経済産業省
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審議会・研究会

総合資源エネルギー調査会総合部会(第2回)  議事録



平成18年3月22日


【黒田部会長】 出席予定の委員の方、あと1人、2人、お見えになっていないんですが、定刻でございますので、始めさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

本日はお忙しいところ、ありがとうございました。ただいまから、総合資源エネルギー調査会第2回の総合部会を開催させていただきます。

前回第1回におきましては、いろいろいただきましたご意見を事務局のほうで論点をまとめさせていただきまして、それを今回反映いたしまして、3月末に中間取りまとめを行う予定の新・国家エネルギー戦略の策定に反映させるべく作業を事務局のほうで進めてまいりました。本日は、その中間取りまとめの案につきましてご紹介させていただいて、ご議論させていただくということでございます。

議事に入ります前に、配付資料について、事務局より確認させていただきます。よろしくお願いします。

【高橋調査官】 それでは、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元にございます、まず1枚、資料一覧と書いてある紙の下に本日の議事次第、その下に委員名簿、座席表とございまして、その下に資料1といたしまして、本日の新・国家エネルギー戦略(中間とりまとめ案)という22ページの紙がございます。その次にA3の1枚紙で資料2ということで、新・国家エネルギー戦略の骨子という紙がございます。その下に資料3、最近のエネルギー情勢等ということで73ページの大部になりますけれども、紙がございます。その次に資料4といたしまして、前回第1回の議事録がございます。最後になりますが、佐々木委員にご提出いただきました、2030年に向けた我が国のエネルギー戦略ということで、2月に経済同友会のほうでおまとめになられた資料を配付させていただいております。

何かございますれば、事務局のほうによろしくお願いいたします。

【黒田部会長】 どうもありがとうございました。よろしゅうございますでしょうか。

それでは早速、議題に入らさせていただきたいと思います。最初にまず、事務局より資料の説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【立岡課長】 それでは、配付資料の資料1に基づきまして、戦略の中間とりまとめ案についてご説明させていただきます。

冒頭、部会長からございましたように、前回、論点という形で提示させていただきまして、様々なご指摘を賜りましたが、そういったご指摘等も踏まえながら、この戦略を取りまとめた次第でございます。

全体は22ページになってございますが、大きく3部構成になっておりまして、前半8ページほどでは、この戦略を作るに当たって基本認識をどう持つかということ、それから9ページから18ページでは、この戦略の基本的考え方、目指すべきものといったところを整理してございます。そして18ページ以降は各論として記載してございます。

資料1に基づきまして、順次ご説明申し上げます。

まず1ページ、この戦略を作るに当たっての基本的認識論として、現在のエネルギー情勢をどう見るかということで、頭の太字に記載してございますように、「需給両面の様々な要因から大きな構造変化を迎えている」、そしてこの状況というのは「中長期的に継続する可能性が高い」という認識に立ってございます。

その下の細いフォントの字では、基本的にオイルショック以降のエネルギー市場の推移について記載してございます。

その需給両面からの要因の変化でございますけれども、まず(1)として需要側の要因でございますが、アジアを中心とした需要増、その継続の見通し、あるいは中国、インドによります権益確保の動き、さらには運輸部門における燃料需要の増大の可能性、そして、エネルギー流通インフラや二次設備の不足といったようなさまざまな課題が顕在化しているということでございます。2ページ目では小さい字になってございますが、最初のパラグラフでは、中国、インドをはじめとするアジア諸国の今後の需要の増加の見通しを記載してございます。また中ほどにはインドの状況も書いてございます。その下には、米国、英国などの先進国も海外へのエネルギー依存を高めているという状況で、特に米国におきましても需要が増えている。さらには、その他の国々でも消費が増えているところでございます。

2ページ目の下のほうでは、サプライチェーンベースでの課題で、2003年に起こりました北米の大停電事故、あるいは昨年のハリケーン被害などがございましたが、そういうサプライチェーンの施設の制約がもたらす課題もございます。

3ページ目では、今度は供給側の要因ということで整理してございます。基本的には産油・産ガス国の国家管理、あるいは外資規制の動きの強まり、パイプラインなどの大規模な流通インフラの不足の問題、将来的には非OPEC諸国の供給力の低下、その裏側にある中東依存の高まり、そして石油ピーク論といったような課題が顕在化いたしてございます。小さいフォントのところでは、その個別の状況をご紹介させていただいております。

そういう需要側、供給側の要因に加えまして、4ページ目では、さらに国際的な枠組みでもいろいろな議論があるということで、2つ挙げております。1つは気候変動に関する問題でございます。2005年4月に私ども日本としても、目達計画を閣議決定いたしましたが、既に次の枠組み交渉の議論も始まってございます。また昨年の英国でのサミットにおきましても、行動計画が採択され、環境とエネルギーの不可分一体性という指摘がございましたし、さらには日米豪に加えて、中国、インドも取り込んだようなアジア太平洋パートナーシップという動きもありまして、エネルギーと環境問題の表裏一体性という認識が増しつつあるという状況でございます。

2つ目に、核燃料サイクルをめぐる状況でございますけれども、後ほど出てまいりますが、様々な国際的な提案がなされている中で、日本としても、今後、新たな枠組みの実現に向けた貢献が求められている状況にございます。

それから4つ目の要因として、国内的な要因では、2つ挙げております。1つは、日本の購買力が、将来、国際市場において相対的に下がっていくということ。もう一つは、自由化の進んだ環境下で将来に向けて適切な供給力の維持のための投資は確保できるかといった課題を提示してございます。

5ページ目では、その状況を詳しく書いてございまして、前半の固まりでは、我が国の購買力の低下がもたらす懸念の状況を記載してございます。また後段のほうでは、80年代半ば以降、エネルギー市場改革を進めてまいりましたが、その結果、高コスト構造の是正に一定の成果を上げてきたものの、他方で、将来コスト増になりかねない様々な課題に対応するための投資が十分確保できるかといった課題がございます。すなわち、こういう長期的に必要な投資の実行と、市場の競争との両立が大きな課題になっていると指摘をしてございます。

6ページ目でございますが、そういう需給を将来に向かって緩やかに厳しくしていく要因に加えまして、瞬間的に市場が混乱する要因、さらにはその混乱を増幅する要因がますます多様化しているのではないかということで整理してございます。

小さい文字の前半でございますけれども、従来、中東地域のいろんな地政学的リスクというものが大きな課題であったわけですが、今後を見ましても、宗派対立、あるいは核開発をめぐる欧米との緊張といった様々な問題が複合化し、大規模化する危険というものを考慮する必要がございます。また原油に加えまして、天然ガスといったものの供給動向についても注視する必要がございます。

さらには天災や事故、あるいはサイバーアタックを含むテロリズムのような安全の問題もございますし、シーレーンの問題がございます。そして原子力に関しましては、やはり海外における事故であっても、国内にいろいろな影響を及ぼすといったようなリスクも頭に置いておく必要があると指摘をしてございます。

6ページ目の下の方では、今度は混乱増幅要因ということで、アジアの中でまだ石油危機を直接経験していない国が、ある種パニック行動を起こして市場の混乱を増幅させていく可能性を指摘してございます。あるいは後段では、インフラ面の問題について、特に欧州なり北米におきましては、国境を越えてエネルギーを供給していくネットワークがございますけれども、我が国はその地理的な状況から、一国で、ある種閉じた形で安定的なエネルギーの供給をする体制をつくり、目指してきたわけでございます。これまでのところ、特段支障なく来たと評価できるものの、これからのことを考えますと、やはり自由化の進展などに伴う環境の変化から、7ページ目に入りますけれども、先々に向けた投資の減退、そのことに伴って危機対応余力が低下するといったことが懸念されるわけでございます。そういった意味で、国内のサプライチェーンにおける供給力の確保といったことも視野に置く必要があるという指摘をしてございます。

以上が、市場なり需給構造の変化に関する認識でございますが、8ページ目では、そういった状況下での世界各国の動きをご紹介しております。それぞれの国におきまして、現在のこの足元の状況を踏まえて、エネルギーを国家的な課題ととらえて、それぞれの国益に沿った形で戦略を見直し、再構築するといった動きが進んでおります。

小さいフォントのところでは順次ご紹介しておりますけれども、米国ではご案内のとおり、先般成立いたしました包括エネルギー法案に加え、年が明けて、一般教書、予算教書のタイミングで大統領から、中東からの輸入原油の75%を代替するイニシアチブの提唱がされ、さらには核燃料サイクルの発展と不拡散の両立を目指しましたGNEP構想の提唱がされているところでございます。

またヨーロッパでは、基本的に温暖化問題の対応に向けてエネルギー消費の削減ということを進めてきたわけでございますが、同時に、多くの国で凍結されていた原子力を見直す動きもございます。さらに、先般発生しましたロシアによりますウクライナへのガス供給停止も現在のヨーロッパの戦略の再構築の動きを加速いたしております。

また中国におきましては、先般の5カ年計画で2010年までのエネルギー使用量の改善といった目標を掲げてございますが、加えまして、ご案内のとおり、自国近海から中東、アフリカ、中央アジア、さらには南米といった世界各地への資源確保の動きも強めてございます。

またロシアにおきましては、これもご案内のとおり、資源の国家管理を主眼において対応していく取り組みを強化いたしております。

こうした状況下で、当然日本としても、これまで進めてきた戦略の練り直しをする必要があると認識いたしているところでございます。

9ページ目以降は、ある種この戦略をつくるに当たっての考え方を記載してございます。まず9ページ目では、この戦略によって実現すべき目標を3つ掲げてございます。第1にエネルギー安全保障の確保及び、それによる国民経済への安心・安全の提供。第2にエネルギー問題と環境問題の一体解決によって持続可能な成長基盤を確立するということ。3番目に、アジア・世界のエネルギー需給問題克服に貢献していくということでございます。

順次ご説明いたしますが、まず1番目のセキュリティーでございますが、現在、足元の油価の高騰は、ある意味では石油ショック時のような大きな混乱は国内にもたらしておりませんけれども、ただ、今のエネルギー情勢を展望いたしますと、引き続きリスクの高い状況にあるという認識でございます。したがって、これを克服していくために、まず国内の需給構造を強くしていくこと、それから、対外的な戦略を強化することによってリスクを未然に回避することで、セキュリティーの確保を図るべきだということを第1に置いてございます。

9ページ目の下の方の小さいフォントのところでは、石油危機以降、国内の様々な方面の努力によりまして、ある意味では日本はこれまでの逆境をばねにしながら国際的な比較優位の体制をつくることにある種成功したという評価をいたしております。

そういう体質強化の成果に加えまして、やはり何といいましても、為替レートが円高で進んだことから、必ずしも今のこの瞬間、油価の高騰が大きな混乱を足元にもたらしておりませんが、ただ冒頭ございましたような国際的な需給状況を考えますと、今の状況というのは、ある種忍び寄るエネルギー危機と呼ぶべき状況にあるのではないかと整理してございます。

特に幾つかの懸念でございますけれども、1つ目は今の状況が長期化した場合の影響の拡大の可能性でございます。現在の状況は、その影響が深刻化しているところは中小企業、あるいは石油の投入比率の高い一部の業種でございますが、これが長期化いたしますと、だんだん広範なところに広がっていく危険があろうかと思います。もちろん今後の油価の動向、市場の動向がどうなるかは必ずしも明らかではございませんが、冒頭申し上げましたように、ある程度こういった状況が相当期間継続する可能性が高いということを念頭に置きますと、その影響の広がりに対する懸念も大きなものになっていくわけでございます。

2つ目には、中長期的な供給に関する不安定性でございます。今の供給側の状況から見ますと、急増するエネルギーの需要に見合う形で量的に供給が追いついていくかということは必ずしも明らかではございません。

加えて、オイルピーク論のような中長期的な資源制約の認識も徐々に現実のものとなってきておりまして、こういった意味で、需給動向、供給状況に関する不透明性が高いということでございます。

それから11ページ目では3つ目のファクターということで、これも冒頭申し上げましたように市場をめぐる様々なリスクが多様化し、多層化しており、その複合連鎖が起こったときには、エネルギー市場に対するインパクト、混乱の度合いというのは非常に大きくなるおそれが高いのではないかということでございます。

こういったことから、まずセキュリティーの確立、安全・安心の提供というものを第1の目的に掲げているわけでございます。

2つ目に第2の目的、持続可能な成長基盤の確立でございますけれども、昨年のグレンイーグルズ・サミットでも指摘されましたように、言うまでもなく、エネルギーと地球環境問題というのは表裏一体の関係にあるわけでございまして、エネルギー問題を解いていくに際しては、当然気候変動問題も一体的に対応していくことを視野に入れてやらねばならないということが書いてございます。

そのためには、やはり中長期のことを考えますと、技術によって、それをブレークスルーしていくという技術における中長期的取り組みの重要性が高いのではないかということを整理してございます。

それから12ページ目では、3つ目の目的で、アジア・世界のエネルギー問題克服への貢献でございます。エネルギー市場の動向が世界経済の動向に連動していることはもとよりとして、日本の産業界の様々な海外投資の中で我が国の今の状況といいますのは、アジアを中心とする緻密な国際分業ネットワークに組み込まれているわけでございます。

こうした実態を踏まえますと、私どものほうでエネルギー安全保障確立に当たっての対策を考えるに際して、まず第一義的目標としては、国民経済に対するエネルギーの安定供給確保ということになるわけでございますが、その際、そういう取り組みをした結果、国際的な資源獲得競争をあおることのないようにしなければならないということを盛り込んでございます。

すなわち、アジア、世界経済と共生するという基本的立場のもとで、我が国の持っております技術力、これまでの経験といったものを国際的な場で生かしていくという基本姿勢が重要ではないかということをここでは謳ってございます。

以上が目的3つでございますけれども、13ページ目以降では、その目的を実施して戦略策定していくに当たっての3つの基本的視点を整理してございます。1番目が国内における強靱なエネルギー需給構造の実現、2つ目が対外関係・国際貢献の強化、3つ目が緊急時対応の充実でございます。

まず国内需給構造でございますけれども、やはりこういう供給上のリスクに対応していく最も確実な対策というのは国内の体質強化であり、これまでも日本としてはそれを中心に行ってきたわけでございます。その体質強化としては、利用効率の向上、それからエネルギー源の多様化・分散化、そして供給余力の保持ではないかという整理をしてございます。

その際、大前提として、特に原子力分野におきましては、品質保証を核とする安全確保に万全を期していくことの重要性も指摘してございます。

それから2つ目の対外関係・国際貢献の強化でございますけれども、13ページの一番下にございますように、ある種世界で進むリスクに対応するに際しては、エネルギー分野に限らず、より幅広く対外関係・国際貢献の強化を図ることが必要だということを謳ってございます。

具体的には14ページ目の小さいフォントの一番下の3つ目のパラグラフでございますが、今後の課題として、海外での探鉱開発活動の強化、供給源の多様化、あるいは資源国との多面的な関係強化、あるいはアジアへの省エネ協力、さらにはエネルギー市場安定に向けた国際協力の主導というエネルギーに近い世界の対応に加えまして、気候変動問題、あるいは貧困問題といった地球的規模の課題の解決への貢献を通じて、エネルギー分野に限らず、より幅広い貢献の強化を図って、自らの手で危機を食いとめていくという能力を高めることが必要だと謳ってございます。

それから3つ目が緊急時対応策の充実でございまして、(1)ないし(2)のようなことを行ったとしても、なお起こるかもしれない危機時の対応能力の向上ということで記載してございます。特にここでは、かつて日本が備蓄をはじめ、積み増してきたことが、90年代等にございましたいろいろな供給不安事態に対して備えがあるということで、心理的にも量的にも相当効果があったと評価されますが、他方、昨年の米国のハリケーンに端を発する製品供給不足といったような事態に対して、今の備蓄制度をどう考えるかといった問題がございます。

さらには、今のこの備蓄を中心とする緊急時対応制度というのが、ある意味では石油に7割以上依存していた時代の産物であることを考えますと、今、石油への依存割合が5割まで下がっておりますので、そういった意味で、そこの再検証も要るのではないかという指摘をしてございます。

以上が3つの基本方針でございますけれども、15ページ目以降では、そういうことを踏まえて戦略をつくっていくに当たっての共通する3つの留意点を挙げてございます。

1つが、軸のぶれない取り組みと数値目標の設定でございまして、これも申し上げるまでもなく、エネルギー問題は、長期の時間軸で物を考え、対応していくことが求められてございまして、そういった意味で長期にわたる戦略性、そしてその期間を通じて官民が軸のぶれない取り組みをしていくことが不可欠であり、そのために官民が目指すべき方向性を共有するために数値目標を設定してはどうかということを謳ってございます。

小さいフォントのところでは幾つか例を挙げてございまして、例えば原子力の立地に要するリードタイム、あるいはその技術開発に要するリードタイム。それから運輸部門の燃料多様化についても、これは車両側・燃料側の取り組み、さらにはインフラの対応、交通システムの変革といったような課題がございますし、また新エネにつきましても、これはまだ当面は数%にとどまるとしても、長いレンジを考えますと、やはり非常に大きな期待を寄せなければならないエネルギーであるといったことから、息の長い取り組みが必要であるということのご説明をいたしております。

そして下段のほうでは、「また」以降でございますけれども、こういう軸のぶれない取り組みをしていく上での数値目標の有用性、そしてその策定に当たっては産学官、さらにはさまざまな民間企業の活動に一定の志向性と集約性を持たせるためのベンチマーク指標という位置づけを持たせることが重要ではないかと指摘してございます。

一番下のなお書きでございますけれども、数値目標には、その目標設定によりまして、それを達成するために必要な環境を整備していくことに政策的意義を見出すべきであって、必ずしもその市場の動向を無視して硬直的に目標達成にこだわると、柔軟性を目指した結果、逆に硬直化してしまうという本来の意義を損なうおそれもあるわけでございます。したがいまして、そういう目標の性格の違いを踏まえながら、その達成度の評価をしていく必要があるのではないかということを指摘してございます。

2つ目の留意事項が技術でございます。繰り返しになりますが、やはり日本の強み、日本の持ち味は技術力でございますので、国内で常に前を進んでいく技術を切り開きながら、次世代型の社会をつくり、それを世界に普及していくということで、そういうサイクルを日本が主導していくことの視点が重要ではないかということをここでは指摘してございます。

3つ目が、政府一丸となった取り組み体制の強化、それと官民の戦略的連携ということでございます。エネルギーの問題というのは国益にかかわる国家的な課題でありますが、実際のその供給の担い手は民でございます。そういった意味で、その戦略の具体化に当たりましては、官民それぞれがそれぞれの役割を明確に分担しながら、しかし特に対外的な局面では官民一体となって行動してサポートしていくような取り組みが必要ではないかという指摘をしてございます。

しかし、同時に政府の中におきましても、様々な機関がエネルギーに関連することを行っておりますが、関係する機関が明確に目標を共有して一体となって取り組んでいくことが大事であるという指摘をしてございます。

小さいフォントのところでございますけれども、繰り返しになりますけれども、供給の実際の担い手が民であること、そういった中で90年代以降、さまざまな制度改革を進めてまいりまして、ある種、自由度が高まってきた結果、高コスト構造の是正は図られてきていると評価されるものの、他方で期待いたしました「強い」企業の実現というところには必ずしも至っていないという評価をいたしております。

そして、将来に向けて様々なコストの増をもたらすような投資をしていくことの必要性を考えますと、国際的な調達力、それから国内的な展開力の双方を持った強い企業ないしは強い企業群が育ってくることが望まれるという指摘をしてございます。

そして政府におきましては、基本的に民間企業の創意工夫が十分に発揮できるような市場環境を整備すると同時に、将来に向けて、例えば技術開発でありますとか投資がきっちり行われるようなことを確保すべく、民間で負いきれないリスクを補完するということを国内の役割分担としつつ、他方国際的には、資源確保といいますのが基本的に国家対国家の関係の問題になってくることから、官民が方針を共有して一体となって当たっていくことが必要だと記載してございます。

それから政府の中におきましても、繰り返しになりますけれども、資源外交、権益確保、技術開発、原子力、バイオ、様々な課題がございますけれども、その課題の性格に応じまして、関係する機関が一丸となって取り組んでいく体制の強化を図るということを指摘してございます。

そして、最後の国民との関係では、やはり最終エネルギーの消費者である国民がこういった取り組みの意義を理解した上で、その行動を実践していただくことが必要なわけでございまして、そういった観点から、政府としては広聴活動を強化し、相互理解を深化させていくということを指摘してございます。

その枠組みのもと、18ページ目では、今申し上げました中での数値目標の設定ということで、特にここでは5つの目標を掲げてございます。1つが省エネルギーでございまして、石油ショック以降、過去30年間でGDPのエネルギー原単位を見ますと約37%の改善を実現しております。今後、2030年までにさらに30%の効率改善をここでは目指すことにいたしてございます。

石油依存度につきましては、現在およそ50%になっておりますが、これも2030年までに40%を下回る水準に引き下げることを目標としてございます。

中でも運輸部門につきましては、現在、ほぼ100%が石油に依存していますが、これも2030年までには80%程度への引き下げを目指してございます。

原子力につきましては、先般、大綱で決めました30~40%程度、もしくはそれ以上にするという目標をここでも置いてございます。

最後に資源開発目標でございますけれども、現在、いわゆる自主開発の比率は引取量ベースで15%ございますけれども、これを2030年までに40%程度にしていくことを目標として提示してございます。

最後、19ページ以降、ここは戦略項目の概要、各論でございますけれども、冒頭申し上げましたように、あるいは前回ご説明申し上げましたように、この戦略の最終とりまとめは5月を考えてございます。したがいまして、この総合部会におきましても、4月、5月に、現在、総合資源エネルギー調査会の各分科会、部会で検討いただいております内容についてのご報告をいただくことになっております。そういった審議をさらに深めることによって、この(5)以降については、今後さらにその深堀りをしていきたいと考えておりまして、その意味では、この(5)のところは基本的に項目、課題ということで整理してございます。

まず国内の需給構造改革でございますが、先ほど申し上げましたように、リスクに対する最も確実な対策というのは国内の強靱な体質づくりであるということで、ここでは3つ掲げてございます。

1つ目が省エネルギーでございます。産業部門に加えまして、民生・運輸の対策を強化する。それからトップランナー基準をはじめといたしまして、エネルギー利用効率向上が市場から評価されやすいようなベンチマークの整備、及びそれに連動した支援措置といったものの拡充。それから持続可能な状態で省エネを進めていくために、短期、長期両方をにらんだ技術開発の戦略的取り組みといったものを課題として挙げてございます。

それから2つ目、石油依存度の低減でございますけれども、1つが運輸部門に対する対策の強化ということで、燃料多様化のための取り組みに本格的に着手するということでございます。

他方、運輸部門以外のセクター、分野におきましては、ある種、既に需要家が様々な選択が可能な状態になってきているわけです。そういった意味では、需要家が自分の状況を踏まえながら、あるいはその状況に応じて最適なエネルギーを選んでいくことが可能になるような制度整備、技術開発によってベストミックスを実現するという考え方を整理してございます。その際、石炭、あるいは非在来型石油資源も含めました化石燃料についても有力な選択肢になるようにクリーン利用技術の開発を進め、国内はもとより、特に中国、インドが引き続き将来にわたって石炭を多く使っていくという状況を考えますと、世界への当該技術の普及ということを目指していく必要があるということでございます。

さらに、新エネにつきましては、新エネごとの個々の特性を踏まえた施策展開をしていくということで記載してございます。

3つ目は原子力でございます。安全確保を大前提として、サイクルを含む原子力の推進に着実に取り組むということで、幾つか課題を列挙してございます。1つ目が自由化の進展、あるいは需要が伸び悩む中での新増設、あるいは将来のリプレースの実現。2つ目は、それに備えた技術・人材の厚みの確保。それから核燃料サイクルの早期確立、廃棄物対策、高速増殖炉サイクルの実現、それから米国の提案にありますような国際枠組みの構築といったような課題がございます。

同時に下段の方では、その大前提となります安全の確保の観点から、品質保証を重視する検査制度の定着でありますとか高経年化対策、あるいは核燃料サイクル全般にわたる安全規制の整備といった課題を掲げてございますし、同時にこういった取り組みについて、立地地域に対して十分な説明をしていくことの重要性も指摘してございます。

戦略項目の2つ目が、対外関係・国際貢献の強化によるリスク回避でございますが、基本的には20ページの一番下にございますように、先ほども申し上げましたが、エネルギー市場に限らず、幅広く対外関係、国際貢献の強化を図って、自らの手で危機発生を食いとめる能力を高めるということでございます。各論といたしましては、ここでも3つ掲げてございます。

まず1つ目が21ページにございますけれども、石油・天然ガスの安定供給確保の強化ということで、まず第1に、我が国企業による探鉱開発活動の強化を進める。その際、担い手である中核企業が水平・垂直的な連携を強めて、国際的にも認められるプレーヤーとなっていくことを期待する。

他方、国としての役割を3つ挙げてございますが、例えばそのエネルギー基本計画のもとで関係する機関が一体となってODA、あるいは高いレベルの外交も含め、資源国との関係強化のための取り組みを強化し、民間の活動を側面支援する。

さらには、様々なリスクテーク機関、あるいは資金供給機関がございますけれども、そういった機関が総合的にある重要案件について支援していくような体制を強化していく。

同時に、資源国との関係では、より広く様々なレベルの人的交流、あるいは直接投資の受け入れを含む投資交流、EPA、さらには日本の技術力を生かした相手国の発展への貢献といったような総合的、多面的な取り組みを進めることを整理してございます。加えまして、将来、日本の購買力が下がっていく中での日本の強みというのを、ある種、技術に求めますと、そういった優位性を得やすくなるような戦略的技術開発についても国として支援していくことの重要性を指摘してございます。

2つ目がアジアへのエネルギー協力の強化ということで、アジア諸国のそれぞれの国の実情に応じた形で取り組みを強化していくということでございます。大きな柱はおそらく省エネ、それとクリーン・コールになると思いますが、省エネにつきましては、我が国企業のアジア展開の支援、さらには省エネ制度の実施体制のアジアでの構築、設備導入、さらにはCO2の排出量削減に向けた協力、人材育成等々でございますし、石炭につきましては保安技術、それからクリーン・コール・テクノロジーといったもののアジアへの普及を考えていくということでございます。

それから備蓄制度につきましては、既にアジアの一部での国ではいろんな協力をいたしておりますが、我が国のノウハウの移転も進め、中長期的にはアジア諸国間での連携を進めていくことを念頭に置いてございます。

22ページ目、対外対応の3つ目の柱でございますけれども、国際貢献を通じた我が国の外交力の強化ということで3つ挙げてございますけれども、エネルギーに近いところでいいますと、IEA、G8、APEC、産消対話といった、こういう既存の様々な枠組みのもとで主体的取り組みをすることに加えまして、その外縁部分にあります気候変動問題、あるいは核不拡散の問題といった課題を積極的にリードし、加えて上段にございますような、テロのリスクあるいは国際的なリスクの根底には所得格差、地域格差、人権問題等々ございますので、そういった諸課題にも外交政策としてプレゼンスを持って貢献することによりまして、我が国のエネルギー面での安全保障も確かにしていくことが期待されるということを整理してございます。

最後に、緊急時対応でございますけれども、重複いたしますが、日本の石油備蓄制度のありよう、さらには変化、リスクが様々に多様化する中での企業あるいは業種横断的な危機対応シナリオの作成、検討、さらには、石油依存が高かった時代に設計された諸制度の再検証といったようなことをここでは提起してございます。

よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。

【黒田部会長】 どうもありがとうございます。前回以降、いろいろいただいている意見を事務局のほうでまとめていただきまして、大分ご意見が取り入れられていると思いますけれども、改めて全体にご意見がありましたら、何でも承りたいと思います。例によりまして、ご発言のときにはプレートを立てていただきまして、順次指名させていただきたいと思います。よろしくお願いします。それじゃ、まず木元委員、どうぞ。

【木元委員】 ありがとうございます。中身の深いご議論はこれから逐一、ページを追いながらやっていただけると思うんですが、ちょっと気になりました文言の使い方だけ、1つ、意見を述べさせていただきます。

9ページでございます。「2.新・国家エネルギー戦略の構築」というところですが、(1)の戦略によって実現を目指す目標とありまして、白丸が3つございます。その最初の白丸の「エネルギー安全保障を確立し、国民経済に安全・安心を提供」というところの「安心」という言葉なんですけれども、これは至って抽象的・情緒的ですし、非常に安易です。政治家の方もいろんな場面で使っていますし、消費者のほうからも「安心」という言葉を使うんですけれども、その前にある「安全」という言葉は、科学的にも技術的にある程度説明がつくもので、そんなに抽象的ではない。ところが、「安心」という言葉は個々人によって主観的にとらえるもので、それぞれ感じ方が違います。しかも、それを提供すると簡単に言ってよいのか。あまり安易に使わないほうがよろしいのではないかと。安心という言葉にかわるとなると、なかなか難しいかもしれませんけれども、後のほうの10ページに「ii)中長期的な石油・天然ガスの供給確保に係る不安定性」と、「不安定性」という言葉が出ております。つまり不安ではない状態は安心です。ですから、ここのところは「安心」にかえて、「安定」とか「安定性」、あるいはもう一つ踏み込んだ「信頼性」とか、そういう言葉になるのかなと思いますので、できればこの「安心」という安易な甘い言葉は使っていただきたくないなと思います。白丸3つの下の(1)のところにも「安全・安心」と書いてあります。それ以外は出てきませんので、ここのところをちょっと考えていただればと思います。ありがとうございました。

【黒田部会長】 どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。じゃ、田中委員、どうぞ。

【田中委員】 今のところと同じですが、9ページの(1)、私は「安全・安心」はこのごろいろいろなところで使っていて、どういうふうに考えたらいいのかよくわからないので、これについては意見はないですが、その説明のゴシックの2段落目「このため」というところですが、「国内における強靱なエネルギー需給構造の構築に向けた取組を強化すると同時に、対外的な戦略を強化することによって、多様化・多層化を続ける様々なリスクを未然に回避し、エネルギー安全保障の確立を図る」という文章なんですが、この全体を通している戦略案のストラクチャーからすると、「回避し」の後にもう少し加えないといけないと思っております。つまり私の言葉で言うと、これだとエネルギーの安全保障が、体質改善をして、予防するというところで終っているんです。これは予防ができたら何も起きないわけで、緊急事態とか何だとかの対応は要らなくなるんです。ですから私は、回避し、さらにそれにつけ加えて、緊急時にも混乱を最小化するための準備体制を確立することによって、エネルギー安全保障の確立を図るという緊急対応の部分が入っていないと、安全保障を確立するということにならないのではないかなと思いますので、そこのところだけ。

【黒田部会長】 どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。鳥居委員、どうぞ。

【鳥居委員】 まず一番最初の1ページ、2ページ、3ページなんですが、現状についての基本認識というのを書くべきところでありますけれども、需要側の要因とか供給側の要因というふうに書くほうがいいのか、あるいはどういうことが今、世界と日本で起こっているかの基本認識を列挙したほうがいいのか、ご検討いただきたいと思います。

ちなみに3ページの供給側の要因のところを見てみるとわかりますように、今世界で起こっている石油、ガス、天然ガス、あるいは原子力についてのいろいろな事柄が、本来だったらここに、供給側で起こっていることとして要因というより、起こっていることの基本認識をここに書けばいいのではないかと思いますが、ほかのところにずらっと並んでいます。要因というのも1つの言葉の使い方だとは思いますけれども、これは基本認識を書くべきところですから、ご検討いただいてはどうかと思います。

それから、原子力と核燃料サイクルについてなんですが、何段階にも書いてありまして、まず4ページに核燃料サイクルの動向というのがほんのちょっと書いてあって、それから今度は8ページに、アメリカ、フランス、中国、ロシア等で起こっている事柄が書いてあります。さらに18ページには1行だけ(4)で原子力発電目標と。肝心の目標のところは極めてあっさりとなっていまして、20ページに詳しい説明が出てきます。

この4ページ、8ページ、18ページ、20ページを通して見てみますと、やはり今、日本が原子力あるいは核燃料サイクルについて国民にぜひ問うべきことを大胆に問わなければいけないのではないかと思います。やはりこの問題については反対派の方々もおられて、つい安全を前提としつつとかなんとかいうまくら言葉を置かないと書けないと。引き続き安全の確保を大前提としつつとか、そういう言葉が必要であるのはよくわかるんですが、それよりも原子力発電の老朽化が進んでいて、リプレースはもう間近に迫っていること、そして世界全体では、核開発の大国である5大国といいますか、アメリカ、フランス、イギリス、ロシア、そして例外的に認められている日本というものが置かれている世界的な戦略のせめぎ合いの中での立場といいますか、そういうものを国民に訴えるということが必要なのではないかと思います。

その中で特に、たしか8ページだったかにちょっと書いてありますけど、アメリカがGNEPを打ち出したということです。やっぱりそのGNEPの延長線上に、アメリカでいうところのファストリアクター――高速炉と、日本でいうところの高速増殖炉との微妙な違いというものがあって、それをやはり日本は戦略的に、政策的に考えて、その妥協点を打ち出していく必要があるのではないかと思います。それが一番私の申し上げたいことです。

あとは蛇足を1つだけ申し上げますと、16ページの「(3)政府一丸となった取組体制」というのがあるんですが、中を読んでみると、それよりも官民協力、官民役割分担のことが主な文章の中身になっていまして、タイトルは政府一丸のほうだけが出てきているんですが、例えば官民役割分担あるいは官民協力と政府一丸となった取り組みと、この両方を並べたタイトルにしておいたほうがいいのではないかと思います。

以上であります。

【黒田部会長】 どうもありがとうございました。それでは柴田委員、どうぞ。

【柴田委員】 ありがとうございます。第1回の会合で、このエネルギーセキュリティーについての明確な国家戦略というものについてのパワーが不足だということを申し上げたんですけれども、大分いろんな意味で決意とかプライオリティーをきちっと表現していただいたので、私はこれは非常にいいんじゃないかというふうに高く評価しているわけです。ただ問題は1つ、ちょうど今の鳥居先生が言われた、政府一丸となった取り組み体制の強化ということがあります。いろんなところで、いろんな局面で、別にエネルギー問題だけじゃないんですけれども、各省庁を統合して、国の明確な意思としても、総論賛成、各論反対みたいなことが起きる。これは文章に書くだけじゃなくてきちっとやってもらいたいということで、官民の問題と、今、鳥居先生が言われたとおりですけれども、文章に書くだけじゃなくて、これはもうほんとにちゃんとやってもらいたいということを要望します。あとは経団連でも、またいろんな個別問題については今後も提言してまいりますけれども、ほぼきちっとでき上がったと思いましたので、そのことだけ触れさせていただきます。

【黒田部会長】 今の確認ですが、行政の一体化という。

【柴田委員】 そうです。つまり、例えば技術開発一つとっても、同じようなサブジェクトで幾つかの省にまたがるようなケースをきちっと調整してもらわなきゃいかんと。いわゆる国家戦略的に、こういう大きなサブジェクトについてでもそうなんですけれども、必ず一丸となってというところを、文章だけじゃなくて、ちゃんと実現してやってもらいたい。そういうことです。

【黒田部会長】 ありがとうございました。佐々木委員、どうぞ。

【佐々木委員】 じゃ、失礼します。

全体的には、今、柴田委員からご意見がありましたけれども、一丸となってやっていただくという色合いが強く出されてきたのは結構な方向ではないかと思いますが、1点だけ、その技術開発の中のクリーン・コール・テクノロジーに関連してでございますが、炭酸ガスの分離回収技術というものをどう考えていくのか。これはある意味では禁じ手かもしれませんね。しかし、炭素ということで考えると、石炭がエネルギー源に、まだしばらくなっていくという現状のもとで、そういった炭酸ガスの固定技術を考えておくべきかどうかと。特にこれは、国際貢献の場において、日本でどれだけ石炭をたくかということは、今後のエネルギーの中でコントロールできる範囲だと思いますけれども、世界的に見れば、やはりクリーン・コール・テクノロジーの中で考えていく必要があるんではないかというふうに思いますので、ご検討賜れば幸いでございます。

【黒田部会長】 ありがとうございました。

それでは、河野委員。

【河野委員】 どの文章をどうということよりも、本質的に欠けていることが1つか2つあると思っているんです。エネルギー政策を、内外の状況変化に応じて大転換するということならば、どういうふうな政策哲学で、これからこの話をしていくのか。もっとはっきり言うと、今まで経済産業省はエネルギーで、石油だぶだぶ時代が長く続いたということがあって、それが時間的余裕を生んだことは事実なんだけど、そのときに、規制緩和、自由化政策を進めた。これは末端で何が起こったか。今でも電力でも起こっているし、石油のほうではとっくに起こっているけれども、それは明快なる競争強化です。世間的には、競争強化結構、値下げになったら結構だという話が一応表面的な評価だけれども、それははっきり言えば一面で過当競争であって、企業体質の強化ということに結びついたかどうかというのは定かじゃないんです。もっとはっきり言えば、結びついていないわけです。過去の政策の評価というものを、もうちょっときっちりと言わないといけない。

例えば、オイルショック後のエネルギー戦略で成功したのは省エネだとか、備蓄だとかたくさんあるんですね。その面では世界に冠たる国になった。しかし、実現しなかった。さらに、おのずから立派な、強力な企業が統合されてでき上がるだろうという期待はみんなが持っていたわけです、当局も。しかし、それは必ずしもそうなっていない。つまり、強力なる中核企業が育っていない。しかもその間に、自由化という政策が10年間はまるんです。その結果、資料の中にいろいろ分散して書いてあるけど、プラス評価もあるし、反面いろいろなことがあるということは事実なんです。そこをもっと正直に書かないと、過去のことが全部正しいということはあり得ないんだから。ある時期、時流に乗っかって大変なことをやった。それにはプラス効果もあったけど、マイナスもあったということを書かなければ、正直じゃないんです。それがないと、原子力なんか、これ以上踏み込むことはできないんです。

結局、これから何をやるといったって、民間企業がそれを背負うんですから。原子力といったら電力だし、石油といったら各その他企業があるわけで、そこがこれ以上体質的に弱るような、一面的な政策理念をもって牛耳るということは、我々はこれからはっきりと考え直しますと。ないしは、これ以上のことはやりません。これからは政策の重点はこちらに置くんですということを、明快にどこかに書くべきです。書かないのは逃げているんです。どういう哲学で方向転換をするんだということについての明快な自信を持った方針転換の説明が明らかに不十分だ。どこかに明確に入れるべきです。

官民一体というような話がある。今も国内でいろいろなことをやるのと、対外的にいろいろな行動を起こすことと2つあって、国内的には、何も企業統合だけがすべての政策の最終的な目標でも何でもないけれども、強靱な企業体、強靱なるシステムをつくると書いてあるでしょう。みんなも実際はそうだと思っていますよ。それは、どういうふうな手法でやるのかということについて、それも実は一応ここに書いてあるけれども、それをもうちょっと明確にすべきだと思います。民間が嫌だと、そんな役人の話には乗らないというのなら民間が考えればいいんです。しかし、みんながそっぽを向くとは思わない。もっともだと思って、その政策に乗る企業もあるかもしれない。そこは民間に、この前申し上げた主体性の問題だから、強引に、「おまえら全部こっちへ向け」というふうなことを言う必要もないし、言える権限も経済産業省は持っていないと思うけど、明らかに強力な、強靱な民間企業が必要だということは天下に明らかだ。今まで十数年かかったってできなかったんだから、そのことをもうちょっと明示的にわかるようなセンテンスを入れてもらいたい。

あと、全体の状況的な判断、その他というのは、あらかたこういうことなんでしょうねと私なんかも思うんです。そんなにこの分析に異論があるとは思わないです。問題は、過去の政策の評価です。

【黒田部会長】 どうもありがとうございました。

岡村委員。

【岡村委員】 今回、特に中期的にぶれない取り組みと、明確な数値目標の設定というところを私たちも大変高く評価をしたいと思っております。片方で、先ほどちょっとご説明があったように、硬直的に目標達成自体にこだわれば云々ということがありまして、そこが少し色合いを不明確にしてきている。

確かに25年先の数値目標を設定して、それにこだわるということは技術的にもおそらく大変難しい話ですし、政策的にも非常に難しい。国際情勢がどう変化しているかもわからないということではあると思いますが、それぞれ省エネルギー30%、石油依存度40%、運輸部門80%。原子力のほうは30、40という意味では既にその達成に近づいているんだと思いますし、あるいは石油、天然ガスの安定供給で、確保の目標が40%となっています。ただ、この数字だけはどうしてもやっぱりひとり歩きをしてしまう可能性があるので、具体的にどういう手段をとりながら、この数値目標に向かっていくのかということを、もう少しちょっと掘り下げて記入いただくと、非常に現実性が出てくる。単なる目標ということで掲げて、25年たって検証するという話ではないはずなので、やっぱり具体的にどういう手段を使いながら行けば、多分こうなるであろうぐらいなところまでの詰めはぜひお願いしたい。もしそこまで詰めておられるんだったら、最終的な文面では上げていただきたいというふうに思います。

そういう意味で、やっぱり明確な数値目標の設定というところは非常に高く評価をしたいと思いますので、これをご心配の、硬直的にならないような、そういう仕組みでどうみんなに納得させられるかというところがポイントだと思いますので、ぜひそこをよろしくお願いしたいと思います。以上です。

【黒田部会長】 どうもありがとうございました。

それでは、内藤委員。

【内藤委員】 ありがとうございます。

認識については、非常に体系的にまとめられておるので賛成ですけれども、具体的なことについて、2点、いつもと同じことを繰り返して申し上げたい。1つは、目標の設定。もう一つは政策の構築と実施の体制という、その2点であります。

まず目標については、認識のところでも書かれておりますように、日本の市場が減衰するという中でも、海外から見た場合になお魅力があるんだというふうな問題意識を持たせる必要がある。あるいは、今後、2030年まで考えますと、学生等がそれにほんとうに希望を持って勉強し、参入してくるというふうなことが必要である。そういう点からいうと、まず第1点は、前向きの発信のほうがいいのではないか。それで、石油を50%から40%に落としますとか、落としますというのは、省エネルギーについてはいいわけですけれども、そのほかのところについては、マイナスよりはそれを何でカバーするのかという前向きの形がいい。そういう点から言えば、ご案内のとおり、最近のEUの共通政策についてAFSEのプロポーザル、まさに天然ガスとバイオマスのリーザブという具体的なことで、そこに焦点をあてている。それから、アメリカの発信を見てもご案内のとおりの、ブッシュのエタノールのほかに、最近の国防相の軍用機の燃料予想というところで、50%は合成燃料でコンバインする。ああいう発表までしているということで、いずれも前向きの発想を、発信をするというのは、先ほど申し上げましたような供給国から見ても、あるいは学生等の人材の確保の点から見ても重要だと思うんです。したがって、そういうセンスをもう少し加えてほしい。

それから目標のところに関連して、もう一つは原子力ですけれども、これも政策大綱で決まったとはいえ、30ないし40%以上というのも非常にあいまいである。それで、稼働率によって違うというのであれば、2030年には世界の今のいい稼働率、例えば90%というようなものを前提にすることによって、稼働率もそこまで上げるんだというふうな明確な目標が明確になる。それで、これの結果として、今後、長期計画を閣議決定するというための作業をしているわけですから、ですから過去に決まった政策大綱にとらわれすぎることはないというのが、目標で申し上げたい第1点であります。

それから第2点目は、皆様方がおっしゃっておられることと同じなんですけれども、要するに、官民の役割分担と責任の徹底というところに焦点をあてた場合に、民のところでは、先ほど河野さんもおっしゃったように、中核プレイヤーの育成。そのための政策支援というふうなことをどんと出して、国を挙げて支援するというふうなことがいいのではないかと思います。それから、政府の一体的対応というのは柴田さんもおっしゃいましたけれども、私はそれは非常に重要だと思いますのは、やはりいろいろなことを言ってみても、役所の縦割りというものがやはり抜けきれないということで、総合科学技術会議の動向を見ても、APPの動向を見ても、あるいはエタノールのアグリバイオ一つを考えても、農水省との関係、生態系への影響というふうなことを議論しなきゃならないということを考えると、認識のところに書いておられますように、フランス、中国、米国と、全くほんとうに一体となって、大統領、首相が旗を振ってやっている。ますますそういう傾向が、ロシアも含めて世界的に共通化する中で、ここで発信するということが非常に重要ではないか。

それから、広い意味の一環として、政府と地方公共団体との関係というのは、現場のところではやはり、日常顔を合わせるというのは地方公共団体であり、しかも地方公共団体のあり方が今後、道州制をもって議論されるという中で、ますますそこの位置づけが広がるというのが流れだと思いますので、それについても一体的に対応するということをお願いしたいと思います。

【黒田部会長】 ありがとうございました。

それでは、橋本委員。

【橋本委員】 それじゃ、今地方自治体との関係というお話がございましたけれども、全般に、ほかの計画でも政府という格好でしか書いていないので、原子力政策大綱なんかのときはわざわざ大分入れていただいたんですけれども、これはまた後で申し上げます。

とりあえず19ページの「省エネルギーの推進」というのがあるんですけれども、前のほうに技術開発、その他たくさん書いてございます。そして、17ページには国民の理解ということもかなり書いてあるんですけれども、私は省エネルギーに関して言えば、いろいろな技術開発、ここに書いてあるようなトップランナー基準といったことも大変大事だと思いますけれども、そういったことを十分に情報を提供していく。そして、実施に移すか移さないかということがものすごく影響してくるんだと思うんです。そういう意味で、環境教育といいますか、エネルギー教育といいますか、そういうことによって、開発された技術などを現実に省エネルギーに役立たせていくということが大事だと思いますので、戦略項目として、当然環境教育というか、環境に関するエネルギー教育というか、そういったことについても取り入れていったらどうかなと思っております。ライフスタイル、あるいはワークスタイルなどをどう変えていくか。

そういった点からいうともう一つございまして、15ページの真ん中あたりに、「燃料供給インフラの整備、更には交通システムをはじめとする社会システム」ということがここに出ているんですけれども、今田舎のほうで何が起きているかといいますと、届け出だけでバスなどが廃止できるようになったものですから、ものすごい勢いで廃止路線が出てきているんです。その結果何が起きるかというと、結局、自家用車に移ってしまっているわけです。また一方で、都市にますます人口が集中してきている中で、高速道路をはじめとする渋滞によるエネルギー消費というのはものすごいものがあるわけでございまして、ここにどこまで書けるかは難しいんですけれども、少しでも資源節約型というか、省エネ型の国土形成というようなことをどうやってやっていけるのか、今まさに逆の方向に田舎の交通システムなんかは行っているのではないかなと思っておりまして、せっかく社会インフラということが書いてありますから、そういったことも含めての、これはせっかく長期的な話なものですから、都市構造、国土構造といったことについても話題にしていただけたらありがたいと思っております。

それからもちろん、いろいろな場面、先ほどのエネルギー教育などについても地方自治体が行っていくわけですので、そういった役割についてはどこかへさりげなく入れておいていただければありがたいなと思っております。

それからもう一つは、鳥居先生が安全をということを言われましたけれども、ものすごく書いてきても、なおかつ少したつと、どちらかというと、効率性の前に消え去っていっているのが安全ということでございますので、これについては今回大分念を押してもらっていますけれども、これはこのまま、ぜひ書いておいていただきたいなと思っております。

【黒田部会長】 どうもありがとうございます。それじゃ、山地委員。

【山地委員】 ありがとうございます。全般としては、基本的なメッセージが伝わっていると思ってお伺いしました。繰り返し的なところがあるので、それを避ければコンパクトでよりよくなると思います。それが全般的なことですけれども、ちょっと個別的なことを申しますと、先ほど内藤委員も取り上げたところですけれども、数値目標というのは硬直的でないという前提で、これは非常にメッセージを伝えるのにいいと思うんですけれども、たしかに原子力について、18ページを見ますと、数値目標があるんだけれども、丁寧に読んでみると、原子力のところ以外は2030年までにとなっているんです。そして各々に数値が1個ある。原子力は政策大綱を引いてということになってこの表現なんでしょうけれども、2030年以降においても30、40%程度、もしくはそれ以上というのはやっぱりあいまいで、メッセージ性がちょっと弱い気がします。だから、政策大綱の範囲の中で、ここでもう少し表現を変えてもよろしいんじゃないかと、私は個人的に思っています。

それと、これは鳥居先生が取り上げたんですけれども、4ページのところの、現状認識のところというか基本認識のところの、「国際的な枠組みに係る要因」の2つ目として、「核燃料サイクルに関する動向」とあるんですが、核燃料サイクルの国際動向というともっといっぱいあると思うんです。これは結局、核不拡散に関する動向を書いてあるわけですね。だからこれは核不拡散と書いて、タイトルをちょっと変えてもいいんじゃないかと思うのと、もう一つは中身で、一番最後の6行の最後は、「今後は、新たな枠組みの実現に積極的に協力・貢献することが求められている」という表現になっているんですけれども、基本認識として、この表現でよいでしょうか。決意ならやらなきゃいけない意図として書くか、あるいは求められているのなら、一体だれが求めているんですかということになって、何となく基本認識というところの枠の中でとらえにくくなっていると思うんです。私はこういう考えを意図として持つこと自体はいいんじゃないかと思うんですけれども、ここでこういう表現で書かれると、ちょっと違うような気がします。むしろ例えば、GNEPなんていうのはここに来ていいことですよね。GNEPは核不拡散と、もう一つは長期的な放射性廃棄物の処分のリスク低減という目的があります。ここでこれも扱っていいんじゃないか。

関連するんですけれども、核燃料サイクルという意味では、20ページの「戦略項目の概要」というのが一体どういう位置づけかわからない。まとめみたいな感じで読みますと、20ページのところで、ここでいきなり「核燃料サイクルを含む原子力の推進」と出てくるのが唐突な感じがするわけです。安全保障上、単に原子力をやるというのとここで言う核燃料サイクルを含む原子力の推進というのが、セキュリティの議論の中でどう違いがあるのかという議論が全くないままにここでぽんと出て来ていると思う。また、核燃料サイクルにもいろいろな形態があります。この項目の中を読んでみると、「半永久的に自国産エネルギーの確保を可能とする」というようなことが出てきているんですが、もしこれがまとめだとすると、これがぽんとあるのはやっぱり不自然。もっと前の段階で、核燃料サイクルのセキュリティ上の議論というのがあるべきじゃないかと思います。

以上です。

【黒田部会長】 どうもありがとうございます。最後の点だけ、私の理解が正しければですが、最後の概要のところは、これから分科会とか部会で議論されたものを受けて、もう一度書き直すという形だろうと認識していますが、それ以外のところで、お答えできるところだけ簡単に。

和気さん、すみません、見えなかったんです。

【和気委員】 戦略項目の概要のところで、私も気になりますのでコメントさせていただきます。15ページの「各戦略項目に共通する留意点」というのを踏まえて、戦略項目の概要というのが文脈においてまとめられると理解いたしますと、省エネの推進とか、石油依存の低減の項目に関して、内藤委員がおっしゃられたように戦略項目としては少し違和感があるように思います。と申しますのは、省エネの議論をするときに、例えば橋本委員もおっしゃられたように、アジア諸国との関係も含め、社会システムとして省エネをどう普及させていくかという今までのイメージの省エネの推進というよりは、かなり新しい視点から社会システムそのものをどう変えていくかというところにもっと踏み込まないとインパクトがないと思います。

一方、石油依存度の低減という戦略項目について、これは数値目標も含めてある種の複合的な政策遂行の結果であると思います。戦略項目とするならば、石油依存度を低減するためにどんな戦略的な政策手段を考えるかいう問題、あるいはそのためにどんな技術があるのかといった考えに立つわけですが、この戦略項目からどうもそのように理解するのが難しいと思います。むしろ、石油依存度を低減させるとすれば、それ以外の代替エネルギーなどについて、どんな技術のメニューが今現在あって、2030年に向けてどのぐらいの成熟度なのか、あるいは、どの程度のレベルの研究開発が必要なのかという視点から、踏み込んだ戦略議論をしていかないといけないと思います。この石油依存度の低減というのは実質的な戦略論を展開するための目標としては必ずしも好ましいと思いません。

次に、核燃料サイクルを含む原子力の議論について、私は技術的な専門家ではないのですが、この核燃料サイクルの分野においても、地層処分問題なども含め、多くの技術的な課題がまだまだ残っていると思います。ですから、今後こうした技術的な問題をクリアしていくわけですから、これらは相当程度にリスクや不確定要素も含む議論だと思います。ですから、この項目は単純に「核燃料サイクルを含む原子力推進」ではなくて、技術論をきちんと踏まえて、更新投資とか、あるいは改善の投資とか、革新的投資とか、それにまつわる資金も資源の問題も含めて、どういう方向で、どういう道筋の技術進歩の方向性があるかとかなど、もっと技術的な議論をしていかないと、骨太の方向性が出てこないと思います。

それから最後に、こうしたリスクや不確定性のもとで戦略を議論する場合、多様なリスクに対応しなければなりませんが、たとえばある不具合が起こるリスクが結果として危惧に終わったとしても、後悔しない(ノーリグレット)政策があるはずです。たとえば地球温暖化防止対策として省エネルギー政策を促進させたとして、それが環境に必ずしも多大の効果が上げられなかったとしても、もう一つの目標、たとえばエネルギー効率の向上には十分に貢献するわけです。つまり、政策の選択には複合的な目標(Co-benefits)を考えることが重要だと思います。今回のエネルギー戦略に関して、リスクが高いという認識とそれを回避するための議論はとても重要ですが、それにプラスアルファする議論が必要であると思います。環境技術とか、エネルギー技術とか、あるいは新しい情報サービスなど、先ほど橋本委員もおっしゃられたように、もう少し波及の影響力も含めた議論があってもいいかなと思います。

【黒田部会長】 ありがとうございました。それでは、まず事務局から、簡単にご説明をお願いします。

【立岡課長】 お答えできる範囲でお答えさせていただきます。まず、全体的に、各論のところが、まだこの場でも十分ご議論いただいておりませんし、それから、冒頭ご説明で申し上げましたように、基本的には来月、再来月と、現在各部会、分科会でご審議をいただいている状況をご報告しながら、それをこの中に十分織り込んでいくことにいたしたいと思います。そういった意味では、19ページ目以降は、最終とりまとめに向けてこれから直していくつもりでございますことを、もう一度繰り返し申し上げさせていただきます。その上で、幾つか言葉の使い方についてのご指摘にお答えさせていただきます。

木元委員から、安心という言葉でありますとか、田中委員から、9ページの2パラの書き方のところ、概念整理の話についてございました。さらに、鳥居委員から、要因という言葉の使い方等々ございました。これらにつきましては、まず少し整理をさせていただければと思います。

また、鳥居委員のほうから、原子力についての記述が分散していて、少し通覧性がないといいますか、パンチがない。あるいは、問題の深刻さ、大きさをもっと浮き彫りにするような方法があるのではないかというご示唆も賜りました。構成の制約から限界があるかもしれませんが、ご指摘のとおりだと思いますので、さらに少し工夫ができるところはしてみたいと思います。

また、柴田委員をはじめ何人かの方から、書くだけではなくて実行が大事だというご意見を賜りましたが、そのとおりだと思います。そこはむしろ、繰り返しになりますが、課題、視点を記載した戦略項目の概要を一番最後につけてございますけれども、これを具体的にどうしていくかについては、あと2カ月間をかけて、じっくり議論をさせていただければと思います。

それから、河野委員から、過去の反省といいますか、今、過去行ったこととの整合性、あるいはその評価をどのように考えるのかというご指摘、そこをもっと正直に書くべきだというご指摘がございました。一応私どもとしては、16ページのところで、多分ここでは書いているけれども足りないというご指摘だと思いますが、16ページの(3)の下段の方には、90年代以降進めてきた制度改革のプラスの評価と、しかし、その期待していたことが実現されていないということは、ある種、私どもとして、正直に書いているつもりでございます。加えて1つの大きな問題設定として、自由化が進んできている中で、他方で、将来様々に必要な投資に対してどういうふうな備えをしていくのかといった課題も、1つの大きな横軸のテーマとしてもとらえているつもりでございます。ただ、もう少し迫力を持たせる、あるいはきっちりメッセージが伝わるような工夫がどうできるか、これも考えてみたいと思います。

それから、岡村委員から、数字について。これも実現をどう具体化していくのかということでございますけれども、これも繰り返しになりますが、残り2カ月間で各論をはめていく中で処理をしていきたいと思います。それから、橋本委員から、省エネルギーの教育の重要性の話、これも同様に対応をさせていただきたいと思います。それから、山地委員から、4ページ目の表題のつけ方が変だとのご指摘がございました。これは確かにそうかもしれません。そこも手を入れることを考えたいと思います。

とりあえず、気がついたところはそんなところでございますけれども、足りないところがございましたら、また追加でご指摘を賜ればと思います。

【黒田部会長】 どうもありがとうございます。少し議論のための議論みたいになるかもしれませんが、幾つか私がお話を伺っていて重要だと思われる点、ご意見を伺いたいんですが、根本的には、河野委員のご指摘になったことは非常に私は重要だと思っていまして、今まで規制緩和、自由化という形で進んできた、ある種のエネルギー政策ということの成果をきちっと評価した上で、これからの何十年か先まで見越したときに、今、エネルギー政策として、何か今までと違ったメッセージを送る必要があるのではなかろうか。

河野委員と少し理解が私は違うかもしれませんけれども、おそらくそのことの背後には、経済のグローバリゼーションみたいなものが片方にあって、その中で、欧米、中国等々含めて、各国がエネルギー政策に対して、官民を挙げたある種の取り組みを戦略的にするようになっている。そういう状況を踏まえて、今までどおり自由化、規制緩和、そして市場主義的なエネルギー政策というスタンスで、これからの日本がエネルギーに関してやっていけるのかどうかというのが一番考えるべき点で、おそらく内藤委員とほかの方が言われていることも、何となくそういう背景があっての話のような気がするんですが、そういうものに対して、総合部会としてどういうメッセージを送るかが問題です。これは一遍に議論の結論が出る話ではないんですけれども、何かそれに対してご意見があれば伺いたいと思います。

そういうことを前提にして、ここで挙げられている3つの目標の中で、安心、安全、安全という言葉は僕はあまり好きではないんですけれども、安全というのは、マーケットを考えるとしたら、ある種セーフティネットみたいなものをどうやって用意するかということに尽きるんだろうと思うんですが、そういう理解で安全というのを考えるということであればそれでもいいんですが、もっと広い意味で、国際的な戦略論を含めた安全、安心ということになると、また違ったニュアンスのものが出てくるかもしれない。そういうことを含めて少し、根本的なことになるだろうと思うんですけれども、ご意見を承ればと思いますが、いかがでしょうか。河野委員、いかがでしょう。僕の理解で間違っていますか。

【河野委員】 部会長が集約されたようなメッセージを、ごくわかりやすく素直に、出してもらいたい。過去の先輩がこんなことをやったのを、おれたちがここでバッテンをつけるのはどうもという気持ちがあるかも知れない。世界の情勢が変わったんで、それに対応するためには、やっぱりこれからこうしますよ。前の人たちは、石油じゃぶじゃぶ時代に規制緩和で高コスト構造を直した、それでいいんです、その時点では。間違ってないんです。状況によって、過去の政策が正しかったけど、今は正しくなくなることもあるかもしれない。全面的に僕は否定していませんからね。自由化、規制緩和の路線を。全部振り子をもとに戻して、昔に戻れなんて、そんな暴論というか、めちゃくちゃなことを言っているわけじゃなくて、おのずからどこかで仕切りがあってしかるべきじゃないかと。

もう一つ、よろしいですか。12ページに、「アジア・世界のエネルギー問題克服への貢献」という項目がある。これは、この政策が経済産業省、ないしは政府全体の政策として世界にメッセージを出したときにはいろいろな反応があると思うけれども、ここのところが一番反応があるところだと思うんですよ。北京なりロシアなり、アジアの国、インドなりがどう評価するか。最も重要な言葉は「国際的な資源獲得競争を煽ることのないようにしなければならない」。というもの。これ、前回、山地さんが似たような趣旨のことを発言したと僕は思っているんだけれども、多くの国民には、東シナ海の件が一番頭にあるんですよ。日本の資源獲得戦略というと自動的にこの件を思い出す。こんなデリケートな外交上の話に、今、首を突っ込むわけにいかないし、こんなことを書いたら大やけどするから書けないことはわかっているけれども、基本的な視点としては、ここに書いてあるみたいに、むやみやたらと取り合うんじゃない。もっと協調路線にいこうじゃないかというメッセージのほうが、甘いかもしれないけれども、長い目で見たらそのほうが間違いない。これは一応書いてあるから、これはこれでいいと思うけれども、もうちょっと丁寧に書けないかなと。外交問題は、いつもそれで苦しんでいるんだから、そう簡単に書けるかと言われれば書けないんだけどね。何かもうちょっと工夫があってしかるべきだと思う。どうせこれ、英文に翻訳されていくわけだから、メッセージは。ということだけ。

【黒田部会長】 佐々木委員、どうぞ。

【佐々木委員】 どうもありがとうございます。これを長期的に見たときに、新エネルギーの開発をどういう形態でやっていくかということを考えますと、既存の業種別の今の構造で、果たして可能なのかどうかと。それは一つは、開発資金の問題がありますし、もう一つは、従来の業種の中の技術ではカバーできないものが出てくるだろう。例えば、水素エネルギーの時代がいつ来るのか。これはかなり遠い話だという意見もございますけれども、要するに、カーボンフリーの状態でどうやって水素をつくるのか。そして、つくった水素の貯蔵、輸送をどういう方法でやるのかということを考えますと、やはり既存の産業の分類の中で管理できる範囲を超えたものになるのではないかという気がするわけで、新エネルギーの開発を可能にするような仕組みと、もちろんこれは国と民との間の役割分担が必要にはなりますけれども、そういうものを生み出していける企業をどう育てていくかということも、1つ重要なんじゃないかと思っております。以上です。

【黒田部会長】 どうもありがとうございました。ほかに。鳥居委員、どうぞ。

【鳥居委員】 部会長が投げられた球とは少し違うことに移ってもいいですか。

【黒田部会長】 はい。

【鳥居委員】 15ページにはっきりとうたってありますように、最終的には、この黒い太字のところの一番最後の行を読みますと、「数値目標等を設定し、官民が目指すべき方向」云々と書いてありまして、数値目標をいつどこで、どう決めるのかという問題が、今のところあまりはっきりしていないです。どうするおつもりなのかを伺いたい。それに関連して、資料の3の35ページから、数値目標のページがあるわけです。特に37ページを見ると問題点が浮き彫りになるんですが、37ページの左上の棒グラフを見るとわかるように、2030年の目標値のところで、原子力だけが30ないし40%の棒があって、そこから先は書きようがないから書いてないわけですね。ところが、これを書かなきゃ数値目標にならないわけですよね。ところが、書こうとしてみると、明らかにわかるように、ぴったり100%の幅の中におさめるということは、実は個別のアイテムを見ていくと不可能なんです。ですから、原子力については、例えば30ないし40%という表現でもいいんですけれども、LNG、石炭、石油、新エネについては、例えば、プラスマイナス何%。もしこういう条件で失敗が重なればマイナス何%ぐらいだけれども、プラスの方向に希望的観測で書けば何%ぐらいになるというのは、我々に見せてくれなくてもいいですから、そういう試算をまずやってみて、そしてこの上の棒が全部書ける下地を幅ありでつくるということが必要なんじゃないかと思います。言いたいことは、絵をかりて言うとそういうことです。

【黒田部会長】 多分、事務局は案を持っていらっしゃると思うんですが、僕は需給見通しをつくっていて、いつも逆だと思っているんですよ。需給見通しが先にあって、基本部会があればいいんだけれども、基本部会で先に目標立てられると、それを無視して、需給見通しを立てるのが難しくなる。しかし、一方で数値目標を立てることは、おっしゃるとおり必要じゃないかと思います。

橋本委員、どうぞ。

【橋本委員】 この案を見ていまして、全体として非常に私もよくできていると思うんですけれども、ただこの戦略によって実現を目指す目標というところは、安定供給、環境、あるいは市場原理とかという形のものが入っているんですけれども、後になると、環境とかというエネルギー基本法の観点がだんだんなくなって、記述が少なくなっている。一方、この計画全体を見たときに、ほかの人がエネルギー政策基本法をどういうふうに見るかなということを、1つ感じました。

ですから、その辺について、先ほど新エネルギーのお話がありましたけれども、私もこの新エネルギーの中で、バイオマスその他が最近急速に増えてきておりますが、特に高温ガス炉などを使えば、発電については比較的早く実現できるといったようなことも言われているわけですから、新エネルギーなんかも環境の関連で、もう少し書いてもいいのなという感じもいたしましたし、それから、もう一つは、自由化という中で、長期的、安定的投資が全くできなくなってきている。その関係を、どういう感じでこの中に書き込むのかということを、1つ課題としてとらえていただければありがたいなと思いますし、また、常日ごろ思っているんですけれども、どちらかというと、石炭とかLPG、LNG、そういった感じの記述が少ない。特に、この間、山口で石炭火力の発電が中止になりました。あれなんかは環境問題からですけれども、そういったことも踏まえて見る人は関心があるんだと思うんですね。

ですから、そういったことも、石炭をどう取り扱っていくのかということも含めて、石炭の場合は量は十分あるわけですし、これは液化も技術的にも十分可能になってくるわけですし、あるいは、これから上質じゃなくて低質油をどうやって使っていくかというような問題もあるわけですし、いろいろな問題が石炭なども絡んであるんだと思いますので、そういったことも含めて、少し何か記述があったら、全体としてのバランスがとれるのかなという感じがいたしました。

【黒田部会長】 どうもありがとうございました。それじゃ、田中委員、どうぞ。

【田中委員】 なかなか難しい、部会長がおっしゃられたテーマで、官民の間の役割分担の問題ですけれども、やや原理主義的にいうと、これは政府のつくる文章ですから、民に対してああせいこうせいというのは、あまり書くものではないかと思うんです。だから、官民協力のために、官が何をするかということを書くというのが、多分こういうものの性格だと思うんです。指令経済じゃないですから、そういうことだと思うんです。

ただ、先ほど河野委員がおっしゃられた16ページぐらいのところの反省も含めて、そこから戦略項目として、目標で、「強い企業形成促進」ということが出てくるわけですけれども、その際、ちょっとこのあたりの文章が、もうちょっと具体的なことを書かないと、何をやろうしているのかよくわからないという感じじゃないかと思うんです。「政府においては、エネルギー関連企業の創意工夫が十分に発揮できるような市場環境を整備するとともに」、「投資が十分に行われることを確保すべく」云々かんぬんというのは全くそのとおりですけれども、そのためにどういうことをやるのかということじゃなかろうかと思うんです。

先ほど、鳥居先生がおっしゃられた数値目標の37ページの原子力の上もそうですけれども、下の「我が国自主開発比率と目標率」というグラフも、これだけだと、ほんとうにできるんですかねという感じがするわけですよね。やっぱり数値目標を提示するということは、その数値は、少なくとも可能であるという前提があって初めてできるわけで、そうすると、その前のページとかを見ると、それなりに昔のグラフを外挿していけばその辺にいくのかなという感じがしますけれども、この自主開発原油取引量の過去30年間のラインをそのまま外挿したら、せいぜい20%ぐらいにしかならない。これを40%にするというのは、やはり相当なことではないだろうかと思うんです。そうすると、そのためにどうするのかということについてもう少し踏み込まないと、この目標自体がただの掛け声を言っているだけのような感じがしますね。だからこの辺はどういうふうにするのか、今までうまくいかなかったわけですから。かといって、それじゃあ、今の通常の経済政策の方針と違って、大々的な税金投入をどこかの企業に行うかというのもちょっと、なかなか難しいのではないかと思うんです。だから非常に難しい。

【黒田部会長】 何か事務局はありますか、今のご意見に。

【河野委員】 先生、今の発言にちょっと関連して。こういう目標を決めるときのやり方は2つしかないんですよ。政治的な決断でえいやと書く。よその国では平気でやる。それでも政治はそれでいいという割り切り方があるんですね。もう一つは下からの読み上げ方式です。今回のような長期目標だったら、どちらかと言えばえいやって書くしかないと僕は思う。これに書いてあるいくつかの目標のうち、閣議決定したのは原子力だけですよ。だからあまり念を押して、おまえほんとうに大丈夫かなんてやるのは気の毒な話で。

【黒田部会長】 今度はこの数値目標は閣議決定になるんじゃないですか、基本計画の。

【河野委員】 なるんですか、あとで。大変なことだね、考えてみれば。そんな計算やっていないはずだから。

【黒田部会長】 確認をしてみます。

【立岡課長】 河野委員から大変、なかなか言えないことをおっしゃっていただいたという感じも、正直に言ってなきにしもあらずなんですが、他方、これは数字にもよると思います。省エネであれば過去のトレンドを伸ばしただけということよりは、むしろ過去は、前回申し上げましたが、産業構造が変ることにより省エネとなった部分がかなり大きいので、同じことがむしろ可能かというと、もっともっとチャレンジングだと思います。ただ、やはり現在のいろいろな技術の状況や、それを普及するスピードを早めていけば、恐らくこれから30年で達成するのは決して不可能な数字ではないと思います。では、積み上げがあるのかと問われれば、そこは昨年の需給見通しをつくった作業でも、これに近いところの周辺は計算しましたが、これもなかなかチャレンジになるものの、不可能ではないゾーンに入っているぐらいの検討は昨年の段階で行っていると思います。

例えば、運輸部門の80%に下げるという話も、これも多分にいろいろな不確定要因によるわけでございまして、例えばいわゆる天然ガスからガス・トゥ・リキッドをつくるといったものに関していえば、これはどの程度の技術のタイミングで開発できて、それをベースに今、掘られていないCO2リッチな中小ガス田をとってきて、転換していけるかというスピードの問題もございます。それからバイオ燃料にしたところで、受け入れるための、例えば環境基準とか技術が成熟しても、結局バイオ燃料に供給安定性が世界上になければ、食物とバッティングして供給安定性がなければ、どうなのかということもございます。そうすると、今のコーンのようなスタイルだけではなくて、木質系がどこまで取れるかという技術開発その他と、いろんな不確定要因があるわけでして、交織的に考えるべきではないといっても、多分、そういったことを念頭に置かなければ、むしろ是か非かはっきりさせるといった瞬間に、今度は非常に供給の不安定なものに頼らなければいけないことになってしまうかもしれないと思います。したがって、多分、ここで目指すべきは、そういうものの供給を可能にする努力を供給側でも行い、それが入ってきたときには日本のインフラなり、社会システムでスムーズに受け取れるような社会システムをつくっておきましょうというところに多分価値があると思っていまして、そういった気持ちを込めて、先ほど柔軟性を持ったほうがいいのではないかというところは、書いた次第であります。

原子力の30ないし40%というところは、いろいろ原子力部会でもご議論があるようでございまして、むしろそこでどういう整理をされるのかということとの相関もございます。残りのところをどう埋めるかという議論は、これはむしろ、今回の作業でどこまで詰めるかというより、むしろ秋口、基本計画改定後の需給部会の作業の中で、そこをより精緻に展開していくということだと思います。ただ、基本的には原子力で一定のポーションを確保できれば、残りのところは、あとはどれをどういうふうに減らしていくかというところでございますから、むしろ環境特性等により柔軟に対応できる世界ではないのかと思っております。

資源開発目標のところは確かにカーブが屈折していて、不連続ではないかというご議論がありますが、むしろ来月以降のシリーズの中で、まさに資源確保のための取り組みということでご議論させていただきます。本日、21ページ目では、やや総論的なところしかご紹介を申し上げておりませんけれども、そこの中でいかに今までと違っていろいろなリソースを需要の分野に集中していくような体制、仕掛けをどうつくっていくべきか、あるいは資源国との関係で、どういう対策を進めていくべきかについてのご議論を経る必要があるかと思います。そういった意味では、ある種、足元の状況を見ながら、ある種高い目標かもしれませんけれども、この辺のところはなんとか措置を頑張っていけばやっていけるし、それぐらいのことを目指して国と民間で取り組んでいくべきではないかということで置かせていただいたということでございます。

それで、鳥居委員から、この数値目標をいつ決めるのかというご質問がございました。私どもとしては、今回、戦略の中間取りまとめの中で、この数値目標は置かせていただきたいと考えております。したがって、逆に申し上げますと、それを実現していくために何が必要かということを、残り2カ月間しっかり議論させていただいて、考え方なり、総論なり、あるいは目標に沿った世界が実現できるような各論をどう張りつけていくかということを、これから議論をさらに深めさせていただければと考えております。若干手順が違うのではないかという議論もあるかもしれませんが、この作業としてはそういうふうに進めさせていただきたいと考えております。

さらに、もう1点、こういう議論をしていきますと、あれが入っていない、これが入っていないという議論になってくるところでございまして、それは極力対応させていただこうと思っておりますが、前回の議論にもございましたように、やはり戦略と基本計画の違いは何だというご議論が前回の部会の場でもございました。私ども、基本的には秋口につくる、閣議決定する基本計画については、やはり全体を網羅し、漏れのないような形で策定していく必要があると考えておりますが、他方、この戦略につきましては、その作業とはやや引き離して、もう少し手前で整理するということ、それから戦略という言葉の意味から、あまりすべてのものを盛り込んでいくというよりは、もう少し幾つか絞り込んでまとめていくという形が適当なのかなと考えております。逆に、全てのものを取り込むと焦点がぼけてしまうところもありますので、そこも配慮しながら取りまとめの作業をさせていただければと思っております。

【黒田部会長】 どうもありがとうございました。いただいたご意見は大体事務局は認識されていると思いますが、内藤委員、特にありませんでしょうか。

【内藤委員】 5時までということで時間があるようですから、ちょっと感想を申し上げたいのは、国際的な、世界で今、何が動いているかという実態をもう少し確認して、非常にドラスティックな動きがあるということでの対応を図っていただければと。要するに、言いたいことは、自国民は自国で守るということの原理の徹底と。ただ、もちろんこれはマーケットメカニズムの活用も含めてのことですけれども、そういうことが必要だということを申し上げたいわけです。今、アメリカで5兆円の企業買収にかかわっております。そういう状況の中で買収を受けるというのは、それだけ魅力のある企業だから非常に好ましいことなんですけれども、その場合に、フランスのように規制緩和をやる前に徹底的に自国のものを守る。それで2007年からヨーロッパで一元化だというやり方は、私は非常に1つだと思うんです、日本のような立場を考えた場合。

ところが、ある世界的なインベストメントバンクから、日本の企業買収のアドバイスをしてくれという申し入れを受けたわけです。私は断ったわけですけれども、その中に、規制緩和に伴うエネルギー会社まで入っているわけですよ。したがって、世界の中でほんとうに抽象的な議論をしているのではなくて、ロートラストグローバリゼーションということで、パラダイムシフトが起こった中での対応、その中でほんとうに今までの手法がいいのかというのは、世界の裏ではものすごくビビッドに、ここまでこう動くのかという動きがあると思うんです。したがって、反対に、表に出ていることからいえば、例えばそういう状況の中で国際的に生きるという中で、たまたまきょうおられます東芝さんはウェスティング社を買収し、PWRとBWRという型の違う原子炉を扱うということになるわけですが、今後海外に出るためには日本の企業としては大変よいことだと思いますが、じゃあ、それを支援するのはどうするかとか、そういう中で、世界の中で日本がいかに生きるか、日本の企業が世界の中でいかに生きるか、そのためには政策のフレームワークが何であるかということを、抽象論ではなくて、海外の動きというのをほんとうに調べてごらんになられると、ものすごく厳しいものだということを思っておりますので、ちょっとご参考までに、感想だけを申し上げます。

【黒田部会長】 どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。今、内藤委員のおっしゃった点は私も全く同感で、先ほどのようなことをちょっと言ったんですけれども、そういうメッセージをこの中でどう、あまりどぎついメッセージではなくて、堂々と打てるかというのは、非常に難しい問題でございます。

ほかに何かございますでしょうか。それでは、先ほど事務局からご説明いたしましたように、この中間取りまとめは新・国家エネルギー戦略という中での中間取りまとめでございまして、本日、いただいたご意見で修文すべき点、それから若干繰り返しになっているような点、その辺については事務局と議論をさせていただきまして直しますので、私にお任せいただけますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【黒田部会長】 よろしゅうございますか。それで、もう少し抜本的なご意見をいろいろいただきました。これはまだこれから4月、5月にかけて分科会、部会でのご報告を伺った上で、具体化していく中でご議論いただけることだと思いますので、そこでまたご議論させていただくということでよろしゅうございますでしょうか。

(「はい」の声あり)

【黒田部会長】 どうもありがとうございました。

次回は、エネルギー安全保障研究会、それから石油分科会での検討の状況をご報告いただきましてご議論いただくということになりまして、予定では4月12日水曜日でございますが、1時から3時まで予定しているということでございますので、改めて詳細は事務局からご連絡させていただくということにしたいと思います。よろしゅうございますか、事務局。それでは、今回、第2回の総合部会をこれで閉会させていただきます。どうもありがとうございました。


── 了 ──



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最終更新日:2006.03.22
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