経済産業省
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産業構造審議会環境部会地球環境小委員会・中央環境審議会地球環境部会合同会合(第10回)国土交通省交通政策審議会交通体系分科会環境部会(第11回)合同会議 議事要旨

日時:2007年2月13日(火)13時~15時30分

場所:全電通労働会館2階全電通ホール

出席委員

産構審・中環審合同会合委員

茅地球環境小委員会委員長、鈴木地球環境部会長、青木委員、 碧海委員、秋元委員、浅岡委員、浅野委員、飯田委員、 石坂委員、猪野委員、潮田委員、浦野委員、及川委員、 逢見委員、大塚委員、鹿島委員、川上委員、木下委員、 神津委員、河野委員、小林委員、塩田委員、鈴木(正)委員、 須藤委員、住委員、関澤委員、高橋委員、高村委員、千葉委員、 富永委員、内藤委員、名尾委員、中上委員、永里委員、 長辻委員、原沢委員、福川委員、桝井委員、三橋委員、 森嶌委員、米本委員

交通政策審議会交通体系分科会環境部会委員

杉山環境副部会長、井口委員、岡島委員、中里委員、 和気委員

議事概要

1.運輸部門における地球温暖化対策・各省所管業種における自主行動計画策定状況等について

  • 茅地球環境小委員会委員長から開会の挨拶の後、宮澤国土交通省地球環境対策室長より「運輸部門における地球温暖化対策について」説明が行われた。
  • 大聖泰弘早稲田大学理工学部教授より、資料2に基づき、「運輸部門のCO削減対策と課題」に関する説明が行われた。
  • 大野栄嗣社団法人日本自動車工業会地球環境部会副部会長より、資料3に基づき、「運輸部門(自動車)のCO削減」に関する説明が行われた。
  • 北條英社団法人ロジスティクスシステム協会主任研究員より、資料4に基づき、「物流効率化に向けた現状と課題」に関する説明が行われた。
  • 山口雅史キヤノン株式会社生産・ロジスティクス本部環境物流推進課課長より、資料5に基づき、「環境対応ロジスティクスへの取組」に関する説明が行われた。
  • 生島俊彦株式会社三越グループ業務部物流担当ゼネラルマネージャーより、資料6に基づき、「企業における物流効率化の取組み」に関する説明が行われた。
  • 有識者等からの説明の後、小川環境省地球温暖化対策課長より、資料7に基づき、「各省における自主行動計画策定状況、フォローアップ状況等」に関する説明が行われた。

2.合同会議委員の発言

委員からの発言及び発言への回答は以下のとおり。

  • 国交省は、いかに効率よく物を運ぶかということを課題として施策を実施しているが、可能な限り物を運ばないようにしてCO排出量を削減するという方法も考えられる。このような対策は輸送対策には含まれないが、企業のコスト削減対策として考えることができる。物を運ばないことにより、輸送時間、コスト、道路混雑の緩和にもつながり、無駄を省くことが出来るため、輸送対策とは別に、物を運ばないこと自体にインセンティブを与える施策を考えるべき。
  • 米国のUPSという大手の物流企業が、パソコン修理の輸送業務において、修理会社に運ばず、自分の会社で直すことで、修理会社まで運ぶコストや日数の削減を図ったという事例がある。佐川急便も同じような取り組みが進みつつあるとの話であり、こういった取り組みについてインセンティブを与える対策を取ってはどうか。
  • 自動車分野でのCO削減についても、一般国民は、やるべきことが分かっているようで分かっていないというのが現状。技術面の技術開発とは質の異なるアプローチにより、国民の意識改革を進めることが必要。各省庁が連携して、エコドライブなどについて、商店・中小企業・一般家庭等に対して分かりやすいアプローチをトータルで考えないといけない。
  • 輸送部門のバウンダリーをどこまで含めるかで、CO排出原単位の考え方が変わってくる。企業活動のどこまでを輸送部門に含めるかについて輸送システム全体で考えないと原単位を正しく評価できない。
  • 物流の省エネ化は企業にとって利益を生むことが期待できる対策であり、「環境と経済の両立」が可能である。一方で、一般の人にとっては、経済性だけでなく、安全性や快適性の追求も重要。大聖委員の説明の中で、エコドライブが安全運転につながり、事故を減少させているという説明があったが、環境だけでなく安全性も含めてどのように評価するかが重要。
  • 物流効率化によるCDM事業実施の可能性はどのようになっているか。
  • 物流対策の取り組みにより、三越周辺の道路での輸送車両が減ったという事例を紹介いただいたが、他の企業と連携して取り組みを行わなければ行けない場合、コストシェアが企業間でうまくいかないことが対策を阻害する要因となる。三越の事例は、コストシェアが上手くいった事例だと思うが、コストシェアの基準についてはどのようにしたのか。
  • キヤノンの説明で、要望(資料512頁)として、「航空、港湾行政の在り方」が挙がっているが、空港・港湾をどのように活用するかは、利用者の判断であって、行政の関与する余地が少ないのではないか。行政に期待する役割があれば、もう少し説明を聞かせて欲しい。
  • 運輸部門が頑張っているのは分かるが、1990年が2.17億トンCOであるのに対し、現在が2.57億トンCOであり、18.1%も増えてしまっている。今回の評価見直しの中で、もっと厳しい目標を立ててがんばって欲しい。
  • 色々な対策がなされており、例えば、クリーンエネルギー車の普及が進んでいるが、一方で、車を使わない、車を買わず、公共交通機関や自転車等を使うということが運輸部門での削減の基本。保有台数の増加傾向を止める方策を考えてはいるのか。中国では、年々車の保有が増加しており、そこに日本から無尽蔵に自動車の輸出量を増加させるのであれば、日本の運輸部門だけで頑張ってもあまり意味がない。車の保有台数を抑える観点から、どのように対応するのか国交省と自交会にお聞きしたい。
  • 自動車のグリーン税制は効果的であったとの説明があったが、今後は、必ずしも税収中立にこだわる必要はないのではないか。現在は、緊急事態であり、COを大幅に減らさなければならないのだから、税制中立にこだわらず、クリーン自動車には積極的に優遇措置を行い、環境負荷が高い自動車には課税を強化するなど、課税に傾斜を付けてクリーン自動車の普及を積極的に行うべきではないか。税制中立にこだわる限りクリーン自動車の普及に限界がある。
  • 対策として道路での走行をスムーズにし、混雑を解消することが述べられていたが、欧州では、クリーン自動車の優遇税制とセットで、混雑解消の方法として混雑税を導入している。日本も、自動車を混雑地点から排除する方法を導入すべき。さらに、クリーン自動車の普及を促進するため、例えば、東京駅などの混雑地区で、クリーン車に対し、客待ちの駐車スペースを優先的に与えるなどの対策を導入してはどうか。
  • 物流分野において排出権取引を導入することの実施の可能性について、北條氏にお考えを伺いたい。
  • では、2012年から、EUに乗り入れる旅客・貨物航空もEUETSの対象とすると発表している。キヤノンでは、国内物流が少ない一方で航空貨物がかなりあると思うが、このようなEUの動向についてどのように考えているか。
  • 大聖委員、国交省に対し、資料2の3頁、その他輸送機関ということで、鉄道・船舶・航空への対策及びその効果はどのようになっていると考えるのか。
  • また、国際航空については、現在、各国の温室効果ガス排出量にカウントされていないが、国際航空の輸送量は増えており、CO排出量も増加しているのではないかと思うが、こうした見えないCO排出に対しこの分野での対応はどのように考えるか。
  • 大聖教授に対し、資料2の5頁の「運輸部門におけるCO排出削減のための3つのアプローチ」では、燃料電池車による対策は()書きとなっており、当面は技術的に対策としては難しいと考えているのだと思う。一方、同じ資料の14頁では2030年度での対策として、「水素等に代替する」ことが書かれており、2030年頃までには技術開発が進むという見通しだと思うが、燃料電池の位置付けをどのように考えているかを聞かせて欲しい。
  • 資料7について、前回、審議会を通じてフォローアップの透明性が確保されているか、各監督官庁がきちんとフォローアップをしているかについて言及し、今回、それについて資料7を出してもらったと思うが、これを見ると、一生懸命努力してやっていることは分かるが、よくよく読んでみると、今後、各業種に対する具体的なアクションをどのように考えているのか。具体的な目標がある業界は目標の深掘りを行い、定性的な目標しかない業界は目標の定量化を図るように強力に推進して欲しいが、監督官庁としてどのように考えているのかお聞きしたい。
  • 他の委員が述べたため議事概要から省略されたと思うが、前回私が触れた病院・学校の自主行動計画について、今回の資料7では、まず病院については書かれておらず、学校についても、CO排出削減の自主行動計画が策定され、フォローアップが適切になされるよう、関係省庁を通じて要請していくと書かれているが、要請される側の対応がどうなっているかが示されていない。その点監督官庁はフォローしているのか、その意思があるのかお尋ねしたい。
  • 病院・学校などのフォローアップについては、どこの省が対応するのか、環境省か内閣官房かも知れないが、省庁間の縦割りでフォローアップが進まないといったことがないようにして欲しい。また、全体の整合性を図ると言う意味で、一度整理してもらい、フォローアップに当たっては数値的なデータも揃えるように取り組んで欲しい。
  • 流通業では、自主行動計画の目標を達成するため、ハンガーの共同輸送などの取り組みなども行われている。物流における対策を考えるときに、どの部分を主役とするかでさんざん議論があり、輸送事業者、荷主側のどちらを排出主体として見るかによって、対策の内容・評価の方法も変わってくるだろう。
  • 小口輸送、テレショッピングなどは、それだけを見れば排出量増加要因だが、その代わりに商店でのエネルギー消費が減少するという代替面もある。このような点を総合した評価が必要ではないか。
  • 2010年以降も延々ともっと厳しい目標が課される訳であるから、息切れしないような対策を行っていくべき。
  • 今回の説明では、航空部門の現状・対策が説明されていない。国交省は、航空部門の排出量動向や削減ポテンシャルについて説明して欲しい。
  • 輸送部門では、輸送機器単体での努力が進んでいる一方、それを支える全体的なモーダルシフトをどのように政策的に担保するかが大きな課題。長距離・広域では国の役割が重要だが、地域の交通の観点からは、自治体の役割は大きい。今回、モデル事業の紹介があったが、モーダルシフトを地域で進める時に、何が課題となっていて、何が必要なのか、その評価を含めて自治体としてどんなことができるかを検討することが必要。
  • EUにおいてもグローバルな市場で自動車の燃費向上基準を定めて取り組みを進めており、自動車の燃費の改善が自動車業界における競争力の強化にもつながっていくと思うが、ヨーロッパでは2012年までに120gCO/kmを達成することを一つの指標といているが、現在、日本で設定されている燃費目標との関係でどのようになっているのか、自工会に伺いたい。
  • 運輸部門では、米軍の軍需絡みの排出が入っていないと思うが、排出規模はどの程度になるか。ほとんど無視できるものなのか、それともある程度の量になるのか、教えて欲しい。
  • 運輸部門において目標達成が見込まれるのは喜ばしいことではあるが、これまで運輸部門での排出が減少してきたことには、自動車の小型化など外的要因も寄与しており、十分な政策努力がなされたとまでは言えないのではないか。今後は目達計画策定時以上に高い目標を設定する余地があるのではないか。
  • 目標達成計画の対策の中で、モーダルシフトといった対策が進んでいないものもあるが、そられを進めるための追加施策についてはどのように考えているか。
  • バイオ燃料の2010年度目標は50万kLとなっているが、最近、農林水産省からは600万kLという数値目標も出ている。バイオ燃料への期待は大きいと思われることから、その見通しと、2010年以降のバイオ燃料導入の加速化についてどのように考えているか教えて欲しい。
  • 運輸部門は元々目標達成が危ぶまれていた部門であり、ここまで対策を進めてきた関係者のご尽力に敬意を表したい。
  • これまで2010年の燃費基準が現時点で相当達成できたのは、2010年燃費基準をグリーン税制により前倒し導入した効果が大きい。これから、乗用車に加えて貨物車にも燃費基準が導入される見通しであるので、ますますグリーン税制の重要性が高まる。思い切ったグリーン税制の導入による低燃費車の早期導入が必要。
  • 貨物輸送は以前から排出が減ってきているが、グリーン物流システム・グリーン物流パートナーシップによる効果も大きい。特に荷主の協力によるモーダルシフトの実現や、積み合わせ輸送の実施などが組織的に行われていることが重要である。今後今参加している企業にとどまらず、今後、パートナーシップの対象企業範囲を拡大する必要があるが、その可能性がどの程度あるか教えて欲しい。
  • 旅客輸送ではモーダルシフトが進んでいるとは言えないが、実施すればその効果は大きい。特に公共交通機関が整備されている大都市で徹底的に実施することが量的削減に効果が大きく重要。そのために本日説明のあった「環境にやさしい交通・EST事業」(モデル事業)を推進し、成功したらすぐに実施に移すことが重要である。このモデル事業は、都市ごとに地方公共団体のイニシャティブで、国や民間の関係者が協力してすすめるもので、本日モーダルシフトが進んだ事例の紹介があったが、成功した事例をもっとが他の都市にもPRするよう務めてほしい。
  • 運輸部門はこのまま行けば目標達成が可能であると思うが、対策としては自動車単体の対策に偏っており、色々な政策があるにもかかわらず実際に行われていない。あっても小規模なものに過ぎず、普及の段階に至っていない。それらの他の対策を進めることによる目標の深掘りを検討して貰いたい。例えば、2010年の燃費基準に留まらず、2015年の燃費基準を前倒しして達成させる、そのための税制改正が必要であるし、アイドリングストップやエコドライブを進めることが考えられる。
  • 物流対策として、荷主に対する省エネ法による規制や、物流総合効率化法による規制措置が制度化されているが、これらの制度が効果を発揮するような環境をしっかりと整備してほしい。また、物流業界への質問だが、物流合理化を進めるために、荷受側の対策を是非ご提案いただきたい。今までの議論だと、輸送業者や荷主に対する対策が多いが、合わせて荷受け側の対策が必要ではないか。
  • 前回、業界の自主行動計画のフォローアップを政府全体で実施し、ただ乗りになるところがないよう取り組まなければならないと指摘した。今回、各省のフォローアップ状況の資料として、資料7が出てきたが、従来行ったものが並べてあるだけのものである。環境省の呼びかけだけでは、難しい点もあるだろうから、総理に働きかけて、関係各省の大臣に指示してフォローアップを強化させるべき。
  • 社会に車が浸透してしまっており、1つや2つ程度の対策では状況は変えることは困難。それでも、ガソリン代の値上がりで多少は消費抑制が起こっている可能性がある。この点について検証をして報告をしてもらいたい。
  • 省エネ法で一定規模以上の輸送事業者が対象となっているが、日本全体の輸送事業者のうちどの程度をカバーしているのか。中小事業者まで広げた場合、効果はどの程度になるのか。
  • 公共交通は、スイカ・パスネットといったICカードの普及で、利便性が向上している。また、バスと電車の対面乗り継ぎなど、高齢化が進む中で利便性が高くなり望ましいことだが、対面乗り継ぎなどの導入による利便性向上により、公共交通の乗客数はどのように変化しているのか。
  • 海外に物を送るとき、航空機の空きスペースを利用したSAL便を使うと安くなるが、物流においても、同様な考え方での輸送を考えたりはしていないのか。
  • 資料2でもあるように、バイオ燃料など展開に当たっては税制上の優遇措置が必要と考えるが、経済産業省・国土交通省での検討状況はどのようになっているのか。
  • 国土交通あるいは大聖教授についてお伺いしたいが、自動車の燃費改善について、EUにおける基準と日本における基準がそれぞれあるが、日本とEUではどちらの方が厳しい基準となっているのか。また、燃費基準について今後の方向性がどのようになっているのか。京都議定書を達成すれば終わりということではなく、中長期的な対応が必要になる。
  • 運輸部門での削減方法としては、ハイブリッド車やバイオエタノール、ディーゼル車など様々な技術的な対策があるが、今後、どのような方向性で進んでいくと考えるか。また、日本での議論や国際的趨勢はどうなっているかの状況について、自工会に教えて欲しい。
  • 国土交通省及び自工会にお伺いしたいが、運輸部門での削減が進んでいる要因について若干見解の相違があるように思われる。ミクロなデータ及びマクロなデータによる検証が必要。国土交通省であれば交通量の状況、自工会であれば燃費改善に関するデータが考えら、今回は示されていないが、これらの情報を第三者へ公開することについては、どのように考えているのか。
  • 自工会及びロジティクス協会にお伺いしたいが、最近燃料費が上がっているが、経済的な影響が消費量にどのような影響を与えると考えるか。
  • 国土交通省にお伺いしたいが、高速道路において、トラックにスピードリミッターを導入したところ、かなりの燃費の向上が認められたが、乗用車等においても導入する考えはないのか。
  • 国土交通省に対して、これまで、自動車のグリーン税制は燃費改善・CO削減に非常に効果があったと評価できるが、2008年から2012年の第一約束期間においても、同様の税制の効果が必要であり、その見込みについてお伺いしたい。
  • 国土交通省に対して、鉄道・船舶へのモーダルシフトについて、非常に重要な対策であるが、目標達成計画の中(別表5)では実効的な対策が盛り込まれていない。実現のための具体的な追加対策については検討しているのか。
  • 燃料電池車を含め、第一約束期間以降の削減についての見込みや対策について、国際競争力にも関係してくると思うが、自工会のお考えを伺いたい。
  • 交通流対策での削減効果を検証するためのデータがもっと必要である。交通流対策ではなく、交通削減対策が必要。資料3の28頁に、首都高の道路開通のCO削減効果が掲載されているが、どの部分の何を取っているかが分からない。交通流が、その時点では減っているかも知れないが、全体としてどうなっているかを見る必要がある。
  • また、今後は、長期的には自動車の単体の抜本的改善だけでなく、総量規制が必要。例えば、販売における○○基準といった規制方法が必要ではないかと考えるが、自工会としてはどうか。
  • 航空部門での対策が重要だが、その部分がおさえられていないのは課題。
  • バイオ燃料の優遇措置を取るべき。ドイツやスウェーデンの例を見れば、グリーン税制によるバイオ燃料の促進をまず考えるべき。価格効果による普及や、ドイツで行われているような、バイオ燃料の製油所ごとのクオータ制を検討すべきではないか。
  • 大聖教授から、単体対策や物流対策以外のその他の交通対策による排出削減効果を定量的に計算するのは難しいとの話もあったが、資料310頁で、日本自動車工業会が運輸部門全体でのCO削減の要因を走行量・燃費向上及びその他に分けて削減効果を計算している。このような引き算的な考え方でその他の交通対策の効果を分析することも可能ではないか。
  • 目標達成計画は、新線の開通で自動車交通量が削減されることを前提に定量的に効果を予測しているが、本当に削減効果があったかといったことを検証する必要がある。このような点での目標達成計画で見込んでいる効果を定量的に計算することにより、対策として上乗せできる要素を洗い出すことが可能ではないか。
  • 日本とEUを比較すると、運輸・家庭部門は日本の方がエネルギー効率が良いと言われているが、運輸部門で効率が良くなっている要因として考えられるのはどのようなことがあるか。交通の場合には、国土の状況や社会的な状況が反映されるはず。自動車工業会にお聞きしたい。
  • 運輸部門では、早い段階から排出抑制が進んでいるが、この要因として、どのようなことが考えられるか。また、将来の見通しでは、自動車の総走行量が増加する見込みとなっているが、走行量増加による排出を抑える対策としては、どのようなことを考えているか。
  • 都市部・地方で、公共交通へのシフトを加速化しないといけないが、そういった具体策は何かあるか。
  • 貨物輸送では燃費改善が難しいとの説明があったが、改善が困難な要因は何か。自動車の構造上の問題などがあれば教えて欲しい。
  • 道路に名前を付けると良い。日本は幹線道路には名前が付いているが、細かい道路には名前が付いていないため、道に迷いやすい。道路の至る所に、駐車禁止の標識などが立っているが、その標識に道路の名前も書き込んではどうか。
大聖教授
  • 企業のコスト削減対策とCO排出低減との関係について指摘があったが、コストと排出削減について定量的に分析するシステムが必要。このようなシステムを作るためには、情報技術の活用が重要ではないかと思う。
  • それぞれがやるべきことを理解するという意識改革に関する指摘があったが、まず、ベースラインについて意識させることが重要。エコドライブをするに当たっても、乗っている車種や業種で燃費のベースが違っている。平均値と自分がどのラインにいるのかを知らせることで意識させることができる。国でも業界でも燃費データを集めて、情報を伝えることが必要だが、この分野についてもITの活用がカギとなる。
  • 運輸部門の排出量を90年レベルに近づけるようにすべきとの点については、90年以降、3ナンバーの大きい車が増加する中で大変難しい課題である。これまでは技術開発による燃費改善でカバーしてきた。今後は、自動車利用の取り組みでもCO削減を進め、利用と技術の両輪で対策を進めていくべき。
  • 自動車のグリーン税制については、現在でも税制中立にはなっておらず、グリーン税制優遇措置の方が超過した状態にある。
  • 燃料電池の今後の見通しについては、まず、水素を何から作るかが明確になっていない。化石燃料から水素を作るのでは意味がなく再生可能な燃料へのシフトも考えて長期的に検討を進めていく必要がある。
  • 国際航空について、何点か指摘があったが、国際貨物を陸上で空港まで輸送する時にもCO排出があるので、この部分での対応も考える必要がある。
  • 公共交通機関への移行についても、ITがカギになると考える。ICカードや携帯電話などで利用の利便性を飛躍的に高めることが重要。
  • バイオ燃料の導入600万kLの達成には、10~20年程度の時間が必要となるだろう。日本だけでは到底必要量を賄えないので、海外からの輸入も上手に利用する必要がある。その際、農業の資源化について、我が国が支援しながら途上国のメリットや環境についても配慮することが大切。
  • 省エネ法での運輸事業者の捕捉率はわずかであるので、中小企業へも広げていくことが重要。それにはITを活用し、同時に国全体の輸送実態やCO削減効果を把握することができるとよい。
  • バイオ燃料と通常燃料とはどうしても価格差が生じるが、強制的に混合する規格にしないのであれば、その差は税金で埋める以外方法はない。
  • 燃費基準について、EUと日本の違いは、EUはメーカー全体平均での燃費に対し、日本は、車両の重量別で燃費基準を設定している。EUの燃費基準は、達成は到底不可能と言われており、EUにおいても、日本の方法を取り入れたいとの声が上がっている。相互の制度が補い合うような形で進めることが適切。
  • 自動車分野での対策は、燃費向上でがんばるのが最も効果が定量的に見込めるのが現状である。それだけに依存するのではなく、自動車利用での削減は難しいが、定量的モデルによる分析をすることで、対策として効果を発揮させることは可能。
社団法人日本自動車工業会
  • 自工会としては、燃費改善への取り組みに積極的の取り組む所存であり、2015年以降もしっかりと取り組んでまいりたい。
  • 目標の深堀については、対策効果を定量的に分析できないと、具体的計画を立てるのは難しい。まず、定量的に評価ができる方法の確立を先に進めたい。
  • 運輸部門は、2010年での目標よりも、中長期での排出抑制の方が厳しい状況だが、取り組みをしっかりと進めていきたい。
  • 貨物部門は、コストに対する客の要求が厳しく、また、耐久性への要求や車種が少量多種になってきていることから、燃費改善が難しい。
  • 欧州と日本の燃費基準の比較については、欧州ではディーゼル車が主力であり、走るモードの違いや自動車の販売分布が異なるなど、日本と条件が違っていて比較が難しい。
  • その他の対策として、駐車違反の取締りが強化されたが、取り締まり強化によるCO削減効果が見られる。また、信号の高度化については、CO削減の面から取り組むべき余地が残っていると考える。
社団法人日本ロジスティクスシステム協会
  • 物流CDMを行うためには、まず、運輸部門からの排出の帰属者を決めることが必要。物流での削減効果測定の精度にも問題があり、現状ではCDMとして行うことは困難と考える。
キヤノン株式会社
  • 航空・港湾行政の在り方についてご質問があったが、輸出入貨物であっても、国内長距離トラック輸送されているものが非常に多い。地方とハブを結ぶ効率的な物流ネットワーク構築に関して、その整備を行政にも期待したいとの趣旨である。
  • 航空輸送は、物流量で見れば物流全体の5~7%に過ぎないが、CO排出量は全体で70万トンCOのうち40万トンCO程度となっている。航空輸送は環境的には効率が悪いので、船舶輸送に切り替える努力をしている。
  • SAL便の活用についてのコメントがあったが、国際間輸送においては輸送方法が空海二者択一である現状から、航空輸送は、海上輸送では間に合わないものを航空輸送で行うので、時間をかけてもよい航空貨物輸送にはSAL便に似たサービスが提供されており、そのようなサービスの利用も行っている。
株式会社三越
  • 納品フローの見直しにより、コストが上がったが、提携先には、社内で予算措置が行えるよう見直しを提案した。輸送に係るコストは契約上では全て相手先の負担となっているが、実際は、輸送段階を細かく分けて、双方がそれぞれ負担する部分を相対で決定して、コストシェアしている。
福本国土交通省総合政策局次長
  • 現在、国際航空からの排出は、カウントされていないが、取扱いを今後どうするかはICAOなど国際機関で検討を進めているところ。
  • 国内の航空部門は、新型機の導入により単位当たりの排出量が減っているが、今後、羽田の改修や大型機から中型機へのシフトの影響をどう見るかが微妙である。
  • 自動車利用の対策については、カーシェアリングなど、引き続き対策の検討を進めていきたい。
宮澤国土交通省地球環境対策室長
  • 対策の削減効果については、最新の数字を元に、現在計算中となっている。計算結果が纏まり次第、交通政策審議会で審議するが、併せて中環審・産構審の場でも紹介させていただく。
小川環境省地球温暖化対策課長
  • 物流部門関連のCDMについては、現在検討中の案件はあるが、認定された案件はまだない。
  • 永里委員・河野委員の方から、病院・学校などの自主行動計画の策定のご質問があったが、これらは今後の課題。その他の分野も含めて、関係省庁とも連携して、目標達成計画見直しの中でしっかり取り組みを進めていきたい。
  • 軍需関係の排出についても、燃料の国内のマーケットで調達している分については、国内排出量の中にカウントされている。
  • バイオ燃料の導入については、総理の指示に基づき、現在導入に向けた中長期の工程表を関係省庁等とも議論しつつ取りまとめているところ。工程表がまとまったところで公表の予定。
  • バイオ燃料関連の税制は、昨年度も要望し、議論を行っているが、関係省庁とともに引き続き対応を検討していきたい。
井内資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部政策課長
  • バイオ燃料を育てて行かなければならないという点については、関係者の認識は一致している。ただし、バイオ燃料については、供給の安定性・安全性・低廉性が課題であり、技術開発や実証事業を関係省庁で連携して進めたり、関係業界との検討会を設置して流通の整備なども議論している。
  • 農林水産省が挙げているバイオ燃料の600万kL導入については、内訳や実現可能性などを各省と検討しているところ。税制についても、こうした検討の中で、そのあり方を検討していきたい。ハイブリッド、電気、燃料電池といった取り組みも並行して進めているし、最も即効性のある対策は省エネであるので、こちらについては、重点的に取り組みを進めてまいりたい。

文責:事務局

 
 

最終更新日:2007年3月1日
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