げ切りで疲れてしまうのではという危惧がある。内部においても専門家が働きやすい職場にすることが重要ではないか。
【安西分科会長】
計画に照らし合わせて考えると、Bではないか。

以上

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