経済産業省
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産業構造審議会環境部会地球環境小委員会・中央環境審議会地球環境部会合同会合(第26回) 議事要旨

日時:平成19年11月21日(水)13:30~16:30

場所:ベルサール九段「イベントホール」

出席委員

石谷委員長代理、浅野部会長代理、青木委員、碧海委員、浅岡委員、飯田委員、猪野委員、浦野委員、及川委員、大塚委員、鹿島委員、黒田委員、小林委員、佐和委員、塩田委員、鈴木(正)委員、須藤委員、大聖委員、高橋委員、富永委員、内藤委員、名尾委員、中上委員、永里委員、長辻委員、新美委員、西岡委員、福川委員、桝井委員、三橋委員、森嶌委員、山口(光)委員、山本委員、米本委員

議事概要

1.各省庁からの関連対策の検討状況ヒアリング(警察庁・総務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省)

経済産業省から資料1に沿って今後の審議内容・スケジュールについて説明があった後、警察庁、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省の各省から、それぞれの資料(資料2~6)に沿って説明があった。

2.委員の発言及び質疑

  • 農水省に対して、吸収源対策は重要であり、削減量も3.8%と大きく、しっかりと取り組んでほしい。
  • 日本の木材自給率は20%程度しかないとの現状。森林整備に伴い、木材自給率を変えたいとの狙いはあるのか。

  • 警察庁に対して、パチンコ業界が自主行動計画を策定したことは高く評価するが、CO排出量の昨年度実績、2010年度見通しは示されておらず、削減効果の定量評価ができない。是非、定量化してほしい。
  • 総務省に対して、通信・放送団体6業種のうち4業種について、来年3月までに数値目標設定予定となっているが、目達計画の改訂作業に間に合わないので、年内にCO排出量を目標とする定量目標を設定してほしい。
  • 文部科学省に対して、学校の排出量は業務部門の13%を占めており、削減ポテンシャルがある。今回、全私学連合が自主行動計画を策定したこと、また目標として1%削減を掲げたことは高く評価するが、昨年度実績や2010年度見通しは示されていない。是非、早急に定量化をしてほしい。公立学校についても、環境省などと連携して自主行動計画の策定を促してほしい。
  • 厚生労働省に対して、私立病院は今年度中に自主行動計画策定とのことだが、遅くとも年内に計画を策定してほしい。公立病院についても、環境省などと連携して自主行動計画の策定を促してほしい。
  • 農林水産省に対して、自主行動計画の策定について、資料6-1の1頁に外食産業の業種で「年度内」と記載されているものがあるが、遅くても年内に定量目標を設定してほしい。また、精糖工業会、日本即席食品工業協会が目標引き上げを行ったとあり、高く評価したいが、2006年度の実績を見るともっと引き上げができるのではないか。他の省庁の業種は実績水準以上の引き上げを行っている。国産バイオ燃料について、2011年に5万klを実現するとあるが、現在は30klであり、大きな差がある。どのような対策で実現するのか。

  • 各省庁からの説明を聞いて、これからとの印象を受けた。是非、実効あるものにしてほしい。
  • 農林水産省又は環境省に対して、資料6-1の9頁で水田や田畑から発生する温室効果ガスの抑制効果が説明されているが、この抑制効果はインベントリの計算にどのように反映されているのか。

  • 警察庁に対して、信号灯器のLED化対策の効果が大きいことには驚いた。別添1の数字がストックならば、130億円は、2008年度から2012年度までの総額の数字となり、炭素1トン当たり200円程度であり、費用対効果が高い。車灯は約42,500器とあるが、車灯・歩灯合わせて全国で200万器、車灯は全体の12~13%程度とのことであり、排出削減の余地は大きいのではないか。
  • 森林の吸収量は、木の種類や樹齢によって変動するはず。吸収量の数字はどの程度バラツキがあるのか。

  • 森林吸収源について、3.8%達成に向けて予算をつけて取組を進めてほしい。また、林業の復活に向けて林野庁が動いていると理解しているが、こちらも強力に進めてほしい。世界の森林が毎年700万ヘクタール強減少しているが、大きな問題であり、国際的な活動を御願いしたい。森林吸収源CDMについても、その簡素化を推進してほしい。

  • 総務省に対して、実行計画の策定を地方自治体に行ってもらうよう繰り返し通知を出しているようだが、進んでいないとの印象を受ける。計画を策定しない地方自治体は公表するなど、強力に取り組んでほしい。
  • 厚生労働省に対して、水道関係の対策について調査中との回答であったが、かなりいけるのではないかとの印象を思っている。水道関係の温暖化対策を強力に進めてほしい。
  • バイオ燃料に関して、2011年には5万klを目指すとのことだが、地方を見ると進んでいないとの印象を受ける。エタノールだけではなくメタノールも加えて、各年毎にプロセスを示すべきではないか。
  • 経済産業省又は環境省に対してだが、約束期間は2008年から2012年までの5年間であるが、2012年になって始めて、2010年の状況の結果達成出来ないことが分かるでは遅い。フォローアップ体制をどうするのか、最終報告書に盛り込んでほしい。

  • 信号灯器対策は取り替えコストの面でも優れており、隠れた効果がある。
  • 厚生労働省に対して、水道対策を提案して頂き評価したい。最終的には、水リッター当たりどの程度のエネルギーを使用しているのかの情報を消費者に提示してほしい。消費者の行動に結びつけることが重要。

  • 総務省に対して、電気通信事業者協会が数値目標を提示しているが、1990年時点の契約者が必要とする電力消費量と新たな契約者が必要とする電力消費量は異なるはず。1990年時点の電力消費量原単位を基準とすれば、数を増やせば削減量が増えることになってしまう。削減量30%はどのようにして算出したのか。
  • テレワークに関連して、週8時間柔軟な働き方をすることで、本当にこれだけ常用者の数が減るのか。自由に動き回れることで、逆に常用者を使う可能性が高くなるのではないか。

浅野部会長代理
  • 文部科学省に対して、大学基準協会における大学評価の基準の中には環境に関する事項は含まれていない。評価基準に環境に関する事項を盛り込んでほしい。
警察庁
  • パチンコ業界の目標の定量化については、業界に働きかけているが、年内は難しい状況。引き続き働きかけたい。
  • 信号灯器のLED化については、積極的に進めたい。
総務省
  • 自主行動計画については、前回の審議を踏まえて更に働きかけを行い現在の状況にある。更に働きかけを行いたい。
  • 電気通信事業者協会の目標設定については、自由化やモバイル化の進展など、大きな環境変化があったが、そのような中で難しい議論があって、現在このように行うことになった。
  • テレワークについては、在宅勤務の問題もあり、一定の仮定を置いて計算した数字である。
  • 地方公共団体の計画策定については、現在、都道府県は全て計画を策定しているが、市町村については、昨年4月現在で37%が策定している。割合が低いと思われるかもしれないが、地方交付税の削減、職員不足の問題がある。各省連携して一層の普及・啓発に取り組むことにより、策定率を上げていく必要がると考えている。
文部科学省
  • 全私学連合の目標定量化については、全私学連合において2007年度のCO排出量を調査・把握するよう進めており、また今年度中に2006年度の排出量を調査・把握し、自主行動計画の実行に際して参考にすることとしている。
  • 公立学校における自主行動計画策定については、地方自治体が計画を策定する際には公立学校も含めてもらうよう環境省に依頼をしているところ。環境省と相談して進めたい。
  • 大学基準協会の大学評価基準に環境事項を盛り込むべきとのコメントに対しては、担当課を通じて全私学連合に伝えたい。
農林水産省
  • バイオ燃料について、2011年に5万klを実現する根拠については、資料6-1の5頁に説明があるが、当面の取組として、平成19年度予算で実証事業を開始している。具体的には、バイオエタノールは北海道に2件、新潟に1件、バイオディーゼルは5つ程度。バイオエタノールは実証事業を通じて3.1万kl、バイオディーゼルが0.4万kl、合計3.5万klを確保したいと考えている。これに他省庁分を含め、5万klを達成したい。メタノール等についても、いけそうなところは取り組んでいきたい。
  • 自主行動計画については、食品産業全体について安全対策・品質管理対策を取ることが重要な課題となっているが、これらの対策を取った場合エネルギー使用量が増加する。そのような状況下で業界に考えてもらうとの事情がある。
  • フードサービス協会に関しては、協会が関係各社のCO排出量を集計中とのことであり、なるべく早く提出してほしいとの要求はしているが、時期については不明である。また、目標の引き上げについては、引き上げの余地があれば要請するが、事情をご理解頂きたい。
  • 水田や田畑の非エネ系のガスについては、メタンに関しては、稲作の温室効果ガスの算定については、京都議定書に基づく通報を行うためには環境省の検討会で議論する必要がある。一酸化二窒素については、算定方法が確立されており、通報の対象にも含まれている。
林野庁
  • 林業を取り巻く情勢は厳しく、木材の価格は低迷を続けている。例えば、杉の丸太の価格は、昭和55年では3万8千円程度であったものが、現在では1万2千600円程度となっており、3分の1に下がっている。このような状況で、木材自給率も下がってきており、現在は20%台にある。我々としては、国内の森林経営形態を整えるため新生産システムという新たなシステムを導入して、安定的に地域木材が供給できる体制を整備していきたいと考えている。
  • 吸収量に関しては、樹種、樹齢等によって吸収量が異なる。若い木や杉などは吸収量が多く、古い木や広葉樹などは吸収量が少ない。このことから、育成林は1.35炭素トン/ha・年、天然生林は0.42炭素トン/ha・年と炭素換算係数を別にして計算している。
  • 途上国の森林減少問題は次期枠組み交渉の中でも議論が行われている。我が国としても積極的に関与していきたい。
徳田環境省地球温暖化対策課長
  • 公立病院、公立学校の扱いについて、温対法に基づいて地方公共団体が策定する実行計画において公立病院・学校が担保されることが基本と考えている。
  • 水田等からのメタン、一酸化二窒素の排出について、例えば、水田で常時水を張っている場合と中干しの場合では排出されるメタンの量が異なるが、それぞれで排出係数が異なる。新しい技術が登場した場合、別途、環境省の検討会で検討する必要がある。
  • 約束期間5年間を通じて達成することからフォローアップ体制を整えるべきとのコメントに対しては、同様の問題認識は中間報告の19頁でも盛り込まれているところ。技術的にどこまで出来るか難しい面もあるが、データが迅速に入手可能か、どこまで具体的にフォローアップを行うことが可能かなど、具体的に検討したい。
藤原経済産業省環境経済室長
  • フォローアップの体制については、環境省から説明のあった内容と同意見である。

  • 市町村の実行計画に関して、法律で実行計画の策定を義務づけているので、それが出来ないというのは問題。実行計画が十分に策定できるシステムや戦略を打ち出してほしい。実行計画を策定するにあたって人が足りないのであれば、都道府県がバックアップする、民間のコンサル会社が入ってくるなど、どのようにバックアップするのか考えてほしい。地方の計画策定意識は低い。

  • 農林水産省に対して、資料6-1の4頁にあるバイオ燃料の目標数字は全て国産で賄うということで良いのか。また、バイオ燃料はポスト京都あたりの対策ということか。

  • 公立学校について、私立学校には目標達成計画の策定を御願いしており、国立学校も取り組んでいる中、公立学校だけ穴が開くことになるのは問題。

  • 文部科学省に対して、施策の中で環境教育・学習の推進が書かれているが、長期的に見ると学校教育は非常に重要。教師も生徒も関心はあるが自分たちの行動に具体的につなげられていない。是非、この部分は将来に向けて重要なので、大幅な充実を検討してほしい。
総務省
  • 地方交付税が減少する中、地方考慮特別枠を確保して、財政の弱い地方に手厚く配分するよう財務省と折衝中である。
  • 都道府県は全て実行計画を策定しておりノウハウはあると思う。都道府県の関係担当部局が市町村を指導・啓発することは、今後実施する必要がある。
農林水産省
  • 資料6-1の4頁の2011年の5万klは全て国産である。現在の目標達成計画では新エネルギー対策があり、その中でバイオマス由来燃料50万klとの数字があるが、そのうちの一部分となる。

3.重要検討項目について(太陽光等新エネルギーの導入促進)

渡邊資源エネルギー庁新エネルギー対策課長から資料7、飯田環境エネルギー政策研究所所長から資料8、柏木東京工業大学統合研究院教授から資料9に沿って説明があった。

4.委員の発言及び質疑

  • 資源エネルギー庁又は環境省に対して、他国との普及率の比較において、どの程度の数字が限度なのか教えてほしい。一定規模以上の建築物に太陽光などの新エネルギーの導入を義務づけることは考えていないのか。

  • 現状はヨーロッパ等と遜色ないとの説明だが、将来目標については日本はあまり伸び率がない。日本における新エネルギーは電力の補完的なものとの発想があるが、これをこれからのエネルギー対策の柱と位置づけて、意欲的な目標を設定してほしい。目標設定の見直しをしてほしい。
  • RPS制度と固定価格制度について、どちらが良いかとの議論ではなく、2つを上手く組み合わせた日本独自の制度があり得るのではないか。ドイツなどでは、政府だけでなく、地方自治体がエネルギー政策に相当関与しているが、日本では地方はほとんど関与していない。是非、地方自治体が関与できる体制を検討してほしい。
  • 費用負担に関して、RPS法は電力会社が負担しているとの説明があったが、これを需要家に転嫁するシステムが必要。単に料金を上げるだけでなく、例えば新エネ協力金として1円、2円上乗せしたことを宣言するのも一つの方法ではないか。

  • 新エネルギーを推進することには同感である。
  • 国土交通省に対して、建築基準法が改正され風力発電機の導入スピードがトーンダウンするのではないかとの懸念を持っている。建築物の耐震偽装問題で建築基準法が改正され本年6月に施行されたが、60mを越えた風力発電機は工作物としてみなされ、改正建築基準法の対象となった。日本で設置する風力発電機は国際規格には適合しているが日本のJIS規格に部分的に適応してないものもある。これまでは建築確認申請において、国際規格をJIS規格相当と判断して1000機を超える風力発電機の許可が出ている。しかしながら、改正建築基準法において認定が遅れると、事業の中断等、様々な問題が生じる。現状のままでは風力発電機の導入が遅れ、2010年度の目標が達成できない可能性がある。60mを超える風力発電機は山奥、住居から200m離れた場所などに設置される。過剰に安全・安心に頼る必要はない。当面、従来通りに着工できるようにしてほしい。

  • 太陽光発電について2030年には、kWh当たり7円まで価格が下がる可能性があるとの話を聞いたが、本当に可能なのか。
  • シャープの薄膜について、シリコンを10分の1しか使用しないとのことだが、今後の普及の可能性、また価格について教えてほしい。

  • 柏木教授に対して、ドイツと日本の競争関係の話があったが、日本はどうすればドイツに追いつけるのか。また、原子力と新エネをセットでとの話があったが、具体的にはどのような方法・政策で行うことを想定しているのか。

  • 気候、地形、電力系統の構造の違いなど、様々な制約条件があるなかで、どの程度の自然エネルギーを導入できるのかは、国によって異なる。単に他国と数字を比較するのは妥当ではない。
  • 日本の場合、自前のエネルギーが少ないという意味では、様々なエネルギーをミックスすることが重要。日本に合った新エネルギー施策の導入があるはず。

  • RPS法は僅か5年前の法律であるが、状況は大きく変化した。RPS法を大きく変えることは難しいかもしれない中、電力会社に負担を課している状況は続かないと考えられるが、柏木教授はこの点どうすべきと考えているか。

  • 資源エネルギー庁の資料で蓄電池の併設システムが述べられているが、重要な技術課題と認識している。既に工場等で実用化しているが、これをもっと進めることで新エネの導入が加速化すると思う。蓄電池の状況はどのようになっているのか。

  • 資源エネルギー庁に対して、太陽光発電の補助金がなくなったが復活しないのか。国の産業政策の観点からも、日本の企業が追いつかれている状況にあり、復活を考えてほしい。現在、電力会社だけで支えている状況であり、国も支えてほしい。もはや過渡的でないとの判断があるのかもしれないが、まだ過渡的な面が多い。また、グリーン電力証書について、法的位置づけが現在どうなっていて今後どうするつもりなのか。税の関係で損金算入化の問題が以前から議論されているが、どうなっているのか。
  • 新エネルギーの多くの部分は国産のエネルギーであり、低炭素型の電源をストックしていくとの観点からも、新エネルギーは重要。

  • 2050年に地球規模でCOを半減する場合のシミュレーションを見たが、大きいのは原子力、もっと大きいのは石炭のCCS、太陽とか風力はコストの関係でそれほど大きくない。新エネルギーを増やすことは当然だが、これに頼って行くのは難しい。とはいえ外に対して見えるという意味では太陽光発電がドイツに抜かれたのは極めて残念である。何とかならないかという気持ちは持っている。
  • ドイツでどのような問題が発生しているのか確認したい。固定価格の買取制度の下、風力については供給量が増えてしまい、内陸での新しい発電を禁止して海岸のみで行うとの話があった。風力・太陽光など物理的・経済的な安定供給など、問題はないのか。価格を転嫁しているとの話を聞いたが、ドイツではどのようにして受け入れられているのか。日本の電力会社に聞いたところ、ガスとの競争があると聞いた。ドイツでは電力とガスが同じ会社が行っていて、そのような問題はないのか。
  • 今日の議論において、仮に電力価格を上げた場合、どのような状況が発生するのか。電力会社に聞きたい。

  • 新エネルギーは国によって適したものを導入してきたが、日本の場合、これまで水力発電の比率が高く、現在は原子力、省エネルギー、そして新エネルギーをベスト・ミックスにして温暖化に対応してきた。
  • 新エネルギーについては、20年間に渡って2000億円を投じてきたところ、批判もあったが、マーケット規模は4000億円から6000億円程度にまで広がってきている。こういう状況でドイツが追いついてきたとのことだが、日本はもう一度R&Dを行う必要がある。その際に重要となるのは、コストダウンと高効率である。NEDOが行っているのは、シリコン量を圧倒的に減らす、シリコンを使用しない新しい材料を使用してコストダウンを図るなど。いずれにせよ、市場メカニズムに乗る自然エネルギーの技術開発を進め日本の優位性を保っていくことが重要。

森本委員電気事業連合会副会長
  • 新エネルギーに関しては、事業者として、導入拡大に向けて懸命に努力しているところ。マイクロ水力等の開発や、余剰購入メニューについても平成4年から販売単価と同様の価格を設定するなど、自社並びにグループ会社を通じて、目一杯下支えさせて頂いた。これ以外にも、グリーン電力基金、グリーン電力証書などでも協力しており、実績では他国と遜色のない状況にあるとの報告もあったところである。RPSの導入目標については、160億kWhと、現在の実績の2倍と厳しい数字であるが、この実現に向けて全力投球していきたい。
  • 新エネルギーが爆発的に普及するとのコメントがあったが、新エネルギーの抱えている問題について指摘したい。エネルギーとして不安定であるという供給安定性の観点、電力系統への信頼性への影響の観点の他、気象、地理的条件、希少動物などの影響がある。これに加えて、費用対効果の問題もある。これらを総合的に考える必要がある。
  • 例えば、風力について、ドイツは北海とバルト海から年間を通じて安定的に風が吹いてくるが、日本の場合は国土が狭隘なうえに、北海道、東北、九州など、地域的に限定されるし、騒音の問題もある。また、希少動物が発見されると、その場所に設置はできない。
  • 面積に関して言えば、100万キロワットの原子力発電所1基分を太陽光発電で確保しようとすると、山手線の内側の面積が必要となる。風力についてはこの3倍は必要。
  • 新エネルギーに関してドイツは高い目標を掲げているが、ドイツは石炭火力が全体の50%程度を占めており、電力量当たりのCO排出原単位は日本の3割高い。欧州のエネルギー効率は日本の半分といわれるが、日本とは電源構成の工夫の仕方が異なる。我々は、電源のベストミックスを指向してきた。その点も配慮する必要がある。
  • 大量の自然エネルギーの系統への影響について指摘があったが、一昨年の冬にヨーロッパで大停電があった。これは風力発電が系統に連結されており、これを制御するのが難しかったとの背景もあり、周波数が影響を受けるのは事実。
  • 価格転嫁の問題については、電力自由化の下、全体の3分の2が自由化されているが、エネルギー間競争も行っており、これに加えて社会的コストも追加するとなると影響が大きいと考える。
飯田環境エネルギー政策研究所所長
  • 資料の一部を訂正したい。15頁に「石油石炭税」とあるが、「石炭税」の誤りである。
  • 固定価格制について、ドイツが社会主義的であるような印象が持たれているが、ドイツはれっきとした市場メカニズムの国である。なお、ミシガン州でも固定価格制が導入されており、アメリカでも固定価格制を導入しようとの気運が高まっている。東京都では、太陽光発電について、10年間固定価格買い上げを提案している。
  • 山手線の内側の面積の話は古いデータを使っていると思われる。資源エネルギー庁の最新のデータでは、最新の太陽光の効率では山手線の内側の面積の7分の1の面積である。また、太陽光を設置する場所はデットスペースである。土地の面積を議論するのは妥当ではない。
  • 価格転嫁については、ドイツは完全に自由化されている。ただ、系統は独占されており、系統の費用に上乗される。日本のような垂直独占とは事情が異なる。
森本委員電気事業連合会副会長
  • 山手線の内側の面積の件については、キロワットが同じ場合ではなく、100万キロ1基分と同じ発電電力量を発電する場合の話である。
柏木東京工業大学統合研究院教授
  • 日本がどうすればドイツに追いつけるのかについては、技術開発が重要。技術開発と市場創成が結びつくこと。
  • 新エネルギーと原子力のセットについては、新エネの費用を誰が負担するかという問題。新エネの費用を補完する先がないので、原子力とセットとすれば入りやすくなるのではないかということ。蓄電の技術が開発されれば、新エネルギーと原子力のセットが実現する可能性がある。
  • RPSを上手く行うためには、RPSのクレジットが市場に出回る必要がある。RPSと電力がセットで売られてしまうと、市場原理が働き難くなる。また、電力会社としては、罰則が存在するので、目標を達成できなかったら大変なことになるとの認識がある。この点からも市場原理が働かなくなる。
渡邊資源エネルギー庁新エネルギー対策課長
  • 新エネルギーの目標について、更に普及させていくために取り組んでいく必要があるが、それぞれの国の特徴を踏まえた目標とする必要がある。その中で、現実的、意欲的な目標を設定することが重要。
  • 太陽光、太陽熱について、一定規模以上の建築物に設置を義務づけする考えはないのかとの質問については、太陽熱については数十万円、太陽光については2百万円以上のコストがかかる。これを新築の家に義務づけた場合、新築が120万戸とすれば費用は数千億円から2兆円を超える。これを誰が負担するのかが問題。国が支援を行う場合、相応の財政負担が必要となる。このため、現在のところ、義務づけは考えていない。
  • 太陽光補助金の復活については、1994年に導入費用が700万円程度であったものが、補助金を廃止した時には2百数十万円程度と、コストが3分の1に下がった。当時の補助金額は、キロワット当たり2万円の補助額のため、平均3.5キロワットであったので、約7万円の補助金額であった。補助金の役割は十分果たしたと考えている。なお、省エネ住宅の関係で補助金制度があるが、断熱など省エネと合わせて太陽光発電を導入する場合については、補助金制度が残っている。
  • シャープの薄膜については、現在市場に出始めたところで価格については必ずしも安くはないが、聞くところによると、今の日本の生産量と同じ規模の工場で生産するとのことで、量産効果でコスト削減効果が出てくると思う。
  • 蓄電池については、現在も風力発電、太陽光発電での出力平準化のため、実証実験で蓄電池の併設を行っている。ただ、コストが非常に高く、サイズが大きいことが問題であり、技術開発が必要である。特にリチウムイオンの蓄電池について、研究開発を更に進めていきたい。蓄電池は定置用だけでなく、自動車用としても重要な役割を持っている。
  • グリーン電力証書の損金算入化については、我々も行っていきたいと考えているが、税の議論において難しく、認められていないのが現状。ただ、我々としても利用を促進していきたいと考えており、我々が関係するイベント等でグリーン電力証書を購入するとの方法もある。また、環境省が中心となって検討している環境配慮契約法において、入札資格でグリーン電力証書を配慮していく予定と聞いている。我々の方では、省エネ法の改正を検討しているが、その中で上手く位置づけられないか検討しているところ。
石谷委員長代理
  • 今回から制度が変わり、司会者は何も発言しない、そのかわりにカウンターパートが取りまとめを行うということで、中環審の浅野部会長代理から総括的な発言をいただきたい。
浅野部会長代理
  • 今日の議論を通じて、長期的に新エネルギーが大切であることについては、意見が一致したと思う。また、一部の委員からも指摘があったが、各国の比較だけで単純に論ずることは妥当でないのもその通りである。
  • 現在、目標達成計画において新エネルギーの目標を掲げているが、当面の課題としてそれを達成することが重要。太陽熱については、前々回の計画から目標に掲げられているが、それを達成しない限り、我々がいま考えている第2次追加対策は議論できない。追加対策を議論しているが、過去の対策が達成されることが前提であり、その点を認識する必要がある。中間取りまとめで提示した見通しでは、2010年度に1,910万キロリットルの新エネルギー導入の達成が必要であるが、まだまだ足りない。下位ケースの達成ですら相当の努力が必要。過去に決めたことがきちんと実施出来ていない危険性がある。当面どうするのか、きちんと議論していく必要がある。当面の問題と先々の問題が区別されずに議論されているのが心配である。もう少し危機感を持つべき。
  • 11月30日には環境省、12月7日には経済産業省から追加対策のプレゼンがあり、そこで抜本的な施策の強化について言及があると思うが、合同会合としての最終報告に新エネルギーの導入目標についてのメッセージに関して当面どうすればよいか、具体的なことを書く必要があると思う。
  • 技術的に難しいとの話もあったが、約束期間5年間を通じてのフォローアップをきちんと行っていく必要がある。2012年になってよやく2010年の状況が分かるのでは意味がない。数値を精緻に計算しようとすると技術的な制約が出てくる。あまり精緻な数値を積み上げるようなことはせず、可能な方向を示してほしい。是非、この数回において、事務局から執行管理について方針を示してほしい。
藤原経済産業省環境経済室長
  • 本日のご発言に追加すべき質問・コメントがあれば、一週間後の11月28日水曜日までに書面にて事務局に提出して頂きたい。また、本日の議事概要については、事務局で取りまとめの上、数日中に、委員の皆様に案を送付したい。送付後、1週間で環境省及び経済産業省のホームページに掲載したい。
  • 次回は、11月30日金曜日の9時から、ベルサール神田で開催する予定である。環境省からのヒアリング、重点検討事項として、「国内排出量取引制度の導入」、「営業時間の見直しなど店舗の排出削減対策」、「環境税の導入」をご審議頂く予定である。

文責:事務局

 
 
最終更新日:2007年12月19日
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