経済産業省
文字サイズ変更

産業構造審議会 環境部会 地球環境小委員会(第26回)-議事要旨

日時:平成17年3月1日

ポイント

平成16年1月以降の審議を踏まえ、京都議定書目標達成計画の策定に向けた温暖化対策のとりまとめ案について審議。環境税の導入や規制措置(排出量取引制度等)を導入せずに目標達成へ向けた道筋を描くものとして、評価、賛同が得られた。

国民行動

  • 電機電子業界は、省エネ機器の製造を通じて、民生部門の排出削減に貢献。冷蔵庫、エアコン、照明等ではトップランナー基準等により機器開発は進展しているが、家庭への普及は途についたばかり。暮らしに関わることなので、国民一人一人が取り組んでいくことが重要であり、業界としても国民行動を促すべく、分かりやすい表示等に取り組んでいく(森下委員)
  • 国民運動の展開には賛成であるが、もう少し、国民一人一人の行動に引き合わせて、イメージの沸く具体的な指標や方法を提示していき、成果を挙げるように知恵をだしていくべき。また、国民の意識改革を行うためには、産業界としても、環境教育や社員を含めた家庭での行動の促進などに取り組むことが重要。また、まちぐるみ、地域ぐるみで環境問題を考え、行動するような方策の具体化が重要(久保田委員)
  • 提出意見を御覧いただきたいが、省エネ製品について、産業界から「民生部門への貢献」ということには疑問。例えば、ポットなどでは、保温の段階でエネルギーを使わないというのは、もともと断熱効果のよい素材を使っておけばよかっただけであって、これでは「貢献」とは言えない。どのように広報、説明をするかを考えることが必要。また、国民の省エネ行動を促進するためには、きめ細かく対応することが必要。例えば、HEMSなど複雑なものではなく、簡単に使用電力量を測れる装置などがよい。(碧海委員)
    →国民行動については、世帯別、地域別等々、どのような主体が目標を達成するためにどの程度のコストをかけることができるかということを試算し、様々な方と議論していきたい。(資エ庁赤石室長)

原単位評価

  • 原単位による評価という考え方に賛成。原単位は国際比較をできる唯一の指標(山口委員、山本委員)

自主行動計画

  • 自主行動計画は2010年目標であり、5年間で評価された結果、目標が達成されていないという指摘を受けるのでは、自主的に取り組んできた甲斐がない。(松井委員)
    →目標達成計画では、他のどのような対策も、政府としては5年間で評価することになる。また、見通し通りに対策が進まない場合に、どのような対策を講じるかは、各対策に共通の課題。(環境経済室岸本室長)
  • 民間が自主行動計画で京都メカニズムのクレジットを償却する場合のインセンティブ(例.既存エネルギー税制の優遇等)を講じていただきたい。(藤委員、山本委員)
    →今後の検討事項にとどまるとの認識。(環境経済室岸本室長)
  • 産業界の自主的取組の推進が大きく打ち出されているが、規制ではないからこそ、透明性、信頼性、蓋然性向上については、大変重い課題であり、結果をだせるかが問われることとなる。(久保田委員)

京都メカニズム

  • CDM/JI活用のための国際ルール運用改善等に政府のイニシアティブを期待。我が国発で新たなCDMモデルを提案していくことも重要。(藤委員、秋元委員、山本委員)
  • 欧州では官民による取引所取引が進展しつつある。C&Tは導入すべきでないが、我が国が国際的に遅れをとらないためにも、取引インフラの整備が必要。法的措置も含め、現物取引を円滑化、適正化するためのクレジット取引のインフラを整備することが必要。(南學委員)
    →とりまとめ案に含んでいるが、書き方に意見があれば相談されたい(環境経済室岸本室長)
  • 新たな環境外交として、京都メカニズムを戦略的に活用すべき。(米本委員)
  • 植林CDMも支援して欲しい(佐伯代理)
  • 現実的な問題として考えれば、政府が京都メカニズムを活用するということは、新税ではないが、財源手当が必要(河野委員)

排出量算定・報告・公表制度

  • 工場毎に排出量を把握するため、工場単位での排出量ばかりが注視される結果、1連携して排出削減をする取組について評価されにくい、2新規事業を実施できず、実質経済統制、生産統制になる、3工場単位では排出が減っていても企業単位では逆に増加している、といった懸念もあり。LCA的視点が必要。(宮副代理、佐伯代理、山本委員)
    →温対法改正案では、事業者は、排出量の報告だけではなく、原単位改善や複数事業所の取組も方向することができることとされている。(環境経済室岸本室長)
  • 化学工業は多種多様な業態から成り立っており、企業秘密の保護について、横断的なガイドラインの作成は困難。既に環境報告書等で排出量を公表しており、こうした自主的取組に任せるべき。(松井委員)
    →企業秘密の保護については、情報公開法における解釈も踏まえ、有用なガイドラインを検討していく。(環境経済室岸本室長)
  • 情報公開は、企業行動を促進するいい面もあるが、弾力性を失わせたり、あらぬ批判を受けるなど、センシティブな問題。どのような部分について、秘匿にあたるか、ということは政府内部でもよく検討するべき。(市川代理)

排出量取引制度

  • 排出量取引については、両論併記となっている。評価が様々あることは承知しているが、▲6%削減が高いハードルであることも事実であり、排出量取引の導入を埒外において削減をできるのか。導入ありきではないが、排出量取引制度は再度慎重に議論すべき。(久保田委員)

技術開発

  • 国際的な動向も踏まえ、焦点を絞って実施すべき。海底隔離などは国際的には実現可能性が低いが、日本は力を入れすぎではないか。(内藤委員)
  • プロセスの技術開発は自らやっていくこととなるが、製品面での技術開発は、需要がないとできるものではなく、こうした面で支援を御願いしたい(山本委員)
  • 技術開発にも様々なものがあり、対策効果等の観点から整理したことはよいが、もう少し大括りで整理した方がよい。また、技術開発についてはリスクもあるので、その点言及したほうがよい(吉田委員)
    →技術については、引き続きPDCAをまわし、フォローアップしていくことが重要。(環境経済室岸本室長)

不確実性と目標達成計画の見直し

  • 本とりまとめに盛り込むか否かは別として、目標達成が困難となった場合の対応は今から議論しておくべき。(山口委員)
  • 本とりまとめは、性善説にたっており、現大綱のように見通しと現実が大きくことなる事態も考えられる。そうなってから対策を検討するのでは遅く、現時点からいざというときに何をすべきかを検討しておく必要がある。(内藤委員)
  • 後生に過度な負担を残さない、という国益中心で検討していくべき。(内藤委員)
  • 本意員会では京都議定書の問題点も議論。もともと相当困難な合意であり、約束達成が困難となった場合の対応は引き続き検討すべき。その際、ポスト京都の枠組みが重要であり、米、中、印が入らなければ意味がなく、人類は温暖化問題に対応できない懸念もあり。こうした議論は封印されがちだが、そろそろ本音で議論する必要がある。(河野委員)
  • 諸外国事例については、日本と同様に目標達成が厳しいと言われているカナダにおける政策状況をもう少し調べるべき。(山口委員)

ポスト京都

  • サミット等の場も利用して、米、中などが参加するポスト京都の仕組みを日本から提案していくべき(内藤委員)
  • 本とりまとめ案は、一義的には目標達成へ向けた対策パッケージということであろうが、それにとどまらず、地球温暖化問題への対応という視点から、必要な対応を検討すべき。さもなければ、将来枠組みの議論の際に問題となる。(市川代理)

原子力

  • 環境と経済の両立の原則を踏まえると、削減効果の大きい原子力の稼働率向上は重要。政府も支援していただきたい。(藤委員、山本委員、秋元委員)

シンク

  • 森林シンクの▲3.9%は国際交渉で勝ち取ったところだが、コストを考えると既存で1トンあたり81ドル、追加的には1トンあたり120ドル必要との試算もあり、コスト面を考えると更に森林シンクで対応することがよいのか、という視点が必要。この点について、関係審議会合同会議で将来に向けてのコメントをしていただきたい(山口委員)

その他

  • 各企業、各個人が主体となった取組を進めるため、モチベーションを保つ方策が必要。例えば企業であれば、一定の削減を実現した場合には表彰することとすれば、CSRの観点から取り組む企業もでていくると考える(内藤委員)
  • 政府が一体となって取り組むべき課題であるのに、環境税などでは足並みが揃っていない。地球温暖化対策推進本部の下の各省会議は、単なる意見交換会ではなく、実効性のある会議とすべき。(内藤委員)
    →御指摘の通り。その方向でいくつかのWGが実質的に活動している(環境経済室岸本室長)
  • 本とりまとめ案の新エネ対策のところでは、バイオマスや廃棄物燃料などが主体となっているのが現実だが、触れられていない。他省庁の担当なのかもしれないが、産業界としてはこうした取組も行っていることから、参考でもよいので、記載して欲しい。
    →バイオマスや廃棄物についても熱利用等では大いに期待しているし、PRしたい。(資エ庁赤石室長)
  • サマータイムについて、中環審や議連もあるが、産構審ではサマータイムについてどのような取扱と理解したらよいのか(吉田委員)
    →今般の需給部会でも指摘があったので、資エ庁としても検討する(資エ庁赤石室長)
  • 政府が率先垂範が進めば、国民に対する影響も大きい。産業界のような自主行動計画を策定し、PDCAをまわして取組をすすめるべき(市川代理)
    →率先実効計画を策定していく。(環境経済室岸本室長)
    →EUの排出量取引制度の問題点等は記載している。自主行動計画のなかでも京都メカニズムを活用できるようにしているし、また御願いをしているところだが、やろうとしていることはEUと遜色ない。いずれにしても国際的に京メカつながっていくので、システムとしては我が国も整備していく必要があり。環境税についても同じ。
    それぞれの国で背景や事情があり、科学的かつ客観的な事実に基づいて冷静に議論すべき。今後の本小委員会に期待。(産業技術環境局齋藤局長)

以上

関連リンク

お問合せ先

産業技術環境局 環境政策課
電話:03-3501-1679

 
 
最終更新日:2005年3月4日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.