経済産業省
文字サイズ変更

総合資源エネルギー調査会総合部会(第7回) 議事要旨

日時:平成18年12月7日(木)15:00~17:00

場所:ホテルグランドパレス「白樺」

出席者(敬称略)

委員

黒田部会長、岡村委員、橘川委員、木元委員、河野委員、 柴田委員、田中委員、鳥居委員、内藤委員、橋本委員

省内

望月長官、平工次長、上田部長、岩井部長、舟木部長、 木村課長、上田課長、寺家室長

議事要旨

(各委員の発言概要)

○エネルギー基本計画改定案について

(総論)
  • 現行基本計画が策定されてからの3年間のエネルギー情勢の変化、特にエネルギー・セキュリティの問題、首脳レベルでの資源外交の展開、技術開発の戦略的強化といった内容がよく書かれており、評価。
  • アジア・世界への「貢献」という書きぶりがあるが、我が国が国際協力を行うのは、アジア等に働きかけないと我が国が困ってしまうという切実な事情からであり、これを「貢献」という言葉で表現するのは相応しくない。「主体的な役割を果たす」という書きぶりに統一するか、「リーダーシップをとる」等の表現にした方がよいのではないか。
  • 国際協力は、エネルギー安全保障、エネルギー技術戦略、イノベーションと密接につながっており、論理的な展開を明確にしてほしい。つまり、エネルギー安全保障に係る外交上の重要なツールとして国際協力が使われ、国際協力においては、我が国の強みであるエネルギー技術が使われるということ。
  • イノベーション戦略の中心にエネルギー技術を据えるべき。将来の世界のエネルギー需給を考えると、エネルギー技術の発展は大きな社会的ニーズである。
(安全の確保)
  • 原子力の安全の確保について、国や事業者に関する記載は随所にみられるが、原子力防災訓練を例にとっても、国は年に1~2回しか実施していないが、県では何回も実施している。そうした地方公共団体の取組にも配慮して、特に安全確保に関して地方公共団体も努力している、ということをどこかに分かる形で触れていただきたい。
(省エネルギー)
  • 省エネ投資が市場から評価される仕組みの確立について、企業の価値を高めるような手段として指標(ベンチマーク)を、広聴・広報の一環として、世界の投資家に向けて発信し知らしめていくことが重要。これに日本がリーダーシップをとることが、世界のイノベーションを引っ張ることになる。
(原子力・石炭)
  • 石炭をベースロード電源と表現しているが、原子力の方が、ベースロード電源であり、かつ基幹電源であるという言い方が定着しており、石炭については別の適切な表現に直したほうがわかりやすい。確かに、石炭の関係者は、一定の状態で運転をしているという意味でベースロード電源であると言っているが、基本計画の中で言うベースロード電源とは意味合いが違う。
  • 一般的に、原子力は、ベースロード電源という意味で、基幹電源であるとも言われているので、混同されないようきちんと整理してほしい。
  • 原子力を「基幹電源」と呼ぶか、「ベースロード」と呼ぶかについての意見があったが、「基幹電源」という現行案のままでよいと考える。
  • (第2章第3節1.(8)(1)の)「原子力発電導入予定国への支援等」のところで、「原子力発電を導入しようとする国に対する制度整備のノウハウ支援、人材育成協力、金融面の支援に取り組む。また、CDM(クリーン開発メカニズム)スキームの対象に原子力を加えることについては、平成18年7月に開催された先進国首脳会議(G8)での「確固たる核不拡散、原子力安全及びセキュリティに基づく原子力エネルギーの利用は、世界のエネルギー安全保障、気候変動等の課題の対処に資する」との合意を踏まえ、」と記述が大変充実・強化されており、この表現は最後まで是非変更しないでいただきたい。先月末の原子力委員会が主催した大臣級会議である「アジア原子力協力フォーラム」においても、CDMのスキームの対象に原子力を加えることについて促していくことが合意されている。
  • 日本の原子力発電は、ウランをそのまま燃料として使用するのではなく燃料棒に加工して使用するため、加工工場の確保の方が重要な問題。それらの工場の将来展望について書かれていないため、どこかで言及しておくことが必要ではないか。
  • 原子力について、しっかり書かれており評価するが、国民の理解を深めるための広報にもう少し留意してほしい。計画の中には十分に書いてあるが、実効ある周知徹底がなされるかどうかが課題。
  • 「原子力立国」と書かれることについて異論はないが、原発所在地の住民だけへの周知だけでなく、原子力推進が世界的な動向であることを、消費者に周知するような政策を行っていただきたい。
(運輸部門のエネルギーの多様化)
  • ブラジルの車は5割以上がバイオエタノールだけで走っていることなどを踏まえると、バイオエタノールについては、混合という利用形態だけではなく、もう少し幅広い選択肢で検討してもよいのではないか。
(新エネルギー)
  • バイオマスなど再生可能エネルギーについて重要なのは理解するが、短期的にはコストの問題や資源の不安定性などの問題があり、普及のために解決する課題が多い。長期な視点から、課題解決の具体策を実施していくためのPDCAサイクルをまわして着実に進めてほしい。
(電気事業)
  • 将来及び過去の原子力発電建設に係るコストを電力料金に乗せるのかどうかの検討課題を表現しているのが、(第2章第7節1.(1)中の)「・・・我が国の基幹電源と位置付けられる原子力発電に関連する投資への影響」の部分だと思われるが、もしそうだとすると、「投資への影響」ではなく、「費用の確実な回収」と表現した方が正確ではないか。この部分がそのような意図で書かれたものなのかどうかお聞きしたい。
  • (第2章第4節1.(1)中に)「電力間競争はほとんど生じていないものの」や、(現状十分に供給信頼度が保証されているのもかかわらず)「これまでのところ供給信頼度の低下は見られず」とあるが、敢えて記載する必要があるのか分からない。また、「原子力発電所の停止の影響を除くと二酸化炭素排出量が大きく増加しているわけではない」とあるが、二酸化炭素排出量の増加することと原子力発電所の停止の影響との関係がよく分からない。これらの表現を工夫していただきたくと良い。
  • 現行計画及び改定案の中に、「不正」という言葉が使われているが、基本計画で使用する言葉としては、「透明性」等の言葉の方が適当ではないか。
(地球環境問題)
  • 地球温暖化問題について、政府が閣議決定する基本計画の中に、京都議定書の性格(温室効果ガス排出削減義務国の排出量は、全世界の1/3しかカバーしていない)と将来めざすべき枠組み(米国、インド、中国等が参加する実効のある枠組み)が明確に書いてあり、非常に意味のあること。
  • 2012年以降の枠組みづくりに日本がリーダーシップを取っていくことが重要。
  • 地球温暖化対策は、イノベーションによる経済と環境の両立が大原則。経済に過酷で国民経済に圧力を加えることのないよう、この点をしっかり書いておくことが必要。
  • 「目標のマイナス6%を是が非でも達成する」という考え方と、「目標を達成出来るように努力する」という考え方があるが、実現できるのは後者しかない。理念を掲げる時期は終わっており、日本の実態に即したことをやるべき。
  • 非核3原則の議論がある中、我が国はこれまで徹底的に原子力を平和利用してきたし、核兵器に転用することはあり得ないなどと書いておく必要があると思う。
  • 原子力基本法では、原子力の研究開発やその利用は平和利用に限るとされており、原子力基本法で唱えられていることを何故フォローできないのかと感じており、そのことを記載してはどうか。
(広聴・広報)
  • 広聴・広報については、先ず相手の考えを聞こうという姿勢がなければ、なかなか相手は耳を貸さないので、まず広聴を行うことが重要。
(強いエネルギー関連企業・産業の形成促進)
  • 自主開発比率の目標について、30%という数字を一度降ろしたのに、40%を掲げたことや、JOGMECの出資支援比率を7割から5割に下げたのに、今度は7割5分することについて、基本計画に書く必要はないが、説明をしないと分かりにくい。
  • エネルギー関連企業の競争力強化のために、迫力をもって支援する仕組みづくりが重要。エネルギー安全保障に資するような経営判断をする企業に対して、そのリスクを軽減できるような政策、例えば貿易保険などの仕組みを具体化していくこと求められる。
  • その他にあり得る政策としては、省エネルギー。省エネルギーは国民に対しアカウンタビリティも高く、競争力強化にもなり、省エネルギー技術をうまくODAとからめると上流の資源を確保するコアにもなる。
  • エネルギー関係の特別会計が一般予算に吸収されるが、エネルギーのために使えるような仕組みをつくってもらいたい。
(エネルギーを巡る国際動向)
  • 資源ナショナリズムへの対応について、ドイツモデルとフランスモデルのいずれを採用するかという議論がある。ドイツモデルは自国のエネルギー産業への投資を認めるものであるのに対し、フランスは来年7月の自由化を控えても、あくまでも自国企業の自立を求め、エネルギー自給率を維持しようとする。資源ナショナリズムに対してどのように対応していくのかという議論が欧米では真剣に行われている中で、我が国としても基本路線・スタンスを本気で考えておかなければならない。
  • 金の流れがエネルギー価格の水準上昇につながっているのか、ボラティリティのみに終わるのかについての議論がある。今週ウィーンで、OPECが世界中のファンド等を集めて金融に関する議論を行った。また、欧米の投資家の感覚は非常に速く、長期を見据えている。我が国も、エネルギー分野における金融の持つ意味について念頭に置くことが必要。
  • 市場原理を機能させるために、統計の精度を上げるという議論が真剣に行われている。OECDは、「政策決定における統計の役割」について、来年6月に会議を開き、市場原理が機能するための情報が供与される仕組みになっているかについて議論する。
  • 改定案では、石油では上流や精製等に分けて記載してあるが、世界では上流と化学は儲かるが精製では儲からないため、一本化したビジネスモデルが当たり前になっている。バイオエタノールにしても、世界ではケミストリーとエンジニアリングと自動車の設計がサプライチェーンとして一体化したシステムが動いている。また、省エネルギーについても、冷蔵庫の熱使用量を10分の1にするための開発が行われているなど、まだ開発余地がある。こうした世界の動きを踏まえることが必要。
  • 6月の国際エネルギー経済学会における地球環境について議論の中で、マイナス6%という京都議定書の日本の目標は厳しすぎたという分析が欧州の学者から提示された。(日本が)ポスト京都議定書のコンセプト作成における中核になるために対応しなければならない。その際、アメリカとどのように連携するかも重要。
  • 以上のように、国際的な流れが大きく具体的に進んでいるため、それらを念頭に置いて今後のアクションプランを進める場合に活用すべき。
(事務局)
  • (「国際協力」の位置づけに関する指摘について、)第2章第5節で「エネルギー・環境分野における国際協力の推進」を施策の一つとして位置づけており、その考え方は、「貢献」というよりも、日本にとって技術力・ノウハウは大きな強みで貴重な武器であり、これを戦略的に活用していくべきであるというもので、そのトーンで書いてある。資源確保のところでも、これを活用すべきであると記載している。「貢献」という表現ぶりについては検討したい。
  • (地球環境問題に関する指摘について、)来年度京都議定書目標達成計画の見直しがあり、それと併行してポスト京都議定書の国際交渉が進んでいるなど、今後10年を議論する上でこの問題は非常に重要。改定案においては、2つのことを意識して記述している。1つは、今の京都議定書の枠組みについては、アメリカを始め、中国、インドといったエネルギー需要の多い国が参加していないことから、今後目指すべき枠組みにおいては、これらの国を取り込むべきではないかということである。もう1つは、世界のエネルギー利用効率を上げていくべきであり、これを広げていくアプローチとして、日本の技術力を発揮するアプローチがあるということ。イノベーションという切り口での必要性については十分に記述されていないので検討したい。
  • (原子力の広報に関する指摘について、)原子力だけでなくエネルギー全般の広報についての見直しを庁内で行っているので、ご指摘を反映させたい。
  • (バイオマス等新エネルギーに関する指摘について、)長期的な取組が必要であることは確かであり、PDCAサイクルについても記述を検討したい。
  • (強いエネルギー産業・企業の育成に関する指摘について、)現行計画は、エネルギーの担い手としての企業・産業の位置づけや、特にエネルギー安全保障における強い企業・産業が果たす役割については十分な記述がないため、改定案においては、特に石油については強い企業・産業が必要であると記述した。また、石油だけではなく、石油・電力・ガス・プラントというエネルギー産業の育成を位置づけている。具体策については、書ける範囲で、例えば、原子力については原子力産業の国際展開、石油については上流から下流まで踏まえた産業が必要であるという方向性は記述している。具体的な仕組みづくりについては、これらを踏まえた政策として検討していきたい。
  • 省エネが上流資源の確保に資するという点は、p31にそういう趣旨のことをストレートに記述した。
  • 「基幹電源」は、「ベースロード電源」よりもより重要であるという意味合いを持たせた表現であり、電力供給を支えるメインの電源である原子力を「基幹電源」と表現している。
(部会長)
  • 貴重なご意見ありがとうございました。かなり網羅されているとも言えるが、もう少し強調すべき点もあると思われるので、修文も含めて私に一任していただきたい。
  • これからの具体的な施策については、本基本計画ではなく、これから作成する需給見通しや京都議定書目標達成計画の見直しの中で具体化すべき点も多々あると思う。
  • 今月中旬頃からかけるパブリックコメントにおけるご意見や、本日の意見も踏まえて、必要あるところは修文・加筆させていただくことにするが、改めてどういう形でお諮りするかについては、修文・加筆が多ければ、もう一度ご意見を伺うことにし、持ち回りできるようであれば、ご説明しご了解を頂戴できればと思う。
  • 本日言い足りない点等については、13日(水)までに、文書、FAXで事務局に提出していただければ、可能な限り反映したい。
以上
 
 
最終更新日:2006年12月14日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.