経済産業省
文字サイズ変更

文部科学省独立行政法人評価委員会科学技術・学術分科会日本原子力研究開発機構部会(第17回)、経済産業省独立行政法人評価委員会産業技術分科会日本原子力研究開発機構部会(第14回)合同部会-議事録

日時:平成20年6月20日(金)10:00~16:00

場所:経済産業省別館1028会議室

出席者

文部科学省委員:

岩井善郎、柴田洋二、高橋祐治、田中知、鳥井弘之、中西友子、宮内忍、和気洋子(五十音順、敬称略)

経済産業省委員:

浅田浄江、内山洋司、柴田洋二、高橋祐治(五十音順、敬称略)

なお、柴田洋二、高橋祐治委員は、両省の委員を兼任

文部科学省:

板倉原子力研究開発課長、稲田原子力研究開発課課長補佐

経済産業省:

新井原子力政策課企画官

日本原子力研究開発機構:

早瀬副理事長、中島理事、片山理事、石村理事、岡田理事、横溝理事、伊藤理事、中村監事、富田監事

議題

(1)独立行政法人日本原子力研究開発機構の平成19年度に係る業務の実績に関する評価について

(2)その他

資料

資料1-1 独立行政法人日本原子力研究開発機構の平成19年度に係る業務の実績に関する評価(評価シート(様式))

資料1-2 平成19年度業務実績に関する自己評価結果(暫定版)

資料1-3 平成19年度業務実績の概要

資料1-4 平成19年度業務実績報告書(暫定版)

議事概要

(1)日本原子力研究開発機構部会の公開について

本日の部会については、「日本原子力研究開発機構部会の公開について」に基づき、非公開とすることとなった。


(2)独立行政法人日本原子力研究開発機構の平成19年度に係る業務の実績に関する評価について

(1)中島理事より、資料1-2~4に基づき、平成19年度業務実績について説明を行った。議論は以下のとおり。(評価項目22、29、38)


  • 内山部会長

    産学官の連携強化の実績は、どのような形で成果となって現れたかを評価することが難しいが、今後この結果をどのような形で実績評価として示すのか、工夫があれば説明いただきたい。

  • 中島理事

    産業界との連携については4つのグループがあり、発足する際にプレス等で公表し、また、成果が出るたびにプレス等に公表している。大学との連携についても、成果が出た際にはプレス、ホームページで公表している。

  • 田中委員

    原子力エネルギー基盤連携センターで4グループが動いているが、今後どのくらいの件数を予定しているのか。

  • 中島理事

    平成18年から発足して今まで4つのグループなので、目標としては1年に1グループを考えている。

  • 高橋委員

    産官学連携は非常に大事だと思っている。成果がうまく出て好循環サイクルになるような工夫を組織の中でしているのか。

  • 中島理事

    産業界との連携協力はかなり行っているが、その中で非常に有望なものを基盤連携センターで取り上げてグループをつくり、重点化している。資金等については、公募で連携して取りにいく形で行っている。

  • 鳥井部会長

    何のために産学官連携をやるのか、何を実現したいと思って産学官連携をやるのかを考えないと評価ができない。そこをどのように理解しているのか、そこに向かって去年までいろいろやってきてどのような効果があったのか。

  • 中島理事

    重点事業として4つの事業がある。それらの基盤を支えていくこと、基礎・基盤の観点からそれを下支えしていく基盤を強化していくことである。

  • 横溝理事

    何のためにやるのかははっきりしており、産業界のニーズに対応するためである。今4つのグループが動き出しており、非常にいい材料の開発が進んでいるものもある。特許等の問題があり成果が示しにくいものもあるが、結構成果が上がってきている。これをどのように増やしていくかは、もちろんニーズがないと進まないので、ある程度会社にも資金の負担をお願いしているところもあり、相談の上そのようなニーズがあれば対応したい。職員もこれに対しては非常に積極的で、産業界へ反映できる研究を意識して参加している。

  • 宮内委員

    産業界との連携の最終的なアウトプットは、ここでも論文数や研究発表で、アウトプットは見えるよう書かれているが、最終的なアウトカムとしてどのくらい社会的に貢献しているのかを把握する試みは考えているのか。

  • 横溝理事

    まだそこまでは至っていない。どうするかは工夫・検討したい。そのようなことが言えれば非常に評価しやすいと思う。

  • 田中委員

    原子力基礎工学研究部門のミッションは何か。

  • 横溝理事

    原子力の基盤技術を提供していくことがミッションになっている。

  • 田中委員

    連携は、外部にも内部にも両方なのか。

  • 横溝理事

    内部のニーズ、外部のニーズ、国の方針といったものにも応えるところがある。

  • 内山部会長

    施設・設備等に関する廃止措置が実施されているが、機構としてこれから原子力の廃止措置問題についてどのように社会に貢献していくかといった視点から説明いただきたい。

  • 中島理事

    ふげんは原子炉廃止措置研究開発センターで、実際に水炉の中で廃止措置をするのは初号機なので、ここでいろいろな研究開発を行って、それを廃止措置の経済性の向上に結びつけていこうと考えている。人形峠の廃止措置もウラン濃縮の遠心機はできるだけコストを下げるということで研究開発を行っている。コストが下がるような観点からエンジニアリングをつくっていこうと両センターとも取り組んでいる。

  • 鳥井部会長

    産業界のニーズに対応するということだが、これについてはなかなか言えないという話だと、若干ひっかかるところがある。いつもステークホルダーを大事にするように言っているが、本当にそれだけでいいのかという問題がある。例えば、知的財産権はどのように所属することになっているのか。

  • 横溝理事

    産学官連携センターの話はそのような事情があるが、それ以外に原子力基礎では、もっとオープンでやっている独自の研究もあり、そのようなものはどんどん成果を出している。産学連携の特許はそれぞれの貢献にあわせてやるという一般的な特許の考え方でやっている。

  • 鳥井部会長

    そこで開発されたことが産業界で実用化される仕組みは考えているのか。

  • 横溝理事

    スタートするときにそれぞれの持ち分で分担することで特許を出すということでやっている。

  • 鳥井部会長

    特許はそれでいいが、そのような基礎的な研究から実用へ至るに当たっては大変広く大きなデスバレーがあると言われている。そこをどのように越えるかは大変大きな日本全体での課題でもあって、そのようにやればスムーズにいくというものでもない。

  • 横溝理事

    シーズとニーズのギャップが大きいことに関しては、産学連携でやるときにはなかなか順調にいかないことを経験している。意図的にそれが産業利用できるとやっていても、それにのる会社がないとうまくいかないが、のってくれる会社がうまく立ち回ってくれると非常にうまくいく例もある。

  • 鳥井部会長

    実用化された例をまとめて見せていただきたい。

  • 中島理事

    次回用意する。

  • 田中委員

    22番と29番は同じとのことだが、どのように評価すればいいのか。

  • 内山部会長

    ある程度まとめて22とあわせて評価することになるのではないか。

  • 田中委員

    来年度もこの項目は残るのか。項目の整理は考えられないのか。

  • 内山部会長

    項目整理も考えたほうがいいかもしれない。今回はこれに項目が載っているので、これで評価していただきたい。

  • 稲田補佐

    22番と29番は似た観点だが、22番はどれだけ情報を発信できているのかを中心に評価する事項であって、29番は効率化の観点で評価する項目である。

  • 内山部会長

    (各委員に確認の上)22、29、38についてはA評価とする。


(2)中島理事より、資料1-2~4に基づき、平成19年度業務実績について説明を行った。議論は以下のとおり。(評価項目27、28、30、31)


  • 中西委員

    管理部門の人員を研究開発部門等へ再配置して21人を削減したとあるが、管理部門の人員削減について配置換えにより削減したともとれるが、異動した人は何をしているのか。

  • 中島理事

    研究開発部門では外部資金の獲得のため、事務管理業務にかなりの研究者が従事している。研究者が研究開発に専念し成果をさらに出せるよう、事務管理業務について、ここで合理化した管理部門の要員を再配置したということである。

  • 中西委員

    管理ではなく、研究を始めたということでよいか。管理業務としては削減ととれなくなってしまう。

  • 石村理事

    事務部門にいた人を現場に事務系として配置し、現場の研究系や技術系の人が行っていた事務的な仕事を、移った人が行っている。今まで事務管理の仕事に忙殺されていた方たちが研究や技術集中できる体制にしている。

  • 中西委員

    そうすると、結果的に人員削減という意味が薄れてしまう。

  • 内山部会長

    統合化によって今までダブっていたことが一元化されたと理解している。

  • 石村理事

    それができるようにするためには大もとの、人事部や労務部といった事務管理部門の人を減らし、その人を現場に配置して、効率的なやり方で減らしている。

  • 中西委員

    任期の定めのない職員は減っているが、その分を任期付職員で埋めているとすれば、どれくらい合理化されたのか読みにくい。任期付と任期の定めのない職員をあわせた人件費がどの程度合理化されたか工夫して書いていただきたい。

  • 石村理事

    基本的な考え方として、任期の定めのない職員を減らし、任期付職員や嘱託職員を活用するやり方をとっているが、総人件費を抑制する課題があるので、むやみに増やせない。事業費も減らす課題もあるので、任期付職員に払うべき原資も抑えられており、採用しようとしても大きく増やせない。

  • 岩井委員

    資源投入と発表論文に関して、発表論文は掲載になったものという意味か、それとも発表されたという意味か。

  • 原子力機構

    査読つき論文である。

  • 岩井委員

    研究が始まって論文が雑誌に掲載されるまでにはタイムラグがある。ここで言う発表論文が雑誌に掲載されて、公表されたもの、研究者が自分達の業績としている表現だとすると非常に短絡的な関係のつけ方ではないか。

  • 中島理事

    18年度は292件、19年度は300件と、毎年大体300件程度の査読つき論文を出している。ここでの表現が時間差を考慮した表現ぶりにできるかどうかは検討したい。

  • 鳥井部会長

    論文数で成果が出ているが、例えば地層処分の研究は論文を出すためのものではない。論文を出したから褒められる部署ばかりではないので、アウトカムも並立して出すことが必要である。コンプライアンス活動をきちんとやったとのことだが、もんじゅの連絡遅れあったことから、やったけど効果がなかったと受け取られかねない。また、これまで研究系職員が事務をしていたとのことだが、競争的資金の事務をしていたのか。任期制の研究者はどのような人たちなのか。一方、ポスドクの人に対するパーマネントの職への道筋、テニュア・トラック制度を整備する必要があるのではないかと言われてきたが、どのようになっているのか。非効率、不合理のことについて職員にアンケートしたとあるが、どのような集計結果があったのか。

  • 石村理事

    ポスドクは今は数が多くないことから、一対一の面談ができる状況にある。在職中に次の展開について本人と親身に話すことを各現場で心がけている。今の調査では、ほとんどの方が機構の任期を終えるときには次の行き先が見つかっている、あるいは機構に中途採用されている。

  • 鳥井部会長

    矛盾されたことを要求されていて大変つらいと思う。

  • 中島理事

    予算が大幅に削減されており、競争的資金を取りにいかないと事業が進まないため、この業務にかなり多くのマンパワーを要している。事務系職員を再配置することで研究者が研究に専念できる時間をできるだけ多くすることについてはかなり効果が出てきている。

  • 片山理事

    効率的な組織運営とコンプライアンスは密接に関連するが、安全確保の点や、社会や立地地域の信頼の確保にも非常に密接に関係する。もんじゅや原科研の問題で世の中に大変心配をかけたことはコンプライアンスにも大いに関係することを十分自覚している。このため、コンプライアンス研修を19年度に改めて行った。さらにコンプライアンス制度そのものを常に見直し、改善するためには計画的な努力が必要だということをトップから現場まで浸透させることが重要である。

  • 柴田委員

    一般管理費を削減し、計画よりも過達したことは、いろいろな工夫をしたという意味では評価すべきと思う。問題は事業費の削減であり、機構のような研究開発機関が毎年1%削減することが本当にできるのか、研究の進捗状況次第では増えることもあるのではないかと中期計画を作るときにも大分議論した。実績を見ると1%削減をさらに下回って削減できていることは本当にいいことなのか。どのようにして過達できたのか理由を教えていただきたい。

  • 中島理事

    調達については競争的なものにしたり、一括発注といったことをしている。また、解析業務や保守・点検を内作でやるようにしている。そのような施設の固定経費の削減や要員の削減、交換部品を切り詰めて行うことで、施設の安全には支障のない範囲で現場において努力している。

  • 柴田委員

    必要以上にやらなければいけないことでも予算がないから削るという指導をした結果ではないのか。

  • 中島理事

    委員会で評価を受けているので評価結果は客観的であると思う。第1期中期計画ではかなり厳しい目標値を定めているが、第2期もこのような厳しい指標となるととてもできないと考えている。

  • 浅田委員

    男女共同参画参画で目標に女性職員の採用促進とあるが、女性職員と言いつつ研究職、技術職の比率を13%以上と書いてあるが、現在何%なのか。

  • 中島理事

    女性の研究者、技術者は3%、事務職も入れて6.3%である。

  • 浅田委員

    13%というのは6.3%を13%にするということか。

  • 中島理事

    3%を13%にするということだが、今、全国の大学において理工系の女性の比率が約13%になっているので、そこを目標に設定している。

  • 浅田委員

    取組についての認識度を80%以上とするとのことだが、字面だけで受け取ると、機構の取組について知っているかとなるが、そうではなく男女共同参画について効果があったと思うかを評価すべきと思う。

  • 石村理事

    女性の進出を阻んでいるものは男性の意識である。原子力の職場は従来から男性職場というレッテルが張られてきた。最近は女性がどんどん応募する状況になってきているが、男性職場において特に上に立つ人間の意識が大事であり、彼らが最終的には男性をとるか女性をとるかを判断している。また、入ってきた女性の職員、研究者、技術者に対しての日常の指導も上に立つ人がやっていくため、その意識が変わらないことには男女共同参画の運動も内部で進まない。そのような認識度を男性陣、特に管理職の人たちから上げることがまず大きな目標であり、その認識度を8割程度に上げないと、13%を達成してもその後がうまくいかなくなるので、しっかりやろうということを示している。

  • 浅田委員

    とりあえずの出発点で、男性に対する認識度ととらえたらよいか。

  • 石村理事

    よい。

  • 内山部会長

    原子力が国民に理解されるためにも女性の参画は非常に重要なことだと思う。

  • 田中委員

    2つの全く文化や歴史の違う組織が心も気も一緒になるのに5年ぐらいで本当に一体になるのか。部門間の連携が進んでいることはいいことだが、一方でいろいろな部門間に壁が依然として存在し、さまざまな弊害を生んでいるのではないか。連携による成果が外部資金を獲得したことや論文ができたということではなく、重要なテーマにおいて、連携によって、連携しない場合に比べてどれだけ研究開発がうまくいったのか見えない。

  • 中島理事

    部門間の連携がうまくいくといい成果が出てきている。部門単独ではあまりいい成果は出ていない。ここでは、連携・融合を促進する1つの仕組みとしてこのような制度を挙げており、日常的に連携を行っている。例えば、もんじゅについてはISIやメンテナンスについて関西研のレーザーを中心としたものが適用されているし、常陽での照射リグが損傷したものについても、関西研や原科研のノウハウを導入し、機構の多くの部門・拠点が連携して常陽の問題にあたっている。また、ふげんについては解体においてレーザー技術を使って新技術を開発しており、連携すればするほどいい成果が出ている。

  • 高橋委員

    組織について問題が全くないとは思っていない。弱点を組織の中で理事長まで吸い上げる仕組みになっているか、例えば現場での問題点がしっかり上がって透明性のある運営ができるか、外部の意見を組織運営に反映できるところについてマネジメント間で問題が共有できているかがわからない。むしろ問題があるから来年以降まだやることがあるのであれば安心できる。仕組みができているか、来年度以降の取組に対してどのように考えているか現状認識を伺いたい。

  • 中島理事

    経営管理サイクルを中心とした仕組みとなっており、現場の課題を把握し、解決の方針を指示することが骨格になっているが、実際に全ての課題が上がってきているかについては改善の余地があると考えている。理事懇談会等をどのように使うか検討を行っており、できるだけ早期に改善策を打っていきたい。外部の意見については、経営顧問会議、研究開発顧問会、各民間の機関の方々と役員同士で定期的に意見交換すること等により外部のニーズを把握するように努めているが、まだまだ努力しないといけないと考えている。

  • 宮内委員

    先日、機構の若手研究者との話し合いで、コンピューターの電源を入れてから切るまでが就労時間となりそこでオーバータイムが計算されるが、研究者はオーバータイムが欲しいのではなく研究がしたいのであり、研究体制としてかなり窮屈との感想を述べる方が多かった。ワーク・ライフバランスの中で研究所にいながら毎日同じ時間帯で研究できるわけではないので、もう少し柔軟な研究体制をとれるよう、給与体系、労働時間も含めて検討すれば、このような観点からの支援策になると思う。官民競争入札の導入については、放射性物質取扱施設等を必要とするので、全てオープンにできるかわからないと言っていると思う。競争入札は安くするためにやるという論理からすれば説明になっていないので、リスクが高いことだけでは世の中が納得する時代ではなくなりつつある。競争入札の仕様も、ある程度余裕を持ったものとし、その上で実際の入札レベルでの説明や質疑応答によって詰めていくことのできる仕組みも含めて検討いただいたほうがよいと思う。

  • 中島理事

    独立行政法人の効率化に関する措置は、機構が国の行っているサービスを民間と競争して受託することであり、この国のサービスを受託するということが中期目標・中期計画に書かれてなく、また取りにいく余裕もないのが現状である。今の指摘は、機構が発注する際の特命、一般競争といった話だと思うが、そこは毎年度目標値を掲げて、クリアするよう努力している。

  • 石村理事

    研究者にはフレックスや裁量労働制度の導入が考えられるが、どのような制度を導入するにせよ、時間管理はしっかりやらなければならない。労働時間は決められており、プラントを運転している人たちは朝から夕方決まった時間にきちんとやっているので、研究者には研究者に合った制度を考える。大洗ではフレックスを試験的に一部導入している。目指す方向として、裁量労働制にできるところはしていきたいと考えている。

  • 内山部会長

    今後さらに検討すべき事項、あるいは改善点等が指摘されたが、本件、4件について、特に大きな問題点があったとは思えない。

  • 早瀬副理事長

    機構の組織運営上の問題として、研究能力をいかに確保し維持するかという問題と、国民にどのように成果を還元していくかという問題がある。研究能力の維持という意味では、資金を有効に使い、いかに我々のニーズを認めてもらい財布を大きくするか、人の量と質をいかに維持し、高めていくかという問題がある。また、融合の問題として、歴史も風土も違う2つの大きな組織を一元化する問題と、旧原研と旧サイクル機構の間の部門間の連携を図る問題がある。さらに、人事交流の問題がある。これら3つの方策をしっかりと行うことによって、組織の融合どころか1足す1を3にするような効果を上げていきたい。だだし、時間がかかる課題なので、一つ一つ積み上げながらやっていく。その中で効果が出てきていると実感している。制度面でも人事制度でもそれぞれの要領が大分違ったため、合わせる努力をしている。社会還元については、現場とマネジメントの間の距離と時間をいかに短くするかがポイントだと思っている。悪い情報が全部きちんと経営に上がっているかについては、チャンネルを太く距離を短くしてホットな情報が経営のトップにすぐに上がるように、かつ指示ができる仕組みを改めて導入して少しずつ動き出している。また時間の短縮という意味では、今これだけ世の中が急に動いており、かつ機構に対する世の中の見方も非常に激しく動いているので、例えば今年もんじゅを運転再開するため必死にやっているが、これも日々周りの状況が変わるから適時適切に対応していきたい。全てが順調に進んでいるわけではないが、今申し上げた観点で組織運営をやっていきたい。

  • 内山部会長

    (各委員に確認の上)27、28、30、31についてはA評価とする。


(3)岡田理事より、資料1-2~4に基づき、平成19年度業務実績について説明を行った。議論は以下のとおり。(評価項目14、23)


  • 内山部会長

    ロシアへの余剰兵器級プルトニウム協力、CTBTへの検証技術並びに核不拡散技術開発は19年度に終了したそれまでの一連の成果であり、それを踏まえてS評価になっていると思う。

  • 岡田理事

    終了ではなく、米露共同声明という形で成果に基づいて結論が出たことが19年度の特徴であり、20年度は照射法試験を予定している。

  • 内山部会長

    1つの区切りとしてS評価を受けたということである。

  • 鳥井部会長

    核不拡散についてはきちんと貢献しておりS評価に賛成である。国際協力の推進については、世界の情勢は大きく変化しており、カザフスタンの話が出ているが、日本の活躍も随分変わってきているので、中期計画・中期目標がこのままでいいのかという気もする。何が目的で国際協力をやっているかについてもう一回問い直したほうがいいかもしれない。

  • 岡田理事

    世界の平和のための国際協力をすること、直接的な国益として日本がリードするために国際協力を進めること、効率化の3つの視点がある。このことについては中期計画に明記していないが、例えば効率化の観点ではGIF等の枠組みを使うことが書かれているので、変更の必要はないと考えている。次期中期計画ではカザフやインドの動きを注視し、きめ細かに議論していかなければならない。

  • 内山部会長

    核不拡散のS評価については、確かに結果として日本の貢献ができたわけだが、ある角度から見るとスケジュールどおりにやったという印象を受ける。スケジュールどおり以上によかった点について説明いただきたい。

  • 岡田理事

    CTBTはスケジュールどおりだと思う。バイパック燃料は一度頓挫しかけたものを日露共同研究でここまで持ってきており、スケジュールどおりではなくかなりの努力の成果だと思っている。技術開発は、核不拡散を非常に強く意識した成果であり、これは予想以上のものが出たと考えている。

  • 田中委員

    S評価でよいと思う。関係行政機関からの要請や政策立案の支援等の項目は見えるが、要請があるものと自分達でやるものの仕分けはどうなっているのか。

  • 岡田理事

    CTBTは要請に従ってやっている。一方、核不拡散技術開発は、要請があってやっているのではなく、技術開発のモチベーションに基づいてやっている。

  • 田中委員

    中期目標をつくったときと比べると、さらに3Sに対しての重要性、意識が深くなってきている。中期目標を今後どのように決めていくのか、3S達成のために機構としてもさらにこのような課題を重視していくのか。

  • 岡田理事

    国からの要請が増えており、国際的な貢献や保障措置等に関しては、機構がやっている保障措置の技術開発をいかに標準化し国際的なものとして定着させていくかなどがある。そのような国の要請に従うものが増えてきており、それに応えていかなくてはいけない。

  • 田中委員

    国の要請がないとできないと思っていいのか。

  • 岡田理事

    基本的には国の要請がなくても自らの保障措置はやらなければならない。国の受託でなくても検知技術の開発等を進めており、今後も進めていきたい。

  • 内山部会長

    項目14は特に優れた実績を上げたのでS評価としたが、機構の説明でそのように判断してよいか。

  • 和気委員

    国際協力について世界のCOEを目指すのが1つの独法の行く方向であり、その中でアジアとの関係をどうするかが大きなミッションである。人的交流制度を使ってアジアの研究者を受け入れたり、有期の研修制度を推進し、あるいは人事計画の中で海外の研究者を受け入れるといったことが国際的な意味においての貢献になると思うが、この交流制度をどのように機構の人事の中に活用していくか、その展望はどのように評価したらいいのか。

  • 岡田理事

    研修制度や実際の雇用とは違うが、研修制度の中に優秀な人がいた場合には来てほしいし、いい人はどんどん採用したいと思っている。

  • 内山部会長

    国際貢献は大事だが、それが逆に機構の人事や内部に反映されることも大事であるから、そのような視点からの検討も今後入れていただきたい。

  • 内山部会長

    (各委員に確認の上)14についてはS評価、23についてはA評価とする。


(4)片山理事より、資料1-2~4に基づき、平成19年度業務実績について説明を行った。議論は以下のとおり。(評価項目25、26、37)


  • 内山部会長

    今回の審査項目の中で、項目37が唯一B評価となっており、コンプライアンスに問題があったとのことである。コンプライアンス活動の推進としてコンプライアンス委員会ができているが、なぜここで生かされなかったのか。

  • 片山理事

    非常に重要なポイントだと思っている。コンプライアンス委員会があったことは事実であるが、この活動は常に継続し、問題点が現れれば、反省を踏まえてより改善をしていくことの連続、継続だと理解している。過去の汚染の痕跡は、法令上どうかということについて、必ずしも情報が十分共有できていない。法令遵守の観点から適切なルールに従って対応すべきであったところであり、このような経験や知見を、今後とも積み重ねることが重要だと思っている。今回の教訓はそのようなところだと思っており、そのような教訓をシステマチックに展開する上でも、コンプライアンス委員会という外部有識者も入れた活動は有意義なので、引き続きコンプライアンス委員会の活動も強化していきたい。

  • 中西委員

    一人一人の意識の徹底、教育、訓練、研修は非常に難しいと思う。コンプライアンス活動の推進で延べ約1、200人が参加とあるが、アルバイトや派遣の人等も含めた全員が対象なのか、また、何%ぐらい受けているのか。やりっ放しではなくて、理解度テスト等のきめ細かなフォローアップをきちんとしていかないとうまく進まないと思う。例えば会社では、意識を徹底するために、教育後一人一人からコンプライアンスを守るという誓約書をとっているところもある。現場の一人一人に対する管理については、ソフト面も含めどのようになっているのか。

  • 片山理事

    大事な点である。職員だけではなく、実際に現場で仕事をしている関係の方も含め、コンプライアンス教育を徹底的に行ったところである。1200人なので、職員4,000人強と関係者も入れると、率としては4分の1強かもしれない。引き続き教育を行っていく。また、コンプライアンスについて教育をしておしまいとならないよう、実際に現場でさまざまな作業をするときに、組織以外の人間も加えて議論をするなど、常に緊張感を持って、世の中のルールから見てどうかということが共有できる運動も行っている。また、コンプライアンス通信など、窓口を開いて情報を常に提供し、継続的に行っていくことが重要だと思っている。

  • 中西委員

    4分の1以下の人しか受講されていないが、いろいろ努力されていると思う。いろいろな仕組みはわかるが、実際の実績を示すようにしていただきたい。

  • 岩井委員

    社会や立地地域の信頼の確保に向けた取組や情報公開及び広聴・広報活動は、大変よくやっていると思うが、ホームページの平均月間アクセス数が5万回というのはどのように評価していいかわからない。年度ごとの推移等を、この資料の中に入れてほしい。

  • 鳥井部会長

    汚染の問題はよくないが、具体的な課題を前に、いかに機構の技術者が真剣に、真摯に取り組んでいるかを見せるチャンスである。安全点検有識者会議のようなものに地元市民に入っていただき、自分たちを見てもらうチャンスとしてとらえるべきだと思う。いろいろなことがあったときに、チャンスとして使う姿勢を持ってほしい。コンプライアンスについては、原子力に関わる法令遵守だけではなく、非常に広い目で見なければならない。今後どうするかについてはしっかりと考えていただきたい。

  • 宮内委員

    コンプライアンス研修の範囲は外部に委託する者も含めて行っているので、意識していると思うが、会社ではパートで採用する者も会社内のトレーニングを全て受けさせるルールを基準に入れ込むくらい要求が厳しくなっている。非常に厳しいコンプライアンスであり、品質管理の重要なテーマになると思う。外部に委託する場合は、その中にコンプライアンス研修についての受講義務を定めるとともに、内部通報等についても、内部の者としての取扱いを考えたほうがよいと感じた。

  • 内山部会長

    項目37は、A評価の要因もあるが、汚染問題があったことから、総合的に見てB評価となっているが、これでよいか。

  • 和気委員

    安全の認識や自覚を醸成することはとても重要だが、結果責任を誰がどのようにとるのか、組織全体として、あるいは社会に対してどのように責任をとるのかも含め品質保証の枠の中で行われなければならない。安全意識が高くても、このような結果を出たことは相当大きな問題である。組織全体として社会に責任を負うこと、アカウンタビリティーを含めた評価を受けることも重要だが、内部でどのような処分が行われたか、この結果について、どのように内部調査及び結果責任へのやり方を検討したのか。

  • 片山理事

    国民に対して安全の責任を持っている組織として結果がすべてであり、極めて重く受けとめている。また、処分についても大変重要な問題で、機構における人事処分については、原子力科学研究所の安全管理の責任ということで、原科研の総括管理責任者である所長、副所長に対し厳重注意処分をするなど、組織としても重要な案件という認識のもとで厳格に対応してきたところである。

  • 鳥井部会長

    項目37については、自己評価において厳しく評価したことは、文書で何らかのコメントをしたほうがいいと思う。

  • 内山部会長

    (各委員に確認の上)25、26についてはA評価、37についてはB評価とする。

(経済産業省委員退室)

(休憩)


(5)岡田理事より、資料1-2~4に基づき、平成19年度業務実績について説明を行った。議論は以下のとおり。(評価項目7、9、10、11)


  • 鳥井部会長

    量子ビームは、去年度、一昨年度とS評価がついている。なぜこの部門だけS評価が続くのか。よほどよいリーダーがいるのか、他にない優れた研究装置があるのか。

  • 岡田理事

    機構発足のときに、関西、高崎、東海にまたがる量子ビーム部門を作っており、これがマトリックス組織である。マトリクス組織がうまくいかないところもあるが、この量子ビーム部門に関しては非常にうまくいっている。端的な例としては、エイズの対策の構造解析に、中性子と関西の放射光を使うことによって、どんどん成果が出ている。運営の仕方が重要だと思うが、量子ビーム部門では、各サイトで研究報告会をやっており、そこに役員等も行って討論する。そこで、これとこれはサイトをまたがってできるのではないかという問題抽出が行われ、さらに全体での報告会を行っている。このような組織運営により、成果の輩出が促進されているのではないかと考えている。

  • 鳥井部会長

    マトリクス組織とは、部門と拠点でということか。

  • 岡田理事

    部門と拠点である。

  • 鳥井部会長

    部門と拠点のマトリクスがうまくいったことについて、他に応用できないのか。できない部分もあると思うが、どのような要件がそろえばよいのか。

  • 岡田理事

    今、サイトがたくさんあり、そのようなものをやっているところがある。例えば、先端基礎研究センターはマトリクス組織みたいなところであるが、そこではセンター長会議があり、全体が集まっていろいろな研究の報告等をやっており、先端基礎等は突出した成果が出ていると思う。

  • 田中委員

    最近の3年におけるこの分野のS、A、B評価はどのようになっていたか。

  • 西評価室長

    量子ビームについては、一昨年は評価項目10で、昨年は評価項目9でS評価を受けている。なお、一昨年は再処理、昨年はFaCT及び核融合でもS評価を受けている。

  • 鳥井部会長

    確かに卓抜した成果が出ているし、運営のやり方も工夫されていると感じる。

  • 田中委員

    昨年度、核融合工学についてコメントさせてもらったが、19年度はいろいろな方向に卓越した成果があらわれたと思う。量子ビームの他の2つについては、新しい装置をつくって研究、実験をしていくときに、新しいものが一つでも出るとS評価になるのは、目標の設定が他の項目とは違うような設定になっているのではないかと思うが、その点いかがか。

  • 岡田理事

    J-PARCは低い設定ではない。非常にチャレンジングなマシンであり、当初目標を超えるのは結構大変なことだが、前倒しで進んでいる。もう一つ重要なことは、イギリスのアイシスという同様な装置、これからつくろうという中国の装置、ドイツのGSI等がこのような方式採用に行こうとしており、世界標準となりつつある。これは全く予想しなかったことであり、この方式が非常に優れていることを世界が評価しているということだと思う。予想、設定したものよりもかなりいい結果が出たのではないかと思う。

  • 田中委員

    項目10はさまざまな研究がある。その中の1個2個でも特別な成果が出れば、S評価になるという考えか。

  • 岡田理事

    1個だけ突出したものが出てくればとは思っていないが、非常に社会的インパクトのある成果がこの1項目の中で複数出てくる場合は評価いただきたい。今回は中性子とX線による構造解析のようにライフサイエンス的なものが多かった。重粒子線がん治療は効果があると言われていたが、その理由をたんぱく質や遺伝子レベルで解決したことは大きいと思う。

  • 鳥井部会長

    細目評価でbがあるにもかかわらず、トータルでS評価をつけていいのかに関して、bになっている理由は些細なことであるが、どのように考えるか。

  • 中西委員

    内容から見ると、非常に些細というか、あり得る回り道だと思っている。

  • 高橋委員

    内容がすばらしければ、あまり細かいことにこだわらなくてもよいと思う。例えば、1つでもbがあればS評価はつかないというような相場観になってしまうと、目標自体のハードルを下げようということが起こり、イノベーティブな研究できちんと目標を立てるという全般のPDCAの取組で、安全なゴールを定めようということになりかねない。

  • 鳥井部会長

    まさにおっしゃるとおりだが、この評価システムそのものがあまり向いてない。確実性の高いものでこれだけ頑張っていればいいのではないかという気がする。

  • 中西委員

    初期目標の4キロワットをはるかに超える出力50キロワットを実現とあり、非常にすばらしい成果だと思うが、目標が最初低かったのではないかともとれる。目標と達成値があまりに乖離しているので、そこがS評価なのかもしれないが、説明に配慮が要ると思う。

  • 鳥井部会長

    なぜこんなにすばらしい成果が出たのか。

  • 岡田理事

    現場の努力としか言いようがないが、目標設定が低かったということはない。数値的な考察に基づいて、何カ月運転すれば、ここまで行くはずだということでやっている。このスケジュール自体がぎりぎりであるから、コンサバティブなことをやっていると目標の100キロワットを達成できないので、低く設定していることはあり得ない。

  • 岩井委員

    幾つかの項目の中で1つ低い評価があるからS評価とするには厳しいという考え方よりも、むしろ重み付けがあり、bがあっても、aの中でも重みがあり、非常に強調すべきものがあるからS評価と考えればいいと思う。

  • 中西委員

    成果の発信で、査読付学術論文310報を発表とあるが、研究者数に対する評価はしているのか。

  • 岡田理事

    機構の中では、研究者の数に比べると多いと思う。日本の標準からどうかというと、日本の大学の標準に近いと思う。

  • 鳥井部会長

    国研と比べると大学は圧倒的に高い。最近の大型施設は全て国研や共同利用施設で整備されており、それを持っているにもかかわらず大学より低いのは如何と思う。

    (各委員に確認の上)7、9、10、11についてはA評価とする。


(6)横溝理事より、資料1-2~4に基づき、平成19年度業務実績について説明を行った。議論は以下のとおり。(評価項目6、12、16、17)


  • 田中委員

    項目17は大変すばらしい成果が上がっていると思う。新物質の創生など大変高いレベルを設定しており、それが認められたという点でAかSである。安全研究は着実にやっているが、どのような成果が上がればS評価になると考えているのか。また、安全研究は国の重点安全研究に則ってやっているが、本当に重要な安全研究テーマを設定しているのか。

  • 横溝理事

    先端基礎は、高い成果が複数出ておりすごいことだと思う。非常に難しいことであるが、すばらしい新原理、新現象が1個でも出てくれば、ノーベル賞でも取れるわけで、そのようなものの絶対値の評価が必要という気はする。裾野の広がりが非常に大きいと感じており、例えば、学会の研究者が有機分子のスピントロニクスの研究会のセッションをつくり、人のつながりが広がってきている。超伝導の材料分野でも、今まではないと思われていた強い磁性を示すネプツニウムの超伝導性を発見するなど影響が非常に大きい。陽電子マイクロビームについても、いろいろなところに使えるという意味では影響が大きいと思う。安全研究のテーマの設定は重点安全研究での設定と多少違うが、重点安全研究をつくるときから安全センターの人がかなり貢献しており、比較的似たテーマになっている。重要ではないものはなくて、全て必要でやっている。どのようなときにS評価とするかについては、我々自身も問題提起しており、粛々と国に対応しておりA評価が基本となるが、予想外の新たな発展が出てきたときにはS評価を主張すればいいと考えている。

  • 中西委員

    先端基礎について、すそ野の広がりは理解できる。量子ビームについては、『Science』誌、『Physical Revue Letters』、ランドマーク賞などがありSだと理解できるが、フラーレンやネプツニウムについては、日本の物理学会誌ということで、書き方が弱いというか、理解しにくい。原子力基礎工学における、「線量計算用データベースの医学、世界標準として人類に貢献」や、「世界一高速で動作する中性子検出器の開発」と比べると、書き方かもしれないが、原子力基礎工学がSで、先端基礎をSとすべき結果なのかは、素直に見ると理解しづらいが、他と比較した場合どのように考えているか。

  • 横溝理事

    日本の学術雑誌の欧文誌のレベル、インパクトファクターを上げるため、彼らはずっと欧文誌に出している。どこに発表したかより、これ自身のインパクトを評価していただきたい。書き方の問題かもしれないが、訴えるところが多い表現というのを工夫したほうがよい。フラーレンも全く初めての発見であり、画期的な成果になっていると思う。日本だけではなく、海外の学会などでも評価されており、これをきっかけに、そのような発表がアメリカの材料学会でも増えてきている。そのような意味では、海外の研究者の評価もそのようにされていると認識している。

  • 鳥井部会長

    例えば日本の物理学会の欧文誌の評価を上げよう動機は、機構としては妥当なものと考えるのか。

  • 横溝理事

    機構としては、特に何も言っていない。

  • 鳥井部会長

    日本の学術雑誌の評価を上げることはとても大事なことで、外国の学会に投稿しなくても、日本の学会に世界中が投稿するようになることは、とてもいいことだが、機構としてそのような方針を立ててやっているのかどうかについては、考えるところがあるかもしれない。先端基礎は新しいことを見つけるという意味では非常に大きな成果を上げていると感じるが、なぜ新しい成果がポコポコ出てくるのか。学術的な意味の質問ではなく、どのようなマネジメントの工夫があり、4つのセンタービジョンができたのか。

  • 横溝理事

    化学の研究者、物性の研究者、超伝導の研究者など、様々な分野の研究者が集まって始まったのがこのチームである。研究グループのリーダーを機構の職員がやっている。現場の研究者を刺激する仕組みをセンターのリーダーがやっていることは先見の明があり、このような成果につながってきたのではないかと評価している。

  • 原子力機構

    先端基礎センターでは、8グループのうち4グループについて、グループリーダーを外部から招聘している。新しい研究は外部との刺激が極めて重要であり、センター長はそれを第一に考え、国際交流も含めてやっている。そのようなことがこのような成果につながっていると思う。

  • 鳥井部会長

    高崎でもプラットフォームをつくる取組があったが、そのようなやり方は学ぶべきマネジメントがあると思うので、グッドプラクティスであるから広めてほしいと言ったが、このようなことから学んだものはあるのか。

  • 中島理事

    経営管理サイクルの中でこの先端基礎の話を聞いている。評価の際は現場で行うが、実際に研究者が話をし、評価委員がそこで質問する、日常的な取組について説明するということで、現場に密着したところで議論しているが、これはグッドプラクティスになっており、他にも水平展開を図ろうと試みている。

  • 鳥井部会長

    要するに、グループリーダーの約半分が外の人で、外部の刺激がたくさんあることとあわせて、そのような教訓がかなりはっきり言えているような気がする。現場で今の評価をするという話ではなく、マネジメントの問題ではないか。

  • 中島理事

    マネジメントである。

  • 鳥井部会長

    せっかくこのようないい例があるなら、できる限り広く応用していく努力が必要と思う。

  • 田中委員

    原子力基礎工学は、産業界との連携や機構内での融合により、結構いい成果があらわれていると思う。先端基礎のいい例もあるが、基礎工学もいい芽が出てきそうな感じがするので、もっと機構内外との連携を図ることによって、さまざまないい成果が出てくると思う。

  • 鳥井部会長

    おっしゃるとおりだと思う。そこはしっかりやった結果だと思う。リーダーが外部から来るとよくなるというのは、苦しいような気もする。

  • 原子力機構

    日本の物理学会誌のレベルを上げていくため、物理学会の関係者は、極力日本の物理学会誌に、世界のトップレベルのものを投稿するようにしている。日本の物理学会の欧文誌に出したときに、世界的なものとして引用が数カ月間トップレベルである。また、世界のトップレベルの方にリーダーとして来ていただき、研究とは何か、世界のトップとは何かを若手に見てもらい若手を教育することが世界に目を開くことになる。研究者としても世界に目を開くことが一番重要ということがセンターの基本的な考え方である。年間論文数159編は、職員1人当たり3編であり、これは日本でも非常に高いレベルである。評価の中で、各センター長やグループリーダーを全員外して若手だけでのグループディスカッションも行ったが、その中から横断的な問題点、次のステップが出てきている。それを水平展開すべく、理事長はじめ理事が今努力している。

  • 早瀬副理事長

    先端基礎でうまくいっている原因は、センター長が外部の人であることは基本的には関係がなく、むしろ先端基礎の研究のバウンダリーコンディションが非常に緩いことである。例えば、先端基礎のセンタービジョンは、何でもやろうと読めるが核融合、高温ガス炉、原子力基礎工学などでは、研究のバウンダリーコンディションがかなり厳しい。やれることを自分たちで枠を決めて予算の範囲内でやる。バウンダリーコンディションの置き方が違うので、先端基礎では、このとおり世界に冠たるいい成果が出ている。J-PARCで毎年S評価が出る理由も、研究の枠組みが非常に柔軟であり、研究の取組の仕方と結果が非常にうまく出てきている。このようなやり方を、次世代、FBR開発、核融合等でうまく応用することはなかなか難しいと感じている。

  • 鳥井部会長

    おっしゃるとおりだが、マネジメントとしてうまくいっているかをきちんと把握して、応用できるところへ応用していくという経営は非常に大事だと思う。

  • 早瀬副理事長

    そのとおりである。

  • 鳥井部会長

    広報や地域の理解に関しても、うまくいっているところとそうでないないところがあり、その理由を深く解析をして学んでいく経営システムが必須であると感じている。

  • 柴田委員

    先端基礎研究や量子ビームにS評価がつくこといいと思うが、機構はいろいろな分野の研究開発をやっており、大勢の方がそれぞれの分野で頑張っていることに対する評価の仕方として、今後、全員が納得できるようなものが必要な気がする。FBR、再処理、原子炉の基礎工学など決められたものをきちんとやるところや、量子ビームの先端研究など、幾つかの中の1つにすばらしい成果が上がるようなところがあるので、それぞれの分野の特性を踏まえた評価の仕方を決めるといいと思った。

  • 早瀬副理事長

    まさに根源の議論である。自己評価は、違う分野を同じ土俵で評価することになっている。予定どおりやったらA、その中で特に優れているところはSという評価方式をとっている限り、このような結果しかつけようがない。あとは地道にAをとり続けて、いい仕事をしたところをどのように評価するか、外からも評価していただくか。このような評価は、1つのクライテリアのもとにやると、その制限がどうしても出てくるから限界がある。Sだから何か特別なのではなく、むしろAしか取れないところもある。プロジェクト研究などきちんとやって当たり前のところは、それ以上のところがなかなかできない。そのようなところは、社内でそれなりに評価をしているが、なかなか数値として出てこない苦しさはある。何とか考えたいとは思う。

  • 岩井委員

    大学が直面していることと全く同じである。文科省や評価機構は、インパクトファクターの高い雑誌に出すとか、第三者から評価を受けて表彰を受けたという特記事項があれば高い評価をつけていいと言っている。そのような意味で、先端的な研究だけでなく、機構の独自の評価基準で、サーキュレーションのいい雑誌に載った、何か評価を受けたといった業績等に対して分野を問わずに拾い上げる必要がある。先端的な研究でなくても、安全研究であっても、昔から行っていることであっても、きちんと業績として拾っていただきたい。また、インパクトファクターの高い論文に出すわけでもなく、表彰を受けるわけでもないが、地域の社会のまちづくりや地域環境には大変大きな貢献をしている分野もあるが、一律の評価ではかろうとするとそこにノミネートされないので、違う観点をつくらなければいけない。そのようなところに載らない場合、評価されていないことになり、意識が非常に下がることは間違いないと思う。そのような全体の意識が上がるような評価を、機構でも工夫することは非常に大事なことだと思う。

  • 鳥井部会長

    評価される側もする側も悩みばかりで、これが進化していく。それが進化していくプロセスが内在していると、前向きに進んでいけると思う。有志の方でそのような評価のあるべき姿を議論する非公式な会合を持ってもいいという感じがする。(各委員に確認の上)17についてはS評価、6、12、16についてはA評価とする。

  • 石村理事

    機構の内部では理事長賞があり、そこにこのようにセレクションする会議があり、厳しく見てどれを選ぶかということを毎年やっているし、その中で特に光るものは、さらに外の検証を受ける場に持っていくこともやっている。


(7)片山理事より、資料1-2~4に基づき、平成19年度業務実績について説明を行った。議論は以下のとおり。(評価項目13)


  • 鳥井部会長

    36ページにある検討は、どの部署でやっているのか。

  • 片山理事

    具体的には、原子力緊急時支援研修センターと安全研究センターが連携して活動を行っている。

  • 鳥井部会長

    地道にやっていただいて、いつどのような状況になったらSになるのという議論があるかもしれない。(各委員に確認の上)13についてはA評価とする。


(8)石村理事より、資料1-2~4に基づき、平成19年度業務実績について説明を行った。議論は以下のとおり。(評価項目20、41)


  • 中西委員

    実績の概要で、評価の視点の最初に、任期付若手研究員の処遇の検討が今後の重要課題とあるが、なぜ任期付研究員全体ではなくて若手としたのか、また、任期の定めのない研究員の研究業績評価はどうなっているのか。

  • 石村理事

    評価の視点に書いてあるところは、前回委員の発言があり、特に若手の任期付研究員の処遇について検討したものである。

  • 中西委員

    任期付で若手でない方についてはどうか。

  • 石村理事

    若手でない方も、年度ごとに研究業績の審査を、外部の先生を入れた審査会を設けて審査し、処遇等に反映するプロセスは同じであるが、特に若い方については、次に展開していく経験がないので個別に相談に乗って、次のことも考えるということをやっている。

  • 鳥井部会長

    外との交流については随分努力したと感じる。人事については、これでいい効果が出るかどうかは時間がたたないと何とも言えないが、約束いただいたことはやっている。

  • 宮内委員

    国立大学でも同じだが、任期付職員の制度が奨励されているかのように使われている。このような方々の労働市場がきちんと成立していて、あるところで一定の期間研究をした後、また労働市場に戻り、次のところに行く仕組みが、我が国に本当に存在しているのか。機構において、任期付で入ってきた方たちが、もう一度他のところの任期付職員になるパターンが多いのか、それとも任期の定めのない職員にかわっていくのか、その辺はどうなのか。

  • 石村理事

    基礎工学のような任期付の方がたくさんいるところのデータを見ているが、再び任期付職員になる方と、就職をする方の2つに大きく分かれており、数字の上では全員が任期付職員になるということではないように見える。労働市場については、まだニーズが非常に少ないということもあり、一人一人をきちんと見られる状況にあるが、人数が増えてくれば、仕組みを組織的に考えていかなくてはいけないと思っている。

  • 鳥井部会長

    一般論で言うと、そのような市場は非常に未熟で、ポスドクがいかにひどい目に遭っているかが社会の大問題になっているが現状と考えていいと思う。

  • 田中委員

    大学でも、優秀な人を大学院に残して大学で働いてもらうことや、研究機関に出すことは難しい状態である。優秀な人を機構に採用するにあたってどのような努力をしているのか、その結果うまくいっているのか教えていただきたい。

  • 石村理事

    研究の実態や将来目指している方向について理解してもらうことが一番大事なことと思っている。電力や産業界との競争になるため、思った方に来ていただけないケースもあるが、そうならないよう、特に現場を見ていただき、現場の先輩と話をしていただくといったことを地道に続けている。

  • 鳥井部会長

    どこもあまりうまくいっていないのが現状かと思う。

  • 岩井委員

    機構から随分と大学に人を派遣し、積極的に応援している。また、特に地方大学の場合は、いろいろな経験がなくて、これからいろいろな展開をしていこうというときに、機構から非常に積極的に応援する姿勢やマインドを感じており、随分と力強い刺激になっている。

  • 鳥井部会長

    それだけ、それが効果をあらわしていることかと思う。

  • 田中委員

    大学側の評価がさらに高くなれば、総合的にS評価になると思っており、大学側も単にお願いするだけではなく、一緒にいいものを作っていく努力をしていきたい。

  • 岩井委員

    最終年度にはS評価になるように、連携して頑張っていきたい。

  • 鳥井部会長

    (各委員に確認の上)20、41についてはA評価とする。


(9)中島理事より、資料1-2~4に基づき、平成19年度業務実績について説明を行った。議論は以下のとおり。(評価項目19、21、42)


  • 鳥井部会長

    債務の負担は、どのような場合にB評価になるのか。

  • 宮内委員

    AもBもないような気がする。

  • 鳥井部会長

    B評価の概念がよくわからない。

  • 宮内委員

    中期目標の金額を超えてしまうといけないのか。

  • 板倉課長

    それほど巨額なものはないと思う。

  • 鳥井部会長

    これを超えてより借りるわけにいかないと思う。

  • 柴田委員

    181件の定期公募があったが、定期公募は全て減免料金になるのか。

  • 中島理事

    成果の公開、非公開、研究開発以外の利用もあるので、一つ一つ精査してやっている。

  • 柴田委員

    成果公開と非公開と優先枠と研究開発以外は、どのような割合か。

  • 原子力機構

    181件は、一般枠の成果公開、成果非公開の定期募集の数値である。全体の合計利用件数は約1200件である。このうち、優先枠は約500件、研究開発以外は約150件となっている。

  • 鳥井部会長

    利用料金はどのくらいになるのか。

  • 原子力機構

    全体で2億5千万円程度である。

  • 鳥井部会長

    徴収にかかるコストはどの程度か。

  • 原子力機構

    事務処理のコストは、全体で多分数千万程度だと思う。

  • 鳥井部会長

    何人かの人件費分ということか。

  • 原子力機構

    この体系を運用する人件費である。施設の運転については別となる。

  • 鳥井部会長

    戦略調査室のクライアントをはっきりさせることはとてもいいことだと思う。地方自治体や市民団体等は対象にしないのか。例えば、高レベル放射性廃棄物を考えると、応募しようというときにNUMOに相談に行くわけにもいかないから、うちの地域はどうなのかということを教えてほしいという要望等がこれから出てくる可能性がないとは言えないと思う。これはシンクタンク機能であると思うが、門戸が開かれているか。

  • 中島理事

    シンクタンク機能である。今言われたことは、ケース・バイ・ケースで考えていかざるを得ないと思う。

  • 鳥井部会長

    やはり第三者の判断が欲しいケースが数多くあると思う。門戸が開かれていると、相談しやすいところがあると、これから出てくるかもしれない。

  • 中島理事

    現状、各拠点の地域交流課が窓口だが、戦略調査室自体を窓口として開いていくことも考えていかなければならないと思う。

  • 鳥井部会長

    内緒で調べてほしいことがあるかもしれない。例えば今度の中国の地震における核施設の被害状況を把握できるメカニズムを持っているのか。

  • 岡田理事

    核不拡散センターと国際部で協力してやっている。

  • 鳥井部会長

    その話は機密になっているのか。

  • 岡田理事

    一般的なルートでの情報を集めており機密ではない。それ以外に計測を行っているものは、CTBT関係で機密情報のものもある。

  • 鳥井部会長

    先日の中国の地震のようなことがあると、新聞に出たり、週刊誌が書いたりすることで不安になるケースがあるが、わかっている範囲で信頼できる情報がホームページ等で出てくると、大変よいという感じがする。

  • 岡田理事

    今のところ、ホームページでそのような情報は出していないと思うが、非公式のルートではなく、きちんと調べればわかるものや在外公館から提供される情報を集めている。

  • 鳥井部会長

    そのような点でも、ぜひ日本の中枢機関としての役割を果たせるようになるとよい。もちろん機密情報を出せとは言わないが。

  • 田中委員

    どこに聞いていいかわからないときの窓口は戦略調査室になるのか。原子力に関連して様々なことを聞く窓口を、これからどのように考えるのか。

  • 中島理事

    この戦略調査室は社内の組織なので、対外的な窓口については検討する。

  • 鳥井部会長

    (各委員に確認の上)19、21、42についてはA評価とする。


(3)次回会合について

稲田補佐より、次回会合の開催について説明した。


以上
 
最終更新日:2009年2月4日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.