経済産業省
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産業構造審議会環境部会地球環境小委員会・中央環境審議会地球環境部会合同会合(第11回) 議事要旨

日時:2007年3月16日(金)10:00~12:30

場所:ホテルグランドパレス「松」

出席委員

茅地球環境小委員会委員長、浅野地球環境部会長代理、 黒田委員、原沢委員、青木委員、浅岡委員、飯田委員、 石坂委員、猪野委員、及川委員、大塚委員、鹿島委員、 川上委員、木下委員、河野委員、小林委員、佐和委員、 関澤委員、高橋委員、高村委員、中上委員、永里委員、 長辻委員、西岡委員、桝井委員、森嶌委員、山口(光)委員、 横山委員、米本委員、和気委員

議事

1.京都議定書目標達成計画の個別対策・施策の進捗状況について

  • 茅地球環境小委員会委員長から開会の挨拶の後、小川環境省地球温暖化対策課長より、資料2に基づき説明が行われた後、その説明に関して委員より以下の発言があった。
  • 今回の点検は、2008年度の第一約束期間に入る前の最後の評価の機会となるため、評価は厳しく、堅めの数字で行うべき。各省庁の資料を見ると、推計の根拠が明確でないものであっても、達成出来るとされているものがある。推計根拠が確かなものであるかといった点を厳格に見ていかなければならない。
  • 目標達成計画を策定した時期と比べ、現在ではマクロフレームが変わってきているため、その状況変化も踏まえた新しいフレームで早く施策効果等をシミュレートし直すことが必要。その上で、どれだけ追加対策が必要かを検証することが必要であるが、さらに、現在、施策として目標達成計画の中に入れられているものについても、効果がないものは差し替えることも必要。
  • 仮に現行対策が忠実に実行出来た場合であっても、マクロフレームが変わることにより排出量が増加する分については、誰の責任でもなく各部門が追加的な対策を取る責任がある。この点については、あまり楽観的な評価をするべきではない。モデル推計では、結果だけでなくそのプロセスが非常に重要。ブラックボックスになっているところがないように、推計プロセスの透明性が大切になってくる。
  • 各省庁が出してくる削減効果の数値をそのまま鵜呑みにしてしまうのではなく、各省庁の立場とは別に、審議会として対策効果を厳格に判断する必要がある。
  • もし、各省庁が目標を達成出来ると判断するのであれば、達成出来なかった場合にはきちんと責任を負ってもらうことを予め認識してもらう必要がある。
  • 今回、計画の見直しを行った場合、このままの状況ではマイナス6%の目標が達成できず、追加的に対策を講ずる必要が生じる可能性があると思われる。なかなか困難な作業ではあるが、その場合に、日本全体としての費用負担、即ち国民の負担がどの程度になるかについて、モデル計算も用いてはっきりと示すことが重要。
  • ヒアリングの目的は、現行目標達成計画上の対策の進捗状況についてのフォローアップであるが、目標達成に向けて順調に進捗していない施策については、何がネックになって進んでいないのかといった評価を行うことが重要。
  • モデルによる推計を行った場合でも、対策コストや効果が定量的に出る施策と出ない施策がある。
  • いずれにせよ、各省庁におかれては、このような点について検討できるような資料提出をお願いしたい。
  • 施策の効果・コスト・確実性についてを定量化への取組が必要。各省におかれては、そのために必要なデータの開示をして欲しい。
  • 参考資料1において、環境省と経済産業省各々のモデルを使っていて、それがなかなか合っていないということだが、それは仕方ないとしても、前提値と計算結果だけでなく、内容が分かっていることが重要。モデルの中身を明らかにすることで、透明性を高めるよう注意して分析を行っていくべき。

2.環境省施策のヒアリング

環境省から資料2及び資料3に基づいて、環境省が所管する京都議定書目標達成計画の個別対策・施策について説明を行った後、委員による質疑応答が行われた。

  • 資料3の10頁にある、ポリシーミックスの活用の一環として環境税・国内排出量取引制度が柱として必要。これらの対策がないと6%削減は難しい。主体は環境省であり、経済産業省は、この対策についてネガティブと聞いているが、環境省としては、この両対策を導入するために、経済産業省に対してどのような働きかけを行っており、なぜ一緒にやっていこうという話にならないのか、明らかにして欲しい。
  • 経済産業省として、環境税・国内排出量取引制度について、どのように考えているのか。折角の合同会合で、両省の意見が大きく食い違うのはこの2点だと思うので、その点を明らかにして、両省が連携してやっていくようお願いしたい。
  • 昨日の産経新聞において、南川局長から、「京都議定書の目標達成が困難であり、削減量が数千万トン不足している」旨の発言があったと報道されていた。現状を率直に認めたという点で評価したい。ただその記事の中で、産業界に更なる負担を求めるべきとの方向性が示されていたが、これが本当であれば問題である。この審議会でも、目標達成のためには業務・家庭部門での対策が必要との議論が行われており、産業界にツケを回すというのは筋が違うのではないか。
  • 環境税については、温暖化対策の文脈だけで検討するのではなく、プライマリーバランスをゼロにするという財政政策の中での位置付けを考えながら検討していくことが必要。
  • 国内排出量取引制度について言えば、既に導入されているEU-ETSは、完全競争が確保されていないことから非効率になっているという現状がある。国内排出量取引制度については、このような分析を踏まえた上で、学者の意見も聞きながら検討を進めていくべきである。
  • 資料3の省エネ機器の買い換え促進の効果については、普及推進そのものの効果なのか、トップランナー制度という規制措置による効果なのか、私は規制による効果だと思うが、どのような施策が効いているのかをはっきりさせることが必要。他の施策をチームマイナス 6%の効果であるとするのは厳密ではないので、きちんと検証して欲しい。
  • 国民運動(チームマイナス6%)の展開自体は評価するが、環境省は行政を行うところであり、キャンペーンを行うところではないので、その効果を厳密に測定することが必要。例えば、エアコンの温度を変えたというが、何度に変えたのか、「クールビズ」については、削減量の推計は 114万トンCO2となっているが、その根拠について精査することが必要。ムードでやられては困る。
  • 環境税の議論をする際には、当面は京都議定書を達成しようとして行おうとするものであるが、例えば家庭部門が29.9%、業務部門が42.1%、産業部門も減らさなければならず、経済学者の言う経済的手法を用いてどうすればそのギャップが埋められるかが重要なのであるが、「環境税とはそもそも何か」という議論をする人が多い。これから真摯に「環境税」を議論するのであれば、環境税を補助金等と同様の経済的手法の 1つとして捉え、京都議定書の目標を達成するために、家庭・業務・産業での排出量を削減するためには如何なる経済的手法が適当か、という視点を持つことが重要。環境省・経済産業省、場合によっては農林水産省、あるいは財務省が所管している税で、免税措置などを含め既にある個別の税制を変えるなどの方法でも良いので、どうすれば 2008年から2012年の間に6%削減を達成できるかを、あと1年のうちに議論することが重要。長期的な話はまた別の話。その辺りを環境省のイニシアティブでもって進めて欲しい。
  • 大きくみると、昨年来、IPCCの報告書が出され、また、EUで2020年までに大幅な削減をするということであり、温暖化対策は、第一約束期間だけの問題だけでなく、約束期間の先を踏まえて対応を考えていくことが必要。環境省として、このような大きな流れの中で、ポリシーミックスをどのように位置づけていくのか。
  • 今年6月に21世紀環境立国政策をとりまとめるという話があるが、この中に例えば2020年までといった長期の目標を出す気があるのか。これがなくて、目先の目標達成だけを言っても仕方ない、と考えている。
  • 資料3の2頁に家電の買い替え促進の状況が示されているが、これを見ると、当時の目標設定がルーズであったように考えられる。他方、4頁の省エネ型の業務用機器については、目標達成が厳しい状況にある。既に目標を達成した施策については更に高い目標設定を検討する一方、設定した目標に到達できそうにないものは、対策としては見込まず、他の効果のある施策の導入に置き換えることが必要。
  • 京都議定書目標達成のための家電対策の根幹はトップランナー制度。この制度を中心に据えて、省エネ機器の普及が確実に出来るような対策を進めていくべき。
南川地球環境局長
  • 昨日の産経新聞の記事は、一昨日に自民党の部会において、温暖化対策の進捗状況について質問があったことに対して答えた内容が元となっている。具体的には、現状のままで放置をした場合に、目標達成状況は 2010年で7割程度であり、経済成長も当初の想定より高くなっているため、現状のままでは京都議定書の目標達成が非常に難しいということを答えたが、足りない分をどの分野の対策で補うといったことは言ってはおらず、その検討は、この審議会で議論いただけるものと期待している。
  • 環境省としては、環境税だけではなくバイオ燃料、住宅も含めたトータルとして税制要求を行ってきた。しかしながら、一部を農林水産省と共同で要求した以外には各省連携の共同要求ができていない状況であり、今後、各省とも調整して、協力体制を作っていきたい。
  • 排出削減において、民生部門の取組が必要であるが、国民運動については、ライフスタイルの変更がカギとなる。身近なところでの取り組みや仕掛けが必要。オイルショック時に行った、ネオンの自粛やテレビの深夜放送や 24時間営業のコンビニの制限などのきっかけが必要。身近なところで対応をすることによって、国民にとってライフスタイルを見直す良い機会になるのではないか。また、市街地では車を利用しづらくする、一人しか乗っていない自動車への課金といった対策を通じて生活者に訴えることも一案。国民が痛みを感じないと効果がない。
  • また、モーダルシフトを進めるためには、市街の駐輪場は無料(行政による補助)にすべき。
  • 例えば、自動車がガソリン2リットルで20km走ると小学校の全教室(30教室)分のCO2が排出されるといったような、身近な例を使って情報提供を進めていくべきである。
  • 国民運動は、それはそれで効果が出ているので、クールビズなどの国民運動についてはきちんと数字に出して評価していくことが重要。国民一人ひとりが参加しているのであれば、効果の算出が可能で、目標達成計画の見直しの中で、根拠を精査した上で計画の内数として削減効果を取り入れることも考えるべき。
  • 環境省においては他に様々な温暖化対策事業を行っており、例えば今回プレゼンした内容以外に、サマータイムへの取り組みや革新的な技術の支援などもある。もっとやっていることを積極的に出すべき。
  • 白熱灯から電球型蛍光灯への転換について、ベトナムのハノイでも同様の取組を進めているが、メーカーに訊いたところ、ベトナムで行っている場合ではないということであった。つまり、国内での白熱灯の年間販売個数は1.2億個であるのに対し、電球型蛍光灯は 2千万個しか売れていない。業務用を含むとはいえ、逆の動きであり、世界的にも豪州やカリフォルニア州では白熱灯を撲滅する取り組みを開始するなどの動きがあり、数字が右肩上がりだからいいという話ではなく、もっと思い切った対策を講じる必要があり、国内の取り組みはまだまだ甘いと言わざるを得ない。
  • 省エネ機器の買い替え促進と、業務用省エネ型冷蔵・冷凍機の普及については、機器の導入台数が対策評価指標とされているが、それだけでは駄目で、トータルで使用されている台数又は販売数の見込みの中で、省エネ型が占める割合を評価することが、省エネ機器や冷蔵・冷凍機における削減ポテンシャルを見る上で必要ではないか。
  • 省エネ機器の買い替え促進について、一定の効果があがっているとのことであるが、目標と実績に乖離が生じており、この乖離を埋めるための対策としてはどのようなものが有効と考えているか。
  • トップランナー機器について、一般的には大きな効果を上げていると考えられており、トップランナー規制をかけると効果が見込める機器があるのかどうか、あるいは省エネラベル制度での普及が有効なものがあるのかどうか、お伺いしたい。
  • 業務用省エネ型冷蔵・冷凍機の普及について、どこまでのカバレッジがなされているのか。また、現行施策では不十分で、今後目標達成のためにどのような追加施策を行うのか。産業界から聞き取りを行った際には、既に技術面では問題はクリアされており、コスト面の問題が残っているということであったかと思うが、今後、自然冷媒への代替を進める追加対策が重要ではないか。
  • 資料3の13頁において、排出削減が進んでいる理由の一つとして、廃棄物の輸出が増えているとの話があったが、廃棄物の輸出増分はどの程度か。
  • 今回行っている作業については、英文でも情報開示をすべき。我々の取組は、地球公共財の運営・強化の一貫として行っているので、日本の取り組みに関する情報を、海外に示すことが重要。 30年ほど前に、OECD事務総長補佐官に就任した際に言われたのが、日本に対しては省庁間の争いを利用すること、というものであり、国際社会では特にそのようなイメージが強いため、今回のように復数の省庁で共同作業で行っているということを情報発信し、オールジャパンで温暖化対策を取り組んでいることを理解してもらうことが非常に重要。そのためにも、 13頁の輸出の要素がどの程度あるのかということを明確にして、世界に発信していうことが必要となる。
  • 排出量の伸びが大きい業務・家庭部門での排出削減については、国民運動の展開が必要だが、これまで、生活スタイルの見直しなどが十分行われてこなかった。そのため、国民運動への取組によって削減ポテンシャルは大いにあるものと考えている。産業界でも国民運動への協力の気運が高まっているが、何をするかあるいはどのようなベクトルでどこまで対策を打つかについては、業種・企業によってまちまちである。学校・病院対策も含め、石油危機の時のように、官民を挙げて取り組むことが大切であるので、政府は強力なリーダーシップを発揮してもらいたい。
  • しかしながら、国民運動に関する施策については、目達計画の中で国民に期待される行動等は記載されているものの、削減効果が定量的に把握されていなかったり、所管省庁が明記されていないという問題点もある。そのためにも、定量的な削減目標と、所管官庁を明記していただきたい。
  • 16頁の企業における京都メカニズムクレジットの取得に当たり、クレジットの量がどうなるのか。クレジット価格水準の不確実性がクレジット取得の障害となっている。政府として少なくとも1.6%のクレジット取得を謳っている訳であるが、このようなメカニズムを介して政府の1.6%分の獲得については達成が可能であるのか。予算措置を行う際に、想定価格を置いていると思うが、その設定方法は現在どのようになっているのか。また、クレジット取得の前払金とクレジット取得時の残金支払いの考え方について教えて欲しい。
  • 資料3の2頁の省エネ機器の買い替え促進は、機器の購入量しか示されていないが、これでは、機器全体が増えたために、省エネ機器の台数が伸びただけかもしれず、また、買い替えた機器が大きくなっているかも知れず、その辺りの精査が必要。また、トップランナー機器を別扱いにせず、トップランナー機器も含めた全ての買い替え状況を検討すべき。そのために、もっと具体的な調査をお願いしたい。
  • 白熱灯から電球型蛍光灯への買い替えについては、白熱灯の使用を禁止するくらいの厳しさで対応することが必要。民生について、普及啓発だけではなく、これからは、規制・助成・ガイドライン作りといった具体的な施策を展開していただく必要がある。ただしその際には、 3Rとの整合はきちんと取っていただきたい。
  • 業務用省エネ型冷蔵・冷凍庫の普及のための予算は少なく、この程度の予算額で効果があるというのは問題がある。目標達成は困難なのではないか。導入見込みは堅めの評価を行うべき。
  • 9頁の地方公共団体での取り組みは、取り組み状況に関して温度差が大きいのが実状。厳しい指導で、地方公共団体の取り組みを進めていって欲しい。
  • 11頁のHFCについては、更に削減が期待できる部分ではあるが、HFCの業界にだけしわ寄せするのは難しいので、国内排出量取引制度や経済的措置の導入などで、出来るところから削減する手法、業界間で差が生じないような手法を考えるべき。
  • 京都メカニズムについては、本日説明のあったような予算額で十分に目標のクレジットを確保できるのか明確ではない。必要な予算を推計して、その予算を確保出来るよう十分に努力していただきたい。
  • 現在行われている国民運動を見ると、「クールビズ」以外は空回りしてしまっている。他方、オイルショックの時に行ったような強硬な対策は現実的に導入不可能である。今後の対策としては、両者の中間的なものが適当。すなわち、消費者に定量的な目標を与え、その目標に向かって誘導していくということである。
  • 環境税・排出量取引については、60人もの委員がいる会議で議論してもまとまらない。議長の権限で、議論を絞るなどして審議会を運営すれば良いのではないか。
  • 目標達成を実現するためには、温室効果削減対策を実施するに当たっての社会的負担をどのように分担するかについて早急に結論が必要。
  • 国民運動を強力に推進すべき。現状の意識改革を不断に行うべきであり、そのためには、国が率先して行うことが必要。
  • 国民運動の展開の方向性としては、現状では目標達成が困難なことをよく知ってもらうことが必要。また、日本が置かれた国際的な動向、国際情勢が風雲急を告げており、うっかりすると日本が取り残されることについても国民に情報提供することが重要。
  • わが国が削減する必要がある6%のうち、京都メカニズムには1.6%の削減が見込まれているが、補助的な役割という位置付けになっているところ、国内対策で削減できない分のツケは結局ここに寄せられることになる可能性が高い。この1.6%という数字がどうなっていくのか、不断にチェックをしていくべきであり、そのため、先ほどのような簡単な説明ではなく、もっと数字に基づいた議論をしていくべき。
  • 機器の買い替えを促進すると、古い家電製品が大量に発生して、廃棄物処理や海外への輸出が増えるとの説明があったが、例えばイギリスでは、適正に処理が出来ない業者には売ってはいけないという規制を導入しており、日本でも、買い替え促進による輸出増加で、輸出先の相手国にはどのような影響を与えるのか、フォローをするべき。
  • 公的機関、特に地方公共団体についての取り組みについては、可能な限り詳細に公表することが望ましい。
  • 税については、道路財源見直しとの関係で、環境への配慮を考えることが必要。現在、ガソリン価格の高騰で自動車の走行量が頭打ちになっているようなので、そのような効果を配慮して、議論をして欲しい。また、日本の税は、国際的に比較すると走行段階での課税は安く、自動車の保有に対する課税が高いということも踏まえるべき。
  • 機器の買い替えについては、経済産業省によるトップランナー機器と環境省によるそれ以外の機器を分けて評価しているが、両方を一括に評価し、経済産業省・環境省両省で、ガイドラインを作るなどして対応するようにすべき。
  • 白熱灯については、将来的には利用規制も含めた対応も必要。
  • 国民運動については、オイルショック時に行ったような対応についても、少しずつでも現時点で行えるものがあれば、実施を検討すべき。それとの関係で、10頁の環境税や国内排出量取引制度についても、国民全体を省エネに向けるという点で関係がある制度と言える。
  • クレジット取得については、購入価格等の数値をきちんと出すべき。約束期間の後半には価格が高騰するリスクがあり、2011年や2012年に買おうとすると困難が予想されるため、早めに獲得を進めていくべき。
  • 先ほど配布した資料は書面で回答いただきたいが、それとは別に以下の3点を質問したい。
  • 新エネルギー対策で見込まれている効果は、自主行動計画上の電力の原単位改善の対策効果に溶け込んではいないのか、環境省の認識をお伺いしたい。
  • 10頁のポリシーミックスについて、ゆくゆくは排出量取引制度は導入しなければならないと考えているが、各部門の排出量は、電力については配分後の排出量となっているが、電力会社において見るべきではないか。さもないと、排出量取引を始めるときに困ることとなる。
  • 廃棄物発電で廃棄物を燃やす際に、CO2排出量として計算されるのは化石燃料起源の廃棄物起因CO2だと思うが、東京都の場合添加剤として燃やす重油の方が遙かに多いということがあり、廃棄物発電で燃やした重油からの CO2排出量はどこに計上しているのか。
  • 設定した目標の妥当性について、議論することが、目標達成計画見直しの検討をする上で必要となってくる。現在立てた目標にどれだけ到達できるかといったことだけだと、次に繋がる議論にならないだろう。今後の各省ヒアリングでは、目標の妥当性についてどのように考えているかの資料も付けていただきたい。
  • 業務用機器については、トップランナー規制を導入しないという前提で取り組みをしているので、効果には限界がある。次のことを考えると、業務機器についてもトップランナー規制を考えていくべき。
  • 国民運動が重要との意見が多いが、国民運動や国民意識は産業活動と密接に繋がっている。企業が大型テレビや大型自動車などの宣伝をして販売したり、ペットボトルをどんどん製造して廃棄物として焼却するといった環境が国民生活の根本としてあるといった状況において、国民運動を推進すべきという主張は産業界の方で多いが、その根本的な部分についてはどのように考えているか。
  • 例えば電力会社が、ヨーロッパでなされているような取組をしてもらえれば、非常に実効性があるのではないか。先般ニューカッスル市の取組について聞く機会があったが、実効性がある仕組みが組み込まれており、このような取組を国民運動の取組として議論していくべきではないか。
  • 廃棄物については、各自治体での焼却処理量も増加しており、それに伴い、焼却後の焼却灰の埋設などに係る費用も大きくなっている。埋設にかかる費用なども示した上で、廃棄物問題全体の在り方の中で考えていくべき。
環境省(小川地球温暖化対策課長)
  • 環境税については、南川局長から回答させていただいた通り。
  • 省エネ機器の普及・買い替えの効果計測については指摘のとおり、厳密に作業を進めていきたい。
  • 国民運動について、強力に推し進めていくべきとの意見を、取るべき内容は規制的なものとすべきであるとか中間的なものを行うべきとの意見をいただいたが、今後の検討の参考にさせて頂くとともに、この場でもご審議いただきたい。また、施策効果の定量化については、どのくらい客観的に評価が出来るかといった点から作業を進めるとともに、排出削減量を目標達成計画に盛り込めるかは厳密にチェックする必要があると考えている。
  • 省エネ機器の買い替えに関して、当初の目標設定がかなりルーズだったのではないかといった、目標設定に関する意見については、目標見直しなども含めて評価の中で検討していきたい。
  • 省エネ型の冷蔵・冷凍機器の目標達成が難しいのではないかとのご意見については、これまで補助金という手法で進めてきた訳であるが、引き続き補助金を上手に活用するとともに、得られた成果を積極的にPRするなどの対応を取ることで、目標達成ができるように取り組みたい。
  • 京メカによるクレジット取得をどのように進めているかという点については、費用対効果を考えて取得するということで進めている。また、クレジットの前払いと将来支払の関係については、原則、出来高払いの支払であり、将来の買い取りについて契約をし、実際の支払いはクレジットが発生した時点で行うが、実際の価格交渉で、前払いにより価格を下げることが出来る場合には、前払いで行う場合もあり得る。全体として案件を募集し、買い取り価格を交渉して取得を進めているところ。こういった情報は外に出やすいものであり、現在詰めの状況で機微にわたる話であるため、整理が出来た段階で御報告させていただきたい。
  • 省エネ機器の買い替えとトップランナーの関係については、トップランナー機器はトップランナー基準の中で対応し、それ以外の機器は環境省で対応しているが、より適切な買い替えを進めるためにはどのような対策が必要か等、検討を行っていきたいており、アイデアをいただきつつ議論を進めていただければと考えている。
環境省(馬場地球温暖化対策課長補佐)
  • 委員からご質問のあったゴミ発電で使われる重油からの排出は、エネルギー分野での計上となる。
  • 業務量省エネ型冷凍・冷蔵機器について、どの程度のカバレッジかというご質問があったが、これについては、確認の上後ほど回答させていただきたい。
環境省
  • 廃プラスチックの輸出量については、一般廃棄物の焼却量が446万、産業廃棄物については401万ということだが、輸出量は2004年度で、一廃・産廃を合わせて約 85万トンになる。
経済産業省(伊藤経済産業省大臣官房審議官)
  • 環境税と排出量取引については、論点を踏まえ、総合的に検討していきたい。
経済産業省(江崎資源エネルギー庁政策企画室長)
  • 対策効果については、需給見通しの作業においてもできる限り正確な計算を行いたいと考えており、現在の対策についてのポテンシャルがどの程度あるかを提示する必要がある。このためにも、今回各省に発注されている施策ごとの進捗について最大値・最小値のフォーマットをしっかりと記入して頂くことが重要。
  • 国民運動については、効果をどのように測るかの検証が必要となってくるが、その重要性にかんがみれば、環境省においては、国民運動についてフォローアップし、取り組んだ結果が検証できるようなことを行うべき。
経済産業省(三木経済産業省エネルギー対策課長)
  • トップランナー対象機器は現在21品目となっており、指定要件は、エネルギー消費が大きい、効果測定の方法が確立している、改善技術が存在しているなどを満たすこととしている。業務機器については、カスタムメイドであるため、効果測定方法がない場合が多いため、これまでトップランナーの対象となっていなかったが、今後、業務機器についても対象を拡大する方向で検討を進めている。
経済産業省(井内資源エネルギー庁省エネルギー新エネルギー部政策課長)
  • 電力のCO2排出原単位改善は、原子力や火力発電の効率改善によって見込んでいるものに対し、新エネは、太陽光・風力、バイオマスによる積み上げでの効果のため、効果の重複はしていない。
環境省(馬場地球温暖化対策課長補佐)
  • 新エネと電力のCO2排出原単位の効果が重複していると説明したが、経済産業省から説明があった内容が正しいと考える。

3.農林水産省施策のヒアリング

農林水産省から資料4に基づいて、農林水産省における地球温暖化対策について説明を行った後、委員による質疑応答が行われた。

  • 森林整備は応援したいが、7~8頁にあるように、吸収量の計算方法がブラックボックスになっている部分が多く分からない点が多い。1,300万炭素トン確保のためには、110万炭素トンの更なる確保が必要などとされているが、森林整備のコストとCO2削減量がぴったり相関することになっているが、そのような計算になる仕組みを教えて欲しい。
  • 木材の自給率は20%を切っており、国内の森林経営を進めることは重要。林業施策全体の観点からも考えないと、なかなか施策が進まないと思われるが、その点をどのように考えているか。
  • 10、11頁にあるように、農林水産省の自主行動計画について、今年度からフォローアップが公開されることは評価。ただし、自主行動計画に参加している業種の中で、11頁(1)にあるような引上げの余地のある団体については引上げを行うと共に、10頁にあるような定性的な目標のみで定量目標を設定していないところは、定量目標の設定を促すべき。
  • バイオマスの利活用については、地域での温暖化に関する意識形成にもつながることから、バイオマスタウンを進めていって欲しい。ただ、バイオマスタウンが出来たからCO2削減が進むということではなく、各タウン毎にどのようなメニューがあり、それによりどれだけ削減されたかを計算するようにして欲しい。
  • 森林による吸収量は推計値になると思うが、推計値はどの程度誤差があり、推計の方法はどうなっているかを教えて欲しい。
  • レストラン、ファストフードについては、民生部門の中でも原単位が大きいので、自主行動計画に取り込んで、対策を進めるようにして欲しい。
    バイオマスタウンについても、特にコストを含めて、定量的な評価を行い、その結果を公表するようにして欲しい。後から取り組む自治体にも大変参考になる。
  • 削減を進めるためには、定量化をし、その数値を把握した上で、削減対策を考える必要がある。自主行動計画の参加業種の中には、目標などを定量化していない団体もあり、更なる削減を行うためには、まず、定量化を行い現状を把握させることが重要。担当省庁が決まっているのであれば、その省庁がしっかりとフォローしていき、担当省庁が不明のところは、環境省が率先して対策の加速化を促すようにすべき。
  • 吸収源については、1トン当たりどの程度のコストがかかるかを出して欲しい。もちろん、森林保護にはCO2以外の付随的便益があることは承知しているが、少なくともコストの開示は必要である。京メカの方がコストが安ければ、京メカで代替するなど、全体の対策の中で、最適な方法を検討することも必要。
農林水産省
  • 自主行動計画の取り組みについて、定量化が既にされているところは、対策を更に推し進めるようにし、定量化ができていないところは、知見を収集して定量化ができるように取り組んでいきたい。
  • 森林吸収源については、現状のままでは目達計画上の目標達成は難しい旨を申し上げてきた訳であるが、ではどれだけ足りないのかということで、我々で試算した結果、6年間で120万ha必要となっている。吸収量は森林調査の実施により把握しており、今の水準で行くと、育成林で910万炭素トン、天然生林で280万炭素トンの吸収が見込まれる。推計値であるが、この分の整備がないと、吸収源の上限である1300万炭素トンまで達成が困難と考えている。
  • コスト面については、森林整備について間伐を中心に行っていくため、費用面については、京メカと比べると割高になるということは否めない。ただし、森林には多面的機能があり、山村振興にも繋がるため、吸収源以外の様々なベネフィットが期待でき、それらを勘案した上でまずは、国内対策としてしっかりやっていくべきと考えている
  • 昨日、地球環境研究総合推進費の平成18年度終了研究課題の成果報告会があり、天野正博先生が森林吸収源の機能評価の報告をされた。これは環境省の所管業務なので、報告書が最後にまとまった時点で、審議会メンバーに配布して欲しい。報告によれば、推計が、かなり丁寧にされているこ とが示されている。本日の説明だけを聞いていると、まさに、ブラックボックスのような印象を受けるが、実際にはそうでもない。
農林水産省
  • 現在、自主行動計画については、18年度フォローアップの結果を取りまとめている最中。目標が定量化されていない団体については、定量的な目標を設定するよう指摘する予定である。また、目標を既に達成している団体については、目標の引き上げについても盛り込むことを予定している。
  • レストランは、日本フードサービス協会が業界団体になっており、定量的な目標を設定するよう指摘することとしている。また、外食産業の一部は、厚生労働省の所管でもあるので、その部分については、環境省を通じて要請がなされるものと考えている。
  • バイオマスタウンについては、施設の整備事業を実施中のところもあり、現在その進捗状況などを整理しているところ。今後とも、バイオマスタウン事業がどの程度進んでいるかと言った状況の整理を進めていきたい。

文責:事務局

 
 

最終更新日:2007年4月3日
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