経済産業省
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小売業の国際展開に関する研究会(第2回) 議事要旨

日時:平成19年12月17日(月)10:00~12:00

場所:経済産業省本館2階2東3共用会議室

議題

  1. インドにおけるビジネス展開支援の現状報告
  2. 現地調査報告
  3. 次回現地調査について

議事概要

1.につきJETROより、2.及び3.につき流通経済研究所より説明した後、自由討議を行った。

主な意見は下記のとおり。

  • インドではオーガナイズされた市場とアンオーガナイズされた市場がある。組織化された市場は全体の5%程度であり、残りの95%はいわば戦後のヤミ市のようなもの。都市の各コミュニティごとに散在しており、ここでモノが流通している。ここでは、3~4割は流通過程で腐敗する(暑くなる夏には特に)。また冷蔵庫の保温状況も悪く、7~8%はロスが出る。アンオーガナイズされた市場はこのような非常に非効率な市場。
  • 一方でモールが台頭してきており、建設ラッシュとなっている。車の便が良いところでは500mごとに出店しており、過当競争だと思われるほど出店が相次いでいる。デリー近郊のグルガウン(新興住宅地がある)は、商業メッカのひとつとなっており、初期的な形でモールが展開している。最近ではニューデリー市内にも進出しつつある。
  • いわゆる百貨店はあまりない。あったとしても分譲して店を貸すというものが中心となっている。デリーでは、めぼしいのはアンサルプラザ(1980年代からある老舗)くらいのもの。ムンバイではもう少し進んでいるものと思われるが同じような状況。
  • スーパーマーケット、ハイパーマーケットなどの大型量販店は最近かなり出始めている。
  • CVSの形態は二つある。ひとつはコンビニで独自に店舗を持つ「Twenty Four Seven」がある。これは24時間7日営業するというコンセプトで、日本のコンビニの形態そのもの。もう一つはガソリンスタンドの一部を借りた「In & Out」がある。ここでは酒も販売している。
  • 日系企業と一言にいっても、どのような機能を持っているかという点で、いくつかに分けて深掘りしなければ各論に入れないと感じている。日本のサービス業・小売業がインドで通用する機能・強みとは何か。店舗開発・ディベロッピング機能なのか、チェーン・オペレーション機能なのか、あるいはファッショナブル性といったことなのか。
  • 外資規制緩和の進展、特に総合小売業、マルチブランドに対する開放政策が明確に出ていないという点が気になっている。マルチブランドがなぜ規制されているのか、また今後の開放の道筋はどうなっているのか。
  • いつから開放されるかという点は論者によって異なり、明確ではないが、早晩開放せざるを得なくなるのではないか。ウォルマート、カルフール等は完全に開放される前に参入し、開放後いつでも浸透できるよう準備をしている。日本のみが出遅れており、個人的には危機感を感じている。開放を待つよりは与件の環境条件を前提としたビジネスモデルを取り、いつでも開放に対応できるよう体勢を整え浸透を図るというのが有効ではないか。
  • 小売業がインドや中国のような発展途上国に進出する際、考慮すべきことは次の3つ。(1)政策的な規制の有無、(2)最適立地のための土地、(3)効率的なマーケティング・チャネル。なかでも効率的なマーケティング・チャネル(商流・物流)を構築できるかどうかが非常に重要だと感じている。中国の場合には、現地企業、特に影響力の強い国営企業、国営関連企業との提携が重要だと思われる(たとえば百紅(丸紅)の上海における成功例がある)。
  • 多くの点で国営企業とのパートナーシップは有利と考えられる。ヒアリングを行った小売業において、たとえば土地問題について、国との結びつきが強い場合、有利に働くことがあるという声は多かった。
  • マーケティング・チャネルについて言えば、卸・代理商は地域別に分散しており、全国展開している企業は限られているようである。(メーカーの場合には)地方に商品を浸透させたいとき、地域別に、個別に卸・代理商と取引しなければならないということだった。中間流通という部分の発展の可能性はあると思われる。
  • インドでは外資小売業が卸の形態で進出する一方で、日本企業は進出が遅いという話があった。しかしウォルマート、カルフールは自企業の将来を海外市場へ託そうという戦略性やトップ・マネジメントの判断がある。その中でインドという市場への評価があり、しかも規制が存在する中で、C&Cの卸で参入するという戦略が出てきている。まずは自分の企業の将来をどこに託すかというトップのビジョンがないと卸は参入しにくい。
  • 卸・小売という問題について言えば、発展途上国では卸と小売の境は微妙であり、日本の商業統計のように卸と小売が厳密に分かれている国はほとんどない。台湾でもマクロ、カルフールは最初に卸で参入し、そこで成長している。そして実際には小売機能も発揮している。小売規制がないので大型店舗を卸ないしメーカーの配送センターという形で展開できる。したがって、グローバル・リテイラーにとっては、インドで卸として参入するのは、全く抵抗がないのではないか。
  • 粗利はアジア全般で低いのではないか。グロサリーや在庫回転率の高い消費財は大抵粗利が低い。ここに日本型CVSを移転していく上でのハードルがあると感じている。
  • 中国では既に進出している外資企業も多い。そういった状況で、ただ進出するだけでなくビジネスとして確立し、競争に勝っていくことが重要である。安売りで勝負している中国企業に対し、日本の小売業は「ハイクオリティ」という点が差別化要因、強みになるのではないか。高所得者も増えており、「ハイクオリティ」、「質の高いサービス」へのニーズはあると思われる。
  • 日本の小売業は生鮮、惣菜、店づくり、加えて日本の商品(米や和牛など)の販売で差別化できる。それらを販売する際の規制として、衛生法の問題などがあると思われる。南では小売業も発展しており、この辺りの状況を調査してほしい。

以上

 
 
最終更新日:2007年12月27日
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