経済産業省
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産業構造審議会 環境部会 地球環境小委員会(第31回)-議事要旨

日時:平成18年10月25日(水曜日)15時00分~17時00分
場所:経済産業省本館第1~3共用会議室

出席委員

茅委員長、碧海委員、石井代理(秋元委員)、植松委員、潮田委員、佐々木代理(逢見委員)、角田委員、 早野代理(片岡委員)、寺本代理(勝俣委員)、黒田委員、神津委員、河野委員、福島代理(鮫島委員)、鈴木正委員、片桐代理(千葉委員)、佐々木代理(内藤委員)、名尾委員、南學委員、馬田委員、山口委員、吉田委員、山浦代理(渡委員)

議事概要

  1. 小島産業技術環境局長から開会の挨拶の後、藤原環境経済室長から、資料3、4に基づき温室効果ガスの排出状況、今後の検討の進め方について、資料5に基づき官民の先進施策・対応施策について説明が行われた。
  2. 委員の発言、事務局の応答は以下のとおり。

我が国の温暖化対策全体

  • 目標達成計画に基づく部門ごとの削減目標の数値を確認したい。
    →藤原環境経済室長(以下、「事務局」とする。))産業部門-8.6%、運輸部門+15.1%、エネルギー転換部門-16.1%、業務部門+15.0%、家庭部門+6.0%。
  • 技術による対応をビジネスチャンスとすることが重要であり、いい加減な目標を立てて「守れる」と示すことは許されない。目標達成には、コストを見極め、コストミニマムで達成するにはどうするのかを議論しなければならない。特に、CDM、自主行動計画、あらゆる対策にコストがかかる。どのくらいコストがかかるか、その負担をどうするかを明らかにしていくべき。
  • 議定書発効後、日本が温暖化対策に国を挙げて取り組むよう変わったことは確か。目標達成に向けてどのぐらいきついかがわかる計画、すなわち、ここまではできるがここから先は非常にコストがかかる、ということを明示したものにする。また、目標達成できないときにどうするかの議論もコストを示しつつやるべき。
  • 「環境」とは地球規模の環境を指すのか、国内を指すのか、「経済」とは日本経済なのか。次のステップに入るときには考え方を整理しなければならないと思う。日本の議定書約束の達成のみを前提に議論すると、地球環境に与える影響は少ないが、日本経済に与えるインパクトだけがあることにもなりうる。
  • 「経済や国民生活の活力を過度に制約することなく」とあるが、過度でなければ制約をするということか。
  • 「環境と経済の両立」とはいえ、ある程度のトレードオフは避けられない。限られたリソースで何を選択していくかを考えることが必要。
  • 経済成長など他の政策目標もあり、他の政策ニーズとの調和も考慮する必要がある。
    • →事務局)政策のコスト・効果の分析をして手段を講ずることは極めて重要と認識しており、そうした視点を重視して審議を行って頂きたい。
    • →事務局)仮に国内対策の削減目標が守れなかった場合の議論や、第一約束期間以降のいわゆる「ポスト京都」に向けての議論等についての御意見を排除する積もりは毛頭無いが、一義的には、まずは第一約束期間の目標を達成するためには何をどうすべきかについて、審議を行って頂きたい。
    • →事務局)短期的には制約でも、「長期的・持続的な成長こそ真の成長」だという認識と意思をもって政策を講じて参りたい。
  • 全体で排出量が+8.1%と増えており-6.0%削減は困難だというご説明だが、-14.1%減らすのではなく、森林吸収源・京都メカニズムの-5.4%を差し引いた-8~-9%が国内対策で減らす分であることを認識すべき。
    • →事務局)森林対策分と京都メカニズム分を除けば国内対策は-8.7%分になるため、最近では、政府でもそのような言い方を用いている。
  • 京メカは、国内対策をしっかりやったうえで捕捉するものであるという理解がされているが、省エネ・グローバルという観点からは重要な温暖化対策。国内対策では省エネと技術開発が中心になると思う。それをいきなり「国民の生活の適切なる制約」と言ってしまうのは飛躍がある。
  • 自治体の温暖化対策の取組を支援する手法として、先進自治体の評価・表彰を行う等のソフト面の施策も必要。
    • →事務局)自治体を巻き込み、ソフトな形でインセンティブを与えていくことは、非常に重要と認識。
  • 対策が効果を発揮するまでにタイムラグがある。例えば、産業界で省エネ設備を導入した場合、1~2年後に効果が出る。今は-6%とまとめていっているが、2008~2012年のどの時期にどれだけ減らすという時間軸を含めて検討する必要がある。

中環審との合同開催

  • 中環審との合同開催について賛成。遅きに失したぐらいである。
  • 「過度に制約をしない」というのは適切な制約をかけることを意味する。合同会議では、適切な制約とはどのぐらい幅があるのかという議論が紛糾するに違いない。現時点で産構審は、中環審は純粋に環境のみ考えて経済成長は考慮しないのではないかと考えており、一方中環審はその逆。合同開催により、お互いの認識にもプラスの効果があると期待できるので、合同開催に大賛成。
    • →事務局)両審議会が合同開催し本音ベースでの意見交換・審議がなされることにより、「過度ではない適切な制約」に関する解決の糸口は、これまで以上に見つかってくると思う。
  • 中環審との合同会議では、経団連の自主行動計画はいい加減だ、京メカの活用が逃げのやり方だという議論もありうるが、いろいろ議論するしかない。
  • 意見内容が中環審と違う場合にどうするかという点については、どの会でも意見の違いはある。総合エネ調では、原子力について最後まで意見が対立し、報告書に附帯意見を付したこともあり、いろいろ対応の仕方はあるので、今後の議論を見て進めたい。
  • 産構審と中環審の合同会議に大賛成だが、この会議の倍の人数で審議することになるので、議論が拡散しないよう、論点を絞って審議を行うとか、あるいは細かな点については事前に文書で委員長あてに意見を提出させる等の工夫をして是非実りある議論にしてほしい。
    • →事務局)柔軟な運営方法に努め、円滑な審議が行われるように、環境省とも調整して参りたい。
  • 人数が非常に多い点は、物理的な問題も含め事務局の支援を得て工夫したい。

民生部門・運輸部門

  • 民生・運輸部門がうまくいっていない。先進取組をやれば効果はあると思うが、インセンティブの与え方が重要。インセンティブを与えるにもコストを伴う。国民にコストを正確に示すべき。
  • 資料3-2の自主行動フォローアップについて、大幅に排出量が増大している家庭部門・運輸部門についてはどのような場で政府として議論していくのか。
    • →事務局)家庭・運輸部門については、産構審自主行動計画合同小委によるフォローアップの対象ではないが、目標達成計画全体の見直しの中でそれらの審議も行って頂きたい。なお、運輸部門における自主行動計画のフォローアップ自体は、国交省が行っているものもある。
  • 家庭部門のテレビについてはデジタル放送開始という締切があるので買い替えが進むだろう。一方、その他の家電については締切がなく、引っ越しや故障も頻繁には起こらない。買い替え促進は、そう簡単な話ではない。
    • →事務局)テレビ以外の家電機器についても、買い替えのインセンティブをどのように与えられるかなど、審議頂きたいし、政府としても検討して参りたい。
  • 資料4の家庭部門における用途別の排出量の計算方法を確認したい。動力が増えている理由を具体的に説明して欲しい。
    • →事務局)燃料別にマクロのデータがあり、サンプルデータと調整しつつ分析している。具体的なご指摘については、調査・検討したい。
  • 家庭部門は、基準年比37.1%増となっているが、世帯数も20%ほど増えている。全体の排出量の増加と個々の家庭の努力は別問題だと思う。公営の賃貸住宅で、高い省エネ性能で省エネ家電も予め備えているものの入居を募集したところ、結構流行っていると聞いている。家庭部門を削減する際には発想の転換も必要。
    • →事務局)世帯数の増加についても、分析の際の重要な要素であることは認識。公営住宅の取組も先進的で興味深く、そのようなアイデア・取組を含め、政策の企画に当たっての材料とさせて頂きたい。
  • 元々の削減目標との乖離の大きな家庭・業務部門で今まで以上に努力する必要がある。
    • →事務局)各分野の公平性の視点も含め、審議して頂きたい。
  • 利害関係者の応分の負担が進んでいるか考える必要がある。車の実走行燃費でも、メーカー努力、ユーザーのエコドライブ、交通流対策等、警察庁、国交省の政策も、いろんなところが同じ歩調で推進していく必要がある。業務部門でも、チーム-6%に登録して夏暑い中業務をするところがある一方、町中ではコンビニが冷房中にドアを開放していたりする。関係者の負担の不平等感の解消が必要。
  • 機器の買い替え促進対策について、‘もったいない精神’と矛盾しないことを説明すべき。
  • 民生部門・運輸部門のCO2削減が進まないということだが、排出量=エネルギー使用量×CO2排出原単位として計算される。電事連自主行動計画では2010年までにCO2原単位を20%下げることとしているが、この達成には原子力発電設備の利用率アップ、開発の促進が必要。その他火力発電の熱効率アップにも取り組んでいるが、さらにそれでもうまくいかなければCDMの購入を検討している。
  • 原子力の推進という観点からフルフラット運転が望ましい。ヒートポンプ給湯器の普及など電力負荷平準化につながることへの政策支援があれば望ましい。

京都メカニズム

  • 2005年度排出が+8.1%の状況で目標達成するには、京都メカニズム活用が大きなテーマ。どのように進めているのか。
    • →事務局)今年からNEDOに54億円の予算措置を講じ、「クレジット取得制度」を導入しているところ。また、CDM事業の事業活性化・取引円滑化を目指し、JBIC・NEXI・DBJ・JETRO等の政府系機関を含めた事業者を一同に介し、意見交換・要望受付等を行う「CDM事業・関係者連絡会」を先週設置したところ。
  • 京都メカニズム、吸収源の目標も白紙にして見直すべき。現在吸収源に割り当てられた3.9%削減を費用も考慮せずにしゃにむにやるべきではない。産構審で踏み込めるかは別だが、是非そのあたりの見直しを進めて欲しい。京メカについて、オランダでは削減の5割を京メカで達成することとしていて、さらにEUETSでもCDM/JIで最高12%まで認める案を提出中である。EUETS対象部門の排出量が国全体の5割に当たるのでこれは6%に相当し、国全体としての京都メカニズム依存度は56%となる。これに対して日本は全体の7%ぐらいしかない。これはまったくサプラメントリー論議の対象とはならないことを認識すべきである。
  • 京メカについても、国内対策を精一杯やった最後の収支は京メカを使わざるを得ないというのが現実的な議論である。また、京メカをいつのタイミングで手当するかについて、1.6%という枠にとらわれずに議論すべき。
    • →事務局)京メカ・CDMは大変重要な選択肢と考えている。1.6%の枠そのものについてもご議論頂きたい。
  • 日本が京メカについて本当はどう考えているかを国民に提示するのも悪くない。
  • CDMについては、日本は大きな需用者であり、国際マーケットにも影響を与える話。
  • 経済成長を考慮すれば、目標達成は非常に厳しい。達成のためにどうしても京都メカニズム活用が必須ならば、政府は1.6%に拘らず早くここまで買い上げると言う線を打ち出すべき。また、日本がポスト京都の交渉を主導するため、目標達成が前提と考えるなら、CDM、技術開発が時間的に限界であることを考慮し、ホットエアを買うことすら検討してもよいのではないか。
  • ホットエアは買うべきではない。ホットエアを購入しても誰にもほめられない。単に紙の上での遵守になるだけで世界の排出量は全く変わらないからだ。カナダは日本よりも目標達成が困難であるにも拘わらず政府の達成計画ではホットエアーを購入しないことを明記している。
  • ホットエアを買って消化しても決して悪いわけではない。売る側の国に、今ホットエアを消化させれば、次期枠組でその国は省エネに取り組まざるをえなくなるという効果がある。
  • 日本が削減約束を果たすことと、地球環境への効果は切り分けて考える必要があり、世界規模で削減するには原子力しかない。原子力CDMについて国際的に議論することを日本は主張していくべき。

ポスト京都

  • ポスト京都の日本のスタンスも議論した方が、技術を含め、日本の世界への貢献等の視野も開ける。
    • →事務局)第一約束期間以降のいわゆる「ポスト京都」に向けての議論等についての御意見を排除する積もりは毛頭無いが、一義的には、まずは第一約束期間の目標を達成するためには何をどうすべきかについて、審議を行って頂きたい。それがひいては、次期枠組みの構築に向けて、我が国の国際交渉上の立場をより優位にするのではないかと思っている。
  • ポスト京都について、時間がかかる議論なので、日本の取組の効果が地球全体に占める割合が低いことも認識しつつ、環境と成長の両立を考えながら、目標達成計画見直しのタイミングと同時並行的に日本としてどう考えるかの議論を始めていく必要がある。
  • ポスト京都については、京メカの制度を整備して備えておかなければならない。ホットエアを買ったとしても、売った人もいずれは省エネしなければならないわけだから、意義はある。割り切って強く打ち出していくべき。

その他

  • 資料3-1の4頁、検討スケジュール中の「各分野の排出実態把握・分析」及び自主行動計画フォローアップの進め方はどのようなものを考えているのか。
    • →事務局)自主行動計画の各WGの開催時期は、現在調整中。早ければ11月中に、多くは12月中に開催の予定。
  • 3頁の検討内容について、産業・エネルギー転換の「技術開発、規制等の政策対応別」とは具体的には何を指すのか。
    • →事務局)一般的な施策手法を例示したもの。

局長発言

今我々が考えていることを申し上げる。2005年で+8.1%という厳しい状況の中、誰が費用を負担するのか、経済の成長とどう両立していくのか、2012年に最終的に達成するためには何をすべきかという議論があったが、削減が進んでいない部門、その要因を分析して、家庭部門でも個々の家庭か世帯数か、運輸部門の増加はどうすれば減るのか等、きめ細かな要因分析をやる。その上で誰が負担をするか、という意識ではなく、思い切った発想の転換を交えて、各部門の負担公平化、経済成長との両立の視点から是非ご議論を頂きたい。

3. 最後に、茅委員長から閉会が告げられ会議が終了。

以上

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電話:03-3501-1679

 
 
最終更新日:2006年11月1日
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