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総合資源エネルギー調査会鉱業分科会レアメタル対策部会(第6回)  議事録

平成18年11月7日(火)

議事録

縄田部会長
 ただいまから、総合資源エネルギー調査会鉱業分科会第6回レアメタル対策部会を開催させていただきます。
 今回のレアメタル対策部会の議題は、「レアメタルの需給について<要注視7鉱種>」、「マテリアル・フロー調査の実施について」、「レアメタルの探鉱開発について」、「希少金属代替材料開発プロジェクトについて」、「レアメタル備蓄と主な論点について」、「レアメタル対策部会中間報告における検討課題について」であります。
 ぜひ皆様方から積極的なご意見をいただくようお願いいたします。
 それでは、審議に先立ちまして、本日のレアメタル対策部会の審議に新しく参加いただきます委員の方々のご紹介を事務局からお願いいたします。
朝日課長
 レアメタル対策部会の委員といたしまして、本日初めてご出席された方々をご紹介申し上げます。早稲田大学理工学術院教授の大和田秀二委員であります。
 住友金属鉱山の家守委員の代理といたしまして、金属事業本部副本部長の久保田毅様に参加いただいています。
 社団法人新金属協会会長の竹林委員の代理といたしまして、同協会の専務理事の飛騨様に参加いただいております。
 独立行政法人産総研研究コーディネーターの佃榮吉委員であります。
 社団法人日本自動車工業会調達委員会委員長の山下雅也委員の代理といたしまして、同協会調達委員会委員の大坂朋直様であります。
 慶應義塾大学商学部教授の和気洋子委員です。
 以上、本日、過半数以上の13名の委員にご出席いただいておりますので、総合資源エネルギー調査会令第8条の規定に基づきまして、審議会として成立しております。
 以上でございます。
縄田部会長
 委員及び代理の皆様、よろしくお願いいたします。
 審議に入ります前に、事務局から資料の確認をお願いいたします。
朝日課長
 資料の右上に番号を付してございます。議事次第、名簿、資料3から8までございます。それから、本日、佃委員からご意見をいただきましたので、配付してございます。ご確認いただければと思います。
 それから、メーンテーブルの皆様には、23日に開催されました第5回本部会の議事録(案)を配付してございます。本議事録(案)につきまして、ご意見などがございましたら、11月17日までに事務局までご連絡いただければと考えております。
 審議途中でありましても、資料の不足等がありましたら、遠慮なくコメントいただければと思います。
縄田部会長
 それではまず、議題1「レアメタルの需給について<要注視7鉱種>」及び議題2「マテリアル・フロー調査の実施について」、事務局からまとめて資料のご説明をいただき、その上でご議論をいただくこととさせていただきます。
 まず、議題1から、事務局から説明をお願いいたします。
朝日課長
 資料3と4につきまして、連続して説明させていただきたいと存じます。資料3であります。資料3を1ページ開いていただきまして、前回会議では、レアメタル備蓄の対象7鉱種につきまして、状況を報告させていただきました。今回は、それ以外の、本部会でフォローしております、いわゆる要注視7鉱種の状況を報告させていただきたいと思っております。
 最初の一、二ページに、要注視の鉱種というのは何なのかということについてコメントしてございます。これは、平成12年12月にレアメタル対策分科会におきまして、備蓄は必要ではないけれども、注視し検討を要する鉱種を示しております。その中には、カントリーリスク、生産国集中、対日輸出の集中などから、パラジウム、プラチナ、ニオブ、アンチモン、ジルコニウム、ストロンチウム、希土類の7鉱種、その他IT関連向けということで、タンタル、ガリウムの9鉱種について、要注視鉱種ということでまとめたわけであります。
 2年前の、総合資源エネルギー調査会鉱業分科会レアメタル対策部会中間報告におきまして、プラチナ、希土類、インジウムの3つにつきましては、相対的に備蓄に係る検討の重要性が増したという取りまとめがなされております。それから、ニオブ、ストロンチウム、タンタル、ガリウムの4つにつきましては、引き続き要注視という扱いになっている一方で、その段階で、パラジウム、アンチモン、ジルコニウムについては、代替が可能だということで、その要注視鉱種の中から外したという経過がございます。
 現状、足し算、引き算をする結果、一番下に書きましたような、インジウム、プラチナ、希土類、ニオブ、タンタル、ストロンチウム、ガリウムといったものが、本部会のフォローするところの要注視鉱種になっているわけです。いずれにいたしましても、いろいろな意味で技術革新が進んでおります。多様な市場の変化に応じて、鉱種についてスタディーすることが必要ではないかと考えております。
 2ページに、前回の対策部会の中間報告書の抜粋がございます。これは、今申し上げたとおりですが、四角の中の(4)のところに、レアメタルのリサイクル等に関するデータの把握が困難、生産者、需要者の協力を得て、可能な限り動向の把握に努める必要があるといったコメントも受けております。そういったこともありまして、資料の4でまたご説明しますけれども、現状、マテリアル・フローの調査に取り組んでいるわけであります。
 3ページ以降で7つの鉱種について簡単にコメントさせていただきますので、よろしくお願いいたします。インジウムでございます。インジウムについては、フラットパネルディスプレイ向けのITOの消費拡大ということで、最近、特に注目されるわけであります。電気を通しやすくて透明度が高いという技術性を出せるので、透明電極用のITOとして非常に注目され、日本の技術的優位性という観点からも非常に重要な金属であります。
 2004年の途中から、価格は非常に上がっております。2002年と比べまして、現状も含めまして、10倍、あるいは7、8倍といったオーダーに価格が上がったわけであります。国産の亜鉛鉱石の中から回収された部分もありますけれども、国産の亜鉛鉱石がなくなりまして、最近は、中国からの輸入への依存が非常に目立つようになってきております。用途は、今申し上げたとおりです。代替という観点でいきますと、可能性としては亜鉛の酸化物、スズの酸化物でありますけれども、まだまだ実用化には至る状況ではございません。
 世界と日本のラフな需給状況を書いてあります。世界の埋蔵量、生産量。亜鉛鉱石に含まれるものですから、亜鉛製錬所において、副産物として回収されます。どの鉱山でどのぐらいのものが含まれているかというのは、なかなか正確なデータは取得しにくいということで、大まかな評価しかなされないものであります。また、生産につきましては、中国からの生産が非常に大きいわけでありますけれども、中国の亜鉛製錬所は環境問題を抱えておりますので、そういったところから引き続いて安定的に出てくるのかという懸念もございます。
 4ページに生産量。これはアメリカのMineral CommodITy Summariesのデータですが、少しずつ増えているという数字が示されております。2000年以降の生産データでは、世界の生産量は拡大基調にございます。日本の需給も、ラフな数字になりますけれども、日本の原料供給という観点でいきますと、国内の製錬所での副産物としてとれる部分、それから、2004年、2005年の数字が4ページの下の表にありますけれども、中国からの輸入が増えております。一方で、ITO材については、回収、リサイクルされますので、そういったものも一定の存在になって、700トン規模で日本国内へ供給されているという評価がなされているわけであります。
 5ページに用途、これも多分、ラフな数字になりますけれども、透明電極向けが圧倒的な数字ということになります。価格については、グラフを示しております。これはMetal Bulletinのデータになりますけれども、2004年以降、急上昇しておりまして、現状におきましても、一次のピークと比べますと少し下がっておりますが、いずれにしても、1キロ当たり700ドル、800ドル、900ドル、1,000ドルといったオーダーで推移してきているということであります。
 6ページは、プラチナでございます。有史以来の生産量が4,000トンという、金と比較しても相当希少性が高い金属であります。自動車の排ガス触媒、あるいは、燃料電池の中でも触媒として機能するようですけれども、そういった意味で、非常に特殊な機能を担う金属であります。生産が南アフリカとロシアに集中しまして、2カ国で9割以上ということになります。埋蔵量、供給量のところに記載している南アとロシアで、2005年の生産も南アは170トン、ロシアは27トンということでございます。南アは圧倒的な存在であります。世界の市場規模というのは、足し算してプラスアルファぐらいですから、年間200トンぐらいの供給がなされるという、非常に小さな数量でビジネスが動いているわけです。用途としましては、自動車触媒が現状で5割以上であります。今後、自動車生産が中国、インドなどで増えますと、勢い、自動車の触媒用のプラチナの需要が増えると考えられるわけです。
 7ページに参ります。日本の国内の供給は、輸入で60トン程度と、リサイクルはそれなりの規模でなされていると思いますけれども、必ずしも正確にはじけているわけではございません。60トン程度が海外から入ってきて、その大層は南アフリカから入ってくるということであります。
 日本の需要でありますけれども、内容的には自動車向けが非常に大きくて、装飾も、少し減少傾向ですけれども、一定の存在になっております。リサイクルは、自動車の触媒とか石油精製プラントからの触媒の回収については、地道に行われています。車ごと輸出されるケースなど、いろいろなケースがあります。いろいろな意味で努力を積み重ねることが必要な分野かと思います。価格につきましては、これも多くのレアメタルと同じように、近年、上昇傾向で、2006年5月に1,336ドルというピークに達してございます。
 9ページに、レアアースでございます。レアアースについても、最近、注目される鉱種であります。希土類17種類の元素の総称ということで、四角の中に列挙しております。生産につきましては、ほとんどが中国で、非常に特殊な磁石の磁性とか、蛍光とか、そういった特性がありますので、特殊な分野で非常に重要性が増しております。17元素のうち、最近、注目されますのは、例えば、磁石向けということで、ネオジム、ジスプロシウムがよく話題になるようになってきてございます。
 世界と日本の需給状況でありますが、世界の希土類の埋蔵量は、8,800万トンのうち、約3割の2,700万トンが中国と言われております。それから、注目されます中・重希土を多く含有するイオン吸着型鉱床は、中国の一部地域に限られるということであります。世界の需給は(2)でまとめておりますが、いずれにしても中国が生産の中心で、9割の供給を行います。2005年には12万トンの酸化物換算の生産。10万トン規模の希土類製品の生産がなされたと言われておりまして、その半数が日本、アメリカ、韓国などに輸出されております。一方で、中国におきましても、内需が拡大しておりますので、中国国内の政策としては、加工度を上げて仕事をしていくという方向になっております。そういう意味での、安定供給源としての中国につきましては、十分注目していかなければいけないということであります。
 最近の日本の需給でありますが、要するに、ネオジ鉄ボロン系の磁石については、ジスプロシウムなども添加されるわけであります。それから、ニッケル水素電池用のミッシュメタルについても、非常に重要性が増していると考えております。日本の需要の中の一番下から3列目の焼結希土磁石やミッシュメタルについては、消費量が増えてきているわけであります。
 11ページ、中国の対応ということで、中国政府は内需優先ということで、輸出増値税の還付、これはたびたび話題になる枠組みでありますけれども、輸出する際にかけられる付加価値税をすべて戻すと、輸出品には増値税がかからないということになるわけですが、2005年5月に、レアアースについてはすべて還付なされないということで、輸出増値税がかかるということで、輸出へのインセンティブは減ってきております。輸出許可についても、少し厳し目に運用されていると聞いております。
 価格については、上昇傾向にあります。話題になります、ネオジム、ジスプロシウムなどについては、この表に記述しましたように、2005年、2006年の比較でも7割方上昇ということになっております。その他のCIF価格をベースにしたグラフによりましても、2003、4年で上昇傾向が捕捉されております。
 12ページは、ニオブでございます。ニオブについては、鉄鋼向けということで、少量添加しますと、鋼材の強度が向上するということであります。それから、超電導材料などにも利用されるものであります。
 埋蔵量は17億トンでありまして、その7割以上がブラジルに賦存しております。生産量については、2005年に増加しております。ただ、中身は、生産の9割はブラジルから来るというものであります。我が国の需給のところに記述しましたように、2005年の我が国の輸入量は7,000トンで、ブラジルから9割ということであります。
 フェロニオブの価格推移を記述しておりますけれども、比較的安定しておりまして、若干下がりぎみにデータは捕捉されております。
 タンタルであります。タンタルもIT向けということで、コンデンサの小型化に適した金属であるということで、パソコン、携帯電話に不可欠ということであります。また、非常に硬いということもありまして、超硬工具として利用されるケースもあるということであります。
 世界の埋蔵量4万3,000トン中の9割がオーストラリアに集中するというものであります。生産につきましても、1,900トンのうち、1,200トンが豪州から生産されるということであります。電子部品の小型化などによりまして、タンタル自体の使用量も減少していると確認されております。日本の需給についても、小型化ということもありまして、数量的には必ずしも伸びていないと考えられます。特に、コンデンサの生産がタイなどに海外移転しているということもありまして、必ずしも必要部分ではないというものであります。
 15ページに価格の状況を示しております。2001年ごろ、タンタルの価格が非常に急騰したということを経験したわけですけれども、その後、現在も含めて、少し安定したところで価格は推移してございます。
 16ページはストロンチウムであります。これは、カラーテレビのブラウン管で使われるということで、ブラウン管工場の海外移転に伴いまして、国内需要が減少しております。
 世界の埋蔵量は、スペイン、メキシコ、中国、そういった意味で、特殊といいますか、レアメタルの関係で言うと、普通の国が並んで、上位2カ国に並んでいるように見えるわけであります。
 日本の需給は、今申し上げたように、減少傾向であります。1990年の6万5,000トンオーダーから3万9,000トンと減少してきます。日本の需要の中の大層は、ブラウン管向け、それに次いで、これは磁石などに向かうというものであります。
 価格についても、弱含みで推移し、価格は減少傾向にあります。
 ガリウムであります。ガリウムにつきましては、ダイオード、あるいは、ガリウム砒素半導体といった形で利用され、特に、ガリウムを使った青色発光ダイオードといったものが、非常に重要性を増していると考えております。世界の埋蔵量は、ガリウムはボーキサイトからアルミナを製造する際に抽出される副産物であります。亜鉛製錬の副産物としても回収されます。ボーキサイトの埋蔵量は豊富でありますので、ガリウムについてもそれなりの希望があると評価されております。
 世界の需要といいましても、日本が8割以上ということで、日本の消費量が全体のマーケットのトーンを決めるということであります。175トン程度が2004年に世界で消費されたということであります。
 19ページに、我が国の原料供給などについてのデータを少し示しております。2004年の日本の原料供給を見ますと、輸入は減少傾向であります。国産は、亜鉛製錬所などから少しとれております。リサイクルについては、工程内のスクラップの利用が進んだと確認しておりますが、少し増加中であります。原材料の輸入は、アメリカ、台湾、フランスなどから輸入されております。
 ガリウムの価格であります。20ページに、2001年、2年、いわゆるITバブルと言われた時期がありまして、そのときに急騰して以来、今、価格は非常に安い水準で推移しております。こういった金属についてのデータにつきましては、国際統計もないところでありまして、通関統計などを含めまして、いろいろなところの情報を取りまとめた上で評価しているのが現状であります。
 そういったこともありまして、さらに追加的なデータを得ようじゃないかという活動をしております。資料の4であります。先ほどのレアメタル対策部会の中間報告の中でも、リサイクルの流れが必ずしも統計では追えないということもありまして、いろいろな意味で、マテリアル・フローの調査について強化すべきだという議論がありました。JOGMECにおきましても、マテリアル・フローの調査をやっているわけですけれども、省内の原課、原局と協力しまして、経済産業省全体で取り組む調査として、本年度、取り組んでいるものであります。
 調査の対象鉱種というのは、資料4に記述してありますけれども、今、話題のタングステン、インジウム、レアアースなど、それから備蓄対象鉱種、あるいは要注視鉱種を中心といたしまして、なかなか難しいテーマかと思いますけれども、物の流れから追っていこうじゃないかということで、最終製品の自動車、液晶パネル、触媒、ネオジム磁石、特殊鋼、産業機械といった分野を大まかに選定いたしまして、その流れを追っていくという調査に取り組んでおります。今後、アンケート調査、あるいは、追加のヒアリングなどを行いまして、3月には報告書を取りまとめる計画であります。そういった意味で、今回の議論は、全体を進めているわけですけれども、この調査の結果も踏まえたところで、再度レアメタル対策部会を来年の春には開いていただきたいと事務局としては考えてございます。
 2ページ、3ページに、コンセプトの絵がかいてあります。3ページは、原材料の供給フローということで、国内市場の物の流れと海外市場とのインターフェースも含めたイメージ図を示しております。この中で、とりわけ今年度につきましては、国内のフローについてスタディーをしているところであります。特に、リサイクル回りなど、非常に難しいテーマに取り組んでいると考えております。
 4ページに、タングステンの事例で、物の流れをかいております。大きな流れがラフには捕捉できているわけですけれども、各段階のメーカーさんあたりの状況について、よく理解させていただきながら、リサイクル、あるいはその物流に関する課題などをよく評価していきたいと考えております。
 とりあえず、資料3と4についてのご説明は以上でございます。
縄田部会長
 有り難うございました。ただいま説明がありました内容につきまして、ご意見、ご質問などをいただきたいと存じます。ご意見、ご質問は、お手元のマイクのスイッチをオンにしてください。
大坂代理
 自動車工業会を代表しまして、今日は山下の代わりで参りました。マテリアル・フローの調査ということで、主として、私ども自動車というのが入っているわけですが、これは、このお話に入る前にヒアリングをしていただいた際にもお話をさせていただいたと思うのですけれども、自動車自体は、先ほどの鉄板であったり、いろいろなものに使われていくということもございまして、実を言うと、私どもが実際にどれがどれだけ入っているということを認知しているものは全くございません。
 例えば、マテリアル・フローの一番最後に、超硬工具というのが出てまいります。私どもも多分、タングステンを入れているものを使って加工しているわけだと思っているのですけれども、例えば、私は硬さを認識しているわけですが、これにどれがどれだけ入っていると認知して活用しているレアメタルは、実はどれ一つとってもございません。
 私どもが唯一認識をしているとしたら、プラチナでございます。これは触媒でございまして、今、3元素を除去する触媒として活用しています。プラチナだけではなく、ロジウム、パラジウム等も活用しているわけですけれども、これは、直接投入する量がその触媒の性能に相当大きく影響してまいります。これにつきましては、私どもも自覚症状もあり、入れている量、使用量、またはそのリサイクル等まで、社によって違うところはあると思いますけれども、一応、全部把握しろと言えば、これはかなりのレベルでできると思うわけです。しかし、申し訳ございませんが、その他のものについては、このようなお話をいただいても、協力しないというわけじゃないのですけれども、協力できない状況にあると申し上げた方がいいかと思います。
朝日課長
 有り難うございます。実際今、調査のプレヒアリングなど、コミュニケーションを原局も含めて一緒にさせていただいておりまして、今おっしゃったとおりだと思います。ある意味で機能を買っているという側面がありますので、いろいろな意味でブレークダウンをして、対応できるところで取り組んでいくということだと思いますし、一つ一つの部品についての組成云々ということになりますと、最終的には、部品メーカー、あるいは素材メーカーの仕事になろうかと思います。
 難しいことに取り組んでいるという認識を持っておりまして、そういう意味では、違うときは違うと言っていただくのが一番よろしいかと思いますし、引き続いて調査を進めますので、いろいろな意味でご支援を賜れればと思います。
縄田部会長
 有り難うございます。では、間委員。
間委員
 希土類に関しまして、これだけが元素名でないんです。それで、確かに量的に少ないということはあろうかと思うのですが、中には、レアメタルとレアアースを取り違える人もいることもあります。これの扱いについて、確かに、17種類も一挙に増えると管理が大変ということもあろうかと思うのですが、何が本当に足りないのかということが、最近、大分明らかになってきたわけでありまして、その点を明らかにするという意味では、大変だとは思うのですけれども、これも元素名で示していただいたほうがいいのではなかろうかと思うのですが、いかがなものでしょうか。
朝日課長
 事務局でお答えします。おっしゃるとおりでありまして、我々のレアメタル31というのも、ある意味でラフな定義なのですけれども、そのうちの31番目が17個あると。これは何だというのはご指摘のとおりでありまして、いろいろな意味で、関連の中にも我々もよく咀嚼できていない部分があるわけですけれども、軽希土、あるいは重希土、磁石といってもネオジム、ジスプロシウム云々ということになるわけですけれども、重希土のほうが大変なのではないかと。我々も商売をしていないものですから、実感はなかなかわからないのですけれども、そういう意味では、物ごと、あるいは使われ方ごと、足りない機能といいますか、希土類に依存している機能といったものにフォーカスを当てながら、17個を同じように扱いわけにもいきませんし、そういう意味では、今、何がキーイシューなのかというのは、片仮名の名前にしてしまうと、聞いたこともない元素ということがよくありますので難しいわけですけれども、割合分かりやすいプレゼンテーションということで、努力していきたいと思います。
 ただ、山元サイドで言うとほぼ17種類かと思いますので、そういう意味では、希土類というのをやめて、ネオジムですというわけにもなかなかいかないというのが実情で、よりキーイシューとなっている鉱種が何なのかを、分かりやすく整理していく努力はしたいと思います。有り難うございます。
間委員
 よろしくお願いします。
縄田部会長
 では、中村委員。
中村委員
 それと関連するというか、マテリアル・フローをチェックされるとき、レアアースが入っているわけですが、今言われました17種をレアアースのマテリアル・フローで追うというのは、多分、現実的には負われる方はなかなか大変かなと思いますので、そのあたりで、結果的には自動的に絞られてくるのかなという感じがしております。
 もう1点よろしいでしょうか。マテリアル・フローの鉱種に関しては、非常にリーズナブルかなという感じがしております。あと、マテリアル・フローは、実は我々も個人的に研究対象として追っているわけですけれども、今、自動車工業会さんが言われたように、製品が全然分からないですよね。その製品にどれぐらいそういうのが入っているかというのが、なかなかデータとして表に出ていないものですから、これは自動車だけに限らず、小型の電子機器、いろいろな電子機器系統、家電品も含めて、非常に分かりづらいところがあります。
 ただ、これから先、ある程度そのあたりを詰める努力をしないと、こういう議論が進みにくいかなと思っておりますので、逆に言うと、期待をしております。精度の問題がありますから、どこまで本当にやれるかというのは別問題じゃないかと思うのですけれども、ある程度、こういうところで議論ができるようなデータが揃うと、社会的蓄積という考え方で、それを備蓄とすると、皆さん、無理がありますけれども、全体の議論をするときのいろいろなサポートになるかと思っておりますので、選べる範囲ということになるかとは思いますが、ぜひしっかりとそのあたり、やっていただければと。
 例えば、プラチナなんかも、私は個人的にしか聞いていないから何とも言えませんけれども、今、日本の白金触媒は、一部はもちろん海外に出ていますが、逆に触媒を日本に持ってきて、今、日本で回収している部分も多少あると聞いております。そのあたりの数値的なものがはっきり分かるかどうかというのは非常に難しいかとは思いますが、時間はかかるかもしれませんけれども、明らかにしていって議論をした方がいいような気がしますので、ぜひ、そこら辺は頑張っていただければということです。
縄田部会長
 どうも有り難うございました。
高塚委員
 先ほど、11ページのところで、中国の増値税の件に関してご説明いただいたわけですけれども、先週、その逆行の輸出関税が中国のほうで課税されるということで、時間がたつにつれ、先ほどご説明賜ったごとく、増値税の撤廃というのではなくして、逆風の関税をかけるという形で、110種類ぐらいということで、この部会の中の進捗も考えていかなければならないかなと。それに伴いまして、先ほど来、議論なされていらっしゃいましたレアアースを、17元素の鉱種の中で何を調査するのだということも、確かに、先ほど申し上げました、関税とのかかわりにも関係するかと思いますので、それをもう少し具現的に表現していければなと考えますので、申し上げました。
朝日課長
 有り難うございます。本部会の開催の直前に、輸出増値税の還付はほぼ撤廃みたいな姿になっていくということが中国政府から発表されましたし、今の輸出関税の問題です。これは、まだすべて中国語から日本語にできていない部分もあるのですが、論点の方のペーパーの資料7に、一部を記述してございます。
 輸出増値税の還付をなくしてくる一方で、輸出関税を10%とか5%というオーダーでかけてきているというのは、今年の秋の変化だと思います。そういった意味でのファクトを確認して、次回の委員会などで少し整理したものを報告させていただきたいと思っているのですけれども、いずれにしても、輸出の関税というのは、輸出に対して負担になるようにということですし、ELの発給などの枠についても厳し目になってきていると聞いております。目に見えるそういった枠組みについては、確認、共有させていただきながら議論の材料としていきたいと考えております。有り難うございました。
縄田部会長
 有り難うございます。まだ資料がありますので、次の資料の説明が終わった後で、またご議論をいただきたいと思います。
 それでは次の議題3「レアメタルの探鉱開発について」及び議題4「希少金属代替材料開発プロジェクトについて」、事務局から資料のご説明をいただいた上で、委員の皆様からご発言をいただくことといたしたいと思います。
朝日課長
 資料5でございます。「レアメタルの探鉱開発について」という資料であります。1ページ開いていただきますと、非鉄金属類の探鉱開発は、鉱種ごとに全てのデータがいろいろなところで整理されているわけでもないものですから、なかなか難しいわけですが、非常に多くの金属で価格高騰が起こっておりますので、金属の探査、開発を刺激していることは間違いないと考えております。世界の探鉱予算とベースメタルの価格ということで、ここではニッケル、銅、鉛、亜鉛を示しておりますが、価格の上昇に伴って、探査費のトータルについても上昇してきているということで、資源の獲得ということで競争が激しくなってきているということだと思います。
 一方で、探査、開発を進めましても、開発、生産に至るまで10年ぐらいのリードタイムが必要ですし、資源メジャーは非常に強力な存在であります。右の探鉱予算のグラフに示しましたように、日本の非鉄企業の探査費用を合計しても、大手1社分に満たないという状況であります。そういった中で取り組みを強化していくことが課題じゃないかという議論です。
 2ページ目に、ニッケルと白金族とレアメタル類についての探鉱費の統計といいますか、これはカナダのコンサルタントのデータであります。主要鉱種別探鉱費の推移ということで、左側のグラフですけれども、2001年、2年、3年、4年、5年と、総合計の探査費が非常に増えてきていることが見てとれます。ニッケルについて、4億ドル程度で、400億円を超える水準、白金族についても、200億円、レアメタル等その他の金属分についても3億ドルで、3百数十億円ということになろうかと思いますが、そういった規模で探査が行われているわけであります。
 右のグラフに、会社別の内訳が書いてあります。大手企業がリードしているわけであります。この大手企業以外の部分にも探査専門の会社が一定の規模で探査に取り組んでいるということで、上位5社ですべてということではなくて、探査専門会社のシェアもそれなりにあると見てとれるわけであります。
 一方で、ニッケルなどにつきましては、ここではたくさんの会社があるように見えますけれども、蛇足ですが、ここ最近ではINCO社をリオドセが買うことになりまして、INCOの10%とCVRDの6%が一緒になり、BHPの3%とWestern Miningの6%が一緒になって、これは9%になる。そんな形での業界の変化も絶えず起こっているということであります。
 3ページに地域動向ということで、これもベースメタルと一緒なので、なかなか難しいのですけれども、中南米、豪州、アメリカ、カナダが探査の中心の地域であったわけですが、アフリカや中国、ロシア、CISといったカテゴリーの地域でも探査費が非常に増えてきているということであります。そういった意味では、世界中で物を探す活動が活発化してきていると理解できるものと考えます。
 4ページに、「レアメタルの主要生産者」ということで、鉱種ごとに示せなかったのですけれども、生産者のレベルになりますと上位5社ぐらいで相当な水準まで行ってしまうということであります。ニッケルについては、ここではNorilsk、Inco、BHP BillITon、Falconbridge、今、Xstrata社に買収されたわけですが、そういった意味で、上位の数社で圧倒的な水準になります。クロムについても、上位企業数社で半分を超えるということで、タングステンについては、State of Chinaということで、中国の生産を中国だけで、中国の持ち分と勘定しておりますけれども、こういう意味では、タングステンなどは圧倒的に中国のシェアが大きいという形になっております。
 5ページ、6ページは資源国の動向で、これはいつも出しているものなので恐縮ですが、いずれにしても、5ページの一番下に記述しておりますけれども、中国勢が進出する一方で、南アフリカで新しい鉱業法が成立したり、チリ、ペルーでは、鉱業ロイヤルティ制度ができました。南アフリカでも新しいロイヤルティ制度が導入されるという動きが出てきておりまして、資源国の動きに注目する必要があろうかと思います。
 6ページに、投資先の評価であります。これは、カナダの中立機関、カナダの企業を中心としたサーベイを毎年やっておりまして、資源ポテンシャルと投資環境について評価しております。その状況を見ますと、ここで言いますと、自らの資源ポテンシャルのランキング、国は31しかないわけですけれども、資源ポテンシャルに比較して、相当投資環境が落ちるという評価を、カザフ、ロシア、フィリピン、インドネシア、パプアニューギニアなど、比較的注目されるゾーンについて、厳しい評価が出ております。そういう意味では、投資環境について、まだまだ厳しいものがあるわけですけれども、我々として今回、資源開発に取り組むに当たっては、ある程度のリスクに直面せざるを得ないのではないかと考えます。
 一方で、ここの中で、例えばザンビア、あるいはコンゴ共和国は非常にランキングが低いわけですが、銅、コバルトの生産が拡大しているということもありまして、カナダ勢の会社が多いので、カナダから見たときの評価になるのかもしれませんが、いずれにしても、投資環境、投資リスクに直面した取り組みが求められるのではないかと考えております。
 7ページに、レアメタルの探査って、何を探すのだということになるわけですが、これまでもいろいろな形でお話しさせていただいておりますが、主産物と副産物という関係がございます。左の表に入れましたが、銅、鉛、亜鉛、ニッケル、これは比較的大きな金属になるわけですが、銅について言えば、モリブデン、そのほかに、金、銀、セレン、テルル、コバルト、白金族。ケースバイケースでありますけれども、さまざまなものが分離されますし、亜鉛についても、鉱山で鉛と分離されまして、製錬所では、カドミウム、インジウム、ガリウム、ゲルマニウムといろいろなものがその他、含まれるわけであります。ニッケルについても、コバルト、白金族といったものが副産物として出てくるということでありまして、ある種、ベースメタルの探査と副産物との関係でレアメタルが出てくるということが、一つ重要なファクターであります。
 それから、「世界の鉱種別探鉱費」ということで、右側の表にあるわけですが、金、ベースメタル、ダイヤモンド、白金族、その他と。(注)の欄に、どんなものが「その他」で探されているかというと、モリブデン、コバルト、チタン、タングステン、タンタル、スズ、マンガン、マグネシウムといったものが、非常に件数は少ないですけれども、探査自体は行われているということであります。
 したがいまして、レアメタルの探査というのは、ベースメタルの副産物としてねらっていくことはあり得るわけですが、それ以外のものをねらうというのは、投資機会は相当少なそうだということが見てとれるわけであります。
 8ページ、9ページであります。これは、我が国の活動ということで、ニッケルはレアメタルの一部に入れているわけですけれども、銅について、4割ぐらいの自主開発鉱石ということになっているわけですが、ニッケルについても25%前後というところまで来ておりまして、さらに拡大が見込まれると評価しております。
 9ページに、我が国の企業群の世界への展開というのを示しております。ここでは、鉱山のみならず、フェロアロイの工場、フェロクロム、フェロマンガン、フェロバナジウム、あるいは一部レアアースの加工などの段階も含めて、地図に載せております。南アフリカについて言うと、フェロクロム、フェロマンガン、フェロバナジウムなどの現地事業が進展しております。ニッケルについては、フィリピン、インドネシア、ニューカレドニア、マダガスカルで事業が始まるということですし、中国では、いろいろなレアアース関連の事業など、非常に努力をされておられます。JOGMECの探査開発支援ということでは、カザフ、ブラジル、ソロモンなどで進捗中であります。
 1ページ飛ばしていただいて、11ページに、少し恣意的ですけれども、レアメタル権益に相当するようなものを乱暴にはじいてみたのがこれでして、ニッケルについては、獲得量的なものは25%と。フェロクロム、フェロマンガンについても、2割ぐらいが、そういった我が国の関連したものと評価できるのではないかということであります。
 12ページに、今、各レアメタル単体で物を探すのに、非常に事業機会が少なそうだと申し上げたのですけれども、12ページに示しました、過去、金属鉱業事業団時代から、政府ベースのODA調査をやってきたものを含めまして、こういったものについて探してきたということであります。必ずしも探査は、生産に移行したものは多くないわけですけれども、世界各国でタングステンとかレアアース、マンガン、クロム、ニッケルも含めて、いろいろなところで情報を整理してきた経過があります。そういったものを基礎としながら、今後、プロジェクト化することを考えていくべきではないかということであります。
 13ページは、深海底鉱物資源、これは、将来の話かもしれませんけれども、あえてここに載せさせていただきました。海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト鉱床は、レアメタルを相当含むというものであります。カナダとかオーストラリアの一部企業がこういった鉱床についての権利をとっているという動きも少しずつあります。そういった意味で、将来のレアメタル供給源としては、海洋鉱物資源もあるということでございます。
 今後の課題ということで、資源戦略研究会の流れでございますが、海外探鉱開発の取り組み強化に向け対応すべき課題ということで、課題は、いわゆるベースメタルと基本的に同じであります。資源外交、メジャーとの連携、ジュニア・カンパニーとのネットワークの構築、リスクの高い事業への取り組みが課題となる。技術者、あるいは技術開発も同時に進めるということかと考えます。
 特に、レアメタルの探鉱開発のターゲットということでありますと、15ページに書きましたけれども、モリブデン、インジウム、コバルトなどでは、銅、亜鉛、ニッケルの権益、それから、権益とあわせて、そういったものについての販売権なども確保することが必要ですが、モリブデンなどを想定しますと、中南米を中心とした銅鉱山開発、インジウムについては、南米のボリビアなども含めまして、豊羽鉱山と同タイプの亜鉛鉱山の探査、コバルトについては、低品位のニッケル・ラテライト型鉱床といったものからたくさん随伴しますので、そういったところに注目すると。それから、白金族、レアアース、タングステン、各々、今生産されている以外の地域にもポテンシャルがあるわけでありまして、そういったところをねらった調査を進めるべきではないかと。白金族については、南ア、ロシア以外の地域、アフリカ南部、豪州、ブラジル、カナダ、ロシアといったところに可能性があると。レアアースについては、イオン吸着型鉱床については中国以外では、インドシナ半島のベトナムとかが有望ではないかと。タングステンについては、ロシア沿海州、カザフ、カナダといったところにポテンシャルがあるのではないかということであります。
 いろいろな意味で、その次のページに示したような探鉱開発支援策を活用しながら展開していくことかと思います。
 17ページに、本年度の予算要求を、蛇足ながらつけております。資源機構の交付金、あるいは補助制度、ODAの調査、白金族に関する賦存状況の調査などに取り組むことが必要だと考えております。そういう状況で、レアメタル探査に絞った話になかなかできないのですけれども、非常に難しい事業機会の中で、新しい生産源に結びつくような努力を積み重ねることが必要ではないかと考えております。とりあえず、以上であります。
縄田部会長
 有り難うございました。引き続きまして、資料6につきまして、岩野非鉄金属課長よりご説明いただきたいと思います。
岩野課長
 非鉄金属課長でございます。
 資料6に基づきまして、希少金属代替材料開発プロジェクトのご説明を申し上げます。表紙をおめくりいただきまして、1枚目。これが非鉄金属資源の安定供給確保のための戦略、この6月に、資源戦略研究会で取りまとめられた報告書の中における安定供給確保策の全体の構図でございます。一番最初の緑色の四角の部分が状況認識でございまして、非鉄金属はいろいろな分野で使われているわけでございますけれども、特にレアメタルというのは、ハイテク製品等との原材料として必須であるということで、主な用途は、ここに表がございますけれども、こうしたいろいろな用途に使われていると。
 ただその一方で、その右のほうの資源の偏在という表がございますけれども、レアメタルの多くは、これまでの鉱物資源課長からもご説明がありましたとおり、特定の国に偏在しているといった状況があるということでございます。
 次に、真ん中の左側の緑の四角が、最近の動向としてどんな変化が起きたかということでございますけれども、需要面につきましては、中国等の新たな資源大消費国が出現しているということで、中国は今、資源輸入国になっていると。供給面で言いますと、BHP BillITon、Rio Tinto等の、いわゆる海外資源メジャーというものがますます支配力を大きくしているということ。価格については、皆さんもご承知のとおり、最近非常に価格の高騰、さらには資源ナショナリズムの高騰というのは、こうした動きがあるということでございます。
 右のほうに、図が小さくて見にくくなってございますが、幾つかの鉱物の値段を上げてあります。こうした状況認識、あるいは最近の動きを踏まえて、安定供給価格のための対策はどういうものがあるかというのが、一番下に5つまとめられたものでございまして、これから私がご説明する代替材料の開発というのは、その真ん中の部分に書かれているわけでございます。
 今度、セキュリティー対策をもう少しポンチ絵ふうに、どういう分担があるかというのを示しましたのが、次の3ページのところでございます。横軸は、左側から短期対策から、右に行くほど長期的な対策。縦軸は、上に行けば行くほど上流、つまり、鉱山開発、下に行けば行くほど製品のほうに寄っていくと。こういうふうに考えますと、備蓄というのは、すぐに放出すれば供給力になるという意味では、比較的短期的な対策でございますし、資源開発というのは、上流側の中長期的な対策で、この代替材料開発というのは、製品の方に寄った部分で、技術開発ということでございますので、備蓄なんかに比べますと、中長期的な対策という位置づけになるのかと思っております。
 具体的に、この希少金属代替材料開発プロジェクトは、どのようにして対象鉱種を選定してきたかということが、4ページ、5ページにございます。まずは、ここに公開情報から(1)から(12)まであります。需給リスクといたしましては、供給リスク、価格リスク、あるいは需要リスク、あと、リサイクルの可否、有無。潜在的なリスクで、規制、あるいは危険性といったもの。こうした12項目の公開情報をとりまして、その中から点数化してみまして、まず13鉱種を選定したのが第1ステップでございます。
 その次の5ページで、選定された13鉱種につきまして、主にカントリーリスクの観点から、本当に緊急の課題になるものが何であろうということで、右のほうに、対象元素として3つ丸がついておりますけれども、一番目がタングステン、インジウム、遷移元素、希土類、レアアースというところが対象元素であろうということでございます。注にございますように、レアアースの中でも、将来にわたり供給不足が予想されるものはディスプロシウムだろうということで、元素ベースで言いますと、タングステン、ゲルマニウム、ディスプロシウムという3鉱種を対象にいたしまして、この希少金属代替材料開発プロジェクトを推進するということにしたわけでございます。
 最後に6ページ目が、この希少金属代替材料開発プロジェクトの具体的な概要でございます。プロジェクトの概要のところは、若干重複いたしますけれども、希少金属、レアアースというのは、特殊用途において希有な機能を発揮する一方で、その希少性、偏在性、あるいは代替困難性等から市場メカニズムというのは必ずしもうまく機能しないといった状況があると。その一方で、2つ目のポツにありますように、近年、コンピュータによる材料設計、あるいは、ナノテクによる微細高度制御等が技術的に可能になりましたので、そうしたツールを用いて実際にいろいろと、新たな元素の探索、設計ができるようになると。こうしたことを背景といたしまして、この希少金属代替材料開発プロジェクトを立てたわけでございます。
 この図の右の方にございますように、これは、予算的にはNEDOの交付金でございますけれども、ポイントといたしまして、私ども経済産業省と文部科学省の連携体制をつくってございます。文部科学省側は、文科省のナノテク材料室。あと、そこにJSTの戦略センターがくっつきまして、私どもは、私ども非鉄金属課の中にありますナノテク材料室担当課といたしまして、NEDOのナノテク材料部と一緒になってやっていると。
 具体的には、昨年来、合同で勉強会をずっと続けておりまして、まず、今年度中に公開シンポジウムを開催しようと思っております。それから、レアメタル代替イニシアティブ合同企画委員会ということで、両省共有の委員会を設置し、その下で、この水色の領域Iは文部科学省、領域IIは経済産業省と、2つの研究分野ということでございます。
 右側の領域に、経済産業省のほうは、今までご説明したとおり、対象鉱種をインジウム、ディスプロシウム、タングステンとして、5年後を目途に、具体的な、こうした鉱種を対象として、原単位の改善、できれば代替材料の開発をするということでございます。
 一方、文科省側は、元素戦略と称しまして、より根本的な元素の機能発現の原理、原則を見出そうということで、こちらは同じ5年後を目途でございますけれども、5年後を目途に応用研究につながることを目的として、原理、原則の研究をするといった形で進めていこうということでございまして、私どもの方でやっている研究の中で、どうしてもブレークスルーできないようなところがございましたら、そういうのを文科省側に投げまして、原理、原則に立ち返って研究していただくとか、あるいは文科省のほうで、原理、原則をいろいろ研究していただくものが、後々は私どもの領域IIの具体的な鉱種を対象として、研究の方にもつなげていけるだろうと。こうした形の希少金属代替材料開発プロジェクトを進めていこうとしているわけでございます。
 以上でございます。
縄田部会長
 有り難うございました。ただいま説明がありました内容につきまして、ご質問、ご意見などをいただきたいと思います。なお、資料5、6に限らず、前の3、4に関することでも結構です。
久保田代理
 先ほど、事務局から世界の探鉱についての比較をご指摘いただいたのですが、一つご注意というか、考えたいのは、いわゆる、世界資源メジャーの、既にアクティブな鉱山を持っている会社の探鉱費と、全く鉱山を有していない会社の探鉱費の比較は、考え方によっては非常に大きな違いがあると思います。
 ご例示いただいた各社、各国の費用というのは、ほとんどがもう既にアクティブで活動している鉱山会社が、その周辺の探鉱費も含めて探鉱活動をしているということでございますので、単純な比較にはならないということを一つコメントさせてください。
西濱委員
 メタルの価格がこれだけ高騰していけば、今、このご報告の中では、世界の鉱山に頼るような形なのですけれども、国内鉱山でも、一部復活するところがなきにしもあらずじゃなかろうかという感じはしますが、海外の鉱山の場合は、国際情勢とか、いろいろ絡んできますね。そういう中で、果たしてそれだけ安定供給につながるか。国内鉱山の場合は、少なくても、政情的には非常に安定であると。なおかつ、過去の実績もあるし、鉱種によっては、例えば、亜鉛鉱山の中には、インジウムとかの微量金属とか、例えば、鉛においては、ビスマスとかの鉱石がありますよね。そういうところをもう一度見直すということは、一つの手段としてあることじゃなかろうかという気がします。
 あと一つは、国内の製錬所の活用ということで、廃材、廃棄物関係の中には、かなり濃度の高い有価物が含まれているということで、その辺の活用という面がこのプログラムの中には入っていませんけれども、その辺はどのようにお考えなのですか。
朝日課長
 国内の扱いというのは、かつて、前の金属鉱業事業団の成員などが国内の探鉱の促進、あるいは、広域調査、精密調査、今年度で精密調査については一段落するわけですけれども、一定の活動をやってきたわけです。個々の鉱山が、1985年当時以降、大きなものはどんどん閉山になったわけです。現状の価格設定が、銅の価格で言うと100万円近い、あるいは、亜鉛についても最高値水準でありますから、そういう意味では、経済的な条件は大きく変化したことは間違いないと思います。そういう意味で、国内が、将来にわたって、探査、開発の対象にならないかというと、そんなことはないのではないかと思うわけであります。
 そういう意味では、今も鉱業権を持たれた事業者は多数おられるわけですから、そういった事業者の様子について、私たちとしても、国内で最も安定的な供給源となる可能性がある地域ですから注目はしていかないといけないと。条件設定が変わってきているということだと思います。先ほど申し上げた、国内の深海資源についても、ある意味でパプアニューギニアの海底鉱区をとろうとしているカナダの会社があるとか、いろいろなことが聞こえてまいります。そういう意味では、価格設定、国際価格の状況などが大きく変化しておりますので、そういう変化した環境でどうなっていくのか、我々としても注目していかなければいけない課題だと思います。
 国内製錬所は、リサイクルの関係も含めて考えますと、多分、非常に重要な機能を持っておりますので、今回、次回のテーマにと思って、リサイクル関連は、繰り越している部分もありますので、国内製錬所の機能というのは十分重要なものだと考えますし、副産物としてのレアメタルの生産拠点としての亜鉛の製錬所とか銅の製錬所というのもあると認識しております。
 そういった点については、次回の議論の材料として提供させていただきたいと思っております。それから、久保田さんからの探鉱費の区別は、悩ましいところでありまして、既存の鉱山の周辺における鉱量を追加するような意味での探査費もありますし、そういう意味では、開発に向けて行われている調査も探査でありますし、グリーンフィールドで行われているような、ジオロジストが数名で歩いているのも探査になります。そういう意味では、そのありようの本質的なところ、実態というのは、よく評価していかないといけないというのは、十分考えなければいけないと思っております。
 ただ、探査についての統計は、専門のコンサルタントのようなところがまとめているものしかないものですから、そういった中で得られるものをよく理解することが我々として一番現実的なアプローチになっているということでございます。ありがとうございました。
大和田委員
 今、廃棄物の関連が出て、次回、それに関してという話だったのですが、実は私、次回出られないので、今、お話をさせていただこうかなと思います。
 もちろん探鉱開発というのは当然重要なのですけれども、資源の全体の戦略を考える場合に、今やリサイクルというものは欠かせない状況になってきているのは間違いないわけです。特に、その中で、国内のリサイクルと、海外を巻き込んだ資源循環の2つの視点があると思うわけです。まず、国内の方で見てみますと、例えば、今日ご説明があったようなインジウムなんかの場合でも、今回の資料では、例えば、「工程内ではほとんどリサイクルされていますよ」というふうに書いてあるのですが、実はこれは、スパッタリングターゲットみたいなものはほとんどリサイクルされているわけですけれども、要は、壁面に付着したもののロスとか、エッチングの際の廃液中へのロスといったものは、現状ではほとんどまだリサイクルされていないわけです。多分、それを合わせると、おそらく30%ぐらいのものがリサイクルされていない状況にあると思います。
 それから、レアアースについても、特に、研磨剤としての用途が大きいわけですけれども、これも、研磨した後のリサイクルはほとんどされていないわけです。ですから、そういう意味では、探鉱開発で新たな資源、新たな鉱山を見つけるのも非常に重要なのですけれども、それ以外に、身近なものとして、結構捨てられているものがたくさんあるなというのが、特にレアメタルの場合には感じるわけです。ですから、そういう観点から、もう少し身近で手に入りやすいものをいかにリサイクルして資源化していくかという、それがすぐ製錬に行けるのでしたら、それはそれでいいわけですけれども、実はその前に、どう集めるかとか、どう濃度を高めていくかという前処理みたいなところも入っているので、それと合わせて考えていかないと、リサイクルはきちんと動かないという気がしているので、その辺が一つ重要かなと思います。
 それからもう一つは、海外へ出ていく、特に最近顕著なのは、いろいろな電子機器等々が、東南アジアなんかの関係も含めてそのまま中国に流れています。この場合に、幾つかの東南アジアの例なんかでは、使用して、ある程度おいしいところをとって、最終的にレアメタルの回収技術がまだないところが多いですから、例えば、それらについては、日本に戻しましょうというシステムができているところはあるわけですけれども、一番の大輸出国であるところの中国なんかの場合には、ほとんどそれがないわけです。ここ2、3年ですと、多分、3件ぐらい例はあるんですけれども、ごくわずかです。そういったときに、海外に廃棄物として、これは原料としてのものも当然ありますけれども、出ていった貴重な資源と言えると思いますが、これをいかにもう一度日本に持ってくるのかという、戦略が多分、一つ大事なのかなという気がします。特にレアメタルの場合には、あると言えばあるのかもしれませんけれども、実は日本ですらまだきちんとした回収技術は、これは中村先生のコメントをいただければと思いますけれども、多分、きちんとはないのです。そういう技術開発とともに、日本ではありませんから、当然東南アジアでもそういう技術は今ないので、彼ら自体も困っているところです。
 日本にもう1回フィードバックするルートみたいなものをどうつくり上げていくかという面での資源戦略も大事になるかなと思います。
和気委員
 2点ほどコメントさせていただきたいのは、一つ、今のリサイクルの問題と当然絡む話ですが、マテリアル・フローをどこまで調査できるかという部分で、業界の方がお使いになっている部品、素材の全ての元素レベルまで実態を調査せよというのは、なかなか難しいところだと思うのです。むしろ、研究機関とか大学とか、そういうところの研究を中心にやっている機関を含めて、その辺の知的資源をむしろ活用して、それこそ国家レベルでやるべきことではないか、つまり、産業界だけの問題ではないのではないかと思いますので、是非、大学、研究機関を中心とした資源活用をしていただきたいと思います。
 それから第2点は、価格動向も含めてなんですけれども、レアメタルの国際市場が健全に動いているのかどうかというのが、いまひとつよく分からない。つまり、本当に実需において超過需要が発生して、供給途絶の、文字どおりフィジカルなリスクが直前に迫っているものとそうでないものとを含めて、マーケットのプライシングが需給をそのまま反映したものかどうかというのが、いまひとつよく分からない面があります。つまり、下がっている状況をどういうふうに見るのかというのも含めてなんです。
 そういう市場、あるいはビジネスセクターで起こっている部分を、どの程度まで配慮しながら公的なセクターがこの資源戦略にかかわっていくかというのがすごく重要でありまして、資源開発に支援するということは、それはそれで大きな資源戦略として重要なのですが、それが果たしてどこまで資源セキュリティーのリスクを低下することができるのかつまり、資源開発型でFDI、直接投資をして、現地法人化するわけです。現地法人化した企業は、それぞれの出ていったホスト国の制度、法律の中でビジネスをしなければいけないという制約条件が当然あるわけです。そうすると、必ずしも貿易リスクと自主開発で資源開発型FDIをした結果としての輸入とが、どの程度までリスクがカバーできるのかというのが、いまひとつよく分からない部分があるのです。
 そういう意味で、国際市場のレアメタルのマーケットがどのぐらい市場として健全に、あるいは実情を反映したもの、あるいは供給余力を反映したものという、その辺の情報がもう少し知りたいところなので、今の段階では、そこをベースにした国家戦略を設計していく必要があるのではないかと感じております。
飛騨代理
 今日は代理で出させていただいていますけれども、いろいろと、前回、備蓄の話とか、さらにその備蓄の受益者とは何かとか、いろいろな議論があったようですけれども、先ほど、大和田先生もおっしゃった、リサイクル、リユース等々の面も含めて、私どもは、ここで問題になっておりますインジウムですとか、希土類は17元素ありまして、そういったものにメーカーが加わっておりますけれども、一つのインジウムの問題で、日本の材料の供給の安定性と。中国をはじめ、相当いろいろなところから引っ張ってきていますけれども、日本でITOをつくって、インジウム、スズ合金をつくって、その3分の2が海外へ出ていくわけです。台湾とか韓国とかへ、せっかく日本へ持ってきたインジウムの3分の2が出ていくわけです。
 したがいまして、そういうものを日本だけのリサイクルなり、そういった備蓄なりを考える上で、日本の中だけというクローズなところでそれを考えていいものだろうかというのが、私も個人的な疑問がありまして、ある意味では、何年か前には、価格も相当高騰しまして、逼迫して、相当困惑したのですけれども、結果的には、インジウムの回収が増えたというか、回収メーカーも新たに参入したり、いろいろな意味で供給力は増えていますし、足元では、ある意味では、2、3年前から見ますと、そう大きな逼迫感はないわけです。
 ただ、先ほど来、いろいろなデータでご提示いただいたように、亜鉛の生産量に追随しますので、そういう意味では、亜鉛の生産の成長率と、いわゆるLCDの生産が10倍ぐらいのスピードで立ち上がってきているわけですので、亜鉛自身がそんなに伸びないですから、いずれ10年後には、幾ら備蓄をしていても、そこは結果的にショートするということが言えるのではないかと思っております。ですから、備蓄が必要でないと申し上げているわけじゃなくて、そういう意味で、世界に輸出している、そういったインジウムの金属元素を、いかなる形で――日本を含めて、例えば日韓対台湾とか、そういった中での3国間スキームみたいなものが資源の安定政策として検討できないものかどうかというのが、気になっているところです。
 つまり、日本の企業もいろいろな意味で最近、グローバル化していますので、国内だけではなかなか備蓄の問題、その他資源の安定性というのは議論できないわけですので、かつての一国主義という意味では、他国間でのそういったスキームも、先ほどのマテリアル・フローもそうですし、とりあえずは国内からスタートするということでしょうけれども、いろいろな意味で他国を巻き込むというか、そういった考え方も必要ではなかろうかと。
 つまり、日本の資源の安定確保というか、一方では、結果的に資源の流出があるわけでして、いろいろ安定確保と資源の流出というのが、いわゆる矛盾というか、資源政策の中の1つの矛盾点ではなかろうかというのが、最近気づくところでございますので、そういう意味で、レアメタルももちろん、いろいろな側面があるわけですけれども、そういった観点をぜひスタディーいただきたいと思っております。
間委員
 私どもの関連で、磁石のメーカーのメンバーがおりまして、この中で、ディスプロシウム代替材料プロジェクトについて取り上げていただいて、大変有り難いわけです。ただ、その前の探鉱のところを見ますと、残念ながら、レアアースの探鉱は、今のところ全くない。これは、実はそういう鉱山をやっている会社がない。それはなぜかというと、中国が一手に持っているからという、この製品の構造からして、現状からすればやむを得ないだろうと思うのです。
 ただそれは、なぜそうなったかというと、中国がよその国の鉱山をみんなつぶしたからという経緯があるわけです。それを踏まえますと、では日本で探鉱をするかといったら、それはまた無茶な話になろうかと思いますので、先ほど他国との3国間というお話もございましたけれども、そういうことを考える場合に、以前あったレアアースの鉱山との関連で、ディスプロを考えていただくとか、ということを考えないと、少なくともディスプロのことに関して、探鉱から代替材料、備蓄に行くかどうか分かりませんけれども、そういう一連の流れの対策にならないのではなかろうかと思います。
 特に、是非とも、今のところないという、「今のところ」というところで、是非ともそれについては対応をお願いしたいと思っているところでございます。よろしくお願いします。
朝日課長
 探鉱開発のところだけコメントしますけれども、資料の中に、かつての金属鉱業事業団時代を含めて、いろいろな国で調査しております。政府レベルの技術協力ということもあって、我が国の権益には結びつかなかったケースが非常に多いわけですけれども、ベトナムなど、非常にいいところまでいったプロジェクトもありますし、そういった意味での知見というのは、我が国の探査、開発のコミュニティーには残っておりますので、そういった意味では、そういったものをベースにしながら、次の展開というのも可能性があるのではないかとは考えております。
縄田部会長
 では、落合委員に発言をいただいた後、佃委員から資料をいただいておりますので、それについて、その後にご説明をお願いいたします。
落合委員
 今、レアアースの探鉱の話が出ましたので、若干、ご紹介でございます。
 資料5の12ページに、JOGMECの今までの成果ということで、この中にもレアアースについて幾つか対象鉱種の欄に備考として入っておりますけれども、私どもJOGMECといたしましては、レアアースにつきましても、今現在、東南アジア地域での案件の形成に努めております。具体的に申し上げますと、今年の9月にベトナムに調査団を派遣して、案件の情報を収集しております。さらに、12月にも調査団を出す予定で今、動いております。
 それ以外の、タングステン、プラチナ、インジウム、それから今のレアアースというものが、今年の6月の資源戦略研究会の報告書の中で、戦略的に取り組むべきものということで、取り上げられておりました。私どもとしては、レアアースについては申し上げたとおりですが、例えば、タングステンにつきましては、カザフスタンで地質構造調査を現在、実施中でございます。これは、資料5の15ページで若干触れております。それから、プラチナにつきましても、オーストラリアでのジョイントベンチャー調査を実施いたしますとともに、アフリカでの案件形成ということで、本年6月に、マダガスカル、モザンビーク、ボツワナ、タンザニアに調査団を出しました。11月には再度、タンザニアに調査団を出すということで、案件情報の収集に努めているという状況でございます。
 もう一つはインジウムでございますけれども、これは先ほどから出ていますが、亜鉛の副産物でございますので、亜鉛探査の一環として、インドネシア、メキシコ、オーストラリアで、ジョイントベンチャー調査を実施しているという状況でございました。
 先ほどからのご説明と若干重なりますけれども、最近の動きについてご紹介させていただきました。
 (佃委員) 産業技術総合研究所の佃と申します。お時間をいただいて、ありがとうございます。2枚紙でメモを用意いたしましたので、これをご紹介しながらお話ししたいと思います。資料としては、箇条書き程度で少し雑駁になっておりますが、時間の関係でできなかったもので、お許しいただきたいと思います。
 初めに全体像をお話ししたいと思いますけれども、世界的に海外の資源開発の最上流にあります地質調査所の役割は、現在、非常に重要となっていると考えております。先ほどありましたように、いわゆる資源外交という意味でも、地質調査所という、ある種の、資源開発においては、地盤探査に至る前の段階にある情報収集をやる機関となりますけれども、非常に役割があると思っております。日本としましても、上流から下流までの総合力で対応する必要があるというときに、今日は組織の宣伝に来たわけじゃないのですが、我々にも少し役割があるのではないかというご指摘をしたいと思っております。
 例えば、私の経験で、昨年、ロシアのサンクトペテルブルグで会議に参加したのですが、そのとき、プーチンのおひざもとみたいな、今、プーチンさんが進める資源外交というのがあるのだと思うのですが、そこで言っている、例えば、1773年にできた鉱山大学の学長とプーチンは親しいそうで、そこでプーチンはドクターをもらったそうです。
 そこで会議をやったときに私が目の当たりにしたのは、カナダなんかは、地質調査所の所長以下、研究者、開発会社、その他、あるいは法律家を含めて、彼らは、鉱山法を我々と一緒にやり直しませんかといった態度で来ていたというのが非常に印象深かったです。
 当然今、資料を見ますと、ロシアに対しては、なかなか一般の、日本としては、投資環境は非常によくない状況だと思いますけれども、今までの現状ではとにかく、どこかで蛇口を閉められるとなかなか難しいということもあるのですが、一方で、国としては、長期的視野でそういうこともあり得るのだろうという対応も必要ではないかと思いました。
 それと、人材育成とか、機関間の協力、調査、情報戦略というのは、非常に長期的視野に立ってやる必要があるのだろうと思っています。今ないからすぐ行って、ミッションを派遣して、というよりも、もうちょっと長い視野で、ずっとやり続けて、その中で重要なものを見つけていくこともあまりぶれないようにもしながらやることも、一方で大事ではないかと思いました。
 資源開発については、もう既に皆さんご存じの環境問題とか、開発のガイドラインにおけるイニシアティブというのは、非常に大事だと私どもは理解しております。例えば、EITIと言っている、2003年でしたか、ブレアが主張した、Extractive Industries Transparency InITiative、いろいろな資源開発を透明化しようと。世界銀行なども含めたものがあるのですが、これはもう、かなりイギリスなどは明確に言ってきて、少し格好いいことを言って、破綻した鉱山の開発機関の給料までオープンにしないと、世界銀行はもうお金を貸さないというか、供給しないようなことも、ペルーの会議などに出たときには、そういうことを強く感じました。そういう格好いいことを、日本国としてもいろいろな形で行きながら、トータルで資源を確保することも必要なのかなと思っております。
 環境問題ですが、Small Scale Miningという、金などをとるために、水銀なんかのいろいろな環境問題を起こしていますが、そういったところも非常に、我々サイドは開発に直接というわけではないので、環境問題に貢献しているということであります。
 世界的なレベルでいろいろなことはありますけれども、我々として、皆さんの投資環境をよくするための最重要な情報として、各国の機関と連携して地質図をつくって、実際にクオリティーのいい情報を得るという、いい立場にいると我々は思っております。必ずしも資源のためということではなくて、防災、あるいは環境問題も含めた地質図の整備等を含めて、それはプロが見れば、これは資源に使える情報であろうと考えております。地質学的には、地球の上に境界はないわけで、皆さんと一緒にと、ちょっと格好いいことも言いつつ、大事な情報をちゃんと得るというメカニズムは、先ほど言いました、上流から下流までのいろいろな連携が必要だろうと思っております。我々は、JOGMECさんの金属資源の皆さんと連携するということで、既にお話を始めておりますので、我々最上流にいる立場でいろいろ貢献できればとは思っております。
 世界の地質調査は、非常に強いネットワークがございます。中国などは、1万人以上を抱える大規模な地質調査所がございますが、そこともMOAを交わして、積極的な連携をしております。先ほど言いましたように、必ずしも資源のためということではございませんが、そういう形で進めております。
 意見としましては、繰り返しになることもございますが、海外での資源探査促進のためには、新たな資源発掘の調査、研究が常に必要であろうと我々は思っています。特に、新しいレアメタルなどの鉱床の発見につなげるためには、鉱床の成因、あるいは理学的な研究も含めてやることが、探査の部分につながる非常に重要なことだと思っております。
 意見2でありますが、これも繰り返しになるので恐縮ですが、海外で新たな鉱床を発見するという意味では、彼らが既に持っている情報のクオリティーをちゃんと図れるという意味では、連携が非常に重要であろうと。その上で、政府間のレベルで議論させていただくのがいいのではないかと私どもは思っております。
 意見3でございますが、海外鉱物資源探査、開発の促進ということなのですけれども、探鉱から開発、生産に進むステージの中で、海外においては、探鉱の前段に、資源調査も重要と位置づける必要があるのだろうと思っております。
 最後ですが、長期的支援という意味では、いろいろな海外の技術者の研修とか教育にも積極的に貢献できる、あるいは、JICAのプログラムや資源大学校等との連携もやりながら、国内外の人材の交流をするというのも非常に重要な役割で、これはすぐに結果が出るものではございませんが、日本国としては積極的にこれを活用してやっていったらいいのではないかと思っております。
 以上でございます。
縄田部会長
 どうも有り難うございました。
 まだ資料がありますので、資料の説明後にまた議論に移りたいと思います。
 それでは、次の議題5「レアメタル備蓄と主な論点について」及び議題6「レアメタル対策中間報告における検討課題について」、事務局及び独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構から、資料のご説明をいただき、その後にまたご議論をお願いしたいと思います。では、お願いします。
朝日課長
 資料7でございます。レアメタル備蓄は一つのコアの分野でありまして、主な論点についてということで、資料を提供させていただいております。これまで繰り返しになりますが、資料7の2ページ以降にワークシートを載せております。もともと本部会では、平成18年度以降の備蓄の計画等について確認するという課題を負っておりますので、今回は論点という形で資料を出させていただいております。
 2ページは、既にご案内のとおりでありまして、58年度以来、レアメタル備蓄は、国家備蓄、民間備蓄の2つの枠組みで進めてきております。対象については、制度発足以来、ニッケル、クロム、モリブデン、マンガン、タングステン、コバルト、バナジウムの7鉱種と。民間企業サイドは、民間備蓄に参加いただくとともに、自らその通常の在庫を持っておられます。市場環境に応じて、一定の数量を持っていただいているわけです。実施の体制については、国家備蓄は資源機構、民間備蓄については特殊金属備蓄協会及びその会員の皆様が直接の当事者になっているわけです。
 全体の目標数量でありますが、3ページであります。制度発足以来、特定国から供給が止まっても、他の供給源を探すとか、何とかなるという機関を想定して、60日分を目標としております。7対3の比率になりますので、国で42日分、民間で18日分という大まかな整理になっております。
 一方で、2000年、平成12年の12月に、当時のレアメタル対策分科会で、ニッケル、クロム、マンガン、モリブデンの4鉱種については、当初設定していたものよりもリスクが少し低いのではないかという評価をしておりまして、備蓄水準の削減を提案して、現状、それを自主的に踏襲しております。最低合計30日分以上の備蓄量を持とうではないかという考え方であります。平成12年当時、ニッケル、クロム、マンガン、モリブデンは、この枠に書いたような評価をしております。ニッケルは、輸出国の集中度が低い、リサイクルが進んでいる、7鉱種の中では安定度は高いのではないかと。クロム、マンガンについては、南アの安定といったことを勘案しております。モリブデンについては、集中度は高いけれども、アメリカ、中国、チリといった国から生産されているということで、備蓄水準の削減が可能という判断を2000年12月の時点でしているわけであります。そういう意味では、制度発足以来、ずっと60日で来たものが、2000年12月時点で少し修正した経過がございます。
 4ページ、5ページには、レアメタル備蓄の放出の枠組みについて記述してあります。緊急時放出は、制度の目的でありますところの緊急時供給障害に備えるということでありますので、当初から緊急時の放出を条件として設けられたわけであります。供給障害が発生した、またはそのおそれがあるときに行うものでありまして、民間備蓄は最初に取り崩しが行われまして、国備が最後の手段としての機能を担うわけであります。
 ポイントは一番下に書いてありますけれども、供給量、要するに、物がないという事態に対応するのがそもそもの備蓄の目的であります。当然、価格も高騰しているかと思いますけれども、価格がトリガーでなくて、物がないことに備えるのが備蓄制度の大目的であるということであります。
 それから、次の5ページであります。高騰時売却と平常時売却は、いろいろな政策的な議論を経て導入されているものであります。その後、制度が58年度に導入されまして、非常に厳しい財政状況の中で資金を効率的に使っていく、積み増しをしていくということで、売却制度が導入されました。高騰時売却については、平成3年度、91年に価格が一時的に上がっているといった機会をとらえて、備蓄売却を行うことで、積み増し財源を確保しようじゃないかと。そういうことで、導入されたものであります。そういった財源を確保しながら、備蓄目標の早期達成を図るという考え方でありました。とはいうものの、この2つ目の矢印のほうにありますけれども、最低限、一定の制約があります。最低30日分は確保すること。それを上回ったところで、機会をとらえて売却して、売却益などをうまく積み増しの財源に持っていくという考え方でありました。
 現状、何回か高騰時売却も実施しておりまして、簿価相当分については、買い戻し財源として確保する一方で、利益については利子補給の軽減とか借入金の削減などに活用して、総合的にパフォーマンスを上げるということで活用しております。
 平常時売却につきましては、平成12年度、4鉱種について、先ほど申し上げました備蓄目標の実質的な変更があります。これらの4鉱種については、30日分を実質的な目標といたしておりますので、それを超えた分については、条件があった場合は売却するという枠組みであります。ということで、これは平成12年度の暮れに導入した枠組みであります。販売した場合は、簿価相当分は借入金の返済を行って、一方で利益については、高騰時売却と同じように、利子補給の軽減、借入金の削減に活用してきてございます。
 両制度の違いというのは、高騰時売却は、発動条件がより厳しくて、価格の値上がり状況がより厳しいときに限っております。また、買い戻しを前提としていること。平常時売却については、買い戻しを前提とせず、要すれば、数量を削減しているということであります。
 6ページに今のことを少し整理してありますが、いずれにせよ、平成10年以降、売却の実績がございます。この中には、高騰時売却と平常時売却が混ざっておりますけれども、機会をとらえて、削減する目標がありますマンガンなどについては、16年8月に1万5,000トンという数量を放出した経過がございます。制度の枠組みについては、今申し上げたとおりです。
 7ページは、現状の2006年10月末の備蓄数量であります。コバルト、タングステン、バナジウム、モリブデン、ニッケル、マンガン、クロムといった順番で記述しております。下の4つのモリブデン、ニッケル、マンガン、クロムが、実質30日持てばいいということで対応しているものであります。この中で、例えば、マンガン、クロムなどについては、先ほど申し上げました平常時売却を発動する要件を満たしてきていないものですから、売却の機会がないということで、日数的には30日を上回る数字になっております。21日まで削減可能というのが現状でありますけれども、売却機会がないため、国家備蓄では、そのまま30日、31日といった数量を保持しております。コバルト、タングステン、バナジウムについては、60日目標の中で、高騰時売却をしております。そういった意味では、今後の備蓄数量――目標はさらに高いところにありますので、買い戻しが必要な部分も当然あるわけであります。
 8ページであります。ここは、統計で評価できる、日本国内にあるレアメタルの在庫日数を整理しております。統計から推計したものでありますので、一定の制約があろうかと思います。レアメタルの備蓄制度におきましては、国家備蓄、民間備蓄による枠組みと、いわゆる企業の在庫は別枠であります。異なる位置づけを与えております。そういう意味では、このレアメタル民間備蓄も含めた在庫の日数になっているのではないかと推定されますので、日本国全体で見たときには、民にどのぐらいの数量があるのかがこの表から見てとれまして、鉱種によっては非常に少ないもの、統計的にちょっと理解しにくいような数字の大きいものもあるのですが、いずれにしても、統計からは多くの金属で、数十日、100日弱程度の数字が国内に在庫としてあると評価されるわけであります。そういったもの全体が、リスクのときに機能するということではないかと。
 石油備蓄の枠組みでは、通常在庫を含めた民間の持っている在庫全体を民間備蓄と定義しておりますので、石油備蓄とレアメタル備蓄で少し違った考え方の整理になっているということでございます。
 9ページは、過去の備蓄日数の変化を示しております。少しここ数年、高騰時売却など、あるいは平常時売却も含めて実施してきておりますので、備蓄日数は35日分ぐらいまで減少してございます。
 10ページ、11ページは、細かいのであまり紹介しませんが、10ページの中に、中国の動向ということで、タングステン、モリブデン、マンガン、バナジウム、レアアースといったところに、本年11月輸出関税が導入、あるいは、輸出関税の引き上げを我々も捕捉いたしましたので、記述しております。従前は、増値税還付の還付率が減ってきているといったことを、輸出インセンティブの減少と称してきたわけですけれども、今回、明らかに輸出関税がある程度の比率でかかってきたということに直面しているわけでございます。
 12ページ以降に、論点として幾つかのポイントについてまとめさせていただいております。論点の1であります。備蓄の意義や官民の役割分担についてどう考えるかという、基本的な論点がございます。レアメタルは、非常に幅広い産業に使われていくわけであります。そういった意味で、供給途絶に備えた備蓄を実施しているわけであります。先般の議論の中でも、備蓄の最終的な受益者、あるいは、受益者はだれかという議論がございました。従来、用途として、鉄鋼向けは、現状でも多いわけですが、分野によっては電子産業等での需要も拡大しているような現象も確認されております。
 レアメタルの供給障害リスクという観点で考えたときには、民間が保有している在庫そのもの全体が、そのリスク時に機能するという側面がございます。そういった民間の在庫活動にも意義を与えるべきではないか、これは、石油の備蓄制度等の比較という観点でありますけれども、伝統も違うので、これはいろいろな考え方はあろうかと思いますけれども、リスク時に民間が在庫の形で持っているものが機能するのも間違いないと考えております。
 14ページに参ります。14ページ、15ページは、いわゆる備蓄目標でございます。備蓄目標につきましては、基本的には60日で発足したわけであります。現状は、平均35日持っているわけでありますが、4鉱種については30日と評価しております。現状の供給状況などを勘案したときに、今後どうするべきであろうかと。あるいは積み増しをどう整理していくのかと。当然、60日目標であって、60日に足りていないものについては、機会をとらえて積み増しを行うのは当然の課題になるのではないかと考えますが、いずれにしても状況を踏まえて考えなければいけないということであります。
 15ページに記述しました、コバルト、タングステン、バナジウム――これまでの60日目標の鉱種であります。コバルトについては、電池向けで、マンガン等の代替も一部可能になってきているということもあります。それから、ニッケルは銅の副産物として、ニッケル・ラテライトの鉱床からコバルトの生産量が増えるという見通しもありますし、ザンビア、ザイールの銅の生産が回復する見通しもありますので、コバルトについては、生産量が増えていくという評価があろうかと思います。
 さらに、日本企業のニッケル鉱山などへの権益保有が進むという現象もあります。そういった中で、コバルトの供給リスクをどう評価するかと。それから、タングステンは、今、申し上げましたように、輸出関税の導入なども起こっております。バナジウムについても、南ア依存、中国依存ということでありますが、供給リスクをどう考えるかと。ニッケルについては、権益保有が進んでおりまして、25%、さらに、自主開発比率が上がってくるという見通しにございます。
 そういった中で、本制度の中でどう位置づけていくかと。クロム、マンガンについても、現地のフェロクロム、フェロマンガンのプラントなどが稼働しております。さらに、クロム、マンガンについては、リスクは低下しているのかどうか。
 モリブデンであります。モリブデンは、12年の時点ではリスク低下と評価されております。その後、銅鉱山が減産する中で、副産物であるモリブデンの需給が非常に逼迫したということを経験しております。こういった状況をどう評価すべきかということについても考えていくことが必要であるということであります。
 16ページは、備蓄基準日数であります。レアメタル対策部会のミッションの一つである備蓄計画の設定ということでもあるのですが、我々は今、備蓄日数1日といったときに、どれを基準とするかということで、過去、5年おきぐらいで備蓄のスキームの見直しをしてきたわけですけれども、過去数年間、4年、5年といったオーダーでありますけれども、消費量を基準としてやってきております。この16ページの四角の中に、3つほど数字を出しています。平成8年〜17年の10年間、平成13年〜17年の5年間、平成14年〜17年の4年間ということで、これは、この表で言うところの一番左の欄と比較したものが、この割り算をしたB分のAとか、C分のAとか、D分のAなんです。
 全体で見ますと、ここ最近、非常に増加基調にある鉱種が多いということで、4年をとると一番大きな数字が出てくるような傾向にありますけれども、我々といたしますと、数年というオーダーで、こういった金属類につきましては、設備投資の変動などで大きく変化してきた経過もありますので、一つの考え方としては、4年、5年というオーダーよりも、設備投資の波なども考えて、10年程度で評価するのも一案ではないかと考えて、数字をお示ししてございます。
 17ページは、これまで備蓄の放出については、緊急時放出、これは最後の非常に厳しい供給途絶に相当するような状況でのみ発動する枠組みでありますけれども、それ以外に、高騰時売却、平常時売却の2つの枠組みによりまして、備蓄数量を変化させてきております。ただ、これまでの財源の確保という機能は十分重要な機能だと思いますけれども、備蓄制度といたしますと、緊急時に対応するのが一番の政策課題であります。これを基本とすると。それから平常時売却は、備蓄数量を減らすときには減らすと。減らすことが必要なものについては減らすというように、単純な形にしてみてはどうだろうかということであります。非常に重要な金属であり、目標に向けて積み増したものについては、緊急時に放出するというふうに単純化してはどうかという考え方を17ページにお示ししております。
 18ページは、前回、議論の中でも話題になりました、備蓄物資の形態であります。これは、基本的に国備のサイドの問題であると考えております。タングステンでありますけれども、かつては日本国内にタングステンの鉱石を処理する施設が相当あったわけですが、中国の安値攻勢ということもあって、いろいろな形で産業のあり方が変化しております。そういう意味では、輸入については中間製品のパラタングステン酸アンモニウム塩が主流になってきていると。そういう中で、備蓄物資の中で、タングステン鉱石が非常に多くて、日本国内で処理できるプラントについては、日本国内で1つしかないというふうに変化してきておりますので、緊急時に備えるという観点では、APTなど中間製品にすることを検討しなければいけないのではないかという問題意識が一つであります。
 それから、ニッケルについても同じでありまして、かつての大型のインゴットから小型のショットといいますか、そういった形で産業の利用が進んできていると。緊急時対応を考えますと、利用しやすい形態で緊急時に備えるのが当然の対応ではないかという問題意識であります。こういったことについても、財源が要るわけですけれども、そういったことも勘案しながら、備蓄の形態を変化させていくことが望ましいのではないかという考え方を示したところでございます。
 以上でございます。
縄田部会長
 有り難うございました。
 引き続き、資料8につきまして、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構希少金属備蓄グループリーダーの林様よりご説明いただきたいと思います。
JOGMEC林リーダー
 JOGMECで備蓄を担当しています、林でございます。資料8に基づいて、簡単にご説明させていただきます。前回、平成16年に審議会の中間報告が出ましたときに、私どもの宿題ということで、ここに書いてあるような内容についてもう少し検討しろという課題が出されました。その検討結果をここに書いてございます。
 まず第1は、1ページに書いてありますように、機動的放出のあり方です。これは、緊急事態に陥ったときに、迅速、かつ機動的に放出ができるような体制を準備しろということです。特に、独立行政法人JOGMECという新しい組織になった機会をとらえて、もう一度全体を見直して、それで緊急時放出のマニュアルみたいなものを整備するという課題が出されました。それに従って検討した結果でございます。
 緊急時放出のスキームでございますけれども、1ページの右側の黄色いところに書いてあるのが全体のスキームでございまして、便宜上、右に大きく書いてある第1段階から第5段階の段階に分けて、それぞれの段階で、迅速、かつ機動的に放出を実施するといった形で検討しております。第1段階については、緊急時の発生をいかに的確にキャッチすること。それから、緊急時の発生がどのくらいの障害を及ぼすのかをいかにキャッチするのかがポイントでございます。
 我々JOGMECの海外組織、さらには民間企業の方々の情報を踏まえて、そういった的確な情報把握をしていこうと考えております。第2段階は、まさしく、民間備蓄の取り崩しをまず初めに行うということ。これは特備協さんを中心に、民間備蓄をしている方々が相談して、民間備蓄の放出を決定するということでございます。第3段階に移ってから、我々JOGMECの仕事になってきます。民間備蓄の放出をしただけでは十分に対応できないという判断をした場合に、特備協より我々JOGMECの方に国家備蓄の放出の要請が出てきます。それを受けて、我々は国家備蓄の放出を決定するということでございます。
 2ページでございます。ここら辺から我々の仕事に入ってくるのですけれども、まず一つは、放出を決定して、それから放出をする手続を迅速にやることでございます。簡単に言うと、JOGMEC内部での事務処理をいかに早くやるかというところがポイントになってくるかと思います。いろいろな準備作業がございますけれども、我々JOGMECの中での事務処理は、放出の要請を受けてから、大体1日か2日で決定をして、放出の準備ができるという感じで考えております。特に時間がかかるのは、ここに書いてある、競争入札を行うときの公告、ある一定の公告期間をとらなければいけないので、それに時間がかかるということでございます。
 一番のポイントは、放出が決まった後、倉庫からどういうふうに迅速に備蓄物資が運ばれていくのかというところの第5段階だと思います。基本的には、備蓄物資を運び出すのは、購入をした側の企業ですけれども、物理的な問題をどういうふうに解決して迅速に行うのかというところがポイントになってくるのではないかと思います。
 幸いにも我々、この2年間で、12回ほど通常の売却の経験がございますので、その売却の経験から、どういう点にポイントを置いて迅速にすればいいのかを検討いたしました。特に3ページのところに、今ある備蓄物資をコンスタントに放出した際にどのぐらいの日数がかかるのかというのを計算いたしました。物によって若干多い少ないというのはありますけれども、基本的に、我々が備蓄物資として保管しているドラム缶などに詰めてあるものについては、多分数日のうちに運び出せるかと思います。
 問題なのは、ばら積みということで、石炭のように山になって積んであるクロムとかマンガンなどの搬出については、2けたの日数がかかるということだろうと思います。これは、要するに物理的な問題ですので、いかにトラックを多く手配してピストン輸送ができるかという話とか、遠方の地域では船で輸送する場合がありますので、そういった場合には、船の用船、さらには港での一時保管というのが必要になってくるので、ストックヤードの場所を確保するとか、そういったところが、課題になってくるのではないかということでございます。
 いずれにしろ、こういった過去の売却の経験を踏まえて、幾つかのノウハウを得ておりますので、そういったものを実際の緊急時においてはうまく活用して、つくり上げたマニュアルに従って、迅速にやっていこうと考えております。
 それから、4ページの2つ目の売却制度における課題ということで、先ほどの話にありましたように、現在、高騰時売却と平常時売却という2つの売却制度がありますけれども、作った当時と現在とで、売却の目的、効果等が若干ずれております。そこら辺をどういうふうにするのかというところが、今回、ご審議をいただくような内容につながってくるのではないかと思います。
 高騰時売却は何度か経験がございますけれども、一般の人は高騰時という名前から、価格鎮静効果があるのではないかと見られがちですけれども、なかなかそういった効果が得られなかったということ、それから、本来の目的とは違った状況になっているということが現状ではあるかと思います。
 平常時売却も同じで、売却するタイミングは、価格が上がったときに売却する場合が多く、本来の平常時売却の目的と若干違っていると思います。さらに、我々の備蓄量を低減させるという目的だけであれば、ある意味では、ある程度価格を配慮した形で売却することもできるだろうと思いますし、さらには極端に言うと、売却で赤字が出ても、ほかの売却で埋め合わせができればいいのではないかといった考え方もあるのではないかと思います。そこら辺については、今後の課題、ここでご審議をいただいた方向性に基づいて、また再度、我々のほうで検討していきたいと思っております。
 以上、簡単ですけれども、中間報告の課題について、ご報告を申し上げました。
縄田部会長
 有り難うございました。
 ただいまの説明の内容につきまして、ご質問、ご意見などがありましたらお願いいたします。
松田(英)委員
 タングステンの備蓄の形を変えるというのは、極めて当然の話だと思うのですけれども、具体的に変えるとなると、日本にはもう、これを製錬する工場がないわけですから、どこかに頼んでやるという格好になるのでしょうか。
朝日課長
 日本国内に一つだけ。ただ、自前の原料を処理するのに忙しいという話は聞いております。ただ、そういった施設の利用なども含めて考えて、緊急時に備えるというのがまず、持っている数量としては鉱石が非常に多いものですから、予算措置、あるいは売却益を利用することも含めて考えていくことが課題だと思っています。
北川委員
 今回の分科会のご議論が、前回の研究会の検討結果などを踏まえまして、資源の調査、探鉱開発の段階から、代替材料の開発、リサイクル、それに加えて備蓄ということで、短期、中長期の観点を含めて、非常に総合的に議論されていることについては、大変結構なことだと認識しております。
 その中で、今、ご説明いただきました備蓄についてひとこと申し上げたいと思いますけれども、幾つかの論点を整理していただいておりまして、これは、今後それぞれご専門の方からご高見をお伺いできるんだと思います。特にこの中の論点の1の意義についてコメントさせていただきますと、前回も少し触れさせていただきましたように、この備蓄の意味等を加えて、備蓄の制度運用という問題がパッケージで存在しております。特に、この制度運用の部分につきましては、ここに記載していただいていますように、3対7ということで、民間が3割を受け持って、備蓄している状況にございます。この3の部分はこの民間備蓄協会の立場から申し上げますと、協会のメンバーである産業、あるいは会社という、特定の産業、特定の会社という中で、コストの負担を前提として備蓄されているというものでございます。
 従来、財政措置ということで、ご考慮いただいていたわけですけれども、現在の財政状況の中で、極めて厳しい状況に至っているということでありまして、民間備蓄の観点から、現在の制度、並びに運用を前提としますと、民間の3割の部分の継続が困難だということを申し上げたいと思います。
 備蓄の意義そのものは、国民供給途絶時の経済活動全般、あるいは国民生活の混乱回避ということでありますので、その趣旨、意義に基づいて、原理、原則にのっとった形で、持続可能な安定的な制度が維持できるような民間備蓄のあり方についても議論されて、具体的なアウトプットを得られることを期待したいと思っております。
 それから、若干表現の問題もあるかと思いますけれども、13ページの論点1の一番下の、「<参考>現在の備蓄スキーム」の中の下から3行目に、通常在庫との組み合わせで供給障害発生に備えているとありますけれども、通常在庫、あるいは定常在庫というのは、各企業がみずからの自己責任において持っているもので、備蓄のスキームの中には、基本的には国家備蓄との関係では、コンセプトとして入っていないと私どもは認識しておりますので、そこはちょっとご理解いただきたいと。
落合委員
 今、JOGMECの林からご説明しましたけれども、この3年間で12回の備蓄の売却を経験いたしております。そこで今ご紹介しましたような、いろいろな経験とかノウハウを取得しておりますので、この立場から若干コメントさせていただければと思います。
 今、北川委員から民間備蓄と国家備蓄、備蓄制度とは一体何かというご指摘がございましたけれども、私どもが実際にこの備蓄制度を国家備蓄という形で運用している中で、特に民間企業との間の協力は非常に重要だという認識を持っております。これは、備蓄そのものが民間企業のニーズを最大限に取り込んだ上でやっていくのが一つの考え方でありますし、現実に、緊急放出を行う場合でも、民間企業の協力が必要だということで、国家備蓄と民間備蓄のスキームは崩さないで維持していくべきではないだろうかと思っております。それが第1点でございます。
 それから、資料7の4ページから5ページに、3つの放出スキームが整理されておりますけれども、現実問題といたしましては、高騰時の売却と平常時の売却は、必ずしもその仕分けが明確ではなくなってきているのが実態かと思います。そういう意味では、高騰時、平常時と分けずに、緊急時と緊急時以外という2本立てにして売却制度を考えていったほうが、仕分けとしてはいいのではないかと思っております。
 また、この備蓄数量の削減を目的とした売却でございますけれども、価格設定についても、売却を確実にするという価格設定が必要かと思います。万一売却をすることによって、国家備蓄の面で損が発生するというようなことが起こった場合には、他の売却益で相殺ができるような、柔軟な対応も必要ではないかと考えております。
 それ以外、幾つか今日ご提示があった論点についても、いろいろとコメントはございますけれども、ポイントといたしましては、今申し上げたような点で、我々の経験を生かした形での備蓄制度の運用を是非ご検討いただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
縄田部会長
 いろいろご議論をいただきましたが、特に他に発言がなければ、時間になりましたので、本日の会合を終了させていただきたいと思います。
 最後に、次回の部会の開催について、事務局からご連絡をお願いいたします。
朝日課長
 時間になりましたので、若干だけコメントしますと、民間備蓄、国備体制、民間備蓄の負担といったものの論点について、我々としても、頭の整理をもっとしていくべきと考えておりますので、次回の会合に向けまして、準備をさせていただきたいと考えます。論点の中に記述した事項の一つ一つについて整理させていただきたいと思いますので、次回、さらにこの論点をバージョンアップしたものを議論していただきたいと思っております。
 今日、いろいろご意見をいただきまして、有り難うございました。そういったものについても、論点整理の中で加味してまいりたいと思います。
 次回、第7回のレアメタル対策部会は11月22日で、少し間隔が短いのですけれども、14時から16時までということで、経済産業省第2特別会議室で開催する予定でございます。通知については追って送付させていただきますので、よろしくお願いいたします。
縄田部会長
 どうも有り難うございました。
 本日は、お忙しい中ご出席いただき、また、活発なご議論をいただきありがとうございました。
 本日の部会は、これで終了いたします。
 

――了――

 

最終更新日:2006年12月6日