経済産業省
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今後の住宅産業のあり方に関する研究会(第6回) 議事要旨

日時:平成20年2月27日(水)15:00~17:00

場所:経済産業省本館2階2西8共用会議室

出席者(五十音順、敬称略)

委員長 山崎福寿 上智大学経済学部教授
委員 上田勉 パナホーム株式会社代表取締役社長
大野直竹 大和ハウス工業株式会社代表取締役副社長
岡本利明 旭化成ホームズ株式会社取締役会長
勝股美代子 株式会社日本メディア常任顧問消費生活アドバイザー
加藤知成 社団法人インテリア産業協会会長(カリモク家具販売株式会社代表取締役会長)
高下貞二 積水化学工業株式会社取締役住宅カンパニープレジデント
坂本洋司
(今井代理)
社団法人日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会会長(アークランドサカモト株式会社代表取締役会長)
佐藤春夫 ミサワホーム株式会社代表取締役社長
田辺新一 早稲田大学理工学術院建築学科教授
長嶋修 株式会社さくら事務所取締役会長
長谷川恵一 株式会社三菱総合研究所執行役員・経営管理部長
平倉直子 建築家日本女子大学非常勤講師
松村秀一 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授
吉田忠裕 YKK AP株式会社代表取締役社長
和田勇
(久保田代理)
積水ハウス株式会社代表取締役社長
事務局 細野哲弘 製造産業局長
照井恵光 製造産業局次長
喜多見淳一 製造産業局住宅産業窯業建材課長

議事

  1. 長期使用対策WG及び住宅産業フロンティア創造WGの報告について
  2. 今後の住宅産業のあり方に関する研究会報告書のとりまとめ方について
  3. その他

議事概要

長期使用対策WG座長より資料4、住宅産業フロンティア創造WG座長より資料5、事務局から資料6、7に基づき説明を行った後、質疑応答を行った。委員からの主な発言は次のとおり。

  • 高齢化社会になるに伴い、一人暮らしの高齢者に対しメンタルな面をフォローする仕組みを入れるべき。高齢者はハードな面、ソフトな面の両面からのサポートが必要であり、人材育成の中で記述して欲しい。
  • 全体のトーンがハウスメーカーのものはよくて、職人がつくるものは前近代的なものと言っているような印象を受ける。5ページ目の5行目で、かつての木造住宅は狭小と記載されているが、そんなことはない。戦後の一時期はそうだったかもしれないが、こうした記述は不要である。

    8ページの新たなビジネスモデルの不在のところで、プレハブが頭打ちになっている原因は、新たなビジネスモデルが不在だからではない。

    また、19ページの下、背景に技能が危機的な状況を迎えているということがあるので、何らかの認識を示した方がよい。住生活産業への進化で、何か新しいことをするには外部からの力がいる。生活者をどうインボルブしていくかということが大切である。

    22ページでIT活用が書かれているが、既存のビジネスの合理化はたかが知れている。潜在的に活かされていないポテンシャルをどう活かすかということに使うべき。

    これまで技能者が、小売店を経営していたが、今、その小売店の後継者がいなくなっている。今後、ストック価値を向上させていくためには、技能を持った人がいなければならない。そうしたことからどこかで触れておいた方がよい。

  • 日本は土地が高く、建物に金が回らない。今後は建物にも価値を持たせ、きちんと評価する方向にシフトさせたい。報告書のどこかに入れられないか。不動産は建物があって初めて利用価値がある。
  • 不動産流通では不動産取得税などの税金の問題もあるので、それを記載して欲しい。また、新しい職業で全体をコーディネートすると記載があったが、その中に建築家ということも謳って欲しい。ワクワクする産業という意味では、『「古びて新鮮」、「古びて愛おしい」という住宅・空間がある。』ということもワクワクに含まれるのではないか。

    リノベーションについても、住んでいる人がやりたくなるような切り口を提案して欲しい。

  • 高齢化少子化社会では、健康に過ごすことが大切。高層マンションに住んでいる人よりも、エレベーターがない4階くらいのマンションに住んでいる人の方が階段の上り下りで運動するため健康だったりする。そうした、視点の違った発想があってもよいのではないか。

    環境負荷への軽減については、日本がトップランナーなので、ストック改修について各社で競わせる政策があってもよいのではないか。

    また、地震や災害がいつ起きてもおかしくないので、こうした不確実な時代にどう住宅を対応させていくかということも検討の必要がある。

  • アメリカではサブプライムの問題もあり、住宅展示ブースの数が減ってきている。しかし、新しいライフスタイルを追求するために、転売を意識した新しい建材などが発売されていることからも、住宅に対する意識は高い。日本は、私の場合で言えば、代々受け継いでいる家で、1カ所にずっと住み続けている。住宅を売りたいという状況にはならない。このような状況の中で、住宅にどう投資させるか。環境、エネルギーという問題にも絡んでくる。経産省だけの問題ではない。

    また、例えばサッシについては、どう長寿命化させるか、取り替え易さをどう追求するか、実現に向けて、長寿命化にウエイトをおくのか、取り替え易さにウエイトをおくのかなど、いろいろな問題がある。コスト高を招く可能性もある。これは経産省的には大きなテーマだと思う。何か方向付けを欲しい。

  • プレハブの普及は限界ということではなく、到達点であり、そこらで何をやっていくかということが重要ではないか。住宅を論ずることは文化や生活まで拡がって論ずることになるが、最後に立ち位置を決めて議論する必要がある。様々な課題があるのは分かるが、産業の立ち位置でこれをどうしていくかという建設的な議論をお願いしたい。
  • この会議らしい視点として、最近、インド、中国が発展してきて、世界的に鉄、木材が足りなくなってきている。新築から取り壊しまでの周期が30年のままで行くと、30年後、こうしたものが安定して供給できるかどうか、生活に困るような場面も出てくるのではないか。

    現在、プレハブは、安心・安全・健康をテーマに研究開発を行っているが、我々は「安眠」をテーマに研究を行っている。企業の力を活かした我々にしかできないことを、更に研究開発していくということについて提言しなければならない。世の中の要求に対してある程度の財力、規模が産業にないと応えられない。年間、50億円くらいの投資が必要である。こういったことも報告書で触れて欲しい。

  • 最近、食糧安保と言われているが、住宅安保ということは言われておらず、何かあったときに住宅を守るため、安定した調達ができるという視点も欲しい。
  • 生活者が何を求めるか、そこに、どう展開するのか、ということを盛り込んで欲しい。今後は、資源の制約について日本は対応を強いられる。そうなった時に、業界で対応して欲しい。

    また、緑の確保についても、心の安定、省エネルギーの観点から報告書に入れて欲しい。

  • 住宅の工業化は達成されたと思うが、これからはストック価値、生活価値を向上させる産業となるためには、パラダイムシフトが必要であるという点については間違いない。目指すべき産業像として、社会システムとパッケージで変えていかないと成り立たないところがある。その基盤作りという観点も記載したらどうか。産業側がリノベーションできる部分、生活者がやるべき部分、政府がやるべき部分を明確にすれば、社会システムを変えられるのではないか。
  • インテリアは、住まい手が中心の産業である。暮らしの場というところのどこかに記載して欲しい。
  • お客様の視点で住宅産業のあり方を見直す必要がある。日本の場合、安全、安心、健康、快適ということが住宅に求められる。お客様の視点で改良、改造できるものを取り込んで行けば、発展の可能性が広がる。
  • プレハブメーカーは住宅産業の12%のシェアしかない。お客様は何を求めているかをつかみ、本当に支持されればもっともっとシェアを伸ばせる。我々は、もっと消費者と向き合わなければならない。本当に工業化住宅として価値のあるものを造っているのかということを受け止めたい。パラダイムは我々に対する叱咤として受け止めたい。
  • 我々が持っている技術の際立ち、プレハブ率が落ちた原因を総括すべき時期新しいビジネスモデルがないわけではない。また、循環型を基本に、動かす仕組みについて引っていけると自負している。循環型社会を実現するために、技術発展に力を入れることがプレハブメーカーの役割だと思う。それは官に頼らない民の力である。
  • この報告書が実現すれば素晴らしい。1つ言いたいのは、ハウスメーカーの住宅は高い。これからは12%のシェアをもっと上げるように努力して欲しい。そうすれば安く供給できるようになるのではないか。
  • 今の家は、嫌なものは外に出しておしまい、という構造になっている。換気扇やエアコンの室外機もそうである。全体的な快適性の追求ということも加えてほしい。

以上

 
 
最終更新日:2008年3月4日
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