経済産業省
文字サイズ変更

中小企業等CO排出削減検討会(第11回) 議事要旨

日時:平成19年12月6日(木)14:30~16:00

場所:経済産業省本館2階2西8共用会議室

出席委員

松橋委員長、佐藤代理(井上委員)、魚住委員、影山委員、榊原委員、佐藤委員、徳田委員、冨田委員、原委員、春田委員、福田委員、向井委員、齋藤代理(森井委員)、山田委員

議事要旨

1.開会

2.地球温暖化対策における全体の動き

経済産業省環境経済室藤原室長より、「(1)京都クレジット流通基盤整備検討会」、「(2)産構審・中環審合同会合における審議」について説明があったあと、資源エネルギー庁省エネ・新エネ部政策課福田補佐より、「今後の省エネルギー対策の方向性」について説明があった。

松橋委員長

複数企業による共同エネルギー管理については、本検討会の審議とは独立して、検討がなされていたのか。

福田補佐

省エネルギー部会の政策小委員会の中でも共同省エネルギーに関する意見があり、これまで検討が進められていた。また、本検討会と一緒に検討していくべきだという意見もあったため、資源エネルギー庁として本検討会に出席し、連携させていただいている次第である。

藤原環境経済室長

省エネルギーとCOの関係は表裏一体だということで、私も省エネルギー部会の政策小委員会には同席させていただいている。本検討会にも省エネ課長にご出席いただいており、まさに連携を取らせていただいていることをひと言申し上げる。

3.中小企業等CO排出量削減検討会とりまとめ審議

経済産業省環境経済室藤原室長より、「中小企業等CO排出量削減制度」に関する論点整理及びモデル事業の評価等(案)について説明があった。

4.意見交換

松橋委員長

資料3は今まで審議してきたところの集大成となる。特に第5章が今般最後に審議してきたところだが、既に基本的なご意見をいただき、それを反映させた形で事務局にて論点整理案をまとめた。これを受け、ご意見ご質問をお伺いする。

  • 9ページ(2)の最終段落、「例えば、中小企業等の排出削減業者と(省略)事業計画を策定・申請し、その認可を受けるといった仕組みも一案と考える」とあるが、これは一例を言われているのか、もしくはこういったやり方でやろうと言われているのか。26ページには共同事業と書いてあるので、当然共同実施だと思うが、趣旨がよく分からない。

    21ページ(3)の最終段落、「したがって、当該省エネルギー量とCO削減量を(省略)国内クレジットとして認証(省略)認証を行う主体や認証手続き等も含め、一本化する必要がある」とあるが、一本化するという意味は、同じ人がやるという趣旨なのか。意味合いを教えてほしい。

    26ページの図で、先程の説明では、排出削減事業者で、赤い部分が自主行動に参加していない人、下の青い矢印が出ている部分が自主行動に参加している人、という趣旨だったと思う。例えば、コンビナート等で、大企業同士で両方とも自主行動に参加していても、一方で出た廃熱を他方で有効利用できる場合、省エネルギー効果が出るのは廃熱を利用した企業だと思うが、廃熱を有効利用できるように協力した大企業にも、協力のメリットがあっていいと思う。そういった場合、ここで言われている温対法や省エネ法にも反映するということがあり得るのではないか。先程の説明だとそういったメリットが無いように聞こえたが。

藤原環境経済室長

9ページは、まさに一例しか挙げてないということもご理解いただきたい。一例ではあるが、有効な方策の一つだと思っており、まさにこの方向で議論を進めていきたい。

一本化の部分もそうだが、ここから先は本制度を法律にするのかどうかで変わる。法律にしない制度も世の中に多く存在しており、どこまで法律事項にするかどうかというのは、法制局その他とも色々な議論をさせていただかなければならないが、認証基準を同一にする、あるいは認証組織を一緒にするという方向性でいきたいと思っている。ただ、省エネ法・温対法は自己認証でやっていただいているので、どこまで一本化するのか、法律以外の制度ということも含めて考えなければならない。いずれにしても、少なくとも一本化はしたいと思っている。

26ページは、結論的に言うと、委員がおっしゃったような付加価値の部分を、温対法・省エネ法で評価でき得る仕組みということで、大企業にもメリットがあると考えている。誤解があったのであれば訂正させていただく。

  • 8ページの第三者認証機関のところで、今回の国内クレジットは、京都クレジットと同程度の価値を有するということだが、現在のCDMにしても日本の中で認定する仕組みがある。従って、今回の国内クレジットの認証機関・管理体制というのも、基本的には京都クレジットの認定体制に付随して制度構築していく方が、新しくつくるよりも、一体感とコスト削減、効率性が図れると考えている。

    さらに、本仕組みそのものが、中小企業対策の入り口の選択肢を増やすことになるということなので、そうした観点で見れば、認可を受ける際、場合によっては共同ではなく、単独でやる場合もあり得ると思う。そういった場合は、NEDO等の公的な補助金制度が既にあるので、そういった補助金制度との比較で、事業者が考えながら選択することもあるかと思う。従来のNEDOの補助金で実施する場合は、長年やってきているので申請方法等はパッケージ化されており、ある程度やりやすくなっているので、そういったことも今後の検討の中で考慮していただくことをお願いしたい。

  • 5ページ1.4「本制度の開始時期」に、「可能な限り早急に開始」とあり、また、最終章で法的な位置づけについての検討もされているが、温対法・省エネ法への位置づけとは別に制度を先に動かし、後から法的な検討がついてくるのか、それとも同時、ということを考えているのか、教えていただきたい。

    9ページの協働(共同)申請の考え方のところで、追加性などの条件を満たした上でだが、大企業からの支援が必ずしも確定していない段階で、中小企業が見込みで自ら実施するケースも考えられるのか。それで得られたクレジットを大企業に売却するような動きがあった場合はどうするのか、そういうケースもありだと考えてよいか。

    また、本日で検討会終了の見込みということだが、資料3のとりまとめの中には、今後検討すべきという部分が多くある。今後どこで検討されるのかをお聞かせいただければと思う。

藤原環境経済室長

お二人の委員の話にもあったが、やはり原則として、単独で実施するという議論ではないと思う。もちろんこれから制度論、詳細を詰めていかなくてはいけないが、支援する人と削減する人はパッケージで考えていくのが制度の根幹だと思っている。ただ、逆に言えば単独というところには、齋藤代理からもあったように、補助金等、色々な仕組みがあるわけで、その辺は自然とそういった切り分けがあるのかと思う。

制度の開始に段差を設けるといったお話があった。これは一般論でしか申し上げられないが、仮にこの制度の中の一部が法律化されるということであれば、法律の手続きというのはそれなりに繁雑・膨大であり、まさに国民の代表たる国会議員を一人一人通していく世界なので、開始は遅れてくる。どの程度遅れるのか見込みをつけながら、ただ理想的にはすべて一体的に整合するというのが、世の中に対する混乱を少なくするという意味でも非常に重要で、やはり一斉に始めるのが理想。ただ、そこは法律以外の議論がどこまで広がるかにもよるので、よく注意していきたい。

本検討会は当初から年内とりまとめを目安としていたが、今回をもってひと区切りとさせていただきたい。検討事項・今後の課題が多いため、来年以降も必要に応じてこのメンバー、あるいは別のメンバーで何らかの場をつくりながらフォローし、新しい課題を解決していきたい。本日はそういう意味で、可能であればここでひと区切りとしてご理解いただければと思う。

松橋委員長

お二人の委員から、単独でクレジットが出るような、CDMに例えて言うとユニラテラルCDMのような話があったと思うが、当面はユニラテラルという考え方はしないというご理解になると思う。

また、齋藤代理から最初にあった意見について、第三者認証機関という概念で、私の理解がこれで良いのかわからないが、今あるCDMのオペレーションエンティティのようなものを代替利用すればよいのではないかというようなコメントと取った。これはご意見として承っておく。他方、なるべく簡素に低コストでやろうということがあるので、手続きコストとの見合いで考えていくことになるかと思う。

  • 10ページの京都議定書との関係について確認しておきたい。国内クレジットについては、当面はNEDOの買い取り対象としないという理解だと思うが、環境省のJ-VETSは、法律に基づくクレジットではないという意味ではVerifiedだと思う。国内クレジットも、法的に何らかの裏づけがない限り、Certifiedではなく、Verifiedとして評価されるということでよろしいか。本日の検討会の結果は、国際的にも大きく報道されると思うが、日本にVERがもう1つ誕生したという報道になるという気がする。
  • 的外れな質問であれば恐縮だが、日本国内で実施されるプロジェクトだとすると、京都クレジットで言うところのJIになると思う。その場合、外国企業が日本の中小企業と一緒にプロジェクトを実施して出た国内クレジットは、JIで得られたものとして、国として認めるのか。そのような観点の話はどういう扱いになるのか教えていただければと思う。
  • 最初は中小企業対策ということで始まったが、国内クレジットという概念が出てきた。一方で、環境省が既に始められている国内の排出権取引制度がある。今回の議論で藤原室長が最後に、本制度では原則として補助金がつかない、従ってクレジットが発生すると言われた。クレジットが発生しないもの、例えば単独で実施できるものについては補助金という選択肢もある。一方で、環境省の仕組みというのは、補助金があってクレジットもあるため、本制度を使わずにそちらの仕組みに流れてしまうことはないか。同じ政府の施策としてこれはおかしい。この場ではないかもしれないが、考え方の整理をする必要があると思う。
  • できる範囲で考慮して頂きたいという趣旨で申し上げるが、7ページの補助金との組み合わせの部分で、1パラグラフ目の最後に「必要な設備導入等に対する予算補助は、原則として行われるべきではない」という表現がある。その後に続く文章で、「最小限の予算補助の交付をインセンティブという形で認めることを検討すべきである」とあり、補助金とクレジットを両方与えることに対して非常にガードを固めているが、ここまで固めなくてもいいと思う。この制度がよく使われるものにしたい、という目的からすれば、このクレジットだけでできない事業であれば、もう少しガードを緩めてもいいのではないかと思う。この辺りの表現をもう少し弱めていただけると大変ありがたい。
藤原環境経済室長

非常に難しいところだが、環境省のクレジットが本当にVerifiedなのかどうか、国際的な評価についても何とも言えないところがある。今後、どこまで法的な制度にするかは、行政にお任せいただき、またご議論させていただくことになると思うので、現段階で、ある意味定義のはっきりしない部分についてはコメントしにくいという事情をご理解いただければと思う。

外国企業の話は、既に整理をさせていただいている通り、自主行動計画に入っているか入ってないかというところで分けているので、当面念頭に置いていない。

環境省の制度との整合性の話だが、明らかに制度が違うことも事実だと思う。環境省の制度は自主キャップという形であり、本制度は、国連の機関まで登場させながら、それに倣った形での基準をつくる、まさに国内CDMという形だと思う。役割分担をきちんとしていくという議論は当然あると思うが、一体化・整合性という議論までする必要があるのかどうかは、政策判断だと思っている。

補助金との組合せについてのご要望は、従来からよく存じ上げているつもりである。8月の論点整理以降、このような表現を使っているが、当方の立場を申し上げれば、本検討会そもそもの趣旨が、一定の財政制約がある中で、民間、特に大企業のお知恵を借りながら、資金・技術というところでの中小企業対策ができないかということである。予算補助は予算補助で、CO削減のための設備導入に対する補助金を、来年度、相当な増額要求をさせていただいており、今後さらに充実させていただかなくてはいけないという問題意識は持っている。厳しい言い方かもしれないが、その辺の財政制約を念頭に置いた書き方になっているとご理解いただければと思う。

松橋委員長

どういった制度にせよ、必ず補助金が入るという制度になっていると、補助金の総額によって頭打ちになるので、財政規模によって自ずとそれ以上広がっていくことはできない。補助金に全面的に頼らない制度であれば、創意工夫によって大きく広がっていく可能性もあり得ると思っている。

  • 話を元に戻してしまうが、単に私の意見としてお聞き願えればと思う。先程、本制度自体は中小企業がユニラテラルでやることは想定外というお話だったが、今のCDMを見ていると、ユニラテラルあるいは中小企業同士の取り組みも対象に加えることが、本制度をより活性化させることにつながるのではないかと思う。今後議論があるときには、またご検討いただければと思う。
  • 先ほど財政制約の話があったが、それについてひと言申し上げたい。今回の制度の趣旨というのも、そもそも財政制約というところから始まったような気がするが、少なくとも国内に成果を残すという意味では、国の財政であれ、民間の資金であれ、それはどちらでもいいと私は思う。一方で、事実関係はわからないが、ハンガリーからCDMを買われるというような話があると。そういうことに比べれば、国内対策に資金を落とす方が意味がある。京都議定書の目標を達成していくために官民が一体となって努力するといったとき、官の一方的な財政制約で出せないとする一方で、外国からはホットエアを買うみたいな話がある。GISなのかもしれないが、そういったことでいいのかという議論を、国として議論していただきたい。
藤原環境経済室

この論点は、大変重要な点だと思っている。実はこの国内クレジットも、NEDOの買い取りがあり得るのではないかと多くの方からお話があったし、我々もそういった問題意識を持っている。従って、そこは完全否定した言い方は一切していないわけで、ひと言で申し上げると第2ステップの議論なのかなと思う。まずは一種の地域通貨のような形でこの制度を立ち上げて、プロジェクトを多く発掘していただき、制度が普及していく中で、そうした新たな展開が起こり得ると思っている。そうなった場合は、ぜひ引き続き、このメンバーの方々に集まっていただいて、建設的なご議論をしていただきたい。

松橋委員長

国内対策として意味ある資金ということと、海外から買うということについても、今後さらに検討していくということで、ご意見を賜ったということで理解する。

  • 共同実施ということで、A社がB社の分を査定したとみなすという意味では、カーボンオフセットの1つのジャンルと思うが、環境省で今、カーボンオフセットのパブリックコメントを募っている。この中には、例えばグリーンエネルギー証書など、色々なものがあると思うが、環境省を中心にカーボンオフセットのひとつのスタンダードをつくっていこうという動きがある。そういった意味では今回の共同実施とスタンダードを統一しておかないと、一国二制度になりかねない。非常にそれを心配している。例えば、先程私が申し上げたVerifiedとCertifiedの世界で、今ヨーロッパで議論が進んでいるTWC(Tradable White Certificates:省エネ証明書)は、これから売買が行われるということで、EU内部で制度設計が進んでいるが、いくつかの国でも実施しているという大変面白い制度がある。私の理解では、国内クレジットの世界というのは、現時点では少なくともヨーロッパ型のTWCと同じような考え方である。先程の藤原室長のお話のように、法制度の中に組み込まれてくれば、また別の世界が広がっていくが、省エネ証明書自身をこれからTradableにするという意味では、カーボンオフセットの世界として理解している。

    私が申し上げたいのは、環境省が主導で進めているカーボンオフセットの標準化と、きちんと整合性を取って進めていくべきということ。これについて経済産業省としてどういうお考えかを確認しておきたい。

藤原環境経済室

環境省の方で検討会を開かれていることは存じ上げているが、これはあくまで京都クレジットを念頭に置いた検討だと思うし、最初に資料1でご説明したが、排出権をめぐるひとつのインフラ整備という意味では、カーボンオフセットをこれからビジネスとしてやろうとされている方が多く、政策としてそれをとらえたときに直面する問題点がいくつかあると思う。それがまさに登録簿の問題であり、かつ金融商品的な問題であり、勉強会もさせていただいている。最終的には両省連携していかなければいけないが、私どもの問題意識としてはそういったところにある。

省エネ証書等々のお話については、資源エネルギー庁もかねてからお考えがあり、まさに今回の省エネ共同事業というのもそういったひとつのやり方だと思っているが、ヨーロッパ各国においても、White Certificatesの議論とCDMの話が必ずしも1対1になってない部分があると聞いている。おそらく各国、エネルギーとCOというところについてはいろいろ悩みがあると思う。私共もその辺、悩みがないわけではないが、同じ役所であることもあり、私どもの局と資源エネルギー庁は表裏一体で進めていきたい。

松橋委員長

資料3について、本質的な修正というようなコメントはなかったように思うが、細かいところで、文章表現、記述の問題等があったので、残りの部分は今のご意見・ご質問を踏まえて修文したい。修文については事務局と私のほうにご一任いただければと思うがよろしいか。ありがとうございます。

5.その他

事務局(日本スマートエナジー)より、中小企業等CO排出削減認証制度シンポジウムの説明があったあと、委員長から閉会の挨拶があった。

松橋委員長

資料3を事務局と私で修文した上で、来週以降、パブリックコメントをお受けしたいと思う。しかるべく修文が終わり次第、皆様に照会し、最終的には経済産業省のホームページに掲載し、パブリックコメントを集めるという運びになる。

委員の皆様には、これまでご審議・ご協力いただき感謝している。第11回の検討会を終了する。

以上

 
 
最終更新日:2007年12月25日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.