経済産業省
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産業構造審議会 環境部会 地球環境小委員会(第4回)-議事要旨

日時:平成13年7月4日(水曜日)14時00分~16時00分
場所:東京曾館シルバースタールーム霞ヶ関ビル35階

出席者

茅委員長、山下代理(秋元委員)、植松委員、酒井代理(大國委員)、海部代理(南委員)、岡部委員、角田委員、河野委員、坂本委員、千速委員、中井委員、中澤委員、宗内代理(中西委員)、新澤委員、藤本代理(西室委員)、福川委員、森嶌委員、藤村委員、松尾委員、安原委員、山本委員、米本委員

議題

  1. 国際交渉を巡る諸情勢
  2. 産業構造審議会環境部会地球環境小委員会中間整理骨子案について
  3. 総合資源エネルギー調査会、産業構造審議会産業技術分科会及び産業構造審議会化学・バイオ部会の検討状況報告について

議事概要

委員からの発言、意見の概要は以下の通り。

  • (山本委員から参考資料に基づき説明)経団連全体の意見ではなく、あくまで私見だが、自主行動計画については、(1)参加業種の拡大、(2)調査項目の拡充、(3)業種単位の要因分析等により、改善してきている。今後とも、ご意見、ご注文があれば拝聴していくが、著しく自主行動計画の公約を破ることとなれば別だが、税、法制化、排出量取引等の自主的取組を超える強制的な措置はやめていただきたい。強制的措置の導入は、自主行動計画が持つ柔軟かつチャレンジングな取組というメリットが損なわれる。骨子案にある、自主行動計画をベースとした措置の充実に関して言えば、新たな進捗状況評価システムの導入・有識者や中立的組織の活用については、公費をかける二重のチェックとなる点に疑問あり。自主行動計画参加企業への支援措置については、今後参加業種・企業が増えることを考えれば、一般的な制度として構築してほしい。排出量取引については、海外との取引が望ましい。国内での取引では余剰がなく、難しいのではないかと思っている。
  • 段階的な取組はよいと思う。その上で、本報告書は「第一段階」について記述しているという理解でよいか。京都メカニズムは当然「第二段階」だが、強制的な排出量取引や税も第二段階ということだろうか。排出量取引について言えば、英国のように原単位目標の下での取引を導入するのは望ましくないと考えている。「第一段階」から自主的枠組み下の排出量取引を導入するのも良いが、「第二段階」での排出量取引導入の際には、「第一段階」での原単位目標を引きずるべきではないと思う。(新澤委員)
【事務局回答】
  • 基本的には「第一段階」について論じているが、「第四段階」である技術開発なども議論の対象となっている。将来の京都メカニズム導入に向けた取組についても、今から取り組めるところは取り組むという趣旨。
  • 経団連の自主行動計画を入り口とすることに異議はない。ただし、目標との乖離が起こった場合に備え、次に何を選んでいくかは議論していってはどうか。IPCCで科学者達が要求する究極の水準はラジカルなもの。もしこれを達成するならば、長期的には自主行動計画だけではつじつまがあわないだろう。また、温暖化が不可避ということであれば、今からアダプテーション、つまり適応対策として基金を創設するなどすることも視野に置いてはどうか。
    京都メカニズムを活用していくべきという点は、まったく同感。知見の有機的な蓄積は、もっとしっかり取り組んでいくべき。また、▲6%のうちの▲1.8%分、京都メカニズム分について、責任もって対応していくところがないのも問題。国内で様々な取組をしているようだが、共同実施活動(AIJ)について見れば、条約事務局に登録している件数は非常に少ない。
    どのような手順で▲1.8%を達成していくのかと言う点をしっかりと考える段階に入っているのではないか。(米本委員)
【事務局回答】
  • アダプテーション等については、今後とも考えていきたい。共同実施活動における登録件数に関しては、条約事務局への登録に際しては、相手国政府の同意がが必要となる点による部分も大きい。望ましい国際ルールを構築していくという観点からも、「第一段階」からのしっかりした取組が必要と考えている。
  • 産業界は自主的取組、個人については意識改革やトップランナー方式の推進、そして技術開発を進めていくということだろうが、一方で、国全体としてはキャップがかかってしまっている。国際排出量取引やシンクが認められない場合、どうなるのか懸念している。京都メカニズムについて、国が資金を負担するのか否か、国は実績をカウントするのみか否かなど、明らかにされていない点も多い。
    京都メカニズムやシンクに関する取組も、しっかり「第一段階」から取り組むべきであり、国際交渉を含め、十分な対応が必要ではないか。(岡部委員)
【事務局回答】
  • ンク、京都メカニズムについては、現在も国際交渉のポイントとなっているところ。海外における努力が報われる制度を構築することが重要。温室効果ガスの削減コストが国際的に平準化することを目指すべきであり、市場メカニズムをうまく使うことが肝要と認識。その際は、民間企業の創意工夫が大切である。
    国と民間との関係の観点からは、排出削減コストは市場で回収するシステムとすべき。こうした点を踏まえつつ、国際交渉との整合性も考えながら国内対策を進めていく必要からも、対策は「段階的なもの」となる。シンク、京都メカニズム等に係る施策も、「第一段階」から取り組めるものは取り組んでいくこととしたい。
  • 排出量取引はコストミニマムの観点から重要である。P18において国内対策の中で自主的枠組と強制的枠組が挙げられているが、二つとも併用する可能性もあるのではないか。排出量取引においては、電子商取引のシステムを組み込むことも想定されるが、そのシステムの構築には時間がかかることもあり、今から知見を深めていくことが必要。
    また、国際排出量取引と国内排出量取引とのリンケージの議論も深めていくことが必要。(中澤委員)
【事務局回答】
  • 排出枠の強制的な割当を行った上での排出量取引(強制的枠組)については、P23にあるとおり、様々な解決すべき論点があると認識している。
    自主的枠組下の排出量取引については、コストミニマムの観点からも望ましく、また取引に参加するか否かは自由であることから、「第一段階」から、将来の京都メカニズムの活用に向けた知見の蓄積という観点も踏まえ、自主行動計画達成手段の選択肢を広げるという観点から、取り組んでいくことが重要ではないかと考えている。
  • 技術開発に関してだが、鉄鋼業界を例に取れば、1970年代から省エネルギーに積極的に取り組んできた。石油代替、廃エネルギー回収等により、現在までに20%の実績を上げ、累計2兆円の設備投資を行っている。その中身は欧州に比べ、極めてチャレンジングである。今後、更なる取組を進めていくとなると、一番の切り札は、画期的な技術開発によるブレークスルーだと考えている。技術開発については、「第一段階」、「第二段階」の区別なしに、中長期的な国家戦略の中で、温暖化防止技術の開発を積極的に進めてほしい。(千速委員)
【事務局回答】
  • 産業構造審議会産業技術分科会の検討では、削減量試算の観点から2010年を基準として技術開発テーマの分類等をしているが、審議の場でも一体的な取組が必要と指摘をいただいているところ。ご指摘も踏まえ、今後とも十分検討してまいりたい。
  • 産業界のこれまでの取組は評価したい。しかしながら、本小委員会では、国の義務である▲6%削減のために何が必要かを検討することが重要。法的拘束力のある▲6%削減目標の達成のためには、自主行動計画だけでは問題があると考えている。骨子案では、自主行動計画の目標と実績に著しい乖離があった場合に限り、自主的枠組みを超えた更なる措置を講ずるということだが、それでは足りないのではないか。まさに、P22に述べられている協定化、税制等の更なる取組を今から検討し、その上で適切な制度を構築すべき。なお、税制については、本骨子案では自主行動計画に参加しない業種への賦課に限定されているが、もっと広く、環境税一般についても検討すべきではないか。
    また、産業技術分科会の報告においては、燃料電池が開発テーマに入っていないが、加えるべきではないか。(安原委員)
【事務局回答】
  • 国際交渉が不透明な中にあっても、着実に国内対策を進めていくという産業界の姿勢は評価。本骨子案に示した3つの観点から、「段階的な取組」を基本とすべきではないかと考えている。
    税制については、P23に述べられているとおり、様々な解決すべき論点があると認識している。
    燃料電池は、総合資源エネルギー調査会において、既に2010年における見通しの中に盛り込まれている。なお、産業技術分科会にて取り上げているのは次世代の燃料電池の開発。「革新的技術開発」については、燃料電池のように実用化が確実に見込まれるようになった項目は、経団連自主行動計画の達成要素等に位置付けられていくため、常にフロンティアを広げる視点が必要な分野である。
  • 10ページにおいて「柔軟性を欠く過度の規制等の措置」との表現があるが、何を念頭に置いているのか。(松尾委員)
【事務局回答】
  • 目標未達の場合の厳しい罰則や厳しい排出枠の設定等を念頭においている。
  • 産業機械工業会のような業界では市場において商品を売り、購買者が商品を使用していく。業界でも生産段階でのCO2削減努力をしているが、製造した商品を使用する立場にはない。より省エネ型の商品が購入されるようなインセンティヴ措置を導入すべきではないか。(藤村委員)
【事務局回答】
  • 従来より、税・財投等による支援措置を設けているところだが、御指摘も踏まえ引き続き検討していきたい。
(茅委員長から)
  • 自主行動計画は、その名のとおり、企業の自主的な取組である。したがって、国が指図する立場にはない。その上で、本骨子案は、社会的公約である自主行動計画について、更にこのように充実してはどうかという、いわば「推薦メニュー」である。ただし、総合資源エネルギー調査会の見通しでも、経団連自主行動計画はすべて達成されることを前提に、更なる追加的措置を講じれば何とか目標達成ができると言う状況。相当の努力をした場合でも、ぎりぎり何とか達成できるかという目標設定となっている。将来的には、温室効果ガスの排出削減目標と実績の間でギャップが生じる可能性は存在する。しかしながら、今から9年後を予想して、想定されるギャップを埋める必要はないと考えている。一方、仮にギャップが生じた場合には、国の責任で、目標を達成する制度を作る必要があると考えている。

以上

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