経済産業省
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産業構造審議会 環境部会 地球環境小委員会(第13回)-議事要旨

日時:平成15年1月24日(金曜日)14時00分~16時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

茅小委員長、秋元委員、浅野委員、石谷委員、植松委員、大國委員、岡部委員(山浦代理)、河野委員、坂本委員(工藤代理)、添谷委員、谷口委員(藤本代理)、千速委員(弘津代理)、中澤委員、新澤委員、福川委員、藤村委員、藤委員(原田代理)、松尾委員、三浦委員、光川委員(濱代理)、村上委員、安原委員、山本委員(永里代理)、米本委員

議題

  1. 主要途上国のCO2排出とエネルギー需給構造
  2. 日本のポスト京都戦略-原則外交と現実外交
  3. その他

議事概要

1. 主要途上国のCO2排出ととエネルギー需給構造

  • 中国の石炭生産量は、統計上、90年代後半に減少に転じているが、統計から漏れている部分がかなりあるともいわれている。
  • ロシアは排出削減約束は行ったもののホットエアが生じており自国の負担は発生していない自国の費用で排出削減する国としない国が存在する。また、資料のP23~26の表で各種指標による分類をしているが、中でも一人当たりGDPが指標としてふさわしいのではないかという感想を持った。自国で費用を負担できる国が負担するという枠組みとすべきである。開発優先、貧困撲滅といった途上国の主張している原理にも合うものである。

2. 日本のポスト京都戦略-原則外交と現実外交(添谷委員から説明、配付資料参照)

  • 環境外交は先例主義なので過去の国際枠組みと同様の進み方になりがちであるが、第二約束期間は京都議定書の枠組みの単純な延長では日本に負担が重すぎる。欧州における酸性雨規制等に見られるベスト・アベイラブル・テクノロジー(BAT)は、法的拘束力はないものの、膨大なファンクションについて設置基準となっている。米国でもBATの考え方が取られている。地球温暖化問題についても、日本の周辺国と又は日本主導でBATの研究を行ってはどうか。中国の鉄鋼業の排出削減は高効率の生産設備の海外移転による危険性もあるが、省エネ型社会を地球規模で広げていくべきである。将来の枠組みでは、こうした点を付属書として載せることを目指してはどうか。
  • 京都議定書の現在のコンセプトには基本的に無理がある。第二約束期間以降はコンセプトを変えていくことが重要である。各国に理解を得られるものを検討することが必要ではあるがたとえ受け入れられなくても、主張すること自体も大切である。
  • 途上国の参加を求めていく上で統計の整備は重要な問題である。例えば、中国のエネルギー生産・消費、人口等は不確実性が高いが、他の途上国でも同様の問題がある。
  • 「一人当たりのGDP」の指標には生活水準の向上の問題が表れる。また、産業は貿易を通じて歪みが生じることを考慮に入れるべきである。
  • 温暖化対策まで資金が回らない途上国は多く、これまでも先進国は途上国から資金・技術を要求されてきた。第二約束期間においても同様の要求への対応が必要となる。こうした観点から、CDMの積み重ねが重要であり、民間が行う技術協力が重要となる。政府には、二国間協定の締結等の支援をお願いしたい。
  • 数値目標から行動へといった考え方は米国や途上国が参加するためにはよい。しかし、国際的な交渉のターゲットはわかりやすいものでないと合意されないのが過去の経験。酸性雨に関する欧州の条約やオゾン層保護に関するウィーン条約およびモントリオール議定書での総量規制の流れの中で温暖化対策の総量規制の考え方が採られてきており、こうした国際法的な側面を変えていくことは容易ではない。
  • 環境分野の国際法の観点としては、ソフトローから始まりハードローになる流れがあり、再びソフトローに戻るためには発想の転換が必要である。総量規制には科学的な根拠はない。強制力を持たせ、何らかの罰則を設ける。しかしながら、途上国の参加を考えるならば罰則についても再考する必要がある。最終的な目標値がわからない状況においては、努力目標から始めるということもある。
  • 途上国に枠組みへの参加の必要性の認識を持たせるには費用便益分析が有効ではないか。温暖化による健康被害等の負担の分析を行うことによって自国へのコストが見えてくる。
  • 途上国における社会的な圧力を高めていく観点から、中国やインドにおける国内NGO・NPOの活躍を集約していく必要があるのではないか。
  • WTOの新ラウンドでは「環境と貿易」も議論されることとなっており、こうした周辺を含めた議論ができないか。
  • 今の構図では途上国は京都議定書は開発の足かせとしか思っていないというのが原点にありこれが途上国の結束要因である。地球環境問題の重要性をより強く認識されることが必須ではあるが、途上国が経済的ベネフィットを感じなければ動かない。
  • 今のシステムは(産業界やNGOとの)相乗効果を持って寄与しないものとなっている。本質的には、国が前提となるのは理屈が立たない。国ごとではなく地球全体で枠を考えるべき。途上国と先進国という構図も転換する必要がある。国境を越えて同じ産業部門(例えば自動車部門)での取り組みを促進するといった部門ごとの行動へのコミットを検討することが考えられる。
  • 地球的公共財の観点からは影響の度合いが異なった地域によって応益負担の考え方もあり得る。国別の枠や指標についても負担の公平性をもっと精査することが必要である。
  • 日本は、京都議定書を批准し、高い理念を掲げつつ進めているが、ロシアの批准が未だ進まず足元が定まっておらず、また、科学的知見が不足している中で、将来の枠組みを構築していくのは非常に大変な作業である。しかしながら、京都議定書は悪法であっても第一約束期間は最大限努力していくことが必要である。将来の枠組みの交渉では、そうした日本の姿勢を示すことも大切である。
  • 石炭火力、自動車といった個別のセクター別に規制を行うことを検討してはどうか。主要な排出源ごとに国際的な枠組みを作るべきである。
  • 地球温暖化問題は実際に深刻な影響を受ける国だけが集まっても解決しない問題であり、グローバルな参加が必要となる。第一約束期間への対応は全力でやるしかない。日本の新しい国家像・外交像を作る分野として地球環境の分野で日本の外交戦略を示していくべきである。この際には首相レベルでのパーフォーマンスが重要である。
  • 米国との連携を進めるシナリオを描くことも必要である。米国が近い将来、地球温暖化問題でイニシアティブを発揮することはまったく考えられないわけではない。2002年2月のブッシュ大統領演説は、京都議定書は国益に反するから批准しないとしているのであり、途上国が参加していないから批准しないというものではない。途上国の参加については、途上国といっしょに枠組みを作っていくといったものだった。第二米中ショックといったシナリオも否定できないのではないか。

以上

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