工業品先物市場の競争力強化に関する研究会(第7回)-議事要旨
日時:平成20年9月24日(水)9:30~11:30
場所:経済産業省本館17階西7第1特別会議室
出席者
尾崎座長、池尾委員、石戸谷委員、牛嶋委員、遠藤委員、大河内委員、加藤委員、川本委員、木村委員、下山委員、高井委員、多々良委員、南學委員
議事概要
- 事務局(経済産業省小山商務課長)より開会挨拶
- 尾崎座長より研究会の議題及び議事の進め方についての説明
「工業品先物市場の競争力強化に関する研究会報告書」(以下、研究会報告書と言う。)の進捗状況に係るフォローアップについて
- 東京工業品取引所(以下、東工取と言う。)より「(1)工業品先物市場のプロ市場化と市場参加者の利便性の増大」に係る東京工業品取引所の取組についての資料説明
- 経済産業省、東工取、日本商品先物取引協会より「(2)一般投資家の保護をはじめとした市場の信頼性の確保」に係る取組についての資料説明
- 東工取より「(3)事業体制のあり方」に係る東京工業品取引所の取組、及び「(4)その他」に係る取組についての資料説明
- 経済産業省より「(4)その他」に係る取組についての資料説明
- 中部大阪商品取引所(以下、中大取と言う。)より「中部大阪商品取引所の取組」についての資料説明
説明内容に対する各委員からの主な意見は以下のとおり
- 市場の流動性が極めて低下している。東工取が強力なリーダーシップで今からやっていかないと本当に間に合わない時期にきている。
- 流動性を回復することは重要なテーマと認識している。そのためにも株式会社化をすると同時に新システムを導入し、新しいリクイディープロバイダーを市場に取り組んでいく。
- 急激に一般委託者の参入が減ってきている。正しく理解した委託者を育成する、委託者を保護する、正しく認識された委託者だけを勧誘する、そういう訓練をするために、今まであった参入規制などは緩和してほしい。
- アメリカの金融市場が崩壊しつつある。これはOTC市場が目詰まりを起こし大変なことだが、取引所にとったらベリーグッドニュース。OTCが目詰まりを起こすと、エクスチェンジにリスクヘッジをする。しばらくこの状態が続くと、取引所の取引高というのはすごく増える。これをテークアドバンテージして、一気に日本の取引所の競争力を強化することをまずやらなければならない。東工取と東穀取のすべての商品を一つの取引所で売買できるという姿を出来るだけ早く実現してもらいたい。
- 取引所は流動性も低下しているし、出来高も取組もすべて低下している。本質的な機能が低下し、非常に危機的状況である。研究会報告書のとおりに実行しているということでは、本質的な部分とは乖離してしまう可能性がある。マーケティングというものも大変重要である。東工取と東穀取は一体となってその市場の機能をより発揮させるべきではないか。
- マーケティングの重要性については、相当力をいれてやらなければならない課題であると認識。いま全力をあげて取り組む命題は、一連の改革を予定どおり推進していくこと。
- 苦情相談の窓口にいる方に相談すれば本当に安心なのか。ホームページのQ&Aのところでも、まず、一番に「会員の本店・支店の管理部とか顧客相談窓口に行きなさい」とあるが、本来の解決にならない可能性が高いのではないか。再勧誘の禁止ということだけではなく、電話勧誘や訪問販売そのものの不招請勧誘を禁止していくことが未然防止の大きな柱になるのではないか。
- 相談センターの職員は協会のプロパー職員で、個別の企業との関係は全くない。安心してご相談いただけると思っているし、そういう面で苦情がきたことはあまりない。相談窓口は常にオープンで、必ずきちっと相談に応じている。
- 普通の訪問販売とは違い、外務員試験に通った人を登録している。普通の営業はできるようにしなければいけない。ただし、適合性原則に反するようなお客さんをとったり、自己責任がもてないような人を対象にすることはいけないと思う。
- 先物取引というものが素人にとってどんなものか、危ない市場で決して手を出してはいけないものだということをたくさんの人が感じている。世界も日本も先行きの価格は素人にとって絶対に見通すことができない。プロの方ですらわからないからいろいろなことが起こる。そういう不確定な金融商品に「やりたい」と言ってない人を誘うと言うこと自体に大変大きな問題がある。
- 一般投資家の適合性の運用の基準については、その市場に対応するような形で、むしろ高度化・厳格化してもらいたいという話をしにきたところである。取組が減っているとか手数料が減ったから一般投資家の勧誘の規制を緩和してくれとかいうのは全く方向性が逆で認められない話だと思う。
- 取引高が減っていく中で、制度等々を国際水準にしようというのと、取引参加者をコモディティーの先物市場の本来のあり得るべき姿にもっていこうというところが、バックボーンにある。今後のポイントは、本来あるべき投資家の人たちを今後どうやって日本のコモディティーの先物市場に呼び込んでいくか。
- 長期的には今進めている方向を前に進めざるを得ないことは同感。ただ、一方で今、市場の流動性が非常に低下していること、これも非常に危機的な状況であるのも事実。「新システムになったら」「来年の5月から」というご回答が多いが、その前に市場がなくなってしまっては全部「絵に描いた餅」になってしまう。現時点でできることは出来るだけ早く導入をお願いできないか。
- 海外等へのマーケティングを強化という話があったが、日本の金融資金をどうこちらにもってくるかということで、そこは経済産業省が中心となって省庁間の調整も含めて進めていただきたい。
- 海外のファンド業者からは、新システム、リモートメンバーシップ、ダイレクト・マーケット・アクセル、コロケーション等について非常にポジティブな反応がある。大手の石油会社は東工取の価格連動でやりたいということをいっていただいたが、期近の流用性の低さは非常に問題視されるという指摘があった。ファンド建玉制限については、ファンド業協会のリクエストにこたえる意味で建玉制限を緩和した。ただインデックスパッシブ運用等々不十分であれば議論させていただく。
- 現状が苦境というのは、ある意味、こういう改革を始めるのが遅きに失した結果。内容的に高度化・複雑化しているから一般の個人の取引が減っていかざるを得ないのは当然。するとプロの投資家を引きつけなければ全体として流動性は落ちざるを得ない。今は非常にスピード感を持って取り組んでいるという話だが、その開始が3年くらい遅れたことが今、響いていて、これをいかに取り返すか、いかにプロの投資家を引きつけるだけの魅力と能力を身につけるか、そのための営業活動ないしマーケティングをどう展開していくか、一般委託者に頼る気持ちはわかるけど、そこはこらえるというのが方向性として望まれるのではないか。
- 海外の取引所がこの金融の混乱が起こった後に、一気に立ち上がっていくときに、よっぽどスピードを上げて改革をしておかないと、また一気に引き離されるという懸念がある。自分たちのポジショニングをよく考えるべき。2013年に株式上場という目標があるだけで、2009年以降はほとんど空白な感じがする。中期経営計画がどうなっているのかとか、戦略はどうなっているのかとか、そういう話がないとフォローアップにならない。
- 株式会社化についても、社外取締役は監督役に過ぎないので、執行部がやる気にならないといけない。
- 流動性をいかに取り戻すかというのが喫緊の課題とするなら、営業活動の対象は投機資金的なマネー。そこで素人を引き込んではまた同じことの繰り返しになってくるわけだから、金融資産をもっている人が、いかにこの市場に入ってくるか、つまり当業者でないサイドの営業活動も大変重要。
- 経済産業省より「工業品先物市場の競争力強化に関する研究会報告書」の進捗状況に係る第2回フォローアップ結果(たたき台)についての資料説明
説明内容に対する各委員からの主な意見は以下のとおり
- フォローアップの結果「たたき台」は、現時点での意見として重く受け止める。
ただ、取引所が株式会社になった後は、株主の期待にこたえて、主体的、機動的に意思決定し、行動していくことが求められている。株式会社として独自に経営判断を行っていく場合もある。
- JCCHのスパンの導入等は相当先の話なので、明らかにリスクの違うものについて証拠金を軽減するということは現時点でもできることなので、ご検討頂けないか。
- 取引時間については、3時半から5時まで取引がないというのはちょっと長すぎる。ニューヨーク市場との連動、冬時間・夏時間を考えると、23時は中途半端で、24時ではどうかという多くの意見がある。
- 3時半から5時までの話については、次の取引開始に向けての清算等々の手続き、場外などの処理も含めて、他の取引所との関係も踏まえている。今後、他の取引所も取引時間等々が変わってくれば今後調整したい。
- この「たたき台」を、今回のフォローアップ会合の結果としてこれを公表してもよいか。(異議なし)
- 今後とも大きな環境変化、新たな課題も出てくると思われる。次回の研究会は、時期をみて必要に応じ、例えば年度明けあたりに開催することもある。
以上
最終更新日:2008年11月5日
