経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会(第4回) 議事録

平成18年5月15日

黒田部会長
 それでは定刻でございますので、ただいまから総合資源エネルギー調査会第4回総合部会を開催させていただきます。本日はお忙しいところをご参集いただきましてありがとうございます。本部会におきましては、前回からでございますが総合資源エネルギー調査会の各分科会・部会の検討状況につきましてご報告をいただきましてご議論をいただいております。今回は若干盛りだくさんでございますが、省エネルギー・新エネルギー政策について、石炭のクリーン利用について、持続可能な国際社会に向けたエネルギー政策について、エネルギー技術戦略の基本的考えについて、エネルギーの広聴・広報・教育について等の課題について本日はご紹介させていただいてご議論をいただきたいと思います。
 まず、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
高橋調査官
 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
 まず資料一覧とございますが、その下に本日の議事次第、その下に総合部会の委員名簿、本日の座席表でございます。その下にA4判横の形になってございますが、資料1といたしまして、省エネルギー・新エネルギー政策について、資料2、石炭のクリーン利用について、資料3、持続可能な国際社会に向けたエネルギー政策について、資料4、エネルギー技術戦略の基本的考え方について、その下に資料4の参考資料といたしまして、エネルギー問題の解決に向けた重要技術、資料5、エネルギー広聴・広報・教育についてとございます。その下に、本日ご欠席の佐々木委員のほうから本日の総合部会につきましてのご意見ということで、A4判縦のペーパーをいただいております。最後でございますが、柴田委員のほうから先日、社団法人日本経済団体連合会のほうでおまとめになられました「わが国を支えるエネルギー戦略の確立に向けて ~エネルギー安全保障を中心に~」というご提言をいただいております。
 以上が、本日お配りしております資料でございます。何かございましたら、事務局のほうによろしくお願いいたします。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは早速ですが、議事に入らせていただきます。本日の議題でございますが盛りだくさんでございますけれども、最初の省エネルギー・新エネルギー政策についてからエネルギーの技術戦略の基本的考え方、この4項目につきまして最初に事務局からご説明いただいて、関連がございますので一括してご質疑をいただきたいと思います。その後、エネルギーの広聴・広報・教育についてということで事務局にご説明いただき、エネルギー情報研究会の座長を務めていらっしゃいます木元委員から補足のご説明をいただいた上で、この点についてご議論をさせていただきたいと思っております。
 それでは早速でございますが、事務局より省エネルギー・新エネルギー政策につきまして高原部長よりお願いいたします。
高原部長
 省エネルギー・新エネルギー部長の高原でございます。お手元に資料1という資料がございます。若干、大部の資料でございますが、これでご説明をさせていただきたいと思います。
 まず1ページをめくっていただくと目次が書いておりますが、今日は省エネルギー政策、新エネルギー政策、そしてまたその国際協力に関してお話を申し上げようと思っています。省エネルギー・新エネルギー、それぞれ各論について今、新エネ部会、省エネ部会で議論をしておりますので、その内容をご報告いたしますが、この2つ、この省エネルギーと新エネルギーというのは、エネルギーにとって非常に重要な要素のひとつであるコストとの関係で言いますと、省エネルギーはコストに追い風であり、新エネルギーは今はまだ値段が高いものですからその逆というような相違があるというご指摘もよくありますけれども、もちろん省エネルギーにつきましてはご案内のとおり随分進んでまいりましたが、部門ごとに見ると運輸部門や民生部門はまだ十分ではございません。他方で新エネルギーにつきましては、コストが高いといったような議論はまだございますけれども、地方や市民運動、あるいは企業の取組、あるいは環境問題の追い風もあって、随分進んできております。いずれにしても国民的な取組というのがこれからも必要であるという点では共通でございますし、また両者とも更に一段高みに行くためには技術開発等が必要でございますので、共通点も含めながら今日は簡単にご説明をさせていただきたいと思います。
 まず省エネルギーでございます。3ページに、石油ショック前後からの産業部門、民生部門、運輸部門の省エネルギーの進展事業、エネルギー使用の原単位の使用状況が書かれております。産業部門が比較的大きく増えていないのに対して、民生と運輸のところの柱が伸びているというのが現在の状況であります。
 4ページに進んでいただきますと、これは、特に我が国は世界に冠たる省エネ国家になっておりますが、省エネルギーが製造業でどういった技術開発を背景としながら進んできたかということを表にさせていただいたというものでございます。鉄鋼、化学、窯業土石、紙・パルプ等のそれぞれの産業界における努力などをここに書かせていただいております。
 5ページからが今後の省エネルギー政策の基本的な考え方でございますけれども、先ほど申し上げたとおり、まず横軸と縦軸、横軸というのは共通することでございますが、日本は先ほどから申し上げているとおり省エネルギーは一定程度進んできておりますけれども、新たなる高みに上るためにはやはり革新的な技術開発が必要であると考えております。そしてまた、その革新的な技術開発を進める一方で、これをちゃんと評価する必要があります。今まではどちらかというと原単位が上がるということを、ベクトルの方向をむしろ省エネルギー化が進んでいるということでよしとしてきた傾向があるわけでございますが、例えばトップランナー制度のような、むしろある一定程度の水準を目標とするといったようなこととうまくベストミックスしていく必要があるのではないかと考えております。それから各部門でございますが、これを縦軸といいますか、それぞれの部門ごとに特徴が出てきております。例えば産業部門でいいますと、エネルギー多消費型の業種は鉄鋼等を含めて省エネルギーの取組を本格的に着手し実施されているわけでございますが、まだまだそうでない業種もございます。したがって、更に一つの新たな高みに行くためには革新的な技術開発が必要でございます。それから民生業務部門、あるいは民生家庭部門を見ていただくと、必ずしも簡単ではないわけでございますが、広報や教育による国家的な取組が更に必要な分野でございますし、先だって橋本委員からもご指摘がございましたけれども、都市だとか交通だとかシステム全体としての改善というのがまだまだ重要でございます。それから運輸部門でございますが、これは率直に言って、省エネルギーの取組がまだ遅れている分野であると考えております。先般、省エネ法を改正させていただきまして、荷主や輸送業者に対する省エネの改善の努力を初めて法律的に促す仕組みができたわけでございます。これを契機といたしまして、この運輸部門における省エネを本格的にしていく必要があります。部門ごとにまだいろいろな発効性がございますので、これを国民的な運動として、政策も含めて全体として推し進めていく必要があると考えております。上段の技術開発やベンチマーク化の問題と、そしてその部門ごとの取組、これを横軸と縦軸としてやっていく必要があると考えております。
 技術開発につきまして少しブレークダウンして申し上げますと6ページでございますが、上のブルーの四角の枠の中に書いてございますけれども、キーワードは2行目でございます。従来の発想を越えた抜本的なプロセス改善といったようなもの、あるいは民生運輸部門におきましては、本日ご欠席でございますが、佐々木委員からご意見書をいただいてございますが、IT化の進展、いわゆるライフスタイルの変化といった社会システムの変革に合わせた省エネの進展といったようなことを図っていくことが必要だと考えております。
 7ページにコンセプトグループと題しておりますが、先回の橋本、佐々木委員からのご指摘も受けまして、こういった分野で新たな省エネのための技術開発というのを進めていけないかということで、この旗を、例えば今5本ほど仮に立てておりますけれども、本件につきまして今、議論を進めておりまして、夏ごろまでにこの具体的な内容を詰めて、次の高みに上るための技術開発というのをしていきたいと考えております。
 それから9ページ以降でございますが、新エネルギー政策でございます。新エネルギー政策は冒頭申し上げたとおりコスト的な観点で言えばまだやや高いといったことがあるわけでございますが、10ページにございますとおり環境の問題などが追い風になりまして、国民的というよりも国際的にも大きな運動が起こっております。これを再生可能エネルギーという表現でとらえられる方が多いわけでございますが、10ページの2.に書いてあるとおり多くの国際会議で首脳も含めて再生可能エネルギーないし新エネルギー導入の促進の合意ができているわけでございます。そういった中で更にコストを下げていくと、マーケットの中で自立的に新エネルギーが発展をしていくという流れが起こります。ほかの既存のエネルギーとの比較ということも市場の中では当然に起こってまいりますので、更なる技術開発の重要性が高まってきておりますし、それから再生可能エネルギーに対する市民の関心の高まりというのは今、極めて大きくなってきております。あるいは地方公共団体の取組、それから更には実は企業も再生可能エネルギーなり新エネルギーに対してコストを度外視して、いろいろ取組を行っておられるわけですが、こういったものについて、これが新エネルギーに対する非常に大きな追い風になっているということでございますし、今後ますますその必要性が高まっていくだろうと考えております。
 他方で5.に書いてございますが、再生可能エネルギーの更なる普及に対しては、実はいろんな障壁も出てきております。例として書いてございますが、太陽電池というのは世界的にも今、ヨーロッパなどで非常に積極的にこれを導入しているということもあって、シリコン不足だとか、あるいは風力発電が電力系統への連系にある程度の問題を起こすぐらい大きくなってきているとか、そういったような議論がございまして、まさに産業の中でこういうことが起こっているということを直視して、その対策を講じていくということが必要だと考えております。また、6.に書いてございますが、バイオマスエネルギーに対する期待の高まりというのも強いものになってきております。
 12ページでございますが、これは概念整理でございます。現行の新エネルギーという体系を組み替えて、国際的にも通用する再生可能エネルギーという概念、あるいはまた、右下に書いてございますが、技術開発利用というものを抜本的に進めていくということで、その辺のすっきりとした概念整理というのを今後行っていきたいと考えております。
 13ページで新エネルギーの導入促進への道筋というのを少しブレークダウンして書かせていただいております。現状では新エネルギーあるいは革新的エネルギー技術というものの重要性は高まっておりますが、経済性の面においてはまだまだというところもあるわけでございまして、新エネルギー等の更なる普及に向けて、単なる財政支援だけで需要・供給を拡大していくだけではなくて、いろいろなステージに応じて施策を講じていく必要があるだろうと考えております。更なる導入促進に必要な施策として、ここに(1)から(4)まで書いてございますが、14ページの太陽光の例でこの(1)から(4)を見ていただこうと思います。
 太陽光に関しては、日本が今世界のトップランナーでございまして、累積導入量が一番多いわけでございます。ここまで来たのはこのグラフで言いますと一番下のところでございますが、縦軸が普及の度合いと考えていただいて、横軸が時系列と考えていただきたいと思います。新エネルギーとしての太陽熱が国民の意識の高まりだとか、あるいは先駆的にそれに取り組まれた企業のご努力だとか、地域あるいはNPO等のご努力によって需要の増加が図られてきております。ただ、そういう中でこれをめぐる産業構造というのが、右軸の(2)のところで書いてございますけれども、日本は世界の生産の半分以上を作るといったようなことで、産業構造がこの初期の需要に応じて、あるいは研究開発に応じて出てきたわけでございます。ただ、まだコストというのは高いわけでございまして、更にこれを市場の中で自律的に、また爆発的に導入していくためには、ここに幾つか課題が書いてございますが、技術開発が必要でございます。それから、更にその技術開発のフロンティアを広げていくために、ベンチャー企業等の参加も、アメリカにはいろいろな制度がございますが、そういうことも含めてやっていく必要があります。こういったことで、甚だ観念的なグラフでございますが、新エネルギーの市場の中での普及を目指していきたいと考えております。
 バイオマスにつきましても同じようなことで15ページにグラフにしておりますが、バイオマスについては後でまたご説明を申し上げますので、後でご覧いただければと思います。
 そういう技術開発について重点的には何かといいますと、今申し上げました太陽光発電の問題、それから17ページに幾つかの絵を入れておりますが、燃料電池や蓄電池といったものについて、燃料電池は我が国が非常に先進的な地位でありますけれども、これを更に抜本的に進めていくということが必要ではないかと考えております。
 18ページはバイオマスエネルギー政策の再構築と書いてございますが、バイオマスエネルギーについては環境問題もあって先ほど申し上げたとおり、ただいま非常に追い風でございますけれども、まだまだ我が国自体の利用量は少のうございますし、それからコストの面ではまだ高いものとなっております。これは我が国だけではなくて、実はアメリカも含めて他国も悩んでおります。そういう意味では(3)の輸送用バイオマス由来燃料の導入拡大でありますとか、あるいは導入拡大に向けたブラジル等諸外国からのエタノール輸入の可能性の検討ですとか、あるいは国産のバイオエタノールの可能性の検討ですとか、そういったことを積極的に進める必要がございますし、また何よりも技術開発でございますが、セルロース系のバイオマスからのエタノール製造につきまして、これは酵素などの分野では実は日本はまだまだ弱いのでございますが、今後、大変大きな国際的な競争の分野にもなりますので、こういったものに重点的に力を入れていくということが必要だと考えております。
 最後にこの省エネ・新エネの国際協力でございますが、我が国の国際社会に占める経済的な規模ですとか技術を考えれば、最近、省エネルギーあるいは新エネルギーについて、その協力について非常に大きなご要請があるのは当然でございますけれども、一体どういう項目があるのかというと、22ページでございますが、1から5まで書いてございます。協力のパターンで言いますと、制度的な取組への支援ですとか、それから産業部門に加えて2番目に書いていますが、民生・運輸・電力部門への協力だとか、それから我が国の企業のビジネスベースの省エネ機器や設備の普及に向けた支援等々、いろいろな支援があります。
 23ページに少し大胆に、それぞれの国で今どういう状況にあって、どういうことが国際協力の中心になるかということを書いてございます。例えば中国は世界第2位のエネルギー消費国であるということで、省エネ協力の最重点国であるとか、インドについてもこれを立ち上げなければならないと考えております。実はそれぞれの国で省エネの法律ができているとか、そういうところもこれを見ていただくと結構あるのでございます。ただ、その実施体制が進まないとか、あるいはもっと前の段階の国があるわけですが、それぞれの国の実情に応じて、どの国についてはどういうことだということでちゃんとアジア省エネルギープログラムと標題のところに書いてございますけれども、これに関して推進をしていきたいと考えております。
 あとはアジアにおける新エネルギー協力につきましても、25ページに書いてございますとおり、まずは制度構築の支援から入って、技術導入支援等をやっていきたいと考えております。
 これは私ども政府の部局の中だけではリソース等が足りないので、実は昨年の12月に省エネ・新エネの国際協力協議会というのを設けまして、関連9団体ほどが連携をしてやっております。今まではどちらかというと、それぞれの団体がそれぞれの国とそれぞれのご要請に基づいてやっていたというところがございますので、ここの連携をよくするということで、毎月これは我々がみんな集まりまして、どこについてどういうニーズが出ているということや、アメリカはどうしているというようなことを話しながら今進めているということでございまして、先ほどの国内の施策を進めながら、また国際協力をも進めていきたいと考えております。
 簡単でございますが、以上でございます。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それではご質問は後からいただくことにしまして、引き続きまして石炭のクリーン利用につきまして資源・燃料部長のほうからご説明いただきます。
近藤部長
 それでは、資料2に基づきまして石炭のクリーン利用についてご説明をさせていただきます。資源燃料部長の近藤でございます。よろしくお願いいたします。
 資料2でございますが、前回の総合部会でのご説明の資料、あるいは今、高原部長からのご説明の資料と重複する部分もありますので、そういう部分を飛ばしましてポイントを絞ってご説明をしたいと思います。
 まず2ページをご覧いただきたいと思います。世界のエネルギー供給の中で石炭の比率というのは今、23%あるわけでございます。2030年のIEAの見通しでも22%と全体が1.6倍に6割増しになる中でも石炭のウェートは変わらないわけでございまして、石炭の重要性はあまり動かないというのがIEAの見通しでございます。その中で3ページの我が国の例をみますと、現在約5割が石油、その後に石炭ということでございまして、石油に次ぐ第2位として約2割のエネルギーの供給をしているわけでございます。4ページに石炭の特色と申しましょうか、確認可採埋蔵量がたくさんあるということがわかります。そして可採年数が長いというグラフが書かれております。他の天然ガス、原油等々に比べまして石炭は長い年数がございまして、164年ということでございます。これで将来にわたって安定的な供給が可能であるということが見てとれると思います。
 5ページを見ていただきますと、これも石油、天然ガスと比べた特色として書かせていただきました。例えば一番左の石油を見ますと、この青いところが非常に大きいわけでございます。これはご承知のように石油の場合には世界のうちの大体4分の1がサウジアラビアにあります。その他、イラン、イラク、クウェート、UAE、そういった国々の合計だけで6割ほどになるわけですが、石炭の方はアジア・オセアニア、欧州・ユーラシア、北米というところに大体、3分の1ずつぐらいあるということで、資源の埋蔵量も賦存状況も非常に安定しているというのでしょうか、分散しているということがこのデータで見てとれると思います。
 6ページをご覧いただきたいと思います。価格の変動でございます。この左側の価格を見ていただきますと、エネルギー源別の平均輸入のCIF価格であります。石炭も原油、LNGと同じように上がってはいるのですが、その中では比較的安定したものでございまして、長期安定で、石油、ガスに比べれば価格が安いということが見てとれると思います。直近の数字でも、同じキロカロリー当たりの価格は、石炭はちょうど1.2円ぐらいでございましょうか、LNGが3円ぐらい、それから原油が4.5円とか5円という数字ですので、石炭を1といたしますとLNGが2~3倍、原油は3~4倍というところでございまして、比較的安定しているということが言えようかと思います。ただ、それにしても石炭の方もこの5年ぐらいのタームで見ますとやはり価格が上がっているということは紛うこともない事実でございます。
 7ページをご覧いただきたいと思います。これは国際的な資源獲得競争の激化の中で、石炭の安定供給のために政府間の対話を通じた国際市場環境の整備の促進であるとか、上流開発投資を促進するとか、供給多様化のためのプロジェクトを支援する。さらには技術開発・普及の促進といったことをさまざまな形で進めているところでございまして、石炭についても新たなプロジェクトもたくさんあるわけでございます。例えば、昨年行われた愛・地球博でマンモスの標本を提供したサハという国を覚えておられると思います。このサハで石炭が非常に採れるということで、つい先日、ロシアに官民合同のミッションということで石炭開発を本格的にスタートするといったことも進めているところでございます。
 8ページに石炭のCO 排出のデータを載せてみました。CO 排出が多いことは事実でございまして、石炭を1とすると石油は0.8ぐらい、LNGは0.6以下ということで、どうしても石炭はCO の排出が多いというデメリットを有しておるわけでございます。そういう中で9ページでございます。クリーン・コール・テクノロジーというのを私どもは推進しておるわけでございまして、これは石炭をいかにきれいに使っていくかということでございます。そのために、9ページの右の上のところをご覧いただきたいと思います。石炭ガス化複合発電(IGCC)というのをつけてございます。これは従来の石炭火力の送電炭の発電効率で38%から40%ぐらいですが、IGCCでございますと48%ぐらいまで到達するという状況でございます。これは今、電力会社が協力いたしまして、いわき市の勿来発電所でこうしたものも造っているわけでございます。さらにこのIGCCに燃料電池を組み合わせましてIGFCというものを開発しておりまして、そこまでいきますと発電効率は55%ということで、相当なレベルに上がってくるわけでございます。このクリーン・コール・テクノロジーにつきましては、同じような構想をアメリカでも言い始めました。私どもは1980年ごろからやっておりますのでもう25年ぐらいやっておるわけですが、アメリカでも2003年2月でございますから、ちょうど3年ぐらい前でしょうか、ブッシュ政権でFuture Genという名前で石炭のガス化技術、さらには水素製造技術といったことを重点的にやろうという動きが出てきたわけでございますが、日本のほうが20年ぐらい早いという現実もございます。
 10ページには石炭のガス化の一つの例ということで、電源開発若松研究所の写真をつけておきました。
 11ページに二酸化炭素排出量削減の効果ということでございます。今私が申し上げましたように、このグラフを見ていただきますと従前の石炭の火力に比べまして、この赤いIGCC、さらにはIGFCということになると相当なCO 削減効果が見込まれるわけでございまして、さすがにLNGのコンバイド・サイクルには達しませんが、従前の石油火力よりも勝るとも劣らないような数字のところまでは石炭もできるわけでございまして、石炭もいかにきれいにつかっていくかということが非常に重要なテーマでございます。
 12ページ、ちょっとページが見えにくくて恐縮でございますが、石炭の液化技術ということでございます。これは中国とかインドネシアといった国々との協力を進めながら、こういう形で石油依存度の低減、燃料の多様化ということで石炭を中質油や軽質油に変えていくというようなことの研究開発も今、進めているところでございます。
 13ページをご覧いただきまして、石炭の各国の利用効率であります。これは折れ線グラフで変化がつけてございますが、我が国は今、同じ電力を生産するために石炭が幾ら必要かということでございまして、1GWh当たりの石炭消費量ということで計算をしてございます。日本は1番でございます。先進国の中でも1番でございますし、中国やインドといった緑とか丸いグラフを見ますと、これから改善の余地が大いにあるということが一目瞭然でございます。
 14ページには、石炭の場合にCO と並んで大きな問題となりますSOxやNOxといった点についても示してみました。これも最新時点のグラフでございますが、日本の平均値でも硫黄酸化物、窒素酸化物ともに世界の中でも断突にいいものであることがおわかりいただけますし、これは磯子の電源開発石炭火力発電所の実例でございますけれども、最新型のものではさらにそれを上回るようなNOx、SOxの排出量を抑えたものができるわけでございます。
 最後に15ページでございますが、アジア各国でのクリーン・コール・テクノロジーの協力ということで、モデル事業をやっております。中国が一番多いのでございますが、それに加えまして、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナムといったところでもクリーン・コール・テクノロジーのモデル事業を実施しておりますし、さらにはクリーン・コール・テクノロジー移転のための研修セミナーといったことを1996年以降、多くの国で多くの研修生を受け入れながら実施しているところでございます。石炭はややもするとCO をたくさん出すということをよく言われるわけでございます。石油、天然ガス、原子力などと並んで石炭も非常に大きなポーションを持っておるわけでございまして、IEAのデータでも先ほど見ていただいたような状況でございますので、これからもしっかりと3番、4番、5番のクリーンアップを打ち続けたいと思いながら石炭対策もしっかりと対応していきたいということでご説明をさせていただきます。ありがとうございました。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 引き続きまして、資料3、資料4につきまして総合政策課長のほうからよろしくお願いします。
立岡課長
 それでは、両部長からの説明に関連する論点として資料3、資料4につきましてご説明を申し上げたいと思います。
 資料3は基本的に冒頭ございましたようにエネルギーと環境の両立、これを2010年を越えて長期にわたって達成していくということが当然求められるわけでございますが、その際、環境面の制約に対してエネルギー政策から今どういうアプローチをしようとしているのかについての考え方をご説明したものでございます。
 1ページをお開きいただきますと、これは皆様ご案内のとおり、現在、地球環境問題をめぐる動きが国連で続いているわけでございますが、京都議定書の後に向けたプロセスというのが枠囲いの3つ目の・に(1)から(3)がございますけれども、既に次の約束期間に向かった先進国の削減量の検討、あるいは全体の見直し、さらには協力のための対話といったような議論が開始されたところでございます。
 ただ他方、実態といたしましては、例えば下の図2をご覧いただきますと、現在、付属書Iで義務を負っている国による二酸化炭素排出量が世界全体の3分の1ですが、2050年ごろにはこれが5分の1に下がっていくという推計もあるわけでございます。こういう中で今後、議論をどう進めていくかということが、まず環境サイドでは議論があるわけでございます。他方、2ページ目でございますが、これと平行いたしまして、ある意味ではエネルギーという観点からのアプローチとして幾つかの取組が始まっております。黄色の枠囲いの2つ目にございますように、もう皆様ご案内のとおり昨年のグレンイーグルズ・サミットでは気候変動問題をエネルギー政策と一体的に検討するということが確認されて、ある意味でセクター別のエネルギー効率の向上に取り組んでいくというような考え方で作業が始まったところでございます。
 具体的には、その取組をするための作業がIEAに用意されておりまして、現在そこでは(1)から(3)にございますように、ある意味では物差しといいますか、そういう取組を図っていくための一つの手段といったようなものが現在、作成されておりまして、こういった取組成果が計画では2008年、日本で開催されますサミットにて報告される予定でございます。
 さらに、平行いたしまして、枠囲いの3つ目の・にございますようにアジア太平洋パートナーシップ(APP)ということで、そこに書いてあります6か国がある意味ではクリーンで効率的な技術の開発・普及・移転といったものを地域で協力していこうという取組も始まっているところでございます。ある意味ではサミットプロセスでできた成果としてある種の物差しを作り、それを実践していく場としてAPPでの取組が始まったところでございます。
 3ページ目はそれをもう少し定量的に解説したものでございますが、まさに中長期的に環境と経済を両立させるということで、黄色の枠囲いの大きな黒丸が3つございますように、視点としては中長期をにらむ必要があるということ、それから途上国も含めた世界全体が取り組める枠組みでなければならないということ、それから日本にとってみれば我が国の強みでありますところのエネルギー関連技術を活かした対応をしていくという大原則がまずあるわけでございます。それを実現していくための手段として、下の1.2.にございますようにある種の指標基準を整備していくということと、それを実際使う場として、例えばAPP、あるいはそれ以外の2国間協力といったような場でそれを実践していきながら実績をつくっていき、ある意味ではこういうアプローチをとっていくことが、世界のほとんどの国にとって持続可能であり、かつ自国の利益にもなるといったような環境を醸成していくことが肝要ではないかという考え方に立っているものでございます。
 4ページ目以降はそれぞれの参考資料でございますが、4ページ目の一つのポイントは、図1にございますように2100年ぐらいまでを推計いたしますと、90年レベルの技術レベルではなかなか達成できないものが、ある程度の技術進歩によって削減ポテンシャルが出ますけれども、さらにもう一段のギャップがあるというようなことでございます。
 さらに5ページ目では、セクター別アプローチという、現在、サミットプロセスなりAPPでとろうとしているアプローチの意義がまとめてございます。例えばAPPで対象にいたしました6つのセクターの(1)でございますが、発電、鉄、セメント、自動車、電気等々をとってみると、CO 排出量の6割ぐらいがカバーされるということでございます。少ないセクターをターゲットにして、多くのカバーレンジがあるというポテンシャルが大きいセクターではないかと思います。加えて個別セクターに着目して対象にするということで、ある意味では技術移転が進んでいくという環境整備が図られますし、また(3)にございますようにボトムアップ型で設定ができますので、ある意味では世界の中で衡平感があるということも言えようかと思います。同時にセクターでとらえますことによりまして、例えば国によって目標設定が違いますと、生産活動の移転が起こって地球のためにならないという現象が起こりますが、このアプローチはそれも回避できるということも言えようかと思っております。こういう考え方で今現在、中長期をにらんでエネルギー政策も国内のみならず国際的なアプローチを展開していくべく各方面と議論をしているという状況のご紹介でございます。
 引き続きまして資料4でございますが、これもある種、各論点に関する共通横断事項でございます。エネルギー分野におきます技術戦略というものをこれから作ってまいりたいと思っていますが、それについての考え方をまとめたものでございます。
 お開きいただきまして2ページでございますが、エネルギー分野における技術戦略を作っていく狙いをここで4つ掲げてございます。まず何よりも中長期にわたって軸がぶれないというような枠組みを確保するということ。そして同時に次世代にどういうものが有望か、もちろんこれは決め打ちはできませんが、幾つかのオプションを含め可能性が高いものを可視化することによりまして、その分野に取り組んでいくということに対して、民間の技術開発なり投資というものに対してエンカレッジする効果があるのではないかと思います。その次でございますが、(3)にございますようにそういったことを可視化することによりまして、エネルギー分野における幾つかの課題に対する学生を含めた人材の確保にもつながってまいりますし、また(4)でございますが、政府の中におきましては、そういう目標をシナリオで管理することによりまして、資源配分のマネジメントもより効率的にできるというような効果もあろうかと思います。
 次の3ページでございますが、それを課題ごとにブレークダウンしたものでございます。3ページの上の方には3月にまとめました新・国家エネルギー戦略中間とりまとめの5つの目標が右側に書いてございます。この数値目標を達成していくための分野ごとの技術の課題としてどういうものがあるだろうかというものをピンク色のところで整理してございます。(i)はある意味では省エネの世界でございますが、産業部門におきましては製造プロセスの抜本的革新、民生分野でありますればIT技術の利活用、運輸部門では輸送機器の効率化、さらには内燃機関の様々な開発、それから右にいきまして運輸部門におきましてはバイオ由来燃料の活用、GTL、さらには燃料側だけではなく車側におきましても様々な開発ということも当然、課題に上っているわけでございます。
 4ページ目では、先ほどと重複いたしますが、再生可能エネルギーの分野におきましては、やはり太陽電池と太陽光発電といったものに関する素材技術開発、それからある意味では電力を貯蔵する電池技術というものが将来に向けては、運輸部門におきましても、あるいは電力セクターにおきましても大きくパラダイムを変える可能性を持っていまして、こういったことも非常に重要な課題だと思っております。
 それからその下では化石燃料の安定確保とクリーン・有効活用ということで、燃料を確保するためのGTLあるいはメタンハイドレード、さらに非在来型石油資源の開発技術に加えまして、今ある石油の有効利用、クリーンコール等々がございます。
 それから右側にまいりまして原子力、これは次世代軽水炉、そして核燃料サイクル、さらにはその先のFBRサイクル、それから廃棄物対策等々がございまして、こういったところが大きな課題としてあるわけでございます。
 他方、これは一応、2030年ぐらいを見たものでございますが、次のページには私どもの内部の勉強のような形で2100年のある種、超長期の技術ビジョンということを描いてみる作業をいたしました。当然、100年後になりますと相当不確実性が高うございますので、一点決め打ちのような整理はできないわけでございますが、真ん中の三角形にございますように100年後ぐらいの世界を考えますと、大きく言うと3つのオプションがございます。つまりケースAで書いてございますように資源量が豊富な、例えば石炭を徹底的に使って、ただし炭素を回収して隔離するというアプローチ、それからBにございますように原子力を徹底的にやるというアプローチ、それからケースCにありますようにエネルギー消費を極限まで落とした上で省エネを進めた上で、他方で再生可能エネルギーの効率も上げて、ある意味では自立化した形でエネルギーを生み、エネルギーを小さく使っていくといったようなアプローチが3つあるわけでございます。結論は当然、この中の1つということではないわけでございます。この組み合わせになると思いますが、仮に技術のチャレンジということで、どれか1つでその目標を達成するということを考えた場合に、ここでは右側で将来の想定でかなり大胆な前提を置いてございますけれども、その前提の下、何が技術課題になるかということを描いたのが右側のピンクのところでございます。例えばエネルギー効率については、2030年からさらに7割効率改善が要る。あるいは運輸部門においては、ほとんど電気自動車、あるいは燃料自動車になることが必要となる。あるいは原子力で言いますと、FBRサイクルがもう大幅に導入されているという状況。さらに化石燃料で申し上げれば、小規模需要は、現場ではCO 回収はできませんので、そういう小規模需要では基本的には電気化あるいは水素化が起こった上で、転換部門、産業部門では化石燃料を利用する際CO を回収するといったようなことが挙げられております。これはやや先の話でございますが、先々こういうものをにらみながら2030年を考える必要があるだろうと思っております。
 それで、その次の6ページ目以降は基本的に記述に関するシナリオといいますか、ロードマップをつくっていくところのイメージでございます。今後、私どもとしてはこういう形で分野ごとに各技術課題というものを時間軸展開で置いた上で、さらにそれぞれの技術課題につきまして可能な限り数値的な目標も置いた上でシナリオを書いていきたいと思っております。詳細は説明申し上げませんが、6ページ、7ページは基本的に省エネの関連ということで、産業、民生、運輸、さらには横断事項とございますし、8ページ目以降では運輸部門の燃料多様化ということで、それに必要なインフラ側あるいは車両側、燃料側の技術でございます。9ページ目では、再生可能エネルギーで先ほど申し上げました太陽電池なり電池技術といったものの課題、さらに10ページでは原子力、11ページ目では化石燃料関係ということでございます。今後、この総合部会の議論あるいは新・国家エネルギー戦略のまとめを受けまして、こういった技術のシナリオを設定された課題に対してつくっていくことを考えていきたいと思っております。
 12ページ目には、技術戦略策定後の動かし方を記載してございます。当然ながら不確実性があるセクターでございますので、ある種、定期的なローリングをし、当然、その過程でPDCAを回していくということでございますし、単に技術を開発するだけではなくて、それの裏側では例えばインフラの整備、あるいは規制の見直しといったことも必要でございますので、そういったものとあわせて進めていくということが実施に際しての留意事項ではないかと思っております。
 それから資料4の参考でつけておりますのは、ここで挙げました重要技術につきましての若干の解説を行っておりますが、これは後ほどお手すきのときにご覧いただきたいと思います。詳細のご説明は省略させていただきます。
 以上でございます。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは資料1から資料4まででございますが、何かご質問なりご質疑をいただきたいと思います。また例によってご発言のときにはプレートを立てていただければと思います。どなたからでもいかがでしょうか。それでは、柴田委員どうぞ。
柴田委員
 各政策分野のご説明をお伺いいたしましたが、多岐にわたる政策項目につきまして非常に的確に課題を抽出されており、しかも目標あるいは時間軸の設定をされているということがよく理解できて大変よかったと思っております。立岡さんが資料4でエネルギー技術戦略策定のねらいということをご説明された中で、やはり資源に乏しい我が国が持続的発展を達成するためには、革新的なエネルギー技術の開発、導入、普及が不可欠という説明をされたわけですが、経団連の中の議論でもこの技術戦略が最も重要だという意見が非常に強かったわけでございます。大変意を強くいたしておるところでございます。
 経団連での議論につきまして、昨年12月のキックオフの会合に小平長官にお越しいただきまして、その後、半年間にわたりまして議論を重ねてまいりました。途中で内藤委員にもお越しいただきましたし、やっと先週の月曜日、8日の経団連会長副会長会議で提言のとりまとめを終えまして、9日に公表したところでございます。事務局でございます資源エネルギー庁にお願いをいたしまして、皆様のお手元にも「わが国を支えるエネルギー戦略の確立に向けて」と題した提言本文と概要を1枚にまとめたものをそれぞれお配りさせていただきました。概要をごらんになるとおわかりになると思いますが、提言ではこの総合部会で議論が出ているように原油価格の高騰であるとか、あるいは資源獲得の政治性の高まりとか、環境問題とのかかわりなどの点から、現在がエネルギー情勢の大きな構造転換期にあるという認識に立ちまして、我が国でも新たなエネルギー戦略の確立が急務であるということを指摘しておりますし、今日のご説明と全く同じでございます。その上で、これまで以上にエネルギー安全保障の強化が重要ということで、基本的な考え方といたしまして、政治のリーダーシップ、官民の明確な役割分担のもとでの連携、エネルギーのベストミックスの追求という3つを掲げております。各論につきまして一々個別の説明はいたしませんが、エネルギー基本計画の見直しに当たりまして、産業界の意見ということでお受けとめいただければありがたいと思います。
 なお、技術戦略について一言意見を申し述べたいと思いますが、経団連の提言の中でも日本の進んだエネルギー、環境技術がこういったエネルギー需給の逼迫あるいは環境問題の解決のために不可欠であるのみではなくて、戦略的な資源・エネルギー外交を展開する上での非常に重要なバーゲニングパワーだと指摘をいたしております。本日のご説明の中でも、ページ2では「各国に先んじて次世代型のエネルギー利用社会の構築に取り組む」という表現で、また課題の抽出に関するページ4でも「アジア協力国際貢献に関してのエネルギー関連技術の活用」という表現で、日本がやはりこの問題ではリーダー的な役割を務めると述べておられますし、基本計画に織り込む際には我が国だけでなくて世界のためにもこういう問題が重要であり、かつまた我が国にとっても戦略的な資源であるという観点を強調していただきたいと考えております。
 もう1点だけ述べさせていただきますが、技術開発を実際に製造業の立場でやってまいりますと、こういう技術開発から実際に応用といいますか、そこへ越えていかなければいけないデスバレー、いわゆる死の谷と言われておりますそういう問題の克服について、それぞれの会社だけではなくて、やはり官民で合同して取り組みということを強く期待をいたしておりますし、基礎研究から実用化、事業化に向けていくために、市場整備といったような意味で政府の役割といたしまして、例えば初期需要の形成であるとか、市場環境の整備といった点を経団連の提言の中でも述べております。今日のご説明資料のねらいのページの中で、革新的なエネルギー技術の開発、導入・普及と2つを並べてそれぞれが不可欠だと書いておられますので、非常に当を得たものだと考えております。
 要するに私の言いたい点は、この死の谷の問題を克服するための導入・普及の施策の重要性を強調していただきたいということでございます。
 以上でございます。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 ほかにご質問・ご議論ありますでしょうか。では、和気委員、どうぞ。
和気委員
 資料3と資料4に関連して、若干コメントさせていだたきます。地球観測サミットにおける国際合意を受けて、現在文科省を主管として地球観測体制をめぐる各国間の議論が展開されており、その国内委員会に私自身も関わらせていただいております。国際的に合意された観測ニーズ(15項目)の中の一つにエネルギー・資源に関する観測・探査があげられております。GEO(Global Earth Observation)戦略のもとで、日本もその重要なプレーヤーとして携わるわけです。その主たる目的は災害予防、あるいは気象変動に関する観測ですが、エネルギー・資源に関する観測・探査も重要な項目になっております。エネルギー・資源に関する観測は、前者2つの目的に比べますと、極めて領土・領海などを含めて国家主権にかかわることなので、国際協調の範囲などにおいて微妙な観測テーマではあると思います。とはいえ、超長期、たとえば100年先を見通したときに世界のGDPが10倍になれば、単純に世界全体のエネルギー効率を所与とすれば、エネルギー・資源は100年後に10倍の供給力がなければならないことになります。最上流でのエネルギー・資源問題を考えれば、一層、新しい資源探査・開発が世界レベルで重要になってまいります。こうした課題に日本が国家としてどのようにコミットするかというところも表明しておくことが重要ではないかと思います。この地球観測はいうまでもなく科学的な研究活動が中心であり、あまり国家利権とかに絡まない性格のものが中心であると思います。もちろんどのように関与するか難しいところもあるとは思いますが、このエネルギー戦略における最上流の戦略として、このようなGEOの地球観測体制とそれへの日本のコミットメントについて、盛り込んでいただいたほうが良いと思います。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 ほかにご意見ございますか。それでは、内藤委員どうぞ。
内藤委員
 感想だけを申し上げたいと思います。
 まず省エネルギー・新エネルギー政策についてのペーパーでありますが、この中で省エネルギー政策の中でタイムスパンをどう見ているのかと。地球環境ということであれば、2050年なり2100年なりというタイムスパンを言うのであれば、都市再構築というのを基本的に検討すべきではないかと。それで、今言われるような大型店舗の扱いのような問題意識ではなくて、生活者の立場に立って、快適でかつ省エネルギーになる都市再構築というのはどうあるべきかというのが少子化、日本の地域の変化ということが多い中で、50年というタイムスパンで見た場合には非常に重要な要素ではないかと。したがって、国交省とほんとうにそういうことを議論するという資格も必要じゃないかというのが感想であります。
 それから2番目に、新エネルギーについて、バイオフューエルについてでありますが、これもぜひ体系的なことを考えていただきたいと。それでご案内のとおり2つ申し上げたいわけですが、一つはサプライチェーン全体の中でどうなっているかということを検討していただきたいと。サプライチェーンということから言うと、プラズムを中心としたジェネティックスの段階、それからバイオテクノロジーの段階、プロセスの段階、ケミストリーの段階、エンジニアリングの段階、フューエル・リファイニングの問題というところに分けていかれますが、現実には世界的に非常な進展があります。例えばジェネティックス、バイオテクノロジーという点で言いますと、実はモンサト等を始めるとする中で、第2番目、第3番目のデュポン、シンジェンターが実態的に合弁会社をつくることを発表いたしましたし、そのさらなる集約ということが真剣に議論されているという中で、いかにGMOを安く大量生産するか。しかもその中でセルロースを中心としてやるかというふうなところが非常な議論体系の進歩があります。
 それからプロセス、ケミストリー以降の段階では、来月発表になりますが、大論議が共同作業を含めて石油会社との問題、あるいは例えばアメリカのDOEの4000万ドルの研究開発をもとにして、ミシガン大学だとか、あるいはリニューアブル・ナショナルラボラトリーであるとか、あるいはベンチャービジネスであるとか、そういうところが合致してやっておって、それがまさに今、ブッシュがオープンに言っておる裏の対策であります。
 したがって、そういう種類の動きというのをもう少し、例えばブラジルだけでは頼りにならないと言うけれども、ブラジルに最も苗等のプラズム提供をしておるのは例えばデュポンであります。それで、その子会社のパイオニアという世界一の大会社を通じてやっておると。したがって、それが例えば中国についてどう考えているか等々、体系的に考えてみれば非常に安定的なものになる可能性があるし、経済性も安くなる可能性があると。
 そういう中で、例えばバイオ・ディーゼルにつきましても、ヨーロッパからこういう販売を始めるという販売計画が出てきているわけです。したがって、何か非常にブラジルだけに頼るのは危険というふうなことでピリオドにならないような、世界中で先端企業が進んでいる状況などもご検討いただきたい。
 それから、ここの資料では出ていませんが、例えば中国というのをとると、ご案内のとおり1980年から3段階で進んでおります。それで現段階は中国のガソリンの50%消費地域においてはE20がもう既に採用されております。したがって、日本のE3というのを比べて、もうそれが実行されていると。その中で三農対策との関係の中での在庫の有効活用ということで、それらの議論を全部共通しますと、世界的に食とエネルギーの共存をやるという中でセルロースの活用というところに焦点が当たり、食は十分に確保するという中で、世界で自動車燃料の3割は確保できるというのが今のゴールでありますので、もう少し世界の動きを深めていただいたほうがいいのかという気がします。
 それから次の資料、石炭のクリーン利用について。これについても石炭にもう少し本腰を入れた対応が日本では必要ではないかと。日本での有効利用が炭素隔離貯蔵の場所がないということで限定的ではありますが、世界を見るとこれが最も中心ということで、前に申し上げましたとおりIEAのマンディルと議論しておりましたら、21世紀は石炭の世紀だというのが我々の共同認識であるということで、前も申し上げました第二次大戦の終わりのときの燃料供給という点で言えば、航空機用燃料は92%が石炭と。船の燃料の50%が石炭というその技術が南ア等でなお残っておるという中で、発展途上国への協力も含めて石炭にもう少し日本でも腰を据えてみる必要があるのではないかと。炭労トラウマが残り過ぎているというのが私の思いであります。
 それから3番目に国際的なところについては、私はここに書いてあることは賛成なのですが、要するにポスト共闘を目指していかなる段階でほんとうに日本が中核になるようなコンセプトをつくるかというところにぜひ全力を投入していただきたいと。コンセプトで支配するというのが前にも申し上げましたように金融マフィアの80年代半ば、2000年以降の会計マフィアが握るというところでありますから、コンセプトづくりというところをもっと全政府を挙げて真剣に考えるということをお願いしたいと思います。
 それから技術戦略についてでありますが、この将来から現在を見直すという図についてはある程度、俯瞰するので非常におもしろいと思います。ところがもう一つ、現在から将来を見詰めるというところについての詰めをさらにもう少しやっていただいたらいいのではないかと。例えばトータル目標の中で石油の依存度を10%減らすということになっておりますが、それはそれとして、ではその代替を何にするかというところの前向きのほうに当ててほしいということを前に申し上げましたけれども、たまたま石油について言えば、イージーオイルがもう時期を迎えたといいますが、ご案内のとおり現在までの既存油井の回収率は平均すれば35%程度であり、最新のもので50%という中で、我々は企業の中でいろんな議論をしておりますのは、2008年から2009年には回収率を80%に上げるということで、あとの寿命が短くなりますけれども、その現実の可能性が非常に高まっております。それからR3Mのような新たな探査技術についての開発もあれだけ進んでいるというふうなことで、何を申し上げたいかというと、現在から将来を見詰めるというときの技術の進行状況を世界的レベルにおいて一度、徹底的に改めて集められて検討されるというのが有意義ではないかという思いであります。
 それから、先ほどお話がございましたが、研究開発における国の支援の重要性というのは全く賛成でありまして、そのときにやはり骨太の国の戦略がどんとあるということで、何でも研究開発は光合成ということではなくて、基本技術のところのラインには触れないで、政府で推進するというフランスで議論を我々はしておりますと、フランスのその骨太さというのをしみじみ感じますので、そういういいところは学んでほしいと思うわけであります。
 以上、コメントでございます。
黒田部会長
 ありがとうございました。
 それでは橋本委員、どうぞ。
橋本委員
 大変ありがとうございます。まず今、お話がございましたように都市といいますか、省エネ社会というものを交通システムなどの形成によって省エネ型の都市、交通システムなどを形成していくということは大変すばらしいということで、今のご意見に全く賛成で、国土構造をどうするかということについて、省エネ的な国土構造を作るための高速道路の整備なども含めてやっていくべきだということが一つあるわけですが、そういったことに加えて、先ほどもいろいろ連携が大事だというお話がございました。例えば国土交通省では今、2地域居住といって、今、100万人が居住しているのが2030年には1,080万人に増やそうとしている。これはまた猛烈なエネルギー消費にもつながってくるわけであります。片一方では林野庁は一生懸命間伐を進めておる。ところが、その間伐材をうまく利用し切れないために困っている。こういったことも含めて、各省間の連携というものをしっかりやっていただければ、例えばうちの県でもバイオマス発電というものが最近、大分盛んになってきておりまして、1カ所は4万1,000キロワットで、1カ所は間もなくスタートしますが、2万3,000キロワット、このような規模になってくると、ある程度の電力の供給源としても役に立ってくるだろうと思っておりまして、そういうことなども、うちがなんでこんな間伐が盛んになってきているか。あるいは間伐材から出た廃材の利用というものが今ものすごい勢いで全国から集められて進められようとしているわけでありますが、そういったことも含めてこれからの、うちの県の場合は中国木材というのが立地したものですから、急に進みそうな面があるわけですけれども、そういうトータルな対策というものが私はぜひ必要ではなかろうかと思っております。
 それから、最初の資料の5ページを見ておりますと技術開発、あるいはほかのページでもエネルギー効率化といったようなことが盛んに書いてあるのですが、先ほどのトータルな国土構造の形成という面から見ると、少し規模は小さくなりますけれども、実はコマツがうちに立地してくれております。そのコマツさんの話を聞いておりますと、部品をどうしていたかというと、大阪の枚方でつくって、栃木の真岡へ持ってきているのです。それを毎日運んでいるというのです。ですから、これはもうどう考えたって会社の企業経営上だって問題があるし、あるいはまたエネルギーの面だって問題がある。我々消費者のことをもっともっとケアしなくちゃいかんということが盛んに言われておりますが、そういった点でもうちょっと産業界その他においても、国土構造そのものも大事でありますけれども、また立地の仕方その他も考えていかれる必要があるのではないかということを感じました。
 そして、例えばコンビニ一つをとってみても、まだ食べられるようなものをどんどん極めて短い期間で回転させて、それを売りにしている。こういったことも将来、ほんとうにエネルギーというものの重要性を考えた場合に、果たして今のままでいいのだろうかということになりますし、例えばいつも部品を自分のところに保管していないということも、これもまた年中どこかが部品を保管していて、年中運んでいるわけですから、いろいろな意味でそれは道路交通の混雑だってあるでしょうし、エネルギーという面だって問題があるだろうと思っております。そういったことで消費者に対する啓発ということももちろん大切でありますが、そういう国全体としての取り組みという面ではこの技術開発あるいは効率化といったものの前の問題があるのかという感じを持ったところであります。
 それからもう一つは新エネルギーの関係で、今、太陽光はドイツに抜かれたみたいでありますが、ぜひこれについてはもっともっと進めていただきたいと思っておりまして、今、NEDOでメガワットクラスの大きなものの募集をしております。うちでも手を挙げておりますが、ぜひそういったことも含めて、これまでの家庭向けだけではなくて、もうちょっと大規模な利用ができるところでということについても、ぜひ支援策を講じていただいて、導入に向けての動きというものを強めていただけたらありがたいと思っております。
 またバイオマスのエタノールのところですが、これもサトウキビを作ったりとか、いろいろな実験がされているようでありますけれども、これは日本の場合にどれだけサトウキビができるかどうかといった問題もありますし、E3かどうかということも別にしまして、海外から入れるかどうかは別にして、ある程度の研究ということはいいと思いますが、私はそれ以上にまだいろいろバイオマス関係は先ほどの発電などの面も含めてやれることはたくさんあるだろうと思っておりまして、研究も進めていただくと同時に、ほかの面での支援策、例えば間伐をした場合にどうかということについて言えば、経済産業省では出しにくいかもしれない。しかし、林野庁だったら補助金は出しやすいのです。間伐ということは、国土の保全をする上で大変大事な貴重な事業でありますから、そういう点でこの国土の推移、あるいは経済産業省、そういったところがもうちょっと連携をする形で国全体をどういうふうな形に持っていけばエネルギー対策上も非常に効果があるのかということを用意していただければ大変ありがたいと思っております。
 以上です。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、寺島委員どうぞ。
寺島委員
 では、1点だけ発言させていただきます。
 私は今度の新・国家エネルギー戦略では、今までにないポイントは何だというと、やはり東アジア連携だと思います。つまり一つの国の中で自己完結したということではなくて、アジア連携の中でエネルギー問題を視界に入れていこうというところが大変重要だと思っているわけです。実は先週、青山の国連大学で日中の産学官のシンポジウムが行われまして、そこでもまさにそのことが議論になったわけです。中国が第11次5か年計画を出していると、この中にも先ほど説明に出ていました。5年間に年平均7.5%のGDP成長率を想定しながら、このエネルギーの原単位を毎年4%以上削減するというのです。まさにそんなことが理論的に可能なのかという話なのですが、首を傾げるような話なのだけれども、日本のエネルギーの利用効率に比べて8分の1から9分の1という現状が出てきています。だから、絞れば絞れるタオルじゃないけれども、エネルギーの利用効率が相当悪い。それが環境問題にまで重大なインパクトを与えてきていると。日本が今後、中国と向き合うときに、省エネと環境の技術というのはいろいろな意味でものすごい戦略的な武器だろうと思います。
 そういう中で、ここでアジアのエネルギー協力関係についてAPPの話がご紹介されています。アジア太平洋パートナーシップ、この延長線上に展開していけば一番いいわけですが、私が申し上げたいのは協力のシステムとしての制度設計ないしは予算措置、より強く明確に描き出す必要があるのではないのかということだけ発言しておきたいのです。というのは、例えば外務省の関連にかかわってきますが、ODAなんかも対中ODAは圧縮だという流れが見えてはいますが、環境と省エネルギーに関しては別だと思います。より戦略的に踏み込んでいって、むしろ日本のようなスペックなり基準なりでもって引っ張っていく必要があるというか、そういう深慮遠謀からしてもODA戦略とこのエネルギー協力とをかみ合わせていく必要がある。
 それから科学技術のほうのR&Dも、日本のR&Dはアメリカの国家全体でのR&Dの半分が政府の予算であるのに対して、民間の比重が圧倒的に多いわけです。そこで先ほども経団連の議論からも柴田さんが言われていましたが、官民でどういう連携、線引きをしながら全体としての成果を上げていくのかということに対しては、ものすごく戦略的な視点が必要になってきていると思うのです。だからそういう意味合いにおいて、特にアジアのエネルギー協力機構のようなものを構想して、例えば共同備蓄型の構想というのはエネルギー安全保障のほうからは提言しているのですが、石油の共同備蓄みたいなアイデアから原子力の協力まで視界に入れて、新エネ・省エネも組み入れた総合的なエネルギーのアジアの協力機構みたいなものをどんどん構想していくような局面に来ているのではないかという気がしてしようがないので、そういう発言をしておきたいと思います。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは橘川委員、岡村委員、河野委員の順でよろしくお願いします。
橘川委員
 すみません。授業の関係で10分ほど遅れまして申しわけありませんでした。
 お話を聞いていますと個々の論点はもういずれももっともで、このとおりやっていただければ最高だと思うのですが、そのために予算措置がどれぐらい要るだろうかと累計して足していくと、とても実現不可能な額になってしまうのではないかというような気がします。
 それから、2030年を超えて今日は2100年という話も出てきましたが、その間、軸のぶれない戦略をずっと一貫して維持するというのだけれども、それを担保するのは一体どういう仕組みなのだろうかと考えると、エネ庁はあるかもしれませんが、みんな何年かに1回変わってしまいますし、審議会のメンバーも大体10年くらいで舞台から去っていくというようなことを考えますと、この仕組みをどうやって担保するのかというのも難しいところがあるのではないかと思います。そうすると、私は思いますに、やはりこれを達成していくのは強い企業の力がないとだめで、現存の企業のどこかに支援を集中するという意味ではないのですが、こういう国民的課題をクリアして、しかももうかるような仕組みを思いついた企業に戦略的な支援が集中するという仕組みが唯一今日やられているようなことを実際に実現していく道なのではないか。そういうことを考えると、そういう企業はどうして生まれるのか考えれば、多分、国際競争にさらされていなければいけないと思いますので、ここの見解、議論を聞いているとエネルギー戦略で国がもう一度前に出てくるというところで、自由化なんかを少しストップ気味に抑えて国が出てくる。それが官民の新しい線引きだというような感じがありますが、そうではなくて、私はもっと自由化を進めて、企業を国際競争にさらして、その強い企業に対して国が支援していくという上向きといいますか、高いレベルの均衡をねらっていかないと、この仕組みはワークしないのではないかと、そういうふうに思います。
 ですから、やはりすべては企業がもうかる仕組みとしてどうなっているのかという観点から一つ一つのチェックが重要で、今、寺島さんが言われた省エネと環境で中国を巻き込んでいくという戦略は大賛成なのですが、その過程で何か日本からだけ持ち出しになってしまうようにならないようにする。日本の企業がちゃんともうかるような仕組みをバックにつけるというような知恵が重要なのではないかと思います。
 以上です。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、岡村委員どうぞ。
岡村委員
 はい、ありがとうございます。今、寺島さん、橘川さんから出たお話にはまことに賛成で、ぜひ推進していただきたいという観点からも一言補足させていただきます。
 省エネと環境を日本の強みとして東アジアに共同体を形成していく中で、非常に大きな道具として使っていっていただけるのではないかと思います。お話のあったAPPあるいはアジア版のIEA、そんな形でエネルギー問題を特別に取り出した進め方というのも一つの方法だと思いますが、片方で今、二国間EPAから多国間EPA、対ASEANのEPAをやろうとしている動きがあります。この時一つ問題になるのがやはり中国との関係ということになるわけで、日本がリーダーシップをとってこの東アジアEPAをまとめていこうとするためには、東アジア全体としての共通の環境問題、省エネ問題、エネルギー問題というのをクローズアップさせて交渉すべきではないかと思います。経産省からご提案がある東アジア共同体構想の大きな柱の中にこのエネルギー問題、環境問題を取り上げて推進していただくという方法論もあるのではないかということで提案をさせていただきたいと思います。
 それからもう1点、省エネのインセンティブに関して冒頭ご説明があったのですが、民のほうが省エネのインセンティブが少なくてなかなか立ち行かないというお話がありました。この辺は後ほど教育の問題、あるいは広報の問題でご提案があると伺っていますので、そちらのほうにお任せしたいと思いますが、基本的には民の省エネというのはいわゆる一つの経済的なインセンティブというよりはむしろモラルまで高めないとこれは成功しないだろうと思います。これは別にお金をもらったから街がきれいになったわけでは決してないわけです。そういう意味で教育の価値、重要性というのは非常に高いと思いますのでぜひお願いしたい。
 それから民側もインセンティブという意味で、何ページでしたか、8ページほどにありますこの省エネ投資自体が市場から評価されるような事業評価基盤を作成するということがありました。これは企業にとっては大変インセンティブになると思います。したがって、早急にその辺のインデックスをそろえていただいて、企業の省エネに対する貢献度が事業価値として評価されるという世界に早くなってほしいという気もしますし、我々もその努力をしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上です。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、河野委員どうぞ。
河野委員
 物事というのはタイミングがきわめて重要で、世界的なエネルギー需要の変化、中国、インド、新興国の台頭ということを全部含めて、急遽、経産省は戦略論構築を展開する意欲に燃え、相当程度でき上がりつつあるわけです。それで、たまたま今日は経団連からのご報告もあったけれども、同友会のほうも聞いたことがあって、今、一斉におそらくこれだけ官と民の間でお互いに影響し合うような形で議論がとにかく集約されつつあるいう事態は実に珍しい。何年ぶりかと思っているぐらいの話で、経団連も同友会もかなり真剣になっていると思うのです。
 私は何がタイミングが重要かというと、それはこの話は次の政権の政策選択の話なのです。寺島さんのおっしゃったこともそのことを全部言っているので、官のほうは基本的にいろんな政策手段をそろえるのが役目、それをピックアップして、どう政策的にやるか、それは政治となるでしょう。材料は全部そろいつつあるわけだから、ちょうどいいのです。こんな膨大な技術選択論というのは、私も長い間、40年間、ここにつき合っているけれども、今まで聞いたことがない。でも、それは立派な材料が全部そろったわけだ。ただ、これはいかにも総花的であって、これは30年、40年、50年、100年まで書いてあるから、半分夢物語に近いようなことも書いてあるわけです。それでも構わないのです。そんなのは当たり前なのだけれども、今、目先5年から10年の間に、そのうちのどれを束ねて、政策として何をやるということが一番肝心なのです。たまたま政権が変わることになっているし、いろんな人がいろんな声を上げているからどうなるかわからないけれども、どちらになろうと、その中にここで提示した選択肢の中から、こういうのがせめていろんな意味で使ってもらいたいと。国内の政治の選択論から対外政策に至るまで、全部というふうにやってもらえば、このペーパーはものすごい役に立つのです。政策的実現論から言ったら、そこに一番眼目があるわけで、そのときに政治家が一番飛びつきやすいのは、こんな総花的なことは読まないから、せめてこの一つのテーマだったら、1枚物に5項目書いておくと。説明も言えというなら言えばいいわけだから、そうでないと物事は進まないのです。経産省がエネルギー政策を進めるという観点に立って言えばせっかくこんないいチャンスはないのだからという意味で私はタイミングが重要で、内容は政治的な判断に任せる材料は全部そろっているということを申し上げたい。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、鳥居委員お待たせしました。
鳥居委員
 あとで教育の話が出るようですから適当でないかもしれませんが、あえて申し上げたいと思います。この技術戦略とロードマップの資料4を中心に見てみますと、2030年が一つの目標になっています。またあと24年あるわけです。あと24年たったときに何が起こっているのかというのを考えると、人口減少のもとで大学の質がただでさえ低下していく。その中でエネルギー関連、とりわけ原子力とかあるいは省エネ技術とか、そういう関連の技術の教育というのはレベルがかなり低下するのではないかという恐れを持っています。今、一番必要なのは、2030年という目標に向けて訓練でありますとかR&Dでありますとか、それからインテレクチャル・プラパティー、知的生産に関連する技術、そして国際交流、それから国際金融といったような、これからそういう教育のレベルをずっと高めていく必要があるのに、実際には私立大学は問題外ですが、国立大学の中心となっている大学でも肝心のコア技術の教育がどんどん手薄になっていっているということは否めないと思います。このことをこれからどうするかということを考えないと、この2030年に向けての計画、それからロードマップが成り立たないのではないかと思っています。
 先ほど岡村さんからも橘川先生からもお話がありましたが、企業ベースでの支援というのを同時に考えないといけないのではないかと思います。民間の企業の啓蒙と同時に支援を集中的に行うということを、今は教育のことを申しましたが、教育の問題と平行して進めない限り、私が今心配している訓練とかR&Dとかインテレクチャル・プラパティーというような問題もあと25年間ぐらいのプロセスを保てないのではないかと思います。先ほどどなたかからか文科省の話も出ましたが、文科省にはそういう視点で訓練や教育のR&Dとかインテレクシチャル・プラパティーというものを背負っていく大学像というものを考えている様子はあまり見られないのです。経産省と他の省庁とが協力して、そこのところを支える仕組みというのを考えていただく必要があるように思います。後ほど教育の問題が出るようですから、ちょっとこのぐらいにしておきます。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。非常に貴重なご意見をたくさんいだたいたと思いますが、事務局のほうから何か今日の段階でお答えになることはありますか。よろしいですか。何かありますか。では、短く簡単に。
高原部長
 では、私がまず省エネルギー・新エネルギー関係で幾つか出たご指摘に簡単にお答え申し上げます。
 ます内藤委員の都市の構造のあり方、これは非常に重要な問題でございます。我々はまず、その手前段階の住宅に最近手をつけ出したところで、これからいわゆる、この前橋本委員からもご指摘がありましたが、面的なところへ広がっていこうとしているところでございます。ここはもう、ぜひ都市に関しても国交省と連絡をとりながらやっていきたいと思っています。
 それからバイオに関しましては、ブッシュ大統領が2012年に30%、燃料をバイオエタノールにするという目標を出しておりましたが、これは実は産業構造を今、我々の中でどこが強いのか、弱いのかとチェックをしているところでございます。基本的には、ポイントはセルロース系であり、アメリカもほとんどはトウモロコシの可食部分からバイオエタノールを作っているということでございますが、酵素の基礎研究で日本は、率直に言って遅れている、劣っていると考えております。DOEのナショナル・リニューアブル・エナジー・ラボラトリーなどの動向を今、一生懸命勉強しているのですが、彼らは産業構造の最後のところで大きな食品加工企業があって、そういうところで産業構造のサプライチームが全部つながったりしているので、その上流のところ、下流のところ、加工段階といったところで今、全部チェックをしておりますので、特にセルロース系のところで技術開発課題と我が国の彼我の格差を十分勉強して、これは徹底的にやっていきたいと考えております。
 それからあと、橋本委員から間伐材のことがございました。確かに日本は収集のところに非常にコストがかかって、木質のエタノール、木質のものを集めるところにまず最初に収集コストがかかり、実はCO の排出源にもなってしまうというところがあるものですから、これは農林省と今、相当突っ込んで勉強しようと思っていますので、またその結果をご報告したいと思っております。
 以上でございます。
立岡課長
 技術戦略の関連ではいずれもごもっともなご指摘を賜りました。柴田委員からお話がございました、まさに技術を持つことが我が国にとってだけではなくて、世界のためにも大事であり、また資源確保上もバーゲニング・パワーになるという問題意識は全くそのとおりだと思います。またデスバレーの克服でありますとか、あるいは民が担う部分をどうやって推進していくのかということもそのとおりだと思っております。またその予算措置が足りるのかというお話がございましたけれども、今回、こういう戦略、シナリオを作ってみようと思いましたのは、資源をどの分野に重点投入し、それがどの程度の効果を上げるかということを見るためであります。ある意味では国のお金、民のお金がある一つの重要なものに流れ込んでいくことになりますが、それが省エネのセクターでご説明がございましたように、単体、単品の技術といいますよりは、例えば脱燃焼、あるいは熱の有効利用をした移動等、ある意味でクロスオーバーのテーマも増えてきている部分があるので、課題設定をうまくしながら、リソースの集中、あるいは将来に対して人材も育てていくといったことも同時に効果が期待できるのではないかと思っております。
 他方、普及・導入のところでございますが、ある意味では技術開発をすると同時に、ある程度見えてきたときには、既成の制度改革と普及と支援といったところがパッケージだと思います。他方で予算も相当財政管理が厳しくなっておりますので、ある意味では我々としては支援・普及のところはサンセット方式にしていきながら、とにかく早く開発をして、早く投資をして、つくられた企業がある意味では初期段階の成果を回収できるというようなサイクルをどんどん作っていくことによって、それがひいては強い企業論にもつながっていくのではないかと考えておりまして、そのような頭で政策を構築していければと思っている次第でございます。
 それから和気委員のほうからは地球観測の位置づけの議論がございましたので、今後、検討させていただきたいと思います。
 それから内藤委員のほうから国際的なアプローチの中で、コンセプトで支配することを考えるべきだというお話は、そのとおりだと思っておりまして、同じ思いで私どもやっております。ある意味では総量でキャップをかけるというか押さえ込んでいくということではなくて、原単位でいろいろな人がいろいろな取り組みが可能であると働きかけていきたい。実際それが使えるように、物差しの整備をそのプラットホームの実践化等を通じてやっていきたいと思っておりまして、私どもの思いは全く同じことで取り組んでいるところでございます。
 それから東アジア全体の連携の中で、エネルギー問題を取り上げ続けることの重要性、あるいはそれが今回の戦略の一つの大きなメッセージだとのお話がございました。これも全くそのとおりだと思っておりまして、これまで各論をいろいろな会で議論させていただいておりますが、これは河野委員のご指摘とも絡みますが、やはり最後は長い文章ではなくて、世の中に対してわかりやすくメッセージを出していくということから、そのまとめ方の過程で工夫をいたしたいと思っておりますので、またご指導を賜われればと存じます。
 以上でございます。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは橋本委員、どうぞ。
橋本委員
 実は先日、アサヒビールを訪れましてバイオエタノールの話を聞いてまいりましたが、そのときに彼らから言われましたのが、一番の問題が二重課税の問題でございまして、この問題についてぜひとも、今までうまく二重課税を回避している例と二重課税になっちゃっている例といろいろ出てきているのですが、少しでも利用促進を図るためには二重課税を回避できるように経済産業省としてもご尽力願うことが大変大事じゃないかと思っていますので、つけ加えておきます。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。本日いただきましたご意見、私の理解では今日のご報告は各部会でやられている中間的な報告でございますので、この各部会に今日いただいたご意見をフィードバックさせていただいて、もう一度ご検討いただくことになろうかと存じます。総合部会としては、最後、2030年なりもっと先かもしれませんが、どんな社会を作りたいのか。それでそのために、今、手持ちのどういう戦略を使えば最もエフィシェントで、実現が可能なのかという像を描くことが、必要なのではなかろうかと私自身思っております。またご議論いただく機会があると思いますので、ひとまず今日の議論はこれでおさめさせていただきますが、よろしゅうございますでしょうか。
 それでは引き続きましてもう一つの議題でございますが、エネルギーの広聴・広報・教育につきましてご議論をいただきたいと思います。まず事務局よりご説明をいただいた上で、木元委員長から事務局の説明に補足をいただくという形でやらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
成瀬室長
 それではお手元の資料5をお手に取っていただきまして、エネルギー広聴・広報・教育についてということでございます。恐縮でございますが、一番最後のページから見ていただきまして、エネルギー広聴・広報・教育のあり方について昨年末に長官の私的研究会を立ち上げまして、木元委員に座長になっていただいて、今検討中ということでございます。今月末にでも中間とりまとめを行う予定でございます。
 また戻っていただきまして、1ページ目でございます。エネルギー広聴・広報・教育事業の基本的な考え方ということで、エネルギー政策というのは国民生活、経済活動の基本ということで、国民各層との相互理解のもとに進めることが必要であると。このため、まずエネルギーに関する国民の知りたい情報は何かということを把握するために広聴を行うことが必要であると。それをもとにして、国民に対して適切に情報発信や広報を実施していくことが必要であると。
 また次世代を担う子供たちが、将来においてエネルギーについて適切な判断と選択を行うことができるよう、基礎力を構築することが必要であって、このためエネルギーに関して関心を高め、正確な知識をもとに理解を深めていくということが必要であるということでございます。
 さらに、このような事業を効率的、効果的に実施していくことも必要であって、いろんな分野ごとに目標を明確にし、エネルギー広聴・広報・教育の対象、だれに何をどのようにという基本的な視点を具体的に整理することが必要であると。これについては、また恐縮でございますが6ページを見ていただきますと、エネルギーの総合的な分野、エネルギー教育、省エネルギー、原子力、立地地域向けの広報という分野ごとに目標を設定いたしました。それからご議論していだたいております。さらにその事後評価の指標としても整理をしていただいておりまして、7ページにおきましては、その分野ごとにだれに何をどのようにという視点から整理をしていただいいております。
 この詳細については時間の関係もありますので省きますが、前に戻っていただきまして2ページ目でございます。こういった基本的な視点をもとに現行の事業を検証しましたところ、以下のような課題があるのではないかというご指摘がございました。情報発信上の課題については、そういった各事業の目的、だれに何をどのようにというところが必ずしも明確になっておらず、効率的・効果的な情報発信がなされていないのではないか。また国民が必要なときに必要な情報を入手できるような体制が不十分ではないかと。
 教育上、特に学校教育上の課題といたしましては、学校の教育過程におけるエネルギー教育の位置づけというのがまだ不十分であって、その事業が効果的にも行われていないのではないかと。また学校現場、教師のニーズとも必ずしも合致していないというご指摘もあるところでございます。
 それから対応・評価上の主な課題といたしましては、不正確な記事とか番組が報道されるなど、不正確な情報が発信された際、適切な対応が不十分ではないかといったご指摘がございます。それから事業評価についてもいろんな露出評価、シンポジウムの参加人数等の評価、それから目的がどれだけ達成したのかという達成の評価、当然、費用対効果による多面的な評価が不十分ではないかと。さらに事業全体や方針についてのPDCAサイクルにより評価して、次期の事業とか方針にフィードバックする体制が不十分ではないかというご指摘でございます。
 3ページ目でございますが、こういったご指摘・課題への対応ということで今、検討していただいている議論でございますけれども、その改善の方向といたしまして、まず記事解説を含めた情報発信の充実ということで、先ほどの基本的な視点を踏まえて各種シンポジウムとかパンフレット、副教材というのを見直していくと。またエネルギー関連の報道がなされた際に、いろいろ事実関係とか当初の見解等を記述した記事解説的なものをタイムリーに対外的にも発信をしていくと。
 それから情報発信を意欲的に行っている人々ということで、エネルギー・コミュニケーターと呼んではどうかというご議論がございますが、そういう人たちに対する情報提供等の充実を図っていくべきではないかということで、そのような人々に対する情報交換、情報提供を充実すると。またこのような人々を対象に、大学とも連携をしつつ、基礎的な理解活動の方法等の講習を行うとともに、そういった人々を講師として必要としている学校とか社会教育施設、学習塾、NPO等への紹介、それからエネルギー関連施設の見学会のアレンジといった取り組みも推進することが必要ではないかと。その際、コーディネーター役として期待される地域のNPOに対する支援も検討してはどうかということでございます。
 4ページ目でございますが、学校教育上の課題への対応ということで、文科省との連携の推進ということで、現在、文科省において学習指導要領の改正というのが行われていると聞いております。早ければ本年度中の見込みということでございますが、それに際してよりエネルギー教育というものを充実させるよう位置づけるということが必要ではないかと。またその環境学習指導資料とか教育委員会の資料等の作成に当省としても協力するといった文科省との連携を推進していくと。
 また、学校の教師に対する広聴とかその支援の充実ということを図るとともに、教師に対する研修とかセミナー、エネルギー教育の指導力を高めるための支援というものを検討するということでございます。
 さらに、対応・評価上の主な課題への対応ということで、不正確な記事・番組等、不正確な情報が発信された際、迅速かつ適切に正確な情報を発信し、訂正記事、報道等がなされるよう関係者とも連携しつつ、広報の一環として適切な対応をとるための見直しを行うと。
 最後でございますが、評価する枠組みの構築・実施ということで、いろんな事業を効果的・効率的に進めるために、いろんな露出評価、目的達成評価を費用対効果とともに実施者が自己評価する枠組みの構築、また全体の事業を効果的・効率的に実施するための専門家等、第三者からなる会議体で評価する仕組みということを考えてはどうかということでございます。
 木元委員のほうから補足があろうかと思いますが、事務局かのご説明は以上でございます。
黒田部会長
 どうもありがとうございます。
 それでは、木元委員どうぞ。
木元委員
 ありがとうございます。今、室長がお話しされたとおりで細かく一々申し上げませんが、大きなところだけちょっと押さえさせていただこうと思います。
 最初に室長がメンバーの構成のことをお話しになりましたが、これは実際に自分で歩いて、自分が広報の体験をして、提言をして、問題点があると考えている方が多く集まっているとお考えいただければいいと思います。ご説明がありましたが、この研究会はこれまでの広報の見直しということが大前提にありまして、これまで国も事業者もかなりの予算を使って広報をしているのですけれども、なかなかそれが行き届いていないという批判がございます。パンフレットばかり多くて中身は同じ内容だというのもありました。だから、そのPDCAも、自分で満足していらっしゃるのだけれども、果たして国民に届いているかと。いろんなイベントに参加なさった方々に、あなたが知りたい情報は届いていましたでしょうかと伺うと、半数以上が届いていないとおっしゃいます。広報をなさった方にプルサーマルの情報が届いていないそうですと申し上げても、いや、いっぱいやりました。イベントもやりましたとおっしゃるのですが、それが届いていないとおっしゃる。広報の実態はどうなのかというこがまず論議されました。
 今日もこのエネルギー政策の話がたくさん出て、大変すばらしいと私は感じているのですが、ではそれが一体どうしたら国民のところに届くのかということになると、大変疑問です。そのあたりから、このエネルギー情報研究会のエネルギー広聴・広報・教育についてということを討議させていただいたわけです。エネルギー情報というのはどうやったら届くかの前に、例えば今日も省エネとか新エネのお話がありました。そのときに、受ける側の国民の方々に、例えば新エネルギーというとどういうことをお考えになりますかと聞くと、とても不思議な答えが返ってきたりします。そのように新エネをどう考えるか、省エネをどう考えていらっしゃるかということをまず最初に伺わない限り、こちらからいくら言っても、それは届いていかないのです。そこで、広報の前に広聴をつけてあります。かなり前からこの言葉は浸透していると思うのですが、まず、あなたのお考えはどうですかと広く聴いて、その後相手の考えを理解して、ああ、そういうことでこういう批判をなさっているのですねと。私たちは今、こういうふうに省エネルギー、新エネルギーを考えているけれども、いかがですかと。そういうふうに相互の理解の上にしかこういう広報は成り立たないと私どもは解釈いたしております。それで広聴・広報、そして教育の分野ということでお話し合いをさせていただきました。この会はほんとうにすごい会と言っていいと思うのですが、喧々諤々でお話がばんばん飛び交って、生のホットな意見をそれぞれで交換し合えました。これから取りまとめてまいりますけれども、机上の空論ではなく、自分が行った場合はこうだと地に足がついたお話が出てまいりました。
 今、室長にお話しいただいたようにまとまっているわけですが、1ページ目、オレンジ色の四角の中の「エネルギー政策」から始まる2行目の頭、「国民各層との相互理解」、これがポイントの言葉になると考えております。いろいろ話を伺うと、「知らしめる」とか「納得させる」とか「説得する」とか「理解させる」というような一方的な言葉しか伺えないのですが、そうではなくて、先ほど申し上げた相互理解、その前提として広聴があり、相手の考え方を把握して理解し、それから広報するという姿勢を提示しました。ある方は広報・広聴じゃないかというのですが、これは逆です。それが今までのやり方であって、これはもう通用しないと私たちは考えております。
 広聴は、あなたは何が欲しいのですか、どういうことをやってもらいたいのですかというニーズを聞くという考え方ではないのです。もっと広い意味でのお考えをお聞きするということだと考えてくだされば幸いです。
 それから2ページ目ですが、先ほどご質問もいろいろございましたけれども、2つ目の枠の中ですが、教育分野で学校教育上の主な課題の下のアンダーラインです。「提供されている素材が学校現場(教師)のニーズと必ずしも合致していない」、いろいろな副読本も来ますし、それからいろんな材料も来ます。ですけれども、それが、教師はこれを教えたい、こうしたほうがいいという考えと全く合致していなくて、教えることがなくて捨てられてしまうということがパンフレットなんかでも結構ありますので、これも見直さなければいけない。
 それから先ほど室長もお話になりましたが、やはり広報したからにはその効果をちゃんと見極めなければいけないのではないかということで、この2ページの終わりに事業評価について書いてございます。これは真剣にやる必要があると考えております。
 それから3ページ目ですが、委員から出たのは、何かエネルギーに関してわからない用語が出てきた場合、例えば「プルサーマル」、それはどこにどうやって聞けばわかるだろうかと。それはやはり、エネ庁がちゃんとホームページで記事解説あるいは言葉の解説をする。いつでもアクセスすれば、子供でもわかるような解説がそこで見られるようなものをなぜやってくれないのかと。今の予算でできるのではないかという話もあります。あわせて、メルマガになるならば、それもしてほしいという意見がございました。
 それからエネルギー・コミュニケーターというのは、特定の人ではなくて、こちらにも書いてございますけれども、あらゆる方がその対象と言えます。専門家でなくてもエネルギーのことを勉強して、通訳的にそれを一般の方や、子供にお話をする。そういうシステムをもっとふくらませていったらいいんじゃないかということです。
 それから4ページに教育問題のことが書いてございますが、次のページを見ていただいたほうがいいかもしれません。不正確な情報に対しての対応は先ほどご説明していただきましたが、これは例えば、不正確な情報がテレビとか新聞などに出た場合に、こちらからアクセスをして、これはこうこう、こういう内容でしたが、それはどう扱われたのですかとお聞きすれば、初めて実態が見えてくるので、やはり当事者である国も事業者も足を運んで、相手方と、きちんと話し合う必要があるのではないか。そこに線を引いて、相手は相手、こっちはこっちという対立をつくるやり方をし過ぎているのではないかという反省があります。
 それから、対応のマニュアルも一つではなくて、個別的な事案ごとにそれは対応が変わってくるので、マニュアルがこれだというものはありません。それはやはり当事者が自分で考えてやる以外にないわけです。
 6ページですが別紙の1/2の目標のところ、左側にも「立案にあたっては相互理解」、それから右側にも「相互理解」と書いてありまして、「伝える」ではなくて「伝わる」、これにウェートを置くことが必要ではないかと考えます。
 また6ページの一番下のブロックの中の右側も「立地地域との相互理解」と書いてあります。立地地域と特定して囲ってしまうのではなくて、同じように日本の中に生きて、どういう国でありたいかということを考え、たまたまエネルギーの供給の立場にいらっしゃる地域の方々です。この交流をもっと広めなければいけない。それはやはり相互理解が原点になければいけないということで、ここに書かせていただいております。
 それから恐縮ですが7ページになりますが、基本的視点ということで皆様のご意見をこのまま書かせていただきました。先ほど鳥居委員からもいろいろご質問があったのですが、このブロックの左から3つ目にエネルギー教育というのがありまして、それを下におりてまいりますと、「何を」という内容の左側から「点を線にする作業」、これが教育の中で行われていなくて、例えば省エネ、なぜ省エネをするのかを考え、それを広げて線にし、「面にする」という作業をやらなければいけない。しかし、教育の現場では時間がないという問題もあります。
 それからここにはあまり書いてありませんが、教科書がやはり問題だということです。前回、原子力部会で実物をお回ししたのですが、かなり誤解される表記があったり、恣意的と思えるような解説があったりすることもありますので、それに対してはどういうような対応をしたらいいのか。歴史問題で教科書がとりざたされましたが、エネルギー問題でもやはり同じことが言えるのではないかということでございます。
 以上、フォローという形でコメントさせていただきましたが、広聴・広報、そして教育、これを充実させていかないと、きょうのようなエネルギー政策は受けとめて納得していただける状況にはならないのではないかということを強く感じております。ありがとうございました。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明にご意見ございましたらどうぞ。山地委員どうぞ。
山地委員
 非常によくまとまって理解できる話だと思いますが、あえてあら探しをすると、わかりやすく言えばちょっと古いかなという感じがしないでもない。というのは、今は多分、教育にしても広報・広聴にしても、フォーマルな制度というのですか、教育機関とかテレビ、雑誌、新聞、そういうチャンネルよりも一番パワーを持つのは、これからますますだと思いますけれども、インターネット、ウェブというところですか。その言葉が先ほどホームページとかメルマガとか出ているのですが、この文面の中を見ると、そういう感じが出ません。そのウェブとかインターネットの威力は今さらもうますます、多分桁違いに大きくなっていくと思います。そこに配慮しないと、例えば教科書でこう書いているとかということよりも、子供たちはコンピュータから情報を得る。今でも得ているし、これからますますそうなると思います。そこに対する対応がちょっと、これはどうしても大人になってくるとついついあまり使っていないですから、そこの対応が弱くなるのはしようがないと思います。その面、インターネット、ウェブ、これらをどう役立たせるか、非常に光と影がありますので、それに対してこういうエネルギーの教育とか広聴とか広報をやるということに関して、どう取り組んでいくのか、その視点がちょっと欠けているかという気がいたしました。
木元委員
 おっしゃったとおりです。それもちょっと話し合いがあったのです。例えば2チャンネルみたいなところに出た場合にどうするかとか、それにはだれが対応したらいいのか。例えばもんじゅの話が出たときに、あるいは耐震性の問題が出たときに、誰がどう対応するかで、やや混乱状態なのです。何かいいアイデアがありましたら、ぜひ。国が対応するチャンネルがあればそこで対応できると思いますが、子供たちがウェブでの時事解説なり何なりにアクセスしてきた場合、そこでは対話ができるし、またいろんな情報も提供できるだろうと思いますが、広いところでのやり合いにどこまで介入していけるか、何かいいアイデアはありますか。
山地委員
 やり合いのところにいくとあれなのですが、評判がよくて、ここへ行くと大体何でもあって易しく書いてあるとか、ウェブ上の評判というのもすごく急速に拡大するものですから、そういう我々の今の世界だと権威なのでしょうけれども、ウェブ上の人気を確立するようなサイトをつくるということじゃないかと思います。私もしかし、そういうウェブを使っている世代から言うともう年寄りなものですから、もっと若い人を入れてアイデアを募ったほうがいいと思います。
木元委員
 ここの場所で伺って申しわけないのですが、例えばエネ庁に対話専用のホームページみたいなものをつくったらどうかと。そこにアクセスする。エネ庁ではまずいでしょうか、子供たちがアクセスするのは。
山地委員
 子供ではわからないでしょうね。それから、大体、データにたどりつくまでに深いですよね。あのあたりをもうちょっと工夫する必要があるでしょう。
木元委員
 では、独立してやる方向で考えます。
黒田部会長
 河野委員、どうぞ。
河野委員
 僕もこの分野では20年も30年もやっているから、書いてあることはもっともだと思っているし、かなり実践的で具体的だと思っているのです。それはそれでいいんだけれども、聞きたいのは、この話は裏付けになる財源をどうするのだということです。去年の春に民主党の質問によって特別会計における広報予算の使い方がでたらめだとたたかれ、役所は大幅に削った。それはそれでいいんだけれども、それでこれだけ盛りだくさんの書くと、そっちのほうはこれからどう手当するのだと。経済省が持つ特別会計をどう活用するのか、これが第1です。
 2番目は教育です。これは10年たって、15年たって、幾らか効くかなと。即効性はもともとない。大都会に住んでいる男女合わせて、この人たちに全部いろんなことを言ったって、大体これは素通りになるわけだ。一番肝心なのは具体的な問題を抱えた原子力の立地の話です、この話は。ほかのエネルギー一般のPRとこれは次元が全く違う。ここをどう突破するかが最大の問題だ。役人が現地に出張っていって、民間も協力してやれば、少ない金を有効に使える。この話は明日、明後日に効くのです。一般的に中長期に効くようなおっとりした話じゃない。その点について今、具体的に何を考えているか。具体案を聞きたい。
成瀬室長
 まず2番目からお答えさせていただきますと、ページ数で言いますと7ページを見ていただきます。このだれに何をどのようにと各分野の先ほどご指摘があった立地地域も含めて整理をさせていただいていますが、これは国、エネ庁が主体的となって進める観点から整理をさせていただきましたが、この冒頭にございますように、その際、自治体とか産業界とか消費者、NPO等、関係者とどうやって連携を図っていくかと。ご指摘のとおりどういうふうな連携を図っていくかというところも非常に重要な視点だと思っていまして、これを含めてご議論をしていただいているということでございます。
 それから3番目の教育についても、特に立地地域についても特別にここに特出しをして立地地域向けということで書かせていただいております。まさにそこを一つの大きな重点として今ご議論していただいていると。
 最後に予算でございますが、いかに民間とかと連携をとりながらやっていくかという整理をした上で、必要なものはお金を出していく、予算をつけていくという視点で取り組んでいきたいと思っております。
河野委員
 あまり冷たく追及しないけれども、特別会計の予算配分で答えを出してもらいたい。
黒田部会長
 鳥居委員どうぞ。
鳥居委員
 もうあまり時間がないようですが、一言申し上げます。先ほどお話しした私の話は、エネルギーをどうつくっていくかという分野でのR&Dや生産者たる技術者の訓練の話、教育の話でした。この話はどっちかと言うとエネルギーのユーザーの教育をどうするかなのです。この問題について一番厄介な問題の一つは、今、例えば小学校、中学校、高校については学習指導要領というのを文科省が定めていて、それに沿って国語は何時間教えなさい、算数は何時間教えなさいと決めてあるわけです。そこへねじ込みが入っているわけです。何が一番強い押し込み政策になっているかというと、日銀の中に事実上の事務局がある金融広報中央委員会とかいろいろあるのですが、そういうところが金融教育というのを大々的に今押し込もうとしているわけです。その金融教育を一体、何時間国語の時間を割いたり音楽の時間を割いて放り込めるかというせめぎ合いになっているわけです。そこへ今ここに今度はエネルギー教育というもう一つのくさびが打ち込まれようとしているわけです。そういう競争になっているという事実だけを申し上げます。
 それから次の問題は、その教育を離れて一般国民の教育という観点に立って考えるときに、情報を受け取る人のアクセスから考えると、ウェブもありますが、ウェブは国民全体から見ればごくわずかだと思います。一番アクセスが大きいのはテレビだと思います。2番目が新聞、新聞の中でも五大紙は大体、読者全体の半分です。半分強が地方紙の新聞を通じて読者はみんな新聞を読んでいます。その地方紙の記事はだれが送っているかというと、共同通信と時事通信の二大通信社が送っているという形になっていると思いますので、最大のアクセスはテレビ、そして2番目のアクセスは五大紙を含めて、あとは二大通信社と。そこがどういうふうにこの問題を取り上げてくれるかということなのです。一番典型的なのは、私はNHKのニュースだと思うのです。15分のニュースのうちまず5分強がゴルフとサッカーと相撲のニュースで終わっちゃうと。あとの5分が殺人とか事故のニュースで終わっちゃう。残りの5分が政治のニュースに使われていて、行政のニュースは全く行われていない。それが国営放送とは言わないけれども国営に近い放送の実態なのです。そういうような状況のもとで、そこにどうやってエネルギー教育のくさびを、例えばNHKにお願いしていくか、新聞にお願いしていくかという問題があるんじゃないかと思います。
黒田部会長
 どうもありがとうございます。
 それでは、橋本委員どうぞ。
橋本委員
 今、鳥居先生がおっしゃられたことに似たことになりますが、例えば食の教育とか環境教育とか、今ほんとうにいろいろな分野からどんどんこれを入れてくれというのが来ているのです。うちでも例えば高校生に今度は道徳教育を入れようとか、そういう中で相当な目的意識を持った形にならないと、エネルギー教育というのはなかなか効果が出にくいのかと。そして6ページを先ほどから拝見しているのですが、こういう格好で全体を言っても、とてもとても時間もないし、なかなか効果も出ないだろうと。そうすると、省エネが目的なのか、先ほど河野さんが言われたように原子力が目的なのか、そういういろいろな目的に沿った形で相当強力にやらないと無理だろうと思いますし、インターネットは私も見ている人はまだまだ極めて少ないでしょうし、テレビでも毎日放送しても知らない人はたくさんいるのですから、みんなに知らせるなんてもうとても無理な話でありまして、ある程度のところまでで満足せざるを得ないのかと思います。その中で立地地域広報というのが盛んにありますが、我々の立場から言うと立地地域の人はよく知っているのです。立地地域じゃない都会の人が知らないのです。そっちのほうが人数も圧倒的に多いわけでありますし、そういうものにもっと力を入れていただくことが大切だし、目的を絞るということも大切なのかと思います。
 もう一方で、うちで原子力教育をかなり立派な副読本をつくってやっておりますが、そういうときに問題になるのは教える先生です。このなかにいろいろ先生に対する支援というのがありますが、先生の教育をもっといろいろ丁寧に教え方をやってやるとか、あるいは先ほどNHKの話がございましたけれども、テレビでやるのだったら、今は比較的枠が空いているのが県域デジタルです。県域デジタルというのがどんどん入ってきていまして、地元で記事が全部集まらないのです。ですから、中身的にはかなり薄いことをどこもやっています。そういうところへもぐり込ませると、エリアは小さいけれども、トータルすると結構大きくなりますから、いろいろ現状に即した対応策というものを講じていかれるとおもしろいのかと思っております。
 以上です。
黒田部会長
 どうもありがとうございます。
 事務局、木元委員、何かありますか。
木元委員
 大変ありがたいご意見をちょうだいしました。私たちもまたそれをもとにして展開していきたいと思います。私たちの中では今おっしゃった県域デジタルですか、CATVの効果という話はかなりあったのです。ところが市町村の統合で、この地域にCATVは原子力関係で入ってきた。ところが統合して地域が広くなりますと周辺にCATVが入っていないという問題が出てきて、何とかならないかという要望があります。CATVは、地域に密着したエネルギー情報を送ってくれますし。
橋本委員
 今、例えばうちの県などですと東京で関東版、今までは我々も関東版で全部行ったのですが、県版というのが関東版の時間が、例えばお昼のニュースですとうちの場合は15分までは全国版、あとの5分は関東版だったのが、あそこが茨城県版になっているわけです。そこを全部埋めるというのは、県内のニュースだけではなかなか難しいのです。例えば夜は8時45分から15分間は完全に関東版ではなくて茨城県版なのです。15分というとかなりあるのです。ですから、そういうところを使うとか、それは全国的に県ごとにNHKが全部なってきますから、そういうものを使うと有効かと思っております。
木元委員
 ありがとうございました。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。教育の問題はまだ議論が尽きないのですが、予定した時間を超過しておりますので、本日はこれで一応、おさめさせていただきたいと思います。よろしゅうございますか。
 次回は電力政策等についてということと、もう一つの重要な問題で、特別会計の在り方についてということでご報告をいただきまして、ご議論をさせていただくことになっております。経済産業省で目下、とりまとめをやられておると聞いておるのですが、新・国家エネルギー戦略が大体、今月中に最終的にまとめられるという予定でございまして、次回はそれについてもご報告いただいてご議論いただくということになろうかと思います。総合部会としては、その後、さらに基本計画に向けてこの議論を深めていくということになると思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 次回は5月29日が予定されておりまして、10時から12時ということでこの場所でございます。17階第1共用会議室ということでございます。また詳しくは事務局からご連絡させていただきたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。
 では、長時間ありがとうございました。第4回総合部会をこれで閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

── 了 ──

 
 
最終更新日:2006年5月15日
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