経済産業省
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工業品先物市場の競争力強化に関する研究会(第3回) 議事要旨

日時:平成19年6月14日(木)14:00~16:00

場所:経済産業省別館11階第1120共用会議室

出席者

尾崎座長、石戸谷委員、牛嶋委員、遠藤委員、大河内委員、加藤委員、川本委員、木村委員、下山委員、高井委員、多々良委員、中川委員、南學委員、増田委員

議事要旨

1.尾崎座長より開会挨拶及び議題の説明

2.市場の信頼性の確保について

事務局、日本商品先物取引協会説明者、及び、東京工業品取引所説明者より、市場の信頼性の確保についての資料説明

(説明内容に対する各委員からの主な意見は以下のとおり)

(石戸谷委員より提出資料あり)

  • 安心して市場に参加できる仕組みは、二つのサイドから構築される。一つは取引所サイド、もう一つはブローカーサイドである。
  • 取引量と相談件数は比例している。ブローカーサイドにおいては、入口においてプロのみが参加するような仕組みを構築してほしい。元本を超えて毀損する恐れのある商品に関しては、不招請勧誘の禁止や、適合性原則に関するガイドラインに示される勧誘の収入要件を現行の年収500万円から1500-2000万円程度への引き上げることが必要。外国為替証拠金取引においては、不招請勧誘を禁止しているが市場規模が拡大する一方、苦情は極めて少ない。ガイドラインには例外が広く、知識や経験を適合性の要件とするのではなく、年収などの数字を要件とすることが肝要。欧米の監督体制や法制度を踏まえた対応が必要。取引所が説明したロスカット型商品の導入は、それはそれでやったらよいと思うが、そうした取引所サイドにおける仕組みのみではなく、ブローカーサイドにおける仕組みもセットで考え、取りまとめを行ってほしい。
  • 消費者団体としては「商品先物は「絶対に」手を出してはいけない商品」としている。しかし、被害が減らない。消費者保護政策が足りないのではないか。被害が減らないのは電話や訪問によって勧誘が始まるからと考える。これらがなくなれば被害は減少し、信頼性も確保されると考える。商品先物は、アマが参加できる取引ではない。アマが市場に入れない仕組みを構築してほしい。
  • 金融商品取引法におけるプロ・アマ規制と整合性を図るべき。
  • 不招請勧誘禁止やプロ・アマ規制を、実効性のあるものとするためには、自主規制団体である日本商品先物取引協会の機能を強化する必要があると考えるが、監査・検査の状況はどのようになっているのか。
  • 苦情の件数及び内容を精査し、法規則に違反した会員に対し指導、勧告、または、制裁を行っている。その一環として、監査も行っている。
  • 商品取引員の立場としては、対面営業により流動性を確保してきた歴史があり、この営業体制を急に転換することは困難である。各委員から出された意見も含め、理想的な形に向けてやっていくべきことは認識しているが、現実の状況もあり、急にというのではなく、改善しながらやっていくことを理解頂きたい。
  • 急転換は困難とのことだが、平成15年の段階で既に構造変換は議論されており、それから既に時間も随分経っている。
  • 外国為替証拠金取引に関する苦情が少ないとの議論があったが、これにはドル高一辺倒で利益が出やすい市況にあったという背景もある。今後、ひとたび円高に転じると、損失が出て苦情が増加する可能性がある。ただ、苦情が少ない要因としては、売買注文と同時に、ストップ・ロス注文も発注しておくという取引の傾向もある。東京工業品取引所(以下、東工取と言う。)によるプロ・アマ市場を分離するミニ商品開発やロスカット導入は、試みとして評価できる。どのように機能するのか、実行してみるとよいと思う。
  • 勧誘されて取引を行う投資家と勧誘なしで自ら取引を行う投資家の間には、自己責任の取り方に違いがあるのではないか。不招請勧誘禁止による線引きの方がわかりやすく、適当であるが、そうでないのであれば、適合性基準の強化を行う方向となると考える。
  • ロスカット商品は委託者保護に資する一方、取引員に対し、説明義務の発生、書面交付及びシステム改修等の負担をかけることとなるが、理解を頂ければと思う。
  • 市場の競争力強化によりプロの参加促進を図るにあたり、市場における公正な価格形成を担保する必要がある。市場監視は、現在、取引所で行われているが、欧米のように公的機関が市場の動向を監視する必要が出てくるのではないか。
  • ロスカットの導入を評価する。導入するロスカットは、ロスカット契約で定められた損失レベルを保証するものか、それとも、それを上回って仕切ることもあるとするものか。
  • 損失レベルを保証するものではない。これも説明した上で選択して頂くこととなる。
  • 保証の場合、取引員に負担を強いる可能性を生じさせるので、保証でないのは評価する。一方、日本商品清算機構(以下、JCCHと言う。)の分離保管は、特に現物受渡時に、取引員が立替の必要性に迫られ、負担になっており、改善の必要がある。
  • 信頼性のないまま、市場の利便性を高めた場合、損失増加のスピードが高まるのではないか。ロスカット商品自体は大きな損失をなくすので結構なことである。取引に伴うリスクについて説明がないまま、勧誘が行われている現状を理解すべき。

3.事業体制等のあり方について

東京工業品取引所説明者より、事業体制等のあり方について資料説明

(説明内容に対する各委員からの主な意見は以下のとおり)

  • 株式会社化の方向性を大変高く評価する。実行に際しては、中身、特にガバナンスを重んじた株式会社化を要望する。理事会・取締役会に関しては形骸化を避け、また、業界関係者のみならず客観的判断を行える外部有識者を構成員に加えるとともに、少人数の知識を持った者で活発な議論を行う場とする必要がある。また、市場管理委員会等に関しては、会員・株主だけでなく、客観的な意見が反映されるあり方を検討すべき。
  • 現在の理事会構成員は32名中23名が会員であるが、会員の立場から経営陣に対し厳正な監視が行われていると考える。また、各委員会においても活発な議論が行われている。しかし、社外取締役や少人数の役員による意思決定に関しての御意見は、重く受け止めて検討し結論を出していく。
  • システム変更に関する議論が短時間のうちに行われたことを評価する。ただ、株式会社化に2008年までかかるというのは、スピード感が欠如しているのではないか。資金調達が目的であるならば、上場するのが常識ではないだろうか。株式会社化において、会員総会への諮問から主務省への認可申請まで、時間がかかりすぎているのではないか。俎上に上がってからこれほど時間を要するのであれば、代替市場が必要ではないか。
  • 諮問から認可申請までの期間は、法令で定められた手続きを踏むために必要となる期間である。
  • 株式会社化によって資金調達を行った後も、システム改築のために資金需要は継続して発生すると思われる。そのたびに増資を行う予定か。投資家の立場としては、株式会社化後の事業見通しがきちんとたてられていない限り、出資を行おうとは思わない。
  • 今回の資金調達はシステム構築の初期投資を賄うためものである。その後のバージョンアップに要する費用は、今回ほどの額ではないと考える。
  • 第三者割り当て増資とのことだが、誰が引き受けるかという問題がある。社外取締役の在り方など、ガバナンスがきちんと働くようストラクチャーを構築する必要があると思われる。また、取引員に対する財務面での負担は喫緊の問題として出てくる。

日本商品先物振興協会加藤委員より、事業体制等のあり方について資料説明

(説明内容に対する各委員からの主な意見は以下のとおり)

  • カウンター・パーティー・リスクを完全に遮断しうる清算システムの確立とあるが、具体的には、どのように確立するのか。
  • スピード感をもって、JCCHを国際的水準のクリアリング・ハウスにすることが必要と認識。
  • プロ・アマに関する議論があったが、ハイ・リスク、ハイ・リターンを求める個人投資家も存在することを忘れないでほしい。ミニ市場であっても、相場操縦等を行う者の存在は否定できないため、市場監視を厳正に行ってほしい。
  • 政府に対して、手続きの短縮並びに簡素化、及び、排出量や電力といった無体物の上場ができるよう制度改変を行うよう要望する。
  • 本研究会では法改正に踏み込まないが、クリアリング、JCCHについては、運用改善とともに法改正という面がある。いずれにせよ、取引所間競争に耐えうるシステムの構築及び財務基盤の確立が求められている。
  • 報告書の取りまとめに際しては、本研究会の議論が多岐にわたっているため、どのようなプロの取り込みを目指し競争力強化を図るのかを明示的にすることが必要と考える。

以上

 
 
最終更新日:2007年6月22日
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