経済産業省
文字サイズ変更

産業構造審議会 環境部会 地球環境小委員会(第29回)-議事要旨

日時:平成18年5月17日(水曜日)15時00分~17時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席委員

茅委員長、碧海委員、秋元委員、植松委員、逢見委員、黒田委員、河野委員、鈴木基委員、名尾委員、南學委員、福川委員、松井委員、三村委員、森嶌委員、山口委員、吉田委員、小野田氏(勝俣委員代理)、二瓶氏(鈴木正委員代理)、工藤氏(内藤委員代理)石橋氏(森下委員代理)、椋田氏(山本委員代理)、山浦氏(渡委員代理)

議題

  1. 京都議定書目標達成計画と京都メカニズムの活用について
  2. 京都議定書目標達成計画の進捗状況の点検
  3. 炭素貯留技術について
  4. その他

議事概要

「京都メカニズムの本格活用に関する基本的考え方」について報告

事務局から、資料3、参考資料1に基づき議題1について説明。

委員からの発言は、以下のとおり。

  • 政府のクレジット取得について、1.6%という量の確保も大事だが、同時に適正な価格で取得することも重要。政府の購入単価が明らかになると、売り手に割高なクレジット購入をさせられるおそれがある。
  • クレジット取得についてはNEDOが買取事務を行うが、今後手続き、実施体制を整備していく。具体的には、法律が施行された段階で専門のグループ20数名で事業を開始したい。案件の選定方法は公募によることとしたい。準備でき次第、公募の手続きにかける。
  • CDMという大変いいメカニズムを評価したい。温室効果ガス削減の強力な手段である原子力がCDMに入っていないのは、原子力反対国の意向を汲んで当分は入れない方向で決議されているため。最近各国では、原子力発電の有効利用による温暖化対策の有用性を認識し始めているし、日本でも昨年は発電の30~40%のシェアを占めている。地球規模の温暖化対策、持続可能な開発という点から見ても原子力CDMの実現に向けて努力して頂きたい。
  • 自主行動計画の関係で、政府のCDM事業制度整備に先駆けてプロジェクトを実施している。当年ではフロンの削減で1000万トンという事業を三菱商事と共同で行い、少なからざるコスト・覚悟も要った。日本が地球温暖化問題に積極的に貢献していくのは意味があると思うが、例えば中国などが温室効果ガスの排出枠を課されずに、一方で排出権取引により少なからざる利益を得ていることは納得できないところがある。自主行動計画は確実に実施するつもりだが、現状の仕組みがおかしいのではないかと疑問を持たざるをえないことから、公平が保たれる仕組みを是非導入して頂きたい。
  • 京メカの内容については期待もあるが、まだ不透明な部分もある。国民の税金を使う以上透明・公正であってほしい。
  • リスクの適正な評価、低減について資料を見ると、リスクをゼロにすることはできないと思うが、可能な限りリスクを低減するためにどのようなポートフォリオでやっていくつもりか。

事務局より以下のように応答。

  • クレジット取得量、予算を公表することや、売り手が少ない中で足下を見られないかというご懸念については、それを踏まえて対応していきたい。他方、政府が予算を講じて取得していくので、透明性をもって確保しなければならないという面と両立しなければならない。原則公募として、透明性を確保しつつ競争を図り、リスクをきちんと評価することが必要。情報公開については、クレジットを納入して頂く企業の方が不利な扱いにならないよう、クレジットの量は公表するが、価格は公表しないという扱いを市場メカニズム専門委員会で議論した。加えて、国連の手続きの簡素化、FSの支援等、CDMプロジェクトが盛んに行われるよう引き続き最大限取り組む。
  • 原子力CDMについては、マラケシュ合意で使用を差し控えることとなっている。私どもとしては非常に重要だと考えるので、幅広く国際的な議論を促していきたい。
  • 国際的に公平な制度については、将来枠組に向けて取り組んでいるところ。中国、インド、ブラジルといった排出量が多い国も、次の枠組ではそれぞれの立場に応じて排出量削減の取組を行うような枠組とすることが必要。気候変動の長期的協力の対話の結果がボンから入ってきているので、本日の最後の議題で説明したい。
  • ポートフォリオについては、クレジット取得におけるリスクはプロジェクト実施国・事業者ごとのリスク、CDMの方法論、クレジットの種類などの集中によるリスクなどがあるが、特定の国、事業者、プロジェクトに偏らないように対応するとの趣旨。

事務局から、資料4、5に基づき議題2について説明。

委員からの発言は以下のとおり。

  • 資料の最初に現状の排出量が示されているが、現段階で最新情報として何年度の排出量までわかっているか。
(事務局より)
  • 2003年度の排出量を示している。2004年度は昨年11月に環境省から中間公表されているが、現在政府部内でとりまとめ作業をしており、5月末までに公表予定。詳細については、次回の小委員会において報告をさせて頂きたい。
(委員より)
  • シンクについては自主行動計画より効果が大きいのに、2頁の右欄に記述がないが、どのような対策がとられるのか。
  • 9頁にサルファーフリー燃料の記載があるが、最近注目を浴びているエタノール燃料についてはどのような扱いになっているのか。
(事務局より)
  • 森林吸収源の対策・施策は、右欄に書いていないが、目達計画の別表22頁を参照して頂くと、森林林業基本計画に基づく施策、森林整備等を適切に行うことである。
  • エタノールについては、10頁の供給サイドのバイオマス熱利用308万klの内数である。
(委員より)
  • 機器の普及台数が評価指標として目達計画に掲げられていたが、実際に大事なのは削減量。例えば機器の効率が上がって削減量が増えることもある。
(事務局より)
  • 御指摘のとおり削減量を評価することは重要であるが、マクロ的に分析する必要があることから2007年度の見直しで進めていくこととしており、今年度は各施策ごとにの進捗状況点検作業が中心となる。

続いて事務局から、資料6に基づき議題3について説明。

委員からの発言は、以下のとおり。

  • 温暖化対策は企業にとって気が重くなる話が多いが、炭素貯留はほっとするような話。経産省が今後十数年間で100~200億円投入していくならば、実現可能な話と理解している。茅委員長はRITEでプロジェクトを担当しているが、専門的な立場からの評価を伺いたい。
  • 帯水層というのは水資源の観点からすると、人類の生存のよりどころである。CO2貯留はアクセスしやすいところに行うことになると思うが、そうすると、地下水の取り合いになることについてはどのように考えていくのか。中東などでは、化石水なども掘り出しつつある。今後の検討課題だと思うが、お考えを伺う。
  • 19頁の表では海洋隔離は非常に少ない。物理的ポテンシャルは大きいが、反対の声が大きい。日本でどの程度検討が進んでいるのか、当面実現可能性がないのか、専門家から伺いたい。

事務局より以下のように応答。

(事務局より)
  • 炭素貯留は、まだそのような段階まで検討は進んでいない。まずは、どこに貯留可能な帯水層があるのかを調べていきたい。それが把握できれば、そのような検討ができるかと思う。
  • 海洋隔離についてはMETIの補助のもとRITEで研究を行っているが、基礎的なもので、室内での生物に対する影響評価や、海洋隔離を行った二酸化炭素が海水でどう運ばれていくかを調べるコンピューターシミュレーションなどを実施しているところ。IPCCの特別報告書においても海洋隔離はリサーチフェイズという評価がなされている。

委員長より以下のように応答。

  • 帯水層は非常に深いところにあり、そこに溜まっている水は淡水ではなく、塩水である。地下水として利用するものではない。
(委員より)
  • リビアなどでは化石水を利用している。それしか水がない状況にある。
(委員長より)
  • そのような個別の地域での影響については検討が進んでいない。
(委員より)
  • RITE作成の資料では永久凍土層にも色が塗ってあるが、永久凍土層はフラジャイルであり、こういう地域を使うとすると新たな問題が起きる可能性有り。
(委員長より)
  • これはRITEというよりIPCCが推計したもの。
  • 海洋貯留について、実は地中より先に研究が始まっており、技術的には、かなりのものが出てきている。タンカーに載せて船を動かしながら流すというのが、希釈されて一番良いが、世界的に海洋にCO2を入れることには反対の声が多い。実験を6年前、ハワイ沖で、アメリカ・ノルウェーと共同でやろうとしたが、住民の反対でできなかった。さらに2年後ノルウェー沖でもやろうとしたが、グリーンピースの反対にノルウェーの大臣が乗ってしまい、できなかった。海洋でCO2実験をすることは、技術的にできても実験そのものができない。環境に対する生物影響、ロンドン条約との関係もあり、世の中が理解をもってくれるまで時間を見なければならない
  • 炭素貯留は世界的にかなり現実化している。電力会社等が現実にこれをやろうという計画を立てている。化石燃料にこれだけ依存している現状では、非常に大事。この技術をやると省エネがおろそかになるという議論があるが、そもそもこれだけで温暖化が解決することは全くなく、非化石燃料のエネルギーが世界で優位を占めるまでの補完的な技術である。現状ではまだ値段が高い、特に二酸化炭素の回収のコストが高いのでいかに下げるかを一生懸命やっている。
(委員より)
  • 技術的なことだが、CO2以外に不純成分はあるか。これを採用すれば、脱硫除去もしなくていいのか、そのまま運用できるのか。
(事務局より)
  • 現在、隔離技術は化学吸収法が中心。性能劣化を防ぐため、十分にSOxを除去しておかなければならない。
(委員より)
  • 純酸素燃焼と組み合わせれば脱硫除去は必要ないのではないか。イギリスでは検討中と聞いている。
(委員長より)
  • 純酸素によるプリコンバスジョンについては、アメリカ、オーストラリアでも具体的な検討中。
(委員より)
  • グリーンピースが、この技術について、全面的に反対というわけではないと聞いている。グリーンピースには、石油資本から金が流れているという噂があるが、それを裏付ける話ではないかと思っている。
(委員長より)
  • グリーンピースはもともと、海洋隔離には反対しているが、地中隔離には必ずしも反対していない。

事務局から、別紙「気候変動に対応するための長期的協力の行動に関する対話」(概要と評価)について説明。

委員からの発言は、以下のとおり。

  • 1頁目の2.(1)温暖化対策に加えて、大気汚染、エネルギー保証、貧困対策とあるが、温暖化対策について、全体の中でどうバランスよく見ていくか、資金を配分していくかはあまり議論されてこなかった。どこかでこれを議論する必要があるのではないか。
  • 2頁目の3.(3)EUは究極の目標は2℃、550ppm等の立場で、IPCCでの議論をリードしている。日本として温暖化対策の究極目標をどう考えるか早く議論をする必要があるのではないか。

以上

関連リンク

お問合せ先

産業技術環境局 環境政策課
電話:03-3501-1679

 
 
最終更新日:2006年5月25日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.