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- 総合資源エネルギー調査会需給部会(第7回)-議事録
総合資源エネルギー調査会需給部会(第7回)-議事録
- 黒田部会長
本日は、早朝よりお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから総合資源エネルギー調査会第7回の需給部会を開催させていただきたいと思います。本日は、先日の2010年の審議に続きまして、2030年のエネルギー需給見通しについてご審議をいただきたいと思っております。
それでは、最初に事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
- 江崎室長
それでは、お手元の資料をご確認させていただきます。
まず、1枚目に配付資料一覧がございます。その次に本日の議事次第、次に委員名簿、そして配席表となっております。
その後ろに本日の資料でございますが、資料1といたしまして、長期エネルギー需給見通し(案)のポイント。そして、次に参考1、A3でございますが、長期エネルギー需給見通し、各ケースの考え方。そして、次に同じくA3でございますが、参考2、2020年の最大導入ケース実現の姿、そして最後に資料2、長期エネルギー需給見通し(案)本文。
以上でございます。過不足等ありましたら、事務局のほうまでお知らせ願います。以上です。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。 それでは、最初に望月資源庁長官よりご発言いただきます。
- 望月長官
おはようございます。前の会議が少し延びまして遅参いたしまして大変申しわけございませんでした。
本日は、議題にもございますように、我が国の長期エネルギー需給見通しについての熱心なご作業を1年やっていただきまして、その取りまとめの会合でございます。特に2030年のエネルギー需給見通しについてご審議をいただくということになっているわけでございますけれども、現在、京都議定書以降の将来の枠組みをめぐります国際的な議論が活発化している中で、この2030年の需給見通し自身も、ある意味では大変重要なマイルストーンになる作業だと思っております。
その需給見通しをベースにいたしまして、私ども同時並行的に、世界で議論されているその途中過程についてもあわせてご紹介をさせていただいて、ご議論を賜りたいと思っております。詳細については後ほど事務局からご説明をさせますけれども、本見通しと2020年断面におきまして、最先端技術を最大限に普及させた場合、温室効果ガスをどの程度まで削減できるかというようなことについても推計をいたしまして、ご紹介をしたいと思っております。
そういった場合に、企業や家庭の姿はどんな姿になるのだろうかということもご紹介をさせていただかないと、この実態のほんとうの意味がわからないと思っておりますので、そのために必要な追加コストがどれぐらいかかるのかという国民の、ある意味で社会的費用のようなものにつきましても、ぜひともご議論を賜ればと思っております。こういった点を含めまして、これまでの長期エネルギー需給見通しの枠を少し超えたような本日のご議論をしていただいたほうが、今、我が国が置かれた状況をかんがみるに、大変必要なことではないかと思っております。
したがいまして、1年間にわたってこれだけの作業をしていただいたわけですから、私どもは世界に向かって日本の考え方、姿というものを相当具体的にお話し、日本の努力というものを理解していただけると思っておりますので、そういった面でこれまでの総合エネ調需給部会に課された課題の枠をさらに超えたような議論になるかもしれませんけれども、ぜひとも皆様方のご見識をここに反映させていただきたいと思うところでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
それでは、早速でございますが、議事に入らせていただきたいと思います。まず、長期エネルギーの需給見通し(案)につきまして、事務局よりご説明をいただきます。その後、ただいま長官からもご紹介がありましたように、事務局作成ということになっておりますが、参考資料として2020年の姿についても事務局からご説明をいただき、引き続いてご審議に入りたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。どうぞお願いします。
- 江崎室長
ありがとうございます。それでは、まず、資料1、それから、一番下にございます資料2をご参照いただきながらご説明をさせていただきます。資料1が本文のポイントだけを簡単にまとめたものでございます。原則、これに従いましてご説明をさせていただきまして、適宜本文のほうをリファーさせていただくというスタイルでご説明をさせていただきます。
まず、資料1をめくっていただきますと、今年の1月、そして昨年来ご審議いただいております2030年の見通しの考え方の復習でございます。左上の四角にありますように、今回、作成していただきます2030年の見通しというのは、新・国家エネルギー戦略に示された目標の達成に向けてエネルギー技術戦略に掲げられた最先端のエネルギー技術の進展・導入の効果が最大限発揮された場合に想定されます我が国のエネルギー需給の姿、これを長期エネルギー需給見通しと呼んでおりますが、これを描いていただくというものでございます。
本文のほう、資料2でございますが、7ページ目をごらんいただきますと、やや細かい図で大変恐縮でございますけれども、2030年の戦略を達成するためにこうした非常に多くの、235の技術があるわけでございますが、こうした技術をもとにこれを定量化してエネルギー需給を見通すというものでございます。作業的には、この中の特に赤で書かれているもの、特に将来の大きな省エネ効果が期待されるものを中心に作業をしているというものでございます。
ポイントのほうに戻っていただきまして下の四角でございますが、具体的な作業といたしまして、新・国家エネルギー戦略に示された目指すべき長期的な方向性としての数値目標がございます。これをベンチマークといたしまして、技術的な問題を定量化し、需給構造を検討するというものでございます。左の下にございますが、戦略の目標でございます。需要面におきまして、エネルギー消費効率の改善。これは少なくとも30%以上の効率改善というのがございます。そして、運輸部門のエネルギー次世代化、これは現状、ほぼ100%石油に頼っているものを80%程度を目指すというもの。
そして、供給面でございますが、原子力利用の推進、これは30から40%程度以上を目指すというものでございます。そして新エネルギーの導入を促進した上で、総合的な観点から石油依存度の低減を目指す。これは40%未満を目指すというものをベンチマークといたしまして、作業をしてまいりました。
ポイントの2ページ目でございます。右側のページでございますが、前提条件でございます。これを試算するに当たりまして、我が国経済は順調に成長していくということを前提にさせていただいております。具体的な経済成長率としましては、2005年から2010年、これは2.1%、平均でございます。そして、2010年から20年に1.9、2020から30年に1.2%というものを想定させていただいております。
そして、エネルギー価格につきましては、足元、非常に高くなっておりますが、将来的にもこの価格が継続するということを前提に試算をしております。具体的には2020年時点におきましては90ドル、そして2030年では100ドル、これはエネルギー経済研究所の見通しの高価格水準をベースに検討させていただいております。
これをもとに本格普及が想定されます最先端技術を最大限導入する。これは先ほど本文で見ていただきました非常に多くの技術というものを組み込んでいくということになります。その下に今申し上げました戦略の目標の数字があります。さらに、この背景といたしまして、2つ目の※にありますように、先般、ダボスで総理がご発言になりました2020年にエネルギー効率30%改善を目指す。30年では少なくとも30%以上、そして20年にも可能な限り30を目指すというものでございます。
そして、計算の前提条件のもう一つでございます。下半分にございますが、マクロフレームと活動指標というものでございます。これは今申し上げました経済成長、価格、それから、各産業ごとの活動の将来見通しでございます。ちなみに、この活動指標につきましては、各業界の将来予測、こういったものを参考にしながら、経済成長、今、高い水準で置いておりますが、これをもとに当方マクロモデルで、マクロバランスがとれるように計算しております。ですから、必ずしも各業界の独自の将来見通しと一致するものではございません。その点、ご留意いただければと思います。
ポイントを1枚めくっていただきまして3ページ目、ケース設定でございます。これまで何度もご説明させていただきましたが、今回の需給見通しにつきましては、技術というものをベースに将来の見通しを作成するということを申し上げてまいりました。ただ、今回、作業を行っていく過程の中で、よりわかりやすいということを目指しまして、やや表現を変えております。特に一番上の文章に書かせていただいておりますが、今回の長期エネルギー需給見通しでは、エネルギー技術の進展と導入のレベルに基づきまして、3つのケースについて推計を行っております。
グラフのほうをごらんいただきますと、一番上が現状固定、これはこれまで基準ケースと呼んでいたものでございます。そして、努力継続ケース、最大導入ケース、これは戦略達成ケースと以前呼ばせていただいたものでございます。
中身についてご紹介させていただきますと、現状固定ケースといいますのは、現状、これは2005年を基準と考えておりますが、今後新たなエネルギー技術が導入されず、機器の効率が一定のまま推移した場合を想定しております。耐用年数に応じて古い機器がかわる場合には現状、すなわち2005年レベルのものに入れかわる効果のみを反映したものでございます。これはその他のケースにおいて、新たな技術が入った場合の効果を適切に反映させるための計算のベースでございます。
そして、その次に努力継続ケース。これは3年前にご審議いただいたレファレンスにやや近いものかと思いますが、これまで効率改善に取り組んできた機器・設備につきまして、既存技術の延長線上で今後とも継続して効率改善の努力を行い、耐用年数を迎える機器と順次入れかえていく効果、こういったものを反映したケースでございます。具体的なイメージとしましては、現在、トップランナー制度の対象となっております家電、そして従来車、自動車、これに加えまして住宅・建築物といったようなもの、劇的には変わらないのですけれども、これまでも努力をしてきて、今後とも効率改善に向けて努力をしていただく。こういったものの効果を織り込んだものでございます。
そして一番下、最大導入ケースでございますが、これは実用段階にある最先端の技術、それぞれ20年、30年時点ということでございますが、これが当然のことながら高コストではあるのですけれども、省エネ性能の格段の向上が見込まれるような機器・設備につきまして、国民や企業の皆様に対して更新することを法的に強制する一歩手前、すなわち強制はしないギリギリのところまでやっていただいた場合の効果、これによって劇的な改善が期待されるわけですが、これが入ったときにどのようなことになるのかというのを描いた数字でございます。
具体的には、その下に書かせていただいておりますが、将来的に期待される市場規模を前提に、技術ポテンシャルの最大値まで効率改善を見込んだような機器・設備、典型的には次世代自動車、グリーンITといったものが考えられますが、こういったものが類似機器の過去の最大普及の速度、それから、普及に伴って価格が低減するわけですが、こういったものを勘案しながら最速で普及した場合の効果という形で考えております。
こういったケースにつきまして、先ほどの戦略目標その他との関係を分析したものが4ページ目からでございます。まず、4ページ目につきましては、どのような織り込み方をしたのかというところが非常に大切になってくるわけでございますが、下半分を先にごらんいただきますと、世界最先端のエネルギー技術を導入した姿というのがございます。
これは本文のほうをまた少しごらんいただければと思いますが、16ページ及び17ページをごらんいただけますでしょうか。ちょうど見開きになっておりますが、やや細かい表がございます。これは実際に昨年夏から、それぞれの技術につきまして、当方で言いますと、各原課、それから、関連します業界の皆様方にご作業いただいておりますけれども、各技術まで戻った上で、今申し上げました将来の市場規模、効率、そして価格、耐用年数と、こういったものを分解して、それによって生じることが期待される省エネ効果というものを積み上げております。
16ページ目、17ページ目に大分類と導入シナリオ、特にシナリオの中に個別の技術がたくさん書いてあります。これは先ほどごらんいただきました技術マップの中の非常に重要技術と言われているものを積み上げていったというものでございます。
この結果、ポイント紙のほうに戻っていただきまして、4ページ目でございますけれども、産業界の取り組みといたしまして、5,900万キロリットル。これは転換部門、プロセスの改善、こういったものの集大成でございますけれども、ここには特に鉄鋼、化学、窯業土石、紙パといったエネルギー多消費産業、こういった各業種におきまして更新時にはすべて世界最先端の技術を入れていただく。こういった取り組みが結果的に非常に大きな省エネを発揮していただいているものでございますし、発電におきましても、効率3%の改善というものが想定されております。
それから、少し下を見ていただきますと、家庭・オフィスの取り組みにおいて、7,100万キロリットル分の省エネ。これはテレビ、ディスプレイ等、こういったものが最先端のものにかわっていくということを想定しております。サーバー・ストレージ・ネットワーク等につきまして、購入されるすべてのIT機器が高効率製品になっていく。
そして、その下でございますけれども、高効率給湯器が極めて多くの普及を見る。そして、照明・蛍光灯等が変わっていきますし、住宅・ビルの断熱性についてもさらなる向上と普及が進む。その他、家電・業務機器の効率改善、こういったものがまさに私どもが市場で見るものが最先端のものに変わっていく。その結果として、こういった省エネが期待されるわけでございます。
一番下、運輸部門の取り組みということで、2,900万キロリットルというのがございますが、ここには従来車も含めた燃費の改善が期待されますし、さらには次世代自動車、これは電気自動車をはじめとしまして、ハイブリッド、プラグイン・ハイブリッド、こういったものが普及されることが期待されるわけですが、現状、約2%の新車販売に占めるシェアが30年にはほぼ7割、ストックベースでほぼ半分近くになるわけでございますが、そういった結果として大きな省エネが進む。
それで、上の半分をごらんいただきますと、グラフに示しておりますが、2%の高成長、先ほど見ていただきました高い成長の中でもあっても、省エネが大きく進んでいくということが期待されております。
ここでもう一度本文の21ページ目をごらんいただけますでしょうか。特に今後議論になります最大導入ケースというのが、本文のほうの21ページ目に少し詳しく書いてあります。ポイントと同じではございますが、文章のほう、下半分のところにありますように、2020年時点におきましても、最終消費エネルギーに大変大きく効果を持たせることになるわけでございますけれども、先ほどダボスでの総理発言をご紹介いたしましたが、この結果として計算してみますと、2005年比でほぼ30%の効率改善を達成するという数字が出てまいります。
それから、2030年時点におきましては、少なくとも30%ということを目標にしてきたわけでございますが、結果的にほぼ40%近い効率の改善というものが期待されるということが出てまいりました。
次に、またポイントに戻っていただきまして、ポイントのほうの5ページ目、6ページ目に、今申し上げましたエネルギー消費の改善がもたらす意味でございます。各部門において、これがどういったことを意味するのかというのを分析しております。
まず、5ページ目の上、産業部門でございますけれども、過去最高水準の省エネ努力を継続していくのだというメッセージになりますが、わかりやすさのために過去15年間で起きたこと、そして今後15年間、25年間、これは2020年、30年をイメージしておりますが、何が起こるかというところでございます。グラフをごらんいただきながら聞いていただきますとおわかりいただけるかと思いますが、これまで過去15年間は世界最高水準の機能、設備を普及してきたわけなのですが、もちろん経済活動の活発化等もありまして、原単位の悪化を何とか相殺してきたというものでございます。エネルギー消費量は微増だったところが、今後15年間で約2%、25年間では3%、エネルギー消費量を削減していくという数字が出てまいります。
ピンクの枠の中にありますように、今後も引き続き最先端のエネルギー技術を導入するわけなのですが、さらに廃棄物その他の導入によって、さらなるエネルギー消費量を削減するという努力が期待されております。
それから、下、業務部門でございますが、ここはグラフのほうで非常にシンボリックなものになってまいりますが、エネルギー消費の伸びをいよいよ反転させるということが見えてまいります。過去15年間では床面積当たりの原単位は10%悪化、そしてエネルギー消費量は約50%増加するという流れであったものですが、今後、15年におきましては、原単位につきましては10%強、25年間では15%強改善をする。そして、エネルギー消費量も15年間で3%、25年間で7%削減をする。もちろん、このベースには床面積の伸びが今後鈍化をするというベースがございますけれども、さらにはIT機器のさらなる効率化等もありまして、いよいよエネルギー消費に関する流れが反転をするというのが示されることになります。
6ページ目、右を見ていただきますと、家庭部門、ここもこれまでエネルギー消費が伸びてきたわけなのですけれども、これが反転をする姿が描けます。過去15年間では世帯当たり、消費量、1人当たりすべて増加をしてきたわけなのですが、今後15年間及び25年間、ともにこれがどんどん下がっていく姿になります。もちろんベースになります世帯数でございますが、2015年にピークを迎えるというのは大きな要因の1つではございますが、さらに家電のエネルギー効率の飛躍的な改善といったもの、こういったものが効果をあらわしてくるということになります。
そして、最後、運輸部門でございますけれども、エネルギー消費の伸びを反転させる。これは今、足元で既に見えておりますので、大変優秀な姿になるわけでございますが、過去15年間のエネルギー消費の伸び18%に対しまして、今後15年間で15%、25年間で30%削減をするというものが見えてまいります。これは右の枠にありますように、これまではもちろん燃費向上は進んでいたわけでございますけれども、台数そのものの増加、そして大型化といったことによってエネルギー消費が増加してまいりました。今後は従来車の取り組みに加えまして、次世代自動車の普及、非常に大きな普及が期待されているわけでございますが、この結果として大きく下がっていく。
これは今後、後でまた触れますけれども、セクター別の議論といったものがされる場合に、我が国においてこの最大導入ケースが意味するところがこういうものであって、この結果として、CO2その他の削減に大きく効いてくるというものでございます。
1枚めくっていただきまして、7ページ目でございます。もう一つの戦略目標の重要なものでございますが、運輸部門でございます。これは目標といたしましては、次世代自動車の導入等によりまして、石油依存度の低減、これは80%程度を目指すというものがございました。これは下半分からまずごらんいただきますと、何をやってそれを目指すのかというところでございますが、次世代自動車の導入ということがまず1つ目に出てまいります。先ほどご紹介しましたように、販売台数の約7割が次世代自動車になる。ストックベースでは正確には40%ぐらいですが、ほぼ半分ぐらいが変わっていく姿が想定されます。
それから、燃費の改善です。従来車においても燃費の改善を進めていくということにより効果が期待されるものでございます。それから、燃料の多様化といったことも相まって、この数字をつくっていくことになります。そして、その他、交通流対策がございますが、こういったものもエネルギーの節約に多く効いてくるというものでございます。
右に、少し小さい字になっておりますけれども、従来車がどのような形に転換していくというのかというイメージ図をご紹介しております。この結果としまして、上半分のグラフにありますように、特に次世代自動車というのは非常に効率がよくなってまいります。その結果として、どういう考え方をすべきかという点がもちろん議論になるわけでございますけれども、ここは本文の26ページ目をごらんいただけますでしょうか。ここでご紹介をさせていただくべきは、次世代自動車の普及のグラフというものが一番下にございますこの数字でございますが、こういったものが将来にわたって普及していくことによって、今のような数字というものが出てまいります。
そして、目を横に移していただきまして27ページ目のところでございますけれども、数値についての計算をするに当たっての前提でございますが、数値目標と政策評価というところの2つ目のパラグラフでございます。本目標の評価に当たりましては、非化石燃料を使用する次世代自動車というのは、従来自動車に対して極めて燃費が大きく改善されるものでございます。したがいまして、これは普及が進みましても非石油系燃料の消費はそれほど増えないということもあります。
他方、政策目的として目指しておりますのは、下のパラグラフにありますように、運輸部門の燃料多様化の本来の目的が運輸部門におけるエネルギー需給構造の改善ということもありますので、燃費改善によって生じる部分、こういったものも正当に評価すべきであるということで計算をさせていただいております。すなわち、次世代自動車が従来自動車に代替することで生じる省エネ効果も、今回の政策目的という意味で計算をしております。
それで、ポイントのほうの7ページ目に戻っていただきますと、一番上のグラフのところにあります減った分、この部分を計算いたしますと、2030年でほぼ約80%の依存度ということが計算されるわけでございます。こうした次世代自動車その他の普及が実現すればではございますが、最も厳しいと言われた目標についても一応視野に入るということが示されたわけでございます。
それから、ポイントの8ページ目でございます。原子力につきましては、安全を大前提とした原子力発電の推進によりまして、2030年度ごろにおいて発電電力量に占める原子力発電の比率、これは30から40%程度以上にするということを目標にしております。もちろん、この原子力につきましては極めて政策性が強いものでございます。
この表のほうをごらんいただきますと、おわかりいただけるかと思うのですが、赤い丸がついているところがございます。その左側、発電電力量自体を先に想定させていただいております。これは特に原子力発電につきましてはすべてのケースで、今申し上げました30から40%程度以上という、この枠内に入るもの、そして今、供給計画等でご設定いただいております109基の新設を前提に効率80%程度で動かした場合というのを原子力から供給されるエネルギー量というものを前提に計算をしております。これはすべてのケースにおいて統一をしております。
その結果としまして、赤い丸のところ、努力継続ケースで2030年時点、約38%、最大導入ケースで49%という数字が出てまいります。これは今申し上げましたとおり、将来に向けての新しい発電所についての努力を今しているところでございますが、一定量の供給をした場合、これは先ほど来からの説明でご理解いただけていると思いますが、消費エネルギー自体は全体が縮んでまいります。その結果として、原子力発電の占める割合が大きくなっていくというものでございます。ただ、いずれにしましても、30から40%程度以上、まあ、以上のかなり上のほうではございますけれども、こういった枠の中で我が国の将来像が示されます。
それから、上の枠の中の2つ目の○にありますように、さらにそれ以外の発電におきましても、IGCC等の導入によりまして、ストックベースの発電効率を3%向上させる。さらに、エネルギー種の使い分けによりまして、よりクリーンな電力の供給というものが実現されるということになってまいります。これは後ほどCO2を計算するときに非常に重要な項目として効いてまいるわけでございます。
それから、ポイントを1ページめくっていただきまして、新エネルギーの導入促進という項目でございます。これ自体には数値目標はございません。これにつきましては、これまでの状況、それから、政策的な努力その他を勘案しまして、2020年時点におきましては現状の2倍、そして2030年におきましては現状の3倍といったものを目指して導入・普及に取り組むというものでございます。その結果でございますけれども、2030年度の最大導入ケースにおきましては、一次エネルギーの国内供給は11.1%を占めるということを目標にすることになります。
最後、10ページ目、横表になっておりますけれども、こういった計算をしてまいりますと、試算ということでございますが、一次エネルギー供給の姿、そして、エネルギーCO2の数字が出てまいるわけでございます。この中で2つ目の(2)のところでございますけれども、一番上の石油依存度のところ、結果でございますけれども、2030年度、構成比35%という姿が出てまいります。依存度40%未満を目指すということでベンチマークにしてきたわけでございますけれども、これがほぼ達成されるという姿が結果的に出てくるというものでございます。
以上が今回、ご審議をいただきました2030年のエネルギー需給見通しのポイント及び本体でございます。
それでは、続きまして、この30年の議論から導かれます、その途中でございます20年の姿でございます。これが参考資料1及び参考資料2というものでございます。
まず、参考資料1でございますが、これは今ご紹介しましたものと同じでございますので、割愛させていただきます。1枚めくっていただきまして、エネルギー技術の進展がもたらす2020年の姿、これの副題で「長期エネルギー需給見通しに基づく試算」とさせていただいておりますが、今、30年をまとめていく中で、その途中経過でございます20年、これは計算の方法は今と同じです。技術について積み上げることになりますが、前提条件についても同じく高成長、そして高エネルギー価格を前提のもとに、本格普及が20年時点で想定される、技術を最大限導入するというものでございます。
その結果でございます。特に温室効果ガスに特化をした表現をさせていただいておりますが、ピンクの枠の中でございます。これについては非常にクリアなメッセージが出るわけでございますが、赤い字で書かせていただいております。まず、エネルギー効率につきましては、欧州を圧倒するエネルギー効率を引き続き実現をするというものでございます。下を見ていただきまして、エネルギー効率というところに数字があろうかと思います。赤い字でありますけれども、現状、足元、2005年でございますが、0.11という数字がございます。これは小さい字でありますが、GDP分の一次エネルギー供給でございますが、これは現状0.11を2020年時点、今のような最大導入ケースで改善をした場合、0.08という数字になります。
参考でございますが、欧州環境理事会の数字でございますけれども、2005年時点では0.2とほぼ倍でございますが、これが改善した結果、2020年時点で0.13、これは現状の枠には及ばないというような数字でございますが、効率が改善されます。
それから、少し上に目を移していただきまして、その結果でございますが、欧州委員会の掲げる削減目標に遜色のないレベルの温室効果ガスの削減が見込まれることになります。これは枠の中の真ん中やや下でございますが、温室効果ガス総排出量でございます。この量を見ていただきますと、2005年総排出量比でございますが、これはマイナス11%という数字が出てまいります。その内訳がエネルギー起源のCO2でマイナス13%、それから、その他温室効果ガスでプラス2%、この合計でございますが、マイナス11%という数字が出てまいります。
さらに参考、一番下でございますけれども、この数字に現在認められております森林吸収源、これは3.8%、我が国は認められておりますが、これが維持されるとした場合に、2005年比ではマイナス14%ということになります。これはその下の行にありますように、欧州委員会が言っております数字、90年比20%削減と言っております数字を2005年比に引き直しますと、これはくしくもですが、マイナス14%とほぼ同じレベルになってまいります。
さらに米国のリーバーマン・ウォーナー法案におきましては、2005年比マイナス19%というのを目指しております。そうした意味におきまして、我々が今目指しております基準年比を公平なものにせよという観点からすると、温室効果ガスの削減についてはほぼ遜色のないレベルが実現しております。特に日本の場合は、今ご説明申し上げたように、国内において省エネその他を進めることによって実現する数字でございます。単純な比較はできないかと思いますが、日本の場合にはエネルギー効率をよくし、その結果としてCO2の排出も減らすというものでございます。
1枚めくっていただきまして、先ほどエネルギー効率で見ていただきましたが、各部門ごとのCO2の状況について簡単に紹介しております。詳細は省きますが、産業部門におきましては、過去15年間におきましてマイナス6.1%で減らしてきたものが今後さらにマイナス9.3で減らしていく。この中には、先ほどご紹介したようなさまざまな技術の導入によって実現されることになります。
それから、右を見ていただきますと、業務部門でございます。これもエネルギー消費と同じく非常に伸びてきたものなのですが、いよいよこれも反転をしていくということが期待されます。ただ、ここにはこれまで床面積が伸びてきたものが、伸びが鈍化していくというのがございます。これにいろいろな機器の対応というのが乗っかっております。
それから、先ほど紹介しました原子力を中心とするエネルギー、電力、これがクリーンになって、こういったものが相まって最終的にCO2は大きく下がっていくという姿になります。
それから、左の下、家庭部門でございますが、ここにおきましても先ほど紹介しましたように、世帯数が2015年でピークが来ます。こういったことに加えて、家電機器の飛躍的な効率の改善等によりまして、それから、電力の改善等によりましてCO2も大きく反転をしていく。非常にシンボリックな姿になります。
そして、運輸部門でございますが、同じく過去伸びてきたものが大きく下がっていく。次世代自動車その他の効果によって下がっていくという姿が見えてまいります。これはまさに20年断面において、我が国において起こるであろうことが期待されるものでございます。
続きまして、参考資料2でございますが、こうした数字というのは、数字だけ見ますと、そうですかということになってしまうわけなのですが、これが実際に我々、それから、企業及び家庭の中でどういったものとして実感されるのかというのが参考2の1枚目でございます。その2枚目に、それに伴うコストが試算されております。これはあくまで事務局の責任におきまして試算したものでございます。
まず、一番上の箱にありますように、最大導入ケースをイメージしておりますが、技術的ポテンシャルの最大限まで機器・設備効率を改善して、これらの製品を更新時に最大限導入する。最大限導入する意味は、青い字でありますが、これ以上のスピードで普及を図るには、購入時点での消費者の義務づけ、さらには耐用年数到来前の強制買いかえといった強権的なことをやらないといかないというものでございますが、先ほども少し紹介しましたのでポイントだけ申し上げます。
企業の姿といたしましては、各業種ごとに最先端技術が入ってきます。すなわち、更新時にはすべて新しいものが入る。業種横断的な設備についてもしかりであります。それから、オフィス等におきましては、非常に効率がいいものがストックベースでも、ほぼ20年には全体を覆います。特にITに至りましては2015年から本格普及をしますので、仕様はすべて最新で、5年ぐらいでかわっていきますので、ストックベースでもほぼ最新になる。
照明については、LED、有機EL、こういったものはストックベースでもかなり入ってきます。これは蛍光灯との競合がありますので、なかなかすぐにではありませんが、30年時点においては、ストックが過半を超えるということが期待されます。
それから、産業用・業務用空調等においても非常に大きく普及することが期待されますし、断熱性等の省エネ性の向上、これは現状、最も厳しい基準が今後とも増えていき、20年にはフローベースで8~9割を占めるということが想定されます。
発電所その他については、今ご紹介しました原子力の効率が上がるとともに、IGCCなどの高効率機器が入る。それから、クリーンな電源構成として太陽光、風力といったものが非常に大きく普及をしていくという姿が期待されます。
右側の家庭でございますが、こちらにおきましては住宅、我々の身近なところでございますが、新しく建てるものにつきましては、20年時点で、フローでございますが、ほぼ8割につきまして断熱性のものが入っていくということが期待されるわけでございます。それから、太陽光パネルにつきましては、現状32万個であるものが、20年にはその10倍。特に新築の持ち家住宅の約7割には入るということが期待される数字となります。
それから、その下の家庭の機器・設備でございますけれども、テレビ等のディスプレイについては、どんどん新しいものになってブラウン管はほぼなくなってしまう。それから、蛍光灯、冷蔵庫、家庭用エアコン、こういったものが、市場で購入されるすべてが最高水準を満たす状況になります。給湯器・コジェネについても、非常に大きな普及が期待されます。
それから、自動車でございますけれども、従来自動車も効率性が上がりますし、特に次世代自動車が大きく売られるということが姿として見えてまいります。
ただ、これはもちろん、放っておいて起こるわけではありません。次のページでございますが、これを実現するために我々が直面するコストというものを試算させていただきました。一番上の枠にありますように、今、申し上げたように世の中が変わっていくためにはコストがかかっていきます。この数字というものを見ていただくのは、ほぼ同じ姿で書いてありますので、企業のほうからごらんいただきますと、工場におきましては新しい設備が入っていく。これはある一定のルールで計算しておりますけれども、大型設備の導入につきましては、それまでのものを淡々と使えばいいものをあえて取りかえるということになりますので、導入費用全体をコストとして積算をします。そうしますと、足元から2020年まで、約12年間で3.7兆円というのがイニシャルのコストとして必要になってまいります。
それから、オフィス等におきましては、これは市場でどんどん買いかえられるものでございますので、最先端の機器と類似の機能を持っているもの、従来機、今まで10万円のコンピューターを使っていたものがより省エネレベルの高いもの、いいものが13万円であれば、その価格差3万円、これを積み上げていきます。これを効率計算したものすべてに当てはめて計算をしますと、累積で台数を乗じることになるのですが、17.2兆円。
それから、発電所等におきましては、これは原発の建設コストは入れておりません。IGCCなどの新しい設備の導入とか、あと太陽光、風力等の設備、これに伴います系統の強化、こういった価格を乗せますと都合4.7兆円という数字が出てまいります。したがいまして、企業全体で約25.6兆円という負担が想定されるわけでございます。
実は、ここに至りますための研究開発費、これは外数でなっております。入れておりません。したがって、このほかに研究開発費がかかるというものでございます。
そして、右側でございますが、家庭の姿でございます。家庭については先ほど申し上げました断熱性能が高まるということでございますが、ここでのコストというのは、新しく家を建てる場合に、家自体は1,000万なり、2,000万なりかかるのかもしれませんが、それにプラスアルファ断熱のコストが上乗せされるのですが、上乗せされる分、ここだけを足していきます。そして、太陽光パネルについては新しく乗せる分全体をコストとして、はじいております。12.2兆円というぐあいに出てまいります。
それから、家庭の機器・設備は、先ほどのオフィスと同じように、価格が上乗せされる分、省エネ性能を高めるために、より高くなった分だけを積算すると8.8兆円という数字が出てまいります。
自動車も同じでございまして、従来車よりも、より省エネ性能の高いものを買うときの価格差、これを積み上げていきまして5.7兆円。都合、国民全体では26.7兆円の負担という数字が出てまいります。これを総合しますと、左の上に書いておりますが、今から2020年までに約52兆円という社会負担がある。これはもちろん最終的にいろいろな形で償還されていくのですが、まず我々がそういうのを買うか買わないかという判断のときに、まずイニシャルとして必要になるコストでございます。
これを年間に展開しますと、先ほどの研究開発費、例えばITであれば年間約2兆円あるのですけれども、これは年間約数兆円という額が出てまいります。これはくしくもでありますが、我が国のGDPの約1%に相当するものでございます。これは先般のスターンレポートで言っておりました、世界はGDPの1%をかけてこうした環境問題に取り組めば、将来の悲劇を回避することができるという額とほぼそろってくるものでございます。こうしたコストをかけて我々が選択をし、先ほどの強制されないギリギリの数字をつくったとすれば、欧州その他に負けないエネルギー効率の実現、そして遜色のないCO2排出量の削減というものが2020年の姿として描かれるものでございます。
少し長くなりましたが、以上でございます。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまご説明いただきました長期見通し、それから、参考1、2につきまして、委員の先生方からご意見を賜りたいと思います。例によりまして、発言はプレートを立てていただきまして、順次ご指名をさせていただきます。大体お1人二、三分程度でご発言いただければと思っております。いかがでしょうか。
では、佐々木委員、どうぞ。
- 佐々木委員
どうもありがとうございます。簡単に3点ほどコメントさせていただきます。
まず第1点は、ただいまご説明いただきました内容に関してです。まさに数字をきちんと押さえて、それを積み上げていくという非常にロジカルな方法をとって具体的な数字を出されたことに敬意を表します。ぜひこれが国際的な議論をする場においてリファレンスとして使われるようにご努力をいただければと思いますし、パラメータを変えれば種々のモデル、例えば発展途上国の場合にはどうなるかというような数字の計算にも使えるはずでございます。発展途上国においては過去のストックがないだけ、あるいはメリットが出てくるというところも多いのではないかと思いますので、ぜひそういった形で議論を進めていただきたいというのが第1点でございます。
それから、第2点は、この52兆円のコストというものについて、例えばテレビの受像機の例が出ておりますけれども、一般的な買いかえということに加えて、テレビの場合にはアナログ停波という問題がございます。地上波がデジタルに変わりますから、そういうタイミングをどううまくとらえて買いかえを促進していく、あるいは電力の場合に200ボルト給電というような方向性も1つあると思います。そういう市場や商品の変わるタイミングというのもよくにらんでおかれるのもよろしいと思います。
それから第3点は、以前から申し上げておりますけれども、やはり原材料、特にレアメタル等を含めてこれだけの製品の転換を図るだけの供給量というものが見通しがあるのかどうか、その内容がどういう原材料であるかというところの検討も詰めておいていただければと思います。
以上でございます。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
それでは、大野委員代理、どうぞ。
- 大野委員代理
自動車工業会の大野でございます。
これはいわゆるセクトラルアプローチのベースとなる大変重要な数値だというふうに認識しておりますが、運輸部門、資料1の6ページに図がございますけれども、大変期待が大きいということで頑張らなければいけないと感じているところでございます。
もう少し中身、数字に立ち入ってコメントさせていただきますと、資料6、20年までにマイナス15%、30年までにマイナス30%という数字が出されているわけなのですけれども、私どもの立場から見ますと、20年と30年というのは1つの線の延長上というよりは、結構、性質の違うものでございます。30年レベルになりますと、この資料にございますように、大分次世代自動車、クリーンエネルギー車に頼らなければいけない。そのときにほんとうにこの最大普及ケースでいけるかどうかというのは、要素技術にかなり依存しているという点で不確定要素があると思います。二次電池ですとか、燃料電池のようなものがほんとうにブレークスルーが起きれば結構いくのではないかと思っているのですが、そこがかなり不確定なところなものですから、官学民を挙げて今後そういう要素技術の研究開発を進めるということも大変、これを実現する上で重要なのではないかという認識をしております。
一方で、2020年のほうなのですが、これはCO2ですと、ストックベースで効いてまいりますので、2020年に燃費のいい車を出してももう間に合わないわけでございますので、私どもとしては2015年ぐらいまでが勝負であります。そうすると、せいぜいモデルチェンジ2回ぐらいで結構短期という認識をしております。そうすると、逆にそれほど幅がないということになってまいりまして、ほんとうにこのとおりいくかどうかは、私どもから見ますと、単体もありますが、交通対策、国土交通省さんのほうでどのぐらい下げていただけるかということに大きく依存しているわけでございまして、2010年の目標達成計画の場合ですと、大体単体対策と交通対策が同じぐらいの割合でCO2を削減すると書いてあるのですけれども、2020年ですとどのぐらいになるのかということが非常に重要でして、今後、これをベースにだんだん具体的に詰めていくという作業の中では、国土交通省さんと十分協議、議論をさせていただきたいなと考えております。
以上でございます。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
それでは、木元委員、どうぞ。
- 木元委員
ありがとうございます。これがほんとうに実現可能なものであれば大変うれしいことだと思います。今、一言申し上げさせていただきたいのは、参考2のほうの2ページ目の大変厳しい姿というか、2020年の最大導入ケース、実現の姿というところのコメントで少し申し上げさせていただきたいのは、この一番上の企業の姿、家庭の姿とありまして、最大導入ケースに向け、技術的ポテンシャルの最大限までいろいろ云々書いてありまして、社会的負担が必要ということで52兆円が示されていて、その下の※みたいなところに、「これ以上のスピードで普及を図るには、購入時点での消費者への義務づけ、さらには耐用年数到来前の強制買換といった国民行動への強権的な措置の導入が必要」と。これ以上やる場合というのは、もしこのプランを出したときに国民の協力がない場合には、こういうことをやるのだろうと私は意識しております。
それ以前に、私はエネルギー政策基本法のときにも書かせていただいたのですが、あのときにも申し上げたのですが、実はこれに近いものを提言したことがあります。それはどういうことかといいますと、エネルギーの基本法の中の、これは第1条、2条、3条、4条、5条です。5条以下、5条は国の責務ということになって、国がこういうような供給安定とかをする場合には責務を要する。「責務」という言葉が使われている。それから、第6条のほうは、地方公共団体のやはりこれも責務、同じように、これが完全に履行できない場合には責務を有すると書いてある。それから、7条のほうが事業者の責務。これも大変大きいもので、こういうものはちゃんと供給しなければならないということで責務を要する。「責務」が使われているんですね。ところが、第8条が国民なのですが、このときは国民の努力でしかないわけです。
そのときに申し上げたのは、国民も消費していく上で、義務が課されないならば無防備というか、無作為に、無制限に使う場合が生ずるだろうと思います。だから、ここも「責務」にすべきだということを申し上げた記憶があるんですね。それが今よみがえってきて、やはりここは国民も無作為に消費しているという形はもうやめようと。あなたも消費している責任があるんだぞ。温暖化にあなたがものすごく寄与する、一番先端にいるんだぞという意識をもう少し強くしなければいけないので、基本法を変えるわけにはいきませんけれども、やはり「責務」という言葉をこの辺あたりで使う必要があるのではないかなという気がしているんですね。それが1つです。
それから、今の高効率のものに消費者のほうから乗りかえる。例えば電球1つにしても、冷蔵庫1つにしても、トップランナーのものを、これは省エネ部会でもやりましたけれども、乗りかえる場合に何らかのインセンティブがないと、自己負担で乗りかえるというのは非常に厳しいものが出てきます。ですから、アメリカがやったように電球を蛍光灯のものに切りかえるときにはかなりの価格の安い期間を設けて、今の時期に買いかえると安いというようなものを設けました。ドイツの場合には家電製品を買う場合には、現金のバックを導入しました。これは州によって少し違いますが。だから、例えばそういうような施策的なもので、この数字を絵にかいたもちではないものにするというものを国は考えてほしいと思う部分があります。
それから、最先端の技術の導入ということでありますので、消費者が何もしなくても、例えば電球1つかえることによって、それが非常な効果を生み出すという、その技術が、こういう技術があるからあなたはこうしてほしい、そこの説明とほんとうに高効率のものがあなたにとってメリットになるということの説明というか、報告というか、そういうものをはっきり出していただく必要がかなりあるのではないかなと。それは車の買いかえにしても何でもそうです。
一方で、あと一言ですが、「もったいない」という言葉がありまして、このもったいないさんの派と買いかえ派との衝突が現実に起こってしまうんですね。家庭の中でも、年齢の高い人はまだもったいない、こんなの買いかえる必要ないじゃないか。これは徹底的に持てる命を使うべきだという発想がある。ところが、一方の若いほうは、いや、違うわよ、買いかえたいわよ。そこの部分の抗争がありますので、これは消費者マターですから、その中で解決しなければならないのですが、何かもったいない感覚を生かしながら買いかえることができる方法があれば、一緒になって考えていきたいと思います。
以上です。ありがとうございました。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
それでは、森本委員代理、お願いします。
- 森本委員代理
ありがとうございます。こうした見通しを実際に推進する立場の事業者として一言申し上げたいと思います。今回の2030年の最大導入ケースでございますが、省エネ・新エネの推進等について、率直に言って非常にチャレンジングな見通しと認識しております。
省エネ・新エネの推進等により低炭素社会を目指すことにつきまして、電気事業者としてもこれからも前向きに取り組んでまいりますが、一方でやはりこのようなシナリオを、言うまでもなく全国民が共有することが重要だと思いますし、また、実際に現実とのバランスをどう取っていくかについても認識を共有する必要があるのではないかと思っております。
我々、電気事業者としては、どうしても自らコントロールできない「需要の変動リスク」と「長期のリードタイムが必要な電源開発リスク」をともに踏まえながら需給の実行計画を策定しておりまして、さまざまな変動要因がある中で電力の安定供給を確実に果たしていく責務がございます。
また、新エネルギーの推進等につきましても、太陽光を中心に積極的な導入が見込まれており、我々としてもさらに前向きに取り組んでまいりますが、これだけ大量導入が進められますと、調整電源の確保や蓄電池設置などの系統安定化対策が必要になってまいります。
資料2の10ページに、見通しについては『幅をもって理解すべきもの』と書かれておりますけれども、この需給見通しおよびこれに基づくCO2排出量の見通しについて、その性格や位置づけについていろいろご議論いただければありがたいと思っております。
また、新エネル・省エネの推進に伴い追加的に必要になるコストでございますが、これは新エネ部会や省エネ部会でもまたご議論されるのではないかと思いますけれども、だれがどのように負担していくかにつきましても十分検討の上、国民的合意を得ていくことが必要ではないかと思っております。
次に、原子力につきましては、しっかり位置づけていただきまして、ありがとうございます。我々といたしましては、オイルショック以降、電源多様化を進め、安定供給、経済性、そして環境保全の確保に努めてまいりました。今後もとりわけ安全確保を大前提にいたしまして、原子力立国計画に沿って原子力の安定稼働と開発を進めることが不可欠と考えておりまして、引き続き全力を挙げて取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。
それから、こうした供給面での原子力推進とあわせまして、需要面でも、今回の見通しの中にしっかり織り込んでいただいておりますけれども、日本が世界に誇るヒートポンプ技術や電気自動車、プラグイン・ハイブリッド車の普及など、いわば温暖化対策の切り札といたしまして、電化促進を図っていくことが大幅なCO2削減につながり、社会全体の低炭素化になると考えており、今後とも努力してまいりたいと思います。以上、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
それでは、渡委員、どうぞ。
- 渡委員
ありがとうございます。まず、今回の報告は非常に定量的に将来を見据えたものになっており、1年近くかかって本報告書を纏められました黒田部会長をはじめ、皆様方、大変ご苦労さまでした。改めて敬意を表したいと思います。さて、本日、今後の課題という観点から3点意見させていただきます。
1点目は、エネルギー政策を展開するに当たっての基本姿勢でありますが、今回の見通しでは省エネや新エネの導入によりまして、石油の一次エネルギーに占める割合が、2030年はもとより、2010年でも4割を切ることになっており、この方向性は大変よいことだと思います。とは言うものの、石油のシェアは、依然として4割近くあるということで、引き続き石油がこのエネルギーの大宗を占める重要な位置づけにあるということは間違いないわけでありまして、そういった意味でも我々は頑張らなくてはいけないと考えています。しかしながらこれまでも再三指摘しましたように、こうした見通しが示されているにもかかわらず、現行のエネルギー政策の実施法、即ち入口段階で石油を排除する仕組み、いわゆる代エネ法が残っています。
こうした10年、20年先の政策とそれを司る実行法とが首尾一貫していないといった問題を今後解決せねばなりません。エネルギーが多様化する中で、技術開発をベースとした高度化利用は、3つのEを前提としたエネルギー政策基本法の理念に合致するわけですから、現行の代エネ法の廃止をぜひ行っていただきまして、あらゆるエネルギー、これは石油だけではなく、石炭も含めたいろいろなエネルギーの技術開発を奨励するエネルギー高度化利用促進法の制定を進めていくべきと考えます。
2点目は、今ご説明のあった原子力の発電の問題についてですけれども、今回の見通しでは発電電力量に占める原子力のウエートが、50%近くになっております。これは無資源国の我が国にとりまして、大変結構なことだと私どもは思っており、これも全面的に支援させていただきたいと思っています。、ただ、現状では、不幸な原発トラブルの対応として、機動力にすぐれた石油火力がそのバックアップの役割をとらせていただいておりまして、2001年に1,300万KLだった電力向け供給が、この2007年には2,600万KLと2倍になりながらも供給が行えた結果、停電などを回避することができました。
こうした状況下 、今回の見通しでは、将来的に石油火力の比率が4~5%とほとんどない状態になっており、石油業界としては、我々自身が競争に打ち勝っていくために電力向け燃料の関連施設の廃棄を進めていかなければなりません。この先、その供給設備がなくなってしまう可能性は十分あると思います。従いまして、やはり不測の事態が起こらないように国を挙げて原子力発電の安全・安定稼働に向けた対策を講じていただく、更には万が一の事態になっても、国は決して原子力政策から逃げないで真っ向から取り組んで、その早期正常化に全力を挙げていく、こうした体制が私は絶対必要だと思います。このような施策がなければ、今回の見通しは完全に絵に書いた餅になってしまうと思います。 最後、3点目ですけれども、少し小さな話かもしれませんが、運輸部門におけるバイオ燃料の位置づけであります。先週、資源エネルギー庁の望月長官から石油業界にバイオエタノール導入の増量要請が正式に参りました。現在、政府から正式に受けているのは京都議定書50万KLのうちの21万KLの使用ですが、これをもっと増やして欲しいとの要請でした。我々としてはこの50万KLというのは我が国が世界に約束した数量ですから、その重要性を鑑み、できるだけ要請に近い形で努力していくということでお受けし、先般の記者会見でそれを発表しました。
ただ、このバイオ燃料というのは、ご存じのとおり食糧とのバッティングの問題もありますし、また、ご説明のありました今後の車のエンジンがどういう方向に進むかによって、バイオ自体が全くナンセンスなものになってしまう可能性もあるわけです。つまり、動力源が内燃機関からモーターに移ったら、バイオ燃料は必要なくなってしまうわけです。。そうしたことで、我が国の自動車の動力源の大きな方向性との関連も大事になってくると思います。従いまして、今の50万KLの目標をどんどん増やしていくということには、この纏めの中ではなっていないと信じておりますけれども、目標数量の拡大は国益に反していくものだと思いますので、こうした点にご配慮いただきながら、このバイオ導入に取り組んでいただきたいと思います。
いずれにしましても、我々石油業界は、環境先進産業を自負しておりますので、大いに協力していく所存でございますし、また高度化利用促進法ができれば、あらゆる可能性が広がっていき、IGCCも石炭だけではなく、既に導入している石油も後押しされるわけですから、ぜひそこのところをお忘れなき様、宜しくお願い申し上げたいと思います。
以上です。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
少しお手の挙がった順番が、確認がはっきりできないのですが、順次、当てさせていただきます。それでは、飯野委員、どうぞ。
- 飯野委員代理
ありがとうございます。鉄鋼業界の馬田の代理で出させていただいております。
ご承知のように、鉄鋼業界では今の京都議定書の第一約束期間にエネルギー消費量を10%削減するということで取り組ませていただいておりまして、現在、2006年度で、エネルギー消費量で5.2%の削減、CO2で5.1%の削減をしており、着実に温暖化対策を推進しております。ただ、その中では、実は粗鉱生産量が1990年度比で5.4%増えているという状況の中でやってきてございます。また、2007年度の粗鉱生産量は、今、1億2,000万トンということで、過去最高水準になる見込みでございます。今回の需給見通しでも同レベルを見ていただいているのですが、今後またどういう状況になるかわかりませんけれども、生産量についてはまたいろいろ変動するという可能性もあるということをご認識いただければと思ってございます。
それから、いろいろな新しい省エネ設備など、現在、考え得る最新技術の導入について、経済的制約などもある中で最大導入ケースとして試算されております。これも大変高いハードルであると認識しておりますけれども、今後とも鉄鋼業界としては最大限の省エネ努力を払ってまいりたいと思いますし、あわせて自動車の軽量化等にもつながりますような高機能製品の提供による最終製品段階での効率向上、もしくは、さらに2020年、30年というレベルを含めまして、国際連携による世界鉄鋼セクター全体での温室効果ガス削減への貢献などにも総合的に取り組んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
では、引き続きまして、高橋委員、どうぞ。
- 高橋委員代理
どうもありがとうございます。野村が来られませんので、代理で恐縮でございます。
私ども都市ガス事業者におきまして、この需給見通し、大変意欲的な姿勢を示されたと認識しており、需要面、供給面で若干申し上げたいことがございます。需要面のところで見ていますと、先ほどご説明がございましたように、家庭、業務、産業部門で高効率給湯器とか、コジェネ、燃料電池の開発と普及に大変大きな期待が寄せられているということでございます。これにつきましては私どもとして技術開発を進めるとともに、需要側、お客様のほうに売り込んでいくという言葉は悪いのですが、導入していただくような努力を自らしていかなければならないと思っているところでございます。
続いて供給のところでございますが、供給事業者として今回の2030年を見ていますと、天然ガスの最大導入ケース、努力継続ケースは相当量が違っておりまして、現状より最大導入ケースの場合には大きく減りますし、努力継続ケースでは現状より増えるというような数値になっているわけでございます。私どもとしては、安定的な需要というのがあるだろうと見ておりますし、ヨーロッパ側でも天然ガスの需要が増えると見ているわけでございます。
たまたま2010年頃が20年間にわたる長期契約の多くが切れる時期に当たります。そうしますと、2030年に向けて大体約20年から25年の長期契約を結ぶというのが今のところの天然ガス、LNGの供給の契約の形態でございます。電力業界もそうでございますが、我々都市ガス業界としても、そういう20年先を見て、もし仮に足りなくなった場合ということを想定しますと、供給事業者としての責任が果たせないということになりますので、我々といたしましては、環境面からは最大導入ケースになることを望むわけでございますけれども、それでも供給事業者としての責任を果たせない可能性があるというものは、我々としてはどうしてもとれませんので、頑張ってその努力維持ケース並の数量の契約をとっていかなければならないと、こういう気持ちでございます。
そのようにいたしまして、私どもとしては好循環で今まで回ってきたLNG契約のやり方、長期契約というものを基本として考えてまいるというようなことを含めまして、4月には「ガスビジョン2030」として、前々回、需要側のほうでお話し申し上げましたけれども、供給、需要、それから、技術開発、保安という面も含め、一次エネルギーの供給事業者としてのビジョンもあわせてお示しをいたしたいと考えているところでございます。
以上でございます。ありがとうございました。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
それでは、南雲委員、どうぞ。
- 南雲委員
ありがとうございます。2030年の需給見通しの案の説明をいただきました。各部門、全産業が相当努力をしなければならないというのが率直な感想でございます。特に最大導入ケースは意欲的なシナリオであって、エネルギー産業に従事する者の立場から厳しい想定であるとも言えるのだろうと思います。経済活動と環境の両立の観点からは理解できるものでございますが、技術によって経済活動を抑制することなく、二酸化炭素排出量が削減できることを定量的に示されたものであり、事務局のご尽力に敬意を表したいと思います。
今回のシナリオの基盤をなしますのは、今後の各施策、技術開発の進め方についてだと思います。我が国の省エネ技術は世界一と言われておりますけれども、これはエネルギー管理制度やトップランナー方式による機器の効率化などの政策的制度、国家技術開発プロジェクトによる技術開発、民間における研究開発があってこそ達成し得たものと認識をしております。2030年需給見通しにおいても、省エネやエネルギー利用の高効率化がシナリオ達成の可否を握るかぎでございます。政策制度を効果的に機能させることが必要不可欠であると思います。
政策制度を実効あるものとするためには、適切にPDCAを回し、その時々の政策制度について、その時々の状況を十分に踏まえ、制度の評価と制度の改善に努めることが重要であると思います。制度評価に当たっては、相対で評価するのではなく、個々の政策について定量的に評価することが必要でございます。この評価を行うことは、技術だけではなく、日本の省エネ制度を諸外国に移転する上でも有効だと思います。また、技術開発に関しても、エネルギー関連研究開発プログラムを進めているわけでございますが、同プログラムにも明記されておりますとおり、費用対効果も含めた評価を行って選択と集中による効率的な研究が必要であると思います。
日本がこれから取り組もうとしていることは、世界をさらにリードする技術の開発であり、世界に多大な貢献をなし得るものであると思います。そのことの期待を込めての意見とさせていただきたいと思います。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
それでは、中上委員、どうぞ。
- 中上委員
ありがとうございます。後から挙げたのですけれども、先に指名していただきました。
事務当局、大変ご苦労なさったことは、この行間に十分にじみ出ております。まず、敬意を表したいと思います。私、あまりワーキングでお手伝いできなかったことをおわびしておかなければいけないと思います。
前回の需給見通しは、ご案内のように黒田先生のリーダーシップでやっていただいたときには、2030年で省エネの可能性は極めて大きいと書いてありまして、その数量が5,000万キロリットルでありました。これは2030年であります。今回は10年前倒して6,000万キロリットルに相当する省エネをはじき出したわけでありますから、これは大変なことをやらなければいけないことは、重々承知しておりますけれども、ただし、多分、一般の方は、木元さんもおっしゃいましたけれども、数字が大き過ぎてピンと来ないだろうと思います。
今朝のテレビの報道では、1家庭当たり50万円の負担だというふうな報道がなされておりました。これも正確に言わないと、10年間で50万円ですから、1年で5万円とか、もっと正確に言わなければいけない。ついでに付言しておけば、1年間に5万円ということは、大体平均の光熱費支出が20万円でありますから、2割5分ぐらい割り増しで光熱費を払う格好だというふうに言えば、少しはピンと来るかなと思いました。
同じようなことを言えば、5,900万キロリットル、2020年で五十二、三兆円ということは、リットル当たりに直すと、おおよそ900円ぐらいになるんでしょうか。私はこの数字を見て安いなと思ったんですね。この倍ぐらいはかかるのではないかと私は思っていたので、この辺もほんとうはもう少し議論をしてみたいなと思ったところであります。
ちなみに、今、バレル100ドルと言っておりまして、円高でありますので多少違うでしょうから、リットル当たり六、七十円でございますから、リットル当たり六、七十円で原油が買えるところ、リットル当たり原油換算900円、1,000円で買うんだよ。それを覚悟しないと、この数値は実現できない。こういう言い方もかなりセンセーショナルでいいのではないかと思います。それで、これは多分、増分コストだと理解していないわけですね。総コストではなくて。というようなことを少しかみ砕いてご説明なさると、事の大変さといいますか、重大さが理解できるのではないかと思います。
それから、これは余分ですけれども、9ページの表がございますけれども、単位が抜けておりますので、これは多分、万キロリットルだと思いますので、これを入れておいていただきたい。そう思いまして下のグラフを見ましたら、2020年で新エネが1,733万キロリットルでございます。これはご案内のように京都議定書では1,910万キロリットルを達成しようという目標値を掲げておりますので、2010年の問題は省エネルギーと省CO2が若干意味するところが違いますけれども、そごを来さないように十分ご説明されたほうがいいかと思います。
それから、今から直ちに着手しないと間に合わないということもこれからひしひしと伝わってくるわけでありますが、技術の進歩というのは目覚ましいものがあるから、この10年前倒しで30年分の省エネを稼いだと思いますけれども、そうしますと、待っておくともう少し省エネになるではないか。買い控えしたほうがいいのではないかという方もあるかもしれないので、技術的なロードマップを明確に示していただいて、もう5年ぐらい待つともっと減るよというのであれば、それは待ったほうがいいわけでありますから、下手に今買いかえてしまうと、かえって稼げる省エネが稼げないということもございますから、その技術開発を含めてのロードマップも、そういった形でご提示いただければいいのではないかと思いました。ありがとうございました。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
それでは、お待たせしました。石黒委員、どうぞ。
- 石黒委員
どうもありがとうございます。本日、提示された2030年に向けたエネルギー需給見通しについて、全体のエネルギー消費が削減される中で、LPガスについても引き続き一定の役割を評価されているということ、ありがたく受けとめております。また、非常に時間的な制約の中で、大変な作業をされました黒田部会長をはじめ、事務局の方々に敬意を表するものでございます。
2点、コメントをさせていただきたいと思います。ご案内のとおり、過去何回か議論したとおり、我々、だんだん環境問題に集中して議論していますが、たまたまエネルギーを取り扱っている人間としまして、特に海外の人間と接点を持っていますと、いろいろなところで議論されているとおり、ますます資源ナショナリズムが非常に強くなっているし、それと、産ガス国、産油国の人は、現在の需給レベルの中において極めて高慢になっていると感じております。こうした点を考えますと、今日の議論と非常に違和感を感じる次第でございます。そのことをもう1回皆さんにお伝えしたいと思います。
その中で、化石燃料に携わってきた人間からしますと、ちょうど35年前、第一次石油危機があって以降、いろいろな知恵を絞りながら化石燃料を取り扱ってきました。ただし、それぞれに補完関係のある化石燃料を取り扱ってきているというふうなことでございます。今度、示された数字の中では、化石燃料全体の数量が減ってしまっています。これはやはり取り扱っている産業界の人間とすると、がっかりするという心理状態になります。海外の資源を確保するという意味でも、いろいろな意味で投資のリードタイム、投資の金額というのは相当かかります。加えまして、過去35年間いろいろな化石燃料で対応してきた需要サイドの中においても、供給設備並びに消費設備、これも投資が要ります。それを代替するということになるとリードタイムがかかるということで、この選択というのは非常に難しくなるということを1つ申し上げておきたいと思います。
それともう一つ、CO2を削減する中で、なかなかスペードのエース的な対応がない。その中で、電力発電設備の中で原子力というのは脚光を浴びるというのは非常にロジックとしてはわかるのですが、先ほど渡委員がご指摘されたとおり、ますます制度化されたこういう環境対応ということをしますと、何かがあったときの補完対応能力がなくなります。これもご記憶のとおり、13年前の阪神・淡路大地震から数年ごとに大きな地震が起きております。そのたびにエマージェンシーにどうするのですかということが言われているのですが、この延長線上で考えたときに、ほんとうにエマージェンシーでどうするのということについてもしっかりとした補完的な代案を考えていかないと、日本が過去に自慢をしていたライフラインの強さというのは維持できないのではないかなという感じがします。
加えまして、日本が全く経験していない鳥インフルエンザ等の新型インフルエンザが入ってくると、いわゆる地震等に加えまして、ますますいろいろな意味の対応を迫られるというのが今の現代ではないかと思います。そういう非常に難しいトレードオフの関係にある中で、CO2対策、地球温暖化対策ということで、こういう取りまとめ方でやむを得ないなと思いながら、このメッセージが場合によっては、海外に違った受けとめ方、間違ったメッセージになるかもしれないということを危惧して、ぜひそこのところをご配慮いただきたいと思います。ありがとうございます。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
それでは、河野委員、どうぞ。
- 河野委員
本日、参考資料という形で2020年の削減計画が出された。焦点はここにある。電力からも自動車からも、野心的で結構だという話があると同時に、いろいろ問題もあるという声が出ている。
背景にあるのは総理主導のもとなにがなんでも2020年目標を作ろうとという動きで、資料扱いだけれど実は意味は極めて大きい。
1つは、これは2005年を基準としたことです。そうすると、この数字はEUと差がなく、何も位負けすることもないし、我々は胸張って言えるんだよということだ。これ、重要なこと。総理がダボスで言ったことの1つは基準の設定をより合理的なものにするということです。一般の人の中には、2005年というわが国にとって都合のよい基準年次を設けたことを問題にするかもしれない。それをちゃんと説明する必要がある。
2番目に、これは企業と家庭に2つ分けると、企業のほうは、いろいろあるかもしれないけれども、間違いなく、これからの企業のあり方論からいっても、いろいろな意味で相当程度真剣に取り組むだろうと想定するわけ。ただ、家庭のほうは、なかなか難しい。、環境省と通産省の合同会議でもずっと議論に出ていたことの1つは、一体家庭部門をだれがどういうふうにして説得し、協力し、実績を上げてもらうかということでした。
それに関連してもう一つの懸念は、、至るところでいま議論している排出権取引を2020年までに導入することにしているのかどうかということです。私は技術中心に議論をやってみれば、排出権取引を導入しなくてもここまで出来るということだと思っています。 もし、排出権取引が導入されて、企業に網をかぶせるようなことが起これば、ますます企業サイドのこの目標達成は可能性が高くなるのだというふうに考えているのかどうか。いずれにしても全体としてみて、この2020年の試算こそが、本日の最重要なドキュメントだと思う。これを皆さんにどう理解してもらうかそれはいろいろな議論があっていいんですよ。野心的であるという裏にはなかなか難しいんだという判断がある。それをこんな1回の会議で終わるわけないんです、これ、業界へ持ち帰って、研究者もこれを持ち帰ってじっくり検討すべきでしょう。
それで、黒田さんに注文しておきたいのは、どこかで時間をつくって、この2020年という30年に至るプロセスでのこの数字について、建設的な議論をやったらどうですかということです。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
それでは、あと順繰りで松田委員、山地委員、三村委員の順でお願いします。
- 松田委員
これで温暖化対策、かなり進む、公約を実行できるという姿が描かれていると思うのですけれども、その数字を見てやっぱり改めて痛感するのが、需要が減少する、これは業界にとっては大変なことが起こるなということを改めて感じました。特に石油については依存度が下がるということで、先ほど渡さんがよくニコニコ笑いながらお話になられたと思うぐらい、感心、さすが太っ腹。直近の石黒委員のお話もまことにもっともだと思います。これもほんとうにオルタナティブを用意できなくなるという問題、これはやっぱり考えなければいけないかなと思います。
それで、特に車のCO2排出削減で、電気自動車が正面というか、今までより少し大きな役を振られているわけで、これがほんとうに物になってくると、渡さんのところと森本さんのところが商売がたきになるわけで、そういう意味でも、このシナリオが進むといろいろなハレーションが起こるのだろうなということを感じました。
それから、この参考の負担のほうなのですけれども、確かに国民全体で家庭では26.7兆ですか、それから、企業で25.6兆という数字にはびっくりするのですけれども、例えば太陽光パネルでしたら、そこのうちの電気代を払わなくていいわけで、これはやっぱり投資に対するリターンがあるわけですね。ほかのものもほとんどリターンがあるわけで、必ずしもこれは負担と言っていいものかどうか。企業のほうも設備投資にはお金がかかりますけれども、投資した見返りというのは必ずあるわけで、確かに社会的費用と言っていいのでしょうけれども、必ずしも丸々負担ではないなということを感じます。
それで、あと家庭での機器の買いかえなのですけれども、20年前のガスストーブを使っている人が随分いる現状から、これの買いかえの促進というのは相当難物だろうなと思います。一番の決め手は電気料金とかガス料金とか、そういうエネルギー価格が上がるというのがおそらく普及促進の一番の決め手なのだと思いまして、今は追い風が吹いているという気はします。
以上です。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
それでは、山地委員、どうぞ。
- 山地委員
ありがとうございます。まずは黒田先生をはじめ、作業をされた事務局の方にほんとうに敬意を申し上げます。非常に難しい作業だったと思います。と申し上げておいて、実は私が申し上げようと思っていたことは、先ほどの中上委員と、今ちょうど言われた松田委員のところで大体カバーされているのですけれども、少しだけ追加させていただきます。
追加して発言させていただきたいのは、今、松田委員が取り上げた参考2の2枚目の社会的負担のところなのですけれども、実は私もワーキンググループのところでご協力はしていたのですけれども、あまりここの議論には実は触れておりませんで、しかも、きょう、事情があって委員会におくれて参ったものですから説明を聞いていないのですが、松田委員がおっしゃったように、これは多分、投資ですね。投資だとすると、当然、さっき松田委員が指摘した通りリターンがあるので、それを考慮すべきだということです。
ただ、その中でも家庭については、よく投資の効率を考えるときに使う割引率の問題がある。家庭って、すごく割引率が高いと大体言われている。つまり、現在の投資が一番重要で、その後でリターンが来てもそれを考えたいい投資をしないというわけですね。そこに手当てが要るのではないか。つまり、ファイナンシングの広い一環だと思うのですけれども、もちろん情報を与えるということも当然大事なのですけれども、実際に計測すると、家計部門というのはすごく割引率が高い。それをうまく乗り越えるファイナンシングの何かスキームをつくる。これが多分重要だと思うんですね。そうすると、この大きな投資も、実はそのリターンの中でかなり回収されるということがわかるのではないかと思います。
もう一つは、そのリターンの中に本来は、これは社会的負担ということになれば、いわゆる外部経済、環境コストの部分があるだろう。そういう意味では、これはどういう形でやるか知らないけれども、いわゆる炭素排出に対するプライシングが行われれば、それもリターンの中に組み込めますよね。そういう作業もやって、この社会的負担というのは意義があるということを今から論理づけていく作業が必要ではないかと思います。
以上でございます。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
それでは、三村委員、お待たせしました。
- 三村委員
私、申し上げることは全くないぐらい、今回、こういうふうにはっきりと家庭の姿と企業の姿というふうに2つに分けてくださって、こんなにすっきり家庭の姿が出てきたことというのは今までになかったと思うので、私も何か言わなければとすごく思ったのですが、もう木元先生をはじめ、言いたいと思っていたことをみんなおっしゃってくださったので、言うことはないのですが、先ほど河野先生がおっしゃられた「だれが」という、一般消費者にどういうふうに持っていくかということをこれからこの報告が、見通しが絵にかいたもちにならないようにすることを考える、順番から行けば、そこに来ているのではないかなと思います。
消費者も、今、地球温暖化問題については真剣に考えている人も増えてきているし、これだけいろいろなニュースが毎日のように流れていますから、その辺はある程度浸透はしてきているのでしょうけれども、今、買いかえるときにとなったときに大金を出さなければいけない。その負担として必ず見返りがあるんだという今のお話ですけれども、その部分のところもわかってはいるのでしょうけれども、なかなかそこまで踏み切れない。だとしたら、まずメーカーさんは高効率の機器をつくってくださる、責任を果たしてくださるわけですから、これを売れば多分もうかると思いますので、販売店に対してもその責任を、もう少し姿が見えるように販売店に働きかけもやっていただきたい。
消費者は今、例えば高いものを買っても消費する電力料金等で、必ずそれが戻ってくる形になるのですけれども、その姿が何日か先に、1年先とか、そういう姿にならないと見えないというところに問題があるので、私は何らかの形でポイントを導入して、後でそれが、負担か戻ってくるみたいな消費者にわかりやすい協力体制をつくっていただきたい。
この姿は、私はこの数字を見ていた、今の企業と消費者の最終的な数字は、消費者のほうが数が多いというのはわかるけれども、高い数字が出ているんですね、大きい数字が。そういうのを見ていると、マスコミが脅しをかけるようなニュースを流す方法は何とかやめていただいて、そうなのかと納得できるような流し方をマスコミの方にも協力していただかないと、消費者にとっては負担だけが頭からのしかかってきて、何でと思われるような形にならないように、国も地方行政も含めて、それから、私のような消費者も含めて一生懸命努力をしていかなければいけないときにこれからなるんだなと思います。
最後に一言、2010年はもう今と同じような直近のものですけれども、これから2020年までの間にもう1回、2005年ぐらいになったときにほんとうにどうなっているかという検証だけはやっていただきたいと思います。
以上です。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
伊藤委員、どうぞ。
- 伊藤委員
JR貨物の伊藤でございます。
以前もこの会議で何回か発言しているのですけれども、交通流関係ですね。27ページに交通流対策という言葉が1つ出てまいります。今まで議論されたように、自動車そのものを省エネ化するなどの議論がたくさんありますけれども、考えてみますと、自動車工業会には申しわけないけれども、自動車の台数を日本の社会の中でこれからどうしていくかということがあると思うんですね。前も申し上げたように、イギリスでは道路交通量をいかに減らすかという法律までつくってやってきていまして、そういう意味で言いますと、残念ながら日本は旅客も貨物もまだまだ自動車社会の中で生きているといえます。
そのような状況の中で、マス・トランスポーテーション(公共交通機関)を、どう利用するかということが、もっともっと強く、考えられるべきではないかということを個人的にも以前から思っております。そういう面で、エネルギー問題という観点だけではないと思いますけれども、もう少し迫力を持って取り組んでもらいたいという感じであります。
それから、いわゆる国民への、エネルギー問題についての啓蒙活動という点において、やはり日本は非常におくれていると思います。我々物流業界で最近あった話でありますが、ある宅配便事業者が宅配便を1つ出すたびに、利用者が料金に10円を追加して払い、さらにその企業も追加してお金も出して、排出権取引にこれを使うという、国民が環境問題に直接参加するシステムをつい最近発表されました。本日の最終報告書は、2020年、2030年における省エネルギーにむけたコストも計算されており、大変すばらしいと思いますが、これを実現するためにも、我々、個々人が参加していかなければいけないという感じがいたします。
冒頭申し上げました交通流をどう変えるかということも、我々自身がマイカー利用を減らし、極力マス・トランスポーテーションを利用するような生活様式にどうしたら変わっていけるかということを、数字をただ出すだけではなくて、国民の生活レベルがどうなるかという観点において、我々自身が考えを持っていかなければいけないと考えております。私は交通分野から申し上げておりますけれども、あらゆる面で先ほどのもったいないという話とか、新しいものに取りかえたらどうかという話もまさにそうだと思います。
エネルギー問題を考える場合には、エネルギーを使う側がそういう気持ちにどこまで行くかということがものすごく大事なことであって、今回、洞爺湖のサミットもあるわけですけれども、いわゆる国民への啓蒙活動というのは、どうしても日本の場合には諸外国に比べ、特にヨーロッパに比べて私はおくれているような気がしてなりませんということを最後に一言申し上げたいと思います。感想のような話で申しわけありません。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。非常に貴重なご意見、それから、いろいろな形でのコメントをいただきまして、ありがとうございます。
それでは、まず事務局のほうから、答えられる範囲内でお答えをいただきたいと思います。
- 江崎室長
大変貴重な意見、ありがとうございました。まず始めに、たくさんの委員の方からご指摘いただきました今回のコストについての意味をもう一度確認と補足をさせていただきたいと思っております。今回、こういった形でコストを出させていただきました意味というのは、説明の中でもありましたように、数字だけ出てきますとやはりこれは放っておけばできるのだろうというような誤解があるというのがございます。
そういった意味で、今回、特にコストの上昇分、初期コストとして出てくる分だけを意図的に計算をしております。これは先ほど何人かの委員からありましたように、特に山地委員からありましたように、割引率が非常に高い。特に家庭ですね。これは計算の中でも主観的割引率という数字を入れながら機器の普及の計算をしておりますが、まさにおっしゃるとおりでありまして、ただ、そこをどうやって見せていくのか。ここは今回は、ただではありませんということをお見せしました。
この後は、ほかの委員からもありましたように、実はこれは当然、回収されていきます。ただ、長期的にそれを考えたときには合理的な行動に行くのか、これはおそらく私どもは順番があると思っておりまして、先に今度は割り引いてしまうと、実はメリットがありますからということだけの説明になってしまって、技術が進むといいことがありますよ、おしまいと。そうなると、きっとだれかがやってくれるのだろうということになってしまいます。私どもの趣旨はまず第1弾、まずこの乗り越えるべきハードルが目の前にあります。その次、乗り越えると、これは最終的に回収されますよと。おそらくこのロジックに、この国全体を持っていかないと、おそらくどんな数字をつくってもひとり歩きをしてしまうのかなと。
そういう意味で、まさにご指摘のとおり、これからの啓蒙の仕方、特に国民の皆様方にわかりやすい数字にさらに発展をさせていくというのが我々の課題だと認識しております。
それから、やや細かい点になりますけれども、大野委員がおっしゃいました交通流対策、それから、今、伊藤委員からもありました交通流対策につきましては、もちろん国土交通省さんのご協力もいただいておりますが、これからも今後の作業につなげていきたいと思っております。
それから、中上委員からご指摘がありました技術ロードマップ、これはもともとこの作業自体のベースにあります。これはまた今後ともローリングをしていきながら、いつどのタイミングでどういったものが出てくるのか、可能な限り明らかにすることによって世の中の動きをリードしていきたいと思っております。
それから、最後に渡委員からのご指摘がありましたように、これは2030年、相当先、しかも、相当エネルギー消費が縮んでいくという姿をつくる作業をいたしました。これが現実のものになるかどうかはわかりませんけれども、そういった条件が整った場合には全く違う世界が出てくると思います。その中で、エネルギー種の比率その他が変わっていくとすれば、当然のことながら、それぞれのエネルギーの持つ意味というのが変わっていきます。そうした意味で、そのタイミングにおいてあらゆるエネルギーの高度化利用その他については非常に重要な課題になってくると認識しておりまして、この分は引き続き検討の対象とさせていただきたいと思っております。
以上でございます。
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
ただいまのご回答で十分行き届かない部分もあると思いますけれども、一応、本日ご議論いただいた長期エネルギー需給見通し(案)、それから、参考の2020年の試算値も含めてということになろうかと思いますが、この部会として委員の先生方、ご了解いただいたということでよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
長期にわたりましてご議論いただきまして、ほんとうにありがとうございました。今後、本日ご了解いただいた案をパブリックコメントに付したいと考えておりまして、パブリックコメントを踏まえた修正があった場合には、部会長の私に一任いただければと思いますが、このこともご了解いただけますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
- 黒田部会長
どうもありがとうございました。
それでは、最後になりましたが、望月長官からもう一度ご発言をいただきたいと思います。
- 望月長官
委員の皆様方には1年間にわたり我が国のエネルギー需給について、毎回熱心にご審議いただきまして、心から感謝を申し上げたいと思います。また、部会長におかれましては、本需給部会の取りまとめのみならず、実質的な作業部隊である需給ワーキンググループの座長としてもご尽力いただきまして、改めて感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
今回の需給見通しにつきましては、第一約束期間におけるマイナス6%達成の蓋然性を確認するだけではなくて、現在、世界的に関心が高まりつつございますポスト京都の議論に少なからぬ影響を与えるものだということは十分理解をしております。特にエネルギー技術をベースとして、将来のエネルギー効率や温室効果ガスの削減ポテンシャルを検証することは、先般、総理がダボス会議で発言された内容に沿うものでもございますので、サミットに向けた重要な検討材料になると考えております。
また、特に今回、事務局の責任においてコストに関する資料なども作成させていただきましたが、次期枠組みを検討するに当たってはさらに地に足のついた議論が行われるよう努力をしてまいりたいと思います。
先ほどの委員の皆様方のご議論の中で、幾つかほんとうに重要なご意見がございました。今、江崎室長からも申し上げましたように、放っておいてこうなるという話では全くない話ではあります。これは見通しと、いつも申しておりますけれども、見通しのずっと向こうに、とにかく国民的コンセンサスを得て、ここへ向かって努力することが必要なのではないかということについてご専門の皆様方のコンセンサスを得ていただいたと理解しております。
したがいまして、先ほどのコストのところについても、一応企業ので発生するコスト、国民の家庭のあたりで発生するコストとは書いてありますけれども、一体これをどうやってだれが負担をしていくのかというのは、国、制度というのを含めて何らほとんど述べていない話でございまして、ただ、唯一、国民の意思に反して強制的にはやらないぞということだけ書いてあるわけでございますから、ここから先の政策論については、皆様方とともにまたご相談をしながら知恵を絞っていかなければいけない話だと思います。
本日は、逆に申し上げれば、そういう努力のプロセスに入りますということにコンセンサスをいただいたというふうに思っております。したがいまして、河野委員からご質問の制度を前提としているのかと言われれば、とりあえず、ここのところは自主規制というのは前提としているけれども、そこから先の話は、だれがどう負担していくかというのは、これからちゃんとご相談をするということであるとご理解いただくのが一番フェアではないかと思っております。
それから、私は、この絵は、エネルギー産業が将来にわたってその主役たるビジネスを行っていく上でどういうふうに変わっていかなければならないのかというのをお考えいただくきっかけになるのではないかと思っております。
例えば、別のところの部会で申し上げたこともあるのですけれども、ガソリンスタンドというものがガソリンを供給するという観点からだけこれから考えれば、売り上げは減っていく中で相互に数を減らすということになるのですが、先般の石油分科会での答申で書き込ませていただいたのは、地域のエネルギーの唯一の、まあ、特に地方へ行きますとエネルギーの唯一の専門家として地域に、一体これからどういうエネルギーの供給の仕方が行われるのかというのを伝えていただく役割というのはあるのではないか。
そうすれば分散型電源の施設を供給し、メンテナンスをし、あるいはそれに対する燃料を供給するということも、これは1つの姿でありますけれども、そういうものもありますでしょうし、ビジネスから考えれば、もっとさまざまなエネルギー専門家としての供給体系というのもあり得るだろうと思っておりまして、これから先、全部電線で電気が供給されると考えるのもちょっと非現実的ではないかということもここに書いてあるのだろうと思っております。
したがって、そういうエネルギー関係の皆様方が、これからこういう1つの私どもの皆さんと協力してつくった姿を前提として、どういう役割を果たしていくのかというのをぜひ前向きに考えていただくことができれば、もっともっと産業サイドにおいても役に立つ姿、提言ではないかと思っておりますので、その辺も含めまして、今、私が個人的意見を申し上げたのは大変失礼かもしれませんけれども、引き続きご議論を高めていただくという意味では、キックオフではないかと思っておりますので、どうぞその辺も含めまして、引き続きのご支援をぜひ賜りたいと思っておりますので、大変ご尽力、ありがとうございました。
- 黒田部会長
長官、どうもありがとうございました。
今回、約1年にわたりまして、2030年、それから、2010年、なおかつ2020年という非常に重要な3つの需給見通しをおまとめいただきまして、ほんとうにありがとうございました。業界の方々にも非常にご協力をいただきましたし、それから、ワーキンググループ、それから、今回の見通しでは技術シナリオというのが非常に重要な位置を占めておりまして、技術シナリオについていろいろコスト、それから、将来の導入見通しを含めて練っていただきました専門家の方々をはじめ、多く、のサブワーキングの先生方にも、この場をおかりいたしまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。
それから、長官が今おっしゃいましたけれども、今回の2020年のコストを出したということは、ある意味で、私、今度で4度目の需給見通しの作成でございますけれども、画期的な状況でございまして、過去、1998年の京都議定書をまとめたすぐ後の需給見通し以来、何とか国民のコスト負担というのを正確に出すべきだということを申し上げ続けてきたのですけれども、その都度なかなか出せなかったという事情がありまして、今回、いろいろな欠点もありますし、いろいろな形での議論があると思いますけれども、とりあえず、1人当たりこれくらいの負担がなければ達成できないのだというある種の負担感を国民にちゃんとメッセージとして送れるというのは画期的なことではないかと考えております。
ただ、これを実現することはなかなか大変でございまして、多くの委員の先生方からご指摘いただきましたように、特に民生用、家庭用という部分についての国民の意識を高めるということは非常に重要でございます。これをどういう形で国民のアウェアネスを含めてやっていくかというのは、これからの政策の最大の課題ではなかろうかと思っております。
そういう意味では、今回の52兆円という10年間の数字が正しいかどうかということは、まさに長官がおっしゃいましたようにスタートでございまして、初めてこういう数字が正式な場でメッセージとして出た。これを高いと見るか、安いと見るか、妥当と見るか、妥当でないと見るかについてはいろいろな議論があってしかるべきですし、これをスタートにしていろいろな議論をしていく。そしてまた、対策を練っていくというのがこれからの我々に与えられた最大の責務でなかろうかと私自身考えておりますので、今後ともよろしくご叱正、ご鞭撻いただきたいと思います。
それから、最後になりましたけれども、この作業に関しましては、資源エネルギー庁の方々のご努力、大変なものでございまして、改めてこの1年間、大変なご苦労をなさったことに対して心から敬意を表したいと思います。長期にわたりまして、どうもありがとうございました。
―― 了 ――
