経済産業省
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独立行政法人評価委員会技術基盤分科会製品評価技術基盤機構部会(第18回) 議事録

日時:平成19年3月2日(金)13:30~17:30

場所:経済産業省第一特別会議室(本館17階西6)

議題

  1. 部会構成員の異動について(報告)
  2. NITEの第2期中期目標・中期計画及び業務方法書の変更について(審議)
  3. 平成18年度業務実績暫定報告について(報告)
  4. その他連絡事項ほか

配布資料

  • 資料1 製品評価技術基盤機構部会委員構成表
  • 資料2-1 独立行政法人製品評価技術基盤機構の中期目標及び中期計画の変更 について
  • 資料2-2 独立行政法人製品評価技術基盤機構の業務方法書の一部を変更する案
  • 資料3 平成18年度製品評価技術基盤機構評価表(暫定報告)
  • 資料4 平成19年度NITE交付金等の政府予算案の状況報告
  • 資料5 今後の部会開催スケジュール
  • (参考資料) 参考資料1-1 平成18年度業務実績(概要)
  • 参考資料1-2 平成18年度実績表参考資料集
  • 参考資料2 独立行政法人製品評価技術基盤機構の業務の実績に関する評価基準
  • 参考資料3 独立行政法人製品評価技術基盤機構の業務の実績に関する評価基準細則

出席者

部会委員(五十音順)

  篠原 善之 三井化学株式会社専務取締役
  冨田 房男 放送大学北海道学習センター所長
  西山 徹 味の素株式会社代表取締役副社長執行役員
平澤 冷 東京大学名誉教授
  藤本 暸一 早稲田大学知的財産戦略研究所教授
  前原 郷治 社団法人日本鉄鋼連盟標準化センター顧問
    (備考:○印は、部会長を示す。)

意見聴取・説明者

  御園生 誠 独立行政法人製品評価技術基盤機構理事長
  野中 哲昌 同機構 理事
  所村 利男 同機構 理事
  荻布 真十郎 同機構 監事
    ほか

事務局

  松本 隆太郎 経済産業省大臣官房審議官(基準認証担当)
  吉田 雅彦 経済産業省産業技術環境局知的基盤課長
  西本 光徳 経済産業省産業技術環境局知的基盤課長補佐(調整担当)
  高橋 潔 経済産業省産業技術環境局知的基盤課長補佐(NITE調整担当)
  左海 功三 経済産業省産業技術環境局知的基盤課 係長

議事

吉田知的基盤課長

知的基盤課長の吉田でございます。第18回独立行政法人評価委員会技術基盤分科会製品評価技術機構部会を開催させていただきたいと思います。本日は、宮村委員が欠席との連絡をいただいております。

まず始めに、松本基準認証担当審議官から挨拶を申し上げます。

松本審議官

松本でございます。本日は、委員の先生方、お忙しい中、本部会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。昨年から本年にかけまして、皆様よくご承知だと思いますけれども、ガス機器でありますとか、シュレッダーですとか、いろいろ製品事故が多発いたしました。国民の生活の安全・安心、あるいは製品安全に関する意識というのが物すごく高まったと思います。そういった中で、NITEの事故情報の収集でありますとか、あるいは事故の原因分析、この辺の機能というのが改めて大きくクローズアップされて、マスコミでもNITEがかなり報道されるような形になっていると思います。

実は、我が省からも大臣、副大臣、それから政務官がNITEを視察するということがありまして、省の内外問わず、NITEに対する期待が非常に高まってきているという状況でございます。

ただ、これも皆様よくご存じのとおり、NITEは、製品安全だけを業務としてやっているわけではなくて、ほかにも、化学でありますとか、バイオでありますとか、認定センター等、非常に重要な業務もやっているわけでございまして、厳しい財政事情の中でこういった業務をどうやっていくかということがやはり1つ大きな課題なのかなと思います。その際やはり必要なのは、業務の効率化でありますとか、あるいは適切な評価、この辺が極めて重要なのかなと思います。

本日は、NITEの第2期の中期目標・中期計画等の変更、あるいは18年度の業務実績暫定報告、これのご審議及びご報告をさせていただきたいと思うわけでございますが、ぜひ忌憚ないご意見等をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

吉田知的基盤課長

それでは、平澤部会長、よろしくお願いいたします。

平澤部会長

どうも年度末のお忙しいところ、委員の先生方にはお集まりいただきまして、ありがとうございます。それからまたNITEの皆さん方には、暫定実績報告をまとめるに当たって、ここしばらくの間、非常にお忙しい思いをされたのではないかと。どうも資料等を整えていただきましてありがとうございました。

今、松本審議官がお話しくださったように、私も、横でというと非常に失礼なことですけれども、いろいろマスコミで話題になるたびに、NITEに瑕疵がないことを願っておりまして、これは幸いといいましょうか、皆さんのご努力でいろいろそれなりの対応をしておられると思います。

考えてみますと、社会がどんどん発展していくときには、フロンティアをどんどん開拓していこうという、そういうところに関心が集まりますし、活力も集中されるわけですけれども、発展した社会、日本の場合は成熟した社会も入っているわけですね。そういう社会の中では、社会の中のさまざまな矛盾を最小限に抑えてといいましょうか、そういう機能がより重要になってくるだろうと思います。

今回のことは一つのブームといいましょうか、一過性のことで終わるかというと決してそうではない。今後ますますこういう種類の話が出てくるだろうと私ども思っておりまして、ぜひ国民の目線で、成熟した社会に見合ったような働き、機能をNITEが果たされることを願っております。今日は、また長時間になりますけれども、ご審議よろしくお願いいたします。それでは、まず資料の確認からしたいと思います。事務局、お願いします。

高橋補佐

それでは、事務局から資料の確認をさせていただきたいと思います。

配布資料は、資料1としまして、委員の構成表を資料2―1としまして、NITEの中期目標及び中期計画の変更について、資料2―2としまして、NITEの業務方法書の一部を変更する案、資料3としまして、平成18年度製品評価技術基盤機構評価表(暫定報告)、資料4としまして、平成19年度NITE交付金等の政府予算案の状況報告、資料5としまして、今後の部会開催スケジュール、それから参考資料としまして、参考資料1―1 平成18年度業務実績(概要)、参考資料1―2 平成18年度実績表参考資料集、参考資料2 NITEの業務の実績に関する評価基準、参考資料3 NITEの業務実績に関する評価基準細則、そのほか、座席表をお付けしております。

平澤部会長

どうもありがとうございます。資料の不足があれば、お手を挙げていただければと思います。

それでは、早速議事に入りたいと思いますが、議事次第によりますと、最初は部会構成員の異動についてのご報告をお願いいたします。

高橋補佐

それでは、前回部会以降の部会構成員の異動についてご報告申し上げます。

本年の1月31日で、三村委員が満了により退任されまして、現在の構成員は、資料1に示すとおり、7名となっております。

以上、ご報告申し上げます。

平澤部会長

どうもありがとうございます。三村委員には今までいろいろご苦労いただきまして、本当にお礼を申し上げなければいけないと思いますが、この席におられないのは残念でありますけれども。

それからまた、本来ならば後任をということになるべきかとも思いますが、全体の人員削減の中で評価委員の人数も減らしていくということのようでして、後任の方はとることができない状況だそうです。残った委員でまた分担して事に当たりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは議題の2でありますが、NITEの第2期の中期目標、それから中期計画、業務方法書の変更について、これはやや形式的なことかと思いますけれども、内容についてご説明ください。

高橋補佐

それでは、事務局からご説明申し上げます。資料2―1に基づきまして、中期目標・中期計画の変更について、それから資料2―2に基づきまして、業務方法書の変更についてご説明申し上げます。

まず、中期目標・中期計画の変更についての変更経緯、理由でございますが、昨年の消費生活用製品安全法の改正により、NITEの業務が新たに規定されました。具体的には、36条2項で、技術上の調査をNITEが行うこととなりました。これに伴う変更の提案でございます。また法案審議におきまして、事故情報にかかわる関係機関との連携強化と即応体制の構築、現場での連携の必要性が指摘されました。さらに、製品事故情報の収集・処理に当たるNITEの体制強化と関係行政機関との円滑な連携強化に努めることの参議院附帯決議がなされております。

以上を踏まえまして、これらの業務を適正に位置づけ、確実な業務の執行を確保するものであります。

なお、中期目標・中期計画につきましては、これまでもNITEの業務につき法律上の変更等があった都度変更している状況でございます。具体的な変更内容ですが、資料2-1の2.の「変更案」に示すとおり、3点ございます。

1つ目は、消費生活用製品安全法第36条2項の新設に伴う規定の追加を行うものであります。お手元の資料では(2)に当たります。

2つ目としまして、本部のみならず、現場での連携を強化する観点から、支所における経済産業局をはじめ地域の関係機関等と連携して製品事故に関する情報の収集・調査を的確に行う体制を確保するための変更を行うものであります。資料では(3)に当たります。

3つ目としまして、収集の対象となる事故情報について、欠陥の有無にかかわらず幅広く事故情報を収集することが有益であることから、「製品の欠陥や欠陥により生じた可能性のある事故について」から「製品における事故情報等」に変更し、趣旨を明確化するものであります。資料では(1)に当たります。

具体的な変更案は、別紙として添付いたしました新旧対照表記載のとおりでございます。

今後のスケジュールでございますが、あくまでも予定、目標ですが、消安法の36条2項に係る部分については本年5月に施行されることとなっており、若干時間があるのですが、それ以外の地域関係機関との連携等につきましては、新年度入りする4月1日から実施できるよう調整努力してまいる所存でございます。

平澤部会長

今の資料2―1に関連してですが、ここでちょっと切りまして、改正の中身に関してもしご疑義があればお伺いしたいと思いますが、資料2―1の小さい方の最初のページの2.「変更案」(1)(2)(3)とありますが、ここに挙げてあることというのは、今の状況の中で大体妥当な改正ではないかなと思いますが、いかがでしょうか。特にはご異議ないということでよろしいでしょうか。

(委員一同「異議なし」の声)

それでは、一応中期目標・中期計画はこの変更案のとおりお認めしたいと思います。今度はそれに伴う業務方法書の変更ですか。資料2―2の方にいきましょう。

高橋補佐

続きまして、資料2―2に基づきまして、業務方法書の変更についてご説明申し上げます。まず変更の主旨ですが、中期目標・中期計画が変更されるため、NITEの業務方法書もこれにあわせて変更するものでございます。また、今回の変更にあわせて、業務委託の基準につきまして、随意契約の見直しに伴い解釈上の誤解を防止するための変更を提案する次第でございます。

具体的な変更事項・変更箇所ですが、別紙に示すとおりでございます。1つ目は、改正消費生活用製品安全法の対応に係る部分でございます。今般、消費生活用製品安全法が改正され、NITEの業務が明示されたことから、その法律名と条項を明示し、記載する変更を行うものであります。

2つ目は業務委託の基準についてであります。昨今の随意契約が問題視されていることに鑑みまして、公募方式は随意契約と誤解されるおそれがあることから、これを防止する観点から、一般競争入札であることを明確に明示する変更を行うものであります。

以上でございます。

平澤部会長

どうもありがとうございました。業務方法書の変更というのは、第1点については、今お認めいただいた計画等の変更に伴うものというわけですが、第2点については、実態としては変わらないけれども、名称だけ、誤解のないような形にしようということですね。

高橋補佐

はい。

平澤部会長

いわゆる随意契約に関しては国会審議の中でもいろいろ取り上げられているように思います。誤解のないという、一般競争入札ということ、これは公募方式ならば大体そうだとも思うんだけれども、より明確にするということですね。この点に関して。

冨田委員

先ほど申し上げるべきだったのかもしれないんですけれども、これは非常に大事な仕事がNITEに新たに加わったということで、大変重要な位置がますます高まるのは結構なんですが、例えば予算とか人員とか、何らかのものは上乗せなり何なりがあるんでしょうかないでしょうかということ。それと、当然ながら、ここにも書かれておりますが、体制変更が必要ですよね。そうすると、どこかの部門からどこかの部門へと人が動くわけで、動いて、その部分はふえるけれども、動かしたその親元は減るということになるんだったらちょっと心配だなという気がするんですが。

吉田知的基盤課長

お答えいたします。

まずNITEの製品安全に係る業務につきましては、消安法の改正では、技術的な調査をやるというのが明確に入りました。他方で、情報収集についてはNITEも引き続き行いますけれども、重大事故情報については経済産業省も行うということも、この国会の審議の過程で明確になってきております。そういった中で、NITEにつきましては、質的に高いレベルで技術的な調査を行っていただくことが以前よりも期待されておりまして、中期目標の変更を踏まえて、この面でこれまでよりも一層質的に充実した体制が必要になると考えております。

予算の面でも、この製品安全の対応をするということで交付金の増要求というものをやりまして、現在の国会で審議中でございます。トータルの交付金の金額はふえておりませんけれども、独法の交付金は、ご案内のように、だんだん節約するということになっておりますけれども、その節約をした発射台からふやすということで要求しておりまして、それが今国会でご審議中ということでございます。トータルとしましては、独立行政法人の中ではNITEのトータルの政府原案の削減率は余り多くないということになっておりますのは、それだけNITEに期待があることだと思っております。

そういう意味で、予算につきましてはそういう状況でございますし、それから体制につきましては、いわゆる正職員といいますか、そういったことに関しましては、行政改革法ということで5%の削減というのは一律かかっておりまして、これは致し方ないところですけれども、予算面で対応するとかいうことを含めまして、NITEで独立行政法人としてご対応していただくということでございます。

したがいまして、これにつきましては、この中期目標、あるいは中期計画の変更をお認めいただいた場合には、今度は独立行政法人、NITEがお考えいただいて、その結果につきましては19年度の評価のプロセスで皆様にご評価いただくことになります。そういった中で、その対応が、片方がへこまし過ぎじゃないかということについてご評価をいただくといったことになるかと思います。

平澤部会長

冨田先生、よろしいでしょうか。

冨田委員

はい。

平澤部会長

減り方が少なくなるというぐらいの効果はどうも得られそうだということのようですけれども、ただ、この資料2―1の変更案の(1)に相当するようなことは、今までも事実上やっていたことだろうと思いますね。可能性があるかどうかというのは前もってはほとんどわからないので、それらしいものは情報収集を既にやっておられたと思いますので、部分的に業務が拡大するところはあるわけですが、これはまたNITEの方でご工夫いただくということでよろしくお願いいたします。

そのほかにはいかがでしょう。よろしいでしょうか。

(委員一同「異議なし」の声)

そうすると、業務方法書についても、この変更案どおりお認めしたいと思います。この両者の取り扱いについて何かややこしいことがあるようですので。

高橋補佐

それでは、事務局から、本件取り扱いについてご説明申し上げます。

変更につきましては、手続としましては、まず中期目標の変更を大臣からNITEに指示し、これを受けまして、NITEから中期計画の変更申請及び業務方法書の変更申請がありまして、これを認可するという手続になります。この認可に係る審議のため、再度部会を開催することは効率的でないことから、部会運営の効率化の観点等から、中期計画、業務方法書の各変更案についてあらかじめご承認をいただき、今後、評価委員会に対して諮問なされた際には、本日の部会での承認をもって評価委員会の意見とさせていただくことのご了解をいただくことでよろしいでしょうかというのが1点目です。

また、今後、財務省協議が控えておりまして、まだ修正等があり得ますが、大幅な変更があれば改めて部会で審議いただくことになりますが、軽微なものであれば、部会長の判断をもって部会の意見とさせていただくことでご了解いただければということでございます。具体的には、諮問があった場合には異存ない旨回答することになるということでございます。

平澤部会長

どうもありがとうございました。

1点目は、我々は今、早手回しに審議を終えたということなので、正規の手続の中でもう一度それが確認されるということかと思います。

2点目については、これは我々の審議の範囲の外のことで、また変更があるかもしれないということのようですけれども、今、事務局からありましたように、大幅ならばまた文書等で先生方のご意見をお伺いすることにしたいと思いますが、そうでない場合には、私に変更についての判断をお任せいただけますでしょうか。

(委員一同「異議なし」の声)

それでは、よろしくお願いします。今の取り扱いを含めて、そうしますと、議題2については事務局提案どおりお認めしたということにしたいと思います。どうもありがとうございます。

ではきょうのメインの議題ですが、議題3、暫定報告書、これについてということでありまして、これは、年度を超えて5月、6月ぐらいにおまとめになった最終報告書を、多分、6月ぐらいに開かれる部会で最終的に諮問するということになるわけですが、例年どおり、そこに至る前に、この時点で1回、今年度のあらかたの業務の成り行きをご報告いただき、そしてまた、我々としても認識を深め理解を深めるために、最終的な評価をするまでの間の時間をいただいて、また現場等も拝見させていただくといったようなことも含めて、コミュニケーションを密にした上で最終的な判断に臨みたいと思っている次第です。

というわけで、このような2段階でやっているところというのは、少なくとも私、もう一つ別の独立行政法人もやっているわけですが、そこは1回だけでポンと判断しろという実に粗っぽいといいましょうか、簡単といえば簡単なんですが、やり方に対して、経済産業省の場合はかなりそこのところは緻密に、内容をよく理解した上で判断してくださいと、そういう形になっているかと思います。というわけで、今回、あらかたの状況ではありますけれども、まずはその推移をお伺いしたいと思っているわけです。

最初に御園生理事長から全体の概要をお伺いした後、部門ごとにご説明をいただきたいと思います。それでは、理事長の方から概要のご紹介をお願いいたします。

御園生理事長

理事長の御園生でございます。

委員の先生方には、本NITEの業務に関しまして、平素より大変貴重なご意見をいただき、ご指導いただきまして大変ありがとうございます。このような機会にいただきましたご意見は、我々の業務の進め方に大変参考にさせていただいて、実際そのように動いていると思っておりますが、本日もぜひ忌憚のないご意見をちょうだいしたいと思ってますので、よろしくお願いします。

それでは初めに、この後詳しく、各部、センター長からご説明があるかと思いますが、ごく簡単に全体をご説明したいと思います。

NITEは、ご存じのように、平成18年、つまり、去年の4月から第2期の中期目標期間に入りましてほぼ1年がたつということで、第1期をベースにして第2期飛躍したいということですが、どっちの方に動き始めたかということが少しずつみえてきたところだと思いますので、そういう点でいろいろご助言賜ればと思ってますが、NITEの職員は一人一人、先ほど、審議官、あるいは部会長からもお話しあったように、国民の視点に立って、国民の安全・安心へのNITEの貢献がよくみえるように、国民に信頼され期待されるNITEということをキーワードにしまして、変革と前進を続けていくということで進めております。

NITEに対する期待は、我々としては高まってきていると認識しておりまして、委員の先生方からのご意見、外からの意見も聞きながら、さらに業務を遂行していきたいと思っているところでございます。安全が非常に大きなテーマになってまして、安全をキーワードにして、我々の4つの部門も、いろいろなコラボレーションも出てくるという特徴もみられるようになっております。他方、先ほどご質問にありましたけれども、業務はふえる一方で資源の方は減る一方という状況の中で、いかに効率的に業務を取捨選択しつつ進めるかというのは、ずっと続く頭の痛い課題でございます。

それでは、参考資料1―1、「平成18年度業務実績(概要)」をみていただいて、1枚めくっていただきまして2ページ目ですが、これが生活安全分野で、昨年は世間の注目を集める製品事故が多発しまして、その対応に日夜追われつつ、今後どう取り組んでいくべきか模索してきたというのが実態でございます。既にありましたけれども、NITEについて、国会でも話題になりましたし、附帯決議もなされたということで、NITEに対する期待が大きくなっていることを実感しているところでございます。

このニーズにこたえるために、事故情報収集、あるいは解析、また発信の体制を質量ともに強化する必要があるということで、地域関係機関との連携の強化、また地域に調査員制度をつくるということをしまして、今年度は、事故品、現場確認件数も大幅に目標を上回るという実績を達成いたしました。また、事故原因究明、あるいは事故未然防止にかかわりますNITEの成果が、行政指導、あるいは社告等につながったケースがふえてまいりまして、社会に存在感を示すことができた年でもあったのではないかと思っております。また、積極的なマスコミへの情報提供等も顕著でございまして、これにつきましては後ほどご説明させていただきたいと思います。

また、この紙に写真がございますけれども、米国のCPSCとの協力ガイドラインの調印をした。それで、これから情報交換、あるいは人材交流等々を通して我々の製品安全対策に生かしていきたいと思っているところでございます。また、生活安全の標準化の分野では、高齢者、障害者へ配慮した福祉用具標準化体系案や民間機関が標準化を行うためのアクションプランをつくりました。これらの取り組みについては、内閣府、平成18年度高齢社会白書活動にも盛り込まれることとなった次第でございますし、また国際的な展開も着実に図っているところでございます。

また人間特性分野では、九州大学との連携協力協定を結んだところでありまして、今後とも、大学等との連携によりまして、我々の業務の工学的な基礎を固めていきつつ、拡大、効率化を図っていきたいと思います。これらを含めて、生活安全分野、大きな課題になっておりますので、これに係る新しい工学を構築する、そういう努力もして、他の先生方とも連携しつつ進めていきたいと考えているところでございます。また講習業務、法令に基づく立入検査につきましては、着実に行ってまいりました。

1枚めくっていただいて3枚目、適合性認定分野ですが、当該分野では、経済産業省の法令に基づく認定登録業務を迅速かつ効率的に実施することということで、新JNLA制度、新JCSS制度については、外部審査員等の効率的な活用などによって申請・審査の大幅な増加、ここに書いてありますように、5割増、4割増と大幅な増加に適切かつ確実に対応してきているところでございます。また認定制度の信頼性向上、あるいは普及拡大のために、日本認定機関協議会、JACの発足を昨年5月にNITEが主導して行いまして、多くの省庁、ここに書いてございますが、独法、民間認定機関等の参加が得られたところでございます。NITEが事務局を務めておりまして、今後とも、省庁の垣根を超えて、規制当局への認定制度活用の働きかけ等を行ってまいりたいと思っております。その他、認定機関の信頼性確保、国際相互承認の維持などについては後ほど説明させていただきたいと思います。

1枚めくっていただきまして化学物質管理分野でございますが、この分野では、化審法、化管法等の施行の技術的支援がコアでありまして、法改正もあろうということですので、その準備を進めております。それと同時に、化学物質の総合的な情報の整備、提供のために、CHRIPというデータベースの整備を進めておりまして、大幅なアクセス増を実現しました。これは、これまでユーザーニーズ、あるいは政策シーズの把握と分析等々の努力を職員が積極的に行ったということの賜物だと思っております。今後とも、NITEがユーザーの声に耳を傾けつつ、化学物質管理のナショナルセンターになれるように着実に存在感を増していきたいと期待しているところでございます。

そのほかのリスク評価手法の体系化、あるいはQSARの利用による管理の促進、PRTRデータ解析の成果の活用については後ほど説明させていただきたい。また、化学物質リスク等に係る相互理解のために、情報整備、提供、PRTR届け出処理におけるアウトソーシング等につきましても後ほどご説明させていただきたいと思います。

5枚目ですが、バイオテクノロジー分野でございます。この分野でNITEは我が国を代表する中核的な生物遺伝資源機関として、微生物を中心とした遺伝資源の戦略的な収集・保存・提供を行ってまいりましたし、国内及びアジア諸国における情報ネットワークの中核的な拠点としても生物遺伝資源の利用拡大の推進を図ってまいりました。平成18年度からは国内外からの探索により、目標を上回る微生物の収集を達成しました。海外資源国との二国間協力体制の構築では、昨年6月、モンゴルと新たな二国間協力を短期間で締結し、それに基づいて活動を活発に展開しているところでございます。また、生物遺伝資源機関のネットワークの構築に成功しまして、国内外の情報統合と情報発信のためのカタログデータベース作成事業を着実に行っております。

そのほか、生物遺伝資源の利活用促進のためのゲノム解析、プロテオーム解析、またヒトインフルエンザウイルスの遺伝子解析等による社会、産業への貢献、特許微生物寄託事業の拡大等も積極的に行っておりまして、これらにつきましては後ほどご説明させていただきたいと思います。

もう一枚めくっていただきまして、最後になりますが、共通分野でございます。第2期中期目標では、戦略的な人材育成の推進、戦略的な広報の実施、マネジメントの改善を挙げております。これらはこの部会でもご指摘いただいたことでございます。特に人材育成という観点では、将来に重要となると考えられる専門的な技術に配慮した分野別のキャリアパスの具体化に向けた検討を行ってきましたし、また、企画能力の向上のために、NITEの意思決定プロセスへ若手の職員に積極的に参加していただいて議論してもらおうということを行っておりまして、これは非常に効果が上がっているのではないかと考えております。

それに加えまして、職員の階層に応じた能力開発研修、それから若手職員の国際会議等への積極的な派遣、さらには自主的な勉強会も多く開催してきたところでございます。さらに能力評価制度の検討・試行を開始いたしまして、先行しております業績評価制度の定着、あるいは目標管理制度の改善等も相まって、より能力や業績を反映した処遇の実施に向けて前進しているところでございます。

共通のうちの広報につきましては、暮らしの安全・安心に貢献するNITEというものを国民へ知っていただくということをしていろいろ努力しておりまして、例えば親子を対象にした新聞広告連動型のイベントを実施しまして、大変好評を博したと当方は認識しておりますが、また積極的な報道機関への対応によりまして、新聞等への記事掲載、外的要因もありましたけれども、非常にふえたところであります。

また、ごらんいただいたかと思いますが、広報展示ルーム、NITEスクエアへの来場者も1,500人を超えるということであります。今後、各職員一人一人が広報、営業マインドをさらに高めまして、それぞれの業務において生かせるように精力的に取り組んでいきたいと考えております。

その他、一般管理費削減、アウトソーシング、業務システム最適化については、着実に実施しつつありまして、後ほど説明させていただきたいと思います。

大変簡単ではございますが、全体のキーポイントをかいつまんでご説明させていただきました。私の説明は以上でございます。

平澤部会長

どうもありがとうございました。

これから部門別にご説明いただくわけですけれども、この時点で、御園生理事長に何か確認しておくようなことがありますでしょうか。

藤本委員

こういうところで広報の重要性が1度議論されて、それが真摯に確実に取り組まれた結果、非常に進歩してきて、なお一層これから取り組まれるということは非常に結構なことなんですけれども、やはりNITEにおきます最大の重要なポイントは人材にかかわる話であると思います。このことは皆さん承知のとおりなのですけれども、niteの場合は、役割が国民生活に直結するような非常に基盤的な仕事であるということ、一方、また役割の拡充も図っていかなきゃいけないということで、人材育成という見地の中に、もちろん今問題があるということは夢には思っておりませんけれども、意図的に倫理、エシックスというキーワードを特に、どこの機関ももちろん倫理というのは必要なことですけれども、NITEは特別に風土とか人材について能動的にそれをもっているということが極めて重要じゃないかと私は思っております。それは簡単にどうするのがいいのかというのは一概にいえませんし、分野ごとに少しずつ違うかとは思いますけれども、この辺を人材育成のキーワードの中に織り込んでいただけたらいいのではないかと思っております。

御園生理事長

ありがとうございます。ぜひそのように配慮していきたいと思います。

平澤部会長

また後でも議論する機会があるかもしれませんが、今のご指摘、非常に重要なことだと思いますので、全体の問題としてまずは認識しておきたいと思います。ほかにはよろしいでしょうか。

それでは、今のご説明の順序でお気づきかと思いますが、今までとってきたのは、バイオから人間生活へ流れる、そういう順序でずうっとやってきたわけですが、今回はそういう、潜在的に早くやるのが重要な分野だという認識が生まれてはいけないわけでありまして、逆にご紹介いただくということをお願いいたしました。

まず菊池所長の方からお願いしますが、10分ぐらいご説明いただいて10分ぐらい質問をするということでやっていきたいと思います。よろしくお願いします。

菊池生活・福祉技術センター所長

生・福センターの菊池でございます。

参考資料1―2の5ページをお開きください。5ページのところでは、先ほど理事長からも申しましたように、「地域関係機関との連携強化」ということで、これを図ってまいりまして、その結果としまして、収集件数では 140%、40%も増えたということでございます。これは本部と支所との連携、それに支所での、ローラー作戦といいまして、警察、消防関係機関等々を積極的に訪問して連携を強めていったということでございまして、その結果として4割も増えたということでございます。

平澤部会長

この資料の、今ご説明あった1―2の見方といいましょうか、それのご説明をまず事務局からいただいた後、続けていただければと思います。

高橋補佐

それでは、事務局から資料の見方についてご説明申し上げます。

平成18年度業務実績暫定報告につきましては、定型の様式で作成したものとして、資料3ということでA3の、皆さんのお手元に膨大な資料をお配りしております。ごらんのように、資料が詳細にわたり、かつ膨大であります。そこで、昨年にならいまして、部会審議を効率的に行う観点から、これを要約したものとしまして、参考資料1―2を用意いたしております。本日はこれに基づいて報告させていただきたいと考えております。

それで、参考資料1―2の「平成18年度実績表参考資料集」の見方でございますが、各ページの右上に赤、青、黄色、緑、白色に塗りつぶした四角のボックスが表示しております。その意味は、裏表紙のような意味づけをもたせて分類してありますということを補足申し上げます。あと、各分野につきましては、上の方に帯の色を分野ごとに色分けしまして、例えば生活分野ですとオレンジ、バイオテクノロジーですとグリーンというふうに色分けしております。

平澤部会長

どうもありがとうございます。この色の順序が、赤、青、黄色、緑というのは、何となく順序がよくわからないんですが、これは虹の色の順序になっているとよくわかるんだけれども、これも今までこういう印をつけてきたのでそれを踏襲されているんだと思います。

菊池生活・福祉技術センター所長

改めて報告させていただきます。

5ページのところでございますが、事故件数で4割増しとご報告させてもらいましたが、下段の方では、これは今回の中期、第2期の目標とか計画のところに数値目標になっておりますのが、製品事故とか現場確認件数、これを出させてもらっております。それで、この結果としまして、12月現在で313件、年度としますと 400件を超えるような見込みでございます。これは各連携を強化した結果と思っております。

めくっていただきまして6ページにまいります。「事故原因究明で事故再発防止へ貢献」ということが2番目でございます。これは具体的には、事故の収集したものの中で原因究明を行いまして、その原因究明を行った結果から再発防止の方で国民に知らせたという成果で、ここには3つほど書かせてもらっております。報告書には詳細に出ております。

1個目は、具体的にはパロマのガス湯沸し器の件でございます。真ん中に映ってます写真の矢印のところが改造された部分でございます。

2番目は、食器洗いの乾燥機から出火したということでございますけれども、これは原因究明というのが、消防と警察等々で原因がどうか意見が分かれたりしているところ、現場に行って、NITEの調査によって、この機械そのものから、乾燥機から出火したという原因が判明したというものでございます。この結果からしまして、メーカーは社告しております。

3つ目は皮膚障害の件でございます。この写真のとおり、デスクマットに触れた人が13件も皮膚炎になるということで、この物質を突きとめまして、それでもって対応したということで、これもメーカーが再社告と回収をしておるものでございます。

めくっていただきまして7ページでございます。「市場モニタリングテストで事故未然防止に貢献」ということで報告させてもらっております。これはテレビでも何度か出ておりましたが、1個目が、リモコンつきの電気ストーブが別なリモコンで勝手にスイッチが入ったり加熱するということがモニタリングテストで判明したということで、これはテレビ、新聞等にかなり長時間報道されているものでございます。

真ん中は湯たんぽでございますけれども、これは電子レンジで加熱し過ぎますと破裂してやけどを負ったというケースがございまして、これも最近のテレビ等で報道されたものでございます。

こういうモニタリング、試買をして、実際テストを行ったものが結果として迅速に注意喚起するというふうなことで、下に書かせてもらってますように、多分NITEで初めてだと思いますが、NITEスクエアで記者発表をNITEの職員がやらせてもらっております。

8ページに移りまして、これは先ほど理事長からもお話しありましたとおり、「国内外の関係主要機関との連携強化」というのも図っております。真ん中に四角にかかっているところが国内的なことで、先ほどのようないろんな機関との連携を進めているところでございますけれども、外国との連携というのもやっておりまして、CPSCとガイドラインを結びまして、事故情報の交換、情報交換等々を行うようなことを今進めております。例えば中国製の製品等々は、共通のものでございまして、こういう情報交換するというのは極めて重要かと思っております。

9ページに移りまして、「製品安全における情報提供」ということで、ちょっと違った観点で提供させてもらったものでございます。1つはハロゲンヒーターでございますけれども、これは事業者が業績悪化で倒産してしまったということで、社告等々もできないところを、NITEの方がいち早く国民に知らせた、注意喚起したというものでございます。

2つ目は、最近は新聞にほとんど毎日のようにリコールの情報が出ているのですが、それを整理しましてタイムリーな情報提供を行ったということで、これでまた製品回収等々に役立ったと思っております。

下の方には4つ書かせてもらっておりますが、シンポジウムを開催とか、製品安全総点検セミナー、これはMETIとの共催で開催させてもらっております。生活安全ジャーナル等も発行しておるとか、あとホームページに出しておりまして、アクセス件数が25万と大幅にアップしているということでございます。

10ページにまいります。「緊急を要する製品安全対策にも即対応」ということで、先ほど審議官からもごあいさつにありましたとおり、パロマから始まりまして、一連の法律改正で、報告の義務化というところまで今進んでいるところでございますけれども、それに対応したNITEでの基礎的なデータ等々を提供して、この審議に協力したということでございます。これは大きく貢献したと思っております。

めくっていただきまして11ページでございます。福祉用具の標準化体系、これは、先ほど理事長からもお話しありましたとおり、標準化体系、単なるJISを、規格をつくるということのみならず、第2期は規格体系を、案を策定しまして、この体系に沿って実際に動いていくと。そのためにアクションプランというのを作成しまして、それに沿って実行していくということをやっております。したがって、こういうことをやるには日本の中核機関ということで、各、この周りにありますような機関と連携して行っていって、JISCにも反映しますし、ISO等にも反映するし、今では日中韓の標準化等の連携にも反映しているということでございます。

めくっていただきまして12ページ、「人間特性計測のネットワークの拡大」ということで、人間特性の人間データベースがございます。これも、先ほどございましたとおり、アクセス件数がかなり増えているのと、連携、nite人間系プラットフォームと書かれてますが、これを目指して進めておりまして、最近では、ここに例として書かせてもらっていますが、JRの車両の手すり開発なんかにそのデータが実際に使われていたとか、オープンカーの屋根のところにもそういうデータが使われているようなケースがございます。

めくっていただきまして13ページでございます。これは講習業務の関係でございますが、18年度につきましては、受講者が電気で2.7万、ガスで1万と、少ない年ではございましたが、確実に受講案内を行うとかアウトソーシング推進を的確に行う。なおかつ、サービスの向上ということで、土・日の開催割合を増やしてサービスに徹底しておりまして、これは着実に実施しているということでございます。

14ページにいきまして、経済産業省からの、大臣指示という法令に基づいての製造事業者等への立入検査でございますけれども、件数としまして300件、JISに関しましては 125件、着実に実施しておりまして、間もなく終了する予定でございます。

最後、15ページでございます。「化兵器法に基づく国際検査立会い・立入検査に的確に対応」ということで、これは本年度から生・福センターの検査業務課の方にまいった業務でございますけれども、実際には国際機関の検査等への立会いという業務と、国内事業者に対する立入検査と2つございますが、両方とも的確に対応して実施したということで、恐縮ですが、数字等は、この化兵器の国際的な取り決めで公表することは控えさせてもらってますので、出してございません。

生・福センター、以上でございます。

平澤部会長

ありがとうございました。それでは、これから10分ほどご質問等を受けたいと思いますが、いかがでしょうか。

篠原委員

今のお話を伺いまして、自己評価でいくと赤の色が大変多いということで、かなり頑張ってきておられるとは思います。私としても、ちょっと心配なところがあります。今、パロマの件だとか、食器洗い機、あるいは皮膚障害等々の問題では、極めて専門的で、かつ非常に広範囲な分野の人が必要とされております。例えばパロマの話ですと、機械、制御の知識が必要となります。それから皮膚障害になると化学的な知識も要りますし、あるいは健康保健学的な知識も要りますので、かなり専門的な知識を持った人材が必要になるんじゃないかと思います。最近の人材育成にも絡むんですけれども、こういう方々の人員の確保、あるいは将来そういう人を育成することが大きな課題ではないかと考えますが、いかがなものでしょうか。

菊池生活・福祉技術センター所長

生・福センターの製品安全の部隊は、電気製品の事故が圧倒的に多いということからしまして、電気の専門家のグループがございます。加えまして、次が機械、あと化学ということで、それぞれの分野にそれぞれの専門家を養成しているということで、そこと、ワーキンググループというのがございまして、ワーキングには専門の方に来ていただいて審議するようなこともありますが、職員としましては、それぞれの分野の得意なグループでもって対応しているということで、引き続き若い人を入れて技術を継承していく、もしくは難しい分野は学んでいくということをしまして、この分野を支えているということでございます。

篠原委員

ご説明ありがとうございました。私の懸念はそういうことです。先ほど冒頭のところで、こういう問題に対する予算措置を今お願いしているということですが、予算となりますと、いわゆる労務費というのと別の予算で、事業費的な予算措置が取れないものかと思います。

これにより、人が足らない場合は、外部の専門家にアウトソーシングしながらやっていくことが一つのやり方ではないかと思います。本当の専門家、例えば電気の専門家、機械の専門家、それから化学の専門家が必要な状況で、今の体制で将来的に大丈夫なのかというのが私の懸念でございます。

野中理事

予算の話も出ていますので若干私の方からお答えさせていただきますけれども、まさにご指摘ごもっともで、個別の事故をみればいろいろな専門知識がそれぞれ必要だということで、実は今年度からやっているのは、外部調査員制度というのを設けて、外部にそういう専門家を見つけて、たくさんネットワークつくっていき、その仕事に応じて、労務費でない予算、事業費の方でそういう専門的な問題に対応していくということを始めております。それから昨年の松下の事故に関する試験では、日燃検とか化評研のような外部の専門の検査機関と一緒に原因究明をしておりますが、そういう外部の機関、外部の専門家人材を事業費の方で活用してやっていくことにしており、そうした共同作業とともに職員も学ぶようにしております。こういう体制を今年度からつくり始めておりまして、来年度からさらにこれを拡大していくのが一つの方法かなと思って頑張っているところであります。

吉田知的基盤課長

それからもう一つ、私、みておりまして、以前と変わったなと思いますのは、以前は、こういう事故が起こったときに大体公益法人が調べたりするのが多かったんですが、最近はどの省でも独立行政法人が前面に立ってやるようになっているような感じがいたします。

ただし、よくよくみますと、公益法人ですとかメーカー、あるいは大学の先生方で詳しい方が独法のワーキンググループなんかに参加されて、日本の中の英知を結集してやっていくということかなと。したがって、NITEでも、自分のところでよくわかる人がいるということも当然必要なんですけれども、そういった方々とうまくコーディネートしてやっていただくということも非常に重要でして、その辺をぜひやっていただきたいなと思っております。

平澤部会長

今のポイントは非常に重要な、あるいは深いところにつながっていくような話ではないかなと思っております。最後にちょっと議論したいと思っていて、それはまたそうしたいんですが、今のお話自身は、要するに個別知識、個別専門知識が非常に多岐にわたるような、そういう種類の知識社会に今現在あるわけですよね。にもかかわらず、それを統合する統合的な知識が不足していると。それを、しかしながら、NITEの所掌範囲の目的に応じて統合していくことが求められていると。それでは組織としてどのような形に整えていけばいいだろうかというのが篠原委員のご提言だろうと思いますね。

一つの回答としては、今おっしゃったように、個別専門知識というのは、外部の調査員、外部調査員ですか、を通して収集していただくということになるのかと思いますけれども、しかし、それらをどこを調べれば、どういうことを調べればいいのかということが判断されないと外部調査員にお願いもできないわけですから、その部分についてはやっぱりNITEがハンドリングできるような形にしていかないといけないと。それから、細かいことはわからなくてもいいんだけれども、どういう方向の問題なのか、本質はどこにあるのかということが判断できるようなことを考えられるように職員の教育をしていくといいましょうか、経験を積んでいくと。このようなことになるのかなと思うんですが、先生方いろいろアイデアおもちだと思いますので、またご助言いただければと思います。

西山委員

質問と意見なんですけれども、市場モニタリングテストの項目なんですが、アイテムの選定、どういう基準でおやりになっていらっしゃるかというのがまず質問なんです。

菊池生活・福祉技術センター所長

これは例えばリモコン等はそういう苦情が起きつつあるとか、そういう調査なりをして、なるべくそれに近い、早いタイミングで市場なりの情報を得た上で行っております。今回の場合は2つとも、そういう事例が起きると同時に始めたと、そういう話があったというので始めたということでございます。

西山委員

意見になるんですけれども、例えばガス給湯器のパロマさんから始まって、死亡事故が結構ありましたね。本当に助かるのは、お亡くなりになった方が21名も出ない段階で、モニタリングをしていて、注意を喚起して、被害者が極小化できたというのが国民としては非常に助かるわけですね。事故が起きて、原因を究明して、さらに大きな事故を未然にまた防いでいくことも極めて重要ですから、どちらも重要だともちろん思うんですけれども、力の入れ方として、どのぐらいのバランスでやっていくかというのはまた現場としては非常に大変なことだと思うんですけど、モニタリングというのを相当強化していく方向でやっていくということも未然防止の見地からは極めて重要ではないかと思いますね。

どちらも大事ですから、資源が限られた中でどうやっていくかというのは非常に難しいことではあると思いますけれども、一番いいのは予防できるのが最高だということで、その辺にどう取り組むかというのはご検討いただきたいと思います。

平澤部会長

今の点も、これも実に深い話になるわけですよね。あるいは瀬田さんなんかもご存じかと思うのですが、要するに危機管理というときに、予防的に対応するのか、それとも被害を最小限に抑えるという立場で対応するのかというので、システムはかなり違うわけですよね。それで、予防的の方が望ましいのは確かなんだけれども、それはコストとの問題、あるいは難しさとの問題に係るわけで、実務的には、多分、その被害を最小限にとどめるという対応の仕方の方をとっているのではないかと思うんですね。

したがって、まずはこれらの事故等をケースにして、ケーススタディを深められて、もし予防的に対応するとすればどういうことをやっておかなければいけなかったのか、それから最小限に被害を少なくするという観点からならばどういうことをやっておかなければいけなかったのか。それらを比べてみて、NITEなりの方式というのをお考えになったらどうかなあと思いますけれども。

藤本委員

今のことと若干は関係あるんですけれども、例えば私、実は電子レンジで湯たんぽを温めるというのは全く知らなかったんですね。多分、こういうふうに、時代が違うというとあれなのかもしれませんけれども、昔の常識と今の常識が大きく変わってきている、あるいはつくる側の意識と使う側の意識が大きく違っているケースというのがしばしばこういうミスマッチといいますか、事故になっている。湯沸かし器なんかもそうなんですけれども、つくっている側からすれば、換気しないで使うなんていうことはありっこないという前提で多分つくられているんだと思うんですね。

それと同じで、湯たんぽも、まさかプラスチックを電子レンジで温めるなんて、私、考えたこともないんですが、そういう技術の進歩等を含めた変化、それから、例えば今ですと、家屋の密閉度が非常に高くなってますから、換気をしないと一発でCO中毒を起こしかねないような状況になってますが、一昔前の住宅だと、すき間風だらけですから、多少は換気できていた。そういう諸々の環境の変化、技術の変化、それから特に使う側の意識の変化というのはあると思うんですね。そういう意味でいうと、今のユーザー、一般の方たちの意識の変化というのをメーカー側に上手に反映してあげる、これがものすごく、こういう事故を防ぐ上で大事なのではないかと思うんですね。

パロマの事故等でみていると、いまだにパロマはうちは悪くないという主張をしているように新聞報道等では聞こえるんですが、多分彼らの論理ではそうだと思うんですが、実際問題となると、ああいうものを使う時に、換気をするなんていう意識、今はほとんどないと思うんですね。そういう状態で、うちが悪くないといったところで、やはり事故が起きてしまう。事故が起きれば、メーカーは責任を追及されるというある種の悪循環に入ってしまうので、そういう、今の社会がもっている常識というのをこういう事故等の情報の中からつかみとって、メーカー側が、考え違いをしているというと語弊ありますけれども、つかみ切れてない現実に対応する手法を提供してあげる、そういうアドバイスというのはものすごく大事なのではないかと思ってます。

平澤部会長

今の点も非常に重要なポイントだと思うんですが、行政としてどのようにその種の考え方を対応できるのかということをまた改めて検討いただければと思いますけれども。

冨田委員

今のにも関連するんですが、これは北海道で、ご存じの北海道ガスの北見の事故があるわけですけれども、あれも、準備としては、いわゆる検知器はあったんですよね。各家庭に。だけど、こういった場合も、今の場合も、検知器はつけなさいよと、あるいは何か出たらやりなさいよというような、そういうPRも絶対必要なわけですよね。ただ、ああいう北見のような事故はNITEの分野じゃないですよね。

野中理事

ちょっとNITEの分野ではないと思います。

冨田委員

ただ、あの場合もだけど、今の予防的な対応としては、検知器をつけなさいよとか、あるいは鳴ったらどうかしなさいよとかいうようなPRはあった方がよかったかなあという気もするんですが、これは先ほど理事長のおっしゃられた予防的措置というか、あるいは藤本委員がおっしゃられた国民の意識が変わったときに何が必要かということを知らしめるということの活動の一つはやっぱりNITEにもあるのかなあという気もするんですが、ご検討願えればと思うのと、もう一つは、化兵器法、これは菊池さんご説明なさったんですが、番号にあるように、これはCなんですよね。つまり、化学物質管理部門に今まであったところを菊池さんの方に移されたと理解すればいいんですか。

菊池生活・福祉技術センター所長

はい。4月からでございますけれども、組織の強化編成を行ったときに、立入検査という分野はすべて、生・福センターの方の検査業務課というのを新しくつくりまして、そこの中で一括全国を管理するということになりまして、この化兵器も立入検査という観点でこの中で行うということになったわけです。

冨田委員

そうですか。やっぱりこれは組織改革に伴うものなんですか。

菊池生活・福祉技術センター所長

はい、伴ってこちらに生まれたものでございます。

冨田委員

そうすると、理事長のご説明資料も入れ違ってますね。理事長も化学物質管理のところで説明なさっているので。

野中理事

細かいことですが、中期目標の中では化学兵器は化学物質管理分野に入っています。組織としては生活・福祉技術センターでやるんですけれども、中期目標、中期計画上の書き方に合わせて資料を作っているので、この理事長の資料では化学物質管理分野に書いて、なおかつ番号はCになっています。ただ、実際に実行しているのは、先ほど説明にありましたように、立ち入りの技能等、共通点が非常に多いので、むしろそちらと一緒にした方が効率的ではないか、ノウハウも共有できるのではないかということで、実際には、生活・福祉センターでやっております。そこでちょっと混乱してましたけど、一応そういう背景になっております。

篠原委員

私も以前から申し上げていることでもありますが、生活安全分野というのはNITEの機能の一つでもあり、広報活動にも絶好の分野だろうと私は思っております。製品評価技術基盤機構という名前は、国民の皆さんが1度聞いてすぐ忘れるような名前になっておりますが、やはりNITEという名前を普及させることが良いと思います。「事故ないといいね」という言葉がこのパンフレットにありますけれども、NITEという言葉が国民の皆さんにすーっと入ってくるような名前になるためには、生活安全分野を一生懸命やっていく必要があるのではないかと思います。先ほどの予算等の課題もありますが、ぜひNITEの運営の中で、この分野をどんどんやっていただいて、NITEという名前を国民の皆さんにわかっていただく、あるいは知っていただくという努力をぜひお願いしたいと思います。

平澤部会長

大分時間が過ぎてまいりましたが、また後で総合的に議論する時間を設けたいと思いますので、次の分野に移りたいと思います。適合性認定分野、瀬田さん、お願いします。

瀬田認定センター所長

認定センターの瀬田です。

参考資料の16ページから22ページまでが認定センターの活動について書かれている分野でございます。先ほどちょっと平澤部会長も触れられましたけれども、製品安全という観点からみた場合には、我々のやっている仕事というのは、一番の最初のところの事前措置、つまり、製品の安全性等をチェックする機関がきちんと仕事しているか評価してみるというところに相当するかと思っております。そういう意味では、特に事後措置の方の生・福センターの活動との協力も含めてこういったことを展開していきたいと考えております。

まず16ページにあります認定機関の信頼性確保、上半分の部分ですけれども、これは特にこの間、先ほどご質問にもありましたが、職員数が基本的には5%、5年間で減らせというような環境の中でどうやっていくかといったときに、いかに外部の力を利用するか。先ほどちょっと話題になりましたが、まさしくそれは我々のところも非常に多岐の分野にわたる専門家を動員しなければ、多岐の分野も、試験所なんか審査なんかできないということがございまして、そこは少なくとも第2期の間一貫して非常に大きな重点になると認識しております。

「職員・審査員の強化」というところで、3回の審査員研修の開催、22名の審査員増加と書いてありますけれども、実は私、目標のところに50名以上と書いたのです。ただ、この22名というのは中間の段階でして、年度末までには優に50は超えると。何でそういうふうに急にふえるかというところはいろいろ事情がありまして、ほかの機関との交渉等で登録がおくれた面がございまして、資格をもっていて登録してない人間のストックは現在70ほどございますので、そこは楽にクリアできると考えております。

特に強調したいのは、この間、じゃ審査員を外にふやすにはどうしたらいいかということで、基本的には、自分のところのスタッフは全員を審査員の教官化するという路線でやっておりまして、うちの認定センター、現在56名ですけれども、うち7割の職員は審査員研修の講師が務まるという状態にしております。

その次、国際的地位の問題ですけれども、これはこの間、特にポスト増とかはなかったのですが、着実に実績を積んできておりまして、特にメートル条約関係の計量関係の組織に対しましては、認定機関の国際組織を代表してメートル条約側と話をするその代表を今うちの職員が務めておりまして、その点では非常に貢献度が大きくなってきております。

それとあわせまして、こういうことをやっておくということは、実は我々、恐らく来年度のこの場では一番の重点として報告しなければならないのですけれども、相互承認の参加資格があるかどうかの評価が、ことしの秋、9月に評価チームがやってまいります。そういうところに向けても、あそこは多分大丈夫だろうという意識を植えつけるためにも、こういうところで貢献が必要ということもありましてやっております。

その次に、少し広い話ですけれども、認定制度全般の信頼性向上というところへの貢献という意味で、これはやはり経済産業省の、そういうことを所掌しているユニット傘下の独法の中の認定機関としまして、昨年の5月に、JAC、日本認定機関協議会というのを発足させました。現在、着々とその活動を進めているところですけれども、1年間やってまいりまして、無論弱点もある。立ち上げたということで一応自分たちで高い評価をつけておりますし、実際に例えば製品認証のガイド65という規格がございますけれども、これが一番広くあちこちの省庁で使っている規格でございまして、その共通的な指針もつくろうということで、JAS、農水省ですね。それから自分のところのJISマークで使っている指針、それから国際的な機関が使っている指針等を集めましてそういうものの検討会をやっている。これは一応3月の末ぐらいまでに合同的な指針というものが書けるかと思っておりますけれども、やはりまだ食い込み方が浅いなということがございまして、この後どういうところでどういうふうに食い込んでいくかというところで、これは来年度、立ち上げたというだけではなくて、内実が伴う世界にもっていこうということで検討しているところでございます。

次に標準物質のデータベース。これは昨年度、化学センターの方から移管した業務でございますけれども、特に今年度やったことという場合に大きなのは、全体のソフトウェアを全面的に更新いたしました。これは10年前につくったものでして、実態として、外から登録できるようになってはいたのですが、うまくつながらない、時間がかかって切れてしまうといったモデルでございまして、実態としては、データを送っていただいて自分たちが打ち込んでいたという状態から、ほぼ完全に外の方に協力して打っていただいて、我々はチェックするだけという体制になりまして、作業効率はほぼ10倍化していると思っております。

そういうことで、登録件数等も、一たん、登録を切りかえましたので減ったのですけれども、またちゃんと復活してさらにふえていて、登録してくれる協力的な機関も広がっている。特に強調したいのは、いろんな分野の新規の分野も開拓しておりまして、食品関係の標準物質の供給者というのも現在入ってきております。

その次は、これは理事長のご説明の中にもありましたが、新JNLA制度、新JCSS制度、これはいずれも登録制、更新制、そういったものが入ってきたのですけれども、そういう中で業務量が大幅にふえているのを、先ほどの審査員増との絡み等も含めまして着実にこなしたというところでございます。

その次に産業界の認定ニーズに対応するASNITEというのがございますけれども、我々、無論、経済産業省が法律的にこういう認定をすべきという枠の中の認定部分が非常に大きいのですけれども、それだけですとどうしても法律というのは世間の実態の後を追うという面がございますので、即応できない話がいろいろあります。ここに「JCSS、JNLAで対応できない認定ニーズ」とございます。こういうところに対応するためにASNITEというプログラムを設けて、先駆的な対応をやっているというその幾つかの例でございますけれども、ここにありますのは、例えば中国進出企業への校正事業、それを全く国内でやっていない部分では、オシロスコープ、実は我々、認定したのは中国が初めてでして、これは国内は制度的にしっかりしたものをつくろうということで、技術指針をつくっている途中に、その技術指針をつくっている専門家の方に審査員となって、そのチェックを兼ねて海外に行っていただいたという認定事例でございます。

それからあとは、JACとの関係、つまり、他省庁で必要な部分との関係という意味でいいますと、他省庁と協力する際に、特に農水省の場合、JASでもって食品なんかの分析をやる、それをJASマーク登録の中に使っていくということをやっているわけですけれども、その供給元ですね。その中で例えば遺伝子組換え食品、これは余り大きな声でいえませんけれども、昨日、審査に行ってきたところで、年度内に認定が出せるかどうか、その結果によるのですけれども、そのような段階です。こういった形で、外に我々のこういった活動を広げるのにも使えるということで、現在、今年度もこういう展開をしてきたというところでございます。

次に「戦略的な広報機能の強化」というところで、これはブルーの評価にさせていただきました。といいますのは、これは昨年度、これは2年、私、多分同じことをいっていると思いますけれども、JCSSの方は認知度が普及して、校正機関の認定がうまくいっているのですが、JNLA、試験所の方がなかなかそれに見合うほど数がふえないという問題がございまして、これはJISマーク制度の運用全般の問題点とも絡んでくる問題ですけれども、我々でできることとして、とりあえずJNLAの認知度の向上、それから二次ユーザーに対して、JNLAというのを信用して使ってくださいといったところがありまして、そこを重点的に展示会も試行的に幾つか出すということをやってまいりました。これは、その結果を総括した上で、また来年度、より広い分野では広報がどうなるかというところを考えていきたいと考えております。

最後に、それ以外の業務といいますか、我々、認定機関としての認定をみずからやっている部分以外に、経済産業省自身が認定機関として機能している面というのは、新JIS法、それから製品安全法でございます。こういうところは我々自身もその実際の審査員として活動するということで、これは着実にやっているということでございます。

以上です。

平澤部会長

ありがとうございました。いかがでしょうか。

藤本委員

NITE本体というよりは、認定制度そのものの問題かとは思うんですけれども、不二家の事件のときに、ISO9000を取得しているにもかかわらずああいう事件を起こしたということがありまして、若干、ISO9000に対する信頼というのが社会的に揺らいでいるような印象をもっています。そういう意味で、せっかく認定機関協議会等々という形でつくられているのであれば、ああいう問題が起きたときに、例えば認定機関に対して認可の取り消しとか、あるいは停止とかいうことをもうちょっと迅速におやりにならないとまずいということを働きかけられたらと思います。わかっている人には確かにわかるのかもしれませんけれども、一般の方からみると、せっかくの認定制度そのものの信頼が揺らいでしまうことにもなりますし、それから反面、最近、先ほどリコール等の話がございましたけれども、日本のメーカーそのものの品質に対する信頼も国民の間で結構低下しております。

そういう意味での品質そのものに対する低下というのが、この認定制度、あるいは認証制度そのものに由来するのか、企業そのものの取り組みに基づくのか、あるいは作業現場等々の実態を伴うのか、そのあたり、もろもろの原因はあるのかもしれませんけれども、そういう意味での認定ないしは認証機関も、そういう問題に対する自覚をもうちょっときちんとして、迅速な対応をするように働きかけていただければと思います。

瀬田認定センター所長

実はその点で、我々自身にも、認定の取り消しになるケースですとか、それから認定してある機関が非常に正しからぬデータを出したという事例がございまして、率直に申しまして、それに対する迅速対応がなかなか難しいというのが去年1年間でございました。これは来年度の方針の中で、そういうときにいかに迅速に対応するかという点ではルール化をしようということで、現在これは来年度の一つの方針の中の重点として考えているところであります。それが1点。

それともう一点は、これは余り同業者を弁護してもしようがないんですけれども、不二家の問題に関していいますと、1つは、はっきりマスコミの誤解に基づく報道が非常に大きくあります。どういうことかといいますと、不二家はISO9000をとっていない状態でした。実は焼き菓子の方でISO9000をとりまして、生菓子の方でISO9000をやろうとしている過程で出てきた問題点を公表したという側面があの中にはございまして、その意味でいえば、9000が機能しなかったわけでもない。とはいいながら、トップが既にあの時点でそういうことをつかんでいなかったということは、大体そういうトップに情報が上がってないことを9000の監査員が把握できていなかったのかという点についていうと、これはその認証機関に関してはけしからんという言い方はできるかと思います。

ですから、逆にいいますと、我々のような認定という業務ですと、ここの資質を高めるということは無論なんですが、同時に、絶対漏れが出ます。間違いなく。漏れが出ると自信もっていうとちょっと変な感じなんですけれども、事前に審査するだけで全部が見抜けるわけではもちろんございませんし、特に能力がない人を審査の段階で落とすことはわりとできるんですけれども、能力があってモラル的に低い人、これはなかなか難しいところでございます。

そういう点でいいますと、本当に悪い場合は、菊池所長のところにお世話になるまでわからないというケースあるかと思いますけれども、中間の段階でチェックできるものに関しては迅速対応するルールをつくっていくということを我々自身のところでもやりまして、さらにそこでも落ちたところは、事故が起こったところで、生・福センターで対応していただくということになる。それを大きな声でいったらまずいんですが、そういう形での何段階かの対処ということを考えていきたいと考えております。

平澤部会長

今のことは一種の危機管理学の中の話になるんだろうと思いますね。ですから、あらゆる危機に対応できるような体制をつくるということは不可能ですね。どういう危機が起こるかということはわからない。だけど、わかっている範囲で、少なくとも対応、何かが起こったときにはすぐ対応できる、迅速に対応できるという、そういう体制をつくるということはある程度可能だろうと思いますね。そういう努力はやり得る。

これは先ほど予防的措置と被害最小化措置のどちらかという言い方をしたわけですが、常に出てくる議論ですよね。ご承知のとおり、原子力をめぐって、これは科技庁とそのほかとの間での議論があったし、多分、環境問題なんかをめぐっては、環境省とこの経済産業省とが対立しているような理念的な問題でもあると思うんですね。

ただ、国民の側からみると、両方とも頑張ってほしいという気がするわけですね。だから、1つはやはりできるだけ予防的な観点から打てる手は全部打ってくださいと。その上で、何か起こったときには迅速に対応できるという、そういう手立てをつくっておいてくださいという、こういうことなのではないかと思うんですね。どちらかをやればいいというふうには割り切らないで、両側が頑張ってほしいというのが多分国民からの要望だろうと思うんですね。

吉田知的基盤課長

まず藤本委員のご指摘の点については、省内でも同じ議論がございまして、今まで出た重複した論点は避けますけれども、もう一つの論点としまして、特にISO9000ですけれども、ISOのマネジメントシステム規格をとるともう大丈夫なんだという誤解が世間にあって、それがまず、まずいんじゃないかということと、その誤解を利用して、とるだけとっちゃえという人がいて、それがまずいんじゃないかという議論が出ましたので、それについて、担当課は、ISOのマネジメントシステム規格というのは一体何をみているもので何を保障しているものかということをちゃんとPRすべきだといったような議論がございました。

それからもう一つ議論されたのは、最初に西山委員からご指摘があった倫理とかエシックスという問題でして、それについては非常に懸念が表明されました。NITEに関しましては、検査所以来の社風として、非常にエシックスが固いという伝統があるんですけれども、それを継続していくということが今後の課題であるかなと思っています。

平澤部会長

今の問題はよろしいでしょうか。

ほかには、このDの分野に関していかがでしょう。よろしいでしょうか。

とりあえずは、じゃその次の坂口所長、化学物質管理の分野に移りたいと思います。

坂口化学物質センター所長

それではご説明します。化学センターは23ページから29ページまででございます。

まず23ページですが、化学物質総合情報提供ということで、これはCHRIPといっております、インターネットを介した化学物質の情報を提供するということで、法規制の分類とか、分解性、蓄積性、毒性のデータとか、生産、輸入量とか、PRTRのデータとか、いろんなデータが提供されており、約50項目ありますが、そういったものでございます。

いろいろ書いてありますが、いろんなアンケートとか、シーズ、ニーズ、分析いたしまして、機能強化を着々と進めているところでございます。提供データも、法律の項目、新しく告示される物質とか逐次出ておりまして、下の方にアクセス件数が書いてありますが、結果からいいますと、18年度は 550万件ということで、年間アクセスが前年比で36%伸びております。非常にたくさんの人が使っていただけるような状況になっているということでございます。

それからあと、右側にGHS分類―GHSというのは化学品の分類表示に関する世界調和システムということで、絵表示ですね。爆発物だと爆発の絵表示とかつけるということで、今年度12月から労働安全衛生法の方で適用されてきたのですが、GHS分類の方を幾つか提供して、1,400物質ぐらい提供しているのですが、それのアクセスが非常にウナギ登りにふえています。この80万件、 550万件というのは外数ですが、GHSもふえているということで、化学物質の情報提供を進めているというところでございます。

それから次の24ページでございます。これは相互理解のための情報提供ということで、よくリスクコミュニケーションとかいったような言い方もされるのですが、そういった化学物質の有害性情報とか暴露情報とかリスク評価情報とかいろんな、いわゆるコミュニケーションをするために必要な情報というのを体系的に整理してホームページ等に出しております。あとパンフレット等もつくってお配りしておるところです。

下の方に、ホームページ「化学物質と上手に付き合うには」というサイトで、幾つか、概論、解説とか出て、リスクとはどんなものだとか、ハザード掛ける暴露がリスクですという基礎的な、市民の皆さんにもわかりやすいようなもの。あとリスクコミュニケーション事例というのが書いてありますが、これは化学会社だけではなくて、化学物質を使用している会社さんが事業所ごとに地域住民と説明会なんかを行っているような事例、いつどこでどんなプログラムでどういう方が参加して、どういう質疑があったとか、手ごたえはどうだったとか、そういったのを逐次、いわゆる事業所さんのお力を得まして集めて幾つか出しております。

それから、用語・略語集ということで、用語300ぐらい、略語は1,500くらいありますが、一般の人にもわかりやすい解説とか、製品情報ということで、塗料とか、接着剤とか、洗剤とか、特に一般消費者に近いような化学物質の製品情報、どんな化学物質が入っているとか、どのように使われているとかいう情報などもホームページでみられるようにしておるところであります。

これにつきましては、ちょっと書いてないのですが、年間55万ページぐらいアクセスがありまして、昨年度の10月ですから、1年半ぐらい前から始めたのですが、今年度は月ベースでも 2.3倍ぐらいアクセスがふえておりまして、使っていただけているのかと思っているところでございます。

25ページでございます。スクリーニングリスク評価手法の体系化ということで、化学物質のリスク評価、幾つか今までもやっておりますが、これは化審法の監視化学物質についてです。化学物質審査規制法の中である程度の毒性をもった物質などは、監視化学物質ということで一応そういう札が張られまして、その後、生産量等の届け出が国の方に来ることになっているのですが、これのリスク評価というのを新たに始めております。

これとは別に、PRTR情報のあるもののリスク評価というのはこれまで数年間行ってきたのですが、化審法化学物質の方は、PRTR情報と違って、排出量データというのがとれてないといいましょうか、排出量を届け出る義務がないものでございますが、そういったものをどう評価していくかということで、書いてあるとおりですが、いろいろな関連情報、170万の、毒性以外にも、物化性状とか、大気データとか、モニタリングデータとか集めて抽出するとか、いろいろやっております。

専門家も入れましてレビューの委員会もつくりまして、意見聴取しながら、一応今年度はモデル的に、監視化学物質、約100物質程度のリスク評価を簡易的にやっているところでございます。化審法上の求められるスキームに乗って、もしそれでリスクが高いということになれば、またさらに詳細リスクに進もうということで行っているところでございます。

それから26ページ目でございますが、QSAR利用ということで、いわゆる構造活性相関ということで、化学物質の分解性とか蓄積性なんかの性質を、QSAR、化学構造からコンピュータを使って予測しようということで、幾つかの手法が提案されていたりするところでございます。

NITEといたしましては、真ん中辺にありますが、これまである生分解性のQSARとか蓄積性のQSARというのを実際検証――検証というのは、そのQSAR開発に使ってないデータを使って実際どのぐらい的中したのかとか、精度がどのぐらいかという検証をいたしました。それから、そのQSARを使いながら、実際に試験がやられてない既存化学物質、これは2万物質ぐらい、その中で試験がやられたものというのは1,000物質強ぐらいしかないのですが、それを除いて実際に予測してみるようなことをやりまして、17物質ぐらい、難分解性かつ高濃縮の予想が出たというところまでしておりまして、この17物質については今後の優先的な試験をしたいと。したいというのは、経済産業省が中心になるところでございますが、打ち合わせているところでございます。

QSARにつきましては、実は化審法の中で、新規届け出物質というのは例えば分解性とか蓄積性のデータをつけて届け出がされるのですけれども、その際も、計算できる限りはQSARの計算をつけて参考情報として審議会に提出するということもしています。審議会の方は非公開でございますので、個別には皆さん方にはデータはもちろん出せないのですが、最近は新規化学物質の審査においても実際の試験とともに、QSARでの予測結果もつけて、それも参考にしながら審議しておるというのが実情になっております。ということで、QSARの利用。動物愛護とかいろんなことがいわれてますし、今後の法律改正の議論の中でもこういう課題が出ているかと思いますが、こういうのを積極的に進めているところです。

27ページは、今の話をさらに委員会つくってやっています、というのを書いたところでございますので、省略させていただきたいと思います。

それから28ページでございます。化管法のPRTRデータにつきましてはNITEが中心になって集計しているところですが、そのPRTRデータの解析の方もNITEで幾つかやっているところでございます。それで、右の方の箱になっていますが、1つは有害大気汚染物質ということで、大防法上の有害大気汚染物質12物質ぐらいあって、これが自主管理でウォッチしていきましょうということになっておりますが、それの今後の対応等の中でPRTRデータを解析いたしました。単に解析といいましても、市町村合併とか、それから事業所が鹿島地区とか、地域ごとの束ねとか、いろんな問題がありまして、それについて解析しまして、結論からいいますと、審議会でPRTRの情報としては減少傾向が続いているので新たに対策を講じる必要がないということでした。そのままウォッチしましょうということで、審議会の判断根拠として提出しているところでございます。

それから左側の箱の方は、PRTR届け出励行しましょうと。総務省の行政評価・監視の結果で、PRTRデータを出さない事業所が多いのではないかという指摘を受けまして、それにつきまして、過年度に届け出あって最近ないものとか抽出いたしまして、ダイレクトメール等を送付いたしまして励行をお願いしました。新たに900事業所から届け出があったということで、これは化管法の運用の高精度化ということで貢献しているところでございます。

それから29ページでございますが、PRTR届け出処理におけるアウトソーシングということで、アウトソーシング、徐々に進めております。真ん中のところに箱があって、四角くくるんでいるところでございますが、16年度、17年度、18年度ということで、PRTRデータ届け出としては、書面、紙で来る場合と電子で来る場合とありますが、それぞれ書面は書面、電子は電子で年度を追ってアウトソーシングをどんどん着実に進めているところでございます。

15年度は電子化のところだけだったのですが、16年度に一次、二次チェック、17年度に受付業務、それから18年度は電子も含めてというところで、段階を追って毎年拡大、マニュアルの整備等をして行っているところです。

下の方に電子・磁気の件数と紙の件数が少し書いてあって、大体4万件くらいの届け出事業所件数がありますが、近年、電子の届け出がふえてまいっております。相当に、電子でお願いしますということで我々の方からお願いしました。電子であれば効率的にできるということで、電子の届け出を4割ぐらいまで最近はふやしているという状況でございます。

簡単でございますが、以上でございます。

平澤部会長

どうもありがとうございました。それでは、ご質問等、いかがでしょうか。

27ページの説明を省略された部分なんですけれども、このNITE構造活性相関委員会というのは、どういう組織立てで、NITEはその中でどのように働いているのかということを。

坂口化学物質管理センター所長

NITEの中でつくった委員会でございまして、QSARデータをどのように今後、最終的には行政利用にもっていくかということで、ここの中で化審法の審査の委員の方も入っていただいて、それから大学の先生、それからあと民間の企業の人等入っていただいて、ここの中では、これまで検証を行っています。一番はコンピュータで予測したのと実際の試験データが果たしてどのぐらい合うのかとか、そういったことを検証したり、あと外れたものの、そこの解析をしたり。あと、今は17物質、難分解・高蓄積性の疑いがあるというのが出ているんですが、これについて、一つ一つ、もう一回専門家の目で、予測は予測なんですけれども、実際、類似物質との関係がどうかとか、そういったことで、経済省の行政官も入って、今後、化審法等の中でQSARをどのように活用できるかということの検討の一助として今進めているところでございます。

平澤部会長

具体的に何人ぐらいの会合が何回ぐらい開かれるといったイメージではどうなんですか。

坂口化学物質管理センター所長

これは、ことし、もう3回か4回開いております。委員は、今ちょっと正確なことわかりませんが、6名ぐらいだったかと思います。

冨田委員

その6名の委員の中には分解性のところの委員の方もちゃんと、ここに書いてあるとおり入っていらっしゃるのですね。

坂口化学物質管理センター所長

分解性、蓄積性の委員の方、入っています。

冨田委員

つまり、分解性という意味は、最初の化合物がどう変わるかというところを見極めるという方を望んでいるんですけれども。

坂口化学物質管理センター所長

そうです。審議会の実際にデータをみていただける委員の方も入ってますので、実際、レポートみている方というか、いわゆる知見のある方には、入って、一緒にみていただいてます。

平澤部会長

実際に委員会開かれるときには、ちょっとしつこいようですけれども、そういう数名の先生の周りにNITEの担当部署の方も一緒に参加しておられると、そんなような感じになっているんですか。

坂口化学物質管理センター所長

はい、参加しております。

平澤部会長

そういう外部の知見と内部との交流というのが、さっきも議論したわけですけれども、どういう仕掛けでやっていくのがいいのかというのを常にいろいろ試みられるといいと思うんです。これは一つの事例かなと思いました。ほかに何か。

藤本委員

有害性の話なんですけれども、一般的に有害かどうかというのは、専門家が無害だといっている事柄に対して何か問題があるという指摘があって、とかくそこがマスコミからいろいろと論点として取り上げたりされることが多いんですけれども、有害性という評価をするときに、多分、一般的に標準的な人を対象にして、有害か、どの程度の影響があるかという議論が大抵されていて、それが科学的だと論証されることが多いと。

それに対して、そういう標準的ではない、ちょっと外れた、例えば病気をもっている方とか、最近、タミフルがちょっと問題になってますけれども、あれも若い人特有の現象かもしれないという指摘もあるんですけれども、そういう標準的でない人とか、そういう標準的でない状態に対する有害性のチェックということはこれまで余り行われていないような気がするんですけれども、そういうことを例えばQSARとかそういうことを含めて対象として取り上げていけるのかどうか、もしそういう検討があればちょっと教えていただければと思いますが。

坂口化学物質管理センター所長

有害か無害かというのは、結局、化学物質の場合、ハザードと暴露量の掛け算になるかと思います。つまり、弱いものでもたくさんとれば有害になると。これが基本なんですけれども、例えば化学物質審査規制法の中では、生産量とか用途とか、最初にこれはわからないので、そこの概念は余り入れてなくて、化学物質の、まさしくネズミに食べさせたときにどのぐらいの量で有害性が出るかというのを例えば審査してます。だから、そのときに、数字として25ミリ食べさせたら害が出るとか、500ミリ食べさせても大丈夫だとかいうことで、一応の個々の化学物質の毒性の値としてはそういうことで審査しております。あとは、その用途とか量に応じてやはり人への害というのが変わってくるので、そこのところはなかなか難しい問題があるかと思います。

あと、先生がご指摘された、個人の、本当に5,000人に1人とか特異的なものというのは、今のネズミを使った試験の中では、5匹の試験でやっていることなので、多分、それが出てきても、残念ながら、今の試験の中では、そこのところを評価する、例えば化審法の中でやっているネズミを使った試験の中ではみれるかといわれればなかなか難しい状況かと思います。事前審査という観点で、事前にそれがわかるかということでいえば難しい状況でございます。

冨田委員

今、多分言葉が滑ったんだと思うんですが、N=5ということはないでしょう。試験やるのに。

坂口化学物質管理センター所長

化審法の中での毒性試験というのが、実はOECDのテストガイドラインで決められておりまして、そのときのラットの数は実は1用量5匹なんです。それをちょっと引用したので、実際、本当は数が多ければ多いほどいいんですけど、今の通常の規定された法律で運用している試験方法の中ではそういったガイドラインに従ってやっているということでございます。

野中理事

1用量なんで、それぞれ濃度で記述しますので、5匹ですべての濃度をみるわけではありませんので。

坂口化学物質管理センター所長

1濃度で5匹ということです。雄雌5匹ずつですね。

冨田委員

だから、10でしょう。

坂口化学物質管理センター所長

そうです。

篠原委員

少し観点を変えて申し上げたいと思います。私は化学物質管理分野でNITEの評価を担当するということになっております。そういう意味から、NITEはこの分野でかなり頑張っておられると私自身は評価しております。 現在化学物質の管理というのは極めて国際的になっていますし、世界中をモノが駆けめぐっております。また、それが極めて複雑な構造になっております。例えば、REACHの中で調剤という変な言葉を使っておりますが、要するにいろんな物、たくさんの物の構成物で成り立っている物の安全性はどうかということが議論されております。ヨーロッパでも今年からREACHが施行されてくるということで、極めてグローバルな形になってきております。

そういう中で、NITEの情報のデータベースを集める業務は、実は個別の企業も同じような努力をかなり一生懸命やっていますが、日本全体の一つの力にまだなってないというか、個別にやっているというのが実態でございます。今、経済省と環境省でPRTR法の見直し、それから将来では化審法の見直しという動きが出ていまして、本年からその委員会が始まっておりますが、恐らく、化学物質管理というものが、グローバルな観点から、日本の中でどういう動きにしていかなきゃいけないかとか、あるいは情報はどうやって収集して、どうやってデータベースにするかということが段々問題になってくると私は感じております。

したがって、今NITEが行っておられるこの業務そのものに私はかなり高い評価をしているのですけれども、もっと先は質が変わってくるのではないかと。要するにNITEの使命がかなり変わってくるのではないかと私は感じております。そういう観点から、今後のNITE業務の運営の変更を、かなり前広にご検討された方がいいのではないかと私は感じております。

平澤部会長

今のポイントも非常に重要で、私も最後にそういうお話をしようかなと思っていたんです。要するに、第2期は第1期とかなり違うわけですよ。それで、状況も違うけれども、組織としても安定してきているわけなので、新たに仕事の中身を詰めていく。その際に、その業務内容、今まで決められている話だけではない、もっと国民の目線でみたときに必要な部分を取り込んでくるということを積極的にお考えいただければと思いますが、今の点に関連して何かありますか。

坂口化学物質管理センター所長

篠原委員も審議会の委員で、検討に参加いただいて、大変ありがとうございます。いずれにしても、そういったことで、全体、国を挙げて、環境省、経済省だけではなくて、これからの国際動向を踏まえた法律の議論とかされることと思います。NITEはどうしても受け身でございまして、法律で決まったものの施行が落ちてくるというのも変なんですけれども、それによっては相当また業務がふえたり、相当の体制強化が必要になるんではないかと思っています。ただ、我々、受け身だけじゃなくて、我々の中の体制も考えながら、我々としてもどういうことができるか、必要なことはもちろんやらなくてはならないんですが、経済省とも密に情報交換を進めて、審議会の動きを踏まえて体制を強化していきたい。ただ、先ほどの話になりますが、また人の問題とかいうところに結局いってしまうので難しいんですけれども、やりたいと思っているところでございます。

篠原委員

ちょっとつけ加えさせていただきますと、私、経済産業省と環境省の化学物質管理に関わる化管法、化審法の見直しのための政府の委員をやっておりまして、実はそういう議論はたくさんしなきゃいけないと思っております。実態として、日本の中でどこの部署がどういう機能・役割を果たすのかということになりますと、見渡したところ、NITEしかないと考えております。今後、もしチャンスがありましたら、そういう委員会の中でも、こういう機能はやはりNITEで持つべきであると申し上げるつもりであります。今のNITEの機能をもっと拡張すべきであることを申し上げさせていただきたいなと思っております。

野中理事

是非言っていただければと思います。若干、化学センターも奥ゆかしいという感じがあるのですが、決して化審法、化管法の施行業務を受け身的に受けるだけではなくて、例えば今回ご説明させていただいたリスク評価手法の体系化というところで、化審法の監視化学物質のリスク評価ということを書いているんですけど、実はこの中では化審法の法目的を超えたリスクも全部含んでやっちゃおうという非常に意欲的な取り組みが行われているとか、それから、従来、分解性、蓄積性の評価が中心だったんですけど、いよいよ毒性の世界もしっかりやっていこうとか、まさに研究会の議論等々を踏まえた来るべき将来の姿を目指して結構いろんなことでトライはしているところでありますので、ぜひそういうコメント等いただけると、我々、非常にありがたいと思います。

篠原委員

野中理事のおっしゃるとおり、化審法、化管法だけではなくて、恐らく世界中で将来出てくるのは、チルドレンヘルスという子供に対する健康の問題とか、あるいは、手法としてのバイオモニタリングという人間の血液をとって、その中の含まれている物質のリスク評価になってくると思っております。今後そういう動きにどんどんなってきますので、化学物質管理1つとっても、化審法、化管法だけではないと思ってます。したがって、グローバルにかなり大きく変化してくる中でNITEがその機能、役割を果たしていただけることを個人的に期待しておりますので申し上げた次第です。

野中理事

子供とかバイオモニタリングになると非常に難しくなりますけれども、特に子供の話は昔から議論になっているのでかなり意識してますし、逆にバイオモニタリングになると、実際、健康診断等々でとっている皆さんの血液をうまく使えるような仕組みみたいなことができるといいなと思っていますが、今は直接関係がないのですけど、厚生労働省さんとかその辺と我々、非常に密接なつき合い等も始めておりますので、そういう中で何かできないか考えていきたいと思います。

平澤部会長

これまた非常に重要なお話だと思いますので、また後でまとめたいと思いますが、ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、もう一つの部門であるバイオテクノロジー、奥田本部長、お願いします。

奥田バイオテクノロジー本部長

それでは、バイオの説明をさせていただきます。30ページから37ページまでが生物遺伝資源ですとか情報とかの収集・提供、それから38ページが安全の関係でございます。

まず30ページ、戦略的な生物の探索・収集でございます。国内外からの探索による収集ということでは6,468という数字を挙げさせていただいております。あと、冒頭、理事長からの話にもありましたように、相手国を広げてきた中で、昨年はモンゴルと非常に短い間にMOUの調印まで至って、しかも、早速現地で収集してくるというところまで取り組むことができました。

右側に地図に赤丸で示しておりますけれども、モンゴルという国は南の方は砂漠もあれば、北の方は森林、あるいは温度差が、夏は40度、冬はマイナス50何度と、上下100度ぐらい違うという非常に厳しい環境、かつ、湖があったりということで、魅力的な場所が幾つかあるのですけれども、昨年度はその赤丸のモンゴルの一番北西の方、ウブスという、湖がありまして、ラムサール条約にも指定されているという非常に変化に富んだ場所で最初に着手しております。841株を日本にもって帰って、ただいま分析中です。

次のページですが、有用微生物の探索でございます。特にその機能の方で非常に重要な発見がありましたのでご紹介させていただきます。金属の腐食でございます。昔から、微生物が酸とかそういったものをつくって金属がさびるんだということがいわれていたわけですが、実際に鉄がさびるのは炭酸腐食で、今までいわれていた微生物の機能とはちょっと違っていたということですけれども、実際に石油の備蓄基地から鉄をさびさせる菌をとってまいりまして、いろいろ調べた結果、鉄と、それから菌の間で直接電子のやりとりをして炭酸腐食を、従来知られていたスピードの10倍近く進めると一気に鉄をさびさせてしまうというメカニズムを実証しております。

それから次に32ページ、微生物の収集そのものでございます。一応目標1,100というのを挙げておりましたが、1,189株集めております。国内の企業、大学等につきましては、企業が1件、大学が31件、研究機関13件ということで、602株。それから海外から96株、あと生物資源機関からの移転ですとか、さらにタイとの間ではMOUに基づいて共同研究で移転したものなど含みまして、一応目標を少し上回る数の株を集めることができました。

次の33ページが資源機関同士のネットワークの構築でございます。国内につきましては、その右側に示しておりますJSCCオンラインカタログ、国内に25、こういう資源機関があるわけですが、これが共通の活動をやろうということで、オンラインカタログをつくりまして、昨年7月に、とりあえず先行的に大手5機関の共通カタログということで公開しました。大体4万2,000株、全体の40%の微生物情報をカバーして、ことしの初めからは、国内だけでなくて、海外に向けても情報発信を始めております。

それから左側のアジアですが、アジアコンソーシアムというのを12カ国でやらせていただいているわけですけれども、こちらでも同じように、統合データベースをつくろうではないかということで、最初、中国、韓国、タイ、日本という4カ国が幹事国になりまして、プロトタイプという意味でデータベースをつくってきております。12カ国の中では、今そのプロトタイプをお互いにチェックしまして、次年度公開に向けて今作業を進めているという段階であります。これらによりまして、引き続き国内も海外も参加する機関を広げていって、情報統合と情報発信をより拡大していこうということで取り組ませていただいております。

次が34ページです。遺伝資源の利用促進のためのゲノム解析ということで、第2期の初めでありますので、解析対象を、そういう選定基準の見直しというものをやっております。分類上の基幹になる微生物株ということで、系統分類学上の基準、要するにリファレンスになるような株、それから潜在的な利用価値が高い株を選ぶという一応選定基準を設けさせていただいたのと、それから解析体制、実際の塩基配列確定、あるいはその情報処理、さらには遺伝子領域の予測といったそれぞれの分野につきまして効率的にやれるように体制を整備してきております。

結果として、第1期では平均して1株当たり2~3年かかっていたわけですが、現在では1年半程度でできるように能力が上がってきているということでございます。それからデータベースとしても、機能を追加して、より迅速かつ高度な情報が発信できるようにと一応準備を進めてきております。とりあえず体制を直したので青でありますが、実際にこれから成果を出して、さらに内容もより改善して高い成果に向けて頑張っていきたいと思っております。

それから35ページです。プロテオーム解析による情報の高付加価値化ということです。昨年は、古細菌で、TTGが実は今までの常識を覆して半分以上でしたと。したがって、コンピュータが行ったアノテーションの結果というのは7割修正が必要でしたというのをご紹介したかと思いますが、今回は麹カビ、より高等生物であります真菌を対象にして、それゆえにいろいろな障害もあったのですが、結果として2,200個の蛋白質の遺伝子を実際に解析することができました。

その結果ですが、新しい、今まで知られていなかったリーディングフレーム 282個含めまして大体 400個、2,200個のうちの400ですので、ざっと2割は、真核生物でもコンピュータが今までDNAデータだけで判断していた遺伝子とはやはり実際は違っていたということがわかってきております。

次に36ページです。第2期では、産業界の話で、微生物の解析の対象としまして、もう一つ、社会的なニーズに基づくとこういうものをやっていくなどというのを目的に挙げさせていただいておりますけれども、昨年、厚生労働省の国立感染症研究所との間で、インフルエンザに取り組むようになっております。インフルエンザそのものは北半球と南半球で、1年の間にかわりばんこに流行しますので、北半球ではアメリカ、イギリス、日本、それから南半球ではオーストラリアが中心になりまして、1年を通じて監視しているわけですが、残念ながら、一昨年までは、国立感染症研究所ではDNAの解析というところまでできていなかったということで、我々に相談がありまして、昨年、初めてインフルエンザウイルスの解析に取り組みました。

2005年から2006年のシーズンの株を昨年の夏に感染症研からいただきまして、1つは、ウイルスの型を決定する遺伝子、それからあと薬剤耐性に関する遺伝子、これを迅速に解析するという手法の開発と、それから実際にその結果をWHOに送るというところまで来ております。手法ができましたので、インフルエンザがはやったら、直ちにそれを解析してWHOに送り、かつ、日本の次のシーズンのインフルエンザの予測に生かすという作業をするべく、この12月、1月は気合いを入れていたのですが、これは幸いなことにというべきかと思いますが、一冬の間の最初のシーズンであります昨年の12月は、例年ですと、通年で6,000サンプルぐらい国立感染研にウイルスが集まるのですけれども、わずか10件しか集まりませんで、要するに日本でインフルエンザがそんなにはやらなかったということで、12月は細々と様子見ということしかできませんでした。この2月から3月が、例年、日本でのインフルエンザの2回目のピークでありますので、そこでどれぐらいデータが出せるかというのがこれからの課題かと思っています。

それから37ページです。これは特許の微生物の寄託という業務をやらせていただいているのですが、右上の円グラフにありますように、実際に特許で寄託されるのは、4分の3ぐらいが微生物で、4分の1ぐらいが動物、あとその他が少しあるという構成になっています。NITEでは今まで微生物しかできていませんでしたが、産業界からやはり動物もやってほしいという要請がかなりありましたので、本年度、この2月から動物細胞もできるように体制を整備してきて、受託に踏み切っております。一応かなりの割合で日本の産業界からの要望にこたえられるようになったということでございます。

あと最後に38ページは、カルタヘナ法に基づきます遺伝子組換え生物の検出技術ということで調査をやらせていただいております。今年度はバキュロウイルス、昆虫なんかを使いまして、いろんな試薬ですとか製品をつくるのに使われているウイルスで、日本では今大体数千種類の製品が出回っているといわれているのですが、この中にウイルスが残っている場合が時々あるということで、実際に製品の中にウイルスがあるのかどうかということをちゃんと確認できるだけの手法を整備するというのを本年度やらせていただいております。DNAの抽出という意味ではかなりの感度でできるようになっておりますので、これを最終的にマニュアルに整理するということになっております。

バイオからは以上でございます。

平澤部会長

どうもありがとうございました。これもまた多岐にわたっているわけですが、まずはご質問等、いかがでしょう。

冨田委員

ちょっと赤マークが少ないかなあという気がするんですが、これはこちらのご判断だと思うので、私のとはちょっと違うかなあという気がいたします。これまで非常に順調に微生物株を集めるというのが進んできて、その部分が赤になっているというのは大変いいことですし、やはりこれは国がやらないとこれから先なかなかやれないという事業なので、NBRC、NITEで設立の趣旨に沿ってぜひお願いしたいんですが、今私も多少これに関与していると、最近のこの分野での進歩、特にゲノム解析ですね。ヒューマンゲノムもあって、日本でイネゲノムもあってということで、ゲノム解析用の機械も大分余っているような印象もあるし、それに加えて、非常に解析用の進歩が早いというか、いいものも出てきているということがあるので、当初、さまざまな微生物を集めるというのは非常に重要な、力点を置いてこれをやってほしいということだったんですが、付加価値のある情報が欲しいと。こうなるとやっぱりゲノム情報がついてほしいなという気がするので、このゲノムのところが青なのでありますが、これが赤になってほしいと。

つまり、我が国が一番力を入れ、かつ、いろんな意味で得意な分野である微生物利用産業というか、より一層国としても支えていく基盤をつくるという意味では、そこのところをもう少しいろんな意味で注力をしていただきたいなと。ただ、それに非常に関連するところで、今お話があったインフルエンザですね。これは非常に新しい試みもされていて、僕は余りうまい言葉わからないんですが、いわゆる斬新な研究的な要素がNBRCの分野には特に高いのではないかと思いますので、少しそのあたりを上げていただきたいというのが願いですが。

奥田バイオテクノロジー本部長

ぜひ取り組んでまいりたいと思います。

平澤部会長

34、35、36ページで、要するに遺伝子解析として取り組んでおられる対象の具体的な微生物の名前とか、そういうのを挙げるとどういうふうになりますか。

奥田バイオテクノロジー本部長

資料3の評価表の方に全部の微生物の名前は挙げさせていただいております。

平澤部会長

何ページからですか。

奥田バイオテクノロジー本部長

5ページあたりから始まっております。5ページの下の方の7菌の塩基配列決定、それから次のページにその代表株などの対象候補です。

平澤部会長

冨田先生、こういうリストをごらんになって、取り上げるものに関連して何かありますか。

冨田委員

ここに書かれているのは、これまでこの会議でも認められ、かつ、皆さんおやりになっている、きょうも報告出ておりますが、系統分類学的な基準になるものと、これが非常に重要視されているというか、やはり一とおりこれはもたなきゃいかんだろうと。このラインに沿ってかなり重要なところが並べられている。これは大変立派なことだと思うんですが、私としてはむしろ、潜在的な利用価値の高い分類群の標準株とその近辺の株をやっていだだきたい。

近年、バイオマスエタノールとか、さまざまな生物でのリサイクラブルなエネルギーとかいうのがありますね。こうなると、もとになる株と、それから現在トップといわれるそのグループでの株とどこがどう違うのかとか、いわゆるメタゲノム的な発想に言葉ではなるのですけれども、そういう点ももう少し力を入れないと、実際の応用面のときにやっぱり諸外国に抜かれちゃうんじゃないかという心配があるという意味でございまして、当初のラインのところは非常に着実に進んで、ここに書かれているとおり進んでいるわけでして、もっと世の中の流れ、それから、これから新しい流れをつくらなきゃいけない、日本の資源がないところで太陽エネルギーをうまく活用していこうとするならば、やはり微生物資源があると。それに加えて動物細胞も今度は入るわけですので、そのあたりも力を入れていただきたいということであります。

平澤部会長

私が承知している範囲でいうと、NBRC発足以来ずっと議論が続いてきているのではないかと思うのですけれども、一方では、アカデミックなといいましょうか、系統分類学的な云々という、そういうものの重要性というのが強調され、もう一方では、経済産業省のもとにあるという意味でのミッションに合ったような対象の解析ということがいわれ、その間でどうも綱引きが現場ではあったのではないかと思っているんですけれども、どちらかというと、私は、アカデミックな部分というのは、まだほかに担当するそういう機関があるのではないか、あるいはあるべきではないかと。それで、こちらの場合、もう少し経済産業省のミッションに合ったような意味での、それの基盤的なというぐらいならばいいわけですけれども、このあたりはどうですか。

冨田委員

私としては、NITEがNBRCを持ち込んだというのは、やはり我が国の基盤として民間がやれないところをやるんだということですので、この位置づけがまず一番先に来ると考えます。そこで、いわゆるアカデミックといわれる部分で考えるならば、なぜこれらの、この標準分類、系統分類学的に重要なものが先に選ばれているかというと、その昔に比べると、我が国の大学における分類学者というか、分類をやっている担当者が、今の科研費の関係からいって、なかなかとれにくい状況にあるのが事実なんですね。だからこそ、この基盤に当たる部分をNBRCでやっていただきたいので、私は部会長とはちょっと違った意見でございまして、やはりかなりアカデミックな要素もきっちりとみながら、我が国の微生物学の基盤を支えるのはNITE以外にないのではなかろうかと思っております。ご存じのように、東京大学にも以前は応微研というのがあったんですが、すっかり名前も変わっておりまして、大学も、今の流れでいくとどうしても心配な部分は、余りにも応用にというか、応用といったらちょっと表現悪いんですが、基本的な部分から外れているんですね。基盤的なところから。だから、やはりNITEしか今はないんじゃないかと。それでぜひお願いしたいということなんです。

平澤部会長

ですから、そういう基盤を整備していくといいましょうか、その知識を深めていくということと、それからそれが使われて応用的に大きなインパクトをもつのだという、その間のつながりが国民の目からみてわかるような、それが重要なので、アカデミックなことをずっと詰めていっているというだけだったとすれば、それは基盤整備されるということは非常に重要なのだけれども、それだけだったとすれば、NITEが置かれているミッションからすればちょっと方向が違うのではないかという気がしないでもないんですよね。

冨田委員

おっしゃるところはよくわかるのですが、アナロジーは決してよくないかもしれませんが、例えばアメリカの植物のシードバンクなんかをみますと、これはすさまじい集め方をしているのですね。将来作物になるかどうかわからないものも含めてものすごいものをもっております。だから、今のいうところのカルタヘナ議定書に入らなくたって何とも思わないし、CBDに入らなくたって何とも思わないという、やっかみの見方もできるわけでして、やはりここのところは、NBRCがアジア中心のACMをつくってやっているところは、私としては国民としても評価できるところではないかと考えます。

ただし、これは先生のおっしゃられるとおり、応用へどうつなげるのかということは常に考えなきゃならないので、その間を行ったり来たりするということはありますし、以前には、私はたしか利用価値を見出すための民間との話し合いの場というか、ユーザーとの話し合いの場のようなものもぜひ設置してほしいとお願いして、現在それも動いているわけですので、私がここでちょっと申し上げたかったのは、要するにゲノムなりさまざまな面の進歩が非常に早いので、ぜひともここで頑張っていただきたいというお願いでございます。

吉田知的基盤課長

NITEのバイオ関連は、ご案内のように、BRC部門と、それから研究をやっている原山先生の部隊と、それからゲノムの解析をやっている部隊と3つ大きくあって、それを奥田本部長のところでコーディネートしている、そしてまた行政的に今何が大事かということを考えていると理解しておりますけれども、BRCについては、御園生理事長に委員になっていただいている文科省の知的基盤委員会で政府全体のBRCの分担をすることになっておりまして、NITEができたときには、NITEは生物全体の中では微生物のBRCの担当をするという仕切りで始まっています。

現在、知的基盤計画2001年から2010年までの折り返し地点ということで中間見直しを行って、経済産業省の方の知的基盤計画の中間見直しはもう終えましたけれども、文科省の方はまだ仕掛かり中になっております。その中でBRCの日本の中での分担をどうするかということはまだ結論はみえてないんですが、微生物についてNITEだということについては恐らくどなたも反対がないということでございます。そこまでは決まっていることでありますので、ご指摘のところについては、NITEのバイオに関する機能をコーディネートして、行政的にも、あるいはアカデミックにも評価するようなものをどうやってやるかということで、ぜひNITEでご検討いただきたいと思っております。

平澤部会長

もう一つつけ加えると、私は、研究開発全体で考えても、どういう行政組織上の区分けにするのがいいのかということに関して、従来は、伝統的には、例えば学術的な分野は文部省といったような、研究開発のあるフェーズごとに担当を決めて、応用的な分野というのはミッションごとにあと他の省庁がずっとやるという、こういうタイプだったんですけれども、どうもそれは余り効率がよくないのではないかと考えます。

それで、例えばオランダの場合ですと、その切り分け方というのは、分野ごとに切り分ける、あるいは、大型であるとかなんとか、その機能とかいうふうに、そういう展開していくときの中核になるものを置いて、それで省庁の上の組織とは関係なくというか、いろんなところに関連しながら展開していくという、そういうやり方をとっているんですね。ヨーロッパの中で、どちらが効率的かという議論をずっとやっているんですが、やはり垂直統合的にやる方がいいのではないかと思われているんですよ。

冨田委員

どういう意味の垂直統合ですか。

平澤部会長

基礎から応用開発までを一貫してやるという意味です。その分野ごとにです。それで、その場合に、今度、分野間のいわば学際的な分野といいましょうか、そういうところが落ちてくるわけなんだけれども、それはそれとして別につくっておくと。こういうやり方をオランダは典型的にやっているのです。

ですから、今後の議論で、従来、コンサーバティブな文部科学省が、学術的なことはほかではやっちゃいかんというような対応はあるべきではないんじゃないかなとは思っているのですけどね。もしそういうふうに考えてくるとすれば、微生物分野全体を切り分けて、基礎的な整備から応用的な展開までを一体的にやっていくという、そういうセンスで方向性をつくり上げていくということは当然あり得るんじゃないかなと思いますね。

冨田委員

今、吉田課長さんおっしゃられたように、文科省もそういう位置づけにしてくださるというのは大変ありがたいことだと思ってますし、これは全く余計なことをちょっと申し上げなきゃいけないのですが、日本の微生物学はばらばらなんですよ。医薬から獣医から。それで、現在、私もその中心メンバーの一人ですが、日本における微生物学の連盟ということで、アンブレラ組織をつくろうという動きになっております。これは、今、先生まさにおっしゃられたように、全体を統合的にみて、やはり全体がみんな協力してどういうふうに進めようかと。今おっしゃられた言葉をかりるならば、省庁横断的、学問領域横断的に、微生物学というものを中心にして集まろうという、そういう学会の動きもあるわけでして、それとまさに呼応していただきたいなと思うのがこのNBRCのお仕事だという理解をしておりまして、今、微生物学会では、今先生のおっしゃられたのにほぼ近い形が動こうとしておりますので、ぜひその基盤的、中心的役割をお願いしたいと思っております。

平澤部会長

議論、脱線して恐縮なんですが、よく議論されるのでは、日本の電子産業であるとか、あるいは材料とか、そういうところの基盤で応用物理学会が非常に大きな役割を果たしたというふうにいわれていて、それにかわるものがバイオの分野にはないと。これは一番大きな問題だということは常々いわれているわけですね。そういう中でのお話ですね。ですから、もう少し大きく考えて、バイオの分野を行政も関与しながら強化していくときの中核機関のあり方としてのNITEというふうにして業務内容を強化していただければと、こんな感じですね。

ほかにどうぞ。

西山委員

富田先生もおっしゃいましたように、日本の微生物の特に収集・保存ということでいうと、いわゆる基盤的なのはジェネラルマイクロバイオロジーなのですけれども、それがはっきりいって非常に弱いですね。そうした一般微生物学のナショナルセンターになっていただきたい。それは個別の民間ではできないし、個別の大学でももう全くやる気がない。今そういうことは、部分的にはある。しかし、ナショナルセンターとして基本軸に置いておくものは、基盤的なところはジェネラルマイクロバイオロジー、それがない中に応用はないという面がありまして、それがどこもない。どこもないと、本当の勝負のときにはやっぱり負けるということで、それはやっぱり一番基盤的に重要だと。それは国じゃなきゃ無理だということですね。それが一番重要だと思っています。

問題点は、部会長がおっしゃいました点については、産業界もそういうものを要請してきたということでNBRCができている一面があることは確かなんですけれども、そういう応用性ということからいうと、ここの研究開発という側面があるという中で、もう少し産業界のコラボレーションをするというような部分を協力しなきゃいけないかなという側面があると思います。それがもう少し個別のテーマとして具体的なものがみえてくると、そういう価値も顕在化するという面があって、その辺は産業界ももう少し考えていくべきだと思います。個別には一案とか二案とか現実の課題として私はもっておりますので、その辺は会社の中でももう一度、BRCさんとかと、ご相談申し上げたいとは思っておりますけれども。

奥田バイオテクノロジー本部長

まさしくおっしゃるとおりでありまして、先ほど冨田先生もちょっとご指摘いただきましたけれども、紙には余り書いてないですが、我々としては、アカデミアというよりは、実際に基盤として我々がこういう微生物を集め提供して、それを使っていただくということを考えると、例えば分類学ひとつとってみましても、昔の分類学と今の分類学ではその分類の基準も道具も全く違いますので、そこのデータはきちんと付加していかなくてはいけないし、そのために必要なバックグラウンドがもしも世界のほかでまだできていないのであれば、自分たちできちんとつくって使えるものにして、具体的なそれぞれの微生物のリファレンスとして提供していかなければいけないと。これはきっちりやっていきたいと思います。

それから応用につきましては、今まで産業界との情報の流通が余りよくなかったのではないかということを反省してまして、例えば先ほどの34ページに基準の見直しということを挙げておりますけれども、こういうものは全部公開して、産業界からのご意見をいただいて、その上でどの生物を選ぶかということに反映させるという仕組みを具体的につくって、昨年の暮れから始めさせていただいておりますし、あと、我々が個別の企業の方にお話を伺う際に、公の場ではやっぱり発言しにくいということがあると思いまして、主だった会社なんかには、この2~3月、個別にずっと足を運ばせていただいて、御用聞きといっちゃあれですけれども、業界のニーズというものも汲み上げさせていただきつつ、同時に、JBA、日本バイオインダストリー協会、ああいうところと一緒に勉強会をやりまして、これから先、日本にとって微生物の世界でどういうものが必要なのかというようなことも、90社ぐらい入っていただいて進めさせていただいております。そういう意味では、産業界にぜひ使っていただきたいし、そのために我々が何をしなきゃいけないかということも勉強はさせていただいているという、今まだ途中段階ではありますけれども、そういう状況でございます。

あと、それとは別に、社会的な要請があればということで、これは別の切り口ということにはなると思いますけれども、社会的な意義という意味では、環境、エネルギーといったものももちろんあるわけでありまして、そちらの方で声が高くなれば、当然、我々としても、ゲノム解析の対象をどこに置くのかとかいうことも含めて検討して実際やっていかなければいけないことなんだろうなと考えております。

平澤部会長

この問題はかなり深い問題を含んでいるんですね。それで、私は、ディシプリン型の展開をするのではなくて、ミッション型の展開をやはりすべきだと基本的には思っているんですよ。実務的な基礎ですね。それは大いにやらないといけないんです。それをディシプリンの基礎をやるというと、これはもうミッションは全然違ってしまうわけです。対象が違ってしまうわけなので、そこのところを古いタイプの学問論で切り分けないで、応用的な学をどうつくっていくかという観点から、それの基盤はどうあるべきかということを十分考えるべきなんだろうと思います。応用物理学会が果たした役割というのはまさにそういうことだったわけですね。だから、バイオの分野でうまく整理できるかどうかというのは私よくわからないので、冨田先生なんかのご意見を伺いながらそのあたりも詰めていただきたい。ミッション型の新しいタイプの基盤をつくっていくという観点を一応考えておいていただきたいと私は思いますけれども。

野中理事

まさに部会長のご指摘の通りの問題意識を持って、特に従来型のカルチャーコレクションではなくて、21世紀型のNBRCって何だろうなということを今内部で相当真剣に議論しています。従来のJBAとの関係等も、表面的なつき合いだったのを、昨年度あたりからかなり深い関係を持つようになっており、個別企業とももっと突っ込んだ議論をしながら、要するに21世紀型のNBRC、これがミッション型のNBRCになると思うんですけれども、そういったのを目指そうとしているところであります。

それから一言申し上げたいのは、この黄色とか赤をつけた、むしろ評価した立場から、何で黄色なんだとか、何で赤じゃないんだということですけど、こういう微生物の収集・保存ネットワーク、従来だったら、当然、赤に匹敵する業績なんですけれども、先ほどご指摘あったような、微生物のNBRCの中核としてはまだまだ不十分じゃないかと。ネットワークつくっても25機関中5機関で赤にはできないという、例えばそういう思いでこれは黄色にさせていただいているところであって、これはさらに頑張りますという意思表示であります。ゲノム解析も、非常に遠慮して書いてますけれども、これは解析速度は精密なものをものすごく速くできるような体制をつくったのですが、でも、つくっただけだったら青であり、それで何をどれだけ読むかで赤になるかどうかの勝負をしようということで評価しております。このような気持ちで評価しておりますので、むしろ今後頑張るという意思表示だということでご理解いただければと思います。

西山委員

関連しますけれども、微生物の収集ですね。基盤的な収集はほぼ終わっていると思うのですね。じゃこれから何を収集するんですかという段階だと思うんですね。そうすると、企業との、業界全体ではこういうのですよというのがあると、ぼけちゃうんですよね、もう個別の企業でいいんじゃないかと私は思っているんですけれども、個別の企業が具体的に何かやりたいことはみんなあるわけですよ。当然ね。そのときに、応用していくときにアイデアはあるから、企業としては非常にマル秘だという側面ももっているんですけれども、一方、基盤に乗っかって応用しますから、ただ単に企業がやろうとすると、非常に不十分なんですね。ですから、そういうテーマを、企業の応用とつながるような収集を個別にやっていくという段階に入っているように思うんですね。それは、やっぱり日本としてはユニークネスの分野に入ってきて、ただ単にたくさん集まっていくということじゃなくて、応用性もみながら基盤的なことも関係していて、より基盤的なところはBRCでやっていただいて、そのうちの幾つかのところを企業が応用するというようなつながりがあったらいいのではないか。そうすると非常にいい関係に、ウィン・ウィンの関係になるんじゃないかと思っております。

平澤部会長

そういう応用目的というその目的、つまりミッションをちゃんととらえて、それの将来的な、長期的なといいましょうか、そういうものを見据えた上でということをやはり十分ご検討いただきたいと思います。これは専門の方にお集まりいただいていろいろ議論深めていただかないといけないので、我々としてはこの程度で、方向性だけを示すということにしておきたいと思います。

ほかに微生物関係、バイオ関係なりで何か。よろしいでしょうか。

大分時間が押しているのですが、それでは最後に、管理部門、竹上さんの方から。

竹上企画管理部長

それでは39ページ以降、私と原山が分担して説明いたします。若干はしょることになりますが、申しわけございません。

39ページでございますが、まず「戦略的な人材育成」ということでございますが、後で申し上げます能力評価制度はいわゆる思考力とか行動力とか、そういう基盤的な能力に係るものでございますが、こちらは技術能力に係る高度化を図っていこうということで、こういう取り組み、キャリアパス制度の構築というものを取り組ませていただいております。各部門、さまざまな技術が必要とされておりますし、どういうレベルの人にどういうようなレベルのものを具備するかということでいろいろ難しい議論はあるのでございますが、いずれにいたしましても、こういう設計を書かせていただいたということでございます。

課長ベースでの検討会などによりましてグランドデザインを検討いたしまして、右側にちょっと小さい字で書いてございますが、ここで便宜上、「認定部門の人材像の例」ということで、いわく英語の能力であるとか、それから国際的な議論の能力であるとか、あるいはいろいろな立居振舞というか、会議でのいろいろな習熟とか、そのような貢献できるような人材を例えばこのような形で人材像を設定させていただいておりますが、こういうものを分野別に設けまして、モデルコースの検討を深めさせていただいたというのが今年度の中身でございます。

これを踏まえまして、下の方にございますが、パラレルに研修計画などへの反映なども行わせていただいております。特に若手の能力を育てていこうという観点から、いろいろな国際会議への派遣などもやらせていただいておりますし、自主的な勉強会などもおかげさまで盛んになっているということでございますので、人材育成の一つのきっかけになっているという評価を取り上げていると思います。

それからちょっと飛びまして恐縮でございますが、44ページ、「マネジメントの改善による業務運営の効率化と質の向上の両立」というところでございます。要は、いろいろなキャップの話、削減キャップの話が出ておりますが、そういう効率化と機能強化の両立を図っていくというのがNITEにこれから求められている非常に難しい問題でございますが、そういうものを実現するための取り組みを幾つか書かせていただいております。

まず「企画管理機能強化」というところですが、若手職員を意思決定プロセスへ参画させるというようなもくろみ、ここでは企画委員会と申しておりますが、そういうものを設置いたしまして、その場でNITEの将来像について議論するとかいうような形。これは最終的には運営会議という、その下に書いてございますが、経営トップの補助機能を強化するための会議もあわせて設置いたしておりますが、そういうものに議論を反映させるというような形で、効率的、効果的な議論を図れるようにしているというのが一つの取り組みでございました。

それから「職員の自主性・自発性の向上」。これは先ほど申し上げておりますようなキャリアパスの制度等にかぶるのでございますけれども、いろいろ若手職員などの能力の向上ということも図っているということでございます。

それから3番目でございますが、「権限の見直し」というのも行っておりまして、各種業務におきます権限を見直しまして、責任と役割を明確化すると。あわせて権限委譲ということを行いまして、意思決定の迅速化・効率化ということ。これは他方では監査の方で事後チェックは必要になってくるわけでございますけれども、こういう形で権限の見直しを行っているというのがマネジメントの改善のもう一つでございます。

それから、後で説明があろうと思いますが、アウトカム評価、おかげさまで、NITE、いろいろやらせていただいておりますが、その成果を例えば各部門の営業活動などに反映させていくということも行っているところでございます。

また1枚飛びまして46ページでございますが、「マネジメントの改善」の関係で、こちらは、評価制度、さまざまな制度がございますが、その関係でございます。真ん中に書いてある青い四角、自主性・自発性の高い職員を育成する。能力・業績に応じた処遇をするということは最終目的なのでございますが、これまでは、下に2つありますマル、目標管理制度、業績評価制度というのを行ってきているわけでございますが、それぞれに改善を図ったところでございまして、目標管理制度につきましては、より高い課題へ挑戦するという制度へ移行したと。骨太な大きな課題に重点を置いて目標設定し、評価するということもやらせていただきました。

業績評価制度につきまして、これはおかげさまで定着したところでございますけれども、賞与などへの反映というのも全面的にさせていただいているところでございますが、それに加えまして、今回は能力評価制度の新規導入ということに向けまして試行の実施というものをまさに今現在行っているところでございます。これは最終的には人材育成、能力開発に反映する、あるいは昇任、昇格、昇給などへ反映していくという制度でございますが、いろいろNITEにふさわしい制度をつくらなければいけないということで、試行、トライアルを行いながら正しい制度をつくっていくということを目指しております。

民間ではいろいろ見直しがこの制度について行われていると聞き及んでおりますが、国の方でもいろいろ検討し試行を行っているところでございますし、NITE以外のほかの独法でも評価が進んでいるということもございますし、それから職員のアンケートでも、こういうことをやってもらうことは必要であるという声もございますので、急いでいきたいと思っておるところでございます。

それから47ページでございます。キャップの一つとして、一般管理費の削減とかいろいろなものがございます。その一般管理経費の削減に関するさまざまな取り組みをご紹介してございます。例えば定型的な業務につきまして、一番上の四角でございますが、マニュアル化等を進めて、迅速・効率化を図っていると。標準処理期間の設定なども行わせていただいております。

それから「調達(契約)の透明化・効率化」ということで、随意契約案件の入札への移行なども行いましたし、それから一括調達の拡大ということも図りまして、透明化・効率化を図ってきたところでございます。

それからアウトソーシングにつきましては、四角の中に例が書いてございますが、非常勤職員に係る社会保険の事務などにつきまして既にさせていただいておりますが、今後とも、管理業務の中、候補を見つけまして検討していきたいと考えております。

その他、本部・支所の間での管理業務の分担の見直しなどを行いながら、今後とも一般的管理業務の効率的・効果的な運用を図っていきたいと考えております。

次の48ページに、具体的各分野、総務省の見直し勧告の中でもやられておりますようなさまざまなアウトソーシングについてご紹介しておりますが、それぞれ適切に実施の検討を進めてきているところでございます。ただ、NITEとしてやるべきこととアウトソースすべきことをきちんと峻別して、いたずらに知識や技術が失われないようにという形で行っていきたいと思っているところでございます。

管理部門については以上でございます。

平澤部会長

それでは原山さんの方から。

原山情報統括官

それでは、私の方からは3つ、広報、アウトカム評価活動、それから情報システム関係についてご説明申し上げます。

資料の40ページ、まず広報でございます。広報の実績をご紹介する前に、広報という切り口からNITEの現状認識というものに触れたいと思いますが、NITE第1期はいろいろな新規の事業を立ち上げたフェーズということで、それぞれの専門家に直接ユーザーとして使っていただくというところからまず始まりまして、それぞれの分野においてある一定の知名度を得ているということでございます。

ただ、NITEの業務の基盤性を考えますと、そういった専門家の方々にもっと広く、あるいはもっと違った専門家の方にも使っていただく必要がある、そういう広報が必要であるということ。それからもう一つ別な切り口といたしまして、非常に基盤的な業務をやって、暮らしに直接、間接に役立っているということを一般の国民にももっと知っていただくということ。これはNITEの独法としての説明責任でもあり、またNITEが独法として継続していく上でも必要なことであるということでございます。

そういった観点から取り組みましたものを、下に具体例を挙げてございますが、1つ、一般に知らせるということで、イベント、これは具体的には親子を対象とした見学イベントを開催いたしました。一般ということで、子供、それから主婦を対象に考えたわけでございます。一方で、日々業務多忙の中において、そうそうイベントを何回もやれないという中で、マスコミとタイアップ、新聞広告と連動するような形でやって、子供たちに喜んでもらった結果を新聞を通じて知らせるということをねらったわけでございます。

2枚めくっていただきまして42ページ、これは朝日新聞の本社版に載せました、関東6県、それから山梨、北海道、それから愛知の一部に出たわけでございます。先ほども若干委員の先生がお触れになりましたけれども、これの目指すところは、まずNITEということを覚えてもらう。それからNITEが安心、あるいは安全というのに関係しているというのをメッセージとして伝えたいということでございます。「安心を未来につなぐナイトです」というのは、去年、CI活動を行いまして、我々のスローガンということでつくったものでございます。これをとにかく印象に残してもらう。

もう一枚めくっていただきますと、先ほどの一般紙とは別に、こども新聞というのがございます。これは朝日新聞のこども新聞なんですが、全国にこういう広告を出しまして、これは、先ほどの組織のイメージ広告中心のものに対しまして、親子見学会を募集するというのをメインに行いました。親子見学会は、先般、日曜日に開催いたしまして、10組の親子を対象としたわけでございますが、70組の応募がございました。そこから抽選で10組参加していただきました。

NITEスクエアを活用しまして、NITEスクエアの通常展示だけではなくて、各部門の職員の方に講師になってもらって、これは実際に顕微鏡などで微生物をみてもらったり、化学実験をしながら科学をきちっと取り扱う重要性を学んでもらったり、あと生活安全ということで、事故品の実物をみながら、いろいろな原因であるとか、使い方の注意でありますとか、そういったことの講座を行いました。今、参加者の感想を集約しているところでございまして、その結果を写真入りで3月11日に朝日新聞の全国版に載せる予定でございます。

続きまして、また戻っていただきまして40ページでございます。先ほどご紹介したNITEスクエア、これはことしの4月にオープンさせました展示スペースでございますが、2月末現在で、外部の方 1,500人を超える入場者をみているところでございます。その中には、ご近所さんからということで、西原町内会でありますとか西原商店街、こういったところには営業に行きまして、ぜひみてくださいということでご案内したり、あるいは各部門のいろいろな日ごろの関係の方を招致してごらんいただいた。その中には、冒頭の審議官からのご説明もございましたが、大臣、副大臣、政務官等々にもご見学いただいております。

それからプレス関係、また新聞なんかにも多く取り上げていただきました。これは昨今の製品事故が多発しているということが背景にございますけれども、生・福センターの職員、非常にそういうことに機敏に対応いたしまして、かなり件数が上がった。下に数字がございますけれども、昨年度、新聞掲載の件数、94件でございましたが、12月末の数字ですが、123件。それから一般紙については、去年25件でございましたが、12月末で35件ということでございます。NITEでの記者ブリーフィングというのがございますが、これは今までNITEでは行っておりませんでしたけれども、今回、実際の事故品の実験等々を行いまして、それにテレビ局の記者が来て、それがニュースになったということでございます。

次のページは、各種の発表会、展示会等々への出展でございます。詳細は割愛させていただきますが、次に「新規顧客開拓」でございますが、先ほど申し上げたとおり、直接使っていただくユーザーをさらに広げるということで、認定分野においては、出展のときの直接的なアプローチ、バイオについては、研究会を開催したり、あるいは企業を個別に訪問したり、そういった活動を行っております。

続きまして45ページ、アウトカム評価活動についてでございます。これは昨年度まで3年間で、NITEのアウトカムは何であって、どうやってつかんでいったらいいのか、そしてそのつかんだアウトカムをどう活用していったらいいのかという勉強をしていったわけでございますが、その成果を本年度は、各部門、現場において、少しでもいいから実際に活用して動いてみようということで新たな取り組みとして行いました。

3年間の勉強の結果をかいつまんで申し上げますと、NITEの業務、アウトカムがどこにあるのかということについては、いってみればユーザーの声の中にあるということでございます。それをユーザーとのコミュニケーションの中で把握し、定量化できるものは定量化し、またさらにそのユーザーとのコミュニケーションの中で、業務改善へのヒント、あるいは今まで関係していたユーザーだけではなくて、これからユーザーになる潜在的なユーザーへもアプローチをし、新規顧客も開拓すると、そういった一連の活動としてとらえまして現場の業務をやっていただいたということでございます。

これは各分野それぞれ特徴といいますか、業務を取り巻く状況によってフェーズがございまして、最も早く組織的に取り組んでいただいたのがバイオテクノロジー分野でございます。一方で、実際にその現場に落として、ロジックモデルと申しますが、業務の流れや、あるいはどこにどういうユーザーがいてというのは、頭の整理をした流れ図のようなものでございますけれども、それを各原課レベルで考えますと、3年の調査で全体をとりまとめたものから、さらにもう少し考えないといけないということが現場では感じたということでございます。そこで、3年計画で、ことしはもう一回それを考え直し、頭を少し使ってみて、3年後にはこういった活動が定例化するようにというのを目指しているところでございます。

それから認定分野でございますが、こちらはバイオ分野に比べて始めるのは遅かったのですが、実は最もフェーズとしては進んでいるところでございまして、実際にユーザーにコンタクトして、定例的な活動につなげようということで取り組んでおります。

生活安全分野は、先ほども申し上げたとおり、いろいろな製品事故が多発して業務多忙な中、ほかの2分野に比べまして組織的な取り組みまではなかなかいっておりませんけれども、例えば製品事故の関係でいいますと、消費者というところに視点を置いて、そのときのキーパーソンである消費者センターにアンケート調査を予定しており、あるいはJISは抗菌JISといったものが成果としてありまして、それを調べようということでございます。

化学センターの方は、化学物質管理の政策そのものについての政府的な検討がありますので、そういうのをみながら、一方で、化審法、化管法についてのアンケート、ヒアリングなどを行うということでございます。

最後に情報システム関係でございますが、業務・システムの最適化でございます。これはNITEの情報システムについて、今3つの欄がございまして、それぞれ部分的には最適化しておりますけれども、組織全体での最適ということを考えて検討いたしております。特に一般管理業務の効率化というのが求められておりますので、その組織横断的、汎用的な業務システムというのを中心に検討しております。これは今年度中に最適化の方針、これはまだ案の状態でございますが、それを策定し、来年度、計画、それから20年に新しいシステムを導入し、21年から運用ということを予定しております。

それから50ページでございますが、セキュリティの関係でございます。これは先ほどの効率化と両輪をなすという形で取り組んでおりますが、これも政府レベルで、独法についてはセキュリティポリシーを策定すべしというものが出ております。セキュリティポリシーと申しますのは、いってみれば組織の宣言文、それから管理体制を明確にした管理規定、それから具体的な対策の規定ということで、現在、部分的にはこういった規定はございますが、全組織的なものというのがまだございません。それを今年度中に、今、案の状態でございますが、その管理規定までは策定しようということでございます。

以上でございます。

平澤部会長

どうもありがとうございました。今の管理部門へのご質問も含めて、全体を通した問題があれば議論したいと思います。いかがでしょうか。

西山委員

質問なんですけれども、「製品安全・安全な暮らし」というパンフレットがあるんですが、その4ページに「事故情報の収集体制」という欄があるんですけれども、その中で、消費者からもフリーダイヤル、ファックスで事故情報を受けつけていますという記載があるんですけれども、実際に消費者からの事故情報はどのぐらいの量があるんでしょうか。

菊池生活・福祉技術センター所長

80件ぐらいです。

西山委員

全体の中では非常にまだ少ないという状況でしょうか。

菊池生活・福祉技術センター所長

これは個別の例えば苦情とか、個別の相対するようなものというのは私どもやってなくて、あくまでも事故情報という観点の話になりますので、そのぐらいの数だと思いました。

西山委員

ここから先はちょっと意見になりますが、広報に関する意見になろうかと思いますけれども、着実に広報活動のご努力によって認知度とか役割がだんだん世の中全体に浸透していっているというのは読み取れますし、非常に結構なことだと思うんですけれども、最終的には、実際には難しい面もあるんですけれども、広報だけじゃなくして、受信ですね。発信のみじゃなくてですね。世の中からの受信ということをやっていったときに、ツーウェイコミュニケーションになりますから、真の認知度が高まると思ってます。ですから、いつの時代にどのぐらいやっていくかというのは現場でお考えいただかなければいけないんですけれども、方向としては、最終的には、広報というキーワードからコミュニケーションというふうに発展すべきだと思います。

また、特に生活安全分野ですか、そういうことに全く沿っている分野で、もちろんそれ以外の分野も大事ですけれども、そういうふうに発展するべきだろうなと思っておりまして、発信をして、広報でやっていくんですけれども、受信まで考えてやっていったときに非常に効果が高まるのではないかと思ってますので、受信は実はやり出しますとありとあらゆることが押し寄せちゃいますから、またそういうとらえ方をどうしていくんだというのは難しい側面もあるんですけどね。政府機関だとしても、生活安全分野は、昨今の情勢からすると、そういう世の中全体からの意見なり情報なり、受信するというのは極めて大事な時期に来ているんじゃないかと思いますので、お考えをぜひいただきたいと思います。

平澤部会長

今の点は非常に重要でして、これは藤本先生にもお伺いしたいんですが、コミュニケーション、双方向にどのようにいわゆるプロパガンダをしていくという一方的なものから移っていくのかというときに、例えば企業なんかで考えると、その業界のトップ企業になると、あらゆる情報がその企業におのずから集まってくるといったような現象がありますね。要するに、単に知られるということだけではなくて、信頼できる相手だということが、つまり中身を伴って知られると、そうするとおのずから情報が集まってくるような、そういうことがあるのではないのかなと。これは一つのコミュニケーションのメカニズムを強化する道かなと思うのですけれども、何か藤本先生ありますか。今の西山先生おっしゃったことは非常に重要なことなので、それについて。

藤本委員

今、部会長おっしゃったとおり、信頼される組織ということになるといろんな情報が集まってくるというのは確かだと思うのですけれども、実は今、インターネットの世界で、2チャンネルあたりで、うそか本当かわからないような話がごまんと出てきまして、こういう事故とか安全とかいう話になると、もろもろの正体不明な情報がたくさんあるんですね。これを全部チェックするのは実は大変だと思うんですけれども、そういうものをある程度チェックして、その中で信憑性のあるような情報を取り入れながらやっていくということをすると、あそこはそういう問題に対して敏感に反応してくれるよねと、そういう信頼が得られると思うんですね。

一番いけないのは、実は我が大学でトラブルが起きているときに、対外的にもいわれたんですが、実にレスポンスが悪いんですね。そうすると、もうこれはくそみそにいわれるだけで、たたかれるだけになってしまうし、情報も集まってこなくなる。そういう意味で、何かあったときに、先ほど、80件ほどあったというのがあるんですけれども、そういうものに対するレスポンスをきちんとする。それはですから、当然、情報を寄せた方に対する対応と同時に、そういう情報があったという事実と、それに対してどう対応していっているのかというようなことを、ホームページ等を通じてきちんと対応していくようにすると、今度は怪しげでないきちんとした情報が集まってくるようになると思いますので、そういうレスポンスの的確さ、あるいはいろんなところで流れている不確かな情報かもしれませんけれども、そういうものの何らかの方法でのチェックということをおやりになるというのが1つ大事なことじゃないかと思います。

平澤部会長

もう一つのメカニズムとしては、インターネットというのが非常に重要な、これからのツールとしてですね。ですから、それを使いながら、今、先生おっしゃられたような情報が流されるといいのかなという気もしますね。何か原山さんあります?

原山情報統括官

生・福センター固有の話は別途センター長からですが、全体広報として、今回、先ほどご紹介しました見学会をやって感じたことでございますけれども、こちらの宣伝ですが、ああいう生の声を、まさに一般消費者の生の声を聞いたのは私自身も初めての経験だったし、現場の方もそうだったんじゃないかと思います。たった10組、20名ですけれども、結構いろいろ感じてくれているということはわかりました。これはまず第一番目の手始めとしてはそういう声を、今度各部門に広報担当者がおりますので、そういった会議でももっと広く知らせながら、次の広報、あるいはそれは意識の問題かもしれませんけれども、そういうのに役立てていきたいと思いますし、また、先ほどご紹介したアウトカム評価の活動、あれはいわゆる単なる評価としてご紹介しただけではなくて、広報とか営業とかと絡めたお話としてご紹介しましたけれども、これも実際にユーザーの方に直接お話を聞いた中からいろんなヒントが出てくるのではないかというのが一つの考えのもとにございます。

そういったことを、まだ本当に始めたばかりで、どこまでいけるのかちょっと見当もつかないんですけれども、実際に各部門の職員の方もそういった意識を少しずつもっていただいているのかなあという感じがございます。

平澤部会長

恐らく、今のようなさまざまなインタフェース、手始めとして始めたようなインタフェースを通して何を職員の側で学んだのか、どういう点に注意しなきゃいけないと認識したのかといったことを例えばインターネットに乗せて、それでまた、ああなるほど、こういうふうにちゃんと気がついてくれるならば、もうちょっとそういう情報を流そうかという気にもなってくれるかもしれない。その種の繰り返しをやっていくんですね、多分。

冨田委員

私も全く皆さんのご意見に賛成でして、受けるというアンテナをどこに上げているかというのは非常に大事だと思うんですが、これは、私、恥ずかしいんですが、NITEの北海道支所、どこにあるか知らないんですよね。この支所がこれだけあるんだとするならば、先ほどおっしゃられた親子教室ですか、ああいったものを例えばどこかの支所でやってみるとか。そうやれば必ずその地域でもよく知られるようになるのかなあと思うんですが、そういうのはやれるんですか。

原山情報統括官

今、NITEの広報をどうやっていこうかというような、広報担当者レベルでの検討を始めたところなんですけれども、そこの中に、支所にどういう活躍をしていただくかというのは一つのポイントとしてあります。まだ答えがあるわけではありませんが、1つ、今の支所の体制をみますと、通常業務の中でどこまで広報ができるのかという大きな問題もございます。多分少しずつの対応にならざるを得ないとは思いますが、ぜひ温かい目でみていただければと。

冨田委員

いや、別に冷たい目でみているんじゃないけれども、多分、私がここの評価委員をやっているというのは支所では知っておられるんだと思うんだけれども、一度もお目にかかったことがないし、ちょっとどうなのかなと思ったりもするということだけです。

御園生理事長

そういう面ではまだ不十分ですね。今後大いに努力します。

所村理事

今、冨田委員からご意見ありましたように、実は先ほど報告のあった親子見学会の参加者から提出された感想文の中でも、例えば地方から参加された方から名古屋でやってほしいと、全く同様のご意見がありました。そういうこともあり、支所においてもこのような見学会を開催する方向で今考えているんですけれども、具体的にどうすれば効率的にやれるのか等を検討しているところであります。

吉田知的基盤課長

もう一つは、支所がすべての業務をやっているわけではありませんので、北海道支所はバイオはありませんので、局と同じ建物に入ってますけれども、そういうこともあると思います。

野中理事

ただ、支所は逆に製品安全をやらなきゃいけないということで、先ほどの双方向ということに関連するのですけれども、製品安全の業績の中にローラー作戦と書いているんですけど、何をやったかというと、その地方支所の担当地域の消防、消費生活センター、その他、製品安全の関係機関に各支所が徹底的に今年度回っていて、これは従来になかった大きな動きとなっています。そういった、特に製品安全の分野で双方向のコミュニケーションをとっていくというのが今NITEの支所の最大の課題として、まず第一歩ということでやっております。

冨田委員

ぜひ進めてください。課長にお言葉返すようですが、私もバイオだけみているつもりはありませんので。

藤本委員

今のことについて若干、補足というわけでもないんですけれども、実は私、小中学校の理科教育のマネジメントをやっていまして、早稲田大学の教員連れて幾つかの学校でやっているんですけれども、今全国で大学が結構そういう取り組みをしておりますので、そういう安全の面では、単独で全部をやる必要はないと思うので、そういうところと連携されると、多分いろんな選択肢も広がるし、ノウハウ等もあるので、そういうことを利用されたらいかがかなとは思っています。

それからちょっと広報の話ではないんですけれども、マネジメント全体の話にちょっと触れたいと思うんですけど、私ちょっと気になるのは、効率化ということが最近よくいわれて、民活云々でアウトソーシングといわれるんですが、どうも何が何でも効率化だ、何が何でもアウトソーシングだと、そういう傾向がありまして、本当にこれはアウトソーシングしてもいいのかなというようなことが結構平然とやられている気配がありますし、結局、そういうアウトソーシングも、しかも入札も一般入札ということになると、同じところに何年も続けてやるなよということになると、結局その間に培われたノウハウが全く生きない。仕事によるんだと思うんですが、例えばバイオリソースの関係なんかの場合、本当にそんなにほいほい変えられるのかなと。変えて本当に安全なのかなと、正直いって思うことが多々あるんですね。

そういう意味で、アウトソーシングについては、これはもう本省のご理解が絶対必要だと思うんですけれども、その辺を含めて、どこをアウトソーシングしていけるのか、どこはやはりアウトソーシングしない方がいいのか、仮にアウトソーシングするんだったら、ある程度のノウハウの蓄積をどうやって生かしていくのか、そのあたりを1つは考えていただきたい。

それがないと、ここでやっている事業、特に安全とかバイオとかいう世界は非常に危ないと思いますので、その辺はぜひご検討をお願いしたい。政府全体で本当は検討していただいた方がいいんだと思うんですが、とりあえず本省のレベルでその辺のご検討をしていただくことが、これからこういう仕事が定着することでは大事だし、安全ということで、ここで何か不安全なことを起こすと本当に国全体の安全が信用されなくなりますので、その点の検討をしていただきたいというのが1つございます。

それから職員の能力の向上ということ、これ自身は一般論としては間違ってないと思うんですが、しばしば目標管理というのが、変な数値目標を設定して、それをやれやれとしりたたきになってしまって、結果的に組織が事実上崩壊状態に陥るということはしょっちゅうございまして、私もさんざんそういうのを目撃してますので、能力向上というとき、あるいはその目標を設定するときの設定の仕方というのを、私はできるだけアバウトの方がいいと思ってますが、その辺は本当にNITEにふさわしい目標の設定の仕方というのを工夫していただくことが大事じゃないかと思ってます。

それからNITE全体の広報に関していえば、実は私、アップルという会社とちょっと仕事でおつき合いがあるんですが、アップルの法務本部長というのはNITEのことを実によく知っているんですね。私、何でよく知っているのかよくわからなかったのですが、そういう意味で認知度は非常に高くなっているので、そういう意味での信頼を失うことのないような組織全体のマネジメントをお願いしたいと思っております。

吉田知的基盤課長

最初の点だけ、非常に関連したことをやっておりますのでご報告いたしますと、知的基盤課の別の仕事で、計量行政審議会の関係で、計量をきちんとやるということにつきまして、今まさにおっしゃった、アウトソースすることによって、しかも一般競争入札を導入することによって現場の計量がいいかげんになっているというクレームが非常に多くなってまして、それにどう対応するかということを議論しております。全く同じ議論です。

その過程で、例えばダイオキシンなどの環境を計測するときに、いいかげんな外部の調査を、例えば自治体が調査するんですけれども、それをちゃんとモニタリングできない問題が起きているのではないかというご指摘があったりというようなことで非常に問題になっております。そのことで調べましたのは、例えば公共事業でも、一般競争入札が入って談合がなくなって非常によろしいんですけれども、今度は現場では、本当にこんな安い価格でちゃんと橋つくれているんだろうかということが心配になって、その品質保証について国土交通省で委員会を始めたりしております。

ご指摘のことは各分野で起こっておりまして、非常に大事でございます。それについて、瀬田さんが計量行政審議会のワーキンググループ委員になって、そういったことについてどうするかということについての議論をしておりまして、ご指摘について、大変重要だと思っております。

平澤部会長

大分時間がなくなって、5時ぐらいまでには終えたいとは思っているんですが、まだあればどうぞ。

冨田委員

藤本委員が早稲田大学でおやりになっている活動をおっしゃったので、私もちょっと自分の立場から申し上げますと、放送大学でも、臨時講師というか、面接授業というのをやれるんですよね。だから、そういうところに、私に限らず、全国の都道府県にセンターがあって、そこで面接授業をやると非常によく知られるんですよ。要するに面接授業で、例えば製品安全、こういうふうにしてはかって、NITEがこういう仕事をしているんだというような講義なり何かをなさってくれた方が、それは非常に双方向ですし、非常にいいと思うし。先生は多分小学校にもおいでになっていると。私も小学校も行ったことがあるんですが、小学生なんか、非常にそういう意味ではおもしろいので、そういうところはアウトソーシングしたらいいんじゃないかと思うんだけど。

野中理事

まさに大学との関係で、なかなかちょっと講師をやるまではまだ育ってないんですけれども、ぜひ大学等で講師をしながらそういうことをやりたいという提案もありますし、先ほど説明を省いたんですけれども、今年、つい最近ですけれども、九州大学とMOUを結んで、これは人間工学とか、製品安全とか、この辺を一緒に取り組もうと始めています。これをきっかけにして、日本のいろんな大学とこういう協力協定を結ぶ。さらには、いろんな公設試とか、そういったところとも協定を結びながら、みんなで仕事をしていくネットワークもつくりたいし、それからバイオの場合でも、例えば収集とか利用の方は企業の方と本当に共同事業でやったら、まさに企業が欲しい株もとれるとか、アウトソーシングというよりはそういういい形での共同関係はどしどしつくっていきたいということで、ようやく動きが見え出してきたところなので、今後そういうところをしっかり示していきたいと考えております。一方で、単純なアウトソーシングについては、ご指摘のように、本当にアウトソーシングできるところ、してはまずいところというのをしっかり見極めながらやっていくというのに本当に心がけていきたいと思っております。

平澤部会長

ほかにどうでしょうか。よろしいでしょうか。

きょうは一応予備的な議論ということだったと思いますけれども、しかし、提示されたお話というのは非常に重要なポイントがたくさんあったかと思います。私なりにちょっとまとめてみたいんですけれども、第2期の第1年度目というわけで、第1期とどのように違うのかということだと思うんですね。御園生理事長は、どっちの方向に踏み出していくのかという、それを決める重要なポイントだと最初におっしゃられたわけですが、私は、第1期の間というのは、組織的な整備であるとか、マネジメント体制を整備するとか、そういういわばつくり上げていく準備段階だったと思います。

その限りでNITEは非常によく整備されたと思いますが、それで、第2期はいよいよ業務内容を深めていく、深化させていくという段階に入ったのだろうと思っているわけですが、そこで改めてきょうあった議論を思い返しながら整理してみると、そもそもNITEが担当するような業務というのは何かというと、自然科学、工学とそれから人間組織社会、その両側にまたがっている非常にややこしい問題を扱うということになるわけですね。それで、どちらかだけに偏ったって半端なことしかできないわけです。そういう両方にまたがる話をどのように業務として深めていくのかというのが大きな課題なわけですね。

それで、こういうときに、私はいつも知識ベースで考えようとするわけです。自然科学、工学というのはそれなりの法則性によって統御できるような、そういう知識体系にあるわけなんですけれども、人間組織社会、特に意志的な振る舞いをする人間組織社会というものは、それとは違う知識体系でないといけないわけです。それとは違うというのは、要するに、対象の中に、つまり、組織や社会の中に普遍的な内在原理があるわけではないと。自然や工学の中にはそういうものがあるわけですね。対象の中に。どのようにするかというと、結局は、これは途中はしょりますが、こういう実務的な領域でいうならば、行動、アクションですね。行動を適正化するということにかかっているわけです。それで、その行動を適正化するための思考モデルというのを考えて、その両者をつなぐ導き手にしていくということになろうかと思います。

そのときに、要するに実務的な学問、ミッション型の学問と申しましたけれども、実務的な学問の新たな領域をつくっていくという、これが第一の話になるだろうと思うんですね。こういうのは一気にはできないわけで、関連している領域から考えると、例えば畑村先生の失敗学であるとか、それから先ほど来出てきたリスク学だとか、危機管理学であるとか、そういう、部分的にある程度ディシプリン化されてきている、整理されてきているような話も参考にしながら、対象にあわせた新しい土俵をしつらえて、それをミッション型、その目的から外れないようにして、しかし、基盤的な知識体系をつくり上げていくという、こういうアプローチをするべきなんだろう。これが第一なんですけれども。

2番目は、やはり人、組織が中心になっている話だと考えるならば、組織のダイナミックモデル、つまり行動を担保できるようなダイナミックモデルで考えなくてはいけない。決して組織を対象化して、スタティックにとらえた組織の構造を設計するというところでとどまってしまってはいけないわけですね。そこのところが非常に重要なポイントになるかと思うんです。

それで、今、行政組織全体の中で製品安全等の危機を管理する体制というのは個々に分断されているわけですよね。あるいは責任分担がある程度明確にされながらも分散していると考えます。恐らくそういうものを統合的に扱わないとうまく働くダイナミックモデルにはならないだろうと思うんですけれども、ご議論の中にもいろいろ出てきて、私も本当にそうだなと思いながらお聞きしていたのは、そのような、新たに社会の中に出てきている、発生している新たな問題は古い行政組織の仕組みではとても対応できないですね。今後もできない。それに伴って新しい行政体制のあり方というのがまさに模索されなくてはいけなくて、ご議論にあったように、NITEのような社会とのインタフェースで実務を担っているような者が中心プレーヤーになるような、そういう状況に多分なっていくのではないかと。

その周りには、ボランティアベースだとか、いろんな知識ネットワークであるとか、知識者ネットワークであるとか、そういうものが取り巻いてくるようなことではないかなと思うんですけれども、長期的に、したがって、まず第一には、知識ベースをどう整理するのかと。それから2番目には、組織体制のダイナミックモデルをどう構築するのか。スタティックじゃ決してないダイナミックなモデルをどう構築するのか。これが2番目だと。

さらには、そこで働くNITEの職員の方たちの、一番最初に出てまいりました意識であるとかモラルであるとか倫理であるとか、こういう基軸になる部分をどのようにきっちりとらえていくのかということが必要だろうし、恐らくそういうことの外側に組織文化とか通念とか、そういう種類の話も多分あるんでしょうね。ですから、NITEとして、やはりNITEらしい組織文化をつくり、それから外れるということが個々には起こりにくいような、そういう意識の面での大きな枠組みというのが、固い枠組みというのができ上がっていくということが望ましいかなと思います。

こういう幾つかのレベルの階層でNITEらしいミッションをうまく展開できるような仕組みというのを今後模索するという中で新たに業務を深めていくという、こういう取り組みをそれぞれの部署でやっていただければと思うんですが、私は第1期のときに、そんな短期的にうまくいくとは思わないから、まあとにかく1期かけてやりましょうよということを最初に申し上げたつもりなんですが、今、第2期の最初の年に当たってお話ししたことも、ようやくこういう議論ができるところまでNITEは来たんだと。ここから先はやっぱり道は長いわけです。それで、個別の業務をやりながら、5年、10年と職員の方が自分の中でそういう思いを発酵させて取り組まれる中で、知的にも深まり、そして組織としても強固な組織文化ができ上がってくると、こういうことではないかと思っておりますので、どうか今後ともよろしくお願いいたします。

きょうは全体としてはそんなことで、私の方から、評価というよりも要望のような形になってしまいましたけれども、次回までの間に、我々としてまだ認識の足りないようなこともあるかと思いますので、もし必要ならば、現場の方と評価委員の先生方、ディスカッションするような機会も個別にはおもちいただいて、適切な判断に到達できるようにしていただければと思います。私自身もそうしたいと思いますが。

それでは、今後の予定について、最後に高橋さんの方から。

高橋補佐

事務局から、平成18年度の実績評価についての今後の事務的なスケジュールについてご説明申し上げます。

昨年と同様の手順で進めることを考えております。具体的には、本日お配りしております資料5の2.「部会開催までの作業スケジュール」で載せておりますけれども、5月初旬に平成18年度のNITE業務実績表の確定版ができ上がりまして、財務関係はその後になりますけれども、これを各委員に送付いたします。あわせて、各委員の皆様には別途個別説明を実施してまいる所存でございます。

これを受けまして、5月末にその実績評価及びコメント欄についてご記入いただきまして、事務局にメール等で返送いただくこととしております。6月の初旬に財務関係資料ができ上がりますので、これを委員の皆様方に送付させていただきます。1週間程度かけまして、各委員の皆様方から財務関係の評価結果及び総合評価の結果を事務局にメール等で返送いただくというようなスケジュールを考えております。

それから次に、各委員の皆様方には、一応専門分野としまして、重点的に評価いただく分野として割り当てがございまして、冨田委員及び西山委員にはバイオテクノロジー分野、それから篠原委員には化学物質管理分野、それから前原委員には適合性分野、本日ご欠席であります宮村委員には生活安全分野、それから藤本委員には全般ということで重点的に評価いただく分野として考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

平澤部会長

5月初旬に確定版をいただいて、ただし、財務関係はまだですね。5月初旬、連休前後にいただいて、それで6月初旬に財務関係のをいただいて、それでその1週間後ぐらいに最終的な評価結果をお送りいただくと。こういうようなことかと思いますが、ご予定からしていかがでしょうか。ぜひそういう点でよろしくお願いします。

なお、そこまでの間、5月の初旬、その確定版が届くまでの間でも構いませんので、もし情報等、またさらに取得したいという先生方はそのように行動していただければと思います。この点に関しては、じゃ分担も含めてよろしいでしょうか。

(委員一同「異議なし」の声)

それでは、最後に「その他」の議題ということで。

高橋補佐

事務局から3点ほどございます。

1つ目は、平成19年度交付金に関する政府予算の状況についての報告でございます。お手元の資料4にその概要を示しております。平成19年度の運営費交付金につきましては、75億8,800万円の政府予算となっております。前年度比では3,800万円の減額ですが、参考として書いてありますように、中期計画による運営費交付金の算定ルールによりますと、一般管理費効率化係数、前年度比3%の削減、業務経費効率化係数、前年度比1%の効率化が課せられておりまして、これを適用して算定しますと、平成19年度の予算のベースは約1億円減の75億1,800万円ということになります。予算要求当時におきましては製品事故対策が喫緊の課題となっていたことから、政策係数の対象事業としまして、製品安全対策の強化を掲げ、要求してまいりました。その結果、ベースとの比較では約7,000万ほどの増額が認められた内容となっております。単純に継続事業のみである場合には1億円減を免れなかったところでございますが、結果的には、3,800万円の減で済んだというような状況でございます。

続きまして、もう一つの施設整備費補助金ですが、政府予算案では1億 200万円となっております。前年度比-1,800万円となっておりますが、要求どおりの予算が認められた結果となっております。本予算を用いましてサーバー室等の整備を行い、セキュリティの確保等を推進してまいる所存でございます。

連絡事項の2つ目でございますが、今後の部会開催スケジュールでございます。先ほどごらんいただきました資料5にありますように、第19回NITE部会につきましては、平成19年6月中旬を予定しております。予定議題としましては、平成18年度の業務の実績評価を中心に審議をお願いしたいと考えております。

3つ目でございますが、本日お手元に参考資料2、3と添付しておりますが、評価基準について、前回部会の書面審議で承認いただきまして、その確定版ということで配布させていただいております。今後の評価の基準として使っていただければと思います。

以上でございます。

平澤部会長

何かご質問ありますか。

藤本委員

予算が若干減らないで済んだという説明ですけれども、大分仕事もふえてますから、補正予算か何かでしかるべく措置を講じていただければと思いますけれども、ぜひご検討ください。

平澤部会長

これは吉田さんに頑張っていただかないと。よろしくお願いします。

御園生理事長

頑張っていただいたわけですけれども。

平澤部会長

ほかに何かありますでしょうか。NITEの側からでも。

御園生理事長

じゃ一言だけお礼を申し上げたいと思います。もう時間も押しております。

本当にきょうは貴重なご意見、適切なご議論をいただきまして、大変ありがとうございました。一つ一つ思い当たるところもありまして、やっているけれどもまだうまくいってないものとか、わかっているけどまだビジョンが描き切れていないものとか、いろいろありますが、早急に、きょういただいたご意見を整理して、対応策をなるべく早い時期にご提示できるように、あるいは我々がそのことを共通に認識できるように努力したいと思っております。そういうことで、きょうはどうもありがとうございました。

平澤部会長

それでは、これで終了いたします。どうも長時間ありがとうございました。

―― 了 ――

 
 

最終更新日:2007年5月2日
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