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- 耐震・構造設計小委員会 地質・地盤ワーキンググループ(第3回) 議事録
総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会耐震・構造設計小委員会地質・地盤ワーキンググループ(第3回) 議事録
日時:平成19年6月13日(水)13:30~17:00
場所:経済産業省別館3階346会議室(第4特別会議室)
出席者(敬称略・五十音順)
主査
衣笠善博
委員
安達俊夫、吾妻崇、伊藤洋、岩下和義、宇根寛、 大西有三、岡村行信、駒田広也、杉山雄一、 高島賢二、日比野敏、横倉 隆伸、吉中龍之進
議事録
- 衣笠主査
-
時間になりましたので、ワーキンググループの開催に当たり、事務局は定足数の確認をお願いいたします。
- 川原耐震安全審査室長
-
本日は、御多用中にもかかわらず、御出席いただきましてありがとうございます。
当ワーキンググループの定足数でございますが、委員17名に対しまして、過半数でございますので、9名となっております。ただいまの出席委員は13名ということでございますので、定足数を満たしております。
なお、1つ事務局の方から御紹介をさせていただきたい点がございます。これまで、本ワーキングに御参加をお願いしておりました国土地理院の村上委員が、所属先の職務変更のため、本ワーキングの委員を辞退されまして、今回のワーキングから同じく国土地理院の宇根地理地殻活動総括研究官に委員として、本ワーキングに御参加いただくことになりましたので、御紹介させていただきます。宇根委員には、今後、よろしくお願いいたしたいと思います。
- 宇根委員
-
御紹介いただきました、国土地理院の宇根でございます。前任の村上は大変お世話になりました。人事異動で、その後任になりましたので、こちらの委員の方も引き継がせていただきます。専門がちょっと違いますけれども、私は地形学、地理情報の方の専門でございますので、そのような観点で参加させていただきます。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
- 川原耐震安全審査室長
-
また、委員へは事前に御案内させていただいているところでございますが、現在、夏の軽装ということで、9月28日まで実施してございます。このため、期間中に開催されるワーキングにおきましては、ノーネクタイ、ノー上着とさせていただきたいと思いますので、何とぞ御理解をいただければと思います。
また、先生方におかれましても、軽装に御理解をいただき、御協力をいただければ幸いでございますので、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
- 衣笠主査
-
それでは、第3回「地質・地盤WG」を開催いたします。
まず、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
- 川原耐震安全審査室長
-
それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
まず、一番上に座席表がございまして、その次に委員名簿がございます。その次が本日の議事次第ということで、議事次第には、本日の配付資料一覧を記載させていただいてございます。
次に個別の資料を確認させていただきます。地質W3-1は「能登半島地震を踏まえた志賀原子力発電所の耐震安全性確認について(追加報告)」というものでございまして、6月1日に北陸電力より当院に提出された報告でございます。
もう一つ、同じく志賀につきまして、W3-1の別紙-1ということで、機器・配管の耐震安全性の追加報告分ということで用意してございます。
その下に、説明用の資料としてパワーポイントの資料を御用意してございます。
続きまして、地質W3-2から浜岡に関してでございます。
地質W3-2は、浜岡3、4号機の敷地周辺・近傍及び敷地の地質についてという中の掛川市北方の変位地形に関する調査結果及び評価についてという資料でございます。
次にW3-3が同じく浜岡の敷地の地質・地質構造という資料でございます。
続きましてW3-4が、敷地の地質・地質構造に関する補足説明という資料でございます。
次にW3-5でございますが、浜岡3、4号機の原子炉建屋基礎地盤の安定性評価についてという資料でございます。
W3-6が、今度は周辺斜面の安定性についてという資料であります。
W3-7が原子炉基礎地盤の安定性評価についてという中の補足説明の資料でございます。
W3-8が、第2回の議事録(案)でございます。
続きまして、机上の資料でございますけれども、紙ファイルの資料がございます。これには原子力安全委員会の新耐震指針、それと当院が作成いたしました既設発電用原子炉施設の耐震安全性の評価手法及び確認基準についてという資料で、全体のものと、そのうち本ワーキングに関わる部分を抜粋したものをとじたものを置かさせていただいております。
更に、いつものようにドッジファイルの資料で浜岡の報告書を置かせさていただいております。配付資料と机上資料は以上でございます。
- 衣笠主査
-
ありがとうございました。資料に不備などがありましたら、事務局へお申し付けいただければと思います。
また、地質W3-8の前回議事録(案)につきましては、お目通しをいただいて、お気づきの点がありましたら、後で事務局の方までお申し付けいただければと思います。
それでは、早速議事に入らせていただきたいと思います。
最初の議題は「(1)志賀原子力発電所の耐震安全性に関する北陸電力株式会社からの報告について」です。
それでは、まず、事務局から説明をお願いいたします。
- 川原耐震安全審査室長
-
それでは、志賀の耐震安全性確認についての追加報告の説明をさせていただきます。
本日は、まず、6月5日にありました追加報告の説明になるわけでありますけれども、若干補足をさせていただきますと、前回御説明を申し上げました報告は、原子炉建屋内の重要な施設についての耐震安全性の確認結果で、能登半島地震に対する確認結果でありましたが、今回は原子炉建屋以外のところにある重要な施設の確認結果について、追加報告が行われたものであります。
当院といたしましては、今後とも提出されました報告書について、ワーキングと小委員会におきまして、先生方の御意見を伺いながら厳正に確認していきたいと考えております。 資料でございますが、W3-1と別紙1という資料でございますけれども、主としてパワーポイントの資料で説明をさせていただきたいと思っております。
これらの資料の詳細な説明につきましては、事業者から行うことを事前に了解をいただいております。
それでは、この資料につきまして、北陸電力から御説明をお願いいたします。
- 説明者(中井)
-
北陸電力の土木部長の中井でございます。ただいま御紹介いただきましたように、前回4月の報告時点で確認が終了していなかった原子炉建屋以外の建屋の安全上重要な機器・配管及び長周期側の主要施設について、6月1日に検討結果を追加報告として原子力安全・保安院に提出しております。本日は、その内容について報告させていただきます。
前回及び今回の一連の検討から能登半島地震を踏まえても、志賀原子力発電所の耐震安全性は十分確保されていることが確認できたと考えております。
それでは、原子力部部長の山崎から御説明をさせていただきますので、よろしくお願いします。
- 説明者(山崎)
-
それでは、能登半島地震を踏まえた志賀原子力発電所の耐震安全性について追加報告をさせていただきます。
- (PP)
-
まず、経緯でございますけれども、3月25日に能登半島地震が発生しております。4月19日、これは前回の報告でございますけれども、前回の報告の時点では、保安規定に基づく施設の保安の確認の状況、岩盤における観測記録に基づく耐震安全性の評価、それから原子炉建屋での観測記録に基づく原子炉建屋、機器・配管の耐震健全性の評価について御報告申し上げました。安全上重要な施設の耐震安全性の確認の結果について、前回御報告申し上げました。
今回につきましては、原子炉建屋に続きまして、主要施設の耐震健全性の確認としては、1、2号機のタービン建屋、海水熱交換器建屋内の安全上重要な機器・配管(A,ASクラス)のものについて確認しております。また、1、2号機の排気筒につきましても、耐震の健全性を確認しております。
これに加えまして、固有周期が長周期である主要施設の耐震安全余裕の確認ということで、1、2号機のタービン建屋内にあります原子炉補機冷却水系の配管、それから1、2号機の排気筒について、耐震安全余裕の確認を行っております。今回は、これの報告でございます。
- (PP)
-
これが4月19日に提出しました報告書の概要でございますけれども、保安規定に基づきまして、施設の保安確認を実施し、異常のないことを確認しております。
また、原子炉建屋内での観測記録を基にしまして、原子炉建屋及び同建屋内の安全上重要な機器・配管の耐震健全性が確保されたということを確認しております。
- (PP)
-
続きまして、まず、主要施設の耐震健全性の確認としまして、1、2号機のタービン建屋、それから海水熱交換器建屋内の安全上重要な機器・配管、それから排気筒の確認について御報告申し上げます。
- (PP)
-
主要施設の耐震健全性の評価対象でございますけれども、1号機、2号機につきまして、ここに記載してある対象施設について実施しております。
まず、タービン建屋につきましては、基礎版上にございます、原子炉補機冷却水系の配管、それから高圧炉心スプレイディーゼル補機冷却水系の配管といったようなものでございます。
それから、海水熱交換器建屋の地下1階、地上1階にございます原子炉補機冷却水系の熱交換器、それから冷却水のポンプ、ストレーナといったようなもの、それから配管について検討しております。地上1階についても同様の機械のものでございます。それに加えまして、排気筒の耐震健全性の確認を行っております。
2号機につきましては、系統、構成が若干異なっておりますけれども、実質的に、解析を行った対象は同様のものでございます。
- (PP)
-
主要施設の耐震健全性の流れでございますけれども、まず、前回御報告済みでございますけれども、敷地地盤における観測記録を基にしまして、はぎとり波を算出しております。そのはぎとり波を基にしまして、各建屋の揺れまたは排気筒の揺れを算出しながら、その健全性を確認するという流れでございます。これを順番に御説明申し上げます。
- (PP)
-
まず、はぎとり波の加速度波形と応答スペクトルについて示しております。前回御報告済みですけれども、今回の能登半島地震につきましては、一部の周期帯でS2を超えているということがわかります。
- (PP)
-
このはぎとり波を基にしまして、地盤の応答解析モデルに入力しまして、タービン建屋、海水熱交換器建屋内の機器・配管の解析を行うわけです。それには、各階の最大加速度や床応答スペクトルを算出し、次につなげていくという流れでございます。
- (PP)
-
これは、2号機のタービン建屋を例に取りまして、地震応答解析の概要について記載してございます。はぎとり波を解放基盤表面に入力しまして、一次元波動論を用いまして、建屋の下の部分に入る入力波を求めております。
その結果を建屋のモデルに入力しまして、基礎版上の最大加速度や床応答スペクトルを求めるという流れでございます。
- (PP)
-
これは、2号機の海水熱交換器建屋の例でございますけれども、海水熱交換器建屋につきましても、同様にはぎとり波を解放基盤表面に入力しまして、一次元波動論により建屋の下に入ります入力波を求めております。
なお、海水熱交換器建屋につきましては、大半が埋め込まれているということで、側面の地盤バネを考慮しております。そのために、地盤バネに入力する波もここで求めております。
タービン建屋と同様に求まった入力波によって、建屋を解析しまして、各階の最大加速度、それから床応答スペクトルを求めております。
- (PP)
-
これが、求まりました床応答スペクトルでございます。1号機タービン建屋のものでございます。
今回、解析対象のものがございますのは、ちょうど基礎版の上でございますので、その上の床応答スペクトルについて示してございます。赤がS2の応答、緑がS1の応答です。これに対して、今回のはぎとり波から求まった解析結果を青で記載してございます。こういった床応答スペクトルになっております。
- (PP)
-
これが、2号機のタービン建屋のものでございます。2号機につきましても、基礎版上のものを求めております。
- (PP)
-
これは1号機の海水熱交換器建屋のNS方向のものでございまして、地下1階と地上1階に検討の対象設備というのがございますので、その部位のNS方向の床応答スペクトルについて記載してございます。
- (PP)
-
これがEW方向の床応答スペクトルでございます。
- (PP)
-
同様に2号機の海水熱交換器建屋のNS方向、地下1階と地上1階のものでございます。
- (PP)
-
これがEW方向でございます。
- (PP)
-
これらの床応答スペクトルを基にしまして、機器・配管の健全性を確認するわけですけれども、まず、機器・配管の固有周期を求め、0.05秒以下の、いわゆる剛な機械につきましては、各階の最大加速度を設計時の最大加速度と比較することによって、機器・配管の耐震健全性を確認しております。
また、0.05秒を超えるようなものにつきましては、床応答スペクトルから発生応力を算出しまして、発生応力とS1許容値との比較を行うことによって、機器・配管の耐震健全性を確認しております。
- (PP)
-
結果でございますけれども、はぎとり波による地震応答解析から求まったそれぞれの機器・配管に発生した応力が、基準地震動S1に対する許容値以下であり、弾性範囲に十分収まっているということがわかりました。
- (PP)
-
これは、固有周期が0.05秒以下のものの結果でございます。1号機の海水熱交換器建屋にあります原子炉補機冷却ポンプ、熱交換器等につきまして、3.6Ci、これは設計時に考慮しました静的震度でございますけれども、これから求まった加速度と、今回の解析から求まったはぎとり波による加速度を比較して、3.6Ciを下回っているという確認をしております。また、2号機についても同様でございます。
これらより静的地震力から求まる加速度を下回っているということで、健全性は確認しております。
- (PP)
-
続きまして、固有周期が0.05秒を超えるものにつきまして、1号機のタービン建屋に設置してあります原子炉補機冷却水系の配管や高圧炉心スプレイ系の冷却系の配管でございますけれども、S1の許容値がここに記載ございますような値になっておりまして、これに対して発生応力は約半分から3分の1程度となっておりまして、十分許容値に入っているということでございます。
2号機につきましても、原子炉補機冷却水系の配管につきましては、許容値に対して約半分程度になっているということがわかります。
- (PP)
-
1号機の海水熱交換器建屋にございます機器につきましては、原子炉補機冷却水系の海水ポンプや配管が例として記載してございますけれども、海水ポンプにつきましては、発生応力が非常に小さい値となっております。配管よりも、かなり発生応力が異なった結果となっておりますけれども、ポンプにつきましては、地震力よりも、むしろ機械の振動発生を防止するという観点で、アンカーボルト等が数多く入っているということで、発生応力の違いが出てきております。
配管につきましては、S1の許容値に十分入っているということでございます。
- (PP)
-
2号機の結果につきましても、同様な結果となっております。
- (PP)
-
続きまして、排気筒の耐震健全性の流れについて御説明申し上げます。排気筒につきましても、はぎとり波から地盤の応答解析モデルに入力しまして、排気筒の揺れを算出します。
まず、曲げモーメントを算出し、設計時の値と比較します。曲げモーメントを基に発生応力を算出しまして、発生応力と排気筒の許容座屈応力度との比較を行うことによって、排気筒の耐震健全性を確認するという流れでございます。
- (PP)
-
これが地震応答解析の概要でございます。同様に、解放基盤表面にはぎとり波を入力し、一次元波動論により排気筒の下に入ります入力波を求めているというものでございます。
1号機と2号機の地盤に若干の違いがございまして、下部に1.96km/sのもの、それから上部には1.5km/sの岩盤がございますけれども、2号機につきましては、層厚が13m程度の0.6km/sくらいの柔らかい地盤がございますので、その影響も考慮して、それぞれの排気筒の入力を求めております。
- (PP)
-
確認結果でございますけれども、はぎとり波による地震応答解析から求まった曲げモーメントは設計時に考慮した曲げモーメント以下であり、発生する応力につきましても、許容座屈応力度以下であることから弾性範囲に十分収まっているということがわかりました。
- (PP)
-
これは、曲げモーメントの比較の例でございます。1号機、2号機とも筒身の基部外径は8m、高さ100mと同じものでございます。これを分割して解析を実施してございます。ここで、はぎとり波による解析結果は、赤がNS方向、緑がEW方向でございます。それぞれ設計時に考慮しました風荷重や静的地震力、S1応答よりも下回っているということがわかります。
- (PP)
-
続きまして、このモーメントから発生応力を求めまして、発生応力と許容座屈応力度との比較を行っております。
この結果について表記してございますけれども、最も厳しい箇所が中間点でして、そこの許容値に対しても発生応力が十分下回っているということがわかります。
1号機と2号機につきまして、若干地盤の性状が異なるということから発生応力が少し違っております。
- (PP)
-
続きまして、固有周期が長周期である主要施設の耐震安全余裕の確認も行っております。それについて御報告申し上げます。
- (PP)
-
固有周期が長周期である主要施設の耐震安全余裕の確認の流れでございますけれども、まず、検討に用いた地震動の応答スペクトルを策定し、それから模擬地震波をつくっております。
- (PP)
-
検討に用いました地震動の応答スペクトルは、このようになっておりまして、今回、S2を一部の周期帯で超えたということから、今回の地震を上回る地震動を想定して、それを検討に用いた地震動というふうに定義しております。この黒い実線で示したのが、今回の加速度の応答スペクトルでございます。これを用いまして、模擬地震波をつくった結果がこれでございます。
今回の検討の対象の機器につきましては、1号機の原子炉補機冷却水系の配管、これは長周期のところに、固有周期のある代表例として選定しております。
また、2号機につきましても、これと対峙するということで、原子炉補機冷却水系の配管を選定しております。また、排気筒につきましても検討を行っております。
- (PP)
-
検討の流れにつきましては、先ほど説明した流れとほぼ同様な流れできております。ただ、発生応力との比較につきましては、今回S2を超えたということで、S2の許容値との比較を行うことによって、耐震安全余裕の確認を行っております。
- (PP)
-
地震応答解析の概要ですけれども、同様に検討に用いた地震動である模擬地震波を解放基盤表面に入力して、一次元波動論により、建屋の下に入ります入力波を求め、それによる最大加速度・床応答スペクトルを求めているということでございます。
- (PP)
-
この結果は、1号機のタービン建屋のNS方向、EW方向の床応答スペクトルでございます。これを用いまして、基礎版上に設置した原子炉補機冷却水系の配管の耐震安全余裕の確認を行っております。
- (PP)
-
これが2号機のタービン建屋の床応答スペクトルでございます。
- (PP)
-
結果でございますけれども、検討に用いた地震動による1、2号機タービン建屋の床応答スペクトルを基に算定した加速度から求めた1、2号機の原子炉補機冷却水系配管に発生する応力につきましては、基準地震動S2に対する許容値以下ということで、耐震安全余裕を有しているということがわかりました。
- (PP)
-
これが結果でございます。1号機と2号機につきまして、発生応力が許容値より下回っているということがわかります。
- (PP)
-
排気筒につきましても、同様な流れで検討を行っております。
- (PP)
-
これも同様に検討に用いた地震波を解放基盤表面に入力しまして、一次元波動論により、1号機、2号機の排気筒の下の入力波を求めているというものでございます。
- (PP)
-
検討結果でございますけれども、検討に用いた地震動による地震応答解析結果から求まった各要素の発生応力につきましては、円筒各要素の許容座屈応力度以下ということがわかりました。検討に用いた地震動を踏まえても、排気筒は耐震安全余裕を有しているということがわかりました。
- (PP)
-
これが検討に用いた地震動による曲げモーメントの結果でございます。こちらが1号機、こちらが2号機でございます。よく似た曲げモーメントの発生の形状をしております。これも同様に、28番、ここで一番大きな応力が出ているということでございます。
- (PP)
-
発生応力と許容座屈応力度の比較でございますけれども、許容値に対して発生応力はこのようになっておりまして、許容座屈応力度以下ということがわかり、耐震安全余裕を有しているということがわかりました。
- (PP)
-
まとめでございますけれども、前回の報告分も含めまして、地震発生直後から保安規定に基づきまして、施設の保安確認を実施し、耐震安全上問題となる異常のないことを確認しております。
あとは、以下に示す施設の耐震健全性が確保されているということを確認しております。まず、原子炉建屋、それから原子炉建屋内の安全上重要な機器・配管、タービン建屋内の安全上重要な配管、海水熱交換器建屋内の安全上重要な機器・配管、それと排気筒でございます。
なお、長周期側で今回の地震を上回る地震動を想定しまして、固有周期が長周期である、以下の施設について耐震安全余裕を有しているということを確認しております。タービン建屋内の原子炉補機冷却水系配管及び排気筒でございます。
報告については、以上でございます。
- 衣笠主査
-
どうもありがとうございました。今、御説明いただきました資料については、施設の構造評価に関わるものですので、耐震・構造設計小委員会の構造ワーキングにおける詳細な検討にお任せしたいと思いますが、この場で、もし御質問等がありましたら、お願いをいたします。
なお、発言の際は、お近くのマイクでお願いいたします。いかがでしょうか。
それでは、この件はここまでにして、次の審議に入りたいと思います。では、どうもありがとうございました。
それでは、続いて次の議題に入ります。次の議題は、新耐震指針に照らした浜岡原子力発電所3号機及び4号機の耐震安全性についてです。
それでは、まず、事務局の方から説明をお願いいたします。
- 川原耐震安全審査室長
-
それでは、浜岡についての本日の審議内容について、まず、説明させていただきます。
先ほども御紹介しましたが、机上資料として、紙ファイルの中の1という資料に既設発電所の耐震性の評価手法及び確認基準で本ワーキングの審議に係る項目の抜粋を載せてございます。
その中に、備考に○を付けてありますように、本日、説明させていただきますのは、敷地及び敷地周辺の活断層調査のうち、掛川市北方の変位地形に関する調査結果及び評価、それと敷地の地質・地質構造について説明させていただきます。
資料番号としましては、W3-2からW3-3となっております。
また、先生方からいただいた御意見を基に補足資料をとりまとめてございますが、それがW3-4という資料であります。
次に、今度は原子炉建屋基礎地盤の安定性評価と周辺斜面の安定性について説明させていただきたいと思います。資料はW3-5とW3-6ということになっております。
また、これにつきましても、先生方からいただいた御意見を基に、そのうちの一部ではございますが、補足資料としまして、W3-7という資料を用意してございます。先生方には、紙ファイルにとじてございます確認基準に目を通していただきながら、御意見をいただければと思います。
また、報告書につきましては、先ほど御紹介しましたように、ドッジファイルにとじてございますので、適宜御参照いただければと思います。
それでは、中部電力より、まず、説明をお願いいたします。
- 説明者(仲田)
-
中部電力の仲田でございます。
それでは、浜岡原子力発電所の地質関連の御説明をさせていただきます。地質関係の資料はW3-2、W3-3、W3-4の3種類でございますが、まず、W3-2の掛川市北方の変位地形に関する調査結果及び評価というものを説明いたしまして、その後、コメント等をいただきたいと思います。
そのコメント等をいただいた後、敷地に関する資料W3-3と補足W3-4を続けて説明させていただきます。
それでは、地質W3-2の資料で御説明させていただきます。
表紙をめくっていただきますと、目次がございます。浜岡に関する変位地形につきましては、前回、御前崎及び牧ノ原につきまして御説明いたしまして、今回、残っております掛川市北方の変位地形ということで、ここにあります3地点のリニアメントについて御説明させていただきます。
説明は、図表を中心にさせていただきますので、2枚ほどめくっていただいて、3ページをごらんいただきたいと思います。
3ページは、前回もお示しいたしましたけれども、今回のバックチェックに伴いまして、新たに作成いたしました変動地形学的知見に基づく変位地形判読基準でございます。
今回、御説明いたします掛川市北方のリニアメントは、左側、山地・丘陵内の区分を使用してございます。
従来用いておりました基準との変更点としまして、主なものとして、尾根や水系の屈曲といいました横ずれ地形、そういったものに着目した基準としております。
4ページにまいります。
4ページがその判読結果でございます。今回、説明します掛川市北方のリニアメントは、図の上の方にございます倉真リニアメント21番、杉沢リニアメント22番、大島リニアメント23番の3つでございます。いずれも敷地から20ないし30kmといったところに分布しているものでございます。
それでは、順番に倉真、杉沢、大島の順番にそれぞれについて御説明させていただきます。
5ページにまいります。
5ページは、倉真リニアメントの判読結果でございます。リニアメントは、北東-南西方向の約5.5kmに2本のリニアメントが判読されます。水色で示しましたDランクと、一部緑色で示しておりますCランクリニアメントでございます。
この2つのリニアメントの間は、凹地状をなしておりまして、また、このリニアメントの判読要素としましては、主に断続する傾斜変換線、そういったもので認められますけれども、Cランクリニアメントにつきましては、局所的に河川や尾根の屈曲、そういったものも認められます。
6ページにまいります。
6ページは、倉真リニアメント周辺の地質でございますが、この辺りには青い色のKr-shと表記しておりますけれども、倉真層群の頁岩、それを不整合に覆いまして、西郷層群の黄色のSi-ssと表記しております砂岩、緑色のSi-msと表記しております泥岩、この泥岩はスレーキングが著しいものでございます。あと、紫色のSi-tと表記しておりますが、こういう凝灰岩が分布しております。
倉真層群の方、青いKr-shの方ですけれども、こちらの方には断層、太い黒い線で書いておりますが、それが認められますけれども、この断層も含めまして、地質、地質構造とリニアメント、ここでもブルーとグリーンで、ちょっと細い線で書いてございますけれども、これとの関連を露頭などで確認いたしました。
確認した地点は、図の中央のやや右側にございます、Kr-shとSi-t、青と紫の境界にございますLoc.K1と書いているところ、あと北側のリニアメントの西の端の方にありますLoc.K2というところ。あとは、南側のリニアメントのCランクの部分のほぼ中央にありますLoc.K3という3地点で確認しております。
その確認結果につきまして、次のページから御説明いたします。7ページをごらんください。
7ページがLoc.K1地点における状況でございます。断層が確認されるところでございます。
左側で広い範囲の図が書いてございますけれども、倉真層群と西郷層群の境界に当たります。この図の下の方に点線の四角で囲ってございますけれども、その辺りを詳細にしたものが、右の上の方の図でございます。
この範囲におきまして、倉真層群の破砕部が約40m以上にわたって分布しております。ただし、それを覆う西郷層群に断層あるいは破砕帯、そういったものは認められません。
また、右の上の図の右下の方にLoc.K1と点線の四角で囲っておりますけれども、ここの露頭のスケッチが右の下に書いてございますけれども、ここの露頭スケッチをごらんいただけますと、倉真層群の頁岩の破砕部を西郷層群が覆っておりますけれども、その西郷層群に断層あるいは破砕帯、そういったものは認められません。
また、左の方の図に戻っていただきますと、このLoc.K1というのと、ここを境に西郷層群の基底面あるいは倉真層群の分布高度が北側に向って急に高くなっていく。そういった状況が等高線から御確認いただけると思いますので、この倉真層群中の断層、そういったものの活動あるいは破砕部の浸食によって生じた凹地を埋めて西郷層群が堆積しているといったものが考えられます。
8ページにまいります。
これは、2条あるリニアメントの北側のリニアメントの西端に当たるLoc.K2地点の状況でございます。
リニアメント位置における両側、2本の沢沿いに倉真層群の頁岩が100mあるいは150m程度にわたって連続露出しておりますけれども、そこには断層あるいは破砕帯、そういったものは認められません。
9ページになります。
これは、南側のリニアメント、Cランクリニアメントのほぼ中央に当たるLoc.K3地点の状況でございますが、リニアメント位置にあります沢、そこに倉真層群の頁岩が100m程度にわたって連続露出しておりますけれども、断層あるいは破砕といったものは認められません。
以上のことで、倉真リニアメントの評価につきまして、また6ページに戻っていただいて、この地質図をごらんいただきながら御説明したいと思います。
まず、リニアメントの北東部は北側が青いKr-shとか表記しております、倉真層群の頁岩と、紫色のSi-tの表記した西郷層群の凝灰岩、あるいは緑色のSi-msと書いてありますスレーキングの著しい泥岩、そういったものも境界にほぼ対応していると考えられ、北東部の2条あるうちの南側につきましては、紫色のSi-tという凝灰岩と黄色のSi-ssの砂岩との地質境界、そういったものにほぼ対応しているということで、この北東部につきましては、岩相境界を反映した浸食地形であるというふうに考えております。
また、中央部、Cランクリニアメントが認められているところですけれども、こちらはブルーのKr-sh、倉真層群の頁岩と、そこの凹地を埋めて堆積しました紫色Si-t、西郷層群の凝灰岩、そこの分布の境界にほぼ並走しているというところで、倉真層群堆積後に形成された倉真層群の上面の凹地、そういったものを反映した浸食地形であるというふうに考えられます。
また南の方にまいりますと、青いKr-shの倉真層群の頁岩と緑色のSi-ms、西郷層群の泥岩、スレーキングが著しい泥岩の境界におおむね一致しているということから、岩相境界を反映した浸食地形であると考えております。
以上のことから、倉真リニアメントに対応する更新世後期以降に活動した断層はないというふうに判断され、倉真リニアメントは岩相境界を反映した浸食地形であると考えております。
それでは、ページを戻っていただいて10ページにまいります。
10ページは、杉沢リニアメントの説明でございます。これは、杉沢リニアメントの判読結果でございますが、リニアメントはほぼ南北方向に約2.5km、水色で示しておりますが、Dランクリニアメントとして判読されます。判読要素としては鞍部、直線状谷の連続として認められます。北部では、一部尾根や河川に屈曲が認められますけれども、系統的でありません。
11ページにまいります。
これは、杉沢リニアメントの地質でございます。この周辺には、西側から倉真層群、主に青系統で書いておりますけれども、頁岩ですとか、頁岩優勢砂岩・頁岩互層あるいは泥質岩メランジを含む頁岩、そういったものが分布しております。
その次に黄色、オレンジ色で書いております。これは、松本さんという方の文献に従います相賀層、そういったものが分布しておりまして、更に青とかグレーで書いておりますけれども、瀬戸川層群の砂岩あるいは頁岩、そういったものがNNE-SSW方向あるいはNE-SW方向に連続して分布しております。
リニアメント、ちょっと濃い青い線で書いてございますけれども、これは水色のMk-mlですが、三倉層群の泥質岩メランジ、そこと相賀層のオレンジ色のOk-alと書かれております、砂岩優勢砂岩・泥岩互層、そこの境界にほぼ対応しております。
この図の上の方で、リニアメント北部に当たりますLoc.S1という地点、そこでリニアメントと地質構造の関係を確認しております。その状況が、次の12ページでございます。
これが、Loc.S1の露頭スケッチでございます。図の左側が全体的な図、その一部真ん中の断層辺りを拡大したものが、右の詳細図というところでございますが、露頭のスケッチの右側半分が三倉層群の泥岩メランジ、左側が相賀層の砂岩でございます。
ここの境界に断層が認められますけれども、f.N42E/82Nというのが断層ですが、固結しておりまして、角礫状の破砕が認められません。こういった状況から杉沢リニアメントは岩相境界を反映した浸食地形であると考えております。
最後に13ページの大島リニアメントの説明にまいります。
13ページは、大島リニアメントの判読結果でございます。リニアメントの北北東-南南西方向、約6.3km、水色で示しております、Dランクリニアメントが判読されます。判読要素としては、鞍部、直線状谷の連続として認められますけれども、南の端っこにつきましては、山地の斜面に高度不連続、そういったものが認められますけれども、全体としては、山地の高度に系統のある高度差、そういったものは認められません。
14ページにまいりますと、これは大島リニアメント周辺の地質でございます。この周辺の地質は、瀬戸川層群からなっておりまして、太い黒い線で書いた地層境界であります断層、これを挟んだ西側に青いSt-shと書いておりますが、頁岩を主体として、ところどころ黄緑色でレンズ状に入っておりますけれども、St-mfと表記しております塩基性岩類を挟在する地層が分布しております。
また、断層の東側には、薄いグリーンで書いてあります、St-alsと表記しておりますけれども、同じく瀬戸川層群の砂岩優勢砂岩・頁岩互層、そういったものが主体でありますが、部分的に黄色のSt-ssと書いた砂岩ですとか、St-cgと書いてある礫岩、そういったものが挟在しております。
リニアメントは、瀬戸川層群の青いSt-shという頁岩と、薄緑のSt-alsの砂岩、頁岩互層の境界あるいは瀬戸川層群の頁岩の方に入りますけれども、頁岩の中にあります塩基性岩類、St-mf、黄緑色、ここの境界とほぼ対応しております。
ここにつきましては、図の中央に断面線を引いておりますけれども、A-A’と書かれておりますが、ここにあります青と黄緑の境界のLoc.O1というところで、地質構造とリニアメントの関係を確認しております。それが、次の15ページでございます。
これもリニアメント延長におきまして、瀬戸川層群の塩基性岩類と頁岩を境とする断層が認められます。
ただ、この断層は固結しておりまして、角礫状の破砕が認められない。また、周辺に分布する頁岩、そういったものにも断層あるいは破砕は認められない、そういったことから、大島リニアメントは岩相境界を反映した浸食地形であるというふうに考えております。
以上が掛川市北方の変位地形に関する調査結果と評価でございます。
- 衣笠主査
-
ありがとうございました。それでは、今、説明をいただきました資料について、御質問がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
どうぞ。
- 吾妻委員
-
まず、3ページの表の内容について聞くのは、ここではおかしな話だと思うんですが、運用する側として、どういうふうに判断されているのかということでお聞きしたいんですけれども、水系の屈曲とかを今回指標にされていて、この表のマトリックスを見ますと、連続区間が長いとか、短いとか極短いというような表現がされているんですけれども、それによってAとかB、Cに分けていますね。そういったときに、運用される側として、どれぐらいの長さのものを、例えばこの中でDランクというのがありますけれども、極短いというふうに判断されているのかということを教えていただきたいのが1点です。
もう一点別のところでよろしいですか。倉真リニアメントのところで、Cランクとされているところなんですが、横ずれがある、崖があるというところはいいんですけれども、変動地形学的な観点から申しますと、ここで一番おかしいのは、水系が高まりの部分を横切って南へ流れ下っているというのに非常に違和感があります。
古い地質構造に沿って、北東から南西方向に谷がありまして、それがもともと古い構造であれば、それに沿って川が流れていればいいものを、南側にある丘陵状の高まり、これを横切って川が流れている。
こういう観察状況からすると、変動地形学的な観点からは、もともと南に流れていた川があって、丘陵の部分が後から持ち上がったために、河道の位置はそのままで、現在は、途中の部分が地形としては高まっている。そういうふうに考えるんですけれども、そういった点も是非判断の根拠の中に入れていただきたいと思っています。
この場合、ここの場所については、地質の方が踏査されて、西郷層の凝灰岩でしたか、そこの方に断層とかが確認されていないということなので、リニアメント沿いにそういうものは実質的には見られないということで、結論としては、そちらの方に持っていかれるんだと思うんですけれども、変動地形という観点からすると、やはり引っかかるものが残るところではある。その点は、お含み置きいただきたいと思っております。
- 衣笠主査
-
いかがでしょうか。今、2つのことを指摘されましたが、はじめの方の短い、長いについては、いかがでしょうか。
- 説明者(仲田)
-
判読要素の具体的な長さ云々という話は、別途、実際の判読者等々で確認いたしまして、説明させていただきたいと思います。
もう一点の倉真の方でございますが、こちらは、吾妻先生の方もおっしゃいましたけれども、地質的には断層等がないということでよいのかなと判断しておりますが、ないにもかかわらず、横ずれ地形とか、そういったものが判読されたというのが、私どもも、ちょっと不思議には思っておりますけれども、たまたま倉真層群中の方の部分的に弱いところを浸食していったのかなと、そういった可能性も考えられるのかなと個人的には思っております。
- 衣笠主査
-
いかがでしょうか。
- 吾妻委員
-
もう一点よろしいですか。その判断基準のところで、水系の規模と横ずれ量の検討というようなことが表の中に検討というようなことが書かれていたと思います。今回、ここについては、そういった検討もされているんでしょうか。
- 説明者(仲田)
-
そういったものも含めて、こういった判読をしております。
- 吾妻委員
-
具体的に川の上流の長さと、横ずれの量を読み取って、そこに相関関係があるか、ないかという検討作業もされているということですか。
- 説明者(仲田)
-
はい。
- 吾妻委員
-
わかりました。
- 衣笠主査
-
ほかにいかがでしょうか。ありませんでしょうか。
それでは、私の方から、少し言わせていただきたいんですが、浜岡3、4号に関して、これらのものについては、敷地から十分離れていることと、それから浜岡3、4号みたいな非常に大きなSS想定しておられるので、今、御説明いただいた3つのリニアメントが仮に活断層だとしても、Ssに影響を及ぼすようなものではないと思うので、バックチェックとしてはいいのかなと思いたいんですけれども、今日、御説明いただいた資料の質というのは極めて低いので、これがバックチェックの地質調査のスタンダードにはならないようにしていただきたいと思います。
例えば、8ページ、9ページの図なんていうのは、フィールドを歩いていって、ここにこんな地層が分布していましたということしか示されていない。これでここに判読されたリニアメントの活動性を否定することには全然なっていないわけですね。
それから、後半の図でも、例えば15ページの図なんていうのは、わけのわからぬ図ですし、更にひどいのは12ページの図で、右側に詳細図と書いてあるけれども、これはどういうところの詳細図なのかも書かれていないということで、これがバックチェックのスタンダードにはならないようにしていただきたい。
それで、浜岡3、4というのは、幸か不幸かSsが大きいので、こんなことで安全性には問題はないかもわからぬけれどもということで、このことだけは申し上げておきたいと思います。
ほかに、何かありますでしょうか。
それでは、次に進みたいと思います。続いて、地質W3-3及び3-4の資料について説明をお願いいたします。
- 説明者(仲田)
-
それでは、W3-3の資料で敷地の地質につきまして、御説明させていただきます。これも図表を中心に御説明させていただきますので、ページを6枚ほどめくっていただいて7ページをごらんいただきたいと思います。
7ページは、敷地内の地質調査の位置図でございます。ボーリング調査の位置を白い丸で示しております。また、白あるいは黒の四角は後ほど説明いたしますが、敷地内に見られるH断層系に関する調査確認地点でございます。
なお、敷地の調査に当たりまして、右上の敷地との位置関係が出ておりますけれども、敷地の主要な設備等を含む範囲を100m間隔のグリッドで区切っております。それで、海岸線に平行な軸、ここの図でいう横軸を数字0~7で、図の縦軸をA~Pまでのアルファベットで示しておりまして、以後、説明でこのグリッドを用いた説明をさせていただきますが、例えばH+30LINEと、そういった表現が出てきますと、Hの縦軸から東側へ30mの地点、H軸と平行な縦軸の線を意味するということで御承知ください。
では、次に8ページにまいります。
これは、敷地内の地質の層序表でございます。敷地内の地質は、新生代新第三紀中新世後期から鮮新世前期に堆積いたしました、砂岩、泥岩互層の相良層群相良層、その上を第四紀の後期更新世の段丘堆積物、更に完新世の地層が覆っております。
その分布が次の9ページになります。
緑色のSgと表記しておりますが、そこの部分が相良層でございまして、それが基盤を形成しております。
この敷地のほぼ中央に、図の南北方向に黒の破線で示してあります点線、これが相良層群に認められます向斜軸でございます。
この相良層を覆うように段丘堆積物が存在しておりますけれども、段丘堆積物の位置が、先ほどお話しした向斜軸のやや上の方、この図面のやや上の方に、新佐倉変電所というふうに書かれている設備がございますが、そのちょっと南側のD、Gと書かれている紫色の部分、この辺りに局所的に分布しておりまして、これが標高40~45mということと、層相から御前崎礫層に対比されると考えております。
あと、それ以外の黄色の風成砂層ですとか、海浜堆積物、そういった完新世の堆積物が分布しております。
次の10ページにまいりますと、これが敷地の地質断面図でございます。相良層が基盤を構成して、広く一様に分布しております。
また、A-A’断面をごらんいただきますと、緩やかな向斜軸といったものが示されております。
次の11ページですが、これは敷地の模式柱状図でございます。相良層の砂岩・泥岩互層中に認められます、連続性のよい特徴的な凝灰岩層をK-1からK-2、図ではK-6まで示しておりますけれども、そういった形で鍵層として用いております。
次の12ページにまいります。これは、標高-11.5mにおける敷地の地質水平断面図でございます。試掘坑及びボーリング調査による断層ですとか、鍵層の確認された箇所について、そういったものに基づきまして、分布を示しております。
黒い線で書かれておりますH-1、H-2、H-3、H-4と海岸線に平行な連続性のある4本の断層、H断層系と言っておりますが、これが確認されております。
この図は、確認された範囲について記載しておりまして、実線が落差15m以上、破線が落差15m以下、そういったことで確認されたところについてのみ記載しております。
このH断層系は、今、ごらんいただきましたように、直線上に連続して分布するんではなくて、向斜軸辺りを中心にしまして、南に開いた緩い弧状、分岐ですとか屈曲、そういったものも多く見られます。
また、鍵層として向斜軸より近い方から赤色でK-1、ピンクでK-2、黄色でK-3というふうに、図でいうと、どちらかというと、縦方向に書いた線がございます。
こういった分布状況からも相良層の向斜の様子ですとか、山側にプランジしている様子、そういったものが確認されていると思います。
また、H断層系は、鍵層がH断層系によって正断層センスに切られているという様子もごらんいただけるかと思います。
次に13ページからが地質の垂直の方の断面図でございます。代表的な断面、14ページで御説明させていただきますと、これが4号炉心の断面図でございますが、H断層系が黒のやや太い線で書かれておりまして、鍵層が短い線にハの字が幾つか書いている図、そういった形で表現されております。
このH断層系は、おおむね50~80°SWの海側傾斜、断層の間隔が70~150mとほぼ等間隔で分布しております。
このボーリング調査等の鍵層の対比からH断層系が正断層であるということが確認されまして、また落差についても把握しております。
同じような断面がしばらくずっと続きますが、ざっとめくっていただいて、19ページにまいりますと、これはH断層系についての調査結果でございます。幅、走向及び傾斜について調査結果をまとめたものでございます。
H断層系の幅は、ここの表では地層混交帯の幅というふうに表記しておりますけれども、0.2~3.5m、走向がおおむねN70~40°W、傾斜が50~80°SWでございます。
特徴の欄にも記載してありますけれども、数mの幅に複数の断層に分かれて分布する、そういった場合もございます。
20ページにまいります。
これはH断層系の落差及び傾斜が確認された箇所について、各断面ごとにまとめたものでございます。H断層系の鉛直変位量は先ほどのボーリング調査の対比等から10~40mといったものが把握されております。
21ページにまいります。
実際のH断層系の性状についての御説明になります。21ページは、3号炉の試掘抗で確認されたH-1断層でございます。H-1断層の部分を着色しております。
H断層系の特徴としまして、着色部分の両側に2条の平行な断層面が認められまして、その断層面には、厚さ数cmの細粒物質が認められます。
この2つの断層に挟まれた部分、図でいう着色された部分ですけれども、ここを地層混交帯というふうに呼んでおりまして、その幅が0.2~3.5mです。このスケッチでは、5m程度の2本の断層というふうに分かれております。
22ページですが、これは、5号炉の試掘坑で確認されましたH-1断層でございます。先ほどと海、山が逆転しておりますので、左側が落ちるような形のスケッチでございます。この地層混交帯の着色した部分ですが、断層面の近傍では、相良層の砂岩及び凝灰岩は角礫状を呈しておりません。一部で地層の膨縮が認められまして、また、混交帯の付近なんかで、レンズ状になっているという状況がおわかりいただけるかと思います。また、砂岩ですとか、凝灰岩には明瞭な引きずりが認められます。
23ページ以降は、H-2、H-3、H-4のスケッチになりますけれども、同様な性状、地層の引きずりですとか、膨縮、レンズ状の地層、そういったものがおわかりいただけるかと思います。
こういった状況からはH断層系は塑性変形を伴う環境下で形成されたものというふうに考えております。少しずつずっとめくっていただきまして、28ページをごらんください。これは、H-2断層の断層面近傍の詳細なスケッチでございます。断層面沿いに認められる細粒物質、青色で示しておりますけれども、ここの中には明瞭なせん断面は認められません。
また、断層面近傍において、貝化石ですとか、サガリテスの生物遺骸、そういったものが見られますけれども、そういったものに破砕あるいは変形が認められないということから、H断層系はその形成後、新たな発生が起きていないというふうに考えております。
29ページでございます。
これは、H断層系の条線の方向についての調査結果でございます。
N60°W、50°SWの面が加筆されておりますが、条線の方向からも傾斜60°程度の南西側低下の正断層であるということがおわかりいただけます。
30ページにまいります。
これは、H断層系の細粒物質部分の粒度分布の特性でございます。右下の方でT11断層ですとか、36H01断層とございますけれども、これは後ほど説明しますH断層に類似した断層というものでございます。
この粒度分布特性の結果、H断層系はいずれも-3から-2φの近傍に2つのピークを持つ、そういった粒度の特徴を持っております。これは、砂岩組成のものと泥岩組成のものが混合した状況、そうしたものを示しているものと推定しております。母岩の性質を直接反映したものであって、ピークが細粒分の方に表われるような顕著な細粒化というものは認められません。
31ページにまいりますと、H断層系と上部の沖積層の関連につきましても、調査を実施しております。これがそのときの調査結果でございまして、敷地の西側のBライン立坑というところで、H-2断層と沖積層の関係を直接観察して、沖積層の年代測定をしております。図の左下のところにH-2断層が分布しておりまして、図の中央の立坑で年代測定用のサンプリングを実施しております。
32ページがその断層部分の詳細なスケッチでございます。H-2の断層と上部を覆います沖積層の関係ですが、H-2断層は沖積層に変位を与えていないという状況が確認されました。
また、33ページが年代測定の結果でございますが、この結果から沖積層の年代というのが、おおむね1万年前ということから、H断層系は上載地層からは、少なくとも1万年前以降の活動がないということが確認されております。
34ページにまいります。ここからが敷地周辺で確認されました、H断層系に類似する断層露頭が2つございますが、それについての説明でございます。
34ページは、右上に地図がございますが、御前崎市白羽付近に分布します相良層に認められたものでございます。敷地から約3.5km東になります。
この36H01断層は、H断層系と同様な走向、傾斜を持っておりまして、断層周辺の凝灰岩の引きずりの方向から正断層というふうに推定されます。
断層の性状は、ここも地層混交帯の部分を着色してございますけれども、H断層系と同様に2条の平行な断層面が認められて、断層沿いに厚さ1cm程度の細粒物質が認められます。また、混交帯の幅が0.5~1.2m程度で、混交帯や断層面付近では、凝灰岩は角礫状を呈さず、一部で膨縮が認められて、レンズ状をなして明瞭な引きずりが認められます。
そういったことから、この断層はH断層系と類似しているものと判断されまして、この断層の上に分布しております御前崎礫層に変位を与えていないというふうに考えられますので、少なくとも後期更新世以降は活動していないものと考えております。
35ページでございます。
これは、敷地の北約150mに分布するT11断層でございます。これは、現地調査を実施した際にごらんいただいたところでございます。
この断層近傍では、ボーリング調査も実施しております。このT11断層の性状ですけれども、H断層系と同様な走向、傾斜を持ち、落差が15mの正断層でございます。
断層の性状は、やはりH断層系と同じく、ここも地層混交帯の部分を着色しておりますけれども、2条の平行な断層が認められて、断層沿いには、数cmの細粒物質で、混交帯の幅が1m前後でございます。
この断層ですとか、混交帯付近では、地層の膨縮ですとか、引きずり、レンズ状のもの、そういったものが認められて、やはりこれもH断層系と非常に性状が類似したものというふうに考えております。
36ページが、T11断層と上載層との直接の関係を示したものでございます。T11断層周辺では、相良層を不整合に覆っています礫層、そういったものに変位を与えておりません。また、相良層の上面に認められます赤色風化帯、そういったものにも変位が認められません。
ここに分布しております礫層でございますが、比較的平坦な基底面を持って分布しているということから、段丘堆積物と考えられまして、分布高度、周辺に分布する段丘堆積物の関係から笠名礫層に対比されるものというふうに考えております。
37ページは、T11断層周辺の地質でございます。
図のほぼ中央、赤い丸でT11断層を示しております。このT11を通る断面線が多少ぎざぎざになりながら、図の中央、北の方からずっとT11を通って南の方に行っております。この断面図によりますと、途中オレンジ色のksと書かれた局所的に存在する地層がございます。これがT11断層の上に乗っています。笠名礫層と同等に対比される堆積物というふうに考えております。そういった堆積物が分布しております。
また、それ以外にも、ちょっと薄いですが、紫色で書いておりますomと書かれております。御前崎礫層、そういったものも広く分布しております。
38ページが、その状況を断面で示したものでございます。
T11断層周辺に分布します、先ほど言いました笠名礫層に相当する礫層ですとか、御前崎礫層に相当するもの、そういったものに高度差が認められませんので、こういった礫層の堆積後、T11断層の活動はないものと判断されますので、T11断層は、少なくとも後期更新世以降には活動していないものというふうに考えております。
以上の調査結果を基に、H断層系の活動性につきましてまとめたものが、最後の39ページでございます。
上の四角が、まず、H断層系の性状を記載しております。海岸線とほぼ平行な正断層でございます。
2つ目のポツに行きますと、断層付近の性状から明瞭な引きずりですとか、レンズ状、そういったものから青い字で書いてありますが、H断層系は塑性変形を伴う環境下で形成されたというふうに考えられます。
その下のポツに行きますと、断層面近傍に認められる生物遺骸に破砕とか変形が認められないことですとか、明瞭なせん断面は認められない。そういったことから断層が形成されてから、現在に至るまで新たな破砕が起きていないというふうに考えております。
ここでちょっと下の方の点線の枠の方に行っていただきますけれども、塑性変形を伴う環境下で形成されたということにつきまして、補足で書いております。
塑性変形を伴う環境下は、どういったものが考えられるかということが書いておりまして、上の四角のところですが、相良層の堆積環境から考察したものでございますが、相良層の堆積環境は、文献によりますと、相良層群堆積時の堆積盆の中心は、右側の図で地名を書いておりますけれども、相良、地頭方というやや東の方向でございまして、これがだんだん堆積域か北西の方に拡大していって、徐々にこの堆積域が西側の方に移っていったということで、そして、女神背斜というところがだんだん隆起しながら堆積域が西の方向に広がっていったということ。そういったことが文献とかで示されております。
また、H断層系が海側落ちの正断層ということを含めて考慮いたしますと、この敷地の相良層堆積時における、この敷地北方の相対的な隆起によります敷地の相良層の南方への傾斜に伴い、引張力が生じまして、堆積後間もない相良層に海底地すべりが生じH断層系が形成した可能性が高いというふうに考えられる。
もう一つ、下の四角になりますけれども、塑性変形を伴う環境下で形成される場合として、堆積後深い場所に埋設し、上部の地層の重みによる高封圧下において形成した。そういった可能性も否定できない。
ただ、そういった場合ですと、この右側の図面を見ていただきますと、発電所がほぼ中央にございますが、先ほど申しましたように、段丘堆積物が敷地近傍に分布しております。また、西の方に行きますと、小笠層群という更新世中期から前期の堆積物が分布しておりまして、それらの分布構造が最大でも標高が100m程度である。そういう状況から中期更新世における敷地の相良層の分布構造は比較的浅かったと考えられますので、H断層系の形成時期はそういう場合を仮定したとしても、中期更新世よりも古い時代というふうに考えられるということです。
こういったことから、塑性変形を伴う環境下、そういう時代につきましては、中期更新世よりも古い時代というふうに考えられます。
また、上の方の2つ目の四角に行っていただきますと、敷地近傍の類似の断層の検討ということで、近傍の36H01断層ですとか、T11断層は、それぞれ礫層に変位を与えていないという状況がございまして、こういったことを総合して考えますと、H断層系は少なくとも後期更新世以降における活動はないというふうに判断しております。
以上が、W3-3の資料におけます説明でございます。
続きまして、資料W3-4の資料で前回コメントをいただきましたH-4断層の延長につきまして考察しておりますので、それにつきまして、御説明させていただきます。
これも図を中心に説明いたしますと、2ページをごらんいただきたいと思います。
この図は、先ほども出てまいりましたが、H断層系の分布図でございますけれども、H断層系を実線ですとか、破線で書いておりますが、これは確認されたところのみ記載しておりまして、ここで途切れているからといって、実際にここで断層が終わるというふうには考えておりませんで、実際にそれぞれの両脇の方に延長していくものと、そういうふうに考えております。
ただ、3号の原子炉建屋の北方につきましては、実際にどういう調査がされているかといいますと、3610、3611、3425と書かれておりますけれども、この白丸で示したボーリング調査あるいは3号炉の試掘坑調査が、この図の黒い太い線で書かれておりますけれども、こういったものが実施されておりますが、このいずれを見ましても、H-4断層は確認されておりません。
ということで、H断層系につきまして、ここの調査に出てこない範囲にずっと伸びていくんだろうということで、少し太い点線で書いてございますが、H-4断層推定とちょっと矢印の図がずれておりますけれども、こういった、今、確認されているHラインのところから、やや北の方向に向きを変えて分布していくんではないかというふうに推定しております。
3ページ以降が、それぞれの断面図でございますが、この3610のボーリングの断面図でございますが、3610のボーリングの断面は、前回もお示ししていると思いますけれども、凝灰岩がところどころで書かれておりますけれども、こういった対比、そういったものから3610のボーリングにつきましては、標高200m程度まで掘っておりますけれども、H-4断層が確認されておりません。
ということで、H-4断層が、それよりも北に分布するものというふうに想定されますので、先ほどのような分布形状、北の方にずっと伸びていくといったものが想定されます。次の4ページは、今の断面よりも若干東側に行きましたG+15-LINEでございますが、ここでは試掘坑がされております。ただ、試掘坑は標高が浅いので、延長の方につきましては、明確なことは言えません。
次の5ページにつきましても、これもまた更に東側の断面を付けておりますけれども、3425のボーリング、こちらにつきましても、調査深度が浅いものですから、明確な話は言いませんが、ということで、2ページにもお示ししましたように、H-4断層は北の方向にずっと伸びていくんではないかというふうに推定しております。
以上がW3-4の資料の説明でございます。
- 衣笠主査
-
ありがとうございました。それでは、今、御説明がありました資料について、質問等がありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
どうぞ。
- 吉中委員
-
資料のW3-3の39ページにH断層系の結論的なことが書いてあるんですが、これは、塑性変形を伴う環境下ということで、それの説明には文献によるととなるんですが、文献名はどういうものかということ。
もう一つは、塑性変形といっても、あれだけの割れ目があって、その中に砂層が曲がっているということを塑性変形と言っているんですが、しかし、それを例えば細かく顕微鏡サイズで見て、その積み重なりが、塑性というのは、要するに連続的に曲がっていくという意味ですね。顕微鏡的に見ても、そういうことなのかということが言えるのか。
もう一つは、高封圧下において形成された可能性も否定できないが、分布高度が最大でも数百m程度であるということは、言い換えると、それほど高封圧下ということを言う意味ではないという意味にも取れるんですが、ここらでH断層系の活動性の否定の仕方の非常に難しさがにじみ出ているんではないかと思うんですけれども、後期更新世以降という、後期更新世以降の地層のみにキーポイントを置いた場合、その分布を切っていないというポイントを置いた場合には、それだけの根拠では、この敷地内及び敷地周辺を交えていいと思うんですけれども、それでは非常に難しいのかという質問です。
というのは、地層混交帯及び破砕状況から見て、塑性的という言葉を使うことが、私には非常にわかりにくい。地滑りのときに、水が抜けながら、いわゆる排水条件で切れるのか、あるいは地震のときに非排水条件で切れるのかによって変形の仕方も違ってくるだろうし、この問題は非常に難しいんではないかと思うんですけれども、できれば、それ以外の明確な後期更新世の地層の分布を領域を広げて、だからこれは変動を起こしていないというふうに言い切ることはできないのでしょうかという質問です。
- 衣笠主査
-
ありがとうございました。今の点、いかがでしょうか。
- 説明者(仲田)
-
3点あったかと思いますけれども、まず順番に言います。この文献によるという文献ですが、ちょっと孫引きしているので、大元のものが思い出せないんですけれども、この記載自体は、杉山先生の書かれております御前崎図幅、そちらの方に引用として記載されている内容でございます。今、手元にないので申し訳ありません。杉山先生の文献でも引いている文章でございます。
もう一点が、塑性変形を伴う環境下という話でございましたけれども、顕微鏡的に見て云々という話がございましたが、例えば22ページ辺りの断層のスケッチを見ていただきますと、実際に、すぱっとではないんですけれども、変位を生じて、変形というよりも切断という形で切れている、そういったところは、混交帯の両脇の断層面のところで、実際に非連続というんですか、そういった形で切れてはおりますが、この混交帯を含めた全体を見ていただきますと、そういった断層活動に伴いまして、地層がぐにゃぐにゃに曲がっている状況、そういったものが見て取れますので、こういった全体的な様子を含めて塑性変形、そういった形で、この言葉を使わせていただいております。
後期更新世に限ってと、最後のお話であったと思うんですけれども、まず、39ページの高封圧の場合の分布高度が標高100m程度の状況から云々という話がございましたけれども、左側の方の茶色にあります小笠層群、そういったものの高度が約100m程度ということで、少なくとも、それよりも新しい時期で、それだけ深いところには行っていないだろうということで、使っておりますので、それより前になりますと、そういった地層が堆積しておりませんので、実際にどれぐらいの深さにあったのかというのが、はっきり100%こうだということが言い切れないということがございますので、最大限言えるところとして、ここの100m程度の中期更新世といったものを使っております。
それで、後期更新世の地層を切っていないようなしっかりしたところはないのかというようなお話だったと思いますけれども、そういうものがないから、こういったいろいろなものを含めて考察をしておりますが、非常によく似た断層であります、T11断層という敷地から約150m北にあります断層が、上に乗っています後期更新世の地層を切っていないと、そういったところが地層を切っていない云々の話につきましては、一番H断層系に近いところの話になるのかなと考えております。
こういった回答でいかがでしょうか。
- 吉中委員
-
孫引き文献ですか、杉山先生の孫引き文献とおっしゃいましたが、杉山先生、どういう文献なんでしょうか。
- 杉山委員
-
堆積盆地の移動ということだと思うんですけれども。この表現が正しいかどうかあれですけれども、相良層群が堆積しているときには、女神背斜とか褶曲は余りなくて、多分今でいうと、駿河湾の方に向かって、スロープができつつある。要するに当時のいろんな堆積構造とか、化石の分布とか、いろんなものを見ると、そういうことが想定されて、その後、その当時の南海トラフが沈み込んで、やはり圧力がかかって、女神背斜とか浜岡の原発の下にある向斜とか、その沖合の御前崎辺りの褶曲ができて、その内側に、今でいうと、遠州海盆に当たるような堆積盆地ができている。
ですから、今日は説明がありませんでしたけれども、御前崎の、今、沖合に見えている駿河トラフから東海断層系とか幾つかあって、そこが褶曲していますね。その更に西側には遠州海盆があるわけですが、それと同じような地形の配置が、掛川層群がたまったときに、もう少し北側にあったということは言えると思うんです。それが300万年ぐらい前からだんだん南の方に海の領域は狭まっていって、今、遠州トラフと言っていますけれども、そういうところになっている。
そういう意味では、堆積が北西に拡大し云々と、かなり細かく書いてありますが、大事なのは、その後ろで掛川、菊川の堆積盆地が形成されて、そこに掛川層群がたまって、その東側では女神背斜とかができた。それは多分、古くは戦前のこの辺の地質、ここは石油がとれたところですから、女神というのは、相良油田という日本の太平洋側で唯一の、背斜に沿って油田があったので、そういうかなり詳しい調査があって、そのころから、それに類することは言われていたというふうには思います。
- 吉中委員
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そうすると、文献名というのは、特にないということですか。
- 杉山委員
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それは、今、言ったように、ちゃんと調べれば、特定はできるのでね。
- 吉中委員
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いつごろの文献ですか。
- 杉山委員
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きちんと言ったのは、私も今はあれですけれども、戦前から同じようなことは言われております。
- 吉中委員
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ということは、物理的根拠によっては説明していないということですね。
- 杉山委員
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堆積盆地ですか。
- 吉中委員
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いろんな塑性変形。
- 杉山委員
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ですから、塑性変形のことは、何も文献によるということとは関係なく、文献によると言っているのは、堆積盆地がどういうふうに変遷してきたかということで、これはごく最近では、さっき言ったプレートの運動からもどういう変動をするかということからもきちんと、戦前の考え方をプレートテクトニクスの枠組みでもきちんと説明ができるので、そこはいいと思うんですが、今、言った塑性変形云々という話は、この文献とかで特に言っているわけではないと思います。
ですから、塑性変形ということになると、そこは普通、地質学だと、そういうのはダクタイルという言葉を使うんですけれども、片仮名の言葉なので、余りよくないんですが、こういう地層の変形を使うときには、今日、示していただいたものは普通ダクタイルな変形であるというような表現の方が、普通の構造地質をやっている人にとっては、わかりやすい表現かなと思います。
- 衣笠主査
-
どうもありがとうございました。いかがでしょうか。
- 吉中委員
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この種のいろいろな実験を過去からやってきたんですが、この壊れ方を見ると、私どもでは、どちらかというと、主体的な壊れ方はダクタイルではなくて、ブリットルだと、ダクタイルは、先ほど言いましたように、細かく見てどうなのかということで、それは何かの根拠が出てくるのかなという気がしたものですからね。
それで、結局、塑性変形という言葉で、断層の特徴といいますか、結局、後期更新世よりも、ずっと以前の断層だということを説明するための物理現象の解釈の問題だと思うんですけれども、我々は力学的にいろいろ実験をやっている立場と、それからいろいろ地質を見られている立場とでは、ちょっと解釈が違うので、そこらは、それを含めたような、先ほどの地層の分布といいますか、カバーしている辺りで説明できれば、それで一番きれいだなという気がしたものですから、そう言いました。
以上です。
- 衣笠主査
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ありがとうございました。どうぞ。
- 杉山委員
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余り発言はしたくなかったんですが、39ページの、今、吉中先生から御指摘があったことは、私もそのとおりだと思うんです。
それで、やはり問題なのは、活動性とか、評価をすべき断層かということからいうと、評価をするに値しない断層であるのは間違いなくて、その論理として、余りここでごちゃごちゃ書くのは、この後に申し上げますが、やはりあまり物理的に適切な表現ではないので、大事なのは、同じ系統の断層が、この間現場で見せていただいたように、笠名段丘に対比している地層に覆われているわけですから、それをもって判断をしたということでいいと思うんです。
ここにある意味では苦し紛れに書いてあるところの論理が、具体的におかしいということを申し上げますと「したがって」のところの3行目から「相良層の南方への傾斜に伴い生じた引張力」と書いてありますね。ですけれども、断層はそういう引張力というのは、まず物理的には起こらないだろうし、それから断層が起こっているところ自体は北へプランジしているんでしょう。ですから、堆積盆は南にプランジしているけれども、ある局所的な断層があるところは、地層はむしろ北にプランジしているわけだから、まず、そこで矛盾していると思います。
それから、別にこういう性状のものは、確かに海底地滑り的なものでもできるとは思いますけれども、別に広域応力場のσ1方向と大体走向が合っているわけですから、そういう意味でもテクトニックな断層の可能性も当然あると思うんです。
ただ、海底地滑りか、あるいは非常に浅いところで起こったかどうかという判断でいうと、断層ゾーンとされたところが、特に開口は起こっていないですね。開口が起こっていなくて、さっき言ったようにレンズ化したりとかしているわけですから、これはやはりある程度、上からの封圧とかがない限り、こういう変形というのはないとは思うんです。
ですから、ものすごく地面に浅いところに風化・削剥されて、非常にごく最近にできたものでもないということも言えるだろうし、それからものがたまってすぐ海底に露出しているような状況でもできたわけではなくて、多分相良層群が、私の考えで言えば、相良層群がたまって、ある程度地層というものが上に乗っていて、それから、さっき言った相良の堆積場から掛川の堆積場に移るときに、要するに力がかかって、褶曲が始まるわけですね。そういう新テクトニックな褶曲と同時に、広域応力場で褶曲をする、そのフェーズが全く同時なのか、多少遅れているかという、多分、この断層の分布を見る限り、多少遅れた時期に動いたとは思うけれども、その時期の広域応力場でできてもいいわけであって、必ずしも海底地滑りだけが成因であって、その可能性が高いということまで言い切る証拠はないというふうに思います。
- 衣笠主査
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どうもありがとうございました。このH断層系というのは、ある意味で非常に重要な断層、敷地の下にある断層ですからね、それなりの活動性の評価については、きちんとやっておかなければいけないものだけれども、きちんとやるべき証拠がないといいますか、地質条件で必ずしも十分なデータがそろっていないけれども、資料39ページでいうと、上の実線の中に書かれたこと、すなわち36H01だとか、T11の露頭を見る限り、H断層系が活断層であるという判断まではしなくていいだろうと皆さん思っていらっしゃるんではないかと思います。
下の破線の箱は、ちょっと、今、御指摘がありましたように、勇み足の部分もありますので、こういうような考え方もあるのかなというぐらいで受け取っていただければと思いますが、いかがでしょうか。
ほかによろしいでしょか。
どうぞ。
- 吾妻委員
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同じことになってしまうのであれなんですけれども、上の四角がよろしいという話になると、塑性変形を伴う環境下で形成されたというところが、まだ残ることになるんですが、やはりH断層系と、この中にある資料には、露頭スケール、数十センチとかのオーダーで見ると、そう見えるかもしれませんけれども、各断層10m以上食い違わせているわけですね。ある大きな断層の、すごく枝葉的な細かいところだけを見て言っているわけであって、上の四角の中に、塑性変形を伴う環境下云々というところを何かの根拠のように残しておくのはちょっとどうかというところが引っかかっております。
- 衣笠主査
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ここも評価が分かれるところだと思います。私もこういうことを昔扱っていて、完全なブリットルな破壊様式ではないので、そういうことから塑性変形を伴う環境下というのが、無碍に否定できない言葉でもありますし、要するに、ここで我々が評価しなければいけないのは、H断層系が新指針でいう活断層に当たるかどうかということを、まず評価しなければいけないので、そのことについては、いいのかなと思いますが、いかがでしょうか。
- 吾妻委員
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その点は同意します。ただ、判断基準として残すのは、ちょっとどうかなというところが残っているというコメントです。
- 衣笠主査
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形成されたと考えられるか。「とも」ではいかがですか。
いずれにしろバックチェックなので、後で安定性解析の方ではH断層系のところの物性の問題が問題になってくると思いますが、今、議論しているのはH断層系が活断層であるか否かということの議論において、先般見せていただいたT11の露頭だとか、36H01の露頭から判断して、活断層としては評価しなくてもいいものであろうというふうに思っておりますが、そういうことでよろしいでしょうか。
それで、私の方からまた言いたいのですが、資料のW3-4はH断層系の分布について、しかもH4断層の分布についてということで、補足説明資料として、今日、お出しいただいたようでありますが、資料W3-3だとか、本資料を見てみますと、3号の通るラインの海山方向の断面図が書かれていないんです。この場はバックチェックの場なので、しかも3、4号炉のバックチェックのはずなので、3、4号炉の安定解析をやる3号炉を通る海山方向の地質断面図が本資料にも、それから今日、御説明いただいた3-3の資料にも入っていなければいけないのに入っていない。
肝心なものが入っていなくて、W3-3の資料で言うと、15ページ、16ページ、17ページ、18ページなんていうのは、ずっと4号炉よりも更に東の方の断面図がいっぱい入れてあるというのは、資料のつくり方としては不適切だと思いますので、今後、補正という行為もあるようですので、3号炉、4号炉のバックチェックに必要な断面図は入れておくようにお願いしたいと思います。
ほかに何か御質問、御意見等はございますでしょうか。
もし、ございませんようでしたら、また10分ぐらい休憩をさせていただきたいと思います。
今、あそこの時計で3時15分ですので、3時25分まで休憩をさせていただきたいと思います。
(休憩)
- 衣笠主査
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それでは、再開したいと思います。
引き続きまして、地質W3-5及び地質W3-6について説明をお願いいたします。
- 説明者(藤井)
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それでは、続きまして地質W3-5でございますが「原子炉建屋基礎地盤の安定性評価について」を説明させていただきます。
お配りしました資料は、机の上に置いてございます報告書の3、4号を合本して1つに再編集した内容となっております。
1枚めくっていただきまして「目次」にまいります。資料は大きく「1.評価方針」「2.評価方法」「3.評価結果」の順となっておりまして、これに従いまして説明させていただきます。
1ページをごらんください。まず「1.評価方針」ですが「耐震設計上重要な機器・配管系を内包する建物・構築物を支持する原子炉建屋基礎地盤について、基準地震動Ssによる地震力に対して十分な支持性能をもつことの評価を行う」としております。
原子炉建屋基礎地盤の地震時の支持性能につきましては、想定すべり面におけるすべり安全率及び原子炉建屋基礎底面両端の鉛直方向の相対変位・傾斜により評価いたします。
続きまして「2.評価方法」ですが、まず「2.1 原子炉建屋基礎地盤の地質概要」について説明いたします。
3ページをごらんください。第2.1-2図は原子炉建屋底面位置より少し浅いT.P.-11.5mの地質水平断面図でございます。
四角で表示した部分が1~5号機の原子炉建屋で、3、4号機の原子炉建屋は中央付近に位置しております。それから、先ほども説明がございましたが、実線及び破線で示したものがH断層系でございます。
H断層系は海岸線にほぼ並行で、N40°~80°Wの走向で、この絵では下側になりますけれども、海側に50°~80°の高角度で傾斜する正断層でございます。H断層は敷地において4本確認されておりまして、約70~150mの間隔で分布しております。海側からH-1、H-2、H-3、H-4としておりまして、3号機と4号機の原子炉建屋はH-2とH-3の間に位置しております。
4ページをごらんください。第2.1-3図は3号機原子炉建屋付近の地質断面図で、海岸線に直交する方向の断面図でございます。向かって左側が海側、右側が山側になります。
海側に高角度で傾斜していますのがH断層系で、ほぼ平行に海側に傾斜して分布しております。また、山側に緩やかに傾斜しているしま模様のようなものがございますが、こちらも先ほど説明がございました、相良層に挟在している凝灰岩でございまして、かぎ層として用いております。この凝灰岩のつながりから、H断層系は海側に傾斜する正断層で、落差は3号機付近で30~40m程度となっております。
その他の白い部分になりますけれども、ここは基盤を構成しております相良層で、砂岩と泥岩の互層となっておりまして、砂岩と泥岩の平均層厚比は3対7で、泥岩優勢となっております。
5ページにまいります。第2.1-4図は4号機原子炉建屋付近の地質断面図で、海岸線に直交する方向の断面図でございます。こちらも3号機と同様に、向かって左側が海側、右側が山側になっております。
4号機も、3号機とほぼ同様な地質構造でございまして、海側に高角度で傾斜しているのがH断層系で、ほぼ平行に海側に傾斜している正断層でございます。
砂岩と泥岩の平均層厚比も、3号機と同様に3対7で、泥岩優勢となっております。
以上が、3、4号機原子炉建屋付近の地質概要の説明になります。
6ページをごらんください。「2.2 解析断面」についてですけれども、地質概要で説明いたしましたが、海岸線にほぼ平行に分布し、海側に一様に傾斜するH断層系を適切に反映すること及び4号機増設時の検討結果としまして、これは海岸線に直交する断面と平行な断面の2断面を評価した結果、海岸線に直交する断面のすべり安全率が小さかったという結果なんですけれども、これらを考慮しまして、今回のバックチェック評価におきましては、3号機、4号機ともに海岸線に直交する断面を解析断面として選定します。
「2.3 解析手法」ですが、7ページの第2.3-1図の安定性評価フローにて説明いたします。
まず、右側の「地震時荷重」についてですが、基準地震動Ssから地震応答解析モデルに用いる入力地震動を定めまして、それを用いて地震応答解析を実施し、動的応力を求めます。
地震応答解析は、二次元動的有限要素法解析を用いまして、周波数応答解析手法を用いまして、等価線形化法により動せん断弾性係数及び減衰定数のひずみ依存性を考慮しておりまして、水平地震動と鉛直地震動による応答を考慮しております。鉛直地震動による応答を考慮することと、減衰定数のひずみ依存性を考慮することが今回の評価で新たに考慮したこととなっております。
なお、地震応答解析におけます水平及び鉛直地震動の取扱いにつきましては、前回のWGで御質問が出ましたけれども、後ほどの補足説明資料で詳細に説明させていただきます。
次に、左側の「常時荷重」についてですが、二次元静的有限要素法解析により常時応力を求めております。常時応力は地盤の自重計算によりまして求まります初期応力、建屋基礎掘削に伴う解放力及び建屋・埋戻土の荷重を考慮して求めています。
なお、地盤の自重計算により初期応力を求めているのは、3、4号機それぞれで実施した初期地圧測定において、建屋基礎設置位置付近の初期地圧が土かぶり相当圧でほぼ等方的であるとの調査結果に基づいています。
初期地圧測定結果につきましても、後ほど補足説明資料にて具体的に説明させていただきます。
動的応力と常時応力を重ね合わせて、地震時の応力を求めまして、すべり安全率を算定いたします。また、地震応答解析の結果から、基礎底面両端の鉛直方向の相対変位や傾斜を算定いたします。
8ページにまいります。「2.4 解析モデル」ですが、こちらは解析用地盤モデル、解析用建屋モデル、境界条件、地下水位の順に説明してまいります。
9ページをごらんください。第2.4-1図は3号機解析用要素分割図です。解析モデルの幅は660mとしておりまして、両側に建屋底面幅の約4倍の領域を確保しております。これはJEAGの目安とされております、両側に2.5倍程度の領域に比べまして十分広く取っております。
また、地盤部のモデル化につきましては、先ほど説明しました地質断面図を基に、右上の凡例で示しますとおり、相良層の岩盤部、H断層系、表層土及び建屋周辺の埋戻土をモデル化しております。なお、岩盤部は砂岩と泥岩をそれぞれ要素分割するということではなくて、互層岩盤としてモデル化しております。砂岩・泥岩の互層岩盤としての物性値の設定方法についても、後ほどの補足説明資料の方で詳しく説明させていただきます。
なお、前回のWGで少し御質問が出ましたけれども、相良層に挟在する凝灰岩につきましてですが、こちらの層厚比を計算しますと1%未満と非常に少なくて、また、既往の試験結果により、砂岩の強度とほぼ同程度以上であることが確認されておりますので、互層岩盤に含めてモデル化しております。
H断層系につきましては、既往の評価結果から、原子炉建屋基礎地盤のすべり安定性に影響が大きいと考えられます原子炉建屋近傍に位置するH断層として、H-2とH-3を地質断面図に基づきモデル化しております。
それから、地盤の速度層区分は、3号機増設時に実施したPS検層の結果に基づいて設定しております。原子炉建屋底面位置付近のレベルでせん断波速度が700m/sでありまして、深くなるに従ってせん断波速度が大きくなっています。
建屋のモデルですけれども、原子炉建屋とタービン建屋をモデル化しております。原子炉建屋、タービン建屋の解析用建屋モデルにつきましては、それぞれの質点系モデルを基にFEMモデルを作成しております。
10ページにまいります。第2.4-2図は4号機解析用要素分割図でございます。4号機も3号機と同様の考え方でモデル化しております。
また、地盤の速度層区分は、4号機増設時に実施したPS検層の結果に基づいて設定しておりますが、3号機の速度層区分とほぼ同じ速度層区分となっております。
11ページにまいります。第2.4-3図は、解析時の境界条件について示したものです。静的解析のときにはモデル下端を固定境界、側方を鉛直ローラ境界としています。動的解析のときにはモデル下端を粘性境界、側方をエネルギー伝達境界としています。
12ページにまいります。この図は、3号機と4号機の解析に用いている地下水位を示したものです。
建屋部分の地下水位につきましては、建屋の工事計画認可時に設定した地下水位としております。この水位は、地下水の排水設備を考慮した揚圧力解析結果に基づいて設定しています。
なお、周辺の地盤につきましては、地表面に水位を設定しています。
13ページにまいります。ここでは「2.5 入力地震動」について説明いたします。
14ページをごらんください。第2.5-1図は入力地震動の考え方を模式的に示したものです。
入力地震動は、一次元の解放地盤モデルを用いて設定しております。解放基盤表面で定義されます基準地震動SS用いて、一次元波動論による応答計算を行いまして、地震応答解析モデルの入力位置、ここではT.P.-194mになりますが、そこで評価したものを地震応答解析の入力地震動として用いております。
なお、基準地震動Ssにつきましては、下の第2.5-1表に記載しました4つの地震動でございまして、安定性評価につきましては4つの地震動すべてに対して実施しています。
15ページをごらんください。第2.5-2図は基準地震動Ss-DH、Ss-DVの時刻歴波形と加速度応答スペクトルを示したものです。
同じく、16~18ページにSs-1、Ss-2、Ss-3のそれぞれの水平と鉛直の地震波の時刻歴波形と加速度応答スペクトルを示しています。
19ページをごらんください。「2.6 解析用物性値」について説明いたします。
解析用物性値につきましては、3号機、4号機、それぞれの増設時の試験結果に基づき設定することを基本としています。
20ページをごらんください。第2.6-1表になりますが、こちらは解析用物性値の種類と設定の根拠となる試験について具体的に示したものです。
室内試験としましては、密度試験、三軸圧縮試験、動的三軸試験、圧裂試験の結果を用いています。また、現位置試験としましてはPS検層、微小区間弾性波試験結果を用いております。
岩盤部は砂岩と泥岩の互層となっていますので、室内試験に基づく物性値は砂岩・泥岩それぞれについて試験を行って設定しています。
H断層系につきましては、砂岩質部、泥岩質部、弱層部から構成されておりますので、室内試験に基づく物性値はこのうち強度が比較的小さい弱層部の試験結果に基づき、保守的に設定しています。
なお、表の中で下線を付けました三軸圧縮試験、動的三軸試験、微小区間弾性波試験は4号機増設時に新知見を反映した試験方法を採用しておりますので、3号機、4号機ともに4号機増設時の試験結果により設定しています。それ以外の試験につきましては、各号機の増設時の試験結果により設定しています。
また、表層土は5号機増設時の試験結果、埋戻土は3号機増設時の試験結果に基づき設定しています。
解析用物性値は、これらの試験結果の平均値を基に設定しております。
21ページにまいります。第2.6-2表は3号機の解析用物性値の具体的な数字を示したものです。
特徴的なのは、表の中ほどですが、動的変形特性において動せん断弾性係数と減衰定数のひずみ依存性につきまして表のとおり設定しています。
右側のせん断強度は、ピーク強度については、岩盤部は砂岩、泥岩それぞれについて2つの直線により設定しています。また、泥岩に比べて砂岩の強度が小さい結果となっております。
H断層系は、ピーク強度につきましては1つの直線によりせん断強度を設定しています。
残留強度につきましては、圧密応力がゼロのときにせん断強度がゼロとなるように、岩盤部は低応力部を1と2に分けて設定しています。H断層系の残留強度は低応力部と高応力部に分けています。
なお、今、説明しましたような解析用物性値の設定のもととなった試験結果や物性値の設定プロセスにつきましては、後ほど補足説明資料にて具体的に個別に説明いたします。
22ページをごらんください。第2.6-3表は4号機の解析用物性値の具体的な数字を示したものです。3号機と同様の考え方で設定しております。
23ページをごらんください。「2.7 評価内容」についてです。
まず「2.7.1 すべり安全率」ですが、すべり安全率は、想定したすべり面上の応力状態を基に、すべり面上のせん断抵抗力の和をすべり面上のせん断力の和で除して求めます。
想定すべり面は、原子炉建屋基礎底面沿い、互層岩盤のうち強度の小さい砂岩層沿い及びH断層系沿い、岩盤中の応力状態を考慮して設定したすべり面でありますモビライズド面としまして、これらを組み合わせて想定すべり面を設定しております。原子炉建屋底面沿いのすべり面につきましては、互層のうち強度の小さい砂岩のせん断強度により保守的に評価しております。
また、引張応力が発生した要素につきましては、引張面の方向がすべり面方向と±20度以内の角度で交差する場合は強度定数をゼロにし、それ以外の場合は残留強度を用いております。
岩盤部の引張強度につきましては、圧裂試験において確認しておりまして、その値につきましては後ほど補足説明資料で説明しますが、安定性評価におきましては、ここで説明したとおり、引張強度は保守的な評価として、ないものとしておりまして、少しでも引張応力が発生した場合には残留強度もしくは強度ゼロとしてすべり安全率を評価しております。
また、せん断強度に達した要素では残留強度を用いることとしております。
次に「2.7.2 原子炉建屋基礎底面両端の鉛直方向の相対変位・傾斜」についてですが、相対変位は基礎底面両端それぞれの鉛直方向の変位の差から算定しまして、原子炉建屋基礎底面の傾斜は、この相対変位を基礎底面幅で除して求めています。
第2.7-1図に、基礎底面両端の鉛直方向の相対変位・傾斜の算定方法を示しております。
24ページにまいります。ここから「3.評価結果」の説明をいたします。まず「3.1 3号機評価結果」について説明いたします。
「3.1.1 すべり安全率」ですが、こちらは25ページをごらんください。第3.1-1表になりますが、こちらは基準地震動Ss-DH、Ss-DVにおけます想定すべり面形状ごとの最小すべり安全率及びその発生時刻、それから、すべり安全率のタイムヒストリーを示したものです。
想定すべり面は、3号機では4つ設定しております。1つ目が原子炉建屋底面沿いのすべり、2つ目・3つ目が建屋底面と砂岩層とH断層系の複合すべり、4つ目がモビライズド面と建屋底面とH断層系の複合すべりでございます。
なお、繰り返しになりますけれども、建屋底面沿いのすべりには互層のうち強度の小さい砂岩の強度を保守的に用いております。
すべり安全率は、すべり面1の原子炉建屋底面沿いのすべりで最小となりまして、最小すべり安全率は3.0となりました。これは評価基準値1.5を上回っておりますので、すべりに対して十分な安全性を有していると判断しております。
26~28ページに、先ほど御説明しました基準地震動Ss-1、Ss-2、Ss-3のすべり安全率の評価結果を示しております。いずれもすべり面1の原子炉建屋基礎底面沿いのすべりで安全率が最小となっています。
また、4つの基準地震動で比べますと、いずれのすべり面形状においても、25ページのSs-DH、Ss-DVによる評価において、すべり安全率が最小となっております。
29ページをごらんください。こちらでは3号機の要素ごとの安全係数の評価結果について説明いたします。
第3.1-1図は、Ss-DH、Ss-DVの最小すべり安全率が発生した時刻の要素ごとの安全係数を示したものです。
凡例を右上に示しておりますけれども、まず一番上の引張応力が発生した要素ですが、岩盤部については地表付近及び建屋隅角部の一部に引張応力の発生した要素があります。しかし、ごらんのとおり、小さな範囲にとどまっております。また、H断層系につきましては引張応力の発生した要素はありません。
次に、せん断強度に達した要素、すなわち安全係数が1を切る要素につきましては、岩盤部、H断層系ともにありません。
それから、要素ごとの安全係数についてですが、H断層系及び山側の岩盤斜面部の一部領域におきまして安全係数が2を切るところがございますが、そのほかの大部分の領域におきましては安全係数2以上を確保しております。
30~32ページに、基準地震動Ss-1、Ss-2、Ss-3の最小すべり安全率が発生した時刻の要素ごとの安全係数をそれぞれ示しております。
これらの地震動による評価結果につきましても、地表付近及び建屋隅角部の岩盤部の一部に引張応力の発生した要素がありますが、いずれも小さな範囲にとどまっております。
また、せん断強度に達した要素はありません。
要素ごとの安全係数につきましては、大部分の領域で安全係数2以上を確保しております。
これらのことから、岩盤部及びH断層系は地震時に発生する応力に対して健全性を有していると判断しております。
33ページにまいります。33ページと34ページの第3.1-5表から第3.1-8表、4つのグラフがありますけれども、こちらに4つの基準地震動に対する3号機原子炉建屋基礎底面両端の鉛直方向の相対変位の時刻歴及び最大相対変位と最大傾斜について示しております。
これらの中で、Ss-DH、Ss-DVに対する評価におきまして相対変位が最大となりまして、その最大相対変位は1.06cmとなっております。このときの基礎底面の傾斜は8,100分の1となりましたが、この値は耐震設計上、重要な機器・配管系の安全機能に支障を与えるものではありませんでした。
以上によりまして、3号機原子炉建屋基礎地盤が基準地震動Ssによる地震力に対して十分な支持性能を持つことを確認いたしました。
35ページにまいります。「3.2 4号機評価結果」について説明します。
まず「3.2.1 すべり安全率」ですけれども、36ページをごらんください。4号機では、想定すべり面は5つ設定しております。1つ目が原子炉建屋底面沿いのすべり、2つ目と3つ目が建屋底面と砂岩層とH断層系の複合すべり、4つ目が砂岩層沿いとH断層系の複合すべり、5つ目がモビライズド面とH断層系の複合すべりです。
すべり安全率は、3号機同様に、すべり面1の原子炉建屋底面沿いのすべりで最小となっておりまして、最小すべり安全率は3.1となっております。これは評価基準値1.5を上回っておりまして、すべりに対して十分な安全性を有していると判断しております。
37~39ページに、基準地震動Ss-1、Ss-2、Ss-3のすべり安全率の評価結果を示しております。3号機と同様に、いずれもすべり面1の原子炉建屋底面沿いのすべり安全率が最小となっております。
また、4つの基準地震動で比べますと、3号機同様に、Ss-DH、Ss-DVによる評価におきまして、すべり安全率が最小となっております。
40ページにまいります。40~43ページにかけまして、4つの基準地震動に対する4号機の要素ごとの安全係数の評価結果を示しております。こちらも3号機と同様に、地表付近及び建屋隅角部の一部に引張応力の発生した要素がありますけれども、小さな範囲にとどまっております。
また、せん断強度に達した要素はありませんでした。
要素ごとの安全係数につきましては、3号機同様、大部分の領域で安全係数2以上を確保しております。
これらのことから、4号機におきましても、岩盤部及びH断層系は地震時に発生する応力に対して健全性を有していると判断しております。
44ページにまいります。44ページと45ページに、こちらも4つの基準地震動に対する4号機の原子炉建屋の基礎底面両端の鉛直方向の相対変位・傾斜の評価結果を示しております。
これらの中で、Ss-DH、Ss-DVに対する評価において相対変位が最大となっておりまして、最大相対変位は0.96cmとなっていまして、このときの傾斜は8,700分の1となりましたが、この値は耐震設計上、重要な機器・配管系の安全機能に支障を与えるものではありませんでした。
以上より、4号機原子炉建屋基礎地盤が基準地震動Ssによる地震力に対して十分な支持性能を持つことの確認を行いました。
以上で、原子炉建屋基礎地盤の安定性評価の説明を終わります。
- 衣笠主査
-
続いて、周辺斜面もお願いします。
- 説明者(藤井)
-
続きまして、地質W3-6になりますけれども「周辺斜面の安定性」について説明させていただきます。
1枚めくっていただきまして「目次」ですが、資料は大きく「1.評価方針」「2.3,4号機周辺斜面の状況」「3.評価斜面の選定」「4.評価方法」「5.評価結果」となっておりまして、これに従いまして説明させていただきます。
まず「1.評価方針」でございますが、耐震設計上重要な機器・配管系を内包する建物・構築物と周辺斜面の離間距離に基づきまして安定性評価の対象とすべき斜面を抽出します。
抽出した斜面の安定性評価におきましては、基準地震動Ssによる地震力に対して、施設の安全機能に重大な影響を与えるような崩壊を起こさないことを確認するために、すべりに対する安定性を評価します。
なお、以降の説明におきましては、耐震設計上重要な機器・配管系を内包する建物・構築物につきまして「対象施設」というふうに称したいと思います。
2ページをごらんください。「2.3、4号機周辺斜面の状況」について説明いたします。
周辺斜面は原子炉建屋の北側から東側にかけて位置しておりまして、斜面高さはおよそ7~50mとなっております。斜面勾配は1対1.2で、高さ4mまたは5mごとに1.5m幅の小段を設けております。斜面の平均勾配は約1対1.5となります。
3ページの第2-1図に、3、4号機周辺の地表面における地質平面図を示します。3、4号機の周辺斜面の地質は、敷地内の基盤を構成する砂岩・泥岩互層の相良層から成ります。相良層につきましては、この図中で黄緑色、Sgで表示しておりますが、3、4号機周辺斜面のほとんどすべてが相良層から成る斜面であるということがおわかりいただけるかと思います。
なお、3号機原子炉設置位置の西方に北東-南西方向に緩やかな北東にプランジしました向斜軸が存在しておりまして、敷地全体の基盤が北東に開いた舟底型構造を示しております。この構造から、周辺斜面の相良層の地層は、3号機原子炉建屋北側付近におきましては東西から東北東-西南西の走向で、5°~15°の北西側への傾斜となっておりまして、4号機原子炉建屋東側付近では東北東-西南西から北北東-南南西の走向、15°~20°北西側への傾斜となっております。
また、周辺斜面付近には、海岸線にほぼ平行なおおむねN40°~80°W走向、50~80°SW傾斜のH断層系が70~150mの間隔で4本分布しております。
第2-1図の中に、I-I’断面からIV-IV’断面まで表示しておりますが、これらの位置での地質断面図を4ページと5ページに示しております。
4ページをごらんください。まず第2-2図の地質断面図ですけれども、こちらにつきましては4号機原子炉建屋北側のI-I’断面における地質断面図でございます。
I-I’断面では、斜面切取り面の上部付近に海側傾斜のH-4断層が分布しております。また、凝灰岩を示しておりますけれども、この凝灰岩の向きから相良層が斜面に対して緩やかな差し目構造となっているということがおわかりいただけるかと思います。
第2-3図でございますが、こちらは4号機原子炉建屋の北東側のII-II’断面におけます地質断面図でございます。
II-II’断面におきましては、凝灰岩の向きから相良層が斜面に対しまして緩やかな流れ目的な構造となっています。
5ページにまいります。第2-4図ですが、こちらは4号機の原子炉建屋の東側のIII-III’断面におけます地質断面図です。
III-III’断面では、凝灰岩の向きから相良層が斜面に対して緩やかな流れ目構造となっていることがおわかりいただけるかと思います。
また、斜面の上部には地表面付近に風成砂層及び沖積層が分布しております。また、斜面の法肩から80m程度山側に入ったところに、海側傾斜のH-3断層が分布しております。
第2-5図でございますが、こちらはIV-IV’断面における地質断面図です。
IV-IV’断面では、斜面の法肩付近に海側傾斜のH-2断層が分布しております。凝灰岩の向きから相良層が斜面に対して緩やかな差し目構造となっています。
また、斜面上部には地表面付近に風成砂層及び沖積層が分布しています。
以上が、3、4号機の周辺斜面の地質状況の説明でございます。
6ページにまいります。「3.評価斜面の選定」について説明いたします。
「原子力発電所耐震設計技術指針 JEAG4601-1987」では、斜面崩壊事例の到達距離に関する分析結果に基づきまして、安定性評価の対象とすべき斜面は斜面法尻と対象施設の離間距離が約50m以内あるいは斜面高さの約1.4倍以内の斜面としています。
7ページの第3-1図におきまして、太い黒線で囲って表示したものが対象施設、すなわち耐震設計上重要な機器・配管系を内包する建物・構築物となります。これに対しまして、黒の実線が斜面法尻からの離間距離が50mの位置、それから、黒の破線が斜面高さの1.4倍の位置を示しております。
第3-1図からおわかりのとおり、対象施設は、これらを目安とする範囲から離れておりますので、周辺斜面が対象施設の安全機能に重大な影響を与えるおそれはないと考えております。
8ページにまいります。第3-1表に斜面と対象施設との離間距離を一覧にまとめております。なお、斜面ナンバーの(1)~(4)は、先ほどの7ページの第3-1図に斜面部に記載したマルを付けた番号に対応しております。また、ローマ数字は先ほど4ページと5ページで説明しました地質断面図の断面番号に対応しております。
第3-1表に示しますとおり、(3)の斜面につきましては対象施設との離間距離が56m、斜面高に対する離間距離の比が1.9倍ということで、JEAGの目安値であります離間距離約50m、離間距離の比約1.4倍は確保しておりますけれども、余裕が比較的小さいことがわかります。
(3)以外の斜面につきましては、JEAGの目安値に対して十分な余裕を有していると判断しております。
これらのことから、周辺斜面が対象施設の安全機能に重大な影響を与えるおそれはないと考えておりますけれども、念のためとしまして、JEAGの目安値に対する余裕が比較的小さい(3)斜面を評価斜面として選定しまして、基準地震動Ssによる地震力に対する安定性評価を行うこととしております。
以降では、(3)斜面の安定性評価の方法及び結果について説明いたします。
9ページにまいります。まず「4.評価方法」です。
解析断面ですが、先ほどの7ページの第3-1図に示します評価斜面の(3)斜面の中で、斜面高さが最も高いA-A’断面を解析断面としています。なお、このA-A’断面は地質断面図の第2-4図のIII-III’断面と同じ断面位置となります。
10ページにまいります。第4.1-1図は、A-A’断面の解析用要素分割図になります。
地盤部のモデル化につきましては、先ほど説明しました地質断面図III-III’断面を基に、左上の凡例で示しますとおり、斜面を構成する相良層の岩盤部及び斜面上部に分布する砂、シルトをモデル化しております。なお、ここでは風成砂層を砂、沖積層をシルトと呼んでおります。
岩盤部は、原子炉建屋基礎地盤と同様に、砂岩と泥岩をそれぞれ要素分割するのではなくて、互層岩盤としてモデル化しております。砂岩・泥岩の互層岩盤としての物性値の設定方法につきましては、後ほど補足説明資料にて説明いたします。
H断層系につきましては、解析モデルの領域内には斜面の法面部から離れた場所にH-2及びH-3が分布しておりますけれども、流れ目となる砂岩層沿いの想定すべり面から離れていることから、H断層系はすべり安定性に支配的にはならないというふうに判断しまして、これらのモデル化はしておりません。
また、斜面上部の破線で囲った部分に建物がありますので、これはモデル化しております。
地盤の速度層区分につきましては、4号機増設時に実施しましたPS検層の結果に基づいて設定しております。
11ページの「4.1.2 解析用物性値」について説明します。解析用物性値の設定につきましては、既往の試験結果に基づき設定しています。
12ページをごらんください。第4.1-1表は、解析用物性値の種類と設定の根拠となる試験について示したものです。
岩盤部につきましては、評価斜面近傍の4号機原子炉建屋基礎地盤の試験結果から設定しています。
砂、シルトにつきましては、5号機増設時の試験結果に基づき設定しておりまして、室内試験として密度試験、三軸圧縮試験、動的三軸試験の結果を、現位置試験としてPS検層結果を用いております。
13ページにまいります。第4.1-2表は解析用物性値の具体的な数字を示したものです。
岩盤部につきましては、4号機原子炉建屋基礎地盤と同様な解析用物性値を用いております。
14ページにまいります。こちらでは「4.1.3 入力地震動」について説明いたします。
15ページの第4.1-2図は、入力地震動の考え方を模式的に示したものですけれども、原子炉建屋基礎地盤の安定性評価における入力地震動と同様な考え方でございます。
入力地震動は、一次元の解放地盤モデルを用いて設定しまして、解放基盤表面で定義されます基準地震動SS用いて、一次元波動論による応答計算を行いまして、地震応答解析モデルの入力位置、ここではT.P.-94mになりますが、そこで評価したものを地震応答解析の入力地震動として用いております。
なお、基準地震動Ssは、15ページの上の第4.1-3表に記載した4つの基準地震動になりますけれども、安定性評価は4つの地震動すべてに対して実施しています。
また、解析に使っています地下水位ですが、地表面位置に設定しております。
16ページ「4.2 解析手法」についてですが、こちらは原子炉建屋基礎地盤の解析手法と同様としています。
具体的には、17ページの第4.2-1図の安定性評価フローにおいて説明いたします。
まず、右側の「地震時荷重」の流れですが、基準地震動Ssから地震応答解析モデルに用いる入力地震動を定めまして、それを用いまして地震応答解析を実施して動的応力を求めています。地震応答解析は、二次元動的有限要素法解析を用いて、周波数応答解析手法を用いまして、等価線形化法により動せん断弾性係数及び減衰定数のひずみ依存性を考慮しておりまして、水平地震動と鉛直地震動による応答を考慮しております。
次に、左側の「常時荷重」についてですが、二次元静的有限要素法解析により常時応力を求めております。常時応力は、地盤の自重計算により求まる初期応力、地山掘削に伴う解放力及び斜面上部の建物荷重を考慮して求めています。
動的応力と常時応力を重ね合わせて、地震時の応力を求めまして、すべり安全率を算定して、安定性を評価しております。
18ページにまいります。「4.3 評価内容」です。
すべりに対する安定性は、想定すべり面におけるすべり安全率により評価いたします。
すべり安全率は、想定したすべり面上の応力状態を基に、すべり面上のせん断抵抗力の和をすべり面上のせん断力の和で除して求めています。
想定するすべり面は、互層岩盤のうち強度の小さい砂岩層沿い及び岩盤中の応力状態を考慮して設定したすべり面でありますモビライズド面としておりまして、これらを組み合わせて想定すべり面を設定しております。
なお、引張応力が発生した要素につきましては、原子炉建屋基礎地盤の安定性評価と同じ扱いをしております。引張面の方向がすべり面方向と±20度以内の角度で交差する場合には強度定数をゼロとしまして、それ以外の場合は残留強度に落としております。また、せん断強度に達した要素につきましては残留強度を用いることとしております。
19ページにまいります。「5.評価結果」について説明いたします。
まず、想定すべり面におけますすべり安全率でございますが、20ページをごらんください。第5-1表は、基準地震動Ss-DH、Ss-DVにおけます想定すべり面形状ごとの最小すべり安全率及びその発生時刻を示したものです。
想定すべり面は5つ設定しております。1つ目から3つ目が砂岩層沿いのすべり面で、深さを変えてすべり安全率を算定しています。4つ目がモビライズド面のすべり、5つ目がモビライズド面と砂岩層沿いの複合すべりでございます。
すべり安全率は、すべり面3の砂岩層沿いのすべりで最小となりまして、最小すべり安全率は2.1となりました。これは評価基準値1.2を上回っており、すべりに対して十分な安全性を有していると判断しております。
21~23ページにかけましては、基準地震動Ss-1、Ss-2、Ss-3のすべり安全率の評価結果を示しております。いずれもすべり面3の砂岩層沿いのすべりで安全率が最小となっております。
4つの基準地震動で比べますと、いずれのすべり面形状におきましてもSs-DH、Ss-DVによる評価においてすべり安全率が最小となっております。
24ページをごらんください。第5-1図はSs-DH、Ss-DVの最小すべり安全率発生時刻におけます要素ごとの安全係数を示したものです。
凡例を右上に表示しております。まず、引張応力が発生した要素ですけれども、斜面部の地表面付近及び斜面後背部の地表面付近の一部の範囲にとどまっています。
また、せん断強度に達した要素はありません。
要素ごとの安全係数は、斜面表面付近のごく一部に1.5を切る要素がありますが、それ以外の大部分の領域で1.5以上を確保しております。
これらのことから、斜面は地震時に発生する応力に対して健全性を有しているということを確認いたしております。
25~27ページに、基準地震動Ss-1、Ss-2、Ss-3の最小すべり安全率が発生した時刻の要素ごとの安全係数をそれぞれ示しております。
これらの地震動につきましても、引張応力が発生した要素はありますけれども、いずれも斜面部の地表面付近及び斜面後背部の地表面付近の一部の範囲にとどまっています。
また、いずれの地震動においても、せん断強度に達した要素はありません。
これらのことから、評価斜面は地震時に発生する応力に対して健全性を有していると判断しております。
最後に、19ページに戻ります。最後の段落の部分でございます。これまでの評価結果をまとめております。
3、4号機の周辺斜面につきましては対象施設との離間距離が十分確保されており、施設の安全機能に重大な影響を与えるおそれはないと考えておりますけれども、念のためとしまして、離間距離が比較的小さい斜面につきまして基準地震動SS用いた安定性評価を行った結果、地震時のすべりに対して安定性を有することを確認いたしました。
以上で、周辺斜面の安定性評価についての説明を終わります。
- 衣笠主査
-
ありがとうございました。それでは、今、説明いただきました資料について質問等がありましたらお願いいたします。
どうぞ。
- 伊藤委員
-
考え方を教えていただきたいんですが、解析モデルの作成について原子力発電所基礎の方なんですが、W3-5の8ページのところで、解析モデルをつくるに当たって断層のモデル化なんですけれども、先ほど地質の方でもお話があったんですが、膨縮をしているということで、断層の幅をどういう考え方でモデルの中に取り込んだかということについてお尋ねしたいと思います。
と申しますのは、地質の方ではH-1からH-4まで、一応、断層幅の記載があるんですけれども、これがトレンチと縦坑だけ、あるいは試掘坑の中だけでしか見ていない。それに対して、ボーリング柱状図を見ると、断層が深いところでの断層幅も確認できているようなので、そこら辺、どういう形でモデル化したかという点を教えていただきたいというのが1点目。
同じくモデル化の話なんですが、W3-5の8ページのところで「2.4.2 解析用建屋モデル」というのがございます。これはそこに書いてあるように、質点系モデルを基に建築屋さんに合わせたということだと思うんですが、今回の検討では地震動を4つ使ってございますね。4つとも別々に原子炉建屋の有限要素法のモデルをつくられてやったのか、それとも、一番危険側のもののモデルで、例えば反力とか応答値とかそういうものの一番厳しいものを建屋モデルに使ったのか。そこら辺について教えていただきたいということでございます。
- 衣笠主査
-
それでは、お願いします。
- 説明者(藤井)
-
まず、H断層系の幅のモデル化の考え方ですけれども、これにつきましては、先ほど地質のところに一部、幅の記載がございましたけれども、これまでの調査結果で得られております地層混交帯の幅と落差の関係を整理いたしまして、それらを保守的に包絡するような形で設定しておりまして、実際に使っておりますのは幅2mとしております。
続きまして、解析用の建屋モデルについてでございますけれども、地震動ごとに変えているのかという御質問でございましたが、これは地震動ごとに変えているということはしておりませんで、もともと、水平動の質点系モデル、上下動の質点系モデル、それぞれをつくりまして、その両方の地震応答特性を模擬できるようなFEMによります建屋モデルをつくりまして、そのモデルで計算しております。
- 伊藤委員
-
そうしますと、後半の部分ですが、どれが一番厳しい応答値になっているかということの確認は、地震動によっては比較検討はされていないということで理解してよろしいですか。
- 説明者(深谷)
-
中部電力の深谷でございます。基礎地盤の安定性の中では、すべり安全率を評価するということでございまして、建屋モデルとか建屋の応答の厳しいか厳しくないかという方は、別途、構造WGの方で応答値の大小は比較されていると思います。
- 説明者(河村)
-
すみません、替わりまして河村と申します。そもそも建屋モデルというのは応答特性を合わせるものですから、一次固有周期とか二次固有周期とか、固有周期とモードを合わせることが大事ですので、地震動によってモデルが変わるということはそもそもないというものでございます。
- 伊藤委員
-
でも、加速度の最大値分布は変わってくると思いますが、モードで合わせたということで理解すればいいですか。
- 説明者(河村)
-
はい。
- 伊藤委員
-
わかりました。どうもありがとうございます。
もう一点は、先ほどの件の幅2mですけれども、そうすると19ページのH断層系の幅で、H-3は3.5mとか2.8mありますが、これはどういうふうにお考えになったんでしょうか。
- 説明者(藤井)
-
2.8mとか3.5mといった部分は、恐らく2号機の原子炉建屋近傍の表記だったと思いますけれども、今回、3、4号機ということで、3、4号機周辺の落差と幅の関係を整理して2mという幅を設定しております。
- 伊藤委員
-
わかりました。どうもありがとうございます。
- 衣笠主査
-
どうもありがとうございました。ほかに御質問はありますでしょうか。
どうぞ。
- 高島委員
-
例えば、W3-5の7ページのフローを見ていただきたいんですけれども、基本的に地盤の安定性を評価するときというのは、評価基準には明記されていないんですけれども、支持力について十分安全かどうかという議論があった後に、あるいは別でもいいんでしょうけれども、その後、すべり安全の問題ですとか沈下とローテーションの問題を扱うべきで、直接明記されていなくても、例えば、今、議論に出ましたが、建屋の安定解析とは少し、地盤ばねから反力分布を持ってきたりして違いますけれども、どう見ても大丈夫ですという説明というのはきちんとしていないと変かなと思います。
- 衣笠主査
-
ありがとうございました。それでは、支持力のことは、今、簡単にお答えいただくか、あるいは次回以降、何か資料をお出しいただくかですね。
- 説明者(藤井)
-
この場で簡単に答えさせていただきますが、支持力につきましては評価しておりますけれども、今回、バックチェックルールの中に記載されていなかったということで、報告書の中には入れておりませんが簡単に結果を申しますと、3号機、4号機で支持力試験というものをやっておりまして、その結果が約22N/mm2という支持力があるんですけれども、それに対しまして、今回の地震応答解析から得られております鉛直方向の地震時の最大応力が約1N/mm2程度ということでございますので、十分な支持力に対する安全性は確保しているということは確認しております。
- 衣笠主査
-
ありがとうございました。
今の点は、バックチェックルールにないけれども、やはり書いておいた方がいいという御判断でしょうか。
- 高島委員
-
まさにそう思います。
- 衣笠主査
-
それでは、その辺りは保安院の方と相談をして、必要があればそれも入れていただくということでお願いをしたいと思います。
どうぞ。
- 吉中委員
-
私も、今の御指摘のとおりで、地盤の安定性は建物の支持力、地盤のすべり、それから、高い構造物であれば転倒ということになるんですけれども、支持力、すべりというのは不可分なものですので、当然、入れておくべきものではないかと思います。それは先ほどの御意見に対する賛成といいますか、同じ意見を持っているということなんです。
質問なんですが、この相良層は砂と泥岩の3対7の割合の互層地盤であるという御説明だったんですが、この3対7を応力解析、強度解析するときにどのように反映されたのか。個々の層ごとにはやっていないという御説明があったんですが、一括して評価した理論的背景がどうなのかというのは説明しておかないとわかりにくいのではないかと思います。
以上です。
- 衣笠主査
-
ありがとうございました。
どうしましょうか。それは地質W3-7のところに書いてありますね。
- 説明者(藤井)
-
詳細につきましては、次に用意しております地質W3-7の補足説明資料の中で、互層岩盤の考え方、物性の設定方法について示しておりますので、そちらで説明させていただきたいと思います。
- 吉中委員
-
わかりました。
- 衣笠主査
-
それでは、この場で、W3-5、W3-6に対する議論を打ち切るわけではないんですけれども、コメントがありましたので、この場で地質W3-7の説明をいただきましょうか。
- 吉中委員
-
後でも結構です。
もう一つ続きなんですが、周辺斜面はあまり影響といいますか、離れているのでということなんですけれども、ここに使っている物性値は原子炉建屋のものをそのまま運用したということなんですが、ここは出っ張りで、かぶりも薄いし、それから、水も流れる構造を持っているし、本来ならばサンプリングして、前の基礎地盤の深部のデータそのままを設計値に使うのではなくて、やはり多少は岩盤掘削の影響もあるし、影響による緩みもあるし、それから、将来起こるであろうし、そういったことを考慮して、やはり多少の物性値の変化を、ばらつきの中でもいいですけれども、考慮しておくべきではないかという感じがしております。
以上です。
- 衣笠主査
-
ありがとうございました。
今のコメントは、どう扱ったらいいのか、私も困っているんですが、先生のおっしゃるとおりだと思いますが、差し当たって安全率で2.1があるし、JEAG4601で検討しなければいけない斜面に入っていないということもあるので、今後、そういうことにも注意していただくというようなことではいけないでしょうか。
- 吉中委員
-
それで結構だと思います。
ただ、斜面にはそういうことがあるということを、今後、これがサンプルにならないようにしていただきたいと思います。
- 衣笠主査
-
ありがとうございました。
どうぞ。
- 大西委員
-
地質W3-6の20ページでございますが、そこの図面に「砂岩層沿いのすべり」と書いてありますね。この「砂岩層沿い」という言葉を前の説明、断面図等で示されてないんです。これが一体何を意味しているのか、この資料ではわからないので、地質断面図にもし書くのであれば、きちっとそういうものを入れておいていただいて、そこで評価しているという説明を加えておいていただきたいと思います。
コメントだけであります。
- 衣笠主査
-
ありがとうございました。
- 説明者(藤井)
-
地質断面図の中で、確かにおわかりにくかったかと思います。
基本的に、相良層という形で白で表示してあるところが砂岩と泥岩の互層となっておりまして、砂岩層はサンドイッチ上に順番に入っていきます。それで砂岩と泥岩で強度を比べますと、物性値一覧表に載せておりますように、砂岩の方が比較的小さいということがありますので、もし、すべりを想定するとすれば、サンドイッチ状に入っている砂岩層沿いになります。
砂岩層は、ある特殊な部分にだけ入っているというわけではなくて、満遍なく、ある方向を持って入っておりますので、そのためにこういった深さを変えて、砂岩層沿いを想定してパラメータースタディ的に安全率を計算しております。
- 大西委員
-
そうなると、先ほど吉中先生がおっしゃった互層の取扱いをどうするかというところに、その評価がきちっと入ってこないと、この説明だけではわからなくなってしまいますので、それと関連して説明していただければと思います。
- 衣笠主査
-
それでは、この後、地質W3-7を説明するときに、今のことも注意して説明をしてください。
それ以外に、地質W3-5とW3-6について御質問・御意見等ありますでしょうか。
それでは、もしありませんようでしたら、ひとまず地質W3-7の説明をいただいて、また必要に応じて振り返るということにしたいと思います。
それでは、地質W3-7の説明をお願いしたいと思います。
- 説明者(深谷)
-
それでは、お手元の資料の地質W3-7「原子炉建屋基礎地盤の安定性評価について(補足説明)」という資料について、御説明させていただきます。
1ページめくっていただきまして、まず目次ですが、この補足説明資料の中には、大きく言って「I.地盤物性について」と前回コメントをいただきました「II.地震応答解析における水平及び鉛直地震動の取扱いについて」。この大きな2項目について記載しております。
地盤物性について、これから御説明しますが、まず「1.解析用物性値設定の流れ」「2.解析用物性値の設定方法」「3.岩盤部の解析用物性値」「4.H断層系の解析用物性値」という順番で御説明させていただきます。
I-1ページから「I.地盤物性について」を御説明させていただきます。
I-2~I-3ページですが、これは「1.解析用物性値設定の流れ」ということで記載しております。
解析用物性値の設定に当たっては、まず原子炉建屋基礎地盤を構成する砂岩と泥岩の均一性を検討するため、地盤物性の場所的変化について調査を行っております。これは深度150mのボーリングから採取した試料による試験を行いまして、地盤物性は場所的に大きな差異は認められないことを確認しております。
この150mボーリングの場所ですけれども、I-3ページに4号機を例に取っています。この4号機の試掘坑平面図と4号機原子炉建屋が点線の四角で書いておりますが、その図の中で◎でB-1、B-2、B-3、B-4、B-5と書いてある場所で150mボーリングを行っております。
I-2ページに戻ります。次に岩盤部、泥岩や砂岩及びH断層系の物性としての調査として、試掘坑などで採取した試料による試験やPS検層及び微小区間弾性波試験を行って、原子炉建屋基礎地盤などの解析用物性値を設定しております。この流れですけれども、その下の図1-1に流れのフローを示しております。
I-3ページに各試験やサンプルを行った場所について、4号機の試掘坑平面図を例にとって説明しています。
I-3ページでございますが、岩石の試料については大きな丸で書いてあるA-1、A-2、A-3というところで試掘坑内で岩石の試料を採取しております。
地層混交帯、H断層系につきましては、上部のF坑、南部のI坑、J坑というところで試料を採取しております。
I-4ページですが、具体的な解析用物性値の設定方法でございます。
「2.1 解析用物性値の設定に用いる試験」といたしまして記載しております。岩盤部及びH断層系の解析用物性値の種類と、その設定に用いる試験について、下の第2-1表に示します。
岩盤部については、密度試験、三軸圧縮試験、PS検層、動的三軸圧縮試験、圧裂試験等によって設定しております。H断層系についても同様の試験で設定しております。
その下に書いてあるんですが、表2-1において、下線を付けた三軸圧縮試験、動的三軸試験、微小区間弾性波試験は、4号機増設時に新知見を反映した試験方法に変更しております。これを考慮いたしまして、3号機、4号機ともに4号機増設時の試験結果によって設定しております。
I-5ページに行きまして、こちらの第2-2表に3号機増設時と4号機増設時の試験方法及びその変更点を書いております。
まず岩盤部ですが、試験対象となったものは三軸圧縮試験と動的三軸試験でございます。三軸圧縮試験については、排水条件が非圧密非排水試験で行っておりまして、こちらの場合、3号機の当時はピーク強度の確認のみまでを行っておりましたが、4号機のときには岩石の排水条件を変更したことと残留強度を確認するという作業まで入れましたので、こちらが変更点になっております。
動的三軸試験については、4号機の方で試験を実施しておりますので、こちらを採用しております。
H断層系につきましては、三軸圧縮試験、動的三軸試験ともに3号では行っておるんですけれども、圧密による影響を考慮ということで、4号機の方で排水条件を圧密非排水試験ということで変えておりますので、こちらを考慮しております。
H断層系については、弾性波試験でVs、Vp等を取るんですけれども、3号機増設時の試験方法としましては、弾性波試験は行っておるんですけれども、その受信間隔が長めの2.5mでやっておりまして、4号機のときにその受信間隔を狭めた微小区間弾性波試験というものに変更しておりますので、こちらの4号機の試験結果の方を採用することといたしました。
なお、3号機の解析用物性値に4号機における試験結果を用いることの根拠については、下の(1)、(2)のとおりと考えております。先ほど冒頭でも御説明いたしました既往の調査において、地盤物性は平面的、深度的にほぼ一様であることを確認しております。
(2)ですが、3号機と4号機で試験方法を変更していない物理試験の結果、及びPS検層の結果に基づくせん断波速度はほぼ同様となっております。こちらの結果ですが、その下の第2-3表。こちらは物理特性の比較、泥岩、砂岩について、3号機と4号機のそれぞれの試験結果、単位体積重量、含水比等を比較しておりますが、ほぼ同様になっています。
その右の図が3号機と4号機のせん断波速度Vsの比較でございますが、ほぼ同じような結果となっております。
I-6ページ「2.2 設定方法」ですが、解析用物性値の設定においては、深度約150mのボーリングから地盤物性は場所的に大きな差異は認められないことを確認していること、及び解析用物性値設定のために行った試験は、十分な数量を実施していることから、当該地盤に対する試験結果の代表性は十分確保されていると考えております。また、基礎地盤の安定性評価の結果、先ほど御説明がありましたが、評価結果の余裕度も十分あることから、解析に用いる物性値は試験結果の平均値を基に設定するものとして考えております。
「3.岩盤部の解析用物性値」の具体的な試験結果と設定の方法について説明を行います。
I-7ページが岩盤部の解析用物性値のうち「3.1 強度特性」。これはせん断強度についてですが、こちらについて記載しております。
泥岩及び砂岩のせん断強度については、圧裂試験及び三軸圧縮試験の結果に基づいて設定しております。
次のページ以降で、試験結果及びその設定方法について示しますが、前回御意見をいただきましたせん断強度の表示における低応力部及び高応力部についての説明ですが、I-7ページの下に参考図として書いております。
岩石については、ピーク強度については低応力部、高応力部といったバイリニア型の線を採用しております。下の残留強度におきましては、側圧ゼロのときにせん断強度ゼロにするということを考慮しまして、低応力部1というものを追加しております。なお、岩石については、この低応力部1については、円の式で表現することとしております。
では、具体的な試験結果とフローですが、I-8ページ。こちらが「第3.1-1図 泥岩のせん断強度の設定」ということでございます。
こちらに表や図が書いてありますが、一番左上の表1が圧裂試験の結果の表でございます。供試体採取位置が先ほど冒頭で申し上げた試掘坑平面図にも記載してありますが、その5ゾーンで試料を採取しまして、試験個数は全部で25個試験を行っております。
この表の中で試験結果、σtと書いてあるのが引張強度でございます。
その下、表-2が三軸圧縮試験結果でございます。三軸圧縮試験結果ですが、試験個数ですが、表の右下に書いてありますとおり、全部で140個の試験をやっております。側圧については、0、0.1、0.29から1.96まで全部で7側圧行っております。こちらが試験結果となっておりまして、試験の中に書いてある結果については、試験時の破壊時の強度として、σ1-σ3、すなわち軸差強度としております。
具体的な強度特性の設定の流れですが、左の一番下の「図-1 強度特性の設定の流れ」として記載しております。
左側の図のように側圧σ3と縦軸軸差強度のグラフ上に上記の圧裂試験の結果及び三軸圧縮試験の結果をプロットいたします。そちらから折れ点を見つけ出しまして、低応力部、高応力部と分けます。その各低応力部、高応力部につきまして、近似線、平均的な線をそれぞれ求めます。切片をB、傾きをAという表現をいたします。こちらから右のσ-τの関係に変換するんですけれども、こちらの関係式についてはその矢印の上のτ0とφの式で変換しております。これを変換することによって、σ-τ、せん断強度の関係式のτ0というのとφというのを算出しております。
I-8ページの右上に具体的な試験結果そのものをプロットしたものと先ほどの平均線を書いたものを記載しております。こちらの丸はすべて試験結果をプロットしております。真ん中の太い線で書いたものが平均でございまして、上下に点線で書いてあるものが参考として、ばらつきの程度ということで、平均プラスマイナス標準偏差の線を書いております。
そのばらつきの値でございますが、グラフの左上に標準偏差1.58N/mm2となっております。
図の中の右下に各係数ということで、A1とB1を記載しておりますが、そのA1とB1というのは同じページの左下の先ほどの設定の流れで示しましたAとBのそのものの値でございます。
そこから各係数の変換を行いまして、その下のσ-τのグラフですけれども、これが実際に設定したせん断強度でございます。残留強度も同様な手順で設定しておりまして、ピークと残留の大きさの違いを見ていただくよう、同じグラフの中で残留強度についても記載しております。
強度が高い方がピーク強度でございます。同じように点線で平均と標準偏差について記載しております。
各τ0やφについては、ピーク強度や残留強度のグラフの下の表に記載しておりますので、ごらんください。
折れ点でございますが、特に解析上の応力レベルから定めるということは行わず、実際にグラフにプロットした上で折れ点を見つけ出しています。
I-9ページでございます。こちらは砂岩のせん断強度の設定について、同じように記載したものでございます。設定の流れは先ほどの泥岩と同じでございますので、細かい説明は省略させていただきますが、最後にσ-τのところでピーク強度、残留強度が比較的接近しているという結果でございました。
I-10ページに移ります。こちらから動的変形特性、動せん断弾性係数及び減衰定数の設定について御説明いたします。動的変形特性のうち、初期動せん断弾性係数はPS検層結果に基づき設定し、動せん断弾性係数のひずみ依存性及び減衰定数のひずみ依存性については、泥岩・砂岩の動的三軸試験結果に基づいて設定しております。
では、次のページから具体的な試験結果について御説明いたします。
I-11ページでございます。こちらは3号機及び4号機の増設時にPS検層を行っておりますが、それの調査位置図でございます。図の中でメッシュ状に切ってありますが、メッシュ1つのグリットが100mでございまして、図面の中の凡例で○と□に番号がふってありますが、○については3号機増設時に行ったPS検層の調査孔、□については4号機増設時の調査で行った調査孔でございます。3号機の方は16孔、4号機は11孔ございます。
次のページから具体的なPS検層の結果でございます。I-12ページ、こちらは全16孔のPS検層、VsとVpの結果について記載しております。黒い太線の方がVs、細い方がVpとなっております。
I-13ページ。こちらが4号機増設時にPS検層を行った結果でございます。同じように試験孔11孔について記載しておりますが、その中で右下の2つ、3605孔と3607孔については注釈でもお書きしましたが、3号機増設に実施した結果であり、4号機の速度層区分の設定に用いております。
ページを戻りますが、I-11ページの先ほどの調査位置図を見ていただくと、4号機原子炉建屋と3号機原子炉建屋のちょうど間ぐらいにHのラインですが3607、その左を見ますと3605と書いてありますが、こちらの2本については4号機の解析用物性値の中で用いているということでございます。
先ほどの試験結果を整理いたしまして、解析用物性値としてまとめたものですが、I-14ページからそちらを示していきたいと思います。
I-14ページは、3号機の安定性評価のためにまとめたせん断波速度と解析用物性値でございます。上が先ほどのそれぞれの試験結果から定めたせん断速度でございます。
真ん中の実線が平均でありまして、両サイドの破線。こちらはばらつきの参考情報としまして、点線で記載しております。なお、ばらつきの指標でございますが、変動係数で8~10%という結果となっております。
下の表ですが、こちらは実際に解析で用いている初期動せん断弾性係数G0や動ポアソン比について記載しております。
I-15ページ。こちらも先ほどの3号機と同じように4号機の安定性評価のために定めたものでございます。こちらは上の図の左下にばらつきの指標を書いておりますが、変動係数で4~13%と若干大きい値の方が3号よりもやや大きめになっております。
下には初期動せん断弾性係数G0やポアソン比を記載しております。
I-16ページでございます。こちらは動せん断弾性係数や減衰定数のひずみ依存性を調べるために、動的三軸試験をした結果でございます。上が泥岩の動せん断弾性係数のひずみ依存性の結果でございまして、側圧は5種類で、各側圧について3個試験を実施しております。
下が、泥岩の減衰定数のひずみ依存性の結果でございます。
I-17ページでございます。こちらも同様の図ですが、こちらは砂岩の試験結果でございます。試験の側圧、試験の個数については泥岩と同じものを用いております。
I-18ページでございます。先ほど御意見をいただきました互層岩盤として解析を行っているものですから、それを砂岩、泥岩の個々の結果をどのように用いているかということについて説明したものでございます。
上ですけれども、岩盤(砂岩、泥岩互層)の動せん断弾性係数のひずみ依存性を用いているものを記載しております。グラフの中には、先ほどの試験結果の泥岩と砂岩のひずみ依存性についても記載しております。互層岩盤については、そのページの下の注釈に示しておりますが「下記の理論式により、互層岩盤の動せん断弾性係数および減衰定数を設定している」。その中の式のGという式で設定したものがグラフの中の砂岩と泥岩の間に来ている黒い実線でございます。
同じように真ん中の図で3.2-11図でございますが、これは互層岩盤の減衰定数のひずみ依存性でございます。こちらについては下の注釈の中で書かせていただきましたHイコールということで、記載したような数式に従って設定しております。こちらも砂岩と泥岩の間に来るような物性値となります。
I-19ページでございます。前回のワーキングで御意見をいただきました「静的変形特性(静弾性係数)」についての誘導過程について、御説明させていただきたいと思います。
静弾性係数については、三軸圧縮試験より得られた応力~ひずみ曲線を近似することにより設定しております。設定の方法ですが、以下に示します。
まず三軸圧縮試験結果より得られた応力~ひずみ関係の式を(1)式で表現しております。この中で右辺に書いてある(σ1-σ3)fというのは、Aσ3+Bという近似式なんですけれども、こちらはちょっと戻っていただきますと、I-8ページの右上のグラフの中で、低応力部、高応力部となっておりますが、そのA1、B1という係数。先ほど強度の設定の中で近似線をまず求めてから、σ-τの関係で変換すると申しましたが、こちらの軸と側圧の関係の近似式の係数A、BがこちらのI-19ページに戻りますが、こちらのA、Bにそのまま入るという格好で関連性を持たせております。
I-19ページに行きます。係数C、Dについては最小二乗法等で求める係数でございます。(1)式を軸ひずみのε1で偏微分することによって2式で表現し、静弾性係数が求められます。
なお、誠に申し訳ないんですが、この(2)式でございますが、中括弧の中の1-eの-ε1乗と記載しておりますけれども、「1-」はこの数式では必要ありませんので、微分すると消えますので、「1-」は削除していただきたいと思います。申し訳ありません。
このような手順で具体的に設定した静弾性係数の各A、B、C、Dの係数については、I-19ページの下に各係数、低応力部、高応力部それぞれ記載しております。
以上が、静弾性係数の設定のプロセスでございます。
I-20ページにまいります。こちらからH断層系の解析用物性値の設定について御説明いたします。
まず「強度特性(せん断強度)」でございますが、H断層系は砂岩質部、泥岩質部、弱層部により構成されておりますが、H断層系のせん断強度は、その中で弱層部で代表することとし、その弱層部の三軸圧縮試験結果に基づいて設定しております。
試験結果及び設定したせん断強度については、I-21ページに書いております。なお、せん断強度の中で残留強度については低応力部、高応力部と分けておりますが、下の参考図に示したように、低応力部と高応力部の2本の線で表現しております。
では、I-21ページです。具体的な数字で行きますと、一番上に試験結果の表を示しております。側圧は0.1~1.96まで実施しておりまして、試験個数は各3つずつ試験を行っております。
H断層系におきましては、供試体のすべり面におけるせん断力τというものを算出いたしまして、それを直接σ-τのグラフにプロットいたしまして、それの平均線を求めるというような設定方法でやっております。その下、真ん中のグラフが実際に設定した値でございます。
残留強度についてもピーク強度と同様な手順により設定をしますが、低応力部につきましては、σが0のときにτが0ということを考慮いたしまして、直線で結んでおります。ピーク強度の標準偏差0.14、残留強度の方に行きましては0.15ということになっております。
具体的な係数のτ0やφについては、一番下の表に記載しておりますので、ごらんください。
I-22ページでございます。こちらはH断層系の動的変形特性ですが、動せん断弾性係数と減衰定数について御説明いたします。
動的変形特性のうち、初期動せん断弾性係数は微小区間弾性波試験の結果に基づいて設定し、動せん断弾性係数及び減衰定数のひずみ依存性については、弱層部の動的三軸試験の結果に基づいて設定しております。
なお、初期動せん断弾性係数の深さ方向への増加については、動的三軸試験から得られる初期動せん断弾性係数と拘束圧の関係に基づいて設定しております。これらの具体的な結果でございますが、I-23ページに記載しております。
一番上の表が試掘坑の中で実施しました微小区間弾性波試験の結果でございます。その表の中の一番下でございますが、層平均となっているところ、Vpが0.75、Vsが0.38km/sというのが結果でございます。これらから解析に用いる動ポアソン比、νdが0.48、初期動せん断弾性係数G0は290と定めております。
また、その初期動せん断弾性係数の深さ方向の増加については、動的三軸試験の中で求めましたG0と側圧の関係。真ん中の図に示しておりますが、そちらの関係を考慮して設定しております。
一番下の表が実際に解析で用いる物性値として定めたものでございまして、G0、初期動せん断弾性係数については、深さ方向へ増加する値を設定しております。
I-24ページ。こちらがH断層系弱層部の動的三軸試験結果でございます。上の図が動的三軸試験結果の動せん断弾性係数のひずみ依存性の結果でございます。
側圧は岩石と同様に0.1~1.37までの5種類。各側圧について3個ずつ実施しております。その下が減衰定数のひずみ依存性でございます。
以上が動的変形特性についてでございまして、I-25です。こちらは静的変形特性、静弾性係数についてお示ししております。
先ほど岩石について御説明いたしましたが、そちらと同様の手順を追っておりますので、説明は省略させていただきます。具体的な係数については、一番下の表に記載しておりますので、ごらんください。
I-25の真ん中の(2)式でございますが、先ほどと同じように中括弧の中で「1-」というのは削除してください。申し訳ありません。
I-26ページでございます。安定性評価に三軸圧縮試験結果に基づくせん断強度を用いることについて御説明いたします。
原子炉建屋基礎地盤の安定性評価において、せん断強度については静的な試験である三軸圧縮試験結果に基づいた物性値を用いております。これは既往の研究、一番下の参考文献で記載させていただきましたが、1~4番の既往の研究において、動的強度が静的強度を上回ることが報告されていること。更に5号機の調査時に実施した試験により、動的強度が静的強度を上回ることを確認していることによります。
5号機調査時において、岩盤部(泥岩・砂岩)及びH断層系弱層部について実施した動的試験結果について御説明いたします。
試験の方法でございますが「5.1 動的強度試験」。土の繰り返し非排水三軸圧縮試験の基準と、2)や5)の文献を参考にいたしました。
載荷方法ですが、概念図をその下の図に示してあります。まず拘束圧、σ3で圧密後、所定の初期軸差応力σbを載荷します。その後、不規則波の応力レベル、σdiというものを順次上げて載荷を行い、この不規則波が順次上げていったら、5~6レベルで破壊するように実施しました。
試験結果でございます。I-27ページに記載してございます。泥岩、砂岩、弱層部それぞれに試験を実施いたしまして、それぞれのハッチングしてある部分が平均値でございまして、一番右が強度比、分子を動的強度、分母を静的強度ということで、強度比を記載しております。
この強度比が1以上であれば、動的強度は静的強度を上回るということですが、泥岩については1.23、砂岩については平均1.35、H断層系については1.32と、泥岩、砂岩、H断層系それぞれにおいて強度比が1.0を上回っておりますので、動的強度が静的強度を上回ることを確認しております。
I-28ページでございます。前回のワーキングの中で御意見をいただきました、解析用物性値が岩石試験に基づいた物性値を用いていることについて御説明させていただきます。原子炉建屋基礎地盤の安定性評価に用いる強度物性ですけれども、岩石試験に基づく物性を用いております。この理由は以下の1~3に書いてあるところでございます。
まず1ですけれども、有限要素法解析(FEM解析)における要素内の応力は均一であることから、均一な応力状態の試験である岩石試験に基づく物性を用いることは合理的であると考えております。
2番目に、浜岡原子力発電所の基礎岩盤(相良層)は工学的分類では軟岩でありまして、一般的にそのような軟岩については、岩石試験に基づく物性を用いることが多いということです。
3番目ですが、岩石試験に基づく物性値を入力値として、FEM解析を行い、岩盤試験(ブロックせん断試験や岩盤変形試験)が模擬できることを確認しております。この例とて、4号機増設時に実施したブロックせん断試験に対する検討の概要をI-29ページに記載しております。
こちらを簡単に説明しますと、4つの図が入っておりますが、左上が解析のフロー、右が解析モデル、こちらはブロックせん断試験のFEM解析の例でございます。
左下のCが結果、Dも結果でございます。
まず左上の解析フローですが、砂岩、泥岩の互層をそれぞれ要素分割して右のような解析モデルのようなモデル化をいたします。
岩石試験結果に基づいて、砂岩及び泥岩それぞれの強度変形特性を設定いたします。次に岩石の強度変形特性を設定いたします。次に岩石の強度変形特性を入力値としてFEM解析によりブロックせん断試験、実際に行った岩盤試験をシミュレートいたします。
その結果、ブロックせん断試験におけるブロックの水平変位とせん断応力の関係や軸応力とせん断強度の関係等が模擬できることを確認しております。
シミュレーションの結果ですが、下の左がブロック水平変位とせん断応力の関係でして、○のSTEP1、STEP2、STEP3と書いてある方が解析値でございます。隣の十字が試験値です。
右のシミュレーション結果その2という方が、実際の軸応力σとせん断強度τの関係でございまして、●が試験値、○が解析値でございまして、十分模擬ができております。
I-30ページに行きまして「7.初期地圧測定結果」。こちらも前回御意見をいただきましたことに対して御説明いたします。3号機及び4号機それぞれに試掘坑内で初期地圧測定(オーバーコアリング法)によって実施しております。
具体的な結果でございますが、隣のI-31ページは3号機の結果でございまして、上が3号機の試掘坑内で行った試験の場所でございます。その下が結果でございます。
I-32ページ。こちらが4号機の試験の場所と結果でございます。
その結果でございますが、主応力が記載されますが、試験位置における土被り深さ相当圧とほぼ等しく等方であることを確認いたしました。こちらを考慮しまして、原子炉建屋基礎地盤の安定性評価において地盤の自重計算を行って初期応力を算定しております。
I-33ページ。こちらは参考資料でございますが、一番最初の冒頭で150mボーリングによって地盤物性の場所的変化について調査を行ったということでございましたが、そちらのうち三軸圧縮試験結果の例について、参考資料として記載しております。
I-34ページが泥岩についての結果でございます。各場所B-1、B-2、B-3が横に並んでおりまして、縦方向の並びは深さ方向の分割しております。試験は全部で210個やっております。
I-35ページは同じように、こちらは砂岩の結果でございます。
以上が地盤物性、解析用物性値の設定に関する説明でございまして、最後にII-1「地震応答解析における水平および鉛直地震動の取扱いについて」ということで、前回御意見をいただきましたことについて、御説明をさせていただきます。
1ページめくっていただきまして、この資料の最終ページでございますが、そこに記載しております。
地震応答解析ですが、先ほど基礎地盤の安定性評価でも御説明いたしましたように、二次元動的有限要素法により行い、周波数応答解析手法を用いております。そして、等価線形化法により動せん断弾性係数のひずみ依存性及び減衰定数のひずみ依存性を考慮しております。この地震応答解析では、水平及び鉛直地震動による応答を考慮しております。具体的な流れは下の図1で御説明いたします。
まず開始ですが、開始から(1)に行きまして、初期物性として、剛性及び減衰定数の初期値を与えます。
(2)に行きまして、応答計算を行います。水平及び鉛直地震動に対する応答計算を行い、水平及び鉛直地震動によるひずみの各成分を重ね合わせます。
(3)ですが、重ね合わせたひずみの時刻歴から最大せん断ひずみを求め、そちらから有効せん断ひずみを求めます。
(4)に行きまして、この有効せん断ひずみから動的三軸試験結果、先ほど御説明いたしましたが、その結果を基に(3)で求めた有効せん断ひずみに応じた剛性及び減衰定数を求めます。
次に収束判定を行いまして、初期値に与えたものと(4)で決まったものが所定の誤差の範囲内に入るかどうかという収束判定を行いまして、まだ差が開いているということであればNoということで、左の方の(5)物性の更新ということで、応答計算に用いる物性を(4)で求めた物性に更新し、(2)の中にまた再計算を開始します。
そのような収束計算を行いまして、最終的に収束判定を満たしたものが(6)に移ります。最終的な応答値の算定といたしまして、収束判定を満たした剛性及び減衰定数を用いて応答計算を行って終わりとなります。
足早に説明いたしましたが、以上で地質W3-7「原子炉建屋基礎地盤の安定性評価について(補足説明)」の資料を終わらせていただきます。
- 衣笠主査
-
どうもありがとうございました。時間が来ておりますが、本日用意していただいた資料を一応見ておきたいと思いますので、少し延長することをお許しいただきたいと思います。
今、説明いただきました地質W3-7について、質問とか意見がありましたら、お願いいたします。駒田さん、どうぞ。
- 駒田委員
-
先ほどの説明にもあったんですけれども、砂岩と泥岩の互層の話で、まだイメージがわからないんですが、砂岩と泥岩の互層の間隔が数センチなのか数十センチなのか1mなのか10mなのかという。
それによっては、先ほどの先生の質問もあったようなんですけれども、そういう要素のモデル化に一体としてやらなければいけないのか。また、砂岩と泥岩を分けてモデル化できないのかということだったと思うんです。また、斜面のすべり勾配が10度だったですか。それについてのそういうイメージがちょっとわからないんですね。それを説明していただけますか。
そのイメージを探したんですけれども、資料W3-3の22ページ、これは断層のスケッチなんですが、これは間隔で行くと、スケールが書いてあるんですが、これは縦横比はこれで同じなんですね。
ということは、互層の間隔が数十センチ間隔というイメージでいいんですか。これはほぼ水平になっているんですけれども、斜面のところになると10度ぐらいになると。何かそういう説明図が必要かなと思いました。
- 衣笠主査
-
機会があれば、そのような図をお示しいただけるとよろしいかと思いますが、今の御質問はW3-3の22ページで数十センチの間隔で互層しているから、これは1枚ずつをFEMでやるというわけにはいかないから、やはり砂岩と泥岩の互層ということで扱ってもいいというふうな意見でしょうか。
- 駒田委員
-
ただ単に比が3対7というだけではなくて、どういうイメージの互層なのかということです。
- 衣笠主査
-
ありがとうございました。
ほかに御質問はありませんでしょうか。日比野先生、どうぞ。
- 日比野委員
-
28ページの6のところです。岩石試験に基づいた物性値を用いることについての1番目の理由が、有限要素法の要素内の応力が均一だから岩石試験の結果を用いていいというのは、適切ではないと思います。
有限要素法でも方法によっては要素の中でひずみを変化させて、応力も変化するという解析手法もあります。岩石試験と岩盤試験結果が同じですから3番目は言っているわけで、これを1番目に持ってくればよいと思います。
- 説明者(藤井)
-
記載を見直させていただきます。
- 衣笠主査
-
ほかにございませんでしょうか。
伊藤先生、どうぞ。
- 伊藤委員
-
今、日比野先生がおっしゃったのはそのとおりだと私も思いますので、直した方がいいと思います。
あと、I-8の図2というところで、これはタイトルが側圧と三軸圧縮強度の関係という形で書いてあるんですが、その図の左側の方で斜めに点々というのがございます。これは三軸試験の結果ではなくて、圧裂ではないですか。だから、このタイトル自体も表現の仕方がおかしいので、直された方がいいと思います。
- 説明者(深谷)
-
わかりました。修正させていただきます。
- 衣笠主査
-
どうぞ。
- 安達委員
-
お願いがあります。地盤の物性評価を行う際に採取時の試料の乱れというのは、物性評価の結果にかなり影響を与える場合があります。できれば具体的な採取方法を書いていただければと思います。
- 衣笠主査
-
それはお願いをすることにしまして、どうぞ。
- 吾妻委員
-
I-27ページのテーブルの中で、平均を取れば確かに強度比はこういった数字になるんですけれども、弱層部の中で初期軸差応力が0.33のところだけ値が小さめになっているかと思うんですが、それについて何でこういうような小さな値が出たのかというところで御説明いただければと思ったんです。
- 説明者(藤井)
-
確かに0.33のところが若干小さめにはなっておるんですけれども、特にここだけ試験方法を変えたとか、そういった条件の変更等もしておりませんので、ばらつきの中におけるたまたま小さいものが出たのかなという解釈はしておるんですけれども、全体で見れば、ほとんどが1を上回っておりまして、平均を取れば1.32ぐらいの強度比があるということであります。
- 衣笠主査
-
そんなことでいいでしょうか。ばらつきかなと思いつつ見ていたんですけれども。
ほかに御質問と御意見はありますでしょうか。
それでは、もし後で気づかれたら事務局の方に連絡をしていただくということにしたいと思います。本日、各委員からありました御指摘については次回以降のワーキンググループにおいて、中部電力または事務局の方から御回答をお願いしたいと思います。
予定の時間を少し過ぎてしまいましたが、本日の審議を終了したいと思います。
最後に事務局から今後の予定等の事務連絡がありましたら、お願いしたいと思います。
- 川原耐震安全審査室長
-
本日は長時間御審議いただきまして、ありがとうございました。
本日の資料につきましては、いつものとおり送らせていただきたいと思います。
次回の開催日程につきましては、事務局においてスケジュールを調整の上、また連絡させていただきます。
事務局からは、以上でございます。
- 衣笠主査
-
それでは、どうもありがとうございました。
以上をもちまして、第3回「地質・地盤WG」を閉会したいと思います。ありがとうございました。
以上
