経済産業省
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産業構造審議会 環境部会地球環境小委員会(第2回)-議事要旨

日時:平成13年4月10日(火曜日)15時30分~17時30分
場所:KKRホテル東京 瑞宝の間(10階) 

出席者

茅委員長、石谷委員長代理、碧海委員、秋元委員、栗原代理(植松委員)、浅野委員、海部代理(太田委員)、岡部委員、黒田委員、河野委員、坂本委員、坂本委員、竹居委員、千速委員、中井委員、飯塚代理(中澤委員)、宗内代理(中西委員)、新澤委員、藤本代理(西室委員)、福川委員、松井委員、松尾委員、森嶌委員、安原委員、米本委員、鷲尾委員、太田代理(山本委員)

議題

  1. 米国ブッシュ政権の動向等について
  2. 自主行動計画を巡る今後の対策のあり方について

議事概要

委員からの発言、意見の概要は以下の通り。

1. 米国ブッシュ政権の動向等について

  • 京都議定書への米国の参加が不可欠というのはその通りであるが、日欧の対応に温度差がつき日本の対応が妥協的であると受け取られるのは如何なものか。米国に対してはもう少し強い姿勢で臨み、日欧で協調して京都議定書への参加を働きかけるべき。米国は、京都議定書に反対する理由として、途上国問題、エネルギーセキュリティー、国内経済への影響という3点を挙げているが、途上国問題はCOP3の際に議論済みであるし、エネルギーセキュリティーや国内経済への影響については日本も含めた各国共通の問題であり、米国の主張は不適当。また、強い働きかけを行っていくことで、地球温暖化対策に関する日本政府の強い決意を国内の各主体にアピールすることにもつながる。
  • 米国内の民間NPOやエネルギー業界の反応を教えて欲しい。私自身もそうした米国内のNPO等と連携を図っていきたい。米国内でも地球温暖化対策に前向きに取り組んでいる企業は結構存在しており、一枚岩で反対しているという訳ではないという印象を持っている。邪推かも知れないが、米国は地球温暖化対策の引き延ばしを図って、後から米国に有利な形にするようねらっているのではないかという懸念がある。米国に対しては、京都議定書に署名をしたという事実を十分理解させつつも、米国が何をねらっているのかをよく見極めることが必要。
  • 米国から今回のような立場表明がなされた背景について冷静に見極めることが必要。つまり、米国は2大政党制を採っており、政権交代の際は政策の断絶を示すことが政治的に重要である。米国が京都議定書に反対する理由として挙げているエネルギー問題についても、国際エネルギー価格の高騰を防ぐという観点から、しっかりと対応することが国際的にも重要である。また、米国抜きでも京都議定書を発効すべきという欧州のスタンスには同調すべきではない。欧州においては、環境関連の政党が政権に参画している国が存在し、環境問題に積極的に対応することが重要な政治的なメッセージを持っており、経済とうまくバランスさせた対策という視点に欠けるところがある。こうした中、日本は冷静に対策に取り組んできており、日本、米国、欧州の三極が手を携えていくことが必要。
  • 米国の製紙産業界においては、日本の温暖化対策に対する取組に大いに関心を持っていた。民間においては真面目に対策に取り組んでいることを十分踏まえて欲しい。COP3の際の議論を無駄にすべきではない。
  • 米国が参加しない京都議定書に基づき、グローバルな対策を進めることは不可能に近く、引き続き米国に交渉のテーブルに着くようあらゆる努力をして欲しい。地球温暖化対策を進める上では、景気動向、国際競争力、エネルギーセキュリティーにも十分配慮して欲しい。
(事務局)
  • 米国の主張については、同じアンブレラグループの仲間としてよく耳を傾けつつ、求めるべきことは引き続き働きかけを行っていきたい。米国の産業界のスタンスには幅があるようである。今回の米国政府の立場表明に賛同しているグループもあるが、一方で米国は引き続き交渉のテーブルに着くべきとの主張をしているところもある。今後、産業界の主要な勢力がどういった反応をするのかは不透明な部分も残るが、十分注視していきたい。NPOについては、既に国際的に連携を進めているようだが、今後NPOのスタンスを十分見極めていきたい。エネルギー問題との関係については、3E(エネルギー、環境、経済)を両立させていくというのが日本のスタンスであり、これまでも率先して取り組んできており、今回の与党・政府団の訪米時にも日本の取組を紹介してきた。また、欧州との意見交換の際に、欧州としても米国の参加は重要であるとの考えを示しており、引き続き米国への働きかけを行っていくことについて日欧で確認している。 

2. 自主行動計画を巡る今後の対策のあり方について

  • 今回の資料においては、定量的な分析は不十分であるが、税制を補助的に用いて排出量取引を活用するというのがねらいと受け取れる。この点については賛成。税制については、今回の資料にあるような対策を進めるためには、特定の分野ではなく、幅広くかけることが必要となるはず。また、産業界は反対するだろうが、排出量取引については、今後の対策の柱になるものと考えられ、練習を積むことが重要。自主的枠組みがベースとなる排出量取引という考え方には、経済省の苦心を感じる。 
  • 経団連としては、これまで様々な取組を進めてきたところであり、今後とも自主行動計画への参加業種の拡大のために説明会を開催する等の取組を進めていきたい。協定化や計画策定の義務づけといった措置は、自主的な取組のメリットを損なうおそれが強く、受入が困難。2005年の中間目標を設定するという点については、毎年自主行動計画についてはフォローアップしており、一般にも公表している。万が一目標と実績の乖離があった場合には、何らかの検討を行うことを経団連としてもコミットしている。また、税制、排出量取引等については、自主行動計画より幅広い議論が必要であり、自主行動計画とは独立した検討を進めるべき。経団連の考え方について、参考資料1,2をお配りしているので参照して欲しい。
  • コストが産業、民生、運輸部門に如何なる負担を及ぼすかについて定量的な分析が必要。また、段階的な施策のスケジュールが必要。総合資源エネルギー調査会で提示された基準ケースでは、2010年のエネルギー起源CO2排出量を90年比±0%にするためには、自主行動計画の目標達成を織り込んでも2000万t-Cが未達となることが示されており、かなり厳しいのが実態。そのためには、強制的にやらせるというアプローチではなく、何らかの形で目標達成のインセンティブを与えるようなメカニズムが必要。その中には、排出量取引や協定がある。自主行動計画を後押しする形で達成を担保するやり方はどうか。
  • 自主行動計画の中で民生部門において計画を策定するというのがあるが、民生部門については、ライフスタイルの変更を進めるのがまず重要であり、計画の策定というのは馴染まないのではないか。
    目標の設定であるが、CO2の排出は経済活動によるものであり景気の変動の影響を受けることから、自主的に対応する際には総量目標はそぐわない。基本的に原単位とすべきであり、その他の形で透明性・信頼性を向上していくべきではないか。
    排出量取引は企業単位とするか産業界単位とするのか。いずれにせよ国が買い上げる形とすべきではない。税制は支援措置により対応すべき。税による抑制効果は期待できない。京都メカニズムについては、途上国も含めた検討が必要。
  • 昨年からの議論で論点は絞られており、既に方向性は示されているはず。これまでの議論を踏まえるべき。ここで再度前広な案が示されるのは納得がいかない。提示された選択肢は自主行動計画を軸にする形となっていない。
    官が関与すれば信頼性が向上するのか疑問。民生部門を対象とするのならば説明責任を果たして欲しい。
  • 自主行動計画の目標を達成できなければ、社会から厳しい評価を受ける。提示された選択肢は、最早自主行動計画とは別のものとなっている。
    米国が京都議定書に不参加を表明し世界の動向が不透明であるのだから、もう少しじっくりと検討することが必要。
  • 選択肢の中には、自主行動計画の枠組から外れているものがある。試行的な排出量取引は、少し先の話と思われるが、どう位置付けられるのか。強制措置を伴う選択肢は広く最適化が図られるべき。税制については、自主行動計画と離れて検討すべき。
    省エネ法による対応では、第2種指定工場にも入らない工場・事業所への対応が課題。税や支援措置は導入の目標がはっきりしなければコスト比較ができない。
  • 今回示された選択肢はよく整理されており、このように検討すべき選択肢が提示されたことは大いに結構。
    原単位目標と総量目標が併存している中、自主行動計画の目標が達成されているのかについて判断しにくくなっているのは確か。どちらかに統一するというのは難しいとは思うが、例えば目標は原単位としつつも、一定の前提の下でのCO2排出総量の見通しを出すというのも一案かもしれない。透明性を向上させるために、工夫をして欲しい。協定の他に「計画の承認」という選択肢も加えるべき。税制について、は総合資源エネルギー調査会における検討との進め方について整合性が必要。
  • 自主行動計画はミクロの分野。マクロとミクロの対策を如何に繋げていくのかについて検討すべき。
    支援措置と税制は別々の選択肢になっているが、税を課してその税収を支援措置の財源とする等の対応も考えられる。 民生、運輸部門は、自主行動計画というスタイルで対策を進めるのが妥当かについて検証すべき。鉄道、自動車といった部門については、タテの取組だけでは不十分ではないか。
  • 例えば産業機械は、製造工程でCO2の排出削減に努めても、90%は顧客の使用段階に依存している。製品がその一生の間にCO2をどのように排出するのかというライフサイクル的なアプローチが必要ではないか。
  • ▲6%排出削減目標の達成のためには、自主行動計画だけではなく色々な手段が存在する。自主行動計画については、地球温暖化対策全体の中での位置付けを考慮し、シミュレーションすることが必要ではないか。
  • 自主行動計画のカバー率は76%程度に止まっており、より一層の参加を求めていくことが大変重要。不参加の業種名や企業名を公表するという対策も必要かもしれない。また、なぜ不参加となっているのかその理由を明確化して、危機感を共有すべき。自主行動計画を現行より幅を持ったものとすることになっても、金融、証券、情報サービス業等も含めて、社会全体の削減に向けた取組があってしかるべき。
  • 現行の省エネ対策は、環境と無関係に、コスト削減の観点から取り組まれている事例もある。しっかり理由付けするためにも、産業界からの呼びかけが必要なのではないか。
(事務局)
  • 今回提示した選択肢のうち、排出削減にインセンティブを与えるための手法には色々幅がある。
    税については、それ自身の是非をまず検討すべきであり、現時点で税による対策を行うという前提があるわけではない。また、その対象分野や税収使途等については慎重に検討されるべき課題。税を財源とした支援措置については、別のフェーズの話であり現時点では選択肢に入れていない。排出量取引は、海外との関係も含め、如何に先駆的に知見を如何に積んでいくかが重要。次回CDMとの関係についてこちらから資料を用意する予定。 民生部門は、目標の設定は困難かもしれないが、フレシキブルに対応していきたい。総量目標と原単位目標のいずれが望ましいかについては、個々の業種の実態も踏まえて検討することが必要。
    省エネ法については、中小企業対策が困難であるのは御指摘の通り。
    将来のCO2排出量見通しは、既にいくつかの企業では出してもらっている。
    協定と計画承認については、諸外国においても内容に幅がある。引き続き勉強していきたい。
(事務局)
  • 自主行動計画に基づくこれまでの産業界の取組については評価できるが、客観的に説明できるものとしていくことも非常に重要。▲6%削減目標の達成に向けて、自主行動計画は重要な柱。様々な取組があれば、国際交渉においても有効であると考えられる。
(事務局)
  • 総合資源エネルギー調査会では、COP3の目標達成に向けたシナリオづくりを作業中であるが、自主行動計画もその中に含まれており、本小委員会における検討と歩調を合わせている。総合資源エネルギー調査会における検討はエネルギー起源のCO2排出量を90年比±0%とするためのシナリオであり、▲6%削減目標は京都メカニズムや他省庁検討部分が含まれる。前者はCOP6再開会合の交渉次第であるし、後者は本来合同審議会で検討すべき課題。
    一部の委員から税制等に対する不快感が示されたが、我が国は▲6%削減目標という国としての目標があり、自主行動計画が達成されれば追加的な対策は不要であるが、これが未達になりそうな場合は国としての目標も未達になる恐れが生じるため、追加的な対策が必要となり得る。今回示された選択肢は、こうした場合にどういった対策が必要かについて検討するために、示されたものと理解。

以上

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