経済産業省
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感性価値創造イニシアティブ経済産業大臣懇談会「感性☆21」(第2回) 議事要旨

日時:平成19年4月3日(火)17:30~19:30

場所:東京ミッドタウン「カンファレンスルーム5、6」

出席者

委員関係

(五十音順、敬称略)

芦田 淳 ファッション・デザイナー
内田 恒二 キヤノン(株)社長
喜多 俊之 インダストリアルデザイナー、大阪芸術大学教授
小枝 至 日産自動車(株)取締役共同会長
三枝 成彰 作曲家
潮谷 義子 熊本県知事
長島 徹 帝人(株)代表取締役社長
丹羽 宇一郎 伊藤忠商事(株)代表取締役会長
早川 美穂 東京ガス(株)都市生活研究所所長
平田 オリザ 大阪大学教授、劇作家・演出家
平野 暁臣 空間メディアプロデューサー、(株)現代芸術研究所代表取締役
福原 義春 (株)資生堂名誉会長
宮田 亮平 東京芸術大学学長

経済産業省関係

甘利 明 経済産業大臣
山本 幸三 経済産業副大臣
渡辺 博道 経済産業副大臣
高木 美智代 経済産業大臣政務官
細野 哲弘 製造産業局長
石黒 憲彦 大臣官房審議官(製造産業局担当)
豊永 厚志 大臣官房参事官(製造産業局担当)
加藤 庸之 製造産業局紙業生活文化用品課長
前田 邦夫 製造産業局日用品室長
木方 幸久 製造産業局デザイン・人間生活システム政策室長

(以下、省略)

議事概要

  • 日本的価値には、外国の文明・文化を吸収しつつ、根底にある大きな一つの流れの上に蓄積している点に独自性がある。
  • 例えば、日本料理は、料理がおいしいだけではなく、眼で見た美しさや皿のデザインなどすべてを総合した価値を作り上げている。その完成には千年以上かかっているが、今から千年かける必要はない。
  • 日本的感性とは、ライフスタイル、審美的要素、日本的創造、完成度を高める勤勉さ、の統合であって感覚だけではない。
  • 感性とは、心が自由になること、自分で物事を決められること。優れた発想は、ギリギリの圧迫と普段のゆとりの両方から生まれる。
  • 共感する力が大切。消費者と共感する力を持つこと。好きなものこそ素晴らしい。
  • 日本人とは何なのか、本気で日本の感性を議論するのであれば、在外公館やJETROなどを通じて外国人とも議論が必要。
  • 感性は人によって異なるものではあるが、デザイン、ファッション、コンテンツなどの例にみられるように、感性が経済に大きな影響を与える可能性がある。
  • 感性の捉え方について、きちんと共有することが必要である。
  • 五感を豊かにし、感性を育む土壌がやせてきていることを危惧。養育、保育や教育の中で、子供の遊びが疎かにされていたり、音楽や美術などが軽んじられてきている。
  • 「愛着」がないと、感性価値も生まれてこない。「愛着」を生むためには、その前の段階でのプロセスが重要である。
  • 経済的に貧しい中にあっても感性を重要視する欧州や一部アジアとは異なり、効率化やモノを手に入れることが先で、モノがあふれてから感性の重要性を考えはじめたのが日本。一時、自信をなくしている。
  • 企業の中に入ってしまうと、企画や設計に関して、「周りから批判されない」範囲で留めてしまい、感性が働きづらい環境。例えば、自動車の色も突飛な色のものは少なく、曖昧にしている。
  • 地方の自然も少なくなっている中において、未だ個人の持っている感性は非常に豊かであると思う。
  • 多くのデパートが海外ブランドに占領され、日本のアパレルはドンドン倒産している。デパートや婦人雑誌の世界で起きている悪循環を解消する必要がある。
  • 「魂を込める」、「心を込める」ということは素晴らしい。外国人の中にもそのような方はいるが、日本ほどそのような人が多い国はない。
  • 「いいもの」をある一定箇所一カ所に集めることにより感性を磨く機会が増える。一般消費者の感性が育ってない。
  • メーカーとしては、最大公約数のモノを求めてしまいがちであるが、市場を細分化して捉え、その中で好きになってもらえるモノやコトを発信していくことが重要である。
  • 日本人全般に言えることかもしれないが、コト作りが上手くない。生活者から、地域、国という風に視点を広げたうえで、如何にして共感を得るかということを考えた時、経済産業省に提案したいのは、次の2点。
    1. 他省庁と連携した取組を行ってほしい。
    2. 経済産業省としての理念、ビジョン、行動計画を作成してほしい。
  • 表層的なデザインにとどまらず、ビジネスまで含めたクリエーターを多数輩出するような人材育成モデルを作り出す仕組みが必要であり、それこそ国の役割だと思う。特に、トップを作り出す仕組み作りが重要。
  • 日本企業はモノ作りの力は強いと思うが、往々にして価格競争に陥る傾向がある。ライバルが日本企業だけになると、途端に弱くなるという傾向もある。
  • 生物のDNAであれば黙っていても引き継がれていくのであろうが、企業のDNAは黙っていては引き継がれないので、引き継いでいくためには表現することが重要。
  • 感性の鋭さが失われないよう、産業界も教育界も努力していくことが必要。
  • エアコンで快適温度・快適湿度に維持された環境では、子供の感性を育めるのか疑問。
  • 地方には、埋もれている良いモノがまだまだ沢山あると思う。これを発掘し、支援するだけでも、地方、ひいては日本のためになると考える。
  • 日本の行政に期待することは、フランスの行政に見習って、日本が世界に冠たる文化大国であるとのイメージをつくるべく、芸術・文化の先端研究と基礎研究を行い、芸術・文化を振興すること。現在は教育も工業立国の体制のままだが、これからは大学卒業後もリーダーシップやコミュニケーション能力を高めるための社会教育が必要。トップを育成するとともに、裾野を広げていくことが重要。
  • 自由経済の教祖であるアダム・スミスが言う共感(=想像力をもって、弱き者、小さき者の立場にたって考えること)は、日本にとっても、企業にとっても重要。企業にとってメセナ活動は、かつてのようにお金だけ出すだけではなく、社会に参加することで感性を磨き、共感するための活動に変わってきている。
  • 小さい頃から感性の教育をしていく必要がある。根がしっかりしていないと感性は会得できない。
  • ものづくりの中で、UD、福祉、環境といった領域を産業化していく際には、感性的な感覚が求められる。行政としては、製品化されたものを産業として成り立つまでバックアップし、ビジネスチャンスを広げることが重要。
  • 経済産業省内でも各セクションとパートナーシップを組みながら、本イニシアティブが実現に向かうための足取りを確かなものにしてほしい。

甘利大臣の結語

  • 感性は表現するのが難しいという思いを新たにしている。感性価値があるものには、心地よい違和感、心地よい差別化、心地よい非日常性がある。感動は創造性につながる。ネット社会は、想定しない事態に対処するという人間の独自の創造性が消滅してしまうのではないかと危惧している。教わっていないことをどうやって自分で考えるのかが重要。
  • 地方をまわってわかったことだが、地域に伝統や歴史が培ったいいものはそのままでは売れないので、あるしかけ、すなわちコンセプターなり、プロデューサーが必要。いいものと、しかけが結びついて売れる。経済産業省としては、いいものを売り出して、それをどういうコンセプトにするかそのしかけをしっかり考えていかなければ、と考えているところ。
  • 感性と経済を結びつけるという難しい課題をいただいているが、今日まで識者の皆様の感性をいただいており、私を中心として、連休前後にとりまとめて公表し、それをキックオフとして具体的な施策につなげていく予定。

以上

 
 
最終更新日:2007年4月6日
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