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- 総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会原子力安全基盤小委員会(第10回)-議事録
総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会原子力安全基盤小委員会(第10回)-議事録
日時:平成20年12月26日(金)10:00~12:04
場所:経済産業省別館9階940共用会議室
出席者
委員長:
大橋委員長
委員:
秋庭委員、阿部委員、飯塚委員、伊藤委員、木下委員、久木田委員、小林委員、澤委員、関村委員、知野委員、橋本委員、藤田委員、班目委員、松岡委員、宮野委員、武藤委員、湯原委員、吉本委員
オブザーバー:
原子力安全委員会明野総務課長、日本原子力研究開発機構石島安全研究センター長、日本原子力技術協会鈴木専務理事
議事概要
- 大村基盤課長
それでは、定刻になりましたので、ただいまから第10回原子力安全基盤小委員会を開催いたします。本日は、年末の御多用の中御出席いただきまして、まことにありがとうございます。それでは、大橋委員長、よろしくお願いいたします。
- 大橋委員長
おはようございます。今、年末の忙しい時期にというお話がありましたけれども、非常識な仕事納めの日にまでたくさん御参集いただきまして、ありがとうございました。大変多くの出席をいただいておりますので、今、大村さんとは来年もこの仕事納めの日に基盤小委をやろうかと話しておりましたので、少し頭の隅に置いていただければと思います。それでは、委員の変更等について、事務局から御紹介をお願いします。
- 大村基盤課長
前回の委員会におきまして、当小委員会の下に国際原子力安全ワーキンググループ、安全基盤研究ワーキンググループを設置しております。国際原子力安全ワーキング主査の東京大学工学系研究科の関村教授、安全基盤研究ワーキンググループの方では、主査に東京大学の工学系研究科の古田教授に御就任いただいておりますので、新たに本小委員会のメンバーということで御参加いただくということになっておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。それから、これに伴いまして、規定によりまして、本委員会の定足数につきましては、委員数が19名から21名ということになっておりますので、専門委員3名の方がおられますが、除く18名の過半数であります10名に変更となっておりますことを御報告申し上げます。次に、委員の変更がございます。前回まで浦谷委員に御参加いただいておりましたが、今回より、三菱重工株式会社の澤常務執行役員に御参加いただくことになってございます。本日は少し遅れられるという御連絡をいただいております。それから、武黒委員に御参加いただいておりましたが、今回より東京電力株式会社の武藤常務取締役に御参加いただいておりますので、併せて御報告申し上げたいと思います。なお、御紹介申し上げました先生方が本小委員会に御参加いただくことについては、原子力安全・保安部会の村上部会長の御了解をいただいております。それから、事務局の方も交代がございまして、申し遅れましたけれども、私、7月に原子力安全技術基盤課長に着任いたしました大村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。それから、私の右隣、国際室長も八木から森田に変わってございますので、併せて御報告申し上げます。以上でございます。
- 大橋委員長
ありがとうございました。それでは、事務局から、まず定足数の確認と配布資料の御説明をお願いします。
- 大村基盤課長
それでは、定足数を確認いたしますが、先ほど申しましたように、定足数は過半数10名ということになってございますけれども、本日はこれだけ御参加いただいておりまして、有効に成立をいたしておりますので、御報告申し上げたいと思います。続きまして、配布資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の方にリスト等ございますので、確認いただければと思いますが、まず、資料1ですけれども、1-1とか1-2と枝番がございますけれども、資料1のシリーズが国際原子力安全ワーキンググループの報告書(案)ということで、これが枝番で1-5までございます。次に、資料2といたしまして、2-1から大部のものがございますけれども、これはロードマップ関係の資料がクリップ止めで一式付いてございます。それから、資料3といたしまして、「『安全基盤研究ワーキンググループ』の当面の検討について(案)」という資料が入ってございます。それから、資料4としまして、これは前回の基盤小委の議事録ということでございます。あと、一番下に、冊子で高経年化のマップというのが配布されておるかと思います。以上でございます。
- 大橋委員長
ありがとうございました。資料4の前回議事録につきましては、既に事務局から御確認いただいているということを伺っていますけれども、もしまたお気付きの点、さらに修正の点等ありましたら、事務局まで御連絡いただければと思います。それでは、本日の議題表に従いまして、議事、審議に入りたいと思います。まず最初の1番目の議題として、「国際原子力安全ワーキンググループ報告書取りまとめ(案)について」ということで、この主査である関村先生から検討の経緯、取りまとめの考え方などを伺いまして、続いて事務局から詳細な御説明を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
- 関村委員
関村でございます。この国際原子力安全ワーキンググループの主査を務めさせていただきまして、4回の会合を開催し、今回、このワーキンググループ報告書という形で取りまとめることができました。既に原子力安全規制ということについては、保安院ができた当初から国際的な取組みの重要性ということがうたわれていたわけでございますが、それに加えて、原子力立国計画等の検討が進み、これをさらに安全を国際的な立場からいかに共有していくか、あるいは日本の得意な分野をいかに各国に共有していただくか、あるいは各国のさまざまな、よい、安全に関わる事例をいかに日本に取り込んでいくか、このような観点から検討を進めてきたところでございます。まず、問題意識につきましては、3点、主要国との関連をいかに進めるべきか。これは我が国のいい面、強みを活かしていくという観点、それから、世界の知見を我が国に取り込んでいくというような観点、双方向があろうかと思います。さらに、国際的な機関での活動。これから原子力を導入しようという国との連携活動、こういう問題意識を持って、さまざまな資料等をJNESの御協力もいただきまして取りまとめながら、問題意識を深めて、さらにそれに対応した議論を進め、それに対応したさまざまなデータベースをさらに御用意いただいて議論を深めると、こんな形で進めまして、今までの我が国の取組みにつきましても、ある意味では自己評価的な考え方で課題を抽出する。それを踏まえて、今後我が国の原子力安全に関わる国際的な活動について、基本的な方針をこのような形で取りまとめたらいいのではないかということをまとめる。さらに、それに立脚しまして、具体的な取組みとして幾つかの考え方を提示をさせていただき、国内体制の整備につきましても提言的に取りまとめることができたということでございます。詳細につきましては、事務局の森田国際室長の方から御紹介いただければと思っています。以上でございます。
- 大橋委員長
ありがとうございました。それでは、森田さん、よろしくお願いします。
- 森田国際室長
国際室長の森田でございます。それでは、私の方から説明させていただきます。資料1、これは冒頭ありましたとおり5部構成になってございまして、1-1が報告書案の本体でございます。それから、資料1-2というのが横長の別表になっております。これはファクツを整理したものでございます。それから、資料1-3というのがさらに枝番で3つに分かれておりまして、各種参考資料でございます。そして資料1-4、これは国際原子力安全の世界は略語が多いものでございますので、略語集を用意してございます。最後、名簿です。基本的には資料1-1の報告書本体を御説明させていただきますが、各所略語等、見慣れない言葉がある場合はこちらを参照しながらということでございます。資料1-1、めくっていただきまして、「はじめに」というところ、3ページ、4ページの検討の背景と問題意識、これは今、関村主査からあったとおりでございます。私は6ページから御説明させていただきます。6ページは、原子力発電を巡る世界的な動向ということで、今、世界的にどういう原子力の導入が起こっているのかということを書いてございます。これは原子力発電の位置付けの再評価ということでございまして、俗に「原子力ルネッサンス」という言葉で表現されるように、各地域で新規の立地が進んでございます。現在、既に原子力発電を導入している国は30カ国で439基が運転中でありますが、今後、原子力発電を新規に導入していこうという国及び地域が22に上っております。このような動きを受けまして、本年7月のG8サミットの場でも、3S、これはsafeguards、safety、securityの3Sですが、これの国際イニシアティブというものがG8サミットの首脳会談に報告されておりますし、また、この中で国際原子力機関など国際機関を中心として取組みをやっていくということがコンセンサスとして得られております。6ページの下の方からは各国の動向でございますので、詳細説明は割愛いたしますが、米国においてもさらなる建設が進んでおりますし、欧州でもそうですし、7ページに行っていただきまして、ロシア、韓国、中国、インド、こういった国でも既に持っている国であるわけですけれども、新たな建設の動きが始まっていると。真ん中に書いてございますが、このような動きの中で、我が国のメーカーへの世界的な期待も高まっております。今、世界の3つの主要企業グループありますが、東芝-ウエスティングハウス、日立-GE、三菱重工-アレバ、この3つの主要企業グループのすべてに日本企業は関与しておりまして、期待が高まっているという状況がございます。また、7ページの後半ですけれども、アジアの中においても、新たに導入する動きがありまして、ベトナム、タイ、インドネシア、8ページに行っていただきまして、フィリピンなどにおいて新規導入の動きがございます。また、(2)のところですけれども、アジアのみならず地中海諸国、中東諸国においても活発になっているということでございます。次のページ、9ページに行っていただきまして、ここからは原子力の安全に関する国際的動向、また、それぞれの国際的動向に対して我が国がどういうことを今までやってきたのか。そして、やってきたことがよかったのか、悪かったのかという評価、これを書いたところでございます。ここにつきましては、一つひとつ書いていくときりがございませんので、別表という形で先ほどの1-2ということで紹介いたしましたが、別表に取りまとめてございます。簡単にポイントだけを御説明してまいりますと、まず、国際的動向を整理するに当たりまして、このページの上から3行目から書いてございますが、原子力発電安全確保のための活動、それから、最近の新興国ですね。原子力発電新興国等の動向を踏まえた活動、そして、万が一事象が起きたときの緊急時対応策のための活動、この3つに大きく分けて、世界の動きを整理してございます。1つ目の原子力安全確保のための活動ということでは、1.(1)(1)のところですけれども、1つ目に国際的調和というのが世界的な動きになってございます。これは、国際的動向と書いてございますが、原子力発電主要国、そして新興国におきまして、新たな施設の新増設、計画策定が加速しておりますが、安全確保のためのリソースというのは制約があると。その制約の中で高い安全レベルを維持・向上していくことが求められているわけでありまして、そのためには安全規制の国際的調和を図ることによって効能の最大化を図っていくことが重要となっているというような世界的な共通認識のもと、各種動きがございます。国際機関を通じた協力の推進、安全基準の整備、運転経験のフィードバック、共有、新規設計炉に係る安全規制協力、こういったものが進んでいるわけでございます。9ページから10ページにかけまして、それぞれの状況を書いてございますが、割愛いたしまして、10ページの下、こういった国際的調和の活動に対して、我が国がどういう対応をしているかということでございますが、10ページの下の活動状況のところで、もちろん条約上の対応はやってございますし、また、安全規制の国際的調和や、各国の安全活動のレビュー活動、これにも貢献してございます。特に我が国は、耐震・津波という面で積極的に貢献しておりますし、また、貢献のみならず、国内の規制にも実情に応じて取り入れてきたというところでございます。特に、耐震の分野につきましては、地震国として蓄積がございますので、また、諸外国に比しても緻密でレベルの高い耐震評価をいたしております。こういった経験を国際的にも活かす観点から活動を展開してございます。11ページの上の方ですけれども、その他、運転経験フィードバック、新規設計炉に関する協力についても、IAEAやOECD/NEAのプロジェクトにも参加してございます。評価というところですけれども、ただし、今までやってきたことが全く十分かというと、そうでない部分もありまして、例えば、国際的な議論を我が国が主導するほどに貢献してきたかという観点からは、これはいろいろな尺度があるとは思いますが、1996年以降、IAEAにはCSSという安全基準委員会というオーソリティの高い機関があるわけですけれども、また、その下に4つの委員会があるわけです。これは、いずれも安全基準を策定するための国際的な組織ですけれども、じゃ、ここで議長ポストをとっているかというと、実は今までとったことがなくて、欧米11カ国が議長を輩出している中で、我が国はいまだ輩出はございません。もちろん、各種国際会議の場では専門家が個人的な豊富な知見・力量を活かしまして貢献しているんですが、じゃ、国を挙げて、我が国を代表して議論をリードするような人材を育成してきたかというと、そうではないということでございます。また、安全基準の分野につきましては、これは耐震なんかの分野では十分貢献しているわけですけれども、他方で国内の安全基準に活かしてきたかというと、どうしても整合性の確認に重点を置いてきた傾向がある。ネガチェックといいますか、整合しているかどうかというところをチェックしてきた傾向がありまして、今後はむしろ、学協会において策定された技術基準をベースに、積極的にそれを国際基準に提案していく。あるいは国際基準を国内基準に取り入れるという活動を進めるべきではないかということです。また、運転経験のフィードバックと共有。これは、もちろん我が国もやってきておりますけれども、米国や欧州などが2005年からクリアリングハウス制度、これは米国は開始しておりますし、欧州においても同様の仕組みを作ろうという努力がなされております。それに対しまして、我が国におきましては、もちろんNUCIA、あるいはJNESによる各種活動などは行われておりますが、国内のこういった事象を世界に発信するというまでの効率的な仕組みは構築されていないという実情でございます。それから、新規設計炉に関しましても、本プログラムで対象としている新規設計炉というのは決まっているんですけれども、そういった新規設計炉を我が国国内に建設する計画がないという理由から、残念ながら議論をリードするには至っていないという状況でございます。次に12ページに行っていただきまして、今度はハーモナイゼーションという観点ではなくて、各国の原子力安全基盤の充実という、例えば研究でありますとか、人材でありますとか、そういった各国の基盤があるわけですけれども、その充実についてでございます。国際的動向といたしましては、これは80年代以降、世界的には原子力発電の新設が滞っておりましたので、各国とも人材の高齢化、枯渇、また技術継承の断絶の恐れに直面しております。他方で、我が国としては、一応継続的に原子力発電所を新設し、また運転してきたということでございますので、知見がございます。国際的な動向なわけですけれども、そういった世界的には人材の高齢化、技術継承の断絶の恐れに直面する中で、より一層の安全研究の推進、科学的・合理的な規制体系の追求、技術支援基盤、これはTSOと言われるものですけれども、こういったものが求められております。もちろん人材育成についても求められているということでございます。それぞれの人材の育成と確保、真ん中の安全研究、科学的・合理的規制の追求、これにつきましては、詳細は省きますが、また13ページに行っていただきまして、TSOの役割、こういった国際的な活動に対して我が国がどういうことをやってきたのかというのが13ページでございます。我が国の活動状況であります。我が国におきましても、人材育成のための国際的な活動の一環として、IAEA等に人材を派遣するとか、あるいは原子力発電主要国の欧米に派遣するということをやってきておりますし、また、一方でアジア諸国等の原子力安全に関する人材を受け入れたりしてきてございます。また、安全研究については、OECD/NEAの共同プロジェクトにも参加しておりますし、特に高経年化の分野については、我が国が積極的にリードしているという状況でございます。科学的・合理的な規制体系の追求、これについても専門家を派遣するなどして検討を進めてございますし、また、TSO(技術支援基盤)につきましても、2003年にJNESが設立されまして、各国のTSOと連携してきた実績もございます。この我が国の活動に対する評価でありますが、人材交流、これはそれなりにやってきたわけではありますけれども、例えば資金面という観点から見れば、我が国はIAEAに対しましては世界第2位の拠出国で、約2割を負担してございます。しかしながら、お金は出すけれども、人はどうかといいますと、欧米に比べまして、これはもちろん言語、地理的問題という制約もあるわけではありますけれども、IAEAにおける日本人スタッフは2%以下ということでありまして、非常に少ない。じゃ、ほかの国際機関における我が国の割合はどうかというと、例えば、国連の日本人スタッフの比率を同じような考え方で計算してみますと、約4%ということでありまして、国連における日本人比率に比べても低いという値になってございます。したがって、こういった資金面の協力に比して人材面の貢献が小さいということでございます。また、主要国からの受入れということでは、米仏に関しましては幾つかにわずかな実績がありますけれども、まだまだ少ないということでございます。また、人材の問題と非常に連動する話として、技術力の保存継承、ナレッジマネジメントというのがあるんですが、これは、IAEAにおきましては、統合的アプローチというのを作ってシステマティックにやっておりますし、米国におきましても、知識管理プログラムというのを作って、予算をつけてやってございます。こういったものに比べれば、まだ足りなくて、学ぶ点もあるのではないかということです。安全研究につきましては、これは多くの商業用発電炉を有する国として、また、長期・継続的に運転している国として、データが蓄積されてございます。そのため、OECD/NEAにおけるSCAPと言われる高経年化のプロジェクトには積極的に参加してございますが、ただ、積極的に参加した後の研究のデータベースを国際的に発信していくという仕組み作りがまだ十分ではない。データを抽出するのみではなく、それを情報にし、さらに知識にする、体系化するという仕組みがまだであるということでございます。また、14ページの上の方ですけれども、科学的・合理的な規制体系につきましても、積極的に参加することが重要ですし、技術支援機関の活動についても、今後はアジアを中心としまして我が国のノウハウを教えてほしいという協力要請が増大しますので、JNESの果たす役割への期待が今後ますます高まっていくということでございます。14ページ(2)ですけれども、世界的な原子力発電新興国の動向を踏まえた活動ですけれども、国際的には、これは原子力発電新興国等における安全レベルを高く維持するために、技術的能力とか、安全規制体制、法制度、経験の共有、緊急時のときの対応体制、こういったものが不可欠であるというのが共通認識となっております。そのためにIAEAでも各種活動を展開してございますし、国際原子力規制者会議においても同様の声明を発表してございます。各国別で見ても、アメリカも、フランスも、韓国も体制を整備しながら、こういった新興国への支援・協力を展開しているということでございます。それに対する我が国の活動がどうかということですが、14ページの活動状況のところですけれども、我が国といたしましても、特にアジアを中心としまして、97年からアジア原子力安全ネットワークというのがIAEAにおいて始まったわけですけれども、IAEAのアジア原子力安全ネットワークに対して最大拠出国として貢献してございます。第1フェーズにおきましては約1.5億円を拠出しておりますし、また、人的にも派遣しておりますし、積極的に協力してございます。また、直接的な関係でも、96年以降、「日中セミナー」をずっと開催してございますし、2005年には「日中韓」のシンポジウムを開催して、情報共有、意見交換を進めてございます。そして、本年9月には、いよいよ日中韓の上級規制者会合というのを初めて開催しまして、我が国がこれまで培ってきました安全規制の実施に不可欠な透明性、公正性、中立性の確保のための仕組み作り、こういったノウハウを情報提供しているということでございます。加えて、一番最後の段、海外電力調査会、あるいはJNESにおきましても、事業者向けの研修、規制者向けの研修等も実施しているというのは事実でございます。これがよかったのか、悪かったのかという評価でありますが、15ページでありますが、まず、アジアのネットワークや日中韓の上級規制者会合というのは評価されるべきであると。他方で、原子力発電新興国におきましては、アジアを中心としまして、発電の導入フェーズが進展してまいります。したがって、より具体的に原子力発電施設を導入するという段になりますと、規制当局の審査・検査あるいは緊急時対応の能力というものを強化していかなければならないと、こういった具体的なニーズが新たに出てくるというフェーズに直面してございます。したがって、今までももちろんやってきたんですけれども、今後のアジアの動きを踏まえれば、より一層こういった活動を強化していかなければならないのではないかということです。15ページ(3)ですけれども、緊急時対応策の充実のための活動ということで、まず、国際的には、これは条約もございますし、万一緊急事象が発生した場合についても、情報を迅速に共有するということがなされております。我が国としての活動状況、これは我が国は早期通報条約にも入ってございますし、援助条約にも入っております。また、IAEAが主催する国際緊急時対応演習にも参加してございます。その評価でございますが、16ページに行っていただきまして、今後は、我が国自身がこういう条約上の義務を果たすだけではなくて、近隣諸国に対して我が国が培ってきた、組織を強化してきた経験とか、緊急時の通報システムのノウハウとか、訓練のノウハウ、そういったものを提供していくことが期待されるということであります。特に近隣国に対しましては、条約上はある一定レベルの大きな事故・事象でなければ通報の対象にならないわけでありますけれども、緊急事態に至らないような事故・トラブルもあるわけでありまして、近隣国との関係では、そういった情報についても速やかな情報共有の仕組みを作ってはどうかということが期待されるということでございます。16ページです。総括的な評価。総括的といいますのは、冒頭、主査の方から問題意識として、「原子力政策大綱」の3つの柱があったわけでありますけれども、「原子力政策大綱」の3つの問題意識に沿って、今まで申し上げてきました活動を総括して評価するとどうなるかということでございます。まず(1)、これは主要国との関係における活動ということですが、これは、職員の派遣、安全研究、運転経験等を行ってきました。特に耐震・津波、高経年化等の分野において国際的に高い評価を受けておりますが、今後は、主要国からの人材受入れを増加させるとか、運転経験を効果的・効率的に発信する。それから、国際的な場で活躍する人材を組織的に育成していく。そして、特に我が国の強みである長期・継続的な建設・運転というのを十二分に活かした国際原子力活動を行うべきではないかということを書いてございます。一方、こういった国際的な貢献という側面のみならず、我が国の安全規制の高度化にも活用していくことが重要であるということでございます。3つの柱の2つ目、国際機関における活動、これにつきましても、各種活動や基準作りには、また安全研究には、少なからぬ貢献をしてきました。しかし、17ページですけれども、しかしながら、IAEA基準がどんどんグローバル化、スタンダード化していく中で、欧米に比肩しうるほど積極的に貢献してきたか、リードしてきたかというと、必ずしもそうではなくて、そういうことができるように、各国比率に相応する程度の人材は出していけるように、戦略的・体系的に育成していくべきではないかということであります。国内の範囲についても、これも同じでございます。国際機関における成果を国内に反映していくという視点も重要であると。3本柱の3つ目。これは新興国等との関係でありますが、ここもアジアのネットワークもやってまいりましたし、事業者におきましても、国際協力、研修などをやってきておりまして、官民一体となって活動してきたということは評価はできると。しかし、現在、これだけアジア地域で新増設がふくらみますので、こういった新たに導入する国が自立的に安全確保に取り組むことができるように、今後はより一層安全基盤の拡充のための協力を必要としていると。諸外国を見れば、欧州、米国、韓国なんかもアジアに対する支援体制を作ってございますので、我が国におきましても、アジアのニーズに合致した協力を進めていく必要があると。例えば、安全審査、検査情報、安全規制の実施に不可欠な透明性、公正性、中立性の確保のための仕組み、こういった経験、ノウハウを提供していく必要があるのではないかということでございます。事故・トラブルの情報共有につきましても、これも先ほど申し上げたとおりでございますが、これは特に近隣諸国につきましては、緊急事態に至らないというような情報でも共有できれば、これは安心につながるわけでありますので、こういった情報共有を主導的に進めることが望まれるということでございます。17ページの下の方、これは今ずっとアジアを申し上げてきたわけでありますけれども、これはアジア以外の地域でも、地中海諸国、中東諸国、ありますので、協力に取り組むことが重要であるということが書いてございます。18ページ、これが今回のワーキンググループで打ち出します基本的方針でございますが、今後の基本的方針ということで、今申し上げてまいりました国際的動向、我が国が行ってきた活動、それに対する総括的評価を踏まえまして、今後は以下の基本方針に基づいて国際原子力安全活動を展開すべきであるということで3つ掲げています。その際、国際原子力安全活動を展開するに当たっては、原子力安全規制機関だけではなく、学協会、産業界等の広範なステークホルダーがこれまで培ってきた仕組みや経験を十分に発信できる体制の構築が不可欠であるということでございます。基本方針の1つ目でございますが、これは、考え方としましては「原子力政策大綱」の3つのラインに沿ってございますが、(1)が「原子力安全の高度化に向けた原子力発電主要国との相補的な活動の展開」でございます。(2)が「国際機関における活動の強化と成果の活用」でございます。(3)が「原子力発電新興国等との連携・協力の強化」でございます。それぞれにつきまして、具体的取組みを18ページの下の方から書いてございます。まず、1つ目の基本的方針であります主要国との相補的な活動の展開でありますが、まず、ここで言う相補的というのは、我が国はもちろん貢献、協力をするわけですけれども、そこから得られた知見を国内の安全規制の高度化にも資するという、内と外の相補的という意味でございます。(1)、これに向けまして人材交流、情報共有も進めてまいります。特に安全規制の現場レベルでの審査官、検査官等の交流を促進すべきであるということで、19ページの上の方でありますけれども、書いてございます。それから、技術力の保存・継承の観点からナレッジマネジメントが重要であるわけですけれども、ここは、IAEAにおける統合的安全アプローチ、米国NRCにおける知識管理プログラム、こういったものを人材交流等を通じまして把握して、我が国における情報共有体制の改善にもつなげていくべきであるということでございます。(2)、これは我が国の実績を踏まえた安全研究協力の推進であります。我が国におきましてもロードマップを策定しまして体系的に推進してございますが、特に高経年化対策、高燃焼度燃料の安全研究、こういった分野は我が国が安全性と実績を有する分野でありますので、今後は国際的なデータベース作りにも積極的に参加していく必要があるとして、個々のデータだけではなくて、そこから情報、さらには知識を抽出していく国際的な仕組み作りに参加していくことが重要であると書いてございます。(3)、これは相補的といううちの内の方ですけれども、国内の方ですけれども、国内の安全規制の高度化に関する活動と表裏一体のものととらえまして、人材交流や情報共有、安全研究等によって得られました知見を国内でも活用していくべきである。そのために、一体的・有機的に進めるための方針や戦略、体制の構築を図る必要があるということでございます。(4)、これは技術支援機関間の協力推進でございまして、IAEAの国際TSO会議がございますので、日本開催等を通じましてJNESの取組みの強化を図るべきであるということでございます。20ページに行っていただきまして、国際機関における活動の強化と成果の活用という2つ目の基本方針ですけれども、これの具体的取組みといたしまして、まず(1)のところ、国際機関における活動の強化です。耐震分野につきましては、我が国に大きな期待が寄せられておりますので、2008年、本年ですね、IAEA総会期間中に「IAEA国際耐震センター」というのが新設されたわけですけれども、これに引き続き資金面・人材面を含め協力していくということであります。特に新潟県中越沖地震の経験を有効に活かしまして、具体的な活動を働きかけていくべきであると。このようにして、我が国の知見等を反映した国際安全基準が策定されていれば、このようにしてというのは、こういった活動を通じまして、IAEAにおきましても、IAEAの耐震基準に我が国の知見を反映させるわけですけれども、こういったところで我が国の知見が反映されていれば、今後、我が国が原子力発電新興国等と協力を進めるに当たって有用であるといったメリットも結果的には出てくるということでございます。次に、OECD/NEA、真ん中あたりに書いてございますけれども、ここにおきましては、特に新規設計炉に関する協力、これはMDEPと言われている協力が進められておりますが、ここの活動、それから、その一環として進められているベンダーインスペクションの在り方について、これは我が国は原子力の機器・設備の主要国な供給国でありますので、海外からの期待も高いものでございますから、こういった検討に参画しまして、我が国としての方針を示すことが必要であるということでございます。それから、運転経験フィードバックシステムの構築、IRSの改良、リスク情報の活用、こういったものにも積極的に取り組んでいく必要があるということでございます。特に欧米で進んでおりますクリアリングハウスの制度、これについて我が国においても構築する必要があると。そのため、個別テーマごとに学協会の参画も得ながら体制を整備する必要があるということでございます。また、国内で作るのみならず、それが国際的にも活用されますように、IAEAにおいて情報共有体制の構築、こういった取組みに積極的に参加し、提案していくべきであるということでございます。また、その際ということで、こうした活動を担う人材の育成、派遣、これも国を挙げて組織的に対応すべきであるということでございます。国内安全規制の高度化との一体的、有機的推進。これは(1)のときと同趣旨のことでございますので割愛いたします。そして、21ページに行っていただきまして、3つ目の基本的方針、原子力発電新興国等との連携・協力の強化でありますけれども、(1)、1つ目は、各国の安全規制機関等のニーズを踏まえた協力の推進でございます。先ほども申し上げましたように、アジアの新興国におきましては、ニーズというものが変化してございますので、こういったものを踏まえてやっていくと。このためというところでありますけれども、アジア諸国の原子力安全規制基盤の整備は、従来にも増して重要性が高まっております。国は、産業界の協力も得つつ、それぞれの国別のニーズを収集・分析いたしまして、それを踏まえた協力を強化していく必要があるということでございます。次に(2)、これは安全審査・検査情報等の提供でございます。我が国は、長期・継続的な建設・運転経験を有しております。そういった我が国が持つ安全規制の情報・知識、透明、公正、中立の仕組み作りの経験、これをアジア等の安全規制機関に積極的に提供していくべきであるということでございます。特にということでございますが、我が国が審査経験等を有する原子力発電施設と同じ型の炉を導入しようとする新興国にとりましては、先ほど申し上げました我が国の安全審査・検査情報等を提供することというのは、安全確保の観点から有用であると考えられるということで、これは一つ別の観点からのことを考えてございますが、こういった点にも結果的に資するということを書いてございます。21ページ、(3)でございますが、事故・トラブルに対する情報共有体制、これにつきましても、先ほど申し上げましたが、緊急事態に至らないような場合であっても、断片的な情報によって周辺国の一般国民に不安をもたらすことも考えられますので、例えば日中韓でまずは事故・トラブルの情報共有ネットワークの構築を主導するなどして、アジア全体の安全をリードする体制を展開していくべきであるということでございます。22ページに行っていただきまして、(4)のところでございますが、こうしたアジア等との協力を進めるに当たりまして、我が国国内の立地地域の施設を活用していこうということを書いてございます。我が国には、研修施設、地元自治体、原子力事業者の施設、オフサイトセンターもございますので、そういったものを活用することが望まれる。また、特に耐震につきましては、新潟県中越沖地震等の経験もございますので、国際研修に活かしていくことが重要であると書いてございます。最後、3.でございますが、これは、今申し上げました3つの基本的方針に沿っての具体的取組み、これをやるのに体制を整備する必要があるということでございます。国内体制の整備ということで、こういった取組みが機動性・多様性を有するためには、人材育成ももちろん必要ですし、国際基準の迅速な取り入れ、安全研究の人材受入れといったものを国を挙げてやっていく必要があります。そのためには、安全規制機関だけでは十分ではございませんでして、研究開発機関、学協会、産業界、地域など、広範なステークホルダーの皆様との連携・協力が不可欠であります。また、こうした継続性、一貫性を持って進めていくためには、国内の体制を構築することが重要でございまして、ステークホルダーの皆様の参画を得ながら、基本的にはまず原子力安全・保安院が部内体制を明確化するということでありますが、その上で原子力安全・保安院が示す具体的方向性を踏まえながら、各ステークホルダーが当事者としての役割を果たすことができるよう、必要な情報収集、連絡調整等をJNESが中心的な役割を果たすことが適切であるということを書いてございます。一番最後になりましたが、23ページに「おわりに」ということで、今回、国際原子力安全ワーキンググループは4回の審議を経て報告書の案を取りまとめてございます。今後は、それぞれの具体的取組みを進めていかなければなりませんので、プライオリティ付け、役割分担、スケジュール等を明確化しまして、政府部内のみならず産業界や学協会とも十分連携の上、国際原子力安全活動を積極的に展開していくことを期待するということでございます。なおというところでございます。これは、そのような活動は、安全確保を大前提とする我が国の原子力に関する国際協力、これは原子力安全だけではなくて原子力全般の国際協力の展開にも資するものと考えるということであります。最後に、社会環境、原子力事業における状況は変化するわけでありますので、将来を見越して報告書の内容につきましても不断に見直していくことが必要であるということを書いてございます。以上、長くなりましたが、説明を終わります。
- 大橋委員長
ありがとうございました。ただいま詳細に御説明いただきましたけれども、この位置付けを確認しておきたいと思います。前回の安全基盤小委でこのワーキンググループの設立をお認めいただきまして、8月以降4カ月でしょうか、ワーキンググループで御検討いただいて報告書を取りまとめていただいているのが今日のところです。それで、今日の安全基盤小委で御審議、御討論いただきまして、おおよそこれでいいという方向であれば、これをパブリックコメントにかけて報告書として正式なものにしていただいて、保安院の行政上の参照にしていただくというのが趣旨です。また、今日、こういうことも検討せよとか、いろいろありましたら、また今後の進め方は考えたいと思いますけれども、国会議員の懲罰も半日で出る時代ですから、スピード感を持って進めたいと。済みません。よけいなことばかり。それで、今日御紹介いただきましたとおり、主に、いろんなことがありますけれども、2点で、1つは、我が国の先進国としての国際原子力安全への貢献をどうするかという点、もう一つは、とはいえ欧米先進国にはやや負けていると言うとあれですけれども、国際的な規格基準だとか、決め事をするワーキンググループ、委員会などでのポジションを我が国は戦略的にどうしていくかという2点、それにまつわるさまざまなことがあるんだと思います。どの点でも結構です。まず、いろいろ御質問、御意見をいただいてと思いますけれども、いかがでしょうか。では、武藤委員、お願いします。
- 武藤委員
大変に時宜を得た報告をおまとめいただいたかなと思いました。世界の中で日本の原子力をとらえて見ていくということが、これまでになく大変な重要な時期になっていると思います。何点かあると思うんですけれども、やはり1つは、いろいろ御説明がございましたけれども、発電所の安全確保をしていくという観点からもこれは大変に重要で、安全確保する上で、どれだけ幅の広い情報をきちんと共有できるかということが事業者としても大変大切だと思っておりまして、これまで、WANOであるとか、あるいはオーナーズグループであるとか、いろいろなところから情報をとって安全性を高める、あるいはお互いにベンチマークをしながら性能を見ていく。さらに、世界の中で一番いいやり方に運転のやり方をそろえていく、ベストプラクティスに合わせていくといったような継続的な改善をこれまでもやってきているわけですが、そういう観点で世界の中で見るということ、とても大事だと思います。それから、あと、社会から見た原子力という点でもこれは非常に大切なことだと思っていまして、特に日本の場合は、世の中、世界でどういうふうに評価されているかということが、また社会的な安心につながっていくという側面もあるわけでして、例えば、国際原子力機関の評価等につきましても、中立性あるいは公平性あるいは専門性という観点から大変に信任が厚いと見られているわけでして、これも世界の中で見ていくということの大切さを言っているのかなと思います。それから、御説明がございましたように、原子力産業という論点から言っても、これからのマーケットを視野に入れていろいろ活動が進むわけで、そういう意味でも世界を見る、とても大事だと思います。そのときに幾つか具体的にやらなければいけないことがあるわけでして、たくさん書かれておりますけれども、1点申し上げるとしますと、19ページの(3)のところで、国内規制との一体的、有機的推進とございますけれども、これは大変に重要な視点だと思います。国内の制度も今いろいろ申し上げましたような視点でとらまえて見ていくということが大変に大事だと思うわけであります。例えば、ベンチマークをするというふうにさっき申し上げましたけれども、ベンチマークするときには尺度がそろっていないとやりようがないわけでありまして、物差しをきちんとそろえる。あるいは、規格基準もできるだけ国際的なものにする、あるいは日本のものを国際的な基準にする、両方あると思いますけれども、そういった視点がとても大事だと思います。そのためには、我々、いいものをたくさん持っているわけなので、そういうものを外に向かって積極的に情報発信していく、おっしゃるとおりの機能が大変に重要であって、双方向の情報のやりとりをする中で、そういうことが初めて可能になるということだと思います。日本のハードウェアは大変に優れたものを作っていただいているわけなので、これとソフトといいますか、規制の姿も併せて、より優れたモデルをつくっていくということがとても大事だと、そんなふうにお話を聞かせていただいて感じました。ともかく国際と国内ということで、とかく2つに切り分けた議論をしがちなんですけれども、これをシームレスにとらえていくということがとても大事で、事業者としても、世界を見ながら、これからさらに高い安全性を目指していきたいと思いますし、規制の在り方につきましても、双方シームレスにとらえることで世界から評価されるようなシステム、関係者で作っていくということがとても大事ではないか、そんなふうに感じました。
- 大橋委員長
ありがとうございました。そのほか。橋本先生、お願いします。
- 橋本委員
今のお話と関係あるんですが、これは、大変短期間に立派な報告書をまとめられて、書かれていることはもっともでして、非常によくまとまったすばらしいものを作っていただいて、ありがたいと思っております。国際協力ということなんですが、ここに書かれていること、本当にもっともなんですけれども、ただ、逆に言うと、これをどのように進めていくかという具体論になったときに、もう一歩踏み込まないと実は動かないんじゃないかなという危惧を持っております。というのは、私は原子力が専門ではないんですが、いろんな技術について国際的な協力、あるいは国際基準を作るのに関わってきたことがあります。ここに書かれている日本の国際貢献の姿というのは、原子力に限らずほかの貢献にほとんど共通したことでして、大変頑張っているけれども、主導をとっていないと。そのためには人がもっと出ていかないといけない。まさにそのとおりで、私自身は実はある技術のISO、国際標準をやるために責任者にさせられてしまってやった経験、去年、一昨年なんですが、あるんですが、そのときも全く同じでして、みんな重要だ、重要だと言うんですけれども、いざ出ていくと、ほとんどついてきてくれないと。ほとんど一人で出ていって闘ってきたということがありまして、それで、これはどこでも言われることなんですね。何を申し上げたいか。みんな重要性はわかっているんだけれども、いざ、やる人がいないんですね。こういうときにどこまでこういう報告書に書き込むかということは議論があると思うんですが、だれが責任を持ってやるのかということまで一歩踏み込む必要があるのではないかと思うんですね。原子力の場合、私はよくわかりません。ただ、国際的なマーケットにおいても、これから日本は非常に大きなものを占めていくんだろうということが想定されますが、そうすると、コストもかかるわけですね。コストというのは、単なるお金だけじゃなくて、人材を派遣するためのコスト、人を派遣するためには、必ず人を養成しなければいけませんから、そういうコストがかかる。そういうコスト負担をどうするのかということを一歩踏み込んで書く必要があるんじゃないかなと思うんですね。もちろん安全に関わることですと、国民全体が安全に、世界の人も含めて日本国民も含めてそれを共有するわけですから、税金ということもあるでしょうけれども、もう一方で、そこで産業をして利益を得るところがあれば、そこのコスト負担というのは重要なことだと思うんですね。それは単にお金ではなくて人材を出すということを含めても、一歩踏み込んだことを書いておかないと、結局は我々のような、私は大学にいますけれども、大学の人間が最後単身で出ていって、国際的に闘わなければいけないということになるんですね。それはそれで我々の仕事、我々の仕事じゃなくて、我々のボランティアとしてはやりますが、仕事ではないんですね。ですので、ちょっとそこをもう一歩踏み込んで書いていただけたらよろしいのではないかなという気はいたしました。
- 大橋委員長
ありがとうございました。では、吉本先生、お願いします。
- 吉本委員
今、先生がおっしゃったこととかなり共通しているんですが、できましたら、多分最後の22ページの3の国内体制の整備のところでも結構なんですが、そういった国際社会でフレームとかスキームを作っていけるような人材を育成することが重要だということで、どこか1つ人材育成で柱を立てて欲しいと思います。それぐらい、人というのは重要ではないかと思います。つまり、この立派な、本当に的を射た報告書全体をどう遂行するかというときのボトルネックになっているのは、人がいない、あるいはスキームとかノウハウの共有の仕組み作りがうまくできていない、この2つであるような感じを見受けました。恐らくそういった国際社会、国際会議で活躍できるような人材が少ないというのは、その母体であるメーカーさんですとか、会社さんで、そういった人を適切に処遇したり評価する仕組みがないんじゃないかと思うんですね。そういった国際会議に出る人が、会議に出て情報をとってくるだけでも一つのミッションを全うしていると思うんですけれども、ISOの専門家は、国際的には有名でも、社内ではあまり評価されていないという実態があると思うんです。適正に処遇していく仕組みを会社が作っていかないと、なかなかこういう人材は育っていかない。ですから、せめて国のこういった報告書の中で、そういう人材に光が当てて、処遇改善に結びつくようにしたいという気がします。あとは、ノウハウですとか、そういった情報共有の仕組みが重要だと書かれていますが、これも原子力の世界に限ったことだけではないと思うんですが、日本は経験的に積み上げたノウハウというのを内部に蓄積して、それを人から人へ伝承していくところを組織的にやるのは得意だと思うんですが、それをいざ国際社会に持っていこうとするときに、1つの標準化に持っていったり、何らかの形で形式知化してスキームに持っていったりというところはむしろ苦手としていると。さらに、余りインセンティブがわかないようなメンテナンスというところにも重要性があるんだということを踏まえると、原子力業界だけではなくて、そういうところを得意とするような専門家や業種とも積極的にコラボレーションしながら、日本の持っている知見をもっと外に出すような仕組みを作る必要があるかなと思いました。先ほど橋本先生がおっしゃったことと一緒なんですけれども、それを次のアクションに移すために、もうちょっと何か踏み込んだスキーム作りが必要だという感じがいたしました。
- 大橋委員長
ありがとうございました。そのほかいかがでございましょうか。伊藤先生。
- 伊藤委員
20ページの上の方に書いてあります耐震安全に関する貢献の在り方の議論がありますが、これ、本当に大事なことだと思うんですよね。原子炉、原子力の問題というのは、どこか1カ所でトラブルが発生すると、地球全体に影響が及ぶという危険性もありますので、特に耐震安全、日本が得意だということもありますから、これの活動については、先ほどの議論とも関係するかもわかりませんけれども、全体的な中でも特にプライオリティを上げたらどうかなという気がいたします。それで、質問とコメントなんですけれども、質問は、我が国の知見を反映した国際安全基準の策定をしなければいけないと書いてあるんですけれども、逆に言うと、今、耐震安全に関しては、世界的には、我が国の安全基準と我が国以外の安全基準とは違っているということでよろしいんですね。そういう意味では、我が国の安全基準はむしろ我が国以外の安全基準よりもかなり厳しいという理解でよろしいんでしょうか。耐震に関しては。
- 大橋委員長
そうですね。
- 伊藤委員
そうすると、これをまさに問題のありそうな、特にこの間の四川省の問題もありますし、アジア、世界的に見ても、地震の活動のあるような地域に対しては、日本の厳しい安全基準を実施していくというのが極めて重要なわけですね。それで、もう一つ、今度はコメントですけれども、IAEAの「国際耐震センター」、2008年の総会で新設が決まったと書いておりますけれども、これは拠点はどこに設置されるんでしょうか。ヨーロッパですか。
- 森田国際室長
これはIAEAの中に設立されたということになっているのですが、箱物を作っているわけではございませんでして、バーチャルなファンクションとして、機能として「耐震センター」という機能が立ち上がったということでございます。
- 伊藤委員
わかりました。それで、コメントですけれども、ちょっと無責任なコメントですけれども、もしこの点で日本が世界的な主導権をとるというのであれば、この国際耐震センターなるものを日本に持ってきて、例えば日本のどこかでIAEAの活動を世界的な拠点としてやるというのもある種手っとり早い見せ方だし、日本としてもやりやすい貢献の一つではないかなという気がするんですが、予算的な面とかいろいろあると思いますけれども、そういうアイデアもあるのではないかと先ほど思いました。以上です。
- 大橋委員長
ありがとうございました。では、知野先生。
- 知野委員
21ページの(3)(3)の事故・トラブルに対する情報共有体制の構築なんですけれども、これ、まさに非常に重要なことで、むしろ昔からずっと言われ続けていることだなと思うんですね。そうすると、それがなかなか進んでいかない。じゃ、これはつまり、周辺諸国がどの程度要望があるんだろうかということを少し疑問に思います。そのあたりをどう調べていらっしゃるのか。それから、これが重要だということは、先ほど申し上げたように、長年言われていることなので、むしろこれに関しては、もう少しリードする体制を展開していくためには何をすべきか、一体どこが主導してやっていくのかとか、もう少し書かないことには、重要だが、ここで止まっているという気がするんですが、いかがでしょうか。
- 大橋委員長
ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。湯原先生。
- 湯原委員
規格基準を扱っている者から一言言いたいと思うんですが、まず、国際化についてなんですけれども、機械学会のコード基準等では、国際標準であるASME、アメリカの機械学会に年間4回、コードウイークというのが1週間ありますけれども、30人から40人の日本の規格基準に関わる技術者を送り込んで主導権をとっている分科会も幾つもあります。それには、非常に長い間にわたる努力と、産業界も官も持続的にやっていかなければいけない。そういう成果だと思われます。それから、そういう設計基準や検査基準、維持基準ということを私たちは扱い、保安院ともいろんな接触があるわけでありますけれども、そういう観点から言いますと、国際化というのは、今の保安院、JNESの規制体系の改革が要るのではないかと私は思います。国際化ということを、ここに人材交流とか書いてありますけれども、最後の方に言われていた国内の規制体制の見直しや進化というんでしょうか、そういうことが前面に打ち出されるべきだと私は思います。加えて、産業界が国際的に国の基幹産業としてこれから発展していかなければいけないわけでありますけれども、そうしますと、日本の規制がアジアで通用するようなものにも変えていかなければいけない。ですから、国際的に見て通用するような規制を作っていくという姿勢が一番大事で、それは産業政策とあいまった安全規制ということが非常に重要で、そこが何かこの報告書では分離しているというか、産業のことは書いてありましたけれども、そういうトーンで書かれていないので、是非そこは書き込んでいただきたいと思います。以上、2点。
- 大橋委員長
ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。秋庭先生、次、飯塚先生、お願いします。
- 秋庭委員
ありがとうございます。私も今までの先生方がおっしゃっていたとおりのことをもう少し踏み込んで書いていただきたいなと思っています。とてもよくまとめていただいているんですが、これは業界の方とか先生方も皆さん思っていたと思うんですが、それがなぜできなかったのかというのを、そこの原因のところを書いていただいて、その原因をカバーするためには、それぞれの学会や産業界、国がどのような役割分担で進めていくのか、そして、だれがリーダーシップをとっていって、コスト負担はどうするのか。また、最後に、先ほど知野さん、吉本さんもおっしゃいましたが、コストを負担するときに、これ、最終的には国民が負担していくわけなんですが、国民に対して説明をきちんとできるように、だれがどうやって引っ張っていくのか、そこのところをきちんと書いていただきたいと思っています。そして、1つ付け加えさせていただければ、アジアに関してなんですが、私たち国民においても、アジアの国々でこれから原子力が活用されるようになっていったときに、私たちは近い距離のところで安全性に対して不安を感じている人も多いのではないでしょうか。そういうことがまことしやかに、またアジアの国々に根拠のない原子力に対する反対意識のようなものが伝わってしまいます。そういうところも、先に今までの日本の経験を活かして、どのように安全規制のことをきちんと説明していけばわかってもらえるのか、そこも折り込んでいく必要があると思いますので、是非その点についても触れていただければと思います。
- 大橋委員長
ありがとうございました。飯塚委員。
- 飯塚委員
申し上げようかどうか、ずっと迷っていたんですけれども、国際的なことを考えるときというと、大体外のことをもっとよくわかっていて、いいものを取り入れなければいけないよという話と、私たちが持っているもので協力できるものは協力しましょうという論調になってしまうんですけれども、僕、もちろん原子力じゃないんだけれども、もうちょっと自信を持って書いてもいいんじゃないかなという感じはしているんですね。それはちょっとえげつない言い方かもしれないけれども、輸出です。モデルなり、社会システムなり、産業システムなり、組織マネジメントなり、非常に膨大な技術、方法論の塊を何年も経験して、先端を行っているわけですよね。いろんな意味で。もちろんいろいろなきずはありますけれどもね。それを輸出していくんだと。思想なりモデルなり方法を輸出していくんだという気概で書けないかなというふうにずっと思って見ておりました。どういうふうに修文していいか、具体的な案がないので困っているんですけれども、ちょっとスタンスを変えて、私たちはそれなりにやってきたと。これを世界に対してモデルとして提示していくような気概でやっていくんだ。その中でさまざまな協力なり取り入れなりをしていくんだという形で、どういうふうに書けばいいかわからないけれども、スタイルを少し変えて書けないかなという印象を持ちました。
- 大橋委員長
ありがとうございました。ほかにいかがでございましょうか。木下委員、お願いします。
- 木下委員
それに絡んでいるんですけれども、もう少し攻めの姿勢でいくとすると、20ページにもありましたけれども、日本の貢献は余り新規設計炉に関しては進んでいないというお話がありましたけれども、安全性の考え方とか、技術開発も日本は新しい新型ジェネレーション3ですけれども、考え方がたくさん入った炉を建設しているわけですね。ですから、次の炉についても含めて、先端技術を世界に出していくという姿勢と一緒に、世界の中で安全規制、次の世代の安全規制はこうなんだというようなビジョンを出していくくらいの攻めの姿勢が必要だと思うんですね。それは材料の問題もあると思いますし、システムの問題もあると思いますが、その辺をもう少し詰めていただけるとありがたいと思います。
- 大橋委員長
ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。それでは、大変いろいろな御意見をいただきましてありがとうございました。幾つか質問もあったと思いますので、森田さんから少し御回答をお願いします。
- 森田国際室長
大変有意義なコメント、ありがとうございます。感謝いたします。それで、一つひとつ申し上げますけれども、今、皆様からいただいた御議論というのは、実はワーキングの中でも非常に言われておりまして、できる限りこの報告書の中には各種反映させてございます。また、もう一つの動きを紹介しなければならないかと思うんですけれども、今日は資源エネルギー庁のオブザーバーはないかと思いますが、資源エネルギー庁の方でも原子力部会というものがありまして、この中で国際戦略小委員会というのを立ち上げてございます。本日、私が国際原子力安全ワーキングでお話しした内容というのは、安全の方のお話なわけでありますけれども、そこは皆様おっしゃるとおり、原子力全体の国際活動というものとも連動するわけでありまして、全体の方というのを資源エネルギー庁の原子力部会国際戦略小委の方で今動かせているところでございますので、そちらの方で受ける議論も幾つかあるかと思います。一つひとつ申し上げますと、まず、幾つか我が国の「攻めの姿勢」というお言葉も木下委員からいただいておりますけれども、我が国としてどういうふうに産業展開するのか、あるいは技術を展開するのかという視点があるわけでございますが、ここは、そもそも国際原子力安全ワーキンググループの検討のスコープが何なのかという議論になるかと思うんですけれども、そこはこの報告書の冒頭で定義してございまして、これは4ページの検討に当たっての問題意識の中に、御意見の中に、我が国の、たしか蓄積してきたものを活用していくというお話があったと思うんですが、まず、検討に当たっての問題意識のところで、我が国の立ち位置というのを書いてございます。4ページの(1)のところで、我が国の優位性を発揮した国際原子力安全活動というところでございます。ここで、まず、我が国としては、50基を超える原子力発電大国でありまして、米仏と並んで3極の一つでありますと。80年代以降、世界的に建設が停滞する中で、我が国は継続的に検討・運転を行ってきた実績がある。技術的知見があるという優位性があります。また、組織的には、2001年には保安院ができましたし、2003年にはJNESが成立されまして、また、透明性、説明責任ということでも各種試行錯誤を重ねながら、さまざまなステークホルダーへの情報提供に取り組んでまいりました。また、技術基準につきましても、最新の技術を迅速に取り入れるように性能規定化というのを行ってございます。こういった我が国の優位性というものがありますので、これをアジア等の新興国にも提供していくという問題意識、優位性を持っているという問題意識で検討を進めてございます。それから、次の5ページに行っていただきまして、本ワーキンググループの検討の範囲でございますが、委員の皆様から言われていることは全くそのとおりでございまして、じゃ、本ワーキンググループの検討範囲はどこかということで、問題意識のところの上から5行目のところに書いてあるわけですけれども、我が国の原子力に関する国際的な活動があるんですけれども、そのうち安全に係る活動を検討範囲としたということでございます。ここは、前後してしまいますけれども、3ページに戻っていただきまして、もともと2005年に「原子力政策大綱」というものがありまして、これは原子力全般のことの大綱なわけですけれども、ここで国際協力の在り方についても触れられておりまして、安全の確保等を求めることを大前提としつつ、安全の確保は前提なわけですね。しつつ、二国間や多国間、国際機関を通じての云々、国際協力をするべきであるとなっておりますので、安全ワーキングの方は、ここで書かれております安全確保を大前提としたところの部分をやったという位置付けになってございます。それから、一つひとつ言いますと、「国際耐震センター」を日本に持ってくるべきではないかという御意見ですけれども、これもそういった意見もございまして、これは20ページの(1)の中に、「国際耐震センター」の活動にということが書いてあるわけですけれども、新潟県中越沖地震等の経験を有効に活かした具体的活動を働きかけていくべできあるという表現で使ってございます。すなわち、先ほど御説明しましたとおり、この耐震センター自体というのは、箱物があるわけではなくて、活動があるわけでありますので、この活動を招待するということは各国の自由なわけでありますが、我が国としてもこの活動を我が国でやってほしいというふうに招待することによりまして、これは「働きかけ」と言っております。中心的な役割を担っていこうということでございます。それから、あと、知野委員からアジアにつきまして、また、秋庭委員からもありましたけれども、アジアについては不安があるということで、周辺諸国から情報共有の要望があるのかということですけれども、アジア地域に関しましては、要望があるのはどちらかというと日本の方でして、日本がアジア地域に要望して出すという、どちらかというとそういう形ではありますが、ただ、問題は、中国等まだまだ整備的にも日本ほどには進んでいない国があるわけでありまして、こういった国との関係で、いかにしてシステマティックに情報を提供してもらうかと。もらうかという表現がいいかどうかわかりませんけれども、お互いに提供し合えるように構築するか。日本は構築する、提供する準備があるわけですけれども、相手国にもそれをやってもらうかということでございます。これは、条約上の義務ではございませんので、なかなかやってくださいと言って、はい、わかりましたという世界にはならないで、日ごろの意見交換、情報交換、そういった場を積み重ねていく中で関係を作って、いざというときにはコンタクトパーソン同士で情報を交換できると。ガバメントベースの間でですね。というシステム作りが重要になってくると思います。その意味で、「日中セミナー」というのもずっとやってまいりましたし、日中韓のシンポジウムもやりましたし、今年ようやく日中韓の上級規制者会合というのを開きまして、徐々に近隣諸国との関係、組織同士の関係というのができてきているという状況でございますので、こういった地道なやりとりというのを通じまして、いざというときにコンタクトパーソンが機能するような状況を作り上げていきたいと思っております。それから、人材については、各種いただきました。ここは20ページのところに書きましたけれども、20ページの下から8行目ぐらいのところで、国際機関における活動を担う人材の育成、派遣について、国を挙げて組織的に対応すべきであるということで、踏み込みが足りないという御意見もいただいておりますが、これは非常にやらなければならないということで、この2行を書き加えておりまして、かつ、一番最後の「おわりに」のところで、ここで書きました国際活動というのは、大変広範にわたりまして、ステークホルダーの皆さんも多様でございます。したがって、報告書を受けまして、具体的取組みについてプライオリティ付け、役割分担、この役割分担というところがまさに、だれが、あるいは人材というところになるわけですけれども、役割分担、実施に向けたスケジュール等を明確化しながらやっていくということを書いてございます。人材育成についても大きく当てはまるお話でございます。落ちている部分があったら、また追加するかもしれませんが、基本的には、いただいた意見、ごもっともと考えておりまして、文章内にはできる限り反映させているところでございます。具体的には、より将来的に具体化するときに反映させていきたいと考えてございます。以上です。
- 大橋委員長
ありがとうございます。この報告書の趣旨が、行政庁に対するこういう意見の取りまとめという形が多いので、どうしても具体性に余り踏み込んでいないところが先生方御不満なところかと思いますけれども、具体論に入ると、先ほどの人材の件なんか、一般論としては人材育成が必要だということになりますけれども、そこが先生方の不満になっているんですけれども、じゃ、どうしてやるかというと、なかなか難しいところがありまして、私が事務局と議論したときには、こういうことは重要だけれども、本当に人材がいないという前提で何かデザインをするような方向も考えてみるとか、サッカー界がやっているように、活躍している人を帰化させるとか、それは冗談ですけれども、柔軟に少し具体論を考えていくことが必要だと思いますので、それはまたこの報告書を受けて、原子力安全・保安院で施策として検討していただくときに重々御検討いただければと思います。それから、コスト負担の件もまさにそのとおりですけれども、今、恐らく国民の方は、国際的な貢献、特にアジア諸国への貢献という意味合いが強ければ、特段の直接のメリットがないという形でも応援いただけるような社会状況になっているような印象がありますし、もう一点は、基準の件ですけれども、国際標準に日本の耐震基準とか基準を当てはめていくというのはすばらしい考えで、そういうことを是非進めるべきだと思うんですけれども、規制の具体的なところに入りますと、日本だけではありませんけれども、ステークホルダーが非常に多いので、科学技術的な合理性だけで決まるかというと、そうではありませんので、報告書に書いていただいたように、我々からも安全のエクスパティーズを提供して、また、国際的な観点からも我々のところに入手して、双方向的に合理性の高い基準を国際的に作り上げていくことが適当だというようなことを今考えた次第です。今、事務局から御回答いただいたところではありますけれども、何か全体を受けまして、先生方、また何か御質問、御意見があれば承りたいと思います。吉本委員、お願いします。
- 吉本委員
この報告書のワーキンググループのスコープについては承知いたしました。ただ、ここに盛り込めないことは承知の上なんですけれども、こと原子力、特に国際安全という観点からしますと、安全と産業競争力を切り離すこと自体、ナンセンスなんじゃないかなと率直に思いますし、前回も申し上げたような気がしますけれども、原子力に限らず、ナノテクノロジーであれ、生命倫理であれ、安全という名の裏にすごく熾烈な国際競争が展開されているわけですから、規格基準をどうするかですとか、安全基準をどうするか、アジアとのネットワークをどうするか、単なるボランティアでやっていくわけではないと思うんですよね。むしろボランティアな顔をしつつ、裏では当然それを外交のカードとするぐらいのしたたかさが必要だと思いますので、それが別途資源エネルギー庁の戦略部会でやっているということであれば、そこと是非連携を図りながらお願いしたいと思っています。
- 大橋委員長
ありがとうございました。こらちからも向こうにオブザーバーで行っていただいていると思いますので、今御指摘の点、重々考慮しながら進めていただくようにお願いしたいと思います。それでは、時間の関係もありますので、活発な御議論ありがとうございました。種々御指摘、御意見をいただきましたところ、重々理解しておりますので、今、なかなか書きにくいこと、いろいろ具体性をとか、コスト面とかの御指摘いただいたことをできる限り事務局とワーキンググループで少し御検討いただきまして、これはワーキンググループということで関村先生に一任するということで、文章を少し書き込むなり、修文されるなり、いただきまして、いかがいたしましょうか。その後、もしよろしければパブリックコメントにかけていただいて、先生方は、追加の御質問、コメントがあれば、随時いただければ、それもその範囲内で適宜御対応、修正するようにいたしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、今後の具体的な取扱いについて、御説明をお願いできますでしょうか。
- 森田国際室長
ありがとうございます。では、本ワーキンググループの報告書案につきましては、今後パブリックコメントにかけまして、また並行的に、今、委員長からありましたとおり、皆様方からのコメントもありましたら、それも踏まえまして、基本的には修正が軽微であれば、関村主査と相談させていただきながら取りまとめます。そして、早ければ来年1月を目途に公表することを予定しております。
- 大橋委員長
ありがとうございました。それでは、議題の2の「安全研究ロードマップの検討状況について」ということですけれども、これは先生方にいろいろ御意見いただければと思いますけれども、原子力学会の方から原子力安全部会・企画研究小委員会等で進めている安全研究ロードマップの検討状況の御紹介をしたいというお話を承りまして、その主査である関村先生から御紹介をお願いしたいと思います。
- 関村委員
それでは、資料2のシリーズでございます。2-1が、今御紹介いただきましたように、原子力学会の中に安全の部会を作っておりまして、そこで安全に関わるさまざまな分野のロードマップの整備、これを全体を俯瞰するという活動をやっております。2-1の資料の御説明に入ります前に、2のシリーズでございますが、燃料の高度化に関する技術戦略マップの概要版、これが資料2-2でございます。その技術戦略マップの全体像は参考資料1の方に付けてございます。さらに、高経年化対応の技術戦略マップ、これにつきましては参考資料2。それから、今回、添付資料としてこの全体を取りまとめた要約版の冊子を付けてございます。さらに、水化学に関する件につきましては参考資料3でございます。地震安全に関わる点は、2-3の資料の方に概要として中間報告的に取りまとめてございます。さらに、軽水炉利用の高度化ということでは参考資料4と、こういう全体でございますが、まず、資料2-1で全体像をざっとごらんいただき、資料2-2及び2-3、場合によっては参考資料2あたりを簡単に説明していただくという順番でお願いできればと思っております。それで、まず、資料2-1でございますが、現在、原子力安全に関わるさまざまな技術分野において、産官学、学協会の方々が技術戦略マップ、ロードマップというものを策定しております。そのような観点で、今申し上げました資料を今回お出しして、さらに、この技術分野の区分というものが初めからこういうふうに決まっていて、これをやっているわけでございませんで、技術戦略マップの中でどのように技術相互の関連を考えていったらいいか、この辺につきましても今検討を原子力学会の安全部会では進めていると。これを御報告させていただきたいと思います。それで、具体的な内容の例といたしまして、資料2-2を用いまして、燃料高度化に関わる技術戦略マップの概要版、これで説明させていただきたいと思います。私、申し遅れましたが、2-2の資料の1ページにありますように、東京大学工学系研究科原子力国際専攻というものを作っておりまして、先ほどの議題にあるような観点からも人材育成を責任持ってやる大学の組織を作っているところでございます。ちょっと横道にそれたかもしれませんが、2-2の2ページ目をごらんいただければと思います。これは、燃料高度化に関わる技術戦略マップの位置付けという意味を少し拡大的に学会の方で用意をしていただいたものでございます。まず、技術戦略マップを作っていくということについては、1番目の赤ポツにございますように、産官学の専門家がその課題をきちんと議論し、役割分担を明確にし、理解を共有する。深い意味に共有すると。これが大前提であることは皆さん御承知のとおりです。しかしながら、技術戦略マップの目標というのは、専門家の中での理解を深めることだけではございませんで、国民の理解を得る、産官学が有機的に連携しながら、合理的・効率的な方法で課題解決を図る。これを技術戦略マップの目標にしているわけでございます。この具体的な策定につきましては、自己評価を行い、一番最後の行にありますように、最新の知見や議論を反映して、見直し活動、ローリングとも申しますが、このような活動を継続的に今、学協会で進めているということでございます。3ページ目に行きますと、これは既に御報告を申し上げているところでございますが、役割分担、あるいは責任という言葉で表現をしておりますが、このような理念をまず作り、個々の分野ではどのように責任を果たすか、役割分担をしていったらいいか、このような考え方に具体化をしていくと、こういう考え方をとりたいと考えているところでございます。ここには、いわゆる産官学に加えまして、学協会が下のところにステークホルダーとして明示をするということを進めてまいりました。学協会では今、私が御報告しているように、技術戦略マップ、ロードマップを、ローリング作業を行うという役割に加えまして、先ほどからお話がございますように、活動の成果を規格基準に取りまとめる、それを具体化していく、それを発信していくという非常に重要な役割があります。したがって、いわゆる産官学に加えて学協会の位置づけを明確にしているというところがポイントでございます。次の4ページ目をごらんいただければと思います。我々が進めております技術戦略マップ、ロードマップの構造でございます。まず、第1階層目。これは燃料の例で申し上げておりますが、どのように燃料分野が社会のニーズに応えるかということを目標として示す。これをきちんと第1階層目で設定をするわけです。これを踏まえてどのような課題があるかということを技術マップとして全体像を明らかにしていく。さらに、第3階層目で解決に向けた取組み、あるいはどこできちんと評価を行うべきか、そういうホールドポイントを時間軸上に示したというところが第3階層目。いわゆるロードマップというのはこの第3階層目ということになります。このような構造を持ちながら、今、我々の学会の中では自己評価を既に2007年版の技術戦略マップに基づいて実施をしていらっしゃる産官学、規格作りの場では当然学協会が自己評価を行い、その論点を抽出し、課題をさらに検討し、今回お示ししているような新しいバージョンの技術戦略マップに作り替えていく、こういうプロセスを経ているということでございます。次に、燃料の具体的な例の方でお話を申し上げたいと思います。導入シナリオが第1階層であるということでございますが、これは幾つかのレベル分けをしながら、その導入シナリオを明確にしております。まず、我々が取り扱うべき燃料、核燃料、原子燃料というものの重要性。これは根幹を担う機能であるということを明確に専門家としても共有し、それを明確に外に対しても申し上げているというところを作っております。それから、これはもう既に申し上げたところでございますが、我々の目標というものは、社会的ニーズを踏まえて、じゃ、具体的にこのようなことを進めていくということが書いてございまして、これは、特に燃料の場合は、開発と安全を担保する仕組み作り、この両面がかみ合ったものであるというのが燃料高度化でございます。では、その具体的な技術戦略マップの目標に応えていくということでは、一番下の欄にございますように、社会的ニーズ、これが大くくりにすれば5つぐらいの社会的ニーズがあると考えておりまして、そのニーズ、個々に応えていくためには、どのようなさまざまな課題を解決していくのか、こういうところをここに書き加えているところでございます。安全確保と安心感という意味では、先ほどから議論がありますように、安全基準の合理性向上等がメインな課題になってくるというところがポイントだと。例えば、そういう例があろうかと思います。それで、次のページ、7ページ目をごらんいただければと思うんですが、燃料の高度化に関わるような導入シナリオ、第1階層目を踏まえますと、技術の課題を幾つか挙げることができるというわけです。これは、例えば研究開発課題という観点では非常に多くの課題を挙げなくてはいけないわけですが、それを国民に対してもちゃんと示していくという観点から、我々は5つのカテゴライズができるのではないかと考えております。1点目が、現行の軽水炉燃料の高度化という観点です。これは、右側にございますように、赤色で示しているように、主として産業界が進めるべき課題がここに具体的に幾つかあろうということです。もう一点が、次世代の軽水炉システムにおける燃料技術の開発でございます。これは、官の協力も得ながら、特に推進側の協力も得ながら、産業界がそれをうまく具体的なものにしていくという課題があろうかと思います。さらに、3番目、これは後でまた重要な点ということで御説明申し上げますが、原子力の安全確保のための技術情報基盤の整備、これを産官学がうまく進めていく。こういう仕組み作りをすることによって、その次にある制度的基盤、これは安全規制を行う方々のさまざまな制度的基盤を整備することに役立っていくということが言えます。さらに、当然のことでございますが、人材基盤・施設基盤、国際協力における課題、これら幾つかの課題を産官学が共同して進めていく。第2階層目は、幾つかの課題は、この5つの重要な技術課題にカテゴライズできると考えているところでございます。その中で、3番目に申し上げました技術情報基盤の整備とそれ以外の課題の関連につきまして、次の8ページ目で御紹介をさせていただければと思います。個々の安全研究あるいは人材基盤というものと技術情報基盤がどのような関係にあるか、さらに、それがどのように制度的基盤等とかみ合っているかというところを少し我々の中でも考え方を整理するという形で作ってみた図でございますが、真ん中に三角形の図があるような部分というのが技術情報基盤の整備の活動の具体的な内容を我々の認識を示したものでございます。技術情報基盤というものが単なるデータを集めたものではなく、そのデータを情報にし、知識化していく。知識化の部分というのは、規格基準であったり、さまざまな合理的な審査の方法であったりするということです。それが安全基盤研究、具体的な研究課題の具体化を通じて進めていくということです。さらに、人材の方も、個々のさまざまな知見を、データを出していって、それを知識化するという方向性、さらに、規制に必要な課題という、こういう規制をやっていきたいんだというところを具体的なニーズに落とし込んでいく課題、その双方向の課題があろうと、このようなことを意識することによって人材基盤と安全基盤研究がスムーズにつながり、その上にある制度基盤、あるいは現行軽水炉燃料の高度化という具体的な目標につながっていくんだと。これらに関連して、先ほども御議論がありましたように、国際協力というものの意味付け、さらに、燃料の場合は、特に大きな設備を使いますので、施設基盤の国際協力のところも含めた課題が見えてくると、このようなことを考えているわけです。したがって、技術情報基盤の整備というカテゴライズをきちんと技術マップの中に示していくということがこの取組みを進めていく上で重要であると考えて、これを技術マップの第2階層目の重要課題に取り込んできているということでございます。それで、このような形で、あと具体的なところにつきましては、参考資料の方を見ていただければと思うんですが、学会で進めてまいりました燃料高度化の実行委員会では提言をできるような段階になっていると思っています。もちろん産官学が取組みを進めるための必要な措置を具体化すべきであるということ、さらに、それぞれの取組みの透明性を増して、技術戦略に基づいた取組みを進めて、さらに、必要なさまざまなほかのところに対するフィードバックを行っていくということ、情報発信を進めていくということ、それから、国におかれましては、指針の体系化、民間規格の活用、特に燃料の場合は、トピカルレポートの活用等の制度的な基盤の整備に取り組んで、これらの技術的な内容を技術情報基盤という形でも整備していただきたいということ。それから、もう一点でございますが、規格化の観点で、燃料についてはこのような体系的なものの見方を具体化するために、標準委員会の中に燃料基準の開発タスクを立ち上げていただきたいとここには書いてございますが、既にこれを受けまして、原子力学会の標準委員会では燃料基準の開発タスクが立ち上がっているという状況でございます。それで、次に、2-3の資料に入ります前に、関連して参考資料2の方の高経年化対応の技術戦略マップに関する御説明の資料を見ていただければと思います。高経年化対応につきましては非常に多様な分野がございますので、個々のところで御説明するというのは大変時間がかかってしまいますが、13ページをごらんいただければと思います。この中で、技術情報調整委員会という役割、産官学・学協会の連携に関わる委員会がJNESに設置されておりまして、そこで安全研究ワーキング等の議論を経たものが技術戦略マップとして今ローリングをされている。これについては、情報基盤あるいは国際協力のワーキングも協力していただいているわけですが、そこには、学を中心とした産官学の左の緑で書いてある高経年化対策強化基盤整備事業、ここに関わる活動が協力をし、さらに産業界は、PLM研究推進会議というのを置いていただいて検討を進めてきているというわけでございます。そこに先ほど申し上げた大項目といいますか、これは高経年化対応の場合は4大項目で整理しておりますが、特に安全基盤研究のところは、個々の劣化事象に対応したような自己分析評価チームというものを置いて、これらの成果を踏まえて、産官学がこのような全体の体制を経て、今、技術戦略マップのローリングが進められているというところでございます。これが燃料及び高経年化に係るところでございまして、次に2-3の資料に移らせていただければと思います。地震安全に関わるようなロードマップに関する中間的な御報告をこの資料で学会の原子力発電所の地震安全特別専門委員会の立場からさせていただければと思います。この資料の2ページ目を開いていただきますと、このような活動を進めて、特に原子力学会の中に特別専門委員会を作って検討している、その目的について記載してございます。これは、中越沖地震における大きな地震があったというところを踏まえたものであることは、皆さん御承知のとおりだと思いますし、安全性をさらに確かなものにするために、今後行うべきことをまとめてきているというわけでございます。その中で、全体の課題をロードマップとして取りまとめて公表していくことが必要であろうと。これがこの専門委員会の活動の一端になっているわけでございます。その体制でございますが、先ほど高経年化対応の方では、非常に広い分野について包括的な取りまとめをしてきていると申し上げましたが、地震に関しましては、いわゆる地震の地盤、地震動というような立場からの議論、それから構造分野の議論、さらに原子力の安全に関わる分野、これら全体の議論が必要でありますので、全体を取りまとめる形で原子力学会の中に特別専門委員会を設置して、分科会等を開かせていただき、適宜、機械学会あるいは地震工学会と連絡を取り合いながら議論を進めているというところでございます。その中では、当然国の活動、民間の活動も参照させていただいているという仕組み作りをしまして、それら全体を見る形でロードマップのワーキンググループというのを設置させていただいて、今回御報告するような中間的な取りまとめまで至っているということでございます。次のページの4ページ目をごらんいただければと思います。先ほど申し上げましたように、非常に広い範囲をどのように扱っていくべきであるのか、このようなところを議論をしてまいりまして、いわゆる耐震設計の分野を少し広げた形で、地震安全という形で検討の対象を広げることが適切ではないかと考えているところです。いわゆる原子力安全の確保、これに加えまして、地震により誘発される事象とその影響を考慮して、地震時あるいは地震後の公衆や社会の安全を確保する、このような形でどのような課題を設定できるか、こんな議論を進めているところでございまして、その結果をロードマップとして落とし込むためには、5ページ目にあるような基本的な方針をまず定めて検討を進めているところでございます。まず、1点目が、地震の安全の論理の構築、これをきちんと進めることが必要だろうということでございます。この論理に基づいた技術課題というものの全体像を踏まえて検討を進めていくということです。それから、これは本委員会での今日のお話もございましたように、国際化への対応を進めていくということ。さらに、研究開発の課題はあろうかと思いますが、それを規格基準に落とし込んでいくということ。それから、言うまでもなく人材基盤という意味で、この広い範囲をどのように考えていったらいいかということ、このような4つの考え方を提示して、これらを取りまとめるような形でロードマップを検討しているということでございます。次の6ページ目、技術分野と技術課題ということでございますが、これにつきましては、今、各分科会でこのような検討を進めておりまして、特に原子力安全分野では、いわゆる原子力安全の論理を地震安全というふうに広げて考える場合に、どういうふうに論理構成をすべきなのかという点に関する議論が非常に深く進んでいるところでございます。さらに、機械構造分野につきましては、このような課題を検討を進めてきている。さらに、地震工学の分野もこのような観点で議論を進めておりまして、これらの全体像として、今フレームワークを構築しつつあるというところでございます。7ページ目、まとめでございますが、現段階ではこのような全体像を踏まえた課題表ということを取りまとめつつあるということでございます。これらを踏まえまして、関係機関のさまざまな現在進められている課題、今後進めるべき課題、これらをうまくつないだような考え方を検討工程も踏まえながら進めているということでございます。まだ中間的な御報告ということでございますが、これらをブラッシュアップをしていきたいと思いますので、是非今後ともこの場でも御検討いただければと思っております。私からは以上で説明を終了させていただきたいと思います。
- 大橋委員長
ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に関しまして、何か御質問、御意見があればいただければと思います。小林先生。
- 小林委員
この件、前回の基盤小委でも部分的に御説明いただいたと思うんですよね。それで、申しわけないけれども、また全く同じ質問、コメントなんですけれども、資料2-1の表のページに尽きていると思うんですけれども、こういう分野があって、それぞれロードマップの整備をしなくちゃいけないと。これは大分前から共通の認識であって、やりましょうということで出発していると思うんですけれども、この表はあくまで原子力学会が作った表という理解だと思うんですよね。問題は、だから、個別の、要するに各分野のロードマップそのものは原子力学会でいろいろ検討していただくということはよろしいんですけれども、この表に代表されるような全体像というのは、それも原子力学会がお作りになって、基盤小委はそれに対してどうするんですかということが全然見えないんですよね。そもそも、だから、基盤小委でこういう全体のロードマップの議論があるべきだと思うんですよね。ところが、前回そういう質問をしたら、今、原子力学会で個別の問題の例示をしているので、それがやがてはというお話だったと思うんですけれども、その進展が全然ないというのが非常に奇異な感じがするんですけれども。それで、この表で言うと、大区分、中区分ということで、各技術分野というのは全部尽きているんですかと。それから、棒が引っ張ってあるのは一体何ですかとか、それから、もっと大きな問題は、多分、ほかの学協会がこれは参画しているか、あるいは仕事をやらなくてはいけないという問題であって、ほかの学協会の話が全く出てこないですよね。だから、そもそもが、要するに、国と学協会と事業者と全部協力してこういうロードマップを作っていこうという話になっていると思うんですけれども、なかなかそういう全体像と、どこがどういうふうに関与するんですかという責任の範囲、あるいは分担の範囲と言った方が適切。それが全然見えなくて、2回、3回と原子力学会の資料が常に出てくるというのは、非常に基盤小委として私は奇妙な感じがするんです。以上、コメントです。
- 大橋委員長
ありがとうございます。今日の立場としては、基盤小委でというよりかは、原子力学会から御説明をされたい、紹介をしたいという御提案を受けて、この場で活動を紹介していただいたという立場かと思います。ただ、小林先生、ほかの分野だとか、ほかの学会について、ここでどう考えるんだということに関しては、いかがいたしましょう。今、御回答いただくのがいいか、もう一つワーキンググループを立ち上げますので、そちらで受け止めさせていただいて検討したいと思います。ありがとうございました。
- 飯塚委員
私も実は小林先生と全く同じ印象を持ったんです。2-1の資料に代わるものとして、この委員会としてどういうところをやっているんだということを示す資料があった方がいいと思います。私自身は、品質管理とかいう方なんですが、実際にそういう課題は設定されていて、技術マップといいますか、それを作るという作業をJNESから委託して、どこかやっているのかな。そういう仕事をやったりしているわけです。品質管理とか、ヒューマンファクターとか、社会技術という非常にややこしいものですけれども、定義するところをやっているわけでございまして、そういうことを関心を持って今進んでいるということと、どのくらいまでいっているか、まだまだなんですけれども、状況について紹介があって、そのうちの一部について、こんなになっていますよということを報告するという方が、この委員会としては健全なのではないかなという感じがしました。
- 大橋委員長
ありがとうございました。
- 関村委員
私も先生方の御意見と全く同感でございまして、今、原子力学会というふうに、たまたま燃料の方は原子力学会の方が中心でございますが、技術情報調整委員会というのはJNESの立場でございますので、学会を少し離れながら、もう少し俯瞰をしているということでございます。1点ポイントは、我々、先ほど技術戦略マップを作っている立場から、あるいはローリングをしている立場から申し上げますと、導入シナリオというのを明確にしております。それについてはどのようなステークホルダーがどのような形で、あるいはどのようなビジョンを持ってここに参画すべきか、これを明確にしておりますので、この導入シナリオの部分というのをきちんとこういう場で明示をして、管理という言い方はおかしいかもしれませんが、共有化していただく。その全体像をしっかりと示していただく、それが必要だと思っています。個々の技術戦略マップの御紹介をしましたが、それはただ単に深掘りをするわけではないという話を、先ほど私は燃料の例を申し上げて示したところでございます。先生方おっしゃっていただいた観点で技術戦略マップ、ロードマップを作成しておりますので、是非この場でも全体像の議論をお願いをできればと思っております。
- 大橋委員長
ありがとうございました。今議論いただきました件に関しましては、エクスプリシットに考えていたかどうかわかりませんけれども、次の安全基盤研究ワーキンググループの第1のミッションにもなっておりますので、その場で検討したいと思うんですけれども、1つ気になりますのは、安全に関しては基本的に深層防護という考え方で包括的にやっておりますので、特段の問題があるわけではありませんけれども、安全の説明性を上げるとか、懐を深くするとか、合理性を上げていくという意味で、このロードマップを各分野で立てていただくことは、そういう適切な意味合いがあるかと思います。ただ、逆にこれに縛られて、これをやっていかないと何かが達成できないとか、何か新しいアイデアが入り込めないということも片やまずいと思いますので、それがローリングという考え方だと思いますけれども、この辺を柔軟に扱っていただけるようにお願いしておきたいと思います。そのほか。松岡委員、お願いします。
- 松岡委員
先ほどの報告書で、委員会の提言として、再処理施設についても技術戦略マップの検討を進めることが好ましいということがあったんですが、資料2-1を見てみますと、バーになって、提言がされたにもかかわらず、何も進んでいないという印象を受けるんですが、これは必ずしもそうでないと私は思っているので、あの提言がかなり後押しをしたのではないかと思いますが、関係機関で技術戦略マップ策定の検討が始められておりまして、原子力学会の安全部会の活動の一つとしてこれを進めろということが決まっておりますので、多分近いうちにそういうことを検討する正式な組織が原子力学会の中に立ち上げられると思っておりますが、そういうことで、是非サイクル関係についても積極的に中間状況等をこの場で報告をする、あるいは議論をするということが、関係機関あるいは関係者の背中を押すということになると思うので、積極的にお願いしたいと思います。
- 大橋委員長
ありがとうございます。2-1の資料は、恐らく原子力学会で進み具合を見ながらまとめていただいたやつで、バーというのはこれからスタートするという意味合いも入っておるんだと思いますけれども、その辺また適時事務局からもお願いするかもしれませんし、また、学会の方からも是非御提案いただいて、この場で紹介、議論をいただければと思います。ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。飯塚先生。
- 飯塚委員
先ほど関村先生から、導入シナリオ、技術マップ、ロードマップ、これは非常に重要だということで、このこと自体はこの形でまとめていけということを強調されたらいかがかと思いました。私たち、似たようなことをやっていて、実は技術マップを作るとき、ちょっと誤りをおかしかけたことがありまして、それは、その分野で一体何をやっているんだということを調べて、それを後から体系化しようとしていたんですが、それは逆でして、むしろどういうニーズがあるかということをきちんと考える。導入シナリオは、まず目的を明らかにするし、技術マップを作るときに課題を明らかにするとき、現実にどういうところに困っているとか、したいことが不十分なのはどこかということを全部挙げてみて、それを解消するために、今、どんな方法があり得て、ここを埋めなければいけないということを明らかにしていくというふうにしないといけないんですね。ニーズ先行で技術マップを書いていくという方法論も重要だなと思って、それを見ないと、何のためにそのマップがあるかも見えなくなってしまうんですね。このあたりのことを経験を踏まえられたことをポジションペーパーとしてまとめていただいて、こんな形にするんじゃないかということを提案いただいたらいいかなと思います。
- 大橋委員長
ありがとうございました。安全基盤小委員会は、全体を目配りしていただくようないろいろな分野の先生方に入っていただいておりますので、技術内容まで踏み込んで、それの認定をここで行うかというのは、また事務局と御相談したいと思いますけれども、今いただきました意見に関しましては、安全基盤研究ワーキンググループの方で技術的内容も含めて、今後、お約束は、大変申しわけありませんが、できませんけれども、それをどういうふうに、どこの者が分担して作って、どういうふうに活用していくかということについて、踏み込んで議論をお願いしておきたいと思います。ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。湯原先生。
- 湯原委員
今のロードマップの件でありますけれども、民間規格戦略を進めている機械学会の規格基準策定活動のそういうロードマップをここの基盤小委で紹介しなければいけないと、そういうニュアンスがあるんでしょうか。学協会が希望して、手を挙げて、ここで紹介させてくれということでやっているというお話でしたけれども、何かニュアンスがちょっと違うように受けるんですけれども。
- 大橋委員長
いえいえ、今のところは、こちらからお願いして、過去に3学協会でどういう検討をしているかを御紹介いただいたこともありますし、今日は、原子力学会から勝手にというつもりは全くありません。活動状況をここで御報告いただけるということでお願いをした次第です。
- 湯原委員
ですから、電気協会を事務局として3学協会の原子力関係の規格基準協議会というのがあって、保安院さんも入っておられるし、推進側も入っておられるし、JNESさんもみんな入っていて、そこでやっているわけですから、何か二重構造のようなニュアンスを私は受けました。
- 大橋委員長
今日は自由行動です。そういう意味で、進捗状況に応じて御紹介いただくことが意味があるとお考えであれば、是非御提案をいただいて、また、今後の扱いについては、ワーキンググループで検討いただきますので、何か定期的に1年に1回とか2回、活動状況をお伺いするようなことになる可能性もありますけれども、その辺はまた今の理解で御了解いただければと思います。
- 湯原委員
ここで提案することがどういう効果といいますか、影響があるのかということを御説明いただきたいんですが。
- 大橋委員長
この会に関してですか。それとも保安院の行政運営に関してということですか。
- 湯原委員
必要があれば、もちろん機械学会もロードマップをこの場で御紹介したいと思いますけれども、どういう位置付けで学協会の民間規格の計画をこの場で御報告して御紹介しなければいけないのかということの位置付けを説明していただけるとありがたいと思います。
- 大橋委員長
ちょっと今、事務局からもその位置付けは具体的に難しいと思います。要は、ロードマップ自体がありきで始まって検討しているわけではなくて、安全基盤をどうするかという研究の途上で、ロードマップという形で課題を整理していただいているということがわかって、それを御紹介いただくとか、こちらからお願いするということをやってきておりますので、ロードマップ自体を安全基盤小委としてどうしていくかということについては、先ほど申し上げましたように、ワーキンググループで少し検討して、今後の扱いについて、特段、湯原先生、御心配されるように、ここでやっていないから何の意味もないとか、そういうこともありませんので、また適宜。
- 湯原委員
というか、2-1の資料の先ほど小林先生も指摘した、このテーブルの中の棒を引っ張っているところは、機械学会で随分やっているところがありますし、棒を引っ張っていないところも、実際やっているのは機械学会の規格委員会でやっていることが随分あると思うんですね。ですから、どういうふうにこれを受け取ったらいいのかなと迷っていたところです。
- 大橋委員長
その御指摘、本当に申しわけありません。先ほど来申し上げていますように、今日のところは、原子力学会から進捗状況が進んでいるので御紹介したいというお申し出をいただいて紹介していただいたという立場ですので、また次回以降については、事務局と相談しまして、ワーキンググループの検討を受けまして、順次お願いするのか、どうするのか、検討していきたいと思います。ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。それでは、次の議題に大変密接に関係ありますので、ここから大村課長、よろしくお願いします。
- 大村基盤課長
それでは、資料3「『安全基盤研究ワーキンググループ』の当面の検討について」ということで説明をいたします。まず、このワーキンググループですけれども、これにつきましては、前回の本委員会におきまして設置をするということで決定をいただいておりまして、それは、ロードマップの策定及びローリング、安全規制の技術的課題を踏まえた安全研究ニーズの抽出、研究事業の成果の活用等について審議する、こういうことで設置をいただいたということでございます。それで、今後、当面、どこで検討していこうかということで事務局でもいろいろと検討いたしまして、これは提案ということでございますが、当面、次の課題に関して検討を行ってはいかがかなと考えております。まず1つが、今、種々議論がございました「安全研究ロードマップの作成と活用の在り方について」ということで、これは昨年10月に基盤小委の報告が出てございますが、その中で、短い記述ではございますけれども、ロードマップについては、どういうふうに作るのか、それから、位置付け等について述べられてはおるわけですけれども、今、ロードマップが各分野において作成、進捗をしているという状況で、そういう意味では、国の施策としましても、それに関する重要性というものも増してきていると認識をいたしております。したがいまして、いま一度、御指摘がありました、必ずしも明確でない部分もいろいろあろうかと思いますので、そういったことも踏まえまして、ロードマップにつきまして作成と活用の在り方についてということでワーキンで検討いただいてはどうかなと考えております。その次に、「保安院における安全研究の適切性をより一層向上させるための方策について」というのは、安全研究は、もともと規制の課題というものがあり、それから出てくる研究のニーズというものがあり、それから、具体的なまた研究の計画がありと、こういうサイクルがあると思うんですけれども、このあたりが必ずしもきっちりと整理されたものがないということもございまして、そのあたりを御検討いただければいいのかなと思っております。それから、これは前回の報告の中でも少し宿題になってございまして、安全基盤研究において、産業界と規制当局の連携についてということで、これについてはもう少し検討しようということで宿題となっていたと思います。それから、「安全基盤研究において期待されるJNESの役割について」ということで、これは当然JNESは交付金事業でございますので、国の施策の一環としてやっているわけですけれども、JNESの役割について非常に大きなものがございますので、このあたりも併せて検討すればいいのではないかと思います。それから、これに関連しまして、少し御紹介をしておきたい。紙がなくて恐縮なんですが、前回の保安部会、10月に行ったんですけれども、そのときに、今後、保安院、保安部会で、今後のいろいろな規制の課題について、これまでのいろいろな施策も振り返りながら検討していこうということで御了解をいただいております。今後の長い目で見たいろいろな規制の課題というものを御検討いただいて、そういう課題がまさにこれを実現する一つの道として、安全研究の方につながってくるのだと考えております。したがいまして、今、ロードマップ等でいろいろ御議論ございましたが、ここで言われているいろいろな分野のいろいろな課題というのも保安部会の方で今後検討がされて、今後の進むべき方向性も出てくるので、それとの非常に大きな関連があるということでございます。それから、ワーキングにつきましては、今後、時間の調整等をさせていただきながら、数回開催させていただきまして、検討結果につきましては、適宜この委員会に御報告をさせていただきたいと考えております。以上でございます。
- 大橋委員長
ありがとうございました。それでは、ただいまの件に関しまして、何か御質問、御意見はいかがでしょうか。これから非常に密に御議論いただけるんだと思いますので、これに関して今日いただいた御意見を反映して検討いただくようにお願いしたいと思います。どうぞ小林先生。
- 小林委員
お願いなんですけれども、このとおりで非常に結構で、さっきの件も含めて検討していただきたいと思うんですが、2の(3)で、安全基盤研究における産業界と規制当局の連携について。この産業界と規制当局の間に学協会を入れていただきたい。是非。さっきの規格の話であるとか、ロードマップの話であるとか、すべて学協会を通じてということが、今、非常にいい体制ができつつあると思うんですよね。そういう意味で、(3)は学協会を間に入れていただいた方が明快だと思うんです。是非お願いしたいと思います。
- 大橋委員長
承知しました。ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。それでは、このワーキンググループ、今日御欠席ですけれども、古田先生の方によろしくお願いしたいと思います。それで、予定していただいた議題はこれで終わりだと思いますけれども、以上で今日の御審議よろしいでしょうか。それでは、事務局からよろしくお願いします。
- 大村基盤課長
活発な御審議ありがとうございました。次回につきましては、こういうワーキングがまた立ち上がっておりますので、検討状況を踏まえて、また開催させていただきたいと思います。具体的な日程等につきましては、追ってまた御連絡、調整させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
- 大橋委員長
それでは、長時間御審議ありがとうございました。日時から見て、先生方、ご自分のデスクだとか、部屋の片づけをあきらめられたころだと思うんですけれども、是非心穏やかに皆さんよいお年をお迎えになるように願っています。どうもありがとうございました。
以上
最終更新日:2009年1月26日
