経済産業省
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文部科学省独立行政法人評価委員会科学技術・学術分科会日本原子力研究開発機構部会(第11回)、経済産業省独立行政法人評価委員会 産業技術分科会日本原子力研究開発機構部会(第9回)合同部会‐議事録

日時:平成19年6月22日(金曜日)13時~17時05分
場所:独立行政法人日本原子力研究開発機構システム計算科学センター会議室

出席者

文部科学省委員
岩井善郎、柴田洋二、田中治邦、鳥井弘之、中西友子、山田弘司、和気洋子

経済産業省委員
浅田浄江、内山洋司、柴田洋二、田中治邦、山崎晴雄
なお、柴田洋二委員及び田中治邦委員は、両省の委員を兼任

文部科学省
山野原子力計画課長、板倉原子力研究開発課長、稲田原子力研究開発課補佐

経済産業省
西崎原子力政策課補佐

日本原子力研究開発機構
岡崎理事長、石村理事、木村理事、中島理事、野田理事、野村理事、三代理事、柳澤理事

議題

  1. 独立行政法人日本原子力研究開発機構の平成18年度に係る業務実績に関する評価
  2. その他

配布資料

  • 資料1 独立行政法人評価委員会日本原子力研究開発機構部会スケジュール(案)
  • 資料2-1 独立行政法人日本原子力研究開発機構の平成18年度に係る業務の実績に関する評価について
  • 資料2-2 独立行政法人日本原子力研究開発機構の平成18年度に係る業務の実績に関する評価(評価シート(様式))
  • 資料2-3 原子力機構について
  • 資料2-4 平成18年度業務実績の自己評価の概要
  • 資料2-5 平成18年度業務実績の概要
  • 資料2-6 平成18年度業務実績報告について
  • 資料3 文部科学省独立行政法人評価委員会科学技術・学術分科会日本原子力研究開発機構部会第10回会合・経済産業省独立行政法人評価委員会産業技術分科会日本原子力研究開発機構部会第8回会合・合同部会議事概要(案)
  • 参考1 文部科学省所管独立行政法人の業務実績評価に係る基本方針
  • 参考2 独立行政法人日本原子力研究開発機構の現地視察結果について

議事録

(1)部会の公開・非公開について

文部科学省独立行政法人評価委員会科学技術・学術分科会運営規則第5条及び経済産業省独立行政法人評価委員会運営規則第6条に基づき非公開とする旨、了承された。

(2)平成18年度業務実績に関する評価の進め方

事務局より、資料1、資料2-1及び資料2-2に基づき、平成18年度事業年度評価の進め方等について説明を行った。議論は以下のとおり。

委員
評価項目1に、「国の各種方針との整合がとれているか」という視点が追加されている。高速増殖炉サイクル実用化研究開発という形で、国の方針は決まっていると思うが、それ以外にどんな方針が考えられるのか。

事務局
昨年11月に定められた文科省としての研究開発方針や、原子力委員会においてFBRに関する基本方針が出されているが、これがきちんと整合しているか等を見ることが必要ではないかという委員からの意見があり、それを踏まえて追加したものである。上は準備、単なる行為であり、追加分はその結果としてどのようになっているのかということである。

委員
4段階を5段階にした必要性は何か。

事務局
昨年度、F評価は勧告が必要なものとそうでないものが一緒になっていたが、勧告を出さなければいけないものをFとし、そうでないものをCとした。

委員
ここでFを出す場合は、相当我々も覚悟をして出さないといけない。

委員
評価項目4の「理解促進のための取り組みがなされているか」という視点だが、役割にはいろいろ違いがある。NUMOと同じことをやらないといけないということでもない。

事務局
ここは理解と書いてあるが、原子力機構が行う事業についての理解の促進ということで、ご指摘のとおりである。

委員
今年度は、この視点で評価することとしたい。

(3)原子力機構の経営方針等について

岡崎理事長より、資料2-3に基づき、原子力機構の経営方針等について説明を行った。議論は以下のとおり。

委員
外部資金を獲得しており、大変すばらしいことだと思う。それを取ってくれば取ってきたで結構大変だが、どのように考えているのか。

機構
組織の中に相当しっかりとした支援体制を組まないといけない。既存の体制を、場合によっては再編成しながら、新たな取組に対して、人的にも資金的にも、取り組んでいかなくてはならない。

委員
標準化技術はその国の技術レベルの高さを示すものだが、そういう標準化技術についての蓄積、きちんと育てることをしているのか。また、放射線の利用もきちんと考えていただきたい。

機構
標準というものに対してもしっかりと取り組むべきというのはご指摘のとおりだと思う。機構が自発的に標準化をやっていくより、国際社会も含めた社会の動きに対応して原子力機構としてこたえていきたいと思う。機構の業務の中で、エネルギーはもちろん大事だが、それ以外の分野について目指すべきものは、ある特定の分野に偏ることなく、原子力全体が持つ潜在的な力をいかに社会に提供していくかが大事な視点であり、ご指摘の視点は決して忘れず取り組んでいきたい。

委員
事業によって差はあるとは思うが、外国人研究員を登用するに当たって、機構として狙いや期待していることを伺いたい。

機構
外国人や女性という区別なしに、できるだけ優秀な人間を研究開発機関に受けるのは第一番だと思う。機構の外国人の受け入れは29人程度と、他の研究機関に比べて少ないので、これからはぜひ措置の努力をしていきたいし、特にJ-PARCができれば、国際的な拠点として受け入れることは大事だと思う。

委員
業務効率化というのは、例えば随意契約から競争入札を含めて多様な形での削減のアスペクトがあると思う。予算削減が直ちに人員削減の合理化というロジックについて、説明いただきたい。

機構
人員と予算の削減が統一をとれて方針が決まっているわけではなく、2法人統合という合理化という観点から、人員削減について中期計画期間に1割削減という課題を負った。予算は独法全体について1%の合理化がかかってくる。予算も厳しいが、特に人の問題は厳しい。研究開発を支えるのは人だという観点から見て、人の数を減らしていく政策だけでいいのか、大変大きな課題だと思う。予算はそのときの予算の中で決まる。合理的な使用について努力するのは当然だと思う。

委員
外部資金は、4ページの会計の棒グラフの中に入っているのか。

機構
予算としてこういう形で書いている。実際の競争的資金は、決算で出てくるので、この予算の中には適切に表されていない。今までの主なものは、電力会社から再処理を受託した料金収入がこういう形で入ってきている。

委員
人材の育成、働いている人の活性というのは極めて大事なポイント。人、研究費も削減されている流れで、外部資金を獲得する、理事長のリーダーシップによる調整財源を設けたことは、非常に新しい流れで、それがどのように活性化するかというところがポイントになってくると思う。現状を説明してほしい。

機構
個々の研究者、課題から見ると、外部資金、理事長調整財源は、すばらしい効果を発揮していると思うが、過大評価をしてはいけない。4つの重点事業に資源を投入していかない限り、機構が本来課せられた任務は達成できないので、メインの資金を獲得することが第一。それだけに甘んじては機構の活性化にはつながらないので、外部の人との連携、外部評価を受けながら資金を得ることは、大変大きな刺激になる。

委員
エネルギー供給の観点から、高速増殖炉サイクルを含む燃料サイクル技術が国家の存立基盤になることは明白。中核メーカーと機構で連携を強め一体となって開発に成功してほしい。アメリカのGNEPにおいて、FOAは、意外と早い時期に勝負がかかった。機構を中心にメーカーと電力との三者協力で選んできた日本の技術であるループ型高速増殖炉が国際標準の1つになれるかというところにきた。応募は三菱重工がアレバと組んだが、機構には支援をお願いしたい。

機構
FBRサイクルを実現するためには、研究開発機関だけでは達成し得ないという観点から五者協議会を作ったのは大変すばらしいこと。その中で、中核企業の選定というアイデアが生まれ、アメリカのGNEP提案に対して中核企業である三菱重工が提案できたと思う。ここに至るまでに、DOEと機構の協力、日本全体とDOEとの協力があり、メーカーだけの話し合いだけでこの問題は決まらない。アレバと重工が連携を決めた後も、機構と仏原子力庁の連携により支えていく。技術開発課題を研究開発機関同士が連携しながら取り組んでいくという方針のもと、全力を尽くしていきたい。

委員
前回までの評価委員会でステークホルダーを意識した経営をしてほしいということ、グッドプラクティスを共有するメカニズムを機構の中にぜひつくってほしいということを言ったが、その2点についてはどうか。

機構
ステークホルダーに対して責任を果たしていくという問題はしっかりと機構の中で議論をしながら、そういう観点がどう成果に生かされているかということを意識した自己評価をしており、各課題について説明していきたい。

委員
研究成果に対して大変多くの事象があり、いろんな面で大変活発に研究され、成果につながっていることに敬意を表したい。ここに書かれているものが大きなプロジェクトの一環だと思うが、これ以外にも各個別の研究室で多分いい成果が上がっていると思う。そういうものも高く評価していく姿勢をとっていけば、全体の活力はもっと上がると思う。

委員
社会からの信頼ということの議論があまりなかったが、ソフト面の開発が大切だと思う。アメリカではどのように合意形成を得るかという研究そのものが随分行われているが、そのまま日本に持ってきても日本の風土には馴染まない。日本における方針をたてる必要があると思う。再処理工場にしてもなかなか合意が得られないが、十分検討した上でこういう事業が出ていると考えていいのか。

機構
機構の基本方針の中の安全確保、社会的な信頼の確保という観点でやることは、各拠点や職員一人一人に行き渡るようカードを配布している。具体的な取組については、各拠点の特徴に合った活動をしている。特に、敦賀本部における信頼回復の努力は、グッドプラクティスとして、ある種の科学技術と社会の理解、信頼についての1つのいい例ではないかと思う。

(4)自己評価結果の概要について

中島理事より、資料2-4に基づき、自己評価結果の概要について説明を行った。議論は以下のとおり。

委員
評価結果の反映の仕方を伺いたい。

機構
経営管理サイクルを回している。事業ごとにPDCAを回しており、部門の中で段階的にPDCAを回している。最終的には、個人が年度計画を立て、それについて課長職がその評価をする。PDCAが個人のものから、最終的には事業評価に結びついている。

委員
給料や研究費について、今年評価がAだから、しばらく給料を上げておこうという話ではないのか。

機構
所内に理事長表彰や拠点表彰など3つの評価制度がある。これだけの自己評価をやっているので、それぞれが所内の表彰、あるいは個人の業績評価にうまく連携するよう工夫しているが、これが直ちに給料に反映させるということにはなっていない。同じようなベースの評価を生かしているので、結果的に、十分それぞれに生かされてきつつあるのではないかと思う。

委員
自己評価の考え方の中に、C評価まではあったが、F評価がなかったのは、最初から問題外として設定しなかったということか。

委員
F評価は評価委員会として勧告を行うものにつけるものである。

(5)項目別評価ヒアリングについて

原子力機構の各理事より、資料2-5、2-6に基づき、平成18年度業務実績について説明を行った。議論は以下のとおり。

評価項目1、2、3、5、24について

委員
実用化研究開発は、予定どおりではないのか。

機構
平成18年3月末に、フェーズIIをまとめ、次の評価の際の技術的な要件、クライテリアを明確にした。国の方針が明確になるとともに、国際的にも、日本に対する期待が高まっているがフェーズIIの評価がベースになった。

委員
それができなかったら困るという話だと思うが、大きくプラスに評価すべき話なのか。

機構
日本に対してのインパクトを相当与えた、あるいは、新しいより大きな舞台を設定できたと言えると思う。

委員
確かに大きなインパクトを日本社会には与えたが、非常に外部要因の影響が大きいと感じる。

機構
外部要因の、相手にされたというか、今まであんまりいろんな場面ではされない場面が多かったので、これは特に大きいと思う。

委員
五者協議会で、研究開発体制を強化したが、機構の貢献について、どこに特筆すべきものがあるのかを補足してほしい。

機構
開発のステップが、かなり明確になった。ただし、一本道に決まったわけではないので、次のときにはきちんと判断してやろうというチェック体制もあわせて決めた。

委員
もともとそれが、五者協議会における機構の役割ではなかったかと思うが、その点から見るとどうか。

機構
これまでは2015年までの取組ということで、基本的には実用化戦略調査研究をやっていた。その後は、それを見て決めるということで、政策大綱の中で、2050年の話が出ており、それをどのように進めていくかという中で、我々のこれまでの技術や、考え方をベースに、次のステップに対する提案をした。

委員
19ページの立地地域の産業界等との技術協力で、大学等との共同研究と、地元の企業等とが一緒に書いてあるが、違和感がある。共同研究をここで書くと、それを使って大学の研究をさせるという印象を受けた。ここでは、地震や地質など、高レベル処分に非常に重要な研究であって、基礎研究として非常に重視いただきたい部分であり、ここでいいのか疑問に思う。

機構
本来、東濃でやる地層処分の研究開発としての共同研究は、別にきちんとある。地元に共生という視点で書いているので、立地地域というところを重点に置いて説明した。

委員
17年度までの実用化戦略調査研究のフェーズIIの報告書をまとめ、開発段階をステップアップできる体制をつくったという意味では、S評価に十分値すると思う。なお、昨年、原子力委員会が基本方針を出したが、その中に、機構に対して国内外の専門家によるレビューを実施すること、プロジェクトレビューとマネジメントレビューを行う体制の充実を図ることとある。これについて、補足説明をいただきたい。

機構
国際レビューは、非常に重要だと思っている。FaCTが始まったばかりなので、その構築は若干時間をかけてやろうと思っている。ジェネレーション4や、GNEPの中で議論いただく中でも、意見をいただこうと思っている。

委員
世界レベル、トップレベルのODSの手法を開発したとあるが、この世界トップレベルというのをどのように客観的に証明したのか説明いただきたい。

機構
ODSは、酸化物の粉末を固めて金属をつくるが、基本的にもろい。冷間圧延によって加工することは、日本が初めて確実にできた。クリープの強度に関する貴重なデータをとったのは、我々が世界で初めてである。現在のところ、これは世界のトップの技術である。将来、炉の中で最大限長く置こうとしたときに、材料が一番問題になるが、ODSはステンレスよりもはるかに魅力的な材料であり、世界的にも我々に対する期待は高い。

委員
例えば、今までの世界最高の材料ではこうだったが、この酸化物分散型のフェライトではこうだというようなことが言えるか。

機構
従来の材料であるフェライト綱に比べて2倍から3倍の強度を目標にしたのがODSである。材料は強度とともに、炉内での寿命が問題になる。目標強度と同じ強度を持つオーステナイト鋼は、寿命が目標の半分しかない。FaCTの設計の中で目標とする強度と寿命を満たすものはODSだけである。

委員
値段はどうか。

機構
コストは従来管に比べて高いが、燃料が2倍以上長持ちするので、トータルの燃料コストは、はるかに安い。

委員
昨年度、東海再処理の評価に当たって、単年度評価だけでなく、長期的な視点も考慮するかという議論をした。実用化研究開発は、世界がFBRの研究開発をとめていた間、日本は機構が中心にループ型設計を一生懸命やってきた成果であり、アレバが譲ったことはすごい成果だと思う。10年、20年の成果であり単年度の成果ではないが、この研究を機構がずっと続けてきたことが、日本の技術が世界を凌駕できる可能性があるという意味で、18年度評価でSをつけることに意味があると考える。

委員
原子力技術は、技術が積み重ねで成果が出てくるという特徴を持っているので、多年度である程度評価していいということは、この委員会で合意したが、どの時点で成果を評価するかという点に難しさがある。高速増殖炉計画において18年度がかなりの面での区切りの期間なのか。

機構
評価に対応する、研究開発段階をステップアップするという意味で、非常に大きな区切りだと思う。

委員
いつ何をつけるのかというのは大きな問題。三菱-アレバの連合ができることで、日本の技術が採用されるようになったということか。

委員
タンク型をずっとやってきて、FBR開発もトップランナーであったフランスが、日本の技術で一緒に戦おうと決断したのは、機構が中心になって研究をしてきたことが評価されている。フランスが認めたことが証拠になると考えた。

委員
三菱がアレバに勝ったというのが機構の成果というのはどうか。本来、機構は民間に技術をきちんと渡していくべき役割を持っているのでそれでもいいが、それで政策的なステップアップの基盤をつくった、そのあかしとして三菱・アレバがあるということか。

機構
三菱も、将来の高速炉、日本的なループ型のものとしての提案をしたし、その技術的な裏づけもやった。それに対するその設計の全体のコンセプトは、原子力機構が「もんじゅ」や「常陽」に、そういうものを取り込んだ上で築いてきたと思う。

委員
そこにSをつけるとしたら、この点とこの点を評価したと明確に言えないとだめである。何を一番評価してほしいのか。

機構
日本あるいは世界に対して、18年度に、我々の技術でインパクトを与えたということである。

機構
日本及び世界に大きなインパクトを与えて、原子力政策がステップアップする基盤をつくったということか。

機構
具体的な例は、GNEPのEOIを提出した。提出する際に、日本のほとんどの原子力民間企業、電力関係の企業等11社をまとめて、機構がEOIに応募をして、そして、アメリカを動かし、フランスを動かし、世界のFBR開発を引っ張っていったということであろうと思う。

委員
高速増殖炉のプログラムは結構前倒しにやろうという話になってきたのは、この実用化研究開発の成果のおかげだと、原子力政策を担っている当事者として評価しているのか。

事務局
昨年度、今後の高速増殖炉サイクルの研究開発方針という報告書を取りまとめたが、機構が長年にわたって、FSを進めてきた結果、技術的基盤がなければ新しい実用化段階に踏み出すということはできなかったと思うので、国の政策に対する寄与という面では、機構の18年度までの取組は、評価されるものだと考えている。

委員
経産省も同じ考えか。

事務局
同じである。

委員
政策当局として、政策がステップアップしたということが最大の評価の要因といっているので、今日のところはS評価ということでいいか。

委員
「もんじゅ」に関して、社会との対話の中で、リスクコミュニケーションの新しい手法が開発されたことはあるのか。

機構
実際にナトリウムの燃えるところなどを見て、ナトリウムの怖さを実感していただきながら対話ができるような取組をしている。「事故・トラブルの事例集」を作成し、「もんじゅ」の仕組みや、現場での対応などを話ししながら、意見をいただくというような取組が、リスクコミュニケーションとして一番近いと思う。

委員
「もんじゅ」の運転再開は非常に大きな課題である。地元での理解は、ある程度そういう対策が立てられていることはわかるが、国全体で言うと、まだ「もんじゅ」に対してすっきりと理解されていないところがある。そういう問題についてどのようなことを検討しているのか。

機構
高速増殖炉サイクルの実用化研究開発の中で、「もんじゅ」なくしては高速増殖炉サイクルの実用化はあり得ないことを話している。総合雑誌などで理事長とどなたかとの対談や、敦賀では、フランス人顧問と要人との対話により、「もんじゅ」の運転再開に向けての理解いただく取組はしている。これで十分とは思っていないが、これから来年に向けて、全社を挙げて広報、関係部門との取組の1つの大きな柱にするとともに、文科省、経産省との連携も強めていきたい。

委員
「事故・トラブル事例集」は詳しく、想定されたものをきちんと出している。こういう取組を機構がしていることは、十分に認識している。リスクコミュニケーションなので、国民や住民からの反応というものがもう少し具体的に欲しい。

機構
例えば、「もんじゅ」はナトリウムが漏れたときの信号が出た場合、どう行動して、どう我々に伝えるのかなどの質問、蒸気発生器でのトラブルがあったときはどうかというような質問に対し、なるべく現場に来ていただき現物の試験装置を使いながらお話しすることを基本にしている。

委員
実際にそういうやりとりが、以前とは違ってあると理解してよいか。

機構
皆さん運転するという視点になってきており、関心も随分変わってきているのは事実である。

委員
10年間止まっていた「もんじゅ」の改造を、大したトラブルもなく、ほぼ予定どおりできた。このことは大変な努力の結果と思う。現場で頑張っている方々にインセンティブを与えるという意味では、高い評価の方がよいと思う。

委員
何もなく運転が再開されれば、今の話が十分に生きてくるのではないかという気はする。立地地域の産業に関しては、かつては「へしこ」しかなかったような気がするが、越前の紙だとか和紙といった例が出ている。随分増えたのか。

機構
随分増えた。特に、旧原研の放射線利用について、敦賀本部でそういうものを仲介することによって随分幅が広がった。

委員
こういった事例があることは、福井県や関西地方で宣伝しているのか。

機構
研究開発拠点化構想を県が進めているが、これはその中の大きな柱になっている。

委員
県がやっているだけでなく、機構としても宣伝すべきことだと思う。

機構
産学官連携は、独法化された中の1つの柱なので、各拠点でやっている。

委員
一般の市民から見て、意外と私たちに関係あることをやっていると思ってもらうことがすごく大事で、産学官連携の現場にいる人には、既にわかっていると思う。一般の市民にそういう実感が出るようなパブリシティーが必要だろう。

委員
地元では、メディアは「もんじゅ」の再開に対してものすごく取り上げるが、こういう具体的に成果が出たものに対しては、なかなか取り上げない。こういう技術移転が行われていることは立派な活動だと思う。福井大学や福井工大との包括連携は大変高く評価できるが、業績としてはスパンが必要になるので、例えば、中期計画の最後の段階で、トータルで評価できるようになればと思う。

評価項目4、8、15、18、39について

委員
廃止措置ができなかった部分は、資金が足りなかったからか。

機構
廃止措置の推進でできなかったのは、申請後の段取りの関係で遅れたのが大部分である。

委員
今中期計画期間は、資金はあまり問題になってこない。

機構
高線量の固体廃棄物処理施設については、大きな額が必要になることから、18年度に必要性の議論をしたため、申請が遅れている。処理施設は、多額の資金が必要となるが、これから必要となる施設である。18年度はそんなに影響はないが、将来的にはあると思う。

委員
今中期計画期間中、お金を積み立てていくという話はないのか。

機構
処理施設については毎年予算を付けて作っていくことになる。処分については、現在、ガラス固化体の制度が既にあるが、TRU廃棄物地層処分についてはこれから将来の処分に向けて拠出金を出していくことになる。

委員
申請できなかった理由は、機構の内部要因か、外部要因か。

機構
高線量固体廃棄物処理施設については、多額の資金が必要となるので、一番効率的な方法を検討した。また、廃止措置の推進については、拠点全体で廃棄物は放射性物質の使用許可を得ているが、ある申請が審査されている間は、別の申請が出せないので、申請時期が18年3月になったという理由もある。

委員
わざわざBにしなければいけないのかと感じた。

機構
高線量施設は重要な施設であり、スケジュールどおりにいかず、申請できなかった。その他については中期計画どおりだが、全体としては、自己評価委員会の中でBとした。

委員
莫大な量を単に固めて捨てるのではなく、リサイクルの面は検討していないのか。有用な元素は結構あると思う。多くの論文の中に、そうした研究はないのか

機構
いろんな貴重な元素が含まれているが、全部放射性物質であり、また、同じ元素でも、いろんなアイソトープがある。そのアイソトープはどうやって分離するのか、使えるような元素として取り出すのかという議論になりかねない。

委員
キャリアフリーのものがあるかもしれない。放射性物質とそうでないものを分けると見通しは検討したことはあるのか。

機構
1つの元素に着目すれば、放射性物質でないものもあるのではないかということだと思うが、我々の経験からいくと、放射性物質が入っていないと言っても、ほんとに1粒も入っていないのかと言われると、どうしようもなくなる。

委員
それはまた後の問題で、そこの分離までしておくとか、可能性を探るとか。

機構
経済的な成立性の問題も出てくる。アクチニド等を分離できるかどうかとか、最終的には経済性の話につながっていくのではないか。

委員
経済性はそのとおりだが、基礎的な研究としてそういうのがあってもいいはずである。

機構
あまり期待を持ち過ぎると、なかなか難しい。

委員
そこはなかなか難しいと思う。1,000本もある論文の中には、そういうのもあるという話で、基礎研究としては十分成り立つだろう。

機構
原子力施設の廃止措置では、鋼材やコンクリートは相当量が出る。地域で再利用するというと、クリアランスレベルをクリアしたものを、どう使うのか。これは地元にとっても抵抗がある。地元の方と一緒にやらないといけないと思う。そういう取組が、「ふげん」でクリアランスレベル以下の再利用の研究にもあるし、パブリックとの関係も出てくると思うので、今後の課題ととらえている。

委員
今後、原子力施設から出るさまざまな廃棄物に対して、機構の技術がどう貢献していけるかが大事だと思う。廃棄物がクリアランスレベル以下であっても、原子力施設に使わなければならない状況がある。基礎研究の面から、機構が今後さらにリサイクルに対して、産業用に発展させていくような検討が必要という気がする。廃止措置に関して、原電も同時期に廃炉をやっているが、そことの協力関係が強い形で保たれているのかは疑問。また、原子力施設の場合、当初の予定どおり行かないことは多々あると思うが、機構は、そういうものをどう判断していこうとしているのか。

機構
最初の点については、高レベル廃棄物に入っている有用元素を取り出すという観点での基礎研究はあり得る。またクリアランスレベル以下のものについては、今の時点では、事業者自身が自分たちの施設で再利用できないかという意識が強いが、だんだん広げていくということになる。地域の人々と一緒に相談していくことが大事だと思う。廃棄物の分野では、規制当局、地元、予算等の関係者がたくさんあり、全部スケジュールどおりに進むことは非常に難しいが、目標を立てて行っていきたい。しかしながら、その中で、うまくいかないものも出てくると思う。そのときにどうしたらいいかというのは、評価委員会で検討していただくことかもしれないが、野放図にやるわけにはいかない。

委員
評価委員会でも議論をしないといけない話である。やむを得ず遅れることはこれからあるだろう。そこで、これはBだのCだのとつけていくのが、ほんとうに意味のあることかどうかというのはあるが、野放図にどんどん遅れていいものでもないから、どこかでけじめが必要だと思う。

委員
クリアランスレベルの検認の科学的知見について、早急に基盤を整備することが重要だと思う。また、環境アセスメントを、廃棄物の研究開発とどう組み合わせていくかが、国民への理解と研究成果の普及で重要なところ。それも含めて、環境アセスメントは、どんなような形で組み込まれていくのかを確認したい。

機構
国際的にも議論になっているのは、高レベルを処分したときの安全性は環境アセスメントをどのような考え方でやるかということ。原子力機構は地層処分に関するいろいろなデータをとっているので、これらの成果は規制当局にも提供する。浅地中処分は実事業審査のときに、環境への影響を評価して行われる。

委員
原子力施設の廃止事業は何らかの環境アセスメントの対象になっているのか、あるいはそういう動きで申請が必要なのか、現状はどうなっているか。

機構
新しい施設、例えば、サイクル関係の工場、発電所、処分場を建設するときには環境アセスメントが必要になる。廃止措置の場合は、安全性確保を含めた廃止措置計画書を規制当局に提出することになり、環境アセスメントは、廃止措置のときには行われない。

委員
この分野で、あまり環境アセスメントという概念が確立していない気がする。

委員
現状はない。客観的にクリアランスレベルを評価する上で、これから非常に大事なポイントだと思う。

委員
そういうものを新たに方向として設けていくということも検討してはどうか。そうすれば、クリアランスレベルのものが、他でも利用可能という評価に結びつく。それが公の場で評価されることも大事だと思う。

委員
クリアランスレベルに関して言うと、環境アセスという言葉は使っていないが、実は影響評価は、精密にやられていて、あれを環境アセスと呼んでも別に構わないが、そういう言葉は使われていないという意味で概念がないと言った。

機構
クリアランスについては、基準をつくるときに環境への影響を評価して、こういう基準以下ならば、産業廃棄物として扱って大丈夫として定められている。

委員
影響評価が非常にしっかりやられていると思う。原子力だけが別な言葉を使っていていいかというのは、いつも話題になるが、環境アセスという言葉を使うべきかもしれないというところが指摘にあったようなことかもしれない。ここをAにしようというご意見ございますか。ぜひAにすべきだというご意見がなければ、自己評価のとおりで今回はいくということでよろしいでしょうか。

委員
広報だけでなく、広聴も大事だというのは、昨今指摘されている。広聴活動を通じて、地元の方々から伺った意見を事業に反映させた事例はあるか。

機構
一般の方々は、高レベルと低レベルの区別や、幌延、東濃で具体的に何を行っているかをあまりご存じない。地元の方々をはじめ外部に行っている内容やその結果を包み隠さず出すのが、広報の原則である。それをしないと、何か隠しているのではないか、何をやっているかわからないという懸念がわいてくる。また、地層処分は関心の高い分野であり、実際、原子力機構への情報公開要求の半分以上が地層処分関係である。

委員
住民からの意見を取り入れたことがあるか。

機構
そのような対応をしてほしいというのが、まさに住民からの要望である。隠さずにやってほしい、見たいときに見せてほしい、という形で地元との交流をやっていくと、それが信頼感を得ていくやり方ではないかと思う。随分、地元の方々と話し合い、連携は強まったように思う。

委員
高レベルに関して、例えば、東洋町のことを考えたときに、研究開発を担当している機関として、やるべきことがあったのか、何かやるべきかについて、検討したのか。

機構
機構は、研究開発の中核的な機関として、得られたデータを全部提供して公開していく立場にある。NUMOが何かやるといったときに、機構の人間が行って説明するということができるかできないかというのがある。

委員
NUMOがやろうと言ったときにやったのではだめである。それに対する知識を集約的に持っているところが、地元の人たちの要求に応じて、科学的なことを説明しているか。

機構
そういうことはやっている。説明会などに同行して、技術的なサポートをしている。

委員
しっかり検討いただいたほうがいいと思う。

委員
広聴・広報のフレームワークで、当事者であるNUMOと、原子力機構のような、科学的知見を、中立的・客観的な立場で提供・発信する主体は、距離があってほしい。科学的な専門家集団が、当事者や政策当局者とは違うところで国民の目線にもわかるような形で公表、情報発信する仕組みを工夫いただきたい。

機構
原子力機構のホームページへのアクセスをみても、年間約500万件のヒットが地層処分にあるのは、まさにその現れだと思っている。

委員
ホームページに論文を自由に見られるようになったことは非常に評価している。

(6)前回議事概要の確認

事務局より資料3に基づき、前回会議議事概要(案)について確認が行われ、意見等のある場合は6月28日までに事務局まで連絡することとした。その後、次回会合の開催について説明。

関連リンク

 
最終更新日:2007年6月22日
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