経済産業省
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産業構造審議会環境部会地球環境小委員会・中央環境審議会地球環境部会合同会合(第6回)、産業構造審議会・総合資源エネルギー調査会自主行動計画フォローアップ合同小委員会、製紙・板硝子・セメント等ワーキンググループ(第6回)鉄鋼ワーキンググループ(第6回)  合同会議  議事要旨

日時:2007年1月19日(金)15時〜17時30分
場所:東京グリーンパレス「ふじの間」

出席委員:
(合同会合)茅地球環境小委員長、鈴木地球環境部会長、
青木委員、浅岡委員、浅野委員、石坂委員、
猪野委員、浦野委員、及川委員、逢見委員、
大塚委員、鹿島委員、川上委員、木下委員、
佐和委員、塩田委員、須藤委員、住委員、関澤委員、
大聖委員、高橋委員、内藤委員、永里委員、
長辻委員、新美委員、馬田委員、福川委員、
桝井委員、三橋委員、山口(光)委員、横山委員、
和気委員、渡辺委員
(製紙WG)中上座長代理、碧海委員、新井委員、河野委員、
中西委員、藤江委員、平井委員
(鉄鋼WG)佐久間座長、工藤委員、吉岡委員、米本委員、小林委員 

1.茅小委員長から開会の挨拶の後、経済産業省藤原環境経済室長から資料1に基づき、自主行動計画フォローアップの概要について説明。

2.製紙・板硝子・セメント等WG委員の発言

製紙・板硝子・セメント等WGの各業界(日本製紙連合会、セメント協会、板硝子協会、日本衛生設備機器工業会、日本染色協会、日本ガラスびん協会)から資料2〜7に基づき、地球温暖化対策の取組について説明が行われた。
その後の製紙・板硝子・セメント等WGの各委員から業界の取組に対する発言、及びそれに対する応答は以下のとおり。 

  • 各業界は地球温暖化対策に対して努力しているものと評価。本日の説明で、例えば、製品の多品種化・小ロット化の進展により、エネルギー消費量や原単位を下げることが難しいという課題があることが理解できたが、このような問題は、国民の生活スタイルと深く関わってくる問題。そのため、対策を進めるためには、国民とのコミュニケーションを図り、一般の理解を深めることが必要。
  • 板硝子協会の説明では、新築住宅での複層ガラスの普及率は7割に達しているとのことだが、民生・家庭部門での削減を進める上で、非常に良いことだと理解。しかし、断熱性をPRしている新築マンションのパンフレットに、複層ガラスを使っているか否かの情報が載っていないという例を見たこともあり、複層ガラスについて国民が知らないと意味がない。板ガラスに限らず、暮らしに身近な業界は、国民への広報活動に力を注ぐべき。
  • 各業界の民生分野での取組については、照明の削減対策を上げているところが多いが、照度基準についても見直してはどうかと思っている。当然、労働環境には配慮した上で、現在の照度基準は適切な基準となっているのかということは、考える余地があるのではないか。照明を減らすだけでなく、照度基準自体の見直しについても、是非、検討を行うべき。 
  • 資料1で、「目標を達成している業種」「未達成の業種」の区分により整理がされているが、例えば製紙業界については、昨年度、目標の引上げを行ったため、今年度は未達成になっており、対策を怠って未達成というわけではない。最初の目標設定が安易であったという考え方もあるだろうが、最初の目標設定時にも審議会で吟味して設定しているので、やはり最初の目標設定が安易ということもいえないのではないか。このような整理を行う際には、目標を引上げたところは新たなチャレンジをしているグループといった括りにする等、真面目に取組を行っているということも分かるように整理すべき。
  • 製紙業界では、植林活動も目標の一つに掲げて取り組んでいるが、他の業界も同様の取組を進めてよいのではないか。製紙業界は、パルプを使用しているので、資源確保の観点で植林活動を行うインセンティブがあるだろうが、他の業界から資金を受けて、植林活動を促進するということも考えられるのではないか。
  • いくつかの業界においては、重油からガスに切り替えるといった燃料転換によりCO2削減を実現しているが、これは、fuel robustnessの観点から問題がある。どのような燃料を使うに関わらず、目標達成が出来るよう、省エネの取組を行うべき。
  • 自主行動計画については、業界が都合の良い目標を定めておいて、無事達成したと発表しているだけではないかと指摘されることもあったが、今回の説明では、排出量全体について定量的に書かれており、非常な前進であると評価。
  • 産業構造審議会と中央環境審議会でバラバラに議論がされていた時には、自主行動計画の実効性に対する疑問などが定性的に指摘されるものの直接議論がされないので、溝が埋まらないままの状況であったが、今回の合同会議により地に足のついた議論が行われ、それぞれの認識の溝を埋めることが出来るものと評価。
  • 業界からの説明を聞くと、原子力の重要性が理解できるが、この点についても、委員全員の理解が深まり、前向きな議論ができる素地が出来たのではないかと思う。 
  • 紙のリサイクルを行わず、パルプから紙を作るようにするとエネルギー原単位は大幅に低減する。その上で、植林活動を行えば、排出が相殺されるため、ネットでの排出量はほとんど0になるだろう。このように、CO2削減については排出と吸収のそれぞれの対策の組合せで最適化を目指すことが出来るが、今回報告されたデータは部分的であるため、紙業界の対策が全体としての最適化を目指したものなのかが分かりづらい。最適化を目指しているかが分かるようにデータを示して欲しい。最適化という点で見ると、製紙産業がリサイクル率を低くしてエネルギー消費を減らしつつ、資源を再生植林の促進により原材料となる資源を補填して、かつCO2吸収も進めるという方法もあり得る。
  • 原単位目標を掲げている業界は、CO2排出量が増加し、逆に、排出量を目標に掲げているところは、原単位が悪化している傾向が見られる。これでは総量が減るはすがない。総量を減らす検討をして欲しい。
  • 紙業界は、燃料に石炭を使っているにもかかわらずCO2排出量は減っている。これはドラスティックな省エネ対策を行っているためと思うが、もっと、省エネが進んでいることをアピールした方がよい。
  • セメント業界については、これ以上の目標引上げはしないとのことであるが、循環型社会に寄与されている業界なので、目標引上げについても努力して行って欲しい。
  • その他の業界についても、エネルギー原単位が増えているところは、一層の省エネ努力を進めて欲しい。
  • 資料1に、今年度の自主行動計画フォローアップの視点として5点提示されており、その中でも目標達成の蓋然性の評価は、今後の対策の位置付けを定量的に示すことの評価の重要性が述べられている。その部分で、2010年までの温暖化対策への影響と投資額、削減効果が出ているが、2012年までのいつの時点までのものなのか、明確に示して欲しい。京都議定書の約束期間が2008年度から始まるので、それに間に合うのかというのも重要な視点。
  • また、温暖化対策の費用対効果の分析の精緻化も自主行動計画フォローアップの視点として上げられている。各業界からの説明において、過去の投資は、実績で毎年度での投資と削減効果が示されているので削減単価が出せる一方、今後の計画の部分については、〜万kl/年ということが書かれていても、その投資の効果がいつまで持続するのかが分からないので、過去の投資効果との直接の比較が行いづらい。この部分についても、もっと明らかにして欲しい。
  • エネルギー原単位の指標として、各業界の努力が反映されないようなものが採用されているケースがある。例えば、ガラス容器産業では、ガラス容器の軽量化対策によって、エネルギー消費量の削減努力を進めているが、エネルギー原単位は、生産重量当たりのエネルギー量で設定しているため、軽量化対策がエネルギー原単位の改善に見えてこない。生産したガラス容器の容積当たりのエネルギー量にするなどの工夫をすると良いのではないか。他の業界でも、原単位について適切な指標を用いるべき。
  • 廃棄物を燃料として活用している業界もかなりあるが、廃棄物に含まれるCO2排出はカウントしないけれども、処理の部分での電力はカウントしていて、かえってCO2排出量が増加してしまうという矛盾がある。廃棄物を燃料に使わない場合、代わりに廃棄物処理過程で電気が使用されるので、廃棄物の燃料活用は電力量の節減に寄与するものと評価できる。このような観点から、廃棄物の活用をした場合に控除できるCO2についての標準的な評価ルールで、業種横断的な共通のものを設定していただくと、部分的な最適化ではなく、廃棄物処理の部分も含めて、全体の対策の最適化が図られるのではないか。
  • 日本製紙連合会
    • 植林活動については、既に他の業界から資金提供を受け、海外植林などを進めている。具体的には、出版業界や自動車業界との連携が行われている。
    • リサイクルをせず、パルプだけ使えば化石燃料を消費せずに済むとのご指摘があったが、地球の表面は限りがあるため、リサイクルをせずに、植林のみで資源を確保するというのは難しい。実際、製紙業界でおこなっている植林は、短期間で植林を育成する栽培技術により、パルプ資源を短期間で獲得するようなものに限られている。古紙と木材のバランスの最適化に関しては課題が色々とあり悩みも多いが、検討を進めているところである。
    • 石炭を使いつつエネルギー消費量が減っているとのご指摘があったが、ここ3年くらいは石炭消費量は横ばいとなっている。現在は、石油を減らすために、紙・廃タイヤ・バイオマスなどの燃料資源への転換を進めている。最近、他の業界でもこのような取組を行いつつあり、代替の燃料資源の獲得競争が激しくなった結果、思うように資源獲得ができないが、廃材などカロリーがあるものは、何でも使うことを考えている。 
  • セメント協会
    • 目標引上げについてのご指摘があったが、現在、目標はエネルギー原単位3%程度削減としているものの、見通し値は△3.8%である。来年度における目標値の妥当性検証の際、目標表記についても検討する予定。
    • 廃棄物の前処理に要する電力消費量を考慮し、「控除できるCO2排出量の標準的な算定方法」についてご指摘いただいたが、廃棄物処理をした場合に使ったであろうエネルギー消費を定量化するのは非常に難しい。例えば、廃棄物を海洋投棄していた場合のエネルギー消費量は、船舶で輸送する際の燃料である。セメントで廃棄物を活用することで、日本全体のエネルギー消費は減っているはずだが、その削減量の定量化は非常に困難。
  • 板硝子協会
    • 複層ガラスについてご指摘いただいたが、板ガラスの分野では、複層ガラスは省エネ効果が非常に大きいので、普及を促進している。新築一戸建てでは、複層ガラスの普及は70%にまで達するものの、マンションなどの新築共同住宅では35%しか普及しておらず、業界としても普及が不十分と考えている。新築共同住宅、既築住宅での複層ガラスの普及は大きな課題である。
    • 省エネ効果の高い遮熱複層ガラスというものもあり、一般に人に商品理解をしてもらうため、エコガラスの名称で、ホームページ、インターネット、展示会、各種メディアで広報を行っている。
    • また、ガラスの性能を知って貰うため、性能表示をしたラベリングを進めている。
    • 遮熱複層ガラスの普及をすすめるため、行政においても、複層ガラスを使った場合には投資減税を適用するなどの対策をお願いしたい。
  • 日本衛生設備機器工業会
    • 工業会では、CO2排出総量の削減が重要と考えており、目標は原単位ではなくCO2排出量に設定している。目標引上げについても前向きに検討を進めたい。 
  • 日本染色協会
    • 燃料転換ではなく、省エネ対策を行うべきとのご意見があったが、当協会もCO2削減のために、重油の燃料転換ではなく、省エネ対策こそが大切と考えている。現実には、企業は、CO2排出削減のためではなく、コストダウンにつながるかどうかで燃料転換を行うかを判断している。そのため、燃料種のコストが逆転してしまうと、逆方向での燃料転換が引き起こされる可能性もある。どのような燃料種でも排出量が増えないよう、エネルギー原単位を下げるための省エネ努力がCO2削減の基本だと考えている。今回の原油価格の高騰は、燃料転換を促進しCO2削減につながりはしたが、本筋はエネルギー原単位を下げることであり、生産設備やビジネス形態を工夫することによって省エネ対策を考えていきたい。
  • 日本ガラスびん協会
    • ガラスびん業界では、窯の性能効率を上げることで、エネルギー消費を抑えることが基本姿勢である。燃料転換についても、どのような燃料も使用可能となるように窯を改良する技術に取り組んでおり、LNGへ燃料転換を進めることで、CO2削減に取り組んでいる。
    • 軽量化の効果についてご指摘があったが、今回は、生産減と自助努力分に分けてCO2削減の効果を説明したが、更に、軽量化で下がった分についても定量的に評価できるよう、分析の方法を精査していきたい。
 

 3.鉄鋼WG委員の発言

日本鉄鋼連盟から資料8に基づき、地球温暖化対策の取組について説明が行われた。
その後の鉄鋼WGの各委員から業界の取組に対する発言、及びそれに対する応答は以下のとおり。

  • 各国との比較を見ると、日本の鉄鋼業は早い段階で効率的なシステムが導入されたことを見て取ることができ、目標達成に向けた努力は評価できる。ただし、景気変動によって、CO2排出量も増減するため、排出量が増加した場合の対応として、京メカを活用することは引き続き検討してもらいたい。
  • クレジット取得分が2010年のエネルギー消費量見通しに反映されている。クレジット取得分をエネルギー消費量に換算する方法については、実績が出た段階で説明が必要と思われる。また、エネルギー消費原単位の調整方法が一般の人には非常に分かりにくい表現となっているので、次回以降ではもう少し分かりやすい説明を工夫した方がよい。
  • LCAで効果を見ることができるものは、フォローアップでも積極的に取り上げていくことが重要。製品のライフサイクルでの排出量を比較できれば、生産者の製品開発や消費者が商品選択をする際などにインセンティブを与える意味がある。
  • 鉄鋼分野で積極的に日本の技術的優位性を評価することは、他産業での検討にも参考になることから、引き続き進めていって欲しい。
  • 鉄鋼業界は、対策が進んできているが、CO2排出量が非常に多いこともあり、今後も日本の排出削減において重要な役割を果たすことになる。鉄鋼業では、以前より原単位改善を進めてきているが、今後、どのようにするのかが見えてこない。例えば、エネルギー効率の悪い中国における技術導入をどうするかも重要な課題。また、長期的な技術開発が重要であると考えているが、現在、長期的技術としてどのようなことを考えているか教えて欲しい。
  • 日中間での鉄鋼生産に係る生産とCO2排出状況は、非常に非対照な関係になってきた。
  • 鉄鋼業界は、目標達成の補完として京メカでの獲得量の数字を今回初めて出したが、日本全体で京メカをどう扱うのかを考えることが不可欠な段階になった。
  • 温暖化対策の政策立案において、環境・経済・エネルギーの3つの要素を同時に考えることが重要とされてきたが、東アジアにおける国際関係の変化に合わせて、温暖化対策・エネルギー安全保障・国益を前提とした通商政策、の3つを同時達成するための議論をする特別な場が必要である。
  • 現在、排出権取引市場がEUで立ち上がっているが、東アジアにおいて日本がエネルギーセキュリティなどを考えてリードしていくためには、市場を使った取組を東アジアでどのように位置付けていくべきかを議論すべき。
  • 目標数値の説明において、「粗鋼生産量1億トンを前提として10%削減」とあるが、この意味するところは何か。原単位という意味で言われているのか。2010年の生産量を1億トンと想定していると理解しているが、粗鋼生産量が1億トンを超えてしまったために増加してしまう排出分についても、きちんと対策を取り、トータルとして10%削減を図るということでお願いしたい。
  • 資料8−2の4頁のところで、90年のエネルギー消費量を見直したとのことだが、これにより目標設定が実質的に緩やかにならないよう、目標値も見直すべきではないのか。分母である1990年を見直しておきながら、分子の方を見直さないのはおかしいのではないか。考え直していただきたい。
  • 資料8−2の5頁に、「現時点の見通しは1990年度のエネルギー消費量の約3.4%相当」との記載があるが、何が何に対して3.4%なのかがよくわからないので、説明して欲しい。
  • 資料8−2の6頁で、京メカによるクレジット確保量について、目標達成のためにこれで充分な量なのか。また、もし十分でないとすれば、クレジットを今後獲得する方法として、鉄鋼連盟で獲得を進めていくのか、それとも各社に割り当てて獲得を行っていくのか。その具体的な方法についてご説明願いたい。
  • 資料8−2の9頁で、民生・業務部門における取組の成果として、業務ビル全般との比較が示されているが、鉄鋼業の業務ビルを比較するのであれば、鉄鋼業と同じような製造業の業務ビルと比較すべきではないか。
  • 資料8−2の10頁で、モーダルシフト化率について記載があるが、シフト化率を1990年から2005年に対してどの程度モーダルシフト化したのか、という説明をした方がよいのではないか。
  • 日本鉄鋼連盟
    • 目標数値は「粗鋼生産量1億トンを前提として」となっているが、粗鋼生産量が1億トンの見通しを超えた場合でも、その分を含めての達成をしたいと考えている。
    • 90年度の排出量数値の見直しと併せて、目標値を見直すべきではないかとのご指摘であるが、目標値は%で設定しているため、削減すべき量も自動的に増えるため、問題はないと考えている。
    • 3.4%という数字が何に対しての比較数値かという質問についてであるが、1990年度の全エネルギー量に比較してという趣旨である。
    • 京メカの獲得量については、これで十分であるかはどちらとも言えない。京メカのクレジット量獲得の方法については、今後検討を進めていく。
    • 業務ビル及びモーダルシフト化の比較については、データがないため、このような形のものを示させていただいている。
    • 東アジアにおける対策は、重要であると認識しているところである。長期の技術開発については、鉄鋼連盟から示せるものはないが、資料にも示したとおり、副生水素、CCS、石炭のクリーン利用といった技術開発を進めていきたい。
    • 原単位の説明に関してなどの指摘があったが、一般の方にも理解が深まるよう、フォローアップの透明性を更に高めていきたい。 

4.産構審・中環審合同会合委員の発言

製紙・板硝子・セメント等WG、鉄鋼WG双方の説明についての合同会合委員からの発言、及びそれに対する応答は以下のとおり。

  • 各業界が努力しても全体として削減できるかが重要。産業・エネルギー転換部門28業種のCO2排出量の41.2%を締める鉄鋼連盟として、各業界に排出量を割り当てるなど総量規制を実施することについてどう考えるか。
  • セメント業界からの資料3の10頁で、国際的に見ても、日本は効率化のための努力を非常に進めてきていることがわかるが、この指標は、国際的に認められているものなのか。別の指標で比較すると、違った結果がでてくるといったことはないのか。
  • 自主行動計画について、国際的に対外発信することが重要。日本の自主行動計画という方法は、世界ではなかなか理解できないやり方である。IPCCで温暖化政策を評価する章の責任者から、自主協定をどう評価すべきかという点に関して、自分のところに質問が来ている。HPを見ても、英語の資料は、経団連の2005年度のフォローアップに関するもののみであり、本年度の検討状況や産構審のフォローアップなどの英語資料はない。この会議で行われているように、多くの関係者が自主行動計画のフォローアップをしっかり行っていることをもっと海外に発信すべき。
  • 原単位と総量を比較した場合、排出量の総量を守ることが重要であるので、原単位と総量の両方について比較できる説明を作成して欲しい。
  • 京都議定書では国単位で排出量を評価するが、国単位での排出量削減は、鉄の国内生産が減れば排出量も減ることになる。例えば自動車業界では、日本での生産よりも海外での生産の方が大きくなっている。このように考えると、日本の排出量を減らそうとすれば、国内での生産量を減らすという選択肢も考えられる。2010年度の粗鋼生産見込みは1.1億トンとあるが、現状では1.1億トン生産している。1.1億トンの場合、日本での生産を維持するのが前提なのか。あるいは、一部海外移転によって現状より減らすことを見込んでいるのか。
  • 日本ガラスびん協会、日本染色協会では目標を引上げ、新たなチャレンジを行っており、非常に評価できる。見直しを行っていない業界も、もう一度見直し、来年度は前向きに検討して、新たなチャレンジをして欲しい。
  • セメント協会の国際比較の資料(資料3の10頁)を見ると、日本が持っている世界における重要な役割がはっきりとしてくる。企業の国際化が進み、国単位だけでの対応では不十分となってきているので、それを埋めるものとして、日本が優位性を持つ技術を海外に移転して、世界全体で削減をすることが重要であり、技術協力について、どのように展開しているのか教えて欲しい。
  • 政府においても、技術的に比較優位性のある分野を中心に、環境での国際的な技術協力をオールジャパンで考えるメカニズムを進めるようにして欲しい。
  • 運輸部門では、自動車の燃費改善が一番大きなCO2低減効果がある。2010年度と比べ2015年度までに自動車の燃費を約29.2%改善することを目指している。そこで隠れて見えないのが、車両の軽量化であり、自動車は生産時のCO2排出よりの走行時の排出量の方が5倍も大きいため、軽量化によりCO2削減効果は非常に大きなポテンシャルを持っている。現在、世界の33社の企業が集まってULSAB(UntraLight Steel Auto Body)という取組を行っている。そこでは、軽量技術の開発を進めているが、自動車を3割軽量化すると、燃費は20数%程度改善する。これらの技術は日本の鉄鋼メーカーが世界をリードしているので、自動車メーカーとも連携して、この技術を車両の軽量化にも活用してリードしていって欲しい。そのためには、コストの低減であるとか生産性の改善であるとか、品質をグローバル化するなどの課題があるが、大きなインパクトがあるので、是非お願いしたい。
  • また、軽量化は、安全性に問題があると言われるが、安全性確保の技術も促進する要素があるので、積極的に取り組んでいって欲しい。
  • 生産量をX、エネルギー消費量をY、エネルギー原単位をaと置くと、Y=a+bXという関係式で表せ、両方をXで割るとY/X(原単位)=a/X+bとなる。それを前提として各業界を評価してみると、まず製紙業界は、資料2−2の8頁で、生産量は増えているが、エネルギー消費量は減っているので、エネルギー原単位は改善している。セメント業界については、資料3の4頁で、生産量は相当減っており、エネルギー原単位はほとんど変わっていない。よって、(エネルギー消費量の減少は)生産量の減少によるものということになる。 aとbの両方を減らすことが省エネになるということ。板硝子については、資料4の2頁に出ているが、90年と05年を比べると、生産量が相当減っている。しかし、エネルギー消費量は20数%しか減っていない。その結果として原単位はほぼ横ばいになっている。
  • 鉄鋼業界では京メカのよるクレジット量の確保に努めているが、京メカで確保される量は、鉄鋼業界の排出量と比較すると何%程度になるのか。また、技術的に日本は中国、米国、ロシアと比較して優位にあるようだが、その要因は何にあるのか。
  • 鉄鋼業界における京メカのクレジット獲得量は2,800万トンとあるが、これで2008年から2012年までの目標達成期間には十分な量であるのか。また、これらのクレジットは鉄鋼連盟というより、各鉄鋼メーカーとして獲得しているということだと思うが、仮に目標達成に届かない場合、各鉄鋼メーカー、鉄鋼連盟のいずれが責任をもって不足分を確保してくることになるのか。
  • 日本衛生設備機器工業会は、生産量が減っていないにもかかわらず、CO2排出量の削減を実現しており、非常に評価できる。資料5の4頁で、目標引上げについても検討中とのことであるが、更なる引上げへの努力を行って欲しい。
  • (資料3の3頁)セメント業界では、セメント1トン当たり400kgの廃棄物を使用し、循環型社会に貢献しているとのことだが、エネルギー源としての活用、原材料としての活用の割合はどうなっているのか。有機質の廃棄物については、セメント・鉄鋼・パルプ、あるいは中国への輸出において燃料その他として使われるが、今後どのように見込んで、どうする予定なのか(取り合いになるのではないか)。環境省の方でも、実態の把握及び今後の方向性(サーマルリサイクル)を考えるべき。その際、各業界で廃棄物を燃料として使った場合に、紙などのバイオマス由来・プラスチックなど化石燃料由来で仕分けして、今後どうするかを考えることが今後重要なので検討いただきたい。
  • 自主行動計画という言葉がかなり異なったイメージを与えている。自主行動計画は、OECDの示した自主的取組みのどのタイプにも入らない、日本独自の社会的制度である。他の委員が言われたように、日本独自の社会システムとして世界にしっかりと発信していくことが必要。
  • 先ほど別の委員からのご質問にもあったが、エネルギー代替廃棄物の定量化が是非必要。あまりに精緻な答えを出そうとするから答えられないのであって、少々アバウトであっても把握することが必要。
  • 他の委員からのご質問で、鉄鋼業界の90年基準値の見直しに併せて目標値の見直しをすべきとの指摘があり、鉄鋼業界からの答えは、1990年の数字が大きくなっており、目標値が10%で設定してあってちゃんと数字を変えたので問題ないとの回答であったが、委員ご指摘の趣旨は、最初の基準値が増えれば達成目標での絶対量も増えてしまい、目標達成が楽になる、というものであるので、その回答でいいのかなと思う。むしろ、楽になったのなら、もっと頑張るべきではないか。もっとも、日本全体も1990年の数字を上げて全体が少しは楽になったのだから、鉄鋼だけ例外でなくても何が悪いと言われれば反論はしないが。
  • 主的取組のフォローアップについて、しっかりフォローアップしようとすれば、目標設定の根拠や結果に至る途中経過のデータも含めて、もう少しデータを出してもらう必要がある。報告されたデータに至る途中経過の妥当性も見ないと、国際的な評価に耐える検証をしたことにならない。
  • 総量と原単位は両方とも努力する必要がある。省エネ法の目的に、効率改善とともに平成5年に温暖化対策が加えられたという経緯があるので、総量も減らすことが重要。目標に総量を織り込むようにすべき。
  • 検証に必要なデータという観点から見ると、日本染色協会からは燃料の構成比率のデータまで出ており、燃料転換などの状況を見ることができる。一方、製紙業界の資料では、燃料転換における投資に関するデータはあるものの、燃料構成比がどのようになったかのデータがないため、燃料転換が何から何に進んだのかがよく分からない。実際には石炭や石油コークスの使用量が非常に多い。重油からバイオマスに転換しているとのことだが、燃料構成までのデータを見ることができれば、どこに削減ポテンシャルがどの程度あるかも明らかにすることが出来る。燃料転換よりも省エネ対策で取り組むべきとの指摘もあったが、燃料転換は産業部門のCO2削減において重要な選択肢の一つ。
  • セメント業界の目標数値(90年度比エネルギー効率3%改善)は、省エネ法の原単位を毎年1%改善するという目標と比べても非常にかけ離れている。将来の削減ポテンシャルがどの程度あるのかがわかるよう、燃料別の実状のデータを明らかにして欲しい。
  • 鉄鋼業界においては、排出量の大きさに鑑み、確実に総量で守るようにして欲しい。かつて、平成12年1月の総合エネルギー調査会第5回省エネルギー基準部会では、エネルギー消費量の変化率の分布状況のグラフを出していただいていたが、そうすることで、業界の中で達成状況のばらつきを明らかにし、そこから削減ポテンシャルを探ることが出来る。
  • 目標を達成できないときは、京メカで補完するという場合でも、クレジット量の獲得をどのような分担で行うのか重要であり、そこがはっきりしないと、自主行動計画を世界に発信しても批判を受けることになるだろう。
  • 自主行動計画はすばらしい形で進む可能性を秘めている。フォーマットをつくっていくことが重要だと思うが、自主行動計画を日本型のCO2削減モデルとして世界に発信するには、あまりに低いレベルの目標では意味がないので、高い理念に向かって、その業界がどのような形でアプローチし、どのような形で責任を果たすのかが見えなければならない。フォーマットを分かりやすく、透明性を高くし、なおかつ高い理念を掲げ、それを実現することで初めて日本型モデルとして国際的に認知されることになるだろう。ポスト京都議定書の問題もあることから、是非とも、目標は高く設定して、低い目標に逃げ込んでいると思われないように是非お願いしたい。
  • 鉄鋼連盟
    • 各社に対する生産量の総量規制は、業界として回答することはできない。鉄鋼生産が中国にシフトした場合、エネルギー原単位は中国の方が悪いため、世界全体での排出が増加することになる。なお、2010年度の排出量の見込みは、京メカにより獲得したクレジットも含めて達成することを考えている。また、現在獲得しているクレジット量は、90年度の排出量の2.9%である。
    • 90年度の排出量が変更になったのはあくまでも単純ミスのため、機械的な修正を行ったものであり、目標値の見直しは別の話になると考えている。その他のご質問については、後日、紙で回答させていただく。
  • セメント協会
    • 海外比較のグラフは、WBCSDから委託したBattelle研究所という海外の調査機関によるデータが出典であり、確かなものであると認識している。日本のエネルギー効率が他国と比べて非常によいのは、過去20〜30年の間に非効率な製造設備を約4千万トン廃棄し、効率の良い設備だけが残っていることと、再資源活用が進んでいるためである。中国において使われている最新鋭の設備は日本の設備と比較して遜色のない効率・能力を有しているが、中国においては再資源利用が行われていないことが異なる点である。
    • 技術協力については、日本はAPPのセメント分野において議長国となっており、積極的な国際貢献を行っている。また、日中省エネ・環境フォーラムでも技術の共同研究などを前向きに進めている。 
  • 日本製紙連合会
    • 韓国や台湾の業界団体から、自主行動計画のフォローアップの方法について問い合わせがきており、海外においても、自主行動計画の枠組みについて関心が高い。
    • 今回は合同で会議を開いているため、資料も限られてくるが、通例では、業界単位で2時間たっぷりと時間をかけて行うので、色々な資料が出てくる。細かなデータを提出せよとの指摘もあったが、気になる点があれば、業界に個別に相談してデータを出して貰うと良いと思う。ただし、改善内容には企業のノウハウにかかわるケースもあり得るのですべて開示できるかどうかについてはご留意頂きたい。
    • 製紙・板硝子・セメント等WGの取りまとめは、WG委員の意見も踏まえ、座長と相談の上報告書をまとめたいと考えているので、了承願いたい。
  • 鉄鋼WGのフォローアップ結果についても同様に、WG委員の意見を踏まえて取りまとめたいと考えているので、了承願いたい。
 5.最後に、藤原環境経済室長から、資料9に基づき今後の合同会合の進め方が説明され、会議が終了。

 文責:事務局

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