経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会(第5回) 議事録

平成18年5月29日

黒田部会長
 皆様、おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから総合資源エネルギー調査会第5回の総合部会を開催させていただきたいと思います。本部会では、今まで各部会でご検討いただいた懸案につきましてご報告いただきまして、それを順次議論してまいりました。本日はその最終回ということになりますけれども、前半約1時間ほどいただきまして、電気、ガス等の政策につきまして、それから原子力の安全に関する最近の発展と課題につきまして、またエネルギー関係の特別会計についての議論、そういったものを行いたいと思います。後半の1時間ほどを使いまして、今回ご検討いただきました、新・国家エネルギー戦略の最終案の素案が出てまいりましたので、ご検討いただきたいと思います。
 議事に入ります前に、配付資料について、まず確認いただきたいと思います。よろしくお願いします。
高橋調査官
 それでは、配付資料について、ご確認させていただきたいと思います。資料一覧の下に本日の議事次第、委員名簿、座席表がございまして、その下にA3横長の資料で、電力・ガス政策について。その下に参りまして、原子力安全に関する最近の発展と課題について。引き続きまして、エネルギー関係特別会計について。さらにその下に、新・国家エネルギー戦略の紙がついております。さらに、第2回のご議論いただきました議事録を、資料5ということで配付させていただいております。
 以上でございます。
黒田部会長
 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは早速ですが、議事に入りたいと思います。最初に、ただいま申し上げましたように、事務局から最初の3つの議題につきましてご説明いただいて、一括してご審議いただきたいと思います。その間、電気事業分科会の会長の鳥居委員には、電気、ガス政策につきまして、事務局の説明の後、若干の補足のコメントをいただきたいと思っております。
 それでは、事務局から、まず、宮川課長から電気、ガス事業につきましてご説明させていただきます。よろしくお願いします。
宮川課長
 資源エネルギー庁の電力・ガス事業部政策課長の宮川でございます。
 それでは、資料1に従いまして、ご説明させていただきます。A3の横長の資料1でございますが、まず1ページ目を送っていただきますと、背景、現状が左側にございます。これまでの電力、ガス政策の基本方針でございますけれども、そこにございますように、3つの視点で、私ども政策を遂行しております。1つは安定供給の確保、2番目が環境への適合、3番目は、これらを十分考慮した上での市場原理の活用ということの3点でございます。
 歴史的にたどりますと、80年代ぐらいまでは、急増する需要への対応、それから石油代替エネルギーの促進ということで、まずは安定供給が最重要の課題であったわけでございます。90年代に入りまして、各国、特に欧米における自由化の動き、それから経済のグローバル化に伴います高コスト構造の是正という観点から、市場原理の導入という議論が起こったわけでございまして、こうした背景の中で、電気事業、ガス事業の制度改革の実施が遂行されました。
 最近に至りまして、電力、ガス事業を取り巻く環境が急速に変化しております。1つは、原油価格の急騰をはじめとする、国際エネルギー情勢の緊迫化、それからもう1つは、地球温暖化問題への対応といった点でございます。
 こうした観点から、再度安定供給、環境適合の着実な確保ということが必要となってきているわけでございまして、特に電力、ガスにつきましては、基幹電源としての原子力の推進、天然ガスの利用拡大と安定的な確保という観点が非常に重要になってきております。なお、90年代、それから2000年当初行いました市場整備ということでございまして、これにつきましては、今申し上げたような環境を踏まえまして、これまでの制度改革についての成果を評価し、市場環境の整備をする。こういったような政策が、現在行われているところでございます。
 右側のところでございますが、一番上の原油価格の動向につきましては、言わずもがなでございますので、省略いたします。真ん中の棒グラフでございますけれども、字が小さくて、恐縮でございますが、1950年代はまさに水力が主流でございまして、70年代の半ばに至りまして、石油のシェアが急速に増えてきております。約7割を超えるようなシェアになっておりますけれども、二度のオイルショックがございまして、この後、石油代替が急速に進展いたしました。現在では非常にバランスがとれておりまして、中ほどにあります、原子力が約3割、石炭が4分の1、LNGも4分の1、あと、水力、石油で残り2割ぐらい。このように、非常にバランスのとれた電源種別の発電が行われているということでございます。
 右側は、これも言わずもがなでございますけれども、CO の排出量というのを見ますと、石炭火力が1といたしますと、原子力はもう20分の1ぐらい。こういうことでございまして、原子力のCO の優位性というのが非常に見てとれるかと思います。
 それから、一番下の段でございますけれども、まさに市場原理の導入ということでございまして、種々の制度改革を行ってまいりました。導入が行われる以前の1999年のところでございます。これも、字が小さくて申しわけないですけれども、日本のそれぞれ家庭用、産業用というのを1といたしますと、大体の国におきましては、これは1以下ということでございまして、日本の電気料金が少し高かったということが見てとれようかと思います。特にドイツ、イタリアでございますけれども、日本の1に対しまして、ドイツが、家庭用については0.7、産業用については0.4、イタリアが0.7、産業用については0.6でございましたが、その後小売りの自由化が行われまして、2004年の国際比較を見ますと、ドイツの場合は0.9まで上ってきているわけでございます。また産業用についても0.51。イタリアについては、日本とほぼ同じ。産業用については、日本よりも上。このような形になってきておりまして、国際比較を見ても、電気料金についての内外価格差というのは随分縮まってきているのではないかということが見てとれようかと思います。
 2枚目に行きたいと思います。先ほど申し上げましたように、まさに基幹電源たる原子力につきまして、私ども、今、政策を傾注しているということでございまして、まさに原子力部会というのを、総合資源エネルギー調査会の電気事業分科会の下に置かせていただきまして、検討しているという状況でございます。現在の原子力の運転、建設状況でございますけれども、現在稼働中の原子力は、全国で55基ございます。また、建設中につきましては2基ございます。現在、発電電力量における原子力の比率は、今申し上げましたように、平成16年度で約3割ということでございまして、今後の原子力発電所の開発計画というのは、今申し上げた、建設中2基を含めまして13基というのが、現在の電力供給計画上のものになっております。
 右側に至りまして、核燃料サイクルの確立の動きでございます。ご承知のとおり、核燃料サイクルにつきましては、原子力発電所から出た使用済み燃料を再処理いたしまして、有用資源、ウラン、プルトニウムを回収いたしまして、再び燃料にして使用するものでございますけれども、現在の基本計画におきましては、この核燃料サイクルの推進というのが、我が国の基本的考え方でございます。原子力委員会でも、再処理以外の選択肢をタブー視せず、4つのコスト比較してまいりましたけれども、やはり核燃料サイクルが非常に重要だということが再確認されたわけでございます。これを受けまして、ここ1年程度で核燃料サイクルの実現に向けた着実な進展が見られておりまして、将来的に高速増殖炉のサイクルが確立いたしますと、千年単位のエネルギーの確保は可能だということでございます。
 絵図でございますけれども、現在の軽水炉サイクルというのは、ご承知のとおり、原子力発電所の軽水炉から出てまいりました燃料を再処理いたしまして、MOX燃料をつくって、再度原子力発電所で炊くというような流れになっております。将来的には、その右のほうでございますけれども、まさに再処理の部分について、これを燃料ということで、いわゆる高速増殖炉用の燃料にいたしまして、これを再度高速増殖炉で炊きまして、再度また再処理をする。こういった、いわゆるFBRサイクルに移行するということになろうかと思います。
 最近の核燃料サイクルの動きでございますけれども、再処理のプロセスにおきましては、六ヶ所の工場がまさにほとんど実稼働と同じような形での最終試験段階に入ってきておりまして、来年の夏には操業開始予定ということになっております。
 またMOX燃料の加工工場につきましては、まさにこれから事業許可に向けての安全審査を行っているところでございまして、来年度中には着工予定ということでございます。2012年ぐらいに操業を考えてきております。
 プルサーマルでございますけれども、現在、平成22年度、2010年度までに大体16基から18基の導入を目標としておりまして、第1号として、玄海の発電所におきまして、この3月に地元了解をとられておりまして、2010年までにプルサーマルを動かしていくという流れがございます。それ以外の電力会社、四国電力、中部電力においても動きが見られております。
 中間貯蔵施設の部分につきましては、むつが建設の計画をしておりまして、まさに立地受け入れを、既に去年10月に表明しております。2010年には操業開始予定ということでございます。
 それから、高速増殖炉のほうでございますけれども、例のもんじゅでございますが、これにつきましても、現在改造工事をこれから行いまして、2年後、2008年を目途に試運転再開の予定としております。
 それから、廃棄物の最終処分施設でございますけれども、この候補地の公募につきまして、現在地域からのいろいろな公募についてお願いしておりまして、幾つかの地域から照会がございます。NUMOと呼ばれる原子力発電環境整備機構でございまして、現在これが理解促進活動をしておりますけれども、国も全面に立って、この一、二年が勝負だと思っておりまして、いろいろと支援を深めてまいりたいと考えております。
 それから、再処理積立金法と呼ばれる、いわゆるバックエンド法と言っていますけれども、もろもろの費用が必要になってきておりまして、これの積み立てのための法律、税制の支援もするということで、必要な法律については、既に国会において成立を見たところでございます。
 今後の原子力政策のありようでございますけれども、既に昨年10月の原子力大綱におきまして、2030年以降も、総発電電力量の3割から4割程度以上、これを担うということが期待されておりますし、核燃料サイクルの着実な実施、それから高速増殖炉の早期実用化といったような点が、既に閣議決定でなされているところでございます。これに従いまして、現在原子力部会を設置いたしまして、本年夏頃の取りまとめを目指して、現在検討しているということでございまして、その下にございます8つの箱の視点で現在検討しております。
 個別に一つ一つご説明させていただきます。まず、電力の自由化環境下におきます新・増設の実現ということでございます。自由化の論議がある中で、また電力の需要の伸びの低迷の中で、原子力の新・増設をどのように図っていくのかというのは、非常に喫緊の課題になっているということでございます。需要のところを見ていただきますと、今後10年間のピーク電力の伸びというのを各社別に書いておりまして、この10年で、9社全体では1,740万キロワットが必要だということでございますけれども、各社別に見ていただきますと結構ばらつきがございまして、東電の850弱のキロワット以外のところにつきましては、非常に小さいものになっております。他方で、最近の原子力発電所というのは大型化が非常に進んでおりまして、いわゆる新型の軽水炉につきましては150万ぐらいのものも見込まれておりまして、こうした大きな電力の発電所が可能となってきている一方で、ピークの需要が伸びないといった実態がございます。
 それから、右側の箱でございますけれども、今後2030年前後から本格的なリプレースが始まる。現在の軽水炉はかなり老齢化になってきておりますので、2030年以降リプレースが必要でございますが、このリプレースを行わないと、そこにございますように、原子力のいわゆる総発電電力量の3割というラインが急に割り込んでしまうという実態がございます。このような需要の低迷、それから最近の自由化の動きの中で、財務等々の影響が出てくるわけでございまして、こういった点を踏まえながら、国としては、政策目標、先ほど申し上げた3割から4割程度以上のものの実現に向けた最大限の努力を、電力会社に対して期待しているわけでございますけれども、国としても必要な支援措置をしていかなければいけないということでございます。
 緑の4つの丸の箱がございますけれども、国として行うべき対応策が書いてございます。まず1つは、原子力発電所に特有の投資リスクの低減、分散ということでございまして、現在青森で再処理工場がまさに最終段階に入っておりますけれども、その次のステージの第二再処理工場が必要でございまして、これに向けた引当金の措置というのを検討する必要があるということが、まず第1点でございます。
 それから2つ目の箱、横でございますけれども、原子力発電のメリットの可視化ということでございます。先ほど申し上げましたように、石炭に比べまして、原子力のCO の排出というのは非常に少ないわけでございまして、こうしたCO 問題に非常に有力な武器となる原子力というのを、いかに皆さんにわかっていただくかということでございまして、このあたりの制度の仕組み設計が必要だというのが、2つ目の箱でございます。
 それから、3つ目の下のところ、初期投資、廃炉負担の軽減、平準化というところでございますけれども、これも必要な新・増設、既設炉の建てかえに必要な、企業会計上の手当てが必要ということでございます。
 最後に広域的運営の促進ということでございまして、連系線等々の設備増強を含めて、いわゆる融通をしていただくといったような事業者間の費用負担のルールというのを再確認し、柔軟化を図る必要があるということでございます。
 最後、留意事項でございますけれども、いずれにいたしましても、これから来年度から始まります全面自由化の議論が始まるわけでございますけれども、こういった際には、今申し上げたような原子力発電の投資の影響というのを十分配慮して、慎重な議論をすることが必要であるということが、今、議論されているところでございます。また、新規参入者、PPSと言っておりますけれども、このPPS、それから既存の事業者との間でのもろもろの応分の負担の議論、こういったところについても、さらなる検討が要ります。それから、最近ではPPSサイドからは、原子力発電の切り出しという議論も提起されておりますけれども、こういったところについては、まさに原子力政策上の観点からは、議論を進める意味合いがなかなか見出しにくいところでございますけれども、ほかの観点もいろいろとございますので、今後の議論になろうということが、今、我々のほうで議論させていただいているところでございます。
 4ページでございますけれども、核燃料サイクルの着実な推進ということでございます。既に原子力産業につきましては寡占化が進んでおりまして、80年代では約10社程度ございました、原子力のいわゆるプラントメーカーが、既に約半分にまでなっているという実態がございます。こうした中で、対応策、特にプラント、濃縮、再処理事業という、コアの事業につきましては、今後細かく、内外の現状に、これに必要な対応方針を図っていく必要があるということでございます。また、再転換、燃料成形加工といったような、これを支える産業分野についても、さらに現状と対応方針の整理が必要ということでございます。それから、いわゆるフロントエンドと呼ばれておりますウランの鉱山の開発というところについても、日本ももうちょっと積極的に参画すべき時代に入ってきておりまして、探鉱の開発、関連投資に関します支援の強化、それからウラン探鉱に関します人的知見、技術的な蓄積の拡大、二国間の協定等々の強化が必要であるということが、原子力部会で議論されているところでございます。
 それから、高速増殖炉サイクルの早期実用化ということでございまして、国といたしましても、国民、立地地域への理解を得るために、このサイクルの移行シナリオを早く提示する必要があるということでございまして、これから15年ぐらいにかけまして、移行シナリオの策定をする。それから、実際にポストもんじゅと言われる実証炉についての実現を、2025年ぐらいに目指す。また、商業炉については、2050年よりも前に、前倒しで目指して開発するといったようなところを、今、考えております。コスト負担につきましては、軽水炉発電相当分のコストとリスクについては、民間が負担し、その超過部分について、国が負担するといったような、国の役割についての検討を、今、しているところでございます。
 それから、原子力を支える技術、産業、人材の厚みの維持ということでございます。先ほど申し上げましたように、今後二、三十年、新規の投資というのは低迷いたします。したがいまして、メーカー、電力会社での研究費、技術者の減少というのが起きてくる一方で、2030年度前後からは大量のリプレース需要が出てくるわけでございまして、このあたりのミスマッチをどう考えていくのかということでございます。
 下の3つの箱がございますけれども、1つは、いわゆる技術開発ということで、20年ぶりの官民一体となる次世代の軽水炉開発プロジェクトの着手を、まず、行う。それから、各企業ございますけれども、この個別企業の枠を超えた人材育成、技術継承の地域の取り組みへの支援をしていこう。それから、大学、大学院におきます原子力人材育成への支援というのを図ろう。かように考えておりまして、この3つの柱を中心に、今申し上げた技術、産業、人材の厚みの維持というのを図ろうと考えております。なお、技術開発のところにつきましては、核融合エネルギー、ITERの計画につきましても、着実な推進が必要と考えているところございます。
 また、原子力の国際的展開の支援も必要でございます。対応策といたしましては、まず、政府として支援の意思を明確化するということと、特に人材の育成、これは規制当局の人材育成も必要なんですけれども、こうしたところについて、中国、ベトナム向けの安全研修制度の充実を図っていく。また、制度整備のノウハウの支援ということで、今年度からベトナム、インドネシア向けの官民合同支援の開始をするということでございます。また、原子力発電の実際の立地ということで、公的金融の活用、それから二国間協定の枠組みづくりの支援、また原子力について、CDMに組み込んでいくといったような対応策、働きかけも、今後必要と考えているところでございます。
 また、原子力と核不拡散の両立ということでございまして、ご承知のとおり、核不拡散と原子力の平和利用の両立というのは、是が非でも必要でございますし、国際的枠組みへの参加ということが、まずもって必要だということでございます。ご承知のとおり、我が国は非核兵器国として唯一商業規模の核燃料サイクル施設保有を国際的に認められておりまして、まさにIAEAの保障措置の遵守、核不拡散技術の開発、非核三原則の堅持といったようなところを、我々としても引き続き堅持していくということでございます。最近では米国のGNEPの構想が生まれてきておりまして、まさに核燃料サイクル国と、単なる原子力発電国の二極化が進んでいくわけでございまして、こうした点での国際的貢献の観点の対応が必要と考えております。
 右側の箱でございますけれども、原子力と国民、地域社会との共生ということでございます。原子力の立地につきましては、まずもって、国民、それから地域の方々のご理解がまさに必要でございまして、特に国と地方の信頼関係をさらに深めていくということが必要だと考えております。特に国の面では、2つ目のポツがございますけれども、国の安全審査と別に、最近では地方自治体でも、安全についての二重の審査、判断をするケースも出てきておりまして、いずれにいたしましても、国としては、国の顔が見える形で真摯な取り組みを行っていく。そして、立地地域との信頼関係の強化を図っていくということが必要でございます。したがいまして、直接対話の強化、それから各レベルでの国と地方の信頼関係の構築、それから継続的な支援ということを図ってまいりたいと思います。また、広聴、広報の活動につきましても、広聴における相互理解、また、細やかな広報等々が必要と思っております。
 廃棄物の問題でございますけれども、これにつきましても非常に重要でございまして、高レベル廃棄物、TRUの廃棄物につきまして、適切な措置が必要ということでございます。今後一、二年が正念場と思っておりまして、国による支援措置の拡充、広報の強化ということを図ってまいりたいと思っております。また、低レベル廃棄物につきましても、高レベル廃棄物と交換して返還するといったようなリクエストが海外から出ておりまして、これは受け入れ可能だと考えておりまして、これに必要な措置を図っていく。TRUの処分につきましても、早期に制度化を図ってまいりたいと考えております。
 電気事業の制度改革でございますが、冒頭申し上げましたように、平成15年の改正によりまして、ネットワーク運用の監視中立機関、それからネットワーク部門の情報遮断、内部相互補助禁止、それからネットワーク間の手数料の廃止、それから、卸電力市場の創設といったようなことが、制度改革で決められたわけでございますけれども、評価といたしましては、そこにございますように、効率化は、電気料金がかなり下がってきているということが言えようかと思います。ピーク時から大体2割程度下がってきているということが言えております。また、2つ目のグラフを見ていただきますと、各社間のいわゆる内々価格差も随分縮まっておりまして、当初の大体2割強だったものが、今や1割ぐらいにおさまってきているということが言えようかと思います。
 安定供給の部分でございますけれども、設備投資額が、90年代前半のピーク時から比べますと、現在の投資額は約3割程度、3分の1にまで落ちておりまして、伸び自体の低下が見られる。ただし、これまでのいろいろな指標を見ますと、信頼度の低下はございません。また、とりあえずこの10年間安定供給が見込まれるということが言えようかと思います。
 環境保全につきましては、CO の問題ございます。原子力の必要性というものが言えようかと思います。PPSの問題につきましても、まだシェアが大きくないということでございまして、しかし、今後大規模な電源開発の予定があるということも言えようかと思います。
 いずれにいたしましても、4.にございますように、PPSも含めて、安定供給の問題をどう考えるのか、それから、CO の問題をどう考えるのか、それからPPSの電力調達のあり方について、どういうふうに考えていくのかといったようなところが必要であろうと思っております。
 来年度から始まります全面自由化の議論につきましては、いずれにいたしましても、こういった点も含めて、信頼度の問題、セキュリティーの問題、ユニバーサルサービスの確保、長期投資、長期リスクの問題等々を留意しながら、慎重に検討を開始する必要があろうかと思います。
 ガスのほうでございますけれども、まず、ガス、見ていただきますと、我が国の中東の依存度は非常に低うございまして、全体では22%ということでございます。ただし、全体のガスの埋蔵量、世界の埋蔵量を見ていただきますと、中東、旧ソ連といったところが4分の3近いシェアを占めておりまして、やはり政治的な商品になっている部分というのは非常に高うかと見られると思います。需要を見ていただきますと、現在の年間の需要は大体1億3,000万トンでございまして、日本が40%ぐらいを占めております。これが2020年の予想になりますと、日本のシェアが約4分の1に減るということで、需要のほうが倍ないし3倍に増えるということが予想として見えようかと思います。
 LNGの価格でございますけれども、日本の場合は、油価に対しまして、非常になだらかに上っていくということでございまして、これは長期の契約ということでございますので、このLNGというのは、油との関係でも非常に威力を増しているということでございます。
 なお、アジアについてのみ見てみますと、需給のバランスでございますが、これ、いろいろな見方はございますけれども、とりあえず専門家の見方は、2020年のところ、ちょうど青い箱がございますが、このあたりにつきましては、事業化の検討プロジェクトが着実に推進されますと、ほぼ需給のバランスは見られるのではないかということがございますけれども、このあたりのプロジェクトの立ち上がりいかんというところが実態でございます。
 なお、今後の予定されているプロジェクトでございますけれども、そこにございますように、幾つかのプロジェクトが出てくる。とりわけこの赤いプロジェクトにつきましては、これはオーストラリアのプロジェクトが中心でございますけれども、これに対しては、いわゆる電力、ガス両需要家のほうが上流にも進出しておりまして、出資するということでございまして、みずからのバリューチェーンの構築も図っているところでございます。
 今後の対応といたしましては、いずれにいたしましても、ガスの生産国との総合的な関係強化、それから自主開発に対する支援、またもろもろの世界市場の分析、需要動向ということをきちっとシェアするということが必要かと考えております。
 ガスにつきましては、もう言わずもがなでございますので省略いたしますが、非常に高い環境性、それから省エネが必要だということと、一方で、天然ガスの比率は、各国に比べるとまだまだ低いということでございますし、我が国の全体で見ても、都市ガスの中におけるLNGの部分というのは非常に低いものがございます。今後の利用のありようとしては、面的利用ということでございまして、こういった集中的なエネルギーの使用、それから燃料電池といったような、新しい技術に伴います使用の仕方、それから輸送のありようというのが、今後期待されているところでございます。ガスのパイプラインのところでは、もろもろの公益特権なり税の優遇措置等々を受けておりますけれども、そこにございますように、高圧導管につきましては、まだ全国に整備されていると言いがたい状況でございまして、こういったあたりは一つの課題かと思っております。
 時間の都合で省略しておりますが、最後、ガス事業の制度改革でございます。これにつきましては、今申し上げたように、安定供給の確保、環境問題への対応ということで、これが、まず第1。それから、需要家利益の増大、ガス産業の基盤強化、制度の適正な運用というのが第2点でございます。それから第3点といたしましては、ガス供給インフラの整備、有効利用の促進。こういった3つの視点におきまして、制度改革を行っているということでございます。現在の価格でございますけれども、LNGの輸入価格に比して、小売価格は着実に減っているという状況になっております。
 右側のところでございますけれども、自由化の範囲というのが拡大しておりまして、来年の4月1日以降は、10万立米以上の需要家について自由化が行われるということでございまして、これまでの件数に比べて約4倍に増えて、全体のシェアの約6割が自由化の対象となるということでございます。先般の都市熱エネルギー部会におきまして、この制度改革の概要ということについての議論が行われまして、1つは需要家選択肢の拡大ということでございます。新規事業者の既存導管からのガス供給が可能なような制度改革をしております。また託送制度につきましても弾力化を図る。保安業務についても、一部受託条件の検討を開始しております。コスト削減につきましても、同時同量計測の簡素化といったような措置もしておりまして、こうしたもろもろの措置も含めて自由化範囲の拡大を図っていくということでございます。
 今後の予定といたしましては、今申し上げた平成19年度からの自由化拡大を受けまして、速やかにその実施状況評価を開始いたします。また、全体のいわゆる全面自由化のあり方につきましては、時期を逸することなく検討するといったような形で、現在制度改革が進んでいるということでございます。
 すみません。時間超過いたしましたが、以上でございます。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、電気事業分科会長の鳥居委員より補足をお願いします。
鳥居委員
 ただいま事務局から説明がありましたけれども、最近のエネルギー情勢の変化、それからエネルギーセキュリティーの確保の観点から、原子力発電の重要性が高まっております。こういう問題意識に基づきまして、電気事業分科会では、分科会の下に原子力部会を設置いたしまして、田中知部会長を部会長として、原子力政策大綱で定められた、原子力発電の比率を3割ないし4割程度以上とするといった基本方針を具体化するべく検討を重ねておりまして、現在最終的な取りまとめの段階にあります。
 それから、平成7年に始まりました電力自由化につきましては、これまで3回にわたる制度改革を行ってまいりました。今般平成19年から全面自由化の検討を行うことにしておりますが、これに当たりまして、現在のエネルギー情勢のもとで、これまでの制度改革をどう評価するかについて、これも分科会の下に制度改革評価小委員会というのを設けまして、東京大学の金本良嗣教授に委員長になっていただきまして、検討していただきました。
 1990年代は、電気事業だけでなくて、電気通信事業や、それから運輸事業など、いろいろな分野で規制緩和が進展した時代でありましたけれども、このようないわゆる自由化は、電気事業においても、価格の低下や顧客サービスの向上など一定の評価ができるものと考えております。他方で、現在我々は世界的なエネルギー資源の獲得競争や環境制約の高まりという大きな情勢変化を経験しております。この中で、エネルギーセキュリティーの確保、それから環境保全という観点から、すぐれた原子力発電は重要でありまして、今回の原子力部会では、電力自由化環境のもとで、原子力発電をいかに維持、拡大するかについて、初めて真正面から検討したものでございます。原子力発電はさまざまなリスクを抱えて、また巨額の投資を必要とします。今後、現在稼働中の原子力発電所がリプレースされる時代が参りますが、適切にリプレースが行われない場合には、目標である原子力発電比率の3割とか4割とかいう程度以上が確保されないおそれが出てまいります。このため、原子力部会では、第二再処理工場向け引当金の導入といった、原子力に特有のリスクの低減策、それから初期投資と廃炉負担の経費軽減策といった具体的な投資環境整備策について提言しております。
 今後とも電気事業分科会におきましては、このような原子力発電の投資環境整備策をはじめ、新・国家エネルギー戦略の実現を図りまして、エネルギーセキュリティーの確保に貢献したいと考えております。
 以上でございます。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、2つ目の資料でございますが、原子力の安全に関する最近の発展と課題につきまして、原子力安全・保安院の西山課長からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
西山課長
 それでは、資料の2をごらんいただきたいと思います。
 ここで、原子力の安全に関する最近の発展と課題について説明いたしますけれども、時間も限られておりますので、特に総合資源エネルギー調査会の原子力安全・保安部会の下の各委員会などで議論していただいているもののうちで、この場でのご審議に関係のあるものに絞って、お話をさせていただきたいと思います。
 まず1ページでは、基本的なことを3つだけ申し上げます。まず1つは、原子力の安全を守る体制について、左側の上でございますけれども、ダブルチェック体制ということになっておりまして、経済産業大臣のもとで、原子力安全・保安院が一次規制を行う。それを、原子力安全委員会が、これは内閣府に設置されているものでございますけれども、そこがチェックするということで運営されております。
 右側に参りまして、原子力安全・保安院は、省庁再編のときに、安全を守る部署として設立されたわけですけれども、そのときに、原子力安全・保安部会のご審議によって理念を定めまして、理念の1は、安全規制が明確で、公開されている。理念の2として、最新の技術的知見を反映した効果的なもの。理念の3で、国際的な動向に主体的に対応したもの。こういう理念を立てて、仕事をしております。
 それから、1ページの一番下のところで、最近我々が非常に意識していることとしては、広聴、広報の抜本的充実ということでございます。立地自治体への説明でありますとか、住民との直接対話などの国民への説明責任というのを、常に意識しながら仕事をするということになっておりまして、保安院の幹部は、近時、年では延べ100回以上自治体を訪問しているところでございます。
 次の2ページから、個別の項目のポイントだけ説明いたします。まず、2ページは、実用発電用原子炉に係る、これは普通の発電所のことですけれども、検査制度の見直しということでございます。原子力安全・保安部会の下に、検査の在り方に関する検討会というものが設置されておりまして、これを今、動かして審議しております。平成15年10月に、いわゆる東電問題の再発を防止するために、新しい検査制度が導入されましたけれども、それから2年強がたちました。この間の事業者とか規制当局の取り組みの状況を検証しまして、さらに安全を高めるには、どうしたらいいかということで、今、検討しておりまして、その下のところにありますように、今年の6月を目途に報告書を取りまとめようと考えております。
 見直しの方向性ですけれども、左に見直しの方向性とあるところの欄をごらんいただきたいと思いますが、1つのポイントは、個別のプラントごとに、その設備の特性とか事業者の管理体制に対応した、きめ細かい検査に転換していくということで、その下の箱にありますように、個別のプラントごとに保全プログラムをつくっていただいて、それを、私どもが確認した上で実行していくということでございます。それからもう1つは、右側の箱でありますが、個々のプラントごとに運転計画をつくりますが、それに応じて、運転中と停止中の検査を、一貫させた検査に移行していくということでありまして、現在は停止中に相当なエネルギーが割かれておりますけれども、これをもう少しバランスをとってはどうかということでございます。
 そして、2ページの下にありますように、制度の見直しにつきましては、平成20年度実施を目途に、今現在準備しているところでございます。
 次に3ページですが、原子力発電所の高経年化対策の充実、強化でございます。平成16年8月に起こりました美浜発電所の3号機の事故を契機としまして、この問題に大変関心が高まったこともあって、原子力安全・保安部会の下に高経年化対策検討委員会というものを設置いたしまして、特に30年以上の長きにわたって運転しているプラントについての安全確保策を検討してまいりました。そして、真ん中の箱にありますように、平成17年の去年の12月までに、私どもはその報告書に基づいて制度の充実を図りまして、今年の1月から新制度を実施しているところでございます。一番下の箱にありますように、この新しい制度に基づいて、3つのプラントの高経年化の技術評価というものを行っております。具体的には、福島第一の3号機、浜岡の1号機で既に審査が終了しておりまして、現在美浜3号機の審査を行っているところでございます。
 次に、4ページをお願いいたします。これは、耐震設計審査指針の見直しへの対応ということでございます。耐震設計審査指針につきましては、上のところにありますけれども、もともと原子力安全委員会が定めた耐震設計審査指針に基づいて、私ども発電所の審査を行っているところでございます。4つ目の黒ポツにありますように、現在この指針について、安全委員会で改定の原案が取りまとめられまして、パブリックコメントにかけられているところでございます。おそらく今年の夏には改定が決定されるものと考えております。
 これについて、私どもが、どう対応するかということですけれども、下のほうにありますように、(1)は、現在安全審査の手続中のものにつきましては、この新しい指針を適用しまして、その形で、それにのっとった補正を求めて、それを踏まえた安全審査を行ってまいります。それから、既に今、動いているもの、55基ございますけれども、これにつきましては、私ども既に耐震安全性は確保されていると考えておりますけれども、しかし、せっかくこういう新しい指針ができたということですので、信頼性の一層の向上を図るために、55基全部につきまして、事業者に対して、耐震安全性を、新指針に照らした確認をしていただくということを求めて、私どももその結果を確認する考えでございます。
 5ページをお願いいたします。放射性廃棄物の安全規制制度の整備でございます。先ほど電力・ガス事業部のほうからも報告がございましたけれども、5ページの右上のほうに、平成12年に特廃法、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律ができておりまして、現在処分候補地の公募をしているところでございます。ただし、この安全規制は、別に法律で定めるとされておりまして、私どもは、これをつくるのが仕事だと考えております。具体的には、左側の3つ目の箱にあります対応のところですけれども、国際的に幾つかの例がございますので、これらに留意しながら、高レベル放射性廃棄物の地層処分に係る安全規制の法制化と安全基準を段階的につくっていくということにしてまいりたいと考えております。
 次に、6ページをお願いいたします。以前に総合部会の場でも一度議論がございましたけれども、核物質防護対策、テロ対策とも言いかえられますけれども、この充実、強化ということでございます。アメリカの同時多発テロを契機にしまして、現在24時間体制の治安当局による警備が行われていますけれども、さらに、私どもIAEAの最新のガイドラインの水準まで、日本の安全を高めることをいたしております。これは、昨年の通常国会で改正された原子炉等規制法に基づくものでございます。右の下のほうにある図が、そうですけれども、事業者の方に、どんな脅威を想定したらいいかというものを、国でお示しして、事業者に対策をとっていただいた上で、(2)にありますような、国の検査制度でもって、それを確認していくということにしております。その上で、それらに関する秘密については、厳重な保持義務をかけるということで、罰則による担保をしているところでございます。
 最後に7ページについて一言申し上げますと、日本での原子力の安全のほかに、アジアでも、例えば中国などは、これから1年に2基ずつぐらい原発をつくっていくということでございますので、そこでも、何かあるときには、日本にも非常に大きな影響が及ぶということで、中国における原子力の安全を図るということに、どうしても手を貸したいと考えておりまして、そのために、この地域の協力の枠組みをつくって、規制機関のトップによる話し合いもしながら、研修などによって協力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、資料3、エネルギー関係の特別会計につきまして、総合政策課長からご説明いただきます。
立岡課長
 それでは、ポイントをご説明申し上げます。特別会計はご案内のとおり、エネルギー政策を進めていく上で重要な予算ツールでございますけれども、特会におきます、最近の議論の状況についてご説明申し上げます。
 まず、1ページ、2ページでは、両特会の概要が書いてございます。1ページ、石特でございますけれども、数字を読み上げませんが、全体で5,600億円、それぞれ石油対策、それから需給構造高度化対策ということで、省エネ、新エネ対策が盛り込まれております。大所では、石油対策では備蓄、開発、それから需給構造高度化対策では省エネ、新エネといったあたりが大きな額になってございます。
 2ページが電特でございます。18年度で総額4,000億円でございますけれども、それぞれ立地対策の立地勘定、利用勘定ございますが、2,000億円ずつでございます。文部科学省と共管になっており、立地対策は、主として地域振興対策への交付金がメインでございます。他方、利用勘定の方では、文科省分で、主として技術開発といったものを実施している。こういう構造になってございます。
 3ページでございますけれども、この特会をめぐりましては、昨年の暮れに全体の特会改革という議論がございまして、3ページの下にございますように、従来は左側のような制度になっておりましたところを、右側のような形に直すということが、昨年の暮れに決まっております。現在この考え方を表した法案が、国会に出て、先般成立したところでございます。ポイントは、石特、電特を統合するということ、そして、電特につきましては、いわゆる電源開発促進税が、従来は一般会計を経由することなく直接特会に入っておりましたところを、ある種財政規律を働かせるという観点から、石油石炭税と同様に一般会計を経由して特会に入れるという形にすることが決まっております。この辺につきましては、基本的に来年の国会に向けて、政府全体で準備していく中で、私どもとしても、その作業をしていくことになろうかと思います。
 4ページでございますけれども、ある種、こういう特会改革がされるということを先取りいたしまして、18年度予算の編成に当たりましては、17年度に比しまして大幅な歳出規模の削減を行っております。左上の数字の箱にございますように、両特会を合わせますと、全体で1,000億円強、石特で700億円弱、電特で450億円の削減を行っておりまして、全体を合計した推移が左側の棒グラフ、特会ごとの推移が、右側に分けて記載いたしております。ある意味では、こういう特会改革の議論を先取りして、18年度編成に当たりましては、相当程度規模を圧縮したということでございます。
 加えまして、5ページでございますけれども、その関連で、特に一般会計全体が非常に苦しいという中で、特会のサイドから、ある種の貢献でございますけれども、石特につきましては、左側にございますけれども、税収が約4,700億円強上がっている中で、実際そこから一般会計を経由して特会に入る額といいますのは3,700億円強でございまして、約1,000億円程度は一般会計に留保して、一般会計の中で活用しているということがございます。右側の電特につきましても、これは18年度予算ではまだ直入構造が残ったままでございますけれども、特例公債法により、電源特会で余裕がある資金約600億円弱を、法律の措置で一般会計に繰り入れるということをいたしております。これは、将来原子力立地が進むなりして財政上必要になった場合には、当然一般会計から電特に繰り入れるということを前提に、この措置を講じたものでございます。
 以上が特別会計の全体の流れでございますけれども、他方、6ページでございます。現在歳出改革に向けたもろもろの議論が行われております。そのコンテクストの中で、論点を4つ書いてございますけれども、この4つの論点が、現在歳出改革のコンテクストで議論がされているところでございます。
 1つは、剰余金の問題がございまして、これはかつて2,000億円弱、今でも1,000億円弱を切るものがございますけれども、これがあるがゆえに、税収と歳出の構造が非常にわかりにくいという批判がございまして、これについては、国民から見て、わかりやすいような形に変えていくということで考えてございます。これは、基本的には剰余金を圧縮して切っていくということが一つの方向でございます。
 2番目として、その裏側の問題がございまして、現在、特に石特でございますけれども、歳出規模が税収の規模を上回っているという不均衡がございます。これを、どう直していくかでございます。基本的には、1に書きましたように、剰余金がなくなっていきますと、そういう税収以外の財源がなくなってまいりますので、基本的には概ね均衡させる方向に収斂していくということが、長期的な姿だと思っております。論点としては、(2)、(3)にございますように、どのぐらい期間をかけて、概ね均衡させる状態に持っていくのか、あるいは、一旦均衡しても、例えば原子力の問題、あるいは上流の問題等々で、ある種エネルギー対策といいますのは、歳出について機動的に対応する必要がございますので、一定程度の伸縮というものを、どのように許容していくのかといったことがございます。
 さらに、右側の3.でございますけれども、そういう単年度の不均衡と同時に、ある種長期的な不均衡といいますか、かつて石油石炭税収で納税いただきながらも、実際にエネルギー対策に使われていない税収が相当程度ございます。3.の(1)にございますように、石油石炭税収で約6,500億円、電促税で、これは先ほどご説明しました一般会計に繰り入れをしました600億円ございますけれども、こういったものを、先ほど申しました2.の(2)、(3)といったような事態に対して、どのように活用していくのか、いかないのかといったような議論がございます。
 それから、最後4.でございますけれども、石油公団を解散した結果、公団が行っていました備蓄関係のもろもろの債務というものも、特会が承継いたしております。現在残高で1.7兆円ございますけれども、元利払いで、今、600億円ぐらいを計上してございますが、今後金利が上がっていくことに伴ういろいろな負担ということを考えますと、この規模を圧縮していくということも大きな課題でございます。ある意味で、この1、2、3、4の課題を、どういうふうに一括して対応していくかということが、現在、議論として並行的に行われてございます。
 したがいまして、特会を巡る全体の構図といたしましては、昨年決まりました特会改革への対応をどう進めるかということと、今ご説明した4つの論点について、どう対応するのかということと、さらに、これからまた後ほど議論いただきますエネルギー戦略を実施していくために、どういうふうに歳出予算項目にめり張りをつけていくかということを、ある種、19年度に向けて解決していく必要があるということでございます。
 参考をお付けしてございますけれども、時間の関係で、説明は省略させていただきます。
 以上でございます。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 限られた時間でございますが、資料3つについてご説明をいただきました。それでは、委員の皆さん方からご意見をいただきたいと思います。例によって、プレートを立てていただければと思います。では、佐々木委員どうぞ。
佐々木委員
 どうもありがとうございました。
 全体のご説明をちょうだいいたしまして、よく理解できたところでございますが、2点ほど申し上げたいと存じます。第1点は、高速増殖炉サイクルの実現に関してでございます。軽水炉サイクルにつきましては、プルサーマルの実施の見込みが立ったということで、これが機能すると理解しておりますけれども、やはり長期的に見れば、高速増殖炉サイクルについて実用化していくことが必要だと考えておりまして、特に実施を認証するシステムについての民間と国との負担の問題等々いろいろご議論いただいておりますので、ぜひこれが活用できるような、実際の仕組みにつくり上げていただきたいということが第1点でございます。
 第2点は、エネルギー関係特別会計でございますけれども、これは既に立岡総合政策課長からご説明があったところではございますが、特に電源開発促進税の活用について、今後の種々の原子力の立地、更新等のために必要な費用というものを、特別会計に繰り戻せるような予算の運用として、長期的な観点に立った活用が行われることが、税金を納めていただいた国民の方々に対する還元になるのではないかと思っておりますので、その適切な運用をお願いいたしたいと存じます。
 以上、2点でございます。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、柴田委員どうぞ。
柴田委員
 今、全体についてお話をいただいたわけで、その感想ということでございますけれども、エネルギー情勢をめぐる国際的な環境変化を踏まえた内容となっており、総合部会での議論と方向性が合っているので、非常に結構なふうにまとまったのではないかと思います。
 その中で2点だけ申し上げたいと思いますけれども、まず1点目は、原子力の政策推進についてでございます。エネルギー基本戦略の確立に向けた基本的な考え方につきまして、前回の会合で経団連の提言ということでペーパーをお配りいたしましたけれども、その中で政治のリーダーシップ、あるいは官民の役割分担と並んで、この安全確保を大前提とした原子力政策の推進ということを書いております。これにつきましては、宮川課長から先ほどお話がございましたとおり、国のほうでも原子力政策大綱という形で明確に方針を示されておりますけれども、核燃料サイクルも含めまして、ぜひ着実に推進していただくようお願い申し上げます。それから、西山課長から、原子力関連の新規立地あるいは運転について、地域住民の方のご理解を深めることが大事だというお話がございました。原子力政策推進のためにも、広聴・広報関係のところで、国民一般の中で、特に初等段階、つまり学校教育の中でも、こういったエネルギー問題という問題について理解を深めていただくような提言をしていただけたらということもございます。
 2点目は、立岡課長からお話がございました、特別会計に関連する問題でございます。私は財政制度等審議会のメンバーでございまして、そこでは、要するに聖域なく見直しに取り組むというのが意見でございますけれども、やはりこういう財政が厳しいということになりますと、切るということの一点張りですけれども、プライオリティーをつけることが大事です。私は、このエネルギーのセキュリティーの問題は、プライオリティーが非常に高いと思いますので、財政審の場の中でも、そのことは、私は委員として意見を申し上げたわけでございますが、資源エネルギー庁、あるいはこういった調査会の立場からも、この問題については、その重要性、プライオリティーの高さについて情報発信をぜひし続けていただきたいというお願いでございます。
 このことに関連して、今の佐々木委員からもお話がございましたように、特会の見直しの前提条件といたしまして、財政需要が生じるまでの間、財政資金の効率的な活用を図るということについては、やはりよほどきちっと釘をしておいていただかないといけない。いざとなると消えてしまって、必要なときになかなか戻ってこない。佐々木委員も言っておられたので、その点については重ねてきちっとお話をしていただきたいというのが私の意見でございます。
 以上、2点でございます。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは内藤委員、どうぞ。
内藤委員
 全体として、非常にわかりやすくまとめていただいたので、結構だと思いますけれども、個別の問題について、二、三点申し上げたいと思います。
 まず、電力・ガス政策についての説明の中で、7ページ以下の天然ガスでございますけれども、7ページの右上のほうの箱にあるような形で、非常に安心であるという問題提起でありますけれども、欧米で徹底的な議論をしますと、一番のホットイシューが天然ガスであります。それで、ほんとうにいかに今後対応していくかという中で、今後3年ごとにプライスフォーミュラを変えるという動きがある中で、大丈夫ですという形ではないのではないかという気がいたします。日本でも、今年の2月の状況を見ますと、天然ガスで発電した場合と、石油で発電した場合とでは、天然ガスのほうが高くなっているのは、ご案内のとおりでございます。ああいう形が、今後恒常化する可能性がある。しかも国際市場が大きく転換する可能性があるということで、世界中でこれだけ議論されているのと乖離があるように思いますので、天然ガスのあり方について、さらにご検討いただきたいという点が1点であります。
 第2点目は、原子力安全に関する資料でございますけれども、基本的には、今、柴田委員もおっしゃったような、今後とも剰余金をいかに確保するかということの重要性は、全く同感でありますけれども、あわせて、その使い方について、開発の研究予算等の確保が非常に重要であると思うわけです。というのは、今後の高速増殖炉から核融合まで含めると、非常に超長期の研究開発を要する。その場合に、政府内で、これは文科省の予算、これは経産省の予算というふうなことで、そこのけじめをつけるということになると、ほんとに長期的な、腰の据わった研究開発ができない。それで、私、フランスでいろいろと議論しておりますと、まさに2100年まで腰を据えて、このときにはこれを導入するということで、ほんとの政界ベースまで腰が据わっている。それに比べると、日本の場合に、今後の研究開発について明確に、こういうものを有効活用して、腰の据わった予算を出すということを、全政府ベースで考えていただきたいということで、官庁の縦割りを、こういう点で、経産省が一番になって切り分ける。国益の実現のためということをお願いしたいというのが2点目であります。
 それから、原子力安全について、私、申し上げたかったのは、2ページでございます。2ページのところで、品質保証の安全水準を高めるための制度見直しを、平成20年度実施を目途に準備するということで、こういう形のものというのは、本来は非常に早くやればいいのに、できないというのはなぜかというと、今までのこの種のデータ収集が十分でないからだと思います。そのデータの保有ということは、いろいろと管理をする上で全く不可欠でありますから、これのみならず、原子力安全に関するデータの再チェックをして、この際補給しておくべきものは徹底的に補給して、一たん行動をとるときには、後ろ延ばししないで、すぐに行動がとれる。かつ、過去に問題が起こったのにはレビューができるということをもう一度見直していただければ、ありがたいと思います。
 以上でございます。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、河野委員どうぞ。
河野委員
 今日は特別会計のことだけに発言したいんです。今、特別会計悪者論、が横行している。テレビや新聞で、最近ではとくに年金関係特別会計での担当者の仕事ぶりについては、ほとんど弁護の余地がないようなことが暴露されていて、国民の間になるほど、ここのところを何とかすれば年金制度は持続できるという幻想を与えるほどの話になっている。また、道路特別会計の余った金をどう回すかということについては、実はいろいろな議論が行われてきている。今、それに対して、関連の業界では、社長さんが街頭まで出て署名運動をやって、反対だということをやっていらっしゃる。これも議論のプロセスの中での一つの現象なんでしょうね。
 その中で、エネルギー関係の特別会計についての議論は、ほとんど公然と議論になったことはない。それは、1つは、エネルギーの話はやはりかなりまじめにやっているんだろうというふうに、エネルギーに対する信頼感がある。もう1つは、実際は内容がわからない。実は僕も分厚い資料で読んだことがあるが音をあげた専門家が適切にやっているんだろうというふうに信頼するしかない。しかし、この話には危ういところがあるんです。全般的な特別会計悪者論にまき込まれて、ここも変なことをやっているんだろうというふうに見られる恐れが多分にある。そんなことはないと自信を持って、世間に向かって胸を張って言わなくてはならない。
 今度エネルギー戦略の大転換をやった。次は特別会計でどう予算をつけるか。作文は書いたけれども、これからも旧態依然たる配分でやっていくということになってはならない。2つの特別会計を一緒にくっつけて、ホチキスでとめただけでは意味がない。せっかくのチャンスだから、大胆な発想で、従来型のくくりの仕方を変えるぐらいのことをやって、先に打って出る。ほかの特別会計と一緒にしてもらっては困るよ、こちらのほうは全然違うということを、関係者にわかってもらう。政治家も新聞記者も一般の国民も。そういう努力を、ここの中でやってもらいたい。やらないと、一緒くたにされて、全部疑いの目で見られるようなことが続くのは情けない。
 これについて、もう1つだけ言うと、結局予算の執行なんです。今、そこが問われている。小さな話のように見えるけれども、そこでミスをおかすと、全体が疑いの目を持たれるんです。それは、とっくには考えていると思うけれども、どういうふうに配分するか、もう1つどういうふうに執行するか、それについて、どこからも大きないちゃもんがつかないというふうな自信のあるものをつくってもらいたい。
 以上。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは橘川委員どうぞ。
橘川委員
 特別会計制度について言いたいことは、今、河野委員が全部言われましたので、電力、原子力政策について発言したいと思います。
 新・国家エネルギー戦略で、30~40%以上という数値目標の中に一つに組み込まれることは当然のことだと思います。日本語として、30~40%以上という言葉は変な感じがします。何で30%以上と言わないのか。私の個人的意見としては、30~40%程度がいい水準ではないかと思いますけれども。そのことを考えますと、リスクが3つぐらいあると思うんですけれども、1つは、ここでも正面から取り上げられている原子力投資に対する制約がかかっているという問題、2つ目はバックエンドの問題、3つ目は周辺諸国での原子力の事故ということだと思います。3つ目の点については、安全・保安院から対策が打ち出されていますので、ここでは申し上げません。
 1番目の点ですが、やや心配なのは、1ページの図の電力料金の国際比較というのを見ますと、この中で現時点で1を超えているのは、イタリアの産業用だけなんですね。このグラフを素直に読むと、95年以降の自由化は効果を上げた。上げつつあるんだから、もっとやれというふうに読むのが、普通の読み方ではないかと思うんですね。この図自体も、需要密度の問題とか、為替の切り方の問題とか、幾つか、このまま出るとちょっと心配なところもあるんですけれども、普通に読むと、そういうふうに読める。
 ところが、この総合部会の議論を含め、最近のマスコミの、マスコミというよりも、マスコミはエネルギーにあまり注目していないので、関心の高い国民に向けた雑誌の、この部会に対する注目の仕方として、自由化を捨てたというような言われ方がよくされているんですね。自由化問題が、新・国家エネルギー戦略では後景に退いたと。私は、これはあまりよくないことなのではないかと思います。自由化をとめて、投資に対するインセンティブが上がるほど単純ではないと思います。むしろ、さまざまな周りの人の意見を聞いていますと、自由化をとめたという印象が強くなり過ぎると、当面はそれでいいのかもしれませんけれども、中期的なときに、もうちょっとより大きな投資制約を呼ぶアンバンドリング、発送配電の分断という議論が、いわば生き残ってしまう。今の消費者サイドからすると、確かに下がってきたという感じはするんだけれども、競争が始まったという実感はないと思いますので、ここでの議論が自由化をとめたという印象につながるのは避けたほうがいいのではないかというのが、私の意見です。
 それから2つ目はバックエンドの問題ですけれども、これはリスクマネジメントの問題だと思います。各国で原子力のリバイバルが始まったというのは事実だと思いますが、その1つの大きな要因は、バックエンドのリスクのマネジメントが進んだということだと思います。そのときのポイントは、核燃料サイクル路線と直接処分路線を両方バランスよく取り入れたことによって、国際的にバックエンド問題のリスクが去ったというふうに、私は理解しておりまして、ここで、核燃料サイクル路線の延長上で、ここ一、二年で真剣に最終処分のことを考えるというふうなパターンでいくのであれば、同時に核燃料サイクル路線とワンススルー、直接処分路線を両立させるということも考えたほうが、ほんとうは原子力のためになるのではないか。
 もうちょっと突っ込んで言いますと、この原子力の投資制約の最大のポイントは、2030年、福島第一から、あるいは美浜1号機から60年たったところで、リプレースがポイントだと思うんですけれども、既存立地をやっている県と、それから核燃料サイクル路線に乗った県との間で、利益のそごみたいなものが起きていて、既存立地を行っている都道府県が、いわばやや損するようなインセンティブデザインになってしまう危険性がある。踏み込んで言うと、既存立地の、今、中間処分と言っているところで、最終処分というようなオプションも入れることが、原子力に関する将来リスクを一番なくす、経済的な意味でも可能な線だと思いますので、そういうことをトータルに含みまして、もう少し、この5つの目標のうち4つは新しいことなんですけれども、この原子力だけは、東電、関電問題が起きる前の2000年の時点で、キロワットアワーベースで37%まで行っているわけですから、いわばやり方を守っていく、リスクを除去するというところがポイントの課題だと思いますので、もう少し柔軟にしたほうが、私は、原子力のためにいいのではないかと考えています。
 以上です。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、橋本委員どうぞ。
橋本委員
 ありがとうございます。
 特会の話で、また我々地方自治体からの声ということでお聞きいただきたいと思いますけれども、この4ページでは、歳出改革を先取りと書いてありますけれども、我々にしてみたら、電源立地12都道府県に照会しましたところ、どこも交付額が足りない、足りないの大合唱なわけでありまして、経済産業省のちょっとした事件がもとになって、ガラッと、こういうふうにメスが入ってしまったんですけれども、我々としては、例えば交付対象としてHTTRみたいなものを加えるとか、いろいろとそういうものでもまた不十分であると思っていますし、また補助裏などに対する使用制限というものがありますので、それについても、各県はかなり不満に思っているところでありまして、先ほど来お話がありましたように、いつの間にか削られてしまったというようなことは絶対に避けなくてはいけませんけれども、それにも増して、私どもとしては、今、余っているという感覚が、地元の自治体としてはあまりないということを、ここで申し上げておきたいと思います。
 それからもう1つは、今度大分いろいろな点での高経年化対策について評価その他をやっていただいているわけですけれども、ここで言うべきかどうかわかりませんけれども、これが、経産省と文科省で若干違っているものですから、こういったシステムを文科省のほうについてもぜひしっかりと導入していただくようにしなくてはいけないのではないかということであります。
 それから、電力、ガス政策についての4ページのところに、原子力を支える技術・産業・人材の厚みの維持というのがありますけれども、原子力関係で働いている人たちも、間もなく大量定年という形になってまいります。その後、ほんとにしっかり、人をどうやって確保していくかということは大変な問題でありまして、東大などは、東海村に専門職大学院を開設していただきましたけれども、本当の専門家を育成するということが一つ大変大切になってきますのと、あわせて中堅技術者の技術水準をどうやって維持していくかという大きな問題、これは真ん中のところで読むのかどうかわかりませんけれども、そういうことも出てまいります。
 そういった全体的な人材確保という点で、次のページ、原子力産業の国際展開支援というのがありますけれども、私は、これが大分役に立ってくれるのではないかなという感じを持っておりまして、国際展開をどんどん支援していくことによって、穴を埋めるような技術者が維持できていくのではないか。アメリカのある企業によっては、日本の企業と組まなければ発電機ができないような状況になっているわけですけれども、日本の企業がそうなってしまっては困るわけでありますから、そういった点で、大量の退職者が出る時期に、どうやってある程度のレベルの人を確保し、それを維持していくかということは大変大事だと思いますので、ここにスラッと書いてありますけれども、これ以上に力を入れていただけたらなと思っております。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、山地委員どうぞ。
山地委員
 ありがとうございます。
 どのタイミングで申し上げようかなと思ったんですけれども、橘川委員が話されたことと関連がありますので、申し上げます。資料1の原子力のところで書かれているところで、電力自由化環境下での新・増設等の実現の中で、対応策の1つで、第二再処理工場向けの引当金の導入というのがあるんですけれども、第二再処理工場というのは、原子力部会でも議論していますけれども、私は、結局高速増殖炉の実用化とリンクしたものだという認識を持っているし、部会でもそういう認識かと思うんです。そうすると、どういうタイミングで、タイミングの問題はある程度、目標があるのでわかりますけれども、どういう技術かとなると、少なくとも今の六ヶ所とは随分違う技術になる可能性が高い。
 したがって、費用算定というのは、本来は現在できる状態ではないと思う。ただ、これが不必要かというと、そうではなくて、今の積立金は六ヶ所の再処理のみですから、それ以上のものに対して積み立てしなければいけないわけです。ネーミングの問題かもしれませんけれども、バックエンド関係の使用済み燃料対策の積み立てというのだったら、非常にわかりやすいと思います。だから、少し、ここを無理に第二再処理という言葉を出しているような感じがしますので、申し上げておきたいと思います。
 もう1点は、放射性廃棄物対策のところにちょっと書いてある、低レベル放射性廃棄物、海外からの返還のところ。こういう話は、これは高レベルとの交換ですけれども、しかし、物からいえば、海外で出たものです。もともと日本の使用済み燃料だということだから、ここはいいんですけれども、これで関連して考えたことがあります。原子力部会で、実は再処理で回収された劣化ウランというか、回収ウランを海外に提供する、供給するという話が出ていまして、つまりこれは、その前のところの核不拡散への積極的関与のところにも関係するところなんです。我が国が何ができるのかということを考えたときに、廃棄物とかバックエンドのところでの協力というのをある程度位置づけてもいいのではないかなと思います。もっとも、別に廃棄物を受け入れろというわけではない。ここは、もともと我が国のものであったのを等価交換するというような話ですから、それと話は違うんですけれども、そういう可能性があるのであれば、不拡散体制のところで協力するということで、我が国ができるものというところでも、そういう観点をぜひ入れておいてほしいな。つまり、積極的関与のところに、具体的に何ができるのかということがあまり書いていないような気がしましてね。
 以上でございます。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 では、岡村委員どうぞ。
岡村委員
 私も、次の戦略の話で、特にお話しさせていただこうかと思いましたが、今、橋本委員からお話出ましたので、人材の育成と研究開発という問題について、お話しさせていただきたいと思います。総合科学技術会議で、5年間で25兆円という話が出ていて、幸いなことにエネルギー関係の技術開発も、4大項目等は、ランクは1つ落ちていますけれども、一応今回重点項目にリストアップされました。そこで、科学技術立国を目指すという立場から見たときに、日本のエネルギー技術というのが、どれぐらいレベルが高いのかということを十分認識しておく必要があります。国際競争力を保つために、国際競争力を強化するために、科学技術立国を目指すならば、やはり強いところを伸ばすべきだということが基本だろうと思います。
 その強さを、次で議論いただく国家戦略なり、あるいはこういう電力、ガス政策なりにしっかり埋め込んで、ここがすぐれているから、ここで世界と勝負するんだということを明確にすべきだと思います。科学技術立国にベースになる技術が、日本にしっかりあるということを、どこかの形でしっかり訴えていただくことが、学生に対する一つのインセンティブになって、そうか、それならひとつおれもやってみようかというふうな気になると思います。しかし今、どちらかというと、IT、ナノ、バイオ、この辺に焦点がかかり過ぎてしまっているので、エネルギーの問題について、学生、若い人たちの関心が薄れているのではないかと思います。海外で我々ビジネスとしてしっかりやるということも一つインセンティブになると思います。日本のすぐれているエネルギー技術というものを、あるいは環境技術というものを政策的に明示していただくことによって、学生のインセンティブを呼び起こす。そんな活動もぜひお願いしたいということで、終わります。ありがとうございます。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。一通りご意見いただきました。ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますか。いただいたご意見、現時点で事務局のほうで対応できるものすべてとは思いませんけれども、事務局のほうで、まずお答えいただいてと思いますが、よろしいですか。
安達部長
 電力・ガス事業部長の安達でございます。
 順次ご説明申し上げたいと思います。まず、佐々木委員から、FBRサイクルの実現、しっかりやるべきだと。コスト分担もちゃんと考えてやるべきだということは、まさにそのとおりでございまして、原子力大綱では、2050年で商業炉ということだったんですけれども、今回国家戦略では、2050年、それより前にということで、2025年に実証炉ということにしてございまして、さらに、そのコストについても、軽水炉相当分超える部分については、国が相当程度負担するということで、FBRについては一歩前に出たというのが、我々の感じでございます。
 それから、柴田委員からも、サイクルも含め着実にやれということでございます。特に地域理解について、広聴・広報をということで、そのとおりでございまして、学校教育の点につきましても、今、文科省ともよくお話をしてございまして、きちっとやっていきたいと思ってございます。
 内藤委員から、天然ガス、見通しはそんなに甘いものではないというお話は、全くそのとおりだと思ってございまして、今後とも天然ガスの調達についてはよく検討していきたいと思ってございます。それから、FBRやITERは、非常にお金がかかる超長期の研究開発でございますので、ミシン目をつけることなく、きちっと全政府ベースで研究開発を行っていくということは、よく肝に銘じてやっていきたいと思ってございます。
 橋本委員から、原子力技術の維持の観点からも、国際展開をしっかりやれというのはそのとおりだと思ってございまして、国際展開への一つの必要性だと思ってございます。
 それから、山地委員から、低レベルの交換の話とか、再処理した後の劣化ウランの海外での活用とか、日本として協力できるものは何があるのかということでございますが、ここはアメリカからGNEPで提案されてございまして、今後は国際的な枠組みの中で、我が国は何ができるかをきちっと考えていきたいと思ってございます。
 私からは、以上でございます。
黒田部会長
 では、特会の件、次長からお願いします。
細野次長
 特会の関係で、幾つかご指摘をいただきました。何人かの委員の先生から同様の問題意識を頂戴しましたので、まとめて回答させていただきます。
 特別会計が、いわゆる河野委員の言われるところの悪者論みたいになっているというのは、一つの運動論として、我々非常に警戒を持って受けとめております。昨年の特会の議論の際に、石特にしても電特にしても、それぞれ一般会計とは違う仕組みになっているわけでございますので、その意味合いを話しながら、制度改革をしたわけでございます。特に将来に向かっての活用の道をちゃんと担保せよということは、まことにごもっともでございまして、既に法律の上では、そこはきちっと戻せるということも書き込んだ上で制度的な担保をしております。しかしながら、最後は、予算の査定の問題ということになるわけでございますので、何をするのかというところがより重要だというのも、また非常にごもっともなことでございます。
 しかるがゆえに、議論が前後してしまいましたけれども、この後ご議論をいただく、あるいはこれまでご議論いただいてきた国家戦略で、どこに注力をしていくかというのが、常にパラレルになって話が出ていかないといけないということでございます。まさに制度だけで議論するというのではなく、中身で議論してしいく。そのようにして、どこに何が要るから、こういう力点と措置が必要であるということで、話をさせていただきたいと思います。
 ちょうど5月も月末になり、まさに戦略において何をというところの中身の取りまとめをさせていただくことになろうとしているわけでございます。戦略の方で、ゆえに必要だということをPRさせていただき、実際のめり張りにつきましては、当面19年度予算作成が間もなく、この春夏から始まります。その前に骨太の議論も始まろうかと思いますので、その中で、できるだけ戦略に基づいた中身を反映させていくようなことで考えさせていただいております。
黒田部会長
 どうぞ。
安達部長
 先ほど、橘川委員からのご指摘についてお答えしていなくて、すみませんでした。
 自由化と原子力の話でございますけれども、自由化の成果ですが、A3の資料の6ページを見ていただきたいんですけれども、6ページ目、真ん中に図が4つございますけれども、左から2番目の図でございまして、電気料金の推移で、電気事業者間で非常に競争が起きてございまして、電気事業者間での格差が非常に縮小しているということでございます。平成6年度は3.55円あったものが、平成17年度では1.41円ということで、自由化の成果というのは非常にうまく進んでいると思ってございまして、私ども19年から全面自由化の検討をするというふうになってございますが、安定供給と環境がきちっと配慮された上で、どこを、どういうふうに市場原理を活用していくかということは、さらに検討していきたいと思ってございます。ただ、原子力の観点というのも非常に重要でございますので、新しい、最近になって起きてきているエネルギーセキュリティーの高まりとか、それから環境問題についても十分配慮しなければいけないと思ってございます。
 それから、バックエンドについては、ワンススルーも含めて、もっと柔軟にやっていくべきではないかというお話がございましたが、政府としては、昨年の10月の大綱で再処理路線を基本方針とするということが決まってございまして、今、そのもとにそれぞれ進めてございまして、今、最終処分場のところが最終問題になってきているわけでございますけれども、平成40年後半からの最終処分の実施目指して、今、文献調査地域を募集してございまして、ここ一、二年できちっとそこをやっていきたいと思ってございまして、今、そういう路線の中でやっているということをご理解いただきたいということでございます。
 以上でございます。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、資源・燃料部長。
近藤部長
 内藤委員からご指摘のございましたLNGの価格の点について、少しだけご説明したいと思います。
 今、内藤委員から、今年の1、2月ごろのLNGの調達価格ということに関連いたしまして、発電ベースでのコストが相当上がっているという、非常に精緻な分析をいただきました。まことにそのとおりだと思います。今年の1月から2月ごろにかけまして、冬が非常に厳しかったこと、それに伴いまして需給相当厳しかったものですから、天然ガスの価格が相当上がったわけでございます。電力会社の社長みずから、商社とか石油元売りを回るといったような事態にもなったわけでございますし、さらに、インドネシアでの輸出抑制といったこともございまして、全体厳しかったわけでございますけれども、今日提示してございますこの資料は、いわゆるS字カーブを具体的に示した一般論ということでご理解いただけたらと思いますし、今ご指摘のような、これから決して楽観することなく、しっかり対応していきたいというのは、今、安達部長から答弁したとおりでございまして、ご指摘をいただいた点についても十分頭に置いて、しっかりと対応していきたいと考えております。
 ありがとうございました。
黒田部会長
 それでは、木元委員どうぞ。
木元委員
 恐縮です。戦略のお話のときに申し上げようかと思ったんですが、今、安達部長からお話があった自由化の件ですけれども、電力・ガス政策の資料の6ページ、7ページ、これでご説明は十分できているんですが、今のご議論の中で伺っていると、諸外国の自由化の状況が、まずあるということ。しかし、ここは、国民が、自分たちの国がどうあったらいいか、あるいは、自分たちが電力を選択するときに、どういう形がいいかという、その国民の考え方が、どうあるのか。つまり、暮らしのレベルをどこに置くか、何によって発電することを望んでいるか、そういうことがよくわからない部分がまだあります。そこに自由化が絡んできて、原子力と自由化という問題も入ってくる。
 この資料の中に、日本の電気料金は、以前、高かったけれども、安くなったということが示されているんですが、私ども、今、議論しているのは、電気料金の高低というのは、何によって決められるかということです。まず、日本の電力というのは非常に質がいい。諸外国、まして東南アジアのほうに行くと、ノンストップパワーサプライという言葉があって、停電しないことが条件で料金を高くしています。そういうことから考えていくと、日本は世界一停電しない国ですから、私たちは、今の電気料金が高いとは言えないという声が結構あるんです。そういうことを踏まえた上で、単純に高い安いというのは、いかがなものかという思いが一つあります。
 それから、今後、自由化を論議するときに、この6ページ、7ページにPPSのことも入って考えられておりますけれども、やはり、経済性の問題とか、環境の問題とか、それがこのごろかなり重要視されておりますので、そのことはここで今後十分に吟味していただけるとは思うんですが、全面自由化と簡単に言ってしまわないで、日本型の自由化という視点から、何か考慮がいただければありがたいと思っております。
 感想になりましたけれども、よろしくお願いします。
黒田部会長
 どうもありがとうございます。
 今の点で、何かお答えありますか。
安達部長
 まさにそういうことも含めて、きちっと検討していきたいと思ってございます。
黒田部会長
 それでは、どうもありがとうございました。予定時間を若干超過しておりますので、先に進ませていただいてよろしいでしょうか。ただいまいただきましたご意見のことも関係するわけでございますけれども、先日来ご検討いただいています新・国家エネルギー戦略の3月の中間取りまとめの後、各分科会からのご議論いただきまして、それに基づきまして、最終案がほぼでき上がりました。ご案内のように、5月中に最終案を取りまとめる予定になっておりまして、5月中といっても、一、二日しかないわけですけれども、私の理解では、諮問会議等にご報告なさるということになっております。したがいまして、その最終案につきまして、まず、事務局からご説明いただいた上で、ご意見を賜りたいと思いますので、よろしくお願いします。
立岡課長
 それでは、お手元の資料4に従いまして、極力簡潔にご説明するよう努力したいと思います。
 まず、目次をお開きいただきますと、大きく2つに分かれておりますけれども、「I.現状認識と課題」、こちらは、3月で中間とりまとめをさせていただいた際と、若干字句修正はございますけれども、基本的に骨格はそのまま維持してございます。他方、「II.実現に向けた取組」のところでは、4月以来、本日まで3回、各論についてご議論いただいたことを、基本的に盛り込み、具体的にどうしていくのかということについて、措置を記述したところでございます。
 したがいまして、前半は見出しをピックアップしながらご紹介いたしますけれども、1ページは、現状に対する基本認識ということで、世界のエネルギー需給構造の大きく変化している様子、2ページは、特に需要側の構造変化ということで、インド、中国等の動き、あるいは二次供給設備の不足の問題等々でございます。他方、5ページが、供給側の構造変化ということで、資源国サイドの国家管理の動きの強まり等々が盛り込まれてございます。そして7ページには、そういう需給要因に加えて、国際的な枠組みを巡る議論の動向ということで、気候変動問題、さらには原子力を巡る不拡散をはじめとする話、GNEP構想等々の動きを記載してございます。
 9ページでは、以上のことに加えまして、国内的な要因ということで、日本の購買力が、世界の中で相対的に低下していくということ、それから、自由化が進んできている中で、供給力の維持に向けての課題が高まってきているということでございまして、11ページでは、そういう需給要因に加えて、市場の混乱要因、攪乱要因が多様化しているということの整理がしてございます。13ページでは、各国で進んでおります、それぞれの国益に沿った形での戦略の再構築という状況を紹介いたしておりまして、15ページで、そういう状況の中で、我が国として、どういう考え方でその戦略を構築していくかという考え方が記載してございます。目標につきましては、(1)で3つ掲げているとおりでございまして、安全保障の確立、エネルギー問題と環境問題の一体解決、そしてアジア、世界への積極的貢献ということでございます。
 さらに19ページでは、そういう戦略の策定、あるいは実施していくに当たっての基本的視点ということで、対応についての大きな考え方を3つの固まりでとらえてございます。1つが、世界最先端の需給構造の実現、2つ目に資源外交、エネルギー環境協力の総合的強化、そして緊急時対応策の充実ということでございます。
 21ページでは、実施に際しての留意事項ということで、長期にわたる軸のぶれない取り組みと、そのための数値目標の設定というアプローチをとるということ、さらに、22ページでは、それに際しては、特に技術といったものに着目してブレークスルーしていくというアプローチが重要であること、3つ目には、官民の戦略的連携、あるいは政府の中での一丸となった取組体制の強化ということの重要性が盛り込まれてございます。
 24ページ以降は、各論としての2030年の数値目標でございますけれども、省エネ目標として、少なくとも30%の効率改善、石油依存度は4割を下回る水準、運輸部門については、石油依存度を80%程度まで下げる。原子力発電につきましては、三、四割程度以上を目指す。そして26ページでは、資源開発目標ということで、2030年までに4割程度を目指すということで、これらにつきましては、基本的に3月の時点と同じでございます。
 27ページ以降が具体的な取り組みでございますけれども、27ページの前半にございますように、基本的に資源の調達確保に向けた外交努力の強化をし、さらに国内的には省エネ、さらには原子力を進めることによって需給構造改革を図り、そこで得られた技術なり知見なりノウハウというものを国際展開していくという、基本的には、そういうストーリーで整理してございます。その下に、(1)、(2)、(3)では、先ほど申しました基本的視点のくくりに従いまして、丸のベースで申し上げますと、8つの計画ないしプログラムということにブレークダウンさせていただいてございます。
 29ページ以降では、それぞれの計画につきまして、考え方、目標、取組みという形で順次整理いたしております。省エネにつきましては、これは前回ご議論いただきましたとおりでございますけれども、基本的な取組みといたしましては、(1)にございますように、まず、技術というものを通じたブレークスルーをしていくという意味で、特に省エネ分野は改良型のもの、あるいは組み合わせ型のものが多うございますので、そういった異なる分野をまたいで取組みが進むような、そういう技術のマップというものを、2006年度中に第一版をつくって進めていきたいということ。30ページの(2)では、日本が進めてきました、これまでのいわゆるベンチマークアプローチといいますか、原単位アプローチといったものを、単なる機器あるいは個別セクターからさらに広げ、システムを拡大していき、さらにそれを国際的にも展開していくといったようなアプローチをとることを謳ってございます。31ページ、(3)では、省エネ投資といったものの価値、事業者あるいは投資家から評価されるような手法の確立というものを、2008年度までに目指して行こうということでございます。(4)では、都市あるいは交通の部分におきます、システム的な開発の重要性を謳ってございます。
 33ページでは、これは前々回でもご紹介いたしましたけれども、技術開発を進めていく際の一つのコンセプトの固まりということで、例えば超燃焼システム技術でありますとか、時空を超えたエネルギー利用技術といったような固まりの試案を提示してございまして、戦略をまとめた後は、こういったものを一つの固まりにしながら、30年に向けた技術マップをつくっていきたいと考えてございます。
 35ページが、運輸部門の話でございます。世界的に見まして、モータリゼーションが進む中で、このセクターといいますのが、やがては石油の脆弱性を最も受けるセクターになるということを踏まえまして、基本的には、(1)考え方の最後にございますように、官民一体となって、ある種中長期のシナリオを共有し、取り組みを進めていくといったようなアクションプランをつくっていきたいと思ってございます。
 (3)では、具体的取り組みでございますけれども、まずは、燃費の着実な改善ということで、年度内の燃費基準の改定、その後のレビュー、さらには36ページでは、オクタン価問題についても、2008年度中になるべく早期に結論を得るということを謳ってございます。
 それから、燃料多様化に向けた環境整備といたしましては、まず、バイオ由来燃料の供給に係るもろもろの環境整備ということで、ETBEのリスク評価、あるいはバイオエタノールに係る実証実験の実施、さらには流通インフラの整備といったものに着手するとともに、またii)のディーゼルとの関係では、ガソリンよりも、CO 排出量に優れるといった点、あるいは将来GTLを導入していくことをにらみながら、2010年代半ばぐらいまでには、ディーゼル乗用車の普及拡大というのを考えていく必要があるのではないかということも謳ってございます。37ページでは、導入の拡大ということで、特に2つ目の段落では、バイオエタノール10%程度が混入されたガソリンを許容するような品質規制の見直しというものを、2020年ごろまでを目途にやってはどうかと謳ってございます。特に、これは中古車といいますか、既販車が入れ替わることが必要でございますので、そういったことに要するリードタイムを勘案して、この程度を目標に置いたらどうかということで謳ってございます。
 (3)では、バイオあるいはGTLの供給側でございますけれども、国産のエタノールの生産拡大、あるいは開発輸入、さらには大規模実証、セルロース系の技術開発といったことに加えまして、GTL、さらにはその先にBTL、CTLといったものも、技術開発の重要課題としたわけでございます。
 38ページでは、特に電池の重要性を謳ってございまして、既に実用化されている車の普及に加えまして、やはり電池が飛躍的に変わっていくことが、大きな転換をもたらすということを念頭に、基盤技術としての電池に対する集中的な技術開発を行っていってはどうかということを言ってございます。そういったもろもろのことを、ある種、絵に落としますと、39ページの絵のようになってございます。2030年に向けまして、各般の課題について、どういうタイミングで何をしていくかについてのプログラムをつくっていきたいということでございます。
 40ページ、新エネでございますけれども、これも前回の報告の内容を盛り込んでございます。基本的には、将来非常に大きな期待をせざるを得ないエネルギーである一方、まだ課題が多く残っているということで、ここでの考え方といたしましては、新エネのうち、再生可能エネルギーの中でも、特に今、推進すべきものというものを重点化して対処するということと、もう1つは、革新的な利用技術といったものの取り組みを強化するという大きな2つの柱になってございます。
 (2)では目標を掲げてございますけれども、例えば太陽光では、30年までにコストを火力並みにする。あるいは地産地消型の取り組みを促進して、地域の自給率を引き上げていく等々でございます。
 41ページ、具体的取組でございますけれども、普及段階にあるものについては、需要をつくっていく。あるいは、まだ離陸に至らないものについては、実証なり技術開発を進めていくという、新エネなり再生可能エネルギーの特色に応じたアプローチを進めていくことの重要性が、(1)でございます。(2)が、その関連周辺産業ということで、厚みのある産業構造をつくっていくということ、これは太陽光あるいは燃料電池、電池、風力、バイオマスでございますし、42ページ目では、さらにそれを地域が展開する意味での次世代エネルギーパークの整備といったような課題にも触れてございます。(3)が、革新的な高度利用の促進、そして(4)では、米国の例にもならいながら、日本として技術オプションを増やしていく上で、ベンチャーを使っていくことの重要性を指摘してございます。
 44ページでは、原子力立国計画ということで、これは本日前半でご議論いただいたことがおおむね整理してございますので、説明は飛ばさせていただきますけれども、具体的取組でございますが、先ほど分類のように、自由化環境下での新・増設、リプレースの問題、さらに現在の軽水炉を前提とした核燃料サイクルの早期確立、高速増殖炉サイクルの早期実用化、そして46ページに参りまして、国際的な枠組みへの対応、人材、技術開発の問題、産業の国際展開、さらには廃棄物。47ページ下の方では、安全のための検査制度の見直し、その次のページでは、高経年化、耐震安全対策、そして国と地方の信頼関係の強化という、前半でご議論いただきました、内容を整理してございます。
 49ページでは、総合資源確保戦略ということで、考え方の第2パラグラフに、ある種自主開発を進めていくということの意義が、整理してございます。当然ながら、通常の売買契約に比して、こういう形で権益を持っているということが、エネルギーを確保することができる可能性が高いことに加えまして、ア、イ、ウにございますように、ある種産油・産ガス国との間での幅広い相互依存関係の強化に資する、さらには、そういったことを通じて、世界のもろもろの開発動向を熟視することによって、中核企業がさらに育っていくことの基盤にもなる。また、世界全体が上流投資を必要としており、そのリスクをどう負っていくかという課題がある中で、日本としても、しかるべき割合については、そういう上流分野の投資のリスクをとっていくという考え方を、ここで謳ってございまして、そういった民間主導の対応の中で、国として、資源外交あるいはリスクマネー供給によって支援していくという考え方で整理してございます。
 49ページの下には目標が、先ほどの数字が書いてございますけれども、引取量ベースで4割程度を目標とすることを目指すということでございます。50ページ以降、具体的取組がございますが、最初に、資源国との間で、相手国のニーズを踏まえながら、資源分野だけにとどまらず、例えば産業振興とか、あるいは医療、教育、あるいは先端科学技術、こういった幅広い分野でODAを使う、あるいはEPAも使っていくというような格好で、総合的に対外的な取り組みを展開していくことの重要性を謳ってございます。
 ii)では、中核企業の育成強化と同時に、その支援をしていくということでございまして、中ほどにございますように、JOGMECによるリスクマネーの供給の機能の強化、あるいはいわゆるJBICによる資金供給機能の維持、強化、あるいは保険によるリスクテイク能力の強化といったようなことが盛り込まれてございます。また一番下には、独立行政法人の評価のあり方について、やや短期的な評価をするだけでは、こういう長期的な取り組みに対する評価が十分かどうかという議論がございますので、そういった点の環境整備、見直しについても進めていく必要性は指摘してございます。
 51ページでは、資源供給源の多様化ということで、昨今のロシア、カスピ海に加えまして、アフリカ、中南米、カナダなどの重要性を指摘するとともに、太平洋パイプラインプロジェクトの重要性も、ここで謳ってございます。
 その下の、iv)では、そういった課題に対して、政府あるいは関係機関一体となって取り組みを進めるための一つの要といたしまして、資源確保指針を、2007年度までに取りまとめて、そこで決められた、あるいは謳われた基本的な方針に従って、各関係機関が資源の重点投入をしていくといったようなアプローチをとってはどうかということをご提案申し上げてございます。
 さらに51ページの下では、ウランの開発、さらにはバイオエタノールの開発輸入といったものも、スコープに入れてございます。
 52ページでは、そういった資源開発を進めるために、一つの重要な武器となる技術でございますけれども、GTL、メタンハイドレード、あるいはEOR関連技術といったもの、さらには石炭のクリーン利用技術ということの重要性、及び、こういったものを、資源国に対する我が国の魅力を高めることに使っていくということ。それから天然ガスにつきましても、企業間連携の促進、あるいは技術開発等々の重要性。(4)では、化石燃料をクリーンに使っていくことについての、ある種先端的な技術を開発して、それを世界に広めていくということの重要性を指摘してございます。(5)では、こういうエネルギーと、ある種等しい問題に直面している問題としまして、ウラン、さらにはいわゆるレアメタルといったものにつきましても、あるものはエネルギー関連、あるものは日本の国際産業競争力というものに関連する課題でございますが、こういったものが、ある種資源の偏在性、あるいは需要の急増ということで、最近供給面の心配が非常に高まっておりますけれども、こういったものを含めて、先ほど申し上げました資源確保指針の中で一体的に対応していくということも、53ページでは謳ってございます。
 54ページでは、アジア・エネルギー環境協力ということで、ある種アジア地域のエネルギー安全保障の確立、あるいは地球環境問題の対応といったことを、まずねらい、加えて、我が国の産業界へのビジネスチャンスの拡大にも資するということで、アジアとの間でウィン・ウィン関係をつくっていくということを念頭に、エネルギー環境協力を進めて行こうということでございます。一番下にございますように、個々の取り組みは、具体的にここに書いてございますけれども、さらにそれを包括的に進めていく観点から、今あるいろいろな多国間の枠組みを使う、さらには将来的にはもう一段バージョンアップしたような国際的な枠組みの整備も視野に置くという考え方で謳ってございます。
 具体的取り組みは55ページ以降でございますけれども、省エネにつきましては、二国間の対話の実施、あるいはその考え方に対したアクションプランを策定するということで、具体的には、アジア各国の制度構築の支援、あるいは産業分野にとどまらず、民生、運輸、電力部門についても協力を実施していく。さらには、日本のビジネスベースの展開を図っていく。国際機関あるいはNGOとの連携、56ページに行きまして、APPなどの、現在ある枠組みを積極的に使っていくということでございます。(2)では、新エネについても同様に取り組みを進めていく。57ページの(3)では、特に石炭につきまして、クリーン利用技術あるいは液化技術、さらには生産・保安技術といったものを、特に石炭に大きく依存せざるを得ないような、中国、インドをはじめとする諸外国に対して、日本が技術を普及していくということを謳ってございます。(4)では、アジアの備蓄制度構築ということで、これは幾つか取り組みが始まっておりますけれども、日本で培ったノウハウなり制度面の協力をしていくこと。58ページでは、さらにその先の課題としまして、中長期的にはやはり地域的に連携していくような枠組みを模索するということも謳ってございます。(5)では、原子力分野の地域協力ということで、先ほど保安院から説明ございましたような安全面での枠組み、さらにその下では、推進面での枠組みといったものも、ここでは課題として掲げてございます。
 60ページに参りまして、緊急時対応でございますが、基本的には、今のいろいろな措置といいますのが、石油依存度が高かった時代に設計されたものでございますので、そういったもののレビューをもう一回しようということでございます。取り組みのところでは、まず、(1)で備蓄でございますけれども、国家における製品備蓄の導入、あるいは放出形態の多様化等々でございます。それから(2)では、天然ガスにかかわる対応体制の整備ということで、これも本日前半のパーツで議論がございましたけれども、日本の中では天然ガスの導入が徐々に進んでいくという中で、果たして従来型の措置だけで十分かというご議論ございますので、まずは、そういう民間のいろいろな取り組みの状況をよくフォローしながら、場合によっては、将来的には、ここに書いてございますような地下ガス施設の貯蔵を使っていくという可能性も検討してはどうかということを謳ってございます。さらには危機管理体制の横断的な連携強化ということで、BCP的なものを、企業、業界あるいはエネルギー全体でどう進めていくかということを課題としてとらえてございます。
 62ページでは、技術戦略ということで、これも前回ご議論いただきましたけれども、具体的取り組みのところでございますが、2050年、2100年といった超長期をにらみながら、そこからバックキャストするということを踏まえながら、2030年に向けての課題というものを、ロードマップの形で提示し、科学技術基本計画との整合性も確保しながら、それを進める体制について検討していくということで、課題を整理してございます。
 最後に、64ページ、65ページでございますけれども、この戦略を実現するに当たって、共通する課題ということで、冒頭にございますように、担い手となる企業、そしてそれを支える強靱かつ効率的な政府、そしてエネルギー問題を理解する国民というものの3者の連携が必要だということで、それぞれ、(1)、(2)、(3)で、課題が横断的に整理してございます。
 (1)では、自由化のところの議論が、前半でもございましたけれども、ある種コストを下げるという、日本経済のコストを下げるという成果があった一方、他方、必要な投資というものについての課題が上がってきている中で、前半に言いました措置を通じまして、そういう強い企業の形成を促していくということが、記載されてございます。
 (2)では、特会の議論にも絡みますけれども、ある種規律の導入あるいはPDCAサイクルをきっちり回すということをやりつつも、64ページ下段にございますように、ある種政府の役割としては、民間でカバーし切れないリスクをしっかりとっていく。あるいは、税制、予算の活用、技術開発プロジェクト、戦略的推進といった課題もございますので、そういった両面をにらみながら、最後にございますように、特会制度の設計などでも、そういったことを十分配慮して行うということが盛り込まれてございます。
 それから、(3)の国民との関係でございますけれども、国民に深い理解を得ていただくということのためには、一番下にございますように、広聴活動、あるいはそれをもとにした情報発信を行っていくということ、それと、学校教育の場での対応といったものの重要性も、ここでは指摘してございます。
 最後でございますけれども、一番下にございますように、この戦略の内容につきましては、取り組みの進展あるいは市場環境変化、さらにはCO を巡るいろいろな枠組みの議論を踏まえて、不断の見直しが必要であるということでありますけれども、この後は、エネルギー基本計画の改定につなげていき、さらにその先には、昨年3月にまとめました、エネルギー需給見通しのローリングといったものにもつなげてまいりたいということで、最後締めてございます。
 大変に省略した説明で恐縮でございますけれども、よろしくご審議のほど賜りたいと思います。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、大分時間タイトでございますけれども、この新・国家エネルギー戦略(案)につきまして、ご意見がございましたら。鳥居委員どうぞ。
鳥居委員
 44ページの原子力立国計画のところだけに限定して、3点ほど申し上げたいと思います。
 45ページの上のほうに、プルサーマルの推進等と書いてあって、六ヶ所再処理工場の操業の開始と書いてありますが、わかりやすくいうと、六ヶ所の再処理工場の操業が開始されても、なおかつ処理し切れない原子力燃料が半分以上残る。それであるがゆえに、第二工場の問題を考える必要があるわけなんですけれども、そのことをどう書き込むかということをお考えいただきたいと思います。
 2点目は、細かいことですが、45ページの黒文字の下から3行目に、マイナーアクチニドのことが書いてありますが、そこは混合抽出という、わけのわからない言葉、要するに、混合するのか抽出するのか、どちらなのかよくわからないんだけれども、ちょっとご検討いただきたいと思います。
 3点目ですが、46ページにITERのことが書いてあります。真ん中より下の5番目ですね。(5)に書いてありますが。ITERだけでよろしいのか。私は、片手落ちではないかと思います。核融合研がやっているヘリカル方式と、ITERがやっているトカマク方式と、この2つの方式が、今、日本では並行して進んでいるわけで、そのヘリカル方式のほうについては全く何の言及もないということは、どう考えたらいいのか、ちょっと検討していただきたいと思います。
 最後ですが、60ページから61ページにかけて、緊急時の問題が書いてありまして、特に61ページの(3)では、シーレーン問題とか、テロ、天災、事故というようなことが書いてあります。私、思うんですけれども、実は日本にはテロないしは内外からの攻撃を受けた場合の法律の整備が全くおくれていて、ほとんどなきに等しい。今、関連する法律をずうっとさらってみても、刑法だけをさらってみても、刑法で最初に罪となっている内乱に関する罪は、これはクーデターに対する罪で、死刑または無期懲役になっているわけです。それから、その次の第2の罪は外患に関する罪と称していて、外国と通報して、日本国に対して武力を行使させたものは死刑と決まっています。だけど、これも、例えばパイプラインとか原発に対する攻撃に直接当てはめるには無理がある。そうして考えてみると、そういう攻撃に対するしっかりとした法律的な整備がおくれているのではないかと思いますので、何かの形で、芽出し的な書き方で結構ですから、ぜひお考えいただきたいと思います。
 以上です。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、内藤委員どうぞ。
内藤委員
 時間がありませんので、簡単に2点だけ申し上げたいと思います。
 第1点は、24ページのところに数値目標が掲げられておりますけれども、何度かこの数値目標の根拠を伺ったんですけれども、どうも明確でない。こういうものを発表すると、数値目標というのは、まずひとり歩きする数値になる。それで、もしその数値について説得性があるならば、腰の振れない、軸の振れない対策実施の明確な根拠になるということだと思うんですけれども、どうも説得性のある説明を伺えないものですから、この数値を今さら変えるのは難しいとすれば、それを説得性ある説明で、外部に十分に言えるようにした方がよいと思います。例えば、企業経営であれば、こういう数値目標をつくった場合には、アクションプランを作ることにより、説得的なわけで、その辺の数値目標の位置づけと説明の仕方ということをご検討いただきたいというのが1点であります。
 それから2点目は非常に個別の話になりますけれども、欧米と日本とを比較してみた中で、どうも日本でどうしてこれが議論されないんだろうなという項目の1つとして、アンコンベンショナル・オイルがあります。来週国際エネルギー経済学会(IAEE)がドイツのポツダムで開催され、私も、その取りまとめ役で参加しますが、そこで、2030年ぐらいに、イージーオイルのピークが来た後のアンコンベンショナル・オイルに対する技術開発と、それに対する投資をどう促進するかというところがかなりの話題になっています。しかし、そういう議論が、日本で行われないので、今後検討していただきたい。ご案内のとおり、イージーオイルとイージーオイルの85%の天然ガス、それを足したものの4倍がアンコンベンショナル・オイルの量だと言われておりますから、将来にわたっての液体燃料の供給としては非常に重要な意味を持つということで、国際的な動きに落ちないような、十分に適合できるような形の検討を、引き続きお願いいたします。
 以上です。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、橋本委員どうぞ。
橋本委員
 46、47ページですけれども、先ほど鳥居委員からお話ございましたけれども、ITERの話、核融合ばかりではなくて、例えば今、高温ガス炉などは、すごい勢いで、アメリカとの競争をやっているわけです。ああいうものなども、ITERより早く実現できるのではないかと思いますので、例示としてちょっと入れていただけたらありがたいなということと、あと、47ページ、放射性廃棄物というと、必ず埋めるほうばかり言っていますけれども、残存期間を半減するという、核種の変換という研究が、今、進められようとしています。これはまだ予算がつかないんですけれども、J-PARCが20年度に稼働すると思いますので、その予算づけに向けても、どこかに書いておいていただけると大変応援になるのかなという感じがしております。
 それから、次の48ページですか、国と地方の信頼関係の強化、これを書いていただいて、大変ありがたいんですけれども、ただ、後ろのほうの8つのプログラム、共通課題で、例えば教育の実践とか環境教育、エネルギー教育といったことも含めて、例えばフロントランナーをどうするかとか、あるいは原子力の立地をどうするかとか、あるいは、例えば備蓄だって、どうするかとか、いろいろな面、ほとんどの面に地方公共団体は関係してくるんですね。それだったら、何も原子力のところだけに限らないで、もうちょっと大きい格好でとらえていただいたほうがいいのかなという思いを持ったので、もし、できましたら、お願いいたします。
 以上です。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 ほかにいかがですか。木元委員どうぞ。
木元委員
 ありがとうございます。
 一言だけ。今、何人かの委員がご提示されました、44、45ページの原子力のところなんですが、言葉だけ追加していただきたいと思う箇所があります。45ページの(2)のi)のプルサーマルの推進等というところの表現ぶりなんですけれども、前回のときには、このプルサーマルの推進の3行目の終わりのほうに「国民」は入っていなかったと思うんです。今回「国民」が入りまして、3行目の中ごろから「必要性・安全性等に関する国民理解促進活動」となっています。これではまた旧態依然の言い方に戻ってしまったんですね。国民理解とコンパウンドしてしまいますと、国民を理解させる、国民に納得させるというワンウェー的な要素が絡んでしまうので、ここのところに、「国民」と入れたのならば、「国民との相互理解による促進活動」とぜひ加筆していただきたい。要望です。
 以上です。ありがとうございました。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 ほかに。山地委員。
山地委員
 やや無力感を感じながら申し上げているんですけれども、戦略というときには、あまり細かいことを言わないほうがいいのではないかなと思うんです。核融合で、ITERだけでなくてヘリカルもと言えば、多分慣性核融合でレーザーをやっている人も入れてくれと言いますでしょうしね。だから、私はもう少し、8つのプログラムというのはそぎ落としてほしいなと、実は思っているんです。ただ、この場で具体的にこうこうしてということを申し上げて、また作業ができるとは思っていません。いろいろとご注文がありましたけれども、陳情を聞いて盛り込むというのではなくて、むしろ目指す方向性を簡潔に書くという方向で修文していただきたいと、私は考えています。
黒田部会長
 ほかにいかがですか。橘川委員どうぞ。
橘川委員
 全体として、数値目標などもいろいろと意見あると思うんですけれども、私は、この戦略というのは、ベクトルをそろえるという意味で非常に意味があって、いろいろと細かい点には、違う意見もあるかもしれませんけれども、みんなでこの方向に向かっていくんだということを打ち出すものとして、ぜひこれを実行するということが非常に大事だと思います。その意味で、最後の64、65ページで、強い企業をつくって、政策手段を発動して、そして国民の意見を聞きながらという、このスタンスが打ち出され、この点で、それぞれの分野で、今日も石油分科会とか記者会見とかがあるんですけれども、打って出ることが大事で、内藤委員のところの研究所の中国人の若い研究者が、『中国石油メジャー』という、カクさんという人が本を出しましたけれども、これを見ていると、政府の指導が非常に早く入るとともに、3大メジャーは全部ニューヨーク上場を果たしているわけです。中国は、5大電力のうち2つはニューヨーク上場を果たしているわけです。ですから、スピードというか、密度が求められると思いますので、いろいろとありますけれども、今回の作業は非常に重要な作業だと思いますので、どうやってみんなで凝集してやり切るかというところが大事だと思います。
 以上です。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 河野委員。
河野委員
 この期に及んで、細かいことを言うつもりは全くなくて、大体がいろいろなプロセスが終わってでき上がったんだから、立派にできていると思うんですよ。私は一番印象に残るのは、64ページの8つのプログラムに共通する課題で、この書きっぷりです。この具体化には、いずれのプログラムをとっても、エネルギー安全保障を担うに足る強い存在の企業これが第1番。2番目は、その活動を支える強靱かつ効率的な政府、並びにエネルギー問題に深い理解を持った国民ということになっているね。まず最初に、使命感を持った強靱な企業があるんです。その使命感に基づいて、大胆な投資と野心的な研究をやってもらう。そこでこの認識は大切です。先ほどの特別会計の話にもどるのだが、この方針を20年間堅持しろと書いてある。弾力的にいろいろと変わることは大いにあり得ても、官から民へで、官のほうが引っ込むんだ、というスローガンは、ここには通用しない話だ。少なくとも官民一体の考え方を堅持すべきだ。
 そういう意味では、強靱な政府があって、さらに国民があるわけね。これ、国民というのは、言わなければいけないから、格好よく言うなら、これでいいんだけれども、実はなかなか難しい。一般論として、言葉として書くのはきれいだから構わないけれども、特に原子力立地についていえば、国民一般の不安定な支持よりも立地地域の住民の人たちの理解がカギを握っている。一般国民教育論というのは、大いに言うべきだし何度念を押しても構わないけれども、重点は国民個別の立地にかかわるところの住民の話です。ここでももう一度、念を押しておきたいと思います。
 以上。
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 ほかにご意見ございますでしょうか。
 非常に貴重なご意見をたくさんいただきました。私の理解では、この後、この新戦略の構想が徐々に具体化していく中で、基本計画を練り、かつ需給見通しを練るということになると思いますので、いろいろな意味でのアクションプログラムというのは、そこにつなげる形で、これからいろいろな議論を深めていただくことになろうかと考えております。それで、今日いただきましたご意見、ほとんど何らかの形で反映させるべき点が多いわけですけれども、時間もかなり限られておりまして、可能な限り、修文の中でそれを取り込ませていただく。ただ、大きな方針としては、今後の基本計画なり需給見通しの中で、アクションプログラム含めて具体化していくという、全体的な方向性だけを、ここで確認させていただくという形で取り扱わせていただければと考えておりますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
黒田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、予定した時間が参っておりますので、これで終了させていただきます。この後の予定でございますけれども、ただいま申し上げましたように、この戦略につきましては、政府、与党が一体で現在進めております経済成長戦略大綱の中に盛り込まれるということでございますし、この後、引き続きまして、この部会では基本計画を練り、さらに来年にかけて、需給見通しを立てるということになろうかと考えております。
 次回は6月27日、午後1時から3時ということを予定しておりますので、進め方、詳細につきましては、また事務局からご案内させていただきたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。それでは、本日第5回総合部会をこれで閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

── 了 ──

 
 
最終更新日:2006年5月29日
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