経済産業省
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新流通産業研究会(第2回)-議事要旨

日時:平成19年4月11日(水)14:00~16:00
場所:経済産業省本館2階2東3共用会議室

議題

報告書骨子案について

議事概要

事務局より報告書案につき説明したのち、自由討議を行った。主な意見は以下のとおり。

  • かなり網羅されているとまず思うんですが、ネット通販に対しての行政のかかわりのところの部分がもうちょっと。要するに、データを整理するというようなことではなくて、いろんな問題が起きつつあるわけですね。そこら辺の部分が、垣根を越えて取り除かせながら、消費者対メーカーとか、消費者対消費者のあれができていますから、そこのところがかなり一般消費者に対しては重要な項目になってくるのではないかと思います。そこのところの部分がちょっと不足しているなというふうな感じ方で、まず提案の件に関しましてはそういう認識、ほかは余り問題がないのではないかなという感じがいたします。
    あと、先ほどの部分については、まだ後であるのではないかというふうに思います。
  • 感想ですけれども、先生方を中心とした議論の中で、1つは生産性の改善なり向上なのか、あるいはコミュニティ創造みたいな2つ議論があって、今回は生産性向上というか改善のところに焦点を当てたというようなお話があったと思うんですけれども、恐らく生産性の向上は、コミュニティと「オア」か、どっちかということではなくて、むしろ我々企業としては、「アンド」でいかないと間に合わないのではないかなというふうに実は思っていて、生産性の改善はできたけどお客様がいなくなったということもあり得るのかなと。ですから、先生方の議論は議論として、我々実際に現場でやっている中では、まさに「オア」ではなくて「アンド」でいかないと、という印象というか感想を私は持っております。
  • 全体を通しての感想なんですけれども、消費者の理論で物事を見ていくのか、あるいは流通業の理論で物事を見ていくのかというふうな大きいスタンスの問題があろうかと思うんですけれども、この報告書の中でも、最初に消費市場の変化というふうなことで顧客をとらまえていて、非常にそういった意味ではポイントを突いているというふうに思うわけですけれども、全体のトーンとして感じるのは、消費者の理論で流通業がどうあるべきかというふうなことをきっちりととらまえて、その中で我々は何ができるのか、あるいは行政として何ができるのか、そういった視点が一番重要なのかなというふうに思います。お客様、消費者にとってみれば、流通業の生産性が下がってもオーバーストアになっても、それはお客さんの視点から見ればどうでもいい話であって、もうちょっとお客様の理論で見て、流通業は努力の方向性としてどうなきゃいけないのかという視点がもうちょっと強く出た方がいいのかなというふうなことを、全体のトーンとしては感じました。
    それから、生産性は非常に重要なことなんですけれども、どういうふうにして流通業の生産性をアップさせていくか。消費者は流通業のむだなコストは1円たりとも負担しないわけですから、我々の生産性をどういうふうに上げて、お客様によくて安いものを提供できる仕組みをつくれるかということが、これからの生き残りの観点からの大きいポイントになろうかと思うんです。いろんな形で生産性のアップということが重要だと思うんですが、いろんな施策の前に、やはり流通業にとっては標準化。チェーンストアの観点から言えば、3S主義というふうな言葉がございます。単純化・標準化・差別化というふうな言葉もあるように、標準化された店があって初めて生産性のアップが図られるというふうなことで、標準化が図られるような環境の整備、そういったものを盛り込む必要が、生産性の観点から言えばあるのかなというふうに思いました。以上です。
  • 非常にきれいにまとめていただけたのではないかなと思っています。先ほどの生産性とコミュニティの話は、やっぱり「オア」でいかなければいけないという話なんですけれども、今回、論点ごとにまとまっているのでぶつぶつ切れているように見えてしまうんですけれども、例えば組み合わせる。例えばコミュニティに対して安全・安心情報を提供していくということと、データベースを整理するという話。今、データベースの整理は全部サプライチェーンマネジメントのためのデータベースの整理になっているんですけれども、例えばテスコが、先月だったか先々月だったか新聞で報道されていましたけど、すべての製品にCO2表示をつける、店舗にモノが運ばれてくるまでのCO2表示をつけるということを表明したんですけど、そんなこと日本では多分できないのではないかなと思います。多分そういうデータベースがないからできないし、そんなのを各小売がやれと言われても皆さん困ってしまって、お金がかかり過ぎて調べられないので、例えばそういうデータベースの整理をするときに、一緒にそういうデータベースも整理される。そうすると、生産性のサプライチェーンの話だけではなくて、データベースがコミュニティとか地域への情報提供とかライフスタイル提供の話とも絡むのかなと。
    あるいは百貨店が中国のビザカードみたいな、ちょっと名前がわからないですけれども、それを使えるようにして外国人観光客を誘致するというお話もあったんですけど、これも例えば百貨店単体ではなく、多分サービス産業課さんの方でやっているんだと思うんですけれども、もう少し地域まとまって、外国から人を呼べるような地域活性化策というのをやっていると思うんですけど、それと一緒にやって、百貨店だけではなくてもう少し周りの小売店とかあるいは旅館とか、そういうところと一緒になってもう少し面的な広がりを持ってやるとかいう形で、一個一個の論点はすごくすばらしいので、組み合わせてやっていくと、恐らく生産性も高まってお客さんの満足度も高まるというふうにいくのではないかなというふうに感じました。
  • 読ませていただいて、この1ページ目の一番最初の高齢化のところの「買い物難民」というのは、これは一般的な用語なんですか。難民向けビジネスを我々やらなくちゃいけないのかと思っているんですけれども、「買い物難民」という言い方をよくするんですかね。実にうまい表現だと思うんだけど、一般に出したときにどんなふうに受け取られるか。ちょっと「難民」という言葉自身が厳しい言葉ですものね。だから、とても我々にはよくわかるんですけど、一般の方々からどんなふうな印象を受けるのかなと。私は「買い物難民」に一生懸命売ろうと思っているんですけれども、そういう意味ではもうちょっと違う表現。
    もう1つは、今、流通業は大手さんも含めて、かなりシステム化されて情報化されてきている。これが意外と、例えば一番最後に「中長期的には雇用の国際化についてもそのメリット・デメリットを検討する必要がある」、こういうふうに書かれているんですけれども、例えば外国人に店で仕事をしていただくときに、日本の小売業の中でいろいろ使われている情報機器、外人が使えるんだろうかと。読めないのではないかとか、打てないのではないかとか、非常によくできているけど全部日本語でできているという問題とか、例えば今度は、一方、お店で働いていただくと同時にお客様にもなるわけですし、そのお客様に向かって日本語のレシートしか出せないとか、日本語のレジ表示しかできないとか、非常に日本語というのは独特の言葉であるために、なかなか、私、これは直接見たわけではないんですけれども、ヨーロッパですかね、レジスターで、フランスにドイツのお客様が来るとドイツ語で表示できるというようなシステムがもう既に動いていますね。それから、ドイツ人が仕事をすれば、ドイツ語でシステムが表示されて動くと、こういうものが動いていますが、日本は、独特の、日本の中だけで動くシステムで今実態は動いているのではないのか。
    さらに、国際標準化というのも非常におくれているのではないのかなという気がするんですね。この辺をちゃんとやっていかないと、実際にはこういう問題は全部対応できないのではないのかなと。流通産業論というより流通システム論、この辺のところをしっかりしておかないと、将来のいろんなことに対して対応できないシステムになっているのではないかなと。私はその辺のところを非常に強く、これを読ませてもらいながら感じましたね。これは私の感想でございます。
  • 事前の議論に参加をさせていただいておりますので余りコメントはないんですけれども、未来志向でいいのではないかなと思っておりますし、あと、バランスがいいなというふうに思っています。特に国際社会の中での位置づけというのをきちんととらまえているので、そこは賛意を表したいと思います。
    特にバランスがいいなと思いますのは、やっぱり役所の研究会のペーパーですので、企業価値の持続的向上というものと社会インフラの側面というのは、当然のことのように入れるべきだと思うんですね。企業価値の持続的向上のためには、消費者のニーズを見るのは当然のことだし、生産性の向上も当然のことですよね。それを大前提として書かれているということに、私は共感を非常にいたしました。
  • 全般を見させていただいて、非常によくできていると思います。ただ、私は個人的には、この中で情報の共有化ということをもう一歩突っ込んで、私ども、この間もお話ししましたように、セブン&アイというホールディングカンパニーを立ち上げて、イトーヨーカ堂、セブン-イレブンを中心としてシステムを統合するだけでも大変なんですよね。これを情報の共有化というもとで、日本国としてどの部分までを企業がして、これから、今していますEDI、GDS、PFIDを含めてどの部分を共有化できるようにするかというのは、国の方できちっとリードしていただくのがいいのではないかなと。各POSシステムにしても私どものシステムにしても、結構莫大な費用をかけているものですから、これはどこの会社でも同じだと思うんですけれども、その中で情報の共有化をどう図っていくかというのは非常に難しい問題だと思っております。実感として、我々の小さいグループをするだけでもそう思っておりますので。
    これを全体に見させていただいて、企業側と消費者、企業側と労働者というか働く人との間が、あるときには企業側に立ったり、あるときには消費者側に立ったり、例えば5ページの高付加価値化の(1)なんですけれども、「高齢者や働く女性など顧客のライフスタイルに応じて、旅行、育児、教育、健康医療、資産管理、金融等の各種サービスを総合的に提供。」と書いてあるんですけれども、これは書いてあるとおりで、企業側にとっては総合的に提供なんですけれども、今これを言っていたら、我々は始まらないといいますか、これを個別に詳細に提供することが大事なのであって、「総合的に」というよりも、やはりこれは個別的に突っ込んでいく、そういうとらえ方をするべきなのではないかなと。
    それから労働力の確保なんですけれども、今言われていますように、正社員化ということが非常に美辞麗句のように言われていますし、私どもも、それについてステップアップ作戦ということで努力をしております。だけど実際問題としては、パートで働く方々の中の、要するに定期的にずっと雇用してほしいという意欲のある方は、エキスパート社員とかいろいろな形で各社努力していますし、正社員へ登用することをしていますし、実際に実施しています。でも、今度の厚生年金問題も含めてそうなんですが、実際は、今の自分の可能な時間に、曜日に、好きなスタイルで働きたいという方が圧倒的に多いんですよ。その人たちを強引に正社員化、正社員化といっても無理なのであって、その人たちを正社員化ではなくて、おのおのパートの労働力としていかに戦力化し、生産性を上げるような仕組みをつくるかということの方が大事なので、どの文章を見ても正社員化、正社員化と言っているんですけれども、実際は正社員を望んでいるパートの方というのは、もうアンケートをとってもごくわずかなんですよ。そういうことをもう少し考慮していただけたらなと思います。以上です。
  • 全体的に見させていただいて、大変すばらしくて、さすがに経済産業省の皆さんだなと、あるいは学者の皆さんだなという感じで、私も感激しながら読ませていただきました。
    ただ一部に、1ページですかね、私ども地方に住んでいますので、地方中心のまちづくりというのはどの文章にも出てくるんですけど、現実にきょうのトータルですと、効率的な小売業とは相反するもので投資効率に合わないんですね。この辺のところは、もうお別れするかどうするかという部分に関しては、しっかりいかないと地方はなかなかいい意味での活性化というのが、中途半端な形で実際の生活者としてのニーズには合わないような感じがしていますので、非常に難しい問題だというふうには思いますけれども、もう一工夫、地方に住んだ中で考える必要もあるのかなというふうに思います。それと、3番目の人材難の確保。今、亀井社長の方からもありましたけれども、2~3年前までは、確かにフリーターとかニートという形で、我々企業も若い人材を確保できたと思うんですけど、ここ2~3年、急速に大手も若い新卒の採用を大量に採って、小売業になかなか回ってこなくなってきたということが事実だと思います。そういう中で、2~3年前には営業の時間の延長がまだできたという形ですけど、だんだんこの辺に関して、小売業の社会的なレベルが低いというふうに見られる中で、優秀な人材の確保と営業時間の効率性、いわゆる環境問題もあるでしょうし、もろもろ少し見直してもいい時期に来るのかなというような感じもしていますので、その辺のところもお願いしたいなというふうに思います。
    また、ちょっと私ども中国からの物流をやっていますので、物流のことを触れてきていますけれども、確かに税関に関して、今、法律が段ボール1つの中で1つの企業だというような形になっているんですけど、できればその辺の解釈を、大きなコンテナ1つが1つの会社で受ければいいというぐらいに解釈すると、相当大きく変わるわけですね。向こうで段ボールの中に行く先を書いたりという、物流に対しての効率化が物すごく進むんですね。ぜひアジアでのこれからのお話もあるということですので、ちょっとした発想の中で、私ども向こうでやれるような形になっていますけれども、もっともっと日本の部分で、流通に係る経費というのは大体3%から、かかっているところは5%ぐらい物流費にかかっているというのが、効率が上がると収益性も増してくるのではないかというふうに思っております。
    総体的には非常に立派なものだというふうに思っております。
  • 情報とか物流とか共有化が必要だと。情報ということは物流システムに使われたりすることが多いんですけど、実は共有化といっても、企業にとって差別化要因だったんですね。物流もそうなんです。みんな物流で差別化するというけど、考えてみたら、大型店全部一緒になって物流をやったら物すごく効率的ではないかということはあり得るんです。その点いかがですか。そういうことが今非常に求められているのか。やはり差別的手段として重要なので、そこまではいきたくない。皆さん共有化というと、どこまですればいいかというのは非常に難しい問題が絡んでいるんですが、ちょっとその辺について。

    →今までの日本経済において小売業というのは競争社会でしたし、差別化をすることが重要でした。これからも商品とかサービスでは差別化というのを続けていかなければいけないと思いますけれども、情報ということについては共有化すべきだと。私はよく言うんですけれども、今までは小売業が主体となって売り場をつくっていたんですけれども、私どもが顧客の情報を持っているわけで、その情報をメーカーさん及び物流業者さんに与えて、御一緒して売り場をつくる時代ですし、日本国としてやはり社会的ロスをなくすには、川上から川下まですべて情報を提供して、情報を共有化してむだなロスをなくして生産性を上げていく、リードタイムを短くするという工夫がなされなければいけない。
    1つ具体的な例を挙げるなら、物流のパレット1つについても、これは共通化したらどれだけ効率が上がるかということは火を見るより明らかでして、あらゆることで情報の共有化というのは、今後は生産性を上げるために企業としての枠を乗り越えて、我々も差別化するところと情報を共有化して社会的ロスをなくし生産性を上げるというところの線引きをどうとるかが一番大事だと思っています。

  • 今、物流のことが出ましたね、そのとおりだと。効率化と。要するに統合した場合、一番最初にメリットを出さなきゃいけない、出るであろうというのは物流のところなんですが、これが一番の原材料のところから、メーカーさんのところから、全部さかのぼってどこの時点で集約化をするかとか、分散したやつをどう統合するか。そして、それを機関でどう運ぶか、そしてまた分散するかとか、これが例えばビールメーカーさんですと非常にアイテムが少ないわけですね。ところが飲料ですと、年間に1,000アイテムが新商品として出てくる。そうしますと、アイテム数が少ないビールメーカーさんですと、メーカーが出荷したときには1台が満杯になってくるわけですけど、アイテムが多いところですと、なかなかそれが満杯にならない。そしたら、どういうところと組み合わせて、軽いところ、ラーメンを上に積むかとか、いろんな組み合わせが、地道な努力の部分が必要だという部分で、これが一番メリットを出す部分のところで、非常に地道にやっていかないといけない、効果が出ないと思います。
    情報の共有化の部分は、口で言うのは非常に簡単なんですが、まず社内におきましても、データは出過ぎるぐらい出ているわけですけど、まず見ている人と見てない人、これが分かれるわけですね。そうしますと、同じ話をしましても、見ている人と見てない人が論議しているわけですよ。そうすると、価値基準が完全に変わっているとか、それと基本的には過去のデータですから、先の創造ということについては、この過去のデータを分析して説得力を持っても商品化にはなかなか結びつかないとか、いろんな面がありまして、この情報の共有化というのは、まず身内の問題。身内の問題でも物すごく難しいのに、これをどこのことといいますか業態が全然違うわけですね。イトーヨーカ堂とセブンでも違うわけですから、これを統合するとか、これはまたなかなか大変という部分があります。
    メーカーとの共有といっても、売れているとか売れてないとかというのは別にわかっているわけですね、両方とも。そうすると、ポイントカードだと個人の属性がわかるから、女性によく売れているとか、10代の女性によく売れているとか、そういうのがわかるとか、つまり1回わかればいいわけですよ。何回もわかる必要はなくて。ですから、そこのところは共有化していかなきゃいけないんですけど、言っているほど、みんな努力していますから、そこのところにぽーんぽーんとしょっちゅう必要ということでなくて、一生懸命お互いが考えている、追求している中に、こういう情報がないでしょうかねとかというときにぽーんといくとか、そういう感じになってきますね。常に情報を提供したからといったって、さっき言ったように見ている、もうだんだん見なくなるんですよ。こういうものの繰り返しですね、実際は。

    →情報の共有化という点につきましては、情報といいますか情報そのものというより情報を送るときのフォーマットですとか、あるいは物流のパレットとか通い箱とか、そういうのを標準化しようということでは、特にチェーンストア協会さんとかスーパーマーケット協会さんの方でかなり進んできておられます。そういったときに、やはり各情報担当あるいは物流担当の皆さんというと、どちらかというと社内で割と地味なポジションにいらしたりして、なかなか経営トップの理解が得られないと。標準化といっても、ライバル会社となぜ標準化するんだとか、割とそういうことを担当のベースの方はおっしゃるものですから、こちらの研究会、皆さん経営トップの方がお集まりなものですから、ぜひそういったものはちゅうちょせずに標準化すべしというようなメッセージを出していただけると非常にありがたいなと。

  • 物流は専ら主役ですよ。

    →そのときも、やはりどこまで標準化して、どこは競争すべきかという線引きをどうするんだというのは、よく役所の中でも。

  • ちょっと標準化という意味がわからないんです、物流の標準化というのはどういうことなんですか。

    →まさにパレットとか、あるいは電子タグとか、使う技術の規格を標準化するというのもありますし、そこに載せる情報についても、余り取引先ごとにばらばらになっていると出荷先ごとに分けて張っていくとか、川上の方にどんどん負担が寄っていくことになりますので、そこは競争に差し障りがないところであれば、川下の方でも横をそろえていただいた方がいいのではないかなと、そういう議論がされているということなんですが。ただ、そのデータをどう生かしていくかというのは、各社のノウハウというか競争になると思いますので。

  • かなり個別企業がやってむだをしているところはあると思うんですが、これを効率化するというのが業界再編成という、かなりこれから相関を持って考えていいんでしょうか、その辺ちょっと。いろいろ新聞とかで業界再編成と言われているんですが、どういう形でそれが起こってくるのかということもちょっと知りたいんですが、その辺。お互いに個別投資していたら、かなりむだなというか、そこでもうちょっと生産性を上げるために、何とか効率化したい。そのときに、別にM&Aじゃなくても業界同士がうまく結びついた見方がありますよね。そういうことって今後どういう形で進むのか、そういうことは非常に難しい問題なんですけど、これだけいますのでちょっとお聞きしたいなという気もなきにしもあらずなんですけど、いかがですか。

    →今の御質問は、これから小売業界の中で統合とかが進んでいくんでしょうかという質問でしょうか、そのメリットがあるんでしょうかという。

  • はい。

    →非常に難しい質問だというふうに思います。要するに1つの業態に特化していく方が、自分たちとしては伸ばしていけるというふうに経営者が判断した場合、むしろ今は標準化をするんじゃなくて、どうしても地域対応、個店対応という方が重要なんだというふうにとらえると、今までの標準化、セブン-イレブンは標準化の権化みたいなものでやってきているわけですから、これをやっているとお客さんから取り残されていくと。その概値的な部分は嫌よというふうにお客さんが言っている部分とかとしたら、それが大もとだとしたら、どうしても個別対応という、個店対応というものをあの小さな店がやっていかなきゃいけない。これが大きくなったらどうかということはあるんですが。
    ですから、フランチャイズビジネスで一店一店が効果を上げていくか、ATMを入れるにしても、それはそこの一店に効果をもたらす、公共料金の収納にしても、そこに効果をもたらすと。ところが、レストランをやったら何の効果が今のお店にあるのかとか、そういうことを考えますと、やらない方がいいなとか、そういうことになってきますので、どうもここら辺のやつは、今の御質問に対しては、そこのトップに立つ経営者の物の考え方で、自分たちのビジネスを補完していくためには統合した方がいいなというような考え方が主になっていくのではないかなという気がします。
    私は基本的には、小売は大きくなっても、何らお客さんに対してメリットは提供できないというふうに思っております。その仕入れが大きくなることによって物事が安く提供できるとか、こういったことはある一定規模まではありますけど、それを超しますと逆に周りの価格を上げてしまうとか、逆な面もありますので、なかなかこれは一概には言えないというふうに私自身は今思っております。

  • 例えば、また問題を蒸し返して、ウォルマートとかカルフールのような規模がありますよね、そういう規模の、つまり規模の有利性というのはありまして、規模を大きくして質がそれだけ上がれば、規模を大きくしていっていいわけですね。だけど、日本の場合ちょっと見ると、規模の有利性がかなり低位の段階で決まっちゃっているのではないかというような気がしているんですが、その点。というのは、寡占化の程度が低いのもどうもその辺が影響しているので、日本の流通業の体質というのは規模の有利性をつくれないのではないか、相対的に世界のレベルから見ると。ところが、世界の今チェーンオペレーションをやっているところは、規模を大きくすればその分だけROAが上がっていく。それを前提としたビジネスを展開していますよね。だから、そこを少し日本は、これは日本的な消費者との対応なのか、それとも体質的なものなのかという問題が提起されてしかるべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

    →私も15年ぐらい前ですかね、ウォルマートに1カ月ほど行きまして、向こうは向こうでセブン-イレブンを研究したいということ、私どもは、向こうでいいサプライヤーがいてとかですね。ところが、あのころで16兆円ぐらいの売り上げだったと思うんですけど、年間の伸び方が1兆円とか、そういう伸び方なわけですね。雑貨が主体ですよね。そして、つくるものが多くあって、人口が物すごくいっぱいあって、そこに商品を安く提供するという形においては、ある程度の量の有利性というのはできていたのではないかというふうに思います。
    ただ、食品に関していった場合どうかとかというのはあると思いますね。雑貨で、日常商品というものがPBでつくれるとか、そういった部分とか、じゃファッション性のあるものが大量につくられたからといって有利性を発揮するかということになってくると、そのファッションのデザインが受ければいいですけれども、いろいろあると思いますけどね。ですから、お客さんは一体何を求めるのかというと、その商品に対する価値を求められていらっしゃるわけです、価格から含めて。それが規模を通してつくり出せるかというところがポイントで、あるものは規模があってつくり出されるでしょうけど、あるものはつくり出せないのではないでしょうかということの関係だというふうに思います。
    日本の場合は、お客さんが非常に一品一品に対してシビアだというところが、今の中国とかアメリカのちょっと階層の下の方々とは違う点が、消費者の品物を見定める力というのは、日本の消費者の方がずっと上だというふうに私は思います。

  • 標準化の議論につきましては、私ども物流とか情報とかバックヤード、店頭に並ぶ前のところの標準化というのを考えておりまして、お店づくりとか店頭の方の標準化については、それは余り政策としては考えてなくて、それはむしろ個々のお店というか小売業さんの競争ではないかなと思っています。研究会のレポートでも、今需要が非常に細分化しているとか個化しているというふうなことも書かせていただいておりますので、標準化といった場合に、サプライチェーンの標準化で、業界全体で効率を上げていくということはメッセージとしてあろうかと思っているんですが、むしろ店舗については、個々のお店の個性の方がもし大事だということであれば、そういったメッセージをしていった方がいいかなと思ったりもするんですが、標準化と個店主義とちょっと相反する面があるんですけれども、今後どっちの方を向いて。

    →それも業態によって違うんじゃないでしょうかね。

  • ただ同じ個店でも、AとBとがあって、標準的なものを組み合わることによってお互いの特徴を出していくという方向であったとしたら、標準化は差異化にもきいてきますよね。そういう方向というのは、これからますます重要となっていくと思うんですが、いかがでしょうか。そう言うと学者的な話だと言われたら困るんですけど、1から個店をつくり直さなくても、標準的なものを組み合わせてやっていく。実は消費者への対応も、むやみやたらに対応することが消費者にとっていいのではなくて、そういう標準化を組み合わせる限界を消費者に逆に教え込んでいくということも、これから流通業の効率化にとって極めて重要。日本の流通業は余りにも消費者と一緒になり過ぎちゃって、これがいいと思っているのではないか、と言ったらだめなんでしょうかね。余り肉とかそんなもの、鮮度をやっている暇があったら、授業に出て勉強した方が人間として豊かになるという考え方もあるのであって、その辺どうなんでしょうかね。つまり、個別ってやって、しかも1からやり直すというのは物すごくコストがかかるわけですよね。そういうふうな範囲の経済といいますか、そういうものを組み合わせて出していくということを意識しているんですよね。
  • 今の先生の話、私どもは、今ちょっとシステムの全面的な入れかえをやっています。アメリカとかヨーロッパで使われているパッケージソフトを使ってみようということで、3~4年前から私研究していまして、実際にそこと話をして3年ぐらいになるんですけれども、海外あっちへ行ったりこっちへ行ったりして見ていたんですが、みんな大手さんも、結構パッケージをちゃんと使っているんですよね。例えば私ども今回導入するそこのパッケージは、テスコもカルフールもセインズベリーも、いわゆる欧米の大手ってみんな店頭のパッケージ。これはPOSレジ動かすソフトですけれども、パッケージを使っているんですね。実際に今どのぐらい動いているのかといったら、50万台ぐらいPOSレジ動かしているんですね、その大手のパッケージソフトが。これはウィンドウズベースのものなんですけれども、動かして、マイクロソフトが後ろにくっついてガチャガチャやっているわけですよ。ウォルマートさんは、あれだけの規模があるので独自のソフトをつくってそういうものを動かしているけれども、ウェルマートさんじゃないところになると、もうそういうものをみんな使っていこうと。それを共有化して、その各店頭で起こっていることを実際にパッケージの中に、年間で3回ぐらい取り込んでいって、インターネットを通じてダウンロードして、改良・改善をやっていこうと。そういうものを皆さん使っていらっしゃるんですよね。
    日本の場合は、ちょっと変な話ですけども、一般的にレジというと、ソフトつきでメーカーが売っているんですね。ソフトとハードとまるっきり分離して売っているというのが例えばレジ。その辺の違いとか、それから本部自身のシステム構造がオープン化されてないとか、まだまだそういういわゆるレガシー問題、大型コンピューターを使っているような問題があって、インターネットと余り接続のよくないものができているとか、個別のいろんな手続が全部あって標準化されてないとか、そういう問題が物すごく大きく残っているなと。だから、なかなか効率化できないんだろうなというふうに思いますね。私どもは、そういう方向で行かなくちゃいけないと。日本語化するのに非常に時間がかかって、来年の春過ぎからやっとリリースできるんですけれども、やっぱりそういう方向へ向かっていかないと、効率化というのはできないのではないのかなという気が私はしています。
  • ちょっと今の話と反対の方向かもしれないんですけれども、済みません。私は、日本の小売業の店舗のバリエーションはすごくある、多様であるというのは、やっぱり国民の厚生をすごく高めているのではないかなと思っていまして、むしろ今お話あったようにバックヤード、物流ですとかデータベースですとか、あと製品開発みたいなもの。グループ内にデニーズさんとセブン-イレブンさんがあったとすると、前お話伺ったように、豚肉を仕入れるとハムと何に使うとか、そういう製品開発面とか、あと公共料金のシートとか、そういうところの標準化とか共通化みたいなものは多分すごく効率化にきいてくると思っていて、店舗レベルで余りそこを押し進めてしまうと、せっかく今唯一、唯一というと申しわけない、日本の小売業が海外に比べていいかなというところがなくなってしまうのは、ちょっとあれなのかなと思っています。
    そういう意味では、今回、自治体規制のあり方に物申すみたいな、一律に規制強化するなとか、こういうのはすごくいいなと思っていまして、地域ごとにやっぱりいろんな状況があるので、一律に規制するのはよくないと思いますし、さまざまな、今回、産業活力再生特別措置法案ですね、ここも1つの指標だけじゃなくて今2つの指標が並んでいて、営業面積当たり営業利益の向上と従業員1人当たり付加価値額の向上とどちらか、あるいは併用という話が出ているんですけど、これも1つにしてしまうと、例えば郊外に出されているコメリさんみたいな店舗というのは、営業面積当たり営業利益って余り高くないのではないかと思うんですね。当然ですけど、地価が安いところに大きく面積とって出しているので。逆に都心にあるコンビニさんなんかだと、営業面積当たり営業利益は非常に大きいけど、従業員1人当たり付加価値額の方はやっぱり人件費の問題があってというのは、これから下がってくる可能性があるので、こういうのもやっぱりビジネスモデルとかいろんな業態が小売の中にもあって、多様性があるので、1つの方で生産性をはかってしまうと、片一方がすぐれていて、こっちがすぐれてないからどうかしようみたいな話になってしまうので、この多様性を損なわないという配慮が今回のこの政策課題の中に入っているのはすごくいいと思うので、そこを担保しつつバックヤード面の標準化みたいなのを書き込んでいくといいのかなという気はします。

    →私の言っていることもそれに近い。徹底的に標準化できるところは標準化していくということだと思うんですけどね。それがなぜできてないのかというところを、もうちょっと問題にしていいだろうと。だから、顧客が物すごく個別の要求をして、標準化に反することをどこまでやっていいのかという、そういうことも少し考えるべき。それはそれでもうける基盤があればいいんですけどね、という問題も出てくるだろうということを言いたいわけです。

  • 品ぞろえしている2割の商品で大体7~8割売っているんですよ。1,000万人来ていらっしゃるんですけど、3割のお客さんで8割の売り上げをしているという、2割の商品で7~8割。そういった意味では商品は、売れ筋というのは非常に限定されてくるわけですけど、情報を生産者のところにどう飛ばしてとかというような基本ソフトの部分、基本の流れは非常に必要なんですが、それが標準化に必要な部分で、今アジア地区で学ばなきゃならないのは、そこに工場をつくって、お店からどういう情報の飛ばし方をして、それを迅速にどう届けるかという、この流れの部分を輸出するというようなことが、それを標準化と言うのであれば、一番大事なことだというような気がしますね。
  • 別の観点から。ちょっと考えてみますと、正社員化という話なんですけれども、全体に日本に広がる終身雇用制を大前提として、正社員優位の価値観がペーパーを書く側にあると思うんですね。何か「中途採用」という言葉って、すごく日本独自のワードですよね。やっぱり価値を生み出すバラエティーに富んで働く形態というものに対して非常に創造力が欠如しているので、国会とか政策現場で正社員化、正社員化というのが叫ばれると思うんですね。やっぱり現在の労働法制というのがもう少し柔軟化しないと、これだけ不利益変更に対して厳しい判決が出ている中で正社員化というのは、企業にとってとっても難しいという実態があると思うんですね。ただ一方で、やっぱりフリーターとかパートの方たちの雇用の不安定化というのは、非常に厳しい現実等あってスキルが蓄積しないということが問題として起こっていると思うんですね。そういう労働法制的な問題をこのペーパーでは解決できないので、せめてワーディングで工夫をしていただけたらなというふうに思います。

    例えば5ページの(2)の(3)現場の販売力の強化というところのポツ2で、「正社員化することにより、会社への帰属意識を高め、」って、すごく失礼ですよね、パートでずっと働いていらしたベテランの方なんかには。「あらゆる職種の従業員への継続的な訓練によって、販売現場から提案できるような人材を育成する」というふうに書いていただくとか、次のページの7ページ目、政策判断として(2)の雇用の場の提供というところにパートの正社員化というのは書いていらっしゃるので、これは御判断だと思うので、どっちかそれはお任せしたいと思いますけど、(2)の「女性・シニアの再雇用の場」とかって、「再」って別につけてくれなくてもいいという感じがするんですよね。やっぱり何かそこの辺をちょっと工夫していただくと、より現実に即したものになるのではないかなと思います。

  • 実は、後から言おうと思っていた。むしろ多様な雇用形態に適応できるような従業員の能力アップなんですよね。実は流通業もかなり多様化しているんですよね、仕事の内容が。だからこそ優秀な人材を確保するのが難しい。だから、それは多様な雇用形態を前提としたレベルアップという形にしていかないと。私も大学を変わったら、プロパーと区別されるんです。再雇用じゃないですよね、ということ。日本は特にそういうことを感じますね。
  • 多様な雇用形態というよりは、多様な働き方があるんだろうと思うんですね。それに対してきちっと企業側が対応していくということではないかと思うんですね。実際に、さっき亀井社長がおっしゃったように、いろんなアンケートなんかとってみても、必ずしもみんなフルタイムで働きたいと思ってないわけですね。ですから、フルタイムで働きたい人に対してはそういう働き方の場を提供するんだろうし、パートタイムがいいという方に対してはパートタイムで。しかも問題になるのが、同一業務であれば、やっぱりそれに対しては同一のペイが払われる、あるいは待遇が提供できる、こういった環境を整えることなのかなというふうに思うんですけどね。
  • そのことを言えば、逆に企業の方も1人の人をずっと長時間規制しなくても、ジョブの区切りによって対応できるようになってきているということが前提ですよね。そういう形で効率化に向かわないとだめだということが頭の中にあったわけですよね。つまり、1人の人を24時間働かせるのではなくても、いろんな仕組み、いろんな仕事があって、ジョブを組み合わせていけるようになる、そういう方向での効率化が流通業にも求められている、そういうふうに考えていく。
  • 標準化に話がちょっと戻るんですけれども、申しわけございません。先ほどから出ている物流とか情報、例えばそういったものの、先ほどもおっしゃっておられましたフォーマットの統一化とか、そういったものは非常に重要になってくると思いますので、それはやはり推進していけば効率化が図れるというふうに思います。例えば、私ども物流センターでどのくらいの商品、トラックに詰め合わせする際に実は商品マスターに体積の情報等々はまだ入ってないわけですけれども、附帯的に体積の情報等々がフォーマットの統一された中で入っていれば、商品マスターにそういうものを取り込むことができますから、必然的に物流の効率化、効率配送等々にもつながりますし、またパレットサイズも、私どもホームセンター業界ですので、実はいろんな商品がパレット単位で物流センターあるいは店に納品されておりまして、そういう中でパレットのサイズも3サイズ、4サイズございまして、パレット単位で店に陳列するというふうなことに際しては、標準化がされてないがために生産性が非常に下がっていると。それからパレットの使い回し、それもRFIDがパレットの中に組み込まれてくれば、どこにどういうふうなパレットが、いろんな会社のいろんなパレットが今ごちゃまぜに来て、自社のパレットもどこに行っているのかわからないような状況ですので、そういった形の標準化というのは非常に求められるというふうに思います。
    それから、売り場の標準化というふうな話が先ほどございましたけれども、売り場をある程度標準化していかないと流通業はマスのメリットが出ませんので、日本の流通業の規模が拡大しても欧米の流通業のように効率が上がらないというのは、やはり売り場がばらばら、面積もばらばら、品ぞろえもばらばら。すべて金太郎あめ的に売り場を標準化するということは消費者の利便性を損なうというようなことになってしまいますので、そういう標準化はできませんけれども、ある程度の標準化。先ほど座長がおっしゃっていた、パーツを標準化して、その標準化されたパーツ、これは品ぞろえというモジュールのパーツですけれども、その標準化された品ぞろえのモジュールのパーツを立地条件に応じる形で組み合わせていくと、商品が分散化しないマスのメリットを出しながらお客様の利便性も追求できるというふうなことができますので、そちらの標準化もやはり、これは難しい問題かもしれませんけれども、図っていかなければ、流通業全体の生産性は多分上がらないと。どんなことをやっても多分上がらないというふうに思います。売り場がばらばらであれば、バックルームあるいは物流情報の標準化をいかに図ろうとも、やはり片手落ちになる。これは民間企業が考えればいいものなのかもしれませんけれども、やはり片手落ちになると私は思っています。
    以上です。
  • グローバル市場への進出ということをちょっと書かせていただいているんですけれども、それへの対応として、国として進出先国にある参入障壁とか、変な流通規制とか物流規制があれば、それの改善をお願いするというのがありますし、あと、先ほど申し上げたようなマーケットのサーベイを、大手さんだけではなくて中小・中堅の方も出ていけるように、あるいは大手さんであっても必要とされる場合があるかもしれませんから、私どもの方でベトナムとか中国とか調べて提供すると。そんなことを書いているわけですが、皆さんがグローバル進出を考えられる上で、それは別にスーパーだけではなくてショッピングセンターの進出だってあろうかと思うんですけれども、皆さんの方で、特にこういったものがバリアというか、判断を鈍らせる要因だとかボトルネックだというのがあれば、ぜひお教えいただければと思っているんですけれど。

    →先ほど、失礼な書き方という表現がありましたけれども、その背景に、個別の書き方について正社員化が絶対正しいというふうに申し上げるつもりもないし、現にさまざまな雇用形態を望む方々がたくさんいらっしゃるというのも事実だと思いますから、それはそれでいいと思っているんですけれども、私の根本的な考え方は、最近、このほかに製品安全問題、パロマの事故とかいう問題とか、あるいは消費者トラブル問題の案件なんかをずっとやっておりますと、もうけるが勝ちという価値観なんですね。
    もう1つは、従業員は機械だという発想が強いんですね。我々は機械じゃないんです。我々は将棋の駒でもないと。やっぱり大事なことは、お金よりももっと大事な価値があって、それは仕事を行う志であり、自分の仕事に対する誇りであり、世の中に対して何で貢献するか、そういう意識が私は一番重要だと思っております。
    それが、必ずしもすべて正社員化でなくてはいけないという気はいたしませんけれども、私がこの30年間以上ずっと毎週土日に必ずスーパーに行って、さまざまなスーパーの従業員の方の行動を興味もあって見ていました。その結果、余り言うとまずいんですけど、この人、本当にこのお店のことを考えているのかな、という行動をなさっている従業員の方が非常に多かったあるスーパーは、調子が悪くなっていました。そうだろうと私はずっと想定しておったんですね。ですから、そういうのは客の側として見ていても、やはり従業員の態度というのが物すごくビジネスに影響してくると思うし、特に最近のこの風潮、拝金主義的な風潮を見ていると、やはりそれに対するアンチテーゼというのを私はぜひ持っていたいなと。別にここで終身雇用を打ち出したいとか、何でもかんでも正社員化すべしということを申し上げる気は全然ないんですけれども、ただ発想の原点として、やはり我々は機械じゃないし、志を持って働く。現につい先日、某クレジット会社で相当多くの情報が漏えいいたしました。漏えいしたのは、4人全員アルバイトです。アルバイトか派遣かということなんですけどね、そういう人が実は持っていったんですね。やっぱり帰属意識がお金で、パートでその時間だけ切り売りしているというのは、私は随分違うと。最近のブームは、どちらかというと会社は株主のものだと、したがって短期的な利益を上げろと、短期的な利益を上げる従業員が評価される、こういうような風潮です。私は、それに対してアンチテーゼを持っております。日本のよき文化構造というのをもう1回取り戻さないと、この日本の経済社会は決して再生しないと。
    特に安全問題なんかやっていると、今事故を起こした会社のトップの方が明確におっしゃっているんです。安全マージンをおざなりにして短期的な利益確保に走ってしまったと、明確におっしゃっているんです。ですから、ちょっとそういうものの問題意識があって、背景にはそういう意識がありますけれども、表現ぶりについては若干御指摘も踏まえて直す必要があると思います。

  • それに対しては、ちょっと私反論が。最近、不詳案件は非常にたくさん見させていただいているんですね。不祥案件で出ているのは、私は流通業が専門ではないのでわからないんですけれども、パートとかアルバイトではなく、正社員の方たちの不祥案件が金融機関なんかですと圧倒的に多いんですね。確かにパートの方とかアルバイトの方とかの不祥案件がふえてはいるんですね。増加しているでしょうというふうにおっしゃるのが40代、50代の男性の方たち、必ずそういういうふうにおっしゃるという傾向があって、それを新聞が報道しているというような事実を今探求しています。もちろん統計的にすべてとらえているわけではありませんけれども、正社員化ということと会社への帰属意識というのがどれほど関係あるのかということは、言われているほどにはないかもしれないし、そこについては、私は非常に慎重であるべきだというふうに思っています。

    →別に従業員が不祥事を起こしてないとは言ってないんです。従業員も起こしている。それは、会社の中における志とかそういう意識が随分変わってきているんですよ。したがって、この会社で長く生きていこうということよりも、短期的に何かいい話はないかなという方に走っている。したがって、製造業においても、製造工程で問題を起こしているのは正式の従業員なんですよ、決してパートじゃないんですよ。だから、それはパートであれ正式の従業員であれ、やはりその会社に中にどれだけ貢献するか、自分がやったことによって、世の中に対してどれだけ貢献するかという意識が希薄になっていること自体がこういう問題を起こしているのであって、したがって、必ずしも正社員化が答えだけではないというふうに申し上げたように、正社員化によってすべての問題が解決するとは私は決して言っていません。だから、その辺の表現は少し変えますけれども、考え方の根本は、やはり私は帰属意識を持って、自分の仕事に誇りを持って邁進する人間が評価されるような社会になっていかないと困る、こういうふうに思っているということです。

  • それは正社員とかパートとかそういうことに限らないと思うんですよ。どれだけスキルアップをするのか、どれだけ参加意識を持たせるのか、同一賃金、同一労働、そういうような面から考えるべきであって、私は社内でロングタイム、フルタイム社員、パート社員も社員だと、意識をどう高めさせ、責任意識を持たせるかという点が抜けていたのであって、それを正社員とか非正社員ということでくくるべきではないということを申し上げているんですよ。

    →だから、そこはそうだと申し上げているんですよ。

  • でも、この文面から見ると、すべて。

    →だから、そこはおっしゃるとおりですと申し上げている。「正社員化」という言葉についてはおっしゃるとおりですと。ただ、背景はそういうことなんですよと。

  • ただ議論のための議論になっているんですけれども、最近すごくおもしろいなと思うのは、最も不祥事を起こしやすいのは、男性で長く勤めて、その組織で今後希望が持てないと思った瞬間、これがとにかく不祥事が多い。
  • もう1つだけ私の方で追加しますけど、企業に対するロイヤリティーは何によって決まるかというと、最近幾つかの調査がありまして、お客に好かれている企業ほど従業員のロイヤリティーは高くなっている。だから、お客に好かれるような能力を発揮する従業員を大切にしていきなさいというのが最終的なこと。
    終わり際にもう1つだけ、標準化のことについてなぜ私はうるさく言うのかといいますと、いろんな統計を見ると、日本の労働生産性とか生産性は低いわけです、アメリカと比べて。そうすると、みんな学者はこういうことを言うんですね。このデータは質がないから当てにならないということを言うわけです。それで、ひょっとしたらおしまいになっちゃうことがあるんですよ。私がサービスの研究会をやっていたときも、学者先生が、日本の労働の質を考えないとだめだと。だけど私が言いたいのは、そこだけで済ませておいていいのか。そういうことも考えなければならないけれども、やっぱり日本の生産性は、そういうことを考えてもひょっとしたら改善すべきではないかという、常にそういう問題意識を持つべきなので、そういうことをちょっと踏まえたのでこの問題を言ってみただけです。

以上

 
 
最終更新日:2008年8月15日
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