経済産業省
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独立行政法人評価委員会情報処理推進機構分科会(第17回)-議事録

日時:平成20年6月4日(水)15:30~17:15
場所:経済産業省商務情報政策局第2会議室(本館2階東1)

出席者

松山分科会長、阿草委員、太田委員、櫛木委員、徳田委員

議題

  1. 平成20年度のスケジュールについて
  2. 平成19年度及び第1期中期目標期間の業務実績評価の進め方について
  3. 平成19年度及び第1期中期目標期間の業務実績報告について
  4. 積立金の処分について

議事概要

  • 松山分科会長

    独立行政法人評価委員会第17回情報処理推進機構分科会を開催させていただきたいと思います。

    本日は、お手元の議事次第に沿いまして、今後のスケジュール、あるいは業務実績評価に関しましてご審議を始めていただく予定でございますので、よろしくお願いしたいと思います。

    それでは、議事に入ります前に、事務局より、分科会の構成員の変更と資料の確認をお願いしたいと思います。

  • 大木情報処理振興課課長補佐

    本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。

    まず最初に、分科会の構成員の変更について、ご報告申し上げます。お手元、議事次第の2枚目に委員名簿がございます。4月9日付で、池上徹彦委員がご都合によりご退任されましたので、現在の構成員は、お手元の委員名簿にございますとおり、5名でございます。

    続きまして資料の確認をさせていただきたいのですが、その名簿の下に座席表、その下に資料1、平成20年度のスケジュール、それから資料2-1、経済産業省所管独立行政法人の業務実績評価の基本方針、それから資料2-2、19年度業務実績及び期間評価の進め方、それから資料2-3としまして、評価項目及びウェイトの改定(案)。それからA3の横書きですが、資料3-1、IPAの19年度業務実績、それから3-2、第1期の目標期間における取り組み、それから資料3-3、第1期中期目標期間の業務実績の概要、それから資料4が積立金の処分についてでございます。

    以上が資料本体でございまして、その後ろに参考資料1から8までをおつけしております。もし、お手元にないものがございましたら、適宜事務局のほうにお声かけください。

    事務局からは以上です。

  • 松山分科会長

    ありがとうございます。

    それでは、早速、議事次第に従いまして、議事に入らせていただきたいと思っております。議題をみていただくとおわかりになりますように、平成19年度の年度評価と第1期中期計画期間の評価をあわせて行うことになっておりますので、その点だけ、ちょっと事前にご理解いただければありがたいと思います。

    それでは、まず議題1でございますけれども、平成20年度のスケジュールについて、事務局のほうからご説明をお願いしたいと思います。

  • 大木情報処理振興課課長補佐

    資料1という一枚紙の資料をごらんいただきたいと思います。こちらは平成20年度中、今年度中に予定しております分科会の日程等でございます。

    本年度の分科会は、本日6月4日を含めまして2回の開催を予定しております。今回の分科会では、基本的にIPAの19年度の実績、または第1期中期目標期間中の実績の業務実績の報告を聞くということでございます。

    次の分科会でございますが、7月3日に第18回分科会を開催予定しておりまして、財務諸表に係る意見聴取と19年度の実績及びその中期目標期間の業務実績の評価を決定するということでございます。

    その7月3日に決定しました評価を、7月下旬の親委員会、第38回の評価委員会にかけまして、そこで審議をしてもらいます。

    その後は、8月下旬にまた親委員会を開催して最終的に評価を決定する予定です。

    こういうスケジュールになってございます。以上です。

  • 松山分科会長

    ありがとうございました。

    それでは、何かスケジュールに関するご意見等ございますでしょうか。

    私のほうからちょっとお願いなのですが、7月下旬の第38回の独法評価委員会のスケジュール調整を今政策評価室のほうとやっているのですが、どうも私の都合と合わないような状況になりつつあるというので、場合によっては、どなたかに代理でお願いしなければいけないという事態があると思います。その辺まだちょっと調整中でございますけれども、また事務局を通じまして、お願いすることがあるかもしれないというのだけ、ちょっと心覚えいただければありがたいと思います。よろしゅうございますか。

    それでは、議題2のほうに進ませていただきまして、「平成19年度及び第1期中期目標期間の業務実績評価の進め方について」ということで議論させていただきたいと思います。まず最初に、評価の進め方に関しまして、これは昨年度も同様でございましたけれども、経産省のほうから全体的な評価の指針というのが示されておりますので、それを事務局からご説明していただきたいと思います。それからさらに引き続きまして、当分科会としての評価の進め方につきまして、これもあわせて事務局のほうからご説明をお願いしたいと思います。

    では、よろしくお願いします。

  • 大木情報処理振興課課長補佐

    官房の担当補佐が今、国会に呼ばれておりまして、ちょっと遅れていますので、かわりまして私のほうから簡単にご説明いたします。

    資料2-1をごらんください。こちらは経産省所管独立行政法人の業務実績評価の基本方針ということで、評価に関します親委員会の統一的な方針でございます。今回それを一部改定するというところで、改定のポイントだけをご説明いたしたいと思います。

    1枚目の冒頭に、経済産業省独法評価委員会は、経済産業省所管独法の業務の実績に関する評価を行うにあたり、基本方針としてこれを定めるとございまして、1.の「各事業年度に係る業務の実績に関する評価」の(3)評価方法、さらにその下の(ロ)「委員会は、法人横断的な評価を実施する」とあります。

    以下の項目、次のページになりますが、(1)から(5)までありまして、(4)と(5)、これが新たに加わったものでございます。欠損金、剰余金、あるいはリスク管理債権の適正化に向けた努力が行われているか。つまり、欠損金とかリスク管理債権の解消に向けた努力が行われているかというのをきちんと評価しましょうというところが追加となった点でございます。

    それから先にいきまして、(ハ)、これは変わってございません。次の(ニ)「委員会は、各評価項目に以下の評価比率を配分し・・」とございまして、(1)から(4)までありますが、ここは変わっております。従前ですと、この評価のウェイトにつきましては、各独法法人単位で独法の裁量で決めておったのでございますけれども、今回からは、(1)業務運営の効率化、これに関しましては20%、それから(2)国民に対して提供するサービス、これは50~60%、それから(3)の財務、これは20%、それから(4)として、その他業務運営に関する事項があれば0~10%を割り当てる。

    つまり、(1)の業務運営の効率化20%と財務の20%、これを固定しまして、残りを国民のサービスに充てると。50~60と幅がありますのは、その他業務があれば、必要に応じて10%を割り当てることが可能ということでございます。

    この2点が大きく変わったところでございます。この趣旨としましては、先ほど申し上げましたが、今まで、経産省の11法人、ウェイト、項目数のばらつきがありましたので、それを横串的に統一しようというところが今回の変更の趣旨でございます。

    資料2-1に関しては以上でございます。

    もし、後で官房に確認しまして、補足説明が必要であれば別途またご連絡いたしますので、2-1につきましてはこれで終わりとします。

    続きまして2-2でございます。これは、親委員会の決定方針、統一方針により、では、このIPAの分科会ではどうしますかというところで今回議論をしていただきたいのでございますが、資料2-2の1.のポイント、(1)は今申し上げたとおりでございます。

    (2)でございます。評価項目、評価軸とウェイトを本日の分科会で決定していただきたいと。ご承知のように、従前は、前回の18年度評価でございますと、国民のサービスの向上は5分割しておりました。ソフトウェア開発、セキュリティ、SEC、人材、それから、これは、すみません。次の一枚紙、資料2-3をあわせてごらんいただければわかりやすいと思います。

    上が現行、下が改定案ということで、前回、18年は5分割してございました。今回、改定案の見直しを行いまして、ソフトウェア開発分野、これにつきましては、期の後半より、ツール開発とかデータベースの構築に大分重点化して縮小しているということで、ウェイトの小さい情報発信と統合しましょうと。で、ウェイトは6%としまして、指標の3本柱、こちらは18%ぐらいということにしたいと考えております。この事務局案について、ご議論いただきたいと考えております。

    ちょっと先に進みまして(3)、先ほど分科会長から話がありましたように、前回と違うのは、19年度評価とあわせて、今回は第1期が19年度で終わりましたものですから、期間評価もあわせてお願いしたいというのが今回の変更のポイントでございます。

    それから(4)総合評価の考え方につきましては、これは従前どおり。AAから始まりまして、A、B、Cと、5点、4点、2点と。これは変わってございません。

    スケジュールでございますが、先ほどのスケジュールと一部重複するのでございますが、これは評価に関するスケジュールということで、本日の分科会が終わった後、来週から再来週にかけて、各委員に追加資料等を配付、あるいは補足説明にお伺いして説明したいと考えております。

    なお、今週の末から来週にかけまして、評価票につきましては電子媒体でお送りしたいと考えております。大変お忙しいところ申しわけございませんが、6月26日、これを評価票の提出期限とさせてもらいたいと考えております。

    提出方法につきましては、電子媒体にご記入いただいても結構でございますし、直筆でも結構でございます。メールでもファックスでも結構でございますので、よろしくお願いいたします。それをとりまとめまして、7月3日の次回の分科会で評価を決定したいと考えております。

    事務局からは以上でございます。

  • 松山分科会長

    ありがとうございました。

    それでは、何かご意見、ご質問等ございますでしょうか。

    ちょっと補足というか、昨年度のことを思い起こしていただいて、いろいろ経産省全体の評価委員会との間で先生方にも臨時で分科会にご参加いただいたようなことがございました。そのときの一番大きなポイントは、資料2-1の2ページ目でございますが、AA、A、B、C、Dの評価の読み方というか、基準の設定の仕方というところがございまして、前回の夏のときにも申しましたけれども、基本的には、計画、あるいは年度業務が着実に実行されているというのはBですよと。そこら辺のとらえ方が、頑張っているのだからAじゃないかというところで、どうも一つシフトしてしまいがちになる。いろいろ実態をよく理解しております我々からすると、頑張っておられるという印象が形成されやすいということがありまして、標準がAになってしまうことがあった。一言でいうとそんな感じがあった。その辺が全体の省のほうの評価委員会とこの表の見方のところで少しずれがあった。

    ただ、それに関しましては、この分科会、もう少しさかのぼっていきますと、かなり丁寧に評価をしてきていただいていると。その中でこういう5段階評価というのも実は独法の評価委員会全体ではやってきてなかったと思うのですね。当初は。我々はそれに先駆けてこういう形でずっとやってきて、できればもっと頑張れということも含めてAAというのをかなりつけさせていただいてきたというのがございまして、その後で省全体での評価基準が定まったという経緯があって、少しその辺で経緯も含めて違いが出てきてしまったのかなというのが昨年のことでございました。

    そういうことを再度確認していただいて、基本的には、ちゃんとやっておられるということはBとして評価していくのだということを再度ご確認いただければありがたいということが1つございます。

    もう一つ、同じページの上の(4)、(5)のところで、欠損金、剰余金等々というのがありまして、これに関しましても昨年度かなり上の委員会のほうで議論があって、政策的に定められたものであって、独法の努力でできるようなものではない等々の説明がいろいろあったのですが、なかなかそれがすんなりとは理解していただけないような状況も実はございました。そういうこともありまして、こういうのをもっと明確化しようということが出てきたのかなあという気がしております。

    あと、昨年はかなりホットになったのですが、それまでも上のほうの委員会、あるいは総務省ですか、政策・評価委員会のいろいろ議論なんかを漏れ聞いたりしておりますと、個々の独法がされている専門的業務について必ずしも十分な理解や知識をおもちでない、いわゆる一般の国民の方の目線でみたときにどうなのかということがやはり問われてくるということになってまして、評価のAとかAAとかつけていただくこと、はばかることはないと思いますが、そういう場合に、一般の国民の方からみたときに、国民生活、あるいは国の産業振興にとって非常に大きな貢献があることがわかるという視点でのコメントとか評価ポイントというのを記していただくと、いろんな意味で説明が非常にわかりやすくなってくるということもございました。

    ちなみに経済産業省の評価委員会のほうは、いわゆる国民代表として参加されている委員の方も結構おられますので、特に情報系というのはある意味で11独法の中で1つだけしかないという状態でございまして、他の独法の評価委員の先生も、情報系の状態に関しては一般国民と同じ視点で評価、あるいは意見を述べられることがございます。その辺の説明の仕方とかそういうのもやはりスタンスをしっかりもっていかないと誤解を生じてしまうということはこれまでもございました。

    そういう点は繰り返すまでもないと思いますが、これから評価をいろいろ考えていただく上でのスタンス、あるいは基準というのを今ご審議いただいているわけですけれども、その辺もご考慮いただいて、こういう案でいかしていただくのはどうかということになっております。いかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。

    それで、実はもう一つ、資料2-3をみていただきますと、独法評価委員会のほうからしますと、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項(2)というのが資料2-1の(3)の(イ)の(2)にございます。これを我々の分科会では、今回、ソフトウェア、セキュリティ、ソフトウェア・エンジニアリング、情報技術人材の育成という4つに細分化しているのですね。このスタイルも、必ずしもすべての独法がこういうふうにやっているわけではございませんが、ここは我々としてのある種の見識でもって、60%、AA、A、B、C、D、一発勝負というのではなくて、やはりちょっと個別評価をさせていただきたいというので、その活動がよりビジブルになるような形でこういうのは踏襲させていただきたいということも今回のご提案の中に含ませていただいているというのをご確認いただければありがたいと思います。

  • 阿草委員

    今のお話で問題はないのですが、改定案のところの下のほうに(情報発信等を含む)というのは書き込まないといけないものですか。上のほうを見ますと、情報発信等、シンクタンクというのは、ある意味でそのほか4つの横串に当たるものなので、各項目において情報発信及びシンクタンク機能についてはそういう観点も含めて評価してくださいといったほうが良いと思います。何となくここは気持ち悪い。(何とかを含む)というのが。ウェイトの6、18、18、18で結構だと思いますし、単に「情報発信等の含む」を抜くのはいかがでしょうか。

  • 松山分科会長

    いかがでございましょう。多分そのほうがわかりやすいと思いますけどね。

  • 阿草委員

    今までの情報発信等シンクタンク機能も各項目の中で少しみていただきたいということです。

  • 松山分科会長

    それはそういう趣旨で。じゃそういうことで、各項目において、情報発信、あるいはシンクタンク機能についても、各業務の特性に照らして評価をそういう視点でもいただくということで、共通視点というような形でお考えいただくということで。パーセント的にはよろしゅうございますか。

    じゃ一応今のご意見を踏まえてそのようにさせていただくということで、この分科会としましての評価項目及びウェイトの改定に関してはご承認いただいたということにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

    それでは、次が議題の3ですね。次からが業務のご説明ということに入らせていただきたいと思います。平成19年度及び第1期中期目標期間の業務実績の報告をいただくということで、IPAの西垣理事長から、40分程度ということで、多分また個別にお話を伺う機会もあると思いますので、基本的な枠組みとかポイントを中心にお話しいただけたらありがたいと思います。

    それでは、よろしくお願いいたします。

  • 西垣IPA理事長

    ただいまご紹介ございました、IPAの西垣でございます。

    本日は2つのテーマ、ご案内ございましたように、資料3-1の平成19年度業務実績及び資料3-2の第1期中期目標期間における取り組みについて、この2つのご報告がございます。説明の重複を避けまして、ご理解を賜るために、まず資料3-2の中期のほうを先にご説明申し上げて、次いで資料3-1、19年度の実績、このように移らせていただきますので、申しわけございません。逆になりますが、まず資料3-2のほうをごらんいただけたらと思います。

    今回、この説明は大きく3つ整理しております。第1番目が「第1期中期目標期間における選択と集中」ということ。2番目が「国際機関との連携推進と標準化への貢献」、3番目が「戦略的な広報活動の推進」ということでございます。

    それでは、1ページを開いていただきたいと思います。裏ページになります。まず「第1期中期目標期間における選択と集中」ということで、私どもIPAでは、急速に発展、進化する情報化社会の変化に機敏に対応して、ITによる国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資する事業を効果的に行うため、事業、組織を不断に見直して、業務の選択と集中を進めてまいりました。

    (1)といたしましては、業務を効果的に実施するために、選択と集中を進めてきました。第1期中期目標期間中では、事業効果を一層高めるために、スクラップ&ビルドによる組織の見直し、業務の重点化を積極的に行ってまいりました。

    (1)としまして、平成16年10月でございますが、ソフトウェア・エンジニアリング・センター、SECと略称しておりますが、これを設置いたしました。これは長年の課題でございましたソフトウェアの効率的開発及び信頼性向上に取り組むためのものでございまして、エンタープライズ系ソフトと組込みソフトの開発力強化、これを産学官連携で行っていこうとするものでございます。

    平成20年までに、ここに記されているような数々の活動を行いまして成果を上げてきておりますが、特に急増してまいりました組込みソフト開発のためのツール、スキル標準等の開発は、JasParという自動車の車載ソフトプロジェクト、これに適用されまして、大変高く評価されております。また、関西、長野を初め各地からセミナー等の支援要請、これも相次いでおるところでございます。

    ちなみに、そこにございますように、エンタープライズ系SE手法の導入率は、現在のところ9.9%でございますが、導入意向が81.6%ということで、SEC成果は、大変高く実用化が評価されていると考えております。

    2番のOSSセンターでございますが、これは18年1月に設置いたしまして、3つのワーキンググループによりまして精力的に活動をするとともに、日本OSS推進フォーラム事務局として、オープンな標準化、オープンソースソフトウェアの推進をサポートしてまいりました。OSSのもつ重要性は今さらいうまでもありませんが、文化、言語としての側面をもつ基本ソフトウェア、あるいはミドルソフトウェアの選択肢を増して、また、独特の新しいソフト開発手法、それに伴う文化を育てるという意味で大変重要性は増してきておると考えております。

    (3)でございますが、平成19年10月には、IT人材育成を強化して、シナジーによる効率化を図るということで、人材育成関係の3つの組織を束ねましてIT人材育成本部を設置いたしまして、新しい本部長を民間企業からリクルートいたしました。

    (4)は、効率的で組織的な運営を行うため、スクラップ&ビルドを基本とした組織の見直しということでございますが、これは後ほど申し上げますソフトウェア開発支援の重点シフト、これに伴いまして、平成17年1月に、2つあった組織を1つにし、さらに18年1月には、もう一つ、この組織に金融推進部を統合して、ソフトウェア開発・金融推進部という形にいたしまして、スリム化と効率化を図りました。

    なお、金融推進部というのは、債務保証をしておるところでございまして、ソフトウェア開発支援と非常に業務が近い関係にございます。

    (5)ですが、情報セキュリティ評価・認証業務制度を開始しました。平成16年4月でございます。これはISO/IEC15408に基づく情報セキュリティの評価・認証制度の認証業務がIPAに移管されまして、4月1日から業務を開始いたしました。その後、積極的に制度改善、普及活動に努めております。平成19年度では、認証書の発行件数が62件になり、CCRAというセキュリティ評価・認証の相互承認協定に加盟している認証国の中では世界一の発行件数になったと報告を受けております。

    (6)でございますが、暗号モジュール試験及び認証制度を開始しました。これは平成19年4月からでございます。これも国際標準であるISO/IEC19790に基づく暗号モジュールの試験・認証制度を開始いたしましたが、これは米国、カナダに次ぐ世界で3番目ということでございます。暗号製品ベンダの58.6%が近い将来に申請をして認証を受けたいと、このように言っております。

    (7)が、暗号アルゴリズムの安全性評価の一環として暗号解読に積極的に取り組んだということでございます。ストリーム暗号で有名な「Toyocrypt」という暗号がございます。旧東洋通信機が開発したもののようでございますが、これは絶対破れないといわれていたものを世界で初めて解読に成功いたしました。また、ハッシュ関数「SHA-1」の解析にも取り組みまして、解析方法の単純化に成功いたしております。

    それから(8)として、情報処理技術者試験の抜本的な改革に取り組みました。3スキル標準である、ITスキル標準、組込みスキル標準及び情報システムユーザースキル標準、これらとの整合化を図る等、新しい試験制度を取り纏めました。新制度による試験は、平成21年度春期の試験から実施いたします。ITスキル標準とは試験の出題範囲、あるいはスキル項目、知識項目、これらの整合性を確認して、対応関係を明確にいたしております。

    (9)に書いてございますように、ITスキル標準自体、何回かのバージョンアップを行ってきておりますが、平成20年3月に公開した、ITスキル標準V3で、情報処理技術者試験をレベル評価手段として位置づけています。

    選択と集中の(2)でございますが、IPAでは、各事業レベルでPDCAサイクルを実施いたしまして、業務及び組織の見直しを継続的に行いました。所期の目的を達成した組織や事業は整理または終了するなど抜本的な改革を進めました。

    (1)でございますが、マルチメディア研究センターというのを平成17年8月に、これは民間の施設が充実してきたということで、所期の目的を達成したため、売却いたしました。現在、長野計器という精密機械メーカーの研究機関として活躍いたしておるようでございます。

    それから(2)です。地域ソフトウェアセンター、19センターございますが、このうち事業の成果が見込めない3センターをこの中期目標期間中に、中期計画に記載した基準に従いまして、地方自治体と協議の上整理いたしました、第1表に整理した3センターを載せております。

    (3)ですが、情報処理技術者試験センターの四国支部、沖縄支部を廃止いたしました。と申しますのは、この情報処理技術者試験の市場化テストということで、競争入札により落札した民間事業者に、試験会場の確保や試験運営業務をやっていただく。こういうことをまず試験的に四国と沖縄で始めたわけでございますが、いずれの競争入札にも落札者があらわれまして、今年の春から民間事業者により試験の運営業務を行っています。このため、平成19年12月をもって、この2つの支部を整理いたしたわけでございます。

    それから(4)に、先ほど申し上げましたように、ソフトウェア開発支援の重点、これを従来の個別企業支援から公共財ソフトウェア開発へシフトしてまいりまして、このために、旧来ございましたいろいろなソフト開発関係の事業、これを適宜終了して廃止していったわけでございます。それは第2表にございますように、平成17年12月末におけるマッチング型ソフトウェア開発事業を初めとして、ソフトウェア開発支援事業を順次終了してまいりました。ご案内のように、民間で十分この辺の開発力がついてきたということと、支援の有効性の低下ということもございまして、これを行ってきたわけでございます。

    それから(5)に、債務保証制度をやっておりますが、これも保証割合を引き下げるとともに、一般債務保証の新規の引き受けをこの3月末で終了いたしました。債務保証割合を引き下げるということは金融機関のより的確な判断を引き出す、もうちょっと金融機関に責任をもってもらう、こういう観点から、各々その保証割合を引き下げたわけでございますが、一般債務保証のほうは、もうその役割は終わったということで、これは新規の引受を終わることにいたしました。

    次に3ページでございます。2.として「国際機関との連携推進と標準化への貢献」ということでございます。IPAの事業を効果的なものにするため、積極的に海外の機関と連携体制を構築し、定期協議による最新情報の収集や共同研究を行いました。

    (1)で、まず米国との関係でございますが、米国の連邦政府標準研究所、NISTという有名な組織がございますが、こちらとは平成11年度より定期会議を実施しており、密なる関係をもっております。特にこの中期目標期間中では、暗号モジュールの試験及び認証制度、あるいは脆弱性深刻度評価基準、これらの活用について協調関係を推進いたしたところでございます。

    それから(2)で、ヨーロッパ関係でございます。ドイツのフラウンホーファという、これはヨーロッパ最大の研究機関といわれ、58の研究機関と1万2,600人の従業員を抱える大きな研究機関でございます。この機関のうち、私どもはセキュリティはSIT、それからソフトウェアエンジニアリングはIESE、それからオープンソフトの関係のFOKUS、この3つの研究機関と関係をもちまして、なかなか部外者には入手できないようなヨーロッパ内部の特殊な動き等々、例えば暗号の方式を強化する、今後変えるというような傾向がみられますが、そういう情報、また欧州全体としてのオープンな標準への取り組みなどの情報等をいち早く入手していくということ、あるいは見積もりに関する手法を共同研究していくということをドイツのフラウンホーファとやっております。

    それから(3)、オープンソース関係でございますが、1つは、米国のLinux Foundationと連携関係を平成19年10月からもっております。昨年のIPAフォーラムにおきまして、バンクオブアメリカでリナックスが使われた実例を発表していただいておりまして、日本のこういうミッションクリティカルなシステムの領域に大きなインパクトを与えたものと考えております。

    (4)で、また同じオープンソースでございますが、米国の Software Freedom Law Center(SFLC)との連携体制を構築しております。ここはご案内のように、Moglen教授という大御所がおりましてGPLを仕切っているわけでございますが、新たに平成18年1月にGPLv3というものが提示されました。この内容はある意味で日本にとって大変厳しいものでございました。特に日本の場合はリナックスを組込みソフトに大いに活用しておりますので、ややビジネスマナーといいますか、その辺で違いが出てきまして、著作権保護機能の禁止やソフトウェア書き換え防止の禁止ということでは大変困るということで、OSSセンターのタスクグループが業界関係者の意見を取り纏め、組込みに関する部分はそういうものを外していただきたい等々の交渉を行いました。その結果、実務上差し支えない状態になってきているというふうに考えております。

    それから(5)、韓国の情報保護振興院(KISA)との間でも平成16年12月から関係を維持しておりまして、こことの関係は、具体的にはセキュリティに関する標語・ポスター、これを韓国のほうがいち早く小・中・高生の作品を集めてコンテストをやっておったようでございますが、先方からの呼びかけによって私どもも一緒にやるということで、日韓合同の表彰式等もやらせていただいております。

    今申し上げたような各機関との連携が第3表に書いてございますが、特に言及しませんでしたタイに関しては、これも後ほどございますが、組込みソフトウェア分野で協力関係が出てきております。他の機関は情報交換を行っているところでございます。

    それから(6)として、世界的な暗号研究者でございますShamir教授というのはアメリカに行ってRSA暗号を発明した方で、発明者3人のうちの1人でございますが、今イスラエルのほうで自分の研究所をもって活動をいたしております。ある意味では大変特殊な世界でございまして、こういう方を通じないと、先行する暗号のアルゴリズム開発、その他に関していい情報が得られないということで、ここと密接な関係をもちまして、お話を聞いたり、あるいは直接指導・助言というようなことを求めてやっております。

    それから(2)でございますが、これは国際会議とか国際機関へ私ども協力いたしているという話でございまして、IPAの職員がISO/IECのワーキンググループの要職を担当しているということでございます。特に暗号アルゴリズムに関しましては、ISO/IEC JTC1、ジョイント・テクニカル・コミッティということだそうでございますが、その中のサブコミッティ27、ワーキンググループ2が暗号のアルゴリズムを担当しているところでございますが、ここの事務局長をIPA職員が務めるとともに、デジタル署名国際標準化のエディタとして標準化の活動に貢献しました。

    下の表にございますように、実は暗号アルゴリズムの国際標準規格採用の中で日本は5つの方式が採用されておりまして、米国の5と並びまして突出した形で貢献させていただいたのではないかと考えております。

    それからISO/IECが進めているソフトウェアの技術者認証プロジェクト、これがございますが、この中にも、私ども、エディタとして1人選出されておりまして、これからグローバルにこの認証制度が展開されていくと思いますが、その中で貢献していくということを考えています。

    最後の5ページでございます。「戦略的な広報活動の推進」ということでございますが、私ども、IPAの事業内容に対する国民の理解を促進するため、事業成果や活動内容について、ユーザーの視点に立ってきめ細かな広報活動を行ってきた所存でございます。

    まずは、(1)は、定期的にプレスとのミーティング、説明会を開催しているという話でございまして、IPA全体の事業について年2回定期的に説明会をやっております。また懇談会も開催いたしております。それから個別の各事業のテーマに絞った詳細な内容の説明、これはタイムリーに年10回程度行っております。これは平成19年度の実績でございますが、このような3つの方法で、全体と個別ということで、プレス発表、あるいはプレスとの懇談会を行っているということでございます。

    それから(2)、メールを活用したプッシュ型の情報発信、これはウェブによる情報発信でございますが、おかげさまで、平成20年3月末までにメーリングリストに6万3,971件のアドレスが掲載されておりまして、この人たちに向かって、第1期中期目標期間中、1,435回、あるいは1,435件のアイテムといったほうがいいのかもしれませんが、これを発信させていただきました。IPAにかかわりをもつ方々のコミュニケーション手段というのはウェブのほうにシフトしておりますので、これがある意味ではメインの、しかもリアルタイムの情報提供ということになっていくと思います。

    (3)ですが、IPAは各年度のイベント、1つは、IPAが主催する総合展、それから2番目に、IPAが主催する個別の成果発表、それから3番目には外部イベントへの出展、この3つの手段を通じて私どもの成果を常に発表しております。IPAXが一番大きな総合展でございますが、昨年度、東京ドームシティで行わせていただきまして、4,315名の方に来ていただきました。

    ちなみに、平成20年度は5,800名というぐらいで、どんどん上げていかねばいかんと考えております。

    それから秋のIPAフォーラムでございますが、これも人数が増加してきております。今後とも、ご指摘のあった国民目線ということで、この戦略的な広報活動を進めていかねばならんと考えております。

    それから(4)ですが、ニューヨークに事務所がございまして、「ニューヨークだより」ということで、アメリカのIT業界の最新情報を発信いたしております。読者から非常に評価を得ていると報告を受けております。

    以上が第1期中期目標期間中にIPAが行ってきたことでございます。

    次に平成19年度、昨年度のほうに移らせていただきます。ページをめくっていただきまして1ページでございますが、これは大きく2つに分かれておりまして、まずは「業務運営の効率化」ということを申し上げます。それから2番目に、国民に対するサービス、その他の業務の質の向上に関する目標、これを達成するためにこういうことをやってきましたということで、これはオープンソフト、ソフトウェア開発支援、情報セキュリティ対策、ソフトウェアエンジニアリング、それからIT人材育成、このように分かれております。最後に、平成19年度に構築した主なツール及びデータデータベースを一覧表の形でつけてございます。

    2ページをごらんいただきたいのでございますが、まずは1.として、私どもは、急速に発展・進化しているIT、これに対応して不断に業務組織を見直して、PDCAサイクルを徹底しまして、ユーザー視点に立った業務運営を行ってきたつもりでございます。

    当然のことながら、月々の実績管理を行っておりますが、9月末には上期をすべて集約した「下期実行計画」というものを策定いたしまして、上期、至らざるところを年間ではフォローしていくと。そういうことを考えております。また、計数的にも、11月に仮決算を行っております。当然、理事長、私が月別に予算執行状況を確認することによって、運営費交付金の適正かつ確実な執行を行っている所存でございます。

    それから平成16年から行っておりますが、「100者ヒアリング」ということで、学者の先生、著名な企業の経営者、あるいは報道関係の方々、実務家の約100名の方々にヒアリングをして、IPAの活動に関するご批判をちょうだいし、これをフィードバックして次の計画に反映する、あるいは期中でも修正すべきは修正する、こういう活動をやっております。

    それから時代のニーズを反映した組織改編。これは第1期中期目標期間のほうで申し上げましたとおりで、重複を避けたいと思います。

    それから業務の改善、見直し、これも先ほど申し上げました。特に一般債務保証制度の新規引受を終了したということは申し上げてきております。

    それから、IPAは外部人材を積極的に登用してきておりますが、(1)にございますように、OSC、SEC、ITスキル標準センター、これらは平成19年度ベースでも、ごらんになっていただくと、例えばOSCは53組織から68名の有識者の方に集まっていただきまして委員会を形成して、実質的な議論運営を行っております。同じように、SECでは153組織から360名、ITスキル標準センターでは45組織から66名、合計で251組織から494名の方に集まっていただきまして、これは皆さん最高レベルの方でございますが、ご議論を賜って内容をつくり上げていっているということでございます。

    情報処理技術者試験センターのほうも、試験問題作成の委員の方は全部、定時の仕事を終えた後センターに集結を賜りまして、約400名の方でございますが、場合によっては夜遅くまで大変熱心に試験問題作成に取り組んでいただいているということで、外部パワーの活用ということを私どもとしては最大限心がけてやってきております。

    それから職員の業績評価を、賞与や昇給に適正に反映して。これはもう私の責任においてきちんとやらせていただいております。

    3.に、民間競争入札の実施、業務の電子化等による適正な業務運営とございますが、(1)では、先ほどございましたように、試験運営業務などに関しまして市場化テストをやっておりまして、沖縄、四国だけで、現在の見積もりでは、3年間で約4割のコスト削減ができる見込みでございます。これらの結果を踏まえ、残りの支部でも、第2期中期目標期間中に市場化テストを実施することにしております。

    それから競争契約、入札の問題でございますが、これも大変進歩させたと考えております。件数ベースでは47.5%から、平成19年度40.6%と、前年度に比べて7%くらい改善しておりますが、金額ベースでは42.7%から25.7%と大幅に減少させております。

    これは次のページに表がございますので見ていただきたいと思いますが、随意契約は204件、13億1,600万円になっております。これも私が、内容を精査いたしましたが、例えば不動産賃借料でございますとか、弁護士先生との契約費用、海外との契約費用等、現時点ではなかなか競争入札になじまないものに絞られてきております。

    なお、試験に伴う試験会場の賃貸も含まれております。これは会場の規模や静謐な環境、交通の便等を考慮すると契約先は限られてしまいますが、本年度から企画競争・公募で行っており、可能な限り、競争入札、あるいは企画競争、公募のほうにもっていって、透明性を増していきたい、効率化を図りたいと考えております。

    人件費に関しましては、これも積極的に削減に取り組んでございます。平成18年度のラスパイレス指数でいきますと、対国家公務員比109.3ということで、こちらのほうが高いように一見みえますが、1つは地域勘案ということで、東京都に勤務する国家公務員との比較では96.4ということで、こちらのほうが給料が下であるということでございます。さらに学歴勘案ということで、公務員一般ではなくて、同じような学歴基準をもった方と比べますと104.7ということで、109に比べて、ここでも下がっております。

    この2つの相乗効果で地域学歴勘案の修正をいたしますと91.8ということで、これは完全に国家公務員の給与水準を下回った形で対処しておるということをご報告申し上げられると思います。

    それから業務・システムの最適化計画、あるいは電子化、これは怠りなく推進をいたしております。また、理事長直轄で、いわゆる監事監査とは別に、直轄の監査室を組織いたしまして、内部監査という目で厳重に業務を見ているということを報告申し上げます。

    さて、2番目に、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上でございますが、1.として、オープンソフトウェア導入の促進ということがございます。

    まず、この表にございますように、19年度では各地方自治体並びに病院に対しまして、OSS、特にリナックス、あるいはRuby等の基本ソフトを活用したシステムを適用いたしまして、十分このオープンソフトが使えるということを実証してきております。それが1番目でございます。

    それから2番目には、このオープンソースソフトウェアセンター、OSSセンターと言っていたのをOSCに名前を4月から変更いたしました。これはオープンソースのみならず、相互運用性を可能にするミドルソフトの評価、これを行うということを業務として追加しまして、これを審査することにより、いわゆる相互運用性をより増していくということで、企業の中、あるいは組織の中の壁を超えて情報処理システムがつながっていくようにしていこうと、こういう活動に取り組んでおります。この準備が平成19年度に行われました。

    それからOSS iPediaというデータベースを出しておりますが、おかげさまで、平成18年5月の公開以来、累計951万件のアクセスがございました。1就業日当たり2万件以上のアクセスということでございます。

    それから、これは英語バージョンも出しているわけでございますが、海外からのアクセスが1就業日1,600件ということになっておりまして、今や、いわゆるオープンソースにかかわる技術のみならず、使用実績、その他、いろんなノウハウが詰まったデータベースとしては世界一の存在になりつつあるのではないかと自負いたしております。

    5ページに移らせていただきます。オープンソフトウェア・センターでは、同時にOSSオープンラボというものを現在つくり上げておりまして、試験運用に入っております。正式には今年6月からということでございますが、このオープンラボというのは、IPAのほうで、サーバーその他ソフトウェアを用意しておき、一般の人がOSSの脆弱性や構造等を検証できるプラットフォームです。例えば、リナックスに関してもたくさんのバージョンのものを用意しておきまして、一般の人がソフトを体験してみたいというときに、ここを通じて使える、あるいは自分が開発したソフトがリナックスで動くかどうか、あるいはどういうバージョンでどういうふうに動くか、パフォーマンスはどうかというようなことが測定できます。さらに脆弱性、これもチェックすることができるということで、一般の方に有効に使っていただけるOSSオープンラボというものを構築いたしまして、今年から運用に入ります。

    それから、当然、これは人材育成にもかかわってまいりますが、OSSモデルカリキュラムというものを作成いたしまして、これも日中韓でやっております北東アジアOSS推進フォーラムに提供して、3カ国の標準的なカリキュラムとして整備していくということにしております。

    それからライセンス規約に関しましては、先ほど資料3-2で述べたとおりでございます。産業界と連携して取り組んでおります。これはとても油断できない事象でございます。

    それから世界のOSS機関との関係、これも資料3-2で述べたところでございます。

    2番目に、ソフトウェア開発支援のほうに移ってまいります。先ほど来申し上げておりますように、ソフトウェア開発支援の重点を個別から公共財ソフトというふうにシフトいたしまして、利用者が無料で活用できるツール、データベースを開発してまいりました。

    それから、先進的、創造的なソフトウェア開発支援を行ってきたわけですが、IPAが支援してきた中小ITベンチャー企業、これが、第5表にございますように、事業化率73.9%ということで、大変良い成績で育ってきておるわけでございます。中小ITベンチャー企業支援に関しましては、「中小企業経営革新ベンチャー支援事業」として、SaaS型の新しいビジネスモデルや技術に特化して、今年、来年と、引き続き行っていく予定でございます。平成20年度は4件の採択が行われております。

    それから保証制度の見直し、これは先ほど申し上げました。

    それから代位弁済でございますが、目標である4%以下ということで、これをキープしてきております。

    それから利便性を考えまして、審査日数の短縮ということに努めてまいりました。第6表にございますように、各々審査日数を短縮いたしております。

    それから3.といたしまして、IPAは外部有識者を活用して、ITに係る市場、技術、国際標準化の動向を調査して積極的な情報発信を行っています。1つは、最新技術のロードマップを策定いたしております。昨年はSaaSに関するロードマップをソフトウェア未来研究会を中心に策定しまして、これが政策当局、あるいは関連企業のSaaSの取り組みを促進したと考えております。

    さらに、IPAのウェブページのアクセス件数が、ここにございますように、1億件を突破したということで、積極的な情報発信につながっております。

    情報セキュリティ分野でございますが、こちらでも、ご案内のように、1就業日当たり124件に達するいろいろなウイルス・不正アクセスの届出がございました。私どもは、被害を未然に防止するため、届出内容や最新の情報を分析し、毎月、「今月のよびかけ」をウェブページから発行していますが、1就業日あたり1,160件のアクセスがございまして、皆さんこれを大変頼りにしていただいていると考えております。

    最近の傾向では、ウイルスがだんだん見えなくなってきておりますので、積極的に不正なプログラムを収集して情報提供を行う「TIPS」というツール、あるいは収集した不正プログラムを迅速に解析する「ZHA」というツール、これらを開発いたしました。「ZHA」により解析した約400件のウイルスの情報は、ウェブページで公開し、皆さまに対策を促しております。

    それから脆弱性のほうでございますが、これも届出が大変多くなってきておりまして、届出制度を平成16年7月に開始して以来、累計2,000点に達しております。これらに関しましては、いち早くベンダに通告をして、この脆弱性を直すということをやっておりまして、不正アクセスや情報漏えい等、ソフトウェアの脆弱性を原因とした様々な事故が起こることを未然に防ぐということに効果があったかと思います。届出は、平成16年度257件が平成19年度には736件で1就業日当り3件と急増いたしてきております。

    それから8ページのグラフでございますが、これはJVN iPediaに登録されております脆弱性対策のデータでございますが、平成19年4月の公開以来、累計で4,745件のデータを登録いたしました。この中には米国からのデータも含まれております。このデータに基づいてベンダが直して、直したものをきちんとマークをつけて発表するという仕組みになっているわけでございます。

    それから2.として情報セキュリティの評価・認証制度、これは資料3-2で述べたところでございます。第9表にございますように、平成19年度62件の認証ということで、制度加盟国の中で世界第1位となっております。特色としては、日本は民需中心でございます。ヨーロッパはどちらかというとICカードと金融がらみ、米国は防衛がらみのもので重要なものがこの認証をとっておるように聞いております。

    それから暗号モジュールの件、これも資料3-2で申し上げましたので省略させていただきます。

    それから情報セキュリティへの攻撃は国境を越えて行われているということで、国際的に、今の暗号技術が少し古くなって、新しいものに変えていかなければならんということで、国際機関と調整をとりながらこれへの対応も行っているということでございます。

    それから4.でございますが、情報セキュリティ問題が単に技術的な問題だけになかなかとどまらないという様相がみえてまいりまして、例えばボットの情報がありまして、これで皆さん修正してくださいというのをIPAが流しましても、すぐ応じていただけるのは約30%で、残りの方はこれに応じていただけないという事態がございます。

    これはなぜか、どうしたら応じてもらえるかということを、むしろ社会、経済、心理学的な側面から分析していかないと実効あるものにならないのではないかということで、この分析部門を新たに新設いたしまして、その一つの成果として、先ほどお配りしました資料の中で情報セキュリティ白書というものがございますが、去年までのデータのみと違いまして、今度は、1章から3章まではその辺のバックグラウンド、方向性というものが書いてございます。非常にご参考になる資料ではないかと考えております。

    その他、情報セキュリティに関する調査・研究を行っています。特に複数の組込み機器の組み合わせというのがカーナビとか家電で起こっておりますので、この辺はこれから非常に重要になるということで、これの取り組みを始めたわけでございます。

    5番目は中小企業関係のセキュリティ。これは大変悩ましい問題でございまして、余り厳密にセキュリティをいう、あるいは発注先から中小企業さんに対してセキュリティ強化ということをいいましても、中小企業の立場では、損益的にはそれじゃつぶれちゃうよというところがございまして、その辺のバランスをどのようにとりながら進めていくかということを、これも産学の有識者の参加を得て検討いたしております。

    とりあえず今のセキュリティの状況と、こういう危険性がありますよということは、商工会議所等と協力いたしまして、第9図にあるように、全国でセミナーを開催いたしております。

    それからベンチマークということで、私ども、情報セキュリティ対策ベンチマークシステムをつくりまして、このシステムで皆さんがチェックをしていただくと、自分のところはどのぐらいのセキュリティの度合いかということが自動診断できる。このようなようなものを公開しています。

    11ページでございます。ソフトウェア・エンジニアリング・センターでは、2つ大きな成果を出しています。1つは「EPMツール」ということで、プロジェクトを構成する各メンバーが各々自分の進捗状況を申告することなく、メールサーバなど開発支援あるいは開発管理ツールからプロジェクトデータを自動的に収集することにより、一目で、どこが遅れているか、どこが異常かということが見えるものを開発いたしました。これもいわゆる見えないといわれているソフトウェア開発に大いに役に立っていると考えております。

    それから「プロジェクト診断支援ツール」は、この第12図にございますように、横軸に工数、縦軸に納期といいますか、期間がとってありますが、2,000件以上の実際のプロジェクト、これは実はベンダはなかなか出したがらないデータなのですが、SECの中立性ということで、非常に重要なデータを2,000件以上出していただきまして、これで統計をとりまして、その枠に入っていればまあまあ正常なプロジェクトだということがチェックできる、そういう診断ツールを公開いたしました。これも公開後3カ月で2,000件以上のアクセスがあったということでございます。

    それから組込み系では、コーディング作法ガイド、資料3-2で「JasPar」における組込みソフトウェア開発のガイドの有効性評価について申し上げたところでございますが、この「コーディング作法ガイド」に関してはJIS化に取り組んでおるということで、ぜひ日本の標準にしていきたいと考えております。

    それから組込みに関しては地方からのセミナー等の支援要請が相次いでいるということを申し上げましたが、この第12表はSECで行ったセミナー開催の概要でございまして、組込みが、3番目にございますが、5回行っております。

    それから2番目にエンタープライズ系の関係でございますが、1つは情報システムの信頼性評価指標というものを作成いたしました。本指標に従ってチェックしていきますと、自社のシステム、あるいはベンダがユーザに提供するシステムがどの程度の信頼性のレベルにあるかということがチェックできる、そのような形のものを公開いたしております。

    それからSECのいわゆる共通フレームワークといいますか、ETSSを初めとしたいろいろなスキルスタンダードを国際化していこうという動きも行っております。特にソフトウェアライフサイクルプロセスにおける「契約変更管理プロセス」、ソフトウェア開発で、一番悲劇なのは、いつの間にか要求がふえてしまうということでございますが、このプロセスというのは世界共通のようでございまして、これに関して共通の基準をつくっていこうということで、ISO/IECに提案したところ、ISO/IEC12207の次期改定時に「契約変更管理プロセス」が反映されることが決まり、SEC成果最初の国際標準になりました。

    その他、見える化をはじめ、SECの成果を、ここにあります第14図のような本にしております。

    それから電子政府のシステムに関して、「情報システム統一研修」における講義でございますとか、あるいは航空自衛隊向けの説明会、あるいは「電子行政・独立行政法人CIO補佐官連絡会議」での成果発表等々行っておりますが、SECのリサーチフェローが中央官庁、これは人事院ですが、CIO補佐官に任命されたということで、政府の電子化に関しても貢献させていただいております。

    それから3番目、これも資料3-2で申し上げましたが、組込みソフトウェア開発向けのガイド類を作成しました「組込みシステム品質作り込みガイド」だけは平成20年度になります。他の3つは、そろって出版しております。

    それから「JasPar」に対する適用は、先ほど資料3-2で申し上げたところであります。

    それからETSSを実際の開発現場で使ってみてどうですかというデータもとっているわけでございますが、第17図にありますように、2005年、2006年、2007年と、有効であると回答した割合は、各項目とも拡大しておりまして、バージョンアップとともにETSSが使われていくと考えております。

    それから国内外の機関との共同研究の推進、情報の発信ということですが、これも資料3-2でほぼ述べましたが、(1)で少し重要なのが、「Automotive SPICE」という欧州自動車搭載ソフトウェア開発基準ですが、これはヨーロッパにおける自動車の安全基準みたいなものになりそうでございまして、これと共通の認証体制等にもっていかないと、将来我が国の自動車産業に大きな悪影響を与える可能性があるということでございます。ぜひこれは注意深く見守っていかなければいけないと考えております。

    それからアジア諸国との連携の中で特に特記すべきは、タイから、今強烈に、組込みに関してIPAの協力が求められております。先般、副首相に直々に私も呼ばれまして、協力依頼を受けております。

    それから国際会議においてもIPAの職員が活躍しております。特にQUATIC2007という学会では最優秀論文賞を獲得しました。

    さらに、平成19年度はSECが設立して3周年でございますので、3周年の成果報告会を開催したということでございます。

    IT人材育成のほうに移りますが、組織の改編、(1)は、先ほど資料3-2で申し上げましたとおりでございます。

    さらに情報処理技術者試験とITスキル標準との整合化を図っていこうということで、ITスキル標準のバージョンアップを次々に行っているところでございます。

    第20図に書いてございますように、いろいろな専門分野を再構築したり、あるいは合わせたりして、手直しをしながらバージョンを上げていっているということでございます。

    それから研修のロードマップの策定・公開、これはITスキル標準を活用した人材育成につながるということでやっております。

    16ページに移りまして、これも「IT人材育成iPedia」というデータベースを構築いたしまして、順次コンテンツを追加していくことを考えております。

    さらに、このスキル標準の国際化という意味では、ベトナムのソフトウェア協会が資格認定制度にITスキル標準を採用することになりました。このとき、ヨーロッパの標準と競り合ったそうでございますが、日本のITスキル標準が採用されることになりました。これからはこれの実際のインストールに取り組むということになってまいります。

    それからプロジェクトマネジメントの国際標準への取り組みということで、これはITSSの中のいわゆるプロマネの分野で、日本の標準を国際標準の中に入れ込もうという活動を現在やっております。まだ承認には至っておりませんが、各国のコメントを求めるという段階まで行っておりまして、今後継続して努力をしてまいります。

    それから、いわゆる天才的なソフトウェア開発人材を発掘するということでやっておりまして、年2回公募をかけておりますが、平成19年度は採択テーマ数が、ここにございますように、本体のほうが63件、未踏のほうが30件採択され、全体で340件を超え、そのうち93件が採択されたということでございます。

    さらに、開発者の中からスーパークリエイターを認定していくということで、平成19年度は記載してございますように、18人のスーパークリエイターが認定されました。この未踏ソフトウェアの認定された方に関しましては、プロマネを通じて広く事業化の支援も行っておりますし、また海外に派遣しまして、海外における事業化の可能性、あるいは人材育成という面でも貢献させていただいております。

    17ページにその写真がございます。海外に行きまして、実際に向こうのベンチャーキャピタリストと相向かい合いまして、自分たちのソフトを説明する。これもだんだん慣れが出てきて、うまくなってきたと聞いております。

    それから情報処理技術者試験、これも来年度から大きく取り組みを変えまして、第23図にございますように、ITパスポート試験という初級者用の試験を追加するなど大きな変化がございます。試験改革の内容は(1)から(7)に記載しています。申しわけないですが、ちょっと時間の関係で説明は省略させていただきますが、いずれにしても、底辺を広げるという意味、あるいは学校教育にまで何とか入り込ませて、IT人材を大きく広げていきたいと考えております。

    それからアジアとの関係でございますが、18ページの第24図をみていただきたいと思います。オレンジ色に塗られているところが、これは自分の国で情報処理技術者試験をやっている国でございます。ブルーのところは自分の国ではやっていない、日本の制度を取り入れて一緒にやろうという国でございます。これらの国で実際に試験が行われております。また、第17表にございますように、これらの国で試験問題づくりも行われておりまして、その採用率も毎回上がってきているということで、各国の問題作成レベルが上がってきていると思います。

    それから中小企業に対する支援の一つとして、平成19年度は、中小企業IT経営力大賞を行いました。これには、全国から429件応募がございました。この中からセレクトいたしまして、一応の成果を上げている認定企業139社、それからIT経営実践認定組織12団体、これが認定されました。さらに、その中から大賞(経済産業省大臣賞)が3件、IPA賞を含む優秀賞等々11件、これが表彰されております。第30図はその写真でございます。

    それから地域ソフトウェアセンターとの関係に関しましては、平成19年度は2つのセンター解散を承認しました。これは資料3-2で述べたとおりでございます。

    さらに(2)にございますように、栃木と仙台に関しては減資を承認いたしまして、財務内容の建て直しということでこれを行いました。当然のことながら、各ソフトセンターの財務及び事業面の評価・分析を行って、適正な運営を心がけております。

    すみません。少し時間がオーバーしましたが、以上で私の説明は終わりますが、20ページにツールとデータベースの一覧表がございますので、後ほどごらんになっていただければと思います。

  • 松山分科会長

    ありがとうございました。

    それでは、ご意見、ご質問等、よろしくお願いいたします。

  • 徳田委員

    確認ですが、先ほど資料2-3で評価項目の今年度改定案というのが出てきてまして、国民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上に関する事項で、今これ、4つに分けられてますよね。ソフトウェア開発、情報セキュリティ対策の強化、ソフトウェア・エンジニアリングの推進。今いただいた資料3-1の最初のオープンソースのところ、一応2の枠の中に入っているんですか。ページ4、オープンソースの導入、ソフトウェアシステムの選択肢拡大というのは、この4グループの中だとソフトウェア開発分野に入っていると理解すればいいのでしょうか、どこに対応するのでしょうか。ほかの2のところは1対1に大体対応していますけれども、この評価の項目の中ですとどこに対応するのか。

  • 占部IPA統括参事

    ソフトウェア開発でございます。オープンソースソフトウェアと、それから中小ITベンチャー事業と、それからツールデータベースの開発につきましてはソフトウェア開発分野というふうに考えてございます。残りのSEC等は1対1の対応になっています。

  • 徳田委員

    最初の項目だけが1.のオープンソースソフトウェアの導入促進とソフトウェア開発支援が2つ含まれていると。

  • 占部IPA統括参事

    そうですね。この立て方自体は、平成19年度の年度計画からの項目立てをそのままもってきたということでございます。

  • 松山分科会長

    従来も今のようなご説明で、オープンソースはソフトウェア開発のところの1項目として挙がっていたと思います。

  • 櫛木委員

    比率は6%ですね。

  • 占部IPA統括参事

    ソフトウェア開発分野を全部足して6%です。

  • 松山分科会長

    いかがでしょうか。

    以前、年度評価としてではなくて、中期計画期間としての流れの中で、先ほどのご説明でも、年月がかなりたってきているんですよね。以前のここの分科会でも少し、そういう年次ごとの推移みたいな形でみるとよくわかるという議論をしていただいたことがありまして、ソフトウェア開発支援にかかわる業務ボリュームが年度ごとにどう変化しているかというのを出していただいたんですね。そうすると、先ほどいいましたように、個別の企業支援から公共財ソフト、あるいはなぜそこが6%なのかということも、いわゆる選択と集中として、この中期計画期間においてかなり実効的に具体化として出てきたのだというのが非常に明快になるようなところがございました。

    できましたら、これはまた今後で結構なんですが、中期計画評価に関しては、年次ごとの変化とかいうのを個別に年月書いているから、それを連ねたらいいと思いますが、みやすいような形でみていただくと、もうちょっといろいろよくわかるのかなという気もいたしまして。

  • 斉藤IPA理事

    わかりました。年次毎の業務変化が見える資料を作りたいと思います。

  • 松山分科会長

    それで、多分、SECなんかも中期計画の途中からスタートさせているんだというのも、ある意味で不連続的な変化も起こしているんだとか、そういうことがIPA全体の中期計画の中でどういうアクティビティがなったのかというのを、簡潔でいいんですけれども、もう一段、この資料3-2をまとめていただければ、よりインパクトあるかなあという感じがします。

  • 斉藤IPA理事

    資料3-2に記載した実績が時系列的に分かるように簡潔につくるように致します。

  • 松山分科会長

    ただ、IPAが、これまでも議論があって、先ほどちょっと申し上げたんですが、これは課長さんともちょっとお話をしてたんですが、情報処理推進と来ますと、一般の人たちからすると、関係ないよという感じなんですね。もともとそういう産業育成的なスタンスがかなりあったのですが、ただ、今のような形でやると、例えば一番大きく変化したのは、セキュリティということが入ってきて、これが一般国民、あなた、皆さんのことですよと。もう一つは人材育成の試験センターが吸収合併されて、業務拡大やっているんですね。そうすると、よりこれは一般の国民、あるいはもう少しいうと、先ほども改定していただいているという趣旨は、学校教育というところまで含めた、生徒、学生まで利用者ですよということなんですね。そういう意味で、この機構が前期の中期計画期間での活動を踏まえてやってきたことのもっている意味とか、そういうのをもう少し積極的にアピールしていくと、いろんなところでの理解がすごく得られやすいのかなと、そういう趣旨です。

  • 西垣IPA理事長

    わかりました。おっしゃるとおりです。是非そのようにさせていただきます。

  • 松山分科会長

    他はいかがでしょうか。

    これは雑談ですが、評価委員会で私が被告席に座らされて、去年はかなり、汗はかかなかったですけれども、理不尽な質問に対して答えなきゃいけないということもありましたので、何かできましたら、そういう準備を。

  • 櫛木委員

    このIPAの活動がどのように評価されたかというのが、一般国民目線というキーワードは確かに出てきているのですね。ところが、やっている内容というのは相当プロフェッショナルな内容でありまして、国民目線に触れるのは、むしろセキュリティの問題だったり、学校裏サイトであったり、いわゆる社会面の話であって、暗号がどうだからそれというのはなかなか関係づけにくい。ですから、評価というのが一般国民目線とは随分ずれている問題が多い。非常に専門的な専門家が企業等でやっていて、よくやっているというような評価ということのほうが実は妥当な評価ですよね。

    じゃということで、そういう評価の目でみたときに、確かにあるんですけれども、もう一つありまして、これは専門家自身が企業の中でどう評価されているか。そうすると、経営幹部がそういう専門家をどう評価し、そのことによってIPAの活動はどのぐらい役に立っているのかという経営者目線という、経営にどれだけ貢献しているかという目線でみたときに、やっぱり専門家集団の中の話に終わっているにおいが随分する。このこと自身が、一般国民目線というのと、経営にとって重要なんだという経営者目線での評価というのにつながってない場合が多くて、私は、これからの評価の視点にそれが物凄く重要ではないかと。

    IT技術そのものが、90年代ワーッと来たときは、それいけそれいけでITブームだったから、ITということに注目して、そういう経営者も評価したし、CIOとかCFOという役職も出てきた。ところが、一応それは固まって、次の世代に、次の時代に入っていったときに、このIT技術を経営の中でどうとらまえるのかと。一般目線からいったら、そういう悪い面ばかりが、経営目線からいっても、バグが出たとか、そんなことばかりひっかかってきて、それがどれだけ経営に重要なのかという指標がなかなかみえづらいですね。だから、経営目線でみたときの指標の重要性というのはこれから大いに問われる。また、その見える化をしていかないといけないという時代に入っていると思うんですよね。だから、そのポイントが今回評価する中でも少し気にしていかないといけないんじゃないかという気が非常に強くしております。

  • 斉藤IPA理事

    プロフェッショナルの目線といっても、経営者目線もしっかりとらえることも必要だということですね。

  • 櫛木委員

    もうちょっといいますと、プロフェッショナルのリーダー像をいろいろ分析しますと、経営者にお金と時間と利益でちゃんと説明できているかというと、できてない場合が多い。だから、こういうことをやっている人自身の企業内での評価がもっともっと上がらないといけないのにそういうことが十分できていないというのが、私は、この分野の次の大きなポイントじゃないかと。

  • 八尋情報処理振興課長

    櫛木委員が今おっしゃっておられるところ、プロフェッショナルコミュニティをいかに日本できちんと底上げをして認識させていくかというのは、実はIPAが今事務局になりまして、産学パートナーシップという文科省との大きな会議の中でまさに一番の花形になっておりまして、阿草先生を委員長にして進めているんですけれども、プロコミというものをやっぱり日本に根づかせないと、どうしても、その経営者からみるとおっしゃるとおりで、一部の専門家が集まって仕事しているようにみえてしまうと。だから、そこの専門家の地位をきちんと上げていきましょうというのは、IPAからも、それから産業界からも、学界からもおっしゃっていただいて、今急速に進めようとしておりますし、人材育成本部が昨年秋から立ち上がりましたので、それが今国全体のIT人材の育成の本部になっていくようなイメージで進もうとしておりますので、もう少しお時間をいただけると進んでいくのかなと思っております。

    それと、多分もう一つありますのは、現在それぞれの部門で、SECであれ、人材であれ、評価委員会をIPAのほうで設けていただいておりまして、日ごろ非常にわかりにくい実績を、経営者の方々にもそれぞれの専門のところに入っていただいて、わかりやすく報告をして評価をいただいているというところで、努力を1期の途中からもしていただいているように感じております。

  • 斉藤IPA理事

    委員のご指摘のように、経営者からみたときに評価されるプロフェッショナルの育成についても努力してまいりたいと思っております。

  • 松山分科会長

    よろしゅうございますか。

    実は、これもちょっと課長さんとは、今期の中期計画、中期目標計画策定に関していろいろ個別的に議論させていただいて、今と少し関係がございますけれども、若い人たちからみて、IT関係の専門職につくことが、夢がある、意義がある、志をもてるというようなビジビリティをどうやってつくるかというのが、今の阿草先生のところなんかでも一番大事で、そのために、今いっている専門家の方がちゃんと評価されるべきだというのはいいのですが、ある意味で、企業内で給料が高いとかいうことだけじゃなくて、社会的にやっぱりその意義が評価されるというふうな職業でないといけないだろうということがあろうかと。

    例えば医療関係にしても、今回のような災害救助、消防隊とかみても、困ったときに助けてくれる。そうしたら、ふだんそういう人たちが、訓練に励んでいるだけといったら非常に失礼なんだけど、それはそういうときに備えてやっている価値があり、あるいは私も人助けのために何かしたいということが若い人たちの中に出てくる。そういうビジビリティが情報系ではないんですね。だから、一番大きいのはそこにあって、それは人材育成として具体的に何かインプリメントできればいいなあと。あるいは先ほどの専門家の評価と社会的な評価をどういう形でどうやって得ていくのかとか、そこが、情報関係で働く方々、専門にする方々の最大のポイントじゃないかということもいったりしまして、これは評価とは関係ないのですが、ぜひともまたご検討をお願いしたいと思います。

  • 斉藤IPA理事

    アメリカでは、IT技術者というのは大学を出て一番人気の業種と伺っています。日本ではそうでないというのは、我々も含めて努力しなくてはならないことだと思っております。

  • 阿草委員

    今の議論は少し気をつけないといけません。アメリカでも情報系の大学の数は減っておりますし、入学を希望する学生の数も減っています。ただし、職業としては評価されている。これはちょっと矛盾しているところがある。

    先の櫛木さんの話ですが、国民目線で議論することの内容が、余りにも受けというか、守りに入って、セキュリティであるとか、脆弱性であるとか、いわゆる負の面をサポートするという感じではなくて、経営目線ということは、情報技術はこんなに役に立っているというか、その部分の評価項目が欲しいということと理解したのだけど、それでいいでしょうか。国民目線というと、つい、よく知られているとか見えているのはセキュリティとか脆弱性とか、悪い面を一生懸命守っているという感じがします。

  • 櫛木委員

    束ねてどういうふうにいわれるかというときに、我々も、委員の先生方がいうか知りませんけれども、国民にわかるようにといったときに、国民にもわかる経営的な意味でのよさということを入れていかないといけないという意味なのですね。

  • 阿草委員

    攻める側のほうが今ないといわれている感じがちょっと。

  • 松山分科会長

    ただ、先ほど申しましたけれども、経済産業省の独法評価委員会、あるいは総務省の政策・評価委員会というのに行けば行くほど、専門性というのはないんですね。ですから、やっぱり一般国民、多分一番大きな話として根源にあるのが、なぜこの独法が必要なのか。税金を払ってまで。税金を払っているのは国民だ、企業も払っているとおっしゃるかもしれないけれども、ということですね。だから、産業育成なのだとか、経営のために役に立っているんだということを強くいえばいうほど、国民はほうったらかして産業界のためにやっているんじゃないかということが逆に出てくるようなこともある。

  • 阿草委員

    それは分かりますが、先ほどの経営者という言葉の意味が、いわゆる投資するとか、積極的にその価値を使い切るという意味とすると、国民目線においても、ITがあるからこういうこともできますよねという話の部分の提案があればと思います。今は、ITは便利そうだけど怖いからといってIPAが一生懸命守ってくれているという感じの効果だけでは、経営という意味がちょっと合いそうにないのですが。

  • 櫛木委員

    シンプルにいえばやっぱりお金と時間と競争原理ですから、こういう技術があるから1,000億の市場が確実にできるんですと、なければこの雇用もなくなりますという、これは国民目線でもわかる。お金が伴いますからね。でも、例えばセキュリティの問題にしても、何ぼの市場規模に影響するんだというような部分がなかった場合には、どのぐらいの役立ちなのか、物差しがみえない。

  • 西垣IPA理事長

    非常に難しいのは、セキュリティの問題をとりましても、例えば1,000億もうかるとわかれば、絶対に民間資本でやります。IPAはそういう民間資本ではできない、リスクが多い、あるいは非常に長い時間要する、そういうところに対するファンダメンタルスを提供するのが本来の役割ではないのかと私は思っています。

  • 徳田委員

    ちょっと攻めの部分があったので、私がいうと少し専門家的な視点になってしまうかもしれないですけれども、例えば情報セキュリティのところも、今書かれているお仕事の多くは端末系なんですよね。我々、インターネット上でいろんなプライベートなショッピングをしたりビジネスをB to Bでやっていたりしていて、実は長期的にはネットワークの部分の脆弱性と端末系の脆弱性を合体して、だから、IPAがやってくれているのは、長期的には情報インフラの国家的レベルの安全保障をちゃんと実現しているから、我々のプライベートなショッピングであったり、B to Bが安定してできますよと。その安全保障の度合いが、米国とかEUと比べて、IPAがつくっている仕組みなり基準なりいろんなもので、暗号だけじゃないんですよ。IPAの方は暗号がすごく得意だから、暗号ですごくいいものをつくっても、どこか1カ所紙でできているところがあれば、そこをチョキンと切られてやられちゃって、いつも僕らはシステムとして大事なので、ダイヤモンドが1個だけあっても、国の情報インフラの安全保障という意味ではまだやっぱり足りないんですよね。

    これは省庁間のバトルで、いや、ネットワークは総務省のICTがいろいろやって、IPAはやっぱり端末系の中でウイルスをという時代はもう終わりつつあって、せっかくここで国際連携いろいろ書かれているのに、実は国内の連携ができてない。そのインフラの連携ができている国ほどより安心して産業界はビジネスに入っていけるし、人々はショッピングができるし、余りにも保守的に、いや、これは危険だから切りましょう、ネットワークから外しましょう、これも危険だからアップデートはやめましょうとか、どんどん後ろ向きになっちゃうと、創造性もどんどんそがれちゃうし、国際競争力もそがれちゃうし、だから、情報インフラの国レベルの安全保障はここがちゃんともっているというニュアンスなんですけど。

  • 松山分科会長

    そうですね。さっきも申しましたけど、今期の、この4月からの中期計画目標のところでは、社会基盤のディペンダビリティ配慮というのを担保するためにIPAが活躍するというのは本務でしょうというふうな、そこまで書き切らなかったんですが、そういうスタンスが多分私は正論だと思うんですね。

    従来は、投資効率のリターンのリスクが高いところは高いけれども、やらなきゃいけないのは国がお金使っても投資して開発しなきゃいけないという、いわゆる産業育成とか先導、マーケット開発ですね。そのスタンスをやっていると、やはり独法の存在意義として、正論としての議論ができなくなってしまうというのが前から私個人でも申し上げているようなことがあって、やっぱりそういう視点での話、別にこれは評価じゃないんですが、というのが大事だなあという気がすごくしているという。

  • 斉藤IPA理事

    国民から見てどう映るかが大切ということですね。

  • 松山分科会長

    国民がみたときにどうみえるのかということだと思うんですね。先ほど理事長おっしゃいましたように、例えば本当にマーケットが、将来でも、リスクも含めて期待できるのであれば、そういうところだったら、別に国が税金使ってやる必要ない。企業さんがそのリスクとるかとらないかの判断だけなのね。やっぱり議論として成り立たないということなんですね。

    多分一番大きいのは、これから独法の評価のスキームがまたどう変わるかわかりませんけれども、やはり独法としての正論というのをもっているというところは、いかなる評価体制があったとしても、それはちゃんと業務として国がやるんだということにつながるのではないかという、そういう次のステップをみたときでも、そんなふうに思ったりしています。すみません。ちょっと時間が過ぎてまして。いろいろご意見あると思いますけれども、また個別にご説明いただいたときに、委員の先生、またいろいろご意見いただけると思いますので、そこでよろしくお願いしたい。どうもありがとうございました。

    それでは、まだ議題が残っておりまして、議題の4番目で、積立金の処分についてでございます。これは、法律の規定に基づきまして大臣承認を受ける際はあらかじめ評価委員の意見を聞かなければならないということにされておりまして、事務局のほうからご説明をお願いしたいと思います。

  • 大木情報処理振興課課長補佐

    資料4をごらんください。積立金の処分についてでございます。こちらの情促法の第22条の規程に基づきまして、IPAの19年度の積立金につきましては、IPAから第2期に繰り越すという申請がなされる予定でございます。その承認に当たりましては、評価委員会の意見を聴取するとともに財務大臣協議を行うという前提条件がありまして、今般、議題とさせてもらっております。

    内容につきまして概略申し上げますと、資料4の1.に、承認を受けようとする金額、一般勘定で2,900万、試験勘定で9億3,600万という金額がございます。わかりやすいのは3.の表でございますが、一般勘定で積立金が19年度末で4億6,800万、試験勘定が9億3,600万の積立金がございますと。それで、一般勘定におきましては、自己財源で取得しました固定資産の減価償却費が第2期に費用計上されることに伴いまして、欠損が生じたときに取り崩すべき積立金の財源に充てるというものが2,900万でございます。つまり、この額を承認いただくということでございます。

    ちなみに、残りの4億3,900万は国庫に返納する予定でございます。

    他方、試験勘定のほうでございますが、9億3,600万の積立金があるわけですが、第2期では主に新試験制度、それからCBTのシステムの構築、またそれに伴う業務などなどに7億4,900万かかりますと。また未償却分が1億8,700万ありまして、合計で9億3,600万ということで、計画額と積立金額が同額のため、全額を繰り越して国庫返納はないということをご承認いただくというものでございます。

    資料の次に参照条文をつけておりますが、簡単に申し上げれば、期の途中であればこうした手続は必要ないのでございますけれども、第1期から第2期に移るときには、財務省から、余った積立金、余剰金は返しなさいという話がございまして、認められるものは繰り越しましょうというところを協議するものでございます。

    ちなみに、金額につきましては、まだ決算が確定しておりませんので、財務省協議の中で一部変更あるかもしれませんが、そういう前提でご審議をお願いしたいと考えております。

    以上が積立金の概要でございます。

  • 松山分科会長

    ご説明ございましたけれども、中期計画の変わり目のところにおける積立金の扱いということで、継承していくためには、その事業計画を明確にして、その予算的裏づけを財務省と協議すると。あるいは、その前に評価委員会としての意見を聞くべきだということになっているということでございます。いかがでございましょうか。

    この辺はちょっと財務的な話等々いろいろあろうかと思いまして、決算の状況もまだ確定ということではございませんので、数字の面におきましても少し変動があるかとも思いますけれども、あと、財務省協議もこれからなんですね。決算の数字決まってないから。ということもありまして、その辺の調整に関しましては分科会長のほうにご一任いただくということでご承認いただければありがたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。

    (「異議なし」の声あり)

    じゃ、ご承認いただきましたということにさせていただきたいと思います。

    それで、時間もご予定の案内からは10分ぐらい過ぎてまして申しわけございませんが、この辺で本日の議論は終わらせていただきたいと思っております。

    最初に事務局のほうからございましたけれども、次回7月3日の本分科会におきまして分科会としての評価を確定していただいて、7月下旬の親委員会のほうでの承認プロセスに続いていくということになっております。

    これから、6月末、26日でございますが、評価書の提出というのがございますけれども、それに向けて、まだちょっといろいろお時間とるかと思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。

    それでは、あと事務局のほうから、今後のことにつきまして連絡事項をお願いします。

  • 大木情報処理振興課課長補佐

    本日は主にIPAの19年度の実績または中期期間の実績ということで、業務運営の効率化、それから国民に対するサービスの質の向上、この辺を中心に説明させていただきました。先ほど申し上げましたように、財務のほうの数字が固まっておりませんので、また来週の後半から再来週にかけて、皆様、各委員の先生にお時間いただきまして個別に説明したいと思っておりますので、よろしくお願いします。

    それからお手元資料、かなり大部でございますが、郵送させていただきますので、そのままお残しになってください。

    あとは、今回説明させていただいた実績、あるいは評価の方法につきまして、ご不明な点がありましたら、事務局のほうまでご連絡いただけたらと思います。

    以上でございます。

  • 八尋情報処理振興課長

    先ほど来から幾つか議論出ておりますように、総務省への一元化という評価委員会のあり方、これは一応閣議決定だけは5月23日にございまして、関連の法制度を今国会には提出しているのですけれども、ご存じのとおりの状況ですので、今期の会期で成立するかどうかまだわからないような状況です。

    それから、成立をしましても、まだ個別法のいろんな詰めがございまして、1年2年かかるかもしれないというような流れになっております。ですから、我々担当としては非常に申しわけないなとは思いますが、今そういう変わり目のときに、今々どういう方向になるのかも正直よくわからないところで、各委員、お忙しいところいつも来ていただいて、評価を詰めていただいていて、第2期の途中で恐らくはまた大きく変わっていくと思われます。

    ただ、先ほど来松山分科会長がお話しされているとおりで、よりわかりやすくと。わかりやすいというのは、多分、一般の国民、経営者等々からみても、その成果が明らかによくわかるという意味での説明責任がこれまで以上に問われていく。それは私どもの原課もそうでございまして、従来以上に、何をきちんとやっているのかというのを、玄人にはわかっていただいて当然で、かつ、一般の人にもわかるように説明できるはずだといわれておりまして、大変その辺は我々も苦心している最中でございますが、ご承知していただければと思います。本当にどうもありがとうございます。

  • 松山分科会長

    ありがとうございました。

    それでは、ちょっと遅くなりまして申しわけございませんけれども、また今後ともよろしくお願いいたします。これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2008年10月21日
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