経済産業省
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工業品先物市場の競争力強化に関する研究会(第5回) 議事要旨

日時:平成19年10月16日(火)10:00~12:00

場所:経済産業省別館5階第526共用会議室

出席者

尾崎座長、池尾委員、牛嶋委員、遠藤委員、大河内委員、加藤委員、川本委員、木村委員、下山委員、高井委員、多々良委員、南學委員、増田委員

議事要旨

1.開会

  • 経済産業省寺坂商務流通審議官より開会挨拶
  • 尾崎座長より研究会の開催目的及び議題の説明
  • 事務局(小山商務課長)より「工業品先物市場の競争力強化に関する研究会報告書」の概要説明

2.「工業品先物市場の競争力強化に関する研究会報告書」(以下、研究会報告書と言う。)の進捗状況のフォローアップについて

東京工業品取引所(以下、東工取と言う。)より「(1)工業品先物市場のプロ市場化と市場参加者の利便性の増大」に係る東京工業品取引所の取組についての資料説明(以下、(1)についての説明資料と言う。)

(説明内容に対する各委員からの主な意見は以下のとおり)

  • 次期システム導入時の取引時間に関して、昼休みを設けず9時から15時30分まで日中取引、16時頃から23時まで夜間取引を行うとの説明があったが、23時とした理由は何か。
  • 国内市場参加者の取引時間や取引所会員の勤務時間等を勘案し、23時となった。
  • 取引所会員の多くが、薄商いにおいては価格変動が大きくなる可能性があり、トラブルが発生するおそれがあること、諸経費の採算性、勤務体制の変更には慣れが必要であること等を指摘。24時間化へはスムーズな移行が必要と判断。
  • 次期システムの導入は2009年3月であり、今から1年半先である。この間、国内外の競争相手は更に24時間化を図っていく可能性が高い。競争相手の状況をみて、対応を変化させてはいかがか。
  • (1)についての説明資料3頁において「諸事情の変化があった場合は、これを考慮して、更なる次期の前倒しを含め、再検討する」としている。
  • 24時間化の目標は市場の競争力強化。システム、取引員、清算等において費用をかけた上で、ロンドン、ニューヨーク等の想定している投資家からフローが流入してこなくては、逆にコスト競争力を失う可能性がある。店を24時間開けることは非常に重要だが、マーケット・ニーズを把握して行動することは、それ以上に重要と考える。マーケット・ニーズはどのように把握しているか。
  • マーケットを開けておくことは重要である。マーケットのニーズに関しては、今後、把握に努めていく。
  • 次期システム導入の最終点は既知であることを踏まえると、そこに至までの詳細なスケジュールは、もっと早急に取引員に示されてもよいのではないか。取引員は、次期システムの状況を見て新たなビジネスモデルに対応するための経営判断を行う必要があり、また、取引員が対応できない限り次期システム導入を具現化することは困難と考える。
  • 取引所の取組は評価できる。石油市場における制限値段幅について、アンケート調査によってニーズを把握した上で、時期を前倒して拡大を実施している。
  • 業務時間外である17時30分に帳入れ価格を出すことは異例である。現在、東工取価格を用いた公募投信は存在しないが、一般的にネット・アセット・バリューは18時頃に出される。17時30分では、18時に間に合わない可能性があるため、取引時間の2時間延長について再検討を行ってはいかがか。また、研究会報告書では、当業者や機関投資家・ファンドのニーズに応えることができるよう建玉制限数量を緩和するとされているが、現在のところ、機関投資家・ファンドのニーズに応えるような数量にはなっていない。
  • 取引時間に関しては、取引所会員間での議論の結果、17時30分となった。建玉制限に関しては、機関投資家・ファンドの切り分けを先に検討する必要があり、そのためにヒアリングを実施している。
  • 商品投資顧問業界へのヒアリングは行われていない。
  • 個社に対しヒアリングを行っている。
  • 取引所は、業界団体に対しても十分なヒアリングを行って頂きたい。
  • 取引時間に関しては、現在の出来高不振を考えると、他市場とのオーバーラップが可能となる17時30分までの延長は行うべきと考える。マーケットの戦術として、シンガポールを使えるなら、伸びる可能性がある。また、24時間化は、国内投資家ではなく国外投資家をターゲットにして行われるものと考えている。このため、リモート・メンバーシップについて検討し、日本以外に本拠あるヘッジファンド等を取り込める仕組みにしてほしい。
  • リモート・メンバーシップについては、法令に照らした上で検討する。
  • 日本時間23時は、日本では就寝時間であり、ロンドンでは15時であり、ニューヨークでは10時である。取引時間を23時までとするのは、国内理論だけで成り立っていて、全く意味のない時間と思われる。建玉制限及び値幅制限についても、海外と比較するとまだ制限幅が狭い。また、その他の利便性・流動性向上策においては、世界的にも先駆的な取組を目途してほしい。
  • 市場参加者として誰をターゲットとしているのかが議論の根幹と思われる。
  • ボリューム・ゾーンである時間帯を考慮すべきと考える。また、研究会報告書には、金に並び白金等の市場運営ルールも見直すべきとの意見があったが、これに対する対応はいかがか。
  • 外国為替証拠金取引では、21時から翌1時までが取引の多い時間帯と聞いている。ニューヨーク商業取引所(以下、NYMEXと言う。)における電子取引は、ロンドン市場が開いている6時から8時に集中している。
  • NYMEXは、アジア時間帯の裁定取引が行われるよう東工取の24時間化を望んでいるということか。そうであるなら、24時間化の期待を裏切ることにならないか。
  • 24時間化を行わないと言っているのではなく、システム導入と同時に24時間化するのが困難ということ。NYMEXからの期待があることも受け、市場監視体制のあり方、システム24時間稼働の安定性等を確認した上で、できる限り早急な24時間化の実現を目指す。
  • 24時間化は、取引所会員にとって費用がかかる取組。会員の経営が厳しい中、この費用を理由に会員の取引所離れが生じては、この取組の意義が損なわれる。
  • 24時間化は、東工取の国際化を目指した取組。海外非当業者はポジション・リミットをどう考えているか。また、スパン証拠金制度導入は新システム導入までは無理とのことであるが、国際的資金を取り込むためは、主要通貨による証拠金の受け入れ等、他の観点での取組も検討してほしい。
  • 24時間化に伴い、プレイヤーが短期間で変わるはずである。市場参加者として誰をターゲットとしているのかを明確化し、そのユーザー固有のニーズを把握し対応すべきと考える。国内の個人投資家をターゲットにしているのであれば23時でもよいが、海外ユーザーをターゲットにする場合は主な取引時間は夜間である。プロ市場化を目指した取組であることを念頭に、ターゲットを明確化すべきと思われる。
  • 取引所の置かれている現状は過渡期であり、経営も考えると、従来のプレイヤー及び将来のプレイヤーの二兎を追わざるをえない状況。従来の個人委託者を念頭にミニ取引等の策を講じると同時に、将来のプレイヤーを取り込むために国際対応やマーケッティングを行っていく。
  • 将来の市場参加者よりニーズ等の聞き取りは行ったのか。
  • 先日来日したタイ・ゴム協会会長は、タイと日本の時差は2時間であるため、17時30分までの取引時間を評価していた。
  • 24時間化は、あくまで象徴的な意味合い。24時間化そのものがバラ色ではない。中国の取引所も同じ時間帯に開いている中で、24時間化程度は早急に目指さない限り、本当に衰退する。取引所は許認可事業であることを自覚し、公共性のある取引所として会員のためのみならず日本のために決定を行うべきと考える。
  • 会員のためのみならず、国民のために事業を行うべきであることは、承知している。
  • 取引所会員の中には、新システムの導入とともに取次業務のみに徹することを検討しているものもいる。この変化は、清算や取次先確保等の変化ももたらすため、取引所には、新システム導入までの詳細なスケジュールを早急に示してほしい。
  • 取引員の迷惑にならないよう、情報提供を行っていく。
  • 今までは会費のみであるが、新システム導入後は補助システムのために費用がかかる。この費用に関しては、あと1ヶ月程度で確認出来ると思われる。
  • 「二兎追わざるをえない」とのことだが、従来型の市場参加者にとっては不便が生じると思われる。従来型のビジネスモデルに従っている取引員の方には、大きな業態変換を望むとともに、取引所においては、新しい参加者を入れることに重点を置いてほしい。
  • ビジネスモデルの変換は、もっともなことである。現在、全建玉の44.1%と占める委託玉のうち20%は海外玉であり、さらに伸びている。海外玉を更に取り込めるように取引所の将来のビジネスについても検討していく。
  • 産業構造審議会商品取引所分科会(以下、産構審と言う。)における議論と重複するが、マーケットは重層構造とならなければならない。公募投信、私募投信、仕組債、東工取価格リンクのOTC取引等のマルチレイヤー(複数層)を介し商品市場へ資金が流入してくる仕組みを理解した上で、誰をユーザーとするかを定めるべき。また、東工取に上場されている全商品について、ETFを組成し、証券取引所に上場することでマルチレイヤー化を図る必要もあると考える。これにより、直接に先物に入ることのできない年金資金等の利用増加が見込まれる。
  • 産構審における議論も踏まえ、十分に検討する必要がある。また、「その他の利便性・流動性向上策」に関しては、更なる検討が必要と思われる。

事務局、東工取及び日本商品先物取引協会より「(2)一般投資家の保護をはじめとした市場の信頼性確保」に係る取組についての資料説明

(説明内容に対する各委員からの主な意見は以下のとおり)

  • 利便性の増大に伴って従来型の被害が拡大しないようにしてほしい。法令遵守が確保されていない業界であるため、今後の経過を、引き続き見守っていきたいと考える。
  • 立ち入り検査から処分実施まで時間を要しすぎていると考える。
  • 時間を要しすぎているとの意見を真摯に受け止め、迅速な処分に向け努力していく。

東工取より「(3)事業体制のあり方」に係る東京工業品取引所の取組、及び、「(4)その他」に係る取組についての資料説明

(説明内容に対する各委員からの主な意見は以下のとおり)

  • マーケッティングは、株式会社化と同時並行的に進めるのではなく、現時点から確実に行ってほしい。
  • 監査役設置型と委員会設置型との選択において、委員会設置型を選択したとのことだが、誰に対して説明責任を負うのかを明確にしない限り、委員会が形骸化する可能性が否めないのではないか。
  • 委員会設置型の方が、透明性が高いとの見解も存在する。
  • 明確な国際戦略が欠如していると思われる。デリバティブ市場の集約が進行している中、東工取株保有の申し出も多く寄せられると思われる。世界の取引所がいくつかの派閥に集約されつつある中で、東工取は、その立ち位置を明確にしておく必要がある。

中部大阪商品取引所より報告資料説明

3.閉会

  • 尾崎座長より閉会挨拶
    これまで、市場参加者のターゲッティングやターゲットとする市場参加者の利便性に基づいた建玉制限や値幅制限等のあり方について、十分な議論を行ってこなかった。取引所には、「二兎追う」のもいいが、工業品取引所の潜在的競争力を引き出し、国際化を図るための方向性を明確化して頂きたいと考える。このため、今後の方向性について、認識の摺り合わせを行うために、本委員会を再度開催できればと考える。

4.その他

  • (1)についての説明資料における「手数料体系については適宜検討」とは、商品取引員の手数料ではなく、取引所の定率会費についてである旨を明確にすべき。
  • 東工取及び中部大阪商品取引所の対応については、報告書の内容を前倒しに実施している部分もあり高く評価するが、国際競争力を高めてアジアの中核市場となるために、更に検討願いたい。

以上

 
 
最終更新日:2007年10月26日
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