経済産業省
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工業品先物市場の競争力強化に関する研究会(第2回) 議事要旨

日時:平成19年6月7日(木)13:00~15:00

場所:経済産業省本館17階西1第1特別会議室

出席者

尾崎座長、池尾委員、石戸谷委員、牛嶋委員、遠藤委員、大河内委員、犬嶋委員代理(加藤委員)、川本委員、木村委員、下山委員、高井委員、多々良委員、南學委員、増田委員

議事要旨

1.尾崎座長より開会挨拶及び議題の説明

2.資料説明及び意見交換

東京工業品取引所南學委員より、利便性強化の方向性・概要について説明。

東京工業品取引所説明者より、次期システムの在り方及び取引時間の延長について資料説明

(説明内容に対する各委員からの主な意見は以下のとおり)

  • 取引時間の延長を2007年中に実施し、国際標準の取引システムを2008年度中に稼働するとの発言は心強い。ただ、資金面での心配がある。一取引所で次期システムを構築するのは、会員への負担が大きい。他取引所と共にシステム構築することや、他取引所のシステムをそのまま使用することについては、どのように考えるか。
  • 他取引所とのシステム共通化に関する意見は、重く受け止めている。既に、電算事業特別委員会で議論を行っている。各取引所共通で利用できるシステムを作っていきたい。現行システムの初期投資には約60億円(運営費用を除く)を要している。次期システムにおいて、世界に通用するものを作るとなると、現行システムと同額程度の費用を要すると思われる。そのための資金調達に関しては、株式会社化も含め検討している。
  • 東京工業品取引所(以下、東工取と言う。)が世界に先駆けて1991年に電子システムを導入したのは、先見の明があったと評価できる。しかし、その後、欧米が10年遅れでシステム化に移行し、追い抜かれたのが現状である。次期システムにおいては抜き返してほしい。ユーザー・サイドの意見としては、時間とコストの削減のために、取引所間の横の連携を図ってほしい。東工取独自の取引ルールにシステムを合わせるのではなく、東工取の取引ルールを世界水準に合わせてほしい。システム変更は、できるだけ早く実現させてほしい。
  • 取引所のシステム変更には、清算機構の問題や各会員のシステム変更に係る費用の問題も伴う。会員の賛同を早急にとる必要がある。
  • 取引所は装置産業化している。例えば、時価総額最大のドイツ取引所は、システム要員として約5000人の人員を確保しており、外販なども行っているが、東工取のシステム開発能力は、どの程度あるのか。きちんと、発注のスペックを判断したり、管理できる体制があるのか。
  • 電算部の在籍は10名で、システム開発を行っているNTTデータと共同で、要件定義やシステムチェックを行っている。
  • CIO(最高情報責任者)は、在籍するのか。
  • 電算担当理事がいる。
  • 先を見据えた目標を掲げている点を評価する。しかし、世界的には、多くの取引所を網羅する形で、商品や株式を一つの画面で取引できるようコネクティビティーが構築されている現状がある。このような現状において、いいものを安くという観点からは、市場で既に認知されているシステム、特に、会員企業やその顧客の間で認知度の高いシステムの導入を検討してほしい。
  • ISVのアクセシビリティーについては、強化を図っている。
  • システム本体とシステム基盤は別と考える。本体の共通化は困難であるが、回線等の基盤の共通化は、金融庁でも提案しているように、可能と考える。他商品取引所との共通化も図ると、東工取の足を引っ張ることになる可能性がある。
  • 海外主要取引所のシステムと注文レスポンスにおいて比較すると、20倍以上の性能の開きがある。この開きを埋める手段としては2つの選択肢があり、一つは、独自開発で1から作り上げていく手段。もう一つは、既存の海外パッケージシステムを用いる手段である。現行システムを導入した2003年当初は、アルゴリズム取引のような高速取引は未想定で、キーボードを叩き注文を出す取引のみを想定していた。
  • アルゴリズム取引の増加によるシステム障害等の問題へは、どのような対応体制を整えているのか。
  • アルゴリズム取引がどのような取引をするのかは把握しており、アンダーコントロールである。また、今夏にシステムの能力アップを図る予定である。
  • 「2008年度中に国際標準の取引システムを稼働」との目標を掲げているが、目標は止まっているのではなく、動いている。2008年度の目標としては、具体的にどのようなシステムを目指しているのか。
  • コストをかければ当然性能アップにつながり、既に5ミリ秒を計画している取引所もあるが、現実的には数10ミリ秒を目指す。現行システムでは、500ミリ秒が限界。
  • ということは、2008年度の次期システム導入時に世界との差が縮まらないではないか。動いている目標にどのようにキャッチアップするつもりか。
  • 海外パッケージソフトを用いれば、毎年、自動的にバージョン・アップされるので、そのまま、世界水準についていくことが可能。
  • 独自開発システムを用いるか、既存の海外パッケージソフトを用いるかについては、既に、取引所において議論を行っている。
  • 日本特有の取引ルールがシステム構築の障害になっているが、それについてはどう考えるのか。
  • 海外パッケージソフトを用いるということになれば、基本的に取引所のルールを国際標準に合わせていくことになる。
  • 取引ルール変更は、取引員にとっても負担になるため、議論が必要。
  • 日本特有の取引ルールをテイラーメイドするには、課題が多い。
  • 海外パッケージソフトを利用せずに、2008年度稼働の実現可能性はあるのか。独自開発か海外パッケージソフトを利用するかを議論しているとのことだが、独自開発では2008年度中というのは間に合わないのではないか。
  • 海外パッケージソフト導入には、2つの要件があり、両方をクリアする必要がある。一つ目の要件は海外パッケージソフトの適用性、もう一つは取引ルール変更に伴う議論である。
  • 海外パッケージソフトを利用して、それに合わせて取引ルールを国際標準に合わせていくということではないか。
  • 大阪証券取引所(以下、大証と言う。)の更新されたシステムに対する評価は高いが、そのシステムを利用することは考えないのか。
  • 視野には入っている。システム更新により、大証の執行スピードは飛躍的に改善したが、システムの汎用性が低く、また、海外システムとの比較においては、大きな差がある。
  • 東京金融先物取引所のシステムは、どうか。
  • 高性能であり、選択肢の一つである。
  • ユーザー・サイドの意見としては、国内の各取引所が別々のシステムを用いるのではなく、各取引所のシステム担当者間で意見交換を行い、日本国内全取引所のシステムを、ベリー・ベストのシステムで統一してほしい。
  • 2008年度中を目標とのことであるが、時間観念に疑問を感じる。かなりのスピードで議論していく必要があると思われるので、システムに係るワーキング・グループでは、具体的にどのような問題が議論されているのかを挙げてほしい。
  • ワーキング・グループは、まだ発足していない。
  • 具体的な検討項目なしでは努力目標で終わってしまう。本研究会の最終回においては、アクションプランを示すことになっている。具体的な検討項目を挙げることが必要。
  • EFP取引をファンド業者へも認めてほしい。海外取引所は、取引時間の24時間化に先立ち、EFPをファンド業者に認めた。また、ISV最大手のTTやGLが東工取に接続できていないのは疑問。
  • GLとは既に接続可能である。TTとは、今月中に機関決定を行う予定。EFPの適用者要件については、主務省の判断となる。

東京工業品取引所説明者より、市場運営ルール、情報開示の在り方、及び、その他流動性向上策について資料説明。

(説明内容に対する各委員からの主な意見は以下のとおり)

  • システムについては積極的目標を掲げていたが、市場運営ルールに関しては不安を覚える。議論が金及び原油に限定されている。流動性の低下が顕著で、日本のリテールに最も近いものは、石油製品である。公正な価格形成を担わなければならない部分に、達成目標期日の設定がない。
  • ガソリンや灯油は現物の受渡しを伴うため、安易に建玉制限を緩和することはできない。
  • 原油においては、確立された市場が他に存在する。石油製品は日本の国内製品であり、競争者が存在しないにもかかわらず、流動性を引き寄せられないのには問題がある。
  • 金、原油は、市場管理の問題が少ないため、先行実施とした。
  • 金、原油は先行実施で、ガソリン、灯油はその後に検討するものと理解している。
  • 値幅制限は拡大したいが、実施に移すことには恐怖感がある。流動性が高まれば、公正な市場価格が形成されるのか不明。
  • 値幅制限の拡大は、個人投資家にとって追証を請求される可能性を高める。市場機能の向上を図るだけでは済まなく、市場参加者の構成が海外と異なるという足下の状況も勘案する必要がある。市場の構造をプロ中心にしていくということとセットで議論すべきである。
  • 海外市場で価格の上下が大きい場合、値幅制限の拡大は市場離脱を容易にするという面もある。
  • 1998年に利便性向上を目指し、商品取引業者の行為規制も緩和されたが、それに伴い消費者センターへの苦情も増加した。市場参加者を想定した上で、利便性を議論すべき。プロ市場を目指すとしても、商品取引員の営業により個人投資家も市場に参加してくるため、これらを合わせて議論すべき。
  • システムを海外パッケージソフトにした場合、特別売買が行えなくなる。
  • プロ・アマの議論が必要。
  • プロが利用するためには、期近の流動性が低い。
  • 期近建玉の絞り込みの在り方については、検討している。
  • 値幅制限の議論は証拠金の議論に直結する。実質的リスクをもって証拠金を設定すべきであるため、SPAN証拠金制度を早急に検討してほしい。逆指値でストップ・ロスを実現することはできるが、全建玉を仕切る一般的なストップ・ロスは、法令における一任売買禁止との関係から実現できない。また、特に夜間など流動性の少ない時間において、マーケット・メーカー制度を導入することは意義がある。しかし、マーケット・メイクと市場操作の判別は困難であるため、マーケット・メーカーは市場操作の適用除外とすべき。情報開示に関しては、もっと早期に実施してほしい。
  • 市場運営ルールにおいてもスピード感を持って取り組んでほしい。金、銀、白金、パラジウムの価格は連動している。また、これらの商品間でスプレッド取引を行っている者もいる。金のみの市場運営ルールを見直すのではなく、全ての商品で見直しを行ってほしい。また、システム更新がなされ、24時間取引が可能となった場合、個人投資家の市場離脱も容易になるのではないか。
  • 原油について市場運営ルールの見直しの時期が明示されていないが、実施時期はいつ頃か。
  • 金についての見直しを実施した後に実施する方向で基本問題研究会で議論している。
  • 個々の市場参加者の取引に係る情報を非開示とするとあるが、これは、裁判所等による開示請求にも影響が及ぶものか。
  • その情報開示とは関係ない。
  • 2005年12月の某社による金取引のように、個人投資家に勧誘した取引と反対の取引をその受託業者が行うような行為があるが、このような行為の監視はどうするのか。
  • 照会があれば対応する。
  • この問題は、情報開示で解決するものではなく監視体制の問題。このような行為は、監視する立場の者が対処すればよいのではないか。
  • ディスクローズを行い自衛させるか、監視するかの問題。
  • 本日は、いろいろな問題点が指摘された。ご示唆された点を真摯に受け止め、会員と合意形成を図っていきたい。
  • 本日の議論から、取引所は自立したメカニズムがないように感じられた。これは、取引所のガバナンスに問題があると思われる。
  • 個人投資家にとっての利便性の議論がなされていなかった。
  • スピード感が問題になっている。次期システムに関しては、具体的に、どのようなシステムを念頭に置いていて、どのようなタイムスケジュールで、何を検討しなくてはいけなく、どのように実行していくのかを示してほしい。最終的には、アクションプランを示すので、具体的なものが示されない限り議論ができない。限られた時間の中で効率的な議論を行うために、ペーパーを提出して頂くのがよい。

以上

 
 
最終更新日:2007年6月13日
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