経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力発電投資環境整備小委員会(第2回) 議事要旨

日時:平成18年11月2日(木)13:00~13:40

場所:経済産業省別館11階第1120共用会議室

出席者

委員

金本委員長、大日方委員、内山委員、佐々木委員、松村委員

オブザーバー

東京電力(株)武藤原子力・立地副本部長、関西電力(株)廣江企画室長

事務局

舟木電力・ガス事業部長、片山電力市場整備課長、柳瀬原子力政策課長、遠藤電力市場整備課長補佐

議事概要

  1. 片山課長から開会の挨拶及び配付資料の確認
    <金本委員長の司会>
  2. 片山課長から資料2に基づく説明
    <質疑応答>

質疑応答

  • この種の制度を作る時に、簡便であること・透明性・公平性が確保されていること等が重要であって、その点から見ていくと、今回の制度はこれらのいくつかの条件をかなり満たしているように思うので、基本的には賛成する。ただ、確認をかねて2,3質問あるいは意見を申し上げさせていただきたい。まずは、旧原子力発電工事償却準備金制度と今回の制度はどの程度の整合性があるかということで、2つ気になる点がある。例えば旧制度の算定方法のところで、機械装置の取得のために支出する金額というのが出てくるが、今回の場合も同じように取得価額とあり、これについては整合性があるが、それに対して積立期間と取崩期間については、旧制度では同年数であるのに対して今回の制度は、積立期間は5~7年程度とあり、これは実績や実態を反映して書かれているのだと思うが、それに対して取崩期間は6年間とあり、今回の制度では同一とはなっていない。おそらくこれも実際にルールを適用される時に同一になるのではないかとは思うが、その点の書き方についてお聞きしたい。もう一点は、7ページに対象工事について設備の約80%とあるが、ここにどのようなものを盛り込むかということは、例えば、公正報酬というのがあるが、これではレートベースにどのようなものを盛り込むべきかという議論があり得るわけであって、これと考え方としては同じであると考える。その一つの根拠として、7ページの下にある82.86%という実態を勘案して対象設備の80%という数値を出した導き方は、これはこれで理屈に合っていると思う。それから、用語について気になった点を2つほど申し上げたい。一つは、資料5ページのところに制度の対象があり、その下に対象工事として、電気事業法第47条の認可を受けた原子力発電所の新・増設工事と書かれており、7ページにはもっと具体化したものが書かれており、そこでも対象工事という言葉が使われている。5ページの方は制度の対象としておいて、7ページで対象工事と書く方がいいのではないか。また、同じ7ページのところで、機械装置及び諸装置とあるが、8ページの別表を見ると諸装置は機械装置の中に全て含まれているのだから、あえて書く必要はないのではないかと思う。

    →まず始めに、積立期間と取崩期間についてであるが、今回なぜ積立期間を柔軟化したかというと、旧制度は元々租税特別措置法で手当てされていたという沿革があり、税との整合性という意味で積立期間と取崩期間を同じにしていたのではないか。今回は企業会計上の措置ということであるし、実際に着工から運開までの期間に1年以上のバラつきが出てきていることがある。したがって、その間に実際に平準化のために必要な額をきちんと積み立てるということがむしろ制度の主眼であると考えるので、積立期間は、ある特定の年数を決めるのではなく、柔軟にしてもよいのではないかと考える。実際の積立開始の年度というのは、電気事業法第47条の工事の認可という明確な基準があるし、終わりも試運転開始ということできちんと押さえられるので、制度の透明性という点も大丈夫ではないかと考える。それから、対象事業者とか対象制度の言葉遣いという点は御指摘のとおりである。今後制度を具体化していく過程で用語についてもきちんと定義しながらやっていきたいと考える。また、諸装置については、参考資料から記述が抜けていたので、ご了承いただきたい。

  • 確認だが、言葉遣いについて、2ページに収支に対する影響とある。これは独特の言葉遣いで、これで間違いではないが、資本収支というのは日常的には複数の意味をもっており、その点で会計の専門サイドからこの制度に対して個人的な解釈をさせていただく。13ページを見ていただきたい。私の理解するところでは、この制度の主たる目的は、試運転開始後の償却負担の平準化である。どうしてこれが必要であるかというと、電力の原価あるいはディスクロージャー上要求されているところでは、基本的にパフォーマンスの測定、かつ税務上も早期回収を図るということについては定率法が優れているという理解でよいが、配当財務の安定化ということからすると定額法が望ましい。そのアンバランスをこの制度を使って解決したいということである。基本的には定率法を使っているので、その悪影響が起こらないように最初のうち取崩額を大きくして平準化する。取崩しの期間と額は、定率法と定額法を比較した時の差額で一義的に決まる。一方、この制度は副次的な影響も併せ持っていて、着工から試運転開始までの間の資金繰り問題については、積立てに必要な額が総額の24%でありさえすれば、いつ積み立ててもよい。取崩すことに意味がある。しかし、予定で積立てると後で面倒なので、その時に制度上恣意性を持たせないという点で実績の支出を使うというのが一つある。それと、稼働前に損益上は多少豊かであっても、キャッシュは投資に回してしまっているので財源不足に陥っている可能性がある。多く支出すればするほどその問題が生じる。それは、支出額に比例する形で積み立てると一部緩和される。基本的に主目的は、取崩しによる平準化であるが、副次的に支出が多くなった場合のキャッシュ不足により配当できなくなることを回避するためにあらかじめ配当可能利益を減算する形で考慮する。トータルの支出額の24%が試運転開始までに積み立てられていればよく、あとは第三者が確認できるような客観的な基準で、積立てられればよいということである。ただし、対象についてやみくもにここに含められると趣旨が異なるので、工事認可制度を取っているということに鑑み、着工イコール認可ということとリンクさせて、積立期間と取崩期間は非対応でも問題ない。もともと定額法でもかまわない。それからもう一つ、建物・構築物については、火力等にも必要なのであって、原子力政策とは別の話しであるし、基本的にはこれを税制上定率法で償却するのは構わないが、パフォーマンス測定という点からすると、これは技術的陳腐化が問題となるようなものではないので、定額法でも構わないのである。仮に個別企業において自由に定率法で償却していたとしても、これは制度で面倒をみるような話しではなく、定率法と定額法のギャップについては電力会社が自己責任でやってもらえばいいという話しである。自ずと、原子力政策の一環としてこの制度を導入する趣旨からすれば、これは対象外である。それと、気になったのが、機械装置割合の80%だからというのは意味がなく、これが90%でも40%でも、対象となるべきものは稼働後の減価償却費負担平準化問題ということではないか。

    →最後の質問は、原子力政策上どうこうという話しは別として、平準化というところだけ捉えると、8割という割合は制度上、重要であるということを意味するということである。

  • 本日提案された制度については、過去の制度を踏まえながら、さらに自由化という環境変化を適切に捉えたものとなっており、基本的に賛成する。今後この小委員会で検討されることになっているバックエンド対応や廃炉費用負担の平準化と合わせて原子力発電投資負担の平準化という点で大きな効果を発揮するのではないかと期待をしている。敢えて、事業者から申し上げると、実務面で過大な負担が生じて、そのことが結局この制度の長所を消してしまうことがないように簡便な制度にしていってほしい。また、今後の状況変化に対応するような柔軟な制度にしてほしい。
  • 提案だが、今回の、何を対象として、どうやって積立て、取り崩すかということは、基本的には会計ルールの問題で、会計ルールを作れば、運用については決算書に織り込まれることで監査を経てあがってくる。最終的にこの制度は料金と税には影響を与えないので、会計ルール上行われているということが担保されている限り、規制当局自身による個別チェックは必要がない話しなのではないかと思う。それは、普通の会計規則と同じで、一旦会計士が監査すれば、規制当局がいちいち監査するということはないはずである。つまり、会計規則上実施されているということがわかれば、基本的にはルールを作るのが規制当局の仕事であって、ルールが運用されるかどうかは監査を信頼するということであると思う。今ある渇水準備金のように物量ベースのデータまで規制当局がチェックして、毎年申請をやるというのとは話しが違っていて、基本的には普通の減価償却の仕組みと同様にやるのがいいのではないか。そのために外形基準をできるだけ多く使ってピンポイントで数値を定めて裁量の余地をできるだけなくす。範囲も今使っている会計規則上の資産分類の範囲にリンクさせて、独自にグレーゾーンをつくらないようにすればスムーズにいくのではないかと思う。

    →御指摘の点は、事業者の実務負担が減るとともに行政の実務負担も減るということになる。今回の制度は、なるべくルールをはっきりさせて裁量の余地をなるべく少なくするということでやってきているので、何重にも事後チェックをするとか、事後チェックがあるにもかかわらず規制当局が事前チェックをするような無駄がどういうところに出てき得るのかということを勘案して、効率的に物事が進むように考えてまいりたい。

  • 次回は、11月30日、13:00から。バックエンドの白地対策にテーマを移す。まずは費用見積のあり方から審議いただくということになる。あわせて費用見積を受けて具体的にどのような会計上の措置を講じていくのかといったようなところの論点を整理する。
以上
<文書:事務局>
 
 
最終更新日:2006年11月13日
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