経済産業省
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今後の住宅産業のあり方に関する研究会(第5回) 議事要旨

日時:平成19年12月20日(木)15:00~17:00

場所:経済産業省本館2階2東3共用会議室

出席者(五十音順、敬称略)

委員長 山崎福寿 上智大学経済学部教授
委員 上田勉 パナホーム株式会社代表取締役社長
大野直竹 大和ハウス工業株式会社代表取締役副社長
岡本利明 旭化成ホームズ株式会社取締役会長
勝股美代子 株式会社日本メディア常任顧問消費生活アドバイザー
加藤知成 社団法人インテリア産業協会会長(カリモク家具販売株式会社代表取締役会長)
坂本洋司 社団法人日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会会長(アークランドサカモト株式会社代表取締役会長)(今井代理)
佐藤春夫 ミサワホーム株式会社取締役専務執行役員
田辺新一 早稲田大学創造理工学部建築学科教授
東郷逸郎 積水化学工業株式会社専務取締役住宅カンパニープレジデント(高下代理)
長嶋修 株式会社さくら事務所取締役会長
長谷川恵一 株式会社三菱総合研究所執行役員・経営管理部長
平倉直子 建築家日本女子大学非常勤講師
吉田忠裕 YKK AP株式会社代表取締役社長
和田勇 積水ハウス株式会社代表取締役社長(久保田代理)

議事

  1. 前回の議事録の確認
  2. 長期対策WGの検討状況
  3. 住宅産業フロンティア創造WGの設置及び検討状況
  4. インテリア産業協会からの提言について
  5. その他

議事概要

1.長期使用対策WG座長より資料4に基づき説明を行った後、質疑応答を行った。委員からの主な発言は以下のとおり。

  • 住宅のコストを考えると、サッシの全てをスケルトンと考えると100年もたせるのにはコストがかかる。メンテコストに占める割合が高い。全部取り替えると高い。コストとメンテの容易性が問題。

    外壁や鉄骨がもつのと同時に、100年もつための“入れ替え”が可能となるように構造も含めて考えないとコストが高くなりすぎる。

  • 初期コストが低い方がいいと考えられるが、あとで取り替えが必要ないのであればコストがある程度かかってもいいのではないか。
  • 部材保有の問題だが、各社が管理するのか、共通で一括して管理するのか。住んでいる人がすぐ手に入れられるのか。しっかり管理していく必要がある。
  • 各メーカーが部材を保有し続けるのは考えにくい。どこかで標準化された部材を持っているのが望ましい。標準化されたものが出てこないとなると大変だろう。標準化をしながら、必要なものを保存していけばよい。
  • 標準化が進めば、その標準化されたものを店に置いておくというサービスができるようになる。標準化については行政の強力な指導でメーカーが標準化に努めていると聞いている。
  • 自社ではオリジナルは駄目だと言っている。自社オリジナルに拘る商品開発の文化から変えていくべき。建材メーカーと一緒になってメンテナンスしやすいことを前提に標準化、規格化を進めていくことが大切。
  • WGの方向性は良い。賃貸物件の場合は常に新しく借りて頂く必要がある。取り替えやすさが重要となるが、どんどん取り替えるよりも長く使えるようにする必要がある。もの自身を相当大事にすると同時にサービスも重要だ。
  • 長期使用対策というテーマについては、かなり論点を示しており、あとはいかに実行して進めるかである。難しいところもたくさんあるだろうが、それはわかっている。みんなで検討し、どう進めるかだけ決めれば進んでいく。具体化を進める中で認定制度がある種の社会システムを変えていく話となるから、官やNPO、企業などの役割分担の課題を具体的に1つ1つ考えていく必要があるかもしれない。
  • 新築については標準化に反対がないのは明確。ストック住宅に対する標準化、部品の保存方法等の道筋も検討して頂きたい。
  • 当初、共通化はインフィルに重点を置いていると思っていたが、これはスケルトンももちろんやれるならばやった方がいい。しかし、各社それぞれ工法やモジュールにオリジナルもあるため、全部やってしまうとどこで競争をするのかが分からなくなってしまうし、どこまでやるのかが問題。
  • 各社の固有技術や外観意匠面については、対象から除くとしている。先行できるのはインフィルと考えている。
  • ストック住宅全について、いろいろな制度も整いつつあるので、まず断熱性能や省エネ性能を評価することが重要ではないか。
  • 基本的には標準化も共通化も目指しているのは、部品の種類の多さがコストにもつながっている現状は変えていくことであり、大量生産の基本を活かしていく必要がある。しかし標準化が進むと、住宅を購入する側にも利益が及ぶ一方で、企業間の健全な競争をどこで行うかの問題がある。
  • どんどん標準化した場合、人間の創造性はどうなるのか。

    基礎の標準化は必要だが、どこからどこまでが基礎なのか。客はおもしろいと思えば購入するし、思わなければ購入しない。

  • 標準化は徹底してもらって、それ以外のところで競争、自由発想するのがいいのではないか。標準化で浮いた部分を創造性に振り向ければよいのではないか。
  • 標準化と競争は対立するものではないと思う。
  • コーディネータというと、バランス感覚が重要。インテリアコーディネータでコンテストなどを行うと、若い人からおもしろいものが出てくる。標準化が進むと、こういったおもしろいものが消えるのではないか。
  • その通りと思うが、スケルトンには設備、電線などの配管、配線そのものを取り替えるという観点も必要。

    また、今まで20年としてやってきたものを200年と考えるのは、200年先の文化をも背負うことになるから、文化的に価値のあるものであるべき。個人と街など、次元はいろいろあり、歴史、財産などは個人で伝えられるが、町並みとなると大変である。どういう形にせよ、何らかの形で共同で文化的なものを残すことに手をさしのべないと残っていかないのではないか。

  • 町並みの景観については少し難しい。みんなで意見が異なっているが、1つ大きく影響しているのは電信柱。電柱の地中化など公共的なところをまずやって頂きたい。

2.住宅産業フロンティア創造WGの設置及び検討状況

フロンティア創造WGの進捗状況について、喜多見住宅産業窯業建材課長より資料5に基づき説明を行った後、質疑応答を行った。委員からの主な発言は以下のとおり。

  • GDPと住宅投資との関係について、GDPが伸びると住宅関連投資も伸び、反対に住宅投資が伸びるとGDPも伸びるのは当然なのではないか。
  • 資料5の4、5ページの趣旨は、今後、人口が減るから住宅投資も減るというわけではないということ。
  • 住宅投資とGDPとの関係は、鶏と卵のような関係。住宅投資は経済を牽引する一方で所得が伸びれば、住宅投資も増える。
  • 産業が伸びればGDPも伸びるので、住宅産業に投資が行われるような政策を行っていただきたい。
  • 「200年住宅」をスローガンにするのであれば、まず、100年をどう担っていくかを真剣に考える必要がある。その間に新しい産業、新しいビジネスがあるのではないか。

    最近、家族で遊べるゲームで任天堂のWiiというものが流行っている。あのゲームは「家族」と「楽しむ」ということを結びつけた。場所が要ることから住宅産業に結びつく。今後はWii部屋、Wii住宅というのができてくるのではないか。いろいろな芽があると思う。

  • 「21世紀は家族の時代」と言われて、住宅メーカー各社もそれをテーマとしてやってきている。しかし住宅の場合、「家族団欒」といった家作りの商品化やマーケットはなかなかできていないのではないか。
  • ストックに関しては、今後は住宅部品の購入にお金を使って貰わなければならない。アメリカではDIYが日常化しているが、日本ははそうなっていない。寧ろできない。今後は、小・中学生を対象にDIYの重要性をメーカーの人達で説いていく必要かある。
  • 中国、特に台湾については、「みどり建材」、いわゆる環境配慮型住宅を推進している。日本が持っている測定技術やシステムを欲しがっている。モノをもっていくというよりも、インフルについて現地の業者に浸透させることが必要ではないか。

    また、中国への展開にあたり、日本への留学経験者の活用も必要である。さらに今後の留学生の受け入れ方も、今後の中国での事業展開には重要ではないか。

  • 社内でも住宅産業の将来について検討しているが、結論はなかなか出ない。

    中国での事業展開については日本から持ってくるのではなく、中国で造らないとなかなか難しい。中国人は日本人が嫌いと言われているが、実際には、かなり信用している面もある。特に、日本の住宅産業の内装については信用している。中国で何とか住宅産業を回していけないか研究中である。

  • 単に行け行けドンドンではなく、知財権の問題も重要。

    ストックの流通についても問題である。競売にかけられている物件についても市場に上がってくるような仕組みを作ることが必要ではないか。

  • 中古住宅の流通を促進させるためには信託業法の改正が必要である。現在の信託の仕組みでは、何十億単位の不動産は扱うが、個人住宅レベルの5000千万、1億というものは扱えない。この仕組みが変われば中古住宅の流通は促進される。
  • 中古住宅が動かない理由は色々あるが、金融機関の査定力にも問題がある。だから、インスペクションという事業を行わなければならないと思っている。
  • リフォーム事業は堅調に推移しているが、中古住宅を診断する技術はなかなかない。

    200年住宅はユーザー教育も必要、教育をしないと仕組みだけ作っても無駄になる。そのあたりからのアプローチも必要なのではないか。

    中国の事業展開については、技術提携、アライアンスというところでフロンティアがあるのではないか。

3.今後のインテリア産業の方向について、加藤委員より、資料7に基づき説明。

  • 最後に今後の研究会の日程について事務局より説明。次回は2月27日(水)午後、さらに次々回は3月19日(水)午後に開催されることになった。

以上

 
 
最終更新日:2008年2月13日
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