経済産業省
文字サイズ変更

今後の住宅産業のあり方に関する研究会(第4回) 議事要旨

日時:平成19年10月3日(水)10:00~12:00

場所:経済産業省本館2階2西8共用会議室

出席者(五十音順、敬称略)

委員長 山崎 福寿 上智大学経済学部教授
委員 上田 勉 パナホーム株式会社代表取締役社長
大野 直竹 大和ハウス工業株式会社代表取締役副社長(濱代理)
岡本 利明 旭化成ホームズ株式会社取締役会長
勝股 美代子 株式会社日本メディア常任顧問消費生活アドバイザー
加藤 知成 社団法人インテリア産業協会会長(カリモク家具販売株式会社代表取締役会長)
坂本 洋司 社団法人日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会会長(アークランドサカモト株式会社代表取締役会長)
佐藤 春夫 ミサワホーム株式会社取締役専務執行役員
東郷 逸郎 積水化学工業株式会社専務取締役住宅カンパニープレジデント
長嶋 修 株式会社さくら事務所取締役会長
長谷川 恵一 株式会社三菱総合研究所執行役員・経営管理部長
松村 秀一 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授
和田 勇 積水ハウス株式会社代表取締役社長(久保田代理)

議事

  1. 長期対策WGの検討状況
  2. 住宅産業フロンティア創造WGの設置及び検討状況
  3. WGの検討を踏まえた論点
  4. その他

議事概要

長期対策WGの検討状況

長期使用対策WG座長より資料4に基づき説明を行った後、質疑応答を行った。委員からの主な発言は以下のとおり。

  • 環境問題への意識向上のために、省エネ性能などによるランニングコストの削減診断をしたらよいのではないか。
  • 家を建ててからの存続状態が重要であり、劣化予防のために支出することは長く住み続けていくための投資である。
  • 資産価値も重要だが、長期使用につなげるためには「利用価値」も重要なのではないか。「利用価値」を高めるためにはある程度コストがかかってもよいのではないか。資料には「ライフサイクルコストの低減」とあるが、必ずしもライフサイクルコストを低減させる必要はなく、利用価値を向上させるためにコストをかけることはいいことだという絵にすべきではないか。
  • そもそもこの資料ではハウスメーカーとしては、という内容に見える。実際にはパワービルダーや工務店の方が数としては圧倒的に多いと思うが、対象範囲として想定しているのはどの程度か。
  • 安い住宅を提供してすぐ壊されるようでは問題である。住宅メーカとして長く住み続けてもらえるような住宅を提供する必要がある。パワービルダーの中にも長く住める住宅を提供している業者もいるが、そうでない業者も多い。まだ緒についたばかりではあるが、本当の意味で長期に使った方が国家の損失にならないことを、行政サイドからも、法律的にも、税制的にも、また業界への指導も含めて進めていく必要がある。

住宅産業フロンティア創造WGの設置及び検討状況

フロンティア創造WG座長より資料5-1、5-2、5-3に基づき説明を行った後、質疑応答を行った。委員からの主な発言は以下のとおり。

  • 中国に行って住宅に関する講演を行った際、ヒートポンプや地熱を使った空調といったシステムの話についても触れたところ、相手方が興味を示し、こうしたシステム分野であれば日本も貢献できると思った。是非、このような議論もWGの中で検討いただきたい。
  • 徒然草の中に、家を建てるには夏を旨とすべしとあるが、色々なエネルギーを使って家の中を涼しくするよりも、家そのもの、内部の仕組みを自然と共生できるようにしていくべきであり、これを日本発で海外に出していけば効果があるのではないか。折角、住宅産業のフロンテイアを検討するのであれば、海外に出すための基本姿勢を明確にしてほしい。
  • 住宅をシステムとして考えると、家歴等の情報をどう扱うのか。また、部材1つ1つにタグを付けて管理するための方法や、2万点の部品から構成される住宅の評価方法についても検討して欲しい。また、こうした基礎となるインフラについても、例えば、メーカがどのくらいの期間、部材をどのくらいストックしておかなければならないか検討していただきたい。
  • 箱を組み立てるのは国交省、部材は経産省、資産評価は財務省、健康・環境については厚生省・環境省と住宅産業というものは、幾つもの省庁にまたがる。その境界のところに新しい価値ややるべき課題があるのではないか。
  • この研究会のように広い視点で話をしている会議は他にないので、議論は有意義。省庁の意識も変わってきて、しっかりとした裏付けのある正論であれば、経済産業省から出てきた話でも無視できないので、ドンドン打ち込んで行きたい。
  • 他の産業との関連については、子育てについても考慮して欲しい。文科省とも係わりも出てくるのではないか。引き続き検討されたい。

WGの議論を踏まえた検討の視点

資料6について、事務局から説明を行った。その後の主な質疑応答は次のとおり。

  • 検討に当たり、3つの視点がある。1つ目は、ハードとソフト・サービスを融合させていく方向はどの産業にも共通しているが、どのようなサービスを乗せるかという視点。2つ目は、居住者にとって、何に投資し、コストをかけるのが適正な利用価値を産み出すことになるかという視点。そして、3つ目は、ハウスメーカーが情報を握るポジションを取るとともに、差別化要素のないところは標準化するという協調と競争の戦略という視点である。
  • 住宅業界全体としてリテラシーを向上させることが必要。日本の住宅技術は、特に耐震技術に優れているとともに、日本の厳しい建築基準法をクリアできる。こうした日本の持っている技術をどうしていくかが大きなポイントである。
  • サプライチェーンの問題については、資料にあるように何らかの対応を行うことによって価格が下がるものと思う。また、9ページの住宅産業の広がりの図について、一番大切なことは住まい手の健康である。病院の電子カルテと住宅産業を関係付けてもよいのではないか。
  • 厚労省は医療費を減らしたいと思っている。寒冷地域では冬になると入院患者が増える傾向にあると思われる。高齢者が快適に過ごせるような住宅を開発することころにもビジネスがあるようだ。また、サプライチェーンと自動車産業を比較すると面白いのではないか。
  • 不動産投資の勉強会をやっているが、賃貸の空き室問題で悩んでいる人も多いが、ソフト面で工夫している成功例も多い。どんなに良い家を建てても住み手がメンテナンスをしなければならない。せっかく良い家を手に入れたのに、住まい手自らが家の価値毀損を行っている面があるので、生活者に対する教育的視点も必要。そのためには、住み手のインセンティブを高めていくために、ノンリコースローン、リバースモーゲージ等の金融に結びつかなければならないのではないか。
  • リバースモーゲージについては、現在の信託法では事実上、信託銀行しか扱えない。信託法を変えなければ、特に中古の流通は進まない。

全体について

  • 住宅は家族を幸せにする産業であるが、良い家を提供するというメーカの使命感が欠如してきているような気がする。
  • 検討結果をどのようにまとめるかが問題。具体的にまとめるとある企業に偏ったものになってしまう可能性があり、逆に抽象的になると何だか分からなくなる。アウトプットを睨みながら、今後の政策に使えるようなものにしたい。
  • 経産省でできないことは他省庁で行ってもらえればよく、政策上、分かるように説明して働きかければよいのではないか。

今後の日程

  • 資料7について、事務局から説明。
  • 次回の研究会は11月末から12月上旬の開催で日程調整する。

以上

 
 
最終更新日:2007年10月25日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.