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独立行政法人評価委員会産業技術分科会日本原子力研究開発機構部会(第5回) 議事録

日時:平成18年7月12日(水)10:00〜16:00

場所:三田共用会議所大会議室C,D,E

出席者

文部科学省委員

岩井善郎、柴田洋二、田中知、田中治邦、鳥井弘之、中西友子、 山田弘司(以上、五十音順、敬称略)

経済産業省委員

浅田浄江、内山洋司、柴田洋二、田中治邦、山崎晴雄 (以上、五十音順、敬称略)
なお、柴田洋二委員、田中治邦委員は、両省の委員を兼任。

事務局

文部科学省

中村原子力研究開発課長、中原原子力計画課長、 須藤放射性廃棄物企画室長、木村量子放射線研究室長、 鎌田原子力研究開発課課長補佐、 橋爪核融合開発室室長補佐

経済産業省

野田原子力政策課企画官

日本原子力研究開発機構

殿塚理事長、岡?副理事長、石村理事、木村理事、 中島理事、野田理事、野村理事、三代理事、柳澤理事

議題

  1. 独立行政法人日本原子力研究開発機構の平成17年度に係る業務実績に関する評価
  2. その他

議事概要

(1)部会の公開・非公開について

文部科学省独立行政法人評価委員会科学技術・学術分科会運営規則第5条及び経済産業省独立行政法人評価委員会運営規則第6条に基づき非公開とする旨、了承された。

(2)配付資料及び前回会議議事概要(案)確認

事務局より配付資料の確認が行われた。その後、事務局より資料7−1に基づき、前回会議議事概要(案)について確認が行われ、意見等のある場合は7月14日までに事務局まで連絡することとした。

(3)平成17年度業務実績に関する評価の進め方

事務局より、資料7−2及び資料7−3に基づき、平成17年度事業年度評価の進め方について説明を行った。主な議論は以下のとおり。

委員
競争入札の推進や、人件費を5年間で5%削減するなど、中期計画策定後に決まったようなものは、中期計画に反映されているのか。
事務局
反映すべきものは反映している。例えば、「行政改革の重要方針」に基づく人件費削減の取組みに関しては、中期目標の変更という形で対応している。それを踏まえて評価することとなる。また、競争入札については、国から何%にしろと明示しているものではなく、機構として数量的に何%にすると定めている。
委員
競争入札については、政府全体の方針と整合がとれているのか。
事務局
問題ないと思うが、確認する。

(4)原子力研究開発機構の経営方針等について

殿塚原子力機構理事長より、資料7−4に基づき、原子力研究開発機構の経営方針等について説明が行われた。主な議論は以下のとおり。

委員
二法人統合化により、人材、設備などあらゆる面での縦糸と横糸をどのようにうまく作っていくかについて一番関心がある。例えば測定装置などは共通として扱えるような無駄のない体制作りは行えているのか。
機構
合理化すべき余地はまだまだある。問題意識は組織に浸透してきているため、次回の設備更新の際に整理することができると思う。3〜5年というタームでいろいろ成果が出てくるものと思う。
委員
現場重視の組織運営の考え方は大変すばらしいものである。統合の前後で、組織運営に変化はあったのか。
委員
トータルの人員が削減を余儀なくされる中、わが国唯一の原子力に関する研究開発機関として大事なことは、優秀な人材が原子力機構に入って働きたいと思うこと、また、入ってから何十年間も働きたいと思うこと。優秀な人材を採用できる、また、働けるような仕組みは作ろうとしているのか。
機構
研究分野の活性化を得るには、常に活力ある人事体制がなければならない。そのため、ポスドクの活用の仕方、大学との協力関係、大学への講師派遣、国内外の人事交流等を広めていきたいと考えている。さらに、抜本的な改革のための制度についても現在検討中である。
委員
原子力機構の経営方針は、研究開発的なところだけでなく、もんじゅ、JCO、電力不祥事などで大きくなった不信感の信頼回復など、全体的な原子力のグラウンドをイメージできるものであり、大変うれしく思う。社会的責任の記述、例えばコーポレートガバナンスの部分に、その辺を明文化してはどうか。
委員
理事長懇談会のように幹部と現場の方の対話というのは、法人組織の風通しのためによく用いられるが、形骸化してしまう可能性があるのではないかという危惧がある。具体的にはどのようにされているのか。
機構
各事業所へ行くときは、全員を集めて運営や問題などについて話をし、その後、若手研究者と話をする機会を設け、理事長にも分かるように説明してもらっている。
委員
研究者の不正が最近多いが、それに対する防止策はどのようにしているのか。
機構
コンプライアンス委員会を設けるとともに、職員の守るべき心得というようなものを規程の中で設けている。また、外部事例を参考にしている。
委員
各部門が自分のステークホルダーを定義して、経営のほうでしっかり見ていくというような制度をこれから確立していただくといいと思う。

(5)平成17年度業務実績の自己評価の概要について

岡?原子力機構副理事長より、資料7−5に基づき、平成17年度業務実績の自己評価の概要について説明を行った。主な議論は以下のとおり。

委員
再処理は、過去長い実績があるが、今年度何を行ったかということに重点をおいて自己評価したのか、それとも過去長い実績の成果として自己評価したのかをはっきりさせる必要がある。
機構
長年の実績であることは間違いではないが、17年度の一つの大きな成果として機構内での評価はSとした。
委員
原子力のような長期研究のテーマが多いものは、どうしてもある程度期間がたたないと成果が出ないというのは必ずあるので、どこかでそれを評価することが大事。評価には、業務運営、国際協力、産学連携など単年度で業績がでるものと、あるプロジェクトを開発するといった長期にわたって成果がでるものの2種類があると思う。本部会で行う独法評価では、この2種類の形で評価をしたということを納得してもらう必要がある。
委員
原子力には両方の評価があっていいと思う。
委員
ルールを確認する必要があるので、事務局で確認いただきたい。
事務局
確認する。
委員
もんじゅについて、年度計画に沿って着実に進められているが、外的な要因により、中期計画全体を考えると大きな課題が出てきた場合については、どのように整理すればよいか。
事務局
最終的には中期計画が達成できるかどうかが判断の基礎になる。たとえ、今年度うまくいっている部分があっても、中期計画が達成できないような状況が出てきた場合には、厳しく評価せざるを得ない。
委員
予期せぬ外部要因で中期計画が達成されなくなるような場合、それを読めなかった組織の責任になるというように判断するのか。
事務局
今の原子力の状況を見ると、原子力機構がいくら頑張っても、外部要因で達成できなくなることはありうる。その場合、中期目標が達成できないという事実は残るので、判断を迫られればFとしか判断しようがない。その結果を踏まえ勧告がでるのか、あるいは国に対して、中期目標・中期計画を決めたときと社会状況が違っているので、そちら自身が検討の対象になるという考え方もある。評価をすることで原子力機構の事業がより円滑に進むようなコメントをいただきたいと思う。
委員
外部要因については、8月11日にまとめて議論し、本部会としてこういう姿勢で評価したという文書をつくり、分科会や総会に出すことを考えたい。

(6)平成17年度業務実績に関する評価について

原子力機構の各理事より、資料7−6に基づき、平成17年度業務実績の自己評価の結果について項目別に説明を行った。主な議論は以下のとおり。

評価項目27,28,30,31について

委員
研究組織は専門家が多く、内部での人事交流・人事異動は難しいと思うが、時代の要請に応じて研究者を新しい分野へ仕事を変えていくといったようなことが必要になると思うが、そのような点での工夫はなされているか。
機構
時代の要請、ステークホルダーの要請に応えるべく、ユニットを柔軟に変えていけるような制度をとっている。
委員
合理化、効率化を進めることは非常によいこと。事業費を目標以上に大幅に減らされているのは、研究をきちんと実施する立場からはいかがなものかと思う。
機構
2法人統合により、事業部門も新しい組織になるので、事業費の大幅削減は、事業の見直し、合理化、施設の運転形態についての見直しなどを行った結果、予算編成の段階から統合効果として当然出てくるものである。
委員
一般管理費も含め、事業計画を圧倒的に上回っているのに、なぜS評価でないと判断したのか。
機構
統合効果として、当然できるであろう割合も含まれている。外部要因を除いて最終的に判断した。次年度以降も同じような割合で減りつづけるのは難しい。
委員
新任の者(任期付職員)の割合が今後増えてくると思うが、在職者の大多数は任期付でないため、新任者からの不満がたまってくることを懸念している。ある割合を超えたときに抜本的に改革するといった考え方が妥当だと思う。
委員
特段の工夫が必要なところかもしれない。
機構
制度としてよりよいものになるかというような観点から、ご指摘の方向性そのものは理解している。
委員
評価項目27に関連して、複数部門にまたがっているような重要プロジェクトを実施する場合、縦割り的な制度は弊害があるのではないか。大きなプロジェクトに対応できるような柔軟な体制組織をどのように考えているのか。
機構
理事長の事業調整財源から、連携融合研究といった各部門を越えた連携が円滑に運ばれるよう財源を当たるといった工夫をしている。
委員
技術者に対するサポートを考えなければならない。団塊の世代が培ってきた知識や技術の伝承や、そのような人材の活用をどのように考えているのか。
機構
ご指摘の点は、非常に大事なところと思っている。定年後は嘱託で残っていただくなど、後輩への技術的な指導もやっていただいている。意欲のある方は働きつづけていただき、技術的な貢献をしていただくという観点を重視している。
委員
内部評価における、ピアレビューの結果をどう生かすのかということがしっかりしていないといけない。大きな方針を決める顧問会議とピアレビューにギャップがありすぎるのではないか。内部の評価体制、どのように評価されたものを生かしているのかという話を今後お伺いしたい。
委員
任期付については、効率が上がるように、また、人々が嫌にならないように、きちんとやって欲しいこと、また、経費は統合効果を除いた結果として評価していることを注記しておくことがよいと思う。

評価項目37について

委員
所内の安全確保の徹底について、これがどんな形で出たか、一般の人にもわかるような報告書ができるとよりよいと思う。できれば、安全と環境報告書が一緒になって外部に発信できるような形にするとより効果的と思う。
機構
環境報告書は法律に基づき作成しているもの。安全については、まだ完全に整備していないが、今後もHPを充実させることにより安心いただくという観点からの活動を続けていきたい。
委員
環境報告書に安全報告書も一緒にくっついていても問題ないのではないか。安全の報告書も一緒に作ったらどうか。
(休憩)

評価項目6,7について

委員
核融合について、ITERの関係でカダラッシュに人員を派遣されると思うが、その際の処遇や、国内からのサポート体制はどのようになっているのか。
機構
ITER機構自身が発足しておらず、具体的処遇については検討中であるが、現在のところは原子力機構の規則に従って対応している。国内サポート体制については、できるだけ派遣者からの要望にこたえるようにしている。
委員
原子力機構のHTTR関係の活動をみると、水素を作る機械みたいな感じがする。発電用の炉としてもやっておく価値があることを言っていかないと、水素だけでは説得力がない。固有の安全性を十分に生かしつつどの程度のコストでできるのかについて検討しておくことがいいのではないか。最大限努力したらこのような目標値が立つということを社会にPRしていく必要がある。また、核融合については、波及効果という視点で捕らえることも必要ではないかと思う。
機構
HTTRについては、HTTR活用フォーラムにおいて水素と電力のコジェネの議論、ガス炉のシステム導入シナリオの素案等の検討を行っている。核融合技術の社会への普及については、真空技術を応用して自動車部品の製造では注目されている。

評価項目9,10,11について

委員
多様性を求めて間口を広げていく研究は非常に大事。一方、選択と集中という問題もあり、量子ビームについては、非常に輝かしいピンポイント的な結果は出てくるが、部門全体としてどうなのかというのは評価しにくい。
委員
量子ビームのようなものは、内部の研究者がよい研究成果をだすことと、外部も集めてよいプラットフォームを作ったというのが、評価の視点だと思う。機構が望まれているものは、両方それなりにきちんとやること。また、この項目で議論することかは分からないが、日本全国に対して十分なサービスを行ったかどうかや、施設の利用者の実績の紹介もいう必要がある。
機構
自ら積み重ねたいろんな経験を発展していこうという1つの大きな流れと、産業界も含めたいろんな人が集まるような機能を強化していこうという大きな2つの流れがあると思う。今日の段階では、原子力機構の中の人間が今まで発揮してきた成果を中心にしているが、これからは是非もう少し幅の広い全日本的な視点に立った量子ビームはどうあるべきかということについて取り組んでいきたいと思う。選択と集中の観点からは、全体を量子ビームだからといって闇雲に幅を広げていくのではなく、重点的に取り組むべき課題は何なのか議論していきたい。
委員
中期計画を見ると、生命科学研究やナノテクノロジー、材料研究に中性子を利用するための研究開発を推進という表現になっているが、代表選手がSであればよいのか、それとも全体的に光が欲しいというように考えるべきか。
事務局
輝く光が全体を明るい状況にしているかどうかで見ればよいのではないか。
機構
理研では、センターごとの機関全体の評価と、輝いている星があるかどうかという形の評価の両方になっていたように思う。
機構
社会に対する貢献、アウトカムという観点から大変特徴的な成果を上げたということで、機構内での評価ではSとした。
委員
量子ビームの研究は、物性研究や生命科学分野等で成果がでており、それらの接点に、社会との関係についての視点も含めて3つの軸が交わるところが光っているかどうかという説明ができるように評価しなければならない。Sを付けるなら、その意味を十分分かってもらう必要がある。
委員
特筆すべき活動であることは明確であり、特記事項できちんと書くということもある。10番については別の機会に議論したい。

評価項目16,17について

委員
先端基礎研究で8つのテーマを選んだ理由は何か。また、基礎工学研究において、関連する部門との連携はどのようになっているのか。
機構
8つのテーマについては、従事している人のポテンシャルと技術、施設も含めて、世界に冠たる研究ができるものを選んでいる。連携については、主に次世代システム分野について行っている。
委員
環境工学研究や先端基礎研究については、原子力機構の役割と整合はとれているのか。
機構
危機対応に関わるものや、原子力科学技術の幅を広げるためにも、原子力機構で行うべきものと考える。
委員
個別的な研究について、ものすごくいい成果が出たときは、特筆して書き出すことは大事だと思うが、ピアレビューをきちんとやってもらえればここで評価する必要はないのではないか。
事務局
機構自身がやるべきものか、選択と集中の中でどの程度の力をいれた業務となっているのかという観点の見方が、委員会にふさわしいと思う。個々の研究成果については、ピアレビューで行われることなので、運営そのものの問題、若手の方がいかに魅力を感じるのか、等の観点から評価いただけるといいのではないか。
委員
資料を次回までに今言ったような視点で作り直していただき、特筆すべき成果があったら、そこに書いていくようにしたいと思う。
(休憩)

評価項目12,13について

委員
安全研究については、安全委員会の重点研究計画のほうでもレビューを受けるが、こことの関係はどうなっているのか。
機構
二重の評価になると思う。
委員
ダブル評価は必ずしも効率的でないところがある。安全研究をきちんとやっているかどうかについては、こちらで評価すべきと思うが、中身は専門家集団である安全委員会にお任せしたほうがよいかという気がする。 機構:今年、保安院、JNESがいろいろなところに出す事業を評価する委員会が設立され、今年度は9月、来年度以降は6〜7月に評価を受けることとなっている。
委員
お客さんがいいよというかどうかが最大の決め手であり、その評価を簡単にまとめて委員会にフィードバックしていただければ、それで代替することは可能だと思うので、そういう格好でいくことでどうか。
事務局
基本的には中期目標で定めているとおり、安全委員会あるいは行政庁からの要請を受け、それに応えるような研究をすることを目標に立てている。彼らが満足するかどうかをフィードバックしていただければ、最低限の目標を達成しているかどうかの判断はつくと思うので、その観点から評価をお願いしたい。また、原子力機構は安全研究をして成果を出しているにもかかわらず、日本の原発が安全でないのは原子力機構の研究開発がおかしいのではという議論をされる方がいる。原子力機構に対して非常に期待が大きい。世の中の人は、単に目標を言われたとおりやればよいと見ていないところがあるので、今求められているものは何かということを明確にした上で評価いただけると、外に向かっての説明ははっきりできる。

評価項目19,21について

委員
情報提供については、待っているだけ、カタログをおいてくるだけ、ではなく、積極的に働きかけていくことが大事。
委員
外部利用について、「適正な対価を得て」の「適正」とは何らかの目標なり、基準なりがあるのか。
機構
原子力関係の原子炉などの大きな施設というのは、減価償却を含めると大変な料金になってしまうので、回収する対象は、基本的に原価償却分をいれない運転経費としている。商業利用などについては、原価償却分も含めた料金としている。施設ごとの事情を勘案して料金を設定しており、目的、成果の公開・非公開で差をつけて料金体系を作っている。
委員
施設を持っているところが、コミュニティーを作る努力をし、コミュニティーの意見を聴きながら施設の改良をするといった考え方も必要と思う。ニーズも聴きやすくなるし、アウトカムも評価しやすくなると思うので、是非、積極的にコミュニティーをお作りいただきたい。
委員
例えば、原子力で何か事故が起こったときに、原子力機構は、全力をあげて協力せざるを得ない。また、与えられた業務を淡々と創造性たくましくやることと両立させなければならない。若干の冗長度を持っていないと、組織の運営はほとんどできない。本来必要な業務を、危機対応を含めてやるためにどの程度の冗長度を持っていなければならないのかについては、今後議論をしなければいけないと思う。
機構
今のご指摘については、是非検討したい。また、共同利用、共同研究を進めていくためには、委員から指摘のあった支援者も非常に大事だが、研究者自らがその気にならないといけない。研究者の業績評価のときにも、共用や産学連携といった点を非常に重視して、そのような点で貢献があった人にはきちんと報いることが非常に大事だと思う。

(7)閉会

事務局より、次回開催日程について説明を行った。

−了−
 

最終更新日:2006年11月10日