経済産業省
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独立行政法人評価委員会日本貿易保険部会(第16回) 議事録

日時:平成19年1月19日(金)14:00~16:00

場所:経済産業省本館2階西8共用会議室

出席者

委員

岩村部会長、阿部委員、佐野委員、清水委員、伴委員、 横田委員

独立行政法人日本貿易保険

今野理事長、北爪理事、大林理事、大木監事、 豊國総務部長、和田債権業務部長、吉田営業第一部長、 村崎営業第二部長、南雲審査部長

事務局

富吉貿易保険課長、都築貿易保険課長補佐、他

議事録

富吉貿易保険課長
 これより独立行政法人評価委員会「第16回日本貿易保険部会」を開催させていただきます。
 本日は、皆様におかれましてはお忙しいところご参集いただきまして、ありがとうございます。
 本日の議題はお手元の資料「平成18年度上期のNEXIの運営状況について」、「経済産業省所管独立行政法人の業務実績評価の基本方針」、「平成17年度業務実績評価結果について」、「その他」と、参考資料「貿易保険分野における民間保険会社の参入状況について」のご報告でございます。
 この各議題につきまして、資料1-1、1-2、資料2、資料3、参考資料の以上5点の資料を用意させていただいております。万一過不足等がございましたら、事務局までご連絡いただきたいと存じます。
 それでは議事に入らせていただきます。ここからの議事進行につきましては、岩村部会長にお願いしたいと存じます。
岩村部会長
 それでは議事を進めたいと思います。本日は事務局から説明がございましたように、平成18年度上期運営状況、次にNEXIも含め、経済産業省所管の各独立行政法人の業務実績評価の基本方針について独立行政法人評価委員会での議論がございます。
 3番目は平成17年度業務実績評価結果について、最後に民間保険会社の参入状況についてご説明いたします。
 本日の会議は非公開、資料及び議事録は公開とさせていただきます。よろしいでしょうか。
 それでは本日の議題に入りたいと思います。まず議題1「平成18年度上期運営状況について」をNEXIからご説明をお願いいたします。
豊國総務部長
 それでは説明させていただきます。資料1-1の表紙、2ページ目、2006年度上半期の保険料収入の状況は、165億円で若干微減ですが、ほぼ昨年度並みの水準という状況でございます。保険種別では、貿易一般保険が増加しております。世界経済全体が好調な中で自動車や機械といった分野で輸出が好調であったこと、それから中東向けを中心に大型のプラント案件の引受があったということで、貿易一般保険の保険料収入が伸びております。
 一方、海外事業資金貸付保険が減少しておりますが、この背景としては途上国、とりわけ石油等産出国の金融環境が非常に好転しているため、逆に貿易保険の需要が減っているということが背景にあると見ております。
 続いて3ページに主な引受案件の事例を掲載しております。今申し上げましたように、サウジアラビアあるいはカタールといった中東向けの引受案件が、先ほどご説明いたしました貿易一般保険の保険料収入の伸びに寄与しているという状況でございます。
 続いて4ページ目「保険金支払の状況」ですが、2006年度上半期は昨年度に引き続きまして非常に低い水準にとどまっております。上半期では、9.8億円の支払いを行っていますが、小さい事故は多少起こっておりますが、最近大きな事故は起こっておりませんので、過去の非常事故等への支払の合計がこのような数字になっているということでございます。
 続きまして5ページ目「保険金回収の状況」でございます。昨年度に続き、今年度も非常に高い水準の回収実績になっております。上半期だけで大体2,000億円程度ですが、ここに書いてありますように、ロシア、ブラジル、アルジェリア、ナイジェリアといった産油国関係からプリペイメント、あるいはナイジェリアは卒業リスケということで相当な額の返済をしてきております。
 ちなみに通年では大体2,400億円程度の回収が見込まれているわけですけれども、今年度がピークでございまして、来年度以降については来年度、再来年度と大体400億円程度、さらにその次の年ということになりますと、200億円程度の回収予定でございます。
 いずれにいたしましても、ロシア、ブラジル、アルジェリアといった国は卒業ということになり、回収は今年度がピークで来年度以降は少なくなるという状況です。
 続きまして6ページ目、政策分野への取り組みについてご説明申し上げたいと思います。
 まず「カントリー・リスクの高い国への対外取引の円滑化」ですが、今年度は資源国を中心に4回、引受方針の見直しを行っております。具体的には石油あるいは鉱物資源のある国に対して引受条件を緩和し、積極的に引受をしていこうということでございます。
 幾つかご紹介いたしますと、石油関係では今まで引受を行っておりませんでしたリビア、アンゴラの引受を開始しておりますし、鉱物資源の関係ではマダガスカル、ニューカレドニア等、投資保険はこれまでも可能であった国について、その他の中長期の保険も含めて引受を開始するという緩和措置をとっているところでございます。
 次のページですが、この引受方針の緩和を踏まえまして保険商品についても資源案件の取り組みに重点を置いて見直しを行ったところでございます。海外投資保険の抜本的な見直しは、まず料率について2つの改善策を行いました。
 1つは料率全体について、これまでの事故実績等を踏まえて昨年11月に全体を30%引き下げるという措置を講じております。これに加えて「(2)送金リスク不てん補型商品の創設」では、投資保険の中で配当あるいは元本売却があった場合の送金リスクをてん補し、これに見合う保険料をいただいていたわけでございますが、資源案件の多くは短期的な元本売却は想定しておらず、送金リスクへのてん補は不要といった声を踏まえ、送金リスクのてん補をしない場合には25%引き下げる措置をとったわけでございます。先ほどの全体の30%の引き下げとこの送金リスク不てん補を併せて適用いたしますと、トータルでは約50%の引き下げで、大きな支援策の拡充になったのではないかと思っております。
 さらに料率に加えて、最近の投資形態の変化を踏まえた制度の改善ということも併せて実施いたしました。8ページに2点書いてございます。
 1点目は、「プレミアム相当分(のれん代)に対する付保の開始」ということでございます。石油等の資源案件の権益取得という場合には、出資額として株式の価格に対する支払いのみならず、のれん代というプレミアムを支払うのがビジネスの慣行になっているわけですが、従来、貿易保険では株式本体の取得価格に限定して付保するという運用をしておりました。こういったニーズ等を踏まえて、こののれん代についても付保の対象として、仮に事故が起こった場合にはその損失分についても保険金をお支払いするといった制度に改正したわけでございます。
 それから2点目が再投資孫会社の事故に関するてん補の拡充でございます。これは投資保険の制度といたしまして、例えば、日本からY国の現地法人Yに投資をして、さらにYからほかの国の現地法人A、B、Cというものに対して投資をし、事業を行っているというような場合、仮に現地法人Aが戦争等の事情により事業継続が不能になり事故になった場合でも、まだ現地法人Bあるいは現地法人Cの事業が続いている限りにおいては投資保険において事故の認定ができないという制度であったわけでございます。
 これについて今回の改正では、全体が事業継続不能にならなくても、このうちの現地法人Aだけが事業継続不能になった場合でも「事故」ということで認定いたしまして、保険金を支払うという形に制度改善を行ったわけでございます。
 例2では、現地法人Yからの投資が同じ国内であっても同様に法人が分かれていれば、1つの法人の事故について事故認定をするということで、再投資孫会社の事業継続に関しててん補できるというように改善いたしました。以上が投資保険見直しの状況でございます。
 次の9ページは、今申し上げたものも含めて、保険の具体的な引受事例ということになります。
 左側の事例(1)はカザフスタンのウラン鉱山のプロジェクトでございます。カザフスタンにて我が国で初めてのウラン鉱山の開発会社に対しまして、住友商事、関西電力が出資をした案件でございます。これに対してみずほコーポレート銀行等が融資をしており、この融資に対して海事保険を適用したという案件でございます。
 それから右側が事例(2)、インドネシアのタングーLNGプロジェクトでございます。これは、インドネシアのLNGプロジェクトへの、エルエヌジージャパンという日本の会社からの投資に対して、海外投資保険を付保しましたが、今ご説明いたしました海外投資保険の制度改正、その中の送金リスク不てん補を活用して料率を引き下げた上で適用した第1号案件として早速活用されているという事例でございます。
 続きまして10ページ、資源以外の政策分野の取り組み状況ですが、アジアとの連携強化といった観点で、かねてからシンガポールのECAとは再保険協定の締結をし、保険の引受を実施しているところですが、これに続いて2つ目のアジア再保険として、昨年6月にマレーシアのECAであるマレーシア輸出入銀行との間で再保険協定の締結をいたしました。
 現在こちらは営業活動を行っているところで、案件の実績はこれからということでございますけれども、シンガポールに続いてマレーシアにも再保険協定が拡大しましたので、営業に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 それからアジアボンドですが、日系企業が発行する現地建債権についての付保ということで、今年度、アジアボンドの3件目の事例として、タイの発電事業会社の現地通貨建債権について付保したという実績がございます。
 最後に全般的な対外協力の関係ですが、カザフスタンとの経済関係の強化を踏まえ、カザフスタンの輸出信用機関であるKECICとNEXI間で協力協定の締結を行っております。今後、保険全般、また研修等についても協力を進めてまいりたいと考えております。
 続きまして11ページは、中堅・中小企業への支援についてでございます。2005年から開始いたしました中小企業輸出代金保険は、引き続き精力的に営業を行っております。2006年度は、12月末現在の集計結果では210件の引受となっており、件数ベースでは前年度同月と比べて8割増と大幅な拡大が続いております。
 それからサービス分野では、引き続き取り組んでおります航空機分野関係で、米輸銀と協力をいたしまして、米輸銀が行う保証に対する再保険ということで、我が国のメーカーが共同開発に参加しているボーイング767、777及び787の販売に関する付保で実績を上げているところでございます。
 そのほかのサービス分野ではライセンス保険についてアニメーションの輸出等8件の引受を行うといった実績がございます。
 それでは12ページにまいりまして、そのほかの制度見直しを行った項目についてご説明いたします。
 まず外貨建特約ですが、これまでもドル建については既に割増料率を廃止していたわけですが、昨年10月からユーロ建の外貨建特約についても割増料率の廃止を行いました。これは既に、ベトナムのセメント会社のプラント建設案件のバイヤーズクレジットについて、ユーロ建の廃止という新しい料率を適用することで実績を上げております。
 それから2年未満案件についての分割納付制度でございますが、2年未満の貿易一般保険について、契約額500億円超の案件について保険料を分割して納付できる制度を導入いたしております。これについても中東向けの案件で既に実績がございます。
 最後に「重要事項説明書」でございますが、これは制度改善というよりはむしろコンプライアンスの徹底という観点で、貿易保険について約款上の免責事項あるいはお客様の義務・留意事項など間違いのないように、「重要事項説明書」にわかりやすくまとめまして、お客様にきちんと説明するといった取り組みも行っているところでございます。以上が制度面の取り組みの関係でございます。
 次から新システムの関係ですので、ここからは説明者が変わりましてご説明させていただきます。
大林理事
 担当理事の大林でございます。システム関係について私の方からご説明申し上げます。
 まずお手元資料の13ページをご覧いただきたいと存じます。「新貿易保険情報システム(SPIRITONE)」の開発状況ですが、前回の部会でご報告申し上げましたとおり、開発途上におきましては大変困難な局面に直面いたしましたが、NEXI役職員及び開発ベンダーが総力を挙げて取り組みました結果、(1)にございますように、予定どおり12月4日に新システムが無事に稼動開始することができました。NEXIの新システムは、現在日本政府が取り組んでいる電子政府構築計画、e-Japan計画に掲げられている「レガシーからの脱却」の成功第1号に当たると聞いております。前回ご審議いただきました種々の対策が功を奏した結果と受け止めております。この場をお借りいたしまして、改めて皆様に御礼申し上げます。
 また(2)に記載されておりますように、本年4月に予定されております「組合包括制度改正への対応等」、さらには今年の夏以降に予定をしております(3)の「機能の拡充」につきましても、開発状況をしっかりウォッチしつつ、引き続き開発に取り組んでいく所存です。
 次に14ページをご覧いただきたいと存じます。ここには稼動開始後の状況等が記載されております。まず(1)の「運用状況等」ですが、稼動開始後約1ヵ月半が経過いたしまして、順調に推移しております。
 400万ステップの大型システムですが、特筆すべきことは一度もシステムダウンが生じることはなかったという点でございます。銀行、保険会社等の同種規模のシステムにおきましても、稼動開始後1ヵ月以内に1~2度のシステムダウンが起きるというのはごく通例のことと伺っております。
 次にソフトウェア、アプリケーションの紹介でございますが、記載してございますように、12月末までの約1ヵ月間に451件の障害が発生いたしました。しかし、400万ステップという規模を考慮いたしますと、この発生状況は極めて良好というのが専門家筋の一致した見解でございます。また発生状況をみましても、毎週の発生件数は傾斜の強い坂を転げるようにして激減してきているという状況にございます。
 障害の影響でございますが、一部におきましては事務処理の遅れが発生しましたが、全体として事務をとめるような障害は発生しておりません。また障害が発生した場合がありましても、障害の内容は(1)に記載してございますが、その修復に要する時間は極めて短く、当日ないし翌日には対応が完了しているという状況でございます。
 なお稼動開始後1ヵ月間は(2)にございますように、特別な監視体制を組みました。15ページに記載した体制をご覧いただきたいと思います。
 ここにございますような運用監視体制を組みまして、お客様の問い合わせや障害の発生に迅速に対応するため、稼動開始後のリスクを一元的に管理してまいりました。特に稼動開始後2週間はNEXI、ベンダーによる3交代制の24時間監視体制を敷いてまいりました。おかげさまでその間大きな問題もなく経過いたしましたので、特別監視体制は2週間で終了することができました。
 最後になりますが、前回の部会で論議いただきましたフェールセーフにつきましては、(3)にございますように、本年4月の組合包括制度見直しに際し、バックアップ機能をもたせることで万全を期すという意味と、12月の稼動開始時点で作業が進んでいたことを勘案し、予定どおり作業を継続しております。私からの説明は以上でございます。
岩村部会長
 ありがとうございました。それでは質疑に入りたいと思います。今までのNEXIからの説明についてご質問、疑問等がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。阿部委員、どうぞ。
阿部委員
 カントリー・リスクの高い国への対外取引の円滑化というのがございましたが、政治情勢の理由などで引き受け等をしない国はあるのでしょうか。
北爪理事
 最近の政治情勢を鑑みて、少し慎重になっているエリアというものもございます。例えばイランですが、短期の商品の輸出につきましては日本の企業が恒常的に行っておりますので、そういったところにつきましては、我々は企業の皆様のニーズに応じまして付保していくということでございます。
 ただ中長期につきましては、今後の政治情勢等を踏まえまして、我々は若干慎重に対処しております。引受方針として、イランについて特に引き受けないということではございませんが、現実のプロジェクトが出てきたときには慎重に対応しているというところでございます。
阿部委員
 イラン向け案件は慎重であることは必要ですが、この辺はNEXIにもう少し積極的に頑張っていただけないかと思っております。
富吉貿易保険課長
 イラン情勢につきましては、様々な動きがあるものですから、むしろ政府側からご説明した方がいいのかと思っております。
 我々の状況認識としましては、新聞等々でいろいろ書かれておりますが、新聞で書かれている状況というのは、その他の新聞に出てこない情報を含めて考えても、基本的には正しいと思っております。
 今戦争が起こるような状況ではありませんが、イランをめぐる情勢は徐々に悪くなっており、好転する兆しも全くないという状況にあります。
 今突然保険事故が起こるという状況にはないということを考えますと、まさに北爪理事がおっしゃったとおり、急に引き締めていくというような状況ではありませんが、一方で積極的に引き受けていく状況ではないことも確かでございます。
 今後、状況がどう動くかは不透明ですが、ただ少なくとも良くなることはないというのが今の状況認識だとすると、現状の引受けを維持するというのが現状に見合ったものであると思っております。
 企業の方にニーズを伺ってみますと、イラン仕向けのビジネスの引き合いが来ても、調達ができないといった事象が最近は発生しているようです。例えば、商社の方がメーカーに、イラン向けのビジネスについて水を向けると断られてしまい、ビジネスが成立しないという事象も発生しているようです。
 これは、貿易保険の引受け以前の問題であり、全般的に皆さんが慎重に対応されている状況は見てとれますので、そういうものを見ながら慎重に、ユーザーの方々のニーズに応えて支援していくといった対応をとっていかざるを得ないのではないかと思っております。
阿部委員
 私の持論としまして、日本と補完関係にある国、日本の技術を必要としている資源国、例えばイランもそうですし、ミャンマーなどもそうですが、このような国については、長期的な視点から、引き受け等行っていただけると非常に助かると考えておりますので、よろしくお願いいたします。
岩村部会長
 それでは、阿部委員のご意見を伺いましたということにいたします。
 他にご意見はございますか。それでは佐野委員。
佐野委員
 今の話に関係しますが、NEXIとロシアの関係、また今後ロシアの保険案件へどのように取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。もう一つ、NEXIの平成18年度上半期の実績ですが、現在原油価格は下落しており、資源国の金融環境も含めたマーケットそのものが変わる可能性がある場合のリスクについてどのように考えるかという2点についてお伺いしたいと思います。
北爪理事
 まずロシアでございますけれども、ロシアの経済状況、外貨準備等はかなり好転をしておりまして、かつ、多くの日本企業が従来から家電製品を含めましてストックホルムやヘルシンキでオフショアトレードを行っておりますが、やはりロシア、特にウラルから西のヨーロッパサイドにつきましては、より販売網を強化しようという動きが多く出てきております。
 また家電製品だけではなくて、建設機械といった機械類も販売網強化の動きが多く出てきておりますので、我々とすれば、ロシアについてはそういうニーズにはぜひ積極的に対応していきたいと思っております。
 外貨準備もかなり急激に伸びておりますし、我々に対するパリクラブ債務も全部返済が終わりましたが、ご存じのとおり、資源に関しましては最近かなりいろいろな動きがありますので、そういった分野につきましてはかなり慎重な審査は必要だとは思いますけれども、ロシアには積極的に対応していきたいと考えております。
 それから今、中東を含めていろいろな資源国でのプロジェクトがメジロ押しになっておりますが、ピークから比べれば今は油価が少し下がっているわけですけれども、ただ過去のレベルに比べますとまだかなり高いレベルにございます。
 それから最近では政府等の保証プロジェクトが少なくなり、プロジェクトファイナンス等プロジェクト自体の採算性を重視する手法が増加しております。
 その中で原油価格の下ブレの危険性も十分把握しつつ、必要に応じてエスクローアカウント等、様々なセキュリティーを確保しながら対応していきたいと思いますので、今のところ、我々とすれば今の引受方針を基本的に続けていける状況であろうかと思います。以上でございます。
岩村部会長
 ほかにございますか。清水委員、お願いいたします。
清水委員
 資源エネルギーの安定供給確保に向けた取り組みということで一点お尋ねしたいのですが、今般、経済産業大臣と米のエネルギー省長官との会談の結果、日米がエネルギー安定供給に向けて協力していくということで、その中で「原子力」がクローズアップされています。
 その原子力分野での協力ということで、特にアメリカの原子力発電の事業化に対して日本の貿易保険をどうするかが検討の一つの対象になっていると聞いております。この行動計画そのものを春頃までには決めると報道されておりますけれども、NEXIの今年度の活動の中で、このアメリカにおける「原子力」というものに対する貿易保険の対応といったご検討の計画がおありになるのかどうか。
 もしおありになるとすれば、これはどういう形での保険のスキームになるのでしょうか。
 先ほどの航空機関係のように米輸銀の再保険というような形になるのか、別の形になるのか、そのリスクがどこにあるのか。原子力発電の場合は、事業認可に対してリスクがあるとよくいわれておりますが、今年度のNEXIの活動の中で何かプログラムされているのかどうかについてお伺いしたいと思います。
岩村部会長
 NEXIからお願いいたします。
北爪理事
 原子力の問題でございますけれども、今清水委員がおっしゃいましたように、4月頃までに行動計画をまとめていくと聞いております。
 我々も現在、貿易保険課、それから資源エネルギー庁と具体的にどのようにそのお話を受けていくのかということを勉強し始めたところでございます。基本的には日本から原子炉輸出が日本の重工メーカーから行われるということでございます。
 NEXIでは、日本の重工メーカーからの輸出を基本的には応援していくということでございますが、原子力発電事業を行うのはあくまでもアメリカでございますから、アメリカ政府に主体的な役割を果たしていただかなければいけません。そういったものを前提として、我々は日本から輸出される機器がそういった中にきちんと組み込まれ、使用されていくようにサポートするにはどうすればいいかという話を現在貿易保険課や資源エネルギー庁と話を詰めているところでございます。
 ただご存じのとおり、アメリカも2005年のエネルギー法で書かれているような保証について、アメリカ政府が具体的にどういう支援をしていくのかということ自体がまだはっきりしておりませんので、今後日本政府と米国政府とで今後検討していきますので、その検討結果に応じて貿易保険としていかにご協力していくかを検討していくことになろうかと思います。
 そういう意味で、この件は今年度中に全体が固まるというよりは、来年度にかけてのお話であると理解しております。
岩村部会長
 ありがとうございました。ほかにございますか。横田委員、どうぞ。
横田委員
 システムのことで教えていただきたいのですが、先ほどのご説明で、新システムはe-Japanに関連してレガシーからの脱却を目的に導入されたものだったと伺いましたが、汎用性の高いシステムを使っているのではないかと思うので、「レガシーからの脱却」にどうしてこんなに時間が長くかかったのか、教えていただけますでしょうか。
大林理事
 まず「レガシーからの脱却の必要性」という点につきましては、例えば今回導入しましたが、旧システムではWebによる保険の申し込みに全く対応ができませんでした。つまり今日的なサービスの供与という点では、旧システムは非常に不十分なものであったため、これを本質的に組みかえる必要があったということでございます。
 それから次に非常に時間がかかったということへのご説明でございますが、私どものこのSPIRITONEはシステムの全面更新でございます。つまりこれを保険会社に置きかえますと、保険会社のすべての機能のシステムをすべて更新するということとなり、開発規模は400万ステップ規模となります。
 これは昨今のシステム開発、日本で今行っているシステム開発の中では最も大きい規模の一つといわれておりまして、そういう観点からこの程度の開発期間がかかるというのは、むしろ逆にごく通例のことではないかと理解しております。
横田委員
 ありがとうございます。
岩村部会長
 ありがとうございました。ほかにございますか。伴委員、どうぞ。
伴委員
 これまでの結果というよりは今後の見通しですが、海外投資保険について保険料率の大きな引き下げがある一方で、のれんのカバーを行ったりと、てん補範囲も広がっています。当然、貿易保険は中長期的には収支相償という考えはあるかと思うのですが、短期的リザルトというのはこの結果として少し悪化するといった可能性があるのか、あるいは逆に、より活発な投資を促進するという意味で契約件数が増加するので、短期的なリザルトは悪化しないという見方をされていらっしゃるのかを簡単に伺えればと思います。
北爪理事
 まず投資保険については、先ほどご説明しましたように、今回約50%保険料を引下げましたが、過去の投資保険のリザルトをみますと、1950年の貿易保険制度設立以降、その後貿易保険利用者からいただいた保険料と払った保険金の比率をみますと約25%前後の損害率になっております。
 それにいろいろな経費などを足しても、およそ現行水準から最大限5割引下げてもブレークイーブンは十分達成できると判断し、割引率を最大5割としたわけでございます。
 今回保険料を下げた結果として、その後、先ほど総務部長から、引き下げの事例第1号で送金リスクの不てん補の例が出ましたように、お客様から積極的に引き合いが来ております。
 それから保険料が下がったので、従来既存投資について保険をかけていなかったけれども、国際情勢に不安があるため、例えばインドネシアの工場に保険をかけようかとか、そういった家電のメーカーなどからのお話も最近多くいただいております。
 そういう意味では、保険料が下がった分だけ減収にはなりますけれども、新しいお客様や新しいニーズといったものを発掘するという意味では、非常に成功していくのではないかと理解しております。
 先ほど申しましたように、ブレークイーブンを達成しつつ引受をしっかりすれば、保険種として成り立ち得ると理解をしております。
岩村部会長
 実は私も確認させていただきたかった点ですが、その重点的政策分野と重点政策分野ではない分野があったときに、今回の海外投資保険では料率をおよそ30%下げており、その送金リスク不てん補型商品というのは、値引きとも料率引下げとも、どちらの見方もできると思います。
 いずれにしても今の北爪理事のご説明ですと、重点的政策分野と非重点的政策分野において、内部の融通はないということで、基本的には分野の中で収支相償をみていくというお話のように理解したのですが、その分野の中で、例えばほかの通常の商品の保険料を高くしておいて、投資保険を安くしてということではなくて、あくまでも分野の中で合理化を図ったり、あるいは案件の審査を精緻化したりすることによる協力なのだと、こういう理解のご説明だと承っておいてよろしいのですよね。
北爪理事
 貿易保険の場合には、民間の保険のように、例えば自動車保険分野の損失を火災保険分野に回さない等、そのような意味での厳密な保険仕事のブレークイーブンを確保できるわけではございませんけれども、今回海外投資保険の50%引き下げの考え方としましては、過去の損害率等を考えまして、投資保険の中でも従来のブレークイーブンを確保できるといったことを念頭に置いて決めたわけでございます。ですから、特にほかの料率に負担をかけるといったことにはなっておりません。
岩村部会長
 確認ですが、それは今回の引き下げにおいてのみということですか、それとも基本的な考え方としてなのでしょうか。
北爪理事
 保険はそれぞれのリスクに応じて、それぞれの保険種としてそれぞれの特質な過去のリザルト等を考えて保険料を設定いたしますので、基本的な考え方としては部会長のおっしゃるとおりでございます。
岩村部会長
 ありがとうございました。ほかにございますか。佐野委員、どうぞ。
佐野委員
 システムは前々から心配していた点だったのですが、なぜこのようにすばらしい成果を達成できたのでしょうか。作業に係わる人員の質の問題なのか、それとも追加予算を投入したことが理由なのでしょうか。
 私もいろいろなところでシステムにかかわりましたけれども、最後にこんなに成果が伸びるというのは本当にまれにみる事例なのだと思います。なぜそういう結果になったのかを一度確認しておきたいと思って質問させていただきたいと思います。
大林理事
 2つの大きな要因があったと思っております。1つは前回の部会でもご説明申し上げましたように、基本設計段階で十分な設計が行われていなかったという問題がございました。
 この問題に対しましては、どこに問題があるのかということの徹底的な検証をいたしました。そこで具体的に存在する不備の内容が明らかになり、どういう手を打ったらよいかということも非常に明確化されました。これがまず第1の要因でございます。
 第2の要因ですが、昨年の夏以降、IBMの体制が刷新されました。前回お話し申し上げましたように、アメリカのIBMがSOX法の影響により、直轄的に要員を大勢派遣してまいりました。
 この新しく派遣されたメンバーによって体制が一新いたしました。この新しく構築されたメンバーの力量が非常に高度なものであったということから、この夏以降の開発チームの力量というのは目を見張るほどレベルアップしてきました。
 この2つの要因から今回のシステム開発は非常にうまくいったのだと思います。加えて基本設計段階における不備への反省に立ちまして、従来は開発業者に任せていた面が多くございましたが、NEXIの職員と開発ベンダーが一体となって相互に大きな協力をしながら、それこそ夜に日を継いで一体となった協力を行いました。
 こういったことの結果として、今回のような結果が得られたと理解をしております。
佐野委員
 アメリカのSOX法による影響について、より具体的に教えていただけますか。
大林理事
 前回の評価委員会でもお話し申し上げましたように、IBMからみると今回のプロジェクトは赤字プロジェクトということになります。米国のSOX法では赤字プロジェクトについてはしっかりとした内部統制を行って管理をしなければいけないため、日本IBMの事業であっても、IBMコーポレーションとしてはみずからその管理に乗り出さざるを得ないというのがこのSOX法の影響であったと認識しております。その結果、米国の強力なメンバーが日本に送られてきて、その統率下においてこのプロジェクトが遂行されたという流れになっております。
岩村部会長
 運営状況についての質問等は尽きないのですが、時間配分もございますので、議題2に移らせていただきたいと思います。
 それでは議題2の「経済産業省所管独立行政法人の業務実績評価の基本方針」について、事務局から説明をお願い致します。
富吉貿易保険課長
 それでは資料2をご覧いただきたいと思います。「経済産業省所管独立行政法人の業務実績評価の基本方針」という表題でございます。
 こちらは昨年12月1日に開催されました経済産業省独立行政法人評価委員会で、所管の独立行政法人の基本的な評価方針を新しく定めたということのご紹介でございます。
 まず1枚目ですが、基本的な考え方は、今年度行いました平成17年度評価と同じでございまして、いわゆる分科会、部会におきまして、各法人で行う業務の特性に応じて定める評価基準に基づいて全体の評価をしていただき、本委員会ではその評価の妥当性及び横断的な評価を行うということになっております。
 それから次の「(3)評価方法」で、NEXIではずっと5段階評価でやってきましたが、5段階評価をしていない法人もありますので、今後評価委員会での評価は5段階で行うということになっております。
 それから次のページの評価の基準でございます。ここは基本的に今まで日本貿易保険部会で評価に用いた基準と変わりませんので、細かな説明は省略させていただきます。
 次の(ロ)でございますが、この「委員会」というのは本委員会のことでございます。本委員会で行います評価の妥当性、評価に当たりましては、独立行政法人通則法で定められております、評価に当たっての大項目に沿って評価をすることになっております。ここの(1)~(4)まで書かれた項目でございますが、NEXIについては(4)のその他というものがございませんので、該当するのは(1)~(3)の3項目でございます。
 これを委員会で評価するわけでございますが、分科会、部会ではこれまでどおり、この大項目をさらにブレークダウンして、細かく評定を行うことができるとなっておりまして、日本貿易保険部会においては、これまでどおりブレークダウンして評価を行っていきたいと考えております。
 ここで何が変わるかといいますと、今までブレークダウンした評価と、それを全部合わせました全体の法人評価を行ってきたわけでございますが、本委員会で大項目の評価を行うということもありますので、この3項目それぞれにつきまして大項目の評価をまとめるという部分をつけ加えているという形になります。
 その他は(ハ)以下でございますが、基本的にこの部会で行ってきた方法そのものでございますので、細かな説明は省略させていただきます。
 次に3枚目でございますが、今度は中期目標期間、NEXIでいいますと4年間の評価でございますけれども、この4年間の評価につきましても基本的な考え方は同じでございます。
 例えばこの(ロ)のところで年度評価を平均にすることを基礎とすると書いてありますけれども、これも項目によっては平均することが不適当なもの、例えば中期目標の終わりに数値目標などがあるようなケースにおいて、その達成の途中で平均しても余り意味がございませんので、こういったものはまた別の評価基準になるということでございます。こういうところは今までと全く変わっておりません。基本的に今までと同じでございます。
 ただ、中期目標期間の評価についても、大項目ごとの取りまとめが出てまいります点が、今までと異なる点でございます。
岩村部会長
 昨年12月1日の本委員会には、私も出席しておりましたので、今のご説明に少し補足しておきたいと思います。
 今事務局から説明がありましたように、変更点はいろいろあったのですが、日本貿易保険部会における評価は今までと特に変わることはございません。
 幾つかの変更点を申し上げますと、まずこの資料2の文章の中に、少しNEXIを意識した点もございます。資料2枚目の(ロ)でございますが、「(ロ)委員会における評価項目は、次の(1)~(3)の3項目を基本とし、必要に応じて(4)を追加する」とあり、その下に(1)~(4)の内容が書いてありまして、その下に「分科会等は上記(1)~(4)の評定を行い、委員会での審議を受けることとする」とあります。要するにその大きい項目についてだけは法人を評価する委員会にどういう理由でどういう根拠でAやAAをつけたのかを説明してくださいということです。
 最後に(3)について、「(3)について、交付金以外の収入が太宗を占める法人については、別途の評価方法によることができる」と書いてございまして、交付金以外の収入が太宗を占める法人というのは、経済産業省ではご存じのように貿易保険だけでございますので、要するに貿易保険は財務についてはこの5段階評価によらず、現在のような形でということを括弧に書いてもらって確認していただいたということでございます。
 この記載の理由には、NEXIという法人が経済産業省全体の中でも、また日本の独立行政法人の中でもかなり特色の強い法人であるということがございます。NEXIの場合、例えば財務についてもお金を使わなければいいとか、倹約すればいいとか、そういう性質のものではなくて、業務を誠実に実行するところに意味がある。むだ遣いをしているかどうかということは評価にあたり大事なことですが、結果として大きな事故が起これば多額の保険金の支払があるわけです。
 ただし財務が改善しているのか、それとも悪化しているのかという認識は述べなければなりませんが、NEXIの場合、5段階の評価で、今年は大変財務がよくなったから法人全体の評価がAAとはならないであろうし、あるいは今も含めて情勢が逆転したら、一気に評価を下げるという性質のものでもないだろうということを確認していただいたと思っております。
 全体として、経済産業省全体の経済産業省独立行政法人評価委員会の議論も、個人の印象としては整理途上という印象です。例えば、他の独立行政法人との違いを感じる点として、NEXIは非常に早い時期から「独立行政法人の職員は公務員である」という考え方を脱却して、保険ビジネスの中で独自のサービスを作り上げていこうという概念で事業に邁進していきたいわけですけれども、他の独立行政法人では、なおまだ「公務員」であることへの強いこだわりをおもちの方々が多くの経営役職員の地位を占めているということが一点ございます。
 それからもう一点は、経済産業省独立行政法人制度がスタートしたとき、設立された独立行政法人は、ほとんど全部が研究系の独立行政法人でしたが、この数年の間に旧特殊法人、旧事業団系の法人が減って経済産業省の所管の独立行政法人となっており、こういう法人の中には、独立行政法人としての認識がまだ確立できていないというところがあり、そういう法人についての評価をどうやって横串を通していくかということについての問題意識が、経済産業省独立行政法人評価委員会での議論の大きな焦点になってきていると思います。
 そういう中では評価委員会全体の中でも、NEXIはその意義と今までの経営努力について非常に高く評価されていると申し上げてよいと思います。評価委員会の信任を得ているということについては、私としては自信をもって皆様に報告することができると思います。
 それでは引き続きまして、次の議題に移ります。議題3の「平成17年度業務実績評価結果について」ですが、事務局からご説明をお願いいたします。
富吉貿易保険課長
 それではお手元の資料3「平成17年度における経済産業省所管独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果等についての意見について」をご説明致します。
 独法評価の全体を統括する審議会である総務省「政策評価・独立行政法人評価委員会」が、各省所管の独法について各省の評価委員会が評価した結果をみて、意見を申し述べるということになっておりまして、その意見が昨年11月27日に当省の評価委員会にまいりましたので、ご紹介いたします。
 今の岩村部会長からのコメントにもございましたとおり、平成17年度における独立行政法人評価から、いわゆる特殊法人改革の中で独立行政法人になった法人が評価の対象として入ってきているといった状況があり、その状況を踏まえ、この総務省の評価委員会で評価についての様々な意見を取りまとめたという背景がございます。
 まずNEXIにつきましては具体的には3ページ目にございますとおり、「貿易保険業務に対する民間事業者の参入の状況を踏まえ、その更なる円滑化に向けた取組及びそれを踏まえた業務の在り方について、評価を行うべきである」というご意見をいただいております。
 NEXIの中期目標におきましては、民間保険会社への業務委託を通じて情報の提供等を図るというのが課せられた役割であり、課題ですので、この観点から成果が上がっているかどうかという評価を行っていくという方針でこれまでも来ておりますし、今後も同様です。
 それから4ページ、5ページは、経済産業省所管の独立行政法人共通の意見でございます。
 はじめに、「人件費削減や給与水準の適正化の取組状況等についての評価」については、NEXIでは中期目標、中期計画の改定を昨年度実施したわけですが、この改定の背景は以前にもご説明しましたとおり、国家公務員の人件費純減で、5年間で5%削減するという目標が設定されたことにあります。
 独立行政法人につきましても、国に準拠して人件費の削減を図るということになり、今後5年間で5%削減することといたしました。独立行政法人の人件費削減期間における最後の年度は平成22年度になりますが、これを現在の中期目標期間中に当てはめて具体的な目標をつくってほしいということで、NEXIの場合は、5年の期間中3年が今回の中期目標期間中に経過をいたしますので、数値目標として「3%」という数字を設定しております。
 この達成状況についてはきちんと評価をしていくことが求められており、業務運営の効率化の中で評価をしていくべきであると考えております。
 それから続きまして、「随意契約の見直しの取組状況等についての評価」でございますが、以前の部会でご紹介をしたとおり、国といたしましても随意契約をできるだけ排除し、競争入札を行うという方針となりました。独立行政法人につきましても、これを踏まえて競争入札の範囲の拡大、契約の見直し等々、あるいは契約の情報公開といった取り組みを行っていくという方針が示されております。
 これを受けまして、NEXIにおいても競争入札すべき契約の基準の拡大、あるいは情報公開関係の規定類の整備をしていただきまして、この内規に基づいて対応していただいていると思います。
 このようなNEXIの対応についても、業務運営の効率化という観点できちんと評価をしていくということとなります。
 その他いろいろな共通の指摘がございますが、NEXIについては直接関係いたしませんので説明は省略させていただきます。
岩村部会長
 ありがとうございました。これも本委員会で議論されている話ですが、
 日本貿易保険について、民間事業者の参入が意見として提示されておりますが、この意見に対して、少なくとも経済産業省の本委員会では特段の議論はございませんでした。
 他の法人の評価委員会、分科会や部会の雰囲気を各委員から伺いますと、人件費削減や給与水準の適正化において、業績をAやAA、あるいはBと評価した結果は、独立行政法人の職員の給与に反映するのだといいつつも、全体として人件費や業務費の一律カットという枠組みをはめられてしまうのは、評価委員会で評価を行うことの意味がないのではないかとの意見が出ております。
 私は必ずしもそれに賛成ではないのですが、現状にそういった雰囲気はございます。そのような議論が他の委員の発言の端々に出てきているということだけは皆様にご報告しておきたいと思います。
 最後の議題は参考資料の「貿易保険分野における民間保険会社の参入状況について」でございます。事務局からご説明をお願いいたします。
富吉貿易保険課長
 それでは参考資料、「貿易保険分野における民間保険会社の参入状況について」のご説明を簡単にさせていただきたいと思います。
 平成16年12月に取りまとめられました「貿易保険分野における官民のあり方検討委員会とりまとめ」の中で、民間保険会社の参入状況についてフォローしていく必要性を指摘しており、これを受けまして、現在半年に一度参入状況の調査をしているところであり、今回は平成18年度上期における民間保険会社の活動状況を調査したものでございます。
 これは既に貿易保険に参入している会社と、以前開催された「官民のあり方検討委員会」のフォローアップ会合で、ご関心を示して会合に参加された会社にアンケート、もしくは直接面談の方式を採りまして調査をしております。
 調査結果は2ページ目、参入状況でございますが、平成17年度末の調査では全部で8社が参入していたわけですが、今回の調査では参入済みの会社が2社(外資1社、国内損保1社)増加し、本邦系の企業が4社、外資系が6社の計10社が参入しております。
 今回全部で16社を調査対象としておりますが、関心を示していてまだ参入していない会社が6社ございます。各社とも基本的には様子見ということでございますが、今後参入する可能性がございます。
 参入していない理由は以前の調査時の回答と変わりません。コストの問題や、ノウハウがないとか、現時点で収益性が出るかどうか疑問である等々の回答が寄せられております。
 次に「(2)提供保険商品の内容」でございますが、これも前回調査と基本的には変わっておりません。提供している商品は、基本的には短期の包括保険でございます。短期とは、企業、あるいは企業の一部門全体の貿易取引の中で、ユーザンスが基本的には180日以内の商品でございます。引受リスクも信用を基本とするもの、区別せずカバーするもの、選択できるもの等、各社によって大分違います。
 それから個別保険や中長期の保険、投資保険等、貿易保険にはいろいろなメニューがございますが、このように多種多様なメニューを提供している民間保険会社も出始めております。
 次に「(3)貿易保険の販売状況」でございます。昨年度1年間における販売高はおよそNEXIの年間保険料収入の1%超、およそ4~5億円程度です。今年度の4月~9月、NEXIの上期の保険収入が約165億円程度ですが、民間保険会社の保険収入は、およそその4%を超える水準、半期で7~8億円程度の保険料収入が生じており、保険料収入、契約件数はいずれも大幅に増加している状況でございます。
 それから「(4)民間保険会社利用者の業種」ですが、大きく分けてメーカー系あるいは商社ということでございますけれども、NEXIの組合包括には加入していない、いわゆる貿易保険未経験の企業がほとんどでございます。ただ今回の調査の回答において、NEXIの組合包括保険には加入している企業が、組合包括保険の対象とならない品目について利用を始めているというものが出始めております。
 次のページをみていただきますと、(6)の「販売実績が上がった要因等」のところでは、各保険会社はいろいろな努力をしており、貿易保険は成約までに時間がかかる保険ですのでその努力の結果、実績が上がってきたという面もございますが、4月からの組合包括制度変更に伴い、付保選択制が導入されるということで、顧客サイドで試しに民間保険会社を使ってみて、NEXIと比較してみようという意図が伺えるのではないかという指摘が出ております。
 それでは(5)に戻っていただきまして、「引受をした主なリスク対象国」でございます。会社によってかなりばらつきがございますが、総体的にみますと、やはりアジアあるいは欧米というところが多いということでございます。アジアが多いのは大体各社共通ですが、それ以外の地域についての引受がない南米、中近東、アフリカといった多様な地域において、引受対象地域は多様になってきております。
 次の(7)、(8)は販売目標、ターゲットですが、いわゆる貿易保険固有のターゲットを定めている会社はありません。より広範な範囲、取引保険や、もう少し広い賠償保険を含めた新商品といわれている分野でノルマ、いわゆる目標を定めている会社ばかりでございますし、そのターゲット分野もそこにいろいろ列挙しておりますが、これは会社によってターゲットの絞り方が異なっておりまして、これはターゲットにしたところを全部網羅的に書いてみたわけですが、相当いろいろなターゲットの置き方をしているというところでございます。中にはターゲットを置いていないという会社もございました。
 次のページの(10)再保険会社の参入状況でございますが、日本におきまして再保険会社のうちこの貿易保険分野に関心を示しているところは3社ございます。参入状況につきましては、外資系は基本的には本国、いわゆる本社ベースで再保険ファシリティーを利用しているという点、それから国内損保会社は大体提携している外資系に再保険を出しているといった状況にございまして、目立った再保険の引受実績は現時点ではございません。
 今後につきましても、貿易保険は非常に潜在的に有望な市場であると思っている会社もあれば、民間開放がより進まない限り、なかなか魅力あるマーケットとは考えにくいと思っている会社もありまして、3社の中でも見方が違っております。
 次に「(11)官民のあり方・範囲について」でございます。基本的には前回と同様に民にできることは民にという方向性を歓迎する立場でございますが、各社から全部民間でできるわけではないというコメントがされております。
 ただし、各社とも官に求める役割については、補完的位置づけであるものの、何を補完するかというところは意見が違っております。この差については、各社が提供している保険商品とも関係があるのではないかと思っております。包括保険しか提供していないところは「個別」や「中長期」の保険分野、個別保険まで提供しているところは「中長期」の保険分野について官に補完を求めており、社によって見方が違っております。やはり自社で提供しにくい商品というところを官に補完してほしいという要望は強いようでございます。
 ただ各社共通して言えるのは、やはり民間保険会社については引受限度額等々があるため、金額が大きな案件や国益案件は民間だけでは引き受けできないので、ここは補完的に国できちんと引き受けていただきたいというのが概ね共通した意見であったと思います。
 次に「(12)NEXIについてのコメント」ですが、やはり各社共通の意見として、NEXIには組合包括保険制度の見直し(付保選択制導入)にきちんと対応していただいて、その後の市場の状況に期待をしたいというコメントが多数を占めております。その中で商品サービス・保険料等について公正な競争が維持されることを期待しているといったコメントがございました。
 それからコメントの中に昨年11月に実施されました海外投資保険の制度改正についてコメントをされた会社が何社かございました。これについては非常に評価するコメントと保険料の引き下げといった面があるために、若干民間保険会社の参入の妨げになるのではないかという点を懸念するコメント、両方のコメントが出てきておりました。
 それから「(13)政府に対する意見」につきましては、行政改革推進法における検討にあたり民間にできない最後の拠り所として、セーフティネットとしての国の保険制度の位置づけ、いわゆる民間ビジネスを主体として制度設計をしてほしいという意見、さらに政府に対する再保険についても、やはり国の再保険は民間に比べて有利ではないかとか、外交交渉による問題解決といった付加価値の点、それからやはり国の再保険が元受マーケティングにも影響しているのではないかといった指摘もございました。いずれにしても引き続きセーフティネットとしての位置づけを期待するというご意見が多くございます。
 まとめますと、今回のヒアリングは引受、契約件数、保険料収入ともに大幅に増加をしている状況でありますが、各社とも貿易保険はゼロからの出発であるため、現在の状況をもって順調かどうかをどう評価するかというのがこれからの課題ではございます。しかし数字上、大幅に伸びているということは事実でございます。
 今後、今年4月の組合包括保険制度の改正、付保選択制の導入後にどのような状況になるかというところを非常に注目しております。引き続きこの調査をおよそ半年に一回程度実施してまいりまして、日本貿易保険部会でも御参考までご紹介していきたいと考えております。
豊國総務部長
 NEXIから補足をさせていただきたいのですが、民間保険会社の販売状況において、平成17年における民間保険会社の売上高は、NEXIの売上高の約1%、今年度上期が約4%程度であるというご説明でございましたけれども、民間保険会社では、いわゆる1年未満といった短期といった分野が引き受けの中心となっているわけでございます。
 一方、NEXIの1年以内の短期の商品については、平成17年度の販売実績は84億円です。平成18年度上期の売上高の約165億円のうち短期の商品の売上高は約31億円となり、それに対し民間保険会社の売上高が約7億円程度となりますと、およそ短期保険分野における2割程度が民間保険会社の販売実績であるというような考え方もできるわけでございます。
 そういう意味でNEXIにすれば、民間保険会社はやや脅威であり、試練であるという感じをもっておりますが、こういった中でやはり商品性の改善や、サービスの向上を行っていくことが大事であり、そのような取り組みの中で、お客様がNEXIを選ばれるということを目標に努力していきたいと思っております。
岩村部会長
 ありがとうございました。資料3の3ページ目、総務省の政府全体での独立行政法人評価委員会から呈示されている貿易保険の評価についての意見で、「別紙」となっているところの「貿易保険業務に対する民間事業者の参入の状況を踏まえ、その更なる円滑化に向けた取組及びそれを踏まえた業務の在り方について、評価を行うべきである」と、政府全体の評価委員会からはNEXIの評価についてはこういった項目で評価を行うべきであると意見が提示されております。
 事務局からの参考資料の説明、それからNEXIからの説明を踏まえていただいた上で、そういう意味での評価ができるかどうかとの観点から、委員のご意見を伺うことができれば趣旨に沿うだろうと思っております。
 それからこの資料3の意見は、平成18年度の評価の中で、どの部分でどのように取り組んでいこうとしているのかという点の現在の見通しについて、事務局に伺っておきたいと思います。
富吉貿易保険課長
 資料1-2の8ページをご覧いただきたいと存じます。
 「サービスの向上その他業務の質の向上」という大項目の中に中項目といたしまして、(5)の「民間保険会社による参入の円滑化」というものが目標に定められております。ここは先ほど申し上げましたとおり、この中の(2)に「民間保険会社に対する情報・ノウハウの提供・共有」というものが定められておりまして、まさにここが円滑に民間参入を進めていく上でNEXIに求められている役割でございます。
 当然のこととして、その前提として今年4月からの組合包括制度の見直しの実施があるわけですが、まさにこの(5)についてきちんと評価していただくということだと思います。
 それから先ほどの各独法の共通意見として呈示されていた人件費、随意契約については「3.業務運営の効率化に関する事項」において評価頂きたいと思います。
岩村部会長
 今、事務局に説明をお願いしたのは、参考資料における報告内容は、単なる報告ではなく、今年度の評価につながっていく報告ということであるため、委員の皆様に再度確認いただく意味で説明をお願いいたしました。その観点からご意見や質疑を頂ければと思っております。
清水委員
 先ほどの参考資料のご説明の中の「(12)NEXIについてのコメント」において、「海外投資保険料率の引き下げ等のNEXIの商品改善、営業姿勢については、これを評価するコメントがある一方、民間保険会社による参入を妨げる要因となることを懸念するコメントもあった」といったご説明がございました。
 ユーザーサイドから申し上げますと、このような民間保険会社からのコメントがありますと、NEXIの保険制度の改正に影響するのではないかと懸念されるため、このような意見に関してNEXIとしてはどのようにお考えなのかという点についてお伺いしたいと思います。
豊國総務部長
 民間保険会社の参入の趣旨として、民間の参入により、よりよいサービスが提供され、より安く保険料が提供できる等、民間保険会社との競争によりNEXIも料率の引き下げや、サービスが向上する等、いわば切磋琢磨をすることこそが民間保険会社参入の目的であると認識をいたしております。
 そういう意味では、このような意見によりサービスの向上等を緩めるということはあってはならないといった考え方で対応していきたいと思っております。
清水委員
 ユーザー側からみると、民間の保険会社とNEXIは、保険商品をめぐって競合するということではなくて、民間で引き受けできない場合の最後の拠り所として、政府がセーフティネットとしての役割に徹することに期待する点がユーザーサイドとしての認識であると思います。
 しかしその場合、まず民間に相談し、不可能である案件をNEXIに相談するとなると時間がかかってしまいますので、ユーザーサイドからは、民間とNEXIとの線引きが最初の段階からよくわかるような提示をして頂ければと思います。
 そういう意味で、この役割分担といったところに、NEXIの「民間参入」ということに関連して努力して頂く余地があるのかもしれないという気がいたします。
今野理事長
 民間保険会社のシェアが上がることで、NEXIのシェアが下がることになるが、NEXIの業績を評価するとなりますと、NEXIとしてはこの点をどのように考えたらいいのかということは非常に難しい問題でございます。
 今まで民間保険会社は貿易保険事業が営業できませんでしたので、NEXIから代理業務をお願いするなどして、ノウハウ等の技術移転はきちんと行わなければならないと考えております。
 他方、この制度改革の最終的な目的は何かといいますと、より良い保険商品がユーザーに提供されるということに尽きると思うわけです。したがいまして、NEXIがこの改革の中で期待されているのは、やはり民間保険会社との競争を真正面から受けて、より良いサービスの提供、業務の効率化を行うことに尽きると思っております。
 お客様がNEXIか民間保険会社を選択する結果として、シェアが決まっていきます。民間保険の場合は、マーケットの状況によって日々カバーの範囲が動いています。例えば今のイランのような状況でございますと、民間保険会社は全く手を出しません。
 民間保険会社の参入によりお客様の選択肢が広がる結果、NEXIもサービスの向上に努力していき、民間もさらに参入が拡大することで、日本の保険市場はより良くなっていくということなのではないかと考えている次第でございます。
岩村部会長
 NEXIが独立行政法人である以上、どういった考え方で経済産業省の政策に協力していくのかを対外的に示すことが大事ではないかと思います。
 例えば民間保険会社が依存する、いわゆる再保険マーケットというもののアンダーライティング・サイクルは数年で非常に大きく変動いたしますが、民間のリスクアンダーライティングのキャパシティーは長い期間で収支相償をみる仕組みは、本当にできないのかどうかは別にして、少なくとも現在のキャピタルマーケットやリスクアンダーライティングのマーケットの中には余り大きく入っておりません。
 それに対して貿易保険は20年、30年と非常に長い期間をかけて収支相償をみます。
 このNEXIと民間保険会社との考え方の違いの整理は、これからさらに必要であろうと思いますし、経済産業省にもお願いして、今後整理をしていっていただけるものだと考えております。
富吉貿易保険課長
 今の点について追加的にコメントをしておきたいと思います。
 今、清水委員から投資保険のところで参入の妨げになる要因を懸念するコメントが、NEXIの制度改正に影響しないかといったご意見をいただいたわけでございますが、一方で、NEXIの積極的な対応を非常に評価するというコメントも現実にございます。
 さらにこれは料率の問題だけではなくて、商品性の問題、いわゆるこの料率でどういうリスクをとるかという点で、NEXIの保険と民間保険は同じなのか、違うのかといった、点について細かな分析はしておりませんので、こういうコメントもあったというご紹介でございます。
 また「(12)NEXIについてのコメント」の次のページの冒頭部分ですが、複数の民間保険会社から、民間保険会社とNEXIが一緒に保険を引き受ける、共同保険のような商品を構築してほしいという声がございました。こういった商品は、民間保険会社だけでなく、NEXIがなければ保険案件が成立しないという民業補完の典型的な姿にもなりますので、このあたりを一つの課題として検討していっていただきたいと思っているところでございます。
岩村部会長
 ありがとうございました。それではこれをもちまして本日の議題は終了とさせていただきたいと思います。最後に事務局からご連絡等をお願いいたします。
今野理事長
 皆様に一言だけお礼を申し上げさせていただいてよろしいでしょうか。NEXIのシステムの問題について、皆様に大変ご心配をいただいたわけでございますが、IBMには8ヵ国からエンジニアを呼んでいただき、問題が発生するとその分野のエキスパートをすぐに呼んで不具合を修正するという大変な力の入れようで取り組んでいただきました。
 もちろん3月の最終的な改造、開発終了まで気を抜くことなく頑張るつもりでございますけれども、大きな危機的な状況はとにかくクリアできて、今次の段階に入っているということでございます。ご支援いただきましたことについて心から感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
富吉貿易保険課長
 次回の日本貿易保険部会は、現時点では4月下旬から5月上旬あたりに開催を予定しております。議題といたしましては、平成18年度NEXIの業務実績の評価に向けての実績報告を予定しております。
 いずれにいたしましても、岩村部会長とご相談の上日程を調整させていただきたいと存じますので、その節はよろしくお願いいたします。
岩村部会長
 本日はありがとうございました。以上をもちまして、閉会とさせていただきます。

-了-

 
 

最終更新日:2007年3月20日
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