経済産業省
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工業品先物市場の競争力強化に関する研究会(第4回) 議事要旨

日時:平成19年6月21日(木)13:00~15:00

場所:経済産業省別館11階1120共用会議室

出席者

尾崎座長、池尾委員、石戸谷委員、牛嶋委員、遠藤委員、大河内委員、加藤委員、川本委員、木村委員、下山委員、高井委員、多々良委員、中川委員、南學委員、増田委員

議事要旨

1.尾崎座長より開会挨拶及び議題の説明

2.資料説明

  • 事務局より、経済財政諮問会議における議論、及び、工業品先物市場の競争力強化に関する研究会報告書(案)について資料説明

3.意見交換(各委員からの主な意見は以下のとおり)

  • 一ヶ月という短期間の間に立派な報告書を取りまとめていただいた。東京工業品取引所(以下、東工取と言う。)としては、本研究会での議論やいただいた意見及び示唆を真摯に受け止め、精力的に競争力強化の施策を展開してきたいと決意している。
  • 現物受け渡しの円滑化に関しては、東工取の白金の受渡単位(500グラム)を国際的受渡単位(5キログラム)に合わせる、若しくは、束ねた形で受渡ができるように見直すべき。東工取の金の受渡単位は、国際水準と同じ1キログラムで、期近も含め取引が活発に行われている。しかし、白金に関しては、世界水準と異なるため、東工取で渡す場合、鋳直しの必要が生じる。これに関しては、既に東工取と議論を行ったことがあるが、個人投資家は500グラム塊を選好するという理由から見直しはなされなかった。しかし、期近の流動性向上とスクイーズ防止の観点からも、受渡単位を国際水準に合わせることは有用。また、パラジウムでは、既に束ねた形での受渡が行われているため、見直しは比較的容易ではないか。また、納会で受け渡し即決するのではなく、NYMEXによるファースト・ノーティス・デイのような仕組みの導入を検討してほしい。
  • 貴金属は、一般投資家の資産運用の場にもなっているため、小さい単位での受け渡しについても一定の配慮を払う必要がある。
  • 報告書の書きぶりで、受け渡し単位等の見直しは内包されている。また、500グラム塊での受け渡しにプレミアムをつけては如何か。これとは別の点として、本邦の商品先物市場においてファンドは、受けることはできるが、渡すことは困難である。国際的に可能なように、ファンドにも受け渡しをできるようにしてほしい。
  • 受け渡し単位等の見直しに関しては、東工取貴金属受渡品質委員会で議論していく。
  • 取引所のあり方として、営業・マーケッティング機能の強化や海外の取引所との連携が挙げられている。東工取は、既に国内石油当業者への営業活動や海外取引所とのMOUを締結している。今後は、人件費削減との兼ね合いを図りつつ、挙げられた方向性に従い取り組んでいきたい。
  • 中部大阪商品取引所では、現在2、3名がサービス部に所属しマーケティング等を行っているが、職員の意識改革という観点からも、営業機能強化には賛成である。
  • 国際競争の激化という状況を踏まえた人員・資金配分を行ってほしい。
  • 現在、東工取への海外からの市場参加者は11社ある。これは、東工取の営業努力の賜物。
  • 国内外取引所との関係構築とあるが、これはMOU締結を意味するのか、それとも国際連携を意味するのか。
  • MOU締結のみではなく、連携という実のある関係を構築することが重要。
  • 海外からの潜在的市場参加者に対し、取引所は英語で十分に対応できていないのではと思わせる事例が生じている。
  • 以前から英文パンフレットは発行されており、中文版も最近発行した。また、外国人の採用も行った。
  • 英語での対応に関しては、(5)その他利便性・流動性向上策において「市場参加に係る書面の英文化」を「英語による対応体制の拡充」とすることで、報告書内に読み込めるのではないか。
  • MOU締結は簡単である。MOU締結が新聞記事になるのは日本くらいである。MOU締結で満足するのでは取組が全く不十分である。
  • マーケティング部と会員部の間に、ファイア・ウォールは必要ではないか。
  • 取引所の取組として営業・マーケティング機能の強化が挙げられているが、機関投資家等の市場参加を働きかけるためには、金融商品と商品先物との間の垣根について研究し法改正を行う必要もあると考える。現在、国内機関投資家は、ワンクッションをおいて商品市場に参加しなければならない。
  • 本研究会の目的が法改正に対し提言を出すものではないため、この意見は、今後の検討に際し留意すべき意見として報告書に盛り込み対応する。
  • 利便性向上と委託者保護の両輪で競争力強化を図っていくと理解しているが、報告書案における委託者保護の記述は、利便性に関する記述に比し抽象的である。両輪で取り組んでいくためには、「被害の減少」等の具体的な記述が必要。
  • 例えばトラブル件数の半減等の目標を掲げるべきということか。
  • 制限値段幅を緩和した場合、ボラティリティーが高まると考えられるのではないか。現在、適合性原則に関するガイドラインが示す不適当とされる勧誘の収入要件の年収500万円は、プロ化された市場に対応できる要件ではないのではないか。
  • 運用に関しては、市場の信頼性確保に係る具体的な取組として厳正な法執行が挙げられているが、ここに具体的な運用基準を明記すべきということか。
  • 利便性の向上によって生じる変化に対応した運用基準を具体的に記述してほしい。
  • 報告書内に「前提としつつ」という記載があるが、前提が反故にされる事態を避けるために「前提のもとで」とすべきである。
  • 全商品をプールした形での証拠金計算を維持し投資家の利便性を確保するために、ロスカット制度は、工業品のみならず農産品も対象とすることが望ましい。このため、経済産業省には、ロスカット制度導入に関し農林水産省へ働きかけを行うよう要望する。
  • 今後、流動性の担い手が、個人からセミプロやプロップ・ディーラーに移行していくと思われる。米国もこの移行を経験し、その過程でプロップ・ハウスが出現した。建玉制限の緩和も図られたことで、本邦においても、同様のことが起こると思われるため、資本金1、2億円のセミプロ会社であっても、プロとして取引所会員権が取得できるようにしてほしい。また、競争力強化策の実行が喫緊の課題であることについて、本研究会参加者の間では問題意識の共有ができているが、取引所会員の間において、この意識の共有が図られているとは限らない。意識のギャップが埋まるような文言を報告書内に明記するべき。問題意識の共有化を担保するために、例えば、この報告書に示された改革が遅れたり実現しない場合には、現在の商品取引所とは別の代替市場を考える必要も出てくるということについて明記してもよいのではないか。
  • 例えば、電子システムの早期導入の具体策に関する文言が、断定的表現から、報告書案作成の過程で「会員との検討・調整を行う」という表現に変更されたことからも、会員の間での問題意識の共有化が困難であることが理解できる。遅れを取ると致命的であるとの旨を明記してはどうか。
  • 総論OK各論反対でスピード感が失われるのはよくないと考える。
  • ブレーキを踏むような調整はよくないと考える。代替市場については、留意すべき意見として報告書に盛り込み、また、具体的取組のその他に(3)を設け、各業者にスピード感を意識していただけるような文言を加える方向で考える。
  • その具体的取組、その他、(2)東工取に「市場の混乱を招くことのないよう」との記述があるが、この文言は先送りの理由に使われる可能性がある。スピード感の共有化を図るためにも「市場の混乱を招くことのないよう、取引所の経営企画能力と人材の強化、及び、会員の意識改革を図ることに万全を期し、可能な範囲でのスケジュールの前倒し」と書き替えてはどうか。また、国民経済的に考えた場合、どこの取引所で取引を行ってもよいと考えるので「本取引所の改革が遅れるならば、既存・新規を含めた他の市場での商品先物取引を早急に進める要請や動きが強まるであろう」と報告書に、意見として盛り込んではどうか。
  • 他市場の創設は流動性の分散を招く恐れがある。このことも勘案した上でも加筆するなら、加筆するということだと思う。
  • 代替市場に関しては、取引所集中原則の議論もあるので、両方の意見があったことを意見として報告書に盛り込むのはどうか。
  • 骨太の方針で、各取引所が、総合的に幅広い商品を上場できるようにするという閣議決定がなされているのだから、その趣旨の内容が報告書に加筆されることは、おかしくない。
  • 一点目として、建玉制限の緩和に関する記述に「委託者を当業者と非当業者に区分し」とあるが、機関投資家が非当業者に区分された場合、機関投資家のニーズに対応した建玉制限の緩和にはならないと考える。また、ファンドについての記載がない。二点目として、大口取引の市場外取引制度を、利便性増大に係る具体的な取組として記載してほしい。
  • 一点目に関しては、調整の上、当業者の定義、及び、機関投資家並びにファンドの区分の仕方について検討する。二点目に関しては、既にEFP制度があり、同制度の緩和ということであれば、主務省と相談の上で検討する。
  • 一点目に関しては、報告書の脚注に当業者の定義を記載し、機関投資家及びファンドの建玉制限における区分を明確にできる場合はその区分を記載し、明確にできない場合は意見として盛り込むということでどうか。二点目に関しては、報告書案の今後の検討に際し留意すべき意見として記載してあるが、東工取による検討が可能なら、利便性増大に係る具体的な取組として盛り込むことを検討する。
  • 取組の実行にあたり、厳正な法執行や自主規制機関の取組の実施状況を、フォローアップしてはどうか。
  • フォローアップは、当然行う。
  • プロ市場化という中で、公正な価格形成がなされるための体制構築が必要と考える。現在は、SMARTSによる取引所の自主的な市場監視のみであるが、公的機関が市場監視を行うことを、今後の検討に際し留意すべき意見として報告書に盛り込んではどうか。
  • 市場管理については、取引所の事業体制等のあり方の部分に記載してある。行政による市場監視を意見の部分に盛り込むことに関しては、座長と検討する。
  • 市場監視は、将来的に重要な課題である。市場操作への対応の仕方については、いただいた意見を参考に報告書案の意見部分を推敲する。
  • 報告書の内容を真摯に受け止め、実行には全力を傾ける所存であるが、取引所は会員制組織であり、理事長の意向のみで実行に移せるものではないので、会員、関係者、及び、行政の協力をお願いしたい。
  • 本報告書の扱いは、どのようになるのか。
  • 本研究会は、諮問を受け開催されているものではないので、報告書が何処かへ提出されることはないが、必要とする方やプレスへの公表は行う。
  • 本報告書の内容は、東工取単体だけで完結する問題ではないので、本報告書が示す取組が間接的に影響を及ぼす機関での運用方法や方向性について、教示がなされることを要望する。
  • 本報告書は、行政において最大限に尊重されるものと考えている。
  • 会員別の取引高及び取組高の事後チェックは、市場の健全性の保持に貢献すると考える。このため、ヒストリカル・データとなった時点でこれらを公開してはどうか。
  • グローバル・スタンダードに合わせるという観点からも、一般に公表する方針はない。ただし、報告書の脚注にあるように弁護士法第23条の2に基づく場合のほか、取引所に開示の要請があって、その要請が公益性を有するものである場合は開示することとしたい。そのように報告書に記載してもよい。
  • 本報告書の英文公表を要望する。
  • 英文での公表も行う。
  • 報告書が示す取組を実行に移すにあたっては、株式会社化に伴う持分の問題等や次期システム導入における取引ルールの問題など、個別の問題が様々あるということは、認識いただきたい。
  • 行政、取引所、及び、関係者は、本報告書の主旨を重く受け止めてほしい。本年秋に、本研究会若しくは法改正が関係するのであれば他の会において、進捗状況のフォローアップを行う。進捗していない場合の説明責任は、進捗していない側にある。

4.経済産業省松井商務流通審議官より閉会挨拶

抜本的な改革案が示され、為せば成るのだと感心している。実現するまでしっかり見ていただきたい。改革なしに将来はない。欧米や中国に負けないよう、今までに増して努力していただきたい。市場参加者にとってより魅力ある市場を構築することが、市場の競争力強化につながると確信している。

以上

 
 
最終更新日:2007年7月3日
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