経済産業省
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独立行政法人評価委員会(第33回) 議事録

日時:平成19年4月24日(火)15:00~17:00

場所:経済産業省別館3階第4特別会議室

出席者

木村委員長、荒牧委員、岩村委員、小野委員、岸(輝)委員、小泉委員、鳥井委員、中村委員、早川委員、原臨時委員、平澤委員、松山委員、室伏委員、八木委員、阿部東レ株式会社取締役研究本部長、玉井東京大学先端科学技術研究センター教授

議事録

木村委員長

第33回経済産業省独立行政法人評価委員会を開会いたします。

委員に新しく就任されました方を御紹介申し上げます。荒牧委員、室伏委員でございます。よろしくお願いいたします。

本日は、本年度見直しが行われますNEDOの業務について、NEDOから御説明をいただいた後、質疑応答をお願いいたします。

また本日は、有識者の方に参考人でお越しいただく予定です。後ほどお二方から御意見を賜りたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

最後に業務実績評価のスケジュールについて事務局から説明がございます。全体で2時間を予定しております。

本日の議論につきましては、資料及び議事録を公開することにいたします。

木村委員長

それでは議題1、組織・業務について、牧野理事長から御説明をお願いいたします。

牧野理事長

それでは、NEDOの全体像について簡単に御説明を申し上げます。お手元に資料を配付してありますが、「NEDO技術開発機構について」というものと、参考資料がございます。随時、参考資料を参照しながら、本文に沿って御説明を申し上げます。

大体の全体の流れですが、まず簡単にNEDOの沿革を御説明いたしまして、それから独立行政法人化しましたNEDOがどう変わったかという点について御説明し、次にNEDOの業務が、我が国の科学技術開発体制においてどういう位置づけになるかということを簡単に御説明いたします。

さらに、独立行政法人としてNEDOの業務運営について、どういうところに力点を置いて業務の運営をしているかという点につきまして、技術開発の本体そのものについての方針と、それをサポートする計画、その他の事務的なサポートの方針について、これは分けて御説明を申し上げます。

さらに、これまでのNEDOの成果について簡単に御紹介をいたしまして、最後に、NEDOがどのように社会・国民に対して情報発信をしているか、理解を求めるような努力をしているかという点について御説明をし、今後の取組の方向について若干触れるという流れで御説明を申し上げます。

まず、本文の2ページからですが、NEDOの沿革についてでございます。御承知のように、1970年代の2度のオイルショックで、脱化石燃料化ということが強く言われたわけですが、それに応じまして1980年(昭和55年)に、いわゆる新エネルギーである、太陽でありますとか、風力でありますとか、そのような新しいエネルギーの技術を開発する特殊法人として設立されたわけでございます。

その後、省エネルギーあるいは環境関係の技術開発が加えられ、さらに、当時通産省が行っておりました産業技術全般、これは航空機から、ハイテクから、あるいはバイオ、燃料電池、こういったすべての産業技術の研究技術開発の業務を行うことになったことで、産業技術全般、産業エネルギー全般に関する技術開発の機関として認識されたわけであります。

他方、ここにありますように、国の業務の色々な簡素化、合理化、あるいは特殊法人の整理・合理化の過程の中で、アルコールの製造・販売業務、これは御承知のように、かつて三公社五現業で国が直接やっていたわけでありますが、これを国から離して特殊法人が行うということで、アルコール製造・販売業務、あるいは石炭の閉山対策の一環としての石炭合理化業務、それに伴ういわゆる公害業務、こういった広範な業務を幅広く行ってきたわけでございます。

ではありますが、この独立行政法人化を契機に、こういった技術開発以外の業務は、ほぼ全面的に廃止をいたしまして、現在、産業技術一般及び環境・エネルギー技術開発の研究開発機構として、ほぼ純化をしたところでございます。

ちなみに、アメリカにNSFという、これは附属資料2の6ページにありますが、全米科学財団という有名な機関があります。それからNIHという、これはバイオ等をやっている同じような機関、国立衛生研究所というのがあります。フランスのAII、これは産業革新庁といいます、あるいはADEMEといって、これはエネルギーの技術開発をやっておりますが、こういった機関とほぼ同様の機能になっております。

それで、先ほど申し上げましたアルコールその他の技術以外の業務については廃止をいたしましたが、技術開発の業務そのものにおきましても、削れるものは大いに削っております。独法化とともに削っております。例えば研究開発施設、これは無重力の実験装置でありますとか、海洋のバイオでありますとか、こういう実験装置を持った研究企業、研究会社を、地方公共団体あるいは民間とともに出資をして運営しておりました。これは5つありましたが、将来を考えますと、こういった機能ははたしてNEDOにふさわしいかどうかという点について、非常に疑問がありましたし、その時点において必ずしも赤字であったわけではありませんけれども、将来を見つめて思い切って整理をいたしまして、これは全部廃止をいたしました。

このようにして、技術開発機関として、当初イメージをされました機関にほぼ純化したわけでございますが、昨年、新しい業務が加わりました。「京都メカニズム・クレジット取得事業」、これは御承知のように、排出権を海外から国が買ってくるわけですが、その業務が追加された。これは、必ずしも技術開発と直結するわけではありませんが、後で申し上げますように、NEDOはエネルギー環境の技術開発を海外と相当長期間に協力して行っておりますが、そのときに協力した分、そこで節約されるCO等、排出権をNEDOが取得をしていた。これはわずかでありますが、そのような従来の経験もあって、それも考慮されたのかもしれませんが、いずれにしましても、国の業務の委託を受けて、新しく業務として加わったということでございます。

ところで、次のページから、独法化になってどうなったかということでございますが、御承知のように、平成11年に独立行政法人通則法ができまして、従来の特殊法人の問題点、自律性がないとか、業務が非効率であるとか、透明性がないとか、色々な問題を解消し、独法の運営を確保して、業務の効率化・質の向上を図る、あるいは透明性を図るために、平成11年にできたわけですが、NEDOにおきましてもこの基本的な方針に基づきまして、平成15年に特殊法人から独法になりました。

NEDOに関して言いますと、この独法化が、NEDOの当初の狙いとする技術開発に非常にふさわしいものであったということが言えると思います。御承知のように、技術開発といいますのは、極めて機動性、柔軟性が要求される。特に、現在のように技術の進展が激しいときには、特にそれが強く要求されるわけですが、この独法の基本的な方針の下に、自律性・裁量性・専門性、特に機動性が与えられることになった。

それとともに、予算面におきましても運営費交付金ということで、多年度にわたって資金が運用できる、あるいは年度途中におきましても、プロジェクト間の資源の移動が可能であるといったような、非常に柔軟な弾力的、広範に使用が可能になった運営交付金制度が大幅に拡充をされたということで、非常にやりやすくなったということでございます。

具体的に申し上げますと、4ページに多少書いてございますけれども、従来の特殊法人でありますと、非常に簡単に申しますと、NEDOの行う技術開発、これは色々なプロジェクト、沢山のプロジェクトがありますが、それぞれのプロジェクトが経済産業省の各課によって、これが年年初に設定されて補助金が付く。こうなりますと、これは年度内で止めるとか、翌年度にそれを繰り越すということが原則的にできない。非常に硬直した感じになるわけですが、独法になることによりまして、例えば研究開発プロジェクトの選定やフォーメーションが非常にやりやすくなってくる。各研究開発プロジェクトの相互間の連携の追求について、別々の特殊法人の時代であれば、経済産業省の別々の課が要求してきて2本走っていたわけですが、例えば材料のプロジェクトとデバイスのプロジェクトをマッチングして、これが途中でドッキングして一つのプロジェクトにできるといったようなことがあります。

あるいは複数年度契約。従来の予算ですと単年度契約ですから、その年のうちに使い切らなくてはいけないということがあったわけです。それから、プロジェクトを年数回、複数回採択することができる。従来の予算制度ですと、年度の初めに決められたものは、途中で新しいプロジェクトになるといっても、これは難しくて翌年回しになったわけですが、これが可能になったとか、うまくいかないプロジェクトを途中で中止できるとか、そして、中止したプロジェクトの資金を、非常にうまくいっているプロジェクトに加速的に追加できるといったような、非常に柔軟な産業技術開発を総合的に運用できるようなことが可能になったということでございます。

したがいまして、従来の特殊法人でありますと、予め年度初めに政府に決められた、非常に細分化されたプロジェクトを忠実に実施していた。途中でこれはどうかと思ってもどうにもならない。それに対して、総合的な計画立案から評価、そしてプロジェクトの変更等の総合的な研究開発のマネジメントが主体的にできるようになったということでございます。

それから、NEDO内の組織の問題につきましても、時宜に応じて柔軟に、必要があれば変えることができるようになった。例えば、エネルギー・環境技術本部を2年前に設置しましたけれども、これも年度途中で、環境問題、エネルギー問題の高まりに応じて、もちろん監督官庁には相談をしておりますけれども、組織を改正して自主的に設置をすることができた。これが特殊法人の時代でありますと、法令上どうだとか、色々なところに相談して見せなければいけないとか、非常にそのあたり手続が複雑だったと思いますが、柔軟な運用が可能になったということでございます。

そこで、次の5ページ、6ページに、NEDOの業務がどうなっているか、その業務が我が国の科学技術研究全体の開発体制において位置づけになるか、ということを簡単に説明してございます。

まず、上の絵です。少し余談になりますけれども、御承知のように、政府の科学技術予算は増えておりますが、大体3.5兆円ぐらいあります。そのうちの2兆3,000億円、半分以上が文科省を通じて大学あるいは国立研究所に行く。大学の先生の給料その他もあると思いますが、実質的には色々な基礎研究を行うということになっております。

それで、一番右の欄に黄色い「産業界」というのがあります。産業界に直接政府からの予算もないことはありませんが、産業界が全体で、大体年間12.7兆円ぐらい、いわゆる研究開発予算、技術開発予算を使っております。ただ問題は、この12.7兆円のうち、ほとんど大半の12兆円が、専ら製品化の研究開発になっているということでございます。これは企業によって違いますけれども、全体で見るとそうなっている。商品化ですから、おそらく1年先、2年先、せいぜい3年先の商品開発に使っている。これが研究開発になっておるわけです。

ちなみに、御案内かと思いますが、日本の民間も含めた全体の研究開発予算は、世界でも、おそらく1位か2位でありますけれども、問題はこの産業界の資金がものすごく多くて、政府の予算、公的予算は国際的に見ますと、アメリカ、フランス等に比べて、かなり遜色があるということです。これが、いまや色々と大きな議論を呼んでいるわけですが、全体はこのようになっているということでございます。

ところで、御承知のように、日本は資源小国で、従来もそうですが、今後もますます技術開発によって日本の活力を高めていくということは、国策になっているわけでありますけれども、そうなりましたときに、やはり問題は2年後、3年後に役に立つような、それにすぐ製品化できるような研究開発ではなくて、5年後、10年後あるいは20年後を見つめて、日本の将来の成長、雇用の確保のための研究開発を行うということが、非常に大事なわけです。

ところが、一番左の大学・国研の基礎研究ですが、大学の研究というのは、御承知のように、産業界に役に立つことばかりやるわけではなくて、またそれが間違っているとも思えません。実際の産業的な要求にぴったり合っているかどうか。必ずしもここは合わない方が当然だと思いますけれども、そういうことになっております。

そこで、中間もれというわけではありませんが、中長期のハイリスクの、しかも将来に日本の産業競争力の強化、あるいは環境・エネルギーの具体的な政策なり要求に応ずるようなプロジェクト、中長期ハイリスクのプロジェクトといった研究開発を行うのが、基本的にNEDOのミッションでございます。

それで、下の方に書いておりますように、それでは、どういう業務をやっているかということが6ページに5つほど並んでおります。

私どもは、固有の研究開発施設、先ほど申し上げましたように、子会社に出資するような方法で一部行っておりましたが、これは全部やめました。附属資料の9ページ、10ページにありますが、固有の研究開発施設を保有せず、政府の基本的な政策方針、例えば科学技術基本計画でありますとか、経済成長戦略大綱、京都議定書目標達成計画、新・国家エネルギー戦略、こういったものに沿って、具体的には経済産業省が設定をされます中期目標等に基づいて、以下のような事業を行っているわけでございます。

中期計画については、附属資料の10ページを御覧いただきたいと思います。今は第1期中期目標の5年間でございますが、これがそろそろ終わりますけれども、業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置とか、国民に対して提供するサービス云々というのがございます。これももちろん、大ざっぱな省略でございますけれども、極めて基本的な問題の指摘がなされております。機動的・効率的な組織にしなさい、それにはプログラムマネージャー等の外部人材を登用しなさいといったようなこと、それから、具体的なプロジェクトにつきましては、下の方の右の欄にありますが、ライフサイエンス分野でありますとか、情報通信、環境分野といったものを重点分野として行いなさいとか、こういう極めて政府からは基本的な大きな方針についての御指示をいただいているわけであります。

問題は、こういった基本的な指示に従って、それでは具体的に私どもがどういう仕事を進めているかということでございます。

1つは、ここが一番大きな私どもの仕事でありますが、いわゆるナショプロと言っておりまして、中長期ハイリスクの研究開発でございます。これは、具体的なテーマを下に書いてありますようなライフサイエンスとか情報通信など色々ございますが、こういった分野の中から、日本にとって、我々にとってやるべきだという具体的なプロジェクトを選定いたしまして、ここに書いてございますように、産学官の総力を結集して、最適な研究開発チームを構成して進めるということでございまして、上の欄にございますように、真ん中にナショナルプロジェクトと青い四角の中に書いてありますが、私どもの予算の半分以上を占める一番大きな仕事でございます。

それからもう1つが、右の欄にあります企業の実用化支援でして、これにつきましては、実用化が見込めるところまで来ているが、ただもう1つバリアがあって、公的な支援が必要だというもの。これはほとんど個別の企業でございますが、それに対して2分の1ないし3分の2とケースによって違いますが、補助金を出すというのがございます。

ただこの場合にも、単に企業の申請を審査して、それにお金を出すということではなくて、テーマの選定でありますとか、あるいは他のプロジェクトと、他の企業が出してきたテーマと一緒になったらどうかとか、従来こういうテーマでやってきたのをこう変えたらどうかとか、相当の情報提供とアドバイスを行って上で行うということでございます。

それから、左に「技術シーズ発掘のための大学等への研究助成」があります。これは、いわば競争的資金と言われているものだと思いますけれども、大学の研究者に対して、公募を受けて研究資金を助成するものであります。これはむしろ基本的には、左の欄の文部科学省が行っている学振(日本学術振興会)でありますとか、そのような制度になじむものであると思っております。

始めてまだ新しいのですけれども、私どもはむしろ独自性を出すために、産業界のニーズを汲み上げて、産業界から例えばこういうニーズがあるけれども、これにマッチするシーズがないかどうかという要望を受けて、ニーズ・オリエンテッドで行っているという特色があります。

それから、ここには書いてございませんけれども、日本だけではなく国際的なグラントも部分的に行っております。

少し下の欄に行きまして国際事業というのがありますが、これは、エネルギーあるいは産業技術につきましての国際協力事業、例えば、中国でありますとか東南アジアにおける省エネルギーあるいは環境開発・技術の共同研究開発プロジェクトであります。

右の欄にあります京都メカニズムは、先ほど申しましたクレジット取得事業でありますが、御承知のように京都議定書によりますと、2010年に1990年比6%の温暖化ガスの削減を求められておりますが、国内で色々な努力をするにしても1.6%、大体1億トンぐらいの温暖化ガスの権利を外から買ってこなければいけないということで、これは国の業務になっているわけですが、先ほど申し上げましたような経緯で、NEDOが昨年から行うようになったということでございます。

ただし、この京都メカニズムのクレジット取得事業については、他の技術開発事業とは全く予算は別になっておりまして流用はできない。例えば、先ほど申し上げましたナショプロと企業の実用化につきましては、一応の見積もりでありまして、状況によってどんどんプロジェクトの資金の移動はありますけれども、この分だけは、全く別になっております。

これが、NEDOの業務及び我が国の体制の中における大まかな位置づけであります。少し補足いたしますと、この絵の上の方に、政府の予算3.5兆円の下に経済産業省5,033億円というのがありまして、その下にNEDOが2,165億円とあります。先ほど経済産業省が行う技術開発プロジェクトの大半は、NEDOで行っていると申し上げましたけれども、それにしてはちょっと金額が少ないと思われるかもしれませんが、政府の科学技術予算というデフィニッションからして、経済産業省の予算の中には、例えば特許庁関係の費用だとか、原子力関係の予算とか、そのようなものも含んで5,033億円でありますから、いわゆる私どもと合わさる格好での技術開発、経済産業省が行っている技術開発で、しかもプロフェッショナルなものについては、ほぼ全体を私どもが担っているということになろうかと思います。

7ページ、8ページに、それではこういったNEDOの業務を遂行するに当たって、今どのようなところに力点を置きながら業務を推進しているかということを申し上げます。

若干キャッチフレーズ的に、成果を挙げるための取組と、成果を挙げるNEDOというのを言っているわけですが、NEDOというのは、あくまでも現実的な産業社会の要請に応える。雇用の創出でありますとか経済成長、新産業の創出、あるいは地域産業の振興といったこと、あるいは環境で言いますと、COを減らさなければいけないとか、エネルギーはどのぐらい省エネルギーにしなければならないとか、エネルギー政策、環境政策、産業政策の具体的な要請にマッチしていかないと、私どもの本来の使命を果たせないというように思っております。そういうことで、出口を見据えて研究開発を実施するということでございます。

ただし、これは基礎研究を疎かにするということではなくて、こういうことを行うために、基礎的な研究が必要なところはそこまで遡っております。基礎研究まで遡って、サイエンスまで遡ってやっております。相当の燃料電池、水素自動車については、現実的なサイエンスの分野まで遡っていかないと、なかなか実現は難しいということで、これにつきましては、某大学の前学長をNEDOのプロジェクトリーダーとしてお願いをして、研究開発をサイエンスの分野まで遡ってやり直しています。

それで、具体的にはどのような視点で取り組んでいるかということでありますが、1つは現場主義を徹底する。あくまでも、産業界あるいは学会等の、特に産業界、現場との徹底的な議論を行い、それでニーズ、プロジェクトを広い、フォーメーションを組んでいく。

附属資料の11ページにございますが、今まで随時行うとともに、2度ほど100社のヒアリングを相当時間をかけてやっております。その結果が11ページにありますが、これによりますと、企業による10年後を見据えた研究開発の資源投入が縮小しているので、是非そこが大事だということ。それから、先端技術を実現するためには基礎的なメカニズムの改善が必要であること。これは、かなりの企業がそういうことを言っているわけですし、それから、人材育成・交流の場として機能を強化してほしいといったような声が出ておりますが、いずれにいたしましても、現場主義を徹底いたしたい。

それから、2つ目は選択と集中ということでして、先ほど申し上げましたように、色々な重要な分野が政府から指定をされてございますが、その分野の中でどういうプロジェクトを選んでいくかということ、これは非常に難しい問題でございます。

従来の特殊法人の時代では産業技術全般を行っていたわけですが、これが今度絞られてきたということでございます。例えば燃料電池の分野につきましても、色々なことを従来行っていたのですが、附属資料の12ページにあるように、現在は、国際的に非常にしのぎを削っています水素自動車、PEFC方式に特化をしていく。

それから、どういうフォーメーションを組むかということですが、これも12ページにあるように、同じ業種に属する人がみんな横並びでやるというのは極力止める。とにかく、実力のある1~2社に限定をして集中を図っていく。このように選択と集中に心がけております。ただ、これは非常に難しい。必ず文句が出る。役所からも文句は出ますし、企業からも文句は出ますし、学者からも文句は出ます。選択されないところが文句を言うわけですけれども、いずれにしましても、これはなかなか難しいのですが、是非この姿勢は崩さないでやっていきたいということでございます。

それから、ただ、そうである以上、テーマの選定が適正じゃないといけないということで、我々が独りよがりで行うということではなくて、大体今は約5,000人のピアレビューアー、これは企業の人、学者もおりますけれども、このような方を常時登録してありまして、問題ごとにこの人たちの意見を十分に聞きながら、テーマの選定を行うということでございます。

それから、非常に大事なのは、厳格な評価制度ということで、一端始めると、特に多年度の計画ができるとなかなか止めない。止めればみんな嫌がりますから。そこで厳格な中間評価をやって、止めるべきものは止めるということで、附属資料の14ページにあるように、中間評価の結果、例えば平成15年には、ここから厳しい評価を始めたのですけれども、計画を一部変更・テーマを一部中止したのが15件、それから中止したのが2件ということで、おそらく特殊法人のときには考えられないようなことだと思いますが、そのように行っているということでございます。

それから、外部人材の積極的な登用、これは中期目標にも指摘がされておりますが、これについては現実に、先ほども申し上げましたような燃料電池もそうですし、NEDOで一番大事なプロジェクトの一つである次世代の半導体もそうなのですが、外部から大学の教授というプログラムマネージャーをハイヤーいたしまして、研究開発を推進しているということでございます。

もう1つ大事なのが、異分野・異業種の連携を強化するということで、例えば、材料とデバイス、これは半導体、中間材ですが、それと家電といった違った業種を組み合わせて研究体制を作る。これが現在ではほとんど中心になっておりますが、このようなことを実施する。

それから当然のことながら、バイオでありますとか、医学と工学の連携プロジェクトに力を入れており、経済産業省のみと付き合っているわけではないということでございます。

それから次のページ、9ページに、いわゆるマネジメントをどうしているかについてです。先ほどは、「成果を挙げるNEDO」と言っておりましたけれども、ここでは「利用しやすいNEDO」ということで、私どもの研究開発は、あくまでもお金を出すだけの機関ではありませんけれども、それを出す場合に契約を結んだり、あるいは資金を出したりということをできるだけ簡素に、時間を短くし、先ほど申し上げたような「複数年度契約」を導入した。それから、補助金でなくなったので、2~3回、原則年間複数回公募を実施できるとか、経費の算定につきましても、できるだけ簡素にして、細かい事務費等については証拠書類を不要とするとか、労務費については、労務日誌について一部の事業で不要化をしています。

そういった結果、従来は契約に相当の時間がかかっていたものを、相当短期間、3カ月ぐらいかかっていたものを半分ぐらいに短縮をすることができましたし、それから、お金の支払いにつきましても、従来2ヶ月くらいかかった手続きを簡素化して1カ月ぐらいにしました。まだまだ十分とは思っていませんが、当面そこまでやった。

ただ、NEDOも例外でなくて、最近企業だけではなくて、大学の方も資金の不正使用だとか色々新聞に出ていますが、どうしても簡素化したのはいいのですが、問題を起こす相手が後を絶たない。

ただ、これを怖がって、また契約を厳重にやるとか、金の払い方を石橋をたたいてもまだ払わないというのでは、やはり技術開発の本分にもとりますので、そこはむしろ逆に事後チェックを徹底し、事前はできるだけ簡略にして、事後は極めて厳格にやるということで、立入検査等をどんどん行って、問題を起こしたところについては、数年間は契約の関係を断つとか、悪質なものについては告発する。そのために、私どもは検査部というものを新たに設けまして、そういう事後チェックをきつくしているということでございます。

このように進めているところでありますが、良いことを行っているにしても成果が出なければ意味がないので、どういう成果が挙がっているかというのが次の問題でございます。これは、10ページに簡単に書いてございます。

基本的に私どもに義務付けられております中期計画によりますと、NEDOの研究開発事業の成果の指標として、論文数を期間中5年間に1,000本、特許を5,000件、海外1,000件といったようなタンジナブルな目標を一応義務付けられておりますが、これはほぼ達成する見込みでございます。

それから、総合科学技術会議が年に1回主催をします産学官連携功労者表彰京都会議という大きな会議がありまして、そこで、日本中の各研究開発機関の成果を評価して賞を与えるものがありますが、3回は総理大臣賞ということで、一番良い賞を受けておりますし、他のところも経済産業大臣賞とかいろいろな賞を受けております。

ただ私どもは、今こういった成果がNEDOの真の成果とは全然思っておりません。10ページの真ん中にありますように、あくまでもNEDOは産業・社会の現実的要請に役立つための機関でありますから、論文を幾ら書こうが、特許を幾つ取っても、これが産業化して、あるいはエネルギー政策なり、環境政策に具体的に跳ね返らないと、総理大臣賞をもらったところで、それだけで私どもの成果というのは非常に問題がある。

逆に言いますと、こういう数値目標がクリアされたからといって、NEDOはうまくやって成果を上げているというように思ってはいけないと、常に自覚、自戒をしております。

では、具体的な真の成果は何かと言いますと、やはり具体的に見ていかざるを得ない。例えば太陽光発電、私どもの一番得意なところでありますが、これについては、完全に日本が世界でトップシェアです。それから半導体、非常に超微細加工の技術で、世界でこれまたしのぎを削っているのですが、これは非常にうまくいっていまして、一時、アメリカに奪われた半導体部門のシェアを逆転しており、省エネについても相当な効果がある。あるいは代替フロンを開発して温暖化ガスを出すのを控えたとか、色々なことがあります。

ただもう1つ、ここで強調しておきたいのは、技術開発は波及効果、思ってもいなかったところにこの技術が役立つということが、非常に色々あるわけですね。例えば太陽光発電技術、太陽光そのものについても、相当うまくいったと思いますが、特に太陽光発電の技術は半導体、特に液晶に非常に大きな波及効果があります。

これも余談ですが、最近シャープで非常に若い方が社長になりましたけれども、この方は液晶で手柄を立てて社長になったと言われておりますが、この方は、ずっと太陽光をやってこられた方で、この方が液晶への技術の転用に大いに功があったと言われております。シャープの社長にしたのは我々の手柄ではありませんけれども、いずれにしましても、多分野への波及効果も考えなければいかんということでございます。

それから海外事業につきましては、NEDOの今までの海外協力、特に中国・インドその他の発展途上国との省エネ、新エネ、環境の技術協力が非常に評価をされていまして、先般、日中のエネルギー技術会議あるいはインド・ベトナム等の省エネ・新エネルギーの双方の今後の協力について、NEDOが非常に中心的な役割を務めるということを強く政府から要求をされております。

最後に11ページ、国民の理解を得るための「わかりやすい情報発信」の推進状況とありますが、NEDOは当然のことながら、技術の関係者については、企業、大学あるいは官も含めて、率直に言えば、玄人の間では非常に情報交換を行っていますし、情報の発信をしているのですが、やはり今後NEDOがこの責務を十全に果たしていくためには、一般の国民の皆様から、技術開発に対するあるいはNEDOに対する理解を得ることも非常に大事だということで、この業務についてもキャッチフレーズとし、「成果を挙げる」、「利用しやすい」、「わかりやすい情報発信」という3つをキャッチフレーズにして努力をしております。

例えば、小中学生に対する情報発信で、太陽電池工作コンクールを行うとか、北の丸に科学技術館がありますが、ここにNEDOブースを設けて、色々な成果をわかりやすく展示するとか、これは終わりましたけれども、愛知万博には日本館を除く政府関係としては唯一の政府関係のパビリオンを作って、新エネルギーの実証プラントでありますとか、ロボットでありますとか、そういったものの展示をしました。このような努力をしております。

ただ、ここは悩ましいところでして、私どもは基本的には科学技術の一般的な啓発、教育を行う機関ではありませんので、大いに努力はしますが、お金はともかく、人はできるだけ本体の技術開発のところに投入をしたいと思っております。ですが、できる限りの努力はしていきたいということであります。

今後の取り組みですが、これは一言に尽きます。今、御説明申し上げましたような方針で行っていくことが大事なのですが、要は末端の職員一人ひとりまでが、私が御説明申し上げましたような意識に立ってやってくれるか。特殊法人から変わりましたが、技術開発というのは、かなり危ないことをしないと本当のところはできないんですね。ですから、これを職員の一人ひとりまでがそういう意識を持って業務の運営に当たれるかどうかというのが、これからの最大の問題であろうというように思っております。

いずれにしましても、一生懸命やっているつもりですけれども、まだまだこれが実施できるかどうかこれからの課題だというように思います。

以上です。

木村委員長

それでは、ただいまの御説明に対しまして、御意見、御質問等をお願いします。

八木委員。

八木委員

日立製作所の八木でございます。

私はエンジニアではないので、このテーマということで、エンジニアと話をしてまいったのですが、2点ばかり教えていただきたい点があります。

まず一つは、今までの御説明でそうかなと思える点なのですが、実用化比率というものが、NEDOの場合、アメリカの場合と比べて低いのではないかということを聞いております。研究開発費に投入する金額と、それからアウトプットとして実用化されるものの比率ですから、今の御説明にあったように、2~3年後の成果を求めずに、先端的なところに手を入れていくぞという御方針であれば、製品化研究のウエートを高くしているアメリカに比べると、当然実用化比率が低くなると思います。

でも、やはり最後には成果を挙げようということもございますので、実用化研究というのは大事ではないかと思うのですが、そのあたりのこれからのお考えを伺いたいと存じます。

それからもう1つは、私ども重電メーカーのケースですが、色々と製品開発していくに際して、これまで長い間電力との共同研究というシステムがございまして、電力会社との強固なタイアップで多くの成果をあげて参りました。例えば、現時点でもワールドワイドにトップレベルの超臨界圧とか、超々臨界圧の発電設備などはその成果であります。ところが電力の自由化が進み、電力会社の研究開発投資がどんどん減っていくような傾向があって、電力との共同研究の仕組みが弱体化しつつあります。

そういうことになると、やはり国家としての戦略的な立場から、例えば経産省あるいはNEDOのお考えで、中長期的にそういったものをもう少し強化していく、エネルギー環境分野の最先端の水準にあるものを開発していくといったプロジェクトをお立てになるということも必要なのではないか。民間が少し弱くなっている分、こちらでバックアップしていただくといったお考えはないのだろうか、そのあたりについてもお話を伺えればと思って御質問いたしました。よろしくお願いいたします。

木村委員長

それでは、いかがでございましょうか。

牧野理事長

初めの実用化技術の問題ですけれども、これは悩ましいところですね。やはり、本当に商品化がすぐできるようなものは企業がやるべきでしょうね。ですから、やはり企業が商品化というのはNEDOはできない。だけど、そこまでいくためにどうしていいかというのを行っていくのがNEDOの役割です。

特殊法人から数えると30年ぐらい経つのですが、NSFとかNIHと比べますと歴史が浅いので、本格的に独法で始めて5年ですから、これが本当に成果を出すかどうかは、もう少し時間を見ていただくと、基本的な私どものハイリスク・ハイリターンの成果が出てくるのかなと。したがって、数年後に本当のNEDOの評価が問われるというように思っています。

それから、2番目の問題は、私どもはプロジェクト次第でして、異業界・異業種の共同プロジェクトは幾らでもありますから、それ次第で良いものがあればだと思います。

それでおっしゃったような自由化との絡みで、おそらく電力との共同的な研究は弱まっているということは私も知っていますけれども、これはやはり基本的な政策の問題で、経産省、資源エネルギー庁の基本的な問題ではないかと私は思います。

八木委員

どうもありがとうございました。

木村委員長

小泉委員。

小泉委員

法人化して、非常に良い面があったという御説明を承っておりますけれども、ただ先ほどお話のあったハイリスク・ハイリターンの話を展開していくと、やはり評価というのは当面出てこないという可能性もありますし、大学自体も法人化して、かなりこういった評価といいますか、そういうものに追われる毎日が続いているのですけれども、是非ハイリスク・ハイリターンについては、NEDOではよろしくお願いしたいと思っております。

やはり全体が、どうも目先にとらわれていくような思いがしておりますので、是非ともそのあたりのところはお願いしたいと思います。

それで2点目は、京都メカニズム・クレジット取得事業について、これが新しい事業という御説明だったのですけれども、これはNEDO独自でやるものなのか、もう少し色々なところと連携して考えていくのか、その点を少しもしよろしければ御説明いただければと思います。

129億円でこういったクレジット取得事業がうまくいくのかどうか、少し私は気になったものですから、もう少し違うところとも連携するのかどうか、その点をお話いただければと思います。

牧野理事長

1番目の御質問は激励だと受けとめて、一生懸命やらせていただきます。

それから、2番目の京都議定書の問題は、国がとにかく1億トン、2010年までに取らなければいけないわけですね。その事業をNEDOに委託されている。ただ、その委託はNEDOの計算でやっていくということなんですね。この129億円というのは今年だけの予算でして、相場によりますけれど、これは5年間でおそらく1億トン取るまで2000億円ぐらい金がかかるのではないかと思います。これは当然のことながら、国が担保してくれるということでございます。

それで、実施をしているのは私どもだけであります。私どもは、当然のことながら、例えば商社とか証券会社とか色々な人を集めてきまして、そこで国際的に一番相場の安いところから買ってくる。こういう仕事を行うということです。

小泉委員

おそらくこういったクレジット取得というと、今お話のように総合的にやらないと、とてもうまく回転しないと思いますし、逆に言うと、ある意味ではハイテクというよりもローテクでこういうものを取ってくるような可能性もあるものですから、余り難しい技術でCO削減ということでの話を展開するよりは、もう少し簡単な技術で取り得る可能性もあるかなという思いがしたものですから。

牧野理事長

もちろんCDMといって技術開発に関係するものもありますが、基本的には技術開発と余り関係ないんですよ。要するに、ロシアとか中国で何千万トン、何百万トン出たからこれを買ってくるというものですから。これは、むしろ技術開発の仕事よりも商社のような仕事です。商社や証券会社のような仕事なんですね。

木村委員長

小野委員。

小野委員

CDMの話が出ましたので、少しコメントさせてもらいますけれども、鉄鋼業では、昨年度このCDMに投下したお金は600億円を超えると思います。我が社だけでも100億円行っていますから。例えば我が社では、研究開発で50億円ぐらい使っているのですけれども、それを超える非常に大きなお金が、このプロジェクトには使われています。ですから、今の技術のお話は、簡単な技術で、中国とかインドとかロシアのプロジェクトが多いのですけれども、トン当たり18ドルぐらいの相場で権利を買ってくるわけです。

そういう意味では、民間も、企業としても一生懸命やっておりますし、また政府が、NEDOを通じてやってもらっていく、そういう色々な情報を集めて各業界に情報を提供してもらうということが、我々としては非常に助かるテーマだということをコメントさせていただきます。

木村委員長

それでは、平澤委員。

平澤委員

2点あります。第1点は評価に関係した話ですけれども、独法化されてからずっとプロジェクトの評価委員会に関わっておりまして、その5年間の実績を見ると、実用化の可能性に関する評点というのが常に低い。目標設定のようなものは高いわけですけれども、それに比べて低いという状況が続いているわけです。

ただ、初期に比べれば、その種のプロジェクトというのは、かなり減ってきているという傾向があって、御努力されている様子というのは窺えるのですけれども、やはり実用化の可能性というのが、プロジェクト終了後においても点数が悪いというのは、事前のテーマの選び方の問題だろうというように思います。

このあたりの改善について、部内でも色々と取り組んでおられると思いますけれども、トップあるいはリーダーとしてどのようにお考えかというのが第1点です。

それから第2点は、先ほどの資料の5ページのところに「NEDOの位置付け」という絵があります。私の質問の趣旨は、NEDOのミッションそのものに関わることかもしれないのですけれども、黄色の産業界という部分が、大学・国研からつながっていくところだけではなくて、ミッション2と書いてある技術による環境エネルギー問題の対応というところまで広がっているのではないか。

つまり、社会的に関係した技術、社会が受容するような技術でも、産業が、産業の活力を利用してそれを実体化していくということが行われるわけでして、現に、製造業みたいなものだけを念頭に置いたような産業界から、もっと広いものを対象にした産業界というように、むしろ実態を広げるべきではないかと思います。

以上です。

木村委員長

お願いできますでしょうか。

牧野理事長

評価は、御指摘のとおりだろうと思いまして、先ほど少し言い落としましたけれども、私どもは評価を2つやっておりまして、1つは中間評価ですね。この中間評価は、とにかく止めるか、変えるか、行うかという評価で、これは厳密にしております。もう1つはプロジェクトが終わった後、追跡評価というものを行っておりまして、これは企業で企業化しているか、していなかったらどこに問題があるのか等の評価も行って、委員がおっしゃったような次のテーマを選定するときの大きな参考にしたいというようなことでやっております。

それから、2番目の御質問は、これは私どもも全くそのとおりで、私どものミッションというのは産業競争力だけではなくて、当然のことながら、エネルギー、環境、これは産業競争力と直接関係しないかもしれませんけれども、要するに、環境を良くしなければいけないとか、エネルギーの中で化石燃料を減らさなければいけないという、そのような社会的なミッションに対して、これをどう技術的に応えられるかということでやっております。

5ページの表というのは、非常にラフなどんな感じであるかということだけを示しているので、今おっしゃったような議論からしますと、正確でないのかもしれません。

木村委員長

ありがとうございました。

それでは、室伏委員。

室伏委員

具体的なことを少しお伺いしたいのですけれども、良いテーマを選定して、それを追跡調査して、最終的に事後評価をする上で、私はPMとPOというのは非常に重要だと思っています。現在、何人ぐらいNEDOではそういう方をお雇いになって、そのうちプロパーの方はどの程度いらっしゃるのでしょうか。具体的な数字をもし伺えたらと思うのですが。

牧野理事長

私どもの職員の構成は、大学や研究所の出向者が沢山いますので、いわゆるPMというのは、役員に準ずるといいますか、完全な責任を持って大きなプロジェクトを行っているのは8人ぐらいいます。それから、オフィサーというのは2名です。

ただ、そういう名前をつけるかどうかは別として、大学等からのフルタイムの出向者も沢山おります。

これを基本的に私どもは増やしていくつもりですけれども、やはり適材適所でして、大学の先生だから何でもやれるかというとそうでもないので、そこはあくまでも適材適所であれば全くかまいません。

木村委員長

ありがとうございました。

本日、お2人の参考人にお出ましいただいております。

まず最初に、阿部晃一東レ株式会社取締役研究本部長から御意見を拝聴させていただきます。よろしくお願いいたします。

阿部参考人

御紹介いただきました東レの阿部でございます。参考人としての意見を申し上げたいと思います。

意見を申し上げる前に、どのような会社の人間が意見を言うのだということをおわかりいただくために、スライド3枚ぐらいで、当社の事業の内容と研究の内容をごく簡単に御説明申し上げたいと思います。

これは、当社のビジネス・ストラクチュアでございまして、「有機合成化学と高分子科学とバイオテクノロジー、ナノテクノロジーをコア技術にして、先端材料を開発して、グローバルに事業展開する総合化学企業」ということで、1年前の2006年の3月期で、売上高が1兆4000億強、連結営業利益が900億円強という規模でございます。それで、世界21の国・地域で事業を展開して、現在、3万人強の人たちが働いている。

右の円グラフを御覧いただきたいのですけれども、大体利益の20%ぐらいが繊維、黄緑の30%強が、いわゆるITの材料ですね。それから、13%が炭素繊維複合材料、こういったものを主な事業として行っています。

これが、その中の基礎研究を受け持つ、私が担当しております研究本部の組織図でございまして、繊維から始まりまして機能材料の研究所まで9つの研究所を国内に持っております。それからあとは、もちろん中国でございますので別会社になっておりますけれども、南通と上海の2カ所の研究所を持っているということになっております。

では、そういう研究所でどういうことをやっているか。これは、APEX40と申しまして、我々研究本部が頂点の40テーマということで、最も経営資源を重点的に配分しているテーマということでございまして、左側に領域マップがございますけれども、我々もドメインを4つ分けております。1つは基盤事業。これは規模的には、これからそんなに大きな拡大は望めないですけれども、しっかりとその利益を上げる事業で、繊維、プラスチック・ケミカル。戦略的拡大事業と申しますのは、今の成長エンジン、これからの成長エンジン、これが情報通信材料と炭素繊維の複合材料。戦略的育成事業というのは次の、次世代の成長エンジンと考えておりますライフサイエンスと環境・エネルギー。あと基礎研究ということで、そこに掲げましたようなテーマに重点的に戦力を投入している。

このような中で、NEDOとの連携概況を、この5年間にNEDOから委託された主なナショプロということで、ライフサイエンスという切り口で、バイオIT融合機器開発プロジェクト、その後の成果普及、それから、先進ナノバイオ・デバイスプロジェクト、あとナノテクノロジーという切り口で天然物由来の新規繊維、次世代半導体ナノ材料の評価、精密高分子、あと環境分野ということで自動車の軽量化でございます炭素繊維複合材料、それからエネルギー分野が、先ほどお話が出ていた燃料電池ということになっております。

この中から、少し御紹介申し上げたいと思いますけれども、これが、バイオIT融合機器開発プロジェクト、DNAチップということでございまして、独自の形状を持ったDNAチップを作ることによって、詳しい説明は省略させていただきますけれども、結論的には、非常に従来のDNAチップに比べて、100倍ぐらい感度の高いDNAチップを作ることができたということでございます。

次が溶融紡糸のセルロースです。溶融セルロース、例えばレーヨンというのは溶媒を使って製糸をするわけですけれども、溶媒というのは、必ずしも環境に優しくないということで、それを溶融紡糸できるよう、これは非常に画期的なアイデアだと思うんですけれども、特殊な変性を行って、セルロースを溶融紡糸、普通のテトロンとかナイロンと同じように溶融紡糸をするということで、もう商品名も決まりまして「フォレッセ」という商品名で、2007年度から常使用始めるということになっております。これは、もちろん世界で初めてでございます。

これは精密高分子技術プロジェクトということで、衝撃吸収プラスチックなのですけれども、これはナノアロイというものでございまして、ポリマーの場合は、2種類以上のポリマーを混ぜるということで、従来に比べてナノメートルオーダーの非常に微細に分散をさせた状態を作り出すことによって、従来では、想像もできなかったような非常に面白い特性がプラスチックに付与できるということで、次に実例があります。

左が、荷重をかけたときに、今までの単に衝撃性があると言われていた我々のプラスチックです。今度、右の方に同じような荷重、衝撃を与えても、これは割れることなく、非常に衝撃を吸収できるということで、衝撃の速度が速くなればなるほど、あのように柔らかくなってくるという、従来の常識を覆すような材料でございまして、これから色々な用途に使っていけるのではないかということでございます。

これが、自動車の軽量化という炭素繊維強化の複合材料ということで、今、ニュースとか新聞などで、ボーイング787という飛行機が話題になっておりまして、これは私どもの炭素繊維の複合材料を、機体重量の半分に使われているというものでございまして、当然燃費がよくなる、環境に優しい飛行機ということで、非常にボーイングも力を入れております。

実は、この炭素繊維の供給を始めましたのが1961年でございまして、10年間は生産化がなかなかできずに、71年に生産化しましたが、ただ最初はなかなかコストのこともございまして用途がなくて、ゴルフのカーボンシャフトだとかテニスのラケットだとかでして、かけた開発費とリターンという意味ではかなり苦戦をしていたのですけれども、40年ぐらい経って、やはり非常に大きく花を開いたということで、多分自動車も近い将来そういうことになるだろうと。当時、1970年頃は、飛行機がカーボンファイバーで飛ぶということを考えた人はだれもいなかったと思うんですけれども、それを狙って、今は炭素繊維を使った自動車の軽量化ということをNEDOと一緒にやらせていただいております。

以上のような、色々と我々の経験を通じて、NEDOに対する所感を申し上げますと、やはり委託金、助成金によって、我々一般の民間企業単独ではできない、非常にリスクの高い研究を進めることができた。

それから、これは特に最近ですけれども、プロジェクトを進める中で担当主査の方とのディスカッションを通じて、マネジメントといいますか、フレキシブルな運用にも対応していただいて、非常にプロジェクトを進める上で有効であった。これは、現場の担当者も申しております。

それから、あとは複数年度とか労務費の定率化。これも現場の方から使い勝手がよくなったという意見が上がってきております。

それから、海外との開発競争が激しくなる中で、やはりイノベーションというキーワードから言いますと、リスクの高い研究をが必要になるということで、やはりNEDOのファンディング機能とコーディネーターという役割は重要になってくるだろうというように実感しております。

あと、NEDOへの要望といたしましては、イノベーション達成ということを考えますと、やはり実用化のために必要な大学の基礎的研究とか、あるいは革新的な評価・分析方法というのが必ずあるはずで、そういったところも、JSTのように「大学のシーズをベースにした連携」だけ支援するというのではなくて、実用化のために必要な大学の基礎的研究ということに関してもケアをいただきたい。

それから、グローバルな視点での支援ということで、これはだんだん改善されてきているというように聞いておりますけれども、海外の研究機関、企業との連携に対しては、今まで若干やりにくい面があったということと、それから主な市場は海外にあって、日本は余りマーケットはないものの、やはり日本としても地球的な貢献が示せるような、地球の温暖化の問題であるとか、あるいは水処理でございますね。こういった問題に対しては、より強い支援で、日本の地球への貢献というものを示すような技術開発をさらに進めていただきたい。

それから、使いやすい仕組ということに関しましては、先ほど申し上げました「労務費の定率化」の仕組とか、あるいは「大学との共同研究費の定額助成」、こういったものをすべての事業に展開していただきたいなというように考えております。

私からの参考人としての意見は、以上でございます。

木村委員長

ありがとうございました。

それでは、引き続き意見をお願いしたいと思います。

次は、玉井東京大学先端化学技術研究センター教授でございます。玉井先生は、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会の臨時委員もお務めでございます。

それでは、玉井先生、よろしくお願いいたします。

玉井参考人

東京大学先端研の玉井でございます。

御紹介いただきましたとおり、私は東京大学先端研におりまして、そこの教授でありますと同時に、総務省の政独委独法評価分科会の臨時委員を2年ぐらい務めさせていただいております。

法律が専ら仕事ですので、所属先の名前は先端科学技術研究センターなんですが、実際は科学技術に関係する研究者ではありません。

外から見たNEDOということで、お話をさせていただきたいと思います。

中身としましては、総務省でやっている独法評価の特色といいますか、どういう作業なのかという話と、もう1つは、そういった作業がうまくいったと思うパターンというのはどのようなものかと、そういう観点でお話をさせていただきたいと思います。

1つは、総務省の政独委の特色ですけれども、これは作業が法人ごとなのですね。1法人ごとに、それぞれ同じような時間をかけて審議しますので、例えば職員数30人という法人もあれば、2,000人近いところもあるわけですけれども、かける力はほとんど同じということですので、ある法人について、こんなに沢山現預金を抱えていてどうするのかという評価の声が出たとしましても、これが数億円という場合もあれば、その二ケタぐらい上ということもあります。ある意味で、小さな法人にとっては気の毒な仕組ということが言えるのではないかと思います。

それからもう1つは、大体、評価の視点あるいは議論のリーダーシップというのは、もちろん制度的な面もありますけれども、公認会計士の資格をお持ちの方とか、ビジネススクールの先生とか、そういった方が中心で、どうしてこんなに手元流動性が多いのかとか、そういった議論が中心になるということでございます。

それから、3番目の特徴としましては、これは総務省もやはり役所であるということだろうと思いますけれども、役所である以上、やはり何か目に見えた成果が欲しいというところがございまして、特に2年前に私が就任しましたときは、最初に中期計画を立てて、それが終わったばかりという状態でしたので、目に見えた成果が上げやすいということがありました。4つぐらいありまして、1つは非公務員化ですね。それから、もう1つは複数の独法の統合です。それから、もう1つは民営化、あるいは地方移管です。それから、4番目に廃止とあるわけですけれども、何となく雰囲気として、非公務員化は全部取れないと、やはりワーキンググループとしてメンツが立たんなと、そういう雰囲気がありまして、その他に統合というのが幾つか出せると非常によいなと。民営化とか地方移管とか廃止というのは、1個でも出せると鼻高々という雰囲気がありまして、割とワーキンググループ同士で競争しているような雰囲気がありました。

ワーキングのスタイルとしては、そういうことでありまして、総務省の政独委は、事務局とともに非常に科学的な評価の仕組を構築していて、ある種の方程式に当てはめると、たちどころに非常に科学的、客観的な成果が出るとか、そういったことは多分ないのではないかという気がいたします。

それが大体ワーキングのスタイルの特色ですけれども、そういったことで、実は横串ですべての独法について、私どもが全部お話を伺うという機会は年に2回ぐらいしかございませんので、経済産業省所管法人については、私は余りよく存じないのですけれども、横串で見ておりますと、割とまじめにやっておられて、多分非公務員化は割と率先して、総務省に言われるまでもなくどんどん経済産業研究所とか、産業技術研究所とかやっておられたと思いますけれども、実はそういうことをやられると、今申し上げたことでおわかりだと思いますが、多少不利になる。つまり見せ球が、非公務員化がないので、他のところでいくしかないということになりまして、ちょっとお気の毒だなという気がしております。

それが、大体特色ということになりますが、会計屋さんが多いということと、非公務員化ぐらいですと簡単なんですけれども、その後何か見せようと思うと、簡単に廃止とか、民営化とか、地方移管、そういうものは作れませんので、統合も、ぜい肉のいっぱいあるような組織ですといいですし、あるいは統合しないまでも、半分切りましたとか、4分の1切りましたということですといいのですけれども、ぜい肉の少ない組織は不利だというところがあります。予算を5年間で15%減らしましたということぐらいですと、余り目立たないというところがありまして、全国8カ所ありましたのを2カ所減らしましたというと、結構良いという形式的な評価になってしまうところがあります。

それから、どういう場合に私どもは仕事をしていてよかった、充実したという感じになるかというそのパターンですけれども、1つは、大元の政策というのは見られないんですね。例えば国家の石油備蓄基地の業務運営とか、そういう業務を独法がやっているときに、本当に国家の石油備蓄なんか必要なのかと思っても、それは法律で決まっていることですからその独法には裁量権はないわけですので、その業務運営の効率性ということしか見られないということが1つあります。

うまくいく場合としては、割とあうんの呼吸といいますか、所管の役所の側でも、これはちょっと問題だから何とかしたいなと思っているときに、総務省が後ろからぐいぐいと後押しをすると、総務省がこんな厳しいことを言ってくるからしようがないとか言って、2カ所ぐらい廃止したいなと思っているところを1カ所廃止するとか、そういったことができるのかなと。

3番目としまして、今後ですけれども、そういったことですので、特に研究開発の助成、あるいはみずから研究開発をする法人は多ございます。各省それぞれありますので、目に見えた成果という点ですと、やはり何かきれい事のようですけれども、正道に立ち返って一つの理念に基づいて、一つの業務の見直しなり整理なりをしたというような独自色を強く打ち出すというのが一つの戦略、方策ではないかという気がいたします。

例えば、大学におりますと、割と応用色の強い実用化に近い研究にどんどんお金がついて、企業とこのように連携しているんだというと、割とすぐ付いたりするということがよくあります。それではたで見ていると、ちょっとおかしいなと思うことがありまして、企業が、既に共同研究をやっているのだったら市場に任せればいいわけで、そんなに川下のことに国がお金を付ける必要はないのではないかという気がします。

むしろ、国がお金をつけるのは、もっと川上の、先ほど40年経って航空機の材料に使われたとか、そのようなお話がありましたけれども、何のためにやるかよくわからないとか、あるいは本当に実用化できるのかどうかわからないという、非常に川上のところに幾つか張ってみるという、そういうことの方がよいのではないかというような気がします。これは1例ですけれども、例えば、そういうことで業務を大幅に見直しましたというようなことがあると、かなり説得力のある絵が描けるのではないかなという気がしております。

以上、外から見たNEDOということでお話をさせていただきました。

木村委員長

ありがとうございました。

それでは、いかがでございましょうか。

鳥井委員。

鳥井委員

阿部先生にお伺いしたいのですが、今の玉井先生のお話と絡んで、溶媒を使わない繊維の成型、これは国からお金がもらえないと、東レとしてはできなかった仕事なのでしょうか。それとも、現実には商売になるわけですから、国がお金を出さなくてもできたのではないかという感じもするのですが、いかがでございましょうか。

阿部参考人

始めるときは、できるかどうかわからなかったですね。

これは、元々の発想は京大の西尾先生と一緒にやらせていただいた仕事ですけれども、当初は全くこういうセルロースが熱に溶けるというのは考えられませんでしたので、我々企業単独では多分できなかったというように思っております。

そんなに大した支援金ではなかったかと思いますけれども、やはり最初の入り口を大学の基礎研究と企業の応用研究をマッチングさせるというところに、非常にNEDOのコーディネーター的な機能が活きたのではないかというように私は認識しております。

鳥井委員

もう少しお教えいただきたいのですけれども、大したお金ではないということですと、コーディネーターの機能になるわけですね。そのコーディネーターの機能というのをもう少し具体的にお教えいただいて、東レ単独ではできないけれども、NEDOが入るとできるというのは、具体的にどういうところなのか、もう少し教えていただけるでしょうか。

阿部参考人

やはり色々と大学関係に関する幅が広いですね。NEDOは、色々なところから来ておられるということとこともありまして、我々だけでは気が付かないところでアドバイスをいただいたということで、非常に有効的ではあったと思います。

木村委員長

よろしゅうございますか。

岸委員。

岸(輝)委員

阿部先生と、またNEDOなり経産省にお聞きすることになるかもしれないのですが、大学との連携支援をもう少し強化という御提案ですね、要望ですか。

私も、5~6年前にプロジェクテリアをやったことがあるのですけれども、随分、大学に開かれたという気がしていたのですが、このところ駄目なのですか、NEDOの支援というのはあれで止まっているのですか。

1つは、阿部先生から見たらそのような実感があるのかなと思って。

阿部参考人

私が申し上げた大学との連携研究は、非常に今、活発化していると思います。

ただ、例えば私のスライドの4ページに、ナノ積層フィルムというのがあるんですね。これはもちろん、作ることそのものは、10マイクロメートルぐらいのフィルムの中に五千層のレイヤーを積み重ねるといいますか、具体的には一緒に押し出してしまうのですけれども、こういうものが作れるのですが、その1枚1枚の厚みをどうやって測るかというところが、やはり、非常に重要なキーテクノロジーだと思いますね。

そういったところはなかなか、本当にそういう解析技術ができれば、別にこのフィルムのことだけではなくて、非常にその展開範囲が広いと思うんですね。そういったところにもっと、いわゆる支援があってもよいのではないかというように、企業から見たら思っております。

岸(輝)委員

それで、どうなのですか。NEDOは、大学への支援というのは、昔は駄目だったんですね。しかし、7~8年前から随分進めた方向に行ったと理解していたのですが。

住田技術振興課長

様々な形で大学への支援というのは増やしてきています。特に、先ほども若干、御議論がございましたが、産学連携に関わるマッチングのようなものも、今年度からもさらに拡充をするような形で、大学が主導の場合も企業が主導の場合も、どちらでもできるようにしました。あるいは、実用化の議論も先ほどございましたけれども、やはり企業なり大学の本気度みたいなものが大変重要ですので、そういうところもチェックをしながらより高い確率で成果に結びついていくようなものというものに、一方では規律を強めながら、幅広く支援をしていっているというのが今の状況でございます。

ただ、御指摘のように、こういうところを少し直すべきだというのは、さらに色々と御意見を頂戴して、そこは直せるところから直していきたいなというように考えております。

岸(輝)委員

ただ、プロジェクトリーダーは、大学人より民間の方がよいという話が少し出ているから、大学の人が役に立たないというのが出てきたのかなと心配はしていたんですけど。

住田技術振興課長

というよりは、もちろんその大学の方によるわけでございますけれども、ただやはり私どもが拝見しておりますと、プロジェクトのマネジメントの部分をやる方という意味では、やはりそれはある種、事業のマネジメントにも慣れた企業の方がおやりになった方が、より効率的に産学連携がうまくいくというケースもございますから、むしろ、企業の方がメイン・コントラクターのような形になって、そこに大学の方がサブのような形で入ってくる、こういう産学連携が今までは、実はNEDOはお金を出せなかったのですけれども、今年度からはそういう形態でやっても実用化にかかわる支援、産学連携に関しても、お金を出せるような形に変更しております。

岸(輝)委員

それからもう1つなのですけれども、玉井先生は知財の専門家として大事なところだと思うのですが、ハイリスク・ハイリターンと実用化とさっきから議論がありましたね。それと、やはり川上の支援が足りないんじゃないかと、この点について、もう少し先生の御見解を伺えればと思います。

玉井参考人

全体として見ますと、やはり、かなり川下の方に偏ってきているなという印象は端で見ていてありますね。それでもうかなり実用化されていて、世間でも注目もされていて新聞記事にも出ているものの方が予算を取りやすい。

これはよくわかりませんけれども何かの役に立つでしょう、そういう技術というのは、なかなか予算を取りにくい。材料もバイオも、色々なジャンルがありますけれども、やはり川上のものは取りにくいということがあって、本来何か産学連携が必要だというのは、川上のシーズが大学にあるはずだから、それを世の中で活かしましょうということだったんではないかという気がしますので、少し世の中全体として、かなり力点の置き方を変える必要があるのかなという気はしております。

木村委員長

他にございませんか。

松山委員。

松山委員

今のお話に少し近いのですけれども、実用化に近いか、川上か、川下かという議論があるのですが、もう1つは、政策指導でトップダウンでプロジェクトをデザインするか、ボトムアップで提案ベースで実施するかという、こういう2つもあると思うのですね。

それで、NEDOの場合だと、先ほどの牧野理事長の説明を聞いていると、ナショプロというのは、多分政策主導でほとんど行っているというふうに考えております。一方、大学シーズというのが50億円ぐらいあったと思いますが、ボトムアップ的な公募と捉えたらよろしいのでしょうか。だれに聞いたらよいのかよくわからないのですが、トップダウン、ボトムアップの、そのあたりのコントロールというのは、経済産業省から見てNEDOの場合はどういう感じのデザインとしてなっているのでしょうか。

住田技術振興課長

全く基本的にはおっしゃるとおりでございまして、ナショナルプロジェクトとして行っているものは、どちらかというトップダウン的な要素が強いです。

ただ、トップダウンと言いましても、実際にどういうフォーメーションで、そのプロジェクトを行っていくのか。ここはトップダウンではありませんで、ある意味で企画競争のような形でチーム編成をしていく。そこに先ほど出ておりましたようなプロジェクトマネージャー、POが活躍をされて、フォーメーションを行っていくということになる。

それから、むしろ実用化に近いところに関しては、提案公募のような形を中心として、ボトムアップで企画を色々と提案していただいて、その中から、これは確かに本気度が強いぞ、実際に物になりそうだぞというものを選んで助成のお金をつけていく、そのようなものを組み合わせているということでございます。

松山委員

そういう意味では、川上のボトムアップというのが、NEDOとしてはスコープには入っていない。

住田技術振興課長

川上のボトムアップと言いますのは、例えば、今回始めておりますナノテク関係のナノテクチャレンジというプロジェクトとか、あるいは今回やろうとしている新エネ関係の新しい技術を掘り起こそうというものなどは、もう少しテーマを大きくしておいて、そこにシーズ技術みたいなものを色々と提案してもらうという、そういう川上のボトムアップというものを幾つか、分野によってできるところから実施し始めているという状況でございます。

阿部参考人

今のお話は企業側から見ましても、NEDOも川上の方の仕事もかなり活発化されてきていると思います。

それで一口に実用化するものということを考えたときに、全部が川下なのかというとそうではなくて、色々なことが組み合わされて一つのものが実用化されるわけで、ある部分は、まだまだ基礎研究の部分があって、そこができれば実用化できるということも当然あるわけで、そういったところを先ほどの積層フィルムの厚みということを例に挙げて申し上げたということでございます。

木村委員長

ありがとうございました。

他にございませんでしょうか。

荒牧委員。

荒牧委員

新委員の荒牧でございます。よろしくお願いいたします。

2点教えていただきたいのですけれども、先ほどからファンディング機能とコーディネーター機能という二本柱という形で御説明いただいているのですけれども、まず1つ目は、今、重点分野というのが非常に限られておりまして、そうしますと競合企業というかライバル企業にとっても、当然関心がおありの分野だと思うのですけれども、そうするとライバル企業がNEDOの助成金を獲得した場合に、企業としてはその研究を断念せざるを得ない状況なのか、あるいは何か他に手立てがあるのかどうかを教えてください。

それから、コーディネーターとしての役割ということですが、特許権を取れた場合の権利関係はよくわからないのですけれども、コーディネーターであるNEDOのところに大学の知見がある程度貯まっていて、NEDOと組んだところがそれを獲得できる、逆に言うと、ライバル企業がNEDOと組むことによって知的財産を獲られてしまう、企業にとってはそのようなリスクがあるということでしょうか。

阿部参考人

最初は企業のお話で、ある委託研究が他の企業に行ったからといって、本当にその目標が非常に魅力的なものであれば、諦める企業はないと思うんですね。

あと特許権の話はケース・バイ・ケースじゃないかと思うのですけれども、そのあたりはどうなのでしょうか。

住田技術振興課長

特許権につきましては、基本的には日本版バイドールというのがございますので、委託を受けた側が権利を持てるということになっております。NEDOのコーディネート機能として、やはり一番期待されている、実際に感謝をされている部分というのはネットワークであって、これまでの様々な同じ分野、あるいは異なる分野の研究を通じて、どこの誰がどういう研究をしていて、どういう面白いところまでノウハウがあるよということがNEDOには蓄積があるので、先ほどのプロジェクト・フォーメーションの中で、そのような組み合わせが生まれてくるというところが、かなり大きなポイントでございます。実際にプロジェクトに入ってしまえば、例えばその共同研究が実施されたら、共同研究をされた方々の中で権利がシェアをされるという形になるわけですし、あるいは、そこはさすがにここだけは自分の持ち帰りの形で研究を行った場合であれば、その方の独自の権利ということになるわけです。

そういう意味で、NEDO自身が持っている何か権利のようなものをベースに、それに付け加わった形である会社が権利を取ってしまって、他のライバル会社が取れないということは必ずしもないということです。

荒牧委員

ありがとうございました。

木村委員長

1つ質問させてください。総務省は目に見えた成果が欲しいのではないかという印象を持っています。ただ今、非公務員化、統合、民営化・地方移管、廃止という弱い措置から強い措置まで挙げていただきましたが、このような措置があるうちはいいのですが、それがなくなるとどうなるのでしょうか。

玉井参考人

おっしゃることは私どもも感じていまして、次に何を球にしたらよいのだろうと。

それで、統合しろとかいっても、産総研とNEDOを統合して、何か良いものが生まれるかというとそうは思えないわけですし、経済産業研究所と一緒になるのかというと、ほとんど意味がないわけですから、おっしゃるとおり目に見えた成果というのは上げづらい。今まで真面目にやっていたところほどやりにくいというところはありまして、そういうところほどまともな評価手法をぜひ開拓していただいて、率先垂範していただくと、私どもの仕事もやりやすくなるというところはあるかなという気がいたします。

木村委員長

ありがとうございました。

よろしゅうございますか。

どうもお二方、ありがとうございました。

木村委員長

それでは、次の議題へ進ませていただきます。

今年度実施の業務実績評価について、波多野課長からよろしくお願いいたします。

波多野政策評価広報課長

まず、昨年の12月1日の評価委員会で決定していただきました新しい業務実績評価の基本方針を御覧下さい。こちらに基づきまして、昨年度、平成18年度の実績評価をお願いいたします。

今年の修正点だけ簡単に御説明をいたします。従来、実績評価を記述していただくということで、記述をいただいてAとかBとか付けていただくという方式でございますが、今回は、通常の評価を与える場合はこういう場合であるというのを御記入いただいて、それについて、B評価以外の評価をつける場合には、それにふさわしい実績があったということを追加記入していただくという形で、今年は夏の委員会で各評価について御議論いただこうと思っております。

それから、もう1つの修正点でございますけれども、契約形態の選択をしっかりと独立行政法人が考えてやっているかということを御記述いただくというように設計をいたしてございます。

それから、役職員の給与水準について事後評価を実施していただきたいというものでございます。

よろしくお願いいたします。

木村委員長

よろしゅうございましょうか。

それでは、そういうことで夏の評価をよろしくお願いいたします。

木村委員長

事務局、何かございますか。

波多野政策評価広報課長

最後に、今年のスケジュール、これは資料2で1枚紙をお配りしてございますけれども、簡単に御説明させていただきます。

まず、今年でございますけれども、見直しはNEDO1法人だけでございます。5月の下旬から6月の中旬にかけまして、NEDO関係のプロジェクト施策をNEDOで計画いただいてございますので、幾つか候補を、後ほど御案内をさせていただきますので、御都合のつく委員の方には、是非御参加をいただきたいと思います。

併せまして年度評価でございますけれども、7月中旬ぐらいを予定したいと思っております。平成18年度の実績評価、それから、中期目標期間評価につきまして、7月中旬の日程で実施をしたいと思っております。

それから、見直しの関係でございますが、8月の上旬に、NEDOにつきましての見直しの審議をお願いしたいと思っております。

最終的な見直し案につきましては12月の上旬、最終的に中期目標の改定、中期計画の改定につきましては来年の2月下旬。これは昨年、1年前倒しで御審議をいただきました情報処理推進機構、石油天然ガス・金属鉱物資源機構、この2つの中期目標、中期計画の新しいものにつきましても、併せて御審議をお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。

木村委員長

よろしゅうございましょうか。それでは、本日はどうもありがとうございました。

―了―

 
 
最終更新日:2007年6月19日
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