経済産業省
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産業構造審議会 環境部会 地球環境小委員会(第14回)-議事要旨

日時:平成15年2月25日(火曜日)13時00分~15時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

茅小委員長、秋元委員、植松委員、大國委員、岡部委員、角田委員、河野委員、坂本委員、谷口委員(衛藤代理)、千速委員(萬谷代理)、中井委員、中澤委員、新澤委員、藤委員(原田代理)、福川委員、藤村委員、松尾委員、三浦委員、光川委員、村上委員、森嶌委員、山本委員(永里代理)、米本委員

議題

  1. 気候変動に関する将来の枠組-国際立法の観点から-
  2. 気候変動に関する将来の枠組みの構築に向けた視点
  3. 民生部門等における地球温暖化対策について

議事概要

1. 気候変動に関する将来の枠組-国際立法の観点から-(村瀬信也・上智大学教授)

  • 京都議定書の問題点が明らかにされたが、2013年まで待たないといけないのか。日本が批准する際に問題点を十分な議論ができなかった。政府の方針は(1)多くの国が参加する枠組みを目指すことと(2)ロシア政府の京都議定書批准を説得することだが、後者については政府がいま採るべき方針なのか疑問である。
  • 「国家の権限(マンデート)の及ばない事項」とはどういう意味か。
  • 国際法上の議論としては理解できる。国連海洋法は20数年かかって実際には動いていない京都議定書では、温暖化が進むことが明らかになったことから目標を作るに至った。動きがあるときにやらなければ10年、20年はそのままの状態となる。温暖化の影響が大きくなってから動いても遅い。こういった問題には、国際的・政治的な意味合いをどう捉えるかが重要である。
  • 「二国間主義と多国間主義との組み合わせ(リクエスト・オファー方式)」とはグローバルな課題についてはどのようにイメージすればよいのか。
  • ロシアは、ホットエアの排出権を米国及び日本が買うことを京都議定書への参加の前提としそれで得た資金を議定書の実行に必要な統計整備等に充てることを考えていた。米国が離脱したことで、ロシアは日本に排出権を買って欲しいと盛んに言ってきている。
  • ロシアの排出量は90年比でどういう状況なのか。日本が行うCDMの価格を見て排出権の価格を決めようといった動きも聞こえてきている。
  • 資源エネルギー庁が(財)電力中央研究所(ウィーンのIIASAに再委託)に委託している事業でJIの排出量のポテンシャルや価格について調査しており、今年度中に報告書が公表される予定となっているので参考にされたい。

2. 気候変動に関する将来の枠組みの構築に向けた視点

  • 京都議定書が決まったとき、根拠がないのに受け入れてしまった。環境条約上は成功例とは言えない。第2約束期間以降について広範な捉え方をしたものはなかったため、これは意欲的な提案である。政府がこうした案を策定するのと同時並行で、民間、研究者、組織等からも案を出し、それをまとめる方が納得できる。今回の案はたたき台のたたき台ができたという意味で一歩前進。
  • 欧州や先進国以外の国では、数年前と比べると、地球温暖化問題への関心が高くなっており共通の関心事となっていることを実感している。京都議定書は意味があったと思うが、京都議定書をこのまま放置して継続すべきではない。新しい仕組みとして、17頁の「EU指令『IPPC』におけるBAT技術」に近い考え方で、世界で一番進んでいる技術を組合せればここまで削減できるということを具体例とともに示していこうと考えている。取組みの主体として産業単位は意味がある。
  • 各国の目標ではなく、各国の政策・措置を検討する方向に向かっている。かつてEUは、京都議定書以前には、削減目標に加えて、税や技術的な基準を提案していたが、アンブレラグループは、各国の事情に配慮した柔軟な制度にするためには詳細を決めることはできないと主張し、政策・措置は落とすことになった。こういった提案をまた復活させるということか。各国の排出目標をなくして技術基準だけとする提案をするとすれば、技術という要素を含んでいない分野の問題が残る。京都議定書の本質は費用負担と理解しているが、トップランナー方式で合意しても、日本が費用負担することとなれば京都議定書の場合と結果的には同じことになる。また、日本がセカンドランナーになったら主張を変えるのか。措置ではなく、目標を約束するのが、国際的な約束の進化プロセスではないか。
  • 本来の温暖化問題に立ち戻ることは意味がある。ただし、実際に枠組みを実行して各国を取り込んでいくことは一筋縄ではいかない。マルチの交渉だけでなく、二国間交渉等を通じ、主要国間で議論をつめていく必要があるのではないか。一番大きなプレーヤーである米国とのチャネルに了解を取り付けることが重要である。日米財界人会議では、一昨年は米側の門前払いに遭い「環境」は議題とならなかったが、去年は、米政府の方針がはっきりとしたためか、ワークショップの開催など話し合いが進んだ。また、第2約束期間に向けて着々と検討を進めるのと同時に、国益を踏まえた行動も必要である。ロシアに対しても、京都議定書の議長国としてのメンツで行動するのか、実効性や国益に則って行動するのか、日本の動きは読みにくい。
  • 日本の国益の視点が必要である。日本として受け入れられる枠組みは何かを議論することが重要である。京都議定書失敗の経験を今後に活かすべき。参加のインセンティブや公平性等については国益の次に考えるべき事項である。日本は今後も化石燃料の大宗を輸入に頼らざるを得ない。こうした状況下で、原子力は温暖化対策の役割も含めて位置づけを考えるべき日本のまじめな取組み状況を今以上に他国へ発信し、信頼を取りつけていくべき。
  • ポスト冷戦の90年代にはリージョナルな環境協力が活発化した。途上国や非参加国を巻き込むには、リージョナルな責任という視点を取り入れるべきである。90年代初頭の旧ソ連諸国の解体に伴う東欧支援や東西ドイツの統一が、地球温暖化のプロセスの中でJIに入れ替わるなどEUに有利に働いた。欧州委員会が主導となって各国が達成すべくものを決定するというEUのプロセスは新しい国際社会の枠組みを作ってきた。95年の個人情報保護法にみられるように各国毎に進めるよりも速い。EUの2段構えの政策決定システムを参考にしつつ、日本はアジア地域の安定を念頭に温暖化を検討してもよいのではないか。
  • 将来のイメージが見えない。着地点をあらかじめ描くことが必要である。京都議定書の議長国として、本流のエネルギー起源CO2排出量は横這いで、シンク3.7%、京都メカニズム1.8%等による6%の削減義務達成というのは苦肉の策。2013年以降は、新たなこととして、地球規模に考えてどういう役割を果たすべきかを考えるべき。米国のように、石油の輸入依存度が約5割、石炭の使用も引き続き重要な国においては、交渉担当者と国内でのギャップは大きく、離脱するのは当然とも思われる。京都議定書を離れたところから弾力的に検討をすることを試みるべきである。例えば、中東の産油国はゼロフレア、ミニフレアを目指すことを宣言している。現実に立脚したアプローチとすべきである。
  • 第2約束期間をどういった形にするかは、第1約束期間の日本の利害得失に直結する問題である。環境保護に熱心であることと不公平な京都議定書に反対することは全く別であるという世論形成をリードしてほしい。第1約束期間の罰則措置として第2約束期間への制裁措置が設けられているが、これでは第2約束期間の合意が各国の平等な責任分担、拘束的な合意形成とはできない。EUも自分達が削減できる許容範囲を超えて環境保護に前向きであることは前提にはできない。EUの政権は中道左派と緑の党となっているが、これが永久ということはない。米国でも民主党が政権をとっても義務化に乗ってくるとは限らない。第2約束期間が定まらない中で環境税等を負担させるような措置を取るべきではない。米国はどういう条件だと受け入れるのか戦略的手順を作るべき。我が国の産業界だけが苦しむことは避けるべき。
  • 改めて新しい視点で検討を開始する時期にある。日本は、省エネルギーでは先進国であるにもかかわらず、なお大変な努力をしなければならず、途上国は全く入る姿勢はない、といった仕組みは何か間違っており、考え直すべきである。途上国は温暖化に全く関心がない。緩やかな枠を検討すべきである。途上国を引き入れることが大切である。また、日本としては努力を引き続き行っていくことも必要である。
  • 京都議定書は、米国は離脱する中で、日本だけが批准したが、与党野党ともに環境だから批准すべきとしていた。論点に立ち戻って考えるべき。実効性をあげるためには地球規模での参加が必要。排出量の多い国の参加と不参加のディスインセンティブが重要。気候変動の影響に関して、共通の認識・予測を持つようになれば、途上国は不参加とは言えないのではないか。予測の精度を上げれば、プラスの影響を受ける地域と、マイナスの影響を被る地域が出る。共通の認識が参加を促す。その上で公平性の議論をすべき。2013年に日本は最悪のシナリオをたどる可能性が高いのではないか。日本だけが非難される事態に陥る。日本が先に率先して科学的究明にも音頭をとることが重要。その後、公平性の議論を行うべき。

3. 民生部門等における地球温暖化対策について

特になし。

以上

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