経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第14回) 議事録

平成19年2月26日(月)

田中部会長

それでは、定刻になりましたので、若干名の方、追って来られるかと思いますけれども、ただいまから総合資源エネルギー調査会電気事業分科会第14回原子力部会を開催させていただきます。

ご多忙のところご出席いただきましてまことにありがとうございます。約2時間の時間をいただいてございますが、できるだけ効率的に審議を進めたいと思いますので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

まずは、昨年8月の部会開催後の人事異動等により、今回から新たに委員にご就任いただきました方々をご紹介させていただきたいと思いますので、事務局からお願いいたします。

柳瀬原子力政策課長

それでは、お座りいただいている順に従ってご紹介させていただきます。岡﨑俊雄様、独立行政法人日本原子力研究開発機構理事長様でございます。

岡﨑委員

岡﨑でございますよろしくお願いします。

柳瀬原子力政策課長

古谷堯彦様、全国地方新聞社連合会会長、大分合同新聞社常務取締役東京支社長様でございます。

古谷委員

古谷でございます。よろしくお願いします。

柳瀬原子力政策課長

森本浩志様、関西電力株式会社取締役副社長様でございます。

森本委員

森本でございます。よろしくお願いします。

柳瀬原子力政策課長

前任であられます伊藤委員、杉江委員、殿塚委員はご退任されております。以上でございます。

田中部会長

ありがとうございました。

では、次に事務局から配付資料の確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

柳瀬原子力政策課長

本日は、議事次第、座席表、出席者名簿、資料1、資料2-1から8、資料3の合計13点の資料をお配りしております。以上でございます。過不足等はございませんでしょうか。

田中部会長

ありがとうございました。

ところで、議題に入る前に最近報道されております原子力発電所等におけるデータ改ざん等の問題について、まず、電気事業者からご説明をお願いできたらと思います。よろしくお願いします。

築舘委員

築舘でございます。会議の冒頭に発言をお許しいただきましてまことにありがとうございます。

昨年の秋以降、東京電力をはじめ、複数の電力会社で、発電設備に関しまして、法令違反やデータ改ざんがあったことが明らかになってきております。これらは、水力、火力、原子力発電所の過去の業務を再点検する中で摘出されてきたものであります。立地地域の皆様をはじめ、広く社会の皆様にご心配、ご迷惑をおかけいたしまして、電力会社に対する社会的信頼を大きく損なう結果となったことに心より深くお詫び申し上げます。電力各社は、3月末までに現在の調査、業務再点検の結果を取りまとめまして、報告、公表する予定にいたしております。

次に、東京電力の発電所にかかわる法定検査に関する不正とデータ改ざんについて申し上げます。当社は、4年半前の平成14年8月に原子力発電所に関する不正を公表いたしました。これにより当社は社会的信頼を失墜させ、経営的にも大きなダメージを受けることとなりました。その後、「しない風土と、させない仕組み」の構築を目指しまして再発防止策を策定し、職場への定着化に努めてきたところでございます。そうした中、昨年秋以降、他電力会社の事例を踏まえ、水力、火力、原子力をはじめ、すべての発電所業務につきまして、過去にさかのぼった再点検を実施してまいりました。その結果、残念ながら、水力発電所のダムや水利に関するデータ、あるいは原子力発電所、火力発電所の温排水データなどに過去の不正を確認するに至りました。そして、引き続き、水力、火力、原子力発電所の過去の不正や不適切事例を洗い出すべく、現在まで徹底的な調査を行ってきているところでございます。

1月31日には、調査の途中段階ではありましたが、定期検査を偽装して受検したことなど、法定検査に関して不正があった事案について報告、公表をさせていただきました。あわせて、法定検査にはかかわらないものの、ヨウ素や希ガスの放射能濃度に関するデータや記録が改ざんされていた原子力の事案も報告、公表いたしました。その結果、主として、なぜ不正を行ったのか、なぜ4年半前の平成14年に摘出されなかったのか。そして、この4年半の間に進めてきた再発防止対策は有効だったのかという点につきまして、社会の皆様から厳しく解明を求められていると認識いたしております。

それらにつきましては、現在、まだ調査継続中でございまして、その取りまとめ結果は3月1日、さらには3月末までに報告、公表する予定といたしております。詳細はその際にご説明させていただきたいと思いますが、なぜ4年半前に過去のすべての不正をえぐり出すことができなかったのかということに関しまして、次のような事情もあったのではないかと受けとめているところでございます。

実は、4年半前の当社の原子力不祥事は、例えば、原子炉内構造物であるシュラウドや配管のひびに関する当社保有の報告書と工事施工会社保有の報告書の内容に不整合があるというところから始まった経緯がございます。さらに、原子炉格納容器の漏洩率測定の際の不正案件もございました。そのような事情から、調査範囲は原子炉本体を中心に設定し、調査方法といたしましては、当社と工事施工会社の報告書を突き合わせ、整合性を確認するという方法が中心となりました。

一方、前回の調査では、今回のような事案を摘出できなかったという教訓、反省から、今回は記録、書類を中心とした点検の限界を踏まえまして、体系的、広範囲な聞き取りを中心に調査を実施いたしております。まず、アンケート調査によりまして調査ポイントを整理し、それに基づいた幅広いヒアリング調査を実施いたしました。さらに、約1,900名の社員によるグループディスカッションを通じた過去の不正の洗い出しを行いました。結果として、4年半前には把握できなかった不正案件が摘出されたことはまことに残念でございまして、深く反省しているところでございます。

改めて申すまでもないことではありますが、当社といたしましては、法令違反、データ改ざんは断じてあるまじきことであり、社会的信頼を根底から崩し、企業としての存立基盤を危うくするものと認識いたしております。したがいまして、このたび、過去のこととはいえ、不正事案が明らかにになったことについては、まさに痛恨の極みでございます。今は、過去のうみを出し切ることが当社としてとるべき唯一の道であると固く思い定めております。不正事案が明らかになることは、原子力を支えていただき、理解を賜っている方々からの信頼を裏切ることになり、まことにつらいものがありますし、また、みずからの古傷をえぐり出す傷みもありますが、しかし、うみを出し切ることをやり抜くことが、長い目で見て、原子力発電をご理解を深め、また、当社への社会的信頼回復につながることになると覚悟を決めているところでございます。何とぞ、今後とも厳しいご叱声をお願い申し上げる次第でございます。

私自身といたしましては、真剣な検討を重ねた成果といたしまして、「原子力立国計画」をまとめられた原子力部会の委員の方々や事務局の皆様に顔向けできない、会わせる顔がないという心境でございます。過去のうみを出し切るプロセスを渾身の力でやり抜く覚悟でありますので、どうか、厳しく見守っていただければと思う次第でございます。お許しをいただいた発言の最後に、改めて皆様にお詫びを申し上げます。ありがとうございました。

田中部会長

はい。ただいまのご説明につきまして、委員の皆さんから、ご質問、ご意見等がございましたらお受けしたいと思います。まず、河野委員、お願いします。

河野委員

今日は膨大な議事が予定されていますので、今の築舘先生の発言に若干コメントを加えて、私の考え方を述べたいと思います。私の基本的な姿勢は、東電の徹底した情報公開と、法令違反への今の築舘さんの発言にもあったけれども、陳謝を踏まえた上で、この問題になるべき短時間でけりをつける。その上で、「原子力立国計画」に我々が書いた、今日の議題にもなっているようなことについて前向きに話を進めていくということに重点を置くべきだと思うんです。

そこで、「この問題にけりをつける」と、えらく簡単な言葉で言ったのですけれども、そのためにはどうしても2002年夏から秋にかけての、いわゆる東電問題、我々は通常、これは「東電問題」と言うんです。その呼び方に問題の特異性があるわけですが、それについての評価を私なりに総括しておかなければいけないと思っております。

第1に、あのときは、今ちょっと築舘さんが言われたけれども、外部からの告発によって東電が法令違反なり、事実の改悪なり何なりをやったということが表に出た。そのことによって、一般の世論というのは、これは非常に複合的な世論で、いろいろな意味を含めているので、あえてここで余り細かく分析しませんけれども、とにかく、一気に1週間ぐらいで沸騰点に達するのです。何が起こったかといったら、それだけのことで、東電トップはみんな引責辞職をしたわけです。その後、2週間ぐらいしてからか、福島原発でもうちょっと重要な法令違反事件が起こった。これも外部から告発されるんです。それで一気に東電に対する不信感が広がって、全面的な検査なり何なりが展開して、ある時期、非常に短期間ではありましたけれども、東電17基が全部横になって寝るという事態が起こったことがあります。

私は、当時、議論が紛糾し、議論が激昂したことはよくわかるのですけれども、しかし、あのことをこれから二度と起こしてはならないと思っているんです。これは異論があるかもしれませから、異論があったらどうぞ言ってください。あれは明らかに過剰反応であったと思うんです。何が言いたいかというと、明らかに法令違反であることは間違いない、自分で認めているわけだから。内容によってその罪の軽重はいろいろあるんです。しかし、重い罪も随分入っていた。東電の話の中には今回も入っている。しかし、その内容が、安全リスクというものに対してどの程度のものだったか。どうでもいいような話も随分入っているし、かなり危ないなという話も入っている。しかし、ひっくるめて、法令違反は確かにあるけれども、その安全リスクというものに対してどの程度の影響があったかということに対する議論は当時ほとんど行われていなかったのです。当時の新聞を見てください。それで、一気に、批判で世論が巻き起こることがあったのです。だから、私の感じでは、あれは重大ではあるけれども、その結果起こった事態というのは、原子力政策が揺らぎ、プルサーマルが白紙還元されたので、これはどうにも見合わない、いろいろな意味で、過剰なリアクションがあのときに起こったと今でも思っています。これだけは繰り返してはならないと思っています。

そこで、私は未来指向で物を考えたいと冒頭に申し上げたので、そのことについて申し上げるのだけれども、第一に、保安院は、今出たデータとよく突き合わせて、前回のことも全部考えて、早急に法律に基づいて立派な厳しい行政指導をやるべきです。これをやらないと保安院の存在を問われるから、これをやるのは当たり前です。あわせて、とにかく、当事者責任が一番でかいのです、この話は、東電の責任が一番でかいわけだから、種をまいたのは東電なのだから。東電自身が、今ちょっと決意表明とかがありましたし、間違いなくおやりになると思うけれども、自信を持って、これからこういう形で、今まで以上にこういうあれをやるからどうぞ信用してください、もうこういうことを二度と我々は起こさないから、こんな目先の細かいそろばん勘定でやって、後でばれたときの巨大な損失を考えたら、こんなことができるわけはないんですよ、東電の職員4万人いるけれども。それをしっかりと自覚してもらって、それでトップから下まで全部そうなれば、かなり我々が信用できるようなことが出てくるかもしれない。それを3月1日に出されるというから、それを待つしかないです。今日は、築舘さんはもっぱら陳謝の言葉を述べられて、それは当然のことながら、当然あるべき姿だと思うけれども、これから我々が期待するのは、それに基づいて、どういうふうな行動計画で、これから起こらないよという保証を、我々が信用できるような形で出してくれるかどうかということにかかっていると思うんです。これには余り時間をかけないでやってもらいたいのです。

最後に、私が強調したいと思っているのは、この部会で冒頭、築舘委員もおっしゃったけれども、田中部会長のもとで原子力政策が混迷を極めた時期があったんですよ、この事件も含めて。それを3年がかりで、原子力委員会でまず議論し、原子力部会がそれを引き受けて具体論を展開することで、3年がかりでようやく「原子力立国計画」というのを、去年の夏ごろ、我々はつくり上げたわけです。あのときに、一番最初の重要なせりふは、いろいろなことが起こるかもしれないけれども、これから基本政策はブレてはならないということを我々は書いたのです。あの表現は実に珍しい表現です。それを踏まえて言えば、前回の反省の上に立って、この問題を処理し、先々展望を開くことになれば、我々は、ブレない政策をこれからも維持する、この件にかかわらず、この件を克服しながら。

この計画の中に、先週、送ってもらったので、これを読んでみると、3項目目か2項目目に、既存の原子力発電所の稼働率を上げるということが書いてある。これは不動の目標です。特に最近、この席では余り議論されたことはないけれども、秋元さんなんかは一緒だけど、別の席で、温暖化対策をどう具体化するかということで大議論が始まっています。環境の人たちは原子力が嫌いな人が多いけれども、共通なことは、結局、決め手は、原子力発電の稼働率を上げるということが大きな決め手なんです、細かいことはたくさんあるけれども。これがみんな共通の理解になっているわけです。

そういうことを目の前にしているわけなので、今度のことがあるけれども、繰り返し、繰り返し申し上げるけれども、けりを早くつけて、黒白はっきりさせて、責任もはっきりさせて、個々の対策をはっきりさせて、その上で、ここに書いてあるように、2008年には検査計画を変えると書いてあるんだ、ここに、我々は去年そう書いたんだから。2008年ですよ、あと1年ちょっとしかない。こういうことが後退したり、緩んだりすることがないように、ぜひとも田中部会長の指導のもとに事態を進めてもらいたい。一方的に東電を非難することは必要だし、このことを幾ら言っても構わないと思うけれども、同時に、それを乗り越えていくような方策をみんなで考えるべきではないかというのが私の発言の趣旨です。ありがとうございました。

田中部会長

ありがとうございました。続きまして、木元委員、お願いします。

木元委員

ありがとうございます。河野委員がおっしゃったこと、ほとんど私も同感の部分があるので、若干、補足する意味で申し上げさせていただきたいと思います。

2002年の不祥事があった以降、国民は学習していると私は思います。1つの例を申し上げますと、例えば、CS朝日ニュースターというのがありまして、そこで、私も時々出させていただきますが、パックインジャーナルという1週間の出来事を振り返るトークショーがあります。その中で、朝日新聞の『アエラ』でライターをやっていらしたし、論説委員もやっていらした田岡俊次さんがコメントなさいました。朝日新聞ですから新聞では厳しいことを今回も書かれました。ですけれども、田岡さんがおっしゃったことはどういうことかというと、「よく、東電はここまで出したね、これはほめるべきことじゃないか」と、こうおっしゃったので、私は、1つ、ああ、ワンステップ上に上がったなと、民衆はそんなにばかじゃないなと確信を持ったわけです。ですから、今回、私もここでコメントをさせていただきたいのは、東電は徹底的に、正直に、あからさまに過去のことを振り返って出したということ、小さなことも含めて、ちょっと厳しい、おかしな面もありましたけれども、そういうことを洗いざらい出すという姿勢を評価したいと思います。

今度、3月1日、また発表なさると思いますが、そのときにも出てくるし、またそれ以降も出てくる事例がたくさんあると思います。それもやはり正直に、自分たちがこれだけ集めたのだ、これだけ皆さん方にうそをついていた部分があったのだ、隠していた部分があったのだ、それは、意図的であろうとなかろうと、出すことは出すと、この姿勢は崩さないでいただきたい。それが信頼の第一のステップにつながるだろうという気がします。

それから、先ほど築舘さんが、「しない風土、させない仕組み」ということをおっしゃって、それを社内でも多くの方を動員して研修されていると思うんですけれども、やはり、外側から見ていると、当事者意識というか、こういう原子力にかかわる仕事をしていらっしゃる方、当事者として能力があるのか、あるいは、当事者意識というものを自覚していらっしゃるのか、そのことを私たちはやはり見詰めて、問い続けていかなければいけないかなという気がします。つまり、当事者として、自分が今、こういうことを会社への忠誠心を持ってやっているこの行為が果たして社会にどういう影響を与えるのかと考える能力です。当事者意識を持っていれば、これがどういう結果になるかということは想定できると思う。そのときに自分は、したほうがいい、しないほうがいいという決断は必然的に出ると思います。そのことを、やはり、きれいな、「しない風土、させない仕組み」という言葉ではなくて、あんたは何をしている人なのか、あなたの行為はどういう結果をもたらすかということを常に考えてほしい。このことをぜひ、強調して申し上げたいと思います。

それから、東電のように大きな会社になってしまいますと、トップと現場で働く人との意識の持ち方が違ってきているかもしれない。だから、現場の声は聞いてほしいし、私もじかに現場の方々の声を聞かせていただくと、本当に自分はこれがいいんだ、忠誠心を持ってやっているのだという気持ちもあるし、それが間違っているということがある。

もう1つは、河野さんもおっしゃったけれども、例えば、規定基準があった場合に、それをきちんと守ることがいかに労力のむだと思っている人が多いかということもあります。ビス1本かえる、A、B、C、Dというナンバーのビスが、計画書でもそれを使用しろという仕様書までできている。だけど、これにないものがあった場合に、他社でA、B、C、Dと同じような、E、F、G、Hくらいの番号があったとすると、それに置きかえてしまうことがある。これは現場のプロフェッショナルの意識だと思うんですけれども。それをもし、ちゃんと規定どおりにお届けを出す場合には、労力を使い、下手すれば、膨大な、5cmぐらいの書類もつくらなければならない。そういうことのためにロスを持ちたくない、やはり、順調に稼働させたいという思いで、どうしてもそこを「面倒くさい」という言葉でスキップしてしまったことがある。そうすると、どっちが悪いのだろうか。順調に運転させるという意識を尊重したほうがいいのか、書類をたくさんつくってしまったほうがいいのか、その辺のところで見直しという言葉が出てくると思うので、そこもきちんと見極めていきたいという気がします。

これぐらいでやめておきますけれども、私は今後もこういう発表はしていただきたいと思うし、また、東電に限らず出ると思いますが、それは国民は学習しておりますので、堂々と出していただきたい。以上です。ありがとうございました。

田中部会長

ありがとうございました。ほかにはよろしいでしょうか。では、時間もございますので、電気事業者におかれましては、ただいまの委員のご意見等も踏まえて安全の確保に万全を期していただきたいと思います。よろしくお願いします。

それでは、本日の本題のほうに入ってまいりたいと思います。本日はポスト「原子力立国計画」の行動計画についてご議論いただきたいと思います。昨年8月に原子力部会報告書「原子力立国計画」を取りまとめて以来、本報告書に沿って数々の取り組みがなされてきておりますので、事務局から、これまでのアクションと今後の計画案につきましてご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

柳瀬原子力政策課長

それでは、お手元の資料の2-1、横書きのパワーポイントの資料で、「ポスト『原子力立国計画』の行動計画」という表紙になっているものをあけていただきたいと思います。

ご存じのように、原子力政策大綱を原子力委員会のほうで策定されて、それを尊重するという閣議決定をしたのが2005年10月でございました。そこで大きな目標が設定されて、それの具体策ということで、この原子力部会で1年ほど議論をしていただいて、「原子力立国計画」の取りまとめが、ちょうど去年の8月、やや半年ほど前でございまして、そのときに、これに基づいて進んだアクションを時々定期的に点検しようということになったわけでございます。

1枚めくっていただきまして、ポスト「原子力立国計画」をまとめていただいた後の、報告書をいただいた我々の進め方でございますけれども、「アクション・オリエンテッドの徹底」と書いてございます。この「原子力立国計画」をつくる過程で、この原子力政策について、今まで関係者の間の気持ちも方向もバラバラであったのが随分1つにまとまり強い流れになったと思いますが、それをさらに維持をし、強化していくことが大事だと思っておりまして、こういった関係者、あるいは関係省庁が一体となって、次から次へと具体的なアクションにつなげる。政府のほうは、とにかくやれることはきっちり全部やるということが基本ではないかと思ってやっているわけでございます。

その下のところに、「原子力立国計画」の全体の位置づけが、今どう動いてきているかということでございますが、まず、「原子力立国計画」をこの部会でまとめた後、電気事業分科会本体にご報告するとともに、原子力委員会のほうにご報告し、ご了承をいただいたわけでございます。さらに、3月を予定してございますけれども、エネルギー基本法に基づきますエネルギー基本計画を政府は作成することになってございまして、それを3年に一度改定するという法律上の義務がございます。この改定のエネルギー基本計画を3月に閣議決定する予定でございますが、その中の主要項目として、この「原子力立国計画」を、ほぼそのまま形で入れて閣議決定をするということを目指しているわけでございます。

1枚めくっていただきまして、「原子力立国計画」、主として政策の柱を10本、立てたわけでございますが、その1本目、原子力発電の新・増設が電力自由化時代にもちゃんとできるようにという環境整備でございます。その下の4ページのところでございますが、その中の柱としまして、原子力発電特有な投資リスクの低減・分散というのがございました。この黄色のところに「原子力立国計画」を踏まえたアクションというのが幾つか並んでございますけれども、この中の2つ目の矢印にございますように、電気事業分科会に小委員会を設置いたしまして、これまで2つの制度的手当を取りまとめて現在、パブリック・コメントに掛けてございます。

その1つ目は、原子力発電を投資するときの最大のリスクと経営者の方がご認識されていますバックエンドのリスク、第二再処理工場に関連する費用が幾らかかるかわからない。将来、突然、それの費用が立てると言われても、とても立てられるような金額にならないリスクを回避するということで、この関連費用を今から暫定的に積み立てできるように会計制度を改正する。

2つ目の柱が、原子力発電所、1基三、四千億円かかるのが、リプレースが重なってくることになると大変な財務負担になるということで、初期投資負担の平準化ということで、原子力発電所を新規に建設する場合に、運転開始する前から事前に積み立てできるような会計制度に改善をするということで、細かな、具体的な会計制度についてこの小委員会で取りまとめていただきまして、このパブリック・コメントを踏まえて、今後の計画でございますけれども、この企業会計上の措置を2006年度決算から導入できますように、この3月までの間に関係の法制度の整備を行うことを考えてございます。さらに、廃炉の引当金制度が十分かどうかという過不足の検証と、それへの対応というのがこの小委員会の次の課題と認識してございまして、これも3月までかけて、この小委員会でこの廃炉引当金の過不足とそれへの手当について議論をしていこうというふうに考えてございます。

1枚めくっていただきまして、原子力発電をやるに当たって、その原子力発電のメリットが目に見えるようにということでございます。これにつきましては、原子力発電の大きなメリット、COを出さないというメリットがございます。そこで、今まで京都議定書の目標達成計画の中では、電気事業者全体で排出係数の2割改善というのがございましたけれども、事業者ごとのものは特にございませんでした。そこで、事業者ごとにそのメリットが見えるようにということで、今年の4月から地球温暖化法の改正によりまして、大口の事業者の方はCOの排出量の報告を義務づけられるわけでございます。そのときに自分が使っている電気のCOの排出係数をどう計算するかということで、今、一律の基準値が公表されてございますが、これだとCOをいっぱい出す人も出さない人も同じような数字になってしまうので、2つ目の矢印ですが、事業者ごとの排出係数がこの基準値を下回る場合には、その事業者ごとに算定をして発表できるようにしようということで、この算出方法の統一ルールをつくる必要があるものですから、これにつきまして、経産省、環境省、合同の検討会で案を作成したわけでございます。

今、このパブリック・コメント中でございますが、その結果を踏まえまして、3月後半には、この事業者ごとの排出係数の統一的な算出方法を確定するとともに、それに基づいて計算した事業者ごとのCOの排出係数が決まるようにということでございます。

2つ目の政策の柱が、安全確保を大前提とした既設炉の適切な活用ということでございます。1枚めくっていただきまして、昨年の9月に、この保安部会のほうで「検査の在り方に関する検討会」の報告書を取りまとめるということをされたわけでございます。このポイントは、その下に書いてありますけれども、1つは、一律の検査からプラントごとの特性に応じたきめ細かい検査に移行していくというのが1つ。2つ目に、現在、停止中に集中している検査に加えて、運転中の検査を充実強化していくということ。さらに、3点目に、根本原因分析のためのガイドラインを整備すること。こういったことによりまして、安全を大前提として既存の原子力発電所はきちっと活用できるようにということでございまして、下のページで、これを具体化するということで、さまざまな検討会が現在、原子力保安院を事務局といたしまして進んでいるわけでございます。

今後の計画というところで、この新検査制度を2008年度の導入を目指しまして、いろいろな検討会、あるいは、事業者のほうでのデータの蓄積を今やっていただいているところでございまして、目標としては、この時期に関連省令の改正を行うということを目標にしているわけでございます。

1枚めくっていただきまして、3点目の核燃料サイクルの着実な推進ということでございます。下の10ページでございますけれども、まず第一に、六ヶ所の再処理工場の本格操業開始に向けた取り組みということでございます。これまで、去年の3月に最終試験、アクティブ試験の開始をいたしまして、去年の11月にウラン・プルトニウムの混合酸化物の生産を開始しているわけでございます。また、この日本原燃のニーズを受けまして、原子力機構さんにおいては技術支援協定を結んで、この六ヶ所再処理工場のバックアップの支援をやっていただいているわけでございます。国のほうでも、この六ヶ所の再処理工場の本格稼働に向けまして、国の顔の見えるきめ細かい取り組みを実施しているわけでございます。このアクティブ試験開始に際しましては、国も何十回も現地に行きまして、最後、当時の経済産業大臣が青森県を訪問し、さらに、昨日、甘利大臣も青森県を訪問し、国の原子力政策の考え方を表明したところでございます。今後、日本原燃は、2007年中に本格操業に向けて、安全かつ着実に事業の進展を図るという方向で今、一生懸命にやっているわけでございます。

1枚めくっていただきまして、「プルサーマルの実施に向けた取り組み」ということで、去年3月の九電の原子力発電所の地元了解、去年10月の四国の伊方発電所での地元の事前了解、さらには中国電力の設置変更許可申請、電発、中部の浜岡というところが幾つもいろいろプルサーマルの実現に向けて動いているわけでございまして、これについても、国のほうでも、国の顔の見えるきめ細かい理解促進活動を実施しているところでございます。

それから、その下、12ページでございますけれども、この核燃料サイクルといたしまして、さらにウラン濃縮、これは日本原燃におきまして、今、新型遠心分離機の技術開発をやってございますが、それに対して国も技術開発の補助を行い、2007年度には多数の遠心分離機を組み合わせたカスケード試験を開始して、2010年度には新型遠心分離機に徐々に置きかえていって、最終的には、少なくとも年間1,500tの量産体制に持っていきたいと考えてございます。軽水炉のMOX燃料加工、これも日本原燃の六ヶ所におきまして、技術的確証試験をやってございます。これに対して政府も補助し、最終的には2012年に操業を開始するように努力をしているわけでございます。

それから、1枚めくっていただきまして、ウラン資源の資源確保戦略でございます。世の中、石油、天然ガスの資源獲得競争がマスコミなどでも話題になってございますけれども、おそらくそれ以上に、世界的な原子力回帰の動きに伴いましてウランの需給逼迫がかなり激しくなってきてございまして、おそらく、ウランは石油、天然ガス以上に激しい資源獲得競争が行われているわけでございます。このグラフを見ていただきますと、スリーマイル事故以降、長いこと原子力が低迷した時期に、10年以上、ポンド7ドルぐらいという、ウランも大変安い、ジャブジャブの状態があったわけですけれども、今や隔世の感がありまして、直近だと80ドルを超えるということで、価格は12倍、この値段が問題というよりも、そこまで需給逼迫の懸念が出ているということです。その下のページでございますけれども、ウランの資源獲得のための戦略的な資源外交が必要だということでございます。

その最も重要なところがカザフスタンだと考えてございます。この円グラフを見ていただきますと、世界のウラン保存量、カザフスタンはオーストラリアに次いで世界第二位でございますけれども、その右側を見ていただきますと、現在、日本のウランの輸入先は、カザフスタン、わずか1%と、ほとんど入れていないということで、このカザフスタンのウランをどれだけ日本が安定的に調達できるかというのが、この資源獲得の最大のかぎだというふうに考えているわけでございます。

1枚めくっていただきまして、これにつきまして、左の上から見ていっていただきますと、今、中国も韓国もフランスも日本も、みんな、カザフスタンのウラン鉱山の権益を求めているわけですけれども、カザフスタンの戦略ははっきりしていまして、ウラン鉱山だけではなくて、原子力産業、技術の高度化など、広範な分野の戦略的協力関係を構築してくれる国の権益を渡すと、こういうふうに言っているわけでございまして、それを受けまして、日本でも押しの外交ということで、初めて去年8月に、当時の小泉総理がカザフスタンを訪問していただきまして、首脳会談で以下の広範な原子力協力に合意をしていただいたわけでございます。それはウランの開発にとどまりませんで、ウラン製品、あるいは燃料加工、軽水炉の導入、向こうの核不拡散の軽量管理体制の整備支援、さらに、環境が整った場合には、二国間原子力協定締結への交渉開始といったようなかなり広範な協力に合意をいたしまして、その後、この大きなフレームワークの中で、個別の民間事業者の方などが多数の個別協力案件の交渉を今やっていただいているわけでございます。

この右側を見ていただきまして、今後の方針といたしまして、こうやって、せっかく動いている個別の協力案件をバラバラ、個別にやるのではなくて、せっかくですので、日-カザフの原子力協力の包括的なパッケージとしてまとめていってはどうかということでございます。そこで、具体的なアクションといたしまして、ハイレベルの官民の合同ミッション、例えば、経済産業大臣と主要な電力会社、商社、メーカー、燃料加工事業者、それに政府系機関のトップの方がそろってカザフに行ってみたらどうかと。その際、両国政府の包括的合意文書のもとで個別の案件をまとめて契約をする、合弁などの契約をしてはどうかと。これは、日本は余りやりませんが、アメリカ、中国、フランスなどはしょっちゅう、大統領や商務長官が行くときには、そういう政府高官の臨席のもとで民間の個別契約をダーッとまとめて署名するということによって契約の安定を増すということを目指しているわけでございまして、こういった案件例にありますウラン権益の取得、スクラップウランの再精製、ペレットの加工事業、軽水炉導入のための人材育成、高速炉のための安全試験研究といったものが候補に挙がっているわけでございます。

こうした民間事業の取り組みをバックアップするためにも、政府のほうでも、この下の16ページですけれども、例えば、ウラン資源加工のための新たなリスクマネー供給の開始ということで、来年度予算で、石油天然ガス・金属鉱物資源機構による海外炭鉱事業への補助、あるいは、貿易保険などの料率を引き下げるといったような政策金融の強化をいろいろ打ち始めているわけでございます。

それから、ずっとページを2枚ほどめくっていただきまして、5本目の柱が「高速増殖炉サイクルの早期実用化」ということで、「原子力立国計画」のときには原型炉「もんじゅ」の早期再開、実証施設は2025年ごろに実現、2050年までには商業ベースの導入、六ヶ所再処理工場の終了時ごろに第二時再処理工場の操業開始といったような大きな方向を決めたわけでございます。これを実現するのは並大抵のことではできないわけでございまして、幾つか手を打ち始めてございます。

この下の20ページでございますけれども、まず、第1にやらねばならないことは関係者一体となった検討体制の構築というふうに思ったわけでございます。これは過去の新型転換炉の原型までつくって、結局、実証段階、実用段階につながっていかなかったという例が典型ですけれども、やはり、研究開発段階と実用段階を不連続な形で別々にやっていては結局、実用化にうまくつながらない。そういうことを繰り返さないための体制整備が必要だということで、アクションのところですけれども、昨年夏から開発を担当されている文部科学省、原子力研究開発機構、それに導入側であります経済産業省、電気事業者、それに実際に開発をやるメーカーと、この5者の幹部で五社協議会というところをつくりまして、今、開発段階でありますけれども、今から実用化を見据えて、その開発シナリオを一緒につくるということを始めたわけでございます。それを実務的に支えるために、この上記5者の実務クラスに学識経験者に入っていただきまして実証プロセス研究会というのもスタートしているわけでございます。

1枚めくっていただきまして、次の課題として、原子力に限りませんけれども、これまでの数々のナショナルプロジェクトがうまく立ち上がっていかなかった教訓を整理していきますと、やはり、開発メーカー側を護送船団方式と言いましょうか、複数のメーカーで責任を分担していく。結果として全体の責任をどのメーカーも負っていないということがいろいろ開発費を高くし、責任の所在を不明確にしてきたという失敗を繰り返さないということで、このアクションのところでございますけれども、FBRの、これは炉のほうですけれども、実証炉開発につきまして、従来の護送船団方式を脱却し、明確な責任体制のもとで開発をするという方針を、この五社協議会で決めたわけでございます。この資格の絵でございますけれども、具体的には、中核メーカー1社に責任と権限、及びエンジニアリング機能を集中すると。この中核メーカーが電力の出資を一部受けて、FBR開発会社を設立する。この新会社がFBRのエンジニアリングの一括実施とメーカーへの発注を行う。原子力機構が、このメーカー選定のための中核メーカー選定委員会を設置して、きちっとした公平な形で選定をするということにしたわけでございます。

具体的には、下にありますけれども、今月から原子力研究開発機構さんのほうで中核メーカーの公募を始められて、今後、この4月を目途に、この委員会で中核メーカー1社を選定するという予定でございます。

1枚めくっていただきまして、この高速増殖炉サイクルの実用化の研究開発の開始ということで文科省さんと私どものほうで共同プロジェクトのスタートをしたわけでございます。この原子力部会でも最大の紛糾した案件は、高速増殖炉サイクルといっても全然予算が足りないということでございました。そこで、来年度予算で、この高速増殖炉サイクル実用化研究開発というのを両省で立ち上げようということで、文部科学省さんのほうで約100億円、我々のほうで約30億円取らせていただいて、来年から本格的な予算でやっていこうということでございます。この具体的な進め方をするために、先ほどご紹介しました、この関係者が集まった研究会で今、詰めているところでございます。

1枚、ページをめくっていただきまして、25ページに、この研究会で、この3月で今、まとめようと思っている、まだ議論中でございますのでフィックスしてございませんけれども、こういう成果物を出したいというのをここで提示しているわけでございます。見ていただきますと、経済性が軽水炉を凌駕するようなものということで13項の革新技術開発というテーマが選定されているわけでございますが、それを2025年ごろに炉をつくるのに間に合うようにどういうスケジュールでやっていくかという絵でございます。全体のイメージを共有しているところでございますけれども、まず、全体の炉につきましての概念検討を始める。さらに、2010年ごろから、この概念設計に入り、2015年ごろから基本設計に入る。そのときに必要な、下のほうを見ていただきまして、革新技術開発のために機器開発試験、システム試験、部分構造試作、こういったものは2015年にかけてやっていこうじゃないかということは、ほぼ合意になっているわけでございます。

この3月に残された論点というのが幾つかここに書いてございます。順不同ですけれども、1つは全系統システム試験という、全体をつなげたようなナトリウム試験をやるかどうかということが1つ。もう1つは「論点3」と書いてございますけれども、機器や構造を実寸で試作をすることをやるべきかどうかということが論点3。順番は逆になりますけれども、「実証炉」と書いてございますが、名前は何と呼ぶか別にいたしまして、商業化する前に炉をつくるというときに、この実証炉、要は、その炉のサイズ、50万キロワットがいいのか、75万キロワットがいいのか、100万キロワットがいいのかという、そういった意味でのサイズと、この商業化するまでに1基の炉で行くのか、やや小さ目のものをつくって、その後、大き目にするというツーステップで行くのかと、こういったことについてはもうちょっと技術のめどが立ったところで判断すべきではないかということでございます。最後に論点4、日本でどこまでやって、海外とどう分担するのかというのが論点4で、これはちょっとこの4月以降にまた引き続き詰めていく論点と、こういう整理の仕方になろうかと思います。

その下の26ページでございますけれども、以上、私が申し上げた炉の話でございますけれども、今度は、炉だけつくっても意味がないので燃料サイクル、再処理と燃料加工の事業でございます。これにつきましては、原子力政策大綱で2010年ごろから、この六ヶ所工場に続く工場についての検討を行うことになってございますけれども、今、議論をしていただくための事前の整理もない状態だということで、2010年に間に合うように、それに検討していただくために必要な材料を関係者で整理しようということでございまして、1つ目の柱が、第二再処理工場の特徴は、軽水炉と高速炉が併存する、ある種、軽水炉サイクルから高速炉サイクルの移行期に位置するものですから、出てくる使用済燃料も、軽水炉のウラン燃料、それから、プルサーマルから出てきた軽水炉MOX燃料、それからFBRの燃料という使用済燃料が3種類あって、そこから出てくる回収物、回収したプルトニウム、回収したウラン、マイナーアクチニドをどう活用していくかというところ。それから、全体のプルトニウムバランスなどの核燃料のサイクル諸量がどうなるか、技術でどんな技術を採用していくのか、こういったことについてこの研究会で論じ、引き続きましてサイクルについても整理していきたいと思ってございます。

次、1枚めくっていただきまして、技術・産業・人材の厚みの確保が大事だという議論がございました。これを受けまして、下のページですけれども、この「原子力立国計画」の中で次世代軽水炉開発ということを始めようということで、今のABWR、APWRを開発して以来20年ぶりですけれども、ナショナルプロジェクトとして、電力業界、メーカー、国、有識者が一緒になって20年ぶりの次世代軽水炉開発のフィージビリティ・スタディの勉強を始めているわけでございます。

ここでのポイントは、2つ目の矢印にありますけれども、世界で通用する炉のコンセプトづくりということでございまして、今後の取り組みですが、2006年度に始めたものを、あと一、二年やろうと思ってございます。その先ですけれども、このフィージビリティ・スタディの結果、世界でこれなら通用する炉が、こういうコンセプトができるということと、もう1つは、それを開発するメーカー側の体制がきちっと整備されるということを踏まえまして、そういう条件がそろえば本格開発に着手をするという判断をすることになるわけでございます。

1枚めくっていただきまして、今度は産業の維持・強化でございます。世界市場で通用する規模と競争力を持った原子力産業の実現ということで、これは原子力政策大綱以来、一貫していますけれども、政策上の目標としては、我が国メーカーが世界市場で通用する規模と競争力を持つように体質を強化することということでございます。「原子力立国計画」をまとめた後に大変なスピードで国際的な再編が進んでいるわけでございます。東芝-ウィスチングハウス、日立-GE、三菱重工-アレバと、こういったような戦略的な提携が進んでいるわけでございまして、今後メーカーさんにおかれましては、きちっと内外のマーケティング戦略を描いて、率直な意思疎通を図っていただく。電気事業者としては、主要なユーザーの立場からきちっと期待を明確化していただく。国は、いろいろ次世代軽水炉開発、あるいは国際展開支援という施策を打つに当たっては、こういったメーカーが世界市場で通用するような規模と競争力のあるようなという観点をきちっと持つということでございます。

それから、3つ目に、現場の技能者、下請けの方たちのメンテナンスの技能者の育成、技能継承ということで、これも「原子力立国計画」で随分出たお話で、これは大事だということで、2006年度予算からメンテナンス現場の技能者の育成の支援事業を始めたところでございます。公募を募りまして、四角で囲ってありますが、3地域から手が上がったわけでございます。福井、福島・新潟、青森と、この3地域に対して、今、国のほうで支援をしているわけでございます。

1枚めくっていただきまして、大体3カ所、少しずつ違いますけれども、大体似ているので、この写真でご紹介しております。これは福井の例ですが、左側で施工管理に必要な資格取得に向けた座学研修というのを座学でやっていただいて、右上ですけれども、研修センターを活用して、実技の検証をしていただいて、最後に実際に発電所に入って現場の研修をOJTでやっていただくと、こういった組み合わせでやってございまして、今日までのところ、この3地域合同で延べ4,600人ほどの方に受講していただいおり、できれば3年計画で2万人程度の方に、こういった技能研修を受けていただきたいと思ってございます。

32ページでございます。この「原子力立国計画」の最後のほうで随分、山名委員ほかからご指摘のありました大学での原子力人材育成が大変弱っているということでございます。これも文科省さんと私どもの共同プロジェクトといったような形で来年度予算、両者合わせまして4億円程度の資金を用意いたしまして、2つ目の矢印ですが、この人材育成プログラムといったようなことを産業界のニーズと大学の実態を踏まえて検討しようということで、電力業界の方、原子力メーカーの方、大学院の方、あるいは文部科学省、我々、あるいは原子力保安院、こういったとこでどういった人材が必要かというニーズと、大学側の実態を踏まえて具体的な実施方針を検討してきたわけでございます。そういった中で、原子力の産業界からの講師の派遣とか、学生の方に原子力の魅力を体感していただくためのプログラム、あるいは、炉づくりの本体ではありませんけれども、材料の強度とか腐食とか溶接、こういった原子力の安全を支える基盤的な分野の強化、あるいは、1枚めくっていただきまして、学生みずからの計画に基づく研修活動、2は、原子力版センター・オブ・エクセレンスというような発想だと思いますけれども、施設の研究基盤の整備も含めました研究基盤そのものを強化する。あるいは、原子力の教授の人材充実プログラム、あるいは、汎用的なコアカリキュラムの開発、こういったものをいろいろきめ細かく支援をしていこうということで、今後の計画ですが、それぞれにつきまして、ほとんどが2月末、物によっては3月に公募を開始しようというふうに考えてございます。

あわせまして、これは予算の執行でございますけれども、さらに人材育成、もっと本質的な問題がいっぱいあるというご意見もありましたので、原子力産業協会にこの関係の協議会を設置いたしまして、中長期的な課題について議論を行うということにさせていただこうと思ってございます。

7番目の柱が、この原子力産業の輸出を中心とした国際展開でございます。これを見ていただきますと、産業側がもう完全に国際化している。右側を見ていただくと、新規建設市場が、事実上、これまで日本だけだったのが、今や、アメリカ、ヨーロッパ、ロシア、インド、中国と世界中に新規建設市場が広がっているということでございます。

1枚めくっていただきまして、その中でも、大所のアメリカでございます。スリーマイル事故以降、30年にわたって新規建設の発注がとまっておりましたけれども、ようやく一挙に数十基という新規建設計画が今、出ているわけでございます。こういった中で、この1月に甘利経済産業大臣がワシントンに行ったときに、ボドマンエネルギー省長官と日米エネルギー協力の共同文書に合意をしたわけでございます。その合意内容が四角に囲ってございますけれども、2つ目でございます。この中でも、やはり原子力が一番大きな位置を持っているわけでございますけれども、その中で、民生用原子力共同行動計画というものを日米両国政府で一緒に作成するということでございます。

この共同行動計画は以下の3つについて、この4月までに取りまとめるということで、GNEPに基づく研究開発。2つ目に、新規原子力発電所建設の支援施策及びプログラムに関する連携、そのほかに規制に関する意見交換ということでございます。これは、アメリカの新規建設であっても、ここ10年ほど、新規建設をきちっと綱紀どおりにきちっとつくり上げたという実績は圧倒的に日本の企業が中心でございますので、そういった外国の新規建設であっても、やはり日本の産業界、政府と一緒に連携しないと、どの国でも新規建設はなかなか難しいということでございまして、今後、この4月までかけまして、日米共同行動計画の中で、この政策協力の枠組みに合意したいと考えてございます。

そのほかに、アジアでございますけれども、ベトナムについて、いろいろ官民ミッションを出したり、1枚めくっていただきまして、37ページにありますけれども、ベトナムからの要請を受けて人材育成ロードマップを作成してかなり評価をされたり、さらには、ズン首相が東京に来られたときに安倍総理との間で原子力協力について合意をしていただいたりということがございます。いよいよベトナムも本気で導入しようかということでございます。このフィージビリティ・スタディに着手した場合に備えまして、今般、電力業界さんのほうが中心になって、このFSの受注を目指していただくという体制を決めたわけでございます。そのほかにインドネシアも同じようにやってございますし、中国もいろいろできることをやっていきたいと思っております。

2枚ほどめくっていただきまして、8番目の柱で、原子力発電を世界に拡大していくというのは、COのためにも石油の需給のためにも必要だと思いますが、他方で、核技術を広げてはいけないと、この両立に向けた体制づくり、枠組みづくりに日本も積極的に貢献をしていこうということでございます。

1つ目は、イランが言っているように、発電だけでは嫌だ、そのための燃料を自分でつくるんだ、そのために自分で濃縮するんだと、こういうことがあっては困るわけでございますので、アメリカなどの今のウラン濃縮輸出6カ国が、核燃料濃縮ウランの供給を国際社会が保証するから、あなたは発電だけでいいですよと、こういう提案をしているわけでございますが、なかなかこれは多くの国から反発を受けたわけでございます。そこで、昨年9月に日本政府の提案ということで、近藤原子力委員長から、このIAEAの50周年のイベントをとらまえまして発表をしていただき、世界からは、日本もただ受け身で待っているだけではなくて積極的にルールを提案できるようになったのだと言われたわけで、少しプレゼンスを獲得する試行錯誤の一環を始めているわけでございます。

1枚めくっていただきまして、GNEP、アメリカの核不拡散抵抗性の高いサイクル技術開発をやり、高速炉開発をやろうと、そのためにはサイクル技術を持っている国が協力しようというブッシュの提案に対しまして、日本としては全面的に支援するという方針を出し、具体的にも技術提案を原子力研究開発機構さん、日本原燃、メーカーさんなどの日本連合の形で提案をしてございます。具体的なアクションにつきましては、この4月にまとめる日米行動計画の中で具体的なスケジュールや行動計画をつくっていこうと思ってございます。

9番目の柱に、原子力と国民・社会との共生、特に広聴・広報でございます。この「原子力立国計画」そのものにつきましても、せっかくつくっても知られなければ意味がない、全国のキャラバン隊を組んで行けというご指摘でございましたので、今、一生懸命に全国を回ってございます。この半年で全国14地域、3,000人強の方を対象に説明もし、それ以外にも業界団体、学会、経済界、海外、いろいろなところに説明を一生懸命にしているところでございます。そのほかに、プルサーマルに向けた広聴・広報、核燃料サイクルについてのご説明など、さまざまなことを地道に設定してやっているところでございます。

ずっとめくっていただきまして、最後、10番目の柱でございます。放射線廃棄物対策の着実な推進ということでございます。この高レベル放射性廃棄物の確保、この部会でも一番大きな難題だということでございました。これまで公募制ということで、国は東京で待っているという姿勢があったということでございまして、それでは手が挙がらないということでございましたので、2006年から態度を入れかえて、国が積極的に説明活動に全国に行くということを始めているわけでございます。こういったこともありまして、今年の1月に高知県東洋町から初めて文献調査に応募が出たわけでございまして、今後、この東洋町はもちろん、さらにそれに続くようなところからも手が挙がるように、さらに一層理解活動に努めてまいりたいということでございます。

一番最後でございますけれども、高レベル放射線廃棄物につきましては4年前に法律ができ、国の関与もはっきりしてございます。低レベル廃棄物もありますけれども、半減期がきわめて長いTRU廃棄物につきまして、その放射線濃度の高いものについては地層処分にするという方針が原子力委員会で出されてございます。それにつきまして、きっちり制度化をする。それから、イギリスなどから返ってくるTRU廃棄物、低レベル廃棄物をそのまま戻しているのでは船を37回も往復しなければいけないということで、同じ放射能量で高レベル廃棄物に置きかえて1回の輸送で日本に戻せるようにすると、こういった制度的措置、この2つにつきまして、この部会の下にあります小委員会で検討してまとめていただいたわけでございますけれども、今回の通常国会におきまして、これに必要な法律改正を国会に提出していきたいということを考えているわけでございます。以上でございます。

田中部会長

ありがとうございました。本日ご出席いただいています内閣府、文部科学省さんのほうからただいまの説明に関して何か補足することがございましたらお願いしたいと思いますが、よろしいですか。

はい、それでは、各委員からご意見、ご質問がございましたらお願いしたいと思います。ご意見がある方は札を立てていただければと思います。また、札の順番ではなく、関連した意見、質問等につきましてはお願いしたいと思います。秋元委員、お願いします。

秋元委員

今までいろいろな委員会に顔を出してきましたが、どちらかというと、報告書ができてしまうと、それそのものが目的だというような委員会も多いのですが、今度の場合には、本当にその後、非常にしっかりとフォローアップ、アクションをとっていただき、その結果、この「原子力立国計画」に出しましたいろいろなものが後戻りがないような状況の流れができ始めているというふうにつくづく感じます。これが続けば、いずれとうとうたる流れになるというふうに思っておりまして、ここまで持ってこられた関係各位のご努力に大変感謝を申し上げたいと思っております。

3つばかり、質問や要望などを申し上げたいと思います。1つは、先ほどお話がありましたように、企業もいろいろとグローバル化をしてきまして、海外の企業と提携をしていくということが出てきました。これはこれで元気になっていいのですが、差し当たっての原子炉の建設は、どちらかというと、日本より海外のほうに多いということもありますし、全体として日本の原子力政策という立場から見ると遠心力が働くという形になりかねない。一方で、核燃料サイクルというのは、これはやはり国策に基づいた求心力が出てくる必要があると思うんです。例えば、サイクルを完結していくため、あるいは供給保証をしていくためにどういうことが必要なのかということで、必ずしも、ナショナルフラッグをあちこちに立てなければいけないということではないと思うんですけれども、国策上民間をどういうふうに組み込んでいくのか、例えば、プル加工、転換、ウラン加工、いろいろなものが出てまいりますけれども、そういうものを推進するような事業構造をどうつくっていくのか、このあたりがこれからの課題になってくるのではないかと思いますので、お考えがあったらお聞かせいただきたいと思います。

2つ目は、先ほどの高レベルの廃棄物のことでございまして、本当に高知県の東洋町が出てきたのは、国が一歩前に出ていただいた成果だと思っておりますが、これをぜひ国がしっかり受けとめていただきたい。これが頓挫することになりますと、おそらく回復不可能になるとも思います。私が非常に心強く思っているのは、マスコミの反応が、ここのところ変わってきた。例えば、テレビでは、みのもんたが出ているニュースショーで、この話が、土曜日ごと3週間続けられました。東洋町のほか、最後は対馬が立候補しているという話まで出てきて、しかも、反対派だけではなくて、推進派の人の考え方もしっかりと受けとめて編集をしていました。最後のテロップが、みんなが使う電気から出てくる「かす」じゃないかという話で、だからそれを何とかどこかでしなければいけないと、こういう形で話をまとめておられました。そういう意味での推進の動きが出てきたということがあります。

そういうことで、NUMO(原子力発電環境整備機構)が今、前面に立っておられるわけですけれども、ぜひとも、このチャンスに地元住民の理解を深め、世論をもっともっと盛り上げていくための強力な広報活動が必要だろうと思っております。この報告書の中では広報も1つの柱に挙げていただいておりますが、残念ながら、予算的には余り増えていませんし、運営そのものを、フレキシブルに、ここはというところで使っていくことが必要だと思います。そのやり方、予算などについてもご判断をいただければと思います。

3つ目は、河野さんのお話にありましたように、地球環境問題、今、非常に大きく取り上げられてきています。IPCCが第4次の報告を出しまして、これがおそらく今年かなり大きな問題になると思いますし、京都議定書の第一約束期間の問題もある。その中で炭酸ガスの排出削減がちょっと力がなくなってきている、それの一番大きな原因というのは、やはり原子力の低迷だと思います。今、経団連がやっております各企業の自主行動計画というのがあり、この間もフォローアップ委員会がありましたが、どうも、ほかの産業に比べますと、電力が少し元気がないという形になっている。基本的には、原子力が低迷していることによって、電力の炭酸ガス排出の原単位が下がらないということがある。その結果が電気を使う産業や民生の排出量にも影響してくるので、これが二重に効いてくることになります。もし今の原子力の稼働率がアメリカやドイツ並みに上がれば、この京都議定書の問題の大半はこれで解決するという、かなり大きなインパクトがあるのですけれども、結局ここのところが今、動いていない。

最初にお話がありましたように、電力さんがこれから自主的に前向きにお進みになるということは大変うれしく思っております。この際、安全の努力が大前提になるのはもちろんですけれども、稼働率を上げようとしても、今までいろいろな問題が起こるたびに規制強化のパッチワークが出てきまして、結局、絆創膏をあちこちに張ってギブスをはめるものですから、身動きがなかなかとれない状況になっている。アメリカも一時そんなことになったことがあったわけですが、思い切って規制の体制を変えて、パフォーマンスベース、リスクベースで見直していって身軽になって今のようなことができている。日本でも始めてはおられるようですが、やはりその動きが非常に遅いという感じがいたします。稼働率をまず上げるということは、今、差し当たっての地球環境の問題や、エネルギーの問題に非常に大きな効果があると思いますので、ぜひとも積極的なご配慮をいただければと思います。

田中部会長

ありがとうございました。何点か質問があったのですけれども、後でまとめてしますか。わかりました。それでは、もし関連してのご意見、ご質問等がありましたら先に行きたいと思います。あるいは、ないようでしたら順番でいいですが、森本委員、お願いします。

森本委員

関西電力の森本でございます。この1月に原子力委員会委員に就任された伊藤委員のかわりに電気事業連合会、原子力開発対策委員会で委員長を努めております。どうぞよろしくお願いします。

まず初めに、弊社の美浜3号機につきましては、皆様のご理解、ご支援を賜り、去る2月7日、事故以来2年半ぶりに営業運転を再開いたしましたことをご報告させていただきます。弊社といたしましては、これを信頼回復の出発点と位置づけまして、日々、安全、安定運転を積み重ねていく所存でございます。私の美浜町現地本部での経験から、「原子力立国計画」を確かなものにするためには、原子力施設は安全最優先の取り組みと、透明性のある事業運営の中で、地元の皆様の信頼を得ることが原点であるということを痛感いたしております。このため、最初に築舘委員からありましたデータ問題への対応、これはもう当然のことでございますけれども、高経年化対策、あるいは耐震設計の指針、あるいは新たな検査制度など、当面の対応につきまして着実に実施し、安全、安定運転に努めたい。そして、それを確かなものにすることによりまして既設原子炉の最大限の活用を図ってまいる所存でございます。その上で皆様のご理解を賜りながら、プルサーマル計画や、六ヶ所の原子力燃料サイクル事業などに全力で取り組んでまいる所存でございます。

さて、今般、我が国の原子力政策を進める上で長期的にブレない国家戦略と政策枠組みの確立を掲げていただき、そして、アクションプランである「原子力立国計画」の具体化に国がリーダーシップをとっていただき、やれることは全部やるという気概で真正面から取り組まれていることに対しまして敬意を表するとともに厚く御礼を申し上げます。その上で3点ほど申し上げさせていただきたいと思います。

第1に、電力の自由化のもとで事業者が発電所の新・増設やリプレースを円滑に進めていくため、国の環境整備方策として投資環境整備小委員会で中間取りまとめをいただいた企業会計上の制度措置、TRU廃棄物処分の制度化などを着実に整備いただいていることに感謝申し上げます。今後も、状況変化が考えられます。柔軟に対応していただくようお願いしたいと思います。

第2に、世界的なエネルギー需要の拡大と資源ナショナリズム台頭など、世界のエネルギー需給が構造的な変化をしております。我が国のエネルギーセキュリティを確保するためには、資源外交の重要性がより一層高まっており、ウラン資源確保のためカザフスタンをはじめ、資源国に対して国を挙げて積極的に資源外交を展開していただいていることに対し、電気事業者として大変心強く、引き続きよろしくお願いしたいと思います。

第3に、高速増殖炉の研究開発、次世代を支える人材の育成、きめ細かい広聴・広報活動などは、いずれも将来にわたり原子力のブレない位置づけのため大変重要な課題であり、国の取り組みを高く評価しますとともに、電気事業者の立場で協力してまいる所存でございます。

最後に「原子力立国計画」を実現していくためには、今後とも関係者がビジョンを共有し、一致して弛まぬ努力を継続していくことが不可欠と考えます。今回、いわゆる三すくみ状態を脱しまして三本の矢となったわけでありますので、電気事業者といたしましても、みずからの役割をしっかりと果たすべく努力してまいる所存でございますので、今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。以上です。

田中部会長

ありがとうございました。続きまして、秋庭委員、お願いいたします。

秋庭委員

はい、ありがとうございます。この委員会の委員となったおかげで、私は本当に原子力に関する情報が今まで断片的にしかわからなかっことが体系的に勉強することができましてありがたく思っています。この「原子力立国計画」について、現状、課題、展望ということを網羅したものを私たちもしっかり勉強していきたいと思っておりまして、これを消費者に伝えることが私どもの役目だと思っています。頼まれもしないのに、あちこちで勉強会をしたり、いろいろやっておりまして、1月には座長の田中先生にも来ていただいて勉強会をいたしました。今ご説明があったように、「原子力立国計画」実現のために着々と具体的に進んでいるのだなということを知って、大変すばらしいと思っております。

このような「原子力立国計画」につきましては、国民の理解が大前提であるということは、今回の「原子力立国計画」にも書いてありますし、皆様もおっしゃっていることだと思っています。本日の資料においても、広聴・広報についてしっかりと、こんなことをやっていますということがたくさん書かれております。ただ、この掲載されていることを読みまして、欲張りで大変申しわけありませんが、さらに広聴・広報を進めていただきたいと思っております。本当にこの「原子力立国計画」についてきちんと伝わっているか。ただ単に知らせるだけではなくて、それが本当に受けとめられているのか、理解されているのか、納得されているのかという、そういう検証はこれから必要ではないかと思っております。「原子力立国計画」を私どもが勉強していて、本当に難しい言葉が多く、何人もの方が、この部会の中でもおっしゃっていますが、わかりやすく伝えるということがとても大切だと思っています。

そこで私たちは、そうは言っても、じゃあ、この「原子力立国計画」の中で何がわからないのか、あるいは、何が知りたいのかというところがポイントだなと思っておりまして、私たちはその調査を昨年の夏にやってみました。1,000人に配布して500人以上の方に回答していただきました。それをまとめてみましたが、まず、わからないということなのですけれども、聞いたことがない、知らない言葉のトップスリーというのが、「バックエンド積立基金法」「クリアランスレベル」「TRU廃棄物」ということで、これからの問題です。それで、じゃあ、知りたい用語は何なのかというと、「電力の自由化」「臨界」そしてまた「バックエンド積立基金」ということで、またこれが重なっているようなところがあります。

全体的に見まして、勉強会とか見学会に行った方はどうなのかというと、勉強会、見学会に行った人は、廃棄物や核燃料サイクルなどの分野について知っている人が多いということなのですが、参加したことがない人は、放射線高レベル廃棄物、放射線廃棄物プルサーマルについてもっと知りたいということがありました。

いろいろな分野で聞いておりますが、やはり、安全性とかいろいろな分野で聞いた中で、廃棄物に対する認知度が大変低く、ほかの分野は30%ぐらいは知っていることでも、廃棄物についてまだまだ17%程度ということで、これからもっともっときめ細かな広報・広聴というのは必要だなというふうに思っています。

そんなわけで、これをもとに私たちもさらに一生懸命に勉強することと、また、わかりやすく勉強するための場を広げ、そして、生活者の言葉で一般の消費者に語っていくことが必要だと思っています。今後また、そういうことをやっていきたいと思っておりますので、委員の皆様や、国の皆様についてもご協力をぜひお願いしたいと思っています。以上です。ありがとうございました。

田中部会長

続きまして、末次委員、お願いします。

末次委員

委員長、ありがとうございます。今日の10項目の中間報告といいますか、原子力部会は、秋元先生もおっしゃったように、本当にいいタイミングでレビューをしていただいて、相当進んだなと、着実に進んでいるなという印象を持ちました。まさに、今一番必要な「原子力立国計画」、看板に恥じないように、このペースでぜひいろいろやるべきだと思います。

ただ、そうこうしているうちに、やはり足元をよく考えますと、先ほどの国内の東電問題、美浜とか、いろいろあります。そういう問題が国内で起きていることについての我々の認識、あるいはバランス感覚、こういうものを改めて考え直さなければいけないということを思いますし、絞って、絞って10項目挙げていただいた、この「原子力立国計画」の政策の展開中のものの中に、グローバルな、あるいは対外的な、国際関係が非常に問われるような、またそこでもバランス感覚が本当に、日本人のバランス感覚が問われるようなイシューが入っています。非常に多く入ってきている。そうすると、内外にわたってこの問題は非常にバランス感覚が問われている。でも、外の問題、今、柳瀬課長から非常に力点を置いて、私、お聞きしましたけれども、例えば、カザフスタンならカザフスタンという隠れたウラン資源の超大国に対するアクセスをナショナルベースでやる必要がある。これは非常によくわかりますが、しかし、これを本当にやれるだけの我々がバランス感覚を社会的に持っているかどうか。どうしたらバランス感覚をよくできるかということを同時に考えないと、この話、いつロシアがチャチャを入れてくるかもわかりませんし、中国が上海協力機構のメンバーとしてカザフスタンに対する日本のアクセスについてどういう邪魔をするかもわからない。

これはかなり走りかけたところでいろいろな難しい困難な条件が出てきてしまうということはもう目に見えているので、それを乗り越えてやるにはどうしたらいいかということだと思うのです。やはり、世界的な、アル・ゴア先生さえ言っている、「不都合な真実」の中で彼も強調しています。今、気候変動の中で原子力は大切かつ重要であると、そういうことなので、世界的なニュークリエイジが来ている。そういう中で基本的な燃料の安定供給の社会的なシステム、国際的なシステムをつくるために日本はやっているのだと、ロシアが、あるいは中国がどういう一国主義的なチャチャを入れてきても、それに揺るがないだけの国内世論、あるいは物の考え方、バランス感覚を培養していかないと、これはもう早晩、いろいろなところでドタを食いかねない、こういう問題があります。

そういう点で非常に心配なのは、例えば、インドです。インドの扱いについて、本当にこれは国内の改ざん改変問題と、ある意味では本質的に同じような問題を我々に問いかけているのではないかと思うんです。答えが出ないんです。なぜか、インドはNPT条約が入っていないというだけで、非常にいろいろな意味の経済的、政治的、外交軍事的にも戦略的なパートナーであるインドとの協力について答えが出ない。現に、NPT条約をやっている国連の安全保障理事国5カ国、米、中、ロシア、フランス、イギリス、全部この米印原子力協力協定、いいじゃないか。これは首相、大統領がもうメッセージを出している。日本だけが、いや、ここでオーケーを言うとNPT条約を推奨しているのに、それに矛盾するということ。しかし、NPT条約が同時に死に体になっていることはもうみんなわかっている。だけど、このカードは捨てられないということもわかっている。どうして第三の現実的な、本音と建前を使い分けた回答を早く出さないのか。我々も、この社会自体の構造の中に、非常にそういう、やるべきときに、判断すべきときに大きな判断はなかなかしにくいというバランス感覚の問題と、決断の問題が問われているのではないかと思うんです。

この改ざん改変の問題も全く似ているのではないかと思います。これは、要するに、一番大事なのは、改ざん改変と言っていれば、電力会社はもうそれで免責になるという思いはあるのか、ないのか。東京電力が謝れば、メディアはそれでいいと、首を取ったということで納得するところはないのか。地方自治体はどうなのか。それから、原子力の安全保安部隊は一体この問題をどういうぐあいに本質的にとらえているのか。ここのバランス感覚が非常に問われる。物事、この際は、本質的に、本質的に考えなければいけないのではないかと思うんです。

現に、緊急冷却装置ですか、その補助発電機の、3基から4基あるうちの1つで何か改ざんが行われたと、それで原子力発電所の運営に一体どういう影響があるのかということを、4すくみの状態の中で議論していかなければいけないし、解決していかなければいけないと思うんです。ぜひ、そういう意味で、内外に共通している我々の課題があると思うので、そういう点でぜひ、問題提起がお互いにできたし、判断もさらに進められる中間的な報告部会を開いていただいたのは大変賢明であったと思います。以上です。

田中部会長

ありがとうございました。児嶋先生、お願いいたします。

児嶋委員

はい、ありがとうございます。皆さん、おっしゃいましたけれども、私も昨年の8月からこれまで本当に着実にアクションプランが実行されつつあるということを思って大変ありがたいと思っております。

そのほか3つのことを申し上げたいと思います。1つは、最初の原子力の保全のことでございます。8ページにありますが、保守管理等々について随分議論が昨年から、9月、10月から始まり、そして12月に報告書が出たということでございますが、これにつきまして、私はやはり、検査の在り方に関する検討会において報告というのがあります。そのほか、ワーキンググループがやがて報告書を出されるでしょうが、私は、これは保安院の方に申し上げたほうがいいのかもしれませんが、例えば、原子力政策大綱があり、「原子力立国計画」があり、もう1つの柱は原子力の安全だと思うんです。ですから、そのときに、原子力保全総合指針とか、総合計画というのはちょっとぐあいが悪いのですが、大綱というのは、またちょっと誤解が生じるかもしれません。何か、原子力を保全する1つの大きい総合的なプログラム、プログラムと言うと、またちょっと難しいのですが、何かそういう名前をつけて、原子力はこうやって保全するのだということを国民の皆さんに知ってもらう必要があると思うんです。それがやはり、いろいろな高経年化もあれば、そのほか、定期点検もあるでしょうし、それも含めていろいろな意味での保全についての指針のようなものがきちっと総合的に書き込まれる、こういうことがぜひ必要ではないか。それが1つの大きな柱になるのではないかと思っております。今日は保安院の方がおいでになるかどうか、ちょっと確認できていませんが、ぜひ、保安院を含めて、関係者の皆さんに意識していただければありがたいと思っています。その件が1つです。

もう1つは、海外展開といいますか、国際展開の時期にいよいよ入ってきたと思いますが、そのときに、考えておかなければいけないのではないかと、私はちょっと素人ですけれども、思います。それは、海外に、例えば、ベトナム、あるいはインドネシアに日本のメーカーが機械設備を納入する。当然、技術を持っていく。と同時に、やはり、濃縮ウラン原料、そしてまたやがては使用済み燃料が出てくるバックエンド、これについても日本が保証することが、どうしても、GNEPを進めていけば必要になってくるわけです。そうすると、先ほど秋元さんがおっしゃいましたが、バックエンド積立資金とありますが、バックエンド積立資金は今、多分これは国内用だけが主として目的だろうと思います。しかし、やがては、日本が国際展開すれば当然、バックエンドも含めて国際展開したときの体制が必要になってくるのではないかと私は思います。そこまで保障しないと国際展開は十分にできないわけです。したがって、そのためにどうしたらいいのか。すべて電力業者の皆さんに国内向けと一緒にバックエンド用も積み立てろと言うわけにはいかないでしょうから、国でなければいけないと思います。その辺のことはよくわからないのですが、その辺のことでどういう対応が可能なのかどうか、ちょっと教えていただきたいと思います。

次に、FBRの件ですが、これは私は大変いい方向に行っていると思います。5者の協議により、そしてまた協調関係が非常に進み、そしてまた、今度は実証炉開発の中核メーカーの選定といいますか、これも、「もんじゅ」の温度計の事故を考えれば、やはり、メーカーの連携が悪かったわけです。そういうことを考えると、今度は中核メーカーで、1つ、統一的にやっていこうというのは大変いい学習だと私は思っております。これをぜひ進めていただきたいと思っております。

最後に、もう1つ、人材育成ですが、これまた大変いい方向に進んでいると思います。本来ですと、人材育成というと文部科学省だけの役割というふうに考えがちですけれども、文部科学省と経済産業省と一体となって双方が予算を確保されて、そして、あわせて4.1億円ということで、連携されたということが、また大変意義が大きいと思います。ぜひ、この姿勢を継続して、この人材育成に当たっていただきたいと思います。私も大学にいる立場上、大変ありがたく、ぜひ、大学としても、これに積極的に応募するようにという姿勢を今、整えているところであります。以上、質問と大きな評価を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。

田中部会長

ありがとうございました。続きまして、木場委員、お願いします。

木場委員

どうもありがとうございます。

中間報告としてこのような会を持っていただけたこと、大変感謝いたします。私のほうから、やはり、広報・広聴に関しまして、特に高レベル放射性廃棄物の処分に関しまして、意見や希望を申し上げたいと思います。秋庭委員、秋元委員と重なるところもありますが、安全性に関する説明やPRについて、さらにもう一歩進んでお願いしたいと考えます、もちろん国としても、資料の中にあるように精力的にたくさんの説明会を開いていることはよくわかります。ですが、さらに、テレビなどのマスメディアを巻き込んで国民に浸透させるような方法を考えていただければと思います。

続いてですが、今、大変話題になっております高知県東洋町の町長が、この1月にNUMOの文献調査を受けたいと応募した際の高知県、それから徳島県知事、さらに両県議会の対応、こちらは皆様ご存じのとおりだと思いますが、きのう、今日の新聞を拝見しておりますと、望月長官がコメントしたり、甘利大臣もコメントしたりというところで、どうも、県知事の方々との大きな認識のずれというものを感じております。このあたりは国としてさらに、日本の県知事や県議会の方々に対して安全性や、そして何より国家のエネルギー政策という部分で、より一層御理解をいただけるような努力をお願いしたいと思っております。

最後になりますが、もう1つ、重要だと私自身が考えることは、国民に対して、もっと大前提である基礎的な情報の周知徹底を行っていただきたいということです。そういったことを飛び越えて、いきなり高レベル放射性廃棄物の話になりますと、候補地の地元住民も、やはり驚き、構えてしまうと思うのです。ですから、日本は資源小国である。にもかかわらず、私たち民生部門、国民はたくさんの電気を使う。今この豊かな生活を維持するためには基幹電源である原子力発電が必要である。であるから、電気を使う以上は原子力発電で出るごみの問題は国民みんなで共有すべき問題であると、このようなストーリー性を持たせて周知活動を段階的に行っていく必要があるのではないかと思います。

感覚的な話で大変恐縮ですが、この原子力部会に入れていただいてから1年半少々の間に、シンポジウム、講演など、全くエネルギーに関係ない場面でも、全国に行ったときに、例えば、「日本が資源小国で自給率が1けたということを知っていますか」というようなことを必ず投げかけるようにして挙手してもらっているのですが、私の感覚では、手を挙げてくれる方は1割前後という感じです。先週も3カ所で尋ねましたが、同じ感じでございました。

余談になるかもしれませんが、原子力について間違った認識を最近知りました。関西圏内でのアンケートです。「原子力発電所がCO2を出すと思う、温暖化に寄与していると思う」という間違った認識の質問をぶつけたところ、関西では57%の方が「そうだ」と。福井県でも47%の人が「そうだ」という数字に驚いたところがございまして、まだまだ基礎的な原子力の理解が徹底されていないと。この先に高レベル廃棄物の広報があるのではないかと、段階を踏んで広報をしていく必要を感じます。

高レベル放射性廃棄物処分の問題は、広聴・広報に関しましても多分、最高水準の技術が求められるような話でございまして、そのための戦略的な広報を準備しないと、なかなか決めるのは難しいのではないか。これまでと同じような形ではちょっと進まないのではないかという印象があります。

最後に、東京近郊で、私どもが目にするNUMOのテレビのコマーシャルを見ていますと、失礼ですが、何となくフワッとした必要性だけは感じられるのですが、まだまだ届いてきません。

これに比べまして、反対派の方々が語る、「強い放射能が何万年も残る」という言葉のほうが、一般の方には直接的で不安を煽って心に根づいてしまうのではないかと危惧しております。国がさらに具体的な工夫をして、不安に思う国民に対して安全性や、その必要性をPRするよう、広報活動を、より一層進めていただけることを願っております。以上です。

田中部会長

ありがとうございました。河野委員、お願いします。

河野委員

時間がないので2つの項目だけについて意見を申し上げたいと思います。今、何人かの委員がおっしゃっているけれども、東洋町問題が1つあります。私が知っている限りの事実は、あそこの町長並びにその支持者というのは、目下、政治的に劣勢なのです。反対、ないし懐疑派のほうが力が圧倒的に強い。これが唯一の足元なのですが、その上でどうするかということが問題なのです。それで、両県知事が反対申し入れを望月さんのところにも来たし、NUMOの理事長のところにも来たのだけれども、あのロジックは、あれで出来合いのロジックの1つで、別に説得力も何もないのだけれども、あれはああ言うしかないから言っているだけの話です。どう考えても、再処理をどうするか、ワンスリーで行くかという議論が国内で分かれたのです、マスコミも分かれている。しかし、それにけりがついてしまえば、とにかく、これを使っているわけだから、温暖化のときに、これはできないわけだから、日本の対策はね。そうすると、結局、再処理はどうするかという話になるんです。だから、いかに左前の環境論者であって、昔、左翼であって、そういう人は世の中にたくさんいるわけです。どういうふうに考えても、これは「ノー」とは言えないです。まともに考えれば、どこの新聞だって、どこのテレビだって。そうすれば、持って回った言い方をして、当面、時間を稼ぎながら非難攻撃するというほうに指導にいかざるを得ない。

ただ、この機会に、今、中央でテレビ並びに有力な新聞でこの問題をローカルの問題から全国レベルに引き上げて議論しようという風潮ができ上がってきている、大変歓迎することです。ローカルの高知新聞が書いてもどうにもならないことなんです、この話は。天下の大新聞が東京で発行してくれることが、まじめにこれに取り組むということが絶対に必要なんです。この人たちは絶対に「ノー」と言えないから、どう議論しようと。地方について批判があったって、どこかで国内で用意しなければならないということだけはわかっている。これは最大の基本的な共通事項なんです。

そこで、具体的にどうするかという話で、長官はきちんと切り札を考えながら事を進めていこうと考えられていると思うから、ここで全部のことをしゃべってくれとは言わないけれども、とにかく、国とNUMOと電力と三者に協力体制を、どこにも書いてある、ここにも書いてある。ところが、私が知っている限りでは、その三者の協力体制は今のところ絶対にうまくいっていない。表面的な言葉があるだけ。いいですか、これが本当のことです。これをどういうふうに具体的にこれから1カ月ないし2カ月の間に進めるかということがポイントなんです。そうじゃないと今の政治的な劣勢を簡単に克服できないから。これをぜひやってもらいたい。

そのときにどういうロジックで交渉するか、それはもういろいろな手法があるから、やってもらったらいいんですよ。そのために三者間で密接な連絡を持ってやってもらわないと、ここがつぶれたら、公募方式がつぶれますから、その可能性が強いですら、ここがつぶれてしまえば、別のやり方に切りかえなければならないかもしれないです。分水嶺にあるわけです、このテーマは、東洋町問題というのは。全部、長官がおわかりになっていることで、私が言うことはないのだけれども、それならばどういう決意でやるかということを、ちょっと聞かせておいてもらいたい。

2番目、資源外交ということがあって、ここにいろいろ書いてあります。これは2つあると思っています。今日、望月さんもこれからお会いになるかもしれないけれども、ロシアから担当者が来て話をする。これはロシアと日本との関係の話。ウズベキスタンとの間のウラン資源の開発問題、これは別途に進んでいる話です。相互の交錯はするけれども、別途の話です。

2つ、言いたいことがあって、1つは、ウズベキスタンに対する資源外交というのは、柳瀬さんが長官と一緒になって設計していると思うけれど、ここはひとつ模範的なやつをやってもらいたい。今まで「資源外交」という言葉は我々はたくさん書いたのですが、全部、空念仏です。我が国では何も実行されたことがない。初めてこれができるかもしれない、今から算段を整えれば。ずっと大臣の周りに、各業界のトップが全部座ってきちっと議論をするとういスタイルをつくってもらいたい。これができれば、この話は大成功です、中身はいろいろあるかもしれないけれども。

2番目に、ロシアとの話は、大体、半分眉唾で考えないとどうにもならないです。何かいろいろなものを供給してくれるというような話で、すぐ沸き上がるんです、こんな話は。向こうもタフだから、こっちもタフにやるしかない。そこのさばきは、長官は全部ご存じだと思うから、後になって、「おまえ、随分甘いことを言っているな」なんていうことを言われないように、実利が取れるようにうまくやってもらいたい。これは激励を込めて要望しておきます。以上です。

田中部会長

ありがとうございます。まだ発言が残っている委員もいらっしゃるのですが、一たん、望月長官のほうから、役所側の考え方、方針等を説明していただけたらと思います。よろしくお願いします。

望月資源エネルギー庁長官

申しわけありません。何か、4時から国会が動き始めたので、もうちょっとで行かなければいけないものですから、中途で恐縮です。

当エネルギー庁の考え方は、この中間報告を申し上げたときに相当いろいろ踏み込んでしゃべり過ぎだなというような感じの説明もありましたので、そこを私が余り加えて何か申し上げるのはいかがかと思いますので、2つだけ申し上げたいと思います。

この10番目の課題ですが、とにかく最も難しい課題だというお話もありました。ただ、考えようによっては、複雑怪奇なFBRの安全性の話をするよりは、あるいは、原子力の安全性の難しい話をするよりは簡単な話かもしれないという気が私はしております。ただし、今、地方自治、これは最近わかったのですけれども、いろいろな原理に影響する話です。地方自治の問題と民主主義の問題と言論の自由の問題の問題という話を常に言われるところでありまして、私ども、先ほど三者というお話がありましたが、官製広報の限界というのも考えながらやる。

ということは、決意を述べよということですから、結局、最近思ってまいりましたのは、ルールにのっとって愚直に理解を求めるということが必要ではないかと。なぜならば、この高レベルの最終処分の話は、手続きを定めた法律で国会で議決してつくったわけですから、わからなくなったら、この法律に戻って愚直に説明をするということでやっていきたいと思います。文献調査について言えば、やりたいという自治体の長が言ってきたというのは非常に重要なところでありまして、それ以上はちょっと失礼させていただきたいと思います。

あわせて、今国会では、先ほどもちょっとご紹介がありましたように、この法律周りの3つの法律を提出し、ご議論をいただくわけですので、国民の皆様に公にするいい機会であろうかと思いますので、そういうふうに元気に、前向きにとらえて愚直に説明をし、いろいろなメディアとか、そういうところでも積極的に正直にいろいろなことを言っていくということが非常に大切なことではないかと思います。

そういう中にあって、先ほど、私はちょっとおくれてまいりまして大変恐縮でしたけれども、これもまたいろいろな評価のある話ですが、データ改ざん問題というのがありました。これは、私は、これまでも原子力のいろいろな問題に関係はしておりましたけれども、本件の問題のポイントは、改ざんというのは、故意がなければ改ざんしないということであって、他の事故、トラブルとは若干違うところがあると思いますので、事故、トラブルの話で言えば、できる限り再発をしないために万全の努力をするということだろうと思います。同じ過ちは繰り返さないということだろうと思いますが、このデータ改ざん問題は二度としないということだと思います。したがって、大臣が今、各方面に、とにかくうみを全部出せと言っておられますけれども、うみを全部出した後は、二度としないということをどれだけきちっと納得していただけるかということが国民との関係では大事で、その三者の協力体制というものもそういう上に成り立つということだと思いますので、そこを、歯を食いしばって関係者全員でやっていくということが大切ではないかというふうに思っております。

ちょっと中途半場のあれですけれども、資源外交も一生懸命にやっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

田中部会長

どうもありがとうございました。まだ3名のご発言が残ってございます。長官が中座されましたけれども、ぜひ、ご発言をお願いしたいと思います。山名先生、お願いいたします。

山名委員

ありがとうございます。具体的ないろいろな政策が進められていることを評価しております。ただ、この政策をまとめてきたときの環境と多少変わってきている状況があるというのは先ほどのお話のとおりでありまして、それに関するものを幾つかお聞きしたいと思います。

まず、次世代軽水炉への取り組みですが、この議論をした後で各発電所、メーカーが海外のメーカーと連携して国際的な原子力市場に打って出るというアクションをとっております。これは大変歓迎すべきことで、なぜならば、その活動によって我が国の技術力が健全に発展していくだろうと考えるからであります。

一方、次世代軽水炉、つまり2030年ごろから入れる炉として、オールジャパンバージョンというものを考えようという前提でFSを始めているわけですが、メーカーが国際的な展開に今、進んでいる状況の中では、さらにまた別な、といいますか、新しい視点での次世代軽水炉への取り組みというのがあるのかなという印象も持ちます。この点について、今後、次世代軽水炉への取り組みがどうなっていくのかという点を伺いたいと思います。

次に、原子力のメリットの可視化ということに取り組んでいただきまして大変評価しておりますが、メリットの中の1つに、資源的な供給安定性、つまり備蓄効果ですとか、長期契約ですとか、そういう大きなメリットがありました。この可視化についてどのような具体的アクションが進められているのか、お聞かせ願えれば幸いです。

それから、3つ目としまして、先ほどからたくさん同じ考えが出ておりますが、地方自治体との情報流通強化を目指そうということが一番最初に議論になりまして、その具体策は何かという議論があったと思います。そのときに、実は、具体的にこうだという案がなかったわけです。それに対して柳瀬課長をはじめ、積極的に地方自治体のほうに出向いていかれて、いろいろな政策の説明をされているということはよくわかりました。ただ、現在、プルサーマルですとか、高放射性廃棄物とか、ある種、トピックスがある段階でその活動が行われておりますが、今後は定常的に地方自治体と国が情報流通を円滑に進めていくような何かルーチン化したようなチャンネル、あるいは協定、そういったものが必要なのではないかという議論がここで一度行われたような気がするんです。このような新しい枠組みの設定というのは何か進んでいるのかどうかということを伺いたいと思います。

最後ですが、先ほど木場委員もおっしゃっていましたし、河野委員もおっしゃっていましたが、最近、六ヶ所再処理工場のアクティブ試験が進んでおりますが、六ヶ所再処理工場のアクティブ試験に伴って環境に放出される放出放射能に対する近隣の住民の不安が高まっているという事象が起こっております。これは、もちろん六ヶ所再処理工場は年間22マイクロシーベルトの周辺影響しか与えないというきちんとした評価のもとに安全上の評価が行われ施設が認められているわけですから、事実上、全く何の問題もないのですが、やはり、先ほどお話があったように、放射能というものに対する一般市民の方たちの不安が非常に強いのです。

ですから、例えば、著名なミュージシャンがこの放射能が問題であるという発言をするとか、あるいは、海洋学者が、これが非常に問題であると。いかにも、それが問題であるというような、比較的、印象論的なことが発言されますと市民の方たちは大変不安に思うわけです。これは、是非もないことであります。したがって、何を言いたいかというと、やはり、リスクコミュニケーションがいかに重要であるかということであるわけです。そのときに、そういった印象論的なものがどんどん先に行ってしまうと、リスクコミュニケーションをとりようにもなくなってしまうような可能性もあるわけで、こうなってきますと、単なる事業者だけの問題ではない。やはり、行政、政府、学識経験者全体が、そういうものは問題がないのだというリスクコミュニケーションを積極的に進めていかざるを得ないだろうというふうに思うわけです。

そういう意味で、先ほどありました広報・広聴の話になりますが、政策の広報、政策の地方への説明、これは十分加速していることはよくわかりました。ただ、やはり、放射能というものに対する市民の不安に対してもっと積極的に説明していく、答えていくというアクションが全体取り組みとして大事なのではないか。単にこれは事業者だけの話ではないだろうというふうに強く感じるわけであります。

そういうことで、先ほど何人の方がおっしゃいましたように、市民とのリスクコミュニケーション、これがますます重要になってきている段階に入っている。これは、プルサーマル、再処理アクティブ試験、東洋町の問題、すべてをリンクした話であります。そういうことに対して全体的に取り組む姿勢が今後、強化されていく必要があるということを感じておりますので、お伝えします。以上です。

田中部会長

はい、ありがとうございました。質問は後でまとめて関係者から答えていただきたいと思います。

続いて佐々木委員、お願いします。随分お待たせいたしました。

佐々木委員

時間がありませんので簡単に申し上げます。35ページの、先月の日米の大臣の間で行われたエネルギー協力の共同文書の合意がございまして、非常に興味がありまして、資料2-7も拝見いたしましたが、これに関連して2つのことをお尋ねしたいと思います。

1つは、この合意の文書の冒頭にエネルギー源の多様化というのが出てきます。そこのところで原子力から再生可能エネルギーまで4つの柱に論及されておられます。ここで一応、原文を照らして読ませてもらいましたが、ちょっと教えていただきたいのは、私がこれを読む限り、4つの柱について多様化を図るというか、そういうことを書いているのですが、私の理解では、当然、この4つの柱について同じウェートでやってこうというものではないと思うんです。ですから、おそらく、これまではこの4つの柱のうちの、自分の国はどこに、4分の1の1つにかなりのウェートをつけてきたけれども、これをこれからはそのウェートをシフトするとか、そういうような議論が、このエネルギー源の多様化というものの段落というか、この説の冒頭にあったのではないか、あるいは、あるべきはずのものではないかというふうに私は思うんですが、その辺のことをちょっとお尋ねしたい。それが1つです。

それから、もう1つは、ここには書いていませんが、昨年来、今はちょっと落ち着いていますが、原油の世界的な暴騰というか、非常に価格が大きく動いたということがございます。その原因の1つにメジャーの果たす役割というのがあったと思うんですが、私の理解では、メジャーの利益というのを、1つの国、あるいは世界的にいろいろな国の利益というものは、しばしば背反するということがあるわけです。一国の国益を超えてメジャーがいろいろ動くということがある。そのときに、メジャーのそういう力というか、パワーを、ある程度、コントロールできるものがあるとすると、それはアメリカという国、あるいはその政府しかないのではないかというふうに私は理解しています。そういうふうに考えると、申し上げたいのは、せっかくこういう機会ですから、メジャーはしばしば、お行儀の悪い行動をするときに、アメリカ政府はもう少しコントロールというか、インフレンスを発揮してもいいのではないか、あるいは発揮してもらいたい、そういうことを言えないものかどうか、この2点をお願いいたします。

田中部会長

ありがとうございました。次、神田先生お願いします。

神田委員

今日いただいたのは、前回から大分時間がたっているのに、引き続き、非常によくチームワークを組んで検討していただいてよかったと思います。秋元委員が言われたように、びっくりするほどよくできているという感じを受けました。

今年に入って、私、個人的にですが、9回ほど講演を頼まれてあちこち全国を回っているのですが、それはエネルギー基本計画、新国家エネルギー戦略、それから原子力立国計画、それについて解説をしてもらいたいということで、中には市民団体もありまして、それでも100人近く集まってくれるというのであちこちやっています。

その中で、先に1つ、質問を受けたことを言いますと、ラジオも私、9年間毎週やっておりますから、結構、ラジオを聴いてくれている人がいて、その中に、オクロの天然原子炉の話を何回かそこでやっているというので非常に印象が深かった。高レベル廃棄物のときに、片方はガラス固化体に入っていてしっかりしていて、原子炉なんかは仮想事故を考えなければいけないけれども、そんな仮想事故を考える必要がないのに何でこんなエネルギーを割いているんですか。何で先生は、高レベル廃棄物のことで、原子炉に比べてうんと楽じゃないですか、何でこんなことにエネルギーを割いているんですかという質問を受けます。とにかく、オクロの原子炉の話を聞いたのは大変よかったのに、あれをどうして国は言わないのですかというふうなことを3回、言われましたので、ご参考に言っておきます。

田中部会長

ありがとうございました。あと、3名の方がいらっしゃいますが、4時を少しオーバーしてもよろしいですか。では、齊藤委員、お願いします。

齊藤委員

先ほど山名先生、あるいは最初に秋元先生からメーカーの海外展開のことにつきましてご指摘がありましたので、一言、メーカーを代表しましてご説明しておきたいと思います。

私たち、世界市場で通用する規模と競争力を持った原子力産業の実現、こういったことが原子力政策大綱以来の課題でありますし、我々の認識でもございます。したがって、それぞれのメーカーが、それぞれの戦略、これについては具体的にはお話し申し上げませんけれども、そういった基本的な方針のもとに事業展開をしているところでございます。

それで、次世代軽水炉ということにつきましては、当初から日本の市場のみならず世界の市場に通用する、そういった技術的にレベルの高い原子炉を開発するということがもともとの基本方針であります。したがいまして、提携関係ができたとか、そういうことでぐらつくようなものではございませんで、実際、いろいろな検討会でこれからも議論し、ご指導していただきますけれども、その辺、どういった原子炉を開発していくか、その基盤技術としてどういったものを世界に通用するような、日本がリードするような技術を開発するかということを議論しますけれども、そういった技術を開発していくという考え方でございまして、このことは、新しい産業体制になったからといって変わるものではないということをご報告申し上げておきたいと思います。

また、メーカーの国際展開によって遠心力的な力が働くのではないかというご懸念もございましたけれども、高速増殖炉サイクルを含めまして、私どもは、やはり、あくまでもグローバルな視点は必要でございますけれども、日本の企業として、また日本の国益を考え、しっかりした取り組みをしてまいる所存でありまして、こういった面についても、国際協力、あるいは国際的に通用する技術という点でご指導をいただきたいと思いますけれども、ぜひ、ご理解とご支援をいただきたい、そのように考える次第であります。以上でございます。

田中部会長

ありがとうございました。次は末永先生、お願いします。

末永委員

済みません、最初に15分おくれたのは、私、今日の会場が如水会館だと思って行きまして、慌てて来ましたけれども、向こうは15分早く着いていたのですが、何を勘違いしたのか、済みません。

つまらないことを言いましたが、まず最初に、何人かの委員の方がおっしゃいましたけれども、8月に終わって、多分終わりかなと思ったら突然またあるというので、そのフォローアップだということで、それも非常に立派なフォローアップをされて大変ありがたいと思いました。

既に何人かの委員の方々、いろいろご発言されましたので、私の言うことはほとんどないのですが、二、三点だけちょっと申し上げたいと思います。

1つは、いわゆるFBRの問題ですが、これは実は、我が日本でも、先ほど、タイムテーブル的なものがありましたけれども、もう少し前倒しできないのかなという気が非常に強くしております。と申しますのは、ご承知のとおり、ウラン、これも70年代から80年代にピークを迎える。そういうところは、かつてのオイルナショナリズムではありませんが、資源ナショナリズム等々が発動すると、これまたヤバイことになるだろうと。さらには、中国、アメリカ、インド、あるいは東南アジアですが、そういったところにおいても、原子力発電所の建設等々が進んでいっている。そうしますと、ウラン資源というもの、これもそのまま使っていれば、これはきわめて有限な資源であることは確かであります。だからこそ、再処理、これを着実にやっていっていただきたいし、あるいは、FBR、及びFBRサイクル、これらも確実に、かつまた前倒し的にやるべきではないかというのが私の率直なところです。聞くところによりますと、フランス何かにおいては、この辺を見越して、FBR建設の前倒しというふうな方向をとっていると言っておりますので、我が国もそういう方向もちょっととれるのではないかということが1つです。

あと、もう1つは、地元青森にいる人間として、これは国というよりも事業者の方々に対する注文でもあるのですが、1つは、もちろん、いわゆるデータの改ざん等々、これは決して許される問題ではありません。同時に、もう1つ、事業そのもののおくれが非常に目立つのです。例えば、大間、電源開発でやるのも、これも確実におくれていって、これはもちろん、技術的な問題以上に、耐震設計の問題とか、いろいろあります。しかし、そういうふうにおくれることが、実は変な懐疑心を地元の住民に持たせるということも理解しておくべきだろうと思うんです。単に懐疑心を持たせるだけではありません。残念ながら、青森県は、皆さん方はほとんどおわかりにならないかもしれませんが、今日の朝日新聞にも多分出ていたと思いますが、有効求人倍率0.4、つまり全国最下位であります。あるいは、所得水準も沖縄よりちょっといいだけで東京の半分です。

そういうふうにきわめて厳しい中においては、実は、事業の展開に伴って交付金、私は、交付金を当てにするのはちょっとおかしいとは言っておりますが、交付金を1つのてことして地域振興を図っていこうとする地方自治体も多いわけであります。それらのものを繰り延べされて、先送りになってしまうのです。その結果として、せっかく計画を持ち、あるいは、地域振興を図っていこうとする、そういったことも自治体においてはできなくなってくる。あるいは、少し先送りしなければならなくなっているという現実があります。ですから、その辺で、事業者の方々も、これはもちろん青森県知事の三村知事がおっしゃるとおり、安全が第一であります。それはもちろん着実にやっていただきますが、同時に、事業に対しては責任を持って一定のタイムテーブルのもとにおいてやっていっていただきたい。また、同時に、おくれた場合には、これはおくれても、ベタ記事とか、あるいは少し大きく出るときもありますが、住民になぜおくれたか、どういうことなのかという説明が余りないのです。そのことがまた住民の不安を煽ることにもなるということであります。確かに、先ほどから広報・広聴においてきちっとした説明が必要だ。そのとおりです。コミュニケーションも必要ですが、同時に、そういったことに関しても、やはり、きちっとした手当をすべきだろうと思っております。

それからもう1つは、それとかかわるのですが、実は、東のほうにおいて、東北電力の原子力発電所が一昨年の12月に運転を開始しまして、ちょうど13カ月ぐらいたったというので、今年の1月から2月ぐらいでしょうか、いわゆる定期点検に入りました。東通の西隣はむつ市なのですが、むつ市のホテル、旅館はもう満杯であります。つまり、作業する人々がワーッと入ってきたんです、1カ月ぐらい。そのときに私は非常に悔しく思ったことがあります。と申しますのは、少しでも青森県内の、どのくらいかちょっとはかっておりませんが、少しは使っていただいたかもしれませんが、もう少し、恒常的に青森県内の従業員を使っていただきたい。つまり、検査体制も、そういったことを早急に考えていただきたいということを思ったのです。

と申しますのは、ここでも議論されておりましたけれども、今までの従来型の定期点検という体制から、そうではない方向へ、やはり基本的に考えていくという方向でありましたので、その辺も考えた形において、地元の雇用に直接結びつくような、そういう体制をとっていただきたい。

そのことが、例えば、ここにありましたが、これから原子力にかかわる人材育成をどのようにやっていくかということにおいて、原産協を中心としていろいろ考えるということでありましたが、そのときには、そういう地元からも雇用が増えるような、そういった形での人材育成等々に関しても目配せしたような形において議論していただきたいと、そのように思います。以上です。

田中部会長

ありがとうございました。あとは内藤委員と武井委員、岡﨑委員、この順番でお願いしたいと思います。まず、内藤さん、お願いします。

内藤委員

ありがとうございます。黙っていようと思ったのですが、皆さんご発言なので、一言だけ申し上げさせていただきます。

まず、フォローアップ、非常にいい体制で進んでおり、実行しておられるということを他の委員の方と同じように、非常に高く評価を申し上げたいと思います。

その上で、私は、海外ばかり行っているものですから、国際的に見た場合、今まで非常に中身の議論は豊富でしたけれども、国際的に見た場合に違和感を感ずる点だけを二、三点申し上げたいと思います。

1つは、原子力の、今度FBR等々の開発体制、要するに産業体制の問題であります。もう少し一体化を求めたいということであります。したがって、寄せ集めの共同会社ではなくて、1つを核にするというのは従来の政策方法から見れば前進でありますけれども、私はそれでは不十分ではないかという感じがいたします。実は、去年の9月に申し上げたかと思いますけれども、STSの会合で、韓国の元原子力大臣が、原子力の産業機器開発を徹底的に今後進める。けれども、自分たちはアメリカとしか組まない。フランスは自己中心過ぎるといった上で、日本については、ブランド力もなければシステム構築力もなく、標準化も徹底されていない。したがって、日本を我々は部品メーカーとして使うということを言ったものですから、私は非常に不快感を持ちまして大論議をいたしました。それが9月です。

11月に今度はオックスフォードでまたクローズの会合がありました。そうしたらそこで、フランスの企業家とフランスの大学の教授から、全く同じ意見が出されました。それで、国内で議論したら日本の原子力機器産業というのは大変だということで、齊藤さんのお話のように、非常に立派なことをやっておられると思いますけれども、外国ではその認識が必ずしもないということは、今後、海外でやる場合の対応として、いかがなものかと。要するに、昔であれば、産業政策上、一本化を求めたと思いますけれども、それは今、経産省の行政手腕としてはないと思うんです。したがって、事業者である電力会社さんの役割が非常に大きいということで、こういう形でないと買い取らないというふうなことをするということによって一本化することによって限られた人材もそこで集中的に活用できるということで、今のまま進んで半導体業界の二の舞になることを私は懸念いたしております。

それから、もう1つ、企業ベースの問題では、先ほど来から政府と企業の一体的活動が必要だという話が何人かからございましたけれども、これも全くそうだと思います。中国で10年前から何度も言われたわけですけれども、実態を説明すると、アメリカ、あるいはヨーロッパからこういう話があったというよりは、ODAも含めれば、日本のほうがもっとだという話をしたわけですが、最近になって、また中国人との協議の中で、各国は政府と民間とで一体になって営業活動的な活動も行うのに、日本はバラバラであると。したがって、80年代の日本人は何でも金さえ出せば買えると思い上がって、そのときに散々、海外から非難され、官民一体過ぎるということで今度は離れ過ぎているのではないかという話を、最近もまた中国人から受けました。したがって、企業に関連して申し上げたいことは、営業活動についての一体化ということを申し上げたい。

それから、2点目は個人に関する問題であります。先ほど、安全問題に関連しての報告漏れ等々の話がありました。それで、先ほど長官から故意であるという話がありましたが、国際的に見た場合には、ちょっといかがかという気がいたします。要するに、海外の、本当に実は厳しい有力企業、例えば、私もやっております6万人の人間のいる、世界に展開している企業は何をやっているかというと、もう何十年、毎年、コンプライアンス・エシックスについての宣誓書を1人ずつ出させるわけです。それで、年4回、講習会もやります。そこまで徹底していて、もしそれで違反があった場合には、その人は故意であったということで、即、解雇になるということで、最後の保全というのは個人の心の問題になる。それをシステムとしてそういう形で徹底しているわけです。したがって、国がどうやるべきだと、それは当然ですけれども、最後は個人の問題ですから、個人のそこまで徹底するということも、1つの参考ではないかと私は思っております。

それから、3番目は国家ベースの話ですけれども、外交戦略といった場合に、日本の核拡散について考えた場合、例えば、インドとパキスタンとイスラエルと北朝鮮の扱いということについて、日本での本当の基本的な統一基準のもとをどのように考えるかということです。それで、アメリカがダブルスタンダードであったら、アメリカに非常にそれを説明して、説得するというふうな基本的な対応があって、初めてインドに対する先ほどの扱いが不明だというのができるようになるのだと思います。

それから、原子力の平和利用を本当に言うのであれば、日本が核兵器を持たない、平和利用に徹しているということで、初めてああいう新しいスキームに日本が主張して説得性を持つわけです。ところが、一般人だけではなくて、現実の閣僚までが日本で核開発を検討してみてはどうかという発言が出るというのは、政治家を含めて国家全体として基本戦略の基本軸のところで本音の軸を持っていないのではないか。そういうことをするのが、まさに安全保障会議なり何なり、そういうものを前提にしながら原子力はこういう動きをしますということが必要なのではないかということで、海外ばかり回っておりますので、今まで議論が出なかったところで海外からの感想ということで、感想を申し上げさせていただきました。

田中部会長

ありがとうございました。続きまして、武井委員、お願いします。

武井委員

ありがとうございます。エネットの武井でございます。皆さん、大所高所からいろいろな話をされるので、今回は黙っていようかと思ったのですけれども、結構、議論が出ておりますので、新規参入の立場から1点だけお願いをさせていただきたいと思います。

それは、原子力発電のメリットの可視化についてでございます。原子力発電メリットの可視化の目的につきましては、地球温暖化対策として非常に有効であるということが原子力発電について言われますので、今後の投資や電源立地を行いやすい、そういうふうにするために一生懸命にやっていこうということだと認識しております。

私どもPPSも、今後、原発の新・増設リプレースに当たりましては、微力ながら我々の力の及ぶ範囲で貢献していきたいと考えておりますけれども、可視化を進めていきますと、一方で、これからやっていくという原子力のメリットだけではなくて、既に運転している既設の原子力のメリットも当然、強調されることになると思っております。過去に設置されたものについて、我々が今からさかのぼって手を挙げるわけにはいきませんので、これらがPRされればされるほど、競争上、PPSにとって非常なハンディキャップになると思っております。これについて、昨年6月に公正取引委員会がレポートした内容で、排出係数を巡る競争において、電力会社が保有する原発は先行者の既得権であることから、イコールフッティングを確保する観点のための制度のあり方について検討する必要があると言っておりますけれども、もう既に皆さんご存じで釈迦に説法になりますけれども、可視化の際には、公正な競争にするような配慮をしていただくことが必要ということについて、頭の隅のほうに置いていただければというお願いでございます。以上でございます。

田中部会長

ありがとうございました。最後になりますけれども、岡﨑委員、お願いいたします。

岡﨑委員

ありがとうございます。1月1日に殿塚前理事長の後を受けて原子力機構の理事長に就任をいたしました。時間が超過しておりますけれども、一言お願いとお礼を申し上げたいと思います。

まず、政策大綱から立国計画、そして今日の行動計画等々、私どもの原子力機構の業務のよりどころとも言うべき確固とした原子力政策を打ち立てていただいているということに感謝申し上げたいと思いますし、何人かの委員からご指摘があったFBR開発を中心とした核燃料サイクルの確立というためには、当然のことながら、多くの関係の方々との連携協力なくしてはできない。そういう観点からも、例えば、五者協議会とか、そのほかにも大変いい形の連携のスキームをおつくりいただき、今、進められていることに感謝申し上げたいと思います。ぜひ、今後とも、こういったモメンタムを失うことがないような、国としてのこういう環境整備を引き続き、ぜひご配慮をいただきたいと、お願い申し上げます。

もう1点は、先ほども議論が出ました地方自治体との関係でございます。私も理事長に就任をして、全国に10カ所の拠点を設けている関係上、特に自治体関係の方々ともご懇談する機会があったわけですけれども、その印象として、ここ何年かのこういった動きに対して、原子力に対する理解は、もちろん立地地域の方が中心であったかもしれませんけれども、大きく前進をしていると申し上げていいのだろうと思います。さらに、この高レベル廃棄物のいろいろな動きを拝見してみますと、もちろん関連する自治体の知事さん方からは厳しい意見は出ているものの、本件の解決の課題の重要性であるということについては大分認識が深まってきていただいている。そのための合意形成はどうあるべきか、ということの問題提起がなされているという意見も目にするわけであります。ぜひ、立地地域だけに限らずに、幅広い地方自治体との、この原子力を取り巻く連携のあり方について、その仕組みについてもご努力をいただければと、私は大変いい機会だろうと思いますので、そういった場の設定等も含めてご努力をいただきたいということをお願いしたいと思います。ありがとうございました。

田中部会長

ありがとうございました。時間をオーバーしてございますけれども、何点か質問がありましたので、まとめてお答えを願いたいと思います。

柳瀬原子力政策課長

お時間の制約がございますので、1つ1つにはお答えできませんが、何人かから出た共通の点について申し上げたいと思います。

1つは、国際的にメーカー側の参入が進んでいる中で、いろいろ、次世代軽水炉とかのプロジェクトをどうしていくのか、変更するのかということを三、四人の方からご指摘をいただきました。もともと次世代軽水炉開発をやるときから海外メーカーは一切排除しないということでございます。次世代軽水炉プロジェクトの目的は、日本メーカーだけでやるというよりは、世界に売れる炉ということでございますから、海外メーカーの協力も得ることは当然でございますけれども、大事なことは、技術開発のイニシアチブを日本がとり続ける、日本が単なる設計書をもらってつくるだけの製造子会社、下請けに成り下がることのないように、みずから開発能力を維持することが大事だと思ってございますので、そういう観点で、特に共通的な基盤的な技術開発のところは、ぜひ、三者協同していただいて開発をしていただき、国はそれを積極的に支援していき、競争するところは競争していただくということではないかと思っております。

それから、海外のカザフ、ロシア、インド、いろいろご指摘をいただきまして、もちろんこれは我が省だけでできる話ではございませんので、関係省庁の方と相当ご相談をしながらやっていっておりますけれども、おっしゃるとおり、日本の考え方、核不拡散政策そのものにかかわる部分もございますので、官邸も含めて、今、どういう決断をするかということをやっている段階でございます。もうちょっと議論が必要かなというふうに考えてございます。

それから、保安の全体像というお話がございました。保安院のほうも一生懸命、一般の人に理解しやすいようにと、もともと技術的でかなり細かい話ではございますので、皆さんにおわかりいただけるように相当、保安院のほうも苦心してございますけれども、今日は全体が見えるようにというご指摘もいただきましたので、保安院のほうにも、そこの理解をいただくようにお伝えしたいと思います。

これから国際的な核燃料サイクルということになっていったときに、バックエンドを国際的にやる必要があるのではないかというご指摘もいただきまして、こういう指摘は昔からあるわけでございますけれども、日本について言うと、今の六ヶ所工場が年間800t、使用済み燃料の処理容量でございまして、日本だけでも1,000t以上の使用済み燃料が出てございます。六ヶ所の時代にはちょっと物理的に容量が足りませんので、海外の使用済み燃料はできません。じゃあ、その次の再処理工場がどれぐらいの容量で、それを国内だけにするのか、海外に向けるのか、そのときに核不拡散との関係でどのような核不拡散技術を入れ込むか、これは大変大事な議論で、技術論だけではないと思ってございます。そういったことは、六ヶ所の次にどうしていくかという議論の大きなテーマになろうかというふうに思ってございます。

それから、日米合意でございますけれども、この大臣合意の以上でも以下でもないわけでございまして、4つの柱というのは、特に案件が具体的な研究開発を資金を出し合うという協力があるものを4つ。その中で最も重要なものとして原子力で、それであるゆえに4月までかけて行動計画をつくろうということでございますけれども、そのウェートを変えるとか何とかというよりは、今、両国が共通して注力をするという共通項を書いたのが、この4つということでございます。

それからFBRの前倒しの議論でございますけれども、それはこの部会でも最初は実証施設を2030年と置いていたのを、最後、いろいろ議論を経て、それよりもさらに5年前倒しということで、皆さん、随分2025とか、2050が遠い、遠いというので前倒し、前倒しということでございますけれども、現在、実証プロセス研究会でメーカーの方やJAの方や、文科省さんや電力の方と議論していますけれども、これを具体的にタイムスケジュールに置きかえると、もうほとんど2025年というのは、かなり限界、ぎりぎり目いっぱいやって、それでも可能かしらというスケジューリングでございまして、これをさらに前倒しというのは、もちろんできれば好ましいと思いますけれども、相当技術的には難しいことかなというふうに思っております。これもまとまってきたところで、また次の原子力部会でご紹介したいと思います。以上でございます。

田中部会長

ありがとうございました。本日はさまざまなご意見をいただきありがとうございました。いただいたご意見を踏まえまして立国計画の実現に向けたさらなる取り組みを進めていただきたいと思います。

ちょっと時間をオーバーしておりますけれども、最後にひとつ、皆さんにご了解をいただきたい点がございます。本部会での検討は一昨年、経済産業大臣から、昨今の電気事業を取り巻く各種情勢の変化等を踏まえた今後の原子力政策がいかにあるべきかとの諮問がされたことを受けましてこれまで審議を進めてまいりましたところであります。昨年8月に立国計画を取りまとめていただき、本日、今後の行動計画についてもご確認をいただきましたので、これをもちまして経済産業大臣からの諮問に対する答申とさせていただきたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。それでは、私のほうで手続きを進めさせていただきたいと思います。

本日の部会は以上でございますが、その他何かございますか。では、事務局から何ありますか。

柳瀬原子力政策課長

今後のこの原子力部会の進め方でございますけれども、また折りを見て適切な時期に、今後、ここまで進んできている、今後こうしていくという議論をまたやらせていただければと思ってございます。

田中部会長

はい、ありがとうございました。それでは、これをもちまして第14回原子力部会を閉会といたします。どうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2007年6月1日
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