経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力発電投資環境整備小委員会(第1回) 議事要旨

日時:平成18年10月4日(水)13:00~14:30

場所:経済産業省別館11階第1120共用会議室

出席者

委員

金本委員長、内山委員、佐々木委員、田中委員、松村委員

オブザーバー

東京電力(株)武藤原子力・立地副本部長、関西電力(株)廣江企画室長

事務局

舟木電力・ガス事業部長、片山電力市場整備課長、柳瀬原子力政策課長、伊藤電力市場整備課長補佐、遠藤電力市場整備課長補佐

議事概要

  1. 片山課長から開会の挨拶、本小委員会が鳥居分科会長のご了承の下設置された旨及び本小委員会の委員が鳥居分科会長に指名された旨説明
  2. 舟木部長の挨拶
  3. 金本委員長の挨拶
  4. 片山課長から各委員等の紹介、挨拶
    <金本委員長の司会>
  5. 片山課長から資料1及び資料3に基づく説明
  6. 柳瀬課長から資料4及び資料5に基づく説明
    <質疑応答>
  7. 片山課長から資料6、資料7及び資料8に基づく説明
    <質疑応答>

質疑応答

資料1について

  • 六ヶ所再処理工場で再処理される以外の使用済燃料に関する再処理方策(第二再処理工場の計画)ついては、原子力政策大綱で議論がなされ、その再処理方策については、2010年頃から検討を始めることとなっているが、今の段階では、実態が決まっていない。その再処理方策の検討が開始されていない状況を踏まえて再処理費用の会計上の手当として今どのような水準の手当をしておくことが適切であるかということが論点としてあると思う。また、第二再処理工場の計画が決まったときには、適切に現行法に移行するための柔軟な仕組みが必要である。

    廃炉負担の軽減・平準化に関しては、昨年の原子炉等規制法改正においてクリアランス制度が導入されたことにより、原子力発電施設解体引当金の算定条件の前提が変わった。その算定条件の前提変更に伴って、廃炉費用の変動が見込まれるということで、世代間負担の公平性や将来の本格的なリプレース時代に備えて解体にかかる充分な費用手当がなされることが重要と考える。

    いずれにしても、専門的見地から中長期的にご議論いただき、実効性のある制度設計が行われ、すみやかに整備されることを期待する。

資料5について

  • 原子力の資金問題(バックエンド及び初期投資・廃炉負担の軽減・平準化のための会計上の手当)については、集中的に新増設や廃炉が発生するということを考えると、会計上費用を平準化する制度を作るのは大変良い。ところで、「予め初期投資額の一部を引当金として積み立てる」との記載があるが、この対象範囲についても、当小委員会で具体的に検討されるのか。

    →初期投資負担の軽減・平準化のための引当金の対象範囲を決めるのも制度設計の重要なポイントであるので、当然検討していくこととなる。

資料8について

  • 資料8の検討事項については、それぞれ様々なケースが考えられるが、毎回この場で試算結果を出すのか。それとも考え方の整理のみということにするのか。

    →試算をしようとすると、結果が仮想的なものになってしまうことが考えられる。

    前提条件が相当仮置きの数値になるが、それでも意味があるということであれば検討する。

  • 事業者としては、初期投資に係る費用については、余りにも様々なバリエーションがあるので、試算するのは難しい。

資料5、8について

  • 「平準化」という文言が出てくるが、それぞれ同じことを意味しているのか。

    少なくとも再処理費用計上の平準化で用いられている意味と、初期投資負担の軽減・平準化で用いられている「平準化」の意味は違うのではないか。議論を進める中で、事業者、あるいは消費者にとってどの程度が「平準化」の意味として適切なのか議論の余地がある。

    また、「集中を緩和するための工夫」とあるが、この調整役は国がやるのか。基本的には各事業者毎の話ではあるが、例えば、事業者全体で引当金をプールして、各事業者が必要に応じて借り入れするということもあり得るのか。

    →文章の趣旨として、調整をするのはあくまでも電力会社である。他方、政策的に大規模電源を個別企業のみで建設して、全体としてうまくいかないという問題については、「原子力立国計画」で別項目に掲げたように、広域運営の促進という別の政策課題として今後検討していく。

  • 関西電力を例にすると、福井県に11基の原子炉があるが、その内の7基は昭和40年代から50年代前半にかけて、かなり短期間に建設した。そのため、廃炉あるいはリプレースも集中的に出てくると考えている。これに対応していくのは、基本的には電力会社であると認識している。その前提で、今回議論いただいている初期投資負担の軽減・平準化に係る引当金を積ませていただくということである。電力全体でプールするということは全く考えていない。

    →各社によって「平準化」の意味は違ってくる。今回の引当金については、恣意的にならないようにするという課題をどのようにクリアーしていくのか、またどのような基準が適当なのかという観点が大切と考えているので、第2回目以降に案を示したい。

資料8について

  • 「対象事業者の要件」とあるが、制度を考えていく上で重要な点は、現在新増設案件が13基、2030年前後からと予想される本格的なリプレースが計画通り順調に行われたならば、原子力比率3~4割が達成されるということである。この点を踏まえて、今後検討してほしい。

全体について

  • 初期投資に係る引当金については、基本的には、世代間の負担の公平という視点、また、今後は原子力が基幹となるという前提が大切と考えている。旧原子力発電工事償却準備金制度の廃止後以降に、経営環境、資本市場での位置取り、さらには会計ビッグバン等の状況変更があったので、それらを適切に反映した制度設計をお願いしたい。また、再処理費用計上の適正化に係る引当金については、現時点においても時々刻々と再処理費用が発生している。そのため、第二再処理工場の計画を早く検討して欲しいが、今のところは計画がないため、今回の制度は暫定的な性格を有するものと考えている。将来、計画が具体化した際にうまく現行法へ移行できるようなフレキシビリティのある制度にして頂きたい。

    原子力発電施設解体引当金については、後顧の憂いなく原子力を進める上で非常に重要なものと考えている。従来の経緯を踏まえ、現行の制度を前提にした上で新たな知見を加えることをお願いしたい。

  • 前提の問題はあるが、制度がなかったときと、制度が出来たときの効果については、当然論議に入ってくると考えて良いのか。

    また、小委の5回目以降のスケジュールはどれくらいのペースで、いつまでやるのか。

    →スケジュールについてであるが、初期投資負担の軽減・平準化と再処理費用計上の適正化の制度については、原子力立国計画において、18年度決算から企業会計上の措置をすることになっており、措置を講じるに当たり、一つの手法として電気事業法に基づく新しい省令の準備をすることが考えられる。したがって、年末までにご議論いただき、その後は事務局で省令の手続きを進めるが、それと並行的に廃炉負担の軽減・平準化の議論をしていただくことになる。年明け以降も、基本的に月1回程度のペースと考えているが、具体的にいつまでかというスケジュールについては、事務局で様々な論点を精査させていただいた上で、皆様にお諮りしたいと考えている。

    また、効果については、少なくとも初期投資負担の軽減・平準化と再処理費用計上の適正化については、基本的には企業会計上の措置であるため、料金原価の問題ではないと考えている。その意味で言えば、分科会報告で明らかになっており、効果とは、何も手当しなければある時点において一気に負担が大きくなるということは既に明らかであるので、そのようなことをなくすためにあらかじめ準備するということである。また、特に初期投資負担の軽減・平準化については、様々な工事手法があるため、冒頭で武藤オブザーバーからお話があったように、実際の効果測定は難しいと思う。廃炉負担の軽減・平準化については、まさしく費用見積の検証結果次第ということであるので、効果測定を行った上で措置することになるだろうと考える。

  • 3つの点、つまり会計上の措置の話なのか、料金原価への算入の話なのか、税制上の措置の話なのかを、明確に区別する必要がある。本来、純粋に会計上の問題だけであれば、直接的には関係ない。厳密に言えば、初期投資負担の軽減・平準化に係る引当金も再処理費用計上の適正化に係る引当金も、利益処分として事業者が自主的にできるはずである。また、原子力発電施設解体引当金についても、事業者が個別に注記に記載すれば、事足りるのではないかと考えている。ただ、だからといって、この小委員会で行うように統一的なルールを決めることが無駄だとは思わない。事業者がそれぞれバラバラに引き当てるのでは不適切であり、制度の内容については、統一すべきとは思うが、いたずらに制約をかけるのは本末転倒である。事業者が用いやすい設定にすべきである。ただし、再処理費用計上の適正化に係る引当金については、将来、料金原価に入ることを睨んで、より精緻な制度設計をする必要がある。
  • 付け加えるが、3つの制度は違う面がある。原子力発電施設解体引当金や再処理費用計上の適正化に係る引当金は現在使用している人がコストを負担すべきものであるが、初期投資負担の軽減・平準化に係る引当金は、将来発電所が稼働した後の世代がコストを負担するもの。これらを念頭において議論すべき。
  • 軽減・平準化と並べて使っているが、意味は同じか。

    →基本的に同じ意味で使っている。税制上の議論が出てくれば、若干異なる意味を持つことになる。今回は、会計・料金の分野を中心として御議論いただきたいと考えている。

    →原子力部会では、初期投資負担の軽減・平準化、再処理費用計上の適正化については、会計上の手当を講ずることとしている。原子力発電施設解体引当金については、料金と税の関係があるため、税の関係まで考えれば、軽減という観点から意味を持ってくる。「原子力立国計画」は次年度のことだけではなく、今後長期的なビジョンを示したものであるため、軽減ということも視野に入ってくる。

  • 今回手当しようとする会計上の措置については、事業者が自主的に措置することも可能ではあると思うが、個々に措置するとなると、特に株主に説明責任があるので、専門的な方々に議論いただき、国として決めて頂ければ、我々としても力になると考えている。

以上
<文書:事務局>

 
 
最終更新日:2008年1月11日
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