経済産業省
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今後の住宅産業のあり方に関する研究会(第1回) 議事要旨

日時:平成19年4月23日(月)16:00~18:00

場所:経済産業省本館17階西1第3特別会議室

出席者(五十音順、敬称略)

委員長 山崎 福寿 上智大学経済学部教授
委員 池谷 忍 社団法人共同通信社内政部長・論説委員
上田 勉 パナホーム株式会社代表取締役社長
宇治原 志郎 松下電工株式会社代表取締役取締役副社長
大野 直竹 大和ハウス工業株式会社代表取締役副社長
岡本 利明 旭化成ホームズ株式会社取締役会長
勝股 美代子 株式会社日本メディア常任顧問消費生活アドバイザー
加藤 知成 社団法人インテリア産業協会会長
(カリモク家具販売株式会社代表取締役会長)
佐藤 春夫 ミサワホーム株式会社代表取締役社長
田辺 新一 早稲田大学理工学術院建築学科教授
東郷 逸郎 積水化学工業株式会社専務取締役住宅カンパニープレジデント
長嶋 修 株式会社さくら事務所取締役会長
長谷川 恵一 株式会社三菱総合研究所執行役員・経営管理部長
平倉 直子 建築家、日本女子大学非常勤講師
吉田 忠裕 YKK AP株式会社代表取締役社長(吉崎代理)
和田 勇 積水ハウス株式会社代表取締役社長(久保田代理)

議事

  1. 研究会開催の趣旨と検討のスコープについて
  2. 今後の住宅産業のあり方について
  3. WGの設置について
  4. その他

議事概要

研究会の公開について

本研究会は原則公開とする。

研究会開催の趣旨と検討のスコープについて

事務局より説明を行い、特段の発言はなかった。

今後の住宅産業のあり方について

事務局より説明を行った後、委員からの発言は以下のとおり。

  • 「住宅を建てては壊す」から「長く使う」の転換を図ることについて、これから建てられる住宅についてはそれでいいと思うが、これまでの住宅はそれに耐えうるか。耐えられない住宅については壊して建て替えることも必要。そして新たに建てる住宅を良質なものにすべき。
  • 省エネ対策については家で使われているエネルギーがどの程度減ったのか表示できる等可視化することも対策としてあっていいのではないか。
  • 住宅は30~50年以上の寿命を求められる。しかし、その修理部品については用意できる年限が定まっていない点は問題。
  • 住宅は一生に一度の買い物。住宅ローンを払い終わって資産価値がゼロという現実を変える努力を国、業界含め全員で行っていくべき。
  • 日本の住宅寿命31年という短さは日本の文化、生活感等の結果でもある点は考慮すべき。住宅設備業界としては、今ある既存住宅を良質にするところにビジネスチャンスがある。
  • 住まい方の提案ではなく、暮らし方の提案が重要。高齢化が進む中、これからは住宅とどう付き合うかが重要になる。
  • 工場生産住宅も工夫を凝らし、100年保つ良質な住宅を建てているが、必ずしも消費者に評価されていない。消費者の評価がなければビジネスにならないため、もっと消費者にうまく伝えていくことが必要。
  • 工場生産住宅メーカーは各社モジュールが異なり、サッシ等の部材についても各社仕様のものが使われている。しかしこの状況はメンテナンスで問題となり、修理部品の備えがない。住宅設備メーカー等にお願いしてストックしてもらっているが、それも限界がある。部品を標準化し、ストックしやすくする必要がある。
  • 日本は、住宅の資産価値が評価されないため、年間20兆円の住宅投資を行っても国富の増加につながっていない。一方、アメリカでは国富の1/3が住宅資産として蓄積されている。
  • 住宅性能表示制度は住宅を買った時点での性能表示である。将来の性能を保証するような仕組みが必要。例えば、断熱サッシの寿命は30年程度なので、樹脂の寿命がくれば取り替えなければ本来の省エネ性能は発揮されない。また、断熱材についても長期的な性能の評価が十分でない。新築時の性能が15年後も維持されているかは不明。部材は長期的視点で考えるべき。
  • 都内では3階建てが増えているが、その1階部分の問題は日当たり。風や光、太陽熱等取り込めるような住宅の技術開発があってもいいのではないか。
  • 海外では住宅やインテリアにお金をかけることは投資とされている。日本でもこのような環境づくり必要。
  • 耐久性や省エネについて、良いものをつくり、長く使うというのは重要。一方で、悪いものを建てさせないという視点も必要。
  • 古い建物でデータがなかったり、部品も在庫がないようなものはメンテナンスコストが高くなる。リフォームやメンテナンスをいかに安く行えるようにするかという視点が重要。
  • わが国では住宅は家族構成の変化など社会的な要因によって壊されているものが多い。
  • 日本では新省エネ基準の性能も守られていない新築住宅も多い。また、OECD諸国の中で建築法規に省エネの規程がないのは日本だけである。欧州の一部の国では省エネに関する表示がないと取引ができないようになっている。
  • 開口部や給湯等省エネへの影響度の高いものはその性能を表示させることが重要。
  • 現在でも太陽光や省エネなどではそれなりの性能のものはできる。
  • 最近、売れる住宅と消費者が買いたいと思う住宅に乖離が広がっている。土地が高く、建物にしわ寄せが行っている。消費者は建物の知識が少なく、デザイン等表面的な部分に目がいってしまう。住宅メーカーは消費者が喜ぶ住宅を建てる必要があるため、住宅の本質的な性能にお金をかけられない状態。購入者の見識を高めることも必要。
  • 既存住宅の流通は一部大手住宅メーカーにより独自の取り組みが進んでいるが、一社では限界がある。業界挙げてとり組むべき課題。
  • 本研究会の議論テーマは20年ほど前から言われていることで、かつ、解決されていない重要な問題。
  • 日本の住宅は平均31年で壊されるが、実際には18年くらいで壊されるものが多い。
  • 住宅を長持ちさせるには、物理的な性能だけではなく、愛着といったものも重要。手間暇をかけ、消費者はその家のいいところも悪いところも知って愛着を持って住まうべき。また、過去の日本では町の大工が定期的に住宅の補修に来ていた。こうした地域のネットワークが地域への愛着や住宅への愛着を高めていた。
  • 住宅の寿命を短くする要因の一つとして、建て替えた方が安いという思いがあるのではないか。リフォームの価格と効果に説得力がない。住宅の長期使用を目指すには、躯体とインフィルの取り合い部分についての技術開発も必要ではないか。
  • 本研究会の議論は既存住宅と新築住宅では分けて考えるべき。
  • 立派な住宅も相続税の問題で取り壊され、狭小土地に分割されて販売される等、税制の問題も重要な視点ではないか。
  • 税制では住宅の固定資産税も問題。省エネ性や耐震性の良い住宅を建てたら高い税金がかかる。税制の仕組みが住宅の評価をゆがめている要因の一つ。

WGの設置について

事務局より説明を行い、長期使用対策WG及び省エネルギー対策WGの設置が了解された。

今後の日程

今後の住宅産業のあり方に関する研究会

  • 第2回 平成19年5月23日(水)15:30~17:30
  • 第3回 平成19年6月 4日(月)15:30~17:30

なお、長期使用対策WG及び省エネルギー対策WGは速やかに開催する旨連絡した。

以上

 
 
最終更新日:2007年4月24日
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